タイトル : Going under 3
投稿者 : CANARU
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投稿時間 : 2010年4月3日23時27分02秒
サイラーグに上陸を果たしたガウリイを一目見るなりに。
シルフィールは喜び勇んで「婚約」を決意したのでした。
無論、彼女とて気がつかないわけは無かったのです。
後々、そのことがサイラーグ4悪人に利用されることとなってしまうのですが・・。
その話はすぐにに語ることとして。
「リナ!あれはナンなんだ?」
「フラグーン城よ。勇者であったあたしの父親が・・。シルフィールの父上の妹だった
あたしの母親を娶ったところ」
「で・・これは?」
「あら。目が高いわね。アタシの父親の彫像よ。この町に現れた敵軍が連れていた・・。
『ザナッファー』という獣をアタシの受け継いだ『ラグナ・ブレード』で倒したときの姿よ」
「へえ・・じゃ、リナは俺の国のドラゴンをやっつけたし。同じだな〜〜♪」
「・・アンタだってやろうと思えば倒せたんでしょう?それに・・。アタシの父ちゃんと母ちゃんと
姉ちゃんはゼフィーリアのド・インバースよ。あたしはあくまで・・シルフィールの家臣なんだから!」
小突くように話しかけてくるガウリイをシルフィールの方向にリナは顔を向けさせました。
それなりに(事前にリナに言い含められていることもあり)彼女には礼儀正しく振舞うものの。
明らかにリナに対する態度のそれとは違います。
「よろしいのですか?マダム!」
ここぞとばかりに悪人の一人にし、シフリィールの従兄弟であるゼロスが話しかけてきます。
「リナさんはガウリイ様をこの国へと連れてきた人ですし。偏に私がガウリイ様と出会えたのもリナさんのお陰ですわ。
2人が親しいのは当然の事でしょう?」
シルフィールは後々までに2人に・・自分の心を僅かに殺しながらも斯様な寛大さを示すのです。
心無い作家はこう書き立てました。
「シュヴァリエ・リナ・ド・インバースと黄金の髪のガウリイが飲み干した杯。
処罰を恐れたルークがこっそりとその残りを小瓶からかき集め。
シルフィール女王に飲み干させた。従い、彼らの間には奇妙な親愛が芽生えたのだ」と。
しかし、シルフィールの真心は・・・。
リナに対する真の愛情からよるものなのでした。
「何となく、きな臭い感じがしますね・・・」
こそこそと話し合いをしている4悪人をクイと顎で指し示しながらミリーナが呟きました。
「ええ・・右からシルフィールさまの従兄弟でもあるゼロスさん。リナさんとは血は繋がってはいませんが・・。
そして・・・その隣が愚か者で有名なヌンサさん・・・」
アメリアがこそこそっと説明する言葉の間に。
「えらく美味そうなヤツじゃないか・・・???」
このルークの言葉も後々、この悪人に対して現実のものとして降りかかることとなるのでした。
「そして。その隣がズーマ、最後の一番左がフィブリゾだ」
アメリアに続き、ゼルガディスが説明をします。
「私たちは。あの人たちからガウリイ王子を。そしてリナさんを守らなければならないでしょうね・・」
「ええーー・・出来ればオレは係わり合いにはなりたく・・・」
「貴方の不始末です!ルーク!」
「えぐぐぐぐぐ・・みりーなーーーーー!死だ〜〜!やっぱり連中が飲んだのは死だー!!!
呪われろ!やつらが薬を飲んだ日を〜〜〜〜〜〜〜!!」
「・・・貴方が生まれた日こそ呪ってください。ルーク」
ミリーナの言葉にルークはただただ、哀しみの涙を流すのでした。
さて。(リナにそのつもりはまったく皆無だとしても)4悪人達はといえば。
「明らかにあのリナ・ド・インバースと女王の夫となる予定のガウリイの関係には怪しい物がある!」
と。
2人を貶めるべく、その決定的な証拠を掴み取る作戦に出るのでした。
そこで、フィブリゾが口を開きました。
「僕の知っている人物にあやしい妖術を操る『レゾ』という人物が居る」
かの人物ならば。
星の動きを読み、魔術を操り、リナとガウリイを放逐させる徹底的な証を得る手助けをしてくれることでしょう。
早速4悪人は大喜びでレゾを彼らの集まる屋敷に呼び寄せるのでした。
やがてレゾはなにやら金星とオリオンの星の運行を算出し・・・・・。
水面に映し出された残像を眺めながら4人に告げたのでした。
「今宵、丑の刻。リナ・ド・インバースとガウリイ王子が。フラグーン城の中庭で・・・・。
密会を果たす場面が見受けられます」
これぞ徹底的な証拠にほかならぬ!
