◆−24 -TWENTY FOUR-6−CANARU (2007/6/23 10:59:34) No.18154
 ┣24 -TWENTY FOUR-7−CANARU (2007/6/23 23:18:14) No.18155
 ┃┣お久しぶりです〜!−P.I (2007/6/24 00:44:15) No.18156
 ┃┃┗ありがとうございました〜〜♪−CANARU (2007/6/24 12:42:00) No.18157
 ┃┣待ってました!!−続きを催促した者です (2007/6/24 13:49:26) No.18158
 ┃┃┗ありがとうございました〜♪−CANARU (2007/6/25 11:59:53) No.18163
 ┃┗24 -TWENTY FOUR-8−CANARU (2007/6/25 11:57:12) No.18162
 ┃ ┗24 -TWENTY FOUR-9−CANARU (2007/6/28 00:20:01) No.18164
 ┃  ┣じつは特効薬!?−P.I (2007/7/1 02:21:54) No.18167
 ┃  ┃┗いぢっぱり〜〜♪−CANARU (2007/7/1 12:42:24) No.18168
 ┃  ┗え――――…と。−氷紅梦無 (2007/7/2 11:56:45) No.18169
 ┃   ┗ありがとうございました。−CANARU (2007/7/4 23:33:46) No.18173
 ┃    ┗・・・・暫し打ち切りやも・・・(涙)−CANARU (2007/7/17 01:45:21) No.18208
 ┃     ┗寂しいです−井上アイ (2007/7/21 00:27:05) No.18221
 ┃      ┗ありがとうございます(涙)−CANARU (2007/7/21 00:49:25) No.18223
 ┗TWENTY FOUR(番外短編?)−CANARU (2007/7/21 01:00:13) No.18224
  ┗おかえりなさい?−井上アイ (2007/7/23 20:45:12) No.18239
   ┗野生のカン(汗)−CANARU (2007/7/24 08:27:35) No.18241


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1815424 -TWENTY FOUR-6CANARU 2007/6/23 10:59:34


