第四十九話  マネキン語り手: かおさん
私が小さいころ(低学年)よく、週末になると、祖母の家に泊まりにいってたんです。(家の近く・・海のほうにあった)これは、そのときの話です。
いつものように、ごろごろと朝していたら、何か外が騒がしいんですよね?外に出て、みたら、川の対岸で、なぜか、パトカーや、救急車・・人だかりが・・。
どうも、また、(とゆーか、よくあった)踏み切り事故があったようで・・・。
まあ、幼いながらに、また・・か。と思って(なぜかそこの踏み切りはよくあった・・汗)しかし、その日に限って、昼過ぎても、まだ騒がしく・・。そのうち、祖母の家の方にまで警察がばたばたと・・・。
夕方になって、日も暮れかけて、よくやく、人がいなくなったのですが。どうやら、身体の一部が、数点、行方不明になってたようです。
次の日。何となく、新聞みたら、『踏切事故、頭と手足、釣り人が発見』と・・・。
んで・・・・家に戻って、それ、母と父にいったら。・・・・・・・・。
父が一言。『あーあれ、マネキンじゃなかったのか?発見したの自分だぞ?』と・・・。
どうやら、父、その日、そこの海の沖合いで、ツリ・・してたんです・・(汗)んで、一回、針にかかったようで・・。そのまま、針が切れて釣り上げるまではいかなかったそうです・・・・。
どうやら、満潮の時刻と重なって、沖合いにまで流れていってたそうです・・。まさか、そんなこととは知らずに、何か不審なものないですか?と警察にきかれた父が、マネキンなら、流れていった。と応えて、発見と相成ったそうです・・・。
父曰く。何で、マネキンのしかも、頭や手が流れてるのかなぁ?とは思ったそうですが・・(汗)
父の一言のほうが怖かった。『人の身体って、あんなになったら、区別、つかないものだな』と・・。子供ながらにちょっぴし引きました・・・・。


第五十話  音楽室の怪語り手: イリス・バイオレットさん
あれは、10月の終わりの事でした。
学園祭の準備の事が終わり帰ろうとして、忘れ物に気が付きました。
私は,取って返し、2回に上がりました。
すると、音楽室から、「エリ―ゼのために」が聞こえてきたのです。
「あれっ。誰も居ないはずなの・・・。」
私は,責任者でしたので、確認したはずでした。
ガラッ。
ピアノのところには、黒髪で、・・・ちょうど、ダルフィンを少し若くして、白いブラウスと黒いスカ―トの少女が引いていたのです。
私は、
「ねえ。もう下校時刻過ぎてるよ。」
と,声をかけました。
すると・・・。
にたぁぁぁぁ。
と,いう音がしたかと思うほど、少女は、血のように紅い口で笑いました。
そして、
「あのひとはぁぁぁぁぁ・・。」
と言い消えました。

この話には,後日談があり・・・
それは、昔,ピアノのうまい少女・・・百合さんが、ピアノの発表会の少し前に、それが,終わったら,告白すると言うときに、交通事故でなくなったそうです。
そして、その時持っていた楽譜が・・・・。


第五十一話  語り手: たかこさん
これは二年位前の話です。
当時、一人暮らしをしていた私はその日、風邪気味で熱があったのです。
とりあえず、病院に行って薬を飲んで夜はぐっすり寝ようと布団にはいりました。
しばらくすると・・・熱のせいか、妙に息苦しくて体が思いのです。まるで誰かが上に乗っているような感じで・・・・。
ちょっと体を動かしてみようとしましたが何故か全く動きません。目を開こうとしても・・・・
しばらくすると、体の重みがいつの間にか消えてました・・・・・そして気づくと・・・何か下の方に引っ張られているような感じがしたのです。
なんとなく、男の人っぽい人に足をつかまれて下に引っ張られているような感じなのです。そして声が・・・・・
『おかあさん・・・・・・』と聞こえたのです。
妙に現実っぽい感じがして、さすがに私は焦りました。なんとか上の方にいこうと体を動かしているのですが引っ張られ続けるのです。
嫌だと声にだしたつもりでしたが・・・『う・・・』としか声にならず・・・・。
しかし、その自分の声ではっと目が覚めました。ゆっくり体を起こすと汗はびっしょり、けどその時はまだきっと熱せいで嫌な夢でも見たんだろうくらいしか思ってなかったのですが・・・。
数日後・・・・昔の友人から電話があって・・・・その内容が・・・・
『同じクラスだったHくんって覚えてる?あの子、死んだって本当?』
その内容にかなりぎょっとしました。偶然にしては・・・・そういえばと思い・・・そのHくんから電話があったと少し前に母が言ってことを思い出しました。
実際、そのHくんは事故死していました。市内の新聞に載っていたそうです。・・・・・・・以上です。


第五十二話  死者からのメッセージ語り手: もももさん
バイト先で、私はアケミさんという女の人と仲良くなりました。
ある日、他の社員が帰るというのにアケミさんはまだ仕事をしていくと言い張りました。
私達はひきあげることにしました。
が、それがアケミさんの最後の姿だったのです
アケミさんは自殺してしまったのです
自宅のトイレで首を吊って。自殺の原因はわかりませんでした。
会社に行くと私が使っていたパソコンは他の人が使うことになっていて、私はアケミさんが使っていたパソコンを使うことになりました
何日か何事もなく過ぎていきました。
ただ、アケミさんのパソコンに替わってからというもの、打ち間違いが非常に多くなったのです
私は「削除」キーを押しながら、知らないうちにそれらの文字をつなぎ合わせていました
「死・ン・デ・ハ・イ・ナ・イ」
私の肌に悪寒が走りました。
「ワ・タ・シ・ハ」
「コ・コ・ニ・イ・ル」
パソコンの中にいるって意味?
「コ・コ・カ・ラ・ダ・シ・テ」
「サ・モ・ナ・イ・ト」
私は課長に無理を言って帰らせてもらいました。
私はそれっきり2度と会社に行かず、辞表も郵送しました。


第五十三話  黒い影語り手: のりぃさん
それは、まだ少し寒く、日が短かった頃の話です。
昼寝をしていた私は、起きて、すっかり家の中が暗くなっているのに気がつきました。
で、日光の加減で真っ暗になった部屋で、電気をつけようと思いながらうつらうつらしていたのですが。
ふと、気がつきました。部屋の中を何かが飛び回っていたのです。
うつらうつらしている頭の上を、何かが音をたてて掠めて飛んでいきました。
「これはヤバい!」と思い、飛び上がって電気をつけました。すると、そこにいたのは……
羽を広げて20センチぐらいと思われるコウモリだったのです。
しかし、生き物は基本的に私は平気ですので、あわてて窓を全開にし、ドアを開け、台所に走ってサランラップとポリ袋を装備。
それを使って、窓からコウモリを追い出したのです。そこで、ふと気がつきました。
さっきまで、この部屋は、窓もドアも全部閉まっていたはずなのです。
そして、さらに、もう一つ思い出したことがありました。
自分は昔、「どうも寝ている間に血を飲んでいたらしい事件」を起こしていたような……?


第五十四話  霊と遊んだ私語り手: イリス・バイオレットさん
・・・・私は,昔よく入院していました。
そこで・・・・・・。
検査と診察以外は,大体1人寂しく病室で、寂しく絵本を読んでいました。
ある晩秋の事でした。
私が,トイレにいった帰りに、後ろから声が・・・・
「ねぇ。一緒にあそぼ。」
と,10歳前後のチャイナ風アップをした少女がいました。
・・今は,区別つくけど、当時4さいだったもんなぁ。
それでそれから毎日のように、夜だけ遊びました。
昼は,探しても居なかったのです。
クリスマスも間近とゆうときに、
「じぁね。○○ちゃん」
「やだぁ。レイおねいちゃん。」
それで遊ばなくなったので・・
その後、看護婦さんのうわさで、おねいちゃんが,なくなったのを聞きました。
つまり,私は,半霊とあそんでいたのです。


その子は,友の友の家で元気にしています。


第五十五話  金縛り語り手: れいさん
あれは、祖母が無くなってから数日後のことです。
その頃、私は何度も金縛りに遭っていました。
時間的にはほんの1分程度で、それほど辛いわけではありませんでしたが。
それでも、それまで金縛りに遭った事の無い私には恐怖でした。
それが何度も続いた夜。
やはりまた私は金縛りに遭いました。
しかもいつもよりそれはかなり長いものでした。
身体の全く動かない中、私はもしかして・・・と今更ながらに思い出しました。
どこかで読んだ本には、金縛りが起こるのは、主に身体と精神が一緒に起きない、身体は起きていないにも関わらず精神だけ何らかの(ストレス等)精神的要因により起るものだ、と書いてあり。
そして原因にはもう1つあって、それが、「自分の側に霊がいる場合」だとも書いてありました。
それで、もしかして金縛りが起るのは祖母が側にいるからなのかも知れない・・・と思い。
「おばあちゃん?」
と言おうとしましたが。
勿論声は出ませんでした。
勿論身体も動きませんでした。
そしてまた数分が経ち。
その時私は布団を頭から被っていましたが。
その布団の上から、身体を揺さぶられるかのような感覚がありました。
しかもその感覚が母が起こす時と違っていて。
それはどちらかと言えば祖母がそうした時の感触に近いものがありました。
しかし、それと同時にすっと金縛りが消えました。
布団をはいで、目を開けてみても、真っ暗なままで誰もいませんでしたが。
何故か怖くなかったです。
おぼろげに残る、悪い夢から起こしてくれた祖母の記憶を彷彿させたからなのかも知れません・・・。


第五十六話  理科室の子供語り手: イリス・バイオレットさん
あれは、12月のあたまのことです。
小2の頃、居残りで、下校時刻も過ぎ、真っ暗になり、帰る時に、それは、起こりました。
〈急ごう、お母さん心配してるだろうな。〉
と、思いつつ駆け足で、行こうとしたとき、理科室の前が、異様に熱いのです。
暖房も、切ってある時刻なのに・・・。
そして、理科準備室との間から、はいずるような、しかし、高い声で・・・
「お母さん・・・熱いよ・・・
 お母さん・・どこ・・・」
と、幼い子供の声が、しました。
私は、瞬時に、〈かなり異常かも。〉
〈火事でなくなった、子供・・でも、学校なら、先生のはず・・〉
と、考える内に、少しずつ熱くなっていく周り。
〈考えてたら、こっちまでやられるねぇ。仕方ないわね理由は、どうであれ、ね。〉
私は、気を集中した。
「何やってるの坊や。」
こういうとき、子供には、やさしくね。
「あのね・・・お母さんと、はぐれたの。」
「なにが、あったの、」
「火事で、お母さんとはぐれたの。」
(どうしようか、私じゃ、今の私じゃ、パワ−足りないし・・)
「ここ、どこか解る、ぼうや。」
「ううん。」
(なおさら、困った。)
私は、あせり始めていた。
パワ―が、あれば、強制成仏できるのに、
(某雑誌の魂葬に近い物。)
それまで、黙ってた坊やが・・・
「あのね。ここ、ぼくが、居たときより・・・ずっと後だよね。」
「そうよ。」
「あのね。僕、上に行きたいんだ。でも、学校が、あるから・・さ。」
「わかった。」
わたしは、出来るなら、逃げたかった。
でも、
「送る・・・の前にいいか。なぜ脅かしたの、坊や。」
「力が、あるなら、逃げないと思ったから。」
力があっても、怖い物は、怖い。
とにかく、我流・送霊術の、呪文を唱え始めた。
「死者の魂を司る、閻魔殿、そちらに、幼子を送る。受け取れ。」
あたりが、ほのかに明るくなる。
坊やは、逝った。
そして、わたしは、先生に怒られた。

呪文は、自己暗示です。

ここまでありがとうございました。


第五十七話  ざりがにたちはどこへ消えた語り手: れいさん
あれは私が小学校1年のときでした。
何月か忘れてしまいましたが、ある時に1年全員でざりがにを採りに行きました。
その時にとったざりがにをクラスごと、水槽で飼っていました。
それから数日後。
私達のクラスだけ、ざりがにが一匹なくなりました。
勿論、鍵はかかっていましたし、猫が入ったのかな?と思ったのですが、食い散らかした跡もありませんでしたし、第一5匹以上いたのに1匹だけ食べるのはおかしいとも思いました。
で、その次の日。
また1匹なくなっていました。
もしかして、誰かが勝手にとっていってるのかも…と思い。
その日に、先生と一緒に鍵をかけ、そして学校が開く丁度の時間に間に合うようひとりで学校に行き教室へ自分で鍵を開け行ったのですが。
やっぱり、1匹いなくなっていました。
その辺りには勿論みんなおかしいと騒いでいて。
先生がとったとか、私がとったとか、あれこれ言われてまして。
すると、その日を境に。
ざりがにの数が減らなくなりました。
それどころか、次の日1匹増えていました。
次の日も、1匹増えていました。
その次にもやはり1匹増えていて。
何時の間にか元通りの数になっていました。
みんな元気だったので、原因は分からないけど戻ってよかったなと思った矢先。
次の日に学校へ行くと。
ざりがにはみんな死んでいました。
原因は分かりません。
エサは、みんなであげますけど、学校にあるエサですし、係の人が2〜3人であげるので、変なものがあればすぐさま言う筈ですし。
他のクラスのザリガニはみんな元気なので、寿命でもなさそうですし。
しかし死んでしまったものは仕方ないので、クラス全員で学校の裏に埋めました。
あれから、10年ほどした今でも、原因は分かっていません。
皆ばらばらになって、覚えている人が何人いるかという事さえも。


第五十八話  語り手: もももさん
修学旅行の出来事です
何日目だったか、私は夜中に目を覚ましました。
と、何処からか声が聞こえてきました。
「痛い、痛い」と。
声のする方に目を凝らしてみると、寝ているはずの友達だと分かりました。
「痛い、痛い」小さな声でうめいています
あの時私が声をかけて助けていれば、友達にあんな恐ろしいことが怒ることも無かったのです。
でも、私は気づかないふりをして寝床に入りました。
次の日もバスに乗り観光地をまわりました。
と、昨日の友達のことを思い出したので聞いてみることにしました。
「大丈夫?昨日うなされてたよ?」
「ウソ!?」
「痛い、痛いってうなされてたよ?」
「そう言えば、何か痛いみたいなんだよね」
「何処が?」
「ここ」
その時です。
友達の首が鎌で切られたように開き、噴水のように血が吹き出てきたのです。
友達の頭は肩の上に倒れてました。
そして、友達の体は後ろの方に吸い寄せられるかのように倒れていきました


第五十九話  追ってきた影語り手: かおさん
これは、私の友達(霊感が強い子)の体験の話です。その日、いつものごとくに、金縛りにあった彼女は。『・・・またか・・・。』という感じで、精神を集中させたそうです。
大抵、それで、すぐに収まる、というか、追っ払えるそうなんですが、その日に限ってしつこかったようです。
・・・で、別にいっか。といって、そのまま寝たそうです。その日は。
で、次の朝。さすがに、もういないだろう。
と思って、服を着替えようと、ベットから起き上がると。
ベットの下から、気配が。
『どっかいけ!』と、彼女が怒鳴ると、今度は、ベットのしたからと、机の下から、無数の影のような、白い手が出てきたそうです・・・・・。
(それを冷静に話す友達も友達だよぉ・・・涙)
・・・・・。
『関るの、面倒だし。』
といって、そんなに存在を強調しているそれを無視しきって、彼女は仕事にいく準備を始めて、とっとと部屋をでました。
しつこいのには、関ると、ろくなことがないそうなので・・・・。
(だから、どーして、そんなに冷静なのか・・汗)
そして、家から出ると。
まだ、それがいる気配が部屋からするけど。
「ま、そのうち、どっかにいくだろうし。」
という単純な思いで、そのまま、仕事に出かけたそうです。
彼女曰く。
そんなに、悪意なかったし。
ほっといても、大丈夫そうだったし・・・・。
ということでしたが・・。
そして、仕事場。
いつものように、仕事をしていた彼女は。ふと。ある違和感に気づきました。
何か、いつもと違うんです。
机の感じが・・・。
ちょっと、そのとき、彼女、風邪気味で。本人曰く、アンテナが鈍っていたとか・・何とか・・・・。
何か、足元がやけに気になり。
ふっ。
と、下を机の下を覗き込みました。
といっても、本当に見たのではなく、感覚的・・だそうですが。
がた。
そのまま、彼女は、それを無視して、席をたち、部屋から放れました。
そして、しばらく、時間をつぶし。
もう、いいか。と、部屋に戻ると。目に入ったのは。
・・・・・彼女は、そのとたん。切れたそうです。
つかつかつか。
ばたん!
いきなり、窓のブラインドを開け放ち。そして、大声で。
『いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!』
と。
周りの同僚はびっくりしたそうですが。
しかし、同僚の中にも、感じる子と、視える人がいたそうで・・・・。
「あ・・・○○さんの一括で、どっかにいった・・。」
と、ほっとしてつぶやいたそうです。
彼女が見たもの。
それは、机の下から、無数に出てきている白い手と。そして、机の上に乗っている、男性らしき、首と頭。
彼女をみて、にやにやと笑っていたそうですが・・・。
視えるこは、手だけがみえて。感じる子は、気分が悪くなっていたそうです・・・・。
そう。それは、まぎれもなく。彼女の部屋に、昨夜からいた、それだったようです。
・・・・彼女について、仕事場まで来たそうなんですが・・・。
本人曰く。
「気づかなかったのが不覚!」
といってましたが・・・。
何か、鎌って欲しい。というより、驚かすのが趣味なやつみたいだったけど・・・。と、言ってましたが・・・・。
そのまま、彼女は、スタン。と席に座って、いらいらを解消するがごとくに。パソコンに向かったそうですが・・。
それの行き先を見ていた、視える子は。それは、隣のビルに入っていったのを確認してしまったそうです。
というのも、それがでていって。すぐに、何をいうともなく、連係で、バタン!と、窓を閉めたそうです。
そして。
「・・・・何かあったのか?」
と、聞いている上司や同僚たちに。
「・・・きづかんのか・・あんたらは・・。」
と。彼女達四人がため息ついたとか・・・。
どうやら、それは、オフィスにいた全員に。ちょっかいかけてたそうです。

・・全員が帰ってから。彼女は、一応、部屋の除霊をしておいたそうです。
・・それにつられて。どうでもいいようなのも多々と寄って来ていたそうなので・・・・。
結局。それは、会社の誰かが。何処からか、連れて来ていたのを。助ける力があるとわかったのか。彼女の家についていっていたそうなんですが・・・。
しかし。彼女の家がまた・・こっちの方が怖いかも・・・。
「何だ、つれてったのか?また会社に?」
と、彼女の父。
・・そう、彼女の父もまた、霊感が強かったそうなんです・・・。
(この前、いきなり、眠っているときに、突然死した・・涙)
「知ってたんなら、早くいってよ!」
と、彼女は。しばらく、父と言い争いをしたそうです。
「気づかない、お前がわるい。」
「私は、風邪ひいてるんだから、しょうがないでしょうが!」
と・・。

・・・・霊感の強い家系って・・・・。
・・・・普通がこうなんですかねぇ???

