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Re: ドラスレ! 7
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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元記事
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>第七話
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>いきなり部屋に響き渡った声に、全員が動きを止める。
>
>……な、何だ?
>
>俺がきょろりと辺りを見回してみると、ふいにさわりとした
>爽やかな夜風が部屋の中に一瞬だけ吹いてきた。
>はっと振り返ると、部屋の窓がいつのまにか開いていて、
>ふわりと白いカーテンが風に揺れている。
>その向こう側に一つの影がある。
>
>思わずぽかんとした俺は、殺気を感じてとっさに右手に飛びのく。
>ジリッと左の脇腹が急に熱くなったのを感じつつも、
>俺は攻撃を仕掛けてきたロディマスを威圧する。
>
>くそ、何だか分からんがこっちを倒すのが先――!
>
>
>「今、僕が引導を渡してあげましょう!!」
>
>「っだああ! さっきから何なんだ!」
>
>
>俺が叫び終わらないうちに、窓の向こう側の影が飛び上がった。
>
>
>「行きます、とうっ!」
>
>
>
>ガヅッ!
>
>ドチャベチゴォンッ!!
>
>
>
>影はそのまま部屋の中へ飛び込んでこようとしたが、
>窓枠に片足を思いっきり引っ掛けたらしく、かなり痛そうな音を
>立てながら部屋の中へと言葉通り転がりこんでくる。
>
>今度は本当に誰もが戦闘意識を失い、床に転がったそれを見下ろした。
>
>影は一つ間を置いてから、むくりと立ち上がって埃を落とす。
>影の正体は、ゆったりとした白い神官服のようなものを着込んだ
>黒髪の青年――いや、少年?
>多少幼い顔つきから見れば俺より年下なんだと思うが、
>背丈に関しては俺より頭一つ分ほど高い。
>……ぐっ……何か負けた気分だ!
>
>そいつは腰に手を当て、堂々と胸を張る。
>あたかも登場シーンの失敗など、まるでなかったかのように。
>
>
>「生きとし生ける者集いし所、悪ある所に正義あり! 心の悪に
> その身をゆだね、道を失いし者たちよ! 天に代わって僕の裁きを
> 受けるがいい!!」
>
>
>唖然とする一同。
>いきなり単身乗り込んできて、何をごちゃごちゃとわけ分からん
>ヒロイック・サーガもどきなことを言っとるんだ、このにーちゃんは。
>怪訝そうにしていたロディマスが明らかに、お前の仲間かと
>いったよーな視線を向けてくるが、俺は首を横に振ってみせる。
>
>ガウリイお嬢ちゃんと会う前にもずっと旅をして、その間に色々な
>奴らと知り合ってきた俺だけど、さすがにこんな正義おたくの
>知り合いなんぞいなかった。
>
>すっかり闘争心が消えてしまったのか、ロディマスは剣を下ろして
>唖然としたままのゾルフを引っ張っていく。
>パタンと静かにドアが閉じられたあと、きょとんと目を瞬かせていた
>正義おたくのにーちゃんは勝ち誇る。
>
>
>「正義は必ず勝つのです!」
>
>
>……あんた、何にもしてないだろうが。
>俺が深々と溜息をついていると、にーちゃんが大きな声を上げる。
>
>
>「あっ! お腹、怪我してますよ!?」
>
>「リナ!」
>
>「あ……そういえば……」
>
>
>脇腹の傷を思い出した俺は、じくじくとした痛みに眉をひそめる。
>俺って寒いのと痛いのにはあんまり、耐え性がないんだよな。
>
>
>「座って下さい、僕がリカバリィをかけます!」
>
>「ああ……じゃあ、よろしく……」
>
>
>張り切った様子のにーちゃんをここで追い返すのを面倒に思い、
>俺はてきとーに返事をしてベッドに腰掛ける。
>にーちゃんは口の中で素早く呪文を唱えて、リカバリィをかけた。
>ぼんやりとした温かみにほっとする。
>
>ふと、横からガウリイお嬢ちゃんが心配そうな目で見てくるのに
>気がついて、俺は苦笑した。
>
>
>「平気、掠っただけだし」
>
>「……もう、リナったら……」
>
>「はい、これで大丈夫ですよ!」
>
>「悪いな」
>
>「いいえっ!」
>
>
>俺の脇腹から傷がなくなったのをしっかりと確認してから、
>にーちゃんは立ち上がった。
>
>「僕、隣の部屋の者なんですけど、何だか急に胸騒ぎがして……。
> 間に合って本当に良かったですっ」
>
>「そう……」
>
>
>何が間に合って、どう良かったのかが分からん。
>俺はそう思いながらも、リカバリィに免じてとりあえずつっこまなかった。
>にーちゃんは俺たちが困惑してるのにも気がつかずに、
>にっこりと晴れ晴れした笑顔を浮かべる。
>
>
>「すみません、自己紹介が遅れましたね。僕はアメリアです!
> 正義の名の下に、カタートに封印されし悪の根源である、
> 赤眼の魔王・シャブラニクドゥを倒さんがため、旅をしてます!!」
>
>
>俺はアメリアと名乗ってきたにーちゃんの頭を、
>思わず可哀想な目で見てしまった。
>……魔王退治って……どこまで正義おたくなんだか……。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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