PM12:00〜PM13:00
「アメリア姫が誘拐されただって?」
まったくもって。それが事実だとしたならば。兎角今日は誘拐事件が多い日ということになるだろう。その調査のために今、この場に足を運んでいるわけには訳なのだが。
元々ある冷笑癖故か、何処か自分自身が皮肉っぽい微笑を浮かべていることは鏡を見るまでも無く彼は理解していた。そんな彼の心情を知ってか知らずか。
『ま、現段階ではアルフレッド大公の一軒同様、トップシークレット扱いになっていますけどね。さしものナイトメアさんも・・そんな事が世間に明るみになったらばアリシアさん復帰を求める声も大きくなるでしょうし。インバース家の権勢もますます伸びるだけでしょうから。恐らく明かされるのは事件が解決した段階になるんじゃないでしょうかね〜?ま、特務機関の失態です。どのみち僕らには関係のないことですよ?レイルさん』
間延びしたような声で淡々と独断とも、今後の見事なまでの予見ともつかない台詞を電話の相手は事も無げに述べる。
だが・・・「真の受ける」価値が充分にある言動であることだけは明らかである。
「真坂と思うが・・・・」
インバース一家はアリシアの家・・・ブルーリバー家とかなり良好な姻戚関係にある。
そして。その孫息子であるケインと彼・・レイルは旧知の仲であった。
もっとも、彼と此方の関係に関して言えば「良好」かどうかは相当に疑問の余地があるが。
そして・・今年の初めぐらいだっただろうか?その従姉妹に当るインバース元帥の娘。
リナがケインと同じ組織・・ZPUに入ったことは一部の人間には有名な事柄だった。
「アメリア姫誘拐の失態・・・責任を取らされるのはナイトメア・・・」
一瞬頭の中にケイン・・及びまだ会ったことも無いインバース元帥の娘リナ。
この両名がアリシア・・ないしは元帥のためにアメリア姫を見捨てる・・・などというシナリオも浮かびはしたのだが・・・・。
馬鹿馬鹿しい。あのクソしょうじきなケインがそんな真似をするわけは無いだろう。
そもそもインバース元帥やアリシアがそんな事をした人物を例え一族のものとはいえ放置しておくはずは無いだろう。分かりきったことだ。
ここまで考えが至り、レイルはあながち自分とケインとの関係も早々険悪なものではないだろうと、改めて思いなおす。最も、この彼の脳内思考をケインが聞き取った日には露骨に嫌な顔をすることは目に見えているのもこれまた事実であるのだが。
ならば・・リナ・インバースとかいう娘は・・?噂に聴くところ、かなりの冷酷無比な・・アル意味でナイトメアにも匹敵するような手口で操作を進める部分もあると聞き及んでいる。だが・・・。
『そうそう。そのナイトメアさんですが。どうやらインバース元帥の娘さんお相棒に。ご自身の分身とも言えるんでしょうかね〜〜?弟君を割り当てたらしいんですよ〜〜』
・・ナイトメアの弟をよりにもよってインバース元帥の娘の相棒に?だとしたら。
「監視」と言ったところか?相手がナイトメアの弟ともなれば、さしものリナ・インバースも下手な動きは出来るはずは無いだろう。
何はさて置き、この一軒がトップシークレットなのだとすれば・・・だ。
「で、お前は何処でそんな情報を仕入れたって言うんだ?」
『それは・・・秘密です♪』
予想通りの台詞を言うだけ言ってさっさと電話を切り終えた通話相手だがこれといった不快感は感じなかった。アイツはそういうヤツだ。
「あの〜〜・・・レイル警部さん。キャナルさんのことですがぁ・・・」
不意に声をかけてきたのはケインの妹、キャナルの担任教師であるニーナだ。
「ええ。キャナルさんに関しましては。犯人の『一人』は現在我々も捜索中だった身代金目当ての誘拐事件の常習者でしてね・・・。誘拐された子供達は全員解放されているものの。我々もその手口には手を焼いていた相手ですよ」
「で、この一軒は・・・・」
「ええ。他の生徒さん達には内緒にしておいてくださいね♪まだ捜査中の部分も多々ありますので」
言語だけ検証するのならば嘘は言っては居ない。ケインの従姉妹というリナ・インバースが壊滅したキャナ誘拐事件の実行犯の『一人』はこれまでも何度か身代金目当てで少年、少女の誘拐事件を起こした人物に間違いないことは警察機関の調べでも明らかな事実だった。恐らく・・更に大きな事柄を企んでいた『何者』かその手口を買われ、この件に関しては「金で雇われた」といったところだろう。
「はい〜〜♪レイル警部さん〜〜。キャナルさんはドブにハマって転んで急遽病院に運ばれたってクラスメイト達にはいっておきますね!!!」
あのキャナルの性格を考えれば。そんな噂を流布した人物は例え担任教師であったとしても唯ではすまなさないとは思うが・・そこまで感知してやる必要もないだろうな?
「じゃ。僕は事件について再度調査しますので。よろしくお願いしますね。ニーナ先生♪」
「はい〜〜〜!!!」
・・とりあえず。学校側の口封じはこれで無事に終わったと考えていいだろう。
「特務機関にしちゃとんだ失態だな?ケインよ。はなっからこんな事はセイルーンの連邦捜査局・・S・G(セイルーン・ガーディアン)に任せておけばよかったんだよ。どんな事情があったかは知らないが・・・・」
縄張り争うというならば言うがいい。一応はアメリア姫の一軒はS・Gの一同は例えチーフの警部であるレイルであっても公式的にはまだ何も知らないこととなっている。
この事に関してはお手並み拝見といくことにしよう。
例えソレが。ケインの・・あるいはナイトメアの・・?
強いて言えば権力をS・Gと競い合っているZPU全体との事であるとしても・・だ・
さてさて。彼らはどう出たものか?
「待って!!!」
現場にはヘリコプターで到着したものの、既に昼食会の会場の駐車場には何気ない様子を装ってチームの一同が止めた作戦用の車が無造作に留め置かれている。
そのうちの一台のドアにガウリイが手を掛けかけたのその瞬間にリナは待ったを掛けた。
「・・・・????」
それ以上は無言であったが、ある種の圧力を感じたガウリイはリナに言われるままに車からはなれて、彼女の佇む遠方のほうへと再び足を向ける。
ガウリイが充分に車から離れた距離に達したと判断したリナは不意にポケットからキーを取り出し、ピっと車に向かって自動開閉の電波を発射させて見せる。
ずだあああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!
「ま、他の車と離れたところに停めておいて正解だったわね。さもなきゃ今頃、この爆発炎上の誘爆でセイルーンの宮殿のパーキングエリアは火の海よ」
「予測してたのか?車に爆弾が仕掛けられてるって・・」
「相当オーソドックスな手段だけど。パニっくてる人間には相当有効なテであることだけは確かね。っと・・なると。とりあえず宮殿内部の車を一台失敬しないことには・・」
電波の探知機を見たところからしてまだアメリア姫を乗せた車はセイルーンの宮殿を中心とした市街地から出ては居ない様子だ。この調子なら抜け道をすれば何とか即急に追いつける距離には距離だが。肝心の足が無いことには。さてさて・・どうしたもんか?
いざとなれば強引に鍵をこじ開けて、エンジンを配線つなぎで起動させれば・・・。
と、リナが相当に荒っぽいながらもこれまた「常套手段」のシナリオを頭に思い描きかけたその時であった。
「あの・・・。リナ・インバースさんですか?私、セイルーンの宮殿の侍女をしているものですが。侍女頭がこれを貴方へ・・と。ナンバーは『O 1004』との事です」
この爆発騒ぎの中、不意に此方に駆け寄ってきた女官がリナの手の中に車のキーを押し付けて去っていく。
「どういうことだ・・・・???」
あっけに囚われた様子で問いかけてくるガウリイにリナは軽く肩をすくめて見せる。
「アメリア姫はかなり用意周到、かつ無鉄砲な性格みたいだから。大方こうなることを予見して侍女頭にこの鍵をアタシに渡すように言っておいたって所ね?」
無論。自身のそんな「無鉄砲」な計画を周囲に知らせるわけにはいかないので「それとなく」を装うことも忘れはしなかったのだろうけれども。
「何はともあれ。セイルーンの公用車の駐車場へ行きましょう。ナンバーは『0 1004』だったわね!」
これで足を得たことは幸いである。しかもセイルーンの公用車ともなれば防弾・装甲共に充実したつくりであることは明らかである。
「追跡には持ってのこい・・・と、いうわけね」
ひとつ溜息をつきつつ、既に車の扉を開けて運転席に座り込もうとするガウリイを身振りでリナは制止させつつ。
「悪いけど。任務時の他人の運転は信用しない主義なのよ!」
「・・・相変わらずだな〜〜・・・お前さんも・・・」
5年前。リナのボディ・ガードとして雇われていたときもそうだったことを今更ながら思い出しつつガウリイは改めて苦笑した。
『他人の運転は信用しない主義なのよ!!』
であった其の日。大学へ向かう彼女を無事に学校に送り届けるために車を出した其の瞬間。
帰ってきたのはこの一言であった。
免許を取得したばかりの女子学生の言う台詞ではあるまいに・・・・・・・!!
しかし、あまりにも真剣な彼女の表情にガウリイは仕方なく同意をし(あるいみ微笑ましくもあったのだが)助手席に座りつつリナの警備に当たった日々を思い出した。
「わかったよ。じゃ、運転頼むからな〜」
気軽に言ってのけつつもガウリイは運転席に着席したリナの表情が僅かに変化をしたことを決して見逃しては居なかった。
「おらおらおら!邪魔よ!!ったく・・・進路妨害も甚だしいわね!!!社会の迷惑考えなさいよ!!!」
やおら口調が荒くなり、猛烈な勢いでアクセルを踏み込んでリナが発信をする。
助手席に慣性の法則に伴って・・・否応無しに圧力がかかるのもこれまた相変わらずだ。
「ったく!!こんな所にクッソ邪魔な縁石なんか作ってるんじゃないわよ!・・ましてや予算消化の工事なんかやってやがったら・・・唯じゃおかないわよ!!!」
これまた今更のことじゃない。アメリア姫が誘拐されたことに動揺しつつもなんとか対策を練ろうと駐車場に飛び出してきた宮廷の警備係りに対して悪態をつき、途轍もないスピードで発信させて車が運悪く乗り上げた縁石に対しても不愉快そうな顔を隠しもせず乱暴運転しつつ文句をいい・・・更には(誰でも腹立たしいことだが)道路工事に対しても今にもツバを吐き掛けそうな形相でリナはゴチていた。
「相変わらずだな〜〜・・・お前さん・・・」
「相変わらずもへったくれもあったモンですか!!だいったいね!!!不必要に道路穿りかえした挙句にヘッタクソな舗装をして余計に車を走りにくくしている予算削減工事って一体全体何よ!!廃止を訴えるアメリア姫にアタシは断固と賛成するわよ!!!」
「・・・・で、そのアメリア姫をこの状態でどうやって追いかけるって言うんだ?」
「・・あたしのバッグにアメリア姫の発信している電波を追いかける装置がある。それを・・ナヴィに接続して。今、運転中でアタシには出来ないから!!!」
言われるままにガウリイはリナのバッグから計器を取り出して指定された場所に接続する。
それにしても。この乱暴運転についていける人物は世の中、どの程度居るものだろうか?
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!
アクセルを踏み込み、リナが大げさにエンジンをふかすと同時に更に凄まじい勢いで車体に圧力がかかるのが分かった。
「リナ、このまままっすぐだ。連中は多分・・高速に乗り入れるつもりだろう」
「分かっているわよ!・・・・って!!!!」
ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!
突如として前方を走っていた道路工事用のトラックが車の進路を塞ぎ、あからさまなまでの妨害に出たのを感知してリナがより一掃ハンドルを乱暴に左右に揺さぶる。
けたたましい騒音と共に道路に厄介なタイヤの痕跡が刻み付けられているのが助手席に座った状態でも嫌というほど理解できた。
「くっそ!!ま、予算消化工事よりよっぽどもマシな展開だけどね!第一。人様の税金をナンだと思っているのよ!それなら軍事費用を増やしてくれたほうが100億倍もありがたいわよ!!!!」
乱暴に妨害工作に出るトラックに車体をぶつけて、相手のバランスが崩れたことを見計らったリナは僅かに出来た道の隙間を見計らって更に乱雑という言葉が似合う勢いでアクセルを踏み込んでいく。
「・・・・軍事費用を削減するほど世の中平和だとは思わないのか・・・?」
さしものガウリイも舌を噛まない様に何とか身体を支えつつ、揺れ動く車の振動に耐えてすっかりエキサイトしているリナに問いかけてみたりはしたものの。
「世界のパワー・オブ・バランスを理解していない人間の言う典型的な言葉よ!ソレは!!
何はともあれ・・・反撃するわ!構えて!!!」
ある意味でそれは彼女の言うとおりの事柄かもしれなかった。
ずだあああああああああああああああああああああああああん!!
前方を行く車の中の一台もアメリア姫を誘拐した一味の仲間のものであったのだろう。
突如として発砲される銃弾を見事なまでのハンドル捌きでリナがかわしていくのがわかる。
「分かった!!!」
この調子では彼女は運転に集中せざるおえないだろう。必然、反撃はガウリイの仕事になる。様子からすれば連中はハナっから命中させようという気は無く、あくまでも「妨害工作」としての威嚇と見るほうが賢明な情況だった。
「さしあたり。マトモに反撃する必要は無いな・・・・・・・・・」
ずだあああああああああああああああああああん!!!
ガウリイが放った防御の一撃が前方を走る敵の車のタイヤをあっという間にパンクさせ。
ぎいいいいいいいいいいいいいいいいい!
凄まじい音を立ててスピンする敵を尻目にやり過ごした・・という確信を彼が持ったその刹那であった!!!!!ずだああああああああああああああ!
「う!!!!!!!!!!」
不意に聞こえたのはこれまで運転にのみ集中をしていると思い込んでいたリナの本オツにかすかな呻き声だった。
よくよく見れば。今まで攻撃にのみ集中して気にしていなかったのだが運転席側の窓ガラスが粉々に砕けているのを今更ながらガウリイは認識するに至り・・・・。
「リナ・・・お前・・・・・・・・・」
「うっさいわね!かすり傷よ!!!!」
ようやっとZPUに到着したとも思ったら。さしあたって所望した物品は与えられたものの・・・ゲスト・ルームと呼ぶにはいささか寂しい感じのする殺風景な部屋に押し込められてキャナルは嘆息せずにはいられない思いで差し出された水を飲み干した。
あ〜あできれば好物の紅茶が良かったんですけれどもね?
ま、今のケインの立場を考えればそんな我儘を言っている暇は無いだろうけれども?
いつもであったら嫌味か尋問の一つを喰らったであろうが。(何とか仕入れた情報で知ったところ)アメリア姫が誘拐され自身のメンツに関わるという情況の中、ナイトメアは彼女には完全に無関心・・・といった態度がありがたかった。
もっとも・・・ケインに面会が出来ないというあたりは一寸辛いかもしれないけどね。
ふうっと溜息を一つつきつつ。プラグをコンセントに差込、そして与えられたハンディ・パソコンをネットに接続しつつキャナルは古典のノートに書き写した文書の更なる解読に挑もうとする。
「勝手に失敬〜〜〜〜♪」
完全に自分がナイトメア派連中はもとよりもアリシア派・・・更に言えば中道の人たちの関心からも除外されていることを確認しつつ彼女は机を漁り、手身近にアル文書にざっと目を通すことに成功したことに感謝しつつキーボードを更に操っていく。
「一寸信じられないのよね?あの文書がアメリア姫の誘拐のために。過激な集団を昼食会に潜り込ませる・・・DNAの文字記号『だけ』を示していたなんて。だいったい・・それだけだとしたら・・・プログラミングに無駄が多すぎるのよ!」
既にここにやってくる以前、ミリーナに恐らくDNA配列を示しているであろう部分は『(カッコ)』で印をつけてもらってある。
そのDNAが何を意味しているかは知らないが・・その部分さえ分かればあとはそれをプログラムとして警備システムに潜り込ませる用語というのは分かりきったことだった。
だが・・・。
「あまりにも類似性や共通性がなさ過ぎるのよ!普通ならHTMIならHTML。INCLUDEならINCLUDEって法則があるみたいに。このノートのメモは言語に無駄があってかえって重くなっているのよね?アタシの予測が正しければ・・・」
これは。DNAをセイルーンのコンピューターにインプットする以外にも何らかの意味があるはずだ。だとすれば・・・。
「攻撃目標は政府重要機関のはずよね?」
そこで取り出したのがZPUの机に無造作に保存されていたマニュアルだった。
「これで何らかの手がかりを得られればいいんだけれども・・・」
そしてそれを得られたところで。ソレをどうやって誰に伝えるか・・という重要な問題もクリアーしなければならないだろうな。
ケインがここに暇を見つけて来てくれれば一番ありがたいのだけれども。
「だから!!!かすり傷だって言っているじゃない!!!」
「何言ってるんだ?血が出てるぞ?」
突如として受けた攻撃で明らかに手の「甲」部分をガラスで切りつけて負傷し、ハンドルを握る手から血を流しているリナに向かってガウリイは叫ぶのだが。
「この任務に負傷はつきものでしょう?」
何とかアメリア姫を乗せた車は現段階では高速に乗っては居ない。追撃の距離を縮めるのならば今が一番の好機だ。これを逃せば例え発信装置で追跡できても行程は厳しくなる。
「応急処置くらいは必要だろ?今後に支障が出る。それにだ、運転。その手じゃ厳しいだろう?代われよ。この車内ならすぐに座席位置移動は可能だしな?」
「・・・・わかったわよ・・・・・」
幸い持ち込んできたバッグの中に応急処置の道具もある上に、確かにガウリイの言うとおりこの手の状態でハンドルを握り締めているのは多少の負担は感じていた。
「まったく。人を作業用のコンテナ車らしきものに押し込めるなんて!とんでもない悪人達です。それにしても、なんだかこの車。私には良く分からない機械が一杯積んであるみたい。とりあえずは爆弾の類じゃないようだけれども。何を企んでるのかしら?」
持っていた携帯が決して圏外の無いイリジウムであったことに感謝しつつ、アメリアは押し込められた車の車内を改めて見回してみる。もしかしたら。
「私自身が最終目標じゃなくて。この悪人達の時間稼ぎの手段だとしたら?」
確信がもてない今の段階でリナたちにそれを知らせていいものかどうかも分からない。
「・・・・・・・・・・・・」
助手席で傷の手当てを終わらせた途端、不意にリナは先程の柄の悪さは何処へやら。
不意に押し黙って、視線をひたすらなまでに窓の外に向けつつ少し俯いていた。
「真坂とは思ったが、お前さん。やっぱりそうか?」
「・・・・・まさかに・・そうって・・・何よ?」
尚も言葉少なげに何とか発せられたリナの言葉は一見すれば「不機嫌」の一言で片付けられてしまうようにも思えるのだが。明らかにこれまでリナの「不機嫌」を散々見せ付けられていたガウリイにはソレと今の彼女の態度の違いは明確に分かりきっていた。
「居るんだよな〜。そ〜ゆ〜ヤツ。自分が運転しているときは威勢がいい上にガラが悪くなってられるんだが。いざ他人の運転になると『車酔い』して無口になるタイプのやつ」
チラリとリナのほうを見遣れば図星だったらしい。更に俯いて(恐らく気分が悪いのだろう)う・・と頭を抱え込むリアクションをする姿がナンとも頼りなく見えた。
「・・うっさいわね・・さっさとアメリア姫を追いかけなさいよね。このクラゲ!」

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1815524 -TWENTY FOUR-7CANARU 2007/6/23 23:18:14
記事番号18154へのコメント