結局。しばらく。隣のビルでは。幽霊の噂話が。しばし飛び交っていたそうです。
半年くらい・・・・・・。


第六十話  林間学校での体験語り手: Lilyさん
去年の夏、高校の行事で長野まで行って来たのですが2日目のキャンプ・ファイアーのときでした。
近くの建物の屋上に打ち上げ花火をくっつけて打ち上げるというコーナー(?)があってその時・・・
「さ〜ぶろ〜さ〜ん!」と、火をつける係の先生を呼んだところ、
背後でいきなり気配を【感じて】振り返ると確かに気配がありました。
とりあえず怖くなって顔を花火の方に戻すと私の前に居た友達の一人も私のほうを向いていたのです。
で、ふたりで「いたよね」「うん」と言うような会話をしていると他の友達が「どうしたの?」と聞いてきたのでそのことを話していたのですが・・・
キャンプファイアーが終わり旅館に帰るときも無数の気配を感じ、私とその【解る】友達を先頭に走ってホテルまで帰りました。
一番始めの【気配】は人間で多分女性だったと思います・・・無数の気配の方は解りませんでしたが・・・


第六十一話  弱肉強食語り手: くれつきさん
こういうこともあるものだという話なのですが
うちの母親が、近所の家に用事で行ったとき、そこの玄関に大きな水槽があって、そこにメダカが2匹、いたらしいのです。
その家の方の話によれば、その水槽には前、3年ものの大きなザリガニが飼われていたそうなのです。
ある日、その家の子供が亀を持って帰ってきまして。。。
その亀をザリガニが居る水槽に入れておいたそうなのです。
数日後。
水槽を覗くと、そこには甲羅だけになった亀が。。。
ザリガニが、亀を食べてしまったらしく頭・足のないかめの残骸がそこに浮かんでいたそうです。。。
そしてその水槽の主がまたザリガニだけになり、しばらくしたある日。
水槽のふたが開いていたらしく、そのザリガニも、猫に食べられてしまったのです。。。
そして、誰も居なくなった水槽に、その家の子供はメダカを捕まえて入れて現在に至る、というお話でした。。
以上、弱肉強食でした♪


第六十二話  お母さんを捜す子語り手: 葵楓扇さん
前置きしておきますが、これは知人から聞いた話なので、この話中の『私』はその知人の事です。
ある日の夜、私と友人は、ある宿泊所へ泊まりに行きました。
ある行事で行ったのですが、その宿泊所には中のどこかで自殺した人が居るという話を聞いてとても嫌でした。
そして就寝時間、みんな寝ている中、私だけ寝付きません。
仕方がないので一人廊下を散歩していると、誰かが近づく気配がしました。
近づいてきたのは、一人の女の子でした。私は怖くなりました。
でも、その子は私にこう尋ねてきました。
「私のお母さん知らない?」
私は知らないと言うと、その子は何処かに行ってしまいました。
朝になり、宿泊所のみんなにその事を話しました。
するとみんな、そんな子は居ないと言いました。
では、その会った子は誰なんだろうと思いました。
実は、この後友達から聞いたのですが、私が泊まった部屋は自殺した人が居た部屋だったそうです。
「その子はきっと、自殺した女性の娘だよ」
と友達は言いました。
その友達は霊感が強く、見える人なので、多分本当の事を言ってると思います。


第六十三話  語り手: れいさん
私が通っていた小学校の話です。
私の通っていた小学校のトイレの向かい側に妙な空間というか、柱みたいなものがあり、その白い柱に、もう一枚覆い被さるような白い小さな板が張ってありまして。
その板を叩くと、空洞があるような音がしました。
私の通っていた小学校は3階立てで、全ての階に同じような事がしてあったので、先生に「この変な空間は何ですか?」と尋ねた所。
「昔そこにはエレベーターがあったのよ」という答えが帰ってきました。
「どうしてそんなに便利なものなくしたの?」と聞き返したのですが、先生は何も言ってくれなかったのでその時は先生も知らないのかなぁと思っていました。
それが、いつだったか覚えてはいませんが。
掃除の時、私達の班はトイレの掃除で、その時、6年生の人が教えてくれました。
そのエレベーターは、業務用エレベーター(主に給食運搬用)だったそうで、 そのエレベーターには勿論人は入ってはいけないのですが、何十年も前に。ある生徒数名が、ふざけて気の弱い生徒をそのエレベーターにおしこめたそうです。
それでボタンで適当に操作したのですが、結構古いエレベーターで、もともとたまに壊れることがあったらしく。(その頃は既に殆ど使われていずに)
その時も、適当な操作の所為で、壊れたのか、いつまでたっても、どの階でもエレベーターのドアが開かなくて。
それで、先生達にばれ、やっとこじ開けたところ。
その生徒は、恐怖とショックで髪が真っ白になっていて、気絶していたそうです。
その生徒がその後どうなったのかは知らないのですが、そのことがありエレベーターは取り壊し、白い板が張られ、今のようになったそうで。
その話を聞いて、どうも「本当にあったのかなぁ」と思い、昼休み、その板に耳をつけてじいっとしていると。
中からかすれるような、声に近い音がして。
びっくりして、みんなの遊んでいる運動へ逃げました。
怖かったので、みんなにはエレベーターの話も、声に近い音の話はしていませんでした。
単純な小学校の頃の私は、「きっと生徒はその後ショックで死んで、幽霊としてあそこにずっといるんだ」と信じて疑いませんでした。
そして。
私の通っていた小学校は、数年前、大幅な改装工事をしたらしく。
私の後輩にあたる卒業生曰く、そのエレベーターの残骸や、エレベーターのあった柱も、もうなくなったそうです。


第六十四話  語り手: 葵楓扇さん
今回は、私が今まで聞いた事のある童謡に関する裏話をさせて戴きます。
まずは、一番色々な説のある「さっちゃん」の話から。
さっちゃんと言ったら、あの幼い女の子の事で三番くらいまであるあの歌です。
それの二番、彼女がバナナを半分しか食べられないという所は有名なフレーズです。
その二番を、夜寝る前に歌うと……夢の中に、さっちゃんが出て来るという話です。
そして、問題はその後。夢の中でさっちゃんが何をするか、というのがポイントです。
昔私が怪談集めに奔走していた頃、友人から聞いた話では、夢の中にさっちゃんが出てきて、バナナの様に皮を剥かれて殺されるそうです。
私はこれを聞いた時非常に怖く、一年近くこの話を封印していました。
そしてつい先日、今回の百物語も差し迫っていたので、友人にこの話をしてみました。
すると、彼女はそれとは違う話を知っているとの事。
彼女曰く、夢にさっちゃんが出て来るというところまでは同じなのですが、その後はさっちゃんに首を絞められて殺されるとの事でした。
さらには、先日何かの機会で仕入れた話では、何故か釜に入れられて殺されてしまうそうです。
他にも、高校で知り合った友人は、多くの童謡に関する話を知っていました。
その中で自分として一番怖かったのは、メダカの学校の歌。
あの有名な童謡は、実は水難事故で死亡した生徒の話だと言う事でした。
そして最後に、私が知っている中で有名な話と言えば、あの赤い靴の話。
赤い靴履いてた女の子が、異人さんに連れられて外国に行ってしまう歌ですが、あれは知っている方も多いように、横浜で実際にあった話です。
赤い靴を履いていた女の子、彼女は結核を患い、外国へと追いやられてしまったそうです。
そして最後に、歌としても怖いのが「かごめかごめ」。
かごめかごめ、かごの中の鳥は…の部分は、赤ん坊を妊娠したお母さんの事だそうです。
いついつ出やる、はそのままいつ産まれるか、を示していますが、その後の部分はそんな悠長なものじゃありません。
夜明けの晩に鶴と亀が滑った、それは妊婦さんが階段を滑って落ちてしまい、流産してしまった事を示しているそうです。
しかし、この歌の本当に怖い所はこの最後。「後ろの正面だあれ?」の所です。
後ろ、それは階段の上に居た人。それはお姑さんだったそうです。
この歌の真意、それはお姑さんに突き落とされた所為で死んでしまった子供の事だそうです。


第六十五話  語り手: リナ&キャナさん
ある人が、怪談の本を出したそうです。
その本の中に書いてあったのは、結構ありきたりな話で、
「土屋君という人が轢き逃げに会いました。彼は、病院で全身包帯巻きになって、何ヶ月も植物状態でした。
しかし、やがて眼を覚まして、その場にいた友人たちに言いました。『僕を轢いた犯人を捜してくれ』と。
その遺言を残して亡くなりました。
友人たちや家族たち、部活の仲間など、皆が必死に探しましたが、1年たっても見つかりませんでした。
そして、土屋君の1周忌の日、友人たちが墓参りに行き、見つからなかったことを告げると。
その後、怪談の本を出した人は「あれは、うそですよ」ということを発表したのですが、
それを発表するまで、さまざまな人達から「土屋君を見た」という手紙が届いたそうです。
しかし・・・
「部屋の片隅で、左目以外のところが包帯巻きになっている土屋君がいた」ということが、全ての手紙に共通していたそうです。
・・・もちろん、本には『左眼が出ている』とか言うことは一言も書いていませんでした。


第六十六話  足を欲しがるゆきちゃん語り手: 葵さん
携帯のメールには変な伝言の入っていることが多いと聞きます
私も例外では有りません。
どういうシステムになっていて、私の番号を知る事が出来るのでしょう。
恋人募集の告知が一番多くて、
「おれ、キムタクに似ている18歳。一緒にドライブに行ってくれる子を探してます。では可愛い子からの返事待ってます。」
みたいなこと書いてるんです。
私も17歳になったばかりだし彼氏は欲しいけど、会ってみてがっかりなんていうのは嫌だからこんなメールは削除してます。
次に多いのが不幸のメールというやつです。
「OOくんが顔をずたずたにして殺されました。今から10人に送らないとお前を殺しに行く。」
といった内容です。
ところがある日。
「私ゆきちゃん。
 今日一緒に遊んで楽しかったね。
 あなたのおうちの近くに昨日引っ越してきました。
 今度また一緒に遊ぼうね。」
悪戯と分かっていてもゾクッとしました。
勿論私にはゆきちゃんという名の友達はいません。
それからというもの「ゆきちゃん」から頻繁にメールが届くようになりました。
「今日は雨。
 雨の日は嫌い。
 だって痛くなるの。」
「一緒に遊びたいのに、
 足が痛くて、動けないの。」
「あなたは足があるから、
 テニスも出来るし、何処へでも行けていいね。
 私は歩けないから、遊びに来てね。」
こんなメールがつづくと、薄気味悪さがどんどん膨らんでいきます。
ある日の放課後本を返すために図書館に向かいました。
本を返したあと携帯を取り出すとメールが入ってます。
「あなたが羨ましい。
 私も足が欲しい。
      ゆきちゃん。」
「馬鹿にしてるの?」
独り言を言いながら廊下を歩いていると突然携帯がなりました。
「もしもし」
「私ゆきちゃん。
 きっと、あなたの足を取りに行くから。」
という声が聞こえ電話は切れてしまいました。
気にしないことにし、図書館の脇にあるトイレに行きました。
何となく人に見られている様なきがしたのですが、原因はすぐ分かりました。
トイレットペーパーの上に小さな人形がのかっているのです。
「なんでこんな所に人形が?」
と、一瞬人形の目が動いたのです。
「ゆきちゃん・・?」
「・・・・・私、ゆきちゃん・・・。
 足・・・・欲しい。
 あなたの、足・・・・・欲しい・・・・。」
私は、トイレットペーパーの端をつかんで、思いっきりひっぱったのでした。
すると、「ゆきちゃん」の足がもぎ取られるように飛んでいきました。
私はわけがわからず、いそいで家に帰りました。
帰りつくと、母に携帯を投げるように渡して、
「捨てて!!」
と叫んだのですが、母は
「誰かとけんかでもしたの?」
と呑気なことを言っています。
私は学校であったことを話そうとしたのですが、それより母がはやくこう言いました。
「そうそう、押入れをかたずけていたら、古い服と
 いっしょに、おもちゃがでてきたの。
 この人形、覚えてる?
 ゆきちゃんよ。」
母はそういって私の前に片足のとれた人形を置いたのでした。
ゆきちゃんは、転がされたまま、私を見上げて、ニヤリと笑いました。


第六十七話  図工室の少年語り手: ユア・ファンティンさん
それは,去る5年前の秋。
図工の居残りをしていた・・・
・・・・1人でしていた。
準備室の電動のこ(チェ―ンソ―でなし。)を使う為に入ると前の体操服の少年が居ました。
(私1人だよね。)
「ねぇ。何してるの。」
「・・・・・。」
私は,したくない経験上
(ああ。幽霊か。)
「何の未練がある。」
「もっと,いろんなものが,作りたい。でも,手がないんだ。」
「どうして。」
「ふざけてて・・。」
「上に逝こうよ。ねっ。」
「ねぇ。きみ何年生。」
「5年。あなたは。」
(シカトかい。・・付き合うか。)
「んっ、僕も,5年。」
「ふ−ん。・・・・血止める、貸せ。」
「うん。」
血をだらだら、幽霊じゃなかったら、地の池が,出来るしね。
ぞくっ。
(さすがに,冷たい)
少年の左手・・・・肘15センチからない左手からは,恐らく死因の怪我を見る(ナ−ガじゃないけど,倒れそう。)
「何で,逝かない 上でも,作れるだろう。」 少年の顔がおそろしく、変わっていく。
『鬼』
そう表現するしかない顔の少年。
ガシッ。
めりっ。
かたに手を掛け,めり込む音。
(今までで,1番ヤバイ)
ツゥ――――。
(なみだ,何で。)
「僕は,もっといろんなことを知りたい 作りたい・・・・・・、。」
(でぇぇぇぇ。死んでるのきずいてない。)
(でも,成仏したいのね。)
涙それが,証だと思う。
メギリィ。
無理やり引き寄せる。
抱きつき
「大丈夫よ。落ち着いて。心開いて・・」
少年お顔が,穏やかになる。
「まだ逝かない。・・・じゃあね。」
と消える。
その後,彼は,まだ居ると言う。


