◆−花よりも団子?‐31‐−井上アイ (2007/8/17 22:15:31) No.18276
 ┣Re:花よりも団子?‐31‐−。。。 (2007/8/18 03:29:30) No.18277
 ┃┗帰ってきましたよ−井上アイ (2007/8/18 22:25:11) No.18279
 ┗花よりも団子?‐32‐−井上アイ (2007/8/19 23:43:11) No.18281
  ┗花よりも団子?‐33‐−井上アイ (2007/8/20 22:14:17) No.18286
   ┗花よりも団子?‐34‐−井上アイ (2007/8/22 11:27:12) No.18288
    ┗花よりも団子?‐35‐−井上アイ (2007/8/26 22:16:55) No.18295
     ┗花よりも団子?‐36‐−井上アイ (2007/9/2 23:17:30) No.18300
      ┗花よりも団子?‐37‐−井上アイ (2007/9/17 01:00:19) No.18321
       ┣Re:ぉ久しぶりデス−。。。 (2007/9/19 19:29:16) No.18326
       ┃┗う〜、すみませんι−井上アイ (2007/9/24 11:06:11) No.18331
       ┗花よりも団子?‐38‐−井上アイ (2007/9/29 23:13:29) No.18347
        ┗花よりも団子?‐39‐−井上アイ (2007/9/30 23:21:25) No.18348
         ┗花よりも団子?‐40‐−井上アイ (2007/10/13 00:39:50) No.18355
          ┗花よりも団子?‐41‐−井上アイ (2007/10/17 00:07:04) No.18356
           ┣Re:真お久しぶりです。−。。。 (2007/10/17 19:11:12) No.18357
           ┃┗お〜!!パチパチパチ!!−井上アイ (2007/10/17 22:25:21) No.18360
           ┗花よりも団子?‐42‐−井上アイ (2007/10/17 22:08:38) No.18359
            ┗花よりも団子?‐43‐−井上アイ (2007/10/18 20:37:39) No.18361
             ┣有り難う御座いまーーす!!−。。。 (2007/10/28 13:48:35) No.18378
             ┃┗駄目社会人登場!−井上アイ (2007/10/29 22:25:30) No.18383
             ┗花よりも団子?‐44‐−井上アイ (2007/10/29 22:07:09) No.18382
              ┗花よりも団子?‐45‐−井上アイ (2007/10/31 22:57:56) No.18386
               ┗花よりも団子?‐46‐−井上アイ (2007/11/4 23:25:33) No.18389
                ┗花よりも団子?‐47‐−井上アイ (2007/11/6 20:01:22) No.18390
                 ┗花よりも団子?‐48‐−井上アイ (2007/11/10 21:25:04) No.18391
                  ┗花よりも団子?‐49‐−井上アイ (2007/11/21 22:25:22) No.18396
                   ┗花よりも団子?‐50‐−井上アイ (2007/11/28 21:35:24) No.18397


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18276花よりも団子?‐31‐井上アイ 2007/8/17 22:15:31


二週間程前に、朝起きると右手の爪に乾いた血がありました(しかも、3・4日連続)。
手からの出血では無く、掻きむしってできた血痕に見えたので、虫刺されの所を寝ている時に掻いたのだろう、と思っていたのですが!?
この間、左の二の腕が痒かったのでボリボリとしたら、微妙な痛みが。掻き過ぎたのかと思ったのですが、違いましたよ。
盛り上がっている筈のホクロが微妙にエグレていましたι
ああ、これが血痕の理由だ、と納得☆
猛暑が続くので、ゾワッとくる話題を提供してみたり?
お久しぶり過ぎなのに、何?この話題ι
お待ち兼ね?31話です。
登場人物増やし過ぎた、と後悔中。
ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
「皆様、お待たせ致しました。わたくしが現〈ルイス〉の社長を務めさせて頂いている者です。」
壇上に立った黒髪の美女の魔法で拡声された声に、様々な視線がその隣に立つがっしりとした体付きのフィリオネルへと向けられる。
「セイルーンがセントルイスて事?」
「何で、セイルーンがエスコートを?」
そんな視線に気付いてか、セントルイスが口を開く。
「まず、エスコートをして頂いたセイルーンの第一位王位継承者で有らせるフィリオネル=エル=ディ=セイルーン殿下に心よりお礼申し上げます。」
「な〜に、美人をエスコート出来て、光栄じゃったよ。」
がはは、と豪快に笑いフィリオネルはにこやかにそう言う。
「アメリア、余計目立つ事になりそうだぞ。」
冷や汗を拭い、ゼルはアメリアを見る。
「呼びに行くのを忘れてたわ、父さん、ごめんなさい・・・」
手を組み、何故かお祈りの形を取っているアメリアを見、何かが違う、とゼルは心の内でツッコミを入れた。
「て?え?あれが父さん、て事は、まさか、アメリアちゃんて・・・」
「ええ。セイルーンの姫君よ。」
顔を引き攣らせたルークに、ミリーナが小さく頷き肯定した。
「皆様、殿下に拍手を。」
セントルイスの言葉に、会場内の人々は慌てて拍手をする。
拍手が鳴り止むと、再びセントルイスが口を開く。
「それでは、皆様、新作を存分にお楽しみ下さい。」
その言葉の後、彼女は改めてフィリオネルに礼を述べ、一緒に壇上から降りた。
すぐにフィリオネルは愛しい愛娘の元へと向かい、それに気付いたアメリアが慌ててゼルの背後へと隠れる。
「おい。これは何のマネだ?」
「だって、あまりにも目立ち過ぎじゃない。これじゃあ、ゼルガディスさんを紹介、なんていう空気じゃないわ。」
「いや、それは分かるが、意味ないだろう。ドレスの裾が隠しきれてないんだからな。」
「ルークさん、ガウリイさん!何か騒ぎを起こして皆さんの注目の的になって下さい!」
「もう遅い。」
パニクった声を挙げたアメリアに、ゼルは重い声でそう言う。
フィリオネルが娘とゼルを見留め手を挙げたのだ。
「アメリア〜!仲が良いのは構わんが、どうせ抱きつくならば背中じゃなくて、胸に飛込まんか。」
「違うの、父さん。背中に文字を書いて、何を書いたか当てるゲームをしていたのよ。」
父親の言葉に娘は微妙な言い訳をした。
「そうかそうか。懐かしい遊びだのう。ゼルガディス殿、済まぬがここでは落ち着けんからの、少し一緒に来てはくれぬか?」
「お心遣い、有り難うございます。」
フィリオネルの言葉に、ゼルは深く頭を下げる。
「一緒した方がいいのかしら?」
「ゼルガディスさんのお母様よ。」
取り囲む群衆から抜き出て来たセリスを差し、アメリアが父親に説明する。
「おお、是非ともお話伺いたい!」
「おほほ、こんな息子に可愛い娘さんを頂くんですもの、いくらだって話させて頂くわ。」
固く握手をし、2人はにっ!と笑い、それぞれの子供を引き連れて会場から出ていった。
「ゼルの奴、勇者だぜ。父親が誰か知っていて会う事を決めていたんだろ?」
「ええ、その筈よ。」
ルークの問いにミリーナは頷いた。アメリアから、ゼルにフルネームを伝えた事を聞いていたのだ。
「ガウリイ、お前、セイルーンにツテがあったのか?」
「・・・んな訳ねえだろ。紹介されたばかりだからな。」
近付いて来た自分の父親の言葉に、ガウリイは嫌悪感を隠さずにそう言う。父親の顔が、獲物でも見付けた様にギラギラとしていたからだ。
「そうか。ルーク君、君の所も招待されていたのかね?ご両親をお見掛けしなかったが、一人で来たのかね?」
「私のエスコート役を頼んだのです。」
ガウリイの父親の言葉に、ミリーナが答えた。
「これはこれは、お美しいお嬢さん。ルーク君も隅に置けないな。ガウリイ、負けている場合か?」
「な?!負けってどういう意味だよ!」
父親の言葉に、ガウリイは眉を吊り上げる。
「くすくすくす。」
「何がおかしいのかね?お嬢さん。」
小さく笑ったミリーナに、ガウリイの父親は怪訝そうな顔をする。
険悪なムードにそぐわないソプラノの笑い声は、他の人間も不思議そうに聞いていた。
「いえ。おじ様?私、ミリーナと言うんです。お分かりになりません?」
「いや?どこかでお会いしたかな?」
「・・・見合い相手をロクに調べもしない様な方が、随分な事を言うんですね?」
「なんの事だね?」
「ファミリーネームはワイザーです。断って正解だった、と父に報告させて頂きます。」
「あ?!」
「それと、ガウリイさんがお付き合いしているリナさん。私とは懇意にさせて頂いているの。とても素敵な方なので、私と比べるなんて愚問です。」
「しかし、我がガブリエフ家に釣り合う人間では無いであろう。」
「そうでしょうか?貴方は目の前の人間の器も計れない様な方なんですか?」
ミリーナにジッと見詰められ、ガウリイの父親は思案してから言葉を口に出す。
「・・・確かに、見込みはあるかもしれん。だが、教養というものはそう簡単に身に付くものでは無い。」
「そうですか。一つだけ言っておきます。教養は、お金の無い家でも十分に身に付ける事は出来ます。またその逆もあります。私には、貴方は、ただリナさんが一般人だから反対している様にしか見えません。」
言い切ってからミリーナはペコリと頭を下げ、ルークを連れてその場を離れた。
「馬鹿な人、程度が知れるわね。」
「ミリーナは本当、あのチビが好きだな〜」
「いえ、間違っているわ。大好きなのよ。」
「そ、そうか・・・」
ミリーナから返って来た言葉に、ルークは小さくショックを受けた。彼女の口から、例え相手が女性であろうともそんな言葉を聞かされたくなかったからだ。
「リナの事を悪く言うなら、話す事は無い。」
父親にそう言い放ち、ガウリイもその場を離れた。
そして、すぐに良く見知った人間を見付けた。
紺のスーツに白いシャツ、肩の長さまである筈の黒髪は今は後ろで結ばれている人間の肩を叩き、ガウリイはにこやかに話し掛けた。
「ゼロス!お前さんも来てたのか?声掛けてくれよ。」
「あんな目立つ集団の中に入るなんてゴメンですよ。僕は、主役を掻き回す脇役が好きなんですから。」
「そっか。」
「所で、お葬式の帰りですか?」
「んな訳ないだろ?親父に対する嫌がらせだよ。油断するとすぐ見合いだのなんだと言いそうだからな。」
苦笑して言ったガウリイの格好は、黒いスーツに黒の綿のシャツ、長い髪は黒い紐で結んでいた。
「なんと言うか、相変わらずな親子関係ですねえ。」
「そっちは、今日はゼラスさんの付き添いか?」
「いえ、僕も母もご招待受けていますよ。母子こぞって利用していますから。」
「そっか、デートの相手にコマメに贈り物してるもんな。」
「はっはっは。マメだからこそ大勢の方とお付き合い出来るのですよ。」
「そういうもんか。」
「ええ。にしても、恥ずかしいですねえ。セイルーンが抜けた途端、セントルイスに群がっている人達は・・・」
嘲る様に笑い、ゼロスは視線を集団へと向ける。
そこには、俄か顧客がセントルイスを取り囲み必死に話しかけていた。フィリオネル達が会場の外に出てすぐにこの状態になってしまったので、商品説明をして欲しい人達にとっては迷惑な話だろう。
ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
ゼロスひっさ久!彼、ネタが無いんですよι
次はやっぱりゼルアメ中心になりそうですよ。
そして、もう一人、出てくる予定なんですι
ガウリナ?どこの言葉デスカ?
そして、ガウリイ父、何故ミリーナの事が分からなかったか、て言うと、彼女が社交界デビューしてから、一度も彼女と社交場では会わなかったのですよ。
擦れ違いばかりで彼女の顔を知らなかったのです。

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18277Re:花よりも団子?‐31‐。。。 2007/8/18 03:29:30
記事番号18276へのコメント

お久しぶりです。

スミマセン、もっと早くコメント差し上げるつもりだったのですが

本っ当、自分の打つ手の遅さを呪って下さい。

>二週間程前に、朝起きると右手の爪に乾いた血がありました(しかも、3・4日連続)。
>手からの出血では無く、掻きむしってできた血痕に見えたので、虫刺されの所を寝ている時に掻いたのだろう、と思っていたのですが!?
>この間、左の二の腕が痒かったのでボリボリとしたら、微妙な痛みが。掻き過ぎたのかと思ったのですが、違いましたよ。
>盛り上がっている筈のホクロが微妙にエグレていましたι
>ああ、これが血痕の理由だ、と納得☆
>猛暑が続くので、ゾワッとくる話題を提供してみたり?
初っ端から物凄い話題ですね

ああもお読んでると本当に痛い! 本当に怖い! 本当にっ・・・ダメですよッ!(ェ

でもまぁ、ホクロって取りたくなりますよね〜

何か取れそうなのに!・・なのに肉っていう、・・ね?(何

>お待ち兼ね?31話です。
今回はちゃんと『?』が付いてますね

>「アメリア、余計目立つ事になりそうだぞ。」
>冷や汗を拭い、ゼルはアメリアを見る。
>「呼びに行くのを忘れてたわ、父さん、ごめんなさい・・・」
>手を組み、何故かお祈りの形を取っているアメリアを見、何かが違う、とゼルは心の内でツッコミを入れた。
・・・・・・・・み、巫女ですもんね。

巫女界ではきっとこれが普通なんですよ、ええ、きっと。

>その言葉の後、彼女は改めてフィリオネルに礼を述べ、一緒に壇上から降りた。
>すぐにフィリオネルは愛しい愛娘の元へと向かい、それに気付いたアメリアが慌ててゼルの背後へと隠れる。
>「おい。これは何のマネだ?」
>「だって、あまりにも目立ち過ぎじゃない。これじゃあ、ゼルガディスさんを紹介、なんていう空気じゃないわ。」
>「いや、それは分かるが、意味ないだろう。ドレスの裾が隠しきれてないんだからな。」
>「ルークさん、ガウリイさん!何か騒ぎを起こして皆さんの注目の的になって下さい!」
>「もう遅い。」
すっごい私的な理由ですっごいムチャな注文ーーーッ!!!

パーチぃーで騒ぎ起こすって、そうホイホイ起こせるもんじゃないですよ!

きっと何か多くのものを失います!

得るものもあるかもしんないけど、多分失うものの方が絶対多い!

例えば、世間の目とか周りの信頼とか世間の目とか自分の評判だとか世間の目とか・・ですよ!

でもま。軽くそう注文出来るところが王族なんですけどねぇー

>「アメリア〜!仲が良いのは構わんが、どうせ抱きつくならば背中じゃなくて、胸に飛込まんか。」
>「違うの、父さん。背中に文字を書いて、何を書いたか当てるゲームをしていたのよ。」
>父親の言葉に娘は微妙な言い訳をした。
な何て可愛い言い訳ええええええええ!!!

どう受け止めたらいいのか全く分かんないところが良いです(ォぃ

>「そうかそうか。懐かしい遊びだのう。ゼルガディス殿、済まぬがここでは落ち着けんからの、少し一緒に来てはくれぬか?」
そこでお父さんは素敵に流すんですねっ! いや素晴らしい!! 父の鏡!!

自分も体育祭の練習中、友人と一緒に未だにそのゲームやりますからね(ぅヮ

皆で列になって運動場で体育座りしている時です、滅茶苦茶暑くて滅茶苦茶暇なんです

その時はもお、ほとんど魚の名前とかしか書きませんね(ぅヮヮ

>「そうか。ルーク君、君の所も招待されていたのかね?ご両親をお見掛けしなかったが、一人で来たのかね?」
>「私のエスコート役を頼んだのです。」
>ガウリイの父親の言葉に、ミリーナが答えた。
>「これはこれは、お美しいお嬢さん。ルーク君も隅に置けないな。ガウリイ、負けている場合か?」
>「な?!負けってどういう意味だよ!」
>父親の言葉に、ガウリイは眉を吊り上げる。
>「くすくすくす。」
>「何がおかしいのかね?お嬢さん。」
>小さく笑ったミリーナに、ガウリイの父親は怪訝そうな顔をする。
>険悪なムードにそぐわないソプラノの笑い声は、他の人間も不思議そうに聞いていた。
>「いえ。おじ様?私、ミリーナと言うんです。お分かりになりません?」
>「いや?どこかでお会いしたかな?」
>「・・・見合い相手をロクに調べもしない様な方が、随分な事を言うんですね?」
>「なんの事だね?」
>「ファミリーネームはワイザーです。断って正解だった、と父に報告させて頂きます。」
>「あ?!」
>「それと、ガウリイさんがお付き合いしているリナさん。私とは懇意にさせて頂いているの。とても素敵な方なので、私と比べるなんて愚問です。」
>「しかし、我がガブリエフ家に釣り合う人間では無いであろう。」
>「そうでしょうか?貴方は目の前の人間の器も計れない様な方なんですか?」
>ミリーナにジッと見詰められ、ガウリイの父親は思案してから言葉を口に出す。
>「・・・確かに、見込みはあるかもしれん。だが、教養というものはそう簡単に身に付くものでは無い。」
>「そうですか。一つだけ言っておきます。教養は、お金の無い家でも十分に身に付ける事は出来ます。またその逆もあります。私には、貴方は、ただリナさんが一般人だから反対している様にしか見えません。」
>言い切ってからミリーナはペコリと頭を下げ、ルークを連れてその場を離れた。
>「馬鹿な人、程度が知れるわね。」
久しぶりの貴族バトルです(ェ

珍しくミリーナが感情を露わにして怒っています

>「ミリーナは本当、あのチビが好きだな〜」
>「いえ、間違っているわ。大好きなのよ。」
>「そ、そうか・・・」
>ミリーナから返って来た言葉に、ルークは小さくショックを受けた。彼女の口から、例え相手が女性であろうともそんな言葉を聞かされたくなかったからだ。
親友ですもんね

なァに、ルークだってすーぐ仲良くなれますよ。すーぐ。

例えば弁当重箱にしてみるとかしたら、もおすーぐに・・(ォぃ

>紺のスーツに白いシャツ、肩の長さまである筈の黒髪は今は後ろで結ばれている人間の肩を叩き、ガウリイはにこやかに話し掛けた。
>「ゼロス!お前さんも来てたのか?声掛けてくれよ。」
>「あんな目立つ集団の中に入るなんてゴメンですよ。僕は、主役を掻き回す脇役が好きなんですから。」
>「そっか。」
ゼロスの何気な問題発言に、ガウリイ超アッサリです

>「そっか、デートの相手にコマメに贈り物してるもんな。」
>「はっはっは。マメだからこそ大勢の方とお付き合い出来るのですよ。」
>「そういうもんか。」
そういうもんなのかあああああああ!!

>ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
>ゼロスひっさ久!彼、ネタが無いんですよι
そうですねぇ、魔族の設定抜いてしまうとなかなか扱いにくいキャラです

>次はやっぱりゼルアメ中心になりそうですよ。
>そして、もう一人、出てくる予定なんですι
ゼル達はもお順調に円満に平和に進んでますからね〜、ぃゃぁ良かった良かった

も一人・・って、誰でしょう、気になりますね。

もしや、ラー・・んんんソーン・・・かなっ?(コラ

でも誰であれ楽しみにしています

>ガウリナ?どこの言葉デスカ?
ええええええ!! これガウリナじゃなかったんだぁ(ヮラ



お疲れ様です。ツリーも新しくなって気分も一新ですね!(何

これからも、

猛暑とホクロにお気をつけて、執筆頑張って下さい

それでは



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18279帰ってきましたよ井上アイ 2007/8/18 22:25:11
記事番号18277へのコメント

半月のブランクです☆
予定では、もう話を完結させて読む側に戻っている頃なんですがねぇ、何故か未だに地道に話を打っている謎・・・
言い訳はしません。段取りの悪い自分が悪いのですから。
*..アソ〜さん?!人型じゃないから無理です!
外見を伝えきれていないので、読み手に想像力を必要とするオリキャラは、主要メンバーの親とか身近な人で十分です!
忘れ去られている人が出てきます。
黒髪・・ゲフン!!ゲホゲホ・・持病の癪が・・・
リナはまだ出て来ない、もう誰が主役なんだか?
がウりナってなんですかね?
すっきり終れるかが今一番の悩みです★

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18281花よりも団子?‐32‐井上アイ 2007/8/19 23:43:11
記事番号18276へのコメント

