第六話  小指がない語り手: 綾架るきあ
 死因の分からない死体が発見されたという進分記事でその被害者の写真を見て、Aさんは血の気が引く思いをした。
 しかもAさんを驚かせたのは、不思議なことにその死体には小指がなかったとか・・・。


 話は変わって、Sさんが部活の合宿で宴会をして、暫くするとSさんはこんな話を始めた。
「この 話を聞くのはいいけど,何があっても俺は,責任もたんからな。」
 そう、言うと皆も馬鹿にされるのが嫌なのだろうか、黙って Sさんの話を聞き始めた。

 その内容は、Sさんが夢の中で川原にいると、見たことのないお婆さんが、しゃがみ込んで何かしている。
 気になって話をしてみるとどうやら探し物をしているらしく、何を探しているのかと聞くと、小指を探しているという。見るとそのおばあさんには小指がない。
 流石に気味が悪いので逃げ出そうとするが、変な使命感から結局手伝うことになった。
 で、おかしなことにそのおばあさん、どうも探す気がないようだった。

 暫く経ってSさんが諦めかけたころ、川上から小指が流れてくるのを見つけた。
 ほっとして気味悪いのも忘れて小指をつかみ、老婆に手渡すと感謝の言葉はいっていたが顔は残念そうで、Sさんが去ろうとした時のボソっと「あと少しだったのに・・・」と呟いたらしい。

 この話を聞いた人はその夜必ず同じ夢を見るらしく、Sさんが話をした時は皆その夢を見たそうで、その時は皆小指を見つけたらしい。
 Mさんはあまりに恐かったので眠りたくないとおもい、友人2人と夜を明かそうとしたが、部活の疲れもあって結局眠ってしまった。
 Mさんは半分信じていなかったが、すぐに自分が河原に立っていることに気付いた。夢の中のはずなのに変に現実感があり、その老婆は確かに何かを探していた。
 逃げたかったが小指を見つけられないと大変だと思い手伝ったが、Sさんの話と違いその老婆は探す気がないどころか邪魔しているようで、どう見ても焦っていた。
 河原ではとうとう見つからず、店でハンバーガーを食べていると、ハンバーグの間から小指が出てきて目が覚めたとか。
 次の日、残りの2人に話しをきいたところ、確かに二人とも老婆が出てきたが2人とも小指を探せなかったらしい。
 その2人は青ざめながら、夢から覚める前の、老婆の不気味な笑顔が忘れられないといった。


 それから数年後、Mさんはその新聞記事をみつけたらしいのだが、もう1人の消息は分からないらしかった。
 Aさんはその話を聞いたが、未だ夢を見ていない。だいたい1週間くらいの間に見るらしいのだが・・・


第七話  階段語り手: 猫さん
 私、今は引っ越しして、借家にすんでるんですけど、前は持ち家だったんですね。(もちろん家族で)
 その時は私、弟と同じ部屋使ってたんですけど

 ある夜なかなか寝付かれなかったんです。目が冴えて・・・ってわけじゃないんですけど。
 で、ボケボケと、寝返りを打ちつつ起きていたんです。そうしたら、下から階段昇ってくる音がしたんです。あ、部屋二階にあったんです。
 こう、スリッパで、つま先立ちでぱたぱたと。それで、私は母が様子を見に来たのかしら、と思ったんですけど、それで音がしなくなったんですね。
 私、空耳かと思って、その日は寝ましたの。


 そうしてそんなことも忘れてしまった頃、私、基本的に寝付き悪いんで、良く夜更かしするんですけど、また寝ないで居た夜があって、そうしたら、また、音がいたしました。
 家、階段十三段あるんですけど、その聞き慣れた分のタイミングで、階段が鳴ったんです。家でスリッパは居てるの、母だけなので、母がきたのかしら?と思いましたら、やっぱりそれで音がしなくなったんです。
「お母さん?」
 と声を掛けましたけれど返事はございませんでした。
 もしかしたら、お隣の音が、夜は静かだから変に響いたのかもと思いまして、その日は寝ましたの。

 そうしているうちに、ある朝、弟が私にこう聞いてきました。
「姉ちゃん、便所近い。」
私自慢にはなりませんけど、遠いんです。私じゃない。と答えましたら、弟は、
「え?じゃあ昨日階段上り下りしてたの誰?」
 私の空耳じゃございませんでしたのです。弟は、二段ベットの上で寝ていたので、てっきり私が移動する音だと、「毎晩」そう思って音を聞いていたのです。


 そしてある夜、私が弟と、話をしながら起きていると突然、「階段を駆け上がって」来る音が、そして部屋の前まで歩いてくる足音がして・・・、
 鍵のかかっているはずのドアが「バン!!」と音をたてて開きました。そしてそのドアの向こうには、何にも、居なかったのです。ただ、なま暖かい風がふうっ、と部屋を通り抜けていきました。
 どうでしょう。その風にあたったとき、心臓が、握りつぶされるような感じがしたと弟は次の日言いました。

 ああ、後日談というか。その日から弟が、ベッドの下の段で寝たいと言い出しました。


第八話  真夜中の聖母語り手: 綾架るきあ
 うちのガッコはキリスト教のミッションスクールなので、学校の南西側の土手の上にマリア像が立っています。
 で、そのマリア像は真っ白で、「雪のマリア像」と呼ばれていて、5月のマリア祭の時にはそのマリア像の前でミサ(?)をします。
 ちなみに、土手には階段がついてます。

 で、夜中に生徒がふと、そのマリア像の方を見ると・・・
 マリア像がスカートをたくし上げ、階段を駆け上がっていたそうです。
 ちなみに、ピンクのレオタード姿で階段を駆け上がっていたという話もあります。


第九話  黒聖母語り手:  猫さん
 いわゆる、神像ってやつはそれなりの儀式をしないといけないんだそう
です。
 正しい存在の仕方を与えてやらないと、空っぽのいれものになるんですね。
 そのものにお前はこういう物なんだよって教えてやるんです。だけど、時々まあ、そんなことに全然関心を持たない方も居て、形だけ整えてそれで終わりにしちゃうんですね。
 信仰心、というのもありますね。何とかの頭も信心からってやつで。


 ある小さな町の小さな駅に、それは美しいマリア像が一つ、あったんだそうです。
 単線のホームの一番後ろに進行方向を向いて。
 それはその町の町長さんが、町おこしというか、そんな感じで置いてみたものなんだそうですけど、それが置かれてから、その駅で事故が相次いで起きるようになったんです。
 終電近い時間の電車で。
 で、あんまり夜はあの駅に近づくな、といわれるようになりました。
 やっぱり夜にたたずむマリア像は、怖いものがあったんでしょう。事故にあった人がそのマリア像に近づきたがらないそぶりも見せました。


 でも、ある日一人の高校生が、追試で遅くなってしまいました。
 そして、暗い中で電車を待っていると、ホームの後ろから澄んだ声で
「ちょっとすみません。」
 と呼ぶ声がします。
 何だろうと思っていると、遠くで踏切の鳴る音がしました。特急が近づいているようです。
 もちろん、こんな小さな駅には止まりません。じゃあ、いいか、と思って、高校生は、後ろの声の方へ行ってみました。なんだか具合が悪そうなのです。
 そして後ろに行くと、黒い服の女の人がうずくまっています。
「どうしたんですか?」
 と声を掛けても、女の人は答えません。
 おやと思ってもう一歩女の人に近づくと、その踏み出した足をぐんっ、と、なにかに捕まれました。
 そして特急の近づいている線路に引きずり落とそうと引っ張られました。
 ああ、いけない!と思った高校生は、全身の力を振り絞って、足を掴んいるものをふりほどいて駅員さんのいる改札の方、ホームの前の方に走りました。

 すると「お前の魂をよこせ!!」と叫びながら、後ろから、追いかけてくるものがあります。
 その声に恐怖し手足が止まりかけた高校生はドンッ、とホームに突き飛ばされました。そしてそこに特急が・・・。
 そして高校生は両足を切断されました。叫び声を聞いて駅員が、適切な応急処置をしたため命は助かりました。


 そして次の日、その駅員が出勤すると・・・、
 血塗れのホームの後ろで高校生の両足をはやした真っ黒に汚れた聖母が、にたりと笑ってたっていたそうです。


第十話  語り手: 八極
 当初の予定を変更してNZで体験した嫌な思い出を語らして頂きます。


 あれは七年前、まだ僕がこちらに来たばかりの時も事です。・・・・
 当時僕が通っていた中学校は僻地中に僻地にあり、当然居候していた家も山の中腹にありました。
 そしてその学校に続く通学路は二種類在ったのですが、何故か一方の道は立ち入り禁止になっていたのです。
 不思議に思い、友人や先生に聞いてもまともな答えは聞けず、封鎖された道の方が明らかに近道なのに何故誰も通らないのか不思議に思っていました。・・


 それから暫くして演劇部に入部していた僕は偶々夜間の練習が遅れてしまい、気が付けば夜の十時を過ぎていました。
 居候させて貰っていた家族はイギリス人なので時間に煩く。門限に遅れそうになった僕は迷わず封鎖された道を行きました。

 元々田舎なので電灯等が整備されている筈も無い山道を歩くのは気味が悪く自然駆け足で道を下っていると、急にぽっかりと広がった小さな広場に出ました。
 真ん中に何か汚い棒切れが立っていたのですが、特に気にもせずそのまま山を下っていると、後ろから

   ザッ・ザッ・ザッ・ザッ・ザッ

 と足音が聞こえて来るのです  びっくりして後ろ振り向いて見ても何も見えません。
 怖くなってさっきよりペースを上げて下りはじめると、また

   ザッ・ザッ・ザッ・ザッ・ザッ

 と足音が響いて来るのです。
 てっきり誰か大麻でも吸った変質者かと思った僕は
 立ち止まり「一体誰なんだ?」と呼びかけて見ると・・・・・

   ザザーッ!

