◆−T.ルーク、ミリーナ+a復活! By Gard−ガード・ワード (2007/8/5 13:49:08) No.18265
 ┣U.赤法師レゾ  by リナ−ガード・ワード (2007/8/18 22:12:56) No.18278
 ┗V.店番日記   by ノースト−ガード・ワード (2007/8/19 01:05:34) No.18280
  ┗Re:魔族なのに健気なまでの店員根性です!−。。。 (2007/8/24 21:12:54) No.18289
   ┗Re:魔族なのに健気なまでの店員根性です!−星野流 (2007/8/24 23:25:56) No.18290


トップに戻る
18265T.ルーク、ミリーナ+a復活! By Gardガード・ワード 2007/8/5 13:49:08


デモン・スレイヤーズ、その後

T.ルーク、ミリーナ+a復活! By Gard

 私が店に戻ると中は地獄絵図と化していた。

ああ、L様が来たんだな。と思いながら広範囲回復呪文を唱える。

〈G〉「精神復活!(アストラル・リザレクション)」

瞬く間に地獄絵図は倒れ付す数人に変わった。うーん、精神体って凄い。

「いたたたた…おい、ミリーナ。大丈夫か?」

「ええ、何とか」

聞き覚えのある声に私はそちらを見る。

〈G〉「出たあああああああっ!」

私は逃げ出した。

ドスッ

〈G〉「ふあっ」

〈ゼ〉「ガードさん、何しているんです?お店の前で」

〈G〉「ゼぇロぉスぅっ!」

私は彼にしがみ付く。

救いの神だ!いや、救いの魔族だ!

〈ゼ〉「ええっと」

〈ル〉「よぉ、久しぶり」

〈G〉「出たああああっ!」

ルークとミリーナが店の中から出てきた。私はゼロスの後ろに隠れる。

〈ゼ〉「お久しぶりです。ルーク=シャブラニグドゥ様」

〈G〉「ひざまずくなぁああアあっ!」

〈ル〉「へぇ…」

ルークはニヤリと笑ってこちらに近づいてくる。

〈G〉「いやああああっ!来ないで!翔封界!(レイ・ウィング)」


 私はインバース家に辿り着いた。広範囲回復呪文+お化け+カタートからゼフィーリアまでの長距離飛行でフラフラしている。

〈G〉「リナぁああぁ・・・」

〈リ〉「ガード!ちょっと、どうしたの?」

〈G〉「ふえっ、えっ。ル、ルークっと、ミリーナ、がぁあ」

〈ガ〉「ルークとミリーナがどうかしたのか?」

〈ル〉「逃げるんじゃねえよ」

〈G〉「いやあああっ!来たああああっ!」

私はリナにしがみ付く。

〈リ〉「ル、ルーク!?」

〈ミ〉「わたしもいます」

〈リ〉「ミリーナ!?」

〈ル〉「よぅ、久しぶりだな」

〈ガ〉「ああ、久しぶり。生きてたのか」

〈リ〉「あれで生きてるわけがないでしょうがあああああっ!」

すぱーん

リナはガウリイをスリッパではたき倒す。

〈リ〉「アンタは何でそういうボケをかますのよぉおおおっ!」

〈ガ〉「リナっ落ち着けっ」

リナとガウリイは二人の世界にはまり込む。腰の抜けた私はへたり込む。

〈ゼ〉「もしかして、幽霊とかゾンビとかダメなくちですか?」

私は声なく頷く。

〈ノ〉「魔族は大丈夫なのに?」

〈G〉「だって…いまさらだし」

〈ゼ&ノ〉「まあ、確かに」

〈ミ〉「ガードさん。私達は精神体として蘇ったのですよ」

〈G〉「よみがえった?」

〈ル〉「あの方が・・・な」

〈G〉「もっと、早く言ってよ」

〈ル&ミ〉「だって逃げたし」

ごめんなさい。

〈ノ〉「じゃ、俺はもう行くな。うまかったよ、ご馳走さん」

〈G〉「え?」

ノーストは帰っていった。

〈ゼ〉「ええ、本当に美味しいのですよ。ガードさんの負の感情。それでノーストさんもオトモダチになったそうですし」

それでだったの!?

