◆−【菊花的定】−キツネノテブクロ (2008/9/7 17:12:58) No.18460
 ┣上と同じバットエンドっぽいゼルアメ−キツネノテブクロ (2008/9/9 19:12:59) No.18461
 ┃┗Re:上と同じバットエンドっぽいゼルアメ−風 (2009/1/2 23:12:24) No.18467
 ┃ ┗レス返しが大変遅くなりました。−紫清 月季花 (2009/10/30 11:08:27) No.18543
 ┗ガウリナ版『吉備津の釜』何故かギャグ?−紫清 月季花 (2009/11/2 11:10:59) No.18545
  ┗おまけ?−紫清 月季花 (2009/11/2 18:29:00) No.18546


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18460【菊花的定】キツネノテブクロ 2008/9/7 17:12:58


お久しぶりの方、初めましての方、謎の怪奇植物キツネノテブクロでございやす。きまぐれ起こして、古い方のHN使ってます。暫くはこの名前を使うかも
この話、一応ゼルアメです。今まで書いてた話とは別物です。







ナニガアッテモカナラズモドル・・・オマエノモトへ



【菊花的定】




『この花が咲く頃に会いに来る』

枷になるのはわかっていた、それでも無理を言って日を決めた。
今だけかも知れない、ひとりの少女(おんな)として会えるのは・・・・・


約束の日、朝からそわそわするも、周りの者に気づかれぬよう振る舞う。
アテの無い人との約束、それでも必ず来てくれると信じていた。

やがて日も暮れ、月が天高く上がるころ・・・待ち人は来ぬのではと、思いはじめていた・・・



ふと、呼ばれた気がした。
バルコニーから外を窺う、人の気配を感じ、その方へと視線を向ければ人影一つ・・・



ああ、また泣きそうな顔だ
これから伝える事は彼女にとって辛いこと・・・
きっと泣かせるんだろうな


今日はもう来ないのかと思ってました、と言って少女は泣いた。
すまなかった、と待ち人は苦笑した。



「よく聞けアメリア、今ここに居る俺は真実ではない。
真実の俺は遠い異郷の地にある・・・・・」
「え?」



ゼルガディスは言う。
元の体に戻す術(すべ)を求め、立ち寄った町で病に倒れてしまった。
合成獣の体すら蝕む病は、治る気配すらなく、日に日に悪化していき、起き上がる事すらままならなくなっていた。
そして、今日と言う日を向かえた。



ナニガアッテモカナラズモドル・・・オマエノモトへ



その一念だった。
事の次第を書き記した遺書を残し、自らの喉を突いた・・・


少女はひたすら泣いた・・・


人は一日に千里を行くことはできぬ 魂は千里を行くことはできる



すまなかった、と言う声と共に消えゆく姿を、涙で滲む視界で声も出せずに見送る。


少女は声も出せずにただただ涙を流し続けるのだった。



数日後。
少女のもとへと送られた彼の人の体は、合成獣故にか、腐ることなく生前の姿のまま、醜くも美しかった。そして彼の人の埋葬を丁重にした。



その後、少女は生涯を独り身で貫いたと言う。








《おわり》

あとがき


これってバットエンドに見えるんだろうなぁ・・・(--;)
元ネタは【雨月物語】の『菊花の約』

スレイヤーズ、アニメ化は嬉しいが、一週遅れなのがちと寂しい。


気が向いたら読んでみてください

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18461上と同じバットエンドっぽいゼルアメキツネノテブクロ 2008/9/9 19:12:59
記事番号18460へのコメント



必ず戻る・・・そう約束してくれましたね・・・


【The expected visitor】


必ず戻る、そう彼女と約束をかわす。
そうして人の身を取り戻し、逸る心を抑えきれず、会いに行く。

あれからどれ程時が流れたか?
彼は永き時を費やし、人並みの時の感覚は既に、失われて久しかった。
故に、この時男は失念していた、彼の人との約束からどれ程時が流れたかを・・・





懐かしくも美しく成長した彼の人がいた。
元に戻れたんですね、そう彼女は美しく笑う。
ああ、これからはずっと一緒だと、男は言う。
ずっと一緒なんですね・・・



彼女が迎えてくれた場所、何故か王宮ではなかったけれど、そんな事は男にはどうでも良かった。
彼女と共にあれれば・・・


しかし、男は現実を知る。
再会を喜び、共に生きようと願った相手は、朝日の光の中に消えた・・・







彼の人は、男が戻るよりも前、何十年も前に亡くなっていたと・・・
常人とは違う合成獣の長命故の悲劇


現実を知った男はどうしたか?
その日を境に姿を見た者は無い・・・



嘆きあまりに狂ったか・・・後を追って死を選んだか・・・知る者も無くただ時は流れゆく・・・






《おわり》


あとがき

またもやバットエンドっぽい話に(--;)
元ネタは【雨月物語】より『浅茅が宿』。
ただ、上の話もそうだが、元に比べるとかなり変形した話に、なってしまった(遠い目)