PM13:00〜PM14:00
「情況は100%身代金目当ての誘拐。常習者も居たわけですし。ま、よりにもよって貴方方の職員のケイン・ブルーリバーでしたっけ?彼の身内を誘拐したことが運の尽きだったというところでしょう。ま、当方S・Gとしましても手を焼いていた事件が解決しただけに、其方には感謝しなくちゃならないでしょうけどね〜」
『そう。報告ご苦労様。話がそれだけならば。我々もセイルーン宮殿の警備が多忙なのでこの件はこれまでにさせていただくわ。それでは』
「ええ。よろしくお願いいたしますよ。無論、ナイトメア・ガブリエフ殿への報告も」
明らかに電話の相手、秘書官のカーリーが不快そうな呼吸をしつつ電話を切ったのが分かった。まあ、無理も無い。ZPUとしては世間的にはまだ(S・Gにさえ)明らかにされていない失態、アメリア姫の誘拐を隠匿すること、さらには汚名を挽回することに躍起になっている最中のこの電話だ。
「やれやれ。キャナル嬢の誘拐について詳細を調べて報告しろと半ば命令じみた請願を此方に出したのは何処の何方だったのやら?ま、こうなっては・・。さしものナイトメアもケインを失脚させることに関しては一時断念といったところかな?」
ピと無造作に此方も携帯電話の電源を切り、ポケットに突っ込みながらレイルは一人呟く。
何はさておき。まったく今日は警部クラスの自分に至ってすら野暮用の多い日だ。
「何ぶつぶつ言っているんですか!フレイマーさん。さっさと警備の詳細について職員一同に説明してください!まったく・・・もう嫌よ。こんな人生。さっさと退職して骨董屋さんを開いて悠々自適に暮らしたいものだわ〜〜」
これまでZPUに電話報告するため待たせていたせいもあるだろう。
「ゴールド・ドラゴン」・・軍部公認、セイルーン唯一の武器・兵器の製造管理を任される(いわばナイトメア派にとって目の上のたんこぶと言える)民間企業の幹部の娘、フィリアは大げさに嘆きながらレイルを非難する。
彼女が何を何処まで知っているかは知らないが。無論この企業とてZPUや軍部、更に言えばセイルーン王室の幹部並の政治力を持っていることは周知の事実である。
だからこそ軍部のインバース元帥よりこの「ゴールド・ドラゴン」は軍事的な秘密作戦すら打ち明けられることがあるのだから。
しかしながら。この企業とて決して「一枚岩」とはいえない派閥・党派が存在する、か。
やれやれ。厄介なところに警備とはいえ派遣されてしまったものだ。
「はいはい。分かりましたよ、お嬢さん。で。何を警備すればいいんですか〜?」
あくまで物腰は穏やかに言ったつもりではあったのだが。
「・・・・そんな事!貴方は知らなくたって構わないんです!第一・・・リナさんやケインさんにすら口外することをあの方や・・・・元帥閣下に命令されているのですから!
兎に角、貴方はあの隔離塔にあるものを守ってくれさせすればいいんです!!・・・それに・・私だってそれなりの情報網はあるんですからね。あなたとあの『生ゴミ』につながりのあること位、お見通しです!!!」
きいいいっと今にも殴りかからん位の剣幕で言うフィリアにレイルはこれまた内心苦笑せずに入られなかったのだが。
「・・『生ゴミ』ですか・・。ま、僕だって好きでアイツと付き合っているわけじゃないんですけど。よく言ったものだなぁ・・」
それは本心からの賛辞である。確かに。あの剣呑さは『生ゴミ』といっても支障は無い。
「だいったいあの生ゴミときたら!!産業廃棄物以下よ!!夢の島にくれてやるわよ!」
ぎいいいいいいっと尚もがなりたてるフィリア。それもまた無理からぬことだ。
「ま、警備するものが何であっても。結局1官僚に過ぎない僕には関係のないことですけれどもね」
これもまた、一軒無責任のように聞こえるかもしれないがレイルの本音でもあった。
「全員警備体制についてくれ。物騒なご時世だ。何人たりとも『隔離塔』の中に入れないように!」
的確に部下に命令を下し、さてさて・・・ZPUのアメリア姫救出のお手並み拝見と行くか。
既に彼の頭の中にはこのようなどうでもいいと認識した任務は二の次となっていた。
「で。情況はどうなっているんだ?」
アメリア姫誘拐事件の現場となったセイルーン宮殿に遅ればせながら到着したゼルガディスは苛立った様子でパーキング・エリアに佇んでいるルークに声をかけてきた。
「よくもまあ・・・ンな落ち着いていられるな?」
ジト目でゼルを見遣りつつ・・リナ、あるいはガウリイによってか?・・アメリア姫の行方を追跡にかかった第一陣ともいえる彼らなのだが・・・切られた通信機を尚も腹立たしげにいじり声をかけてくる。
「ケインにも言ったが。アメリアは唯で誘拐されるような軟弱なタマじゃないんでな。一応情況だけはお前さんの言うところの『お上』に報告せねばならなので俺がきたてわけだ」
「知るかよ・・・。さしあたってリナとガウリイのヤツが追跡にかかったことまでは俺も把握しているつもりだが。通信機は遮断されてやがる。ったく・・何が起こってるって言うんだよ?」
「通信機が遮断だと?」
さしものゼルガディスもこのことには多少なりとも違和感を覚えずには居なかった。
彼の心境・・あるいはリナに対する気持ちはどうであれ、ガウリイが事実上は兄であるナイトメア派に属していることは変わりは無かった。
仮にリナが一時的にガウリイと休戦し、アメリアを追跡するために彼との協力体制を敷いたとしても・・・本能的にガウリイに対する警戒心は残っているはずだ。
そして。そのガウリイとて態々通信機を遮断する理由も、そして彼の性格を考えれば(リナへの感情をヌキとして考えても)そんな小細工を働かせるはずは絶対にある得ない。
「どういうことなんだ?」
「そりゃ、こっちの台詞だ。たく!!!『お上』に情況を報告したくてもできやしねぇよ」
「そうか。ならば。宮廷内部のパニックを治めることに全力を注ぐべきだろう。何はさて置き、リナとガウリイの腕ならば問題は無いだろうしな」
ああ・・となおも不機嫌そうに頷きつつルークは既に宮殿に向かって歩き始めたゼルガディスの背中に従いパーキング・エリアを後にするのであった。
まったく。本部のほうも何の指示も無く、何をやっていやがるのだか?
大方アメリア姫の誘拐という前代未聞の不手際の隠蔽に躍起になっているのだろうが。
「衛星回線の一部がシャット・ダウンされただと?どういうことだ!!」
道理で先程からアメリア姫の追跡にかかっているであろうチームから連絡が途絶えているとは思ったのだが・・・。
事実関係を隠しつつもアメリア追跡・・強いて言えば自身の挽回を必死で図ろうとしているナイトメアにはこの事実はまるで「寝耳に水」といっても過言ではない事態であった。
「原因は不明です!ZPUの衛星回線の5分の3は使用不可能な状態にあります、恐らく人工衛星が月、あるいは太陽の影響によって『蝕』の状態にあるものかと・・」
さしもの秘書官、カーリーも何時もの冷静さは何処かに消えうせていた。
「使用可能な予備の回線に切り替えろ!全力でアメリア姫の救出作戦に当ること。そして・・意地でも回線を復旧させろ!!」
「一体全体何をしたっての?キャナル・・・」
コーヒーをカップに入れなおすような素振りを見せつつ此方にやってきたミリィは何気ない様子を装いつつも必死でハンディ・パソコンを操作して『何か』を企んでいる様子の天才的ハッカー少女に声をかけてくる。
「一部の人工衛星の軌道をコンピュータでいじくって・・。人工的に月との陰によって『蝕』の状態を作ったのよ。ま・・リナ姉ぇたちにとってはかなり危険な情況を作ってしまった事は言うまでもないのだけれども・・」
少しバツが悪そうに答えるキャナルにミリィは視線だけを向けて(更に言えば彼女にもコーヒーを入れてあげるようなしぐさを装いつつ)問いかけてみせる。
「ZPUの大まかなコンピューターのマニュアルを勝手に借りて読んだのよ。でもって・・判明したこと。まだ詳細は検証してみなくちゃ分からないけれど。ケインがアタシを救出するためにインプットした言語。DNAの文章化以外に明らにヤバイ意図があったのよ。それが・・このセイルーンの・・・恐らくはZPUの打ち上げた衛星回線を使った何らかの攻撃。それを阻止するために・・・さしあたって衛星回線をシャットダウンさせてみたって訳」
「じゃ・・・真坂・・・!」
「其の通り。アメリア姫の誘拐もある意味で敵の時間稼ぎって所かな〜?それを・・何とかしてリナ姉ぇに伝えられればいいんだけれども・・・」
「シャットダウンの持続可能な時間は?」
やはり此方も眠気覚ましのコーヒーを入れにやってきたという素振りを見せつつ、何時の間にか話を聞いていたのだろうケインがキャナルに問いかけてくる。
「もってざっと2時間って所かな?蝕を生み出すギリギリの軌道にしか衛星を移動できなかったから。それまでに・・・」
「それまでに・・・。ナイトメアに気付かれずに。アメリア姫の救出。そして。ZPUの衛星を使用した攻撃を仕掛けようとしている連中を割り出して阻止をしなければならないって事かよ・・」
チっと舌打ちしつつケインは自身の仕出かしたことを・・例え、妹であるキャナルを救出するためとはいえ・・改めて噛み締めることとなる。
「アンタは動くことが出来ナとなると。必然リナたちが阻止行動に出なければならないことは確かね。けど・・大丈夫なの?あのナイトメアの弟であるリナの相棒・・」
僅かに眉根に皺を寄せつつ問いかけるミリィにケインは苦笑しつつ。
「ま、リナはキャナル同様に俺の妹みたいなモンだから多少気に食わないというのが本音だが。ま、大丈夫だろ。あのガウリイは明らかに兄貴と性質が違うからな。・・・もしかすると公然の秘密だが。ナイトメアのヤツが嫡出、ガウリイがガブリエフの姓名を名乗りながらも庶出・・という部分もあるかもしれないが。あの男はリナに俗に言う『ほれ込んでる』ってヤツだろ?」
苦笑交じりに言うケインの言葉はまあ、確かに其の通りと思わせるものでもあった。
「ならばいいけど。で、リナは今どうなっているのかしらね・・・?」
幸いなことに「任務中」の「雑談」であるようにしか見えないミリィ、ケイン、キャナルの会話風景をこの異常事態に忙殺されているナイトメアやその他の職員はまったく咎める風景するら見当たらない。
「・・・リナ姉ぇの携帯電話の電波のパターン。ついでに言えば。趣味で集めた有名人の携帯電話の電波パターン・・あくまで番号は知らないわよ?ま、何はさて置きアメリア姫の携帯電話の電波を照合してみたところ。確実に追跡は成功しているみたい」
「・・・アンタ・・一体全体ど〜ゆ〜趣味してるのよ・・・・??」
「・・そいつの趣味にマトモに付き合っていると神経磨り減るだけだぞ・・?ミリィ。俺なんかソイツのコンピューターを小指一本でも触っただけで八つ裂きにされかかったしな・・」
遠い目をしつつそんな懐かしい話をしているケインのことは完全無視。
「リナ姉ぇの追跡装置は不幸中の幸い、まだシャットダウンされていない衛星の部分を使用しているみたいなんだけど。それも時間の問題ね。早々にけりをつけてくれることを祈りたいんだけれども・・・」
ついでに言えば。今後暫く衛星に頼った探索を出来なくなることをリナに伝えなければならない。だが、既にナイトメアの手回しによってミリィ、ケインはもとよりもキャナルの携帯もZPU幹部によって盗聴されていることは明らかな事実であった。
「明らかに衛星の情況がおかしくなっているわね・・・」
気分が悪いことこの上ないが、リナはアメリアの電波が発する点滅記号が一分ごとに薄くなっていくのを実感しつつ運転席に居るガウリイに呟いた。
「ああ。こりゃ。早々にけりをつけなくちゃならないだろうな?」
乱暴にアクセルを踏み込んで車体が揺れる。うっぷっとリナは気分が悪くなるのを堪えつつも気丈に前方の方角を見詰めている。
「そろそろ高速を抜けるわ。連中の大まかな進路は予測がついている。貴方は今日始めてZPUに入隊したから知らないだろうけれども。怪しい連中が巣食っているということで目をつけていた工業地帯がこのあたりにあるのよ・・・」
「で。どうするんだ?」
「抜け道を使う。それだけよ・・・!」
乱雑にリナが示したルートを一瞬で理解したガウリイは高速を抜けた途端、凄まじい勢いでアクセルを踏み込んで追い上げにかかる。
「リナ!辛かったら窓ガラスあけてもいいんだぞ?」
「ンな事してみなさいよ!万一、抜け道にも敵の人員が配属されていた日には!!」
「たまには俺のこと信用してくれたっていいだろ?」
ぶあああああああああああああああああああああん!!!
到底リナにはまねの出来ないドライビング・テクニックをみせながらガウリイは凄まじいスピードでかなり難解な山道を走りぬけリナの示した工業地帯を目指して一気にスパートを駆けるのであった。
座席に戻ったケインにチラリとナイトメアの痛いほどの視線が向けられていることを彼は自覚をしていた。
だが、そんな素振りを億尾にも出さず彼はキーボードをたたいて仕事に没頭しているかの様子をみせる。・・最も・・実態はリナとコンタクトを測る方法を模索しているだけの話だったのだが。何が何でも彼女にはいこれから起こりえる攻撃を阻止してもらわなければならない。そして・・できれば自分自身もナイトメアの監視網から抜け出してそれをサポートしたいと思ってはいるのだが。
「ここから抜け出す理由を作る必要あり・・か・・・」
不意に脳裏に決して好きとはいえないが・・ナイトメアを好いてはいないという部分で一致している人物の顔がよぎり、ケインは僅かに顔をしかめて見せた。
キャナルの誘拐事件の一軒もある。その操作に当ったレイルと・・例え仕事中であったとしても・・携帯電話で話しをするのはむしろ普通のことだろう。例え、それが盗聴というオマケつきであったとしても。
「レイルのヤツは・・気に食わない事ながら俺がここから出たがっていることに恐らく気がつくはずだろうな」
そうでなければ。ケインから彼に電話を掛けるなどということは天地がひっくり返ってもありえないことなのだから。
秘書官のカーリーが尚も鋭い視線を此方に向けていることを意識しつつケインは机の上においてあった携帯電話を・・メモリにすら記入していない番号を・・メモを頼りに追うっシュする決心に至ったのだった。
「ミリィ。とりあえずキャナルのことは頼む」
「O・K。ま、あんたの性格から考えて。黙ってこのままデスクワークに興じているとは思ってもいなかったけどね」
尚も与えられたハンディ・パソコンをいじくるキャナルの姿は世間一般からすれば単なるコンピュータ・オタクにみえるだろうけれども。
無茶苦茶ばっかりすることはやっぱりケインと兄妹かもしんないわね・・・。
あと5年もすれば多分キャナルも兄や従姉妹であるリナ同様にZPUにスカウトされるだろうな。そんな予言を旨にミリィ自身もさしあたっての仕事に当るのであった。
「あだだだああ〜〜〜!もう信じられないです!!世の中の捕虜さんを大事に扱えって言う条約を知らないんですか!!!」
コンテナトラックから放り出されたと思った途端、今度は何処かの倉庫らしきくらい建物に無理やり放り込まれたアメリアは怒りとも文句ともつかないグチを正体不明の誘拐犯に向かって撒き散らした。
最も、そのグチをいい終わるか終わらないかの段階で扉は閉められ、アメリアはまたしてもコンテナのような倉庫に取り残された形になったのだが。
「あ〜あ。それにしても。アルフレッドの件といい。どうして今日はこんなことになっちゃたんだろうな。本当ならば今頃・・・」
姉であるグレイシアは帰宅し、楽しいひと時を過ごしていたのであろうに。
はあ・・とため息を一つつきつつアメリアは再度電波が無事にリナに送り届けられているかどうかを確認するために不本意にも敵が取り上げなかった携帯電話を確認する。
『伏せて!!!!』
その刹那のことであった・・・・・・・・・・・・・・・・。
突如として送られたメールのあまりにも短い単語。そして・・・・・・。
ずだあああああああああああああああああああああああああんん!!!!!!
凄まじい轟音と共に車が倉庫の重厚な扉に突っ込み、乱暴にそれを突き破ったことが目の中に飛び込んできた午後の陽光と共にアメリアは理解した。
「何者だ!!!!!!!!!」
恐らく彼女を誘拐した犯人達であろう人物が突如として車庫に飛びこんできた車に一斉攻撃をかけるのが分かった。
だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「しゃらくっさいわね!!!!」
その拳銃の裁きは「的確」といっても過言では無いだろう。
確実に相手の行動不能になる位置を選びながらも彼女の攻撃は決して致命傷へはいたらない・・・相当の訓練をつんだ兵士達にすら難しい技を意図も簡単にくりだしている?
それは日頃衛兵達の練習風景をまじまじと観察しているアメリアには良わかっている事柄であった。
「リナ。何も手加減することは無いんじゃないか?」
運転席から顔を出したのは恐らくリナの相棒なんだろうな・・さしてアメリアが認識していなかった金色の髪をした何処か余り好きにはなれないあのZPUのチーフ・・ナイトメアを髣髴とさせる男の姿。
まあ。明らかに彼と「ナイトメア」と物腰が違っていることは確かなのだけれども。
「じゃっかしいわね!!!退治しちゃったら・・この後の尋問が出来ないじゃないのよ!」
一瞬にして勝負のカタはついたようにアメリアには思えた。
実際には相当の戦闘の時間を要したのだろうけれども。その実力の差はアメリアの目から見ても明らかなほどのものであった。
強いて言えば、「素人」と「プロ中のプロ」の仕業と言っても良いほどの差が両者にはあったのだった。
一軒無作為に見えるリナの攻撃は的確に敵を撹乱して・・下手に行動を起こせば「自滅」を起こさせるほどの拳銃の扱い、そしてゲリラ並みの攻撃手法が見受けられた。
しかし、そんな彼女の大胆といえる戦法は一種の「空白」を生み、自身の身を棄権し晒すことは明らかな戦法であることはリナ自身も気がついていただろう。
が、しかしだ。彼女が気がついているのかいないのか・・或いはリナも彼に信頼を寄せているのかいないのかはまるっきり定かではないのだが。
リナが危険な状態に晒されようとするたびにガウリイの的確なサポートが入り、彼女が完全な「無傷」状態であるようにするこれまた地味ながら常人では不可能な戦闘技術があってこその戦闘であることはアメリアには何とか理解できた程度だった。
それも・・リナが危険に晒されそうになったタイミングでガウリイが見せる通常とはかけ離れた険しい表情と戦闘のタイミングによってだけで!
「アメリア。無事だった?」
恐らくコレが彼女の地なのだろう。ひとまず戦闘にカタがつき。フランクな口調で彼女に近づきつつ言うリナに改めてアメリアは安心感と共に親近感を覚えつつ。
「はい!!こう見えてもあたし、頑丈ですから!!」
日頃幼馴染のゼルガディスに言われている言葉をビシっと親指を立てつつリナに捲くし立ててみせる。驚いたことに自分自身・・・まだまだ相当の余裕はあるようだ。
「まったく。お前さんは無茶するよな〜〜?」
金髪の男性が苦笑混じり車からおりてリナの傍にやってくる。
「悪いけど・・まだまだ無茶するわよ。こいつらを尋問しなくちゃならないしね。アメリア姫を誘拐するだけが目的じゃない・・。何となくだけどわかるのよね!あたしには!」