    −幕−


第六十八話  屋根語り手: かおさん
私の母が、数年前。いつもと同じように寝ているときに、それは起こりました。
隣の部屋で寝ていた私は気づきませんでしたが。母は、その日、ふと、夜中、目が覚めたそうです。
ふと、目を開けると、視界に、自分の寝ている姿が見えたそうです。・・そう。
母は、幽体離脱・・してたそうなんです・・・。数年ぶりだとかいってましたが・・・。
そして、きづくと、どんどん、意識は、身体から離れていって、ついには、家を跳びだし、屋根までいき。
さすがに、今までとは、違い、どんどん身体から離れてゆくので。これはまずい。と思い。
自分の身体にもどらなくては。まずいことになる。と、直感的に感じたそうです。
そして、どうにか、身体に戻ることを念じて、気づくと、再び家の中に戻り、自分が寝ている姿が見えました。
しかし、なかなか身体に入れない。でも、起きなければ!と自分に言い聞かせて、
どうにか、気づくと、目に入ったのは、天井。ようやく、身体に戻れたそうです。ずごく身体が重くて、重くて、次の日、起き上がれないほどに疲れていました。
目が覚めると。なんとなく、漠然と、母は直感的に感じたそうです。
ちょうど、そのとき、私の祖母(母の母)が入院していて。
ああ・・もう、長くないんだな・・・と。
それから、三日後。祖母は、亡くなりました。
私の母、なぜか、初対面の人でも、人の死期・・言い当てるといういやな特技があるんです(汗)
だいだい、この人・・いつごろ死ぬよ。というと、決まって。その通りになってたり・・(汗)
身内の場合は、なぜか、引っ張られるような感覚に捕らわれ、幽体離脱をしたんだな・・と。
死期がわかってたからか、母は、結構あっさりしてました。・・というか、葬式がなぜか、爆笑と化したのが事実なのですが・・(まて!)
祖母の宗教にもとづいて、述べ送りをする!と寺の住職が・・できるかぁぁぁ!(道をあるけ・・といわれた)
結局、その恥ずかしい役目は、孫である私達にまわってきました。母たち・・葬式の片付けとかがいそがしい。といって・・逃げました(涙)
祖母が死んでから、しばらく、母は、人の死期をみるのが、ちょっと、わからなくなったそうです。母曰く。あの幽体離脱をしたから、しばらくは、見ないで済む。といっていました。


第六十九話  ある春の日に語り手: れいさん
私が小学校4年生の頃の話です。
昼休みの掃除、私達の班は、当時まだ使われていた焼却炉のごみ捨てと、焼却炉周辺の掃除でした。
その焼却炉は、放課後時、昼休みに生徒が持って行って入れたごみを燃やしていて。
ごみを燃やす日替わり担当の先生が火をつけるのを物見遊山で見に行ったりした生徒もいました。
その所為か、ある日の放課後の終わりの会の時、先生が、
「放課後、焼却炉に行くのはやめましょう。
ずっと前に、ある男の子が放課後、ごみを捨てに行った時に落ちて、
そのまま気絶したまま、先生が火をつけて、その男の子は死んでしまったことがあるから、
みんな遊びで行っているけど、とても危ないのよ」
云々と仰いました。
その話が本当だったのかは分かりませんが、焼却炉の掃除をしていると、色々な事が起りました。
下級生が植えた種の数以上の花が咲いたり。
焼却炉の近くの鶏小屋の鶏の産んだ卵が次の日1つ増えていたり。
昨日までずっとあった筈のありの巣がありや穴ごと消えていたり。
今考えたら人がやろうとすればやれるような、ちっとも不思議じゃあないと言われれば不思議でもなんでもない事なのですが、その頃はとても不思議でたまらなく、「これは呪い?祟り?」とひとりで怖がってました。
それでも掃除は勿論続いて行き。
暖かなある日の昼休みのこと。
上級生の、中庭の掃除の男子生徒が冗談か何かで、ちりとりいっぱいに毛虫を持ってきて、焼却炉に放りこみました。
ひどい事をするなぁとは思いましたが、私は毛虫が大の苦手なので怖くて何も言えませんでした。
その次の日の掃除のこと。
私はその日、焼却炉のごみ捨ての担当で。
教室や運動場からごみばこを持ってくる生徒が来はじめる時間になり、焼却炉の蓋を開けると。
中から毛虫が出てきました。
幸いに、私以外の生徒はみんな毛虫が苦手でなく、出てきた毛虫を班長の人が、また放りこみました。
それはそれでかわいそうだなと思いましたが、やっぱり毛虫は怖いので何も言い出せませんでした。
そして、その日の放課後。
家から持ってきたごみを、教室のごみ箱の中に入れて。
先生と、ごみ箱がそろそろいっぱいになりそうになったからという口実で、放課後火をつける時同行させていただき。
毛虫がいるのを確認して、先生が火をつけるのを眺めました。
次の日の掃除のとき。
その日も私が焼却炉担当だったので蓋をあけると。
今度は蓋の裏側に、びっしりと元気な毛虫がいて。
私は、その場で思わず泣き出してしまいました。
班員の人たちや班長も、気味悪がって、結局その毛虫は放してやり。
そして、その次の日から、頼み込んで掃除場所が変わるまで私は焼却炉の担当をすることはありませんでした。
でも、代わってもらった日からもう毛虫が出たりはしませんでした。
後輩に当たる卒業生曰く、その毛虫にまつわることは、生徒の間だけで怪談として伝えられたそうです。


第七十話  何かがのっていた・・・語り手: かおさん
私が、まだ土日休みのところに勤めていたとき(高校でたてのとき)の話です。
友人から誘われて(とゆーか、無理いって)時間の都合がつくときには、友人と一緒によくできかけていました。
その日も、友人と一緒に、日曜日、広島であった、コミケに参加したときのことです。
その帰り道。友人が残った本(友人は同人誌本を作ってた・・)をずるずると引きずって。
何か、いつも、よく話すのに、いつのまにか、一人の友人がいきなり無口になり。そのまま、電車にのりこみました。
電車の中は、がらがらなのに。
なぜか、私達三人は、ばらばらに座ってました。
人が次の駅でおり、つめればいいのに、なぜか、そのまま、私も離れてすわったまま。そうこうするうちに、いつもなら、ぺちゃくちゃとおしゃべりするのに、誰ともなく何も口をきかずに目的の駅(地元)にたどり着きました。
そして、なぜか、誰も一言も口を聞かないまま(なぜか私も何もいわなかった・・)階段をのぼり。回廊を渡っていたとき。
何となく、私が一番後ろから歩いていたのですが。本当に何となく、ただ、何となく(しつこい!)友人が引いている本の台車を見ていました。
重そうだなぁ・・とおもいつつ。でも、持とうか?と始めにいったとき、大丈夫といわれたので。ただぼーと私、みてたんです。
すると、段差もないのに。いきなり、台車が、私の目の前で、いきなり、かくん・・と。
まるで、重さが退いたように、本当にいきなり飛び跳ねるように浮き上がったんです。
・・へ?そこには、当然、何も段差などはありません。
友人がふと、『・・・あれ?軽くなった?』とはつぶやきましたが。
そのまま、私も変なの・・ですませて。駅をでました。すると。駅を出たとたん。
一人の友人(持ってた人とは違う人)が、『ちょっと休もう』というので。駅の外にある椅子に座りました。
そして、なぜか、持ってた水晶を握り締め、目をつむり。しばし、無言に。
そして、なぜか、一言も三人とも口を聞かず。数分以上が経過しました。
そして、やっと、その子が口を開きました。『・・・・よーやくいった・・』・・と。
すると、荷物を持ってた子が、『・・・まさか、何かいたんじゃ?』と彼女に聞いたんです。
『んー・・まあ、まさかついてくるとは思わなかったから、無視ししてたのに・・・・・。』と。
『私が、気分悪いから、場所かわったでしょ?』彼女は、私達から少し離れて座りなおしていたんです。電車の中で。
私は、ただ、疲れたのかな?の程度だったのですが。『あれ・・広島からついてきてたから・・・』と・・。
どうやら、原爆ドームの近くからついてきてたらしく。無視を決め込んでいたらしいです。・・確かに、そのころから彼女の口数がすくなくなってたけど・・。
そして、『電車までついてきたから、やばいと思って、席変わったのに・・一緒に私達と降りたのよ・・・と。』
そして。『文ちゃん(荷物をもってた友達の呼び名)の荷物に乗ってたの、分からなかった?』と・・。
『階段を登ってしばらくして、荷物から降りたのに、まだついてきてたから・・追い払ってた・・。』と。
ぽん。私は手を叩いて。『もしかして、それで、荷物が飛び跳ねるように上に浮いたの?』と。
『ヤナペぇぇぇ(私のあだ名)分かってたならイってよぉぉぉ!』荷物を持ってた友達が一言。
『・・だって、ただ、何でいきなり浮いたのかな?程度だったし・・・』と。私。・・霊感ないから・・私・・。
友人いわく。しばし、ごねてたけど、ようやくどっかいったから・・しつこかった・・と。
どうやら、追い払っても、追い払っても、しつこく、付きまとっていたようです。・・・・全然わからなかったけど・・・・。
強制的に、何かする、と友人が言ったらしく(それは何をするかまでは教えてくれなかった)それいったら、ようやく、逃げたそうです。
『とりあえず、戻ってくるといけないから、人の多いところにいくよ!』と。なぜか、立ち上がり、人どおりの多い道へと移動しました。
ロッテリアに入り。『・・・よし。よーやく、どこかにいった・・・いや・あれ、やばいやつだったから・・まあ、どこかにいって助かった・・と』友人。
『はやくいってよ!私、三十分も霊と一緒にいたってこと!?』と荷物を持ってた友人。
『とゆーか、荷物に乗ってたのは、電車の中以外。それ以外は、あれも椅子に座ってた。ヤナペと私の間に・・』と。
『席移動しても着いてきたし。・・・ヤナペがもしつめて座ったら・・やばかった・・』・・と。
何となく、席があいても、つめるきがしなかったんですよね・・私。それが功を要したらしいですけど。
結局、人ごみにそれを押し付けるようにして、それは誰かについていったそうです。
そして『この話はここまで・・・』といきなり話を切り替える友人。
駅をでて、車にのって、数日後。『なんであのとき、話をきりかえたの?』と聞くと。
 『・・・だって、話してたら、また近くによってきてたから・・・・・。』と。
何となく、それで、話をいきなり切り替えたのか・・と、そのときになって、分かった私。・・しばし、数メートル離れて。駐車場までついてきてたそうです・・・・。
結局、それは、男性だったそうです。・・それから後は知りません・・・・。とゆーか、どこかに友人曰く。いったらしい・・と。
今もまだどこかにいるのかもしれませんが・・(汗)『あれ・・成仏する気がないからやっかいなのよ・・』と友人は言ってました。
私が、鈍感にも関らず、唯一、この目でみた、荷物が浮く・・という経験は。今だに目に焼きついてます。
なぜ、荷物をぼーと見てたのか、今もって自分でもわかりませんが・・・。
とにかく、それは、本の上にのって、広島から岩国まで旅してきたのです。
後日談。友人と、その話をしてたとき『あ・・・今見たら、戻ってる・・広島に・・と』友人。・・・・なぜわかる!?
結局、それは、そのまま、不思議な経験のままでした。
以上です!(怖くなかった・・汗)


第七十一話  共存語り手: エモーションさん
夏休み前のことです。学校の司書室で、司書さんと図書委員2名が新しい本の登録作業をしておりました。
すでに図書室は閉めていて、閲覧室には誰もいません。木が生い茂っているため、すでに室内は真っ暗です。
とりあえず、部活をしている生徒の下校時刻まで、作業をすることにしていました。
司書室から閲覧室はしきりはありますが、窓ガラス越しにカウンターや、閲覧室内がよく見えます。司書さんと図書委員Aさんは、カウンターの見える位置、Bさんはカウンターに背を向けて作業していました。
黙々と作業を続けている時、全員が「それ」に気づきました。
でも、そのまま作業をしていました。
先に一段落ついたのか、Aさんが恐る恐る言いました。
「司書さん……さっき、カウンターに白いものがさっと……」
すると、司書さんは「ああ、あれね」とにっこり笑っていいました。
「気にするな、ほっとけ」
「気になります!!!」
AさんとBさんは思わずそろって叫びました。すると、「大丈夫、何にもしないから」という司書さん。
実は司書さんはその新年度に、その学校に来たばかりだったのですが、来た早々「それ」と遭遇していました。
その時は、授業中。閲覧室にはちゃんと電気が点いていましたが、やはり司書室で仕事をしていたとき、「それ」はカウンターの前を横切っていったのです。
「新入りをからかいに来た、授業さぼりの悪ガキ君」だと思った司書さんは、とりあえず捕獲のため閲覧室へ通じるドアを開けました。
生徒数の割に狭い、という閲覧室です。出入り口は一つだけ。横切った方向は出入り口とは逆です。まだ、室内に居るはず。そう思ったのですが……いません。
念のため、室内を回りますが隠れている形跡もなし。「変だなあ……上手く逃げられたか?とりあえずあとで生徒指導に言っておこう」と思いつつ、司書室に戻り、席に着いた瞬間、あることに気が付きました。司書さんは
「あの服、白かった。……まだ、夏服の時期と違う!」
まだ東北の4月のことです。冬服の上着なしでは、とてもじゃないけど寒くて歩けません。まして、図書室は寒い場所ランキング校内ナンバー1……。
そうか、そう言うことか、と司書さんは納得しました。
その後も、司書さんは何度か同じものに遭遇しました。ただし、カウンター前ではなく、閲覧室の本棚近辺や、司書室で。
何度か遭遇するうちにある程度データがそろったらしく、「どうやら、悪さはしない子だね。ここにいたいだけのようだ。……ちゃんと供養されてるみたいだし」と判断しました。
「ほんとに大丈夫なんですか〜?」とAさんが当然の質問をします。司書さんは「悪さするやつなら、とっくにやってる。結構まえからいるみたいだもん。司書が変わったから観察してたんでしょ」
「年がね、あんたたちと同じくらい。多分、楽しそうだから見に来ているんだよ」
確かに、その図書委員会は妙にハイテンションな連中が、歴代で多いとこです。
「先住してるし、悪さしないならほっとく。そのうち上がるだろうし。まあ、こっちはここを使わなきゃいけないし、あっちはここにいたいんだから、とりあえず共存ということ」
何故か、AさんもBさんも納得してしまいました。まあ、さすがに作業はそこで終わりにしましたが。
ちなみに、数年後、彼女は図書室からいなくなったそうです。
多分、成仏したんでしょう。終わります。


第七十二話  初めての・・語り手: れいさん
あれは、今から3ヶ月ほど前のことです。
あの日は私の寝る部屋が白蟻に食われてしまい、仕方が無いので別の部屋で寝ることになりました。
その部屋は、祖母が亡くなった時、 祖母が火葬場に運ばれるまで寝かせていた部屋でした。
その夜、私はその部屋で眠りにつきました。
その日、いつもはあまり見ないのですが、珍しく夢を見ました。
私は夢を見る時、殆ど「これは夢だ」とわかるので、 その時も「久々に夢見たな〜」と呑気に夢の中で思っておりました。
その夢の中で、私は殺されそうになっていました。
それで、「これは起きないといけないな」と思い、 起きようとしたのですが、何故か目が覚めずに。
夢だとは分かっていても怖かったのですが、どうしても起きることができませんでした。
それで、その夢は知らない女性に鉄砲を向けられているという夢で、 どうしようもなかったので、夢の中で跳びました。
すると、 やっとおきる事ができました。
そして、ああやれやれと思い布団から出ようとしたのですが、 なんだか体が動かず、つま先から頭にかけて痺れてきました。
そして、何かいきなり体がふっと軽くなり。
気付いたら目の前が天井でした。
で、その状態が数秒続き。
今度は体がいきなり重くなって、すとんと落ちたような感じがしました。
すると、痺れもとれて、体も動かせるようになりました。
これが私の初めての、(おそらく)幽体離脱でした。
そして、その次の日に、母に頼んで他の部屋で寝るようになると。
それ以来、同じことは二度と起らなくなりました。


第七十三話  タロット語り手: ユア・ファンティンさん
皆さんは、少なからずタロットカ−ドのことは、ご存知だと思います。
これは、すべて、私の身にあったことでございます。
今を去ること2週間ほど前の、・・丑三つ時・・。

「マスタ―・ユア、・・・・マスタ―・ユア。」
と、私を呼ぶ声がします。
不思議に、思い目を覚ましますと。布団の近くの占い机の上のタロット入れの上に…。
ホログラムのような形で、5人の男女が、箱の上に、浮かんでるでは、ありませんか。
「マスタ―・ユア。
 私は、ナンバ―・T・パメラ。」
「私は、ナンバ―13・メイザ―ズ。」
と自己紹介をされました。
その人たちは、すべてのタロットに宿る
・・・・人の言葉でいう、精霊だとか、九十九神に近い物だといいます。
そして、しばらくは、現では、占いの手伝いをしてもらい、幻では、茶会をしていましたが、・・・。
13といえば、死神。
そいつは、金髪・碧眼・白マントとらしくない格好をしていましたが。

