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Re: ドラスレ! 25
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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元記事
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>第二十五話
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>我に返ったシャブラニグドゥは、俺を振り返る。
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>「選ぶがいい! このままシャブラニグドゥに魂を食らい尽くされるか!
> あるいは自らのかたきをとるか!」
>
>「おお……」 歓喜の声と――
>
>「馬鹿な!」 焦りの声とが――
>
>
>同時に口を突いて出た。
>
>
>「剣よ! 紅き闇を打ち砕け!」
>
>
>俺は剣を振り下ろす!
>黒い光が、魔王に向かって突き進み――黒い火柱が天を衝いた。
>
>
>
>ズヴゥン!
>
>
>
>「リナ!」
>
>
>柄の光が消え、俺はがくりと地に膝をつく。
>流れ落ちる汗を拭えずに、火柱の中に蠢くものの姿を見つめた。
>
>
>「く……くっ……くははははははっ!」
>
>
>ゆらりと火柱から進みいでた魔王は嘲笑し、俺を見下ろす。
>
>
>「全くたいしたものだ……まさか人間風情にここまでの
> 芸があるとは――」
>
>
>――駄目か……!
>ぴしりと、小さい音がした。
>
>
>「気に入った……お前こそ真の天才の名を冠するにふさわしい存在だ」
>
>
>褒めてくれるのは嬉しいのだが、喜んでる余裕はない。
>ギガ・スレイブのせいで魔力も気力も、俺はほとんど使い果たした。
>地面にへたり込んで、肩で荒い息をするのがやっとだからな。
>
>
>「しかし……残念だ……もう二度とは会えぬ。――いかにお前が
> 稀代の魔道士と言えど、所詮は人間」
>
>
>ぴしり。
>また小さな音がした。
>
>
>「歴史がどううつろうかは分からんが、お前の生あるうちに
> 別のわしが覚醒することは、まずありえまいて……」
>
>
>ぱきっ。
>
>
>「え――」
>
>
>俺は魔王の言葉に目を見開き、そして気がついた。
>魔王シャブラニグドゥの体中を走る、無数の小さな亀裂に。
>これは――。
>
>
>「長い時の果てに復活し、もう一度お前と戦ってみたいものだが……
> それはかなわぬ望み――お前自身に敬意を表し、滅びてやろう……」
>
>これで眠れます――
>
>
>シャブラニグドゥの声と、赤法師レゾとの声が重なる。
>
>
>――ありがとう――すまない――
>
>「本当に……」
>
>本当に――
>
>
>
>ぱきん。
>
>ぱりんっ。
>
>
>
>笑いながら崩れ、風と砕けて宙に散っていく“赤眼の魔王”。
>俺はただ呆然と眺めるだけしか出来なかった。
>楽しげな哄笑だけが、いつまでも風の中に残っていた――。
>
>
>
>
>
>「終わった――の?」
>
>
>ぽつりとガウリイお嬢ちゃんが呟いたのは、シャブラニグドゥが
>完全に消失して、かなり経ってからのことだった。
>
>俺は頷いて、きっぱりと言う。
>
>
>「――ああ、レゾのおかげでな」
>
>「レゾの……?」
>
>
>滅びたことが未だに信じ難いのか、魔王が最後に立っていた場所を
>じっと見つめながら、ゼルガディスが問う。
>俺はゼルガディスを見やり、もう一度頷いた。
>
>
>「あれの中に、まだレゾの魂が残ってたんだ。長い年月をかけて
> 魔王に蝕まれながらも残っていた、あの人のひとかけらの
> 良心が――俺の生み出した闇を自ら受け入れたんだ……。
> 本来、悪い人じゃなかったんだろ」
>
>「そう……だったの」
>
>
>ゼルガディスが溜息にも近い呟きを落とす。
>
>
>「……それにしてもリナさん、さすが……」
>
>
>俺の方を振り返るアメリアは絶句した。
>ガウリイお嬢ちゃんとゼルガディスも同じく。
>俺の栗色の髪が、まっさらな銀色に染まっているのを見て。
>
>生体エネルギーの使いすぎによって引き起こされる現象なのだが、
>まあ、あまり見られる光景ではない。
>
>
>「リ……リナさん……その髪……?」
>
>「ああ、これか? 大丈夫、ちっとばかり力を使いすぎただけだから。
> 疲れてはいるが――あんたたちは?」
>
>「私は――平気よ」
>
>「少なくとも死んじゃいないわね」
>
>「はい、僕も大丈夫です」
>
>
>アメリアに支えられていながらも、くすりと笑うゼルガディスは
>多少はしっかりとしている。
>ただ、よろよろと身を起こしているガウリイお嬢ちゃんは、
>とても平気には見えない。
>とはいえ、思いきり地面に叩きつけられたんじゃ仕方ないか。
>
>
>「そうか――ともかく無事で良かった」
>
>
>俺は微笑んでそう呟くと、体が傾くままにまかせて大の字に寝っ転がった。
>これだけ疲れたことってないんじゃなかろーかと思うぐらい、疲れた。
>
>俺は心地よい睡魔にそっと身を委ね――。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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