4悪人は喜び勇んでその事実をシルフィール女王に密告をし・・・。
気乗りしない女王を中庭の一目のつかない場所に強引に連れ出して彼らを待ち受けるように告げたのでした。
「・・・・・・・・・起きているヤツは居ないわね・・・」
夜半。
リナの詰める部屋は女王の寝室のすぐ近くにあり、必然警護に当る騎士も近隣の部屋に大勢詰めては降ります。
だが・・今日は運良く全員が寝入っている様子です。
それもそのはず。
アメリアの姉にして・・・セイルーンの隣国、ルヴィナガルドの第1王子に嫁いだグレイシアがアメリアに会いに北という名目でこの城に訪れたのです。
リナの立場は「シュヴァリエ」(騎士)であり、アメリアの姉君と話す機会には恵まれませんでしたが・・・。
「あの4悪人が私を陥れるため。シルフィールに迷惑を掛けることがあるならば・・・」
かの大女王の嫁ぐルヴィナガルドに仕官してみるのも良いかもしれません。
何はともあれ・・・いまはそれどころでは有りません。
ただただ・・・情熱に駆られるままにリナは中庭に向かいます!!
そう・・そこには・・・・・・!!!!!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・どうしても・・・どうしても・・・・・」
そう・・そこには・・・どうしても・・情熱が求めるままに向かわなければなりません!!!
バタンと扉を開け放ち、中庭に至ったリナは真っ先にそこへと走っていきました!
「果物〜〜〜おおーーーーーーーー!!お腹すいて眠れなかったじゃないのよおおお〜〜〜!」
そうなのです・・・・。
「グレイシア様をお迎えする御席」にあり・・・。
「マナーマナーで!いつもみたいに・・・」
「いっぱいご飯食べるなんて出来なかったもんなあ・・・・・」
この季節。たわわに実った美味しい果実が中庭にはたっくさんあります!
恐らくガウリイも目的は同じだったのでしょう!
「リナ〜〜♪この桃、美味しいぞ〜〜」
「こっちの梨だって美味しいわよ、ガウリイ。ラ・フランスもなかなかいけるわねえ〜〜♪」
と、偶然同じ目的で出会ったリナとガウリイはむさぼるように中庭の果物を食べ荒らしました。
そして・・・・。
その姿をそっと見つめるシルフィールは安心したかのように微笑みました。
「リナさん。ガウリイ様・・。明日の朝ごはんはたっくさん用意するように伝えておきますわね♪」
つい先程。グレイシアにも食事の量が少なかったと抗議を受けたばかりということもありますが。
何よりも本当に楽しそうに笑いながら・・まるで邪心など無い2人をどうして罰することが出来るでしょう?
「・・・まったく・・・」
年上のクセに。「弟」がいたらこんなカンジなのかしらね?
果物を頬張るガウリイを見ながらリナは現段階ではそんな優しい愛情を感じてただただ苦笑するのでした。
そして・・・。
それと同時にある決心を固めたのでした。
そしてその頃。
レゾの星読みによって悪人達は己の企みが見事に失敗したことを知ったのでした。
だが、そんな事で彼らは諦めるようなことはありませんでした。
「どうかアタシを、ルヴィナガルドのグレイシア大女王にお仕えする事をお許しいただけないでしょうか?」
翌日の朝。
たっぷりと出された朝食を頬張った後、リナはシルフィール女王に直接のお願いをしにあがりました。
「それは・・何故ですの?リナさん・・・!」
「私自身の見聞を広げるためにです。どうぞお許しください!」
クイっとリナはシルフィールにだけ分かるように『悪人たち』の方向に視線を走らせるのでした。
そうです。
昨日リナは隠れていたシルフィールを・・そして・・・。
影でコソコソと何かを企んでいた悪人達の気配にも(ルナの特訓によって)気がついていたのでした。
そして何よりも・・・。
まるで「弟」のように思っているにせよ・・・・。
(所詮「姉」では・・「弟」に最終的に愛情だけで幸せは与えられるものじゃないものね・・)
少しだけ寂しい思いを抱きながら・・視線には出さずその場に居るガウリイのことを思い描くのでした。
「分かりました。どうかリナさん。蔵に入って好きなだけの品をお持ちください。けれども・・・。
このサイラーグと私自身の身が。危機に瀕したときは戻ってきてくださると約束してくださいますか?」
すがりつくようなシルフィールの視線に。
「お約束いたします。近日中には発たせていただきますが・・。貴方のことはわが身に変えてもお守りいたします」
無論その言葉が。
永久的にリナを追放したい悪人どもが何かを仕掛けてくることは明らかだとしても。
「・・・・なんだよ・・・リナのヤツ!」
唯一人、やはりガウリイは釈然としない思いでシルフィールに頭をたれるリナを眺めていました。
・・・今日はオレは狩に出かけて・・・。
思いも寄らない手傷を負って血を流しているというのに・・・・・!