つい数日前・・。
いきなり、これまた、らしくない笑顔で、
「マスタ―・ユア。
 貴方様が、わが主にふさわしいかどうか・・。」
と、言いかけ、鎌を振る。
机の上のクッキ−や、その他もすべて、一刀両断。
「メイザ―ッ。」
そして、太陽のアレイスと月のエリファンスは、そう叫ぶ。
私を守るために、 魔術師のパメラと悪魔のエレナは、寄り添ってくる。
「マスタ―、安心してくださいね。」
「安心してね。ユアおねいちゃん。」
こんなとき、夢で、力のない自分が恨めしい。

しばらくあと・・・。
あたしとメイザ−以外で、その場で、立つものは、いなかった。
「なぜこんなことをする。」
私は、泣き叫びなが言う。
笑顔を崩さず、
「それは、ね・・・。」
「それは、ね。 
 グランド・マスタ−の命ですから・・。」
「みんなを・・
 アレイやエリ―、パメラさん、エレナを殺す必要が、あるの。」
「ええ。」
そうして、毎日ゾンビやグ―ル達相手に修行したおかげもありみんな元気になりました。

これで終わりですが、これのどこが、怖いのかと言うと。
相手が、人外、おまけに、殺されかけてます。


第七十四話  ドライブイン語り手: 薫(かお)さん
これは、また友達が経験した話です。
ある日、友達が、数人で、一台の車にのって、とあるコンサートにいく途中。
一台の車に、三人が乗って、夜光速道路を走っていたそうです。そして。
数時間車を走らせて、とあえず、ちょっと休憩しよう、というので。というか、高速道路を降りて、普通の道に入ったそうです。
そして、高速をおり、近くのドライブインらしき場所に移動しました。
数時間車なので、生理現象はやっばりあります。とりあえず、そこのト○レに三人は入りました。
入ると、さすがに、夜のせいか、一人も人影がいません。それどころか、入るのがためらわれたそうです。
電気はちゃんとついているのに、薄暗く。最後に入った子も逃げるようにすぐに車に乗ったそうです。
三人のうち、一人は、そこで済んだのですが、残りの二人は、そこに入っただけで、なぜか悪寒がし。
そのまま、用事もすまさずに、車に乗りました。
やがて、一人が、どこかの店にでも入ろう。といい。
すぐに、残りの二人も同意して。見えたファミレスに入ったそうです。
そして、席につくなり。一人の子が、自分の肩に塩を振り掛けました。
数回やって、そして、荷物を置いて。用事を済ませ。そこでお茶を飲み、すぐにそこを出ました。
運転していた子が、「あれ?空気がさっきと違う。」とふといったそうです。もう一人は、静かにだまって、「話すんじゃない」と。
とりあえず、その日は、何事もなく無事に岐路についたのですが。その後日。
とある話の弾みで、そのことに触れ、「いやぁ、あのとき、塩、振りまかなかったら、塩入れ物ごと投げようかとおもったよ。」と一人。
「・・あのトイ○から、なんか肩が重くて・・・。」と塩をまいていた子。この子は、霊感は、ありません。多少感はいいかもしれませんが・・。
「そりゃね。ついてきてたもん。・・いやぁ、あそこ、まじやばかったし。」
とりあえず、やばいから、始めに入って、掃除したけど、やっぱまだ残ってたのがついてきてたから。・・と。
「はやくいってぇぇぇぇ!!!」その子は、絶叫を上げました。「まあ、害がなかったからいいじゃん。」
「・・あんたと一緒だといつも何かあるような気がする・・・。」「気にしない、気にしない。」どうやら、足早に店を出たのは
塩で退散はしたものの、まだ近くにいたために、ついてこないように、急いで促して店をでたそうです。
「だって、しばらくそれでも追いついてきてたの・・気づかなかった?」と・・。
どうやら、入っている車に、再び追いついてきていて。車にのって、コンサート会場までついてきちゃったそうです・・それ・・。
人ごみにまぎれて。それはいなくなったそうですが。「・・あんた、誰かにおしつけた?」「あ、わかる?あーいうのは、相手するだけ無駄」と。
どうやら、成仏する気がさらさらないので、強制的に取り除いたそうです。すると、近くの誰かについてったとか・・・・。
「まあ、今はまたあそこにあれ、戻ってるようだし。」結局、その場所は、絶対に二度と行かない!と、固く友人は誓ったそうです・・が。
よく考えてみると、その場所に、そんな場所・・なかったというか。どうして、あんな場所があったのかが不思議だそうです。二度といかれないというか、それまでは繁華街だったのに。いきなり殺伐とした風景になったとかで・・。
「まあ、気にしたら、またくるかもしれないから、これは、おしまい。」いつも慣れているせいか、あっけなくもう一人の友人はいいました。
「・・・ぜったいにあんたとは一緒にいかない!」
「・・とゆーか、一緒だったら、よく経験する気もするけど?あんたが呼んでるんじゃない?」「私はそんな霊感とかないぃぃ!」と。おふざけというか、わきあいあいと、話は住んだそうです。
余談ですが、車を運転していた子は。「うしろ、一人のはずなのに、何か気配がして・・怖かった・・。」と終止無言だったそうです。
教訓。不思議だなと思った場所には近寄らないのが一番よ。と、友人談でした。


第七十五話  語り手: セーイさん
それは、ある番組から聞いた話ですが、本当の話だそうです。
話し手の友人である夫婦の身に起こった惨劇です。その夫婦をA夫婦と呼んでおこう。
A夫婦は、アメリカにすんでいる台湾人ですが。
中年になってやっと息子一人恵まれたので、とっても大喜びしてました。
アメリカ人は、どうやらV8(8ミリビデオ)で子どもの成長を記録するのが好きなようで、 A夫婦も例に漏れずに、息子が生まれた日から、V8で撮ってました。
そして、息子の三才の誕生を迎えました。
その日もA夫婦は友人を誘い、家でパーデイーを開きました。
A夫婦はやはり八ミリビデオを出し、息子のかわいい姿を撮りましたが・・・
その日息子もさぞわくわくしてたようで、跳んだりていたそうです。
けれど、三才になったばかりの幼い子のことです。いくら興奮しても、なんでそんなに激しくとんだりすることはできたのでしょうか?
しかも段々高くなって行き、親もおかしいって思いはじめたとき・・・
その子は落ちてしまい、死んじゃいました。
とっさにに起こった事故なので、誰も反応さえできませんでした。
A夫婦は大変悲しみ、なにしろ三才の誕生日で死んだなんて・・・
その後、葬式のことでいろいろ忙しかったですが、一段落ついたら、やはりかわいい息子のことを思い、ビデオを出してもう一度姿を見ようとしましたが、 そこで不思議なものを見たのです!!
三才の誕生日。あの日息子が跳んでいたのは、 自分が跳んだのではなく!
後ろにある醜悪な顔をした一人の男が、あの子の頭を掴めて、引っ張ったのであった!
もちろん、その男はだれも見てませんでした。
A夫婦はだった愕然として、何も言えなくなった・・・
話はここで終わったのですが、話し手によると、その男は、もしかして、前世ではそのこと恨みでもあって、この世まで復讐をしにきたのではないかと推測してたんですが、真実はだれにも知る事はできません。


第七十六話  えんぴつ語り手: エモーションさん
これは、私が中学1年の時、友人の体験談。彼女のクラスで本当にあったことです。
その日の3時間目頃でしょうか。友人のクラスでは英語の授業をしていました。英語と言っても1年の5月ですから、まだ簡単な内容です。授業では教材のノートを使って、簡単な英単語の綴りを練習していました。
突然A君が「わあっ!」と叫び声を上げ、鉛筆をはなして、イスごと後退ってしまいました。教室内は静かだったため、みんな驚いてA君に注目しました。当然、英語の先生もA君の席にやってきます。理由を訊ねられて、A君はえんぴつを指差しながら言いました。
「血が……鉛筆から血が出てるっ!!」
A君の席に、みんな思わず集まりました。そして見たのです。
鉛筆の先から、血にしか見えない赤い液体が、どくんどくんと脈を打つようなリズム(この辺り友人の言った言葉、そのまんま書きました)で流れているのを……。
当然、大騒ぎになりました。先生がどうにかみんなを静めながら見守る中、赤い液体は流れ出した時と同様に、唐突に止まりました。
教材ノートについた赤い液体は、次第に赤黒い物体に変わっていきました。やはりどうみても「血」です。
先生はまず、A君が手をケガしていないか、鼻血など出していないかを調べましたが、そんな形跡はまったくありません。
さらに鉛筆も一応調べましたが、普通の、文房具屋や購買部でも売っていそうな鉛筆です。文字を書いてみましたが、再び「赤い液体が出る」と言うこともありません。
みんなでいろいろ「仮説」を考えたそうですが、どれも無理があるものばかりで結局、謎のままです。
A君の教材ノートに、すっかり乾いた、赤黒い名残を残したまま……。


第七十七話  木語り手: 七瀬玲奈さん
私の母の育った和歌山県の何処かの山の中での話です。
ある夏の日。母の兄Aが虫取りに出かけたそうです。(何の虫だったかは忘れました)
そして、一人でそこの地区で言う『まき山』のほうまでその日は行ったそうです。
普段そこには余り人が来ないというのにその日は偶然なのか自分と同じくらいの少年がいました。
その少年はなんと迷子になってここに来てしまった、と言ったので兄Aはその子がわかるところまで一緒に森の中を歩いていました。
夕暮れになってもやはりその子と一緒で仕方なく森の中を一度出ようとすると・・・。
「ねえ…何処へ行くの?」と少年が言ったのです。
その子は更に言葉を続けます。「僕、良い事知ってるんだ。…聞きたくない?」
一応聞いてみたところその子はこう言ったのです。「この木の下にね。面白いものがあるんだよ?」
少年が、地面を掘り返しその手に持ったものは…
なんと、少年と同じくらいの頭蓋骨だったのです!!
他にも、ろっ骨やら背骨やらが出てきます。
少年は言いました。「実はこれ…僕の体のものなんだよね。」
「昔、ここで迷って誰にも見つけられないまま死んじゃって・・・。」
「だからさ。君の体、僕のちょうだい?」
笑顔でその少年は言いました。その笑顔はかなり見た目はよかったのですがやはりどこか裏がありそうで余りの怖さに兄Aは全速力で逃げ出しました。
しかし現実は甘くなかったのです。
その少年が後を追ってきてるのです!頭蓋骨何故かはわからないけど持って!!
家まであと少しのところで兄Aはさすがに体力がなくなってきていました。しかし少年はスピードを落とさずこちらに向かってきます!!
「もう、諦めなよ・・・。」少年が兄Aの前に立ちはだかりそう言いました。兄Aは急遽道を外れて畑の中を走りぬき家の中に逃げ込みました。
さすがに家の中には入れなかった少年はこう言い残して消えていきました…。
「家に逃げ込んでくれたお返しはさせてもらうよ・・・。」と。
何の事だかさっぱりわからずその日眠りにつくと夢で少年が「体を僕に捧げてしまいなよ…。」と追っかけられて捕まる夢を見たそうです。
次の日。少年には会わなかったものの家の中でネズミが大量発生して困ることになったそうです。……終了。


第七十八話  夢の中の怪物語り手: のりぃさん
私が高校にいた時の夢です。普段私は夢をそう見るほうではありませんが、夢を見るときは、結構リアルに見ます。この夢も、その一つでした。
まず、その夢は、私が「目を覚ました」所から始まります。「目を覚ました」という夢を見たのですね。
起きて、ベッドから出て、一階に降りると、人の気配がありませんでした。家の中を一周してみたのですが、家族は他に誰もいません。
この時点で、「ああ、こりゃ夢だな」と私は気づきました。結構こういう、「起きたけど家に誰もいない夢」と言うのを当時よく見てましたので。
それでも適当に身支度をし、食パンをかじり、かばんを持って、学校に行こうとしました。
が、玄関のドアをあけて、私は立ち尽くしました。
化け物がいる。
家の前の道路を、2,3人というか2,3匹というか、とにかく妙なものがそこにいたのです。
具体的描写を入れましょう。(苦手な方、お気をつけください)
「リカちゃん」とか「何とかレンジャー」とか、ああいった塩ビ人形がありますね?ああいった塩ビ人形の、まず両腕に2、3回ひねりをいれ、足はやはりひねりを入れた上太もものあたりで折り(残りは後ろで引きずる形)、さらに上から油をかけて火をつけ、人体の形を残すぐらいに溶かしたもの。そんな感じでした。
まだその全身をオレンジ色の「火」が覆っているので、少しずつ全身が溶け出しています。
だから、それが「手」らしきものを伸ばすと、「指先」らしきところから、それを構成している「何か」がゆーっくり垂れてきて、路面に落ちるのです。
無論人間サイズ。足が折れているのなら小さくてもいいようなものですが、「太もも」にあたる部分が長く、人間並みの背の高さがあります。
それが、2,3匹。
足が無いのに、なぜか手も使わずにずるずると、結構速く移動していきます。
通った後には、やはり溶けたような「何か」が跡になって残っていました。
さらに、怖いことがもう一つ。
毎日同じ時間に通学していると、やはり同じ時間に同じあたりを通る顔見知り、というものが出来ますよね?
その顔見知りの、OLらしきお姉さんが、その怪物に追いかけられ、走っていました。
しかし、怪物の方は、足が無いにもかかわらず人間が走る速度よりも速く動いて追いつき、そのお姉さんの腕を「手」でつかみました。すると、その「手」から「火」が燃え移り、彼女の全身を包みました。そして、その中で、徐々に彼女の体が解け、崩れ、同じような怪物になっていったのです。
「ヤバい!いや、待て、落ち着け!夢だ、これは夢なんだ!」ドアを開け、玄関を出ようとした格好で凍りつきながら、自分は自分にそう言い聞かせていました。
そう、玄関で、ドアをあけて出ようとしたそのままの格好でした。ですから、その怪物に見つかったのです。
顔はやはり溶けていて、目のない怪物でしたが、なぜか「目があった」と思いました。なぜか根性が座りました。
家の中に逃げ込んでも、どうせ捕まると思い、2つあるかばんのうち手提げの方を投げて牽制、そのまま3匹のいない方向に走り出しました。
すぐ1匹に追いつかれました。
肩掛けかばんが変な方向に揺れたので、とっさに横に飛ぶと、ちょうどさっきまでいた位置に怪物の右手が伸びてきたところでした。
そのまま肩掛けかばんを振り回しました。かばんは怪物の「顔」らしき部分にあたりました。そのままかばんを放り投げました。
続いて、「左手」が伸びてきました。(関節が無いのに、にゅーっと文字通り伸びてくるのですね。)
かばんで殴った直後なので、身動きが取れません。とっさに身を沈めましたが、足が言う事をきかず、そのまましりもちをつきました。
そこから、右手を使い、転がってほんの少し距離を稼ぎ、また立ち上がりました。
真正面から向かい合う形で、今度は「右手」が来ました。
その下をくぐるようにして、後ろに回りました。そして、そこで「背中」に掌底を入れようとしたのですが、(……これに触って、さっきの人みたいになったら……?)そう思い、怖かったので、そのまま逃走に入りました。
が、さっき逃げ出して、一匹に追いつかれた後、その一匹を潜り抜けてさっきの方角に戻る、ということは、後2匹がまだ残っている方向に走ることだ、ということに私は気づかなかったのです。
交差点を曲がったところで、さっきの一匹に追いつかれました。
後ろからだったので、とっさに前に倒れこみ、そこから左手から着地し、地面を突き飛ばす格好で起き上がりました。
が、今回はもう一匹、交差点の横の方から出てきたのです。
もうよく見ている余裕もありませんでした。何か攻撃が来たので、再び地面に倒れこみながら右腕から地面につけて転がりました。
しかし、立ち上がろうとしたところで、肩を捕まれてしまったのです。
捕まれた左肩から、がっ、と、体が燃えていくような熱さが全身に走り、体の表面はすごく熱いのに、体の芯が逆にすうっと冷えていって、やがてその冷えが全身にまわり、「……ひょっとして、死ぬってこういうもんなのかな……」などと、それでも考えながら倒れました。
どうも自分の体も「火」に包まれているらしく、景色がオレンジのモノトーンに揺らいで見えました。
そして、だんだんと視界が暗くなっていきました。
そして。
わかり難い言い方ですが、もういちど「夢の中で目を覚ます」と、やはり自分も怪物になっていました。
ためしに右手で左手を持って引っ張ってみたのですね。すると、伸びるんです。それも、ものすごく異様な感触があります。
シャンプーとか、あの手の粘性のある液体を、ゆっくり空中で糸を引くように伸ばすと、真ん中が下がって落ちてきますよね?あんな感じで伸びます。
つまり、引っ張ると、左手の中心あたりのひじにあたる部分(もう関節無いのですが)からだんだんと、重石でも吊ってあるかのようにように下がっていきます。そして、肩と左手の両方から、「内側に」引っ張られている感覚があるのですね。
これはもう普通には無い感覚でした。
「うわあああああっ!伸びる、伸びるよこの腕ぇぇぇぇっ!」
かなりビビりました。この時、初めて絶叫しました。
で、その後しばらくうろたえました。気がつけば、周りにいた怪物たちも消えていました。
「こうしててもしょうがない、とにかく何かしないと」と、やっと考え付いたのですが、何をすればいいか見当もつきません。
それで、私は一人で、家の近くの道路に座っていた(?)のですが、向こうの方から、別の怪物が1匹近づいてきました。
自分も同じく怪物になったせいか、個体識別がついたのです。
私の友人の弟でした。
「あ〜、○○(友人の弟の名)じゃん。元気だった?」と、なぜか日常会話モードに入ってしまいましたが。
「元気ってか……これで元気っていう?」「まーそれもそうか……そーいや○○(友人の名)は無事!?」「姉ちゃん?ううん、わかんない……」と、会話が続きました。
その後、ここでじっとしていてもしょうがないから、事態を突き止めようと、そちらに会話が向かったのですが、そのとき突然、なぜか向こうの山から洪水……というか、鉄砲水が起きてきたのです。
水にまかれて、「火」は消えたようでしたが、そのまま下水道か何からしきところに流されたらしく、視界が真っ暗になり、息ができなくなったところで、問答無用にばっちり目が覚めました。3時半でした。
とりあえず、起きたついでに、家族全員の寝室を回り、犬を確認し、家を回って戸締りを確認し、ついでにトイレにもいって、もう一度寝直すことにしました。
が、いまだに続きを見たことはありません。
これにておしまい。