今週の中日からまた話が止まる事になりそうですよ。
何時になったら終るんでしょうね?
では、32話です。
フィルさんの話し方、合っているかが不安です。
会場内から話は始まります。
ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
「噂以上にお綺麗ですね、セントルイスさん。」
「本当、艶がある髪に整った顔、羨ましいですわ。」
「妹さんもさぞかしお綺麗なんでしょうね。」
口々に誉め称え、俄か顧客はセントルイスに我先に、と話し掛ける。
やはり、こういう場面では、女性は強い、セントルイスの周りをがっちりと固めているのは若い女性が殆んどだ。
セントルイスに妹がいるのは、彼女が社長就任する際に話題として持ち上がったので、情報に敏感な社交界の面々は当然知っている。
ガウリイの父親も知っているからこそ、その妹とガウリイを見合いさせよう、と打診していたのである。
その彼は、彼女を取り巻く集団には入っていない。
興味が無い訳では無い、ガブリエフとしてのプライドが、その中に入るのを拒んでいるのだ。
「貴殿も呼ばれていたのか。」
「メタリオムさん、久しいですな。」
太陽の様な色をした輝く金髪を短くまとめた、どこか鋭い印象を受ける、大柄な女性に声をかけられ、ガブリエフはちらり、とそちらを向いた。
「ああ。相変わらず貴殿は忙しい様だな。全く、仕事ばかりでつまらん男だ。」
「ガブリエフを守る為には必要な事だよ。」
「ご子息の事、聞き及んでいるが、すまんが、貴殿に同情は出来ん。」
「そちらこそ、放任にも程があるであろう?」
「それは、お互さま、というものだろう?」
目線を合わせずに、2人はギスギスとした会話をする。
この2人、高校、大学と一緒だったのだが、鋭い意見を言う彼女を、彼は煙たがりながらも、決して決別はしたりしない、という微妙な関係なのだ。
なので、この会話の応酬はいつもの事で、まあ、結局は仲が良い、という事になるのだろうか?
「いつも思うけど、ゼラスさんて凄いよな。」
「僕のお母様ですからね♪」
遠巻きに自分達の親の様子を見て、ガウリイは感心した表情をし、ゼロスは得意そうに笑った。
所変わり、ホテルの一室の、4人の様子は、と言えば、それぞれの紹介が終り、席に着いていた。
見合いの席の様に、ゼルとアメリアが向き合った形で、その横で親同士が向き合っている。
「短刀直入に言いますわ。アメリアちゃん、気に入りましたの。下さいな。」
「おい!何バカ言ってる?!」
母親の言葉に、ゼルは体ごとそちらを向き、睨み付ける。
「だ〜て、良い娘さんなのよ?早い内に話を決めなきゃ。」
「あのなあ!だからと言って、突然すぎるだろうが!」
「ま!もしかして、遊びなの?!そんな子に育てた覚えは無いわよ!」
「んな訳ないだろうが!だったら、今、ここに居ない!」
話が変な方向に飛び、ゼルは腰を浮かしてそう叫んだ。
「アメリアの見る目を信じているからの、儂は、何も言わん。」
「え?」
父親の言葉に、アメリアはそちらを目で見る。
優しい目をした父親と目が合い、その彼が深く頷き、口を開いた。
「一目見れば、儂にだって判る。アメリアを不幸にする人間では無いわ。」
「父さん・・・」
「だがな、アメリアよ、せめて、大学を卒業してから嫁いで欲しいのじゃ。それだけが望みじゃよ。」
「気が早いわ。それに、ゼルガディスさんの隣りに立つ身として、しっかり学を付けたいのよ。」
グレイワーズ親子が言い合いを始めたその横では、こんな会話がセイルーン親子の間でされていた。
「なら、何の問題もないじゃない。貴方は本気なんでしょう?アプローチは早い方が良いわ。」
「あのな!俺はまだ、それだけの力を付けていない!ちゃんと自分に力が着いてからだな・・・」
母親の言葉に言い返していた言葉が途中で止まった。アメリアが自分を見ているのに気付いたからだ。
「あ、どうぞ、気にしないで続けて?」
「あ〜、いや、その・・だな。つまり・・まあ、なんだ、何時になるか分からんが、自信が着いたら、プロポーズさせてくれるか?」
アメリアがにこりと笑って言った言葉にゼルは少しの間、鼻を掻きながら言い淀み、決意してそう言った。
「はい、お待ちさせて頂きます。」
「こりゃ、まいった。まさか、目の前でプロポーズを聞くとは思わなんだ。」
ぺこり、と頭を下げたアメリアの隣りで、フィリオネルは苦笑した。
「あ゛?!すみません!そんなつもりじゃ・・」
「良い、良い。アメリアが幸せならば、それでいいのじゃ。」
慌てて謝ろうとしたゼルを制し、フィリオネルは笑顔を向ける。
「しかし、まだ、お父上に付き合いの承諾を受けていません。」
「反対ならば、この部屋に案内なんぞせん。多くの人を見てきたのじゃ、一目で人と成りは判別出来るのじゃよ。お主は、しっかりとした人物で、アメリアを大事にしてくれているのは、直ぐに判ったわい。」
フィリオネルはそう言い、がはは!と笑った。
ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
すみませんι力突きました。
もう一人は次回に出します。
ではでは☆

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18286花よりも団子?‐33‐井上アイ 2007/8/20 22:14:17
記事番号18281へのコメント

昨日、帰宅すると、甥っ子2人がいました。
奴等が昨日、力尽きた原因です。
体は一つ、相手は2人。年が少し離れている兄弟なので、遊び方が違う。と言う事で、片寄らない様に相手するのに疲れましたよ。
それでは、32話です。
いよいよ、登場の人は誰でしょう?
ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ
「グレイワーズといえば、堅実な経営で有名でしたな。将来安泰と呼ばれ高い所じゃ、しっかり勉強させねばならぬな。」
「必要ないですわよ?私も経営の事は携わっていませんもの。それに、ゼルガディスが継ぐとは決まっていませんのよ?」
部屋を出て、会場へと向かいながら、親同士は和やかに会話をする。
その後ろではただ黙って歩く、ゼルとアメリア。先程のプロポーズ宣言が、2人に沈黙を与えている。
が、気不味い沈黙では無く、幾度か視線を合わせては微笑み合う位、良い雰囲気だ。
「そうであったか?しかし、ご子息は一人息子であろう?」
「親が引いたレールを歩かせる気はありませんの。それは、現当主である主人も同じ事。その気も無いのに継がせれば、器の足らない人間になりますわ。」
「では、もし、ご子息が継がない場合、どうされるのですかな?」
「それだけの器がある人間を抜擢するだけですわ。」
「思慮深いご夫婦ですな。その2人に育てられたからこそ、ご子息はしっかりした人物になられたのであろうな。」
会話を終らせ、フィリオネルはちらり、と後ろを覗き見る。
そこには、穏やかな笑みを浮かべた大事な愛娘と、照れ臭そうに頬を掻いているゼルが見えた。
「いやはや、覚悟は決まっているが、やはり寂しいものじゃのう。」
視線を戻し、フィリオネルは一人ごちた。
会場に戻ると、すぐに視線が注目したが、それも一瞬の事で終った。
セントルイスが、少し前に「今日の主役はこちらだ。」と言ったのが効いているのである。
「おお、間に合ったようじゃの。」
「父さん、紹介するわ。リナの学校のお友達のミリーナさんよ、美人でしょう?」
ミリーナを掴まえ、アメリアは自分の父親の前に立つ。
「おお、リナ嬢の友達とな?良い時計をしておるのう、見る目が確かなんじゃな。」
「いえ、それ程でもありません。」
「後ろの殿方は、愉快な格好をしておるが、お連れですかな?」
「知らない方です。」
フィリオネルの問いに、ミリーナは何の淀みも無く応えた。勿論、その背後に立っていたルークは、涙を目に一杯に貯め、必死に堪えている。
「ガウリイさんはこの後、どうなさるんで?」
「泊まる事になってるよ。ルークと一緒の部屋なんだぜ。」
ゼロスの問いに、ガウリイはそう言い、思い付いた様に口を開く。
「お前さんも一緒にどうだ?最近、ゆっくり話出来て無いだろ?」
「少し疲れていますので、遠慮させて頂きます。」
「疲れてるって、何でだ?」
「デートに、お母様との旅行に、と忙しかったのですよ。今日は、イルマードからの帰りなんですよ。」
「オレも、リナとデートしたいなあ。」
「故郷に戻っているんでしたっけ?」
「ああ、ゼフィーリアにな。早く会いたいなあ。」
「僕には、その気持ちを察する事が出来ませんねえ。」
「お前さん、なんで一人に絞らないんだ?」
「それだけに値する相手が居ないんですよ。僕の理想はお母様ですからね。」
「ゼラスさんみたいな人は、そう居ないだろう?」
「ええ。ですから、当分は今のままですよ。」
ガウリイの言葉にゼロスはいつもの笑みで応えた。
フィリオネル達が会場に戻ってから十数分後、パーティーが終ろうとしていた。
「本日は、遠路お越し下さり有り難うございます。」
壇上のセントルイスがスピーチを終え、最後の挨拶に入っていた。
「本日いらした大切なお客様には、心ばかりのお土産を準備させて頂いております。私、自らお渡ししたいと存じていますので、皆様、是非、お持ち帰り下さい。」
最後にそう言い、彼女は壇上を降り、会場の入り口に立つ。
一刻が経ち、会場には、まだ人が残っていた。
が、入り口に立つセントルイスの所に並ぼうとしていない。
手土産を手にし、ホクホク顔の顧客が帰ったのは、十分前が最後だ。
―ガチャン
重い音を立て、扉が閉められた。
「お待たせしました。これからが本番ですわ。」
扉を閉めたのは、セントルイスだ。
「今、残られているのは、私自身が厳選した本当に大切な人ばかりです。」
彼女が会場を見渡しそう言った。
会場に残っているのは、俄か顧客は一人もおらず、〈ルイス〉を本当に愛用している面々ばかりだ。
招待状に、自分が最後の挨拶をしても残っていて欲しい、と直筆で書いた手紙を添えていたのだ。
「先程は、ゆっくり説明出来ず、申し訳ありません。皆様は、本当に大事な方ばかりですので、こうしてお時間を頂きました。」
ゆっくりと礼をし、彼女はにっこりと笑う。
「私共が新たなカテゴリーに挑戦し、それを披露する事は、貴方方への手紙にも有ったと思います。それは、先に帰ったお客様には知らせていません。」
ゆっくりと歩きながら、彼女は壇上に上がった。
「さすがだわ。私達、愛用者も、ただ近付きたいだけの顧客の面子を守るだなんて。」
「でもよ、そうするとだな、ガウリイの所が残っているのが解せないぜ?」
ミリーナの言葉に、ルークは、離れた所にいるガウリイを指差す。
もう少し離れた所には、ゼラスと並んでいるガウリイの父親が居る。
「彼女なりの思惑があるのでは?私には判らないわ。」
首を振り、ミリーナはそう言った。
その時、
―ガチャ
扉が開かれ、一人の女性が入って来た。
セントルイスと同じ艶のある黒い髪は腰まで伸ばされ、ウィスタリア色のカクテルドレスを着た体型は、女ならば羨む程の美貌だ。
その彼女が戸惑いも無く、壇上に上がる。その手には、小さな金属の箱が持たれていた。
「紹介します。私の元で勉強中のシルフィールです。」
セントルイスの言葉に、女性=シルフィールは頭を下げる。
「綺麗な方ねえ。」
「本当。」
感嘆の溜め息が会場のそこかしこで出て来た。
が、一部は違った。
『シルフィール?!』
「おや、まあ。」
ゼル、ルーク、ガウリイは驚きの声を挙げ、ゼロスも珍しく目を丸くした。
「知り合いの方?」
「俺等の幼馴染みなんだ。去年、聖竜を卒業していてな、学園中のマドンナだったんだぜ。」
ミリーナの問いに、ルークは目をパチクリとさせながら答えた。
「まさか、シルフィール嬢が、セントルイスの?」
呆然とし、ガウリイの父親はシルフィールを見る。
その視線に気付き、彼女が小さく頭を下げた。
「そして、彼女が持っているケースの中こそが、今回、皆様に特別にお披露目する商品でございます。この商品は、後でじっくりと紹介させて頂きます。まずは、先程、御挨拶出来なかったので、一人ずつ挨拶をさせて下さい。」
そう言い、セントルイスは壇上から降りた。
シルフィールもその後から壇上を降り、真っ直ぐにガウリイの元へと歩いた。
「お久しぶりです。」
「ああ。」
「何故、シルフィールさんが?」
頭を下げた彼女に、ガウリイは小さく頷き、ゼロスは首を傾げる。
「ふふ☆ガウリイ様にお会いする為ですわv」
口元を手で隠し、シルフィールは笑った。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
や〜と彼女が出てきましたヨ。
ウィスタリアの日本名は藤色デス。
終りが見えない、というか、リナはイズコ?
人が多いと話が長くなるのだ、と知りました。舐めていたのよ、原作主要メンバー総出演をι
今、気付いたのですが、どうあがいても、シルフィールは昨日の内に出せなかったですね。
今日の後半、なんだから出せる訳ないじゃん!!

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18288花よりも団子?‐34‐井上アイ 2007/8/22 11:27:12
記事番号18286へのコメント

ここ数日、疲れているのか、夕飯も食べずに寝落ちしてます。
風呂には入っているのですが、その風呂の後、いつもは食事の準備をするのですよ。
が、それが面倒で、うだうだと寛いでいる内に気付いたら寝てた、という日々でした。
堕落してるよ、どらエ○〜●!自分にやる気の出る何かを下さい!!
それでは、34話目です。
ブログかよ?!と自分にツッコミを入れつつ、話に入ります。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「ああ、オレも会いたかったよ。」
嬉しそうに笑い、ガウリイはそう言った。
「シルフィール嬢、久しいな。」
「おじ様、お久しぶりですわ。」
右手から掛った声に、シルフィールはそちらを見る。
「ああ。所で、何故、君がここに?」
「おじ様とガウリイ様にお会いする為ですわ。」
「ほう?それは嬉しい事を言ってくれるじゃないか。」
「うふふ☆社長に無理言って参加してるんですよ?一次会では、人が多いので、二次会になるのをずっと待ってましたの。」
上品に笑ってから、シルフィールはガウリイの方を向く。
「今日は、お会い出来て嬉しいですわv」
「僕もいるんですがね?軽くスル〜なさるんですか?」
「ゼロスさんには用はありませんもの。」
ガウリイの隣に立つゼロスをちらり、とも見ずにシルフィールは言い放つ。
「相変わらず、正直な方ですねえ。ま、そこが良い所なんですがね。」
「ガウリイ様、おじ様、少し話せますでしょうか?」
一人ごちるゼロスを気にも掛けず、シルフィールはにこり、と親子を交互に見た。
「そりゃ、良いが・・・」
「構わんよ。」
「では、一緒にいらして下さい。」
父親も一緒、という事にガウリイは不満そうに、その父親は横柄に返事をしたのを確認し、シルフィールはにこりと笑い、会場の隅へと移動した。
80人収容出来る会場で、つい先程までは所狭しと居た人々も、今は半数になっており、わざわざ隅の所に陣取る人間は誰も居ないので、話をする分には問題は無い。
「面白い事になりそうですねえ。あの方の驚く所が見れそうですよ。」
「何か、知っている様だな?」
楽しそうに遠ざかる3人を眺めていたゼロスに、その母親が声を掛ける。
「ええ、まあ。と言っても、ガウリイさんから彼女の事を聞き及んでいるだけですがね。」
「ふむ、あの2人に何が?」
「いえ、あの2人には何も。実は、」
母親の耳に、ゼロスはこっそりと耳打ちした。
「ほう?!それは、愉快な事になりそうだねえ。」
「ええ、本当に。」
楽しそうな顔をした母親に、ゼロスは賛同した。
「シルフィール嬢、良かったらこいつと所帯を持つ気は無いかね?」
「まvおじ様ったらv」
「はっ、何馬鹿言ってるんだか。」
父親の言葉に、シルフィールは手を頬に当て、ガウリイは鼻で笑った。
「お前は、いい加減目を覚ませ。」
「それは、こっちの言葉だ。シルフィールは、オレなんか選ばない。」
「何を馬鹿な。彼女は、昔っからお前に気があったでは無いか。お前みたいにフラフラしている奴には、年上の彼女が丁度良い。」
ふん!と鼻を鳴らし、父親はガウリイに言い放った。
「魅力的な話ですが、残念ですわ。」
「どういう事だね?」
ほぅ〜、と溜め息をついたシルフィールを見、父親は眉を寄せる。
「ガウリイ様には、意中の方がいるとか。」
「そんなもの、長続きせんよ。」
「それに、わたくしには、ランディが居ますもの。」
「なっ?!ランディ?!」
するり、とシルフィールの口から出て来た名前に父親は驚愕する。
彼の第一子、ガウリイの兄の名前だ。
「ええ、お付き合いして一年ですのよ。」
「一、年?」
「ええ。遠距離恋愛でしたが、彼の近くに行きたくて、社長に無理言って夏から、そちらの支社で仕事をさせて頂いておりますの。」
呆然と口を開いた父親に、頬を染めシルフィールはそう言った。
「兄貴、元気か?」
「ええvわたくしがしっかり健康管理しておりますものv」
ガウリイの問いに、シルフィールはにこやかに答えた。
「そっか、なら安心だな。シルフィールは家事が得意だったからな。」
「ふふ、誉めても何も出ないですわよ?」
「本当の事だろ?」
「まあvガウリイ様ったらv」
ガウリイの言葉に、シルフィールは頬に手を当てた。
シルフィールが聖竜に在席中は、F4では無く、F5と呼ばれていて、彼女は特別ルームで家事の腕前を振るっていたのだ。
当然、ガウリイは彼女が家事が得意なのは知っている、と言うものである。
そして、彼女がずっと思いを寄せていたのはその兄へ、であり弟であるガウリイに他の人とは違う対応をしていた為に勘違いされてしまっていたのだ。
そして、去年の夏休み、彼女は一念発起し、ランディの所に押し掛け、思いの丈をぶつけ、付き合いが始まったのだ。
「ランディが、直接ガウリイ様の様子を見て来てくれ、と言った意味が解りましたわ。すっかり別人の様ですわね?」
「そうか?まあ、頑張らないといけないからな。」
「恋人が出来たのですて?ランディが喜んでいましたわ。」
「ああ!自慢の彼女なんだぜ。兄貴に紹介したいよ。」
嬉しそうに笑い、ガウリイはシルフィールを見る。
その彼女の顔が真剣な物に変わった。
「おじ様、今日、こちらへ来たのは、もう一つ、ランディから言伝があったからですわ。」
「その前に、確認させてくれるかい?君は、社長の妹君なのであろう?」
「それは、何か関係あるのですか?」
父親の問いに、シルフィールはにこやかに問う。
「顔は余り似ていないが、2人共、艶のある黒い髪、清楚な顔付き、女性らしい体型。これだけ共通点があるのだ、姉妹であるのは明らかじゃないかね?」
「確かに、わたくしは彼女を姉と慕っておりますわ。わたくしに言えるのはこれだけですのよ。」
「いや、十分だよ!」
申し訳なさそうに言ったシルフィールに、父親はその肩をポンポン!と叩く。
「うわ〜、何か、あのオヤヂ目が爛々としているぜ。」
「一歩間違ったら、セクハラしている人に見えるわね。」
ルークの言葉に、ミリーナは軽蔑の眼差しをそちらに向ける。
「ガウリイさんのお父さん、なんであんなに必死なのかしら?」
「ガブリエフの繁栄の事しか頭に無いのさ。」
不思議そうに言ったアメリアに、ゼルは皮肉げにそう言う。
「可哀想な人。」
「あれの奥方が、ガブリエフの人間なんだ。婿としての意地なんだろうよ。」
アメリアの言葉に、ゼルは頷いてそう言った。
「だから、ガウリイさんに余り近付かない方がいい、と言ったのね?」
「ああ。ガウリイに話掛ければ、あれが好機とばかりにお前さんに近付くだろうからな。あんな奴の相手なんぞさせたくなかったんだ。すまんな、リナの事でガウリイと話がしたかっただろうに。」
「いいのよ。わたしもゆっくりと話が出来ないなら嬉しくないもの。」
ゼルの言葉に、アメリアは首を振った。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
なんていうか、嫌なオヤヂだな。人を人としてみれないだなんて寂しい人生デスね。

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18295花よりも団子?‐35‐井上アイ 2007/8/26 22:16:55
記事番号18288へのコメント