気が向いたら読んでみてください。

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18467Re:上と同じバットエンドっぽいゼルアメ2009/1/2 23:12:24
記事番号18461へのコメント

ゼルアメ、とても切なくて感動しました!
浅茅が宿も菊花の約も知っていましたが、それをゼルアメに考えるのはやられた…!という思い出いっぱいでした…!

と、素人が一端に語ってすみません<(_ _)>
それでは、失礼します。

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18543レス返しが大変遅くなりました。紫清 月季花 2009/10/30 11:08:27
記事番号18467へのコメント

感想有難うございます。
紫清 月季花こと、キツネノテブクロです。

だんだん寒くなってきていますので、風邪などひかれませんよう、ご自愛ください。
特に新型インフルエンザなども流行っているようですので・・・・。

それでは失礼します。

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18545ガウリナ版『吉備津の釜』何故かギャグ?紫清 月季花 2009/11/2 11:10:59
記事番号18460へのコメント

そう簡単にしりあすさせてもらえないのがこの世界(笑)


――――【吉備津の釜】―――


ここに、結婚を控えた一組の男女がいた。
破壊神リナと、くらげ剣士ガウリイの二人。

「なぁ、リナ。
これから何するんだっけ?」
「こぉのくらげ!
あんたは何を聞いてたの!(怒)
いい、あたし達はこれから“釜占い”をしにいくの!」
「何で?」
顔を真っ赤にして、呪文で吹っ飛ばしてくれただけで、教えてくれなかった・・・

―――“釜占い ”とは、釜の湯を沸かして、うなり声があれば吉、なければ凶、と言うもの―――

その占いをしに行くのだ、リナの家族命令で・・・


占いの結果は・・・・・・凶・・・


たかが占い、されど占い。
気にするなと言われても、やはり何処かで引っ掛かる。
お互い結婚したものの、妙なチグハグ感を抱えて暮らしていた。
そーんなある日、ガウリイが家出した。




「シルフィール、具合は?倒れたって聞いて、びっくりしたよ」
「すみません、ガウリイ様・・・ご迷惑をおかけして・・・」
「気にするなよ」
ガウリイの家出先は、シルフィールのとこのようで。
ガウリイ・・・家出してる自覚はない(--;)
と、言うより、ガウリイはシルフィールが倒れたと聞いて、慌てて来たため誰にも何も言わずに来てしまったのだ。
結果、事情を知らない方達には、ガウリイが家出した様に見えると。
まあ、この事で誰が怒り狂っているかは言わずもがなである・・・(汗)



破壊神降臨。



ガウリイ発見。
シルフィールの所に居るのを知り、乗り込む。
が、途中でシルフィールがサイラーグの再建やら、神官の手伝いやらの過労で、倒れたと言う情報は得ていた。

「ガウリイ・・・何で一言“シルフィールの見舞いに行く”って言わなかったの?(怒)
あんたが何も言わずに行くから、あんたが家出したって噂がたったのよ!(怒)」
「あれ?オレ言わなかったっけ?」
「言ってないわよ!
こんくらげえぇ!!!(怒)」
そして、リナ渾身のどらぐ・すれいぶが発動するのだった(合掌)







黒焦げたガウリイを連れ戻した後も、どたばたな夫婦生活をおくったそうな・・・周りを巻き込んで・・・


<終れ>

あと(あ)がき

ども、月季花です。
ガウリナ版『雨月物語』の“吉備津の釜”でございやす。

同じ雨月物語を使っても、ゼルアメとえらい違い(苦笑)

こんなお馬鹿話ですが気が向いたら読んでみて下さいませ。

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18546おまけ?紫清 月季花 2009/11/2 18:29:00
記事番号18545へのコメント

こんにちは、月季花です。

雨月物語で色々書いてます。
が、そのなかの『青頭巾』を、ゼルガディスとレゾで考えていますが・・・・・・あの話、衆道の話だからなぁ(-_-;)



まあ、ギャグっぽくするとかすればいいか。
読みたがる人がいるかな?