第七十九話  語り手: らんさん
私が高校一のとき新しく高校で出来た友人を自宅に招きました。
その人物は自他共に認める『霊感少女』でした。
その子がなにやら私の部屋の西がわの家をじっと見つめています。
そこで私が『どうしたの?』と聞くと『近いうち、隣の家悪いことが起きるよ・・・』と言いました。
正直言って私は、そのとき聞き流していたのですが・・・
彼女の言葉は現実のものとなるのです。
それから3ヶ月ほどたった夏休みお隣一家全員が、行方不明になりました。
それから約一年後の期末テスト真っ最中のこと私は大嫌いな英語を勉強しておりました。すると・・・・・
隣には誰もいないのに西の窓の方からお経が聞こえてきたのです!
そして後ろのほうからは、『ぴし!』『ぱし!!』という音も聞こえてきます
大嫌いな英語もやっていたことで、心底疲れたのか・・・私と思ってそのままその部屋で寝ました
翌朝、ちょっぴし気になった私は例の霊感少女にこの一件を聞こうと思って彼女の教室に行くと
開口一番『あんた、家に帰ったら普通の塩でいいから、西の窓に撒きなさい』
といわれてしまいました。以上終わりです!


第八十話  語り手: らんさん
私達小学校で肝試しをした翌年、同じ町内にある小学校でも肝試し大会が行われました。
そして、定番ですが先生達が脅かし役をしていたのです・・・・
入り口と帰り先が一緒なので当然前の人たちの話を聞けます。
どこどこに、何々が立っていたと・・・
当然、その話を聞いていたので私の友人は、『ああ、その場所には、先生達が立っているんだな〜〜』と思い絶対に自分は驚かないぞ!!と思っていたそうです。
すると・・・・・・・やはり例の場所には女の人がじっと立っていました。知っていたのにも関わらず、あたかもそこにいるのがおかしく・・・・・
驚いてしまい・・・・終ったあと先生に『あのトイレの目の前に立っていたずぶぬれの女の人は誰がやっているの?』と聞いたところ・・・・
あからさまに、先生は驚き直ぐに肝試しは、中止になりました。
なんで〜〜とまだ、肝試しをやっていないチームが文句をいいましたが・・・・
実は。
先生たちは誰一人としてその場所には近寄っていなかったうえに、脅かし役はそこには存在しないはずだったのです!
以上!終わりです!


第八十一話  病院の妹語り手: ユア・ファンティンさん
アレは、2年ほど前のこと。
盲腸で私は、入院しました。
外科ってとこは、よっぽどの事がない限り、小学生は、いません。
しかし・・。
しかし、私が、入室したのは、小学2―6年の子達が同室で、1番年上の子に、「左奥の子は、かまわない方がいい」と,言われました
それから数日後、その子と2人きっりになりました。
そして・・。
「ねえ。貴女ここ初めてでしょう。」
「そうよ。」
「少し、お話しましょう。」
それから、何度かおしゃべりをしていましたが、また、2人になりました。
しかも、夜に・・。
「ねぇ。いっしょに、天国行きましょう。」
「嫌だといったら。」
「あなたの意志は、関係ないわ、お姉様・・。」
「いやだね。私には、やる事がある・・。」
「お姉様・・。」
顔が変化していく・・。
鬼―。
黒髪の天使・・が、鬼女の顔に・・。
「お姉さま・・。行きましょう寂しいの・・。」
「わかった。」
(確か。タロットと十字のペンダントがあったはず。それで・。)
「嬉しい。お姉さま。」
「の前に、2つ身につけたいものがあるから、とってくるわ。」
私は、急いで取る。
十字架の1つ首にかける。
女の子には、金色のを。
「いくのは、貴女だけよ。」
言った途端。
ガァァァァァ。
飛び掛ってくる。
ガブゥゥゥ。
肩に、食らいつく。
私は、肩を抱き寄せる。
「我、前の名ユアンにおいて願う・・。」
牙は、食い込み、私から、集中力を奪う。
「・・天と地の精霊よ。・・・・。」
(やばいね。食いつかれても、身体は、ともかく心が危ない・・。)
「我、汝らに・・・・。」
「誓う・・。汝らに願う。我、導く、彼者の・・・。」
(・・・。なるほど。)
途中で止める。
そして、優しく語りかける。
「お姉さんが死んだのは、あなたのせいじゃないわ。」
この子は、数年前に、病院前でボ−ル遊びをしていて・・。
ボ−ルが道路に、出て、運悪きことに、トラックが来てお姉さんごと、吹き飛ばされた。
お姉さんが、クッションになり死亡。
両親は、残った彼女を大切にしました。
なら良かったのに・・。
「何であの子が死んで、おまえみたいなズベが、生きてるのよ。」
そういわれ続け、その時から二年前に、ここで、寂しく逝った。
「そん・・・でね。死んだら、お姉ちゃんに会えると
 ・・エグッ・・会えなかったの・・・・。」(滝涙)
(顔は、天使に戻っている。)
「じゃあ上行く。そしたら、会えるかもよ。」
(転生してるかもしれないね・・。)
泣きつずける彼女。
「うえ・・逝きたくない。お姉さまといるぅ。」
「いつか、上にいくならいいよ。約束できるかい。」
「うん。」
にこっりと笑顔を見せる。
その後、自分のベッドに、倒れこみ、ナ―スコ−ルを押した・・。
1週間−。
私は、原因不明の貧血で、生死の境をさまよった。
退院が、2週間も遅れた。
でも、たまに現れて、おしゃべりをしていく。

12まで神の子いうけど、当時十四だった。
しかも強くなり、彼女のほかに、部下もどきも、増える一方である・・・。

    ―幕―


第八十二話  影響……?語り手: エモーションさん
短大の時の体験です。ちょうど、前期テスト期間中でした。夜の12時になり、試験勉強は一通り終わっていたこと、これ以上起きて暗記しても、睡眠不足になるだけなので、明日に備えてさっさと眠ることにしました。疲れていたため、すぐに眠ってしまいました。
何時頃でしょうか。唐突に私はばっちりと目が覚めました。意識は不思議なほどはっきりとしています。
目が覚めて、意識がはっきりしていると認識した瞬間、頭に浮かんだ言葉は「危ない、来る!」と言う言葉でした。そして、間をおかずに金縛りになりました。(……上手く説明できないのですが、目を覚ましてから、金縛りまで、ほとんど同時進行で起きました)
金縛りには2種類あります。科学的に説明のつく、身体的な理由のもの。そして、所謂、霊的なもの。一応どちらも経験あります。私は霊的な方の金縛りになると、現実の「音」が聞こえなくなります。この時は確実に後者。聞こえていた時計の音も、外の虫の声(夏で暑かったため、網戸にしていました)も急に聞こえなくなりました。
金縛りは今までにないくらい、強いものでした。とにかく、胸に感じる圧迫感が強く、息苦しい。なんとか呼吸が出来る、といった状態です。仰向けでしたので、「一体、誰だーっ!」そう思いながら、胸の辺りを見ました。
私は分かるときは分かるという程度ですが、それでも本来は「視える」方ではなく「感じとる」方です。ですが、この時は珍しく「視え」ました。 坊ちゃん刈りで半袖Tシャツと短パン、ソックスをはいた、4〜5歳くらいの男の子が、四つん這いで私の顔をのぞき込むようにして見ているのを……。
顔は、よくわかりません。でも、「感じとる」方も働いていたので「基本的にこの男の子は自分とは全く関係のない、通りすがり」であること、「悪質で良くないもの。関わったら相当やばい。また、会話は通じない相手」であることが一気に分かりました。(これも、上手く説明できません。某マンガで「イメージどーっ」と表現した方がいますが、「感じとる」って、微妙に違うけどその表現が一番近いです)
急いで金縛りを解かなくてはと思い、強い圧迫感の中、少しでも動かそうと右手を持ち上げようと試みました。今思うと、強い重力に逆らったら、こんな感じだと思います。なんとか持ち上げたとたん、圧力がさらに強くなり、右手はもの凄く強い力で布団に押しつけられました。
身体は動けないものの、苦しくてじたばたしていると、男の子は笑いながら(顔は見えないけどそう感じた)私の顔に手を伸ばし、頬や眉間のあたりを触ったり抓ったりしはじめました。落ちつこうと思っても、頭の中はもうパニック状態でした。
しかし、不思議なことにパニックを起こしながらも、恐怖心は起きず、急に「怒り」が湧いてきました。
「明日はテストがあるのに」「眠いのに」「何でこんな奴に好き勝手されなきゃならないの?!」……等々自分で意識できたのはこのくらいです。とにかくどんどん「怒り」がこみあげてきます。膨れあがって限界になったとき、私は叫んでいました。
「や・め・ろーーーーーーーーっ!!」
実際には声になっていなかったのだと思います。しかし、叫んだ、と思った瞬間、自分の中からもの凄いパワーと、強い光……金白色、というのでしょうか。金色のような、白いような、とにかく目を開けていられないような、強くて眩しい光が出たのが、分かりました。そして、男の子が驚いたような様子で、弾き飛ばされていくのも……。
コチコチという時計の音と、虫の声が聞こえる中、私は汗びっしょりになりながら、深呼吸しました。金縛りは解けていましたが、身体が疲れ切っていて動けません。そんな中、私はとにかく時間が気になって、リビング(私の部屋の下です)の柱時計が鳴るのを待っていました。目覚まし時計を取って見ることが出来ないくらい、疲れて動けなかったからです。
たいして間をおかずに、柱時計が鳴り始めました。……1回、……2回。……2時。
「……出来すぎだよ、その時間……。でも、良かった。5時間眠れる……これなら、なんとかちゃんと動けるようになる」……何故そう思ったのか、今でも分かりません。そう思うと同時に、意識がなくなりました。
翌朝、少し疲れていたけれど、起きて鏡を見ると、男の子が抓った部分にニキビが出来ていました。そんな兆候はなかったし、もともとニキビ等出来にくい体質なのですが……。しかも、そのニキビはその翌日にはきれいサッパリ、形跡すら残さず消えてしまいました。
今でも、あの力と光についてはよく分かりません。ただ、「何か、かなり強いものが力添えをしてくれた」ことだけは分かります。半端な力じゃなかったので。 そして、それ以来、私は金縛りも霊体験も滅多にしなくなりました。
……霊感がなくなったわけではないですが。 終わります。


第八十三話  足元語り手: 璃緒さん
日曜日、私は友達に誘われて、映画を見に行きました。
面白くて、ちょっぴり涙を誘うストーリー。
あれこれ感想を語り合った後、余韻に浸ったまま、友達と別れ、1人駅へと向かいました。
切符を買い、改札口をくぐった後。
プラットフォームは反対側です。階段を登って行かなければなりません。
もうすぐ電車が来ます。
私は急いで登ろうとし…違和感を感じました。
足が、引っ張られているような気がするのです。
ーそういえば…昔、この駅で自殺した人がいたとか…ー
一瞬、そんなことを考えました。
階段を登るにつれ、だんだんと、引っ張る力が強くなります。
私は、怖くて足元が見れませんでした。
だんだんだんだん…強くなります。
そして…最後の一段という時。
とうとう、足が動かなくなりました。
背筋に悪寒が走ります。
覚悟を決め、おそるおそる足元を見ました。
すると……
自分で自分の靴紐を踏んでいました。
ここまで聞いたとき、私(璃緒)は笑いました。しかし…続きがあったのです。
ほっとしたのもつかの間。
ふと、横のガラスを見ると…
確かに映っているのです。
私の足に絡みつく、長く白い、髪の毛が…。
そして…それはずるずると這い上がってくるのです。
もう少しで膝の辺りまで迫ってくる!!…というところでもう一度、私の足元に目を移すと……髪の毛など、陰も形もありませんでした。
もちろん、靴紐など踏んでいなかったのです。きっちりと結ばれていました。
あれはなんだったのか、未だにわからないそうです。


第八十四話  黒い物体語り手: 東琥珀さん
ある日、私は外出先から家に帰ってきました。
(夕方なので)暗い部屋に入って、布団の上に、ぽふっ、と横になりました。
…いや…『ぽふっ』と音がするはずでしたが…実際した音は、『ぷち』でした。
私は、不審に思って起きあがり、部屋の電気を点けました。
やたらデカい羽アリの大群。
「ぎああああああああああっっっ!!!」私は思わず絶叫しました。
しかもそれが、普通の羽アリの倍くらいに大きいのです。
部屋を飛び出し、ドアを閉め、ドアの前ではひはひ息を付く私。
ひたすら私の頭の中では『どーしよどーしよどーしよ』と言う文字が廻っておりました。
ふと思った事があり、姉、母の部屋を巡りました。
どの部屋も、私の部屋と同じように窓は開いているハズなのに、羽アリはいないのです。
姉に『なんとかしてくれ』と言った所、帰ってきた答は『これも運命』でした。
…どーゆー運命だよ…と思いつつも、自分の部屋(の前)に戻る私。
そのまま考え込み…ふと、ある事を思い付きました。
廊下に積んであったバ●サンを一つ取って水を入れ、そのまま部屋に放り込みました。
とりあえず、数時間後。
一応、アリは全滅しました。
しかし。賢明な皆さんなら既にお察しでしょう。
…バ●サンって、死骸の掃除までしてくれるワケじゃ無いんです。当然ですが。
部屋の中に遺された黒い絨毯と、にらめっこしたあげく、私の出した結論は。
箒とちりとりで、部屋中の混沌の使者を集め。
姉の部屋の前に、ばらまいておきました。
数十分後、家中に物凄い悲鳴が響きました。
しかし、そんなもん私にはもぉ知ったこっちゃ無いのでした。
それも運命、これぞ運命?


