◆−24 -TWENTY FOUR-1−CANARU (2007/5/12 20:54:59) No.18088
 ┗24 -TWENTY FOUR-2−CANARU (2007/5/12 22:49:15) No.18089
  ┗ -TWENTY FOUR-3−CANARU (2007/5/13 12:42:15) No.18090
   ┣24時間戦えますか♪−P.I (2007/5/13 16:02:37) No.18091
   ┃┗ありがとうございました〜〜♪−CANARU (2007/5/14 10:19:46) No.18093
   ┗24 -TWENTY FOUR-4−CANARU (2007/5/14 10:17:58) No.18092
    ┣次こそは・・・!−P.I (2007/5/17 23:00:46) No.18095
    ┃┗くっつき虫(笑)−CANARU (2007/5/18 08:38:28) No.18096
    ┗24 -TWENTY FOUR-5−CANARU (2007/5/19 01:54:55) No.18098
     ┗はじめましてです−井上アイ (2007/6/11 01:54:28) No.18131
      ┗ありがとうございました〜☆−CANARU (2007/6/13 11:24:47) No.18132


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1808824 -TWENTY FOUR-1CANARU 2007/5/12 20:54:59


どうも〜。久々連載投稿です。
テレビドラマ「24」風(一応)ガウリナ&ロスユニキャラの小説です。
果たして完結できるだろうか・・・(遠い目)お暇があったら読んでくださると嬉しいです♪



AM7:00〜AM8:00
「転属だって?」
渡されたのは一枚の紙切れ。それも早朝に呼び出されてた挙句に突如の命令ときてものだ。
さしものガウリイも露骨に感情を露にした表情を上司に向ける。
「拒否権は・・・」
「無いことくらいは承知している」
尚も憮然とした表情はそのままに手渡された用紙に目を通し・・・・。
「バカな・・・?」
驚愕し。声も出ないまま彼は視線を窓の外に向けるのであった。その理由は・・・。
「『どちら』の理由にせよ再度言う。拒否権は無い」

得てして低血圧気味のリナは朝ともなれば機嫌が悪かった。
それも。「悪夢」に苛まれた翌日となればそれは当然の事といえるだろう。
現在の時刻、磁場時計の針が正確に午前7時を数分過ぎた時刻を指差していた。
「まだ30分は眠っていられそうなものだけれども・・・」
国家機密組織、『ゼフィール・プロテクト・ユニット』略称ZPUに所属してまだ日も浅い。
まさか寝過ごして所詮国家元帥と従兄弟である凄腕の同僚、ケイン・ブルーリバーのコネかと組織のチーフでもある金髪碧眼のあの男、ナイトメアに嫌味を言われるのも癪である。
「予定よりも相当早い出社になってしまうけれども・・・」
不機嫌ともただ単にアンニュイとも受け取れる態度で起き上がり、身支度を整えてさして食べたいとも思わない朝食を無理やりつめこむのは「悪夢」の後の日常のこと。
まったく・・度し難い限りだわ。
まだ重たい頭を抱えつつリナがバッグに手を掛けようとしたその時であった。
ルルルルル・・・ルルルルル・・・・。
突如として普段ならば鳴るはずも無い携帯電話がけたたましい音で鳴り響く。
「・・・何事なのよ・・・?ありえない!!!」
無論誰だって起き抜けに電話の着信音が鳴れば気分のいいものではないはずだろう。
ましてや、低血圧気味のリナにしてみればそれはなお更のことだ。
だが、明らかに彼女の表情は不愉快のソレを通り越し、何処か緊迫したものへと変わって言った。
「リナ」
無愛想に名前だけ告げつつリナは携帯電話のスイッチに手をかける。
「直ちにケインのところに急行を。5年前の件に関わったものが暗殺されている!」
5年前の件ですって・・・・!!!?
今朝方の悪夢を思い出し、リナは思わず問い詰めたい衝動に駆られれつつも無言で電話のスイッチを切った。
「この電話の盗聴されない時間はおおよそ15秒。ギリギリって所かしらね?それにしても・・5年前の件って・・・」
あのことに関わった人間が暗殺されている?連絡があったということはまだ従兄弟であるケインはまだ無事だということだろう。
だが・・どのみち「盗聴不可能」の電話からリナの元に連絡があったことは何者であるにしても・・・その暗殺犯たちはいずれ察知するだろう。
「こうしちゃいられないわね・・」
恐らく連中は、5年前の件にZPUの新米であるリナは無関係だと踏んでいるだろう。
「爆弾なんかが仕掛けられている可能性は無いわね・・車は使用可能・・・」
様々な事態を想定しつつも今はケインの元に急ぐことが最重要課題だろう。
ついでにいえば。7時半を回った現在、ケインの妹である、彼の同居人キャナルは既に高校へ通学している時間だ。被害が及ぶことはまずあるまい。

「それじゃ、行ってきます〜。ケイン、アタシのコンピューターに触ったら八つ裂きにするわよ?じゃ。ね」
「あ〜分かった、分かった。誰が好き好んでお前のハッキング専用自作コンピューターなんぞに触るかよ?じゃ、俺仕事あるからな」
気軽に言って家を出て行く妹のキャナルを適当に見送りながらケインは朝食の残りを食べることに専念する。
さて、今日の仕事はどうやって乗り切ったものか。
組織内部でもそこそこの権力を持つケインだったが所詮それは現場内部でのことにしか過ぎない。
本部に戻ればあの男・・・つい最近新米としてZPUに入った従姉妹であるリナと共通のの祖母アリシアを失脚させ・・・チーフに就いたナイトメアの監視下、籠の鳥状態だ。
無論未だにアリシア派と呼ばれる仲間も多数ありそれなりの権威は保ってはいるものの。
「ば〜ちゃん・・・元気にしてるかな〜〜?」
今はこの王国、セイルーンの郊外で隠居をしているアリシアに彼は思いを馳せる。
何はともあれ。アリシアの血族の一員にして現国家元帥のインバースの娘である彼女が組織に入ってくれたことは彼にとっても心強いことではあった。
一息をつき、さて・・そろそろ出かけなければ・・と彼が椅子を立ったその刹那だった。
・ ・・・・・・・・・ぴかり・・・・。
赤い光線・・・・一瞬して感じる殺気・・・身もこわばる感覚。
やがてその事実に気がついたときは手も足も出しようが無いことに気がつく。
すなわち。
「ピンポイント?ありかよ・・?そんな事・・・」
見事なまでに敵の照準が自分の額を照らしていることに気がつく。
さて、どうしてもんかね?
鈍った思考を賢明に彼が巡らし始めたそのときだ。
ズバン!!!!!!!!!!!
突如として聞こえる鈍い音。するりっと自分の額を照準にしていた赤い赤外線ランプが壁を伝って僅かに床の一点を赤い色で照らす。
「何事だ!?」
自分が助かったということはよく判った。次の瞬間反射的に窓の外に向かって視線を送ればそこには拳銃を片手にした従姉妹、リナの姿が隣のビルの上に僅かに確認できる。
彼女が未だに武装していること、そしてその筋のものが見れば一目で分かる「防弾コート」を身の着けていることを考えればまだ安心できる情況でないことだけは確かだろう。
「外に出ろ!!右に行け!!!」
恐らく彼が自分の事を室内から見ていることを予感してだろう。身振りでリナが暗号である合図を彼に向かって示すのがわかった。
「こうしちゃいられないな・・・」
何が起こっているのか皆目見当がつかないが。
恐らくリナは「あの女」から秘密の通信を受け取り自分の救出に当ってくれたのだろう。
「流石は・・・」
と、ここまで言いかけてケインは言葉を喉の奥に詰め込んだ。
はあ・・・と重たい深呼吸を一つ。
厄介事はゴメンだ。ZPUのナンバーワンではないにせよ、リナ自身の射撃の腕はそこそこのものではあった。
目の前のケインを狙っていたスナイパーは見事にリナによって「手のひら」だけを打ち抜かれて完全に気絶した状態にある。
「ルーク!チームを派遣して!!!ケインが狙われたの。敵はあたしが一人撃退したけど・・まだ仲間がいないとは限らないわ?え・・?なんでアタシがケインのところにいたかですって?たまには一緒に出勤しようと思ってよ!兎に角・・敵の回収を頼むわ!」
本当に理由は言えるはずも無い。
何はともあれ。リナやケインと同様ナイトメアの支配を嫌って日頃から外勤を好む・・やはりアリシア派の・・戦術チームのルークに連絡を入れてリナは大急ぎで車に向かった。
このままケインと合流し・・何とかZPUに向かわないと・・・。
あそこに行けばこの際だ。アリシア派、ナイトメア派問わずにこの一件に関する調査を行うことになるのは明らかだろう。
そうなれば何故ケインが・・・そして5年前の「あのこと」に関わった人間が続々と抹殺されているのかも理解が出来るというものである。
「畜生!しつこいにも程があるぜ!?」
即座にビルの屋上から止めてあった車に乗車して。
回収したケインを乗車させて発信した途端の追跡である。
俗に言うカーチェイスの状態が先程からずっと続いている有様だ。
「とりあえず・・ここはヤバいわね。何とか決着が付けられそうな場所まで移動しないと・・」
ずごおおおおおおん!!!!ききききき〜〜〜〜〜〜!
そんな事を言っている傍から隣の車線から前方に割り込まれ、リナの車に正面切って追跡者は激突する!
「冗談じゃないわよ!!!」
フロントは既に粉々になってしまっている。このまま銃撃など喰らったららまったものではない。
何とかアクセルを踏み込み、レバーを「R」に操作しつつリナは後方へと下がり、ついには反対車線へ割り込みながらも何とか敵の追撃をかわそうと試みる。
即座に「D」に戻し、全力で逃走を試みては見るものの。
「だいぶガタがきちまってるな!!!」
「ま〜ね。このまま撃墜されたら・・・一巻のお終いよ!!!」
何とか走行中の他の車両を追い抜き、そしてそのままハイウェイに入ろうとする。
が・・・後続車を見事に追い抜き、ついには後方から追撃者による銃撃のポイントが向けられるのがバックミラー越しにヒシヒシと伝わってくる。
「捕まって!!!!!」
半ばやけっぱちといったところだろうか!!?ついにリナはハンドルを大きく右に切り、土手となっていた急な坂道に思い切り車を走りこませることに成功した!!
ズシャ・・・・ド化・・・ばか・・・どか・・・・!
朽木が車体にぶつかる不快な音。そして・・泥にタイヤが埋もれて床全体が傾いていくような安定しない感覚に実を強張らせるしか手立ては無い。
巨大な大木にボディをめり込ませるかのような形でやっと車は急な坂道を滑り落ちるが泊まった。だが・・・。
「早く出ろ!!!!!」
助手席のドアをケインが蹴破り、運転席でハンドルを握ったまま尚も強張った表情を浮かべるリナを車体から引きずり出し出来るだけ遠くへ逃げる。
鼻につくようなガソリンが漏れ出す匂い・・・そして・・・・・。
ずだあああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!
まさに予測通り。
見事なまでにリナの乗っていた車は爆発炎上し、広大な土手はあっという間に火の手に包まれた。
「で・・どするんだ・・・??」
白い服の肩についた泥を払いつつケインはこの場にはふさわしくないほどの落ち着き払った声でリナに問いかける。
「ハイウェイに近いとはいえ・・こんな土手じゃさしたる被害は近隣に与えないとは思うけど。敵さんがあたしたちを諦めたかどうかは未知数。ついでにいえば・・・」
バラバラバラバラバラ・・・・・。
聞こえてくるのは耳に聞きなれた戦術チームが使用しているヘリコプラーのプロペラ音。
「ルークにあたしたちを回収してもらうにはいい合図になったみたいね?」
「少々やりすぎの感は否めないけどな〜〜・・・」

