. ツリー表示 . 番号順表示 . 一覧表示 . 新規投稿 .
『投稿小説』に関する質問 ←ここをクリック    読みまくれ1  読みまくれ2  著者別  練習
カテゴリー別検索 ツリー内検索 過去ログ検索 ▼MENU
<<< BACK 3 / 5 NEXT >>>

35187Re:ドラスレ! 15kou 2010/8/22 20:01:30
記事番号35186へのコメント

 お久しぶりです。とーるさん。kouです。
>「怪我は治ったんですけど……息苦しいかと思って……その、
> フードと口布を取ってみたら……」
 岩だった……。(ひどい言い方)
>「この方……ゼルガディスさんって……女性だったんですよ!!」
 え! そっち!
>「そっちか!?」
>
>
>アメリアの叫びに俺は思わずコケた。
>確かに、顔つきやマントを取った体つきからして、女だと分かる。
>考えてみれば、岩にも等しい重そうな身体のゼルガディスを
>アメリアが一人でも抱えられたくらいだったからな。
>
>
>「だって、隠してたってことは見られたくなかったんでしょうし」
 隠していたのは、性別じゃなくて岩肌とかじゃないのか?
>「まあ、別に悪気があって見たわけじゃないんだから……
> 仕方ないことだとは思うが……」
 それに、隠していたのは別のことだろう。と言った気分でしょうね。
 アメリアのすっとンきょんな言葉に、笑い転げました。続きを楽しみにしています。以上、kouでした。

35186ドラスレ! 15とーる URL2010/8/20 20:48:14
記事番号35097へのコメント

 




第十五話





俺たちはそのまま気絶してしまったゼルガディスを抱えて、
休憩用に作られた近くの小屋に移動した。
一応俺もリカバリィぐらいは使えるが、ここは回復魔法に特化した
アメリアに任せるのがいいだろうということで、
俺とガウリイお嬢ちゃんは備え付けられたテーブルに移る。
時刻はすでに夜になり、窓辺からは月明かりが煌々と差している。


「ねえリナ……、あの人どうするの?」

「どうするったって……とりあえず捕まえておくしかないだろ。
 色々と訊きたいこともあるし」


ガウリイお嬢ちゃんの問いに、俺は軽くそう答えた。

ゼルガディスは誰かに命令を受ける立場だった、それは誰からなのか。
レゾが言っていた、魔王復活うんぬん〜は本当なのか。

俺はだんだんややこしくなっていく事態に溜息をついてると、
ふいにアメリアが俺を呼ぶ。


「……あの……リナさん」

「ん? どうした?」

「怪我は治ったんですけど……息苦しいかと思って……その、
 フードと口布を取ってみたら……」


歯切れの悪いアメリアに眉をひそめ、俺は席を立つ。
すると、ガウリイお嬢ちゃんも一緒に俺のあとをついてきた。
俺たちはベッドの方へ足を進め――目を見開いた。

そこに寝ているのは、ゼルガディスで間違いない。
しかしその体は見るからに、人間のものではなかった。

普通なら柔らかい皮膚だろう部分が、全て岩か何か、
それに類する硬質のもので覆われている。
露出している首や指先も同じような岩肌であることから判断して、
きっと全身がそうであることはまず間違いないだろう。

一瞬だけ、魔法で造られたゴーレムだろうかとも思ったが、
先ほどまでのゼルガディスの行動を思い返してすぐに否定する。
主に仕えるためだけに造り出されるゴーレムには、
“自我”というものがないからだ。


「この方……ゼルガディスさんって……女性だったんですよ!!」

「そっちか!?」


アメリアの叫びに俺は思わずコケた。
確かに、顔つきやマントを取った体つきからして、女だと分かる。
考えてみれば、岩にも等しい重そうな身体のゼルガディスを
アメリアが一人でも抱えられたくらいだったからな。


「だって、隠してたってことは見られたくなかったんでしょうし」

「まあ、別に悪気があって見たわけじゃないんだから……
 仕方ないことだとは思うが……」

「……起きたら謝ります」


そう言ってしゅんと落ち込むアメリア。
するとその目前でゼルガディスが眉をひそめ、静かに瞳を開けた。
最初は寝ぼけたようにぼんやりしていたが、ゆっくりと俺たちを
目線だけで見回したあとに重々しく溜息をつく。
そして囁くような声で呟いた。


「腕を試させてもらう――つもりだったのに、こっちの方が
 口ほどにもなかったわけか……」

「あ」


身を起こそうとするゼルガディスに、慌ててアメリアが手を貸した。
一瞬だけ驚いたようにアメリアを見上げたゼルガディスだったが、
おそるおそるといったように手を借りながら上半身を起こす。
俺はそれを待ってから問いかけた。


「それで? こうなったからには事情の説明くらいはあっても
 いいんじゃないか?」

「――そうだな。この状態では私も逃げたりは出来ない……
 それに貴方たちも充分巻き込まれてる。知る権利くらいはある。
 ――さて、どこから話そうか……」

「まず、お前たちに命令してる奴のことからだ。結局、お前が
 ラスボスじゃないんだろ?」

「ああ……私はあいつの手駒にしかすぎないさ」

「――何者だ? そいつは」


ゼルガディスは少し顔をしかめて、ひょいっと肩をすくめた。


「貴方たちだって聴いたことぐらいはあるだろう? そのへんの
 街にいる子供だって知ってる。――現代の五大賢者と呼ばれてる、
 “赤法師レゾ”」

「レゾ――!」


ガウリイお嬢ちゃんとアメリアが言葉をなくす。
そう考えれば結構シンプルな構図だと気づきながらも、
俺はガリガリと頭をかいた。


「レゾ、ね……あいつは本物なのか?」

「やはり接触していたのか……正真正銘、ご当人さ。――世間様では
 君子扱いされているけれど、それがあいつの仮面で、裏はまったく違う。
 昔はそうじゃなかったっていう話も聞くけど、どうだか……」

「『まったく――』って言われても、俺たちには分かんないさ。
 そんな顔見てないからな」


だろうな、とゼルガディスは苦笑した。





NEXT.

35185Re:こんばんは。とーる URL2010/8/20 20:30:47
記事番号35176へのコメント

 
どうも井上さん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

主役がきっちり変わってしまっているので、
あえて敵側たちは性転換せずに書いていきました。
しかしふと考えてみれば、結構濃いキャラ集う
敵側メンバーの中で紅一点のゼルガディスでしたが(笑
これでストーリーもだいたいは中盤を越えて、
あとはクライマックスまで突っ走るのみになりました。
あのあとヌンサはリナたちが美味しく頂きました ←
ガウリイお嬢ちゃんには、このあとでもうちょっと活躍して
頂こうと思ってますのでお楽しみにお待ち下さい。

ではでは。

とーる


35184Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Ekou 2010/8/15 22:13:30
記事番号35180へのコメント

>こんばんは、kouさん。
 こんばんは。セスさん。レスが遅くなってすみません。
>>「魔竜王ガーウです」
>>『ぶっ』
>> 再度、お茶をふきこぼしてしまう面々。
>> ずごっしゃぁぁ
>>「な、何をするんだ! リナ!」
>> お茶をふきこぼしたリナは、間髪入れずにガウリィの頭をスリッパではたく。
>どうせ、ガウリイが覚えていないことを察して早めにどついたんですね(笑
 二度あることは、三度あると言いますから(苦笑)
>> ゼロスの説明で、ガウリィは
>>「……ああ、思い出したぞ。でっかい悪い蜥蜴だな」
>ご当人(ご当竜?)が聞いたら、怒るぞ・・・
 ミルガディアさんをでっかいトカゲの偉い人と言う人ですからね。
>>「……蜥蜴……」
>>「ドラまたリナに喧嘩を売ったドラゴンか……」
>ああ、だから滅びたんですね(おい)
 それで、滅びたなら間抜けですね。

35183Re:白魔術都市狂想曲 116フィーナ 2010/8/14 22:55:09
記事番号35182へのコメント


>お久しぶりです、フィーナさん。
こんばんは。おひさしぶりですセスさん。
>>「めんどい」
>>即答するヴラ。
>素敵(おい)
人間同士のいざこざにつきあいきれんだろうが。(byヴラ)
>>その言葉に絶句する神官や巫女たち。
>>神聖な存在として崇められている神が、こんなものぐさだとは普通は思わんわな。
>『神』という単語に伴うイメージを、綺麗に打ち砕かれましたね、神官や巫女さんたち。
信仰の見方が変わりそうです。
>>「ここは俺が治める地じゃねぇって、何度も言ってるだろうが」
>>耳をほじほじしながら、耳にタコができちまったじゃねぇかとぼやくヴラ。
>>・・・・・・何度も、つーことは・・・・・・
>>ヴラが治めている地でも、似たようなやり取りが行われたんだろーか?
>心底、辟易しているでしょうね・・・
いいかげんにしろよと、内心うんざりしてるでしょうね。
>>けどもうちょっと、あたしに報酬を前金で返金不可とかなんとかいって全部渡すようにいって。
>>あたしがありがたくお金をもらって、王宮からとんずらしたあと、断って欲しかったな・・・・・・。
>>堅実的かつ、実用的なプランを提供する前に断るんじゃない!(八つ当たり)
>それって世間一般では「単なる詐欺」って言うんじゃあ・・・
地方によってはそう呼ばれるけど、リナは詐欺じゃないって押し通しそう。
>>「人に限らず生を受けたものは、必ず終わりを迎える。
>>老いから来るのもあれば、病で倒れる者もな。この世にある当然の理を、何故俺が干渉し、捻じ曲げなければならない?」
>>「そんな!? 子供や敬愛すべき方。情のあるものを助けたいと思わないのですか!?」
>>「知識としては理解できるが、行動を起こすとなると納得できねぇな。
>>俺たちと魔族同様。俺たちとてめぇらの間に、あいまみえない部分ってのはどうしたってあるんだからよ」
>>「神とは我らを助けてくれる偉大な存在ではないのか?」
>すがすがしいくらいに、ご都合主義的な勘違い・・・
>なんつーか・・・
>今回のお話を読んでいると、魔族のほうがある意味で純粋のように見えます。
魔族はまだ目的がはっきりしているんですよね。
人間の思惑、目的のために手段を選ばない人がどう動くか。

35182Re:白魔術都市狂想曲 116セス 2010/8/13 20:31:59
記事番号35181へのコメント

お久しぶりです、フィーナさん。

>
>「どうかこの地に留まりください!」
>
>「めんどい」
>
>即答するヴラ。
素敵(おい)
>
>その言葉に絶句する神官や巫女たち。
>
>・・・・・・まあ。
>
>神聖な存在として崇められている神が、こんなものぐさだとは普通は思わんわな。
『神』という単語に伴うイメージを、綺麗に打ち砕かれましたね、神官や巫女さんたち。
>
>「せめて一年。それがいやなら一ヶ月でもいいので!」
>
>「ここは俺が治める地じゃねぇって、何度も言ってるだろうが」
>
>耳をほじほじしながら、耳にタコができちまったじゃねぇかとぼやくヴラ。
>
>・・・・・・何度も、つーことは・・・・・・
>
>ヴラが治めている地でも、似たようなやり取りが行われたんだろーか?
心底、辟易しているでしょうね・・・