ホクロの傷が塞がりましたヨ。
何気に凹んでいますがネ。
当初、ガウリイの兄をミルガズィア(黄金竜の長老)さんにして出番も作ろう、なんて思っていたのですが、確かに若作りだけど、いくら何でも無理があるだろう、と断念しました☆(彼女は居ない設定デス。シルフィールは彼女役抜きの設定で考えてました。)
なのに、話の数を甘くみていたのです、この馬鹿が!!
ヘコみながら、35話です。
シルフィール!分からず屋のオヤヂにカウンターパンチよ!
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「ところで、ガウリイさんと一緒に居た方って、もしかして、F4の方?」
「ああ。ロクな奴じゃないから、挨拶は必要ないさ。」
アメリアがガウリイの居なくなった所に立つメタリオム親子のゼロスを見て問うと、ゼルは気難しい顔でそう言う。
「そうなの?まあ確かに、ニコニコしてて、ちょっと油断出来なさそうではあるわね。」
「‘そう’ではなく本当に油断ならない奴だ。寧ろ、警戒しても問題無い位だ。」
「不思議な関係なのね。」
「ああ。何でつるんでいるか本当に不思議だと思うな。」
アメリアの言葉に大きく頷いてみせ、ゼルは嫌そうに首を傾げる。その光景をアメリアは苦笑して見る。
同じ会場で、シルフィール達の立つ所は妙な雰囲気が渦巻いていた。
「ランディからの言伝は、おじ様にですわ。」
「私に?まさか、今更家に帰りたいなどと言っているのか?あいつは?」
シルフィールの言葉にガウリイの父親は“それみた事か“と言いたげな表情を見せた。
それを見、シルフィールは眉をしかめ口を開く。
「ガウリイ様の事をもっと真剣に考えて欲しい、と言っていただけですわ。」
「考えているとも、だからこそ、将来の相手を心配しているのではないか。」
「おじ様が心配なされている事は、ガブリエフの名前だけでは?ランディが家を出て、やっとガウリイ様に目を向ける様になった事は、わたくしも知っていますわ。」
相手から返ってきた言葉にシルフィールは眉間に皺を作った。
会話に加わって無いガウリイも、嫌悪感たっぷりの目をそちらへと向ける。
「何を、他人の君に何が判ると?」
「ランディ自身も、そう感じている、と漏らしていましたわ。」
「2人に分けていた分の期待を、残った1人に向けるのは当然では無いかね?」
「では、ガウリイ様が、中学までどんな成績だったか、趣味・特技をご存じですか?」
「そこまで私も暇では無いよ。」
「ランディの事は、事細かく聞いていらしたそうではありませんか。友人・知人関係に至るまで。余りにも違い過ぎではありません事?」
「まさか、そんな説教じみた事を言う為に会いたい、と?」
「わたくしの言葉が説教の様に聞こえたのは、おじ様自身がお判りになってらしているからですわ。」
「馬鹿らしい。君はもう少し思慮深い方だと思っていたがな?」
鼻で笑い、シルフィールを見て、ガウリイの父親は嘲る様に言った。
それに悲しそうな表情をするシルフィール。
「ランディが家を出たもう一つの理由、ご存じですか?」
「農業をしたいのだろう?」
「それも確かにありますわ。もう一つあったのをご存じ無いのですわね。」
「もう一つ?」
「会社の役員達が、ランディ派とガウリイ様派に分かれていたそうですわ。大学に通っているランディの元に役員が来て、必ずランディを次の総帥にする。と言ったから調べたら、会社内が分裂していたそうですわ。」
「な?!」
シルフィールの言葉にガウリイの父親は寝耳に水だったのか、愕然とした表情を見せた。
シルフィールはそんな彼に言葉を続ける。
「このままでは、会社が危ない、と判断して、大学院に行く事にしたそうですわ。」
「まさか、そんな事・・・」
愕然としながら、呟く相手にシルフィールは溜め息をつく。
ガウリイの兄、ランディは、帝王学を学ぶかわり、大学をエルメキアの農業大学に通わせて貰っていた。卒業したらすぐに父親の元で仕事を学ぶ約束であったのだ。
その約束を反故にしたのは我が儘では無く、父親の会社を思っての行動だった。
その事実を知り、父親は初めて、自分がいかに相手の話を聞こうとしていなかったのか、と知った。
「ランディは、もし、ガウリイ様に継ぐ意思が無い、と分かった時には戻っておじ様を支えるつもりだ、と言っておりましたわ。」
「あいつは、そこまで会社の事を・・・」
「オフレコにしておいて下さいましね?ランディにはその事は言うな、と念を押されておりますの。」
ペロリ、と舌を出し、シルフィールはウインク一つする。清楚な面立ちの彼女には少々不似合いな行為だが、場を和ませる為の彼女なりの気配りであった。
「兄貴、そんな事言ってたのか?」
「ええ。ですからガウリイ様、好きな道を選んで下さいましね?」
ガウリイの問いにシルフィールな頷く。
恵まれた環境に居た事を改めて知り、ガウリイは祈りたい気持ちになった。
「お初にお目にかかりますわ。ガブリエフさん。」
「セントルイスさん。こちらこそ。お会い出来て光栄ですよ。」
セントルイスに挨拶され、ガウリイの父親は慌てて振り返り頭を下げる。
その頭を上げると、清楚な顔立ちの美人はにこり、と笑う。
が、その目に宿る力強さは、さすが、老舗ブランドの社長、といったところだ。
「シルフィールのお相手頂き、有り難うございます。楽しかったですか?」
「実に為になりましたよ。セントルイスさんのお心遣い、ありがたく存じます。」
「まあ、それはそれは。シルフィールは私の可愛い妹、お願いされたら断る訳には参りませんのよ。」
「そうですか。いやはや、お綺麗な御姉妹ですなあ。」
「ふふ、またご冗談を。では、この後も楽しんでいって下さいまし。シルフィール、ご用は終った?」
セントルイスに視線を向けられ、シルフィールは頷き、ガブリエフ親子に挨拶して彼女についていく。
「おう、どうしたよ?ボ〜としてよ?」
心ここに有らず、といった感じのガウリイの背中に、ルークが肘でうりうり、とつっついた。
先程から彼はぽ〜、と突っ立っていたのだが、ようやっと近くにルーク達が来たのに気付き、そちらを見る。
「いや、何か、ひっかかるんだ。」
「まさか!もうリナから心変わりするんですか?!」
「サイテーだな。」
「女の敵ですね。」
「タイプがあのチビと違い過ぎるんじゃねえか?」
アメリア、ゼル、ミリーナ、ルークはそれぞれの反応を見せる。
ゼルとルークは明らかにからかいを含んだ表情だが、アメリアは完全ご機嫌宜しくなく、ミリーナは表情の読めない顔だ。
「ん〜?何かは分からないが、何かひっかかるんだよなあ。」
のんびりと間伸びした声に、4人の気が削ぎれた。
「さすが、天然ボケ殺しめ。」
「少しは慌てろや。いつもはあたふたするくせによ。」
ゼルとルークは呆れた顔をし、アメリアはどうやら勘違いらしい、と恥ずかし気にえへへ、と笑い、ミリーナは相変わらず表情が読めない顔をしている。
「ところで、フィルさんはすごいな。あのお袋と意気投合するなんぞ。」
「え?セリスさん素敵な方じゃない。」
ゼルの言葉に、アメリアは首を傾げる。
ゼルの視線の先には、談笑している2人の親がいる。
「素敵?はん!そりゃ、良く知らないから言える事だな。大体からして、変な癖を持っている時点でオカシイだろうが。」
「あら、わたし楽しい人だと思ったわよ?」
「身内を嫌われるよりかはマシだが、その基準だと、俺まで変人みたいで嫌だな・・・」
「ちょっと!それじゃあ、わたしの趣味がオカシイみたいじゃない?!」
「俺を選んだ時点でオカシイんじゃないのか?」
「むっ!ゼルガディスさんは素敵よ?!」
「それは、あんたが広い世界を見ていないからだ。」
「何を言ってるのよ!わたし、これでも色んな方々に会ってきてるのよ!ゼルガディスさん程素敵な方はそうそう居ない、て断言出来るわ!」
「それは幾等なんでも言い過ぎだ。」
「お前等、喧嘩してるのか、イチャついているのかハッキリしろよな?」
向き合って言い争い?をしているアメリアとゼルに、ルークは顔を引き攣らせながら言った。
気付けば、少し声が大きくなった2人に、遠巻きに見ていた人達は微笑ましそうな笑みを向けている。
それに気付き、ゼルはコホン!と咳払いをするが、アメリアはルークを見、睨み付ける。
「ルークさん!貴方、目が悪いんじゃないですか?喧嘩していたに決まってるじゃないですか!」
「いや、誉め千切っていた様にしか見えねえぞ、今の。」
「アメリア、仲が良いのは構わんが、もう少し場所をわきまえんか。」
ルークの呆れ声に続き、いつの間にか側まで来ていたフィリオネルも困った顔でそう言う。
アメリアが同意を求める目でミリーナを見ると、彼女は少し困った顔で首を横に振った。
「はは、ゼルはアメリアと仲が良いなあ。羨ましいよ。」
「うるさい。」
のほほん、と笑いながら言ったガウリイに、ゼルは僅かに頬を染めて睨み返した。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
なんだ、この喧嘩、こんなの入れる予定なかったのになあι
キャラが勝手に動きましたデスよ。

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18300花よりも団子?‐36‐井上アイ 2007/9/2 23:17:30
記事番号18295へのコメント

なんとか、時間が出来ました。
が、次回の約束は出来ません。
まあ、そんなに待たせないとは思います。アクマでも予想ですがね★
では、36話です。
まだパーティーは終りません。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「初めまして、ミリーナさん。貴女にお会いするのを楽しみにしていましたわ。」
セントルイスに声を掛けられ、ミリーナはにこり、と笑った。
「こちらこそ。いつも素敵な作品を造られている会社の社長にお会いするのを楽しみにしていました。」
「あら?ならば何故、私の社長就任パーティーに出て下さらなかったのかしら?」
「社交界デビューが未だでしたので、辞退させて頂きました。」
「遠慮深いのね。良い趣味をお持ちの様だから、将来は是非ウチに招き入れたいわ。」
「お世辞がお上手なんですね?」
「あら?体よく断られてしまったわ。」
笑顔で言ったミリーナの言葉に、セントルイスは背後に立つシルフィールの方を見、苦笑した。
「残念でしたわね、社長。」
「本当に残念だわ。ミリーナさん、卒業まで待っているわ。いつでも声を掛けて下さいな。」
ミリーナと握手をし、セントルイスはアメリアの方を向く。
「アメリア様、本日はお越し下さりありがとうございます。」
「いえ、お礼を言うべきはこちら。楽しみにしていたのですよ?」
頭(かぶり)を振って言ったアメリアの言葉にセントルイスは満足気な顔をして言う。
「そうですか、それは嬉しいお言葉ですわ。」
「期待通り、素敵なお時間を頂きました。」
「安心しましたわ。もう暫くお付き合い下さいましね?」
「ええ。」
笑顔でセントルイスを見送ったアメリアに、ゼルが不思議そうに声を掛ける。
「アメリアが呼ばれて来たのか?」
「ええ。」
「てっきり、フィルさんの付き添いだと思っていたのだが・・?」
「ああ、そうよね。フライングよね。わたし、まだデビュー前だもの。」
ゼルの疑問に気付き、アメリアは苦笑する。
社交界デビューは、高校に上がってすぐだ。
という事は、アメリアは来年がデビューになる。
普通、今回の様な場には、デビューしてからしか招待されないのだ。
付き添いで、参加するくらいしかアメリアがここに居る説明が付かないのだが?
「実は、特例で呼んで頂いたの。」
「特例?何でまた。」
「ふふ♪それは秘密よ♪」
ますます怪訝そうな顔をしたゼルに、アメリアは右手人指し指を立て、口に当てた。
それに溜め息をつき、ゼルは口を開き、自分の予想を口にする。
「ま、あんたは特別な客だろうからな。あちらとしては、新らたな分野の商品を逸早く紹介したいんだろうよ。」
「成る程。だからわたし呼ばれたのね。」
「何だ?呼ばれた理由を知らなかったのか?」
「まあ、そうなるのかしら?」
ゼルの言葉にアメリアは首を傾げた。
「何故、疑問系なんだ?」
「わたしには、分からないのよ、本当の所。」
「それなら、そうと早く言え。」
「えへへへへv」
ゼルにジト目を向けられ、アメリアは照れ臭そうに笑う。
それを羨ましそうに見、ルークはミリーナに声を掛ける。
「〈ルイス〉に入る気ねえのか?」
「ええ、今の所は。私は物を創る事に向いていないと思ってるの。」
「でもよ、社長さんが直々に是非に、て言っているんだぜ?創る側じゃなくても出来る事あるんじゃないか?」
「例えば?」
「販売員とか!ミリーナ美人だからよ、接客向きだと思うんだよなあ。俺だったら毎日でも通うぜ!!」
「毎日通うって、風俗みたいね?それに、私の性格では、接客は向かないと思うのだけれども?」
ルークを冷ややかに見、ミリーナは冷たく言い放った。
小さく唸り、ルークは必死に頭を巡らせてから口を開く。
「なら、事務だよ!ミリーナは頭良いし!」
「無難な線を選んだのね。」
「う゛・・・」
冷たく返され、ルークは言葉を無くした。
その頃、他の人達は?
「ん〜???何だろなあ??」
1人ぽや〜としたままガウリイは未だに考え込んでいたりし、
フィリオネルは既に、セリスとの会話に戻っていて、ガウリイの父親は、ゼラスの元で手痛い扱いを受けていた。
そして、ゼロスは、と言えば、1人静かに、しかし楽しそうに笑みを浮かべていた。
「もしかすると、これは面白い事になるかもしれませんねえ。」
一人ごち、ゼロスは一層笑みを深めた。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
すみませんが、今日はここまでです。
また暫く間が空きますが、待って頂けたら幸いです♪

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18321花よりも団子?‐37‐井上アイ 2007/9/17 01:00:19
記事番号18300へのコメント

お前のあんまり待たせないは、一体どんだけだ!と自分にツッコミ入れつつ、こんばんみ★(しつこい)
かはっ★(吐血)本当、申し訳・・!!
二週間放置って?!ヤバすぎ!
改心します、と言いたい所ですが、まだ、話を作るだけの余裕が少ない状態ですので、ぐだぐだ更新が続きます。
そんな流れ?で、37話です。
どう終らせるか、を今悩んでいます★
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
挨拶をし終ったセントルイスと、それに付き従うシルフィールが壇上に上がった。
それぞれ、会話を楽しんでいた会場内の人々の視線が、壇上へと向けられたのを確認し、セントルイスが口を開く。
「では、お待たせしました。こちらが、私共が秋に発表する作品です。」
シルフィールが彼女の言葉に合わせて金属の箱を開け、中が皆に見える様に持つ。
途端、会場内に控え目な歓声が上がる。
主要メンバーの6人の反応は、といえば。
「え?」
「わ!素敵vね?ミリーナさん。」
驚きと戸惑いの表情をしたミリーナに、アメリアはにこり、と笑ってみせ、
「ん?」
「へぇ。」
ゼルは眉をしかめ、ルークは感嘆の溜め息をつき、
「さてさて、何が始まるのやら。」
「何だったかな?」
ゼロスは面白そうに笑い、1人、ガウリイだけは、検討違いの事を未だ考えていた。
「新分野となるこの作品は、オルゴール職人である父が、新たな挑戦として選びました。ご存じの通り、父はこの様な公の場を好まないので、ご紹介出来ないのがとても残念です。」
「何を今更。セントルイス以外が表舞台に立つ事など、今までなかっただろうに。」
セントルイスの言葉に、ゼルは溜め息混じりに言い、気掛かりである事を保留にする事にした。
「その代わりに、父のアシスタントである、わたくしの妹をご紹介します。」
「え?どういう事?」
「どういう事だ?何で、今更。」
「どうして、今?」
セントルイスの発した言葉は、会場全体の動揺を誘った。
〈ルイス〉に詳しい3人も同じ事で、アメリアは、寝耳に水な表情をし、ゼルは、怪訝そうな顔で首を傾げ、ミリーナは、自分がしている腕時計に視線を落とし、首を傾げた。
「では、ご紹介します。入りなさい。」
にっ!と笑い言ったセントルイスの言葉と共に、会場の扉がゆっくりと開かれた。
「なっ?!」
「えっ?!」
「おいおい、マジかよ。」
ゼル、ミリーナ、ルークの目が見開かれ、ガウリイの父親は、呆然と口を開く。
「どういう、事なんだ、これは?」
「やはり、こういう事でしたか。」
「リ・・ナ?」
苦笑したゼロスと、夢でも見ているかの表情をしたガウリイ、その他、会場中の視線を集めながら、1人の少女が会場内をゆっくりと歩き、壇上へと上がった。
シルバーのスーツドレス、白い靴を身に纏い、栗色の髪は、左側で一つに結わわれ、白い百合の花が、その結びの所に差してがあり、無駄の無い洗礼された動きは、キチンとした躾をされている事を匂わせる。
そんな彼女が、セントルイスの隣に当然の様に立ち、一礼した。
「わたくしの妹のリナです。連れ添いの方、ご招待した方の大半の方が、聖竜学園に通ってらっしゃるので、ご存じの方もいらっしゃるのでは?」
「知ってるも、何も、学園の超有名人だと知ってて言ってるのか?」
「知らない人間なんぞいないだろうがよ。」
セントルイスの言葉に、ゼルとルークは眉をしかめ、悪態を付き、
「人が悪いわ。」
「まったく、食えない言い方をなさる方ですねぇ。」
アメリアは苦笑してリナとちらり、と視線を合わせ、ゼロスはやれやれ、といったジェスチャーをし、
「あの、小娘が、セントルイスの妹?どういう事なのだ。」
「成程、そういう事だったのね。」
ガウリイの父親は、今一事情が掴めない表情をし、ミリーナは、漸く、納得のいった顔をし、
「リナ?何で、ここに?」
ガウリイは、未だ、呆然としている。
そして、会場に居る聖竜の生徒達は、信じられない真実に、ざわめきを隠せない。
「妹は、世間勉強の為と、人を見る目を養わせる為に、援助無しで学生生活をさせています。なので、妹には、今まで通りの対応をお願い致します。」
凛とした顔で言ったセントルイスは、シルフィールを従え、壇上を降り、会場中央のショーケースに金属の箱の中身を入れる。
「リナ!どういう事よ!」
「えへv」
リナが壇上から降りると、いち早く駆け寄ったのはアメリアだ。
聖竜の生徒達も、リナに近付きたそうにしながらも、節度有る人間が残っている為に、それはしない。
「聞いていないわよ!こんな段取り!知っていたら、わたし、リナのエスコートしたかったわ!」
「ごめん、だってさ、あんた、今回の目的は、顔合わせでしょ?」
「それはそうだけど!わたし、リナの親友じゃなかったの?!あの人も、人が悪いわ。道理で、さっきのあの顔!何か、楽しそうな顔だったのは、こういう事だったのね?!」
エキサイトするアメリアに、リナは思わず苦笑する。
幼馴染みであり、親友の2人、アメリアは、セントルイスとも当然良く知った中だ。
リナ達一家が、〈ルイス〉の人間である事も当然知っている。姉妹の母親が、前〈ルイス〉社長だったからだ。
その彼女が、先程の挨拶の終わり、一瞬だが、確かに楽しげな笑い方をしたのを、アメリアは見逃していなかった。
エキサイトしながらも、場を考慮して彼女の名前を言わない所は、さすが、といった所で、リナはその事に苦笑したのだ。
「こういう事だったのね?リナさん。」
「ま〜ねv」
歩み寄り、腕時計を右手に持ち、静かに問い掛けたミリーナに、リナはペロリ、と小さく舌を出す。
ミリーナが手に持っている腕時計は、リナが彼女の誕生日プレゼントに贈った物で、先程、セントルイスに紹介された、新分野として紹介された作品と、酷似している。
「これは、世界に一つだけの物よ。ミリーナの為に、ミリーナのイメージに合わして、デザインを変更して貰ったの。」
「とても、気に入っているのよ。リナさん、ありがとう。」
「・・・ん。」
ミリーナに真っ正面から礼を言われ、リナは照れ臭そうに笑った。
そこに、2人の男が近付く。
「成る程、あの新作に見覚えあると思ったら、そういう事か。」
「どうにも隙の無い奴だ、と思っていたら、こういう事だったのかよ?チビすけ。」
ゼルとルークに横から声を掛けられ、リナはそちらを見、苦笑する。
「さすが、ゼル。見る所が違うわね?あんたは、相変わらず嫌な奴ね、ルーク?」
盛り上がっている5人と少し距離を置いて立ちすくむガウリイに、ゼロスが近付く。
「声をお掛けにならないんで?」
「何も、言葉が浮かばないんだ。」
「会いたい、とおっしゃってらしたではないですか。会いたかった、で良いんじゃないですか?」
「あ、ああ。そうなんだが・・・それ以外にも、言いたい事があり過ぎて、頭が追い付かないんだ。」
「まったく、無器用な方ですねえ。」
やれやれ、と肩をすくめ、ゼロスはその場を離れた。
その足で、セントルイスから離れ、水を飲んでいるシルフィールに近付き、声を掛ける。
「あなたは、フェイクの為にいらしたのですね?」
「あなたは、確か、ゼロスさん。」
「セントルイスさんと、共通点の多い貴女で、妹では?という憶測をさせておいて、本物登場とは、社長もお人が悪い。」
「ふふ★社長と姉妹に間違われるなんて光栄ですわvわたくし、あの方のファンですものv」
おしとやかに笑い、シルフィールはゼロスを見る。
その彼はにこやかに笑っているのを見、気付く。
「貴方は、どうやらお分かりでしたのね?」
「ええ。放つオーラが違いますからね。リナさんと、社長さん、とても良く似た雰囲気をお持ちですから。」
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
ふい〜、やっとこさ、ネタばらし出来ました。
ゼロス、最後は、作者の思惑説明係に(笑)
セントルイスは、勿論、ルナ姉ちゃんですよ♪
まあ、途中で、気付かれた方もいるでしょうがねι
そして、この話の盛り上がり所が終ってしまいました(汗)
でも、スッキリ終らせねば!!
では、また♪

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18326Re:ぉ久しぶりデス。。。 2007/9/19 19:29:16
記事番号18321へのコメント

最近、顔を出せなくて申し訳ありませんでした

久方ぶりのコメントです

>お前のあんまり待たせないは、一体どんだけだ!と自分にツッコミ入れつつ、こんばんみ★(しつこい)
一人ツッコミ、良いですよね。

自分も一人ツッコミと、乗りツッコミは得意技なんです(ェ

ホラ、今も出ましたこのカッコ→(

コレ自体既に一人ツッコミなんですよね。

つまり自分は最低でもここにいる間中、ずっと一人ツッコんでるわけです。

とても怖いコトですね。

ですが一人ツッコミの事で何か分からないことが御座いましたら、

この一人ツッコミの猛者に、何でもお聞き下さい。きっと力になります!(ヮァ

>「え?」
>「わ!素敵vね?ミリーナさん。」
>驚きと戸惑いの表情をしたミリーナに、アメリアはにこり、と笑ってみせ、
>「ん?」
>「へぇ。」
>ゼルは眉をしかめ、ルークは感嘆の溜め息をつき、
>「さてさて、何が始まるのやら。」
>「何だったかな?」
>ゼロスは面白そうに笑い、1人、ガウリイだけは、検討違いの事を未だ考えていた。
この反応で、後に出てくる6人の考えてる事がよく分かりますね

>「こういう事だったのね?リナさん。」
>「ま〜ねv」
>歩み寄り、腕時計を右手に持ち、静かに問い掛けたミリーナに、リナはペロリ、と小さく舌を出す。
>ミリーナが手に持っている腕時計は、リナが彼女の誕生日プレゼントに贈った物で、先程、セントルイスに紹介された、新分野として紹介された作品と、酷似している。
>「これは、世界に一つだけの物よ。ミリーナの為に、ミリーナのイメージに合わして、デザインを変更して貰ったの。」
>「とても、気に入っているのよ。リナさん、ありがとう。」
>「・・・ん。」
世界に一つだとか・・デザインとか・・イメージとか・・・っ!

何ですかコレ?! これが学生同士のプレゼントッ!?

こんなプレゼント泣いて喜びますよ!!

>そこに、2人の男が近付く。
>「成る程、あの新作に見覚えあると思ったら、そういう事か。」
>「どうにも隙の無い奴だ、と思っていたら、こういう事だったのかよ?チビすけ。」
>ゼルとルークに横から声を掛けられ、リナはそちらを見、苦笑する。
>「さすが、ゼル。見る所が違うわね?あんたは、相変わらず嫌な奴ね、ルーク?」
ル、ルークゥゥーッ!!

ここわ嘘でもっ

「俺もその時計、普通に気づいてたゼ? ぴゅーぴゅーぴゅぴゅー(口笛」

的な雰囲気出さないと!