〈S〉「ガードさん、頼んでいたもの受け取りに来ました」

〈G〉「あ、部下Sさん。貴方も復活したんですね」

ゼロスとルークが顔を顰める。

〈S〉「はい。ラークからちぎりとられて」

〈ミ〉「私は、ルナさんから」

〈リ〉「ど、どういうこと?それに、部下Sさんって?」

〈G〉「あの方の部下、シャブラニグドゥ。略して部下S」

全員が哀れみの情を抱いて彼を見やる。

〈S〉「・・・もう固定されているようで私としてももうそれでいいのですが…せめて、Sと呼んでくれません?」

〈G〉「あ、はい」

〈リ〉「ちょっと待って!じゃあ、この人が」

〈G〉「元・北の魔王です」

〈リ〉「何で知り合いなのよぉおおおおっ!」

〈ゼ〉「あはは。やだなぁ、リナさん。そんなの、今更じゃあないですか」

〈G〉「リナ、今更言われても魔族の知り合いが多いのは仕方ないことだ」

〈リ〉「だ、だって」

それに、今だって神一人魔族三人に囲まれている。

〈G〉「第二次神魔戦争も終結したし」

〈リ〉「第二次神魔戦争!?」

〈G〉「ああ、たった三十分で終わったがな」

「おまえが終わらせたんだろ」

虚空から兄さんとルナが現れた。

〈リ〉「姉ちゃん!?それに、ラーク兄ちゃん!?」

〈ル〉「やっほ、久しぶり」

〈リ〉「どこに行ってたの?それに、今、精神世界から」

〈R〉「カタートにあるガードの店でただ働きしてたんだ」

〈リ〉「ええっと…じゃあ、スィーフィードも復活したの?」

〈G〉「うん。ルナが・・・いや、ミリーナもスィーフィードだ」

〈ミ〉「最も、スィーフィードの精神に私の人格が植えつけられたのですけどね」

〈リ〉「あ、あ、あ」

〈ガ〉「悪いが、話が今一よくわからん」

〈ゼ〉「ガウリイさんは分からなくてもいいんですよ」

〈ガ〉「何だ、そうか」

つまり、理解しなくていいから黙っとけと言いたいのだろう。

〈リ〉「じゃあ、レゾ!レゾはどうなったの!?」

〈S〉「あ、レゾさんなら曾孫さんに会いに行きましたよ。復活してすぐに」

ゼルガディスのことだよな?おそらく

〈リ〉「ゼルのとこまで行くわよ。神滅斬!(ラグナ・ブレード)案内しなさい!ゼロスっ」

〈ゼ〉「わわわわわわ、分かりました!」

刃を突きつけられたゼロスは手を出し、二人はその手を握る。三人は消えた。

・・・・・・私は?

呆然としていると、Sから声をかけられた。って、彼しかいないし。

〈S〉「何なら、連れて行きましょうか?」

〈G〉「お願いします…」

置き去りにされた私は彼の手を握った。


―登場人物―

   ガード=ワード
カタートで飲食店を開いている。

   ゼロス
獣神官。

   シャブラニグドゥ  (赤眼の魔王)
ラーク=ワード  兄さん。
ルーク      トレジャー・ハンター。
S        元・北の魔王。

   スィーフィード   (赤の竜神)
ルナ=インバース リナの姉。
ミリーナ     トレジャー・ハンター。

   リナ=インバース
ルナの妹。

   ガウリイ=ガブリエフ
元・傭兵。

   ノースト
覇王将軍。


―オリジナル―

 精神復活   アストラル・リザレクション
精神体用のリザレクション


U.赤法師レゾ by リナ   につづく!

トップに戻る
18278U.赤法師レゾ  by リナガード・ワード 2007/8/18 22:12:56
記事番号18265へのコメント

U.赤法師レゾ  by リナ

 あたしはゼロスにラグナ・ブレードを突きつけ、ゼルガディスの許へと向かった。

今行くわっ、ゼル!それまでちゃあんと生きててねっ!