>けどもうちょっと、あたしに報酬を前金で返金不可とかなんとかいって全部渡すようにいって。
>
>あたしがありがたくお金をもらって、王宮からとんずらしたあと、断って欲しかったな・・・・・・。
>
>堅実的かつ、実用的なプランを提供する前に断るんじゃない!(八つ当たり)
それって世間一般では「単なる詐欺」って言うんじゃあ・・・
>
>「人に限らず生を受けたものは、必ず終わりを迎える。
>老いから来るのもあれば、病で倒れる者もな。この世にある当然の理を、何故俺が干渉し、捻じ曲げなければならない?」
>
>「そんな!? 子供や敬愛すべき方。情のあるものを助けたいと思わないのですか!?」
>
>「知識としては理解できるが、行動を起こすとなると納得できねぇな。
>俺たちと魔族同様。俺たちとてめぇらの間に、あいまみえない部分ってのはどうしたってあるんだからよ」
>
>「神とは我らを助けてくれる偉大な存在ではないのか?」
すがすがしいくらいに、ご都合主義的な勘違い・・・

なんつーか・・・
今回のお話を読んでいると、魔族のほうがある意味で純粋のように見えます。

35181白魔術都市狂想曲 116フィーナ 2010/8/12 18:57:29
記事番号35153へのコメント


数人がかりで運ばれるアレンをよこめに、アメリアは言った。

「多くの方には、色々尋ねたいこともあるかと思います。
それにつきましては、後日。王宮にまで足を運んでください」

「恐れながらアメリア姫!」

貴族の一人。水面下での出来事を知らされていないのだろう。

戸惑いと興奮がないまぜになった様子で口を開いた。

「先ほどあの神官の詩! あれはいったいなんなのですか!?
なんといっているのかはわかりませんでしたが、旋律にも似たあの詩に、何か心当たりはあるのでしょうか!?」

「・・・・・・詳しいことはわたしにも。
ですが、一部の方々はそれを掴んでいた節があるのは確かなこと。それを踏まえ、後日王宮へ足を運んでいただければと」

「あれほど強大な力を、目の当たりにしたら是が非でも欲しい!」

遠くから別の声が追い討ちをかける。

広がる同意の声。

なるほど。扇動か。

この日まで隠蔽し、力を見せ付けられた人の心理をたくみについた作戦である。

しかしそれはアレンも想定していたこと。

「まってみんな!」

あたしは声を上げ、みんなの注目を集める。

「よく思い出して! 彼はその直後意識を失い搬送されたわ!
ならもしそれをあたしたちが使ったら、彼と同じようになるのが関の山じゃないの!?」

ざわっ・・・

不安げに揺れる空気を見逃さず、あたしは続けた。

「あたしたちが同じように使ったら、それが命を脅かす危険性があったからじゃない?」

むろんそんなわけはない。

アレンを蝕む魔王の呪いの力と、彼が使った神の力が反発しあい、その反動でアレンは倒れたのである。

あたしたちがそう遠くないうちに、神の力とやらを使える日がやってきたとしても。

魔力の行使による減退はあれど、意識不明になってぶったおれることはまずないだろう。

呪いのことを王宮の利用しようとした人間が、知らないことを逆手にとって。

知っているのは、あたしたちだけである。

とはいうものの、人のキャパシティで使える神の力というのは、竜族などに比べるとはるかに少ない。

まあ。それをこの先それを突き詰めていくのは、彼女たちが負う事になりそうだ。

あたしの言葉を受け、アメリアはまるであたしがそういうのを待っていたかのように、現在知りうる限りのことを説明していった。

神の力について。

その危険性の有無の確認。

アレンが何故それを知っていたのかというアメリアたちの疑問は、当然あがった。

・・・・・・あたしにお鉢が回ってきそうな予感がひしひしとしたんで、てきとーに言葉を濁したけど。

めんどくさい事情説明なんぞ、まっぴらごめんである。

王宮の肩こるような延々続く手続きを、なにが悲しゅうてやらなければならないのか。

アレンにしてみても、呪いの事を始め、正直に申告するほど愚かではない。

めんどくさそうな背景を、王宮に言ってやるほどの義務もないと思ったからこそ、さいごまで隠し通していたわけで。

王宮にしてみても、アレンを利用する気満々だったのだから、お互い様な感じがするのだが。

「さーてと。魔の因子と汚された魂。
まだ残り香程度あるが、これなら俺の中で消滅するのも時間の問題。
これで貸し借りはなしになったんで、俺もぶらり旅に戻るとしますかねぇ」

こっきんこっきん肩をならし、ヴラはのんきな口調で言った。

人々の喧騒を、煩わしげに聞きながら。

「んじゃあな」

ひらひら手を振り、踵をくるりと――

「お待ちください! 火竜王様!」

「うんわ目敏い」

一人が上げた声に、ヴラはヤな顔して立ち止まった。

逃がしてなるものかと、無謀なことに包囲網を狭めようとする貴族や兵士。

「どうかこの地に留まりください!」

「めんどい」

即答するヴラ。

その言葉に絶句する神官や巫女たち。

・・・・・・まあ。

神聖な存在として崇められている神が、こんなものぐさだとは普通は思わんわな。

「せめて一年。それがいやなら一ヶ月でもいいので!」

「ここは俺が治める地じゃねぇって、何度も言ってるだろうが」

耳をほじほじしながら、耳にタコができちまったじゃねぇかとぼやくヴラ。

・・・・・・何度も、つーことは・・・・・・

ヴラが治めている地でも、似たようなやり取りが行われたんだろーか?

「大体てめぇら人間が、俺を縛れるわけねぇだろうが」

「ご意見はごもっともです! ですが我等が国のため、どうか!」

「そんで戦争でもふっかけるつもりか?」

「とんでもない! 世界の平穏を望む志は同じです」

「長い目で見ればそうなる。清廉潔白な存在なんているか」

冷淡に吐き捨てるヴラのセリフに、食い下がっていた男も言葉を失った。

「人間誰しも、何らかの欲を持ってる。
別にそれが悪いわけじゃねぇ。欲望を願いと言い換えることもできるな。
欲がなければ、発展も進化もない。だが行き過ぎる欲は破滅につながる。歴史はそれを雄弁に語ってるだろ」

「では・・・・・・せめて、病に臥せっている陛下の病を取り除いていただきたい。勿論それなりの報酬を」

報酬の言葉に、あたしは心揺れた。

王宮のかなり上の人が提示するそれなりの報酬というもんが、どれほどのものなのかは推して知るべし。

「やなこった」

ぐらぐら揺れまくるあたしの心境など知るわけもなく、ヴラはばっさり切り捨てた。

・・・・・・いやまあ。

ヴラのことだから、そうくると思ったよ?

けどもうちょっと、あたしに報酬を前金で返金不可とかなんとかいって全部渡すようにいって。

あたしがありがたくお金をもらって、王宮からとんずらしたあと、断って欲しかったな・・・・・・。

堅実的かつ、実用的なプランを提供する前に断るんじゃない!(八つ当たり)

「人に限らず生を受けたものは、必ず終わりを迎える。
老いから来るのもあれば、病で倒れる者もな。この世にある当然の理を、何故俺が干渉し、捻じ曲げなければならない?」

「そんな!? 子供や敬愛すべき方。情のあるものを助けたいと思わないのですか!?」

「知識としては理解できるが、行動を起こすとなると納得できねぇな。
俺たちと魔族同様。俺たちとてめぇらの間に、あいまみえない部分ってのはどうしたってあるんだからよ」

「神とは我らを助けてくれる偉大な存在ではないのか?」

勘違いにもほどがあるその発言に、ヴラは皮肉そうに笑った。

「甘ったれんな。俺はてめぇら人間の『ママ』じゃねぇ」

35180Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Eセス 2010/8/9 00:08:00
記事番号35178へのコメント

こんばんは、kouさん。


>「魔竜王ガーウです」
>『ぶっ』
> 再度、お茶をふきこぼしてしまう面々。
> ずごっしゃぁぁ
>「な、何をするんだ! リナ!」
> お茶をふきこぼしたリナは、間髪入れずにガウリィの頭をスリッパではたく。
どうせ、ガウリイが覚えていないことを察して早めにどついたんですね(笑

> ゼロスの説明で、ガウリィは
>「……ああ、思い出したぞ。でっかい悪い蜥蜴だな」
ご当人(ご当竜?)が聞いたら、怒るぞ・・・
>「……蜥蜴……」
>「ドラまたリナに喧嘩を売ったドラゴンか……」
ああ、だから滅びたんですね(おい)

35179白魔術都市狂想曲 115フィーナ 2010/8/5 20:21:22
記事番号35153へのコメント

地下牢でアレンはあたしに言った。

「俺は明日。王宮の思惑に沿った行動を起こします。
ですが、彼等の望む思惑通りには動きませんよ」

そりゃそうだろう。

あたしは内心、つぶやいた。

もし断れば、アレンだけじゃなく、その周囲が今まで以上に巻き込まれるのは明白だ。

すでにじゅうぶん、彼やその周辺に対し、様々な圧力がかけられている。

アレン当人には、表向きに出ていた話し。

すなわち、アメリアのことに対する事情聴取という名目での、誘導尋問や拷問。

彼は、アメリアを手にかけようとした事実を認めてはいるが、動機や背後関係には一切口に出さなかった。

想像を絶する拷問に、口を割らないアレンに業を煮やした連中が仕掛けたのが、アレン周辺への揺さぶりである。

彼の身近な同僚たちに嫌疑をかけ、神殿にいる友人たちにプレッシャーを与え、追い詰めた。

「王宮があんたを利用しているように、あんたもこの状況を利用しようとしているんでしょ?」

あたしは口を開いた。

「あんたがさっきいってた、火竜王に他の竜王の力をあわせ、スィーフィードの力を導こうとするなんて発想。
実は前々から練ってた策なんじゃないの?」

「何故・・・・・・そうおもうんですか」

「あんたが後生大事そうにしている、首のマジック・アイテムよ。
前にあんたいってたでしょ。商人のオリヴァーさんと、魔道士協会の一部でそのマジック・アイテムを作ったって。
魔道士協会内部にも、ポイズン・ダガーに精通していた連中をごまかすため、表向きジュエルズ・アミュレットの製作と称して」

「・・・・・・ええ。
ポイズン・ダガーから気取られないように製作するのに、数年の月日を費やしました」

レイスン・シティでの騒動の際、このマジック・アイテムは実に多様な働きを見せた。

攻撃呪文や補助呪文のストックは言うに及ばず。
       ヴィジョン  メギド・フレア
各場所に 隔 幻 話 と 浄 化 炎 をストックしたそれを設置し、映像を中継して、組織の存在を知らしめ、壊滅の橋渡しをつないだことなど。

あたしが以前もらったストック・ジュエルは、呪文を一気に放出するタイプのものだった。

そのため、奇襲や相手の意表をつくといった戦術には優れているが、一旦呪文を放出してしまえば、次に術をかけてやるまで何の効果もない。

相手が放った小技を吸い取らせ、防御することはできるが。

ただ術のチョイスが威力の大きいやつだと、術の一部をストックするならまだしも。

そのままためて使用しようものなら、術の負荷に耐えられず砕け散ってしまう。

アレンの首にあるのは逆。

長期間微弱に放出し続けるタイプ。これはあたしがもらったものよりあと、魔道士協会で創られたものである。

たとえば足がもげたり深い切り傷など、大怪我をしての長期にわたる治療を余儀なくされたとき。
                    デュラハン
ポピュラーなもので言えば、 死 霊 騎 士 など、指差しでかけられた死の宣告の呪いの解呪。