第八十五話  通過儀礼語り手: エモーションさん
新任の校長先生がやって来た年のことです。給食の時間になり、クラス担任以外の先生方は職員室などで食事をします。給湯室はお茶を飲む先生方が、何人か集まっていました。
ポットにもやかんにもお湯がなくなっていたため、新しくやかんでお湯を沸かしていたところ、不意に校長先生がやってきました。とても不思議そうな顔で。
先生方が「どうしたのだろう?」と思っていると、校長先生が言いました。
「……今、この壁、誰か叩かなかったかな? トントン、トントンって、ドアをノックするみたいに」
勿論、誰もそんなことをしていません。給湯室は壁一枚隔てて校長室になっています。それは、誰もが知っていることです。
ですが、どんなに悪戯好きの先生でも、新しく来たばかりの、まだ人柄もよく分からない、しかも校長先生相手に、そんなマネをするはずがありません。
誰もそんなことをしていないと聞いて、校長先生は「じゃあ、この鏡かなあ。風で揺れてぶつかったのかな」と言って校長室に戻っていきました。
……自分でも、納得はしていないようでしたが。
何故なら、給湯室の奥にある和室の窓は開いておらず、また、鏡を揺らす程の風など吹いていなかったからです。
校長先生が戻った後、誰ともなく、呟きました。
「校長先生、遊ばれましたね」
「まあ、この学校だからねぇ……」
「通過儀礼、通過儀礼……」
何事もない、平穏な日常の1コマでした。


第八十六話  これから・・・語り手: 薫さん
私が今住んでいる近所(以前まで二階から見えてた)にクロス交差点の道があります。
以前は、それほど見通しが悪いわけでもないのに。からなずといっていいほどに。そこでは事故が多発していました。
やがて、事故が多いというのに、その横に、アパートが建ち。もっと見通しがわるくなり。
やがて、というか引っ越してきてから感じることなのですが、年々事故の具合が大きくなっています。
とうとう、あまりに事故が多いというので、その先に信号がつき、その場所にも停止線がようやく引っ越してきてから数年後。つきました
しかし、それで事故が収まるどころか、逆に。事故の度合いが増えています。
つい最近、それでなくても事故が多いのに、その横に大きな家が建ち。よけいに道に出るのが見えにくくなりました。
それだけ事故が多いせいか。ここで事故があると、警察でも、『ああ、あそこですね』と場所を言わなくても分かるほどです。
しかし、怖いのは、それだけではありません。大きな道を挟んで、小さな道という具合にクロスしているのですが。
道が大きいせいか、はたまた信号がついて、こっちが正しいと迷い込むせいか。・・・どんどん事故の程度は大きくなっています。
警察にせめて、カーブミラーの設置を。といってもとりあってもらえません。土地が私有地だからといって。
ついに、この前、(本当にこの前)・・・・大事故が発生しました。
毎年、いや、毎月、小さな事故は頻繁に起こっているのですが。そこでは。
毎月、怪我人は出ない程度の事故はいつものこと。しかも毎年盆前になると、大きな事故が発生し。
今まで、本当に今まで死者がでてなかったのが不思議でしたが。・・・・ついに、死者がでました。
皆、とうとうやったね。といって、いつかはある。と分かっていたにもかかわらず・・です。
しかも、死んだ人は、信号があるせいで、新幹線駅にいこうとして道を間違えて入ってきた人でした。
・・・新幹線にいく道には・・信号がないんです・・(汗)
親曰く、『いちどとったから、まいとし、あそこ、とるよ』と言いますが。
確かに事故が起こりやすく見通しもわるいんです。しかし。車が来ているにもかかわらず。・・・・見えないときが本当にあるんです。
確認し、来てないことを確認し出ようとすると、いきなりクラクション。ということもよく起こっています。うちの母親曰く。
『もしかしたら、神さまの通り道かもしれないね。』といってます。・・はたして、来年も、死者はでるのでしょうか??
・・・・うちの母親の感・・結構当たるから怖いです・・・・。(汗)ちなみに。
その道の横に面しているアパートですが。たってまもなく。その真横の部屋の住人が。
パイクの事故で死亡してます。しかも。
その部屋には、ずっとその男の人が住んでいるらしく。それ以後。その部屋に住んだ人は。長続きしてしません。
今は、アパートのその一室のみ。貸事務所になっています。事故の多い交差点と、何か関係があるのでしょうか?


第八十七話  市松人形と地蔵語り手: 猫耳さん
はじまりは、多分12、3年前だったと思います。
自分が住んでいるのは、市のはずれの方で、車で数分走れば隣の市になります。
その隣の市にある、少し大きめのショッピングプラザに行く途中は、思いっきり田舎な雰囲気で、左右に緩やかにカーブする道路が先まで見渡せる、見通しのよい場所です。
そうしょっちゅう通るわけではなく、気がついたらいつの間にかという感じで、大きなカーブの途中の道端に、市松人形が飾られていました。
上下4車線の広い通りの道端に、台座がしつらえられて、ガラスケース入りの市松人形が置かれている。
何か妙な感じでした。
自分自身は、あまり通らない道なので、深くは考えずにいたところ、2、3年後に、『交通安全祈願』と台座に書かれた、お地蔵様になっていました。
思い返してみると、その付近、というよりもその市松人形のそばに、突っ込んで、ぐしゃぐしゃになっている車を何度か見かけました。
そういえば、緩いカーブで左右は田んぼが広がり、見通しがよくて明るいはずのその付近を通るとき、なぜかフッと薄暗くなったような印象を、いつも受けました。
ヘンだとは思いつつ、気にしないようにしていました。
お地蔵様に変わってから、一年ほどたった頃です。
うちの相方は、その頃会社で交通安全指導係なるものになっていたので、年一回、警察でそれ用の講習会を受けなくてはなりませんでした。
そこで、警察官の方から、とんでもないことを聞かされてきました。
市松人形が飾られる少し前に、そのカーブの所で、ひどい事故があったそうです。
若い男性が運転していた車が、スピードの出しすぎでハンドルを操作できずに、カーブの途中で路肩にぶつかったそうです。
それだけなら、それほどたいした事故にはならなかったそうですが、運の悪い事に、ガソリンに引火して、炎上してしまったそうです。
運転していた男性は、外に投げ出されて軽症だったのですが、助手席に乗っていた女性は、一緒の燃えて焼死してしまったそうです。
実は、市松人形は、その女性の御両親が供養のために建てたものでした。
ところが、それからというもの、その市松人形の所でばかり、なぜか事故が起こったそうです。
人形がわの車線ばかりでなく、反対車線からも、なぜか人形の元へ引き寄せられるようにして、突っ込んでいくのだそうです。
あまりに事故が続くので、とうとう警察からその御両親に頼んで、市松人形を下げてもらい、かわりにお地蔵様を建てたそうです。
ですが、自分の記憶に限り、それから数年間は、ちょくちょく車が突っ込んでいましたが。
現在は、そのお地蔵様が建てられてから10年以上経ちましたので、さすがに事故もちょくちょくは起きなくなりましたが、はじめの7、8年くらいまでは、その道路を車で通る時に、お地蔵様のことを忘れていたとしても、急にゾクッとしたり、ハンドルがひっぱられるようにぶれたりしました。
ここしばらくは、その道をまったく通らなかったので、すっかり忘れていました。
あの夜までは。
今年の春先に、相方が隣の市で会合をするというので、夜に送り迎えをすることになりました。
その道路を夜通るのは、それこそ何年かぶりでした。
相方を送ったら、その帰りに子供と外食をしようと、少々浮かれて無防備な意識状態だったと思います。
その市に行く時は、お地蔵様は反対車線側になるので、その存在さえすっかり念頭から消えていたのに、その前を通り過ぎる瞬間、なぜかお地蔵様の顔が真正面に見えた気がしました。
自分はまっすぐ前を向いて運転していたのに、です。
一瞬なぜか、『ヤバッ』と思ったのですが、気を向けるとよくないと思ったので、お腹に力を入れて、やりすごそうとしました。
家に帰り着くまで、何事もなかったので、つい安心してしまいました。
事は、深夜、相方を迎えに行く時に起こりました。
深夜といっても、11時半くらいでしたが。
子供一人で家に置いておくわけにもいかず、遅い時間でしたが一緒に乗せて行きました。
そのお地蔵様は、緩やかな下り道が、大きく右にカーブをしている途中にあるのですが、 そのお地蔵様とは車線を挟んで反対側になる、私の左手側は、草がぼさぼさと生えている、何もない場所が続いているだけなんです。
道路の下りがほぼ終りかけた時、そう、そのお地蔵様の少し手前位の時に、突然、自分の左手がわに、赤みが強いオレンジ色の大きなシーツ、というか、布のような感じのものが、いきなり、ばばばっと、立ち上がりました。
その瞬間、車がいきなり右にひっぱられ、スピンする直前のような感じで、左右にブレたんです。
もしその時に、パニックを起こしてうっかりハンドルを動かしたら、そのままお地蔵様のところへ突っ込んでいったんじゃないかと、位置関係から、そう思いました。
もちろん後からのことですが。
その時は、子供を乗せていたので、かえって冷静でいられたので、助かったのではないかと、思います。
子供に怪我をさせたり、死なすわけにはいきませんから(^_^;)
でも、もし一人だったら……、
どうなかっていたか、ちょっと自信がないです。
ああ、こうやってお地蔵様にところへ突っ込んでいくんだなーと、運転しながら、妙に納得はしましたが。
結局、今だに消えていない、というか、成仏していない、というか、なのでしょうか。
それ以来、用事でどうしてもその道を通る時は、気をしっかり持って、通るように、前以上に気を付けています。
ぼんやりと無防備な意識では、危ないように思います。


第八十八話  夜の道端語り手: 東琥珀さん
あれは、確か五年前…私が小学三年生の時の話です。
私は、友人と夜道(夜の十時頃でした)を歩いていました。
何故そんな夜中にふらふら歩いていたのかは覚えていませんが…多分、泊まりに来た友人とコンビニにでも行ったのでしょう。
友人はかなりの恐がりで…犬の鳴き声を『オオカミだ』と冗談で言ってやると…本気にしてました。
コンビニで虫除けスプレーとアイスを五本買い、帰路に着きました。
暑いわ虫は多いわで、早く帰りたかったので、私は友人に『走るよ』と声を掛けました。
そして、三分程走ったのですが…
変なのです。運動が苦手で、体力もない私なのに、いくら走っても疲れが無いのです。
『ま、疲れないんだからいいかv』と考え、私はそのまま全力疾走しました。
友人も同じ様な状態でした。
しかし、更に十分程経ち、さすがにおかしいと思い始めました。
大分走っているのに、息切れ一つしていないのです。
いやその前に、歩いて三分のコンビニへ行ったはずが、十三分全力疾走してもウチへ帰れないのです。
「琥珀ちゃん…わざと遠回りの道でも選んでんじゃないの?」「…誰がンなアホな事するかよ」
私は、遅まきながら焦り始めました。
そんな変な状況だけど、私たちには走る事しかできなかったので…ひたすら走り続けました。
五分。十分。十五分。いつまで経ってもウチに着きません。
友人はもう半泣きでした。
「うぇぇええ………」「るさいッ!泣いて状況変わるんだったらいくらでも泣けッ!」とうとう私がキレました。
そして…私は走るのを止め、歩き出しました。
別に何か考えがあったワケでもなく…『走ってダメなら歩いてみよう』というワケのわからない考えでした。
そして、しばらくもそもそと歩き続けて…ふと、周りが妙に静かなのに気付きました。
ふと後ろを振り向いてみると…必死にこちらに走ってくる友人の姿。
しかし…友人は走っているのに…止まっている私との間の距離は何故か開いていくのです。
「ちょっとぉぉっ!止まってよぉぉっ!」「…さっきからずっと止まってるよ」
友人の姿はどんどん小さくなり…見えなくなりました。
一人私は取り残され…腕組みをして考えました。
そして。ヤケクソに。目を瞑って歩いたのです。
三分後…私は、目を開けました。
目の前には、すぐ裏手の崖が土砂崩れを起こし…土砂に埋まった友人の家がありました。
私は、そのまま気絶しました。
後日聞いた所によると…友人の家族は大けがを負ったそうです。
私と友人は、あの妙な出来事の所為で助かりました。
友人は、道の上で気絶しているのが見つかりました。
しかし、私と友人が引き離されたのには何の意味があったのか…それはわからずじまいです。


第八十九話  雨の日の夢語り手: エモーションさん
私が初めてその夢を見たのは、小学校2年の夏でした。その日の夕方、私は妹や友達と遊んでいて、夕立にあいました。少し痛いと感じる、大粒の、生暖かい雨でした。
その日の夜、夢を見ました。私は眠ると夢を見るのが普通です。必ずどこかに夢の中の人物とは別の意識。「私」と「これは夢だ」という認識があるのが当たり前です。五感もほぼそろっていますが、「音」のある夢は滅多に見ません。夢の中の私は16〜17歳ほどの少年で、そして、「私」も「夢」という認識も全くありませんでした。「僕」であり「現実」の認識しかありませんでした。
「僕」は高校生で男子校の生徒、制服の夏服を着ていました。学校の校舎の前で、同じように制服を着た少年と何か言い争っています。どうやら、「僕」は「その少年」=「友人」を止めようとしているようです。そうしてもみ合いになっていました。
突然、お腹に「痛い」というより「熱い」という衝撃を受けました。何て言うんでしょう、ついうっかり熱したやかん等を触ったときのような、あんな感じの熱さです。ズキンズキンと心臓の音に合わせて、熱い感じがリズムを打ちます。そっとお腹を見ると、制服の白いシャツに赤い染みが出来ていました。
力が抜けて跪いた「僕」を「友人」は泣いているような、怒っているようなそんな顔で見ていました。「ごめん」そう言われたような気がしますが、「僕」は倒れ込んでしまい、「友人」が何を言ったのかわかりませんでした。
倒れ込んだまま、「僕」は「友人」を止めなくては、とそれだけ考えていました。すでに痛いとも熱いとも感じなくなっていました。と、ぽたぽたと、雨が降ってきました。夕立です。大粒の、生暖かい雨。当たると少し痛い……。
ぼうっとした頭の中で、「僕」は血で染まった白い制服のシャツが、雨でぬれていくのを、ただ見ていました。目の前がどんどん暗くなって……。
目を覚ましたとき、私は汗びっしょりになっていました。外は、明るい陽射しの中、夢の中の雨がやんだ直後のような湿気で、蒸し蒸ししていました。
それから大粒の生暖かい夕立が降ると、私は必ずその夢を見ていました。同じ場面ではじまって、同じように終わる、あの夢を。
そうして、高校2年の時です。部活でコンクール用の番組製作をしていて、昔の映像が必要だったため、先輩方の取ったビデオテープを見ていました。男子校から共学になり、制服から私服になった当時のテープです。
正門(南側)からのカットを見た瞬間、私はびっくりしました。
今とは違う、当時の学校と、まだ開発が進む前の、その周辺の様子……。それは、夢の中の風景でした。
通学のとき、私は北側の門を利用していました。南側の門は使いません。また、使っても夢の中とはかなり風景が違います。だから、全く気づかなかったのでした。
そして、同じ年になったころから、「その夢」は見なくなりました。
はっきり言えばあの夢が何だったのか、さっぱりわかりません。自分では「妙にリアルで、同じ年になったら見なくなった、雨が降った日に見る変な夢」なので、どうでもいいことなんですが。
また、過去に、男子校だったころにそんなことがあったのかどうかは、分かりません。知りたいとも思わないので。
ただ、ひとつだけ気になっています。あのあと「友人」はどうなったのか、それだけが。意識がなくなるとき、「僕」が一番気にしていたのはそれでしたので。


第九十話  引かれてく・・・・語り手: 薫さん
これは、私が母から聞いた祖母の体験です。今は亡き祖母の若いころの体験です。
いつものように、祖母は学校から戻るために、山道を歩いていました。
その山はちょっと林を抜けると、その先は急な崖になっていて、近寄ってはならない、とされている場所で。滅多と近寄る人もいなかったそうです。唯一あるとすれば、死にたい人が近寄る程度で。
いつもなら、その山の道を通らないのですが。なぜかその日は、その山の道を祖母は歩いていました。
しばらく進むと、家は、反対方向なのに、まったく逆に向かっている自分に気づきました。
きびすをかえそうにも、戻ろうにも、足がいうことをききません。
必死で抵抗するのですが、足はどんどんその近寄ってはならない方向。・・・つまり、崖の方に、方にと、まるで引っ張られるように、ぐいぐいと進んでいくのです。
とうとう、林を抜けて、崖の付近にまでやってきてしまいました。それでも、まだ足は止まりません。
さすがに、あせり、足を止めるために、地面にうつぶせになりました。
それでも、ひっぱられる感覚はとまらずに。うつぶせになっているのに。確かに。
崖の方に何かの力で体は引っ張られてゆきます。
がしっ!近くにあった木に掴まり、必死で抵抗しつつ、這いながらその場を後ずさること、しばし。
それでも、ひっぱられる感覚はとまりません。それにあがらいながら、必死で、這いながら、どうにか、林の中にまでたどり着き。
反射てきに、お経を唱え、すると一瞬、引っ張る感覚が弱まったので。あわてて、逃げるように駆け出しました。
しかし、しばらくすると、また引っ張られる感覚が。今度は、山道の横の崖の方にと引っ張ってくるのです。
どうにか、横の壁をついたいながら、逃げ切りました。しかし。気づいてみると。
家のある自分が歩いていたはずの山とは違う場所に出ていました。パニックになるのを何とか防ぎ、無事、家にたどり着いたのは、すでに夜が更けていたそうです。
どう考えても、そんなに時間がかかる距離ではないというのにも関らず・・・・。その違う山とは、歩いていた場所からかなり離れたところにあるはずの場所でした。
その日、祖母はお経をずっと唱えながら眠ったそうです。後日。
その山から、死体がみつかったとか、みつからなかったとか。あまり詳しくは知りたくなかったそうです。
というのも、祖母は以前。お寺(たぶんそうだったと・・)にて。
修行しなさい。いい素材もってるから。と、よく誘われていて。『そのままだったら、よく頼られるよ』と忠告を受けていたからだそうです。
しかし、祖母は、下手に修行すると、大変になるから、何もしなかったそうです。
後々、その話をお寺の住職に祖母がしたところ。『あぶなかったね。よばれてたんだよ。それは。しばらく気をつけてね。あきらめてないようだから』と。
その寺で、お守りを貰い、何ごともなく過ぎていきましたが。その後、よく金縛りなどに多く会うようになったそうです。
母に祖母が言った言葉は。『死人も生きている人も同じだけど、同情はしたら駄目よ』だそーです・・・・・。


