◆−あなたの望みは何ですか? 第十話−amy (2002/1/15 19:29:07) No.7963
 ┣はじめましてv−*綺咲* (2002/1/16 18:20:13) No.7965
 ┃┗こちらこそ、はじめましてv−amy (2002/1/19 15:46:51) No.7973
 ┃ ┗わぁいv−+綺咲+ (2002/1/21 19:49:52) No.7977
 ┃  ┗いらっしゃ〜い♪−amy (2002/1/24 17:32:43) No.7983
 ┣待ってました!!−Lily (2002/1/16 20:14:00) No.7966
 ┃┗どうもです!−amy (2002/1/19 15:49:25) No.7974
 ┣あなたの望みは何ですか? 第十一話−amy (2002/1/19 16:25:32) No.7975
 ┃┗あなたの望みは何ですか? 第十二話−amy (2002/1/24 18:31:27) No.7985
 ┃ ┣はじめましてv−深剣李杏 (2002/1/29 21:08:53) No.8010
 ┃ ┃┗はじめましてvパート2!−amy (2002/1/31 17:36:09) No.8023
 ┃ ┣はじめまして−ティア (2002/1/31 18:04:48) No.8024
 ┃ ┃┗はじめましてvさらに3!−amy (2002/1/31 18:25:40) No.8026
 ┃ ┃ ┗ありがとうございますぅぅぅぅっ!−ティア (2002/2/1 16:28:58) No.8030
 ┃ ┃  ┗これからもよろしくお願いしますううう!!!−amy (2002/2/3 16:08:14) No.8040
 ┃ ┗あなたの望みは何ですか? 第十三話−amy (2002/1/31 18:20:35) No.8025
 ┃  ┣こんにちは!!−+綺咲+ (2002/2/1 18:47:04) No.8033
 ┃  ┃┗どうも!−amy (2002/2/3 16:12:07) No.8041
 ┃  ┗あなたの望みは何ですか? 第十四話−amy (2002/2/3 17:11:50) No.8043
 ┃   ┣あッ、発見!! Σ(・△・)−+綺咲+ (2002/2/4 18:44:44) No.8047
 ┃   ┃┗御来店ありがとうございま〜す♪−amy (2002/2/7 18:51:44) NEW No.8065
 ┃   ┗あなたの望みは何ですか? 第十五話−amy (2002/2/7 20:52:06) NEW No.8067
 ┃    ┣やっぱり珈琲ですかねぇ・・・(何)−+綺咲+ (2002/2/8 19:15:32) NEW No.8068
 ┃    ┗はわっ! もう2話も出てる!−ティア (2002/2/9 10:30:49) NEW No.8069
 ┗はじめまして4vv(まて)−羅琴みつき (2002/2/1 19:36:32) No.8034
  ┗おお!4人目!!−amy (2002/2/3 16:19:30) No.8042


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7963あなたの望みは何ですか? 第十話amy E-mail 2002/1/15 19:29:07



 お久しぶりです!amyです!
  かーなーーり続きを書くのが遅くなってしまいました。
  楽しみにして下さっていた奇特な方、
  本当に申し訳ありませんでした。
   慎んでお詫び申し上げます。
  また、かああああなあああり!遅れておりますが、
   新年明けましておめでとうございます。
   どうぞ今年もよろしくお願いします。
  ううう、、、本当にお願いします(T_T)

   どうぞ見捨てないでやって下さい。

  では、続きを掲載したいと思います。

  前から読んでいて下さっている方はこのままどうぞ。

  今回始めてこの話を読む方には御忠告を。

  これはシリアスゼロゼルです。
   そういう系統のものが嫌いな方はどうぞ御遠慮下さい。
  この警告を無視して読んでしまい、気分を悪くされても、
   私は一切責任を負いません。
  にも関わらず、非難、中傷のメールを送られても困ります。
   つい先日、そういうものがこちらに送られて来ました。
 お心当たりのある方、どうぞ御控え下さい。

==================================

 良すぎる、と思ってしまう程いいタイミングで、レッサー・デーモンの群
れがこの村を襲った。
 アリシアと約束を交わし、人間を守る立場に立つことになってしまった俺
はそれらを次々と薙ぎ倒し、村には被害がない。
 そのせいで村びと達の俺に対する熱のようなものが一層高まってしまった
が、この際もう、どうでも良かった。
 いくら魔族とはいえ、下級に位置するレッサー・デーモンなど大して強く
はなかったけれど、普通の生活をしていた人間にとっては十分な脅威になっ
ていたらしく、人々は俺を強い者と勘違いしていた。
 アリシアもシルフィールの血筋だけあって回復呪文や防御呪文は卓越して
いるらしく、俺がレッサー・デーモンと戦闘している間、ずっと村びと達を
守る役目を果たしてくれていた。
 他にも防御呪文や回復呪文が使える者は多く生き残っていて、そのおかげ
で生き残っている人間が各地にちらほら残っているのだとアリシアに聞い
た。
 また、その反対に攻撃呪文を使える者は激減しているらしい。
 ただでさえイメージコントロールを必要とする『難しい』と称される黒魔
術やレベルの高い精霊魔術しか魔族には利き目がないので、小手先の攻撃呪
文を扱えても無意味なのだそうだ。
 では、多少は魔術を扱える人間に俺自身が魔族にも利き目のある呪文を教
えるのはどうかと尋ねたところ、無意味だと答えられた。
 防御、回復呪文が扱える人間はほとんどが巫女や神官、賢者などで、白魔
術を基礎としているから黒魔術など御法度だし、小手先程度の魔術が使える
人間には、それ程強いキャパシティがないのだと言う。
 アメリアはレベルの高い精霊魔術を扱えたし、シルフィールはドラグ・ス
レイブも使えるようになっていた、あのレゾなどはなんでもござれの人間
だったと言うと、
『そういう人間は本当に珍しいんです。
  アメリア様達の時代が、人間にとって魔術の全盛期でしたから』
 と答えられた。
 俺はその全盛期時代を生き抜いて来た人間だったので、その感覚はよく分
からなかった。
 確かに、俺は人間の中では強い方だっただろう。自負している。
 けれど上には上が山程いたし、そのことが俺にはコンプレックスだった。
 それなのに、今現代では、俺の上には人がいないのだと言う。
 正直、不安だった。
 リナのように強い魔導師ですら地に伏したというのに、自分に一体何がで
きるというのだろうか?
 100年以上生きたせいか、今まで使えなかった魔術も使えるようには
なった。
 一番の収穫はドラグ・スレイブが使えるようになったことだろう。
 しかし、魔族にはその黒魔術最大の破壊力を誇るドラグ・スレイブも、は
たまた精霊魔術では最高峰のラ・ティルトも効きはしない。
 そう、上級魔族には。
 簡単に防がれ、避けられてしまう。
 さらに上の魔王の腹心達になど、呪文を発動させて貰うことすら出来な
い。
 また、敵は魔族だけではないのだ。
 神々達もいる。
 つまりが、竜族達とエルフ族達。
 基本的にキャパシティの違う彼らに、果たして勝てるのだろうか?
 また、それらと闘う際に一対一ならばまだいい。
 大勢で来られたら?
 多勢に無勢などでは済まない。
 完璧に力負けし、俺は死ぬのだろう。
 考えてみれば考えてみるほど勝機は薄かった。
 リナが上級魔族にすら対抗できたのは、『ギガ・スレイブ』と『ラグナ・
ブレード』という呪文のおかげだろう。
 彼女が紡いでいた呪文は今も覚えてはいるが、いかんせん、意味がよく分
からない。
 黒魔術は呪文の意味を正確に理解し、イメージコントロールを完璧にしな
ければ発動しないのだ。
 その呪文が難しければ難しいほど。
 つまり、俺には使えないのだ。
 第一、あの呪文が一体何の力を借りているのかも俺は知らない。
 リナはただ『異世界の魔王』としか言っていなかった。
 それに、もしかしたらキャパシティが足りないかもしれない。
 その場合ももちろん、呪文は発動しない。
 さらに言うのなら、今はフィブリゾもガーヴもいない。
 つまり、この2匹の力を借りる呪文は使えなくなっているのだ。
 お先真っ暗とはこういうことなのだと、しみじみ思う。
 それでもあまり焦燥感が湧かないのは、やはり感情が随分と希薄になって
しまったからなのか。
 それとも、生きることに執着しなくなったからなのか。
 俺には分からなかった。
「なあ、アリシア」
「はい?」
 俺の呼び掛けに、村びと達と話をしていたアリシアが振り返る。
 声は相変わらず、アメリアそっくりだった。
「、、、、、俺に、一体何ができると思う?」
 深刻な話なのだと、アリシアは一瞬で悟ったらしかった。
 表情を険しくし、俺を強く見返す。
「、、、、私にも分かりません」
「そうか」
 正直なその言葉に、どこかほっとした。
 強く高い望みを持たれるよりは、そうやって分からないでいてもらえる方
がいくぶんか楽だったので。