 と何かがこちらに懸けて来るのが解かりました。
 足音は迫って来るのに姿が全く見えない事に恐怖した僕は一目散に逃げ帰りました。
 幸い足音の主も家までは追って来ませんでした


 次の日気味悪くなった僕は英和辞書片手にしつこく聞き込みした結果、あの道の広場には教会が在ったのだが、変質者に焼かれ牧師共々焼け落ちた過去が在ったそうです。
 僕が目撃した棒切れは当時のまま焼け残っている十字架の残骸でした。
 そんな事知ってたら間違っても通らなかったのにと青くなる僕に友人はただの変質者だったとかも知れないと言いました。
 僕としても、そっちの方が有り難いのですが・・・・結局その道は二度と通りませんでした


第十一話  語り手: くれつき
 学校から帰るのに、私はいつもJRを使っているんだけど・・
 やっぱり私の帰る時間は他の人の帰宅時間に重なるから混んでしまうのね、電車のなか。
 まぁ、その日はさほど混んでもなかったんだけども・・・。

 ふと、前の人にぶつかりそうになって気付いてしまったわけ。
 その人の背中のど真ん中に「カメムシ」が・・・!と、いうことに。
 しかも。その次の駅で人の出入りがあって、丁度その人の前の席が空いて、その人はカメムシを背中につけたまま・・・
 その後。カメムシがどのような運命を辿ったかは知りませんので、後は皆さんのご想像にお任せします。


第十二話  語り手: 石井 奈々子
 これは、幼稚園の時に見たゆめで、唯一忘れられない夢なんですけど・・・。


 夢の中で、自分は、家族と一緒に、乗用車でどこかに行っていたんです。
 空もとっても晴れていて、何もおこりそうにない雰囲気でした。
 で、どこかの駐車場らしき場所に来て、しばらく空いている場所を探していたんです。

 と、まえに、自分と同じくらいの歳(当時)の女の子が、車から顔を出していました。
 自分は、何気なくそれを見ていたんです。
 と、いきなり、女の子の首が、プシュッ!て音を立てて飛んだんです。
 普通なら、一緒に来ていた家族は気付くと思うんですけど、なぜか気付きませんでした。
 それに、車には血はついていませんでした。

 ・・・で、それだけならまだいいんですけど、そのあと、なぜか後ろにいたはずの車がなく家族の姿もなく、運転もとまっていました。
 ・・・そして、後ろに飛んだ女の子の首をなにげなく見ると・・・

「おかーさんたすけて、おとーさんたすけて」

 と、冷静な声で言うんです。


 ・・・・そこで怖さに耐え切れなかったのか、起きたんですけど・・・。
 なぜかの夢が自分の未来のような気がして、それ以来車の窓から顔を出すことはしなくなりました。


第十三話  語り手: Tomo
 以前の百物語でみさちゃさんが話てた事の続き?です。
 地元伊自良湖で、昔みさちゃさんが「ここの湖には人が沈んでる」という話をしたことを覚えてる方にはちと怖い話です。


 とある朝、私はいつもの通りに新聞を読んでました。
 その時、ふとある記事に目がいったのです。  その記事は小さいものでしたが、

「伊自良湖の水を掃除の為に抜いたら、沈んでいた車の中に白骨化した遺体が発見された。何年も前に行方不明になっていたAさんと身元が確認されました」

 という記事だったんです。
 その時私はみさちゃさんの話を思い出して、ぞっとしました・・・・・・
「伊自良湖には人が沈んでる」
 この話は本当だったってのが証明されたわけですから。


第十四話  語り手: 藍
 私の実家は長野県の山奥にあります。どのくらい山奥かというと、道端でくまにあうぐらい田舎です。
 お墓は当然、土葬のところが多く、きもだめしなんかしたらほんとに怖いです。


 数年前、友達ときもだめしをそのお墓でやりました。
 しかけなどまったくなく、山の中なので明かりもなく真っ暗です。
 それは、たんにお墓をひとまわりしてくるものでした。

 始めのうちはふざけていましたが、しだいにいやな感じがしてきて頭が痛くなってきたんです。
 帰ろうよといおうとしたときに、ふとまえをみると白い影がずらずらっとたっていたんですね。
 その影の数はとてもおおくて、全部の影がこちらをむいてるんです。
 私は友達と悲鳴を上げて逃げました。ところが・・


 私のところについてきたみたいで。次の夜、かましばりにあい、へやのなかにたくさんの人がはいってくるのがわかりました。
 それは、南の窓からきて北に列をつくって歩いていくんです。
 私はただその行列をみていました。その中の一人が立ち止まりまして。こちらを見てるんです。
 はっきりとはわかりませんが、あおく白い足がこちらを向いているのがわかりました。
 そのあしがですね。あるくんですよ。まくらまとのまわりを。ひたひたと。
 まあ、よくあることです。今はあんまりないですけどね。

 どうやら、お墓が戦争でなくなられた人の共同墓地だったようです。みなさんもきよつけてください。


第十五話  語り手: 破壊ぼーず
 先日、とある人から受けた相談(わたしゃ、坊主です)なんですが、

 その人の叔母さんの息子が、都会(埼玉らしい)で、バイクの事故で亡くなられたそうです。
 それまで仏壇がなかったんですが、事故を機に中古の物を買ったそうです。
 ところが、その仏壇、若い坊主(お東の)がお参りに行くと、

 1.蝋燭の火が消える。
 2.蝋燭の火が真っ二つに割れる。
 3.お線香の煙が渦を巻いて、息が出来ない(しにくい)。

 の症例が出てしまい、若い坊主は逃げ出してしまったそうです。
 年寄りの坊さん(これもお東)は「中古だから、悪いモノが取りついているのかもしれない」
 等と、親鸞聖人の教えを受けたとは思えない事を言ったそうです。
 結局のところ、
「とにかく一回伺ってみます。それで自分の目で確かめてから、
 対処したいと思いますので、ご都合の良い日をご連絡ください」と返答しました。


 ところが…それから数日の後、
 その叔母さんは胸が苦しくなって入院してしまったそうです。
 しかも、かなり掻き毟ったらしく、赤くなった爪の跡が
 結局、その家は唯一の住人が居ないために、見てくる事も出来ず、現物を確認する事など出来ません。

 一体、何でこんな事が起きたのか、見当がつきかねます。
 もしかすると、事故の現場に何か大事なものが落ちていたのでは、
 と言う人も居ましたが、となっては確かめようもありません。


第十六話  語り手: まゆみん
 ちょっとした田舎に(熊は出ません)3人のいたずらっ子がいたそうです。
 田舎でしたからその3人は有名でした。


 ある日、3人は、呪われているというトンネルへ行きました。
 そのトンネルは今は使われていないものです。
 10年くらい前に、1人の男の子が死んでしまったそうです。

 3人がそこへ行くと、奥にサッカーボールが一つありました。
 ラッキーだ・・・。そう思ってボールを取り、3人はトンネル内で蹴って遊びました。
 そしたらいきなり

『僕のボールで遊ばないで・・・』

 という、なんともいえない・・・・そう聞こえないくらい小さいのに聞こえる声ってカンジの声が聞こえてきました。
 3人はビックリしてその場を逃げ去りました。
 ボールは野原に捨てて・・・・


 その夜、3人のうちの1人、A君にします。
 A君が寝ていると、

『ボールを返して・・・ボールは何処?』

 という声が聞こえてきました。昼に聞いたのと同じ声です。
 枕元には、1人の男の子・・・足の無い男の子がいました。
 知らないよっ、そう答えたら

『じゃ、死んでね』

 にっこり微笑んでいきなり首をしめました。


 その日の朝、A君は死んでいました。
 死因は謎。
 3人のうちの2人も、葬式には出ましたが、なんともいえない悪寒が背筋を走りました


 その次の日、3人のうちの1人、B君・・・。
 この子のうちにも男の子は来ました。

『ボールを返して・・・お願い、おばあちゃんにもらったの』

 そう言いました。
 B君は、知らないっ。出て行けっと強引に追い出しましたが、殺されました


 もう、1人しかいません。C君にします。
 C君は、怖くて怖くて逃げたくなりました
 でも、夜はきました・・・

『ボールを返して。君の仲間も、僕と同じ場所にいるんだよ
 行きたくないでしょ?だから返して・・・ボールを』

 死んだ。それでおわりです。
 結局みんな同じ場所に行ったんです。


第十七話  鈴鹿峠の怪奇語り手: 綾架るきあ
 これは前うちの母上が京都に行く途中の話ですけど、
 いつものように鈴鹿峠を車で80km/hくらいでとばしてると、
 何かがバンっ!と、フロントガラスにぶつかったそうです。

 運転しながらよく見ると、ワイパーに一匹の蛾がひっかかって身動きがとれないらしく、
 ワイパーを動かしてみたんだけどそれでもとれなかったので、
 パタパタ羽根だけ動かしているのを気にしながら京都まで走って行ったそうです。

 暫くして止まれるところがあったのでそこで車を降りて見てみると、
 その蛾はぶつかった衝撃でおなかがぐちゃぐちゃになっていて、
 さらに風圧でおなかがワイパーに絡まっていたとか。
 結局ティッシュでとって、隣にあったゴミ箱に捨てたそうです。


 で、先週我も一緒に夕方京都に行ったんですけど、
 場所は違うけどまた山道で、母上が「何かぶつかったからちょっと見てみて」というので見ると、
 とんぼのような羽が4本見えました。
 とんぼなら硬い方なのでそんなにぐちゃぐちゃにはなっていないだろうと話してました。
 最初は気を失っていたらしく動かなかったんですけど、暫くすると窓の真ん中あたりから左側にゆっくり移動を始めました。
 すると、チラチラこちらを見る顔はカマキリのようでとんぼではなかったようでした。