「真坂、5年前のあのことでお前まで狙われたとはな・・ケイン」
無事ルークに回収してもらい、ZPUに到着したリナとケインを迎えたのはチーフであるナイトメアの驚くほど冷静な言葉であった。
「お前『まで』だと?ったく・・。こっちの後始末の苦労もしらね〜でよ。そりゃ、どういう意味だよ?」
あからさまなまでの反感をナイトメアに示しつつルークが吐き捨てる。
だが、そんなルークの反応もまるで意に介さないとでも言うようにナイトメアは話を続けた。
「今朝方の話だ。5年前の戦術の一件に関与した人物が連続して4人暗殺された。3人は軍属の者であるマゼンダ、セイグラム。そしてカンズェルだ」
「・・・・カンズェルが?」
気に食わないが凄腕であった軍人の顔を思い出しつつリナは言葉を挟む。
だが、・・やはりというべきか?新人のリナの言葉になど耳を貸さないとでもいった風に再びナイトメアは平然とした口調で尚も話を続ける。
「そして。最後の一人は。彼らによって救出された我がセイルーン王国の傍系の王子。アルフレッド大公だ」
ざわり・・・・・・・・・・・・・。
成る程。そうであったのなら。リナの発言などナイトメアに無視されたところで今回ばかりは一々怒る必要性も無いだろう。
「アルフレッド大公が・・」
何時もは冷静な戦術分析の・・アリシア派の・・ミリーナまでもが驚愕の声をあげている。
「そういえばケイン。お前もあの5年前の一件には・・」
「ああ、ゼルガディス。ささやかながら俺も・・暗殺された軍部3人の連中と行動を一緒にしていた。ま、嫌々ながらだったがな・・・」
半ば溜息をつくかのようにケイン。
「反セイルーンを掲げる組織にアルフレッド大公が誘拐され。その救出にあたった軍部、及びZPUチーム・・すなわちケインが暗殺のターゲットにされた。そして・・アルフレッド大公自身にも危害が及んだって訳ね・・」
ケインの相棒であり、リナ自身の姉貴分にも当たるミリィが情況を的確に言い当てる。
「今後の任務を言う。兎角、セイルーンの王室関係者の警護を重視。ケインを追撃した犯人の割り出し、及びルークの回収した狙撃犯が回復し次第尋問を許す。なお。軍部3人のことはともかくとしてアルフレッド大公の一軒は世間には内密にしてある。以上だ」
そうと言うだけ言ってさっさと上部に位置するチーフ席に去っていくナイトメア。
「・・・元々・・ば〜ちゃんの席だったんだがな・・・」
「今更言ったって是非も無い事だけれどもね・・・・」
はあ・・とため息をつきつつ、それでもやはり仕事に専念しなければならない情況に溜息をつくケインとリナ。
「今回ばかりはアリシア派もナイトメア派も無い仕事になるわよ・・。とりあえずはね、元気出しなさいよ。二人とも」
バシンと同時に二人の頭を叩きつつ勇気付けるミリィ。
それでも・・・今ひとつ仕事をする気力が沸かないのは今朝からの騒動のせいか?
リナがやる気の無さそうに顔を浮かべながら椅子から立ち上がろうとしたその時だった。
「あの、リナさん。面会したいと仰っている方が来ています。そして、ケインさんにはお電話ですわ」
事務、そしてプログラム課のシルフィールが賢慮がちに二人に声をかけてくる。
「あん?誰よ?このクッソ忙しいときに!!!」
別にシルフィールに向かって悪態をついているわけではないのだが。
こうも機嫌が悪くなると必然と言葉遣いまでもが悪くなってくるものである。
「お会いになればわかりますわ・・。私はそうとしか・・それに・・私はあの方の気持ちのリナさんのお気持ちもわかるつもりなので・・どうともいえませんが・・」
少しだけ複雑そうな表情を浮かべつつシルフィールはリナに向かって答えた。
「で、俺は?」
「妹さん・・キャナルちゃんの学校の先生からですわ」
やれやれ・・また学校のコンピューターで何処かにハッキングでも仕掛けたか?
そんな事を言いながら電話に向かっていく従兄弟の後姿を見送りつつ、シルフィールの心配そうな視線を気にしつつもリナは来客のいるであろう昇降口に足を向ける。
「あ、リナさん。お会いしたいという方は其方ではなくて・・・」
「其方ではなくて?何処だっての?真坂窓から入ったお魚加えた猫じゃあるまいし・・」
「・・・その・・あの・・・チーフの・・・司令室に居られますわ・・」
「・・・・ナイトメアの・・・?」
『あの〜〜・・・ケインさん・・・』
受話器を取った途端、耳に聞こえるのはキャナルの担任出る新米教師のニーナの声だ。
「あ〜・・ニーナ。今日はキャナルのヤツ、何を仕出かした?真坂国家機密にアクセスなんて・・・」
『それが。その・・キャナルさん・・学校にきていないんです!こんなこと、これまで小学校からこの年齢まで皆勤だったと言う過去からありえません!何かあったのですか!?ご自宅に連絡をしてもご連絡が取れなかったので・・・』
「ナンだって!!?」
妹の性格から考えて。遅刻や無断早退、ましてや無断欠席など120%ありえない。
ましてや。今朝方彼は襲撃に巻き込まれる数分前とはいえ・・彼女が元気に登校していった姿を見送ったばかりであった。
「・・・・バカな・・・」
『真坂、何かに・・』
「いいか。ニーナ!誰にも言うんじゃないぞ。このことは!!!」
直感とでも言うべきか?そうとだけ言い残してケインは電話の電源をオフにする。
「何が起こってるって言うんだよ・・?」
その視線の先。リナが仏頂面をしたままナイトメアのいる司令室に嫌々向かっていく姿が目に付いた。

「待ちかねていた。リナ・インバース。今日から君の相棒として働いてもらう事になった人物を紹介する」
「相棒?」
不意に呼び出された挙句この宣告。まあ・・ナイトメアの気持ちとて分からないではない。
アリシアを失脚させこの組織を完全に掌握するに至ったという社会的な評価はあるにせよ。
実際のところこの組織は未だにアリシア派に属する人間が大多数を占めているのが現実だった。無論、その誰もが有能であり・・・。
彼らを一掃した日には組織事態の運営が危うくなるのは明らかな事実であった。
更に、つい最近、やはり能力樹脂ということでそこに現れたのはよりにもよってアリシア派の頭というべきケインの従姉妹である自分だ。
ナイトメアとしても自派の人間の補充・・そしてリナに対する監視役を欲したというところだろう。
・ ・・これでまた・・行動の規制が増えたようなモンだわね。
舌打ちをしたい心境を堪えつつ、チーフ室に秘書のナイトメア派のカーリーによって導かれて入室してくる人物を見るに至り・・リナは絶句した。
「・・・な・・アンタは・・・???」
「無理も無いことね。貴方と彼は、昔からの知り合いと伺ってはいるもの」
無表情を通している上司の言葉を代弁するカーリーの一言に頷くまでも無い。
「久しぶりだな。リナ」
金色の髪、青い瞳に、一族特有なのだろう同じような声質・・・そして長身。
「ガウリイ・ガブリエフ!!!!」
「其の通りだ。我が弟、ガウリイには君と今後行動を共にしてもらうこととする」