「おやおや、、、、、結局、僕のお誘いにはのって下さらないんですね」
 一部始終を眺めていたゼロスは、木の上で残念そうにつぶやいた。
 本当に、残念そうに。
「ゼルガディスさんも、やはり人間、といったところですかね」
 一人つぶやき、寂しそうに星空を仰ぐゼロス。
 ただしその表情は一瞬で、すぐにいつもの人をくったような笑顔に変わっ
た。
「全く、あのアリシアさんという方も余計なことをしてくれますね。
      これでも一生懸命お誘いしていたというのに、、、、、、」
 すっと右手をあげ、同じく木の上にいる人物に手を振ってみせた。
 するとその人物、、、、4人の人間は木の上から地面へと降り立つ。
 綺麗に音もなく着地すると、指示を仰ぐかのようにゼロスを見上げた。
「僕はあまりこういう方法は好かないんですがね。
    まあ、一つよろしく頼みますよ。上からの命令ですし」
 言い放ち、ゼロスはにこりと微笑んだ。




  続く

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7965はじめましてv*綺咲* E-mail 2002/1/16 18:20:13
記事番号7963へのコメント

 
 えーとー。
 はじめまして。「キサキ」と申します。
 近頃amyさんのファンになりましたv
 そして、新しい投稿を発見してしまい、居ても立ってもいられなくなって・・・
 思わずレスした次第です(笑)
 amyさんの文章は、テンポがよくって大好きです!
 今までのも全部読んでしまいました!
 今回のもまったりと読まさせて頂きましたv
 続きも楽しみにしてますので、頑張って下さい〜!!(>▽<)/″


+FROM 綺咲+

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7973こちらこそ、はじめましてvamy E-mail 2002/1/19 15:46:51
記事番号7965へのコメント

綺咲さんへ

> えーとー。
> はじめまして。「キサキ」と申します。
   こちらこそ、はじめまして。amyです


> 近頃amyさんのファンになりましたv
> そして、新しい投稿を発見してしまい、居ても立ってもいられなくなって・・・
> 思わずレスした次第です(笑)
   ありがとうございますううううう!!!
   私のファンだなんて、そんな勿体無い。
  でも本当に嬉しいです!ありがとうござます!

> amyさんの文章は、テンポがよくって大好きです!
> 今までのも全部読んでしまいました!
   うにゃああああ!なんたる幸せ!
   わざわざ読破して下さったんですね?
   本当に感激です、ありがとうございます!
  ところで、、、、、綺咲さんはどの物語りがお好きですか?
   よろしければ教えて下さい。

> 今回のもまったりと読まさせて頂きましたv
> 続きも楽しみにしてますので、頑張って下さい〜!!(>▽<)/″
   ありがとうございまーす!!!(>▽<)
   これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!



  短いですが、これにて

  amyより

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7977わぁいv+綺咲+ E-mail 2002/1/21 19:49:52
記事番号7973へのコメント

amyさんへ

>> えーとー。
>> はじめまして。「キサキ」と申します。
>   こちらこそ、はじめまして。amyです
>
あっ、amyさんからだ!(嬉々)

>> 近頃amyさんのファンになりましたv
>> そして、新しい投稿を発見してしまい、居ても立ってもいられなくなって・・・
>> 思わずレスした次第です(笑)
>   ありがとうございますううううう!!!
>   私のファンだなんて、そんな勿体無い。
>  でも本当に嬉しいです!ありがとうござます!
>
そんな・・・レス返って来て、私も嬉しいですぅぅぅ!!

>> amyさんの文章は、テンポがよくって大好きです!
>> 今までのも全部読んでしまいました!
>   うにゃああああ!なんたる幸せ!
>   わざわざ読破して下さったんですね?
>   本当に感激です、ありがとうございます!
>  ところで、、、、、綺咲さんはどの物語りがお好きですか?
>   よろしければ教えて下さい。
>
はい! 読破してしまった次第ですぅぅぅ!
えっとですねー・・・全部好きですよ、基本的には。
特に好きなのはー・・・
    1.女もつらいよ
    2.小さな鉢植え
    3.ゼルモテモテシリーズ
ですかねっ! あ、ゼロスとの掛け合いも大好きですーv
    
>> 今回のもまったりと読まさせて頂きましたv
>> 続きも楽しみにしてますので、頑張って下さい〜!!(>▽<)/″
>   ありがとうございまーす!!!(>▽<)
>   これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
>
はぃっ! 頑張って下さい!!
十一話目も、ちゃんと読みましたから!!
続き、楽しみにしてます〜!!(>▽<)

>  短いですが、これにて
>
>  amyより

有難う御座いました。
綺咲でした☆

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7983いらっしゃ〜い♪amy E-mail 2002/1/24 17:32:43
記事番号7977へのコメント

綺咲さんへ

  こんにちは!またレスを下さって、本当にありがとうございます!
     見に来た時にレスがあるとすっっっごく救われます!
   これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますね!


>>> amyさんの文章は、テンポがよくって大好きです!
>>> 今までのも全部読んでしまいました!
>>   うにゃああああ!なんたる幸せ!
>>   わざわざ読破して下さったんですね?
>>   本当に感激です、ありがとうございます!
>>  ところで、、、、、綺咲さんはどの物語りがお好きですか?
>>   よろしければ教えて下さい。
>>
>はい! 読破してしまった次第ですぅぅぅ!
>えっとですねー・・・全部好きですよ、基本的には。
>特に好きなのはー・・・
>    1.女もつらいよ
>    2.小さな鉢植え
>    3.ゼルモテモテシリーズ
>ですかねっ! あ、ゼロスとの掛け合いも大好きですーv
   おおお〜!!
    3、懐かしい、懐かしすぎる!!!
   そういえばそんなのも連載していた時があったなあ〜、、、、、
  (読み返し中)、、、、、、、、、、、、、、、、。
  のうあああああああああああああああああああ!!!!!??(恥)
    恥ずかしい!うわっ、うわっ!
   文章下手だよ〜(T_T)
   話も下手だよ〜、わけわかめだよ〜(大泣)
      ネタも恥ずかしいよおおおおおお!!!(号泣)
  ううううう、、、、すいません、お目汚しを、、、、、
   あんなの気に入って下さって、本当にありがとうございます。


   
>はぃっ! 頑張って下さい!!
>十一話目も、ちゃんと読みましたから!!
>続き、楽しみにしてます〜!!(>▽<)
     ありがとうございますううううう!!!
   ぜひとも頑張らせていただきます!!
    これからも応援、お願いしますね!!


    amyより

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7966待ってました!!Lily 2002/1/16 20:14:00
記事番号7963へのコメント

お久しぶりです!!
前回レスを出来ずにツリーが落ちてしまったのでかなり焦ってました。

いや〜やっぱりamyさんのシリアスはカッコいいですねー
ゼロスの今後の道行が気になる所です♪

では短いですがこれで
               Lily

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7974どうもです!amy E-mail 2002/1/19 15:49:25
記事番号7966へのコメント

Lilyさんへ

>お久しぶりです!!
>前回レスを出来ずにツリーが落ちてしまったのでかなり焦ってました。
   どうもです!
  本当にお久しですみません、、、、(T_T)
   最近とても忙しいので(言い訳)、、、、。
  これからも頑張るので、どうぞ見捨てないでやって下さい。

>いや〜やっぱりamyさんのシリアスはカッコいいですねー
>ゼロスの今後の道行が気になる所です♪
  ありがとうございますううう!!!!
   これからゼロスばしばし登場しますよー!
  期待して待っていて下さいね!
   なんてったって『ゼロゼル』ですから♪



   ではでは
      amyより

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7975あなたの望みは何ですか? 第十一話amy E-mail 2002/1/19 16:25:32
記事番号7963へのコメント


 100年以上前、まだ、リナさん達が全員生きていた頃。
 あの時、貴方は僕に言いましたね。
 『俺は俺らしくありたい。魔族になるなど真っ平ごめんだ』
 同時期に、リナさんにも言われましたよ。
 『私は私。それ以外の何者でもないわ。
    そして私は人間なのよ。
  神にも魔族にも、私はなるつもりはないの』
 それでも僕は、諦めませんでした。
 光を強く放つリナさんはともかく。
 ゼルガディスさん。
 貴方なら、僕達に近しい貴方なら、なんとかなると思っていました。
 時間の問題に違い無い、と。
 そして、時が経ち、リナさん達は全員死にました。
 深い絶望と悲しみに支配された貴方に、僕は再度問いましたね。
『僕達の側に、来ませんか?』
 夢も希望もなくしたはずの貴方は、それでも『No』と答えました。
 人間でいる理由すらなくなったはずの貴方が。
『何故です?』
 訝しんで聞いた僕に、貴方は虚ろな瞳のまま、こう答えました。
 『俺は誰の側にもつくつもりはない。
     俺は独りで生きる。それだけの話だ』
 そして、つい、この間。
 もう一度聞きましたね。
 それでも貴方は、僕を受け入れてはくれませんでした。
 あんなにも貴方からは絶望と孤独による寂しさが滲みでていたのに。
 あんなにも、誰かの救いの手を欲していたのに。
 それなのに、貴方は僕の手を払い除けましたね。
 貴方は自分に、感情がないのだと思っているようですが、それは違いま
す。
 心が寂しさに悲鳴をあげて、小さく隅っこで縮こまっているだけです。
 表に出ないだけなんです。
 それなのに、貴方が差し伸べられた手を掴むことはなかった。
 、、、、、プライドですか?
 僕には分からないんです。
 貴方が何を拒んでいるのか。
 どうして自分から殻に閉じこもってしまったのか。
 僕には何一つ分かりません。
 例え理由を知ったとしても、理解出来ないのでしょうね。
 僕は、人ではないから。
 人にはなれないから。
 だからこそ、貴方がとてつもなく欲しかったのに。