 で、いつ飛ぶのか気にしながら、また同じ場所に止めました。
 母上が車から降りて、我は車の中から見ていたんですけど、
 そのとんぼのような虫が窓ガラスの方に歩いてきた時に、見てしまったのです。
 ぐちゃぐちゃになって原型をとどめていないその虫のおなかを!!
 そのことを母上に言うと、ティッシュでつまんで道路に捨てて、ティッシュは前と同じゴミ箱に捨てました。

 母上曰く、その虫は「ヘビムシ」というバッタみたいな虫だったとか。
 次に京都に車で行くのは21日なので、その時はどんな虫がかかるか楽しみです。(死)


第十八話  語り手: すぽっと
 夏の夕方、うちの飼い犬と近くのたんぼ道を散歩していました。

 ふと、いつもはいかない団地内にある貯水池の方に向かいました
 貯水池の側は丈の高い草がぼうぼう生えているところで虫が多くてあまり近寄りたくなかったんですが
 飼い犬に引っぱられるようにしてやぶに突入(−−;

 やぶの中で飼い犬がしきりに何かを気にして動こうとしません
 なんだろうとのぞいてみると、そこには・・・・
 青く変色した両手サイズの牛がえるが仰向けになって死んでいました(−−;)
 小学生の時だったのでとてもびっくりしてさっさと逃げ帰りました
 あれから、あのサイズのかえるさんにお目にかかったことはないです


第十九話  語り手: まゆみん
 ある所に、9人姉妹がいたそうです。
 (めんどくさいから)上から順に、AさんBさんで行きます。


 ある日、一番上のA姉さんが花に水をやってると、奇妙な事に気付きました。
 9人姉妹には、一輪ずつ花があります。9人が好きな、水仙の花です。
 奇妙な事とは、A姉さんの水仙だけがポッキリと折れていたのです。
 回りの水仙は、とてもピンピンしています。
 A姉さんは、何か知らないけれど、ゾクゾクッと背筋が凍りました。
B姉さんが
『姉さん、大丈夫よ。きっと近くのいたずらっ子がボールでもぶつけちゃったのよ』
 と、言ったが・・・・・・


 その夜・・・・・・・事件は起きた・・・・
 A姉さんの枕元にだれかいました。
『誰?どの妹?』
〈知らない。〉
『ねぇ、誰?』
 その人(?)は、クスリと笑い
〈ゆ・う・れ・い〉
 と、答えた。息が詰まりそうになったが、
『えっ!?』
 と、言った(これが普通だろう)


 そしてー・・・・
 次の日の朝・・・・・

C姉さん 『遅いね、A姉さん』
D姉さん 『いつも早起きなのに・・・・』
E姉さん 『じゃあ私、見てくるね』
 トタトタトタトタトタトタ・・・・・
D姉さん 『風邪かな?』
 と、言った時に・・・
『きゃぁ――――っ!!!!???』
 E姉さんの叫び声
『何?なんなの!?』
 みんな走り出す。
『うっ!?』
 みんな見て、ビックリした
 ココにいる全部の人がビックリする

 A姉さんは、死んでいた。
 分からないが、首には大きな男の人の手の跡が・・・・・・・・・


 母は、私達の住んでいる土地の地主さんに話を聞いた。
 私達は、ビックリした。

 地主さんは、ココの土地に伝わる歌を歌ってくれた


男の人が住んでたと
妻も娘もおらんとよ
そしたら雨が降ったげな
洪水にまでなったげな
男は流されたげな
妻も娘も無事やったげな
その土地にりっぱな家を立てたげな
男は恨んだ
妻と娘を・・・・恨んだと


 悲しい詩だ・・・
 みんなそう思ったに違いない。

 詳しくは、娘と妻は、男のうちからお金を盗んで行ったそうです
 それで、家を建てて、自分たちはのうのうと暮らし
 男は死んでしまった・・・・と
 その土地がココだそうだ。

 偶然にも、A姉さんは、娘に似ていたそうです。
 そして水仙は(偶然すぎるにも)男の好きな花らしい
 きっと、その男の霊でしょう。
 あなたも、自分の土地をしっかり調べて下さい・・・・


第二十話  語り手: 星影
 東京の北東部に、北千住ってまちがあります。
 雑誌で美味しいコーヒーやさんがあると知って、地図で道を調べて、友達と一緒にいってみました。


 駅の前は、汚いロータリーと、その周りに昼でも閉まっている陰気な商店街がありました。何か嫌な雰囲気です。
 私は、ここが昔で言う鬼門だと思いだし、早くここを立ち去りたいと思いました。
 急ぎ足でロータリーを回って、ごちゃごちゃした商店街を抜けると、なんとまた、元のロータリーに戻ってしまいます。それが2.3回も続きました。
 どうやら迷子になってしまったらしいです。

 私が迷子になるのは珍しくないのですが、連れの友達は、おうちが測量技師をしているので、道に迷うはずはないのですが、
 彼女が、道が解らなくなったとゐって、凄くおびえ出しました。
 なんだか誰かが私たちをここに、引き留めようとしているみたいでした。
 私たちは不安になって、何が何でも、ここを立ち去ろうとしましたが無駄でした。
 5回ぐらいロータリーを回ったところで、ほかの人にすれ違いました。
 その人達も迷子になっているみたいでした。


 少し頭を冷やそうと、ロータリーの芝生に腰を下ろしました。
 すると、後ろに石碑があるのに気が付きました。
 その石碑を見て、私はぞっとしてしまいました。

 その石碑には「骨が原刑場跡」って書いて有ったんです。
 骨が原刑場は、江戸時代から、明治時代にかけての処刑場で、処刑された人の骨がるいるいと折り重なっていることからこの地名が付いたのです。
 そんなところに来てしまっていたなんて。
 もしかしたら、ここの無縁仏達が、通行人を引き留めているのかも知れません。

 私たちは無我夢中で、今度はロータリーを反対側に向かって、急ぎ足で突っ切りました。
 そうしてようやく、迷路のような商店街を切り抜け、コーヒーやさんのある通りに出ました。
 私たちは、コーヒーやに逃げ込んで一息入れましたが、とてもコーヒーの味なんか覚えている余裕はありませんでした。


 それから半年して、駅前は改装されたそうです。あまりに迷子になる人が多かったからなのだそうです。
 しかし改装しても、あの霊たちが居る限り、いつまで立っても、通行人を引き留めるだろうなと思います。
 私はもうあそこには行きたくないです。


第二十一話  語り手: ko:2
 私が7年ほど前にアルバイトしていた店なんですが・・・

 そこは、街中の繁華街にあるゲーセンでした。
 その店のオープニングスタッフとして働くことになったのですが、初日2階の着替え室に行くと、その部屋の真ん前に「開・禁止」とかかれた扉があるんです・・・。
 たまたま昼間だったので、同じアルバイトのヤツと、その扉を開けてみたのですが
中は廃屋同然のひどい状態でした。
 畳ははがされ、天井もむき出しで雨なんかは降り放題です。

 新店なのに、なんでこんな部屋があるのか不思議だったので店長に尋ねてみたんです。
 そうしたら、ぢつはこの店は、前は寿司屋で、そこの主人が病気で亡くなったので、店をやめたそうなのです。
 その主人が亡くなられたのが、「開・禁止」とかかれた部屋だったということなのです。


 少しは気味が悪かったのですが、あまり気にせずにバイトしていたのですが、1階にいると誰もいない筈の2階からコツコツと足音が聞こえたり、
 2階へ上がる階段の下で、階段に背を向けてタバコを吸っていると、突然「ドドドドドッ」という誰かが駆け下りる音がするので、あわてて後ろを振り向くと誰もいなかったり、
 店が終わり戸締まりをして帰ろうとすると店の一番奥にある洗面所から突然水が流れ出したり・・・
 そして一度だけ、大雨が降った日、屋根に穴があいていたのか、雨漏りをしたことがあり
 そのときは店内にお客さんがいる時間帯に、赤い水滴が落ちてきたこともありました。


 さすがに怖くなってきたので、2ヶ月ちょっとで他の店に移らせてもらいました。
 その店は、駅のすぐ近くの一等地に立地しているにもかかわらず、結局1年ほどで閉鎖されてました。

 ほんとうに、寿司屋のオヤジの霊だったのかは、未だに謎です・・・。


第二十二話  語り手: 綾架るきあ
 前にも言いましたが、うちも猫さんの家のように階段から足音が聞こえます。
 学校がある日は大抵母上が一番最後に家を出るんですけど、
 支度をしていたりすると誰もいないはずなのに玄関が開く音がして、階段を上がって行く音がするそうです。

 最初のうちは誰か忘れ物をして取りに帰ってきたんだと思っていたそうですが、
 後で聞いても誰も取りに帰ってきていないし、上がったまま足音が降りてこないのです。(時々降りて玄関から出てくけど)
 母上だけでなく、我も一人でいると時々その足音を聞きます。


 うちは1階の真ん中あたりに階段があって、2階の真ん中くらいに出て、左に洋式トイレ、右が母上の寝ている部屋、右前が子供部屋の
   │  │階│ト 
母上の├──┘段│イ 
 部屋│ 廊下 │レ 
───┴────┴──
    子供部屋   
 こんな構造なんですが、
 ある日、母上が夜中に目が覚めてトイレに行ったそうです。
 で、トイレを出ようとドアを開けると、フッと目の前に足が出て、そのまま消えたそうです。


 で、先週の土曜だったか日曜だったかの話なんですが、
 我は1階のリビングの座布団の上で、なんとなくドアの方を向いてゴロゴロしてました。
 そのドアはすりガラスがはめ込んであって、廊下が見えます。
 廊下は玄関から入って、右側に順番に洗面所、和式トイレ、階段、突き当たり正面に裏鬼門のある座敷、左がリビングがあって、リビングのドアからは座敷のドアと階段の間が見えるわけです。
 こんなカンジに。↓
     ┐ │ ト │洗   
     │階│ イ │面   
  │  │段│ レ │所   
  ├──┘ └──┴─┴  
座敷│    廊下      
──┴─────────┐  
 リビング       │玄関
 で、寝転がってそのドアを見ていたんです。座敷のドアは半開きでした。
 すると、ドアの向こうの下の方を、何か白い物が左から右へゆっくり移動するんです。
 それがいつも階段を上がっている「足」なのかどうかは分かりませんが・・・