それを、自分で何とかできるでしょう?さもなけれシルフィールに治してもらいなさい。
そんな冷たい言葉で済ませてしまうなんて・・・。
けれども考え直してみれば・・・・。
「やっぱり、寂しい思いでお分かれるのだけはイヤだよな・・」
いずれリナは帰ってくるにしても。それだけは辛すぎます。
さて、リナが喜ぶことといえば・・・・・・・・・?????
さて。このとき。
レゾは町のパン屋にいたり、大量の小麦粉を購入するにいたりました。
それを。
ガウリイとリナの部屋の間の廊下に・・夜間には見えなくなることを見越してばら撒くように零していきました。
「今夜でリナ・ド・インバースはサイラーグから旅立ちます。ならば・・ガウリイ王子は彼女の部屋を訪れることでしょう!
その時、ここにその足跡が浮かび出ているはずです!」
かくして・・・・・。
「なんだよ!この小麦粉!ばっちぃなあ〜〜〜!よいっしょっと!!!」
夜目の聞く上、運動神経の抜群なガウリイは自室からリナの部屋に至るまでにばら撒かれた小麦粉をいとも簡単に飛び越えたのですが!
そのときでした。
意地を張って治療しないまま放っておいた、狩りで受けた傷から鮮血がほとぼりだし小麦を赤く染めたのは!
こんこん!!こんこんこん!!!
「はい・・・って!どうしたの?ガウリイ!」
ドアの外に立っているガウリイを無論リナは自室に招き入れるハズがありません。
「いやな・・今日でお前とも当面お別れだろ?だから・・・」
見ればガウリイは大きな風呂敷包みと弓矢を背負っているでは有りませんか?
不審そうな表情で問いかけるリナにガウリイはがさごそっとと大きな風呂敷包みを開け放ち。
「『コレ』を一緒に食おうと思って!今日行った狩で弓矢で射止めてさっきまで焼いてたんだぞ〜〜♪」
「ををををををををを!!性格は兎も角!美味しそうじゃないの!ガウリイ〜〜〜〜♪」
ガウリイが風呂敷包みから取り出したもの!ソレは!!!
「4悪人」の1人(?)、ヌンサの美味しそうに変わり果てた姿のなのでした!!!!
確かにリナはガウリイを自室に招きいれようとせず・・こそれは密会の証拠にはなりませんでしたが。
しかし・・・!
「ああ!ヌンサ殿!道理でこの話を書いているヤツがリナ・ド・インバースがシルフィール様にルヴィナガルドに行かせて欲しいと御前会議で言ったとき!
『悪人たち』としか表記されていなかった訳ですよ!!」
「ガウリイ王子が狩に出かけて帰ってきた時点から姿が見えないとは思ったが!!」
「まさかあんな変わり果てた姿になっていたとはね・・僕達、コレから『3悪人』って訳?」
「だが!!これでガウリイ王子を『ヌンサ殿謀殺罪』・・・強いてはリナ・ド・インバースも同罪として裁きにかけることが出来るではないか!!?」
その動かぬ証拠に彼らの部屋の前の廊下にまかれた小麦粉にはガウリイの血痕が垂れ流されているではありませんか!