ようするに、長期的な治療に向いているのである。

あたしがばかすか呪文ぶちかますには、この長期間熟成な治療オンリーなストック・ジュエルものよりも。

一斉放出のストック・ジュエルのほうが、ミもフタもないがはるかに相性がいいわけであるが。

「あんたまえに、そっちのほうを完成したっていってたわよね。
あんたはオリヴァーさんのように、それを復讐に使おうとはしていない」

もっとも、アレンはオリヴァーさんのように、くわせものでもキレ者でもないのだから、ああいった凄絶な復讐劇はどう考えてもできそうにない。

「・・・・・・交換条件だったんですよ。俺とオリヴァーとの。
便宜を計るから、長い茶番劇に付き合えと」

「あの人のことだから、飴と鞭を使い分けたんでしょうね」

「実際それに見合うだけのものでしたよ。オリヴァーには感謝しています」

アレンは、静かな口調で言葉を続けた。

「もう・・・・・・それほど時間があるわけではありません。
他の所有者たちの思いに翻弄され我を失う前に、自我が保てている今のうちに、火竜王を中心に他の竜王の力を束ねスィーフィードの力を導く」

「呪いを解く勝算は? ・・・・・・っていうまでもないか。
こればっかりは、いくら理論で実証したとしてもでたとこ勝負だものね」

スィーフィードとシャブラニグドゥの力はほぼ互角。七つに分かたれたといっても闇の王の二つ名は伊達ではない。

たいするスィーフィードもまたしかり。

導けたとしても一瞬。

火竜王のほうが人間よりも力は上だから、他の竜王の力を合わせてもかき消される可能性が高い。

だが短くても、たとえそれが一瞬であったとしても、かける価値はたしかにあるのだ。

「俺は・・・・・・王宮を尊重していても、身近な人たちに危害を加えた以上、決して服従はしません」

彼は、穏やかながらも苛烈な意志を秘めた声で言った。

マジック・アイテム複数に呪文をかけて導くよりも、はるかに高い可能性。

アレンはそれにかけたのだ。







暁の光が収まり、ヴラは悠然と佇む。

視線の先にいたのは、ダークブラウンの髪を白銀に染め上げ、かろうじてその場に立っているアレンの姿。

「まさか、王宮だけでなくこの俺までも利用するとはな。
豪胆でずるいが、嫌いじゃねぇぜ。そういう青臭くて必死なやつってのは」

アレンは、うつろなまなざしで虚空を見つめた。

「・・・・・・俺は」

伸ばした腕は空をかき、ちからなく勢いを落とす。

焦点の定まらない手を、彼は他人事のように眺め。

その場にへたりこむ。

数人の兵士たちが、彼を取り囲む。

その顔に浮かぶのは疑惑と――畏怖。

「俺は・・・・・・やれるだけの事はやりました。
後悔はありません・・・・・・ですが、ただ一つの心残り・・・・・・」

憔悴した様子で、アレンは細くつぶやいた。

「ただ・・・・・・もう一度だけ・・・・・・もう一度だけ、あの人に会いたかったです・・・ね」

アレンは、ゆっくりと前のめりに倒れた。

しばし流れる静寂。

異変に真っ先に気づいたのは、アメリアの護衛に立っていたガウリイだった。

「おいっ!」

取り囲む兵士たちを押しのけ、抱き起こす。

「おい!」

「貴様何をっ!?」

兵士たちの垂加の声には取り合わず、上体を揺さぶる。

表情を変え、胸倉を掴む。

もどかしそうに上体を揺らし。

ばしぃっ!

遠慮会釈のない張り手が飛んだ。

尋常でないその様子に、ざわめきが起きる。

ガウリイはアレンの胸倉を掴み、吠えた。

「おいっ! 息をしろっ!」

マーシュ卿は、反射的に顔を上げ――

弾かれたように声を出した。

「魔法医か医者をよべっ!」

にわかにあわただしく、その場は喧騒に包まれた。

35178白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Ekou 2010/8/4 22:13:51
記事番号35159へのコメント

「赤法師レゾ=グレイワーズ。二番目の魔王の魂をもった人間の名前です」
 マントの解説にガウリィはしばらく考えて、
「おお、レゾか」
「遅いわよ……」
「そっくりさんとか、親戚関係とかはあり得ないのか?」
 クウの言葉にゼルガディスは、
「レゾの血族は俺以外、居ない。少なくとも、俺は聞いた事無いな。
 それに、服装もレゾと同じだった」
「あそこまで、赤ずくめの服まで同じなのを偶然とは思えないわね。名乗る語りなら、もっと堂々と名乗って騒ぎになっているでしょ」
 リナがうなずく。
「ゼロスはどう思うの。魔族のあんたとしては?」
「にわかには信じられない。と言いたいところですが……」
「が?」
「実は僕も見たんです」
「レゾ? それとも、フィブリゾ?」
「魔竜王ガーウです」
『ぶっ』
 再度、お茶をふきこぼしてしまう面々。
 ずごっしゃぁぁ
「な、何をするんだ! リナ!」
 お茶をふきこぼしたリナは、間髪入れずにガウリィの頭をスリッパではたく。
「どうせ、覚えてないんでしょ」
「なに! どこに、そんな保証があるんだ!」
「覚えているの?」
「覚えていないぞ」
 リナの質問にすぐさま答えるガウリィ。
「…………あんたね」
「リナさんが冥王様の作戦に重要な人物だと知って、殺そうとした方ですよ。冥王様に滅ぼされましたが……」
 ゼロスの説明で、ガウリィは
「……ああ、思い出したぞ。でっかい悪い蜥蜴だな」
「……蜥蜴……」
「ま、そんな所ね」
 ため息をつくゼロスに苦笑を浮かべるリナ。クウはクッキーを食べながら一言、
「ドラまたリナに喧嘩を売ったドラゴンか……」
「ちょっと、クウ! それどういう意味?」
 クウの言葉にリナは詰め寄る。
「で、リナはどう思うんだ?」
「リナちゃんは信じるの?」
 クウとレビに尋ねられ、リナは、
「……あたしも、信じるしかないわね。ゼロスはともかくゼルガディスは信用できるし……」
「僕は信用できないんですか?」
「だって、うさんくさいだもの。あんたの存在自体。味方としても敵としてもうさんくさい。敵としても味方としても信用できないわ。間違いなく敵と言えるのは、あんたが魔族だから。魔族の本質は信用できるけれど、人柄はすべてが信用できない。
 あんたがもし、人間だったら……あんたは敵としても味方としても信用しない相手と言った所ね」
「……ひどいですね。リナさん」
 と、ゼロスは言うがあまり気にしていない。むしろ良くおわかりで。とでもいった感じだ。
「それに……」
「それに? 何ですか? リナさん」
 アメリアに尋ねられリナは、答えた。
「あたしも見たのよ。魔王を……三番目の魔王。
 ルークの姿を……」

35177Re:原作のアメリア最高!!ウロボロ子 2010/8/1 15:56:33
記事番号35175へのコメント

井上アイ様

コメントありがとうございます! 本当にありがたいです。
フィーナ様に前コメントでご指摘いただいたとおり、細かいところがグダグダなのですが・・・突然、あの二人の会話が頭にふってきて、「ほうほう、それでどうなんの?」と自分でも思いながらPCに打ち込んでたらあんなんになりました。そっか、あのアメリアなら、ゼルの名前ぐらい知ってるよねえ、と、書き終わって思いました(笑)
そんな原稿ですが、楽しんでいただけたのなら、本当にうれしいです。

私は原作アメリアの、「リアリストな巫女姫」っぷりが本当に好きで好きで、最初アニメ見たときにはのけぞってしまったぐらいです(後日、だんだんアニメのほうのキャラも好きになっていきましたが)。
同じくリアリストのゼルガディスと、なんとなくウマがあっている感じが、下手な恋愛よりも、いろんな広がりを想像させられてドキドキしました。。。
とくに、リカバリィをいつのまにか教えていたくだりとか、のくだりですね。

すみません語りすぎました、でも原作アメリア好きの方もいらっしゃるのだと思うとうれしくて!
また何か降ってきたら書くかもしれないので、そのときはぜひお暇つぶしにでも読んでやってくださいまし!



35176Re:ドラスレ! 14井上アイ 2010/7/31 17:42:15
記事番号35151へのコメント

ルルーさんv待ってました!!
ヌンサは、性別逆転しなかったのですね(´∇`)〜З
ルルーさん登場で、いよいよ、話は佳境に入っていくのでしょうか?
怪我をしたルルーさん。ルルーさんの肌に、傷を付けるなんて、ヌンサ許すまじ!!じゃなくて(笑)そんな鱗、危なくて、誰も近付けません。
そして、ガウリイお嬢ちゃんに、怪我がなくて良かったです(*^ω^*)

35175原作のアメリア最高!!井上アイ 2010/7/31 01:56:26
記事番号35165へのコメント

初めましてm(__)m
考察力が鋭いですね。
原作のままの2人が、動いて、しゃべっている様でした。
特に、ゼルガディスもアメリアも、互いにまだ余り知らないのに、ちゃんと弁える所は弁え、突っ込む所は突っ込む。という、リナの類友(笑)らしさがあって、賑やかだけじゃない、スレイの良い所が、詰まった作品だったと思います。
アメリアが、『白のゼルガディス』を知っていた理由なんかは、そうか!とつい納得してしまう程に(^^ゞ
語録が無く、感想が浅いのは、目を瞑って頂けたら……(汗)
それでは、短く稚拙な感想失礼しました(^-^)ノ

35173Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Dkou 2010/7/25 19:42:57
記事番号35169へのコメント

>kouさんこんばんは。
 こちらこそ、フィーナさん。こんばんは
>>k 数学や現国の宿題がない分、幸せだ。
>あー。そーいえば、そんなもんもありましたっけー。
>夏休みなんて、縁遠いもんだ。学生時代を満喫してください。
 そうですね。そうします。まずは図書館だ! と、思ってます。
>>L 子供か! あんたは!
>>k 夏休みを喜ぶのは人間の義務です! 夏休みを喜ばないのは、専業主婦と夏休み中ずっと補習を受ける人間だけ!
>いや夏休み関係なく仕事してる人間も、バイトとか店員とかいるんですが。
 それでも、夏だからのお盆休みとかがありますし……。公務員も夏は休暇を取るそうです。
>>「よく似た、別人と言うことは」
>>「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
>> ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
>>「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
>> 冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
>> シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。
>ん?でも魔族は、姿かたちなんてあってなきがごとし。高位の存在は望む姿を得られるんだから。
 だとしても、わざわざフェブリゾとそっくりの姿をとる理由は無いでしょう。あのお方を怒らせたなんてことをしたんですし……。
>>「信じてくれないと思いますが……」
>>「いや、俺は信じる」
>> ゼルガディスがそう言い出した。
>>「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
>>「冥王を?」
>>「いや……レゾをだ」
>>「リナ」
>>「忘れたの?」
>> こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。
>誤字の指摘シルフィールとフィブリゾですよ。
 ……ああ! 間違えてた。うう、すみません。
 詩的ありがとうございます。
>ガウリイ相変わらずクラゲですね。リナの蹴りがまたでるんでしょうか。これなら商人とルーちゃんの出番ちかしの展開かな。
>ゼロスとSの不幸はほぼ確定っぽいですね。続きを楽しみにしています。
 はい。ゆっくりと、その姿が現れていきます。ルーちゃんはど派手に登場して、ゼロス等を凍り付かせます。