第二十三話  語り手: 綾架るきあ
 皆さん知っての通り、うちにはクラゲを飼っている45cmの水槽があります。
 水なので当然虫なんかが入ると身動きがとれなくなります。
 で、うちにまだくらげが来る前のお話。

 くらげとかの場合、買ったばっかの水槽に作ったばっかの人工海水で、いきなりくらげを入れちゃダメなんです。
 40日間、少なくて2週間、バクテリアを入れてブクブクエアーレーションしなきゃいけないのです。
 つまり、その間のお話ね。


 で、ある日ふと水槽を見ると、何か浮いてるのです。
 なんだかもじゃもじゃ毛が生えていて長いものでした。
 最初はねこじゃらしかと思ったんですけど、そんなもの入るわけないし、よく見ると何か虫のようです。
 毛虫を長くして、背中の毛を剃ったようなカンジで、
 丁度毛虫とムカデの合いの子のようなカンジでした。
 (後で母上に聞いてヤスデだと分かったんですけど)

 まぁ、何にしても我の神聖な水槽に土足で入るヤツは万死に値するので、
 とりあえず排除しようと、手元にあった人工海水の素の袋の切れ端ですくってティッシュの上に乗せました。
 すると、今まで動いてなかったのが急に動いたんです。(><;
 ちなみに、ティッシュの上に置こうとしていたとこで、袋の切れ端は10cmくらい・・・。
 でもすぐに大人しくなったので、ティッシュの上に置いて、包んで、さらにティッシュを3重に包んで潰さないようにくるんで捨てました。(><)


第二十四話  語り手: 星影
 私がまだ小学生だった時ね。夜家族でテレビを見ていました。
 私は隣の部屋の近くに座ってました。隣の部屋は電気を消していて暗かったんです。


 そしたら、なんだかかさかさ音がするんです。隣の部屋で。
 そして、私の父が、わあぁぁっ!って大声で叫んで、○○←私の名前 動くなよっ!って私に言うんです。
 夏でしたので襖は取ってあって、隣の部屋とは何の境も無し。
 みんなの顔が、私のすぐ後ろを見ていたので、私もはっと自分の後ろを振り返ってみたら・・・。

 20センチ以上もある大ムカデが、私の足元まで這ってきていたのです。
 下手に動いたら噛まれます。
 どうしようかと思っているうちに、ムカデは私の足に這い上がってきたんです。〈靴下はいといてよかった。〉
 上の方に上ってこられたらどうしよう、と生きた心地がしませんでした。(><)

 しかし幸いなことにムカデは私のスカートの上を通って、前の方に進み、膝から降りて行きました。
 ムカデはそのまま前の方に直進していたので、私から離れると、父がすかさず、割り箸でムカデをつかみ、ガスコンロで焼き殺してから、トイレに流しました。
 つまり私はムカデにほとんど無視されてふんずけられてたんですね。(−−;)


 それからしばらく私はトイレに行くのが恐かったですよ。ムカデがトイレからあがってきたらどうしようって。


第二十五話  語り手: くれつき
 去年の夏休みに、私ことくれつきの実家にむつき嬢を始めとして5人のお友達が遊びに来てくれたのです。
 で、うちにある「後ろ座敷」と言う部屋に泊まってもらいました。
 んで、夜、私を含めて6人でその部屋で寝ていたんです。
 部屋は8畳の部屋二つをくっつけた状態で、それぞれの部屋に3人ずつ並んで寝てました。
 私とむつき嬢は、それぞれ部屋が別々でしたが、共にそれぞれの部屋の真中に場所をもらって、頭を向かい合わせる形でいたんです。


 で、皆がうとうとと寝始めた時。
 いきなりむつき嬢の部屋の、というより、むっちゃんの真上にあった電気が付いたんです。
 今までうちでそんな現象が起きたことはなく、まぁ、結局3年前に死んだうちのじーちゃんがからかいがてらに付けた、と言う結論を勝手に下しました。
 だけど、それ以後も急に電気が付いたということもなく、寺の建て直しをしている今、その部屋は私たちの居間となっております。


第二十六話  語り手: むつき
 えっと、中学生ぐらいの頃ですけど、朝、新聞を取りに玄関に出た時のことです。

 ふと、門を開けると足が見えました。
 多分男の人の足だと思う。ジーパンはいてたから。
 で、そのまま行こうとして、見ると、その人間の腰から上のあたりが見えないんです。と、言うより、向こうにちゃんと景色が見えたんです。
 そのあと、一瞬固まってました。あれ?って。もう一回下をみて、足はあるのを確認
 して、で、上を見ると何もない、と。
 あれは何だったんでしょうねぇ?


第二十七話  語り手: 星影
 私たちが中学生の時、みんなで修学旅行に行って、5人ほどでグループ行動してました。
 そして、ある場所でみんなで記念写真を撮りました。

 その写真を現像してみると、一人の女の子の下半身が、ほとんど映っていなくて、向こうの風景が透けて見えるんです。
 みんなこの写真を心霊写真か何かじゃないかと、凄く気味悪がったんですが、当の女の子はあんまり気にしてないみたいでした。

 ところが、それから一ヶ月もしないうちに、その子は交通事故にあって、腰から下をひどく打ち、長いこと、車椅子生活でした。
 あの写真は、彼女にこうなることを警告していたのかも知れないです。


第二十八話  語り手: むつき
 母親と父親の2人が喫茶店に行った時のことだそうです。
 入ると、後ろには両親の他誰もいないのに、4人掛けの席に案内されて、3つのコップを持ってこられたそうです。
 で、またかと思った親は、ウエイトレスに一応聞いたそうです。「私たち2人ですよ」って。
 そうしたら、ウエイトレスが驚いた様子で「3名様じゃなかったんですか?」と聞き返したそうです。
 結局なんだったかは分からないんですが、うちの親はよく連れてくるんです。ま、家の中まではついてきませんが。


第二十九話  語り手: ばるばる
 えーと、あれは2つ前の寮にいたときだったから、5年くらい前の夏のことです。

 暑かったので、エアコンのタイマーを1時間ぐらいで切れるようにセットして、さあ寝るかと横になりました。
 そうしたら、耳元に「ぼとっ」と何かが落ちた音がしたんです。
 で、眼鏡がないとなんだかよく分からない私の目には何か黒いものが見えたわけです。
 で、眼鏡をかけて見てみたら、みなさんご想像通りのものが頭の斜め上50cm程の場所に。
 で、約30分ほどの隠れん坊&格闘戦と相成りましたわけです。
 空中殺法まで使う強敵でしたが、なんとか殲滅し、進入経路を考えるに、エアコンの吹き出し口しかないんですね。


 それからしばらく、物影でもないエアコンの下にホイホイを仕掛けておく日が続きましたが、幸いにして以後エアコンから出てくるのは冷房か暖房だけでした。
 とまあ、こんな次第で。エアコンの室外機がゴミ捨て場の近くだったので、入っちゃったんでしょうね。


第三十話  語り手: みさちゃ
 高校生のときの研修旅行先でのことです。
 行き先は岐阜県にある伊自良湖。
 そこで1泊2日で何の研修だかわからないことをする予定でした。(笑)


 バスの中から湖を見て、友達と「ここ、車が沈んでるね・・・」などと他愛ない会話をしていました。
 ちなみに、深いのでほんとに肉眼で車が見えたわけではありません。(笑)

 部屋は10人部屋で、わたしのグループはよそのクラスと合同の部屋割りになってました。
 わたしのクラスから5人、よそのクラスから5人。
 幸いそのクラスは私の友達が多いクラスだったので実にわきあいあいな雰囲気です。
 ただ、問題は、その友達というのは霊感友達で(おい)わたしを含め10人中5人が何らかの形で霊感がありました。
 5人は部屋のあちこちを指差しながら、「あそこにいるねー」「こっちにもねー」と明るくやってたので、他の5人に嫌がられてました。(笑)

 寝る時間になって、誰がどこに寝るかを決めたらなぜか霊感5人組がならんで窓側に足を向けて寝ることになりました。
 その中でわたしは真ん中で寝てました。


 しばらく経つと、わたしの右側で寝ていた子がうなされ始めました。
 よく聞き取れないのと、記憶が曖昧なので精確に何を言っていたか書けませんけど、どうも精神体だけどっかに連れてかれそうになってるようです。
 そしてその子が「右半身が痛い!」と叫んだ瞬間、部屋の全員が(霊感ない人も)右半身に激痛が走ったのです。
 当然部屋はパニック、先生も飛んで来て、泣き叫ぶクラスメートをなだめつつ寝かせていました。(わたしは妙に冷静だった。痛かったけど。(笑))

 しばらくすると落ち着いて、またうとうとし始めたんだけど、やっぱり右側の子がうなされ始め、いろいろうわごと言っています。
 小さい女の子がトンネルの前に立ち、手招きをしているとうわ言を言っているのを聞きながら、ふと背後になにか気配がしました。
 振り返ると、わたしの左側で寝ている子が、寝ながらおいでおいでと手招きをしていました。
 わたしはこんな時に何たちの悪い冗談を!!と怒り、その子をたたき起こすと、逆に怒られました。本人は完全に寝ていたようです。

 しかし、この騒ぎの中、すぐに左の子は寝てしまい、またしばらくすると手招きをはじめました。
 うなされていた子はなんとかなったらしく、時期に疲れ果てて寝てしまいましたが、左側の子
 は何やら手を動かしています。不審に思ったわたしはその手に鉛筆を持たせて紙を当ててみました。
 案の定、文字を書き始めました。その内容は、
「山が危ない はいるな」
 そうです、次の日朝から向かいにある山に入ってオリエンテーリングを予定していたのです。
 学校行事に、「霊がおりてきて危ないというから止めましょう」なんていえるわけもなく、わたしは誰に言うともなく、「いや危ないと言われてもこまるのよねー」とぶつぶつ言ってみたりしたけど、やっぱり内容は危ないはいるなそればっかでした。
 他の子は疲れて寝てるのに、わたしだけなんでこれに付き合わなければ?と泣きそうになりながら、延々語る霊の文字に付き合ってそのうち寝てしまいました。