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18156お久しぶりです〜!P.I 2007/6/24 00:44:15
記事番号18155へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
スレイヤーズ24、久々の更新♪・・・う〜ん、だんだん話が込み入ってきましたね〜(笑)
天才少女ハッカー・キャナルちゃんが某クロエや某エドガーより活躍している(爆笑)一方で、ガウさんによる控えめかつ地味〜なリナちんのサポートぶりが素敵です(^^;)
果たしてアメリア誘拐の陰には誰のどんな陰謀が隠されているのでしょうか!?
残り17時間(!)頑張って続けてください!

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18157ありがとうございました〜〜♪CANARU 2007/6/24 12:42:00
記事番号18156へのコメント

すっかり更新遅くなってしまいました(汗)
キャナル・・気がついたら一番陰でコソコソと活躍しています(苦笑)
そしてガウリイ・・果たして今度こそもっと目立った活躍が出来るのか・・っと書いている私自身不透明な状態だったりします〜。
次回もできるだけ早く書けるように頑張りますね!
ありがとうございました〜。

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18158待ってました!!続きを催促した者です 2007/6/24 13:49:26
記事番号18155へのコメント

やった〜!続きだ、続きだ☆
早速読みました、レイルとゼロスの繋がりが気になります。
豪華メンバーの中で、目立つにはそれぞれの個性が必要とされてきますので、話を作るのは大変でしょうね。
地味な活躍をしたガウリイ、きっと、リナにプロとして信用はされている筈(アメリアという保護対象がいたから)。信頼はされてないかも、ですが★
頑張れガウリイ!負けるなガウリイ!明るい未来が待っている筈だ(笑)

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18163ありがとうございました〜♪CANARU 2007/6/25 11:59:53
記事番号18158へのコメント

早速の感想、ありがとうございます!!
レイル&生ゴミ・・髪型が共通ということで何時の間にか
なにやらつながりがある・・というかたちになってしまいました(苦笑)
そしてどんどん(リナををはじめ)性格もゆがんでいってしまっているような・・(笑)?
そして地味なガウリイ君・・・。
近いうちに今度こそ大々的に活躍させてあげたいです(苦笑)
ありがとうございました〜♪

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1816224 -TWENTY FOUR-8CANARU 2007/6/25 11:57:12
記事番号18155へのコメント

