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Re: ドラスレ! 5
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
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元記事
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>第五話
>
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>
>「面白い技を使うな、小娘。しかし、そんなものでトロルを
> 倒せるなどと思っ――」
>
>ミイラ男のたわごとは、ふつりと中断される。
>ガウリイお嬢ちゃんのつぶてがつけたトロルの小さな傷が、
>みるみるうちに大きく広がっていくのを目にしたのだ。
>
>
>「な……何だ、これは!」
>
>「…………。」
>
>
>ミイラ男は愕然と、お嬢ちゃんは呆然とその光景を眺める。
>傷は留まることを知らず広がった傷跡は、ついにトロルを食い破った。
>
>……うえっ……。
>俺がやったとはいえ、お世辞にも上品とは言えない術だ。
>今が夕食前じゃなくて本当に良かった。
>
>残るはミイラ男のみ――なのだが、もはやミイラ男は俺が使った
>わけのわからん術に恐れて戦意喪失している。
>まあ、誰にでも分かるよう簡単に術のタネ明かしをしてみると、
>トロルの半端ない再生能力を、回復術である 『リカバリィ』 で
>逆転させた俺オリジナルの術だ。
>
>理論上で作り上げただけで、俺自身でも初めて使ってみたんだが……
>これはもう使うのを止めようと心に誓う。
>さすがに頻繁には使いたくないほど、目と心に毒だ。
>術者が夢でうなされそうな術は使っちゃいけない。
>
>
>「――残念ながら、俺は雑魚に負けるつもりはないな」
>
>
>俺はダメ押しとして、掌を打ち合わせる。
>
>
>「そろそろ本気でいくぞ」
>
>「げっ! ファイアー・ボール!」
>
>
>俺の掌の中で輝く光に、ミイラ男は目を見開く。
>悔しそうにしながらも転がるようにして、店から逃げていった。
>
>
>「……ふう」
>
>「リ、リナ! それどうするの!?」
>
>
>ガウリイが慌てたように、声をかけてくる。
>ぼんやりのほほんとしてるガウリイでも、さすがにポピュラーな
>攻撃呪文であるファイアー・ボールの威力ぐらいは知ってるらしい。
>俺は思わず、まじまじと手の中のそれを見つめ、おもむろに
>トロルに向かって放り投げた。
>
>瞬間、光りが眩く弾ける。
>
>
>「わーっ!」
>
>
>店にいた全員が叫び、沈黙。
>
>
>「ファイアー・ボールじゃないぞ」
>
>
>床にはもうトロルの残骸はない。
>
>
>「ただの、掃除用の魔法」
>
>
>
>
>
>そのあと、俺とガウリイお嬢ちゃんは隣町の宿帳に名前を書いた。
>本当はあのまま泊まっても俺としては何ら問題はなかったが、
>とりあえず用心には用心をかねてさっさと町をあとにしてきた。
>まあ、あの町にはあまりいい換金所はなかったから、
>移動しても別に構わなかったし。
>
>
>「――でも、すごい度胸よねえ、リナも」
>
>「――何のことだ?」
>
>
>ベッドに荷物を置いた俺の横に立ち、お嬢ちゃんが肩をすくめる。
>俺はそ知らぬふりをしてとぼけつつ、ショルダー・ガードと
>マントを外して楽になる。
>
>……って、待てい。
>
>
>「おい、ガウリイお嬢ちゃん……何でお前が俺の部屋にいるんだよ」
>
>「あとで事情を説明してくれるって、言ったでしょ?」
>
>「そうだっけ?」
>
>「そうよ」
>
>
>俺が首を傾げると、ガウリイお嬢ちゃんは頷く。
>あー、そういや何も言ってなかった……こっちの町に移動中
>とっくに話した気分になってたな。
>
>ま、いいか。
>俺もお嬢ちゃんに聞きたいことがあったし。
>
>ちょうど向かいにある椅子に座るよう勧め、俺はベッドに腰掛けた。
>俺はじっとガウリイお嬢ちゃんの瞳を見つめる。
>
>
>「じゃあ、説明してやるよ。……だが、その前にこっちの質問に
> 答えてもらう」
>
>「いいわ。何?」
>
>「じゃあ聞くが――お前、俺のことどう思う?」
>
>
>瞬間、お嬢ちゃんは目を見開いて硬直した。
>うーむ……こりは面白い……。
>面白いがこのまま硬直させておくわけにもいかないか。
>
>
>「冗談だよ、冗談」
>
>「……悪い冗談はよして、死ぬかと思ったわ」
>
>「どーいう意味だよ……」
>
>
>そうは言うが、夜も更けた頃にこうして男の部屋に簡単に
>居座ってたりすると、本当に冗談じゃすまなくなるぞ?
>本当にそこんとこ分かってるのかい、ガウリイお嬢ちゃんよ。
>
>俺は溜息をついてから、お嬢ちゃんにこれまでのいきさつを簡単に話す。
>最初は盗賊にやられて困ってた村の人々のため、盗賊を退治し、
>アジトからお宝を取り戻したこと。
>その時、手数料代わりにほんの少しお宝を頂いたこと。
>それをミイラ男たちが未だつけ狙ってるらしいこと。
>
>
>「そう……最初の “困った人を助けるため” って所はとにかく、
> 成り行きは分かったわ」
>
>
>う、そういうとこばっか鋭いな、このお嬢ちゃんは。
>
>
>「ま、俺がお宝を持ってる限り、あいつらもよっぽどのことがなければ
> お宝のことは諦めないだろ。居場所も魔法で突き止められるしな。
> 何か他に質問は――」
>
>
>俺がそう言いかけた時、誰かがドアをノックした。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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