ヌンサを食していたリナとガウリイは飛び出してきた『3悪人達』に『ヌンサ謀殺罪』とその共犯者としてその場で取り押さえられることとなってしまったのでした。
こうなってしまっては!
さしものシルフィールにも彼らを助け出す力は残されては居ませんでした。
茨を大量に積み上げた美しい刑場でリナは縛り上げられ・・・。
「共犯者」として火あぶりの刑罰に処される運命をただただ享受するのみ・・・かと思われましたが・・・。
「まあ、やろうと思えば何時でも脱走は出来るけれども・・・」
「力の無い私を許してください!リナさん!!!!」
縋り付いて泣いてくるシルフィールを見ればどうしてもそんな気分にはなれませんでした。
第一、この孤独かつ、辛い地位に立たされた女性には・・・。
「絶対に彼女を支えてくれる存在が・・・必要だモノね・・・・」
それが「弟」のようであるガウリイであると思えば・・・・・。安心は出来ます。
内には3悪人達、外には豊かなサイラーグを狙う国々・・それを守らねばならぬのは賢明ながらも非力な彼女1人なのです。
守って差し上げたい。
そう思うと同時に、それは自分の役割ではなくガウリイであると思うとなぜかリナの胸は軋みを上げました。
自分の無実は脱走することによって自分で勝ち取れますが。
あくまで公衆の面前でガウリイの冤罪を晴らさなければなりません。
このままでは彼はシルフィールを守るどころか、車裂きの刑罰を言い渡されることでしょう!
ならば・・・・。
「アタシ自身の無実も含めて!ガウリイには神聖裁判を受けてもらうことを提案したいわ!!」
ザワリっと裁判官、3悪人を始め。
茨の柱に括りつけられたリナを哀れと思いながら眺めていた群集たちがざわめきました。
神聖裁判とは。
スィーフィードの名にかけて。
無実ならば炎で熱した鉄を手にしても焼けど一つせず、傷つかず・・皮膚が綺麗なままである。
逆に、大罪を犯したのであれば。手は焼け焦げ・・・得も知れない苦痛を味わうという神に裁きを委ねた裁判方法なのでした。
「ならば!!リナ・ド・インバース対する感情。そしてシルフィールさまへの裏切りの感情を含め!!!
ヌンサ謀殺の件についてガウリイ王子に対して神聖裁判を要求する!」
3悪人の1人、ズーマが高らかに要求をするのでした。
「分かった!受けてたつ!証人は其処に居るアメリア王女にその従者であるゼルガディス!必要であるなら彼らの父上ににして君主のフィリオネル殿下の
名前にかけても構わない!・・・・第一!オレはリナが本当に好きなんだ!それの何処がいけないんだ?シルフィールに対しても敬意を持っている!
彼女はこの国を一生懸命守っているし!絶対にそれにはリナは不可欠な人物だ!そして・・・ヌンサに関しては・・・」
はあっ、とここでガウリイは一息ついて・・・・。
「アレに関して言えば・・・。なあ・・ダレが何といおうと・・・『食い物』だろ・・・???」
そっと焼け焦げた鉄を握り締めたガウリイ。
そして・・・・・。
その手には・・一切の傷跡は見受けられず、無実を指し示す美しい皮膚が見受けられるだけなのでした。
やがて、リナは茨の柱から解放されました。
けれども。リナはやはりサイラーグを離れてるヴィナガルドへと向かう決意を固めたのでした。
そして・・そのためには・・・。
「やっぱり軍資金が必要よね!!世話になったシルフィールの蔵からお金を貰っていくもの悪いし!!
と・・ゆーわけで!!!ファイアー・ボール!!フレア・アロー!!ちゅっど〜〜〜〜〜ん!!!」
運良く(?)最近サイラーグに現れた盗賊を撃滅し、お宝を頂戴すべくリナは最後の大暴れをこの国の森でするのでした!