PM14:00〜PM15:00
『何無線機切りやがったんだよ、一体全体状況はどうなって居るんだあ?』
「そういわれてみりゃ・・無線機切れてるな。圏外かな?さして意識してなかったが」
アメリア姫救出の報告をすべくガウリイは携帯電話を取り出して短縮ダイヤルで無意識のうちにルークの番号を押し、つながったと思ったとたんにこの罵声だ。
『馬鹿言ってるんじゃない。衛星無線に圏外が有ってたまるか!!!』
今度は話をそばで聞いていたのだろう。(多分この会話はスピーカーで拡大されて周囲のものにも聞き取ることが可能な状態になっているのだろう)ゼルの落ち着き払った口調が今度はガウリイの耳に届いてきた。
『ついでに言えば。本部のほうにもまったく連絡がつかね〜状態だ。ったく。回線でもパンクしやがったんだな?恐らく他でも厄介事でも起こったのかな。携帯の回線もぜんぜんつながりやしねえ・・。キャッチにも切り替えられない状態らしいんだが。で、そっちはどうなった?』
「どうもこうも。アメリア姫は無事に救出したぞ?」
クイクイっと手招きするガウリイに軽くうなずいて。差し出された携帯を受け取り。
「ゼルガディスさんにルークさんですか?リナさんと。此方のガウリイさんでしたっけ?
彼のおかげで私は無事に救出されました。・・・まずは。そのことを父さんと・・侍女頭に伝えてください。金髪の背の高い一番立派な身なりをした人がそうです」
そういえば。アメリアからの伝言であろうがリナとガウリイに追跡の為に車を用立ててくれたのもその侍女頭の名前であった。多分 アメリア自身も最も信頼している人物なのだろう。そんな認識を抱きつつ再びアメリアから返された携帯電話をガウリイは受け取る。『状況はわかった。回線がパンクしているので本部への連絡は後回しになっちまうが。今、フィリオネル国王と侍女頭にアメリア救出成功をルークが連絡に行った。で・・さっきから声すら聞こえないが。オマエの一番肝心のリナはどうしている?』
恐らく皮肉のつもりなのだろう。ゼルの質問にガウリイはわずかに眉根を寄せつつ。
「どうもこうも。ぶっ倒れている連中にアメリア姫誘拐の目的を尋問するって言って近づいていったが。一人の顔を見たとたん。凍り付いたように動きもしない・・」
『尋問。・・・リナが・・か?ま、やりすぎるなとだけ伝えておけ。俺は俺でまだせにゃならんことが多々あることだしな・・・』
「わかった・・・。とりあえず・・今オマエさんたちZPUが以前から目をつけてたっていう工業地帯に居る。アメリア姫を迎えに着てくれ」
リナの何時に無い凍りついたような表情を電話越しでは当然察知することが出来なかったためだろう。有る意味「過激派」さながらのリナの尋問方法を知っているゼルガディスとしては当然といえる心配のみをしてさっさと電話を切ってしまう始末。
「おい、リナ・・やりすぎるなってゼルが・・・って!!!」
ガウリイが彼女に向かって声をかけようとしたその刹那・・・。
ずだああああああああああああああんん!!!!
倒れ付しているその人物・・恐らくアメリア姫誘拐犯のリーダー格といっても言いであろう恰幅のよい一人の男に向かってリナは無言で銃弾を放った!!
「リナさん!!!!!」
辛うじて。本当に数センチの部分で銃弾は床に食い込み、男は無傷であることは簡単に認識できたのだが。
数時間前。一度だけ目撃した悪名名高い「リナ」の尋問風景を目撃したガウリイでさえ彼女に何らかの異変が生じていることは用意に理解できた。
明らかに呼吸が荒く、その表情は完全に冷静さを失った人物のソレであった。
「リナ・・・・・」
すでに彼女にガウリイの声は届いている様子は無かった。
「今度は一体全体何をたくらんでいるっていうのよ!!グラウシェーラ!!」
どぎゃあああああああああああん!
尚もリナのはなった銃弾はグラウシェーラ・・今回の一軒でZPUがあらかじめマークをしていたという人物のすれすれをかすめて床に食い込んでいく。
「知っています。グラウシェーラ。五年前のアルフレッドの件にも関与していたとの話をそれとなく耳に挟んでいた人物です。けど・・・」
まさか、そんな大物が自らの手で・・国王であるフィリオネルや第一王女のグレイシア、更に言えば傍系王族とはいえ五年前の因縁のアルフレッドを狙うならば話しは通用するが。第二王女で更に言えばいまだ正式に社交界にデビューしていない自分を誘拐するなどまずもっと考えられないことであった。
「何故アメリア姫の誘拐に荷担した!?目的は!!?」
さしもの「札付き」の人物も今のリナの剣幕にはさすがに恐れを成した様子であった。
「知らない・・俺はただ!アメリア姫を誘拐することによって・・弟の敵であるオマエに復讐を果たせる・・・そう聞かされただけだ!それで・・危険を顧みずにこの国に再び入国し・・・」
「弟の復讐・・・??」
不可解なことを言うグラウシェーラの一言に更に眉間のしわを深めつついうガウリイに。
「異端の過激派軍人。かなり陰険な性格だったと聞いています、『ヘル・マスター』の異名を持つフィブリゾですです。5年前。アルフレッドの誘拐事件のドサクサにまぎれて・・自身の権力を掌握しようと軍を出動させようとしたところ。今朝暗殺されたカンズェルの一味によって全軍を完全に殲滅されたと聞き及んでいるのですが・・」
「カンズェルね・・。確か、それにリナの従兄弟、ケインも一員として加わって居たんだよな?・・・でもって、その腹いせにケインの従兄弟であり、それも女であるリナに対して復讐して。その意趣返しをケインのヤツに加えようとした。そんなところか?」
ほとほとあきれ果てたヤツだ。頭を抱えたい気分でいまだにリナと対峙するグラウシェーラにガウリイ自身も近づいていこうとしたその時だった。
「はははははは・・・ははははははははは・・!」
「何がおかしい!?」
先ほどの彼の言葉を聞いていたのだろう。突如として大声で笑い声を上げるグラウシェーラにさしものガウリイも明らかに不快を隠さない表情を向けつつ凄みを利かせる。
「貴様・・何もしらないというのか?ついでに言わせてもらえば。今朝方のアルフレッドをはじめとするカンズェル一味の暗殺事件に関しては・・確かに気分は良いが・・俺の知ったことではない!だがな・・・」
「だが?ナンだっていうんだ!!?」
尚も苛立ちを募らせたガウリイにグラウシェーラは向き合い、そして・・・・・。
「俺の弟。『ヘル・マスター』の部隊を壊滅させたのはカンズェルやケイン・ブルーリバー立ちなのではない!そこに居る小娘・・リナ・インバースの単身の仕業だ!!」
やれやれ。隔離塔の警備がここまでつまらないものだったとは。
ふうっと溜息をつきつつ、レイツは改めて辺りを見まわした。
この程度の施設の警備であらば、何もS・Gが出動せずとも・・一般の警察の管轄としてもよさそうな感じはするのだが。
「この塔にのみ、何かがあるって所かな?」
相変わらずこの塔の管理を押し付けられた様子のフィリアの機嫌は悪そうだ。
「だから!!!私の意見としましては・・・。まさか最長老様まであの『生ゴミ』と同じ意見を言われるとはおもいませんでしたわよ!!」
生ゴミ・・・ねぇ・・・。何時は聞いてもコレばかりは本当に的確な表現だと思う。
最長老派有力者の娘であるフィリアがあまり目立った存在ではないが穏健派(あるいは陰で何かを工作しているかもしれない)ミルガズィアと同じ考えだったとは。
これは。今後としては何らかの役に立つかもしれないな。そんな考えをレイルがめぐらせたその刹那・・・・・・・・・・・ぴるるるる・・ぴるるるるる・・。
突如として鳴り響く携帯電話の音。よくよく目を凝らせば(様々な便宜上)名前を登録しては居ないが、嫌というほど脳裏に焼きついている電話番号が表示されている。
「はい?もしもし。ダイレクトと宗教の勧誘はお断りですが?」
『バカぬかしてるんじゃね〜よ!おい・・・キャナルのことについてだが・・』
そう。キャナルのとこについて・・・・。それを聞きだすフリをしつつ、何とかナイトメア達の監視網をかいくぐって外にである。・・・最もコンタクトを取りたくない人物であったレイルに態々連絡を入れたのはそのためだ。第一、(既に解決したことだが、やはりそこは妹)彼女の誘拐の詳細が気になることも事実だが、そんな事はあとでリナから情況をたっぷりと聞き出すことも可能だ。其の方がレイル以上に詳しいことも分かるだろうし。
苛立った思いで惚けた返答を返すレイルの声に向かって怒鳴りかえるのだったが。
「ああ。今朝方の事件のお嬢さんのお兄様・・確か。ケインさんでしたっけ?穏やかじゃないですね。詳細はいずれおって報告いたしますよ。此方も他にも任務があるものですからね。詳しいことは秘書官殿を通してナイトメア氏に伝えてあります。じゃ・・それでは・・」
『ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!許せない〜〜!あの生ゴミ〜〜!ついにゴールド・ドラゴンにまで触手を伸ばすなんてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜』
ナンともいえないお役所仕事の口調で電話を切ってしまうレイル。
「畜生。あいつの意図は知らないが。あくまで此方のことをしらばっくれるつもりか?」
がちゃんっと不愉快そうに携帯を机の上に放り投げつつ言うケインに。
「普段はあんた達、態度逆なのにね。ところで今のノイズ、フィリアじゃなかった?」
「あん・・・???」
未だに多少ムっときたような視線で携帯を睨みつけつつ曖昧に答えるケインに。
「なんか最後のほう、レイルの声にかぶってぎいいいい!だとか、生ゴミだとか絶叫しているフィリアの声が聞こえたような気がしたけど?」
「・・ってことは。ヤツはゴールド・ドラゴンに居るって事か?」
「あんな絶叫や『生ゴミ』なんて用語をそうやすやすと思いつくような人物は。しいて言えばリナとフィリアくらいなものだと思うけど?」
ミリィのいうとおりだった。最も、リナの本気の暴言に関して言えばフィリアの「生ゴミ」なんていう可愛らしい用語では済まされないだろうけれども。
ふとPCから目を上げてケインとミリィ達の様子を見遣ってみれば何やら妙に遠い目をしている様子が此処からでも一目瞭然だった。
「キャナルちゃん。お腹すいてませんか?」
作戦行動とは無縁の事務作業や職員への雑務をこなしているシルフィールが不意に声をかけてくる。そういえば。自分自身もゴタゴタに巻き込まれていてロクに食事すらしてない。
「はい。じゃ、何か頂きます。で、ところでシルフィールさん。ケインたち、なんだかあたしの名前を出して話をしているみたいなんですけど急に遠い目をしたり。ナンなんでしょうかね〜〜??」
先程(彼女の近くにある)コーヒーをカップに注ぐフリをして此方に話しかけてくれたケインとミリィだが。何度もそんな動作ばかりして座席を立つわけにもいかないだろうし。
「チーフと秘書官の話によりますと。キャナルちゃん・・ケインさんも貴方が心配だったんでしょうね?誘拐事件の捜査を担当した・・確かレイル・フレイマーさんというS・Gの方に使用電話をしていたと多少怒っておいででしたわ。で、そのケインさんとミリィさんは電話の窓口からフィリアさんの大声が聞こえたとかどうとか・・」
見かけによらずこのシルフィール。職員の妙な行動や無駄話を収集するという変な趣味があるのをキャナルはあらかじめ知ってはいたが。
「ふ〜ん・・」
大方レイルには他人のフリでもされたんだろう。ケインのムっとした顔を見ればそれくらいの予想はつく。だが・・市警程度の機関に任せておけばいいものの。
ゴールド・ドラゴンにS・G、それもレイルクラスの人材が派遣されたとなれば。
「一寸、調べてみる必要はありそうね〜〜〜」
さてさて。さしあたり。「ゴールド・ドラゴン」のメインシステムに侵入してみるべきかしらね?もしも、今回の衛星を使った敵のターゲットがソレだとしたらば・・・・?
「調べるって。何をですの・・?」
小首を傾げながら不審そうな表情を浮かべつつ問いかけてくるシルフィールに。
「あはははは!!芸能スキャンダルに、政界スキャンダル・・!ついでに財閥のゴシップと〜〜・・そうそう。個人的に趣味のことも様々に一寸〜〜〜!!!」
ぱたぱたっと手を振りつつ、適当な台詞を言って誤魔化そうとするキャナルに。
「きゃ!それは面白そうですわね〜〜。何か楽しい情報がありましたら、私にも教えてくださいね!!」
キラキラっと目を輝かせてとんでもない一言を放つシルフィール!
「あはははは。そ・・そりゃ・・勿論〜〜♪」
ルンルンルンっと上機嫌に去っていく彼女の綺麗な長い黒い髪を眺めつつ。
「変な趣味・・・綺麗な人なのになあ・・・」
と、決して他人のことは言えた義理じゃないくせにそう呟かずにはいられないのであった。
「フィブリゾの一団を壊滅させたのがリナだと・・・!?そんなバカな。連中は・・」
「事実よ。連中を壊滅させた後。アタシは不覚にも雑魚の攻撃で負傷して意識を失った。
けれども。元帥の判断によって功績はカンズェルやケイン達の舞台の活躍ということになったのよ。ま、アタシ自身。そんな功績はどうでも良かったからそれはそれでよかったんだけど。ケインには色々な意味で悪いことをしたと思ってはいる」
単純バカの野心家であったカンズェルは何も考えずに大喜びでその功績を譲り受けた。
世間の賞賛や英雄への賛辞は彼やそして末端ながらその一員に加わっていたというケインたちに惜しみなく注がれはしたのだが。
『俺自身は負傷して何もできなかった。リナが連中を壊滅させなかったら。・・俺は元よりもセイルーンすらどうなっていたかは分からない。だから・・せめて出来ることといえば』
「『英雄』の称号を受け取るということは。すなわち後々の『残党』のターゲットになることを意味している。奢り高ぶっていたカンズェル一味は軍内部で近々廃絶する計画が立てられていたらしいからこの際何もいうつもりは無いけれど。アルフィレッド大公とケインの襲撃に関しては。責任の一端はアタシにある・・・!!!」
「リナ・・・・・・・・・・・・」
尚もグラウシェーラに向かって銃口をリナが向けよとしたその刹那・・・・・。
ずだあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!
けたたましい、明らかにリナの放ったものではない轟音が倉庫内部に響き渡った!
「おい、ルーク。こりゃ、ヤバいんじゃねぇか?」
やっとのことで大まかな位置を示されていた倉庫にヘリコプターで辿り着いたゼルガディスとルークは思いもよらない爆音に思わず顔を見合わせた。
「ああ。恐らくアメリア姫を誘拐しやがった連中は。5年前・・あの一軒を知っている一部の連中に『テルミドール(灼熱月)の聖女』なんぞというクソたわけた異名を貰ったリナなら・・ガウリイも居ることだ。簡単に片付けられただろうからな。新手と考えていいだろう?せいぜいリナには『ドラまた』がお似合いだっていうのに!」
「何はともあれ。いくらあの二人でも。疲弊を考えれば急ぐに越したことはね〜な」
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・ずばああああああん!
まさしく事態は交戦中だった。片手でアメリアを庇うように、そしてもう片方の手で迫りくる新手の車から発せられる攻撃をかわしつつリナは必死で応戦している。
「どうやら。こいつら。グラウシェーラたちを援護に来たってわけじゃなさそうね?この勢い。完全に『証拠隠滅』の領域に達しているわよ!?」
とりあえず大切な証言者であるこの連中もガードしなければならないにはあまりに負担が多すぎる。さてさて・・どうしたモンかしらね?
ばららららら・・・!!!!!!!!ずだあああああああああああん!
『無事か?リナ、ガウリイ!!!』
上空からのヘリによる攻撃に恐れをなしてかアッサリと引いていく襲撃者達。
「ルーク!ゼル!・・グラウシェーラたち一味と、アメリア姫をZPUに護送して!!!」
絶叫交じりで通信機に向かって大声を上げ、リナは無事にヘリが着陸することを見届ける。
「で、お前達はどうするんだ。それに、グラウシェーラだと・・・?」
「アタシとガウリイは連中を追いかけるわ。まだ何か裏があることは確実よ。それに、グラウシェーラは『テルミドール』の一軒をあたしの仕業だと知っていた小物の一人にしか過ぎないわ」
ルーク、ゼルガディス。そして改めてアメリアの驚愕した表情を横目で見遣りつつ、既にガウリイが運転席に陣取ってしまったためリナは軽く舌打ちしながら再びセイルーン宮殿で侍女頭が用意してくれた車の助手席に大人しく座った。
「じゃ、とりあえずアメリア。ここからヘリなら5分もかからない。ZPUに急ごうか?」
「そうですね。ゼルガディスさん。けど・・私も驚きました。5年前のあの出来事。
リナさんが単独で・・・・」
ここまで言ってアメリアは言葉を切り、そしてゼルガディスとルークに従って大人しくヘリコプターに乗り込んだ。
上空から見渡せば赤い、派手な四輪駆動車をリナの乗った車が追いかけているのが確認できた。このまま無事に敵のアジトへ辿り着ければいいのだけれども。
「俺たちも失敗したことには変わりは無いが。『お上』もアンタが誘拐されたことに関する一軒を捜査しつつも未だに隠蔽に躍起になっているはずだ」
不意に物思いにふけっていたアメリアにルークが声をかけてくる。
「隠蔽?あの。ナイトメア・ガブリエフ氏がですか?」
噂によれば。かの人物はリナ達の政敵である。
「ああ。しかも『お上』とはまったく連絡が取れない情況が続いていて。お前を救出したことをまだ本部に伝えては居ないのが現状だ」
「ふ〜ん・・ゼルガディスさんも大変なんですね・・・・」
このままではリナ達の行動も制限されてしまう可能性がある。
「おい、リナ。辛かったら窓開けてもいいんだぞ?」
相変わらず青白い顔で俯きながら助手席に座るリナにガウリイは声をかける。
「バカ!防弾ガラスよ?」
何とか言葉を発しつつ言うリナにガウリイは軽く苦笑のみを返して。
「其の分!お前さんに負担にならない運転保ちつつも!!!かわして見せるさ!!!」
「・・・そりゃ・・頼もしいわね・・・・」
「アメリア姫!ご無事でしたか!!」
何時もの冷静な様子は崩さず。しかし、何処かに驚愕したものを内包して入るのだろう。
ZPU本部に現れたアメリアにナイトメアは恭しく問いかけた。
「このたびの失敗。現場レベルでは阻止は不可能なものでした。私、アメリアが断言いたします。しかし・・その後のZPUの本部・・特に幹部クラスの対応は以後の危機管理において信用の出来るものではありません。ナイトメア・ガブリエフ殿。只今より。ZPU本部の指揮権の一部をこのアメリア・ウィル・テスラ・セイルーンが握ります!!!人員配置の採択は私を通して実行してください。以上!よろしいですね?」
テレビ映像から見る彼女からは想像のつかない・・何時に無いアメリアの剣幕に、さしものナイトメアも今回ばかりは口をつぐんでいる。だが。唯では済まないだろう。
「では、アメリア様。現状を報告いたします。原因は只今特定中ですが。衛星のシャットダウンが起こりほぼ90%の回線が使用不能という事態です。さらに・・・」
「リナ・インバースさんと連絡がつかないということでしたら。彼女が私を救出してくれた上現在はセイルーンの宮廷の警護に私たっての依頼で回っています」
何かを探り当てよとすら伺える秘書官・・・カーリーの言葉にぴしゃりとアメリアは言ってのけた。恐らく本当のリナ達の行動を告げたところで彼らは(アメリアが救出された今となっては)その動きを全力で阻止するであろうという直感が働いたゆえだが。
何が起こっているのかはわからないが。衛星のシャットダウン。更に言えばグラウシェーラよりも更に上の人物・・・そして・・今起こっている事態。
見れば、もどかしそうに此方を見遣っている目の色こそは違っているが何処かリナと似た面差しをした人物がアメリアの視線に入る。
「貴方がケイン・ブルーリバーさんですね?リナさんの従兄弟の」
「あ・・ああ・・そうだけど・・・何か?」
「今回のお礼に私、リナさんに車をプレゼントしようと思って。彼女のお誕生日は10月04日でしたよね?そんなプレートはお好みか。一寸セイルーンに聞き行ってくれませんか?」

