◆−さう゛ぁいばる・だんす[その3]−makoto(1/3-18:26)No.2606
 ┗さう゛ぁいばる・だんす[その4]−makoto(1/5-05:57)No.2608


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2606さう゛ぁいばる・だんす[その3]makoto 1/3-18:26






「またか・・・・」
「また?」
男の言った言葉にきょとんとするアメリア


――あの事件の後、しばらくして目が覚めたアメリアは、近くにあった街へ直行し、役所に駆けこむと、そこらへんにいた役人らしい男をとっ捕まえ、ことの経緯を語った

・・・・事情を知らないひとがもしそこにいれば、通りすがりの男の襟首を掴んで、正義の演説をしているよーにしか見えない、という説もあるが、それは伏せておく

当初は興奮した見知らぬ女の子にいきなり襟首つかまれて、
「私が悪かった」「化けてでないでくれ」
など、謎の発言をしていた男だったが、『誘拐』というフレーズが出てきたところで、ため息とともに出てきた言葉がそれだった


「『また』ってどうゆうことですか?」
男はハッとして周りを見まわし、誰もいないことを知ると、
ホッとしてアメリアの方へ顔を向けた
そして、急に厳しい顔をする
「・・・・・実は、最近この街では、誘拐が多発しているんだ」


「・・ええええっっっっっっーーーーーー!!」


やたらにど派手なリアクションで騒ぐアメリア
「こ、声がでかい・・・・」
異様に慌てる男を気にもとめず、
「なぜそんな大事件を放っておくのですか!?」
机の上に登り、男を指さすアメリア
「な、なぜって言われても・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・こっちが聞きたいくらいだ」
最後の方の言葉は、半ば独り言のようにつぶやく男
アメリアはまたきょとんとすると、言った
「あなたは、ここの役人ではないのですか?」
「あ、いや・・・・・・・・・・、
 一応、私たちもそのことを捜査していたんだが、
 不思議なことに、目撃者がいないんだ」
「いないって、一人も、ですか?」
眉をひそめるアメリア
男はうなづき、言った
「一人も、だ
 いままでいなくなった人間は、数十人にもなっているのに、だぞ
 誘拐団の存在も考えられ、捜索もしたが、いくらなんでも一人も目撃されずに、
 白昼に消えるなんて無理がある
 しかも、身代金などの要求もなしだ」
「むー」
頭をかかえるアメリア
「そんなこんなで、結局、上からの命令で捜査は打ち切られたんだ」
「でも、さっき『多発している』って言ったじゃないですか!?」
「そのいなくなった人達ってのが、旅人や街の住人でも身寄りがないやつばかり
 だったんだ、
『正式な届けがない』のが理由だそうだ・・・・・
 ま、たしかに、目撃者がいないってことは、本人が見つけて欲しくないのだろう と解釈できなくはないがな・・・・・・・」
しばらく黙り込んだあと
「――許せません!!
 誘拐などという、れっきとした犯罪を犯したものを模倣するなど愚の極み、
 すぐさま捕まえて正義の裁きを受けさせるべきです!!」
「し、しかしだね、上の命令が・・・」
「そうと決まれば犯人を探すのみ!!」
そう言い放つと、アメリアは外へダッシュで走り去った



                          続く(かも)
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コンニチワ、makotoです

この作品は数ヶ月前に書いていたのですが、
ふと気づけば、記事が流されてるわ、お正月になってるわで、
・・・・時の流れははやいですな〜(しみじみ)
と、ぼけている場合ではなひ
ともかく、今度の記事で終わらせるのが目標です(ああ、言ってしまった(わ)
できるだけ、がんばりますので暖かい目で見てやってください


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2608さう゛ぁいばる・だんす[その4]makoto 1/5-05:57
記事番号2606へのコメント