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1808924 -TWENTY FOUR-2CANARU 2007/5/12 22:49:15
記事番号18088へのコメント

AM8:00〜AM9:00
「グレイシア姉さんの帰宅は結局お流れになってしまうのですか?」
この国の第二王女、アメリアは侍女長である女性に向かって寂しげに問いかける。
「ええ、事態が事態ですので・・グレイシア様もご自重なされたのでしょう」
「そうですか・・。アルフレッド・・」
長らく他国に留学していた姉、グレイシアが帰宅すると聞き、心を躍らせていたばかりなのに。恐らく姉も遠い異国の地で従兄弟の喪に服していることだろう。
だが、第一王女という彼女の立場を考えれば下手に暗殺者がはびこるこの故郷へ帰ってこないことは正解かもしれない。
ましてや・・・この一軒が「王族殺し」であることを世間に内密にしている間はなお更だ。
「アメリア様。今は・・軍部及びZPUに任せましょう・・。貴方様や国王様にも危害が加わらないとも限りません。何卒・・」
「先走った行動は自重・・ですね・・分かっています・・・」
苦笑交じりに自分の行動が読まれたことを認めるアメリア。
無論、事態が悪化していくようであれば彼女としても黙っているつもりは微塵も無いのだが。あまり親しくは無かったとはいえ・・アルフレッドのことは相当憤ってはいる。
「それ以外に変わったことは?」
「いえ・・・これといって存じてはおりませんが・・・」
現段階において王宮内は安全とったところだろうか?それにしても・・・・。
「世間にアルフレッドのことを隠し通すためにも。今日の昼食会には私も父さんも・・でなくちゃ駄目ですね・・」

『ただ今。この携帯は電源が切られているか・・・・・・』
『何処にいる?早く連絡を寄越せ!!!』
これで何度目になるだろうか?コール・・それにメールを入れただろうか?
「クッソ!!!キャナルに限ってどっかで道草食ってるなんて事120%ありえねぇ!」
苛立ちながらも携帯電話を、そして尚も今朝方の事件を調査するための衛星の監視を鈍らずケインはゴチる。
「まあ、ね。今日の給食のメニューからしても。あの子が学校をサボルなんて事は考えられないものね〜〜」
紅茶にデザートのパフェ、うん。最近の学校給食って豪華になったもんだわ。
などとどうでもいいことを分析しつつ相槌をうつミリィ。
「何はともあれだ。これからの最重要任務としては2時間後に行われるセイルーン王室の恒例の外国からの使節団を呼んだ晩餐会だ。警護に人員の半数を回そうと思っている」
「メンバー的にルークを守備隊長に。ケインには援護に回ってもらおうと思います」
ゼルガディスのプランにミリーナが人員の大まかな構成を発表する。
「雨が降らなきゃいいがな・・」
チっと舌打ちしつつもおとなしく頷くケインに一同は再び自分の仕事に戻り始めた。
「何でアンタがここに居るのよ!ガウリイ・・・・・」
驚くほど自分でも声が上ずっていることが分かる。正直、ナイトメアは元よりもガウリイの顔すら直視できない自分に驚いている。
「5年ぶりだな〜・・・リナ」
そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか。随分と能天気な声で接してくれたもんである。
つと目を逸らせばケインがいらだたしそうに仕事の衛星画像が更新される合間にだろう。
携帯を片手にせわしなく、いらだたしげな表情を浮かべているのがめについた。
一体全体何やっているのよ・・・・???????
まあ、そうは言ってもケインとこの男・・ガウリイに直接的な面識は無いのでそれこそ詮無い苛立ちであることは明らかなのだが。
チラリと再び横目で見れば相変わらずガウリイは能天気な表情を浮かべてリナのほうを見ている。・・アル意味無表情かつ、鋭い視線の彼の兄とはパーツパーツこそ似通ってはいても好対照な顔立ちのように思えてならない。
だが・・ここでナイトメアに反論・・・あるいはガウリイに喧嘩を売ったところで時間の浪費であることだけには変わりは無いだろう。
「分かりました」
無言でそうというだけ、ナイトメア、カーリー、そしてガウリイにさっさと背を向けてそそくさとケインの方に向かっていくリナ。
今現在のところ、外勤はルークの管轄でありこの男と一緒に行動することは無いだろう。
ならば・・・このZPUにいるかぎり。
「正直・・何を使用がアタシの勝手でしょう!!」そんなもんである。
ましてや現国家元帥の娘であるリナの行動はある程度までならばナイトメア・・下手をすれば会ったことも無いが・・国王のフィリオネル殿下にすら介入する権限は無いはずだ。
最も・・あの恐ろしい「存在」を別にすれば・・・なのだが。
そう思い返しつつ冷や汗を浮かべミリィの隣のデスクに戻ろうとするリナだったのだが。
「一寸待ってくれよ!リナ!」
不意に人気の無いチーフ室の真下の廊下で何時の間にか追いついたのだろう、ガウリイによって肩にに手を掛けられていることに気がついた。
「離しなさいよね!あたしはもうアンタみたいなボディーガードが必要な年齢じゃないわよ!!!」
バシっとガウリイの手を払いのけつつ凄まじい剣幕で怒鳴りつけるリナ。
「・・だから・・俺はしらなかったっていっているだろう・・・??」
「知らなかったで済まされる問題じゃないわ・・。アタシもう24歳よ?アンタに構ってもらうような子供じゃないわよ!・・・・子供心で・・恋したアタシが大馬鹿だった!」
父元帥がリナの事を思って雇った凄腕のボディーガード。
其の彼・・ガウリイとであったのが丁度7年前のことだった。
だが真坂・・恋した挙句のソレが現ZPUのチーフナイトメアのスパイだったと知ったときの驚愕はどれほどのものだっただろうか?
辛うじて策略をめぐらし父は元帥の座を守り抜いたものの・・・・。
祖母アリシアは失脚、そして国家防衛は恐ろしいかな・・「死の商人」と結びついたある意味で恐怖的な形態にシフトしつつあることはリナも肌で感じ取っていた。
全てナイトメア・・いや・・ガブリエフ一族のやり口だ。
まさか彼らがこのような形で頭角を表してくるとは8年前にはまるで予測がつかないものだった。
「俺はリナの保護者だからな♪」
あの時のガウリイの言葉が様々な意味でも苛立ちを呼び覚ましてくる。
「リナ・・だから・・俺は・・・」
「あたしはもうナンだってできるって言っているでしょう!アンタなんかお呼びじゃないのよ!策略も練れれば訓練も受けている!やれと言われれば政治でもうらから介入できる!ええ・・この引き金だって容易に引くことが出来るわよ!だから必要以上にアタシに近づかないで!!!」
周囲が何時に無いリナの絶叫に驚いていることに彼女自身はまるで気に留めた様子も無く。
驚き、唖然とした様子のガウリイを残してさっさと自分のデスクに向かっていくのだった。
「・・・・はあ・・・」
「見事に振られたもんだな。旦那も」
ポンと肩を叩かれ、力なくガウリイが振り返った先でにはかつての同僚のゼルガディスの姿があった。
「ああ・・まっさか・・。あのリナがあそこまで激越になっちまうとはな・・昔から確かに感情表現は豊かだったが・・・」
「そうか?むしろ・・今リナはどちらかっていうと。昔のあんたの知ってる快活で感情的なリナでは完全に無くなっちまっているな。ましてや、今みたいに大声で怒鳴ったりすることは稀になっちまったし。5年前くらいからか?アイツがあんなになってしまったのは・・」
「どういうことだよ?ゼル・・」
「俺にも良くはわからない。だがな。ガウリイ。これだけは覚えとけ。お前が『保護者』をしていた頃のリナはもう何処にもいない。今じゃ・・そこそこに付き合いはいいが何処か底が深く・・計算高くて猜疑心が深い怜悧・・或いは優雅といっていいほど冷酷な大人の女にアイツはなっちまったって事だけだ・・」
「アシリアの一軒以外に何かあったのか・・?」
無論、ガウリイのその質問にゼルガディスが答えることはできなかったのだが。
「セイルーン王宮で執り行われるヴォルフィード王国との昼食会は午後11時より。その警護体制は万全なものにしてあります。そして・・・」
「分かっているわ。ケインを襲った襲撃者の尋問ね?そこそこ派手に手のひらを打ち抜いちゃったけれども・・」
これまでのプランの経過説明をミリーナから受けつつリナは構造を練り始める。
「医療班から連絡が入りました。既に止血は終了しています」
「・・・じゃ、尋問はあたしがやっても大丈夫かしら?」
「別、かまわね〜んじゃないの?お手柄はお前のモンなんだしよ?お上も尋問する人選についひとっこともお達しが無かったしな〜」
吐き捨てるように言うルークにリナは軽く頷いた。
このときばかりは普段多少なりとも引け目を感じている自分の地位をありがたく思う。
通常ならこの組織に入って数ヶ月の新人がそのような大役を任されることなど間違っても無いだろうから。
「その尋問、俺も付き添わなくちゃ駄目だろ?リナの相棒なんだからな」
不意に割り込むようにガウリイがリナの背後から口を挟んでくる。
「そうね・・・・」
正直そんな必要は無いだろう。だが。過去にこの男に対してくだらない恋慕の感情を抱いた挙句に・・・裏切られてアリシア・・最愛の祖母を失脚に至らせる事態を作ったなどという人生最大の愚考を暴露されるのはたまったものではない。
「アンタは・・・???」
無関心、あるいは本能的にナイトメアとの類似点に気がついてであろうか?
ケインは横目でガウリイを見遣り、尚も携帯を操作する手を休めることなく問いかけてくる。・・・・其処か尋常ではない???だが、元々ケインの態度などこんなものだ。
「ああ、俺はガウリイ。ガウリイ・ガブリエフだ!趣味は・・そうだな。兄貴とのの兄弟喧嘩かな?アンタ、リナの従兄弟のケインだろ?よろしくな!」
「・・ま、悪いやつじゃなさそうだな・・・」
警戒心というよりもむしろ無関心だったといったところか。
彼の嫌悪するあのチーフの弟と聞かされてもケインはさしたる反応も示すことなく、アッサリとガウリイが差し出した右手をやはり右手で握り返した。
ったく!コイツのその人懐こさにあたしも騙されたって言うのに!!!!!
無論、そんな心の叫びはプライドの高いリナは声に出して言うことはできなかったのだが。
「兎に角尋問室に行くわ。後のことはお願いね、ミリィ」
「オッケ〜〜」
軽く答えるミリィ、そして尚も少し気の抜けた様子のケインに見送られつつリナはガウリイに「こっちよ」と軽く指差しながら尋問室へと向かっていくのだった。
「クッソ!!!!」
ガウリイに対して悪いやつじゃ無さそうだと言ったのはとりあえず本音ではあった。
だが。この情況で他にどんな反応をすれというのだろうか?
ロクでもないスパムにこれまたロクでもない脅迫文が書かれた文章が書かれている・・。
そんな同でもいい情報をネットで拾って知ってはいた。
だが・・それが「スパム」ではなく本物の「脅迫文」だとしたら?
何気なく開いた組織以外でもケインが使用しているネット上のフリーメールのスパム振り分けフォルダ。そこに・・気になる一通の・・プロバには「迷惑メール」と判断された賢明を発見した。
『妹の命が惜しければ、これから起こる事を黙認せよ。いずれ連絡は取る。我々の言うとおりに行動をしてもらう』・・・・。
世間的には単なる「スパム」と判断され公式的に調査の対象にもならないだろう。
そのために態々そういった回線を使用して送りつけてきたのだろうからだ。
これから起こる事・・・間違いなくソレはセイルーン王室の昼食会を意味しているのだろう。そして・・・。
「従わなけりゃ・・キャナルがヤバいことになっちまう・・ってか・・・?」
無論自分の行動は今監視されているだろう。ならば・・・。
尋問室に視線を走らせ、ケインはひたすらリナが出てくるのを待つしか手段は無いのだった。ある意味、それは一種の「賭け」といってもいいだろう・・・。
「さっさと証言しなさい!!!あたしには時間が無いのよ!!!」
がっしゃあああああああああああああああああん!
椅子と机を払いのけ、リナの細い手が今朝方の襲撃者である男の頬を乱暴に鳴らした。
が、たかが・・・年齢よりも幾許か若く見える・・女の尋問と侮って襲撃者は薄ら笑いを浮かべるだけという始末である。
今朝方から機嫌の悪かったリナの忍耐も流石にここで限界に来たらしかった。
ずばあああああああああああああああああああああん!
けたたましい轟音がしつないに木霊する。
硝煙反応や火薬のにおいが室内に充満していることは肌でよく判るくらいの惨状。
「今度は壁じゃ済まさないわよ!!?耳?それとも足・・?一思いに・・・」
男の眉間に向かってリナが構えた其の刹那・・さしもの襲撃者も今度という今度こそはある意味で心底の恐怖を感じ取ったらしい。
「分かった!言う・・言うとも・・・だが・・本当だ!信じてくれ!俺は唯雇われただけなんだ!!!」
ずばああああああああああああん!!!!
再びリナの放った轟音が室内を振るわせる。
「・・・雇い主の名前は!?」
「グラウシェーラ・・グラウシェーラ・フォン・ダイナスト!!!」
「・・・分かった。グラウシェーラ・フォン・ダイナストの資料を集めて!早速ソイツを連行し調査にかかるわ!!!」
無言で取調室のドアを開け放ち、その場に襲撃者と唖然と佇むガウリイを残したままリナは手早に調査課のメンツに向かってそうとだけ告げるのであった
ある意味でリナは優雅なまでに冷酷な・・・大人の女の成り果ててしまっている。
昔のリナを知っているガウリイにしてはここまである意味で冷徹、かつ無慈悲なリナを見たのははじめてであった。
そして。それは取調べに当っても鮮やかなまでの手といっても過言ではない。
いったい彼女の身の上にそこまで変化を及ぼしてしまう何があったのだろうか?
そんな考えをめぐらしているガウリイではあったのだが。
「あのクソ女・・・・」
恐怖に身を引きつらせつつも襲撃者がなにやら憎まれ口とも呪詛ともいえる言葉を口にするのを耳にするにいたり・・・・。
ズガ!!!!!!!!!!!
渾身の一撃で相手の鳩尾に拳を喰らわせる。
「あの子に何かあったらただじゃすまさね〜ぞ?分かったな・・・?」
崩れ落ちる襲撃者をその場に残し、ガウリイは何事も無かったかのような表情を残しつつ大急ぎでリナの後を追うのであった。