 悲鳴が聞こえた。
 驚いて顔を上げ、俺は椅子から立ち上がる。
 アリシアにはあの悲鳴が聞こえなかったらしく、突然立ち上がった俺を見
て怪訝そうな顔をした。
「ゼルガディスさん?」
「悲鳴だ」
「!」
 俺の一言で全てを察したらしく、アリシアの顔色が変わった。
 俺と同じく立ち上がり、ドアノブに手をかける。
 扉を開け放ち、外へ出ようとした途端、嫌な予感に襲われた。
「アリシア!!」
 一声叫んで、俺はアリシアをドアから引き離すように引っ張った。
 がしゃんっっ!!!!
 同時に一条の光りが真横に伸び、まだ半開きだったドアがまっ二つに切り
裂かれ、そのまま床に落ちた。
「なっ!」
 小さく悲鳴をあげるアリシアはこの際無視して、俺は口の中で唱えていた
呪文を解き放つ。
「エルメキア・ランス!」
 青白い槍状のものが、倒れたドアの向こうへと突進して行く。
 じゃっっ!!
 しかしそれは、鈍い音を立てて剣によって切り裂かれた。
 剣。
「レッサー・デーモンじゃあ、ない?」
 思わずつぶやいた俺の言葉に、アリシアが真っ青になった。
 獣の姿に近いレッサー・デーモンは剣など使わない。
 剣という武器を扱うのは、人の型を取れる魔族や竜族かエルフ。
 もしくは人。
 前者の場合、簡単に話は済むとは思えなかった。
 そんな思いと同時に、ドアの向こうから人陰がゆらりと見える。
 人陰は、いたって普通の姿だった。
 エルフのように耳がとがっていることもない。
 かといって、魔力剣もなしに人間が魔法を切り裂けるはずもない。
 つまりあれは、、、、、
「ちい!!」
 舌打ちして、俺は近くにいたアリシアを抱きかかえた。
「え?」
 驚くアリシアに構わず、俺はそのまま窓ガラスに体当たりする。
 がっしゃあああああんっっっ!!!!
 派手な音を立てて、窓ガラスが粉々になった。
 俺はアリシアをかばうようにして地面へと落ちて行く。
 あそこが2階で良かった。
 すたっと地面に着地し、俺はアリシアをそのまま下ろす。
 屋内では勝機が薄い、広いここへ出て正解だったと胸をなで下ろした。
 辺りをぐるりと見回して、俺は建物から距離をとった。
 考えあられるのは2つ。
 人形をとれる程高位の魔族、もしくは竜族が相手。
 夜なので暗くてよく見えなかったが、あれはどう見ても人間の姿だった。
 つまり、それだけ手強いということ。
 危惧していたことが急に目の前で起こり、俺は少し焦っていた。
 それだけ高位の魔族ならばここに結界を張って、異空間に俺を閉じ込める
こともできるはず。
 それをしないのはやはり竜族っだからなのか。
 色々な考えが思考を駆け巡り、俺は忙しく辺りを見回す。
 すると、俺達が割った窓から人陰が覗いた。
 こちらに降りてくるつもりらしい。
 空間転移をしないということは、やはり!
 魔族ではないことに多少安堵しながら、俺は口の中で呪文を唱え始めた。
 ひゅんっ!
 すたっ!
 上から降りて来た人陰が、見事に地面に着地する。
 人陰は1階の窓から漏れる明かりによって、姿を照らされ出した。
 その姿に俺は驚愕し、思わず呪文を中断してしまう。
「ガウ、、、、リイ?」
 俺のつぶやきに、アリシアが困惑したような顔を振りかえさせた。




続く

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7985あなたの望みは何ですか? 第十二話amy E-mail 2002/1/24 18:31:27
記事番号7975へのコメント


 そう、あの姿はまさしくかつての仲間の一人。
 腰まで届く金色の髪、整った顔に青い瞳。
 背は俺よりも高くて、がっしりとした体つきをしていた。
 顔は凛としていて端正なのにヌケてて、ちょっとおちゃらけてて、物覚え
が絶望的に悪かった。
 だけど、あの光の剣士の末裔で、本人の剣の腕も超一流だった。
 そう、『だった』。
 全ては過去形に終わる。
 なのに。
「な、、、んで、、、、、、?」
 思わず漏れた俺の問いに、しかしガウリイは何も答えぬまま剣を振るっ
た。
 ハッとして、手近にいたアリシアの腕を思いっきり引っ張り、後ろに突き
飛ばす。
「ゼルガディスさん!!!」
 声には答えず、俺は腰から剣を抜いた。
 ガキインッッ!!!
 闇の中で一瞬、火花が散る。
 そしてそのまま、俺の剣は綺麗に真っ二つになって切り取られた。
「!!」
 気付くべきだった。
 先程も、この剣は俺の魔術が薙ぎ払ったのだ。
 魔法剣に決まっている。
 なのに俺はそれにも気付かず、普通の剣でそれを受けてしまった。
 切り取られるのは当たり前だ。
「ちいっ!!」
 強く舌打ちをして、俺はガウリイと距離をとるために、大きく後ろへ跳ん
だ。
 だが、それを簡単に許してくれるほどガウリイは甘くない。
 後ろへ跳んだ俺と全く同じ速度で、ガウリイはこちらに突っ込んできた。
 懐から短剣を取り出そうとする俺に、ガウリイは手にしていた剣を斜に振り上げてくる。
 じゃっ!!
 鈍い音と共に、少量の血液が宙を舞った。
 小さい痛みが腹から胸へかけて走る。
 俺の岩の肌が、浅く切られていた。
 同時にバランスが崩れ、後ろに倒れ込みそうになる。
 そこをガウリイは容赦なく狙い、俺の頭目掛けて剣を振り下ろした。
「フレア・アロー!!!」
 脇から力ある言葉を唱えた声が聞こえ、赤い矢状の炎がガウリイめがけて
飛んで来る。
 ガウリイは剣を振り下ろす先を、俺の頭から魔術の方へと切り替えた。
 ぱんっ!!
 たったの一振りで魔術は虚しく虚空で霧散する。
 その隙に、俺はガウリイから大きく距離をとることに成功していた。
 そのまま口の中で唱えていた呪文を解き放つ。
「ゴズ・ヴ・ロー!!」
 黒い影のようなものが地を走り、ガウリイに向かって突進する。
 しかしガウリイは特に慌てた様子もなく、剣を地面に突き立てた。
 がっ!
 石と石を摺り合わせたような嫌な音と共に、黒い影が消えて行く。
 それを見届けると、ガウリイはそのまま俺に向かって突進し始めた。
 俺は既に懐から取り出していた短剣を片手に、もう一度後ろへ飛ぶ。
 追って来たガウリイに向かい、俺は短剣を投げ付けた。
 カキイン!
 案の定、その短剣はガウリイの剣に跳ね返され、遠くの方へ飛んで行く。
 しかし、これは時間稼ぎに過ぎなかった。
「アストラル・ヴァイン!」
 予備として持っていたもう一本の剣に魔術をかける。
 はっきり言って、先程切り飛ばされた剣の方がどんなに使い勝手がいいか
知れない。
 こちらの剣はあくまでも予備。
 しかも相手の腕は自分より上なのだ。
 いつまでも剣で勝負している余裕はない。
 かといって半端な魔術も意味をなさないだろう。
 つまり、この目の前の人間を『殺す』覚悟で、強力な呪文を唱えるしか方
法はないのだ。
 胸の奥でちりっと痛みが走る。
 しかし、躊躇っていられる状況ではない。
 ガウリイはとうに死んでいるのだ。
「フリーズ・アロー!」
 また声が聞こえる。
 どうやらアリシアが援護してくれているらしい。
 それ程レベルの高い魔術とはいえないまでも。
 氷の矢を余裕の動きで避け、ガウリイがこちらに剣を振るう。
 その剣を受け止め、そのまま打ち払った。
 何度も剣を交え、ふと気付く。
 彼の太刀筋が、本物と同じことに。
(まさか!!!??)
 嫌な予感が体中を駆け巡り、剣を振るうことに一瞬だけ逡巡した。
 その隙を逃さず、ガウリイが俺の剣を蹴り飛ばす。
 その強烈な勢いに負け、剣は俺の腕からすっぽ抜けた。
 ガウリイの目に鋭い光が走り、俺に止めをさすために剣を構える。
 しかし、こちらの呪文は完成していた。
 勢い良くその場にしゃがみ込み、右手で強く大地を叩く。
「大地よ、我が意に従え!」
 カオス・ワーズに呼応して、大地の中が大きく揺れる。
「ダグ・ハウト!!」
 力ある言葉と同時に、大地から幾本もの錐が飛び出した。
 次々に現れる錐から逃げ、ガウリイの姿は自然と俺から離れて行く。
 その隙に、俺は次の呪文を唱え始めた。
「エルメキア・ランス!!」
 アリシアの声とともに、向こうの方で青白い光が見えた。
 しかしそれは、じゃ!という音ともに消えて行く。
 俺は呪文を唱えながらそちらに向かった。
 やがてアリシアがこちらに逃げてくるのを発見する。
「ゼルガディスさん!」
 口の中で呪文を唱えているのでそれには応じず、俺はアリシアの前に躍り
出た。
 ガウリイの姿を目にしたと同時に魔術を解き放す。
「ヴァン・レイル!!」
 たんっと手をついた所から、蔦のように広がる氷がガウリイを襲う。
 ガウリイは飛んでそれから逃げようとしたが、アリシアがそれを阻んだ。
「ダム・ブラス!!」
 それを剣で薙ぎ払った時には、ガウリイはすでに氷に片足を捕まえられて
いた。
 俺はアストラル・ヴァインをかけてある剣をガウリイに投げ付ける。
 ガギッ!
 それを険で薙ぎ払い、ガウリイはその勢いで足の氷を切り取ろうとする。
 しかし、そうはさせない!
「フリーズ・アロー!!」
 さらに上から氷の呪文をお見舞いし、ガウリイの胸から下を完全に氷で繋
ぎ止める。
 それを確認してから、俺は懐から新たに短剣を取り出し、ガウリイの右手
に投げ付けた。
 ざんっ!
 音と共に短剣がガウリイの手の甲に突き刺さり、その手から剣が落ちた。
「ガウリイ」
 それを確認してから、俺は彼に声をかける。
「これは一体どういうことだ。お前は死んだはずだろう」
「本当に本物なんですか?他人の空似ということは?」
 低い声で問う俺に、アリシアが尋ねて来る。
 しかし、俺は首をきっぱり横に振って見せた。
「いいや、あいつ本人だ。剣の太刀筋だって、同じだった」
 そう、本人そのもの。
 生前の彼と全く同じ容姿、剣の腕。
 それが赤の他人であるはずがない。
「ガウリイ」
 再度、答えを促すように名前を呼ぶ。
 しかし彼は何も答えようとはしなかった。
 ただただ無表情で俺を睨み付けている。
 以前の彼からは想像も出来ない冷たい眼光。
「ガウ、、、、、、」
 もう一度声をかけようとしたその時だった。
「バースト・ロンド!!!」
 懐かし過ぎるあの声が鼓膜を叩いた。