第九十一話  鉄棒語り手: らんさん
私の母校である小学校でのお話です。
毎年、とある時期になると必ず怪我人が出るのです。
その時期に怪我をした人たちの共通点は『鉄棒』です。その鉄棒を使った人は必ず怪我をするのです。
そして・・・・さすがに毎年では学校も黙っておりません。お払いをすることになりました。ところが・・・
お払いをしても毎年怪我人が現われてしまいます。お払いを毎年行っているにも関わらず。
そして・・・・・今年もその時期がやってきました。
9月なのです。その時期とは・・・・
今年は怪我人が出ないことを祈りたいです。


第九十二話  先輩のバイク語り手: 猫楽者さん
私には高校の時に知合った2学年上の、仲の良い先輩がいました。
もともと私がバイクに乗っていたのですが、先輩も免許を取ってバイクを買って、二人でいろいろな所へツーリングに行きました。
このお話しの時点で、先輩はバイクに乗って約1年。もう5年間バイクに乗っている私よりも、既に運転は上手くなっていました。
雨の日の夜のことでした。
一人で家に帰る途中の直進していた先輩のバイクに右折してきた車が、ぶつかる事故が起こってしまいました。
すぐに救急車がよばれたのですが
病院に到着する前に、先輩は亡くなってしまいました。
バイク乗っている知合いの人が事故ったり、コケたり(転倒したり)して、怪我をしたり、手足の骨を折ったりといった事は、よくあります。
何人か亡くなってしまった方もいました。
でも、先輩のように身近な親しい人が亡くなってしまったのは、はじめてでした。
先輩のお通夜とお葬式が終り。私はしばらくの間、バイクに乗ることが出来ませんでした。
もともとバイクに乗っていたのは、この私。先輩は私と知合い、バイクに乗りだした。
結婚して、素敵なだんな様と、可愛い子供と暮らすことを夢見ていた大好きな先輩を私が殺したようなもんじゃないか。そんな事ばかり考えていました。
しばらくして、私は先輩としていた約束を思い出しました。
先輩と私は、よく山に星を見に行っていたのです。最後に先輩と会ったときに、また星を見に行く約束をしたのでした。
今日が約束の日でした。
私は久し振りにバイクに乗って出かけることにしました。先輩との約束を守って、星を見る為に。
いつも先輩と走っていた道をひとりで走り。いつも一緒に休憩していたコンビニで、先輩の好きだった缶ビールを買いました。
先輩と約束していた場所は、ふたりでよく星を見に行っていた展望台。いつも先輩と座っていた展望台のベンチに、今日は私ひとりで座ります。
この信号を左折して後は道ナリに登っていけば、目的地の展望台につく、という時に信号待ちをしていた私の隣に、一台のバイクが並んで停まりました。
先輩が乗っていたのと同じ種類、同じ色のバイクでした。
乗っているのは先輩とよく似た感じの、きゃしゃで小柄な人でした。
先輩が好きでよく着ていた、赤いライダージャケットを着ていて、先輩が使っていたのと同じ種類の、スモークシールドタイプのヘルメットを被っていました。
隣のバイクの人は、私が見ているのに気付いて私の方を見てグゥオン!グゥオン!アクセルを吹かしました。
その当時、このあたりでは、これはバトル(公道レース)の合図でした。
よく先輩と、このあたりでバトルをしていた私は、アクセルを吹かし返してバトルを受けることにしました。
信号が変わって、先に飛び出したのは隣のバイクの人でした。
先輩もスタートが上手かったな、と思いながら、私は前を走るバイクの後を追い、走っていきました。
前を走る人は、私よりも良い腕をしているようで、コーナーをひとつ抜けるごとに少しずつ差が広がって行きます。
前を走る人のブレーキのかけ方、コーナーのラインの取り方、先輩にそっくりでした。
本当に先輩とバトルしているようで、とても嬉しかったのを覚えています。
しばらくして、ついに私の前を走っていたバイクを見失ってしまいました。
さすがに疲れた私は、バイクを停めて少し休むことにしました。
たぱこに火をつけたとき、時計を見ると20分ほど、あのバイクの後を追いかけていたのがわかりました。
全開走行を続けて疲れた私は、10分ほど休んで再び目的地の展望台へと走り出しました。
目的地の展望台が見えてきました。でもなにか、様子がおかしい。
時刻は既に真夜中近いというのに、展望台は妙に明るく、たくさんの車やバイクが停まっていました。
なにかあったのかな、と思いながら、展望台の駐車場に到着しました。
いつもバイクを停めて、先輩と座っていたベンチのあたりに人がたくさん集まっていました。
近くにバイクをとめた私は、人垣に近づいて何があったのかと後ろから、のぞいてみました。
まず目に付いたのは、フロントの部分が壊れて横転している車。そして、先輩といつも座っていたベンチの残骸と化した姿。
ああ。先輩と座っていたベンチまで壊れてしまった。
隣で事故を見ていた人に話しを聞いて、少し事故のようすがわかりました。
今から30分くらい前に、車がベンチに突っ込んで来たのだそうです。
そのとき、私はやっと気付いたのです。もし先輩のバイクを追いかけないで、予定どおりに展望台に着いていたら、私は事故に巻き込まれていたかもしれない、という事に。
震える体を、どうにか少し離れたベンチまで運んで、私は落ち着くまでボンヤリ星を眺めました。
結局、先輩が私を助けてくれたのか。それとも偶然、先輩に似た人に会ったのかは、わかりませんでした。
調べれば、わかったのかもしれませんが、私は、なんとなくハッキリさせたくなかったんです。先輩が私を助けてくれた。そう思いたかった。
全然怖くない話しでしたが、これで終わります。最後まで聞いていただきまして、ありがとうございました。


第九十三話  鑑識のお仕事語り手: エモーションさん
これは、中1のときの担任から聞いた話です。
担任の大学時代の友人には、警察の鑑識の仕事をしている方がいます。そのため仕事柄、壮絶なものを見ることもあります。
その日の仕事は県内でも有名な某自殺の名所の橋の下。どうやら、カップルの心中のようでした。
橋は結構高いため、身体には岩(橋の下はT渓谷という場所。学生は結構地学の実習で良く行く)ぶつかった跡が多数あり、どちらも酷い状態だったものの、比較的、男性の方がましな状態でした。どうやら落ちたとき、女性の方が下側になってしまったようです。
仕事柄慣れてきたと言っても、さすがにこういう現場は気分が重くなります。Aさんは淡々と仕事をしていました。と、
「う、……ぐうぉぉぉぉぉ……」
どこからか、妙な声がしました。
「誰だよ?こんな時に悪質な冗談をする奴は?」
「場所が場所だから、やめろよな!」
当然、鑑識仲間や刑事さんは口々に「場違いな悪ふざけ」をした者に文句を言います。が……悪ふざけの好きな者を問いつめても、誰もそんなことはしていませんでした。
そんな中、再びうめき声がしました。
……誰でもないことは、すぐに分かりました。全員顔を見合わせていたので。
じゃあ?誰だ?
全員が血の気を引きつつ周囲を見回したところ……
「ぐ……ぐぉおおおおお……」
そう言いながら、心中したカップルの男性が急に顔をあげ、近くにいたAさんの靴を掴みました。
「う、うわあああああああああああああああっ!!」
……その日、T渓谷には仕事を忘れて悲鳴を上げる、警察と鑑識さんの声が木霊しました……。
そうです。男性の方はかろうじて生きていて、助けを求めていたのです……。もっとも生きているのが不思議な状態で、まず飛び降りる前の状態には戻れないようでしたが。
「死んでいる、と思っていたから、あれはほんとに怖い経験だった……」とAさんは担任に語ったそうです。 終わります。


第九十四話  語り手: リナ&キャナさん
これは、中学3年生のときの担任が、修学旅行の余興に話してくれた話です
ある人が、あるレストランで海亀のスープを食べました。
その夜、その人が、自分の家で首を釣って自殺をしてしまいました
刑事たちは、何があったのかと調べていき、1枚のメモを見つけました
それは、ありていにいえば遺書だったんですが、その内容は恐ろしいものでした
その人は、元猟師でしたが、数年前乗っていた船が難破し、無人島に流れ着いていました
よくある話なのかもしれませんが、その島から帰ってこれたのは、仲間の中でその人一人だけ
ともに島に流れ着いた仲間たちは、こう思いました
『この中で、誰か一人だけでも生き残らなくてはならない』
彼らは、仲間たちの一人に、温かいスープを渡しました。
『これは、浜の沖で打ち上げられていた海亀で作ったスープだ。お前だけでも生き延びろ』
皆すでに、ほとんど衰弱しきっていたので、彼は仲間たちのことを伝えるために、とそのスープを受け取りました
その後も、仲間たちは彼に『海亀のスープ』を渡し続けました
そして、そのスープのために生き残り、一人助かったわけですが・・・
その日食べた『海亀のスープ』の味は、その時食べた味と、まったく違っていました
そして、彼は悟りました
自分が生き残るために食べていたのは、海亀ではなく仲間たちの肉だったことを・・・
すみません・・・終わらせていただきます・・・


第九十五話  2つの図書室の怪談語り手: ユア・ファンティンさん
小中と,2つの図書室にまたがったお話です。
一回目は,小6の頃でした・・・・・。
私は,文化祭で,図書室の方で,模擬店をやりました。
その前々日。
それは,起こった。
いや、起こってしまった。
私が,責任者で,誰もいないのを確認しました・・。
なのに・・・・。
(いけね―。本置いてきた。)
普段なら,戻らないはずなのに,その日に限って戻りました・・。
ガラッ。
(あった。)
ふと横を見ると、1組の男女が・・・。
もう暗いのに,電気をつけずに,そこにいました。
「ねぇ−。もう玄関閉まっちゃうよ。」
その男女は,あきらかに、
(何で,僕たちが,わかるんだ。)
と,言う顔をしていました。
(ふ―ん。こいつら,噂の・・。)
その時,図書室に、男女の幽霊が,でると言う噂が,ありましたし,なんか起こらなきゃいいのに。
と,思っていた所の登場でした。
(祓いましょうか。)
「ここは,汝らのおる所では,ない。今すぐ,去ね。」
「やぁ−よ。ここが,気に入ってるんだし。」
「そうそう、はなれたくないよな。」
(明日だな・。)
私は,その日は,帰った(怒)
次の日。
わたしは、責任者と言う事利用して、みんなを早く返した。
そして−。
その日は,
「私たちを祓うつもり、やだっ−。」
「身ほど知らずだね。」
など,笑ったり、からかってくる。
無視して,十字架を構えて、聖言を唱える。
「我は,前名・ユア。」
「天と地の偉大なるもの。我に、昔従いしもの。
 我,汝ら願う。我,汝らに,誓う」
「させないぞ,玲菜。」
「はい,樹さん。」
続けているか,2人は,何かし始めた。
2人は,手を合わせ・・。
『愛のダシュツアタァック』
と言われると同時に,逃げられました・・。
それから半年。
小学校を卒業。
中学三年になったある7月の日・・・。
(本借りていくか。)
と,図書室へ行った。
そこには,1組の男女が,いた。
それなら,割と,普通の事・・・・だったんだけどね。
2人とも,冬服でしたし,
カマかけに、
「久し振りね。玲菜さん,樹さん。」
樹の方は,手を振り振り、
「あ−。いつぞやの霊感少女。」
「本当に,久し振りね。」
「・・・さっさと,上にいけ,おめ−ら。」
「や−よ。」
「いくらきみでも。」
『僕らを,こに,愛の語らいの場から,離させないよ―ゥ。』
(こいつら,)
頭の血管の切れた音が,した。
タロットを取り出す。
「いでませい。『アレイスティス』『エリファンス』」
タロット・スピリッツを開放する。
『YES,マスタ―。』
2人は,闇と光の髪をなびかせて、
「2人を取り押さえるのよ。」
「きゃあ。」
すぐに取り押さえられ、
「とっと、上に行く。」
「いやよ。」
「そうだよ。離れたくないんだ。」
「眷属でもいいからさぁ。」
「一緒にいさせてよ。」

「閻魔王よ・・。」
黒い穴が,虚空にあく。
2人の首ねっこつかみ,
「一応,また,頼んどくから,」
と言い,放り込む。
「ありがとうですのっぉぉぉ。」
「生まれ変わってもわすれないよぉぉぉ。」
こうして、
私とバカプッルの長い戦いは,終わった・・。

空しい・・。


fin。


第九十六話  貸し出しカード語り手: エモーションさん
この学校の図書室の本貸し出しはカード記入形式です。そして図書室には全校生徒の貸し出しカードがボックスに納められています。
授業で図書室を利用した男子生徒B君がクラスのカードを見ていて、不意に司書さんに言いました。
「司書さん、Aのカード……まだあったんだ」
A君とはその年の春、不幸にも自宅が火事になり亡くなった生徒です。この時、その火事から数ヶ月経っていました。
「うん。3年のカードは卒業したら廃棄だから、一緒に廃棄しようと思って入れたままにしてた。嫌だった?」
「嫌っつーより、ちょっと……」B君は複雑な顔でそう言いました。B君はA君とそれなりに付き合いのある間柄でした。思い出してしまうので辛かったのです。
「じゃあ、クラスのボックスから抜くよ」
司書さんはそう言ってA君のカードを3年生用のボックスの空き部分に入れました。
「……捨てないんですか?」
「これぐらい、残っててもいいでしょう。1年や2年ならまた違うけど、あんた達の卒業と一緒に廃棄する」
B君は納得して本探しに戻りました。
ただ、司書さんが黙っていたことがひとつ。
「それにA君、今も学校に来てるし……」
図書室には来ていないものの、(元々来る方じゃない)3年の教室近辺にはいたそうで……。
その後、戸締まりで校内を見回っていた日直の先生が、A君を目撃したりしてましたが、その年の3年卒業後、A君も「卒業」し、カードも一緒に廃棄されました。 終わります。


第九十七話  宿語り手: 薫さん
彼が大学生のころ、よく、彼は、ふらりと、何も予定を決めずに、よく電車の一人旅をしていたそうです。
これは、そのときに体験した話だそーです。
ふらりと、いつものように、電車にのって、そのまま、無人の駅に降りて。その日は、どこかのホテルにでも泊まろう、としたのですが。あいにく満室。
ようやく、かなり進んだところに、一件の宿が開いているのをゲット。しかし、混んでいたために、相室となりました。
「どうせ、明日になったら、また旅の続きをするんだし。」と予定表をみつつ、布団に入りました。
そのまま、布団に入り、眠ること、しばし。耳には、外から、蝉の声が聞こえています。
しばらくすると。「かいい、かいい・・・。」隣から声がします。
「何、寝とぼけてるんだろう?」あまり気にしないでいると、『ぼりぼりぼり・・・・』間違えようのない音が聞こえてきて。
ふと、横をみると、相室となっていた男性が、必死に体をかきむしってしました。
その日は満月。明りもなくても、かすかな明りで部屋の様子が分かります。
よくよく見てみれば、男性は眠っているようでしたが。無意識に、体をかきむしっているようです。それも、そのはず。一瞬目をこすりました。
見間違いかと思ったのです。ですが。肌色のはずの横で寝ている男性の肌が。
びっしりと、まるで、鱗のように、なっていたのです。「????気のせいだろ。」それで済ませて、寝ることにしました。
彼は、そういうことは、あまり信じないようにしているタイプなので。(とゆーか、いいのかそれで!?)
布団にもぐりこみ、それでも、まだぼりぼりと体をかきむしる音は止まりません。それが朝方まで続きました。
「五月蝿いなぁ・・・。」といいつつ、見てみれば、今度は、顔から、全身が鱗まみれにその男性はなっています。
完結に、表現すると、まるで、よく、漫画で、蛇が取り付いたときなるような。あんな顔になっていたそうです。白めがぎょろりとして。それでいてかきむしる手も、びっしりと鱗まみれ。
「・・・・・ねよ。」そのまま、布団にもぐりこみ、そのまま、熟睡しました。(ある意味すごい度胸かも・・汗)
次の日。目を覚ますと、すでに、その男性は、もう出かけていませんでした。
「お早うございます。」その宿の女中(でいいよな?表現??)が、部屋に入ってきます。
「何か、昨夜、隣の人、何かあったのですか?」「何で?」「来たときも、包帯巻いていたのですが。それがさらにひどくなっていたので。」といいつつ。
布団を片付けようと、手にかけました。すると。
パラパラパラパラバラ・・・・・・。まるで、音が聞こえるように、布団から落ちる何か。
それも、大量に。「何これ!!?」思わず、布団を宿の人は放り投げます。それは。
大量の鱗と、しかも、どうみても、何か抜け殻のようなもの・・・・・。そう。それは、どう見ても・・・・・・。
蛇の抜け殻でした。それも、何枚も・・・・(本人曰く、ごろくまい以上はあったな。と平気でいわないで!)
そう。どうやら、その鱗は、蛇の鱗だったようなのです。
そのまま、宿の人は、その布団、破棄したそうです。(とゆーか、ばたばたと大騒動になったそうです)
見れば、宿に入ったのが遅かったので、気づきませんでしたが。部屋にもかなり、鱗が飛び散っていました。
そのまま、大騒動になる宿をそのままに。とっとと、チェックアウトして、その宿を立ち去ったそうです。
本人曰く、「そのせいか、ちょっと、負けてもらえたから、ラッキーだった。」と・・・・・。そーいう問題かぁぁぁぁ!!!!!!!!?
結局、その男性が何だったのかは、分からないそうです。・・・・終わります。