〈ゼロ〉「はいっ!つきましたよっ!だからこれ戻してくださいっ!」

〈リ〉「ゼル!」

〈ガ〉「大丈夫か…うをっ!?」

何と、そこにいたのはルークがミリーナに接するようにゼルガディスに接しているレゾと、怒りを露にしたゼルガディスがいた。

ええっと…一体?

〈ゼル〉「離せええええっ!」

〈レ〉「いやだなぁ、ゼルガディス…折角わたしが会いに来たのだからもっと喜んでくれてもいいじゃないですか」

〈ゼル〉「誰が喜ぶかっ!寄ってくるな!気色悪い!」

〈レ〉「ゼルガディスぅううううぅ…」

肩で息をするゼル。かなり落ち込むレゾ。そして、隣のゼロスは色あせていく。

〈G〉「リナ。これは一体?」

〈リ〉「ええっと。何だろ?」

ガードにも分からないかぁ。

〈G〉「なるほど」

〈リ〉「え?」

〈G〉「赤眼の魔王は溺愛撃沈傾向があるのか」

溺愛、撃沈…ルークとミリーナ。レゾとゼルガディス…ある意味間違いじゃないかも知れない。

〈R〉「そんな事はないっ!」

〈リ〉「え?何でラーク兄ちゃんが出てくるの?今赤眼の魔王の傾向を言ってたのに」

〈G〉「兄さん、赤眼の魔王なんだ」

〈リ〉「えーっと…何っていったの?」

〈G〉「ラーク兄さんは赤眼の魔王なんだ」

〈リ〉「ええええええっ!?ラーク兄ちゃん赤眼の魔王だったの!?」

〈G〉「それもなぁ、ゼフィーリアを出立する前かららしいぞ」

〈リ〉「嘘よっ!だって、だって、殆ど変わってなかったじゃない!」

〈G〉「いや、性格が逆に良くなってた」

〈リ〉「う…言われればそうかも」

あの頃に比べたら、今の兄ちゃんは…善良になってる。

〈R〉「お前ら言い過ぎっ!」

〈リ〉「で、でも…ラーク兄ちゃんって好きな人いたの?」

〈G〉「ああ、ルナのために八年間旅してスィーフィードの欠片も集めて渡したんだが、スィーフィードだったから敢え無く撃沈」

〈リ〉「そぉ…」

ラーク兄ちゃんが姉ちゃんをねぇ…

〈R〉「お願いだからその話はしないでっ!」

〈レ〉「ゼルガディス!まさか、結婚したとか言わないでしょうね!?」

〈ゼル〉「そんなわけがあるか!崩霊烈!(ラ・ティルト)」

青い光が炸裂する。うーむ、ゼル、呪文の詠唱が早くなったな。

〈レ〉「効きませんよ」

光っただけで全く効果ないようだ。

〈ゼル〉「ぜええええぃっ!」

何と。アストラル・ヴァインを既にかけていたらしく、レゾに斬りかかる。

キンッ、キンッ。ガッ。


―中略―


〈レ〉「おやおや。腕が上がりましたね。ゼルガディス」

〈ゼル〉「うるさいっ!お前のせいで俺は…!俺の身体、元に戻せっ!」

〈レ〉「えっ。そんな、勿体ない」

〈ゼル〉「どこがだあああああっ!」

みしっとゼルガディスの拳がレゾの顔にめり込んだ。

〈レ〉「そんなに嫌だったのなら、再会したときにはっきりといえば良いのに」

レゾはひらりと間を取った。

ちっ。拳がめり込んでも精神体だから痕も残さないか。

〈レ〉「三人揃えばできるものですし」

その言葉に、あたしたちは硬直した。

〈G〉「三人言っても…他の魔王、ラーク兄さんだけだぞ」

〈レ〉「いえいえ。魔王三人ではなく、この世界の三人ですよ」

〈リ〉「この世の三人って、魔王と竜神の他に何かいるの?」

〈G〉「そうだな。聞いた事がない」

〈R〉「お前だろおおおおっ!」

ガスッ

ガードの頭をラーク兄ちゃんが殴ったものの、ガードは顔色一つ変えず、ラーク兄ちゃんは痛みに震え上がった。

〈R〉「うくっ。こいつ、年おうごとに固くなってやがる」

そうなのか。

〈G〉「日進月歩というものだよ」

〈リ〉「ソレ違う。何か違う」

〈ゼル〉「頼むっ!この通りだ!力を貸してくれ!」

一方、ゼルガディスは姉ちゃんたちに頭を下げている。

〈ガ〉「なあ、リナ」

〈リ〉「何よ」

〈ガ〉「さっきから何の話してんだ?」

どげしっ!