35172白魔術都市狂想曲 114フィーナ 2010/7/25 19:42:53
記事番号35153へのコメント

「いったいどうしたというのだ。一点ばかりを見て」

「聞こえなかったのですか?」

マーシュ卿が一人の神官に声をかける。

「なにがだ」

「あの声です」

「声? なにもきこえないが」

その声が聞こえない人間のほうが多いらしく、しきりに怪訝そうな顔をする。

「空耳ではないのか」

「たしかに・・・声なんぞ」

アレンは小さく息を吐く。

「・・・・・・世俗の流れを見つめ、始まりと終焉を見届ける。
理念や思想の違いによる同族同士のいさかいほど、あなたはくだらないことだと思ってるんでしょうね。特に人間同士の価値観の違いによる対立は」

独り言のように、スィーフィードの像に向かってつぶやく。

「ですがね。火竜王。
誰だって妥協したくない部分があるからこそ、ぶつかるものなんですよ」

『わからねぇな。俺らがやってる、世界の生存をかけての争いというならわからなくはねぇが』

「あのひとがいえなかった遺言を言います・・・・・・・『そう思うなら、もう少し後先考えて動け』だそうです」

初代・・・・・・俺はあの世のメッセンジャーですかと、小声で突っ込むアレン。

『生を受けた存在は、いつか滅びを迎えるのは摂理であって理だ。俺たちの力をめぐって争う先にあるのが破滅なら、滅んでしまえばいい』

「・・・・・・そうさせたくないんですよ。俺は」

マジック・アイテムの首飾りに手をかけ、アレンは言った。

『ならこのまま、不当な死を受け入れるのか?』

どこか、面白そうな声色のヴラ。

アレンは静かに、首を横に振る。

「僅かにある可能性にかけて、限られた時間の中、できることをやるだけです。
受け売りですが。この言葉がなかったら、出会わなければ俺は死を受け入れていたでしょうね」

彼は、一瞬こちらに視線を向けた。

あたしは、しっかりと視線を受け止めた。

・・・・・・彼の決意を、後押しするように。

アレンはなぞるように、首飾りに手を添える。

慈しむように。どこか懐かしむように、祈るように。

「・・・・・・力を貸してください」

周囲の雑音を静まらせ、聞きほれさせるような旋律。



―― 悠久を吹き荒ぶ
    天翔ける竜よ  ――


今まであったどれよりも、深く。

喧騒が、波を打つかのように徐々に静まってゆく。

それが、彼から紡がれ始めた。





―― 汝の息吹 ――




アレンは目を閉じ、祈りを捧げるように詩を歌う。

王宮の数人は、ひそかにほくそ笑む。

あたしは見守る。

地下牢でアレンが言った言葉を信じ。



―― 闇を切り刻む ――



上座にいるアメリアは、アレンから紡がれる言葉を、一句も聞き逃さないように耳を澄まし。

数人の神官に支えられながら、マーシュ卿は旋律を紡ぐアレンを見て。

「・・・・・・変わらないな。根底のところは」




―― 旋風の刃と成せ ――




詠唱を終えたアレンは、閉じていた目を開ける。

そして、『力ある言葉』を紡いだ。

「・・・・・・ウィン・ディスカッター」

刹那――

ごぉうっ!

突風を思わせる、激しい螺旋状の風が神殿を突き抜けた!

風の抵抗に成すすべなく吹き飛ばされるもの。

防御結界を展開し、なんとか事なきを得ているもの。

悲鳴を上げようにも、轟風の音のみが吹き荒ぶ。

アレンは力ある言葉と同時、地竜王ランゴートの力が込められたマジック・アイテムを首から外し。

赤の竜神スィーフィードの像――火竜王がいる場所に投げ入れた。

スローモーションのよう・・・・・・まるで風が意思を持っているかのように吸い込まれる。







――閃光がほとばしった。

あまりの眩さに、ほとんどの人間が思わず目を閉じる。

太陽に匹敵するほどの、眩いばかりの閃光。

光が収まり、あたしは目を開ける。

当たりに注ぎ込む光は、不思議な暖かさを宿していた。

浴びているだけで、心が洗われるような光の洪水。

他の人たちも、めをしばたかせたりなんとか目を開ける。

さすがにすこしこたえたが、視力の回復はさほどかからないだろう。

あたしは、あたりをみわたした。

多少しぱしぱするが。

あたし、そして神官たちの視線がマーシュ卿に向けられた。

蛇のように、とぐろをまいた濃い闇の残滓が、光に追い出されていく感じで霧散した。

そして、次に現れたのは人の顔。

『彼』は、腕を伸ばすようにマーシュ卿に手を伸ばす。

声無き叫びを上げるように。

親を・・・・・・無償の愛を求める子供のように。

マーシュ卿は『彼』の名を呼んだ。

「・・・・・・カイル?」

重ねるように、手を伸ばす。

カイルは、安心したかのように笑った。

そしてそのまま、光に包まれ安らかに消えていった。

朝日を思わせる暁の光が、スィーフィードの像を中心にまばゆく照らす。

まるで、スィーフィードの像自身が、輝いているみたいである。

ひときわ濃い闇と、無数の人の顔がスィーフィードの像から湧き出した。

おおおぉぉ・・・ぉぉん・・・

死霊がうめきあうような不気味な声に、数人が怖気だつ。

『眠れ。行き場をなくした魂たちよ。
そして安らかに、輪廻に入り来世を生きろ』

声に導かれるように、無数の顔は天に昇ってゆく。

あるものは緩やかに。

またあるものは、どこか名残惜しそうに。

スィーフィードの像のまえに、ぽつんと残された淀んだような闇。

暁の光をまとい、ヴラは闇に手をかざし。

「消えろ」

暁が、淀んだ闇を吹き飛ばした。

なお残ろうとする闇に、光が容赦なく焼き尽くし、霧散させる。

暁をまとったヴラは、神々しいまでの存在感を放って闇を追い払う。

ひときわ強烈な閃光が、再度神殿を覆った。

鮮烈な光が収まったあと。

そこには、いつものヴラがいた。

35171Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Dkou 2010/7/25 19:37:34
記事番号35167へのコメント


>初めましてkouさん
>今までは見るだけ見てコメントをしないで居ましたが、今回はコメントをしてみようと思います。
ありがとうございます。キマさん
>>「冥王 フェブリゾ……って、あのフェブリゾ」
>>「はい。……あの、フェブリゾです」
>
> そういえばリナはかつてガウリィと会う前に、フェブリゾにけんかを売っている発言をしていましたねw
 その時、リナはそんな伝説の魔族に関わる予定は無い。と言ってましたが……。いやはや、人生とは予定通りに行かないんですよね。
>>「なぁ」
>> ガウリィが口を開く。
>> リナは、
>>「フェブリゾってなんだっけ? て、聞いたら殴るから」
>>「…………」
>> 困ったような顔をするガウリィにリナは頭を抱えて、
>>「わかった。とりあえず、シルフィーユ。あんたが住んでいる家にでも連れて行って。たぶん、これから先人の多いところで話す内容じゃなくなると思うし。……あと、……」
>> リナは立ち上がると
>>「本当に忘れているんじゃない!」
>> ガウリィに跳び蹴りを入れたのだった。
>
> 聞いていないだろと言われたら『殴ってないでしょ』と言えるからでしょうか?
 そんな、感じですね。
>>「まず、こっちから話しとくわ。この、クウ。あたしの弟子を名乗っているけれど、それは表向きの話。実際は、依頼人のようなものよ。
>> 異世界から来たんですって」
>>「正確には、異空間からだが……」
>> リナの説明にクウはやや仏頂面でそう言う。
>>「異世界? ですか」
>>「すぐに信じてくれなんて言わないけれど、どう考えても事実。クウ、どうせ冥王の一件は知っているんでしょ」
>>「ああ」
>>「覚えていますか?」
>> マントがクウに確認すると
>>「ふ、服が!」
>
> まぁ、普通は服は喋りませんね
 喋ったら普通じゃなくなるとも言えます。
>>「あ、ごめん。言い忘れていた。クウが着ているマントは意志があって喋るわ。名前はまんま、マント。ついでに、レビは本当の姿はウサギのぬいぐるみみたいなのだから」
>>「は、はぁ」
>> まだ飲み込みきれていないようだが、惚けている場合ではないと判断したのだろう。真剣な顔で、
>>「それで、あれは三日前の時でした。宿屋のゲイルくんが行方不明になった日。わたしも探していました」
>> シルフィーユは地図を取り出すと一点を指さす。十字路になっている場所だ。
>>「ここで見たんです」
>>「よく似た、別人と言うことは」
>
> 世界には同じ顔をした人が3人いるってよく言いますからねぇ……。
> まぁ、これで他人だったとしたらはた迷惑ですが……。
 オチとしても、あんまりでしょう。何だったんだ! 思わせぶりなのは! と、怒鳴られること請け合いです。
>>「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
>> ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
>>「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
>> 冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
>> シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。
>
> 恨むなと言う方が無茶ですね。この場合は
 滅んだからこそ、あまりにも格違いの相手だったからこそ、自分で滅ぼしたかったという感情がでないだけですしね。
>>「信じてくれないと思いますが……」
>>「いや、俺は信じる」
>> ゼルガディスがそう言い出した。
>>「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
>>「冥王を?」
>>「いや……レゾをだ」
>
> またしてもコピーとかだったらはた迷惑でしょうね
 ああ、大量に創ってそうですしね。
>>「リナ」
>>「忘れたの?」
>> こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。
>
> リナの鉄拳発動5秒前というところでしょうかw
「少しは、覚えときなさい!」
 と、殴るとか……
> いつ見ても楽しめる事が出来ます。
> 乱文失礼しました
 ありがとうございます。

35170Re:はじめましてウロボロ子 2010/7/25 16:40:07
記事番号35168へのコメント

フィーナ様

おおおおおーーーっっ あ、ありがとうございます!
まさかコメントをいただけるとは思っておりませんでした。久しぶりに原作を読んでから、ぼんやりとPCに向かってカタカタ打って、いろいろ想像してニヤニヤしてから、誰とも分かち合えないなあこれ、とさみしくなって気づいたらアップしてました・・・

ものすごく深く洞察してくださって、ありがとうございます。
(はい、原作第五巻の、あの翌朝という設定でございます!)

また、「明り」のこと、スィーフィードのこと、ご指摘ありがとうございます。ほんとにおっしゃるとおりで、お恥ずかしいです……
書いたものを、ひとにお見せするからには、それぐらい絶対に気をつけなくてはいけないですよね。心の底から反省いたしました。
あと、「紅茶」じゃないですよね確か……スミマセン!

