. ツリー表示 . 番号順表示 . 一覧表示 . 新規投稿 .
こまめにチェキ! ←ここをクリック    読みまくれ1  読みまくれ2  著者別  練習
カテゴリー別検索 ツリー内検索 過去ログ検索 ▼MENU
コメント投稿
Re: ドラスレ! 11
注意!!!!
ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
タイトル
名前
E-mail
URL
「E-mail」、「URL」は半角文字じゃないとエラーになります
ここまでの内容をブラウザに記憶させる(タイトル以外)
コメント


タイトル、名前、コメントは必須です。
メールアドレス、URLは半角英数字のみ受け付けます。
タグは使えません。

元記事
元記事のチェックや、部分的な引用(コピー&ペースト)のときにご利用下さい



> 
>
>
>
>
>第十一話
>
>
>
>
>
>「……どうしたの? これは」
>
>「ちょっとした術をね、かけさせていただきました」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんの戸惑いに答えたのは、俺ではなかった。
>
>
>「どちらに非があるのかは別の話として、昼間の街道で騒ぐのは
> 他の旅人に迷惑ですよ」
>
>
>一人の僧侶がそこにいた。
>いつのまにやってきたのか、トロルたちの向こう側――
>茂みの方に静かに佇んでいる。
>慈愛の漂う白い顔からは、年齢や性別が分からない。
>若いようにも、年老いているようにも、男にも女にも見える。
>ただ一つ俺たちに分かるのは、固く閉ざされているその双眸には、
>どうも光がなさそうだということ。
>しかし一番特異なのはその服装――変哲もない僧侶の服装は、
>見事に赤い色で統一されている。
>それも爽やかな赤ではなく、毒々しい赤。
>暗い所では、血の色にさえ見えるかもしれない。
>
>
>「ありがとうございます。助かりました!」
>
>「……あなたは?」
>
>「いえ――ただの旅人ですけどね。不審な連中――こいつらが
> 貴方たちの跡をつけて街道へ入っていくのを見かけたもので、
> つい首を突っこんでしまったのですが」
>
>「――リナみたいな性格してるわね」
>
>
>茶々を入れてくるガウリイお嬢ちゃんの言葉を、俺は黙殺した。
>一応、ここはシリアスシーンだ。
>
>
>「この周辺に人払いの魔法をかけたのも?」
>
>「ほう……分かりましたか」
>
>
>感心したように言う僧侶。
>これくらいのことで、俺をなめてもらっては困る。
>
>
>「あなたも言ったでしょう。昼間の街道だと。これだけドタバタやっても
> 街の警備でさえ誰もやってこないっていうことは、そういうこと
> なんでしょう」
>
>「無関係の人間に大勢出てこられて騒がれるのは、面倒ですからね」
>
>「……この件に、あなたも関わりがあると?」
>
>
>僧侶がパチンと指を鳴らすと、それを合図にロディマスたちや
>トロルの群れは、まるで操られるかのように、ゾロゾロと
>茂みの方に向かって行進を始める。
>その姿が見えなくなった所で、僧侶は口を開いた。
>
>
>「見たところ、あの連中……ゼルガディスの手のもののようですね」
>
>「ゼルガディス……?」
>
>
>初めて聞く名前に眉をひそめる。
>ゼルガディス――。
>それがロディマスたちの “上” にいる奴の名前だろうか。
>
>
>「ええ。貴方の持つあるものを使って魔王シャブラニクドゥを
> 復活させようとしている者――私の敵です」
>
>「魔王シャブラニクドゥ!?」
>
>「し……しゃら……?」
>
>
>さあ、とんでもないことになってきた。
>眉をひそめて黙りこむ俺、目を大きく見開くアメリアとは対照的に、
>目を瞬かせてきょとんと首を傾げるガウリイお嬢ちゃん。
>
>「本当か? それは」
>
>「まず間違いありません。ゼルガディスとは人とゴーレム、
> ブロウ・デーモンのキメラとして生を受けた存在です。
> 魔王を復活させることによって、より強大な力を手に入れて
> 世界を混沌の渦に落としいれようとしているようです」
>
>「何でそんなバカなことを……」
>
>
>僧侶は哀しげな笑みで首を振る。
>
>
>「そこまでは……けれど確かなのは、ゼルガディスは貴方たちと
> 私の共通の敵である、ということです」
>
>
>ふーむ……。
>いきなり話が進んで大きくなった上、共通の敵とか言われてもな。
>そもそも、何でこの僧侶はそんな奴を敵に回したのか。
>この僧侶からだと “見過ごせない” という普通の答えで済まされそうだ。
>こういった善人はどーも……。
>
>
>「ふむ……つまり、俺たちに『一緒に戦え』と」
>
>「いえいえ、とんでもない」
>
>
>僧侶は慌てて首を振り、言葉を続ける。
>
>
>「察するに貴方たちは、そうとは知らずに “鍵” を手に入れ、
> 巻き込まれてしまった――そんなところでしょう」
>
>「まあ、な」
>
>「それでは、私が “鍵” をあずかりましょう。それで貴方たちも、
> つまらぬことに巻き込まれなくなります」
>
>「そんなの駄目です! 一人で戦うことになるじゃありませんか!」
>
>
>それなら“鍵” など壊してしまえばいい。
>そう俺が言おうとしたら、その前にアメリアが憤慨するように叫んだ。
>正義おたくのアメリアにとって、さすがに承諾しかねるようだ。
>
>
>「ご心配なく。この赤法師、決して奴らにひけを取るつもりは
> ありません」
>
>「――赤法師……?」
>
>
>俺は思わず問い返した。
>赤法師って、まさか。
>
>
>
>
>
>NEXT.

[記事表示にもどる]