あたしはガウリイを蹴倒した。

〈リ〉「ゼルガディスの、体を、元に戻す、交渉を、してるの。話はちゃあああんと聞こうねぇえ?ガウリイ〜」

〈ガ〉「おっ、おうっ!そうだな!聞こうか、リナ」

ガウリイは分かったのかどうか分からないが、あたしの説明によってガクガク頷いた。

〈ル〉「仕方ないわねぇ。良いわ。やってあげる」

〈R〉「俺はやだ」

〈ゼル〉「そこを何とか」

〈R〉「だって。魔王だし」

とびっきりの笑顔で変な理由からゼルガディスの頼みを却下。

〈ル〉「ラーク…」

〈R〉「何だよ」

〈ル〉「私からも…お願い」

〈R〉「よおおおおしっ!一丁、説得してくるかっ!」

明らかに演技をしている姉ちゃんの口車に乗ってラーク兄ちゃんは舞い上がり、消えた。

〈ル〉「男って…単純な生き物」

よくやるなぁ。姉ちゃん。

〈ル〉「じゃ、私もミリーナの説得に行くわ。ガード。復活する準備しときなさいよ」

〈G〉「え」

姉ちゃんが掻き消えた後も、ガードは茫然自失。

〈リ〉「ねえ、復活って」

〈G〉「ふ、ふ、復活のじゅんびってっさあっ」

声が震えてるぞ。

〈G〉「まさか…遺書を書いておくことじゃあないよね?」

〈レ〉「まあ、死ぬかもしれませんけど。休憩した方がいいのでは?」

〈G〉「そ、そうだな。あれだけ魔力使ったのだし」

〈レ〉「それにしても…」

〈ガ〉「どうかしたのか?」

〈レ〉「意思の共有をしたらすぐなのに」

〈ゼル&リ〉「あ」

そうだ。確かに意思の共有ぐらいならできるはず。ていうか、北の魔王にあたしのことがバレたのってレゾの魔王から…

〈ゼル〉「何で忘れてんだあいつらああああっ!」

〈G〉「落ち着けゼル。恐らく、時間稼ぎだろうから」

〈ゼル〉「時間など稼がなくてもさっさとすればいいだろうが」

〈G〉「それすると二分の一の確立で私が死ぬがな」

〈ゼル〉「すまん。俺が悪かった」

〈G〉「そうだな。じゃあ、ここから近い所だし、セイルーンへ行ってアメリアとシルフィールにも会いに行くか」

ガードの提案に違和感を覚えながらも賛成し、セイルーンへと向かう。


 聖王都セイルーン。あたしたちはシルフィールと共に城へと向かう。

〈ゼル〉「ところで、どうやって入るんだ?」

そんな中、ゼルガディスが疑問を口にした。

たしかに、どうやって入ろうか。でも、もしかしたらあたしたちの顔を覚えている兵士がいるかもしれない。

〈リ〉「誰かあたしたちのことを覚えているかもしれないわ。行くだけ行ってみましょう」


 あたしたちの顔を覚えている兵士はいた。

連絡が行ったらしく、駆けてくるアメリア。

〈ア〉「やっほー!みんな、久しぶり!」

〈リ〉「やっほー。アメリア。相変わらず元気そうねー」

〈ゼル〉「変わらなくて何よりだ」

〈ア〉「今日はどうしたの?」

〈G〉「直にゼルガディスが元の体に戻れるように魔法をかけるんだ。王宮の中心を借りたいんだが…できるか?」

〈ア〉「父さんに掛け合って。今は執務室にいるはずだから!」