アニメ設定もかわいらしくて大好きなのですが、私は原作設定のドライでリアリストなアメリアさんがとても好もしく、また、すごい事情と性格と能力を持った4人(+たまに魔族)がいろんな事件に巻き込まれていくというのが本当にわくわくしました。ゼルガディスがリカバリィをアメリアに教えてもらったり、といったことを描写なしでさらっと原作者さまが投下してくださるたびに、「なんとなく仲間として波長があっている」ゼルアメを想像したりしてひとりで喜んでいたクチなのです。
よく考えると、スレイヤーズ世界ってそんなにお気楽でもなんでもないですよね。ゼルもアメリアも重たいものをひきずっていますし、リナやガウリイも生まれながらに強大な力のそばにある一族に生まれ、全員かなりへヴィな戦いを強いられている。
でも元気に暴れたりご飯をたべたり香茶を飲んだり盗賊をいじめたり(笑)
そういう彼らと子供のころに出会えて、よかったなあと最近思います。

楽しく読んでいただけたなんて、感激で嬉しくてどうにかなりそうです。
また何か、降ってきたら書かせていただきたいと思います。
(今度は設定間違いのないように)
長々とすみません。
ありがとうございました! 

35169Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Dフィーナ 2010/7/24 22:50:47
記事番号35166へのコメント


kouさんこんばんは。
>k 夏だ! 休みだ! 夏休み!
>L 小学生か? あんたは?
>k 数学や現国の宿題がない分、幸せだ。
あー。そーいえば、そんなもんもありましたっけー。
夏休みなんて、縁遠いもんだ。学生時代を満喫してください。
>L 子供か! あんたは!
>k 夏休みを喜ぶのは人間の義務です! 夏休みを喜ばないのは、専業主婦と夏休み中ずっと補習を受ける人間だけ!
いや夏休み関係なく仕事してる人間も、バイトとか店員とかいるんですが。
>L なら、部下Sは万年夏休みで喜んでいるのかしら?
>k …………(ノーコメント)で、では、十字路編スタート
>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>「冥王 フェブリゾ……って、あのフェブリゾ」
>「はい。……あの、フェブリゾです」
> リナの質問にシルフィーユはゆっくりと頷いた。
> 沈黙があたりを支配する中で、
>「なぁ」
> ガウリィが口を開く。
> リナは、
>「フェブリゾってなんだっけ? て、聞いたら殴るから」
>「…………」
> 困ったような顔をするガウリィにリナは頭を抱えて、
>「わかった。とりあえず、シルフィーユ。あんたが住んでいる家にでも連れて行って。たぶん、これから先人の多いところで話す内容じゃなくなると思うし。……あと、……」
> リナは立ち上がると
>「本当に忘れているんじゃない!」
> ガウリィに跳び蹴りを入れたのだった。
>
> そこは、シルフィーユの昔の家がある場所だった。
>「無理を言ってここにしてもらったんです。……街が一望できますし……」
> シルフィーユはそう苦笑を浮かべた。
>「こちらです。紅茶で良いですよね」
> そう言って、来客室に連れてくると紅茶と自分で焼いたらしいクッキーをおく。
>「まず、こっちから話しとくわ。この、クウ。あたしの弟子を名乗っているけれど、それは表向きの話。実際は、依頼人のようなものよ。
> 異世界から来たんですって」
>「正確には、異空間からだが……」
> リナの説明にクウはやや仏頂面でそう言う。
>「異世界? ですか」
>「すぐに信じてくれなんて言わないけれど、どう考えても事実。クウ、どうせ冥王の一件は知っているんでしょ」
>「ああ」
>「覚えていますか?」
> マントがクウに確認すると
>「ふ、服が!」
>「あ、ごめん。言い忘れていた。クウが着ているマントは意志があって喋るわ。名前はまんま、マント。ついでに、レビは本当の姿はウサギのぬいぐるみみたいなのだから」
>「は、はぁ」
> まだ飲み込みきれていないようだが、惚けている場合ではないと判断したのだろう。真剣な顔で、
>「それで、あれは三日前の時でした。宿屋のゲイルくんが行方不明になった日。わたしも探していました」
> シルフィーユは地図を取り出すと一点を指さす。十字路になっている場所だ。
>「ここで見たんです」
>「よく似た、別人と言うことは」
>「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
> ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
>「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
> 冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
> シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。
ん?でも魔族は、姿かたちなんてあってなきがごとし。高位の存在は望む姿を得られるんだから。
>「信じてくれないと思いますが……」
>「いや、俺は信じる」
> ゼルガディスがそう言い出した。
>「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
>「冥王を?」
>「いや……レゾをだ」
>「リナ」
>「忘れたの?」
> こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。
誤字の指摘シルフィールとフィブリゾですよ。
ガウリイ相変わらずクラゲですね。リナの蹴りがまたでるんでしょうか。これなら商人とルーちゃんの出番ちかしの展開かな。
ゼロスとSの不幸はほぼ確定っぽいですね。続きを楽しみにしています。

35168Re:はじめましてフィーナ 2010/7/24 22:20:38
記事番号35165へのコメント


こんばんは。ウロボロ子さん。
はじめましてフィーナと申します。
原作に沿ったゼルガディスとアメリアの対話。楽しく拝読させていただきました。
特に原作ではかたられなかった二人の関係性。そのような会話があった、またはありえたかもしれないとおもいました。
特にアメリアの描写は、アニメと原作では異なる部分も多いので(原作はアニメによっていった傾向あり)
タイトルどおり、ゼルガディスとアメリアが出会って翌日の朝食風景に、ほとんど初対面の二人が同じ席に着き朝食を食べる。普通初対面の人間同士が向き合っての食事なんて、気疲れしそうなものですよね。特にゼルガディスはその外見から奇異の視線にさらされることを嫌ってますから。アメリア自身はそのことは気にしてませんが。
魔力を封じられたリナが、施設に潜入し魔力を取り戻した彼女が、アメリア。そして教団とクレアバイブルをめぐり、やってきたゼルガディスと再会し目覚める前のザナッファー相手から難を逃れたその翌日というわけですね。
ゼルガディスの視点として書かれていますが、特筆すべきは互いの観察力と洞察力。
アメリアのゼルガディスに対する指摘や、ウェイトレスがくるまで「互いの」ことには触れないようにおさえるべきところをおさえる部分。
ゼルガディスがアメリアから感じ取った、明るく人懐っこいだけでなく、時折見せる狡猾な部分や王族として王位継承問題で浮上する暗殺者の名前などの必要とされる知識の背景。
それ普通の一般の人相手だったら、であって翌日の朝食で話す内容じゃない。けど、相手はゼルガディスとアメリアという互いに立場は違えど、裏事情にかかわりを持ち、あのリナと一緒に旅できるほどの忍耐の持ち主ならごく自然な会話の流れだと、類は友を呼ぶともいいますし。

二人が旅の仲間として、乾杯する場面は、違和感なく受けいられました。

少し気になる箇所を発見しました。といっても、誤字の類なのですが。
さしでがましい事かとおもいますが、もし不快に思われましたら申し訳ないです。
ライティングは「光り」ではなく「明り」。セイルーンが信仰しているのは火竜王ヴラバザードではなく、赤の竜神スィーフィードです。

ウロボロ子さんの次回作。ありましたら一読者として、楽しみにしております。

35167Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Dキマ 2010/7/24 20:46:02
記事番号35166へのコメント

初めましてkouさん
今までは見るだけ見てコメントをしないで居ましたが、今回はコメントをしてみようと思います。

>「冥王 フェブリゾ……って、あのフェブリゾ」
>「はい。……あの、フェブリゾです」

 そういえばリナはかつてガウリィと会う前に、フェブリゾにけんかを売っている発言をしていましたねw

> リナの質問にシルフィーユはゆっくりと頷いた。
> 沈黙があたりを支配する中で、
>「なぁ」
> ガウリィが口を開く。
> リナは、
>「フェブリゾってなんだっけ? て、聞いたら殴るから」
>「…………」
> 困ったような顔をするガウリィにリナは頭を抱えて、
>「わかった。とりあえず、シルフィーユ。あんたが住んでいる家にでも連れて行って。たぶん、これから先人の多いところで話す内容じゃなくなると思うし。……あと、……」
> リナは立ち上がると
>「本当に忘れているんじゃない!」
> ガウリィに跳び蹴りを入れたのだった。

 聞いていないだろと言われたら『殴ってないでしょ』と言えるからでしょうか?

> そこは、シルフィーユの昔の家がある場所だった。
>「無理を言ってここにしてもらったんです。……街が一望できますし……」
> シルフィーユはそう苦笑を浮かべた。
>「こちらです。紅茶で良いですよね」
> そう言って、来客室に連れてくると紅茶と自分で焼いたらしいクッキーをおく。
>「まず、こっちから話しとくわ。この、クウ。あたしの弟子を名乗っているけれど、それは表向きの話。実際は、依頼人のようなものよ。
> 異世界から来たんですって」
>「正確には、異空間からだが……」
> リナの説明にクウはやや仏頂面でそう言う。
>「異世界? ですか」
>「すぐに信じてくれなんて言わないけれど、どう考えても事実。クウ、どうせ冥王の一件は知っているんでしょ」
>「ああ」
>「覚えていますか?」
> マントがクウに確認すると
>「ふ、服が!」

 まぁ、普通は服は喋りませんね

>「あ、ごめん。言い忘れていた。クウが着ているマントは意志があって喋るわ。名前はまんま、マント。ついでに、レビは本当の姿はウサギのぬいぐるみみたいなのだから」
>「は、はぁ」
> まだ飲み込みきれていないようだが、惚けている場合ではないと判断したのだろう。真剣な顔で、
>「それで、あれは三日前の時でした。宿屋のゲイルくんが行方不明になった日。わたしも探していました」
> シルフィーユは地図を取り出すと一点を指さす。十字路になっている場所だ。
>「ここで見たんです」
>「よく似た、別人と言うことは」

 世界には同じ顔をした人が3人いるってよく言いますからねぇ……。
 まぁ、これで他人だったとしたらはた迷惑ですが……。

>「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
> ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
>「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
> 冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
> シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。

 恨むなと言う方が無茶ですね。この場合は

>「信じてくれないと思いますが……」
>「いや、俺は信じる」
> ゼルガディスがそう言い出した。
>「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
>「冥王を?」
>「いや……レゾをだ」

 またしてもコピーとかだったらはた迷惑でしょうね

>「リナ」
>「忘れたの?」
> こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。

 リナの鉄拳発動5秒前というところでしょうかw

 いつ見ても楽しめる事が出来ます。
 乱文失礼しました

35166白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Dkou 2010/7/23 20:59:17
記事番号35159へのコメント

k 夏だ! 休みだ! 夏休み!
L 小学生か? あんたは?
k 数学や現国の宿題がない分、幸せだ。
L 子供か! あんたは!
k 夏休みを喜ぶのは人間の義務です! 夏休みを喜ばないのは、専業主婦と夏休み中ずっと補習を受ける人間だけ!
L なら、部下Sは万年夏休みで喜んでいるのかしら?
k …………(ノーコメント)で、では、十字路編スタート
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「冥王 フェブリゾ……って、あのフェブリゾ」
「はい。……あの、フェブリゾです」
 リナの質問にシルフィーユはゆっくりと頷いた。
 沈黙があたりを支配する中で、
「なぁ」
 ガウリィが口を開く。
 リナは、
「フェブリゾってなんだっけ? て、聞いたら殴るから」
「…………」
 困ったような顔をするガウリィにリナは頭を抱えて、
「わかった。とりあえず、シルフィーユ。あんたが住んでいる家にでも連れて行って。たぶん、これから先人の多いところで話す内容じゃなくなると思うし。……あと、……」
 リナは立ち上がると
「本当に忘れているんじゃない!」
 ガウリィに跳び蹴りを入れたのだった。