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1816424 -TWENTY FOUR-9CANARU 2007/6/28 00:20:01
記事番号18162へのコメント

PM15:00〜PM16:00
「で。一体どう言うことなんだ?」
「何が・・・よ?」
それなりに振動を押さえつつ運転をしているつもりなのだがやはりリナには助手席に座っている上に大掛かりな「追跡用」の運転をしているということはかなり応える様子だった。「苦しいのか?今度から車酔いの薬。常備しとかないとな・・」
「誰がアンタと今後も正式にコンビ組むって言った?あくまで今は一時休戦よ。それに、こんな傷、治ったとたんにアンタを運転席から蹴り出してやるわ!第一・・この車酔いだって。調子に乗ってブランデー1瓶あのバカ・・ぢゃなくって。グレイシア王女に付き合って空けたときの苦しみに比べたら・・」
セイルーンの第一王女にしてアメリア姫の姉。グレイシアが「底無し」といううわさは以前から聞き及んではいたが。その時の体験を思い出したためだろう。
よりいっそう頭を抱え込んで苦しげに開け放った窓から出来るだけ新鮮な空気を吸い込もうとしているリナ・・・かなり痛ましいものがあるかもしれない。
ましてや。そんなリナを見ていれば。ガウリイから離れた直後。再び彼女を発見するまで・・・諸事情によってだが・・生じてしまった時間のブランクを考えても。
到底彼女が最も暴動が激しかった市街地の戦闘を単独で制圧したとは信じられなかった。「何があったって言うんだ?あの時・・・」
再び話しの焦点を其方に持っていきかけたガウリイに。
「あんたの知ったことじゃないわよ。この裏切り者・・・・」
幾分口調は今朝方再開したときよりも和らいだものの、まだまだ言葉遣いに辛らつさは健在のようだ。もっとも。この段階で尚も彼から顔をそむけるリナの理由はただ単に派閥争いやナイトメア派に属するガウリイに対する不信感・・・それだけのものでは無かったのだが。ガウリイがそのことに気がつくはずも無く。
「連中、角を回ったわ。急いで!!!見失ってもこのルートからすれば。ここからも見えるでしょう?あの『塔』近辺を目指していることは間違い無いわ!!!」
「分かった!けどよ、リナ。何も見失ったときの話しなんかしなくても。衛星を使って連中をロック・オンすれば何処へいってもわかるんじゃないのか?」
「それが出来りゃ苦労しないわよ。理由はわからない・・・。けど・・衛星を使用した端末のツールが徐々に使用不可能な状態に陥ってきているのよ!!!」
「真坂・・それって、連中の仕業か?」
アクセルを踏み込みつつ。クイと前方を走る敵の車を示しつつ言うガウリイに。
「120%ありえないわ!!仮に連中が何らかの衛星回線をシャットダウンさせる程度の攻撃を仕掛けたとしても。その位だったら今、本部にはキャナルが居る。あの子が30分もあれば簡単に機能を回復してくれるはずよ!!!」
この台詞を言うに至ってリナの頭の中にひとつの仮説・可能性が生じてくる。
もしかして。この衛星回線のシャットダウンを背に腹はかえられない状況下でキャナル自身が操作していたとしたならば・・・???
そうなれば。敵の攻撃はキャナルすら(衛星回線をシャットダウンさせる以外)打つ手の無い・・・大掛かりなものと成るだろう。
「結局、地道、かつアナログに行くしかなさそうね。そうなっちゃ!!」
はあっと溜息をつきつつ赤い、ド派手な戦闘用のジープを追いつつリナは言った。
真坂とは思うが・・このまま直接あの「塔」・・フィリアが在籍している「ゴールド・ドラゴン」に彼らが攻撃を仕掛けるとも限らない。
「リナさんにプレゼントするとなると。耐久性があってそこそこ頑丈で。そうですね・・セイルーンの公用車クラスのものがいいかもしれないですね。間違っても。真っ赤な戦闘用のジープなんて!正義の味方には似合いません!!」
ピシと指を立てつつ言うアメリアに・・彼女の言わんとしていることの大方の意味は掴めたケインは大きくうなずいた。
「わかりました。セイルーンの宮殿に行って。リナの好みを聞いて来たいと思います」
「お願いします。あ。そうそいう・・。私はリナさんのメールアドレスと携帯番号をうかがったんですが。私のアドレスと番号をリナさんに渡すの忘れちゃって。この名刺もケインさん、ついでに彼女に渡してくれませんか?」
「ああ・・構いませんが。お許しを頂ければ相棒のミリィをつれていってもいいですか?」
渡された名刺を手渡せば・・『リナさんは私が救出されたところより『塔』の方面に向かって敵を追跡中』と書き殴りされた文字が目にとまる。
「アメリア姫様!」
これまでケインとアメリアの遣り取りをただ黙って見つめていたカーリーがついに非難の声をあげるに至るのだが。
「妹さんの一軒で彼も動揺している筈です。今この時くらいは外の空気を吸わせて来てあげてください。私自身、まだリナさんの感謝のお気持ちも伝えていないこともあります」
ぴしゃりと意見を許さない構えを見せつつケインにミリィの同行を許すサインを与えるアメリア。
「けど・・・・」
自体が飲み込めていないのだろう。困ったようにケイン、アメリアの交互を見つめるミリィだったが。
「行って下さい。キャナルさんとアメリア姫のお世話は私がしますから」
静かに言われるミリーナの言葉にうなずき、既に席を立っていたケインの後に続いてミリィも大急ぎで出立の支度をするのだった。
「では。秘書官。私の救出についてですが。此方のゼルガディスさん、そしてルークさんにミリーナさん・・ついでにキャナルさんも同じ救出された身として同席していただきたいので。ソレ以外のお人払いを願いたいんですが?」
「ええ・・まあ、構いませんわ。シルフィール。姫様にお茶をお願い」
「ええ・・・わかりましたわ・・・」
恐らく一応中道・かつ実務部隊に属さないシルフィールに雑用を言いつけて後ほど会話の内容を聞き出そうという魂胆だろうけれども・・・・。
「お久しぶりです!シルフィールさん!!私のねーさんが今度一緒にお酒のみましょうっていっていましたよ!!♪」
「・・・・・・・・はそ・・それだけはぁぁぁぁぁぁ・・アメリアさ〜〜ん(涙)」
とりあえず。これで彼女も現段階ではこっちの仲間に入ったも同然である。
そう確信をし、アメリアははっきりとこれまで疑問に思っていた事柄を切り出したのだった。まさしく・・ガウリイがリナに聞こうとしていた事と同じ事を・・・・。
「5年前の暴動の折。リナさんがいわゆる『テルミドール街の激戦』で。単独、ヘルマスターの軍勢を制圧したというのは本当ですか?」
「事実だ」
素っ気無く事実を知っているルークは応えた。
「では。リナさんは『灼熱月(テルミドール)街』で暴動が起こる。その事実を知っていて単身立ち向かっていったというわけですか?」
暴動が起こった当初。まるで「死角」であったあの通りを反逆者たちに制圧されてしまっていたら・・・?多感な10代のころに感じたものとはいえ・・あの恐怖は今でもアメリアの心に根強く焼き付いている。・・ソレ故にこれまで暴虐を働いたがテルミドールの英雄として知られているカンズェル達を排除出来なかったという心理的な屈折もある。
「いや・・・。まったくの偶然だ。それも、良く言えば『LUCKY』悪く言えば。完璧にヤケっぱちな行動からだ。まったく。あいつの考えることはおまえの行動以上に良くわからんぞ?アメリア・・・」
はぁっと溜息を付きつつ頭をかきむしりゼルガディスは応える。
「軍人は常に、冷静沈着に行動せよ。それに違反したリナさんは・・その理由といい。明らかに元帥一家の確認反した事になりますから。それが、どんなに結果オーライな事であっても。ソレが故にインバース元帥は事実の隠蔽を決意成されたのでしょう。リナさんの身を守る・・・という事も有ったかもしれませんが・・・」
「あのぉ〜〜〜話しの本筋が見えてこないんですけれども?」
もっとシリアスな一同の反応を想像していたというのに。
何処か諦めにも似た苦笑、溜息・・ついでに言えばバツが悪そうな反応をするZPUの面々の反応に困り果てたようにアメリアは挙手しつつ発言をするのだが・・・。
「まあ、平たく言ってしまえば。私のせい・・ですわ・・」
不意にお盆に人数分のお茶を載せつ。何時の間にか復活したシルフィールが口を挟む。
「シルフィールさんのせい???どう言うことなんですか?」
全員にお茶を無張り終え、改めて質問してくるアメリアに向かってシルフィールは。
「はい。あの日。議事堂に取り残された私達・・『ラーダ』一門は聖職、あるいは議会権威は持てども武力を有してはいない中立勢力です。それを目に付けたのでしょう。反逆者たちが私達一族を完全包囲し降伏を迫るという局面が生じました。誰からの命令かまでは知りませんが・・・その時です。ガウリイ様に私達一門の救出を最重要任務とするように・・・そのような命令が下されたのです」
「・・・で、ガウリイさんは・・・?」
「無論。向かいました。そして・・リナさんとて軍人の血を引く家の娘です。例え今は自身のボディ・ガードとして雇われていたとしても。最終的にガウリイ様の国家の任務を拝命しなければ成らないことを。だからでしょう・・。ケインさんを探す・・そんな名目であえてガウリイ様から離れ・・・議会を通り越して激戦区となった『テルミドール』に向かったのは。そこに潜伏していた敵を完全に制圧してしまったのは。考えなくてもわかります。リナさんのムシャクシャした気持ちの矛先が其方に向いただけなのでしょう。幼いころから彼女はお父様から特殊部隊も顔負けの訓練を受けていたと聞き及んでいます。けれども考えてみてください。冷静沈着と国家利益を何よりも第一とする軍人の家の娘が。単なる個人の一感情。『ヤツ当たり』とすらいっても過言ではない心理状況のうちに敵を征圧したとなると・・・??」
「外聞は良くないどころか。ヘタすりゃ精神鑑定モンだろうな・・」
チっと舌打ちしながらシルフィールの問いかけにルークが続けた。
「けど・・リナさんは。明らかにガブリエフ一門に対する不信感を持っているはずですが?」
嫌いではないが。予想とはかけ離れたリナの意外な過去を聞かされて困惑しつつ言うアメリアに。
「リナのガブリエフ一門に対する憎悪はその後・・多くの過程を経て蓄積されたものだろう。ガウリイに関して言えば本心では有るまいな・・・。ナイトメアに対しては嫌悪を抱いているのは事実だとしても、だ」
「ついでにいえば。私がガウリイ様に好意を抱いている・・というあくまで『過去の』事実が余計リナさんを追いこんでしまったのでしょうね・・・」
ゼルガディスの言葉に被せる様に溜息混じりに呟くシルフィール。
「・・・もしかて・・・過去の『テルミドール制圧』の事例に関して言えば単なる『フテ腐れ』・・今のガウリイさんへの態度は・・単なる『焼餅』からくるもの・・なんですかあ・・・・!リナさんって!!!!」