アメリアは、役所を飛び出すと、街中に犯人を探してまわった
しかし、当然ながら、そんな方法で見つかるはずもなく、
それどころか、道に迷ってしまったのであった

「むー、正義のピンチです」
そんなことを言いつつ、歩きまわるアメリア

この街自体は、それほど大きいというわけではないのだが、
とにかくやたらに道が多いのだ
大通りからちょっと外れた横道から、またさらに横道が続いていて、
そこへ入れば、また横道と、ほとんど迷路のような状態の上、今はもう夜、
はっきり言って、人探しどころか、自分が探される側になりに行くよーなものである


「よお、お嬢ちゃん」
アメリアが声の方へ振り返ると、役所で会った男が立っていた

「あ、あなたは・・・・・・・・!!」

「やっぱり迷ってたみたいだな
 ここらへんは迷う人が多いから、追いかけてきたんだ」





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰でしたっけ?」





――ズゴケッッ!!

男はまともにズッこけた
「さ、さっき会っただろーが!!
 もう忘れたのか!?」

「やだな〜、冗談ですよ」

「・・・・・・・・・・・・・・ま、まあ、それはいいとして、だ
 とりあえず、大通りへ戻った方がいいぞ
 さっきも言ったが、ここらへんは・・・・」



「・・・そこまでにしてもらうぞ、小娘」



低く抑えた声が響く

それとほぼ同時に、何個かの人影が物陰から出てくる
アメリアと男のまわりに、数人の黒ずくめが立ちふさがっていた

「言っておくが、今度はこの前のようにはならんぞ
 なぜなら、我らには切り札があるのだからな・・・」

「・・・まさか、『魔法には魔法を』とか言って、
 魔道士を連れてきたのですか!?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜわかった?」





しばし、寒い空気が両者の間を通っていった






その均衡を破ったのは、リーダー格らしい黒ずくめだった
「・・・・うむ、わかったから、ちょっと黙っておけ」
「おいっ、今のは大ウケのはずだろ?!」
寒いことを言った黒ずくめが反論する
「わかった、
 お前の気持ちはよくわかったから、
 黙って後ろでのの字を書いておいてくれ、とても重大な任務だ」
まだなにやら騒ぐ黒ずくめを、他の黒ずくめがどこかへ連れていってしまった
そして、その場にアメリアたちと黒ずくめがとり残された
「・・・と、ともかくだな、お前にちょろちょろされると迷惑なんで、
 消えてもらおうってことだ、・・・・って小娘はどこだ!?」

ふと黒ずくめたちが気づくと、アメリアの姿はどこにもなかった

「くそ、逃げられたか、追え!!」





「待ちなさい!!」

夜の裏道に声がこだます




「ど、どこだ」
「あ、あそこにいるぞ!」


いつの間にやら、アメリアはよそのベランダに立っていた


「天に背く悪たちよ!
 罪なき人々を恐怖に陥れる闇を砕くため、
 世に真実と愛の光をかざすため、
 悪を倒せと人が呼ぶ
 正義の御名のもと、
 おとなしく裁きを受けなさい!!」
 



「とぉ!!」
ベランダから飛び降りた!



ごきばきっ!!



まともに地面とキスをするアメリア
「だ、大丈夫か、嬢ちゃん?」
一応、駆け寄る男、
「大丈夫です!
 この程度で正義はくじけませんから!!」


「今日は厄日か?」
「さあ?」
なんだか黒ずくめたちが話しあっているのを尻目に、
ポーズを決めてアメリアは言った


「さあ、観念しなさい、あなたたちの悪巧みはわかっています!
 誘拐した人々を返しなさい!!」


「――ほう、そこまで知ってしまったのか・・・・
 ならば、よけいに生かしてはおけんな」
黒ずくめたちの気配が、さっきとはうってかわって殺気がみなぎった

誰もが、戦いが始まると思った瞬間、




それは、唐突に聞こえた





                         つづく
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あとがき

ども〜、makotoです
ようやく気づいたのですが、この作品を途中から見ているひとは何がなんだか
わかりませんよね?(^^;;
うーむ、最初にあらすじを書くのを忘れたなんて、口がさけてもいえない(爆
ちなみに、これまでのあらすじは著作品のところを読めばわかるので見てね(わ