 そこは、シルフィーユの昔の家がある場所だった。
「無理を言ってここにしてもらったんです。……街が一望できますし……」
 シルフィーユはそう苦笑を浮かべた。
「こちらです。紅茶で良いですよね」
 そう言って、来客室に連れてくると紅茶と自分で焼いたらしいクッキーをおく。
「まず、こっちから話しとくわ。この、クウ。あたしの弟子を名乗っているけれど、それは表向きの話。実際は、依頼人のようなものよ。
 異世界から来たんですって」
「正確には、異空間からだが……」
 リナの説明にクウはやや仏頂面でそう言う。
「異世界? ですか」
「すぐに信じてくれなんて言わないけれど、どう考えても事実。クウ、どうせ冥王の一件は知っているんでしょ」
「ああ」
「覚えていますか?」
 マントがクウに確認すると
「ふ、服が!」
「あ、ごめん。言い忘れていた。クウが着ているマントは意志があって喋るわ。名前はまんま、マント。ついでに、レビは本当の姿はウサギのぬいぐるみみたいなのだから」
「は、はぁ」
 まだ飲み込みきれていないようだが、惚けている場合ではないと判断したのだろう。真剣な顔で、
「それで、あれは三日前の時でした。宿屋のゲイルくんが行方不明になった日。わたしも探していました」
 シルフィーユは地図を取り出すと一点を指さす。十字路になっている場所だ。
「ここで見たんです」
「よく似た、別人と言うことは」
「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
 ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
 冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
 シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。
「信じてくれないと思いますが……」
「いや、俺は信じる」
 ゼルガディスがそう言い出した。
「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
「冥王を?」
「いや……レゾをだ」
「リナ」
「忘れたの?」
 こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。

35165原作寄り:ゼルガディスとアメリアが出会って翌日の朝食ウロボロ子 2010/7/23 09:09:29


「あ、ゼルガディスさん?」
食堂にいたのは一人の少女。つややかな黒髪を肩で切りそろえた、童顔の美少女だった。確か名前は…… アメリア。正義かぶれで何も考えていないように見えるが、戦闘中の状況判断、ときおり見せるシビアな言動などに、頭の良さと芯の強さをうかがわせるものがあった。リナやガウリイとどういったいきさつで一緒に旅をしているのかはわからないが、まあ変わった女のようだし、変わった事情などあるのだろう。とりあえず、俺のこの外見にも何一つ驚いた顔も疑問も呈さない時点で普通ではないが、正直そのニュートラルな態度は助かる。
「朝ごはんまだですか? よろしければこちらに座りません?」
ぱたぱたと、にこやかに右手を振りながら話しかけてくる。断る理由もないので、俺はうなずいて彼女の向かいの椅子に座った。
「リナはまだ寝てるのか」
尋ねる俺に、紅茶にがっぽんがっぽんと砂糖を放り込みながらうなずく。
「昨日、なんだかんだでかなり魔力を使ったみたいですしね。疲れてるんじゃないかしら」
「あんたはどうなんだ」
メニューを開きながら尋ねると、少女はにこりと微笑む。
「私はそれほど集中の必要な戦闘も状況もなかったので」
「あれだけの施設で、ひとりで脱出騒ぎを起こしておいて、か」
「ゼルガディスさんやリナがぶちあたったような面倒そうな敵には出くわさなかったんですもん。魔力を封じられた小娘ひとりと侮って、たいした警備はつけなかったんじゃないでしょーか」
 ウェイトレスに、モーニングセットAを頼んで、俺は向き直る。
「その、魔力だが」
「はい」
 パンケーキを優雅に、しかし見事なすばやさで切り分けながらアメリアは目だけをあげる。蒼く大きな瞳。リナの燃えるような紅い瞳とはまた違う狡猾さを秘めて。
「封じられたといっていたが・・・・・・ 完全に封じられていたのか」
「ええ。『光り』ひとつ使えませんでしたよ」
「で、今は」
「絶好調ですね。なんの支障も無い」
 そうか、とうなずいたところで俺の前に湯気をたてるオムレツが運ばれてくる。
そこからもくもくと、ただ向かい合って食べ進める時間が続いた。
 若い女と向かい合ってメシを食うことなどほとんどないが、アメリアとやらは、にこやかに振舞いこそすれ、余計な気遣いはほとんど持ち合わせていないらしく、それ以上の会話もジェスチャーも投げかけてはこない。媚態も緊張も見栄もなく食事に集中してはいるが、相手の存在は感知している。そういった態度だ。リナと一緒にいられる理由がわかる気がした。よっぽど強い自己を持っているか、あるいはガウリイのように何もかもを受け入れ、流し、認められる人間でない限り、あのドラまたと一緒に行動するなんざ不可能だ。
「いいチョイスですね」
 顔をあげると、ホットケーキを食べ終え、ナプキンで口もとをぬぐいながらアメリアがにこやかに俺の皿を見ていた。
「……ああ、このメシのことか」
「ええ! とてもふわふわでおいしそう。もし明日もここで朝ごはんを食べることになったら、わたし、それをいただこうかしら。あ、実際、味はいかがです?」
「悪くないってとこだ」
 と、突然、アメリアが身を乗り出し、くんくんと、俺のオムレツの上で鼻を鳴らす。
「見たところセイルーンのオムレツとちょっと違う風味がありそうですねー」
「ああ、アトラスでよく使われる香草が入っているようだ。……あんた、セイルーンの出身なのか」
「あ、そういえばちゃんと自己紹介してませんでしたね」
 にこりと微笑むとアメリアは、普通のトーンで、にこやかに言った。
「私、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンと申します。セイルーンの火竜王神殿で巫女頭やってます。よろしくお願いします! で、ゼルガディスさんはどちらのご出身ですか?」
「ああ、俺はどこかといえるような故郷も…… ってちょっと待て」
 名前の最後につくセイルーン。
あの白魔法大国・火竜王信仰総本山の巫女頭。
そのふたつの条件が導き出す答えは……
「あんた……まさか」
一応これでも、国際情勢には最低限通じている。そういう立場でそういう苗字の人間がどんな立場のどんな存在か聞いたことがある。目の前の女はその立場でそういう苗字だという。そんなわけあるか。いや、しかし、俺の本能が言っている。この女は嘘をついていない。第一リナとガウリイの仲間だ。多少変な素性でも、こんなところにいるわけがない存在でも、いるかもしれない。あいつらのいる世界に常識なんぞない。そしてそんな奴らにまたしてもぶちあたり、関わっている俺だって、まあ言ってみれば裏の世界の有名人で、実の祖父である某聖人に合成獣にされたという、ちょっとどころかとんでもなく妙な素性の持ち主だ。
俺はこめかみを指で支え、気が進まないながらも訊くことにした。
「つまり、あんた、セイルーンの第二皇女か?」
「はい」
 あっさりとうなずくと、アメリアはテーブルの端にたてかけてあったメニューをとり、おもむろにデザートのページをめくる。
「……なんでまた、お姫さまがこんなとこにいるんだ?」
「そりゃもう、正義を広めるためですよ。あ、私今からウェイトレスさん呼んでデザート頼みますけど、ゼルガディスさんも何か頼みます?」
「いらん」
「そうですか。じゃ、ちょっと注文の間だけ“お互い”素性のお話はナシにしましょうね」
 元気よくウィンクをすると、さっと手をあげて、ウェイトレスを呼ぶ。俺は思わず苦笑をもらした。
『お互い』か。なるほど。
 プリン・ア・ラ・モードとかいう特大のデザートを頼み終え、ウェイトレスが厨房にひっこんだのを見届けると、アメリアは大きな蒼い瞳を猫のように輝かせて、ささやき声で言った。
「今度は私の番です。“白のセルガディス”って、あなたですか?」
「ああ」
 俺はアメリアにまっすぐ視線をかえす。アメリアはでっかい目をますますでかくして俺を見つめている。恐れを知らない小動物のようなその姿に、思わず苦笑がもれた。
「それにしてもあんた……単刀直入だな」
「あなたはリナの友達でしょう? じゃあ、まわりくどく言っても仕方ないかな、と」
「俺のことなんざ、どこで知ったんだ?」
「名のある魔道士や剣士、暗殺者の名前や噂には常に目を光らせていました」
「お姫さまに必要な知識とは思えないが」
「それが意外と、必要なんですよね」
 少し乾いた笑みを浮かべて少女は言う。そこではじめて、聖王国といえどもセイルーンはお家騒動が絶えず、フィリオネル王子の暗殺未遂など数々の血なまぐさい事件がおきたことを思い出した。アメリア第二皇女は、グレイシア第一皇女の失踪後、フィリオネルの唯一の子のはずだ。目の前で屈託無く紅茶を飲み、屈託無く笑い、話す少女が、肉親同士で命を狙いあう環境にずっといたことが、急に実感された。
「なるほど。王族ってのも大変なもんなんだな」
 思わず漏れた俺のつぶやきに、アメリアは「誰の人生だって大変なものですから」と大人びた表情で答えた。確かリナより2,3、年下のはずだったが、そうはとても見えないまなざしだった。
「あなただって、大変な人生を送ってらっしゃるわけでしょう? ゼルガディスさん」
「まあな。リナから聞いたか」
「あらかたは。といっても、あなたの生まれ育ちは知らないわ。ただ、あなたの体がどうしてそうなったかは聞いた。あなたがそれを元に戻す術を探していることも」
 楽な相手だ。俺はそう思った。
「ああ。ダメでもともとで聞いてみるが、あんたはこういったものの治療方法は」
 アメリアは首をふった。それから、ごく適切な、少しだけすまなそうな表情を浮かべて言った。
「現在、私たちの使える白魔術では、解毒や復活がせいぜいです。あと、巫女の私に許されているのは『カン』というか…… 何かを知らされる力だけ」
「そうか」
「すみません」
「気にするな。ダメでもともとで聞いた、と言ったろう」
 俺は紅茶のカップをもちあげ、アメリアのほうに少しだけ寄せた。それから不思議そうな蒼い双眸に、にやりと笑って見せてやる。
「ま、しばらく一緒に動くことになりそうだ。よろしくな、お姫さん」
 アメリアは一瞬だけきょとんとしてから、にっこりと笑顔を浮かべた。
「アメリアと、呼んでください。ここは旅の空ですから」
「わかった、アメリア」
「よろしくお願いします、ゼルガディスさん」
 アメリアも紅茶のカップを持ち上げた。俺たちは軽くカップをあわせて、静かに乾杯した。


35163Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Ckou 2010/7/20 20:44:09
記事番号35161へのコメント


>こんばんは、kouさん。
 こんばんはセスさん。
>>「……わざわざ、ゼロスの悪口を言い合うために来たのか? この人」
>リナといい、アメリアといい、スレイヤーズの女性陣は言うことが結構キツイですね(笑
 アメリアは悪気無くずばずば言うし、リナは平気で悪口言うし、シルフィーユはかわいい顔して結構きついことを言うですよね。
>>「わたし、見たんです。一週間前に……」
>>「誰を?」
>>「……冥王、フェブリゾを……」
>> シルフィーユの言葉に全員が絶句した。
>あのインケン魔族(笑)が化けてでてきたんでしょうか・・・?
 化けて出る……。なんか幽霊みたいだ……。
>続きを楽しみにしております
 設定では、さらにとんでもない方々が続々登場する予定です。
 あと、ルーちゃんが出る予定です。楽しみにしてください。