>盛り上がっている5人と少し距離を置いて立ちすくむガウリイに、ゼロスが近付く。
>「声をお掛けにならないんで?」
>「何も、言葉が浮かばないんだ。」
>「会いたい、とおっしゃってらしたではないですか。会いたかった、で良いんじゃないですか?」
>「あ、ああ。そうなんだが・・・それ以外にも、言いたい事があり過ぎて、頭が追い付かないんだ。」
ヘッヘッへ青春ですねェ(危オッサン

何ともガウリイらしい表現です

>「まったく、無器用な方ですねえ。」
>やれやれ、と肩をすくめ、ゼロスはその場を離れた。
違うょゼロス!

不器用とかじゃなくて、海月なん(ゴメンナサイ

>「ふふ★社長と姉妹に間違われるなんて光栄ですわvわたくし、あの方のファンですものv」
あの方のファンは止めといたほうが良いですよ

怖い人間になっちゃいますよっ

>セントルイスは、勿論、ルナ姉ちゃんですよ♪
>まあ、途中で、気付かれた方もいるでしょうがねι
>そして、この話の盛り上がり所が終ってしまいました(汗)
>でも、スッキリ終らせねば!!
>では、また♪
セントルイスさんの事は、全然気が付きませんでした。

またもや知らんキャラなのだろうな、と思い。(コラ


お話も、もうまとめに入るのですね。

ガウリイもゼルの様に、羽ばたける日が来るのでしょうか。

とても楽しみに次回も待っております

それでは。



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18331う〜、すみませんι井上アイ 2007/9/24 11:06:11
記事番号18326へのコメント

へぼへぼな作品なのに、コメント有り難いです!!
進捗状況がすこぶる遅くなった事、真、申し訳ありません!(土下座)
受験生にずるずると付き合って貰っちゃ駄目だろ、自分!!駄目人間めが!!
自分を戒めてみました。ですが、基本のんびり人間ですので、あまり効果はありません。
わかっちゃいるのに、止められない♪堕落人生まっしぐらです!!
ではでは、コメント毎度どうも〜!

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18347花よりも団子?‐38‐井上アイ 2007/9/29 23:13:29
記事番号18321へのコメント

ネタばらしをし、すっかり意欲が薄まってしまいたした★
駄目人間、ここに極めり、て感じですか?
では、38話です。
長くなりましたね〜、この話。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「ガウリイ。」
アメリア達と会話を打ち切ったリナは、ボーとしているガウリイの肩を叩き、その目の前に立った。
そこに至って、ガウリイは、彼女の方を真っ直ぐと見る。
「リナ。」
「久しぶり。」
「あ、ああ。」
「元気だった?」
「・・・・」
「ガウリイ?」
「会いたかった。」
「うん。」
ガウリイにさりげなく右手を握られ、リナは小さく頷く。
「心配、してたんだぞ。」
「うん。」
「元気、だったか?」
「うん。」
「良かった。」
嬉しそうに笑んだガウリイを見、リナは居心地悪そうな顔をする。
「怒らないの?黙ってた事。」
「訳があったんだろ?それに、オレにはどうでも良い。リナはリナだから。」
「そ。少し、話せない?お父様と一緒に。」
「親父と?」
「そう。嫌?」
「ああ。」
「悪い様にはしないから、ね?」
「分かった。リナが言うなら。」
ガウリイの返事に、リナは苦笑し、ちらり、とアメリアの方を見、手を振った。
それに気付いた彼女は、軽く手を挙げて答え、すぐにゼルとの会話に戻る。
それを見留め、リナはガウリイの右腕を取り、歩を進める。
―パタン。
部屋の扉がゆっくりと閉じられ、ガウリイの父親は、閉じた人物、リナを見る。
この部屋は、先ほど、セイルーン・グレイワーズ親子が対面の際に使った部屋だ。
が、3人は立ったまま話を進める。
「話とは、どの様な?」
「簡単な事よ。あたしの姉は、公私混同しないから、無駄な期待はしないで。」
にこやかに聞いてきたガウリイの父親に、リナは笑顔でそう言い、隣に立つガウリイを見る。
「あたしが、貴方を選んだのは、貴方がガブリエフだからじゃないわ。」
「分かってる。リナは、そんな人間じゃないからな。」
「もう、買い被り過ぎ。」
ガウリイに優しく微笑まれ、リナは仏調面をするも、彼には、単なる照れ隠しである事は、お見通しだ。
「だが、結婚というのは、家と家の繋がり・・・」
「はん!あたしの事、気に入らなかったんじゃなかったの?!今更、結婚だ、なんだ、持ち出さないでくれる?」
暫く考え込んでいたガウリイの父親が持ち出した話に、リナは嫌悪感を露にする。
「では、ガウリイとは結婚する気は無いとでも?」
「例え、ガウリイと結婚したとしても、あたしは、ガブリエフがどうなろうとも一切、関与しないわ。」
避難の色を含めた問いに、リナは笑みで返した。
それと同時に、扉がノックされた。
それに口の端を吊り上げ、リナは笑い、踵を返し扉へと向かう。
「リナ?」
意味ありげなリナの表情に、ガウリイは首を傾げた。
―ガチャ
「おう、待たせたな。」
「そうでも無いわよ?」
リナが扉を開けると、部屋の外に居た来訪者の声が、ガウリイ達の耳に届く。
その声は、張りのあるバリトンで、来訪者が男である事を示していた。
「よお、相変わらずすかした顔してんじゃねぇか。」
無造作な長い黒髪を揺らし、整った顔の口の端を上げ、来訪者は部屋へと入るなりガウリイの父親にそう言った。
身なりは、元の色は白なのだろうが、汚れや気ばみがあり、作業着の様に見えるので、今日の催しに参加出来る様な格好ではない。
「はて?どなたでしたかな?」
「あん?忘れたのかよ?三十年前、あんたに俺の作品を買わないか、て持ち掛けただろうが。」
「ああ、あのオルゴール職人か。いきなり人の会社に乗り込んで来た、乱暴者な非常識人間。」
「ちっ、くだらねぇ事を覚えてんじゃねぇよ。」
毒付き、来訪者は椅子にドガ!と腰掛ける。
「しかし、何故こんな所に?」
「分かんねぇのか?察しが悪いな。そんなだから、会社が傾くんだろうが。」
「大きなお世話だ!!めっきり名前が表舞台に出なくなった、そなたよりマシであろう?!!」
「ああ〜?まだ気付かねぇのか?俺は、今〈ルイス〉の専属の職人だ。で、リナの父親。」
「?!!」
にっ!と笑ったリナの父親の言葉に、ガウリイの父親は表情をこわばらせた。
そちらの口が止まっている内に、リナの父親はガウリイの方を向き、口を開ける。
「おう、ガーブは元気にしてっか?」
「あ、ああ。おっさん、何で?」
「悪友でな。あいつが、お前を面倒見てんのも知ってんぜ?現場に見物しに行ってやったからな。」
ガウリイの戸惑った問いに、人の悪い笑みで答え、途端、憎々しげな表情で、リナの父親は毒付く。
「んにゃろ!リナに自分所の男をこさえやがって!虫を付けんな、つっといただろうが!!後で絞めてやるから覚悟しとけ!と、ガーブに伝えておけ。」
「お、おう。」
カクカクと頷くガウリイに、リナは苦笑して口を開く。
「父ちゃん、口は悪いけど、根はお人良しだから。そんなに緊張しないで。」
「そ、そうか。」
「いっとくがな!人の大事な娘を盗もうとする盗人には、優しさなんぞ、1mmだってやらねえからな!!」
頷きかけたガウリイに、リナの父親はふん!と鼻息荒く怒鳴りつけた。
「もう!大人げ無いんだから!別に、今すぐ、どうこう、て話じゃないでしょう!!」
「けっ!大人げ無くって結構だ!目に入れても痛く無い、大事な大事な愛娘を、こぉ〜んなイケ好かないヤローの馬鹿息子なんぞにやれるか!!」
娘の怒鳴られても、その父親はすねた子供の様な表情で言い返す。
「ごめん、ガウリイ。こうなったら梃子でも動かないから。子離れ出来て無いのよ。」
「いや、それだけリナが愛されている、て事だろ?なら、しょうがないさ。」
申し訳なさそうな表情をしたリナに、ガウリイは頭(かぶり)をふり、微笑み掛ける。
「で、では、そなたが、前セントルイスの結婚相手だと?」
「おうよ。ビビったぜ?プロポーズの相手が、自分が勤務する事にした会社の社長だ、て知った時はなぁ。まあ、知っての通り、セントルイスはプライベートを公にしないからな、結婚した事しか知らねえのも無理はねぇ事だ。」
やっと言葉を発したガウリイの父親に、リナの父親は瓢々と言い、足を組み、背もたれに背を預ける。
対して、直立不動のガウリイの父親。
ハタから見ると、上司と部下の様に見えるだろう。
「しかし、にしてもお粗末だなぁ?あ゛あ?こそこそと色々してくれた様だが、生憎、こちらの方が上手でな。簡単に尻尾は掴めさせないぜ。」
「何の事だ?」
「しらばっくれんなよ?じゃなきゃ、あんたの会社の存続に関わる。」
「公私混同では無いかね?それは。」
「はっ!こっちは親切で忠告してやってんだぜ?どうするよ?」
不敵に笑い、リナの父親はガウリイの父親を見た。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
すみませんι
少々短いですが、切ります。
なんか、イチイチ〜の父親て打つの面倒だな。適当な名前を付けようかな?
でも、それはかなり今更だ。
このまま続けます。

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18348花よりも団子?‐39‐井上アイ 2007/9/30 23:21:25
記事番号18347へのコメント

久々、連続UP☆
リナパパ、自分大好きなんですv親父殿、と崇拝していますv
彼を動かすのが楽しくてなりませんv
そんな告白の流れで、39話です。
こんなん打っている場合か!と思うのですが、話を早く終らせたいのです。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
暝目し、考え込んでいたガウリイの父親は、目を開け、問い掛ける。
「どういう、事だね?」
「さあてな?」
「教えては、くれんのか?」
「人に頼む態度じゃねぇと思うが?」
「どうしろと?」
「そのすました口の聞方、なんとかしたら、どうだ?」
にやにやと笑いながら、リナの父親はそちらを見る。
ガウリイの父親は、悔しそうな顔を一瞬してから口を開く。
「私の会社に、何が起こっているのか、お教え下さらないか?」
「ふん、表情は気に入らねぇが、しょうがねえか。」
ガシガシ、と後ろ頭を掻き、リナの父親は口に火のついていない煙草をくわえ、真剣な表情をし、口を開く。
「あんた、〈ルイス〉に、ダイナストの人間送り込んで、そいつに経営状態を悪くしよう、とさせていたんだろう?」
「?!どうして、それを。」
「へぇ、素直に吐きやがったか。ここでゲロしなかったら、肝心の話は止めるつもりだったんだがな?」
意表を突かれた表情をした相手に、リナの父親はにやり、と笑う。
「肝心な話?」
「ま、それは後だ。事実確認をさせて貰う。下手な嘘は吐くなよ?こちとら、んなもんにひっかかる程、甘くないんでな。」
「承知した。」
「あんたの企みは、こうだ。こっちの経営状態が悪くなる様に、潜伏者に横領や、横流しをさせ、ついでにセントルイスの情報を集めさせていた。違うか?」
「その通りだ、と言ったとして、何か証拠でも?」
「なっ?!」
自分の父親の言葉に、ガウリイは愕然とする。
そんな事までしている、とは思っていなかったのであろう。
父親を軽蔑の眼差しで見、ガウリイは一人ごちる。
「んなに、会社が大事かよ。」
「ガウリイ、この先、聞ける?」
「聞く。親父が何を企んでいたのか、オレは知るべきだ。」
ガウリイの答えに、リナはそう。とだけ返し、互いの父親に視線を戻す。
「経営状態が悪くなったら、救いの手を差し出す形で、こちらを乗っとろうとしたんだろうが、悪いな。こちとら、最初っから、潜伏者はマークしてたんでな。」
「ほう?それはそれは。」
「アクマでもシラ切るか。いいのか?潜伏者は今、こちらの手中だ。で、ちょっくら、人の所を荒そうとした奴らを調べたら、面白い事が分かったんだぜ?」
「面白い事?それは是非、お聞きしたいですな。」
若干余裕がある表情で言ったガウリイの父親に、リナの父親はくはぁ〜〜〜、と長い溜め息をつき、口を開く。
「何でも、世界的に有数な企業に、裏工作の証拠を付き付け、乗っとる段取りだそうだ。」
「んな?!!」
「最近、落ち目の企業だが、世界規模のネームバリューは魅力的なんだとよ。」
ざあ、と音が立った様に錯覚する程、ガウリイの父親の顔色は、あっという間に青くなった。それに追い討ちを掛ける様に、気が進まない表情で、リナの父親は自分が調べた事を端的に語った。
「ミイラ取りがミイラ、て諺、知っているか?まさに、あんたはそれだ。」
「何故、こんな事に。」
リナの父親の戒める様な口調に、ガウリイの父親はすがる様な顔を向ける。
「真面目に経営していれば良いものの、あんたは、ここ数年やり過ぎた。そのシッペ返しだろうよ。〈ルイス〉と似た手口で、いくつかの会社を乗っとったんだろう?」
「私は、ただ、見返したかっただけなのだよ。婿だからと言って、私の意見を小馬鹿するかの様に、鼻で笑う役員共を。」
「はん!それで、馬鹿みたいに手を広げ過ぎた結果が、経営の悪化だ。で、その所為で、余計、役員が離れ、好き勝手しだす。悪循環の良い見本の出来上がり、て事だ。」
手を組み、リナの父親は鋭い視線を頷垂れている相手を見る。
同じ婿入りした者同士なのに、あまりにも、今の状況は違う。
それは、周りの人間や環境によるものだろうが、だが、リナの父親は、手に職を持っている、という強みが、自身の自信に繋がっており、例え、逆の立場となっても、乗り越えるのであろう。
対して、ガウリイの父親は、婿入りしたからこそ手に入れた地位、という負い目が終始彼に付きまとっていた。
だが、そもそも、前総帥だとて、婿だから譲った訳では無い。
社員として真面目に働いていた彼を見、これならば任せられる、と自分の元で勉強させていたのだ。
病に倒れた前総帥が、弁護士を通じて彼を次期総帥として抜擢したのも、それだけ信用されていたからだ。
数年、真面目に総帥としての仕事をこなしていた彼は、引き継ぎの際に落ちる、世間の会社への評価も落とす事なく、少しずつではあるが、業績も上げていたのだ。
が、十四年前、ガウリイ五歳の時、ガウリイの母、彼にとっては妻を、不慮の事故で失ってから、おかしくなってきてしまった。
役員達の中で、ガブリエフの後ろ立てが無くなった彼を、あからさまにさげずむ者が出てきたのだ。
今までの実績を考えれば、なんの落ち度も無いのに、彼は追い込まれ、強引な手口を使うようになってしまったのだ。
「手は、無い訳では無い。」
この世の終りを見たかの様な顔をしているガウリイの父親に、リナの父親は口を開いた。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
あは〜☆
やってみたかったんですよvこの後、どうなる?!て所で切るのv
なんか、ガウリイ父が可愛そうな人に見えてきてますが、錯覚です★(お前・・・)
いや、だって、あんなひねくれた性格や根性が、そう簡単に出来る訳が無い。
唯一、好きになれないキャラですし★
どう感じるかは自由だ〜ぁ!!(微妙に古い)

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18355花よりも団子?‐40‐井上アイ 2007/10/13 00:39:50
記事番号18348へのコメント

別に、引っ張った訳ではありません!
話の続きに迷った訳でもありません!
こう書くと余計怪しく思われると自覚しつつ、40話へ突入☆
前回、人を潜入させていた事を素直に認めた癖に、裏工作はとぼけたガウリイ父は、一体どういう人格構成なのか?と不思議でなりません。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「手が、ある、とは、どういう?」
まるで迷子の様な目をしたガウリイの父親の問いに、リナの父親は自信ありげに笑い口を開く。
「簡単なこった。あんたがさっさと退任して、会社を役員連中に引き渡せば良い事だ。」
「な?!それでは、先代や、会社の社員達に何と言えばいいのだ?!!」
「ほぉ。ここで社員が出て来るか。まだ見込みはある、て事だな。」
にぃ、と笑い、リナの父親はガウリイの父親の青褪めた顔を見る。その彼が、真剣な顔で口を開いた。
「何人の社員を抱えていると思っておる?そして、その家族の事を考えれば、好き勝手している役員を野放しにする訳にはいかん。」
「冗談だ。」
「は?」
「さっきのは冗談。まあ、あんたが総帥を辞める事には変わりが無いが。」
「だから、それでは・・」
「まあ聞け。でだ、長男坊を総帥にし、あんたは後継人として、長男坊が一人前になるまでサポートしてやれば良い。」
言葉を遮り、リナの父親は単純な数式の答えでも教えるかの様に、言う。
「役員共は、あんたがガブリエフの血筋じゃないから不満なんだろう?なら、ガブリエフの血筋の長男坊なら文句はあるまい。」
「しかし、いくらガブリエフの血筋とはいえ、いきなり院生であるランディを総帥にしては、役員達も黙っておるとは思えんが。」
「はん!そいつらは、あんたに黙って長男坊とコンタクトとっていたんだろうが?お望み通りの結果になったんだ、文句はねぇだろうよ。」
リナの父親の言葉で、ガウリイの父親は難しい顔をして考え込む。
「なあ、それは兄貴も承知の話なのか?」
「あったぼうよ。なんの覚悟も無い奴を、いきなり総帥にしたら、こいつの二の舞いだからな。ぬかりはねぇ。」
ガウリイの問いに、馬鹿な事を聞くんじゃねぇ、といった表情で答えるリナの父親。
勿論、私情もばっちり絡んでいる。
「そうか。なら、私は引責しよう。」
長男がその気であるのなら、とガウリイの父親は安堵の溜め息と共にそう口にした。
ガブリエフ、という重責から逃れられる事、長男に会社を継ぐ意思がある事、この二つに対する安堵の溜め息である。
「ま、といってもだ。長男坊が卒業するまでには時間があるからな。あんたはしばらく居続ける事になる。その間に、使えねぇ役員を切って捨てて、長男坊の気苦労を減らす努力してやれや。」
「忙しくなりそうだ。」
リナの父親の言葉に、ガウリイの父親は小さく微笑んだ。
「親父が笑ったの、随分久しぶりに見た。」
「で、あんたはどうすんの?お兄様が会社を継ぐのなら、もう何の気兼も無いでしょ?」
面食らった表情をしているガウリイに、リナは首を傾げ問う。
「う〜ん。そうだけどよ、やっぱりまだ分からないな。」
「うん?」
「会社を継がなくても、兄貴の元で仕事をするのも良いし、今の職場で頑張るのも良いし。」
「そっか。じゃあ、答えはまだ、て事?」
「まあな。」
「ま、焦る事は無いわ。あたしだって将来はまだ決めて無いもの。」
「え?〈ルイス〉で働くんじゃないのか?」
「まさか。あたし、大学卒業したら、〈ルイス〉とは離れるつもりよ?姉ちゃんも、自由になさい、て言ってるし♪」
「へぇ。良い姉さんだな?」
「ふふ★そうね・・・」
「???」
何故か、顔を引き攣らせて笑うリナに、ガウリイは首を傾げる。
リナの姉を誉めたのに、彼女は喜ぶどころか、逆に何故か怖がっているのだ。
「さてと、話も終った事だ。リナ、会場に戻るか?」
「何?この手?」
色々と段取りを話終えた父親が、立ち上がり差し出した手を、娘はジト目で見た。
「何、て。エスコートに決まってんだろ?俺がしないで、誰がやるって〜んだ?」
「その格好で?父ちゃん、嫌いになっていい?」
「な?!何でだ!?リナ?!」
「ガウリイ、行きましょ?」
悲痛な叫びを上げる父親を無視し、リナはガウリイの左手を取り、部屋を出た。
『リ〜ィナ〜ァ!!』
悲しき父親の叫びが、ドア越しに響き渡るが、肝心の娘は当然の様に聞こえないフリだ。
「いいのか?」
「いいの、いいの♪甘やかすと図に乗るから。」
ガウリイの言葉に、リナは笑顔で応える。
清々しいまでの笑顔に、ガウリイは精彩な顔付きの男性、リナの父親に同情した。
「あ、そうだ、これ、胸に挿して。いくらなんでも色合いが無さすぎ。」
「お、おう。」
気付いた様に、リナは髪に挿してあった白い百合を、ガウリイの胸ポケットに挿す。
「うん、似合ってるじゃない♪」
満足気に笑い、リナは前を向いた。
ガウリイは照れ臭そうに鼻を掻き、そんなリナの顔を見、笑う。
会場に戻った2人は、ガウリイはゼル達の元へ向かい、リナは姉の元へと向かった。
「解決したわ。」
「そう。」
リナの言葉に、姉は短く応え、壇上に上がった。
ガウリイが、先程の事を簡単に説明している間に、壇上では、リナが製作にあたっての失敗談を面白可笑しくしゃべり、会場を盛り上げていた。
パーティーも無事終わり、顧客達は予約をしていた部屋や、別宅、別のホテルへと向かう。
2次会が遅くに終る事を知らされていたので、参加者達はちゃんと宿を確保していたのだ。
会場として使ったホテルは、今夜は2次会メンバー以外を泊めない事が、〈ルイス〉との契約で結ばれているので、部屋は完全には埋まってはいないが、それだけの価値があると判断している様だ。
それにより、2次会が行われた事を他の顧客に知られない様にしてある。
リナも、姉と共にホテルに泊まる手筈になっていた。が、
「リナ、久々なんだから今夜は寝かさないわよ♪」
「やあよ。疲れてんのよ、あたし。」
アメリアに腕に巻き付かれ、リナは溜め息とともに言う。
「私も混ぜて貰って良いかしら?」
「ええ!是非、いらして!女三人、寝ないで語り尽しましょ♪」
ミリーナの声に、アメリアは嬉しそうに笑う。
「オレも・・・」
「聞いてました?女三人で、て言いましたよね?男の人は駄目です!」
おずおずと手を上げたガウリイに、アメリアはきっ!と睨み付ける。
「ガウリイさんは、いつだってしゃべれるじゃないですか!今日は絶対わたしがリナと夜を過ごすんです!」
「お、おう。そうか。」
勢いよく言われ、ガウリイはカクカクと頷いた。
「では、ゼルガディスさん、また明日v」
ゼルにペコリ、と頭を下げ、アメリアはミリーナとでリナを挟み、引き連れていく。
リナは渋々ながら歩き、ちらり、と振り返りガウリイに苦笑してみせた。
「仕方無い、て事か?ゆっくり話ししたかったのにな。」
リナの笑みの意味を悟ってか、ガウリイも苦笑した。
「そおいやよ、結局、ずっと何を考えていたんだよ?」
「そういえば、そうだな。」
ルークとゼルの視線に、ガウリイは苦笑する。
「いや、〈ルイス〉の社長の顔、どこかで見た気がしたんだ。当たり前だよな、リナのお姉さんなんだからよ。」
「はあ?似てたかあ?」
「余り、似ていないだろう?」
「え?似てないか?そっくり、じゃないけどよ、似てるだろ?」
同意を得なかった事の方が意外だったのか、ガウリイは意外そうな顔をした。
ラウンジで会話を盛り上げている3人を遠巻きに見ている人影が一つ。
リナの姉、現セントルイスのルナだ。
会場の最後の確認をし、丁度部屋へと向かう所で、彼等を見掛け、じっと様子を見ていたのだ。
「見る目は、中々、て所かしら。」
ガウリイがリナの恋人である事は、事前に聞いていたルナ、勿論、どんな人かもリサーチ済みだが、可愛い妹には幸せになって欲しいのだ。
いつもは人選が早い彼女も、今回ばかりは慎重になる、というものである。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
もう少し続きます。
ではまたV