〈G〉「ああ、分かった」

ガードは走り去る。

〈ガ〉「そういや、場所は知ってるのかなぁ」

〈シ〉「そうですよね。護送されたほどなのだし不信人物なのでは」

〈ア〉「あ、大丈夫よ。ガードは忘れられているかもしれないけど、良く似たのがいるから」

〈シ〉「あら。そんな人がいますの?」

〈リ〉「その人も女だったりして」

〈ア〉「いえ、男ですよ」

「アメリア!ガードが来たって本当か!?」

声の方へ向くと、成程、ガードに良く似ている。違うところと言えば目の色か。

〈ア〉「分かるだろうけど。こっちがさっき言ってた奴」

奴って。

〈ア〉「ティアー=ウインドよ。ティアー、こちらはリナ=インバース、ガウリイ=ガブリエフさん、シルフィール=ラーダさん、ゼルガディスさんよ」

ちょっと、アメリア。何であたしだけ敬称なしなのよ。まあ、単に普段敬称をつけてないからだと思うけども、挨拶くらい…。

〈T〉「そ、初めまして。滅多に会わないだろうけどよろしく」

て、てきとうだなぁ、この人も。

〈リ〉「こちらこそ、よろしくお願いします」

〈T〉「ああ、固くならなくてもいいぞ。そんなに変わらないみたいだし」

〈シ〉「でも、王族なんでしょう?」

〈T〉「一応はね。でも、人となりに王族って関係ないし」

〈G〉「関係してくれると嬉しいんだがなぁ」

何時の間にやらガードまで来ている。

〈G〉「許可は貰った。じゃ、私は部屋に行くから何か用があったら来てくれ」

そりゃまた早いな。まあ、フィルさんのことだから二つ返事でOK出したんだと思うけど。

〈ア〉「了解!またね!」

〈G〉「ああ、そうだ」

曲がり角で立ち止まり、ガードは言った。

〈G〉「言うの忘れてたけど、一応妊婦なんでよろしく」

〈T〉「はあっ!?」

〈リ〉「に、にんぷ?」

〈ガ〉「へー。そりゃあおめでたいなー」

〈T〉「ちょっと待て!一体誰のっ!」

あたしたちの動揺そっちのけでガードは行ってしまった。


 食事をし、客間で寝て、食事をし、話し込んで、食事をし、姉ちゃんたちが来た。

〈R〉「よーし。それじゃあ、やるか!」

〈ル〉「危ないからゼルガディスだけ来てね」

〈ゼル〉「ああ、分かった」

なんだ。見せてもらえるわけじゃないんだ。ちょっとガッカリ。

で、その五時間後。三人が入ってきて、後ろに一人の男がついてきていた。

〈ア〉「うわあああっ!見違えたわよ、ゼルガディスさん」

〈リ〉「あんたそんなだったのねぇ」

〈ガ〉「様変わりも凄いなぁ」

〈シ〉「おめでとうございます。ゼルガディスさん」

〈ゼル〉「あ、ああ。ありがとうな」

ゼルガディスが元に戻ったお祝いに、場内で宴会が開かれた。


―登場人物―

   リナ=インバース
いわずと知れた、このあたし!可憐な美女。リナ=インバース!

   ガウリイ
脳みそヨーグルトの剣術バカ。

   ゼルガディス
合成獣から今回めでたく人間に戻った。

   ルナ=インバース
姉ちゃん。赤の竜神の騎士からスィーフィードに昇格?