35162Re:白魔術都市狂想曲 113フィーナ 2010/7/18 19:08:34
記事番号35160へのコメント


>こんばんは、フィーナさん。
こんにちは。セスさん。
>>「そうとも。死刑でもなんでも、我等が決めたことこそが正義となるのだ」
>>「何十人、何百人殺してもそれが国家のためならば、それは尊い犠牲と呼ばれるのだよ」
>そういうこと平気で言う人間って、自分がその『尊い犠牲』とやらになる可能性を綺麗に忘れ去っているようですが・・・
まあ。そういう連中に限らず、自分のみに危険が及ばないように、いろいろ保険とかかけてますからね。
アレンもアメリアを手にかけようとした事実を、事実として認めているから。彼が呪いの事を黙っているのは、身内を守るためでもあります。
王宮が欲しいのは神の力であって呪いではありませんから。みてわかるように王宮は、様々な手段を用いて聞き出そうとしています。
同僚たちにいらぬ嫌疑をかけて陥れようとしたり、神の力を得るため、他国にいる弟を呼び出してトレードの材料にしようとしたり。
正直に申告なんかしたら、利用価値がなくなった&国の安定をまもるためってことでどうなるか。
国には諜報員をはじめとする暗部があるから、アレンだけでなく、関係ある人たちを闇に葬ることなんて造作もない。
>>「それとも、わたしのいうことは正しくない。つまり正義ではないと?」
>>かわいらしく首をかしげ、無邪気に尋ねるアメリア。
>>・・・・・・アメリア。
>>なかなかキツい手段を使うなー。
>原作4巻でもそういう一面がありましたよね。
あれー。あんまり駆け引きうまくかけてない。
アニメではアメリアのドライな部分って絶対できないから。書きたいことが多すぎる。

35161Re:白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Cセス 2010/7/17 22:50:07
記事番号35159へのコメント

こんばんは、kouさん。

>「あの、うさんくさい笑顔コンテスト優勝候補で、チャイナドレスを着たりしてお茶目と思わせ解いて、三日放置しといた生牡蠣よりもろくでもない……」
>「リナさん。僕をどういう風に説明したんですか?」
>「三日前に放置とした生牡蠣云々はアメリアよ」
>「ああ、ひどいです。リナさん。うさんくさい笑顔コンテストの他にも害虫そっくり男コンテストでも優勝できると言っていたじゃないですか!!」
> 責任のなすりつけあいの結果出てくる悪口に、机の下でのの字を書くゼロス。
>「……わざわざ、ゼロスの悪口を言い合うために来たのか? この人」
リナといい、アメリアといい、スレイヤーズの女性陣は言うことが結構キツイですね(笑
>「わたし、見たんです。一週間前に……」
>「誰を?」
>「……冥王、フェブリゾを……」
> シルフィーユの言葉に全員が絶句した。
あのインケン魔族(笑)が化けてでてきたんでしょうか・・・?
続きを楽しみにしております

35160Re:白魔術都市狂想曲 113セス 2010/7/17 22:36:33
記事番号35158へのコメント

こんばんは、フィーナさん。
>
>「そうとも。死刑でもなんでも、我等が決めたことこそが正義となるのだ」
>
>「何十人、何百人殺してもそれが国家のためならば、それは尊い犠牲と呼ばれるのだよ」
そういうこと平気で言う人間って、自分がその『尊い犠牲』とやらになる可能性を綺麗に忘れ去っているようですが・・・
>
>「それとも、わたしのいうことは正しくない。つまり正義ではないと?」
>
>かわいらしく首をかしげ、無邪気に尋ねるアメリア。
>
>・・・・・・アメリア。
>
>なかなかキツい手段を使うなー。
>
>どうも彼女。時々ドライな一面を見せる。
原作4巻でもそういう一面がありましたよね。


35159白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 Ckou 2010/7/17 20:34:09


「久しぶりだな。シルフィーユ」
「はい。ガウリィ様も、お元気そうで」
「あの……どなたですか」
 ガウリィとシルフィーユの会話にクウが割ってはいる。
「あ、そういえばえっとあなたとそこの女性に、もう一人、神官様は初対面ですね」
『神官?』
 シルフィーユの言葉に全員が怪訝な顔をして
「ああ。ゼロスの事ね」
 と、リナがようやっと気づく。
(そういえば、シルフィーユはゼロスと面識がなかったけ)
「えっと、こっちは……あたしの弟子と名乗っているクウよ。その隣の、白髪のがレビ。で、神官が……」
 リナが言い方に困る。前に、冥王フェブリゾとの戦いでゼロスのことを話した。シルフィーユが目の前の神官がそのゼロスだと知ったら……。
「謎の神官ゼロスと申します」
 人が戸惑っていることに気づかずに、もしくは気づいていておもしろくしようと企んでか……。
「ぜ、ゼロス!」
 ゼロスが名乗ったことによってシルフィーユは顔を肌色から青色へそのまま白へと変化させる。
「ぜ、ゼロスというとあの、冥王の手下として同行していたあのゼロス」
「ああ。あの一軒に関わっていましたね。あなた」
「あの、うさんくさい笑顔コンテスト優勝候補で、チャイナドレスを着たりしてお茶目と思わせ解いて、三日放置しといた生牡蠣よりもろくでもない……」
「リナさん。僕をどういう風に説明したんですか?」
「三日前に放置とした生牡蠣云々はアメリアよ」
「ああ、ひどいです。リナさん。うさんくさい笑顔コンテストの他にも害虫そっくり男コンテストでも優勝できると言っていたじゃないですか!!」
 責任のなすりつけあいの結果出てくる悪口に、机の下でのの字を書くゼロス。
「……わざわざ、ゼロスの悪口を言い合うために来たのか? この人」
 クウがそうつぶやくと、シルフィーユはここに来た目的を思い出したのだろう。
「すみません。話がそれていました。リナさん達がこの街に来ていることを聞いて、実はご相談があったんです」
 と、シルフィーユは語り出した。

 とある賢者が作り出した己のコピーフォムンクルスの暴走。
 それによって、サイラーグは神聖樹フラグーンとシルフィーユ以外を残して住民も待ちも一夜にして消えた。
 そして一年もたたないうちに新たな街が生まれた。
 魔王の腹心の一人、冥王フェブリゾが作り出した死霊都市。
 冥王の邪気によって破壊された神聖樹。
 他にも事件があった土地でまた新たに作られていくサイラーグ復興。
 それに壊滅する前に街を仕切っている形だった司祭の娘として、責任ある立場にシルフィーユはいた。
 異常現象と魔族大量発生事件もなぜかサイラーグ周辺は比較的被害は少なかった。
 その話を聞いたとき、リナは内心納得していた。
 魔族達もいくら何でも、魔王のそばで暴れるのは恐れ多かったのだろう。と……。
 皮肉な話に、リナは苦笑を浮かべていた。
 一朝一夕で最高はされなかったが、長い時をかけてゆっくりと再考して言っていた。
 今は、なんとか街と呼べるまでに整っていた。だが、
「行方不明?」
「そうなんです」
 シルフィーユが切り出した問題に、リナは怪訝な声を上げ続いてクウをちらりとみて、すこし戸惑った顔をする。
「えっと、あと、これは個人的な事なんですが……」
 クウを見て言おうとして口をつぐむ。
「ああ。クウは大丈夫よ。信用がおける」
 リナの言葉を聞いても、まだ多少悩んだが意を決したらしい。
 声を潜め、辺りを見回して
「わたし、見たんです。一週間前に……」
「誰を?」
「……冥王、フェブリゾを……」
 シルフィーユの言葉に全員が絶句した。

35158白魔術都市狂想曲 113フィーナ 2010/7/15 22:06:03
記事番号35153へのコメント


セイルーンの王宮にある神殿は、厳かな雰囲気で満ちていた。

ヴラがこの地にいるための影響なのか。

ほとんどの者が寝静まっているこの時間。

大祭司を始め、各関係者たちが神殿へとやってきた。

火竜王がいることは、暗黙の了解となってはいるが、やはりそう簡単に受け入れられない人間も多い。

一般の人には、そのことは伏せられている。

公開されることもある神殿だが、今回ばかりはそうもいかない。

神殿を取り囲むよう、警備の人間がびっしりと配置されている。

出入り口は言うに及ばず、神官と巫女の詰め所にも厳重な目を向けており、出てくる神官や巫女のチェックも怠っていない。

明かりがともっているとはいえ、まだ薄暗い神殿の中。

あたしたちは、アメリアたちの護衛という形でここにいる。

数人の文官たちと話しをし、耳打ちをして指示を飛ばすアメリア。

一礼をし、忙しそうに飛び交う人々。

その一角。数人の神官たちに囲まれて、マーシュ卿も顔を出している。

神官が数人がかりということは、彼は治療しながらの出席らしい。

手近な若い神官に声をかけ、腰に手を回し・・・・・・

おでこに唇を寄せられ、若い神官は慌てて身を引く。

長身でルックスもそれなりに整っている彼から、人目を気にして顔を背ける。

・・・・・・どーやら嫌がってるのではなく、単に照れてるだけみたいである。

顔を赤らめながらも、マーシュ卿からはなれていく様子はない。

他の神官たちの表情は、呆れるやら面白がるやら、リアクションはそれぞれ違う。

どうも、彼を取り巻くあの神官たち。

マーシュ卿のあのルックスだか色気とかに、免疫がついてしまったのか。

・・・・・・あるいは、彼の毒牙にかけられてしまったのかは定かではない。

彼が節操なしという説も、あるにはあるが。

・・・・・・もーすこし、人目を気にしろよ。

相変わらずだなーあの男も。

そんな彼に声をかける、ずいぶん年配の中年男性。

マーシュ卿はその男性――おそらく貴族か、仕事関係の人間なのだろう――その手をとって挨拶していたりする。

この辺は、さすがに貴族の端くれといったところか。

みるとその端々では、同じような光景が見受けられる。

招待された人間たちは、指定された席へと着席していく。

戴冠式など、国の儀式のとき、この神殿は使われる。

祀ってあるスィーフィードの像が、そこにある人々を見渡しているような気がした。

白々とした朝日が顔を出し始める。

新しい朝の始まり。夜明けである。

王宮の誕生を飾るステンドグラスが、日の光を地面に鮮やかな色を映しだす。







儀式は滞りなく始まり、滞りなく進んだ。

おかしなそぶりを見せないように、みせたら取り押さえられるように兵士が二・三人。

そして、佳境にさしかかろうとしたそのとき。

一人が立ち上がって叫んだ。

「王族を手にかけようとした罪人なぞ、さっさと死刑にしてしまえ!」

おそらく貴族の一人だろうか。

アレンを指差し、吐き捨てた。

「どうせもうそいつに明日はないんだ! さっさと失敗して恥を見るのが関の山だ!
我々のような王侯貴族や王族の忙しい時間を割いてまで、みせるものではないだろうがっ!」