ピルル・・・ピルル・・・♪
突如として鳴り出したのは時代錯誤のポケットベルだった・・・。
よくぞこんな時代遅れのサービスを未だに引き受けてくれている会社があったものだ。
「リナ〜。何処へ行くんだ?」
人の気持ちも知らず相変わらず能天気なモンである。ま、さっきのアタシの尋問の手腕を見て腰を抜かさなかっただけでも褒めてやってもいいくらいだが。
しかし、ポケベルを入れた相手がケイン・・それも携帯電話に掛ければいいものをこんな手段を通してとなると・・尋常ではないことが進行している事だけは確かだ。
この男を完全に信用しきってはいないのは今更のことではない。
「トイレよ。そこまでついてくるつもり?」
「・・・いや・・・すまん・・・・」
フンとあからさまに機嫌を損ねた素振りを見せつつ(実際機嫌は朝からお世辞にも上等とはいえなかったし)ガウリイを通り過ごしてリナはトイレの方面へと向かう。
今朝方電話が掛けられてきた携帯を使えば数十秒間は盗聴を防ぐことは出来るはずだ。
幸い女子トイレには他の使用者の姿も見当たらず。
「ケイン、アタシ」
出来るだけ要点を短く。
「キャナルが誘拐された。俺は動けん。救ってやってくれ、話は俺のデスクへ何気ない様子をしてきてくれ」
やはりケインも要点だけを簡単に話し、がシャリと内線の電話を切るにいたる。
「・・・・なんですって・・・????」
キャナルが誘拐されたということは。恐らく今朝の襲撃事件と何らかの関係があるということだろうか?それとも・・・。
何はともあれ。詳しい話をケインから・・それも何気ない様子を装って聞きださなければならない。
「あ、リナ。長かったな〜・・・トイレ!あ・・もしかして・・・!」
強張った表情のリナに気付いてか気付かないのか。これまた暢気に話しかけてくるガウリイにリナはきっぱりはっきりと。
「ガウリイ下品!だいっきらい!ついて来ないでよ!!トイレ待ち伏せなんて最低!!」
が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・・・・・・・・。
「俺は唯・・・相棒同士としてコミュニケーションを・・・・・」
「・・今のは確実的に貴方に責任がありますわ。ガウリイ様。私もリナさんに味方します!」
「し・・・しるふぃ〜〜るまで・・」
まあ、理由は何でアレ。とりあえずガウリイを追い払うことには成功した。
「ケイン、で、何が起こっているっていうのよ?」
何気ない様子をしつつ、ミリィの隣。そして従兄弟であるケインの向かいの席に腰を下ろしつつリナは問いかける。
「ああ。スパムを装ったメールが俺のところに着たんだ。キャナルの安全を確保したかったらこれから起こることを黙認し・・・協力しろっと・・な・・」
「・・・黙認?協力・・・???」
これから起こる事。既に1時間と数分後に控えたセイルーン王室の昼食会のことだろうか?
そこで何かが起こり・・ケインにそれを行わせよとしているの・・・???
「次の指令は何時入るの?」
「わからない。とりあえず・・迷惑メールのフォルダは常に確認するつもりだが」
「で。アタシは何をすればいいの?」
チラリと未だにへこんでガウリイが床に座り込んでいることを改めて確認して問いかけるリナにケインは。
「お前はまだこの組織で新人として・・「リナ・インバース、元帥の娘」という名前はともかくとして・・どんな反逆者にも顔は割れてはいないだろう。ミリィやゼル、ルークは既にマークされてるから頼めないことだが・・・」
「分からないわよ。あたしだって・・今朝の襲撃事件で・・・・」
「・・わかってる。だから・・・賭けだって事だ。セイルーンの昼食会で何かを起こそうとしている連中を妨害して欲しい!場合によっては・・俺を倒すことになってもだ!」