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18356花よりも団子?‐41‐井上アイ 2007/10/17 00:07:04
記事番号18355へのコメント

盛り上がりに欠ける話なのに、何この長さ?!
自分でもビックリですι
では、41話です。
夏休みが今頃終ります・・・すっかり秋なのにね★
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
各々、夏休みを満喫し、新学期が始まった。
しっかりバケーションを楽しんだ生徒達は、土産交換に忙しそうだ。
そこでの話題は、ただの土産話ばかりで、リナの事は一切触れられていない。
パーティーの二次会に残ったメンバーは、いわゆる温厚派ばかりで、集団イヂメが横行していた時も、さりげなくターゲットを匿っていたりしていた。
だが、学園全体と比べてあまりにも少ないのも事実で、結局は焼き石に水だったのだ。
そんな彼等、類は友を呼ぶ、という言葉がある様に、温厚派同士で固まっているのもあるが、リナの事を口外すれば、騒ぎが起こる、と予想し、学園内ではその事には触れない様にしているらしい。
「で、登山はどうだった?」
「騒音を除けば、良かったわ。」
リナの問いに、ミリーナはしれっとした顔でそう言った。
覚えているだろうか?彼女が登山の約束をルークとしていた事を。
約束通り、二人は一日で登り降りが出来る山へと行ったのである。
終始、彼が彼女を気遣い、声を掛けていたのだが、無表情で「必要ないわ。」と返されたのは、言わずもがなだろう。
「あぁ、そう。」
「リナさんは、どこかへ行ったの?」
何と答えたら良いのか分からない、といった表情をしたリナに、ミリーナは気付かずに問う。
「まさか、言ったでしょ?バイトがぎっしりだ、て♪」
「それは、まあ。」
嬉しそうなリナの答えに、ミリーナは乙女として何かが違うわ、とか思った。
その2人が話す席の前に、1人の女生徒が立つ。
ミリーナをライバル視している、銀行の頭取の娘だ。
「ミリーナさん、これ、お土産よ使って頂戴。」
「中を拝見して良いかしら?」
自分の前に置かれた小さな箱を手にし、ミリーナは彼女を見る。
自信の無い土産を態々渡す訳が無いので、当然彼女は「宜しくてよ。」と高飛車な態度だ。
「うわ、悪趣味!!」
「リナさん、選んだ方がいるのに、失礼だわ。」
ミリーナが箱を開いた途端、眉をしかめたリナにそう言い、彼女は贈り主を見、言う。
「すみませんが、私の趣味では無いので使えません。」
「そ、それも失礼なんじゃなくって?!失礼だわ!!」
ミリーナから箱を取り上げると、彼女は顔を真っ赤にしてその場を去った。
「あんたって、時々えぐるわよね。」
「私には、あれを身に付ける趣味は無いもの。」
「そりゃ、あたしだってゴメンだけどさ、断り方、てもんもあるんじゃない?」
「一番最初に趣味が悪い、と言ったのはリナさんよ。」
「そうだったけ?」
あれ?と首を傾げたリナに「そうよ。」と言い、ミリーナは溜め息をつく。
ちなみに、ミリーナへの土産の品は、これでもか!て位宝石をちりばめた腕時計。
恐らく、シンプルな時計を付けている、ミリーナへの、当て付けのつもりで、派手で値が張りそうな物を選んだのだろうが、趣味が悪い物だったのだ。
「それに、私はこれが気に入っているもの。」
「贈った側としては嬉しいけどさ、学生のバイトで買える程度に抑えてあるのよ?」
ミリーナの言葉にリナは眉を寄せた。元々、シンプルな物を好むミリーナの為に、時計には余り宝石を使う予定では無かったが、身分を隠していた為に、イミテーションをいくつか使い、質を下げてあるのだ。
「あら、でも要所、要所は良い物を使ってあるでしょう?」
「そりゃ、まあ質を落としたく無い所はそうしたわよ。来年、ちゃんとした石と交換するからね。」
「いいの?気付かれるわよ。」
「あら?んなもん、ミリーナが恥ずかしいから本物をどこかで入れて貰った、て言えば済むだけだわ。」
ふふ★と笑い、リナは立ち上がり自分の席へと戻った。
鐘の音が響き渡り、二学期最初のHRが行われた。
始業式も無事終わり、生徒達はゆっくりと講堂から教室へと向かう。
そんな中、教師達が落ち着き無く動き出した。
「なんかあったのかな?」
「そうね。」
リナとミリーナはすぐにその様子に気付いたが、教師達が生徒に行動の制限をしていない事から、そう対した事じゃないのだろう、と結論し教室へと戻った。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
短っ!!すんません!すんません!!
今度はちゃんと時間作りますから!

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18357Re:真お久しぶりです。。。。 2007/10/17 19:11:12
記事番号18356へのコメント

本当にお久しぶりです

受験はゃっと終わりましたよ。

何とおかげさまで大学合格が決定致しましたーー!!!!

やったあああああッ!!!

赤点取ってても大学に行けることを立証することが出来ましたーー!!(危

ああ良かったーーー泣くかと思ったあーー

ではこんな感じでコメント行きたいと思います。



>「で、登山はどうだった?」
>「騒音を除けば、良かったわ。」
>リナの問いに、ミリーナはしれっとした顔でそう言った。
>覚えているだろうか?彼女が登山の約束をルークとしていた事を。
>約束通り、二人は一日で登り降りが出来る山へと行ったのである。
>終始、彼が彼女を気遣い、声を掛けていたのだが、無表情で「必要ないわ。」と返されたのは、言わずもがなだろう。
!!!

ルッ、ルークが決死の覚悟でとりつけたあの、奇跡のデートが・・・っ!

こんな回想シーンであっさりと終了していたなんて・・!!!(泣

>「ミリーナさん、これ、お土産よ使って頂戴。」
>「中を拝見して良いかしら?」
>自分の前に置かれた小さな箱を手にし、ミリーナは彼女を見る。
>自信の無い土産を態々渡す訳が無いので、当然彼女は「宜しくてよ。」と高飛車な態度だ。
>「うわ、悪趣味!!」
>「リナさん、選んだ方がいるのに、失礼だわ。」
>ミリーナが箱を開いた途端、眉をしかめたリナにそう言い、彼女は贈り主を見、言う。
>「すみませんが、私の趣味では無いので使えません。」
>「そ、それも失礼なんじゃなくって?!失礼だわ!!」
>ミリーナから箱を取り上げると、彼女は顔を真っ赤にしてその場を去った。
>「あんたって、時々えぐるわよね。」
>「私には、あれを身に付ける趣味は無いもの。」
>「そりゃ、あたしだってゴメンだけどさ、断り方、てもんもあるんじゃない?」
>「一番最初に趣味が悪い、と言ったのはリナさんよ。」
>「そうだったけ?」
>あれ?と首を傾げたリナに「そうよ。」と言い、ミリーナは溜め息をつく。
>ちなみに、ミリーナへの土産の品は、これでもか!て位宝石をちりばめた腕時計。
>恐らく、シンプルな時計を付けている、ミリーナへの、当て付けのつもりで、派手で値が張りそうな物を選んだのだろうが、趣味が悪い物だったのだ。
確かに、今のは二人共失礼だったよ。

お土産もらったら先ずは「 有 り 難 う 」って言うんでしょ!!!(プンプン((ぅヮ

あと、お土産を返すという選択肢の前に

骨董屋で売るという選択肢と、バラして宝石屋で売るという、リサイクル的な!

お金に有功な選択肢を選んでほしかった・・!(コラ

>「贈った側としては嬉しいけどさ、学生のバイトで買える程度に抑えてあるのよ?」
>ミリーナの言葉にリナは眉を寄せた。元々、シンプルな物を好むミリーナの為に、時計には余り宝石を使う予定では無かったが、身分を隠していた為に、イミテーションをいくつか使い、質を下げてあるのだ。
>「あら、でも要所、要所は良い物を使ってあるでしょう?」
>「そりゃ、まあ質を落としたく無い所はそうしたわよ。来年、ちゃんとした石と交換するからね。」
>「いいの?気付かれるわよ。」
>「あら?んなもん、ミリーナが恥ずかしいから本物をどこかで入れて貰った、て言えば済むだけだわ。」
こ、これが・・学生の会話なんですか・・ッ・・?

>ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
>短っ!!すんません!すんません!!
>今度はちゃんと時間作りますから!
ぃえいえ、

全然、短い事なんて気にしないで良いですよ

自分なんかは、常にこれより短い本文で投稿してますからね・・・

いつも、皆凄いナーーと思っております。




遅いコメントで申し訳ありません!

自分なんかは、まだ連載されてる事がとても有り難かったですよ!

ロングセラー頑張って下さいねッ

それでは

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18360お〜!!パチパチパチ!!井上アイ 2007/10/17 22:25:21
記事番号18357へのコメント

大学合格☆なんて眩しい言葉!!
高卒で働いた自分にはその大変さが分かりませんι
せっかくのデート?が回想シーンで申し訳無いです!
ミリーナがひたすら無表情、だと、例えやかましいルークがいても、どうにも話として打てそうに無いので、諦めました★
あんなに必死にとりつけたのにね・・ルーク、報われない奴(笑)
学生らしく無い会話、そ〜ですね!!(いいと○?)良い所の人同士、て実際どんな会話なんでしょう??
あ!「ありがとう」という謝礼の言葉、入れるの忘れてた!!
というか、あからさまに嫌味な土産を渡す人もどうか、て話になりますが、どっちもどっち、て事ですかね?
なんか、不覚にもイチャ付いたガウリナが新しいのに居ますが、穴に埋めてやって下さい。
では、改めまして、大学合格ブラボ〜!!∵\(^O^)/∵

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18359花よりも団子?‐42‐井上アイ 2007/10/17 22:08:38
記事番号18356へのコメント

世間では、運動会も終わり、文化祭の準備に忙しいのでしょうね・・・
なのに、話の中ではまだ夏服☆
世間とのギャップにヘコンでしまいます。
話の当初は時期が合ってたのにね、そんな(どんな?)時期がずれた42話、どうぞお読み下さいませ♪
もう、飽きそうなんですが、この話(ぇ〜?)
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ!ΦΦΦΦΦΦΦ
「どうなっているのかしらね?」
リナは溜め息をついて窓の外を見た。
今、彼女は特別ルームにいる。
F4のメンバーも揃っており、ミリーナもリナの隣で彼女と同じく窓の外を見ている。
遡る事十分前、各担任達から、帰りのHR後に残って欲しいと言われたのである。
彼女達の視線の先では、迎えに来た馬車で帰宅しようとしている生徒達がいる。
そう、残されているのは、特別ルームにいる6人だけで、他の生徒は何も言われていないのだ。
勿論、メンバーは不服を口にしたが、教師達は謝罪はしたものの、それでも残ってくれないか、と丁重にお願いをされてしまったので、断れなかったのである。
好き勝手をしている様に見えるが、相手がちゃんと礼儀を持ってお願いすれば、このメンバーは承諾する。
ただ、リナだけはランチを出して頂戴、と条件を出したが、学園で食べるつもりがなかったのに、いきなり残されたので、それも仕方が無いのであろう。
暫くして、リナ達に学園から食事が出された。
「いつまで待たせるんだか。」
すっかり食事を終え、リナは食後のお茶を飲む。
「静かに待てんのか、貴様は。」
本を読みながら、ゼルは溜め息をつく。
彼は、この部屋に来てから終始本を読み続けており、食事にも手を付けていなかった。
勿論、リナが「食べないなら貰うわね♪」と返事も聞かずに奪っている。
「そうは言うけどね、ゼル!何の説明も無しにただ待つ、てのはストレス貯まるでしょうが!」
「その発奮に一々騒がれるのは、一緒に待たなければならないこちらのストレスになるのだが?」
「じゃあ、あたしがストレスで胃に穴が開いてもいい、と言うの?あんた!」
「その方が、俺の精神衛生上助かるな。ま、そう簡単にあんたの胃に穴が開く訳ないと思うがな。」
「あのねぇ、あたしはデリケートなの、ストレスなんて貯めたく無いの。」
「ただ単に、堪え性が無いだけだろう。人の食事を平気で奪うあんたがデリケート、なんて言ったら、俺は人間不信になりそうだ。」
「ほ、ほう?どういう意味かしら?ゼル。」
「さあな。」
本に視線を落としたまま、ゼルは意味ありげに笑ってみせる。
「ふふふ★ゼル、あんたとはじっくり話し合う必要がある様ね★」
「じっくり話したいのなら、ガウリイとにしろ。」
「ん、ん、ん★その口、聞けない様にしてやる★」
澄ました顔したゼルの言葉に、リナは笑みを深めた。
「仲が良いのは分かったわ。食事の邪魔なので、出て行って欲しいのだけれど?」
食事の手を止め、ミリーナはそう言う。
「まったくだ!うるせぇぞ、チビ助!!」
「食事時だけでしたね、静かだったのは。」
同じく食事の手を止め、ルークとゼロスがリナに向かいそう言った。
「何で、あたしが文句言われる訳?!喧嘩売ったのはこいつよ?」
「あんたが五月蝿いのは事実だ。」
反論したリナに、ゼルは鼻を鳴らし笑う。
「リナ、まあ座ろうぜ?」
ニコッと笑い、ガウリイはリナを見る。
リナと同じく、皆より先に食事を終えていたのだが、リナがゼルと言い合いを始めた為に、先程まで寂しそうな顔でその様子を見ていただけだったりした。
「あのねぇ、あたしが馬鹿にされてんのに、何ニコニコしてんのよ!!」
「んと、ゼルとばっか話ししてないで、オレもリナと話たいから。」
「質問に対して全く噛み合って無いんだけど?」
「ん〜?ま、細かい事は気にすんな。」
にぱっ☆と笑ったガウリイに、リナは気力が萎え、仕方無くガウリイの隣のソファに座る。
「なんつぅかよ、結局、チビ助の事、気に入ってんだろ、お前?」
「気に入らない、とは言っていないと思うが?」
食事を終え、口を開いたルークに、ゼルは眉を寄せる。
「じゃなくてだな、結構、気を許してんだろ?あのチビに。」
「それは、お前もだろう。事ある毎にあいつに絡んでいるんだからな。」
ふふん☆と笑い合い、ルークとゼルは、ガウリイに絡んでいるリナを見る。
「イチッ!!」
「これ位で文句言わない!!」
ガウリイの右耳の脇の髪一房を引っ張りながら、リナは半目で睨む。
暇つぶしに、と彼の長い髪を三編みしているのだ。
「う〜、もう少し優しくしてくれ。」
「駄目〜♪」
「禿げたらどうすんだよ〜。」
「大丈夫よ♪あんた髪の量多いから♪」
涙目のガウリイに対して、リナの表情は楽しそうだ。
「うわ、充てられるな。」
「イチャ付いている自覚が無いんだろうな。」
2人を見、羨ましそうな顔をするルーク、対してゼルは溜め息をつくだけだ。
「リナさん、馬車が来たみたいよ。」
ミリーナがそう言ったのは、ガウリイの髪に三本目の三編みが完成した時だった。
「ん?本当だ。」
馬車の轍の音を耳にし、リナは立ち上がり、ミリーナと共に窓へと向かう。
「ははぁ、そういう事。」
「何かやるとは思っていたけど、こういう事なのね。」
2人して意味ありげに笑い合う女性陣に、残された男性達は不思議そうな顔をし、窓際に立つ。
「あれ?あれって。」
「お〜、お〜、派手な登場だなぁ。」
「おやおや、何の用でしょうねぇ。」
「たく。意趣返しするとは思っていたが、こう来たか〜З」
学園の門をくぐった馬車を目にした男性陣は、思い思いな言葉を口にした。
呆れ顔のゼルだが、何やら楽しそうな顔にも見える。
そして、その馬車が停まり、外で待っていた教師は誇らしげにその馬車に近付く。
馬車の主から、直々に出迎えして欲しい、とお願いされていた為だ。
―ガチャ
馬車の扉がゆっくりと開かれ、中から従者が出てくる。
そして、その次に出てきたのは、従者の長。
「こたびは、急な申し出に応えて頂き、有り難く存じます。」
「いえ、こちらこそ、この様な大役を承り、光栄ですわ。学園長共々、歓迎致しております。」
従者の長の言葉に、出迎えの教師は恭しく答えた。
その後ろには、教師が総出で立っており、学園長がその一番前に立っている。
そして、とうとう馬車の主が姿を現した。
「庭が見事ですな。」
ごつい体で、馬車の移動が辛かったのか、伸びをしながら馬車の主はそう言う。
続いて、小柄な少女が黒い髪を揺らし、馬車から降りて来る。
「なっ?!!」
「父さん、ね?言った通りでしょう?ここの庭、素敵でしょ?」
出迎えの教師が顔を青褪めさせたのを無視し、少女はにこやかに父親を見上げる。
「そうだのぅ。」
体と同じくごつい顔した人物は、可愛い娘の笑顔に頬を緩ませた。
「あ、あなた・・・」
ワナワナと口を震わせた教師に、少女は今初めて気付いた、といった表情をし、口を開く。
「前回は、失礼しました。自己紹介が遅れましたが、アメリア・ウィル・テスラ・セイルーンと申します。」
「?!!!」
決定打を言われ、とうとう迎えの教師は顔の血の気を失う。
そう、迎えの教師として指名したのは、見学の際にアメリアに辛辣に当たった人物だ。
「あら、どうしましょ、動かなくなったわ。学園長、わたし、早く彼女に会いたいのだけれど?」
「な、何故、貴女様が彼女に会いたい、と?」
アメリアの言葉に、学園長は不思議そうな顔をした。
始業式直後、セイルーン家から学園に、今からそちらに行く、という連絡を受け、慌てて確認をした学園長に、噂の特生徒と、F4、友人のミリーナに会いたいから残しておいて欲しい、と言われて、彼女等に残って貰っていたのだ。
F4やミリーナならいざしらず、庶民のリナに会いたいと言われ、初め学園長は冗談か、と思い聞き返したが、返事は「面白そうな人だから、会ってみたいわ♪」という返事に、不信に思いながらも受け入れた。
「案内人が使えないみたいだし、しょうがないわね〜З」
何て態とらしく溜め息をつき、アメリアは口の両端に手を当て、手でメガホンを作り叫ぶ。
「リ〜ナ〜!!居るのは分かってんのよ〜!」
「は???」
親しげなアメリアの叫びに、そこに居る教師達の目が点になった。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
ガフ★
疲れた・・・
次はいつ更新か、それは分からない★

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18361花よりも団子?‐43‐井上アイ 2007/10/18 20:37:39
記事番号18359へのコメント

