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Re: ドラスレ! 16
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
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元記事
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>第十六話
>
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>
>「あの男、裏でどんなことやってるんだ?」
>
>「知ってるでしょう? あるものを探してる」
>
>「――じゃあ、魔王シャブラニグドゥを復活させようとしてるのは、
> お前の方じゃなくてあいつの方だったのか?」
>
>
>俺が尋ねると、ゼルガディスはきょとんと目を瞬かせた。
>
>
>「シャブラニグドゥ……? なんのこと?」
>
>「ん……?」
>
>「あいつが私たちに命じさせて探させていたもの――こうなったら
> 言ってしまうけど、実はかの有名な“賢者の石”ってやつよ」
>
>げ。
>俺は盛大に顔をしかめて絶句した。
>
>
>「そ……それじゃあ……?」
>
>
>アメリアの声に、ゼルガディスは小さく頷いた。
>
>
>「貴方たちが持っている神像、あの中に“賢者の石”が入ってる」
>
>
>賢者の石――。
>
>魔道をやっている者なら知らぬ者はいないだろうし、
>たとえ魔道方面にそういう知識がなくとも、そこいらの協会や道端の
>伝説や御伽話などで聞き知っているものは多いだろう。
>
>古代の超魔道文明の遺産、世界を支える“杖”の欠片……。
>まあ色々と説はあるものの、それが魔力の増幅器であることは確か。
>それも、すこぶる強力な。
>多分話として一番有名なのは、一人の見習い魔道士の手によって
>一国が滅んでしまったという史実だろう。
>
>レゾのように、伝説に近くも実在する物質。
>まさかこんな風にお目にかかることになろうとは――。
>
>
>「……だ……だが、あいつはそんなものを手に入れて、一体何を……」
>
>
>“赤法師レゾ”が流れている噂通りのやつであるならば、
>今更そんなものを手にしなくても充分強いだろうに。
>俺の否定したがるような言葉に、ゼルガディスはふと目線を落として
>ゆるりと首を横に振る。
>
>
>「レゾが前に言ったことがある。『ただ、世の中が見てみたいだけ』と――」
>
>「……世の中が……?」
>
>「そう。噂通り、レゾは生まれつき盲目だった。あいつは自分の目を
> 開かせるためだけに白魔術を習い始めた。目を治療する実験台として、
> 諸国の様々な患者を救って。でも、何故だか自分の目だけは
> 開かせられなかった。そこで考えたのさ、何かが足りないんだとね。
> レゾは精霊魔術や黒魔術にも手を出し、それらを白魔術と組み合わせて
> 高度な魔術をも生み出した。それでも目は開かない。そんな時に、
> あいつが目をつけたのが――」
>
>「伝説級のシロモノ、“賢者の石”ってことですね」
>
>
>ゼルガディスは頷き溜息をつく。
>
>
>「――私はあいつを邪魔するのではなく、倒したい。それにはどうしても
> “石”が必要だ。悔しいけれど、今の私にはあいつを倒す力がない……
> だから貴方に襲撃をかけた」
>
>
>その酷く悔しげな、苦しげな表情からして、話すことを決めた
>ゼルガディスは嘘をついてるわけではなさそうだった。
>ガウリイお嬢ちゃんにはともかく、俺を上回るほど剣を扱える奴が
>『かなわない』と認めている。
>評されるレゾは当然、かなりのものに違いない。
>
>
>「あいつを倒す――って、やっぱり、そんな体にされたからか?」
>
>
>かなり直球な俺に対して、ゼルガディスは睨むように目を細め、
>むきだしの掌をじっと見つめる。
>しかし、瞳の奥にあからさまな憎悪をこもらせ、冷たい声色で肯定した。
>
>
>「――ある日、あいつが言った。私の手伝いをするのならお前に力を
> 与えてやろうと。私は……頷いた。それが何を意味するかも知らずに」
>
>「――レゾと知り合ったのは、いつなんですか?」
>
>
>雰囲気を変えようとしたらしいアメリアの質問に、ゼルガディスは
>少し驚いた表情をしでアメリアを見やる。
>けれどすぐに気まずそうに視線を外し、自嘲めいた笑みを浮かべつつ
>やや間をおいてから答えた。
>
>
>「――私が生まれた時から――あいつは私の爺さんか、ひい爺さんに
> あたるはずでね……よくは知らないし、知りたいとも思わないけれど」
>
>「……え!?」
>
>「ああ見えても、百年かそこらは生きてるみたいね。とにかく、
> 私の中にはレゾの血がいくらか流れてるってこと」
>
>「訊いてはいけないことでしたね……すみません」
>
>
>きまりが悪そうにアメリアが目を閉じる。
>やはり不思議そうな目をしたゼルガディスは、珍しいものを見るかのように
>アメリアに視線を戻して、どことなく悲しげに首を振った。
>
>うーむ、やりきれないなあ……。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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