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18090 -TWENTY FOUR-3CANARU 2007/5/13 12:42:15
記事番号18089へのコメント

AM9:00〜AM10:00
「ばかだと思ったけどまっさかここまでバカだったとはねぇ。ま、お陰で助かったって言えば助かったんだけど。それにしても・・そんなバカに捕まっちゃったあたしも人のことは言えないってことかな〜〜??・・そういえば今日の給食!紅茶とパフェだったじゃない。もう9:00すぎくらい?かしらね?日の傾き具合からして。ま、その辺はあとでケインに責任もって奢らせるとして・・」
ぶつぶつと独り言を言いながらも作業をする手を休めることなくキャナルは続ける。
「1時間目の授業は終わったかなぁ?事情はどうであれ!『源氏物語』のあの教師。『選り好み』の授業を受けなくて済んだのはラッキーだったかな?あの教師ときたら。シルフィールさんみたいな美人にばっかり甘いのよね。そのくせ一般人にはまるでいじめのような質問とツッコミばっかり入れちゃって!!よっし!完成。あとはCATVの回線をいじって何とかメールを開通できればいいんだけれども・・・」
ケインの部屋で何かが起こった。
轟音と共に直感的に先程出たばかりの自宅を振り返った刹那、背後から首に手刀を食らわされたのが分かった。次の瞬間、意識が薄れ・・そして。
「目を覚ましたら何処とも知れない小汚いアパートの一室と来たものね。いつかこういうことがこの仕事にケインが就いている限り、あうかもしれないってアリシアおば〜ちゃんも言っていたけれども。敵さんも相当間抜けで助かったわね・・時間はかかっちゃったけど。ざっと1時間半って所かな?」
テレビ本体こそは撤去されその場には無いけれども其処にはCATVの回線がひかれていた形跡、無線、そして携帯電話こそポケットから奪われていたものの・・・。
「ネット接続可能な旧世代の遺物『ワープロ』。それに。線を切っちゃったほうがよっぽども早いのに。『本体』をハンマーかなんかで殴って破損させて回線は完全無傷な『固定電話』!ま、あたしの手にかかれば・・辛うじて周波数さえ合わせればケインに連絡可能というわけだけれども・・・」
彼の電話が盗聴されていることは容易に想像がつく。
「タイミングって事よね?いつでも電話はスタンバイOKだけど。とりあえずネット接続&メール使用可能になるほど心強いことは無いわ。さってと・・・」
どうやら食事以外は敵としても自分の事を徹底的に放置する腹ずもりと判断し。
さっさとキャナルは今度は『ネット接続可能な旧世代のワープロ』・・そして『CATV』の回線を接続へとかかる。
恐らくケインへの連絡・・あるいはZPUへの・・は完全に監視されているだろうから。
「ニーナ先生に連絡すべきかしらね?この場合は。少々心もとない気はするけどね」
さてさて。あとはどのくらいの時間がかかることやら?
ま。気長にやるしかないでしょうね〜〜。この場合は。
「とはいえ。連中がケインに何かをさせる前に・・ね」
「どういうことなのよ?」
あくまでケインは自身が監視されていることを悟っているし、このデスク近辺じゃ人通りも多い。必然、「何気なさ」を装ったリナとの会話は途切れがちなものになる。
ちなにみありがたいことにガウリイは未だにリナから受けた言葉にショックを受けてのろのろと自分の机に戻り、力なく拳銃の手入れなどしている。
昔からアイツは「現場」専門で頭脳労働は苦手だったわね・・。大人しくしてくれている感には問題ないから兄であるナイトメアもともすれば「サボり」とも受け取れる彼の行動に対して文句を言わないのだろうけれども。
「なんだかな。昔はリナがガウリイに対して子ども扱いするだのなんだの言っていた記憶があるのだが・・」
「完全に立場が逆転していますわね・・・」
どうでもいい感想をいっているゼルガディスとシルフィール、一休みといわんばかりにコーヒーを無言で飲み干すミリィの視線がガウリイに集中しているのを確認しつつ。
「わからん。だがな。今朝の俺に対する襲撃。それの本当の目的が『俺』ではなくて」
一寸調べ物をしてくれ。そんな感じで周囲からすればケインはリナに話しかけているように見えただろう。
「貴方を意のままに動かすため・・キャナル誘拐が本来の目的だった・・?」
そういえば。あの狙撃犯も「荒っぽさ」に定評があるリナの尋問を受けたとはいえ妙にアッサリと自白してくれたもんである。
とても高度な訓練を受けた上で雇われた人物とは思えなかった部分も否めない。
『可能性として考えられないことじゃないわ。本日暗殺された4人の人物。王族であるアルフレッド大公は別格としても。あくまで5年前の誘拐事件に関わったのは軍属の3人であり。ケインはその時点でZPUの人間であった。軍属3人・・下手をすれば大公以上に利用価値があったってことじゃないのかしら?』
便利な手段を思いついた、といわんばかりにリナはプロテクションをかけた私用のワード画面に文字を入力し・・自身の机に備え付けられているものではなく・・ケインの使用しているプリンターのナンバーを入力して「印刷」ボタンをクリックする。
突如としてプリントアウトされる用紙にケインが一瞬だけ驚きの表情を見せたのに対して視線で合図を送って紙を受け取らせる。
「まあ、な・・・」
どうとでも受け取れる返答をしてケインはやはりリナの視線が指し示す先・・シュレッダーにいかにも印刷ミスをした、といわんばかりの表情を作って先程の紙を始末する。
暗殺された人物の一覧を照合すれば相違点といえば其の辺りしか思いつきはしない。
ましてや・・あのカンズェルはリナ自身も最初に反応を示したとおり凄腕の軍人であった。
あの程度の襲撃者にあっさりと暗殺されるなど考えらやしない・・・。
「今のと同じ方法でスパムがあったらプリントアウトして教えて」
小声で言うリナの声にケインは軽く頷いて見せた。
「朝方はあんなにお天気が良かったのに。なんだか曇ってきちゃいましたね」
セイルーン王室、そして第二王女のアメリアは大きな開け放たれた窓から見せる空模様を残念そうに常に付き従っている侍女頭の女性に言った。
「確かに。昼食会が執り行われるのに雨というのは・・・」
「すまぬすまぬ!アメリア!すっかり遅くなってしまったな〜〜」
やおら扉を開き、部屋にやってきたのはこの国の国王であるフィリオネル殿下であった。
「父さん。それで・・アルフレッドの一軒は?警備体制などは大丈夫ですか?」
許されるものならば私自身が指揮をとってもいいくらいなのですが・・・・。
日頃から厳しい侍女頭の目もある。こんな事態では庭を散歩することすら許してはもらえないだろう。
「警備体制に関して言えば問題は無いのだが・・少々気になる情報を小耳に挟んでな?」
「気になる情報・・ですか?」
うむと、といかけるアメリアに一言だけ返し。意を決したように国王は言葉を続ける。
「今回の警備の主任は本部からの指揮ではあるが・・お前も知っているゼルガディス殿が受け持つことになった」
「ゼルガディスさんがですか!ならば・・完全に安心しても大丈夫ですね!!!」
正直、新しくZPUのチーフとなったナイトメアをアメリアは・・・・そして恐らく内心ではフィリオネルもだろう・・好いてはいないのが現実だった。
「現場担当はチームを指揮しているルーク殿。そして・・そのサポートに入るのがインバース元帥の甥子である・・」
「お名前は伺っています。ケイン・ブルーリバーさんですね。5年前にアルフレッドを救出した任務に小なりですが関与してくださったと聞き及んでいます。ついでに言えば。インバース元帥には私と同じ年齢の娘さんもいらっしゃると聞いていたので一度お会いしたいと思っていました」
このような機密事項を聞いても顔色一つ変えずに侍女頭が佇んでいるのをフィリオネルは再度確認し・・・。
「5年前のアルフィレッド救出に関わった軍人が3人抹殺された。そして・・内密だが今朝方。軍人に対する襲撃が成功した其の後・・ケイン殿にも襲撃が会ったと聞き及んでいる」
「・・・なんですって?それは本当ですか?父さん!!!」
「うむ。ZTUの沽券にも関わることなのでナイトメアはこの一軒をもみ消す方針らしいのだが。ケイン殿は偶然一緒に出勤をしようと思って立ち寄った従姉妹のリナ殿。そう・・インバース元帥の娘御によって救われたとの事だ・・」
暫しの沈黙。そして。
「そうですか。何かが・・動いているのは確かですね。何はともあれ父さん。私、昼食会にケインさんがやってきましたらお話を伺ってみたいと思います。ZPUの・・一部上層部が事実の揉み消しをしてしまう前に・・・!!!」
「うむ。それが良いだろう」
しばらくは単調な仕事が続いていた。優先事項はセイルーン昼食会の警護耐性。
人員のほかにも最新の兵器やコンピューターシステムが導入された。
それらを統括し、指揮に本部からあたるのはゼルガディス。
ついでに言えば調査の結果、グラウシェーラは現在海外逃亡をしているとのこと。
だが・・妖しい(強いて言えばそれらしき人物)が偽造パスポートを用いてセイルーンに入国したかもしれないという情報は既にリナ達の耳に届いていた。そんなときだった。
『本日の世界の天気・・雨・雨・雨・・・』
不意にプリントアウトされた紙にうつし出されるのはともすれば単なる「スパム」と受け取れる下らない内容のメールのコピーだった。しかもご丁寧に態々、HTML形式で送りつけてくれた様子だった。こんなもん・・シュレッダーに掛けて破棄するまでも無いわよね・・・。
勿体無いしメモ用紙に使ってもいいくらいだ。ケインもしかしてバカにされてるわけ?
そんな思いでリナは更に用紙の下の方に目を移せば。
『残ってかく乱せよ』・・・・・・・・・・・・・・・。
「なるほどね・・・」
何気なく視線だけで窓の外を見遣れば外は既に雨雲が広がりつつある様子だった。
「ま、連中に言われるまでも無く。この調子じゃ作戦には参加できないだろうな」
憎憎しげに窓の外を見遣る彼に同調するかのようにリナも今度はしっかりと顔を窓に向けて空模様を確認する。
そんな彼女達の様子に気がついたのだろう。
「痛み出したの?」
隣に座っていたミリィがケインに向かって心配そうに問いかけた。
「まあ、な・・色んな意味で・・」
これまでナイトメアに弱味を見せたくないということで雨天でもその弱点を露にはしなかったのだが。今回ばかりは敵に「其の事」を知られているという事実もあるようだ。
「どうしたっていうんだ?」
おそらくリナの異変に敏感に気がついたのだろう。
ガウリイが心配そうに立ち上がって声をかけてくる。
「えっと・・・」
お茶を濁すように、リナ、ケイン、そしてガウリイを代わる代わる見ながら困り果てた表情を浮かべるシルフィールに・・・。
「かまわね〜よ・・周知のことだ。それにソイツは俺の従姉妹・・リナの相方になるんだろ?隠したところでソンになるだけだ・・」
リナの放った非難を含んだ視線に臆することなくケインは言った。
「雨が降ると。五年前に受けた古傷が痛むんだよ・・耐えられないほどにナ!」
そうこういっている間にも既にあまぐもは広がりだし。防弾の二重ガラスのZPU室内には響き渡りこそしないものの相当な雨量がセイルーン一体に降り注いでいることは湿度の変化から明らかに完治できた。
「悪ぃ。今回の任務。元・リナ専属のボディーガード、スナイパーだったんだろ?俺と代わってくれないか?」
肩口を押さえつつ、僅かに額に汗を浮かべつつケインに。
「な・・・ケイン!!!!??」
自身が犯人達の命令に従って本部に残留するためか、あるいは本気で痛むのか?
「俺は構わないが・・だが・・」
チラリと視線をリナに向けつつ、なにやら言いよどむガウリイに。
「バカにしないでよね。言ったでしょう?あんたみたいな保護者はもう要らないって!自分の身ぐらい自分で守れるし。任務だって遂行してやるわよ!!!」
「ガウリイと一緒に行動」という部分は気に食わないがケインの意図はよく分かっている。
あくまで「新人」であるリナはグラウシェーラの一味に顔が割れていないのが事実であること。そして・・元来「一匹狼」的な仕事が多かったガウリイも・・例えガブリエフの一族ではあっても・・あまりに知名度が低いという事実。
この二人ほど今回の影からの密かな・・キャナルの救出・・という任務に適任はいないだろう。無論、リナがその事実をガウリイに話すことは絶対にありえないのだが。
「何とかアイツ・・ガウリイを巻いて。キャナルを攫ったやつをとっ捕まえて居場所を聞き出すわ」
「頼む。俺に期待はしないでくれ・・むしろ・・・」
「かく乱する立場に回らなければならない。理解しているわ。自力で切り抜けるから」
はあ・・とため息をつきつつ、部屋から出て行くリナを大慌てでガウリイが追いかける。
「大丈夫なの〜?あの二人で」
「ああ・・ミリィ・・・。むしろ。リナがガウリイを追い払ったりなんかしないで・・見方として傍においておいてくれたほうが心配は少ないんだが・・」
完全に「ガブリエフ一族」に対する嫌悪感の塊になっている彼女に対してそれは不可能な要求といっても良いだろう。
冷静に考えてみれば日頃から一族とは距離を置いている・・実際にケインの情報網にもそうデータされていた・・ガウリイが兄と通じていることなど5年経過した今でも信じがたいことなのだからだ。
「そういうモンかしらね〜。ま、アタシだってアンタに何かあったら全力でサポートするわよ。ケイン、なんたって4年間もの間の相棒だもんね♪」
「あ。助かるよ・・ミリィ」
苦笑交じりにケインは答えるしか方法は無いのだった。
出来るものならこのミリィの信頼だけは裏切りたくは無い。
「言っておくけど!この白線から近づいたら撃つわよ!!!」
がちゃりっとトリガーを構えつつ、チーム専用のヘリに乗り込み開口一番リナはガウリイにそう言ってのける。
「ルーク〜〜〜」
半ば泣き出しそうな顔で隣に座っているルークに助けを求めるガウリイだったのだが。
「ま、諦めるんだな。嫌われて当然だろ?お前の立場的に。俺自身ガウリイ、お前に怨みは無いが。リナの気持ちのほうが実感としてよく判るんでな」
歓迎されていない。まあ、そのことは親しい友人・・ゼルやルークの態度からしても良く分かった。ガウリイ個人は好きでも「ナイトメア派」に属する人間が増加するのは必然、彼らの首を締め付ける材料にもなるからだった。
中立的な人間といえばせいぜい直接任務には関与しない・・庶務をつかさどるシルフィールを筆頭とする人々や警備課の人間くらいのものだろう。
はあ・・とため息をつきつつガウリイは意を決したように言葉を紡ぐ。
「リナ・・5年前のことなんだが・・・」
「今は任務に集中して!ケインみたいに古傷こそ痛まないものの・・・。あのときのこととアリシアを失脚させたこと!あんた達一族が仕出かしたことを思うと・・・今のアタシこそ何をしでかすか分かったものじゃないわよ!!!」
ギュとトリガーを握り締めつつ言うリナの声は何時になく上ずったものとなった。
あの時。アルフレッド大公の誘拐事件は各方面にも大きな巻き添えをもたらした。
それに乗じ、頭角を現したのがガブリエフ家の一族であり・・・・。
「大公を危険に巻き込んだ」という事実上の責任はZPUのチーフであったアリシアが・・ほとんど無実であったのにも関わらず・・一人で背負わされることとなったのだった。
尚もヘリの揺れに任せてガウリイは無言のリナの顔を盗み見て心の中で独語する。
良かったな・・額の傷。完全に治って・・・・。
大掛かりなある意味で「クーデター」並みの交戦が国家要人の在住する地域で行われた初めての事件だった。
戦闘に参加することになった従兄弟が心配だ・・・・・・・・・・!!
まだ19歳だったリナは激戦地域と化した市外を走り抜けて当時、彼女の警護焼くとして雇われていたガウリイとはぐれてしまった。
必死で探し回り・・・やがて戦闘が終息した時点・・アルフレッド大公が無事に保護されたというニュースが流れたその時だった。
額から血を流し、意識を失ったリナをやっと見つけ出したのは・・・・。
その後、ガブリエフ家の権力が拡大しインバース元帥の権限が必然的に縮小されてしまったこともあり・・そしてリナ自身を守りきれなかったという痛恨の事実もあり。
彼女には会うことも。見舞いに行くことも許されなかった。
その・・。後だな自分がリナのことが大好きだったと気がついたのは・・。
真坂、今になってここまで嫌われているとは思いもよらなかったのだが。
もしもリナが昔の記憶にあるようなリナでなく、冷酷かつ計算高い人間になってしまったとしたら。
責任の半分以上は自分にあるということになるだろう・・・・・・・・・。