結構すぐだった、更新。
連続UP☆
携帯からなのはご存じかと思いますが、表示の仕方が変わったり、コンテンツ移動が面倒になったり、とすこぶるストレスを感じています。
もうこの会社の買わねぇ!と決意した、43話。
次はどこにしよ〜♪
せめて、四文字熟語がスムーズに変換出来る所のにしたい、切実な思いを乗せて、お送りします。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「ふっふっふ★」
コメカミをピクピクと痙攣させ、リナは踵を返し、その足で特別ルームを飛び出した。
残された5人は、といえば、ミリーナとゼルは苦笑し、ルークとゼロスは楽しそうに笑い、ガウリイは何が可笑しいのだろう?と不思議そうな顔だ。
「やっほ☆来ちゃったv」
息を切らし、校舎から飛び出して来たリナを見、アメリアはチロリ、と舌を出す。
うつ向き加減で、前髪で表情を隠しながらゆらゆら、と彼女に歩み寄る様を、教師達は止めるのも忘れ、呆然と見ている。
「あら?えっと・・もしかして、危険??」
「アメリア、成仏してねv」
ガシッ!とリナの手がアメリアの両肩に乗せられた。
ここに至って、教師達は賓客の危機を悟るが、既にその賓客はがっちりとホールドされ、どうにも手出しが出来ない状況だ。
「ちょ!ギブギブ!!」
「聞こえな〜い!」
アメリアに見事な卍固めを決め、リナは爽やかな笑顔を見せる。
「お〜、さすが、元気が良いのぉ。」
娘の危機なのに、父親愉快そうなその様子に、学園長がおずおずと声を掛ける。
「止めないのですか?野蛮な輩を。」
「大丈夫だろうて。娘は丈夫に出来ておるからのぉ。それに、リナ嬢は本気出しておらんじゃろ。」
「??彼女、特待生をご存じなのですか?」
当たり前の様にフィリオネルの口から出て来た名前に、学園長は不思議そうな顔をする。
その様子にフィリオネルは溜め息混じりに口を開く。
「やはり、まだ知らぬ様じゃの〜Зリナ嬢は、〈ルイス〉の御令嬢じゃよ。」
『な?!!』
その言葉に、教師達は驚愕の顔を見せる。
勿論、アメリアの自己紹介で、すっかり固まった彼女も、思いっきり動揺を見せている。
「ちょっと!フィルさん!!余計な事言ってんじゃないわよ!!」
「ん?禁句じゃったか?スマン、スマン。じゃが、もう解禁なのじゃろう?そう聞き及んでおるのじゃが?」
攻撃の手は休めずに文句を言ったリナに、フィリオネルはにこやかにそう言う。
「解禁、て、あたしゃ鮎か!!あたしは、平穏無事に学園生活したいのよ!んな事バラされたら、騒がれるでしょうが!!」
「リナが平穏無事、て無理なんじゃない?」
がっちりホールドされている癖に、ちゃっかりチャチャを入れるアメリアはさすが、付き合いが長いだけある。
「うわ!!似た者同士カップルめが!!」
「え??何の事?」
「ゼルにも似た事言われたわ★」
ゴキッ!と盛大な音をさせたのにも関わらず、アメリアがホールドされたまま首を器用に傾げると、リナはホールドしている手に更に力を入れる。
「て!!本気?!!止めて〜!!」
「悪い子へのお仕置きよ♪」
そんなジャレている2人を見、やっと校舎から出て来た5人は顔を見合わせた。
その中から、1人抜き出、
「なあ、リナ。」
のんびりと彼女の元へと歩き、ガウリイはその肩を叩く。
「あ、ごめん。今、忙しいから♪」
「パンツ、見えてるぞ?」
楽しそうに笑っているリナを覗き込み、ガウリイは困った顔をする。
「大丈夫!スカパン穿いているから☆」
「わたしは大丈夫じゃないわ〜!!」
「でもなぁ、オレとしては、リナのスカートの中を他の人に見られて、嬉しくないぞ?」
キレイにウインク一つしたリナに続き、アメリアが苦しげな声を挙げた、が、ガウリイはアメリアの苦情を全く気にしないでリナを諭す様に言った。
「分かったわよ。」
「ガウリイさん、酷い!!わたしの事、無視したでしょう!!」
渋々ながらも、やっとリナの手と足がアメリアから外れ、彼女は涙目でガウリイを睨む。
「ん〜?でも、これで自由になっただろう?」
「それは、まあ、そうですけど。」
「なら、いいじゃないか。」
「う゛・・・」
にぱっ、とガウリイに悪気がなさそうに笑われ、アメリアは口を閉ざした。
「天然は最強ね。」
「手強いな。」
ぽつり、と呟いたリナの横に立ち、ゼルが溜め息をつく。
「て?!ゼルガディスさん!居たならなんで助けてくれないのよ!!」
「あれは、お前達なりのスキンシップじゃなかったのか?」
振り向きざま非難の声を挙げたアメリアに、ゼルは不思議そうな顔をした。
その横で、リナはコクコクと頷いている。
「そうそう、スキンシップなのよ♪」
「そんな訳無いでしょう?!あんな一方的な、片方だけが痛いスキンシップ、どこにあるっていうのよ!」
「だがなぁ、フィルさんがニコニコしていたし、てっきりいつもの事なんだろう、と思って当然だと思うのだが?」
アメリアの憤慨に、ゼルは困った顔をする。
途端、アメリアは気付いた様に父親の方を向き、口を開く。
「何で、助けてくれなかったのよ、父さん!!」
「何を言っておる。五歳の時、リナ嬢と遊んでいて、部屋の壁に穴を空けた事、忘れたとは言わせんぞ。儂も、てっきり遊んでいるのだとばかり思ったわい。」
「父さんまで・・・」
身内にまでそう思われていた事にショックだったのか、アメリアは頷垂れた。
「あ!そうそう、忘れない内に。」
ポン!と手を打ち、リナは教師達の方を見、言う。
「あたしの事は、生徒に漏らさないで下さいね?調子の良い人間は好きじゃないので、態度は今まで通りでお願いします。」
「学費を納められる家庭の方なら、特待制度は打ち切って構わないかな?」
「なら、転校するわ。あたし、学費免除だからここを選んだんだし。」
学園長が口にした言葉に、リナはしれっとした顔で言った。
「え?!リナ、転校しちまうのか??」
「リナが居ないなら、この学園の受験、止めていい?父さん。」
「そうじゃの。リナ嬢がいなくなるのなら、それも仕方あるまい。」
寂しそうなガウリイに続き、言ったアメリアの言葉に、その父親は大きく頷いた。
これに、学園長は慌てる。
「何故、転校するのだね!君は、学費を納めるだけの力があるのだ、学費を納めれば済む話であろう!!」
「無いわよ?あたしの家系ではね、義務教育が終わったら、一人前だ、て事になって、教育・生活費を出して貰えないのよ。姉である現セントルイスも、稼ぎながら高校に通っていたのよ?」
「はへ?」
「んでもって、あたし、〈ルイス〉とは別離した人生選ぶつもりだから、家族ではあっても、〈ルイス〉の人間では無いのよ。」
そう言い、リナは肩をすくめて見せる。
「成程、中々面白い家庭ですねぇ。」
「じゃあ、あんた、代ってくれる?」
愉快そうに笑ったゼロスを睨み、リナは面白くなさそうに言う。
「いえ、遠慮しておきます☆僕は、現状に満足ですから☆」
「ああ、そうですかい。」
ゼロスの答えが気に入らなかったのか、リナはつまらなさそうに返事をした。
会話が途切れた所で、今まで黙っていたミリーナが口を開く。
「所で、何時までこんな所で話すの?」
「あ、そうよ!!わたし、正式に学園案内をして貰う為に来たんだったわ!!」
「お〜、そうじゃった。そうじゃった。学園長、儂は、学園の方針や制度をお聞きしたいのじゃが?」
今更、本題を思い出したセイルーン一家は、やっとそれを切り出した。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
ふい〜、長いなぁ。
人が多いと大変★
読み返せば、ルークが居ない☆
入れる隙がないので諦めますι

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18378有り難う御座いまーーす!!。。。 2007/10/28 13:48:35
記事番号18361へのコメント



祝福のお言葉、真に! 有り難う御座いますっ(涙

ですが、高卒で働くというのも全然凄いことですよ!!

学生なんかの甘っちょろい世界じゃなく、正に日本を支える新精鋭ッ!!

我が国が誇る最終秘密兵器『sixyakaizinn』じゃないですかっ!

我々ぬるま湯学生は、あなた方に養われているも同じですッ!!

どうも有り難う御座いまぁぁぁぁーーす!!!

自分もあなた方の様な立派な社会人になれるよう、日々精進したいと思いますッ!!

てことでッ早速コメント行きますッ!!

>結構すぐだった、更新。
>連続UP☆
>携帯からなのはご存じかと思いますが、表示の仕方が変わったり、コンテンツ移動が面倒になったり、とすこぶるストレスを感じています。
>もうこの会社の買わねぇ!と決意した、43話。
>次はどこにしよ〜♪
>せめて、四文字熟語がスムーズに変換出来る所のにしたい、切実な思いを乗せて、お送りします。
連続でアップされていたのに直ぐコメント出来なくて申し訳ありません

余裕こいて友人と遊び呆けていました(ォぃ

お陰で課題も手付かずです。ああ、開けるのが怖い・・(コラ

携帯、機種替え なさるんですか!

自分も最近変える予定なんですよ

辛かった・・! 3年間フルも聞けず、赤外線も無くて・・っ

友人共は『メアド交換しよっ』ていうと、自分の携帯見て露骨にめんどくさそうな顔するんだよっ・・!

晴れて今回、許可が下りたので素敵な携帯に変えます

お互い素敵ライフを送りましょうねーv

>アメリアに見事な卍固めを決め、リナは爽やかな笑顔を見せる。
>「お〜、さすが、元気が良いのぉ。」
>娘の危機なのに、父親愉快そうなその様子に、学園長がおずおずと声を掛ける。
>「止めないのですか?野蛮な輩を。」
>「大丈夫だろうて。娘は丈夫に出来ておるからのぉ。それに、リナ嬢は本気出しておらんじゃろ。」
物凄いフィルさんの信頼です!

確かにアメリアは丈夫だけど一応お姫様なのに!

確かに本気じゃないかもしれないけれど、急所キメてるのに・・!

>「ちょっと!フィルさん!!余計な事言ってんじゃないわよ!!」
>「ん?禁句じゃったか?スマン、スマン。じゃが、もう解禁なのじゃろう?そう聞き及んでおるのじゃが?」
>攻撃の手は休めずに文句を言ったリナに、フィリオネルはにこやかにそう言う。
あくまで攻撃は止めないんですね・・

何故そこまで執拗に友達に危害を加えようとするのだリナ・・!

>「うわ!!似た者同士カップルめが!!」
>「え??何の事?」
>「ゼルにも似た事言われたわ★」
>ゴキッ!と盛大な音をさせたのにも関わらず、アメリアがホールドされたまま首を器用に傾げると、リナはホールドしている手に更に力を入れる。
>「て!!本気?!!止めて〜!!」
>「悪い子へのお仕置きよ♪」
折れたああああああッッ!!!

『ゴキッ』って 盛 大 に 音がしちゃダメですよっ!!

体罰とかそんな程度の話じゃない!

>そんなジャレている2人を見、やっと校舎から出て来た5人は顔を見合わせた。
ぃやいや、ジャレてないジャレてないよっ!

姫様の御首、至急治療が必要な状態なんですから!

>途端、アメリアは気付いた様に父親の方を向き、口を開く。
>「何で、助けてくれなかったのよ、父さん!!」
>「何を言っておる。五歳の時、リナ嬢と遊んでいて、部屋の壁に穴を空けた事、忘れたとは言わせんぞ。儂も、てっきり遊んでいるのだとばかり思ったわい。」
>「父さんまで・・・」
フィルさあああん!!

多分 ソ レ も虐待されて出来た穴かもしれないですよ!!

もっと娘さんをよく見てあげて!!

>「学費を納められる家庭の方なら、特待制度は打ち切って構わないかな?」
>「なら、転校するわ。あたし、学費免除だからここを選んだんだし。」
>学園長が口にした言葉に、リナはしれっとした顔で言った。
>「え?!リナ、転校しちまうのか??」
>「リナが居ないなら、この学園の受験、止めていい?父さん。」
>「そうじゃの。リナ嬢がいなくなるのなら、それも仕方あるまい。」
>寂しそうなガウリイに続き、言ったアメリアの言葉に、その父親は大きく頷いた。
>これに、学園長は慌てる。
ものっそい影響力です

そうじゃのて・・・リナ嬢一本で学校決めたのか国王ょ・・って、此処にいる大人皆がそう思ったハズ。

>ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
>ふい〜、長いなぁ。
>人が多いと大変★
>読み返せば、ルークが居ない☆
>入れる隙がないので諦めますι
ル、ルーーークウウウウウウ!!!

ナチュラルに存在忘れられてたぞルークぅぅ!!

そして自分も居ないコトに気づかなかったゴメンよルーークぅぅぅ!!




一番最初にも打ちましたが、改めて祝って下さったこと御礼申し上げます

本当に有り難う御座います。

ですが本当に社会人の方々の凄さはいつも尊敬しておりますので

自分なんかよりも、よっぽどアイさんの方が凄いと思います。

とても尊敬致しますよ!

これからもお仕事頑張って下さいね

応援しております

それでは





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18383駄目社会人登場!井上アイ 2007/10/29 22:25:30
記事番号18378へのコメント

イヤイヤイヤ!!自分、駄目な社会人ですから!!
だって、自分でも駄目な人間になっている、て自覚出来るぐらいですよ!
社会人一年目の頃と比べると、大人度が下がってますもん!
小さい事にイライラ〜とする様になったし、他にも色々、自分て大人げない、て思う機会が多いですから(-_-;
真面目度も下がって、暇な時間に携帯を取り出したり・・・
まあ、最近はそんな余裕はあんまり無いですが・・・
うあ!!なんか、こうすらすらと自分の駄目さ加減を書ける時点で、極めてる?!
なっがい話にお付き合い頂き、ありがとうございます。
あとどれくらいで終わるのでしょう?
ぼんやり、ですが、最終話の予測は立ったのですが、それまでの話の流れが、どうしたらいいのか?!と・・・
一発書きなんで、話の先が見えないデス!

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18382花よりも団子?‐44‐井上アイ 2007/10/29 22:07:09
記事番号18361へのコメント

ネットの表示、なんか治った(?)
5ページですんでいたサイトが、10倍以上の6?ページになっていて、しかも、なんもないページが続いて、ひたすら〔次のページへ〕てのをポチポチとやっていたんですね。
が、買わない宣言して、結構すぐに元通りに。
恐らく、クレームの嵐だったのだろう、と踏んでいます。ページが小さくなったメリット、てのもなく、寧ろ、画像類は〔×〕ばっかりだったし、話なんかは途中をはしょってあったりで、一体何の為の書式だったんだか?
まあ、元に戻った今となっては、どうでも良い事ですが★
前置き長かったですが、44話です。
でも機種変更はしたい、と思う今日この頃。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
ぞろぞろと特別ルームへと入っていく7人。
入ってすぐ、リナは上座をアメリアに勧める。
「さあ、座って♪ゼロスお茶。」
「まあ、別に良いですけどね。」
半分諦め、半分苦笑が混じった顔をし、ゼロスが奥の部屋へと消える。
アメリアの隣のソファに座ったゼルが、釈然としない表情で口を開く。
「たく、来るなら来ると言え。」
「えへへvビックリした?」
「当たり前だろう?」
毎晩、連絡を取り合っていたアメリアから、何も知らされていなかったのが不満なのであろう。ゼルはムスッと子供の様に不機嫌な顔を露にする。
それを見て、アメリアは少し嬉しそうな表情で、だが声は申し訳なさそうに言う。
「実は、前々から来るつもりがあったのよ。ただ、父さんの都合が中々つかなくって、あまりにも予定が立たないからって急遽来た訳。父さんは話が終ったらトンボ返りなのよ。」
「それはいつ決まったんだ?」
「今朝。」
アメリアの答えに、問い掛けたゼルは、どう言葉を返したものか?と思案に暮れる。
その間にリナがアメリアに問う。
「にしても、どうやって学園と連絡とったのよ?」
「カルマート公国に事伝を頼んだのよ。」
「うあ〜、学園にしっかりプレッシャー与えてやんの。」
アメリアがさらり、と応えた言葉にリナは、眉を寄せる。
セイルーンとカルマートの国交は20年以上、そんなセイルーンからのお願いとなると、学園に失礼の無い様に、と念を押されるのは明白。
まあ、かといって、セイルーンが直接、学園と連絡する方法が無いのも事実で、確実な連絡方法なので仕方が無かったのであろう。
しかし、アメリアはゼルから聞いた、あの失礼な教師の名前を名指しして案内係りに任命しているので、やはり、どちらか、といえば意趣返しのつもりの、突然な正式訪問であるのは想像に難くない。
「あら、意趣返しはあの人だけよ?まあ、思わぬ事までバレちゃったけど。」
「まあ、大丈夫でしょ。口止めしたし。」
苦笑したアメリアにつられ、リナも苦笑する。
「そういやよ、解禁、て何なんだよ?」
「そういえば、そうね。リナさん、何の事?」
ルークとミリーナの問いに、リナは顔を青褪め口を開いた。
質問した側は不思議そうな顔をしてそれを聞く。
「姉ちゃんに、〈ルイス〉の血筋だって事を悟られるな、て言われていたのよ。」
「ま、それも、この間一部の人間とはいえバラしたから、もういいわよ、てお達しが、この間出たのよね♪」
うふふ☆と笑顔と共にアメリアが付け足すが、二人はリナが何故青褪めたのか、が分からない。そして、リナがその理由を口にする事は無いので、一生謎のままで終わるのであろう。
「口止してたけど、今度、この間の時計を発表するのでしょう?意味あるのかしら?」
リナが青褪めている理由は脇に置いておいて、ミリーナは首を傾げる。
この間のパーティーで〈ルイス〉の新作として紹介した時計は、リナがミリーナに誕生日にプレゼントした時計と酷似している。そして、ミリーナがしている時計がリナからのプレゼントである事は、結構知れ渡っている。
そんな時計が発表されれば、いくらなんでもリナが〈ルイス〉の血筋である事に気付かれるであろう。
「あのデザインは、発表されないわ。実は、150周年パーティーの参加者に贈る物の候補になっているのよ。」
「て事は、7年も世に出て来ないのね。」
「そうなるわね。」
ミリーナの言葉にリナは頷く。
「なあ、て事は、時計は売らないのか?」
「ううん。元々、いくつかのデザインも作っていたのよ。この間のパーティーには間に合わなかったから紹介出来なかったけど。」
ガウリイの問いに、リナは首を横に振り答える。
「ふ〜ん?」
「何?欲しかった?」
「いや?ただ不思議だったから。」
「そ。まあ、あんた貴金属に興味無さそうだもんね。」
静かに横に首を振ったガウリイを見、リナはクスクスと小さく笑う。
「あ〜、でだ、聞きたいのだが、何をどうやったら壁に穴を作れるんだ?」
「どうせ、チビが何かしたんだろう?」
「どうなの?」
やっと口を開いたゼルに続き、ルークはにやにや笑いながら言い、ミリーナは首を傾げる。
「えへv正義の力が暴走したのよv」
「暴走ねぇ。」
アメリアの答えになっていない答えにリナはジト目を向ける。
「勇者ごっこをしてて、壁に頭突きするのが暴走、ていうの?」
「おい、アメリア。どういう事だ?」
「はあ?んな遊びしてたんかよ?ガキくせー遊びしてんなあ。」
リナの言葉に、ゼルは隣にいるアメリアを睨み、ルークはぷぷっと笑い、ミリーナは黙って眉をしかめた。
「あたしは、んなもんしてないわよ!」
「え?だから、リナが読んでくれたヒロイックサーガに感動して、体を動かしたくなって、飛んだり跳ねたりしてたら、気付いたら頭が壁を突き抜けていたのよ。」
リナの否定の言葉と同時に、アメリアは恥ずかしそうに照れ笑いをしながら昔話をした。
「あたし、その無茶苦茶な攻撃を避けるので必死だったなぁ。」
「あははは☆リナったら、何故か、わたしの手や足の先に居たわよねぇ。」
「そうね★狙ってやってるのか?!て思う程ね★」
昔話を楽しんで?いる2人を、他のメンバーは異様な物でも見るかの様に見る。
「ゼル、考え直すなら今の内じゃねぇ?」
「今、そう思った所だ。」
ルークがぼそり、と言った言葉に、ゼルはハハと力無く笑った。ミリーナは、といえば、汗をさりげなくハンカチで拭っていたりする。
で、ガウリイは、しっかりもののイメージのリナとは異なる話に、放心中だ。
「お茶、入りましたよ。」
そんな中、何も知らないゼロスが人数分のカップを盆に乗せ、やってきた。
場所は変わり、学園の応接ルームでは、学園長がフィリオネルに学園の説明を終えた所だ。
「一つお聞きしたいのですが、リナ=インバースさんとは随分親しい様ですが、どの様なご関係なのでしょう?」
「何、儂の妻とリナ嬢の母君が親友での、」
学園長の問いに、フィリオネルはにこやかに答える。
「リナ嬢とその姉君が産まれてからも、良く遊びに来ておったのじゃよ。」
言い終えると、フィリオネルは退席の意を伝え、教師達に見送られる中、馬車でセイルーンへと帰った。
「ん〜。まあ、さすがね。」
「まあ、腐っても華道の家元の跡取りですから。」
お茶をすすり、言ったリナの言葉に、ゼロスは嫌な顔一つしないで応える。
空いているソファが無いので、立っているゼロスに気付き、ガウリイは口を開く。
「リナ、そこ、座っていいか?」
「は?そこ、て、ここ?」
「ああ。そこに座りたい。」
「・・・・」
リナが答えに窮している内に、ガウリイは座っているソファから立ち上がり、リナの座っている膝掛けに腰を下ろし、背当てに腕を置いた。
当然、非難の声が挙がる。
「て!ちょっと!」

「ん?なんだ?」
「良い、なんて言ってない!」
「でも、もうオレが座る場所、無いし。」
「うあ!ゼロス!!あんたって奴は!!」
リナの隣のソファに当然の顔で座っているゼロスに、リナはガウリイ越しに睨み付ける。
「酷いですねぇ。労働の後で疲れている僕に、立っていろ、と言うのですか?」
「嫌ならすぐ帰れ!!」
「それは、お応え致しかねます。今日のお誘いを断ってしまいましたので。」
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
とりあえず、ちょっと謎の解明。
無駄に長い?
しかも、面白味に掛ける。それは、いつもの事か★

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18386花よりも団子?‐45‐井上アイ 2007/10/31 22:57:56
記事番号18382へのコメント