   シルフィール
元サイラーグの巫女。今はセイルーンで働いている。

   アメリア
セイルーンの王女。正義オタク。

トップに戻る
18280V.店番日記   by ノーストガード・ワード 2007/8/19 01:05:34
記事番号18265へのコメント

V.店番日記   by ノースト

 ガードが産休で休み、魔王様たちが出張で出かけ、海王さまや獣王さまたちが睨み合いで忙しいからって俺たち神官、将軍や竜族、エルフが代わりに店番をすることになったんだ。

【客はL様と思え】という店長(ガード)の意に沿うよう、上に言われている以上その通りにするしかない。よって、俺たちと竜族たちとは交代で店番をしている。

余談だが、客は神様というと魔族が怒りだしそうだから変えたのだそうな。

で、今回語るのは俺とゼロスの番になった時の話。


 今日もまた、店の扉が開いた。

〈ノ&ゼ〉「いらっしゃいませー」

〈G〉「やあ、やっているようだね」

〈ノ〉「あれ?後ろの人は?」

〈G〉「ああ、リナとアメリアとガウリイとゼルガディスだ。ノーストは初めてだったか」

ああ、あの。

〈ノ〉「まあね」

〈ゼロ〉「へえ、ゼルガディスさん、元に戻られたのですね」

〈G〉「ゼロスの紹介は覚えているだろうから省くけど。彼は覇王将軍のノースト。店を始めることになった張本人」

〈リ〉「覇王将軍!?」

〈ノ〉「其の節ではドーモ」

〈G〉「ここじゃあ、戦闘ができないようになっているから。そこのところよろしく」

〈リ〉「そぉお。よかったわね。滅ばずに済んで」

客はL様だ!

〈ノ〉「ところで、ご注文は?」

〈ゼロ〉「メニューからどうぞ」

〈G〉「それじゃあ…」


 彼らは散々飲み食いし、店の中を物色し始める。

〈ア〉「これって、歌を歌うセットじゃない?」

〈G〉「ああ、そうだ。作り上げたその夜に竜魔戦争になりそうだったんで歌で決着をつけさせた」

〈リ〉「竜魔戦争って」

〈ゼル〉「歌で決着をつけたのか」

〈ガ〉「へぇ。それはすごいなぁ」

〈G〉「ああ、あれはすごかった」

あの時は本当に凄かった。竜族が『メサイア』や『はじめの一歩』を歌い、ダメージ受けて。こちらは魔王さまの『明日があるさ』の替え歌や『瞳をとじて』で応戦して。『アンパンマンのマーチ』を歌った時は殆どのものが歌えなくなったけれども冥王さまがやってきて『想いでがいっぱい』の替え歌で反撃。相手が気分悪くなって戦意喪失したところでガードが『夕焼け小焼け』で締めくくって解散になった。

〈リ〉「リクエストとかしてもいいの?」

〈G〉「勿論。自分で歌ってもいいしな。で、何をリクエストするんだ?」

〈リ〉「ゼロスに『ひみつのアッコちゃん』歌ってもらおうかと思って」

〈ゼロ&ノ〉「ええええええっ!?」

〈G〉「そ、そうか。・・・滅びるなよゼロス」

〈ゼル〉「おい。止めないのか」

〈G〉「客はL様だ」

そうだ。客はL様だ。

〈ノ〉「ゼロス君。幸運を祈る」

〈ゼロ〉「嫌ですよっ!何でそんな歌」

〈ノ〉「いいか。客はL様だ」

ゼロス、君の事は忘れないよ。さあ、逝って来い。

〈ゼロ〉「ああっ!もうっ!」

そして、ゼロスはやけになって舞台に上がった。

〈リ〉「あ、アッコちゃんのところはゼロスに置き換えてね〜」

〈ガ〉「おまえ…それはいくらなんでも酷いぞ」

〈ア〉「いいじゃないの。そしたらゼロスさん改心してくれるかもしれないし」

〈ゼル〉「それどころじゃあないと思うぞ」

ゼロスは涙ながらに歌う。『ひみつのアッコちゃん』を。

僕は笑う。表に出さずにひっそりと。

〈ゼロ〉「それはひみつ・ひみつ・ひみつ。ひみつのゼ・ロッス!」

歌い終えたゼロスは倒れ、ガードが回復呪文を唱える。

〈リ〉「じゃあ、覇王将軍ノースト!『ハレルヤ』を歌ってね」

〈ノ〉「俺!?」

くそぅ。高みの見物じゃあすまなかったか。

〈ノ〉「Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah! Halle-lu-jah! Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah! for the Lord God Omnipotent reigneth.」

きつっ!やってみたらかなりきついよこれっ!