アメリアの絶叫に徐に一同がうなずいたのは・・・言うまでも無い。
「だああああああああああああああああ!!!なら!なんで言ってあげないんですかぁぁぁぁぁ!!!特にシルフィールさん!あくまでガウリイさんに対する気持ちは『過去』なんだってえええええええええ!!」
頭を抱えて絶叫するアメリアに。
「あら。照れ屋のリナさんはそんなこといった途端。テルミドールも顔負けの惨劇を引き起こしかねませんわ。それに。確かに私、過去ガウリイ様に憧れてましたが・・・。めちゃくちゃかわいいんですもの〜〜〜〜♪意地張っちゃっているリナさんを見ているのって♪もう・・スクラップにして永久保存しちゃいたいくらい・・愛らしいんです♪あ、私念のために言っておきますが。そ〜ゆ〜趣味はありませんわよ?けど・・やっぱり意地っ張りなリナさんって・・♪普段とのギャップが・・あ、コーヒー入れなおしますわね♪」
るんるんるんってとスキップしながらとんでもない言葉を残して去っていくシルフィールの背中に向かい。
「やっぱり。あのおね〜さん・・変な趣味・・・きれいな人なのに・・・」
ぼしりとキャナルは呟いた。
「まあ、さしものオマエでも・・。アレに比べれば・・そ〜言う権利はありだわな・・」
はあっと、此方は疲れ果てたようにルークが応えるのだった。
「でも、やっぱりリナさんには・・・ゼルガディスさん、どうなんですか?」
「言うべき事柄なら言うだろう。ガウリイのヤツが自分の口からハッキリとな。リナにしてもガウリイにしてもまったく世話が焼けるといったらありゃしない!!!」
・・・・一番の問題はシルフィールさんの変な趣味だと思うけれども・・・・。
事情はどう有れ。指揮権の一部をアメリア姫が掌握したことによって事態の調査がやりやすくなったことは事実だ・・と目敏く状況を見極めたキャナルはと言えば。
「まあまあ、アメリア姫。今は指揮権の掌握と同時に。リナ姉ぇ達と。それを追っかけたケインの行方を追跡することが肝心ですよね?」
ぱたぱたっと、気軽な態度を崩さず・・・話を真剣な方向に戻す部外者の振りをしながら言うキャナルに。
「ええ、ま、そうですけど。いまだに衛生は使用不可能な状態ですか?ゼルガディスさん」「・・・ああ・・・・まあ、な」
苦々しげに言うゼル。嗚呼・そう言えば。彼にはまだ事情を説明してはいなかったな。
今更のように気がついたキャナルだが。ま、リナ姉ぇたちとケイン達の行動が「成功」という形で終了してから経過報告というだけでも遅くは無いだろう。
「大丈夫です〜〜〜。他国・・そうですね。現在セイルーンとはまるっきり時差のあるアジアのどこぞの・・マキャヴェリズムも権謀術数の駆け引きも下手糞な平和ボケしたどぞこの島国のお天気衛星・・って、これもここん所打ち上げ失敗続出だったっけ?の・・もはや『用済み』になった『サン・フラワー』に特定周波数の追跡プログラムを組み込んで・・。どうせ外交交渉も抗議もドヘタな国ですし。さしたる問題にはならないでしょう♪さてっと・・・!」
「そんなことが出来るんですか!!!?」
「ええ。『ZPU』のシステムに起動されていないアタシのハンディ・パソコンからならば。兎に角、リナ姉ぇと、ケインの携帯電話の周波数をインプット。かなりインスタントですが。二人の追跡装置の完成です♪今までの皆さんの騒動を聞いて。とりあえずプログラミングだけは製作しときました!!」
無論巨大な大嘘であるが、ま、今は言うまい。ついでに言えば。別ウィンドウを使用して敵がZPUの衛星回線を使用して何らかの攻撃を仕掛けようとしている・・・。
その事実を確認した今、「目的」を探索しなければならないという事柄もある。
だが。「確信」に至らない上に「ナイトメア派」が実行作戦の権限だけは相変わらず握っている今、大げさな行動はインバース・ブルーリバー両家の破滅にも繋がりかねない。
出来るだけ証拠は固めるつもりだけれども・・・。
何がナンでもリナ姉ぇとケインには「現場」を押さえてもらう必要がある。か・・。
「すっご〜〜い!キャナルさん♪学校を卒業の折には、ぜひともこのアメリア自らがZPUにスカウトさせていただきますね!!!」
「ケインの承諾さえ出ましたら。その時は喜んで!」
そうこうしている間にもリナの携帯電波の信号に次第にケインの携帯電波信号が追いついてきていることが確認できた。
「で、何を怒ってるんだ?リナ・・・」
敵の車列を追跡する最中。いまどき珍しいセイルーン公用車のサンルーフに今更のように気がついたリナはやおら助手席から立ち上がり・・・。
だああああああああああああああああああああああああああん!!!!
「うっさいわね!!!!!」
これまでの車酔いの腹いせといわんばかりに敵車両に向かって攻撃を繰り返す始末。
「大体な〜〜〜。オマエさん、『手加減』ってものを知らないんじゃないか?」
ジト目でサンルーフから身を乗りだし、尚も攻撃を続けるリナに内心の心配を隠しつつ抗議子声をガウリイはあげてみては見るものの。
「主犯格と思われる人物の車は意図的に外している。このまま連中を追跡して。一気にたたく!その先方は一切変更するつもりは無いわ!」
素っ気無く発せられる彼女の言葉には尚も溜息せずに入られなかった。
「どのみちむちゃくちゃには変わりないじゃね〜〜かよ・・・??」
「黙りなさい。アタシはどっかの誰かみたいに。ま・・彼女にはナンの恨みも無いけど・・「護られている」だけのタイプじゃないのよ!何だって一人で切り抜けられるくらい担ったのよ!あたしは」
言うが早いか更なる攻撃を敵の車両に向かって繰り出していくリナ。
・・・やっぱり・・理由はなんだか分からないが・・・怒ってるんじゃないのか?
「派手にやってるみたいね〜〜・・・。これじゃ。アメリア様から敵の車の特徴とリナの乗った車のナンバーを教えてもらうまでも無く確認できたんじゃないの?」
やれやれっといったように肩をすくめつついうミリィに。
「ま、そうかもしれないな・・・」
だが。リナのは成っている爆撃音の経路は明らかにセイルーン軍事施設の・・しいて言えばS・Gクラスのレイルが警備しているあの「塔」・・「ゴールド・ドラゴン」に繋がっている。
「思い過ごしでいてくれるといいんだがな・・・」
今回の攻撃。そして・・詳細こそは不明だがレイルが警備している「何か」。
点と線で結ばれた火には100%ロクな事に成りはしないだろう。
「リナにしろキャナルにしろ!どうしてこうも俺の一族の女どもはむちゃくちゃばっかりするんだろうなぁ?」
やけくそに成りながらケインはリナ・・そしてガウリイの向かっているであろう方向に追いつくべくアクセルを踏み込んだ。
「そら。リナの場合は単なる焼餅かつやけっぱちだろうけど。キャナルの場合は変な趣味なのよ。アンタのセンスと同じでね♪」
「だああ!うっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「あそこよ。あそこを右に曲がったわ。アメリア姫も言っていたけれども。どうやら、敵のリーダー格はあの赤い車みたいね?明らかに他の連中は撃破しても。リナは的確にあの車を追いかけているわね!」
いまだにエキサイトしているケインに対して冷静に分析をしたミリィの声が車内に響く。
「おかげでこちとら。リナがクラッシュさせた車を回避して通行するのに結構苦労したけれどもな!!」
右を曲がったということは。どうやら連中が「塔」を目指していないことだけはこれで良くわかったが。これが最後・・といわんばかりに前方を行くリナとガウリイが撃滅した赤い車両以外の最後の雑魚を何とか回避したケインは一気にスパートをかけて二人に追いすがる。一刻も早く。新たな攻撃が起こり始めていることを伝えなければならない。
ずだあああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!
「思ったよりも呆気なかったわね?」
あのグラウシェーラですら今回の一軒では小物にしか過ぎなかったことも意外な気持ちがしないでもなかったが。そのグラウシェーラを狙って襲い掛かってきたこの一段。
だが・・・(自分自身、そしてその隣に居るガウリイが並大抵の腕前でないことは自覚してはいたが)敵のこの有様はあまりにも呆気なさ過ぎる・・・・。
本能的に違和感を感じ、ただいま倒した敵の大元であろう連中への尋問の必然性を感じたリナがやおら手を彼ら伸ばし掛けたその時であった。
「リナ・・・!!!」
「どうしたっていうのよ?ガウリイ」
これまで隣室の捜査に当たっていたガウリイの、驚いたような声でリナはある意味で正気を保った自分に思わず苦笑せずにいられなかった。度し難いかもね?我ながら・・・。
「コレを見てくれ。俺じゃ・・チョット理解不能なモンだからな・・・」
隣室に足を踏み入れたと同時にクイとガウリイによって示されたどうやら衛星回線を使用しているらしいコンピューター類に目を留めつつリナは。
「いくらアタシが有能なエージェントだからって。ったく。キャナルが居てくれさえすればナンとか無かったかもしれないけど。完全にシャットダウンされているわよ!!」
ある程度以上はコンピュータの知識を有しているリナであったが、こうなってしまっては完全にお手上げである。そういえば。先ほどから衛星介した手段がZPUと遮断されているという事実も気になる。・・・・普通のカーナヴィなんかは平常に使えるというのに!
「で・・どうするんだ?リナ・・・・・」
暫し考え。恐らくこのシャットダウンが連中が使用する予定の衛星回線をZPUの何物かがあえてシャットダウンしてくれたというのであらば。イチかバチながら話は早い。
「決まっているじゃない。・・・・破壊するのみよ!!!!」
「ナンだって・・・・!!!!??」
驚愕の様相で此方に視線を向けるガウリイに「どきなさい」と身振りだけで命令し。
ずだあああああああああああああああああああん!!!!
ばちばち・・・ばち・・・バチ・・・・。
リナのは成った銃弾がたちまちのうちに敵のコンピューターを完全に破壊するに至る。
「相変わらず無茶なことするよな〜〜・・オマエは!!!」
予想通りの台詞が耳に届くが、そこ声がその台詞を発すると想像した人物・・すなわちガウリイのものでは無かったことに多少ながら驚きを感じ。リナは声が聞こえた方向を思わず振りかえりつつ・・・。
「ケイン!それにミリィ・・・何でこんなところに居るのよ!?」
つかつかと此方に歩み寄ってくる従兄弟とその相棒にリナは何時に無く間の抜けた表情で問い掛けてみるのだった。
「話は後だ。とりあえず。この場所をルーク達に連絡して。オマエがぶっ倒した連中を回収して尋問することが先決だ。そろそろ。キャナルが次ぎの攻撃個所を割り出してアメリア姫の携帯から連絡してくれるだろう」
有無を言わせぬケインの様子にリナも何かが起こっていることを理解するに至る。
「分かったわ。話は車の中で。運転は傷も癒えた事だしアタシがするわ!」