ハロウィンですね、話の季節がイタイι
そんな45話、行ってみよ〜!!
 アメ   ゼル
ミリ     ルク
 リナガウ ゼロ
これが、今の彼等の座席表です。
すんません、文中での説明が足りないのでι
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「まあまあ、良いじゃないか。人は多い方が楽しいだろう?」
言い返そうとしたリナの肩をポンと叩き、ガウリイはにこやかに言った。
それを見て、アメリアは楽しそうに口を開く。
「あらあら、リナったらvラブラブねV」
「嬉しくないわ!!」
「え?嬉しくないのか?」
釈然としない表情のリナに、ガウリイは首を傾げる。
サラサラとした長い金髪が、それによってリナの方へと流れ、リナは即答する。
「暑苦しい。」
「ん〜、オレは嬉しいぞ?」
「・・・ねぇ、これって天然だと思う?」
ホクホクと顔を綻ばせるガウリイに、リナは一瞬言葉を見失い、疲れた顔で同性に意見を求める。
「わたしから見たら、ただのノロケにしか聞こえないわ。」
「私には、どちらでも関係ない事ね。」
パチクリと大きな瞳を瞬かせ、アメリアは言い、ミリーナはしれっとした顔でカップを傾ける。
「ミリーナ、あんたって・・・・とりあえず、ノロケでは無いから★」
所詮、こういう奴らだ、と分かってはいるが、それでもとりあえずリナは文句をきっちしと言った。
「イチャ付いている自覚が無いだけだ。」
「ああ。」
こっそり耳打ちしたゼルの言葉に、アメリアは納得し頷く。
何をしゃべっていたのか知らないリナは、好機と見て、
「そっちの方が、ラブラブじゃん♪」
「まあね♪」
お返し、とばかりにからかったつもりだったのに、見事に返され、面白くなさそうな顔をする。
「ゼルガディスさん、わたしは歓迎よ?」
「じ、辞退させて貰う。」
自分の肘掛けを指差し言ったアメリアの言葉に、ゼルは不自然に視線を反らした。
途端、アメリアは面白くなさそうにムー!と頬を膨らます。
そんなやりとりを見ていたルークは、落ち着きなさそうに、そわそわとし、視線をミリーナに意味ありげに向けたり、反らしたり、と挙動不審だ。
が、当のミリーナはそしらぬ顔でお茶をすすり、ゼロスにお茶の入れ方なんかを聞いていた。
「なるほど、大変参考になりました。有り難うございます。」
「いえいえ。ほんのさわり程度の知識ですから♪」
すぐそこに居るルークの事には気付いているゼロス、しかし、教える義理もありませんしね、と状況を楽しむ方を優先した様だ。
そんな今の状況、ガウリイが構って、構って、と子犬の様にじゃれて来るのを、リナが面倒だ、といわんばかりの表情で適当に相手し、むくれた自分を必死になだめ様としているゼルを、実はとっくに機嫌が直っている癖にこっそり楽しんでいるアメリア、そしてお茶の極意を聞いているミリーナに、必死に肘掛けを勧めてくれと念を飛ばしているルーク、そんな2人をゼロスが楽しんでいる、て所だ。
「いい加減にせんか〜!!」
状況は数分で一転。我慢の限界がきたリナが、ガウリイの顎に黄金の右フックを決めたのだ。
といっても、座ったままの体勢で繰り出された為、そんなに威力は無い。
ただ、ガウリイが軽い脳震倒で、肘掛けからずりおち、強かに後頭部を打ち付けた為か、ちょっと気を失ってはいるのも事実である。
「ヲトメ回路おかしいんじゃない?」
「・・・・」
どうにも好意を感じられないリナの行動に、アメリアは眉を寄せ言い、ミリーナも眉を寄せて溜め息をつく。
「花も恥じらうヲトメ、恥じを忘れたらヲトメじゃないでしょうが!!」
「何だ、恥ずかしいからあんな暴挙に出たのね?見ないから思う存分イチャついて?」
「花も恥じらう乙女、てそういう意味では無いと思うのだけれど・・・」
ぐぐっ!と拳を作り、自分でも屁理屈だ、と思う事を力説したリナに、アメリアなうふふふふ、と嫌な笑い方をしながら言い、ミリーナは間違いを指摘する。
「つうか、ただ、ベタつくのって苦手なのよねぇ。」
リナが頭を掻きボソリと言うと、ゼルとルークは視線を合わせ肩をすくめてみせ、ゼロスはおやおや、と可笑しそうに笑った。
その反応に、リナは不思議そうに首を傾げる。
「そういえば、お聞きしたいのですが、インバースは本名なのですか?」
「何で?」
思い出した様に口を開いたゼロスに、リナは首を傾げる。
「<ルイス>の一族は、百年以上も謎に包まれています。一体、どうやったらそんな事が可能になるのか?ここで第一番の問題は、セントルイスを名乗った人物が、例え自社のパーティーでも社交の場に出る事です。」
「成程な。」
ゼロスが言わんとしている事を悟ったのか、ゼルは頷く。
「んで?」
「そうなると、セントルイスと名乗る前の人物を知る人達が、何故、<ルイス>の謎を解けないのか、という新たな謎が出来ます。セントルイス自体は知っている、それでも<ルイス>の一族とは繋がりを作れない。」
先を促したリナに、ゼロスはとうとうと語る。
「では、その知っているセントルイスの名前はどうなるか、と考えると、偽名だ、と結論付ければ?全て、とは言いませんが、クリアになると思いませんか?」
「偽名では無いわ。」
はふ、と溜め息と共にリナは言い、肩をすくめ、
「外れ、でも無いけどね?」
苦笑してそう言った。
その時、やっと意識を取り戻したガウリイが、痛かったぞ、と文句言いながら元居た肘掛けに腰を下ろし、何の話だろう?と様子をみる。
「信頼出来る親友の所に、養子に出しているのよ。」
「養子?」
「そ。あたしには、4人の両親が居るわ。インバース家の娘として育つ訳。学校もそこから通っていたわ。で、実家からインバース家に、養育費が寄付されるのよ。」
よく話の流れが分からず首を傾げたガウリイに、リナはそう説明する。
「だが、アメリアの所には、実の母親に連れられて行っていたのだろう?」
「別に実家と縁を切った訳じゃないのよ?姉ちゃんは近い所の家に居たし、母ちゃんは仕事の合間に様子見に来てくれて、父ちゃんなんか、しつこい位会いに来たのよ?」
ゼルの問いに、リナはそう言い苦笑する。
ルナが会いに来た父を「いい加減しつこい!」と追い返していた事を思い出したのだ。
「ま、寄付は中学まで、後は自立させるのがうちの習わしだから。でもね、インバースの両親、お金なんか関係無いから甘えても良いんだよ、て言ってくれたのよ。でも、あたしは、その道を選ばなかったわ。」
「何故ですか?」
質問したゼロスの方を向き、リナは笑い言う。
「だって、つまらないじゃない。あたしは、人生を楽しみたいの。その為の選択をしただけよ。」
「成程。」
「今、楽しいか?バイトばっかりじゃないか。」
彼女の言葉に納得したゼロスとは異なり、ガウリイは不安そうに問い掛けた。
「え?楽しいわよ♪頑張った分だけのお金が入るのよ?これ以上分かりやすい見返り、て無いじゃない?」
「リナって、リナって・・・」
可愛いらしく笑って言ったリナを見、ガウリイは目をウルウルとさせる。
「やっぱり、ヲトメ回路がおかしいわ。」
「きっと、どこかに落としてきたのよ。」
眉を寄せるアメリアとミリーナをよそに、リナはうふふふ☆と上機嫌で笑っている。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
恋しろヲトメ
恋をしても、お金が大事なのは変わらないリナι
商売人の娘ですから★

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18389花よりも団子?‐46‐井上アイ 2007/11/4 23:25:33
記事番号18386へのコメント

意味も無く、話が長くなっている気がします・・・
余計な絡みを無くせばいいのでしょうが、遊びが無いと、作っている自分がつまらないので、それは出来ません。
ぐだぐだな話の46話目です。
どうしよう、50なんていう数字が目の前に!!
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
おしゃべりは、二刻続き、小腹が空いた、というリナの言葉でお開きとなった。
「リナ、奢るからさ、今日泊めて♪」
「何よ?あんた、馬車は?」
素早く自分の左腕に抱きついてきたアメリアを、リナは半目で見る。
「無いわよ?父さんが乗っていっちゃったもの。明日の朝一番に迎えが来る予定なのよ。」
「つまり、元々泊まるつもりだったのね?」
「んー?そうなるわね。」
「たく。なら最初っからそう言いなさいよ。」
態とらしく首を傾げ微笑んだアメリアに、仕方が無さそうに笑い、リナはぐりぐりと両拳を彼女の側頭部に当てる。
「痛いってばー。」
「ほっほっほ。壁に穴開けた石頭が何を言ってるんだか♪」
「あれは、わたしの燃える正義の力が成せた技よ。」
「はいはい。ミリーナ、一緒にどう?こいつのお小遣い、使い果たしましょ♪」
痛がるふりをしているアメリアの頭を軽く小突き、リナは笑顔でミリーナを見る。
「私、スペシャルデラックスパフェに挑戦してみたかったの。」
「あ、いいわね♪採用★」
「何?その聞くだけで甘いのが苦手な人が逃げ出す様なネーミング・・・」
ミリーナの言葉に、リナが小悪魔の様に笑うと、アメリアは顔を引き攣らせる。
「ま、見れば分かるわよ♪てな訳で、善は急げ★」
「私の馬車が、待っている筈よ、それで行きましょう。」
「え?決定なの?!!わたし、今、ダイエット中なんだけど!!」
リナに右腕、ミリーナに左腕を掴まれ、アメリアは必死に抵抗を試みるが、
「甘い物は別腹、でしょ?」
「甘味は、ヲトメの特権だわ。」
と、リナとミリーナに返され、涙を目に浮かべた。
「リ、リナ、一緒に帰る約束・・・」
「あ、明日ね、それ。んじゃ☆」
おずおずと声を掛けてきたガウリイに、清々しいまでの笑顔を向け、リナは喜々とした様子でミリーナと共に、アメリアを連れ、特別ルームを出ていった。
残された男達は、ポカンとした表情で、その扉を暫く見ていた。
そして、ゼロスが真っ先にぷっ!と珍しく顔を崩し笑い、それにつられたのか、ゼルは声も無く肩を震わせ笑う。
「オレ、パフェに負けたのか?」
「ミリーナ、甘い物、好きなんだな・・・」
呆然とガウリイとルークは言い、視線を合わせ、ふっと自嘲の笑みを浮かべた。
「いやはや、楽しい女性達ですねぇ♪」
「アクの強い奴等だな。」
ゼロスが笑みながら言うのと、ゼルが感心した様に言ったのはほぼ同時であった。
「て、いいのかよ!アメリアちゃんが、拉致られたんだぜ?!」
「心配無いだろう。どうせ、しっかり堪能してから、その後、2人を巻き添えにして、その分運動するだろうからな。」
ルークの言葉にゼルは確信に満ちた声で応えた。
「では、僕達も、仲良くお茶でもしに行きますか?」
「何がでは、なのか、理解に苦しむのだが?」
「ヤローと茶なんぞまっびらだ。」
「リナと行きたいなぁ。」
ゼロスのしょっぱい提案に、ゼルとルークは嫌そうな顔をし、ガウリイは儚い希望を言った。
で、やはり、というか、ゼルの予想通り、アメリアは、リナとミリーナを、食後の運動に付き合わせ、目をランランと輝かせていた。
「は〜、やっぱり運動は1人より大勢の方が楽しいわね〜!」
「だ〜、もう!体力馬鹿が〜!」
「私、久々に、疲れ、るまで、体、動かし、たわ。」
リナは、若干余裕がある疲労だが、ミリーナは息も切れ切れで、ぐったりとベンチに座り込んでいる。
3人は、甘味屋を出て、歩いて十分程の所で、アメリアの気が済むまで運動をしたのだ。
「ミリーナ、あんたも泊まる?ここからだと、あたしの家、近いし。」
「そうさせて、貰うわ。」
「じゃあ、じゃあ、3人で夕飯作る?」
リナの提案にミリーナが頷くと、元気娘は嬉しそうに声を弾ませる。
「却下。あんたの料理、食べたくないから★んでもって、疲れてるから、3人分の食事、無理。」
「私も、料理する気力が無いわ。」
偽りの笑顔で応えたリナに続き、ミリーナはなんとか息を整え言う。
ちなみに、アメリアの料理の腕前は、あの親馬鹿と言っても、過言じゃないフィリオネルでさえも、表情を引き攣らせる程、芸術的な(どんな?)味付けだったりするが、本人自体が料理好きなので、不幸な話である。
「あたしのバイト先に、貰いに行きましょ。」
「リナさんが通う所なら、味は確かね。」
「え〜。」
リナの言葉に、ミリーナは安堵の表情を見せ、アメリアは不服そうな顔をした。
リナがバイトをしているのは、ちょっとした小料理屋で、そこそこ繁盛している味が評判の店だ。
翌日、日が昇ってすぐにアメリアは、馬車に揺られ、セイルーンに戻った。
勿論、途中、ゼルの家に立ち寄り、挨拶していったのは言うまでも無い。
「筋肉痛だわ。」
「私もよ。」
リナと共に、道を歩きながら、ミリーナは苦笑する。
ミリーナは、昨日の内に、寝間着と予備の制服を持って来た従者に、徒歩で登校する旨を伝えてある。
勿論、従者は渋ったが、ミリーナが言いくるめたのだ。
「いいわね、学校に近くって。」
「ミリーナの家、ちょっとばかし遠いものねぇ。」
ミリーナの言葉に、リナはしみじみと言う。
学園と家が近ければ、徒歩で登校していたのであろう、ミリーナは、颯爽と歩を進める。
「リナ?」
「あ、おはよ☆」
角で待っていたガウリイに声を掛けられ、リナはにっこりと微笑む。
「どうも。」
「あ、ああ。何で、一緒なんだ?」
ミリーナに会釈され、ガウリイは面食らった表情で、彼女の隣に居るリナを見る。
「ミリーナも泊まったのよ♪」
「え?!ま、前、身内以外はリナの部屋に入れない、て言ってなかったか?!」
リナの答えに、ガウリイは慌ててそう言う。
「同性は別に決まってんでしょ?」
そう言いリナはさっさと学園へと向かう。
その後を、複雑な表情でガウリイが追い、ミリーナはリナの隣で何事も無かったかの表情で歩いた。
「インバースさん、おはようございます。」
「少し、宜しいですか?マゼンダ先生。」
門の前で待ち伏せしていた女教師を見、リナはにっこりと笑う。
この教師は、アメリアに対して辛辣にあたったあの教師だ。
「じゃ、先に教室に行ってるわ。鞄、預かった方が良い?」
「お願い。じゃあね、ガウリイ。」
ミリーナに鞄を渡し、リナはガウリイに手を振り、マゼンダを連れて非常階段へと向かう。
「言っとくけど、あたしにおべっか使っても、意味、無いから。」
着いてすぐに、リナは無表情で言う。
「先生、昨日、話をちゃんと聞いてなかったみたいだし、仕方無いだろうけど、あたしと〈ルイス〉は別もの、というか、何をしても無駄。見返りなんか期待した行動は、虚しいだけだわ。て事で、生徒には言わないでね?言ったら、ただじゃ済まさないから♪」
言うだけ言い、リナは非常階段を下りる。
残されたマゼンダは、思い描いていた淡い期待が脆くも崩れ、その場にカクン!と膝を着いた。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
助けて下さい、話が長くなっていきますι

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18390花よりも団子?‐47‐井上アイ 2007/11/6 20:01:22
記事番号18389へのコメント

最近、スレイ熱が下火に向かって来てマス。
と言っても、好きな作品である事には変わりありません。
ただ、新たに作品を書こう、とすると、筆が進まないのですι
困ったまま話は47話に入ります★
やる気が無いから、話がダレるんですよねι
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
週末、珍しくバイトが無いリナは、これまた珍しくガウリイと街をブラついた。
ガウリイが、外に出よう、と誘ったのだ。
そして、小さな食堂で食事を済ませた所だ。
「え?ゼフィーリア?」
「オヤジがな、今の仕事を続ける、続けないにしても、別の職場を体験した方が良いって言ってな。そっちの仕事を奨めてくれてるんだ、それなら、大学も近い所が良いと思って、リナはどう思う?」
進路はどうするの?という質問の答えに、リナが眉をしかめると、ガウリイは頬を掻きながら彼女を見る。
戸惑いを隠せない表情のリナは、少し固い声で言う。
「どう、て。ガウリイは、もう決めた話なの?」
「正直、興味がある。同じ所で極めるのも良いけど、オレは、まだそれだけの力が無いから。オヤジも、それを分かっていて環境を変えて見ないか、て言ったんだと思う。」
「そう。」
「リナ?」
心ここにあらず、といった感じの声に、ガウリイは首を傾げリナを見る。
「今日、外に誘ったのは、その話をする為?」
「いや、リナと外でデートしたのって、一回だけだったろ?だから。」
「そ。なら、さっきの話、いつするつもりだったのよ。」
「ん、オヤジがその話したの、昨日なんだ。だから、一日考え様と思ってたんだ。」
溜め息混じりのリナの言葉に、ガウリイは悪戯がバレた子供の様に眉を下げた。
「考えるって、何を?」
「リナと、離れたくないな、て。」
「・・・ば〜か、そんな理由で、進路を決めないでよね?」
真っ直ぐとした瞳で見られ、リナはそっぽを向きそう言う。
「変か?」
「当たり前でしょ。あんたが、興味ある話なんでしょ?なら、その話、受けたら?」
「え?!リ、リナは、平気なのか?オレと離れて!!」
自分の方に顔を向け言ったリナの言葉に、ガウリイは慌てた様子で言う。
「オレ、リナと離れている間、すっごく寂しかったんだ。だから、もう、離れたくないんだ。」
「子供みたいな事言ってるんじゃないわよ。」
呆れた声で言い、リナは溜め息をつき、目の前にいる金髪の青年が、寂しそうに笑みを作っているのに気付き、ぼそっと小さく言う。
「別に、平気って言っている訳じゃないわよ。」
「え?」
「あたしだって、気になってたわよ。でも、ゼフィーリア行きは賛成よ。」
「なん、で?」
「別に、永遠に別れる訳では無いし、興味ある話なんでしょう?なら、止めないわ。」
凛とした表情で言ったリナの言葉で、ガウリイは決意を決めたのか、きりっとした顔をし、口を開く。
「オレ、ゼフィーリアに行く。」
「うん。」
「で、バイトも学校も頑張る。」
「うん。あんたなら、大丈夫よ。」
優しく笑い、リナは小さく頷く。
「あ、あのよ、」
「待っててね?あたしも大学ゼフィーリアにするから。」
緊張した面持ちで何かを言おうとしたガウリイの言葉を遮り、リナはにっこりと笑いそう言った。
「え?あ!ああ。」
「で?さっき何言おうとしたの?」
「い、いや、大した事じゃないんだ。」
「そ?」
「ああ。」
コクコクと頷くガウリイを不思議に思いながらも、リナは水を一口飲む。
実は、ガウリイは「待っててくれ。」と言おうとしたのだが、逆に言われてしまい、口にする機会を見失ってしまったのだ。
「ゼフィーリアのバイト先、聞いた?」
「オヤジの上司が、人を寄越して欲しいって言っているみたいなんだ。」
「・・・・」
ガウリイの答えに、リナは表情の読めない顔になり、数秒固まる。
「リナ?」
「それ、多分、父ちゃんの所だわ。」
なんとか眉根に皺を寄せ、リナはそう力無く言った。
「へ?」
「おっちゃんの所の採石場、父ちゃんの管理下にあるから。」
「て?!つまり、オレ、リナの所でバイトしてるのか?!」
「あたしの、じゃないわよ。」
「それは、そうだけど・・・」
「大した問題じゃないでしょ。それよりも、問題は、新しいバイト先よ。おっちゃんに確認してみて。」
あまり小さくも無い問題だが、それ以上に大きい問題がある為に、ガウリイは神妙な面持ちで頷き、口を開く。
「でも、例え、リナの親父さんの所だとしても、やっぱり行くだろうな。」
「当たり前でしょ、決めた事を、んな事で覆さないでよ。気持ちの問題なのよ。いきなりその事実にぶち当たるのと、分かってるのとでは、全然違うでしょうが。」
「反対じゃないのか?」
「まあ、ガウリイがしごかれるのは目に見えてるけど。そこで認めて貰えれば、余計な気苦労が減るじゃない。気合い入れてバイトしなさい♪」
「ああ。」
苦笑し、ガウリイは頭を掻く。
ゼフィーリア行きにしても、バイトの事にしても、こうあっさりと送り出されると、寂しいものがあるのだろう。
「ゼフィーリアは、両方の家があるから、遊びに行くわね。あんたも、たまにはゼル達に顔見せに帰って来なさいよ?」
追加で頼んだケーキを一口含み、リナは何でも無い様にそう言う。
「ああ。リナに会いに来るから。」
「ん。」
「この先の休み、一杯出掛けような。」
「勉強もしなきゃ駄目でしょうが、あんた、オツム弱いんだから。」
「じゃあ、今度は図書館に行こう。」
睨み付ける様な視線を向けるリナに、ガウリイはにぱっ!と笑う。
「無駄に幸せそうに笑わない!」
スパカーン!と金属製のトレーが、ガウリイの頭に叩き付けられた。
リナが、近くを通り掛ったウェイトレスから奪い取り、投げ付けたのだ。
「あの!お客様?!」
「問題無いわ。無事よ。」
床に落ち、転がってきたトレーを拾い上げ、リナはウェイトレスにそれを返す。
「ま、一度、洗った方がいいわね。」
「は、はあ・・・」
返事に困ったウェイトレスは曖昧な笑顔で会釈をし、洗い場へと向かう。
「何が駄目なんだよ〜?」
「幸せそうに笑い過ぎ。何がそんなに嬉しいのよ。」
目に涙を浮かべ、納得いかない表情のガウリイに、リナは右手人指し指を突き付け、不機嫌そうに言った。
「う〜ん?何、て訳じゃないんだ。ただ、リナと居られる事が嬉しいんだ。」
「うぎゃ〜!もう!だから、笑うな〜!!」
懲りずににぱっ!と笑ったガウリイから視線を外し、リナはバシバシとテーブルを叩いた。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
短いですが、これまで。
打ってて、自分が耐えられないのでι

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18391花よりも団子?‐48‐井上アイ 2007/11/10 21:25:04
記事番号18390へのコメント