〈リ〉「さーって!盛り上がったところでじゃんじゃん行くわよっ!」

〈ア〉「3番!アメリア、『生の賛歌』歌います!」

〈ガ〉「よーっし!それじゃあ、俺は『グリーングリーン』だ」

〈ゼル〉「そうだな…『ルパンV世』にするか」

〈リ〉「あたしは『自分らしさ』にするわ。あ、ショート・ケーキとコーヒーをお願い」

ゼロスと交代してガードに治療呪文を掛けてもらう。ああ、生き返る?

その夜、遅くまで彼らの生気溢れるのど自慢は続いた。

竜族に知られるのは癪だから注文されたものだけ書いて終わった。

―登場人物―

ああ、もうっ!そんな余力ないからもうやめたっ!全部みんなが知ってる通り!これでいいだろっ!

トップに戻る
18289Re:魔族なのに健気なまでの店員根性です!。。。 2007/8/24 21:12:54
記事番号18280へのコメント


お久しぶりです

御改名されたようですね、おめでとう御座います。

それでは早速コメントです

>〈G〉「ゼロスの紹介は覚えているだろうから省くけど。彼は覇王将軍のノースト。店を始めることになった張本人」
>
>〈リ〉「覇王将軍!?」
>
>〈ノ〉「其の節ではドーモ」
>
>〈G〉「ここじゃあ、戦闘ができないようになっているから。そこのところよろしく」
>
>〈リ〉「そぉお。よかったわね。滅ばずに済んで」
>
>客はL様だ!
何て偉い

涙が出そうなほど健気です・・!

> 彼らは散々飲み食いし、店の中を物色し始める。
>
>〈ア〉「これって、歌を歌うセットじゃない?」
>
>〈G〉「ああ、そうだ。作り上げたその夜に竜魔戦争になりそうだったんで歌で決着をつけさせた」
>
>〈リ〉「竜魔戦争って」
>
>〈ゼル〉「歌で決着をつけたのか」
>
>〈ガ〉「へぇ。それはすごいなぁ」
歌の決着を納得させたのがまず凄いです

>〈G〉「ああ、あれはすごかった」
>
>あの時は本当に凄かった。竜族が『メサイア』や『はじめの一歩』を歌い、ダメージ受けて。こちらは魔王さまの『明日があるさ』の替え歌や『瞳をとじて』で応戦して。『アンパンマンのマーチ』を歌った時は殆どのものが歌えなくなったけれども冥王さまがやってきて『想いでがいっぱい』の替え歌で反撃。相手が気分悪くなって戦意喪失したところでガードが『夕焼け小焼け』で締めくくって解散になった。
う、うわぁ

凄いなぁ見たかったなぁ、替え歌とアンパンマンわ素敵ですよ・・!

>〈G〉「勿論。自分で歌ってもいいしな。で、何をリクエストするんだ?」
>
>〈リ〉「ゼロスに『ひみつのアッコちゃん』歌ってもらおうかと思って」
>
>〈ゼロ&ノ〉「ええええええっ!?」
>
>〈G〉「そ、そうか。・・・滅びるなよゼロス」
>
>〈ゼル〉「おい。止めないのか」
>
>〈G〉「客はL様だ」
>
>そうだ。客はL様だ。
>
>〈ノ〉「ゼロス君。幸運を祈る」
>
>〈ゼロ〉「嫌ですよっ!何でそんな歌」
>
>〈ノ〉「いいか。客はL様だ」
>
>ゼロス、君の事は忘れないよ。さあ、逝って来い。
>
>〈ゼロ〉「ああっ!もうっ!」
>
>そして、ゼロスはやけになって舞台に上がった。
皆何ですか、その嫌な熱気ッ?