『セキュリティを改変し、我々のスナイパーを会場内に潜入させろ』
何度目かの連絡になる一見すれば意味不明の文字の羅列・・趣味のいい嫌がらせに見えるスパムの暗号を解読したケインは舌打ちをする。
「・・何とかこの情報をリナたちに伝えないとな・・」
だが。間の悪いことに既に彼女は出立し、ともすれば今から自分はセキュリティを撹乱してフリーパスで敵のスナイパーを通過させるようシステムを改変させなければならない。
さもなければ・・・・。
見事に指紋・顔写真を隠したデータベースがやはり単なる嫌がらせのメールを装ったかのように今度はケインの携帯電話のアドレスに送り込まれてくる。
中枢メインコンピューターに出かけてそれらの言語を入力しろということか?
だが。中枢に出かけるからにはそれ相応の理由も必要となるだろう。
上からは監視するかのようなナイトメア派のあの女秘書、カーリーの視線が注ぐのが分かる。さてさて・・・どうしたモンかな・・・。
「きゃあ!!!!」
ばしゃ・・べちゃ・・ばりり・・・・。
「バカ!何やってるんだよ!!?」
不意に考えに沈むケインの思考を破ったのは隣に座っているミリィが飲んでいたコーヒーをよりにもよってケインの私用している機会系統に零し・・不快な音が当りに聞こえたその時だった。
ざわり・・・!周囲から非難とも驚きとも思える視線が此方に向かって集中する。
「何事なの?」
「大丈夫です、カーリー秘書!データとハードは全然無事です!やられたのは電話回線につないでいるモデムと衛星につないでいる計器だけですから!」
ぱたぱたと手を振りつつ答えるミリィにケインはジト目で。
「けどな・・その間は一般的なインターネット・・ついでに言えばワードとエクセルしかつかえないだろ・・。同じモデムに取り寄せるまで1時間はかかるじゃねえか・・?仕事、ど〜するんだよ?まるっきり普通のPC機能だけだろ・・ったく!」
ジト目で見遣りつついうケインにミリィは一瞬だけ軽くウィンクをして見せつつ。
「秘書、中枢コンピューター使用を許可してもらえますか?」
「・・まあ、構わないけど。1時間きっかりにして欲しいものね!」
「恩に着るぜ、ミリィ!じゃ、ちょっくら中枢で仕事を継続することとすっかな!」


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1809124時間戦えますか♪P.I 2007/5/13 16:02:37
記事番号18090へのコメント

CANARUさん、こちらではお久しぶりです〜(笑)
今回は徹底的に嫌われてるガウさん、リナの信頼を取り戻せる日はいつ来るのでしょーか?・・・少なくともトイレ前で待ち伏せしてる間は絶対にムリそうですが(^^;)
24時間頑張るZPUの面々ともども、CANARUさんも頑張って最後まで書ききってくださいね!
個人的には裏でごそごそしているキャナルちゃんの動向が気になります(笑)ケインと無事連絡をとって、二人でなにかやらかしてくれるのでしょうか?
続きに期待しています。それではまた!