第九十八話  語り手: Yuppyさん
短いんですけど、私の祖母の体験談です。祖母の母が亡くなった時のお葬式に起こりました。その日の夜、道を歩いていたら、急に体が重くなって、前にしか進めなくなり、後ろを辛うじて見ると、なくなった母がいたとか・・・・・・。恐くないですね。


第九十九話  ライトアップ語り手: エモーションさん
以前、「共存」のお話をしたときに、終わりの方でぼそっとオカルトマンガでもここまでやらんという、「素晴らしすぎる学校の環境」を、お話ししましたが、舞台となる場所はその「学校の裏にある神社」です。
後輩は、学校の近くに住んでいます。彼女は塾の帰り道として、学校の裏にある神社の境内を突っ切って帰っていました。近道であることと、一応国宝なので街灯や防犯の設備もしっかりしていて、下手に神社の周囲の道路を歩くよりも、境内を歩く方がずっと安全だからです。
ある日、彼女はかなり目立たない場所に灯りが点いていることに気がつきました。見てみると、それは小さな小さな祠でした。
その神社は結構大きな神社です。敷地も広く、本殿の他に小さな祠がいくつか祀られています。確かに、全部ではありませんが、いくつかの祠には普段から灯りがついています。
「へぇ、あんな目立たない場所の祠にも灯りをつけるんだ。何か重要なものなのかな?」彼女はそう思いながら、帰宅しました。
次に通ったとき、その祠には灯りが点いていませんでした。
それから、彼女は通るたびに何となく、その祠に灯りが点いているかどうか、見るようになっていました。
灯りは特に点ける日が決まっているわけではなく、ランダムで点いたり点けなかったりしているようでした。
秋になり、恒例のお祭りの日がやってきました。大勢の人で賑わっています。彼女も学校から帰宅してから、友人達と神社に遊びに行きました。
夜店を覗いたりしているうちに、ふとあの祠に灯りが点いているか見たくなりました。
好奇心のまま、早速見に行ってみると祠は灯りが灯っています。
しかもライトアップでもされているかのように、いつもより明るく。
丁度良い機会だからと、彼女は本殿の方に戻ったとき、たまたま近くにいた神社の巫女さんに、祠について質問しました。
「裏の目立たない場所にある、時々灯りが点いている祠は何を祀っているんですか? 今日も灯りが点いてましたけど?」
彼女の言葉を聞いて巫女さんは……
「えっ?…………また…………?」
巫女さんは、真っ青な顔になって、そう言いました。
今でも、祠にはランダムで灯りが点いているのでしょう。
……点けているはずのない、灯りが。


第百話  キャンプの帰り語り手: 璃緒さん
中学の時の理科の先生が、授業中に語ってくれたはなしなのですが…
先生が大学時代の友人と、ある山にキャンプに行った帰りのことです。
前の車に3人、後ろの車に4人と、2台の車に別れて乗っていたそうです。
先生は、後ろの車を運転していました。
キャンプ場は山の中。当然帰り道も山道です。
夜の山道。森の脇。前方には湖…。
フロントライトで照らしながら、前の車を追いかけるように走ります。
すると突然、後続の車、つまり先生の運転している車が……ちょうど湖のそばで止まりました。
エンジンの不調かなと思い、懐中電灯を持ち、3人が外に出て、原因を調べてました。
残りの1人はというと、気分が悪いので、車の中に残っていました。
ところが、どこをどう調べても、原因は見当たりません。
3人は、不思議に思いながらも、仕方なく車内に戻りました。
そこで、車内に残していた1人の様子がおかしいのに気付きました。
顔色が異様に悪いのです。
それで先生が、「大丈夫か?」と聞いたところ、その人は黙って前…フロントガラスを指差したのです。
3人は一斉に振り向きましたが…そこには何もありません。
ただ、前方にいた車は、止まった事に気付かずに行ってしまったようなのです。
それが伝えたかったのか、と尋ねると、首を横に振るばかりで、何も言いません。
もう一度確認するように、皆、前を見ましたが…やはり何もありません。
そこで、何が言いたいのかはっきり言うように言おうと…その人の方を向きました。
その人の足首を、血まみれの手だけが、がっしりと掴んでいたのです。
あまりの光景に、皆、声が出ませんでした。
そして、先生は、ふと、車の後ろを見ました。
血まみれの、長い髪の女性の顔が…首から上だけが、逆さまに張り付いていました。
そしてもう一度フロントガラスを見ると……
グロテスクな…女性の胴体が……
皆、パニックにおちいりました。
運転席にいた先生は、無我夢中で車を発進させようとしました。
すると、さっきまで走らなかったのが嘘のように、普通に走り出しました。
少し走ったところで、前方の車に追いつき、冷静さを取り戻した先生は、フロントミラーで後ろを確認しました。
血まみれの老若男女の集団が…追いかけてきていました。
その後は、もう覚えていないそうです。
余談ですが、その数日後、後ろの車に乗っていた4人は、原因不明の高熱を出したそうです。


すみません。数え間違いをしていたようで1話多くなってしまいました。


第百一話  騒動語り手: 薫さん
これからする話しは、私がよくなぜか、一週間に一度以上は。見ていた夢の話です。
いつも、その夢は、同じところから数ヶ月始まり。一日ごとに、だんだんと夢の続きが増えていっていました。これはそのお話です。
初めて、この夢を見たのは、小学生のときだったと思います。(それから高校卒業するまでランダムに見ていた・・
いつものように、私は、テレビを見ています。
そして、母と何げない会話をしつつ。買い物に出かけていきます。
この夢はここから始まりました。
買い物を済ませて、お金を払い。外にでようとすると。いきなり、辺りが騒然としています。
「何?」「ともかく、帰ろう。」「そだね。」何げなく、何も思わずに、そのまま店をでてゆきます。
すると、なぜか。ばたばたと周りの人達があわてるように車にのって走り去ってゆきます。
「???何かあったのかな?」このときは、これだけで、そのまま車にのって。家路につきました。
その日から、だんだんと騒動が広がっていきます。でも、それがなぜなのかはわかりません。回りの家の人達がなぜか忽然と姿を消していきます。
しばらくすると、いきなり、電気もガスも通らなくなりました。
電話も通じません。
「??おかしいね?」といって、家からでました。
そして、目にとびこんできたのは。信じられない光景でした。
『るぅぅぅぅ・・・・・・。』『ぐわぁぁぁぁ・・・・』不気味な声が外に響き渡っています。
強いていうなれば、今でいう、そう・・・・。『バイオバザード』その風景そのままの風景。
つまりは、ゾンビと化している人間や、動物が外に溢れかえっているのです。しかも、それらは、あたりかまわずに、襲い掛かっています。
的確に表現すると。・・・・・食べているんです・・・・。人間などを・・・・。
「逃げないと!」そのまま、車にあわてて乗り込み。犬をつれて(このとき、中学に入って犬を飼い始めていた)車にのりこもうとします。
そんな私達に気づくように、それらは群がってきます。
「早くのって!!」母に促されるまま、私と犬は、車に乗り込みました。(なぜか父はいなかった・・・・。)
ギュルル!!車を発進させると、かまわずに、辺りに群がるかつての人(だったと思う)をひきながら車を発進させていきます。
車を発進させると、後ろから、周りから、わらわらと群がってくるゾンビ達。
フロントガラスに飛び散る肉片や血を洗い流しつつ(車の機能にあるやつ)必死で車を走らせます。
そのときになって気づいたのです。回りには、すでに、家などには灯りは灯っているものの。人影が全て人でないものとなっているのに。
走っている最中も、道はゾンビで溢れかえっています。しかも、車が渋滞し。その動かない車に殺到するかつての人もどきたち。
悲鳴が車の中にまで聞こえてきます。「シートベルトしときなさい!」母がつよくいい。
ギュルル!!!向かってくる人もどきが唯一いないところ。つまりは、線路にと車を入れました。
道は、すべて、そのときすでに。彼らに占領されていたのです。
しかし、その線路にも、彼らは追ってきます。必死に車を走らせること、しばらく。すでに時間もわかりません。
「とにかく、この町からでたら助かる。」そんな無意味な期待をしつつ。ともかく車を走らせます。不眠不休です。
疲れてくる母に代わって、私も運転を交代しつつ(夢の中では免許もってた・・)
やがて、いつのまにか、夜があけていました。
「まずっ!」思わず、悲鳴に近い声が上がります。みれば、ガソリンの残りが・・・。
辺りがしらじらと明るくなり、海に朝日が反射します。
「こういうのって、よく話では、夜にしか、活動しないとか・・・って都合のいいこと、あるわけない・・か。」遠くから聞こえてくる間違えのない声でない声。
「とにかく、ガソリンがないと、話にならない!」といって。とにかく、線路からでて、道に戻ります。
運良く、その道は、ゾンビ達の姿が見えませんでした。近くにガソリンスタンドをみつけ。そこに車を入れます。しかし・・・・。人影はありません。
『ぐわぁぁぁぁぁ・・・・・』すぅ・・・血の毛が引いていきます。「とにかく、ガソリンを!」
見よう見真似でガソリンをどうにか満タンに継ぎ足し。車にのりこもうとした刹那。
わらわらわら・・・・。今までどこにいたのか。というほどに、彼らはやってきます。四方を囲まれます。「ともかくいくよ!」無視して、ともかく車を発進させます。すがりついてくる彼らを振りほどきつつ・・・・。
ぐしゃ!いやな音が絶え間なく続くこと、数時間。
「振り切った???」
すでに、何日あれから経過しているのか分かりません。かろうじて、食べているものも、車にあったお菓子のみ。それと、犬用のドックフード(なぜか積んであった)
やがて、辺りが、違う明るさになっているのに気づきました。がやがやがや。人の声です。
「助かったぁぁぁぁ!!」完全に疲れていた私と母。そして、元気のない犬。近くの食堂に入っていきます。
この辺りは、今までとは違い。ゾンビの姿など欠片も見えません。安心し、おなかもすいたので、何か食べるものを。というのではいっていきました。
とりあえず、安心しつつ、食べていると。テレビから『臨時ニュースです』と。食堂のテレビが画面が切り替わりました。
みれば、『○○市と、○○市との連絡が途絶えました、これは、その映像です』
「大変なことが起こっています!現実・・きゃぁぁぁぁ!!」ざぁぁ・・・・・・。画面が真っ白になります。
『記者が潜入して、命がけの映像です。』と。ざぁ・・・揺れる画面の横で。くちゃくちゃ・・。何かを食べている音が響いています。
すぅ・・・。私と母は、瞬時に理解しました。『総理からの報告です。』テレビは次に総理を映し出します。
『大変な事態です。すでに、○○市を中心に、連絡がつかなくなった市がすでに十を超えています。この辺りの人々は、ただちに避難してください。』避難勧告がなされます。
店の人達がその光景を呆然と。「・・・・何処ににげろっというんだ?」と誰かがつぶやいています。
すでに、西日本は、避難勧告区域に全て指定されています。しかも。
それが、時間とともに、入る報告がふえているのか、広がっているのです。
ばたぁぁぁぁん!!ジャストのタイミングで。警察が店の中にと入ってきます。
「大変だ!!隣町で被害がでた!すぐにそこまできているぞ!」げぇぇぇぇ!!!!
そこも安全ではなかったのです。
「せっかく逃げてきたのに・・。」呆然と私がいうと。「あんたら、何処からきたんだ?」と一人が話しかけてきます。
「○○からですけど?」私の言葉に母もうなづきます。「よく逃げられたな。全滅だそうだぞ?」と。よくみれば、それは自衛隊の人のようでした。
「俺達の仲間も・・・あれの仲間になったり・・・・その・・・・やられた。」と悔しそうな言葉がしています。
「どこに逃げろっていうのよ!」当然、店の中、町全体がパニックなります。
ががぁ・・。『緊急事態を考慮して、ミサイルの使用、許可がでました。市民は、専用の飛行機を設置しますので。○○日までに、ここにきてください。期限ジャストで、破壊します。』テレビから、アメリカ大統領、日本の総理、などなどが映りだされます。
テレビからの情報によれば、各地で同じ時期に。被害がひろがっていっているらしかったのです。
ここから、急いでも、数日はかかります。「・・・・船があるぞ!」自衛隊の一人がいいます。すでに、もう規則などはくそくらえ。という感覚らしかったですが。
ともかく、自衛隊や警察が誘導しつつ。町の人々は、船にとのりこむために。出発していきます。
進むこと、しばし。連なる車の後ろの方から、悲鳴が聞こえてきました。
「きたぞ!」誰かがいい。見捨てるようで、後味がわるかったですが、生き残った人々は。かろうじて、数台のみ。
百台以上はいたにもかかわらず。
そのまま、ころがるように、船は発進します。大陸から響いてくるのは、まぎれもない悲鳴のみ。
対岸に、わらわらと、追いすがっている影をふりほどきつつ。船は発進しました。
「助かったぁぁ・・・・・。」そういって、生き残った人々はほっと一息。
自動操縦になっていた船は、そのまま発進していきます。
しかし、実は、私達は後ほど、恐ろしい事実をしりました。船の船長が、やられていたのです。
かろうじて、見習いの人が動かしている状態なのです。
船長は、一人入ってきていたゾンビを道連れに。海に飛び込んで、そのまま・・・。らしかったのです。
やがて、私達は、なぜか沖縄にとたどり着きました。
そのとたん。西日本や、各地から、すざましい光が空を多い尽くしました。
一気に、全ての国々で、ミサイルが発射されたのです。
ごうっ!その余波で、全てが何も見えなくなっていきます。
やがて、しばらくの沈黙のうち。静まり返りました。「これで終わった・・・。」
誰かがぽつりといい、全員で大喜びをしました。
「無事に、駆除成功・・・・何だ・・・?誰か・・ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」ぷっ・・・。ざぁ・・・・・・・。テレビの映像が途切れました。喜びにわいている各地の様子を写している最中に・・・。
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!』全員の悲鳴がこだましました。
すでに、本土中に、被害は広まっていたのです。かろうじて、海を隔て、交通手段がない大陸のみが無事なだけで・・・・。
一年間、空からの映像のみの様子で。しばらくして。ゾンビ達が、唐突に姿を消したのは。それから数年が経過してしました。
すでに、そのときには、生き残っていたのは、あまりいないように思えましたが。かろうじて。シェルターに避難していたり、離れ島に非難している人達はたすかっていました。
安全なのかもわかりませんが、とにかく、家にもどろう。と思い。家に戻る道筋。
地面一杯に、いや、地面がすべて赤茶色に染まっていました。何があったのか。唐突に全てのゾンビがとけたようだと。ラジオで情報が流れています。
家に戻ると、父の書置きが一つ。
「これを読むときには、すでに自我がなくなっているだろう。でも、彼らは、今にはじまったことではない。昔から人間の遺伝子の中にいる存在だ。環境が変化する中で、目覚めた人間の遺伝子。・・・・いつ再び目覚めるか・・・。」・・・・・と。
ゾンビになりつつ、自我があるうちに、書き記したもののようでした。
同じような、書置きが世界でもみつかり。このことで。大混乱が世界に巻き起こりました。
ここで目が覚めました。これから後の話は・・・見ていません。高校を卒業する二ヶ月前まで見ていた夢のないようです。




『実体験』に戻る


【殴り書き】トップページへ