 次の日、やっぱりオリエンテーリングしたんですが、途中に洞窟のようなものを見つけました。
 わたしは見えるタイプじゃないので何があったのわかりませんが、かなりいやな感じのところでした。
 見える友達は、何人もいたとおびえてましたが。
 多分警告した霊は、ここに入るなということなんだろうなと納得して、無事に一日を終え、帰宅できました。
 しかし、あれほどよくないものが多い地もめずらしいなと思い、二度と行きたくありません。


 ちなみに、最初に話した「車が沈んでるね」という会話は、先日Tomoさんが話した「湖底から車発見中に白骨死体」につながります。(笑)
 そうです、ホントに沈んでいたんですねーー。(笑)
 というか、もう最近はそうユー目にめっきり遭わなくなったんですけど、修学旅行とかで旅行に行くと必ず両隣で寝ている人がひどい目にあってました。(笑)
 私はどうも避けられる体質のようです。<霊に


第三十一話  語り手: くれつき
 ある人たちが田舎で久しぶりに同窓会を開いた。
 夜もふけて、同窓会もお開きになって、各自家にもどる事になった。
 そのうち、6人が同じ方向に帰ることになり、田舎の暗い道を話ながら歩いていた。

 ふと、話が昔自分達がいじめていた男の子、仮にA君として、の話題に移った。
 A君は同窓会には出席しておらず、では、これからそのA君の家に行こうか、と、酒が入って酔っ払ったその6人は考え出した。

 その前に、少し肝試しをしようか、と、誰がが言い出し、酔った勢いで6人は近くの共同墓地で肝試しをすることにした。
 肝試しの内容はいたって簡単で、墓地の奥にある慰霊碑まで行って帰ってくること。
 だけど、一人ずつ行ったら本当に慰霊碑までその人が行ったかずるをしたか分からない。
 そこで、丁度近くに落ちていたダンボール、これを最初の一人目が慰霊碑まで持っていって二人目が持ってかえる。三人目がまた持っていって四人目が持ってかえる。と、繰り返せば良い、ということになって、じゃあそうしようと決まった。
 しかし、ダンボールは結構軽く、風で飛ばされるかもしれない。と、言うことでその中に石を入れて運ぼうと言うことになった。
 6人は手近に拾った石に勝手にAと命名し、ダンボールにいれて肝試しを開始した。


 まず、一人目が慰霊碑に行き、その前にダンボールを置いて帰ってきた。
 そして、2人目が慰霊碑に向かって歩き始めた。ところが慰霊碑に着いたのに、肝心のダンボールがない。
 さては一人目がズルをしたな、と思いながら2人目は皆のいるところに向かって歩き出した。
 すると、どこからか
「こんばんは〜、こんばんは〜」
 と、声がする。
 2人目が慌てて回りをみるけれど、誰も居ない。なんだ、空耳か、と思ってまた歩き出すと
「こんばんは〜、こんばんは〜」
 と、何処からともなく声がする。
 怖くなって走り出すと、いきなり何かに足をとられて二人目は転んでしまった。
 何だ?と、足元をみると、それは例のダンボールであった。

 2人目はそのダンボールをもつと、皆の所にいって、一人目に文句を言った。「おまえ、 怖くてズルをしただろう?慰霊碑の前に、ダンボールはなかったぞ。おかげで私はこのダンボールに躓いてしまったじゃないか。」
 ところが一人目は確かにダンボールを慰霊碑まで持っていったという。
 まぁ、これ以上追求しても仕方なく、三人目が改めてダンボールを持って慰霊碑まで行くことになった。
 ところが、ダンボールの色が、何時の間にか赤色になっている。
「あれ?色が変わったぞ?」と、誰かが言ったが、三人目の人物はいいや、最初からダンボールは赤だった、という。
 そしてそのままダンボールを持って、慰霊碑まで行って帰ってきた。


 四人目はさすがに怖くなってきていたが、ここで自分が逃げることは出来ず、仕方なしに慰霊碑に向かって歩き出した。
 ダンボールは確かに慰霊碑の前にあった。四人目はやっぱり今までのことは酔ったせいだ、と
 思ってダンボールを持つと歩き始めた。
 ところが、歩き始めると、「こっちだよ、こっちだよ」と、声が聞こえてくる。
 空耳かと思ったが、確かに何処からか「こっちだよ、こっちだよ」と、声がする。
 怖くなって四人目は走り出し、皆のところに帰ってきた。すると、ダンボールの色が今度は白に変わっている。
「白い色に変わっている!」と、誰かが言ったが、五人目は「いいや、最初から白い色だった」と言って、慰霊碑にそのダンボールを持って行ってしまった。


 五人目が帰ってくると、さすがに怖さはあったが6人目が慰霊碑に向かっていくことになった。
 ダンボールは白い色のまま、慰霊碑の前にちょこんと置いてあった。
 六人目は、やっぱり今までのことは酔いのせいだ、と、思ってダンボールに近づいていった。
 ところが持ち上げようとしてもダンボールが持ちあがらない。
 そのうえ、また何処かから「ここだよ、おいで、おいでよ」と、声がする。
 さすがに酔いもとんで、それでもダンボールを持ち上げようとして六人目が焦り出した。そして、焦った拍子にダンボールのふたが開いた。
 そのなかには、Aと命名した石が、Aの顔でじっとこちらを見ていたという・・・


第三十二話  語り手: 石井 奈々子
 某友達の、小学生のころの体験です。
 友達の家は、山の近くで、トンネルが多くあります。
 そのトンネルの中に、バカと赤いスプレーで書かれたものがあります。
 そのトンネルは、よく使う道で、毎日使っていたそうです。


 と、ある日、いつもどおりにそのトンネルを通ったところ、
 「バカ」の前で、急に足が重くなりました。
 とても恐くなって、急いでその日は帰りました。

 そして翌日・・・。
 学校で、「気のせいだよ」といわれたせいか、また、同じトンネルを通りました。
 すると・・・
 また「バカ」の前で、足が重くなりました。
 でも、そのトンネルを通らないと行くことができないところがあるので、仕方なく、友達はそのトンネルを通り続けました。
 そして、「バカ」の前に来ると、やはり足が重くなります。
 そんな日が毎日続きました・・・。

 そんなあるひ、いくらなんでも耐え切れなくなった(何せ小学校中学年)友達は、私に相談してきました。
 その話を聞いて私は、友達の誕生日が近かったので、
 「紅水晶(お守りとして売っているもの)」をプレゼントしました。
 友達は、それをランドセルの中に入れていつも持ち歩きました。
 それ以来、足が重くなることはなくなりました。

 その後、その話題をすることもなくなり、平凡になりましたが、
 「バカ」がどうなったかはしりません。
 もしかしたら消えたかもしれないし、まだ残っているかもしれません。
 でも場所を知らない私は、その場所を確認することができないので、
 その町内では、知った道しか通りません。


第三十三話  語り手: 藍
 私の仕事はパソコンを使う仕事です。最近、忙しくて残業がつづいています。
 会社は街中のビルの5階ににあり、よくひとりで残ることが多いです。
 静かになって怖いので、いつもFMをつけっぱなしにしておきます。

 12時をまわったころですか・・
 いつものようにひとりで仕事をしていると、突然、電話が鳴りました。
 こんな遅くに、かけてくる人はいないので、もしかして何か急用だとおもい、あわてて電話にでました。
 しかし、電話のむこうは無言で、何度問いかけても返事がかえってきません。
 いたずらだと思い、電話をきりました。しかし、その無言電話、数分ごとにかかってくるのです。

 4、5回目に、怖くなって
「誰なんですか!。やめてください。」
 とさけぶと、電話の向こうで、
「ひとりなんでしょう・・・?。」
 と女の人の声が聞こえました。
 あわてて、電話を切ると、FMから流れてきた曲が「リング」の主題歌・・・
 私があわててかえったのは言うまでもありません。
 偶然にしては、怖かった・・・。


第三十四話  身代わり人形語り手: 卍里
 夢で、私は家の前を歩いています(家に帰ろうとしているんですが)
 私のうちは山なので、すごく暗い怖い竹やぶが家の前にあるんです。

 そちらの方から、たくさんのひとが歩いているな、と 気付きました。
 何かがおかしいんです。よく、見ると。
 一番先頭めで、背の高い、真ん中辺りを歩いていた女性らしき人が、首が異常に長いのです。といって、も、通常より少し長いな、という程度。
 格好が、皆、少し派手な色使いで、女のひとは、変な格好ですが、はんてんのようなものに、少し長い首にはなにか、そう。白い布のようなものが巻いてありました。
 その 何人かの人たちと すれ違うまでに、一度目が覚めて、もう一度眠ると、今度も同じように、その人たちを同じように見ます。
 でも、今度はもっと近づいていて、・・・・
 さっきは5m位先だった人たちが、今度は・・・・もう、1mも無いほど近距離に来ています。
 はじめには余り怖くなかったのは、その人たちがこちらに気付いてなかった、ということだったのですが、今度は囲むように迫ってきます。
 みんな、こちらを向いて、歩いてくるのです。
 一番先頭の、女の人しかあまり特徴は覚えていないんですが、彼女はピンクのいろのはんてんで、とても背が高く、肩まで位のウェーブがかかった髪の毛をしていました

 そして・・・懲りずにそのままソファーでもう一度眠ると・・・・
 今度は、私は家の中でした。
 私の部屋は、二階にあるんですが、階段のしたから、彼らが・・・・私は必死に後づ去り・・・
 来ないで!!と思っているのに、声も「はう!はう!」としか出なかったくらい、怖かったです。
 ・・・・後ずさり(登り)を階段の踊り場ぐらいまでしたところで、目が覚めました。