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18093ありがとうございました〜〜♪CANARU 2007/5/14 10:19:46
記事番号18091へのコメント

こんにちは!
早速の感想を有難うございました!!
ガウリイ・・・気がついたらすっかり嫌われている設定になってしまいました(苦笑)
果たして名誉挽回のチャンスはあるのだろうか???
そして件のキャナル。
気がついたら此方もまた裏でコソコソと・・・??
続くも早速投稿させていただきました(笑)
これからもよろしくお願いいたします〜♪

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1809224 -TWENTY FOUR-4CANARU 2007/5/14 10:17:58
記事番号18090へのコメント

AM10:00〜AM11:00
「済まないが事を公にしたくないのがセイルーンの宮廷側の意向だ。本当に申し訳ないのだが警備の人員を通常時の数にだけに削減するか・・あるいは」
「ああ、分かった。適当な場所に潜ませる形の配置に変更する。とりあえず、昼食会の始まるまでの1時間の間だけだが。落ち着かないようだったらその辺をブラついてきてもいいんだぜ?」
いつになくそわそわとした様子のリナに目を留めてだろう、ぱっと見の警備の人員をとりあえず減らすという目的もある。
「そうするわ。・・あたりの見回りでも何気ない様子をしてしてくる。この中で一番一般人に近い格好なのはアタシだし。宮殿の周囲を散歩しているように充分見えるわね?」
事実、其の通り。この場にいるルークを含むチームの男連中は見るからにというような武断チョッキを身に着けていることに対して・・日頃から妙に見栄えを気にしているケインとリナは黒っぽい色に近いこげ茶色の防弾コートを身に着けていた。
無論、いざというときの動きに関して言えばチョッキほどに融通が利くものではないだろう。しかもケインのコートはリナのソレと違い、襟のたったタイプで周囲の顰蹙や冷やかしを良く買っているのも事実なのだが。
万一それを馬鹿にした日には頭を蹴り飛ばされても文句は言えないだろう・・・。
ついでに言えば。瞳の色こそ違うもののリナと良く似たケインの女顔をバカにするのも正直言って相当の勇気が必要な行為である。
まあ、何はともあれ。リナが日頃防弾コートを愛用しつつも文句は言われないのはケインとは違って妙に似合っているから・・それだけだった。
最もきっちり規則違反で僅かながら減俸されててはいるんだろうが・・・。
「そ〜だな・・・」
肩に愛用の道具の入った取り出しやすいショルダーバッグを引っ掛けさっさとセイルーン宮殿の庭を横切り、門を抜けて大通りに出るリナに適当に答える。
「あ、一寸リナ〜〜待ってくれよ!」
大慌てで追いかけるガウリイにリナが僅かに舌打ちするような表情をしたことをルークは見逃さなかったが、まあ何時ものことだろう。
「ゼルガディス。聞いただろ?とりあえずだが・・昼食会が開始されるまでの1時間」
『ああ。分かっている、配置変更だな』
小型の通信機を使って大雑把な情況を本部で待機するゼルガディスに伝える。
「何か変わったことそっちではあったか?」
『別段に。強いて言えば・・一寸したトラブルで1時間ほどケインが中枢コンピューターで仕事をする。それだけだ』
「了解・・・」
中枢コンピューターね。もしかしたら、リナと従兄弟であるアイツが連絡取り合うこともあるかもしれないし。
「リナ!待ってくれよ!!!」
小走りでまるで逃げ去ろうとしているかのように路地を走っていくリナを追いかけようとするガウリイの背中に大慌てでルークは。
「おい、ガウリイよ!!リナの従兄弟のケインだが。11時まで中枢コンピューターシステムのある部屋に居るそうだ。リナに伝えておいてくれ!」
「リナ〜〜〜!待ってくれよ〜〜〜!!!」
ルークの大声には返答すらせず、全速力でリナを追いかけていくガウリイに。
「ったく。聞いてやがったんかね?あいつはよ〜〜?」
今度は苦虫を噛み潰したような顔をしつつルークが舌打ちを打つのであった。
「何処に行こうって言うんだよ?リナ〜」
「別に。アンタが居ないところよ・・・・」
「リナ・・・・・・・・・」
地なんだか。それとも、わざとそんな風にあえて彼が振舞っているんだか皆目見当すらつかないのだが。
キャナルとケインのこともある。さっさとこの男の付きまとい・・いや・・あるいは監視下?の視線が届かないところへいくことが先決事項であった。
そろそろケインの元に犯人達・・それが今回のアルフレッド大公暗殺事件の首謀者と目されるグラウシェーラの一党と同一犯なのかはわからないが・・・要求が届いていてもおかしくは無い時間帯である。
何とかしてケインとコンタクトを取らなくてはならない。手段としては今朝方から私用している短時間ならば盗み聞きされないあの携帯電話という手があるのだが。
ナイトメアのスパイであるこの男に終始張り付かれていたらそれすらも不可能だろう。
「ったく。何とかできないものかしらね・・?」
そう言いながらリナはハンディ・パソコンをバッグから取り出す。
「リナ?それは・・・??」
「妙な電波が出てないか探知できるソフトを組み込んでるパソコンよ・・」
それは事実。だが、敵を探すために使用しているのではない。
もしかしたらケインが何らかの手段によってコンタクトを取ってくるかもしれないという手段にかけたため準備したのだった。
まったく・・どうなっちゃているんだかね・・・・。
「さってっと、準備完了。とりあえずメール機能は仕方が無いからウェブメールを代用するとしても・・ま、とりあえずハッキングくらいは出来るかな?とりあえず。最悪の場合はニーナ先生の携帯にメール入れるつもりだけど。とりあえずZPUのパソコンに侵入して・・ケインの様子を探ることも可能かしらね〜?そっれにしても。まずい紅茶!入れ方がなっていないのよね。色合いを美しくないし!コンロ爆発させたとしても・・。
今日という今日ばかりはミリィの入れたアッサムが懐かしいわよ!!よっし接続は完了ね!パスワードは・・・・「ソード・ブデイカー」っと・・」
兄の留守中、こっそりとZPUのパソコンに侵入し・・・最も祖母のアリシアにバレて大目玉を食らった経験はあったが・・そのスキルを生かしてキャナルは旧世代の遺物で不安定な情況ながらもネット接続可能な『ワープロ』を使用して回線に見事侵入する。
「接続終了・・どうやら今回は思いっきりビンゴ。中枢コンピューターに接続できたみたいね。・・なんとかここからケインの・・あるいはリナのかな?作業情況に接続して・・っとと・・何よ・・これ!!!」
これまで傍観していた中枢コンピューター・・よりにもよってセイルーン王室のセキュリティ・システムに何者かが侵入した形跡をキャナルは発見し驚愕の声をあげる。
「解読には時間はかかりそうだけど・・このコード?何かシステムのプログラムを書き換えている?いえ・・何かを追加プログラムしようとしているのかしら・・?」
判読はやはり時間を掛けなければ不可能だという事実もある。
だが、何時までもZPUのよりにもよって中枢に侵入しているわけにはいかないのも事実だ。
「所詮人間、最後の勝つのはアナログって事かしらね〜〜?はあ・・筆記ってマークシート以外苦手なんだけど・・コピッペできるモンでもないしね・・」
溜息をつきながらキャナルはどんどんとセイルーンの警備システムに書き込まれていくコードを無造作に放り投げられていた学校用のカバンに入っている筆記用具とノートを取り出して書き写していく。
「30分もあれば解読は出来るかしらね?けど・・なんでZPUの中枢からこんなコードが?
真坂・・ケインやリナに何かが起こっているんじゃなければいいんだけれども。とてもじゃないけど。ニーナにメール連絡を取れる情況じゃ無さそうね・・」
この全文を書き写したら速攻でCATVのネット回線を遮断しなければ恐らく危険なことになるだろう。
尚も続くコードを手早く『源氏物語の授業用ノート』と書かれた一番真っ白な帳面に書き写しながらキャナルは深く溜息をついたのだった。
「そ〜なると。やっぱり・・」
こちらも心もとないことはこの上ないのだが。お手製の電話を使って連絡を取るか。
「まったく。二重画面だと効率が悪いな。それに・・キャナルのように速攻にプログラムが打ち込めるわけではなし。ましてや解読なんて。10年かかっても不可能だな」
とりあえず送りつけられた長文のプログラムを敵が支持したとおりの手段で中枢コンピューターからセイルーンの警備システムに侵入してケインはプログラミングしていく。