「はあ〜♪おったから〜おったか〜〜ら!ざっくざく!!!今日は色々有って疲れたわね・・・」
さしものリナも今日一日の災難を思い返すに至り、疲労困憊でその場で眠りについてしまいました。
やがて。
リナの放った攻撃呪文を目印に疲れ果てた身体を引きずりながらガウリイもその場に到着しました。
そして・・・。
「まったく・・・本当に行っちまうのかな・・こんなにお宝溜め込んで」
すやすやと眠るリナに苦笑しながらもガウリイ自身不意に疲れを感じて・・・・。
世間一般的にこの思いが駄目だというのなら。そして・・リナ自身を窮地に陥れてしまうとするならば。
ズシャっとリナの腰に帯剣していた「ラグナ・ブレード」を借りて地面にガウリイは突き立てて。
その剣を隔てる形でゴロシっとリナの横に寝転んで高いびきをあげるのでした。
そっと、城を抜け出してその光景を眺めていたシルフィールの心は複雑ながらも和むものでした。
彼女はそっと、リナのラグナ・ブレードを二人の間から抜き取り。
神聖な宝物でもあるかのようにそっと手にとって眺めるのでした。
刃のかけたリナさんの剣。この国を守ってくれた剣。最愛の従姉妹の剣・・・・。
やがて彼女はそっと自分の指輪を抜き取って2人の頭上に置きました。
「欠けた剣では不便なことでしょう・・・」
リナのために。かつて彼女の父にしてこの国の勇者であった人物が所有し・・・。
今ではサイラーグの守り刀となったザナッファーを倒した剣、「ゴルンノヴァ」をそっとリナの傍らにシルフィールは置いてその場を去るのでした。
目を覚ましたリナは傍らにゴルンノヴァが。そして・・頭上にはシルフィールの美しい指輪があることに気がつきました。
そのて、改めて覚悟をするのでした。
「やっぱりシルフィールには貴方が必要なのね・・」
何処となく寂しい思いを引きずりながらもリナは眠るガウリイを残し、「ゴルンノヴァ」とお宝を引きずりながらサイラーグからグレイシア大女王の下に向かっていくのでした。
その頃。グレイシア大女王が嫁いだルヴィナガルドはかつてのサイラーグの敵国、「カタート」の残党に攻め込まれ危機的な状態に陥っておりました。
「おーほほほほほほほ!ふ!きてくれて嬉しいわ!リナ・ド・インバース!!」
ふっと黒い髪を掻き揚げながらグレイシア女王は言い放ちます。
「喜んで嬉しいけど・・。何でカタート残党は貴方の国に攻め込んできたのかしらね・・?ナーガ?」
(それなりに)仲良くなったグレイシア女王に対してリナは愛称で問いかけました。
「おーほほほほほほ!ふ!この私の美しさに嫉妬してに決まっているじゃなくて!!」
「・・・・・そーなの・・・・・????」
「そーーーなの!!!!!」
まあ、このヘンは不問にすると申しまして。
「何はさて置き。私の夫の家族を紹介するわ!此方はお姑さん、でもって、此方が先代の国王!」
隠居をした元国王夫妻をいかにも気軽な感じで紹介するナーガにさしものリナも苦笑します。
「で、これが・・夫の年齢の離れた弟よ?」
ナーガが続いて指し示した人物にリナの目は釘付けになってしまいました。
そんなリナを知ってか知らずか、ナーガはなおも気楽な調子で続けました。
「御覧なさい!この可愛らしい手を!人は彼の事をね・・『白い手のガウリイ』と呼んでいるのよ!」
白い手の・・・ガウリイ!!!?
その名前にリナの心は跳ね上がるような衝撃を覚えました・・・。
それって・・それって!!!!
「きゃあああ〜〜〜〜ん♪可愛い、可愛い♪可愛い〜〜〜〜〜!!!」
ひしっと!!
「白い手のガウリイ」と呼ばれた・・・・・。
そのちっちゃくってぷにぷにした可愛らしい黒髪の小さな男の子を抱きしめてリナは頬擦りしてしまうのでした!
「おーほほほほほほほほ!そうでしょう!そうでしょう!!!」
「こりゃ!「弟みたい」って思った「黄金の髪の」ガウリイより可愛いわあ〜〜〜♪」
やがて。「白い手のガウリイ」は敵国からルヴィナガルドを守りにやってきたリナにとっても懐くようになりました。
あまつさえ「大きくなったらリナと結婚する!」と言い出す始末に周囲のモノは目を細めて噂をしあうようになるのでした。
そして・・・・・。
「リナが・・・・・リナが・・・・・・・・・」
どっかの国のオレと同じ名前の王子と結婚だと!!!!!!!!!!???
詳細を知らないガウリイは届いた噂を耳にして・・ただただ衝撃を受けるだけなのでした・・。
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