 そして、懲りたので、4回目は、ちゃんと他のところで眠ったんで、その変な人たちの夢は見ませんでした。


 後から気付いたんですが、以前、片付けモノをしていたときに あるものを見つけた ・・・「それ」がちょうど、階段の踊り場の辺りにある、カゴに入れていたことを思い出したんです・・・・
 人にもらったもので、お土産かな? グァデマラのインディオの小さな小さな人形たちが入った袋がはいっていました
 かたずけていたときに見つけて、つけてあった紙にはグァデマラのインディオに、遠い昔から伝わる伝説で、何か困ったことが起こったとき、この人形に願うと、眠っている間に解決してくれるというものでした。
 解決したら、土に返すそうです。

 別に、願を掛けた覚えはまったくなかったのですが、
 見つけたとき、「今、痛い首が治ったらいいな」、と、ピンク色の人形を見たことを思い出しました(かけてるのか!?)
 しばらくして、治ったので、土に返さなくてはならないかもしれません。
 ちょうど、カラーリング的にも、「彼ら」に近かったのです。


第三十五話  座敷わらし語り手: 綾架るきあ
 我と弟が姉上について京都に行ってる間の話です。
 母上は、姉上のコスの服を作らなきゃいかんので、夜中に1階で一人で作ってました。

 すると、上で女の子の声がするんです。3人くらいが、きゃぴきゃぴ騒いでるカンジの。
 前うちに友達が3人泊まりにきたんですけど、丁度その時みたいなカンジで。
 最初は、まだ子供らが騒いでるのかと思ってたそうです。

 で、暫くしてからふと、子供等は京都に行ってて、今家にいないことに気付いたそうです。話し声はまだ聞こえます。
 まぁ、こんな時くらいしかゆっくり出て来れないし、部屋が占領できて喜んでるんだろうと思ったそうです。
 でも話し声がする中で夜中一人で起きてるのはやっぱり嫌なので、とっとと寝ることにしたそうです。


第三十六話  ヘルメット語り手: Tomo
 とある人が、目の前でバイクと車の接触事故を見たそうな。
 その事故は、直進してきたバイクと右折しようとした車とが接触した事故だった。
 その事故を見たその人は「うわ、これはバイクの方は多分死んでるな・・・」と思った位のひどい事故だったようです。

 と、その事故の当事者のものとおぼしきヘルメットが足下に転がって来たので、何気なくそれを手にとりました。
 その手にしたヘルメットはずっしりと重かったそうです・・・・・・


第三十七話  語り手: 卍里
 恐怖話じゃないけど、きょう(さっき)じい様の耳から怖いものが出てきました。
 じい様の耳は 本人が触らせてくれなかったので、掃除したことがなかったんですが、
 なんの気紛れか、触ってもいいといったので、見てたんですが。

 ・・・・・・左耳からは・・・・おそらく十何年モノと思える耳垢が・・・(恐)
 そして 右耳の奥からは 何年前に入れたか不明な綿が・・・・・出て来ました・・・怖かったっす(><;
 ほんとに・・・・((><)) 汚い話だけど本当なのでし・・・・(がたがたぶるぶる)


第三十八話  語り手: 一坪
 私は小魚が大嫌いです
 理由は小骨があるから
 子供の頃、何回も魚の骨が喉に刺さったのでダメなのです
 だから骨が刺さりそうな魚は年に1回サンマを食べるぐらいです


 で、ある日、理由は忘れましたが鏡で口の中を見たのです
 そしたら喉の部分に何か突起みたいな物があるのです
「何だコレ?」と気になったので、とりあえず水を飲んだり咳払いしたけど突起はそのま まです
 特に喉に変な感じはしないんですが、やはり気になる

 で、最終手段として長めのピンセットで掴もうとしました
 でも、なかなか掴めない
 かなりの時間をかけて頑張ったところ、ようやく掴めました
 そして引っ張ったらズルズルっと喉に感触が
 引っぱり出したら結構長めの魚の骨らしきものが
 なんで「らしきもの」かというとエメラルドというか蛍光塗料みたいな色だったからです
 たぶん半年以上は刺さってて変色したんでしょうね

 今でもそのズルズルって感触をときどき思い出します
 というわけで、ますます魚嫌いになったのでした


第三十九話  鏡の中の少女語り手: 綾架るきあ
 Aさんの通っていた中学校は明治時代に建てられた旧校舎と鉄筋コンクリートの3階建ての新校舎がありました。
 新校舎の2階の廊下のトイレの横に、幽霊がうつるという噂のある大きな鏡がありました。

 例えば友達がトイレに行ってるのを待ちながらその鏡を見て髪をとかしていると、誰もいないはずなのに鏡の端を誰かがすっと横を向いて通りすぎたり、
 鏡で自分の足を見ていると、自分の後ろに自分のではないスカートのひだと両足が見えて、振り帰っても誰もいなかったり。


 Aさんの友達のBさんは、自分が見たことや確かめたことでなければ信じようとしない人で、当然その話しも信じず、平気でその鏡の前に立っていました。
 ある日、AさんとBさんは学校が終わってから英語塾に行きました。もう周りはすっかり暗くなっていました。
 そんなときBさんが、学校に行かないか、と突然言い出しました。
「忘れ物でもしたの?」
「違うよ、あの鏡を見に行ってくるの。」
 Bさんは幽霊の正体をあばくつもりでしたが、Aさんは当然嫌がったので、Bさんは一人で行くことにしました。

 学校に行くと、非常口の戸が開いていました。
 Bさんは薄暗い中、鏡の前に行って暫く待っていましたが、何もないので鏡に向かって、自分のほかに、噂の女子生徒が写るのを待っていた、と言いました。
「ははん、なぁんにもうつらないじゃない。うつるわけないわよね。」
 Bさんは鏡の中の自分に笑いかけ、ゆうゆうと家へ帰っていきました。


 次の日の朝、クラスのみんなに何も無かったことを報告しようと、Bさんは学校にやってきました。
 ところが、2階の廊下で、ぎょっとして立ち止まりました。鏡がなくなっているのです。
「あの鏡はどこへやったんですか?」
 職員室に駆け込んで言うと、用務員のおじさんが言いました。
「2階の鏡のことかね。昨日男子生徒が掃除中にふざけあいをしていて割ってしまってね。取り外して片付けておいたよ。」
「昨日ですって?今朝じゃないんですか?だってゆうべはちゃんとあったのよ?」
「昨日だが・・・はて?わしが取り外したんだがな。割れた鏡は昨日、生徒たちがほとんど帰ったあとに片付けてしまったよ」
 ということは、ゆうべはすでに鏡はなかったということになります。
 鏡がないのに自分の姿が写って見えるわけがありません。
 暗い廊下でBさんが向かい合って見ていたものは、いったい何だったのでしょう・・・?


第四十話  語り手: 卍里
 とある人気ラジオ番組が、大阪地区中心のテレビ番組化されたときのエピソードです。
 番組内で[笑福亭T瓶]が心霊体験のお便りを扱うコーナーがありました。
 そこに、女子高生から一通の手紙と写真が送られて来たのです。
 写真には、当の本人と友人2人が写っていました。
 友人2人共、写真に写っていない部位(足とか腕)があり、
 その後、2人共死亡(事故と自殺)なさったというのです。
 恐ろしいことに、死んだ時に、写らなかった部分が無くなっていたそうです。
 そして当の本人は首の部分が写っておらず、「恐くて外出できない」という意味合いの手紙の内容だったのでした。

 それを読んだT氏は、
「そんな事、あるはず無い!きっと偶然やっ!今から此処(ラジオ局)に来い!」
 と言ったそうです。
 でも、その女子高生はなかなか了承せず、T氏が
「局からタクシーをよこすから。それなら安心やろっ!」
 と説得し、彼女はスタジオへ来る事になったのでした。


 しかし・・・・・・・いくら待っても彼女は現れませんでした
 ・・・・・結局、放送時間を過ぎてしまったのですが、T氏は待ち続けたそうです。
 しばらくして、担当のスタッフがあわてた様子で控室に飛び込んできて、告げたんです。
「彼女を乗せたタクシーが事故に遭った!」
 いったい、彼女に何が起こったのか・・・?

 VTR収録中に電話でテレビ局に来るように説得された彼女は、母親同伴でテレビ局に着く事が出来たのですが、
 彼女がタクシーから降りようとしていた その時、
 暴走してきたオートバイがタクシーに激突し、
 彼女は首が切断され即死。
 その光景を目の当たりにした母親は錯乱してしまって、
 その女の子の返り血を大量に浴びたままでスタジオに駆け込み、
 T氏に血だらけの手で掴みかかろうとしたのでした。
 しかしスタッフに制止された彼女の母親は、
 事故現場であるテレビ局玄関にもどり・・・・、
 【切断された娘の首】を手に持ち、
 再びスタジオに向かったのです。
 あまりの異様な状況に、
 今度は誰も母親を制止することが出来ず、
 公開生放送だった為、スタジオの観客は悲鳴を上げるだけで、
 カメラが天井を写して続けたままCMに雪崩れ込み、
 放送はその時点で終わってしまったそうです・・・。

 その後、当然番組は打ち切りとなり、
 T氏は責任を感じて活動を自粛したそうです。
 なお、この話は業界では絶対に禁句なのだそうです・・・。


第四十一話  語り手: ko:2
 これは、私の実家のすぐ近くで起こった話です
 私の実家の付近は、山を切り開いて作られた住宅地なのですが・・・
 私の実家と同じ町内に、若い夫婦が住んでいたんです。
 当然、その場所も山を切り開いた場所にあったのですが・・・