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18167じつは特効薬!?P.I 2007/7/1 02:21:54
記事番号18164へのコメント

CANARUさん、こんばんは!

車酔いに八つ当たり・・・(汗)
ストレス溜まってるときのリナちんにはとりあえずガウさんをあてがっといて、敵も味方も、他の人は近寄らないよーにするのが一番平和的解決法なのですね(笑)意外なところで見つかったガウさんの存在意義(マテ)
でも意地っ張りリナちんをこっそり見ていたい、というシルフィールの気持ちも分からなくはないです(笑)
どっちにしても、まだ当分ガウさんには苦労してもらうことになりそう!?
ではではまた〜!!

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18168いぢっぱり〜〜♪CANARU 2007/7/1 12:42:24
記事番号18167へのコメント

こんんちは!早速のコメントをありがとうございます〜♪
いぢっぱりリナちゃん&観察シルフィール。
しばし、リナちゃんが不機嫌になっている理由を考えていたら
急にこんなギャグな展開になってしまいました(笑・本当はもっとシリアスになるハズだったのですが!!)
シルフィール・・多分携帯写真でお怒りリナちゃんをこっそりスクラップ
していると思います!
そしてガウリイは・・・(笑)
ではでは、ありがとうございました〜〜!

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18169え――――…と。氷紅梦無 2007/7/2 11:56:45
記事番号18164へのコメント



はじめましてこんにちは〜。
氷紅梦無(ひぐれむな)と申します。

スレイヤーズとロストユニバース(アニメ)のメインキャラ総出演とは…。やー、ごった煮ですな☆(誉め言葉)

ただまぁ、最初から気にはなっていたのですが…これ、携帯で打ってますか?
やけに『、』が『。』になってるのと、行をまったく空けていないのが気になって気になって…。
せめて場面転換をするときは1行空けるか記号でも入れるかしないと、誰が台詞を言っているのかわからなくなります。というかなりました。

>真坂とは思うが・・このまま直接あの「塔」・・フィリアが在籍している「ゴールド・ドラゴン」に彼らが攻撃を仕掛けるとも限らない。
>「リナさんにプレゼントするとなると。耐久性があってそこそこ頑丈で。そうですね・・セイルーンの公用車クラスのものがいいかもしれないですね。間違っても。真っ赤な戦闘用のジープなんて!正義の味方には似合いません!!」

実際にここだけ切り取ってみると、アメリア視点での情報でもおかしくないので、本気で混乱しました。
CANARUさんは台詞で区切る方みたいなので、台詞の前で1行空けるとわかりやすいかと。区切りの記号を決めるのもアリですね。

小説は伝えるものですから。
自分の中の物語なら、正しく伝わるほうが嬉しいじゃないですか。
設定も楽しげですし、それぞれのキャラの性格がちゃんとしてるんですから、読みにくいままじゃもったいないです!
応援してますからっ!

では、氷紅梦無でした。
それでは。

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18173ありがとうございました。CANARU 2007/7/4 23:33:46
記事番号18169へのコメント

はじめまして。
そして、感想とご指摘有難うございました。
私自身も書式についてはあまり深く考えていなかったために
反省のきわみです・・・・。
これからも頑張りたいと重い間Sのでよろしくおねがいいたしますね。
貴重なご意見を有難うございました。

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18208・・・・暫し打ち切りやも・・・(涙)CANARU 2007/7/17 01:45:21
記事番号18173へのコメント

すみません・・・。
当面仕事多忙により、精神的にも(強いて言えば)「むぎいいい!!」状態にて〜〜(汗)。
此方の長編を打ち切りせねばならないかも、です〜〜(涙)
気が向いたら(余裕ができたら)また開始したいとは思いますが
当面短編小説をぼちぼち頑張りたいと思います〜。
ではでは・・・とりあえす暫くお休み予告でした(汗)

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18221寂しいです井上アイ 2007/7/21 00:27:05
記事番号18208へのコメント

仕事ですか、忙しいなら、仕方が無いですね。
自分も、今日、家に帰ってすぐかな?疲れの余り、気付いたら寝ていましたし。
起きてすぐ、風呂に入ってきました。
夕飯をどうしようか、考え中。食欲よりも、睡魔に負けそう・・・
頑張って食べ終るまで起きてないと・・・
お互い、仕事、頑張りましょう。

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18223ありがとうございます(涙)CANARU 2007/7/21 00:49:25
記事番号18221へのコメント

優しいコメントをありがとうございました。
仕事・・さしあたって残業は今日でやっと終了いたしました〜!
ゆっくりですが復活に向かって頑張って生きたいと思います!
ありがとうございました。


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18224TWENTY FOUR(番外短編?)CANARU 2007/7/21 01:00:13
記事番号18154へのコメント

さしあたり復活するまでに(一寸だけ考えたネタを)お礼投稿です(汗)


「だあああ!!!クッソ!敵の次の攻撃ポイントがわからねえええ!どうしたらいいんだ!!!」
ケインの絶叫が部屋中に響き渡った。
「尋問したらどうなんですかああああ!!!!??」
これまたパニくったアメリアの声がケインの絶叫にかぶる。
「それじゃ間に合わないわよ!!」
ついでミリィまでもついには金切り声を上げる始末ではあったのだが。

「安心して!こ〜ゆ〜時のための『野生の直感』ガウリイよ!!さあ、ガウリイ。この地図を見て。次に攻撃が仕掛けられるのは何処なの?」

じ〜〜っとガウリイは地図を見て。そして徐に答える。
「こことこことここで・・・はっきんぐによるしょうちょうへたいする・・かいせんへのこうげきがあるぞ?」

「駄目よ!このシステム。暗号文・・流石のアタシにも解読はできないわ!!!」
天才ハッカーの名を欲しいままにする少女、キャナルの鳴き声が建物に響き渡り。
部屋中に悲壮感が満たされたその時であった。

「ZZZZZ///ずずずずずず・・・(ごっつん。)←居眠りしたガウリイが頭をキーボードの変なところにぶつけた音・・・」

「敵の暗号文の解読が完全になされたわ!!奇跡よ〜〜〜〜!!!」
「よくやったわ!ガウリイ〜〜〜!」
声質の良く似たキャナルとリナの声が同時に響き渡る。

「なあ・・ところで・・・『はっきんぐによるしょちょうへたいする』って・・ど〜ゆ〜攻撃のことだ・・・????」

何はともあれ。
ガウリイの野生の直感で今日も一つの事件が解決されたのでした。
・・・おしまい・・・。

出来るだけ早く長編も復帰目指して頑張ります〜〜(笑)

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18239おかえりなさい?井上アイ 2007/7/23 20:45:12
記事番号18224へのコメント

おかえりなさい、でいいのでしょうか?
この話を楽しみにしている身としては、こう言いたくなる気分だったのです。
>「こことこことここで・・・はっきんぐによるしょうちょうへたいする・・かいせんへのこうげきがあるぞ?」
>
>「駄目よ!このシステム。暗号文・・流石のアタシにも解読はできないわ!!!」
ここの文、てっきり、ガウリイの言葉が暗号文に聞えたのか、と思いました。
いえ、自分も、何の暗号?と思ったのです。
ガウリイの野生の勘に頼るシステム(手段)は、受取り側に、莫大な処理能力を必要とされそうです。

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18241野生のカン(汗)CANARU 2007/7/24 08:27:35
記事番号18239へのコメント

早速のコメントを有難うございました〜〜。
復活・・・出来るだけ早くできますように頑張りますね(汗)

最終手段がガウリイの野生の直感というアバウトなシステム(汗)
果たしてコレで大丈夫か!!?と、書いていて私自身も思ってしまいました。
そしてやはり(重要発言はしつつも)事態を理解していないガウリイ・・。

ありがとうございました〜。