もはや何かにとりつかれてるかのようにすら思えます

>ゼロスは涙ながらに歌う。『ひみつのアッコちゃん』を。
>
>僕は笑う。表に出さずにひっそりと。
>
>〈ゼロ〉「それはひみつ・ひみつ・ひみつ。ひみつのゼ・ロッス!」
歌うのならなりきるんだゼロス!

やるなら振り付けまで!(酷

>〈リ〉「じゃあ、覇王将軍ノースト!『ハレルヤ』を歌ってね」
>
>〈ノ〉「俺!?」
多分、彼女酔ってるんですよ

もぉ見境ナシ

>〈リ〉「さーって!盛り上がったところでじゃんじゃん行くわよっ!」
>
>〈ア〉「3番!アメリア、『生の賛歌』歌います!」
>
>〈ガ〉「よーっし!それじゃあ、俺は『グリーングリーン』だ」
>
>〈ゼル〉「そうだな…『ルパンV世』にするか」
>
>〈リ〉「あたしは『自分らしさ』にするわ。あ、ショート・ケーキとコーヒーをお願い」
>
>ゼロスと交代してガードに治療呪文を掛けてもらう。ああ、生き返る?
>
>その夜、遅くまで彼らの生気溢れるのど自慢は続いた。
>
>竜族に知られるのは癪だから注文されたものだけ書いて終わった。
凄いですね、お疲れ様です。

サービスの行き届いた素晴らしいお店ですよ

・・あとガウリイ、

その歌は意外と暗い歌だぞ!

ゼルの歌が超聞きたいです

>―登場人物―
>
>ああ、もうっ!そんな余力ないからもうやめたっ!全部みんなが知ってる通り!これでいいだろっ!
お疲れだったんですね・・・

いいんですよ、無理なさらずとも

皆こんなん書いてないですからね、ですから落ち着いて・・・・どうぞ麦茶です。

・・え、麦茶の味が変ですか?

ああ、ウチではルイボスティーのことを麦茶と呼んでるんですよ

ですから頑張って下さい(?

いつも応援しております

それでは


トップに戻る
18290Re:魔族なのに健気なまでの店員根性です!星野流 2007/8/24 23:25:56
記事番号18289へのコメント

。。。さん、コメントありがとうございます。はい、改名しました。星野流として頑張らせていただきます。


 リナが辛辣なのは去年のことをまだ根に持っているから。ちゃんと仕事をしていないノーストにまでキツクなってます。


 商売人にとって客は神様というのをどっかで見たので使わせてもらいました。

神様では語弊が魔族に出るのでL様です。


 「アンパンマン・マーチ」はそのままなんで書きませんが、替え歌を一部書かせていただきます。

     シャブラニグドゥ「明日があるさ」
「いっつも上司に怒られる。そんなに私はダメなのか?明日がある。明日がある。明日出直そう」

こんな感じです。「明日があるさ」の替え歌は仕事が辛くなった時実際に何度か歌ってます。

     フィブリゾ「想い出がいっぱい」
「大人の階段落ちる。君はもう、死んでいるさ。」


 ゼルガディスの「ルパンV世」、そうですね。聞きたいですね。声なんかうろ覚えで頭の中でも歌ってもらえませんけど。

感覚的に合っているんじゃないかと思います。


 ノーストの余力がありません。

「メサイア」歌いきった竜族も凄いですけど、「ハレルヤ」と呼ばれる一部分だけでもかなり長いです。聖歌を長々と歌い続ければ魔族にとって致命的。

聖歌じゃないけど、ゼロスの「ひみつのアッコちゃん」も致命傷を与えました。

瞬時に治る精神体用の回復呪文でも「ハレルヤ」効果があったとしてもそれが終わってフラフラなので相当ですね。


再度、言わせていただきます。

コメント、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。