 2人が夜、寝ていると、旦那さんの方が、トイレに行く為に台所を通った時のことです
 最初は、電気を付けていなかったので、気がつかなかったのですが、
 トイレから戻る時、台所の横の部屋の柱が変色しているのに気がついたんです。
 その日は、雨が降っていたので、最初は雨漏りでもして、その雨が柱をつたっているのかと思ったそうです
 新築の家なのに・・・と思いつつ、柱に近付いて、部屋の電気を付けると、
 その水はまるで血のような赤い液体だったのです
 おどろいた旦那さんは、部屋に駆け戻り、そのまま朝まで蹲っていたそうです。

 しかし、朝になって、奥さんとその部屋に行って見ると、柱には何の形跡もないのです。
 もしかしたら、天井裏に猫かなにかの死骸でもあるのかと思い、天井裏をのぞいても何もありません
 でも、夜になるとやはり柱には、血のような赤い液体が流れ続けるのでした・・・
 2人は、恐くなって、せっかく手にいれたばかりの家を手放して、引っ越してしまいました。

 その後、その家は新築にもかかわらず解体され、その跡地には小さな社みたいのが建てられていました
 元々、その家が建っていた場所が墓地だったとかなら分かりますが、
 なぜ山を切り開いた場所でそのような現象がおきたのでしょうか?
 もしかしたら、山がまだあった時、その山に誰かの死体でも埋められていたのでしょうか?
 山にもいろいろあるでしょう・・・・(^^; 近くの駅にある山でも死人が・・・・
 私の実家は、その家から100mと離れていないので、この話を聞いた時はとても人事とはおもえませんでした・・・
 ちなみに、その家があった場所は、15年程前から、いまだに空き地です


第四十二話  語り手: 卍里
 京都に長岡天神っていうところがあるんですけど、そこの山に昔、ハイキング(わらび狩りだったかな?)に出かけた おばさんが 行方不明になったそうです。
 そこの山には バスが走ってるんですが、シーズンでも無いかぎり、
 ほとんど人が利用しないんですけど。

 ・・・・なんで、終バスも 比較的速い時間に来るんですよ 八時とかそのくらいかな。
 その市バスの終バスに出るんです。
 おばさんの幽霊が。
 山道の途中でのせたハイキング姿のおばさんが
 必ず終バスで乗ってくるんですが、
 ・・・終点についても、誰も降りないのです・・・・・
 バスの運転手の中には、おかしくなった方も いたそうな。
 今ではその線は 利用者も少ないためか、廃止になってしまったそうです・・・・・


第四十三話  語り手: マーサ
 暑気払で呑み会が会った時です。
 私、全然酔えないタイプでして酔う以前に
 腹に溜まって気持ち悪くなるのです(苦笑)
 それで、ちょっと場を離れたのです。
 で、ぽっつりぽっつりと歩いていたのですが、
 道を外れたくなるのが習性らしくちょっとした林を突っ切ったのです。

 その時ですが...クモの巣に引っ掛かっちゃいまして、もがいたのです。
 それで余計に絡まって、クモが腕にへばりついてきました。
 とにもかくにも真っ暗闇の林です。明かりのあるところに出ないと状況が分からないので林を走り抜けました。
 見てみると、3センチほどのクモが腕で蠢いてます(^^;;
 引っかかったのが腕だけだったらしく、何とか振り払おうとしたのですがへばりついて離れません。
 仕方ないので、思い切ってクモを掴み取って林になげ返しました。

 近くに食堂があることを知っており、宴会場からも離れていた事もあって、
 食堂(といっても既に閉店時間過ぎの20時近くでした)の脇にある水道で腕のクモの糸を取るように洗ったのです。
 一通り取れたことを確認して宴会場に戻りました。


 宴会は滞りなく終わり、帰宅のためにバス停に向かう途中でした。
 またクモの巣に引っ掛かりました(^^;;(爆)
 もうウンザリとばかりに元宴会場に戻ってしっかりと洗い直しました。
 引っかかったのは同じ腕です。

 今度はちゃんとバス停に戻れまして、東京行きの高速バスにさくっと乗り込みました。
 いつもどおりFMラジオを聞き、るんるんるんと気分よく帰るはずでした。
 不快感があったんです。
 そう、2度もクモの巣に引っ掛かった腕です。
 よく見ると、クモの巣がしっかり残ってました。
 しっかり洗い流したはずなのに、いまだに腕の毛に絡まりついてます。
 ...結局、自宅までそのままで帰りました。
 非常に気持ち悪かったです。

 その日が土曜日で、丁度、昨日ここで百物語を聞いたばかりだったので
 ありえないことですが祟りだったらやだなぁとも思いながらの帰路でした。
 で、帰宅後、速攻で風呂に入り丹念にこすり洗いしました。
 ちゃんと取れましたが、もうクモの巣は散々て気分です。


第四十四話  語り手: まゆみん
 この話の『私』はまゆみんの先輩の事です。
 先輩の実体験ですので・・・


 ある日の日曜日、2〜3人の女友達である所へ出かけた。
 バスで1時間ちょい。そんな所へ。

 そのある所のデパートで洋服やグッズを買ったりおやつを食べたり・・・・・・・
 その次5階の時計屋さんでAがアラーム付き腕時計を買ったんです。
 黄緑や青が混じってて見るからに軽そうな時計でした。
 でもAは
『なんかちょっと重いなー・・・・・』
 というんです。
『貸してみて』
 私はAから時計を貸してもらいました。
『ホントだ・・・・重い。最近のは軽いのに』
 とか考えながら、Bに渡しました。
 Bも(重いぞぉ)ってな顔で持って、Aに返しました。
『重いならやめたら?他のにしなよ』
 そう言ったが、この色とかが気に入ったと言って、重〜い重〜い時計を購入した。

 夕方になって帰る時、記念にと私の使い捨てカメラで写真を1枚撮りました。
 バスに乗り、それぞれの家につき、その日は何もありませんでした。


 次の日、時計を買ったAが私に電話をして来ました。
――時計のアラームが止まらない――
 そういう内容でした。
 電池も抜いて、踏んでみたけど止まらない。
 毛が逆立ちましたよ・・・・・
『いっその事捨てたら?グシャグシャポイよ!』
 怒られました(^^;)
『じょーだん。明日時計屋さん行ったら?』
――やっぱり、警察?――
『うー・・ん・・・分からない。親は?』
――知ってるよ。鳴り響くもん。――
『近所迷惑くらい?』
――う〜ん・・・。フツーのアラーム。ピピピピピピ♪っ鳴るから、うるさくないけど――
『今はなってる?』
――ううん・・・・ねぇ、少し怖いんだけど・・・・・・大丈夫かな??――
『ホントに少しぃ?』
――正直すっごく。――
『でしょ?私も怖いよ』
――どしよ?――
『捨てる』
――イイ。箱か何かに入れとく。あした、持ってくから見てね――
『OK』
 それで電話は終わりました。
 でも、何か・・・・怖い予感(?)ってーのがしました。きっと、AもBも一緒だったと思います。
 みなさん、疑わないで、ホントに怖くて・・・・・・文章うつの怖かったんだよ。


 写真の現像が終わりました。AもBも来たので写真を渡しました。(あらかじめ余分に2枚作っときました)
 その時です。その写真の異変に気付いたのは・・・・・・・・
 後ろに濡れ髪の女の人が写ってたんです・・・・・・
 いっその事、修正ペンでゴシゴシやってやろうと思ったけど、たたられそうでやめました。
 なんか、血の気が引くのが分かりました。一瞬、ドラマの世界みたいでした・・・・・
『捨てよか?』
 私が言いました。
『やめよ。んか怖いよ。』
『でも、持っとくのも怖いぞぉ・・・・』
【う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・】
 私は、なんとなく写真が気になり1枚掘り返しました。
 でも、素人は素人。な〜んにも分からなかったのです。
 分かったのは、女の人はAの時計からス―――――............と伸びていたのです。
 女の人は鼻、口、が無く髪と目しかないのです。
 髪は、腰まで。目はつり目。とっても青白かったのです。
 もう、アンビリーバボーとか何かに送ろうかと思いました・・・・。
 結果、写真は公園に埋めました。(こっちの方がたたられそーだけど)
(公園さんゴメンね。)


 けれど、Aの時計問題は解決してません。
 1週間ほど忘れてました。(コラ)
 Aも何も言わなかったので・・・・・・・・・・・・
 聞けば、もうなんともいえないくらい奇妙になって捨てたと・・・・・
 顔が出て来たそうです。時計から・・・・女の人の顔が・・・・・・・
 鼻と口が無く、髪が腰くらいでつり目の青白い・・・・・・・・・
 たたりは起こらないのか・・・・・なにか、恐ろしいたたりとかないのか?
 心配になりました。
 なによりも、時計に問題があるのは確かだと思います。

 Bに写真の事(時計の事は知ってたんだよ)を話した。
 B曰く、何もわからない、きっと何も無い。私達女だもん大丈夫。だそうだ。
 なんか・・・・・説得力ないよ・・・・B・・・・・・。(意味無いし・・・)
 それにお前女か?(口が凄いので有名なBです)
 確かに、私とAとBに被害は無かった。
 Aは、時計を買った事を悔やんでる。
 私だって分からない。全然ちっとも・・・・・・・・
 とりあえず、忘れよう。こーゆー事は覚えとかない方がイイ。
 みなさんも、時計には気を付けて下さい。なんげなしに持ってる時計―――・・・・・・・
 もしかしたら・・・・・もう・・・・・・・(くすっ)


第四十五話  語り手: 星影
 うちの祖母はね、昔中国に住んでいたの。日本人だけどさ。
 それで、祖母の住んでた家の近くに、凄くよく当たる占いしさんがいたんだって。
 町中彼の噂で持ちきりなので、祖母もね、興味本位で行くことにしたそうな。