続く

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8010はじめましてv深剣李杏 E-mail 2002/1/29 21:08:53
記事番号7985へのコメント

初めまして、深剣李杏(みつるぎいあん)といいます。
最近になってスレイヤーズにはまりだしたので日が浅いですが。

amyさんの小説すっごくいいですよ〜。
「女もつらいよ」が個人的には(設定とか)めっちゃ好きでしたが
今のこれもいいですね〜。ゼロゼルはポイント高し(笑)
シリアスな雰囲気とかがたまらないですv
それからバーストロンドを唱えたのは
やっぱり彼女なんでしょうねぇ。続きとっても楽しみです〜。


それでは、短いですがこれにて。

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8023はじめましてvパート2!amy E-mail 2002/1/31 17:36:09
記事番号8010へのコメント

深剣李杏さんへ

>初めまして、深剣李杏(みつるぎいあん)といいます。
>最近になってスレイヤーズにはまりだしたので日が浅いですが。
  こちらこそ初めまして。
  最近ハマったのですか。
   面白いですよね〜、スレイヤーズ。
  リアルタイムの方でなくとも大歓迎です。
    これからよろしくお願いしますね!

>amyさんの小説すっごくいいですよ〜。
>「女もつらいよ」が個人的には(設定とか)めっちゃ好きでしたが
>今のこれもいいですね〜。ゼロゼルはポイント高し(笑)
   ありがとうございますうううう!!!
  なんだか意外にも『女もつらいよ』は人気があるようですね。
    自分としては『展開が早すぎたかも〜〜〜!』と
   思っていたのですが、、、、、。


>シリアスな雰囲気とかがたまらないですv
>それからバーストロンドを唱えたのは
>やっぱり彼女なんでしょうねぇ。続きとっても楽しみです〜。
   楽しみにしてて下さい〜〜〜〜〜。
    そうです、あの人です。
   あの人が登場します。
     これから続きを書かせていただきます。
    頑張ります。
     どうぞこれからも見守っていて下さいね。



   amyより

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8024はじめましてティア 2002/1/31 18:04:48
記事番号7985へのコメント


  はじめまして ティアと申します。
  ここにきたのは、最近なんですけど
  amyさんの書かれた『赤い瞳』を読み
  ハマリました。
  それからもう、ここへ来るたびに、
  amyさんの小説を読む日々です(笑)
  この小説も続きがとっても気になります
  わたしも、ゼロゼル好きです〜
  ・・・・なんだか脈絡が無くてすみません
  これからもがんばってください!!

                ティア


 

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8026はじめましてvさらに3!amy E-mail 2002/1/31 18:25:40
記事番号8024へのコメント

ティアさんへ


>  はじめまして ティアと申します。
    初めまして(^_^)

>  ここにきたのは、最近なんですけど
>  amyさんの書かれた『赤い瞳』を読み
>  ハマリました。
>  それからもう、ここへ来るたびに、
>  amyさんの小説を読む日々です(笑)
   ありがとうございますうう!(感涙)
   『赤い瞳』は私の中でもお気に入りの一つです。
  読んで下さったなんて本当に感激です。
   最近ははじめましての方が多く、
   それだけ私の小説を読んでくれているのだと思うと、
  本当に嬉しいです。
  わざわざレスを下さり、本当にありがとうございます。


>  この小説も続きがとっても気になります
>  わたしも、ゼロゼル好きです〜
>  ・・・・なんだか脈絡が無くてすみません
>  これからもがんばってください!!
  ありがとうざいますうう!!
    意外にもゼロゼルって人気があるのですね。
     スレイヤーズだとノーマルが主なので、
   本編の小説もアニメも終了した今、ゼロゼルが受け入れられることに
 大きな驚きを感じています。
  これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。


   amyより

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8030ありがとうございますぅぅぅぅっ!ティア 2002/2/1 16:28:58
記事番号8026へのコメント

amyさんは No.8026「はじめましてvさらに3!」で書きました。
>
>ティアさんへ
>
>
>>  はじめまして ティアと申します。
>    初めまして(^_^)
    やった!amyさんからだっ!

>>  ここにきたのは、最近なんですけど
>>  amyさんの書かれた『赤い瞳』を読み
>>  ハマリました。
>>  それからもう、ここへ来るたびに、
>>  amyさんの小説を読む日々です(笑)
>   ありがとうございますうう!(感涙)
>   『赤い瞳』は私の中でもお気に入りの一つです。
>  読んで下さったなんて本当に感激です。
>   最近ははじめましての方が多く、
>   それだけ私の小説を読んでくれているのだと思うと、
>  本当に嬉しいです。
>  わざわざレスを下さり、本当にありがとうございます。
   こちらこそ、ありがとうございます!
   書き込みは、こちらが初めてで、失礼にならないか
   とても心配だったので、すごくうれしいです。
>
>>  この小説も続きがとっても気になります
>>  わたしも、ゼロゼル好きです〜
>>  ・・・・なんだか脈絡が無くてすみません
>>  これからもがんばってください!!
>  ありがとうざいますうう!!
>    意外にもゼロゼルって人気があるのですね。
>     スレイヤーズだとノーマルが主なので、
>   本編の小説もアニメも終了した今、ゼロゼルが受け入れられることに
> 大きな驚きを感じています。
>  これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
    はいっ!がんばってください!
    スレイヤーズのアニメは、ちょうど今見ようかな?と
    思っているところです。
    学校で、友達に「スレイヤーズ、見たことある?」と聞いたところ、
    「白い服着た顔色の悪いクールな感じの人がリナをげしげし蹴ってた」
    だの「魚に手足がはえたヘンなのがでてきたアニメね」だの
    ロクなことを聞けませんでした・・・
    話に聞くと、とっても面白いらしいので楽しみですv
    
    第十三話も読みました〜先が見えなくてすごく
    ドキドキしながら読みました。
    あと、ゼロスの哀しそうな表情に心拍数が高くなります(笑)
    それでは 
                  
>    amyより
             ティアより

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8040これからもよろしくお願いしますううう!!!amy E-mail 2002/2/3 16:08:14
記事番号8030へのコメント

ティアさんへ

   またレスを下さり、ありがとうございます。
 さっそく返信させていただきますね。


>   書き込みは、こちらが初めてで、失礼にならないか
>   とても心配だったので、すごくうれしいです。
   全然失礼じゃありませんよ。
    むしろとても嬉しいくらいです。
     やっぱり色々な方が私の小説を楽しんで下さって、
   さらに感想までくれるんですから、、、、♪


>    スレイヤーズのアニメは、ちょうど今見ようかな?と
>    思っているところです。
>    学校で、友達に「スレイヤーズ、見たことある?」と聞いたところ、
>    「白い服着た顔色の悪いクールな感じの人がリナをげしげし蹴ってた」
>    だの「魚に手足がはえたヘンなのがでてきたアニメね」だの
>    ロクなことを聞けませんでした・・・
>    話に聞くと、とっても面白いらしいので楽しみですv
      げ、げしげし蹴ってたかしら、、、、?(悩)
    き、記憶にないのですが、、、、、(汗)
     魚に手足のはえたヘンなのは出てきますね、、、(怪)
   ヌ○サとかラ○ニ○とか、、、、、他にも、、、、、