前回の、ガウリイが言っていたオヤジは、ガーブのおっちゃんの事ですよ☆
よくリナは一発で気付いたな、と思います。多分、微妙なイントネーションの違いがあるんじゃないかと。
もう、いい加減しつこいと思う48話です。
余計な事、しなきゃ良いのに、ついついι
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「ねぇ、ルークってどこの大学行くか、聞いた?」
「カルマートを受けるとは聞かされたわ。どうして?」
朝、挨拶をするなり話題を出したリナに、ミリーナは首を傾げる。
「聞かされた、て、まるで、聞いてもいないのに、向こうが言ってきたみたいに・・・」
「実質そうだもの。ところで、何でルークの進学の話なんか?」
「ん、いや、どうすんのかなぁ、て。」
「・・・ガウリイさん、遠くの所を受けるの?」
「まあね。」
「そう。寂しくなるわね、リナさん。」
「まあ、少しだけね。ミリーナはどうよ?」
「質問の意図が分からないわ。」
微妙なニュアンスな笑みを浮かべてから言ったリナの言葉に、ミリーナは無表情で返す。
「今みたいに同じ学校じゃなくなったら、例え近くの学校でも寂しいんじゃないの?」
「何故、私がルークの事で寂しい、なんて思うと思っているの?」
「え?付き合ってるんじゃないの?」
質問に質問で返され、リナは確かめる様に聞いた。
それにミリーナは無表情で口を開く。
「そんな出鱈目な噂話、横行しているの?」
「あたしがそう思っただけなんだけど、違った?」
「判断基準が分からないのだけれど。」
「なんとなく?ミリーナ、最近、ルークの事呼び捨てしてるし。」
「それだけで、判断するってちょっと早計すぎないかしら?」
「そう?まあ、あとは、女の勘てやつなんだけど、で、違うの?」
「嫌いでは無いわ。」
「そ。」
顔色一つ変えずに無表情で言った、ミリーナの言葉に納得したのか、リナは小さく微笑んだ。
「へ〜、ゼフィーリアなあ。俺、てっきりあのチビと離れたくないからってこっちの大学受けるとばかり思ってたぜ?」
「はは、実際、そう思ってたんだけどな、折角のチャンスだし、行く事にしたんだ。」
進路希望の紙をヒラヒラとさせながら、言ったルークの言葉に、ガウリイは苦笑する。
特別ルームには、今、この2人しかいない。
3年生達は、進路相談の真っ最中だからだ。で、終ったメンバーから特別ルームに向かう事になっているのだ。
「おっさんは何て?」
「決めてから、まだ会って無いんだよ。ただ、自分で決めた道なら、自分を信じろ。て言われてはいるけどな。」
「うへー、あのおっさんがねぇ?」
頬を掻きながら言ったガウリイの言葉に、ルークは信じられない物でも見たかの様な表情を見せる。
「なんか、むず痒いよなぁ、あの親父にそう言う事言われるってな。」
「ていうか、どんな顔で言うんだよ、あのおっさん。」
「顔は仏調顔だったけどな、頬の所が少しだけ赤くなってた。」
「うぉ!?想像出来ねぇ!つうか、したくねぇ!!」
「想像しなくて良い、オレも、思い出すだけでムズムズするからなι」
うひー!と頭を掻き毟っているルークに、ガウリイは苦笑してそう言った。
―ガチャ
「おや?ゼルガディスさんが未だですか?おかしいですねぇ。僕より先に教室へ向かわれた筈ですがねぇ。」
特別ルームへと入るなり、ゼロスは2人を見、そう呟く。
「そりゃあ、おかしいなあ。ゼルガディスは、進路に問題無いもんな。」
「おや?ルークさんもしや、留年ですか?」
棘のある表情と声でルークが言うと、ゼロスはいつもの笑みで首を傾げる。
「んな訳ねぇだろうがよ!テメェの事を言ってるに決まってんだろうが!」
「おや?貴方より成績の良い僕が、問題あったら、貴方はいつ卒業出来るのでしょうねぇ?」
指を突き付け怒鳴ったルークに対し、ゼロスはいつもの調子。
まあ、ルークがゼロスに絡むのはいつもの事なので、対処が慣れているのもあるのだろうが、余裕顔のゼロスが、余計ルークの気に障っていたりするのだが、ゼロスはそれを分かっていて態と余裕顔だ。
結局、ゼロスだけは、このやりとりを楽しんでいるのだ。
―ガチャ
「ルーク、体力の無駄だ。止めておけ。」
ゼロスから遅れる事1、2分で、ゼルが特別ルームへと入って来た。
「遅かったな、どうした?」
「何、学園長の接待を受けただけだ。」
「だけ、て、おい。」
さらり、と答えたゼルの言葉に、ルークは力無く突っ込む。
「接待とは、どの様な?」
「アメリアと付き合っているのを、気付かれたみたいでな。どこの大学にでも推薦状を出す、としつこく言われたよ。」
ゼロスの問いに、肩をすくめ答え、ゼルはソファに腰を下ろす。
「寂しいですねぇ。こうして揃うのも、半年切ってしまいましたね。」
皆を見渡し、ゼロスはしみじみと溢す。
途端、部屋にはしんみりとした空気が流れ・・はしなかった。
「けっ、テメェの顔を見なくて済むのだけは清々するがな?!」
「おう!冷たいですねぇ。」
「いい加減、よさんか、お前ら。」
ルークとゼロスのやりとりに、ゼルは溜め息をついて止めた。
そして、ようやっと本題に入った。
進路相談の結果報告だ。
「やっぱ、皆、バラバラか。」
皆がそれぞれの進路を話し終ると、ルークはぽつり、と言った。
「まあ、当然の結果、ですかねぇ。目指す道が違えば、別れは自ずと訪れるものです。」
「ま、そうそう、いつまでも一緒、てのは無理があるしな。」
笑みを浮かべ言ったゼロスに続き、ゼルは肩をすくめて言った。
「幼稚舎から一緒だったもんな、オレ達。」
懐かしそうに言い、ガウリイは遠くでも見るかの様な目をする。
ガウリイとルークの進路はまあ、既に述べてあるので良いとして、ゼロスは、アトラスの大学で心理学の勉強をし、ゼルはサイラーグで経済学を勉強する事になっているのだ。
「とは言ってもだ。ゼル!近いんだから、遊びに来いよな!!」
「まぁ、暇があれば、な。」
ルークの言葉に、ゼルは眉を一つ動かさずに返した。
サイラーグとカルマートは、隣国だ。
馬車を使えばものの1、2刻で着く。
アメリアは、聖竜に通う事になったら、カルマートに住まいを移す事になっているのだ。
「暇?アメリアちゃんと会う時間はあっても、俺とは遊べないってか?」
「お前と遊ぶよりかは有益なのは確かだ。」
ルークのからかいじみた声に、ゼルはふふん!と笑いいった。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
えっと、話の中では、まだ夏休み明けたばかりですから!
やっとここまで・・・

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18396花よりも団子?‐49‐井上アイ 2007/11/21 22:25:22
記事番号18391へのコメント

なんつうか、アレですね、カップル成立しているから、展開が難しいですよねι
そんなグダグダな話の49話・・・です。
話がかなり飛びますよ。行事類がふっとび☆
恋愛物に不可欠な色々な行事をすっとばします。
これを恋愛物と言い切る馬鹿一人。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
春を向かえ、新しい生活を始める為の別れが待っていた。
卒業式だ。
学園長の挨拶から始まり、卒業生代表ゼルガディスの答辞、卒業証書の授与、そしてプロのピアニストの伴奏での校歌斉唱が全校生徒で行われ、次は卒業生のみでの学び舎への感謝の歌が行われた。
気の早い者は、ゼルの言葉が始まった頃からすすり泣き、感謝の歌が行われる頃には、卒業生、在校生にもその空気は広がっていった。
が、リナとミリーナはその空気に飲まれる事も無く、ぴん!と背を伸ばし、最後まで卒業生達を見届ける。
最後に、学園長から卒業生に激励の言葉が贈られ、在校生の歌う別れの歌の中、卒業生達は講堂を後にした。
教室での最後のHRを終え、卒業生達はしんみりとした空気と一緒に教室を出る。
それぞれ、送り出してくれる人間待つ場所へと向かうのだ。部活は自主性なので、部活の後輩達が待っているものもいれば、委員会などで一緒になった後輩に送られる者、様々な思い出を胸に、短い学園生活を終わらせるのだ。
そしてF4が向かった場所は、いつもの特別ルームだ。
そこで待っていたのは、言わずもがなのリナとミリーナである。
「はい、あたし達から。」
4人それぞれに小さな花束を渡し、リナはにっこりと笑う。
「目、赤くないな。」
「だって泣いてないもの。」
目を真っ赤にさせたガウリイの言葉に、リナはあっけらかんと言う。
「たくよう!こいつのすすり泣き、俺の所にも届いたぜ?」
「同じく目を赤くしている人間が、何言っているんだか。」

「おいおいと、泣いていたとお聞きしましたよ。」
ルークの憎まれ口に、ゼルは呆れ声で言い、ゼロスは可笑しそうに、どこからか仕入れた情報を、口にした。
「うるせぃ!つうか、涙ぐらい見せたらどうだよ、テメェらだって卒業生だろうが?!」
「と言われても、残念な事に、別れ難い奴、てのがこの中にいないからな。」

「僕も、この後の人員整理を考えると、泣いている暇はありません。」
しれっとした顔でゼルとゼロスは言った。
「というか、男がめそめそしてるのって、気持ち悪いわよね?」
「そうね。」
リナの言葉に頷いたミリーナを見、ルークはこの世の終りだ!と言わんばかりの表情でショックを受け、ガウリイはリナの言葉に目尻に涙を浮かべ抗議を口にする。
「リナと離れるのが悲しくて、何がイケないんだ?!」
「あのねぇ、それを決めたのはあんた自身でしょうが?あたしは後押ししただけ。それくらいの覚悟、しておきなさいよ。」
「覚悟はあった。けど、実際こうしてると、実感しちまったんだ。これからは会いたい時に会えないんだ、て。」
「馬鹿ね。2年なんてあっという間よ。」
「・・・待ってる。」
苦笑したリナの手を取り、ガウリイは熱い視線をリナに送る。
「そういうのは他でやれ、馬鹿者。」

「はっ?!手、離しなさいよね!帰るわよ!!」
「待ってくれ〜リナぁ!」
ゼルの言葉に、状況をいち早く察知したリナが、慌てて手を払い、部屋を出ようとすると、ガウリイは荷物を慌てて引っ掴みじゃ!と簡単な挨拶を残し共に部屋を出ていく。
「あんた、他に挨拶する所、無いの?」
「ん〜、だってよ、リナと会うまでは、サイテーな人間だったからなぁ。」
自分の荷物を大事そうに掴み上げた人物を見上げ言ったリナに、ガウリイは頬を掻いて苦笑する。
「そういや、そうね。」
「リナァ〜!!」
情けないガウリイの叫びは、特別ルームに残ったメンバーにも届き、苦笑を誘う。
「あれでイチャ付いている自覚が無いんだから、犯罪だよなぁ。」
「まったくだ。」
「アテられますねぇ。」
ルークのぼやきに、ゼルは頷きゼロスは頬に手を当て軽く首を横に振る。
「では、わたしもこれで。皆様、お世話になりました。」
「ああ、待て。これ、あんたに。」
頭を下げ、立ち上がったミリーナに、ゼルは小さな物を投げた。
それは狙いたがわずにミリーナの手元に届き、彼女の手の中に納まった。
「おい!ゼル!!」
「心配するな。変な物じゃない。」
きっ!と自分を睨むルークににやり、と笑ってみせたゼルを見、ミリーナは手の中にあるものを確認する。
「これは?」
「ここの鍵だ。次は、あんたがここの部屋を使うにふさわしい、と思ってな。」
特別ルームは、代々この学園内で財力が飛び抜けた者達が使ってきた。
卒業する際に、その鍵は次に部屋を使うのにふさわしい人物へと贈られるのがならわしで、ゼルはシルフィールからその鍵を譲り受けていたのだ。
「私が?」
「アメリアが入学すれば、あいつが、この学園でのトップだ。が、目立つあいつを、余計目立つ様な特別ルームの管理者には出来ん。シルフィールも、ガウリイに余計な負担を掛けれないから、と俺に託した。なら、あんたに、俺は渡したい。」
「分かりました。では、責任持って預かります。」
ゼルの返答に満足したのか、ミリーナは重く頷き手の中にある鍵を握り締めた。
「では、これでお邪魔します。」
「そうか、じゃあ、俺達も出るか。」
「そうですね。」
一礼したミリーナの言葉に、ゼルとゼロスは頷き、荷物を手にした所で、ルークに声を掛けられ、
「連絡位しろよな?」
「ああ。」
「迷惑な程して差し上げますよ♪」
ゼルは小さく頷き答え、ゼロスは楽しそうに笑み、2人は部屋を出ていった。
「もう良いの?」
「ああ、アイツらとは十分な程一緒だったからな。」
ミリーナに微笑んで見せ、ルークは肩をすくめる。
「そんな事言って、寂しがりの癖に。」
「う゛!!」
ミリーナにきっちし突っ込まれ、ルークはバツが悪そうな顔をした。
「では、僕は身辺整理が待っていますので♪」
「あんたのどこが良いのか、そいつらに聞いてみたいもんだな。」
校舎を出、別の道を選んだゼロスにそう言い、ゼルは待っていた馬車を見付け、乗り込む。
時は少しだけ流れ、新しい生活を始める人々が緊張した面持ちになっていた。
その中の一人、アメリアも、真新しい制服に身を包み、徒歩で学園へと向かっている。
今まで王宮の抱える教師に教わっていた為に、学校、という集団の場は初めてなのも手伝い、心臓がバクバクと音を立てているが、そこは皇族、ポーカーフェイスは心得た物で、表に一切出さない。
「アメリア!まさか、本当に歩きにするとは、思わなかったわ。」
背後から掛った声に、アメリアはそっと安堵の溜め息を付き、振り返る。
そこには、想像通りの相手が少しだけ大人びた顔で立っていた。
「悪い?歩いた方が、早いんだもの。」
「あんたの境遇からしたら、徒歩での登校なんて、危険でしょうが。」
「あら?ご心配無く♪リナだって知ってるでしょ?」
リナが呆れた顔で言うと、アメリアはふふん♪と鼻唄まじりに歩く。
「たく、神経ず太いんだから。」
新しい生活のアメリアを気にしていたリナは、まるっきりいつもと変わり無い目の前の竹馬(ちくば)の友に、心配して損した、と心の中で溜め息をついた。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
あっはっは!!終らないヨ!
卒業式だからって終りませんヨ!
まあ、話はかなり飛び飛びになりますガι
だって、アメリアが入学するんですヨ?!
そこんとこしっかり書かなきゃ!・・・うん、書くヨ書きますデス。スミマセン(涙)

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18397花よりも団子?‐50‐井上アイ 2007/11/28 21:35:24
記事番号18396へのコメント

なっがいなぁ〜!!
無駄に長いよ!
しかも、恋愛物(まだ言い張る)なのに、ドロドロな愛憎劇が無い!
昼ドラ、とまでは言わないが、もちっと何とかならないもんか、と今更ながらに思います。
では、50話目です。
振りのネタもいい加減尽きマス。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
「んじゃ、あたし、ちょっと急ぐから。」
「え?わたしと一緒に登校しないの?」
合流して数分で、リナが片手を挙げ言うと、アメリアはつまらなさそうに口を尖らす。
「あのね、もうすぐ馬車の渋滞が待ってるのよ。」
「知ってるわ。だから、学園の近くに住まいを決めたんだもの。」
「んでもって、あんたが入学する事は、とうに学園中に知れ渡ってる。こんな所を見られたら、何言われるか!て事で。じゃあね☆」
颯爽と駆け出したリナを半ば呆然と見送ってから、アメリアはふぅ〜ん。と意味ありげに笑う。
アメリアが校門に辿り着くと、教師総出で待っていた。
「うわ。」
見た瞬間、目まいを覚え、アメリアは小さな声で引き攣った声を出す。
ある程度の処遇は覚悟をしていたが、あまりにも大袈裟な対応は、出来る事ならば遠慮したい、と思っていたのだ。
「派手なお出迎えね。」
「嬉しくないわ。」
溜め息混じりのミリーナの言葉に、アメリアは疲れた顔を見せる。
そのまま気付かれる事無く、アメリアは校門を通った。
途中、ミリーナに声を掛けられ、馬車に同乗させて貰ったのだ。
「こういう事だったのね?乗った方が良い、て言ったのは。」
「ええ、まあ。けど、あの人達も、まさか貴女が徒歩で登校する、なんて思ってないだろうから、あのまま登校しても、意表を突いたのは同じでしょうね。」
「あんなのが待ってるのは、いくら何でもゴメンだわ。」
ミリーナの強い勧めで馬車に乗った意味が判り、アメリアは長い溜め息をつく。
「多少、他の国よりは緩い国だけれど、窮屈な暮らしから短い間だけでも、解放されたかったのに。これじゃあ、意味が無いわ。」
独り言の様に愚痴ったアメリアを、ミリーナは気遣わしげに見遣った。
入学式直前まで、アメリアは生徒達の質問攻めにあっていた為、何とか教師の異常な接待を受けずに済んだ。
「ね?どれがセイルーンなの?」
「休みなんでしょう?馬車が来てないし。」
「でも、一年が何か騒がしかったじゃない。あれ、絶対そうなんじゃないの?」
ぼそぼそと2・3年の生徒達が囁き合う中、式は始まった。
学園長の挨拶、祝辞から始まり、常ならば、上級生からの励ましの言葉に入るのだが、今回は流れが違った。
「存じているだろうが、光栄な事に、我が学園に、大国の姫が入学された。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン様です!!」
興奮気味に、学園長が言うと、魔法の光である一点が眩いばかりに照らされる。
「(はっ????)」
聞かされていなかった展開に、アメリアは内心では呆気にとられるが、表情は公務の時の様に皇族としての威厳ある表情を繕う。
照らされたアメリアには、講堂中の視線と注目が集まり、生徒達にざわめきの波が広がった。
「あ〜あ。あんな勝手な事して。」
「この学園、不安になってきたわね。」
リナとミリーナは視線を合わせこっそり苦い顔をした。
その後は、何の代わり映えの無い進行に戻り、2刻後には式は終了していた。
「ふっふふふふ。」
妖しく笑い、アメリアは真っ直ぐと教室に背を向け歩いている。
式後、寄ってきた生徒達には、「社交の場でお会いしましょう」と反論を許さない笑顔で応え、教師には「無用な気遣いは止めて下さい。」と伝えたが、それでも後を絶たない「ご挨拶」から逃げているのだ。
ちなみに、既にHRは終了していて、その彼女の後を必死に着いて歩く生徒・教師がいる。
―ガチャッ!
勢いよく扉が開かれ、視線が集中する。
「セイルーン?!」
「なんで、こんな所に?」
視線を送る者達は口々に疑問を口にする。といっても、返答を期待しての問いでは無く、思った事がそのまま口に出ただけだ。
その視線の先の人物は、先程から知らんぷりを決め込んでいる人物の席の前へと歩き、にっこり相手を見据え、口を開く。
「リナ、み〜っけ♪」
「えっと、どちら様?人違いですわ。なんなら、探し人を一緒に探して上げるわよ?」
笑顔を張り付け、リナは慌てて立ち上がり、アメリアの腕を掴む。
「何?その冗談、笑えないんだけど、ミルガズィア先生のマネ?」
「何の事か、全く身に覚えがございませんわ。」
「リナ?往生際が悪いわよ?」
ヒクヒクと口の端を引き吊らせながら言ったリナを下から覗き込み、アメリアは、にぃ!と形良く笑う。
「勘違いなさっているんですわ。わたくしには、あなたのような高貴な身分の方のお知り合いは居ませんもの。」
教室中の視線、アメリアの後を追ってきた生徒・教師の視線を一身に浴び、リナは背中に汗を流しながら笑う。
「ふ〜ん、あくまでも、知らない、と?」
「当たり前でしょう?」
「ガウリイ=ガブリエフと付き合っている、特待生のリナ=インバースじゃない、と?」
「ぐっ?!卑怯よ、あんた!!」
ふふん♪と楽しそうに笑いながら言ったアメリアに対して、リナは悔しそうに睨み付ける。
「親友の苦労を分けて挙げたんじゃない♪」
「いらんわ!!」
「遠慮は要らないわ♪わたし達、親友じゃないのv」
「つうか!親友を連呼すんな!」
「酷い!!物心着く前からの仲じゃないの!」
リナの叫びに、喜々としていた表情を曇らせ、アメリアは叫ぶ。
「え?何?セイルーンの姫と庶民、知り合い?」
「いや、知り合いてもんじゃないでしょ。」
「どういう事?何で?」
ざわざわと騒ぎ出した生徒達に気付き、リナはアメリアを見る。
「ごめんね、リナ。わたしが騒いだばっかりに。」
「にやにやしながら、嘘を言ってるんじゃないわよ。」
口元を笑みの形にしながら言ったアメリアの頭にチョップを入れ、リナは彼女にジト目を向ける。
途端、ざわめきが大きくなった。当たり前だろう、大国の姫に暴力を働いたのだから。
「てへvだって、ずるいじゃない?リナだけ何の束縛も無い、だなんて♪」
「てへvじゃないわよ。たく。騒いでる奴等なんて、あんたに利益を見い出せなければ、すぐに離れるわよ。」
可愛く舌を出したアメリアの頬を引っ張り、リナは溜め息混じりにそう言う。
「だって、リナと普通に学園生活がしたかったんだもの。なら、早い内に、皆にはわたしとリナの関係を認識して貰った方が良い、と思って。」
「で、あたしまで騒ぎの中心に巻き込んだ、と?」
「テヘv」
「ふっ。ミリーナ?何、他人のフリしてんかな?あんたも中心に来なさい★」
にっこり笑っているアメリアを、ちらりと見たリナは、そ知らぬ顔しているミリーナに笑顔で声を掛ける。
「リナさん、アメリアさん。他の方の迷惑だわ。移動しましょう?」
「そうね、迷惑お掛けしました〜♪」
読んでいた本を鞄に納め言ったミリーナの言葉に、アメリアは周りににっこり笑いながら会釈をし、早々と教室を出る。
「うあ!何、あれ?!」
「リナさん、1人残ると、大変な事になると思うのだけれど?」
変わり身の早さにリナが呆れていると、ミリーナがその横に立ちこそっと耳打ちをする。
それもそうか、と納得し、リナも荷物を急いで取り、ミリーナと共に部屋を出る。
ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ
リナを振り回すアメリアを書きたかっただけ?
では無いですよ。アメリアが入学すれば避ける事が出来ない苦労、を書きたかっただけ。ミルガズィアさんは、アメリアの教育係デス。