 彼は、昔の穴の空いた銅銭にね、糸を通して、それを人の手の上に載せたり、写真の上にかざして、人の運命を占うの。
 別にわざと振っているわけでもないのに、その銅銭がね、独りでに回ったり、大きく振れたりしたそうな。
 祖母は、近所の人たちと、旅行に行ったときの写真を撮りだして、自分や友達の運勢を占って貰ったの。
 そしたらね、20人ぐらい写っていた人のなかで、4人の人の写真の上で、銅銭が激しく回りだしたの。
 その占い師はね、下手な日本語で、この4人の人たちは、もうすぐ死ぬって言うんだって。
 祖母は、仲の良い友達もいるのに、もうすぐしぬとか言われて、怒って帰ってきたらしい。


 それから、まもなく、その四人が戦争で死んだり、事故で死んだりし始めたの。
 祖母は、仲の良い友達のことをすごく心配していたんだけど、彼女はどうやら無事だったらしい。
 さて、戦争も終わったので、祖母達は、日本に帰ることになった。
 明日船に乗るって言う日に、友達に、貴女だけは占いも当たらなかったねって、言って、喜び合って分かれました。二人は別の船で帰ることになっていたので。

 それから2週間ぐらいして、やっと日本に着いたので、祖母は友達に連絡を取ろうとしましたが、なかなか友達に連絡が取れませんでした。
 やっとのことで、友達のおじさんの家の住所が解ったので、そこで手紙を出しました。
 そしたら、その返事には、彼女は、船のなかで、急に病気になって、無くなったのだと記されていました。
 やはり、その4人の人は、全員、不慮の出来事でなくなってしまい、占いは当たってしまったと言うことです。


第四十六話  語り手: まゆみん
 えと、いつか忘れましたけど2〜3年ほど前の事。実体験です

 私の寝室はベットと小物入れ(?)とつくえだけです。となりの遊び部屋(?)は色々ありますが・・・・
 で〜・・・ベットの右上らへんに窓があります。夜の12時ごろです。なんげなしに窓を見ると――・・・


 なんとっ!赤い光りがさしこんでたのですぅっ!(><)
 赤外線コタツの中のような光でした。
 『うわぉ』と思いつつ、少し怖かったので布団の中に入ったままにしてたんですが・・・・。10秒くらいでその赤い光りはおさまりました。
 でーその次、青い光りがさしこんできたのですっ!!腰を上げて窓の外を見ようとしたその時っ!

 消えたんです・・・・。
 おりょょょっっっ!?とか思い、四方八方見まわしたけど・・・・通常の世界でした。
 謎です。ニュースとかには出てこなかったので、目の錯覚か、夢か・・・・・・?(でも なぁ・・・)


第四十七話  語り手: ko:2
 これはまだ私の兄貴が中学生、私が小学生の頃の話なんですけど・・・。
 兄は中学でテニス部に入っていて、毎日の練習で家に帰ってくるのが、いつも夜の9時を過ぎていました。
 学校を9時頃に出て、家まで約30分程・・・。途中に少し大きな駐車場があったんです。
 その駐車場は、広さの割に駐車している車が少なく、また地面も舗装されていない部分があるような駐車場でした。


 兄が夜、部活動から帰る途中、その駐車場を通った時、駐車場の奥の方にとめていた車の運転席に女の人が座っているのを見かけたことがありました。
 駐車場ですから、車に人が乗っているのは、特別変なことではないのですが、その女性は車の後部座席に座っていたのです。
 その時は、運転手の人が忘れ物か何かをして、取りにでも行っているのだろうと思っていたのですが、翌日の夜、またその駐車場を通りかかると、また同じ車に女性が乗っていました。
 変だなぁ、と思いつつ、2日後(次の日は日曜日で、練習が早く終わったんです)通りか かると、やはり女性が車の中に座っています。
 さすがに気味悪くなって、しばらくその道は通らないようにしたそうです。


 2・3週間もした頃、たまたま昼間にその駐車場の前を通ることがあり、例の車を見てみると・・・
 車はボロボロの廃車で、あちこちに錆が浮き出て、フロントガラスもなく、タイヤも前輪がないような状態でした。
 夜に通った時は、暗い上に場所が一番奥の遠い所だったので、車の状態がよくわからなかったのです。

 こんなとても乗れないような状態の車の中に座っていたあの女性は、いったいなんだったんでしょうか?
 兄は結局、中学を卒業して中学とは反対方向にある高校に通学したので、その後はどうなったのか知りません。


 ちなみに、その後、私も中学生になり、兄と同じようにテニス部へ入り、夜遅くまで練習をして、夜その駐車場を通っていましたが、
 幸運な(?)ことに、私はそのような光景に遭遇したことはありませんでした。
 ・・・でも、その駐車場には確かにボロボロになった廃車が一番奥に置かれていました。
 なぜ、その廃車が処分されずにずっと残っているのかは、やはり分かりません・・・。


第四十八話  語り手: 友希
 もう何年も前に忘れられ始めた話なんけど・・・

 あたしのすんでる市の某所のガソリンスタンドの近くでタクシーの運転手による幽霊の目撃の話が噂されていた時期があったの。
 で、目撃されると必ずといっていいほど自損事故のほうが多いんだけど事故が発生してたの・・・
 さすがに、ここまで事故が多いと無視できなかったらしく警察も重い腰をあげて調査をはじめたらしいの。
 はじめは、幽霊なんて気にもしてなかったんだけど噂が気になったらしくカメラなんかを用意して真相を確かめたの。
 けど、カメラには何も映らない。けど、確実に目撃情報が出てたんだって。


 で・・・よくよく調べてみると・・・昔そこでタクシーに引かれた女の子がいたらしい事がわかったんだって。
 でも、ひき逃げされたわけでもないし、そのひいた運転手もしっかりと謝罪してたらしいの。
 その女の子がタクシーに恨みに思ってタクシーだけを狙ったのかどうかはわからないけど、供養碑を立てたらおとなしくなったらしいの。
 結局、原因はわからなくなっちゃったけど、いまでもごく希にこの噂がよみがえったりするの。
もしかしたら、女の子がまだ満足してないのかもね・・・


第四十九話  語り手: まゆみん
 うーん・・・1年くらい前ですね。朝、いつものように友達と学校行ってたんですよ。たしか、6月頃。
 暫らく行くと、細い長い坂道があるんです。緩やかだけど、長くて一番疲れます。
 6月って事で蒸し暑くて、変な匂いもプンプンです。
 んで、ふと目を右にやると―――――・・・・


 カエル2匹が潰されてました。

 これは、心が繊細なレディには強烈でした。(まー、フツーだれでもだが・・・。)
 詳しく言うと、内臓もはみ出てて、しっかり見えるんです。
 グロテスクでした・・・・・・・。


第五十話  語り手: 卍里
 ある早朝。私は「カサカサカサっ」という音と、すごい風にパソコンの画面から眼を離し、ふと部屋を見回しました。
 かすかだけど、「カサカサカサっ」と云う音は 妙にいやな感じがしたんです。

 見上げると・・・・天井近くに15〜20cmはある巨大な蜘蛛が。
 電灯に反射して、眼が光っていました。そして結構な速さで動き回っているのです。1m範囲位。
 「うひいいいいいいい!!!」一瞬怖くて思考がとまってしまいましたが、このままどっか見失った時の恐怖を思うと・・・・
 (以前、やはりそれくらいの蜘蛛を見失って2週間ぐらい部屋にいたであろう事があって、それはそれは怖かったので)
 これは排除しなければ!!!という使命感にもえて、
 掃除機を構えました。


 構えていたんですが、やはり目茶苦茶 怖い。
 なにしろ、柔らかければ、掃除機の口からなんとか入ってくれるのですが、
 堅かったら入らないですからね。>サイズ的に。
 んで、でも後々のことを考えて、思い切って
 スイッチオン。

 ちゃんと入っていきました・・・・・管をもつ この手に「奴」が入っていく感触が忘れられません。

 ・・・・・何分間かそのまま掃除してしまいました・・・
 ひっかかってたら 出てきそうだし(笑)
 結局すぐ処分しようとして出てこられても、暴れる感触がわかっても怖いので(苦笑)、掃除機の吸い込み口を止めました。


第五十一話  語り手: 月白兎
 うちの学校、特別棟って言って特別な教室ばっかりを集めた棟があるの。
 最上階に美術室があってね、その美術室の前の廊下の天井に、黒いシミがあるの。
 その黒いシミ、よくよく見たら 人の形に見えるんだけど、それが問題なんだ。


 うちの学校が今の場所に移って数年、真新しい校舎に真っ白な壁、もちろん染みなんてある訳ないんだけど。
 ある日、美術部の子達がコンクールに出展するために油絵を描いてたんだって、静物画なんだけど、描くものはマリア像と赤いキャンドルにともされた炎。
 順調に進められていたはずだった油絵の具で描く静物画、事件が起きたのはその日の放課後。
 みーんなの絵からマリア様が消えちゃったの。
 白い絵の具塗ったわけでもないし、削られた後も無いの。マリア様だけ綺麗さっぱり消えちゃったんだ、


 それから数日後、台風が上陸。真新しいはずの天井から 雨漏りが発覚大ぴーんちっ!
 台風がすぎたと同時に雨漏りも無くなったんだけど、なんか天井にシミが出来ちゃった の。
 学校建設に携わった人達が いろいろ点検したんだけど、雨漏りの原因は不明、その上雨漏りしたのはここだけっ!


 最初は円の集まりだったシミも、年々雨が降るとともになんか奇妙な形を取りはじめたの
 それは見る見るうちに人の形を取りはじめ、最終的には『キリスト』像になっちゃった の。
 押さえるべきポイントは マリア様が消えて、キリストが出現した事。
 今は張り替えられてしまってもう無いんだけど、あたしもこのシミ見た時ビックリしたよぉ
 そそ、十字架に貼り付けられたキリストさんの姿そっくり、目鼻口もなんか陰影が生み出して、すっごいブキミっ!

 学校の天井の高さ、床から3mの所にあるの。最上階だけ!
ぢゃんぷしてもとどかなひ(汗)


 これが有名なK女子七不思議の一つにょん。




『実体験』に戻る


【殴り書き】トップページへ