>    第十三話も読みました〜先が見えなくてすごく
>    ドキドキしながら読みました。
>    あと、ゼロスの哀しそうな表情に心拍数が高くなります(笑)
>    それでは 
  ありがとうございます!
    なんだか長くなりそうですか、めげずに頑張りますね!
   これからも応援、どうぞよろしくお願いします!!!



       amyより

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8025あなたの望みは何ですか? 第十三話amy E-mail 2002/1/31 18:20:35
記事番号7985へのコメント


 俺はアリシアの腕をとって思いっきり横に跳んだ。
 先程まで俺達がいた場所を、魔術が激しく破壊する。
 だが、俺の気をひいたのはその魔術ではなかった。
 この魔術を解き放った、あの声。
 あれはまぎれもなく、、、、、、
「、、、、どうなってるんだ、、、、、、?」
 いつの間にかからからに乾いた咽から、ひゅうっという音と共につぶやき
が漏れる。
 振り向いた先には、3人の人間がいた。
 一人は腰まで届く栗色の髪と黒いマントを風になびかせている魔導師風の
女。
 先程の呪文は間違いなく、こいつの放ったものだ。
 そして、こちらも腰まで届く髪と黒いマントで神官服を着た女。
 しかし、その髪の色は夜に塗れた漆黒。
 さらに、、、、、、
「、、、、、あ、、、、、、」
 気付いたのだろう、アリシアが声を反射的にあげた。
 最後の一人。
 年の頃は20代。
 肩口で切りそろえた漆黒の髪。
 女性的な丸みはあるものの、全体的にほっそりとしたイメージのある体
躯。
 どこか見覚えのある顔。
「リナ、シルフィール、、、、、アメリア、、、、、、?」
 順々に口をついて出た名前達。
 確かに、この名前の持ち主も、目の前にいるこいつらも、見覚えのあるも
のばかり。
 40代を超えても、アメリアは20代の容姿を保っていた。
 それは恐らく強すぎる魔力と、闘いに明け暮れた環境故のもの。
 つまり、こいつらは、、、、、、
「な、、んで、、、、?シルフィールさんとアメリア様、、、、?」
 混乱したかのように頭を抱え、アリシアが呆然としながらつぶやく。
 その動揺を見逃す程、甘い奴等ではなかった。
「デモナ・クリスタル!!」
 鋭い声で、栗色の髪の女魔導師、、、、、リナが叫んだ。
 突如空中に出現したでかい氷が、アリシアを貫こうと迫って来る。
「アリシア!!!」
 強い俺の口調にハッとし、アリシアは慌ててその場から逃げた。
 ガンッ!
 鈍い音を立てて、氷の塊が霧散する。
「フレア・アロー!!」
「ダム・ブラス!!」
 同時に、シルフィールとアメリアが力ある言葉を解き放った。
 俺は近くに落ちていたガウリイの魔剣でフレア・アローを薙ぎ払い、ダ
ム・ブラスを避ける。
 ちらりと盗み見た3人の女達は、似合いもしない無表情に徹していた。
(操られているとでも、、、、、、?)
 一瞬脳裏を掠めた仮定に、俺は強く首を横に振った。
 例え操られていたとして、どうしてこいつらがここにいる?
 リナ達の死体は火葬したらしいし、シルフィールなど見るも無惨な姿にな
っていたはずだ。
 アメリアは埋葬だが、それにしたって100年は経っている今、こんなに
綺麗に体が残っているはずがない。
(もしも敵の誰かが、俺を動揺させるために幻覚を見せているのだとした
ら?)
 その考えも瞬時に打ち消される。
 それならば、アメリアの姿を16の時に戻した方が効果的だ。
 それくらいのこと、ゼロスやその他に関わった魔族が知っている。
 ならば、何故全員が死んだ時の年令の姿でここにいる?
「エルメキア・フレイム!!」
「グーム・エオン!!」
「ヴィスファランク!!」
 ガウリイ相手の時とは比べ物にならない程激しい魔術の攻防が繰り広げら
れ、俺は焦り始めていた。
 シルフィールは戦闘に向かない魔術ばかり修得しているが、それでもドラ
グ・スレイブを使える。
 アメリアはどうやら体術が16の時以上に上達したらしく、スピードが増
していた。
 リナなどは、呪文を唱える隙を見せるのが恐くて仕方が無い。
 氷付けになったガウリイの方はアリシアに任せ、3人と俺は対峙し続け
た。
 一番効率のいい闘い方は、こいつらを順々に殺していくこと。
 もう二度と立つことがないように。
 しかし、分かってはいても、躊躇いがあった。
 もちろん、手加減して勝てる相手ではない。
 だが、、、、、、、
(すまない、お前達の葬儀、誰のにも出席しなかったんだ、、、、、)
 場違いなことを思いながら、それでも俺は剣を振るった。



「、、、、、難儀なものですねえ、、、、、、」
 上空からゼルガディス達の戦闘を見下ろし、ゼロスはつぶやいた。
 やはり、こんなところで自分達と彼は違うのだと認識させられる。
 彼は、かつての仲間を殺すことにひどく躊躇いを感じていた。
 その点、自分達魔族はなんとも思わず涼しい顔で仲間を滅ぼすことが出来
るだろう。
 彼を仲間に引き入れたいと望んだ自分にとって、そんなことを発見してし
まう自分が嫌だった。
 昔からこうだ。
 いつもいつも彼は際どい境界線の上にいるくせに、ふいに人間らしい部分
を自分に見せつける。
 それも、絶妙のタイミングで。
 かつての仲間を完全には裏切ることの出来ないゼルガディスに、ゼロスは
深くため息をついた。
「まだ、人間でいたいんですか?」
 聞こえるはずのない問いを、ゼロスはそっと口にする。
 眼下では、押され始めたゼルガディスの姿があった。
 それを見つめるゼロスの顔には、いつもの笑顔ではなく、悲しそうに眉を
寄せる姿があった。




続く

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8033こんにちは!!+綺咲+ E-mail 2002/2/1 18:47:04
記事番号8025へのコメント

こんにちわ! 二度目の投稿です!!
なんだかこのツリー、始めましての方が多いんですネ・・・。

ゼルガディスは微妙な位置にいるんですね・・・。
完全な人間ではないとしても、人間でいたいんですかね。
人間の嫌な面とか、汚い面とかを見せられたとしても、綺麗な部分を信じたいんですね。
それで、ゼロスはそんなゼルガディスが欲しいと・・・(笑)
何ですかねぇ。今回の事は、ゼロスの企みか何かなんですかね・・・?
ゼルガディスにもゼロスにも、どっちにも頑張ってもらいたいですね!!
さぁ、ゼロス。さっさと奪っちゃいなさい!!(ヲィ)

それでは。短いですけどどれでっ!
amyさん、どんどん頑張ってくださいね!!


綺咲

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8041どうも!amy E-mail 2002/2/3 16:12:07
記事番号8033へのコメント

綺咲さんへ

>こんにちわ! 二度目の投稿です!!
>なんだかこのツリー、始めましての方が多いんですネ・・・。
   こんにちは。
  そうですね、初めましての方が多いです。
   結構前の時とブランクがあるからでしょうか?


>ゼルガディスは微妙な位置にいるんですね・・・。
>完全な人間ではないとしても、人間でいたいんですかね。
>人間の嫌な面とか、汚い面とかを見せられたとしても、綺麗な部分を信じたいんですね。
>それで、ゼロスはそんなゼルガディスが欲しいと・・・(笑)
>何ですかねぇ。今回の事は、ゼロスの企みか何かなんですかね・・・?
>ゼルガディスにもゼロスにも、どっちにも頑張ってもらいたいですね!!
>さぁ、ゼロス。さっさと奪っちゃいなさい!!(ヲィ)
    詳しく読んで下さってありがとうございます!
   こうやって感想を書かれたりすると
 『ああ、本当にちゃんと読んでくれてるんだなあ、、、』
   というのがひしひしと伝わってきますううううう!!!
   あーもー幸せ!!!(壊)


>それでは。短いですけどどれでっ!
>amyさん、どんどん頑張ってくださいね!!
  本当にありがとうございます!!!
    ぜひぜひ頑張らせていただきます!
  応援していて下さい!!


    amyより

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8043あなたの望みは何ですか? 第十四話amy E-mail 2002/2/3 17:11:50
記事番号8025へのコメント


