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Re: ドラスレ! 17
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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元記事
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>第十七話
>
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>
>俺はかなりやりきれない空気に内心辟易しながらも、
>つとめて明るい声で言う。
>
>
>「……とにかく、これで大体のところは分かったな」
>
>「ええ、そうね」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんもひとつ頷く。
>……いや、お嬢ちゃん、その言葉に俺は不安を感じるが。
>
>すると今まで俯いていたアメリアが勢いよく顔を上げて、
>ぎゅっと拳をかたく握る。
>それを見た俺は顔をしかめた――これはまさか。
>
>
>「おのれ、赤法師レゾ! 己が願いに他者を欺き、その果てに
> 魔王復活を目論むなどという何とあくどい所業! 何も知らぬ
> 皆々に賢者と崇められようとも、このアメリア、真実という
> 正義の下において悪の心根を決して許しはしません!」
>
>「……!?」
>
>「あー、あれはあいつの一種のクセだから。気にすんな」
>
>「って……」
>
>
>がっつりポーズを取りながら燃えているアメリアに、
>目を瞬かせて驚くゼルガディス。
>やっぱりこうなったかと思いながら、ぱたぱたと軽く手を振りつつ
>俺は呆然とするゼルガディスにそう言う。
>最近になってきてよーやく、俺はアメリアの『正義スイッチ』が
>入る前の空気を掴めるようになった。
>まあ、突発に入るってことも時々あるけどさ。
>
>
>「ゼルガディスさん!」
>
>「な、何?」
>
>「たとえレゾが強敵であろうとも、僕とリナさん、ガウリイさんは
> 共に戦います! 貴女一人が適わなくとも、四人の力を合わせれば
> きっと出来ることはあるはずです!」
>
>
>破顔一笑。
>
>そこに何の根拠もあるわけではないだろうに、アメリアは笑顔で
>自信たっぷりゼルガディスに言い放つ。
>束の間、呆気にとられていたゼルガディスが少しだけアメリアを
>眩しそうに眺める。
>まあ、今までのあいつの様子からじゃアメリアみたいな猪突猛進で
>明るいタイプは周りにはいなかったんだろう。
>そんなタイプが、アメリアの他にもいたらいたですごいが。
>
>
>「それと、すみません。……勝手にフードと口布を取ってしまって」
>
>「……ああ」
>
>
>アメリアに言われたゼルガディスは、今初めて気がついたように
>口元に手を当ててベッドの上にあるマントに目線を移す。
>
>
>「……驚かせたようね。悪かったわ」
>
>「はい……まさか貴女が女性だと思っていなくて。僕としたことが」
>
>「……ん?」
>
>
>マントを手に取って苦く笑うゼルガディスに、アメリアは肩を落とす。
>だが、アメリアが悄然と言った言葉に、ゼルガディスは耳を疑い、
>不思議そうな表情をして、眉をひそめた。
>
>分かる、分かるぞ、お前の気持ち。
>
>怪訝そうにするゼルガディスに気づかず、アメリアは頭を下げた。
>
>
>「あんなにきっちりフードと口布をしていましたし……出来るなら
> 隠しておきたかったんですよね? すみませんでした!」
>
>「……え、いや、別に性別を隠そうとしたわけじゃなくて……
> 私はこのキメラの体を隠していただけで」
>
>「体を? どうしてですか?」
>
>「は――」
>
>「とても綺麗なのに……隠すなんてもったいないですよ」
>
>
>晴れやかな笑顔を見れば、本気だと分かるアメリア。
>絶句したあと、複雑そうな表情を赤紫に染めるゼルガディス。
>思わず唖然とした俺。
>ガウリイお嬢ちゃんは相変わらずのほほん。
>
>そりゃあ、ゼルガディスとしては複雑だろうなあ……
>あんな体にされたからこそレゾに復讐しようとしてきたのに、
>その体を真っ直ぐに綺麗だとか言われたら……。
>
>ぱくぱくと物言えぬ口を開閉していたゼルガディスだったが、
>にっこりと笑っているアメリアに何を言おうと無駄だと
>悟ったらしく、やがて疲れたように大きく肩を落とした。
>
>俺はそれが会話の切れ目だと感じ、軽く背伸びをする。
>
>
>「とりあえず、明日のために少し寝ておいた方がいいだろ。
> ゼルガディスも少し寝たら? 疲れてるだろ?」
>
>
>そう訊けば、ゼルガディスは軽く首を振る。
>
>
>「確かに、疲れてはいるけど……起きたばかりだし、寝込みを
> 襲われたらことよ。ベッドの上ででも見張りをしておくわ。
> ――しばらくしたら起こすから、その時に替わってもらうわね」
>
>「じゃあ、僕もお付き合いしますよ」
>
>
>アメリアがそう言い、俺は手をひらりと振った。
>
>
>「りょーかい。じゃあ先に、俺とガウリイお嬢ちゃんで休むから。
> おやすみ」
>
>「二人とも、おやすみなさい」
>
>
>俺はマントを外して毛布代わりにくるまり横になり、お嬢ちゃんは
>剣を抱えて壁に背もたれ、目を閉じた。
>心地よい眠りに飲み込まれるまで、さしたる時間は必要としなかった。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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