事情を知らされていない何人か、不満を抱えた数人がそれに同意し始める。

「そうだ!」

「早朝に起こされる、我々の立場になってもらいたいものだな」

爆発しそうになった空気を収めたのは、ずいぶん年老いた老人だった。

「まあ。みなの怒りももっともじゃが、ここはこの老いぼれに免じて、その怒りをお納めくだされ」

「し・・・・・・しかしですなぁ」

「怒りを納めよ、といってるのじゃが?」

口調の温厚さとは裏腹に、『ワシのような』と表現したほうがしっくりくるような。

眼光の鋭さに、慌てて口を閉ざす貴族たち。

「処刑は明日。それまでは、最後の足掻きということで見守ろうではないか」

別の一人がそれに続ける。

「そうとも。死刑でもなんでも、我等が決めたことこそが正義となるのだ」

「何十人、何百人殺してもそれが国家のためならば、それは尊い犠牲と呼ばれるのだよ」

「まるで犠牲の上に立っていると聞こえるけど?」

そういったのはアメリア。

「いかにも。アメリア様や殿下。
あなたがた王に連なる方々のお言葉こそが意味となり、あなた方こそが正義なのです」

「我らはあなた様。王族の方の手助けをするもの。
それが国のためとなるのなら、我らはいかなる道でも歩きましょうや」

それは裏を返せば、地獄へ堕ちてもいいといっている宣告でもあった。

その手段はとにかく、国への忠誠は本物ではある。

「・・・・・・そのほうらの忠義。大儀ではある」

「もったいなきお言葉でございます」

深々と、頭をたらす。

「ならば誓って、わたしを陥れようとはしないか」

「滅相もございません。アメリア姫」

「我らは御身のみを案じることあれど、陥れようとは露ほどには思っておりませぬ」

「そうか。だがわたしは王族である前に巫女頭を務めている」

「存じておりますが」

「わたしは多くの巫女を抱える身でもある。
一時は我がおじの代理で、神官長とも兼任していたことはそなたらも知っているな」

「もちろんでございます」

「今は他のものが要職についてはおるが、それでもわたしと彼らに結ばれた信頼はたやすく切れない絆の糸となっている」

なにをいいたいのかわからず、首を傾げるもの。

アメリアはかまわず続けた。

「巫女たちが抱える悩みはわたしの悩み」

「違いありませんな。
巫女たちを統べるということは、その悩みを共有することで、少なからず道のりを示すことでもあるのですから」

「そしてまた、彼らを陥れることは、わたしを陥れるのと同意語だということでもありますよね?」

「そ・・・・・・それは」

一人が口ごもる。

よーやく気がついたみたいである。

アメリアがいったのは、つまりこう。

たわごとにしか聞こえないことでも、彼女と他人を結びつけることで、自分を疑っているのかと遠まわしにいっているわけである。

どう考えても、無茶な屁理屈。

・・・・・・こじつけにしか聞こえないが。

「それとも、わたしのいうことは正しくない。つまり正義ではないと?」

かわいらしく首をかしげ、無邪気に尋ねるアメリア。

・・・・・・アメリア。

なかなかキツい手段を使うなー。

どうも彼女。時々ドライな一面を見せる。

「め・・・・・・めっそーもございません」

アメリアの辛辣な発言に、すっかり萎縮する中年男性。

対するワシの目じーちゃんは、何を考えてるのかわからん細目で、じっとアメリアを見る。

「・・・・・・ほっほっほ。おいたが過ぎた子供にはしつけが必要です」

・・・・・・うーむ。伊達に年取ってないか。

そうはぐらかされては、追求は不利にはたらく。

「事実がある以上、罪人を裁くのは止められはしませんよ。
そうですな。アメリア様が死刑が駄目というのなら、矯正という形で、王宮の中で幽閉という形が望ましいかと」

「おお! それならば、神の御前を血で汚すこともないな」

「死刑以外の刑を提案なさるとは、なんと慈悲深い方なのか」

口々上がる賛同の声。

「しかし、再び危害を加えようとしたらどうする?」

「なーに。そのときは一思いに」

事情を知らされていない、情報を公開されていないほとんどの人間と。

事情を知っていて、神の力を利用しようとしている、王宮の人間たちの思惑が絡まりあう。

「・・・・・・なら、再び害を及ぼす前に、今後一切この国に立ち入らないようにすればどうだろうか」

そう発言したのは。

「しかしなぁ。フィリッツメイヤー卿。
国外追放して、もし復讐の刃を向けたらどうする」

「そうなったらそうなった時のこと。今度は切り捨てればよかろう?」

「ふむ。たしかに相手はたかが神官。恐れるに足りぬ相手だな」

マーシュ卿と貴族の会話を聞きとがめ、じーちゃんは険を強めた。

「王族を手にかけようとしたものを、野放しにするというのか!? そんな危険で大それたまね、許されるものか!」

「あの神官もこの国の民! いかに自分が愚かなまねをしたのか、懇々と説明し、国のために尽力を誓わせるのが国の為ではないのか!?」

慌てたように、口々に言うほかの貴族たち。

なかには、王宮関係者の姿も見える。

「だが誓わせるにしても、時間がかかるのが実情だろう。
ならてっとりばやく国外追放にしてしまえば、コストもリスクもそれほどかからない」

「危険な因子を野放しにすることが、いかに無謀なことか」

「だが必ず反旗を翻すわけでもないだろう。
現に国外追放して、反旗を翻した例は、それほどないだろう」

死刑か幽閉か。

あるいは国外追放か。

他にも意見は出たが、大まかに処刑内容の話はこの三つに分けられた。

自分の処遇が挙がっていても、彼は動じずに沈黙を保ったまま。

「静粛に!」

声が上がり、徐々に静まっていく声。

「準備はよいかっ!?」

密やかに議論が続く中、アレンは閉じていた目をゆっくりと開けた。

「・・・・・・はい」

彼はそっと、首のネックレスに手をかけた。

アレンは、視線をスィーフィードの像へ向ける。

「そのまえに、ヴラバザード様宛に伝言・・・・・・いえ。
ある方からの遺言を預かっているのですが、発言してもよろしいでしょうか」

「よろしい。許可しましょう」

「・・・・・・ヴラバザード様ご本人はいかがでしょうか?」

『いいぜ』

あたりに響いた見知らぬ威厳に満ちた声に、ざわめく民衆。

おまえの声かと尋ねる人々。

その声を初めて聞いた人間がほとんどだろう。

その存在がいることは知っていても、こうして声を聞くまでは、半信半疑だったのだろう。

依然として姿を見せないが、あたしはヴラがどこにいるのか、見当がついた。

アメリアをはじめ、ガウリイや神官など勘の鋭い人間は、ある一点を見つめていた。

――赤の竜神スィーフィードの像へと。

35157白魔術都市狂想曲 112フィーナ 2010/7/12 19:08:49
記事番号35153へのコメント

それからの王宮内での水面下での駆け引きは、熾烈を極めた。

情報操作や、陥れるための裏工作など表立っては出てこずとも、その暗い思念は、勘のいい人間なら感じ取れてしまう。

フィルさんのほうにしても、決定的な証拠がないといって慎重に行動するよう、勧告しても止まる気配はなかった。

過激派と穏健派の対立が、国王派とフィルさんの派閥との対立として捉える人間も多い。

事情を知らされていない貴族たちも、ひろがる派閥の噂を聞きつけ、落ち着かない様子だった。

病床で国王は不在であれど、今のフィルさんは国王の代理に過ぎない。

政務のほとんどをフィルさんが、できる範囲の政務の手伝いをアメリアやクリストファが補佐しているものの、国王お抱えの機関があるのもまた事実。

こういった機関は、国王でしか動かせず、機関独自の判断で動く場合もあると聞く。

なにもこれは、そんなに珍しいことではない。
                     エターナル・クイーン
あたしの郷里のゼフィーリアでも、 永 遠 の 女 王 が擁する、極秘部隊なんてのもあるぐらいだし。

裏で根回しされた情報操作の賜物か、幸か不幸かアレンのことはそれほど出回ってはいない。

だが神殿のほうでは、なんらかの圧力でもかけられたのか、最初のときのように擁護しようとする動きはみられなくなった。

彼の同僚や後輩たちも、過激派に拘束されて解放された今となっても、すっかり萎縮してしまい。

一般のひとからすれば無理からぬことだが、行く末をただ見守ることしかできなくなったようである。

このいきすぎた様子をフィルさんはいさめ、過激派はそれをうけ迅速に謝罪文を神殿に送り対処した。

この一連の謝罪に関しても、どことなく計算されていたかのような対応の早さがある。

あたしの推論だが、過激派は咎められることも、もとより想定していたのではないのだろうか。

早めに謝罪文を用意し、フィルさんに勧告を受けすぐに神殿に送るなど、想定していなければできないことである。

それに神殿側からすれば、こうも早くに対応されれば、そう強くも出れないだろう。

相手が王宮ならなおさらに。

セイルーン以外でも、王宮と神殿のつながりは深い。

特にこのセイルーン。白魔術の研究が盛んな町である。

あちこちにそのテの魔法医などの施設や、白魔術に関する研究所が隣接している地区もあるのだ。







波打つように感じられる力の気配。

火竜王が姿を見せずとも、その存在感は感じ取れる。

以前ディーと相対したときのような、凄まじいほどのプレッシャーは感じられない。

おそらくヴラは、自分の力と存在感を抑えているのだろう。

セーブしていても分かるほどの、巨大な存在を思わせる強い力の気配。

それでも、時々衝撃波のように波動が迫る。

覇王神官が、人の魂を喰らいあわせ、魔の因子と結合させ。
                           くさび
竜の肉体と属性を媒体に、ヴラに打ち込んだ 楔 は、はたして取り除くことはできるのだろうか。

ヴラがいる場所は、戴冠式も行われる神殿。

赤の竜神スィーフィードが祀られている王宮の神殿である。

陰謀と様々な思惑が交差した、激動の一日が終わりを迎え――

そしてその翌日。

たかが一神官が、神相手になにをできるという思いを隠そうともせず、それでも多くの人々が異様な雰囲気に呑みこまれ・・・・・・

王侯貴族やアメリアたち王族。

策略をめぐらせた、様々な機関の幹部たちの先に。

多くの人々が、固唾を呑んで見守る中。
                       かいこう
――アレンと火竜王ヴラバザードとの 邂 逅 をむかえた。

35156Re:白魔術都市狂想曲 111フィーナ 2010/7/12 16:46:05
記事番号35155へのコメント


>こんばんは、フィーナさん。
こんにちは。セスさん。
>>「そう。宗教などにも、神聖な存在として崇められているのが神だ。
>>なら神を巡っての諍いが起きてもおかしくはない。もしくは、神がついていてくれるから自分が正義だと思う連中もいるかもな」
>>「つまりよ。内紛でおきる小競り合いなんかじゃ比較にならないほどの――殺戮ね」
>>これに関してはヴラではなく、人間のほうに非があるのだが。
>ヴラもうんざりしているでしょうね、人間のこういうところは・・・
ある種達観せざるを得ないかと思います。
私利私欲に走る人間を見るにあたって、冷徹に切り離さなければ破滅しかありませんからね。
>>・・・・・・時々熱くなりすぎて暴走はするが。
>・・・時々、といっていいんでしょうか?(笑
暴走の度合いが大事です。いつも暴走してたら、普通の人ついてこれませんよ。
アメリアの駆け引きうまく書けるかな。なかなか辛辣なこと言いそうです。目指せ原作四巻バージョンのアメリア。


<<< BACK 3 / 5 NEXT >>>

MENU 大辞典  [登録方法] 全著者リスト
投稿小説1の過去ログ 投稿小説2の過去ログ
修正・削除 依頼 投稿の仕方 表示設定
▲TOP