「ガルク・ルハード!!」
「ゼラス・ブリッド!!」
 どごおん!!!
 俺とリナの魔力が真っ向から衝突し、大爆発した。
 その土煙にまぎれて、人の影がこちらへ突き進んでくる。
「はあっ!」
 かけ声と共に魔術で強化した拳を振り上げてきたのは、アメリアだった。
 あえて剣で受けるようなことはせず、体を思いきり捻ってその拳をさけ
る。
 いかに魔剣であろうとも、ヴィス・ファラングをかけてあるアメリアの拳
相手では折れる可能性もあるし、岩の肌にもその拳は強い衝撃を与える。
 綺麗に避けるのが一番の安全策だった。
「フレア・アロー!!」
 ちょうどそこへ、後ろの方から呪文を解き放つ声が聞こえた。
 振り向くとそこにはシルフィールの姿。
「!しまっ、、」
 どんっ!!
 リナ達と比べればいささか威力に欠けるとはいえ、それでも攻撃呪文。
 シルフィールのフレア・アローが横腹に直撃し、たまらず俺は横に吹っ飛
ばされた。
 どざあっ!!
 体全体で地面を抉りながら、俺は剣先を上に向けて振った。
 きんっ!!
 高い音を立てて短剣が俺の剣に薙ぎ払われ、向こうへ飛んで行く。
 やはり、思った通りだった。
 リナが携帯している短剣に魔力を込め、投げ付けてきたのだ。
 やはり戦闘時の癖は抜けきっていないらしい。
 勢い良く立ち上がりながら、俺は呪文をさらに解き放った。
「アーク・ブラス!!」
 ばぢいっ!!
 電撃が辺りを舞い、いくつかの悲鳴が聞こえた。
 威力のセーブされた魔術だ、死ぬようなことはあるまい。
 しかし、しばらく動けなくなる程度の威力はあるはずである。
「ボム・スプリッド!!」
「バルス・ウォール!!」
 聞こえてきたリナの攻撃呪文に、俺は即座に防御決界を張った。
 強い炎をいなし、俺は辺りを見回す。
 どうやら先程の呪文を食らったのはシルフィールとアメリアだったらし
い。
 2人は地面に伏し、気絶していた。
「、、、、やはり、リナにはこんな小手先の呪文は効かんな」
 一人つぶやいて、リナとの距離を一気に縮める。
 リナは剣もある程度扱えた。
 それは一人で旅をし、闘いに勝利するためには魔術だけではダメだったこ
とを意味する。
 ガウリイの旦那と一緒に行動するようになってからは、その心配も失せて
いたようだが、、、、、
「剣の腕なら、俺の方が上だ!!」
 そう、例え魔術の腕で負けていたとしても、剣で彼女に負けるはずがな
い。
 シャッ!!
 俺の振った剣を危うく避け、リナは俺から距離を取ろうと後ろに下がる。
 賢明な判断だった。
 剣の腕で勝ち目がない以上、相手と距離をとり、強力な魔術で倒すしか方
法はない。
 しかし、それを知っている俺はそれを許すことはしなかった。
 さらに勢い良く距離を縮め、剣を振るう。
 きいんっ!!
 腰にさしてあったレイピアで俺の剣を受けたが、リナの細い手ではその衝
撃を支えきれなかったらしく、虚しく宙へ飛んで行く。
 そのままの勢いで腹部に剣の柄をめり込ませ、倒れた所に加減したディ
グ・ボルトをかける。
 電撃に、リナは失神した。
 俺はやっとの思いでその場に立ち、肩で荒く呼吸をする。
 リナ達の闘いの癖は知っていた。
 俺はそれを踏まえた上で攻撃を仕掛けているのである。
 加えて、どうやらリナ達の方は俺の癖など覚えていないらしい。
 例えどんなに苦戦しようとも、こちらが負けるはずもなかった。
 ガウリイをまずは動けないようにして、リナとの連携プレイをさけたのは
我ながらいいアイディアだったと思う。
 彼等にはそれぞれ弱点がある。リナは剣術が未熟、ガウリイは魔術が使え
なかったのだ。
 この2人は揃うとやっかいな相手だが、一旦バラしてしまえば何とかな
る。
 今さながらに、魔術と剣術共に扱えたことに安堵した。
 さらに言うならシルフィールは攻撃呪文にどちらかというと疎い。
 攻撃呪文の際の防御や回復に関しては警戒していたので、どうにかなっ
た。
 仲間の防御も回復も難しいように、あえて彼女を狙っていたのだ。
 アメリアの方はもっと簡単だった。
 彼女も剣術が使えない。
 そのせいか彼女は剣に対する警戒心が強く、よく目で追う癖があった。
 そこで彼女へは剣術ではなく魔術を叩き込むことに専念した。
 これらのことは何度も言うようだが、俺が彼等の癖を知っていたからこそ
出来たのである。
 ただでさえ強い部類に入る者から上しかいないこいつらと、1対4の状態
で勝てるはずがないのだ。
 彼女達が俺の癖を覚えていて、そこを狙われたら、例え相手が2人でも勝
てたかどうか自信がない。
「、、、、ラファス・シード」
 かつてアメリアに教えてもらった呪文で、彼女達3人を拘束する。
 気絶しているとはいえ、彼女達のしぶとさをこの目で見て来た俺にとって
は安心できる状態ではなかったからだ。
 大きく息をつき、俺は3人との戦闘が始まってからは初めて、ガウリイの
方を振り向いた。
 どうやらアリシアはひたすらフリーズ・アローを唱えていたらしく、ガウ
リイは先程以上に氷付けになっていた。
「アリシア」
 呼ぶとアリシアが勢い良く振り返った。
「こちらは終わった」
 言うと同時に、アリシアの体から力が抜けて行き、へなへなとその場に崩
れ落ちる。
「、、、、、、、、良かった」
 シルフィール達が気絶しているだけであることに気付いてか、アリシアは
ポツリとそう呟いた。




「ゼルガディスさん、お見事です」
 ぱちぱちぱち、、、と、馬鹿にしているとしか思えない拍手をしながら部
屋に入ってきたのは、案の定ゼロスだった。
 がたんっっ!!!
 突然の出現に驚き、アリシアが椅子から転げ落ちる。
 対して俺はひどく冷静だった。
「、、、、これは貴様の差し金か?ゼロス」
 俺のつぶやきに、ゼロスはにっこりと微笑む。
「ええ」
 いけしゃあしゃあと言い放ち、壁へもたれた。
 あれから俺とアリシアは宿へ戻り、拘束してある4人をとりあえず部屋に
転がして置く事にした。
 悲鳴の聞こえた村の方へいってみると、数人の男衆がケガをして唸ってい
る。
 慌てて俺はリカバリイを、アリシアはリザレクションを唱え、治療してい
ったのである。
 わけも分からぬまま攻撃され、戸惑っていた村びとに事の次第を説明し、
急いで部屋に戻り席についた途端にゼロスが入ってきたのである。
 アリシアはちょうどほっと一息ついた途端の出来事であったのだろう。
 先程の戦闘時以上に狼狽していた。
「ゼロス!?これがあの有名な高位魔族の、、、、獣神官ゼロス!!」
 アメリアやシルフィールの手記に大きく載っていたのは何も俺ばかりでは
ない。
 ゼロスもきっちりはっきり明記されていた。
 ダーク・スターとの闘いを見ているアメリアの日記にはそう酷いことは書
かれていないが(それにしたって、『悪の手先』だの『陰険魔族』だのと好
き勝手書かれてはいる)、シルフィールの手記にははっきりとゼロスがどう
いった存在で、どういう性格の持ち主なのか、また、普段は一体どんな姿を
とっているか詳細に書かれている。
 アリシアがゼロスを知っているのは不思議でもなんでもなかった。
「予想通り、素晴らしい戦いぶりでしたよ、ゼルガディスさん。
     もしあの4人に負けてしまったらどうしようかと思いまいした」
「白々しいことを」
「いえ、本心ですよ。僕個人としての」
 いたってにっこりと、ゼロスは微笑みながら言う。
 俺はぎろりと奴を睨み、あらかじめ呪文のかけてあった短剣を取り出す。
 ひゅうおっ!
 すかん!
 投げた短剣を、ゼロスはひょいと避けた。
 そのまま後ろの壁に垂直に刺さり、短剣から赤い光が消えて行く。
「あれは一体どういうことだ?」
 俺の問いに、ゼロスは少々表情を崩した。
 不快そうに。
「?」
 珍しいゼロスの表情に、俺は眉を寄せる。
「、、、、上司の命令でしてね。
   僕だって、あういうのは好みじゃないんです」
 ぽつりと、ゼロスはつぶやいた。


  続く

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8047あッ、発見!! Σ(・△・)+綺咲+ E-mail 2002/2/4 18:44:44
記事番号8043へのコメント

こんにちわっ! また来ました!! (>▽<)*


>「ゼルガディスさん、お見事です」
> ぱちぱちぱち、、、と、馬鹿にしているとしか思えない拍手をしながら部
>屋に入ってきたのは、案の定ゼロスだった。
はわっ、悪の神官の登場だっ。


> 対して俺はひどく冷静だった。
>「、、、、これは貴様の差し金か?ゼロス」
> 俺のつぶやきに、ゼロスはにっこりと微笑む。
>「ええ」
> いけしゃあしゃあと言い放ち、壁へもたれた。
あああ、やっぱり貴方の仕業でしたか・・・。
もー、そんなことばっかりしてるから、いつまでたってもゼルに好意を寄せられないんだぞぅ。 (`3´)


>「ゼロス!?これがあの有名な高位魔族の、、、、獣神官ゼロス!!」
> アメリアやシルフィールの手記に大きく載っていたのは何も俺ばかりでは
>ない。
> ゼロスもきっちりはっきり明記されていた。
> ダーク・スターとの闘いを見ているアメリアの日記にはそう酷いことは書
>かれていないが(それにしたって、『悪の手先』だの『陰険魔族』だのと好
>き勝手書かれてはいる)、シルフィールの手記にははっきりとゼロスがどう
>いった存在で、どういう性格の持ち主なのか、また、普段は一体どんな姿を
>とっているか詳細に書かれている。
有名人・・・?
・・・こういう有名人って・・・(汗)
その前に、人ではないですねー・・・


>「予想通り、素晴らしい戦いぶりでしたよ、ゼルガディスさん。
>     もしあの4人に負けてしまったらどうしようかと思いまいした」
>「白々しいことを」
>「いえ、本心ですよ。僕個人としての」
> いたってにっこりと、ゼロスは微笑みながら言う。
> 俺はぎろりと奴を睨み、あらかじめ呪文のかけてあった短剣を取り出す。
> ひゅうおっ!
> すかん!
> 投げた短剣を、ゼロスはひょいと避けた。
うん。負けてしまわれては、あたしも困ります。
っていうか、仕組んだのは貴方でせう!!
あぁ、でも本心では・・・いやでも・・・
・・・短剣・・・あんまり効かなさそうだな(何)


>「、、、、上司の命令でしてね。
>   僕だって、あういうのは好みじゃないんです」
> ぽつりと、ゼロスはつぶやいた。
そーだったのですか・・・それじゃしょうがないですね・・・。
それで、あえて想い人(爆死)を攻撃ですか。切ない恋心ですネv(違)
どのような命令だったのかなぁ?
どれ・・・


>  続く
ってあわわ、続いてる・・・!?
あぅ〜気になります〜(T△T)
ゼロスー!なんだったんだよーぅ!!


amyさん、今回もまた、絶妙なところで切りましたネ。
とっても気になっている次第です、はい。
ゼル、大丈夫だよ、きっと。
君なら乗り越えられるはずさっ!・・・たぶん(ヲィ)
私的に、ゼルにはもう少し、ゼロスと仲良くしてもらいたいですねぇ・・・おそらく、っていうか決定的に駄目でしょうけど(笑)
でも、ゼルはきっと、何かを見つけられるでしょうね。


それでは、次回も楽しみにしています、はい、もぅ本当に!!
応援してます。頑張って下さいっ!!


綺咲でした☆

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8065御来店ありがとうございま〜す♪amy E-mail 2002/2/7 18:51:44
記事番号8047へのコメント

綺咲さんへ

>こんにちわっ! また来ました!! (>▽<)*
  こんにちは!そしていらっしゃいませ!(大笑)
   またレスをいただけて嬉しいです!
  これからもどんどかレスっちゃってください!!!

>>「、、、、上司の命令でしてね。
>>   僕だって、あういうのは好みじゃないんです」
>> ぽつりと、ゼロスはつぶやいた。
>そーだったのですか・・・それじゃしょうがないですね・・・。
>それで、あえて想い人(爆死)を攻撃ですか。切ない恋心ですネv(違)
>どのような命令だったのかなぁ?
>どれ・・・
  うちのゼロスは他のもんでゼルをいじめるのは好みませ〜ん。
    どっちかというと自分でいじめ、、、げふ!(破壊音)
   、、、だって、本当のことなのに、、、、ぐがはあ!!(斬激音)


>>  続く
>ってあわわ、続いてる・・・!?
>あぅ〜気になります〜(T△T)
>ゼロスー!なんだったんだよーぅ!!
  『それは秘密です♪』なんちゃって♪


>amyさん、今回もまた、絶妙なところで切りましたネ。
>とっても気になっている次第です、はい。
  ふふふ、生殺しのamyとお呼び下さい(爆笑)
    絶妙ですか、良かった。
   区切り方、変かなーとも思ったのですが、、、、
     区切る時も始める時も中途半端じゃないかってびくびくする
  んですよね。気をつけなくちゃ。


>ゼル、大丈夫だよ、きっと。
>君なら乗り越えられるはずさっ!・・・たぶん(ヲィ)
>私的に、ゼルにはもう少し、ゼロスと仲良くしてもらいたいですねぇ・・・おそらく、っていうか決定的に駄目でしょうけど(笑)
>でも、ゼルはきっと、何かを見つけられるでしょうね。
   仲良く、、、ですか、、、、、
  ううみゅ、、、結構後の方に仲良くする場面入れるつもりですが、、、
  、、、、、果たしてあれは仲良しと形容していいのかどうか、、、、
   、、、、、微妙です。


>それでは、次回も楽しみにしています、はい、もぅ本当に!!
>応援してます。頑張って下さいっ!!
  ありがとうございます!!!
    ぜひぜひ頑張らせていただきます!!!
   これからもどうかご応援よろしくお願いします!!!!



       amyより

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8067あなたの望みは何ですか? 第十五話amy E-mail 2002/2/7 20:52:06
記事番号8043へのコメント


「獣王の命令、、、、、だと?」
「ええ」
 表情をすっといつも通りに戻して、ゼロスは頷く。
 俺は怪訝そうに眉を寄せた。
「どういうことだ?
   その命令の意図が分からん」
「簡単なことですよ、でも、その前に」
 言って、ゼロスはもたれていた壁から身を離し、俺の方へ近付いてくる。
 咄嗟に口の中で呪文を唱え出す俺をの顎を、ゼロスが片手で押さえ付け
た。
「、、、攻撃するつもりはありませんよ?」
 手に力を込め、俺に呪文を唱えさせないようにするゼロス。
 痛みに、俺は口を閉じて耐えた。
 必然的に、呪文を唱えられなくなる。
 その様子を見て悟ったアリシアが転げ落ちた状態のままだった体を勢い良
く起こし、戦闘体勢に入る。
 しかし、ゼロスは慌てることもなく微笑んだ。
「攻撃するつもりはないと言っているでしょう?」
「魔族の言葉など、信用できません!!!」
 言い切るアリシアに、ゼロスはくすりと笑った。
「安心して下さい。
  僕達魔族はウソをつけない体質なんです。残念ながらね」
「真実全てを話しているとも思えません。
  『攻撃』するつもりがなくとも、
    『殺す』つもりはあるかもしれないでしょう?!」
「なるほど」
 アリシアの言葉に、ゼロスが感嘆の声をあげる。
 その通りだった。
 ゼロスはウソをつかない、そのかわりに真実全てを話すことも少ない。
 言葉を巧みに操り、相手をそうと誤解させるうような言葉を吐いて姿を消
すのが常であった。
「では言い直しましょう。
  僕は攻撃するつもりも害をなすつもりも、、、
   ましてやゼルガディスさんを殺すつもりもありません」
「じゃあゼルガディスさんから離れて!!」
「別に離れても構いませんが、、、、、
  そんなことを貴方に指図されるいわれはありませんよ?アリシアさん」
 ゼロスがそう言った時、俺は俺の顎を掴んでいるゼロスの腕をがしっと掴
み返した。
 いい加減に離せ、という意思表示のつもりである。
 それに気付いたのか、ゼロスはすぐに手を離した。
「、、、それで?『その前に』、なんだ?」
 ゼロスの先程の言葉をまねて、俺は尋ねた。
 『その前に』という言葉の後から続きが出ていない。
「ああ、失礼しました。
  その前に、もう一度聞かせて下さい」
「何だ」
 薄々気付いてはいたが、一応次の言葉を待つ。
 するとゼロスは視線を横へ投げ出した。
「、、、、これで最後です。
   我々魔族の側へつきませんか?」
「なっ!」
 ゼロスの言葉に激しく反応したのはアリシアだった。
 一気に顔色を変え、ゼロスにくってかかる。
「ふざけないで!
  ゼルガディスさんを引き入れてどうしようと言うんです!」
「アリシア」
「アメリア様達でゼルガディスさんを襲わせておいて!
      一体全体何を考えているんですか!そんなこと皆が、、、」
「アリシア!」
 一喝した俺の声に、アリシアの体がびくりと震えた。
 言いかけたことすら中断し、アリシアは伺うようにこちらを見る。
 次いで、ゼロスもこちらに視線を寄せた。
 2人ともが俺を注目する中、俺は深く呼吸をし、息を整える。
 そして口を開いた。
「ゼロス、その問いに関しては今まで何度も答えたな」
「ええ、それでも」
「、、、、答えは、、、、」
 縋るようなゼロスの視線から自分の視線を外し、俺はもう一度息を整え
た。
 ゼロスは言ったのだ。
 『これで最後です』と。
 つまり、魔族側につくのならこれが最後のチャンスだ、と。
 ここで断れば金輪際敵としてしか相対することはないと予告しているの
だ。
 それでも、
「Noだ」
 ゼロスの表情に、また、影が入った。





 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンの日記。
 この日記はアメリア女王の直筆によるものである。
 彼女が当時、セイルーン王家の第ニ皇女であった15の時からの日記だ。
 その頃は聖王都といえどもお家騒動が頻繁にあり、世界全体がごちゃご
ちゃとしていた時代だ。
 彼女はその当時、姉が魔術の修行の旅にでており行方知れずだった。
 それに感化されたのか、彼女もお忍びでよくあちこち旅へ出ており、その
時に出会った仲間達が主に『デモン・スレイヤーズ』と呼ばれる。
 日記によれば、仲間の中でリーダー・シップをとっていたのはアメリア女
王ではなく、最も魔力の強かったリナ=インバースであった。
 栗色の腰まで届く長い髪と赤い瞳を持つ少女。
 彼女は弱冠16才でありながら、当時すでに数々の異名を持っていた。
 (注釈:『盗賊殺し(ロバーズ・キラー)』『ドラまた』など)
 アメリア女王の解釈によれば、彼女は魔術だけでなく、頭脳も素晴らし
かったのだという。
 多少押しが強く、食い意地がはってはいたが、人助けの時、最後の最後に
は結局嫌とはいえない性格だったのだと言う。
 その相棒のガウリイ=ガブリエフ。
 長い金髪に青い瞳の美青年だったという。
 魔術は使えないものの、あの光の剣の継承者で、一流の腕を使って魔族達
を倒していったらしい。
 物覚えが悪く、食い意地がはっていたが、とても温和で優しい人物だった
らしい。
 本人はリナ=インバースの保護者を自称しており、常にその隣にいたらし
い。
 本人達は否定していたが、アメリア女王は2人が恋仲なのではと思ってい
たようである。 
 当の本人、アメリア女王はどうやら4人目のゼルガディス=グレイワーズ
に対して、少なからず好意を持っているようだ。
 彼は魔術の師に裏切られ、キメラと化されている。
 青黒い岩の肌に銀色の糸の髪。
 異形と化したその姿はそれでも美しい容姿を保っていたのだという。
 師によって裏の世界に引きずり込まれ、名を馳せたが改心し、足を洗った
のだという。
 (注釈:『白のゼルガディス』『レゾの狂戦士(バーサーカー)』など)
 自分の姿を元に戻すために、彼はクレア・バイブルを探す旅をしていたら
しい。
 自分の姿を一目にさらすことを嫌悪し、いつも白ずくめで、フードなどで
体をすっぽりと隠していたそうだ。
 性格は至って冷静、明るいわけではないようだ。それでも優しい人だと、
アメリア女王は繰り返し書いている。
 他にもシルフィール=ネルス=ラーダなどの友人もいるが、彼女達は当
然、すでに死亡している。
 (注釈:『シルフィール=ネルス=ラーダの手記』は有名)
 しかし、ゼルガディス=グレイワーズの葬式はあげられておらず、死体を
発見したという報告もない。
 また、ゼルガディス=グレイワーズの名前で遺跡の発掘に参加した人物が
いることが記録に残っており、その人物も白ずくめという風体でいたことか
らキメラ化によって成長が止まり、生き続けている本人ではないかという説
も往々にして、、、、、、
 そこまで読んで、アリシアは手元の本を閉じた。
 表紙には『デモン・スレイヤーズの伝説』と銘打ってある。
 この手の本はどこにでも大量にあった。
 こういった本を読んでそれぞれの人物のイメージを作っていたが、自分の
イメージが現実にぴったりとおさまるとは限らない。
 アリシアはそう思った。
 ゼロスに関する記述については、特に。
 だって、、、、
(魔族があんな風に悲しんだりするとは思わなかったもの)
 Noと答えられた時のゼロスの表情は筆舌につくしがたい。
 彼は、とても悲しそうだった。
(不思議ね、敵同士で嫌い合っているとばかり思っていたのに)
 小さくため息をついて、アリシアは本をテーブルに置いた。



  続く

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8068やっぱり珈琲ですかねぇ・・・(何)+綺咲+ E-mail 2002/2/8 19:15:32
記事番号8067へのコメント

ああ、気が付けばまた、amyさんのカフェへ・・・(違)
生殺しのamyさん、ショートケーキと珈琲をひとつ・・・
ゑ?まず読むんですか。合点です姉御、読みまくらせて頂きますとも!


> 咄嗟に口の中で呪文を唱え出す俺をの顎を、ゼロスが片手で押さえ付け
>た。
>「、、、攻撃するつもりはありませんよ?」
> 手に力を込め、俺に呪文を唱えさせないようにするゼロス。
> 痛みに、俺は口を閉じて耐えた。
> 必然的に、呪文を唱えられなくなる。
・・・これです姐さんっ!
ひとにやらせるのが嫌いで、自分でいぢめるほうが好きって、これなんですかっ!?
・・・ちょっと違うかな・・・(汗)
でもいいさ、見てて面白いから・・・v
・・・ん?あ、これはゼルさん・・・え、なぁに、その右手に握られたハンマーは・・・(にっこり笑顔で返される)
え、ちょ、ちょっとまったぁっっ!!!(鈍い音がする)


> 縋るようなゼロスの視線から自分の視線を外し、俺はもう一度息を整え
>た。
> ゼロスは言ったのだ。
> 『これで最後です』と。
> つまり、魔族側につくのならこれが最後のチャンスだ、と。
> ここで断れば金輪際敵としてしか相対することはないと予告しているの
>だ。
> それでも、
>「Noだ」
> ゼロスの表情に、また、影が入った。
可愛そうなゼロス・・・またふられてしまって・・・(笑)
でも、やっぱりゼルは人間でいたいから、しょうがないですよね。
はぅあ、敵対しちゃったら、ゼロゼル仲良し計画がぁぁっ!(爆)


そうですか、ちょっとだけ仲良くなりますか・・・
え?仲良しっていえないかもって??
・・・大丈夫です、楽しければいいんです!!(ヲィ)
そしてゼロス・・・だから何なんだよぅ、上司からの命令って・・・秘密だなんて言わないで、教えてよぅ(T○T)


それでは、珈琲とケーキ、どうもでした(笑)
また読みに来ます!次も楽しみにしてます!!
それでは、頑張って下さい!!


綺咲でした☆

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8069はわっ! もう2話も出てる!ティア 2002/2/9 10:30:49
記事番号8067へのコメント


 amyさん、書き込み遅れてすみません〜
 
 地獄の進学試験が、やっと終わってパソコンが使えるように
 なりました(嬉涙)
 
 ・・・なんなんですか、獣王の命令って!!
 もうわかるかな♪っておもってたのに!!
 く〜、さすが、『生殺しのamy』さん・・・!
 
 ゼル、ゼロスの誘い、断っちゃいましたね・・・
 でも、最後のほうで、仲良しの場面いれてくれるんですね!!
 すっごい期待してます〜

 次回が待ちきれないです!
 それでは、がんばって下さい!
   
                 ティア

 


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8034はじめまして4vv(まて)羅琴みつき 2002/2/1 19:36:32
記事番号7963へのコメント

はじめまして、amyさん。みつきです。
今回初めてレスを書きます。

この作品の感想でなくて、本当に申し訳ないんですが、『赤い瞳』の感想いきます!!

あたしが赤い瞳をはじめて目にしたのは、今から一年と半年ほど前のことでした(で、今更?)。過去記事あさってたらタイトルにまず惹かれたのです!リナさんの話だと思って(←リナさん大好き)!!

んで。
当時あたしは小学生でして、夏休み明けにやらされた、『私のオススメ本紹介』とゆープリントに、さりげなく赤い瞳と書くくらい好きになりました>▽<!!!
ストーリーの展開は目が離せませんでしたし、とにかく描写がうますぎでした!あたしがどうしても書けない戦闘シーン……って言うんですかね……も!完璧でしたーーー!!!

amyさんの作品は、いつもタイトルから来るんですよ。あたしに(何が)。
『植民地』や『小さな鉢植え』、『硝子の都』に『死神降臨』!!どれをとってもステキですvv
まだ全部読んだわけではないので、少しずつ、ゆっくり読んでいきますvvv


では、突然支離滅裂なレスを送り付けてすいません;
これにてー。

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8042おお!4人目!!amy E-mail 2002/2/3 16:19:30
記事番号8034へのコメント

羅琴みつきさんへ

>はじめまして、amyさん。みつきです。
>今回初めてレスを書きます。
  こちらこそ初めまして。
  わざわざのレス、本当にありがとうございます!!


>この作品の感想でなくて、本当に申し訳ないんですが、『赤い瞳』の感想いきます!!
  全然申し訳なくなんかありません!どうぞ!!!


>あたしが赤い瞳をはじめて目にしたのは、今から一年と半年ほど前のことでした(で、今更?)。過去記事あさってたらタイトルにまず惹かれたのです!リナさんの話だと思って(←リナさん大好き)!!
 ああ、そう言われてみれば。そんなに昔だったんですね、、、(遠い目)
    思い出すだけでとても懐かしひ。


>んで。
>当時あたしは小学生でして、夏休み明けにやらされた、『私のオススメ本紹介』とゆープリントに、さりげなく赤い瞳と書くくらい好きになりました>▽<!!!
>ストーリーの展開は目が離せませんでしたし、とにかく描写がうますぎでした!あたしがどうしても書けない戦闘シーン……って言うんですかね……も!完璧でしたーーー!!!
  ありがとうございますーーーーーーーーーーーー!!!(感激中)
    そ、そこまで言っていただけるなんて!!!
   光栄ですううううう!!!嬉しいよおおおおおおおおお!!!!
 『私のオススメ本紹介』にまで書いていただけるなんて!!!!!


>amyさんの作品は、いつもタイトルから来るんですよ。あたしに(何が)。
>『植民地』や『小さな鉢植え』、『硝子の都』に『死神降臨』!!どれをとってもステキですvv
>まだ全部読んだわけではないので、少しずつ、ゆっくり読んでいきますvvv
  うわああああん!!嬉しいよおおおおおおお!!!!(感涙)
   ありがとうございます!本当にありがとうございます!
  タイトルはあんまり自信がなかったんですよ。
   安直すぎるかなー、って。
    それなのにタイトルを気に入って下さるなんてっっっ!!!!
   無茶苦茶嬉しいです!!
  こんな私なんかの小説、全部読んで下さるんですか!!??
   本当にありがとうございますうううううう!!


>では、突然支離滅裂なレスを送り付けてすいません;
>これにてー。
  全然支離滅裂じゃありませんよ!!
   本当の本当にありがとうございました!
   これからもがしがし小説書かせていただきます!!


    amyより