何時文句を言いにカーリーが現れても不思議ではないこの情況。
自分の仕事・・グラウシェーラ一味の動向、そして・・自分の代わりに現場に送り込んだリナに何とかこの情況を伝える手段に頭をひねるしかない。
次にセイルーンのプログラム改変以外に送りつけられた・・恐らく敵同士の連絡事項を記したプログラムだろう・・に目を落としつつ今度も指定されたナンバーを入力しつつ打ち込みを続ける。
相変わらず続く解読不明のコードを打ち込みながらも唯一分かることといえば。
ZPUに所属している主要メンバーの特徴がコンピュータ言語に挟まれつつも通常の英文で書き込まれていることぐらいだ。
「目つきが悪い・・粗雑チームの首領。ああ・・ルークのことか。ZPUナンバーワンの腕を持つ金髪の27・8の女・・ミリィか。それにナイトメアの特徴やカーリーの特徴まで詳細に書き込まれていやがる・・。この様子からすれば、まだリナについては知られては居ない様子だな」
彼女がグラウシェーラの一味・・あるいは単にキャナルを誘拐した別の組織か?にその存在をまだ認知されていないとなれば行動に相当の自由が生じる事となる。
ほっと一息つきつつ、ケインが改めて次の文書をタイプしようとしたその時だった!
「あれ?なんだか。妙に打ち込みの速度がニブった様子だけど?妙ね?てっきりアタシはZPUの中枢が何者かに使用されてリモートされてるとばかり思ったんだけど・・」
不意に『女』という文字だけを打ち込んだコードとコードの間に挟まれた文字が・・カーソルの動きだけを残して其処で点滅を繰り返し。
数分間タイムラグかな?とも考えて再びタイプが再開されるのを待ったもののその気配も無く。小首を傾げてキャナルは鉛筆のシンを面白く無さそうに舐める。
「妙ね〜〜?って・・・あ、やっと動いたわ」
ZPUの主要メンバーの特徴を示したその文章が再び画面に徐々にタイプされていく。
『女顔・・年齢27・8歳』・・・・・・・・・・・・・。
文字に、僅かな怒りが含まれているように見えたのは多分気のせいではないだろうな。
『襟を立てた奇妙なマントのような防弾チョッキを愛用。態度は悪し』・・・・。
尚も苛立ちとも躊躇いとも、あるいは怒りに震えているとも受け取れる速度でその特徴はタイピングされていき・・それと同時にキャナルの脳裏に一つの可能性が浮かび上がる。
『ケイン・ブルーリバーの特徴』
「まさにビンゴね!ケインに対しての禁句に。そんでもって・・」
このプログラムと文章をタイピングしているのは間違いない。
「アタシの命を盾にとって脅されたケイン自身って所ね〜?こんな下らない禁句で激怒するのはうちの兄貴くらいなもんだしね・・そうなると・・」
恐らくケインは何らかの手段を使って現在、「一人」で中枢システムのコンピューターを操作しているといったところだろう。
「ケインの携帯電話の周波数にセット!よっし・・この調子ならなんとか連絡はとれそうね・・。無事にこのお手製電話がケインの回線と繋がるまでの間に・・・」
このプログラムを解読できればいいんだけれども。
そう思いつつキャナルはちょうど終了したプログラムをノートに全部書き写し。
「念のためね!」
今日の家庭科の授業で使用するはずだった裁縫用の鋏を用いてCATVの回線を根元からすっぽりと切断するのであった。
「何事も無かったように振舞うというのは割と難しいものですね・・」
ふうっと溜息混じりに第二王女、アメリアはZPUの本部と連絡を取るべく特別な回線の電話からかけたゼルガディスへのコールで本音を漏らした。
「分からないでもないが我慢はして欲しい。此方も全力を尽くして大公暗殺の犯人と目されるグラウシェーラの行方を追跡している真っ最中だ」
「分かっています・・・」
あの男はアメリアが、そして第一王女であるグレイシアが生まれる以前からの反セイルーン王室の急先鋒主義者であった。
元来「永世中立国」の名前を持つセイルーンではあったがその平和は強大な自国開発による武力によるものであることはいうまでもない。
それが、代々のセイルーンの・・立憲君主とはいえある程度の意向は尊重される・・国王達の主義であった。
しかし、彼らは王権を廃止し、完全議会民主制・・それも大部分を穏健派の元帥であるインバースと違ったタカ派のしめるを要求してはばからない活動を何十年も前から行っているのであった。
インバース元帥もそのような存在を軍内部に相当数抱え込んでいるだけにやりにくいことこの上ないだろうな。
更に言えば。彼らは(名目上だけだが)議会民主制を要求した暁にはセイルーンが自国安全のために開発した兵器や軍事システムのノウ・ハウを紛争地帯の国家や独裁国家に売り払おうという考えを持っているのだ。
一時的にソレは大量の金子をセイルーンにもたらすことはまずもって間違いは無いだろう。
だが・・其の後の平和は・・世界のパワーの均衡を考えればゾっとする事態であることは先見の明を持ったものであれば明らかなことだろう。
しかし、現状とてお世辞にも最上のものとはいえないことは5年前の出来事で頭角を現したガブリエフ一族を見ればよく判ることだ。
彼らはセイルーン独自の超システムではないにしろ・・・。
世界各国の死の商人と通じ、恐ろしい取引をしていることは明らなのだから。
「何とか・・。ナイトメアを失脚させることが出来ればいいんですけどね・・」
各自的な証拠が無い。隣に控える侍女頭の咎めるような視線に続き。
『いくら盗聴不可能な電話回線とはいえ。滅多なことはいうもんじゃないだろう。ましてや現状だ』
「そうですね・・・」
ゼルガディスの声に今度ばかりはアメリアも殊勝に頷いて見せた。
ありがたい事に「武器を扱う」という共通の事項に対してナイトメアとグラウシェーラの一党は利害が衝突しているのが現状である。
「なんとか。今回だけは乗り切れそうな気はします・・あとあとの厄介ごとに目をつぶるとすれば・・ですが」
かといって。王女であるだけの自分に何が出切るというのだろうか?
ぴるる!ぴるる〜〜〜!
リナ同様に数秒間でも盗聴不可能な電話を持っておくべきだっただろうか?
そんな事を考え始めたケインだったが不意に腰のポケットに無造作に突っ込んでおいた携帯電話が鳴り響いたのに気がついた。
「もしもし!?」
見知らぬ番号ではあったが・・・・・条件反射的に手にとって答えてみせる。
『ケイン!ケイン・・アタシよ!!!』不意に聞こえてきたのは良く見知った妹の声。
「キャナルか!!!?今、何処に居る?」
『分からないわ。けれども・・どこかのアパートに居ることだけは確か。窓は完全に塞がれているの。けれども・・・そう遠いところじゃないと思うわ!セイルーンの市内であることだけはたしかだと思う!!』
「市内・・ねえ・・。いいか、キャナル!何があっても電話を切るんじゃないぞ?分かったな?今からリナに連絡を入れる!!!お前の救出に向かわせる!!待っていろ!!」
まあ、当たり障りの無い表現をしてリナに連絡を入れる間には全然問題は無いだろう。
キャナルと通話中の携帯電話はそのままにしつつ、ケインは中枢室のデスクに備え付けられていた固定電話に手を伸ばし・・・。
「インバース」
突如として携帯電話に掛けられたZPUのナンバーが表示されたコールに警戒をしつつもリナは電話のスイッチを押す。
『リナか?俺だ。今、些細なトラブルがあって中枢室に居る。偶然だが妙な電波をPCから感知した。お前、調べてくれないか?』
「妙な電波・・・?」
まあ、計器を持っているので断りを入れる理由は無い。
「一寸待っていて。あ・・・あったわ・・・。セイルーン宮殿からざっと数百メートル先って所。けれども・・妙な電波という割には随分粗雑な感じよね?通所の電話回線以下って雰囲気の信号だけれども・・・??」
通常、反逆者が使用する高度な信号に慣れているためか。
リナは明らかに不信そうな表所をしつつ、その微弱な信号の表示が点滅している画面を眺めつつケインに告げた。
『構わない。とりあえず・・時間があったら突入してくれ!!!』
無茶な注文だということは重々承知していた。だが・・・・。
「・・・分かったわ・・・」
恐らくコレはキャナルと何らかの関連があるのだろう。
セイルーンの昼食会が開催されるまでまだそこそこ・・数十分の時間が残されていることを確認しつつリナは其方の方向に向かっていく。
「一寸待て、リナ・・何処へ行くんだ!!?」
しつこく追ってくるガウリイは完全に無視。何とかこの男を巻いて現場へ急行しなければならないだろう・・・。
「モデムと回線が復旧したわ。貴方のデスクに戻って。ケイン」
幸か不幸か?それとも先程リナにかけたコールを感づかれてしまったのだろうか?
無遠慮にノックもせず、何処か小ばかにした表情を浮かべたカーリーが中枢室に入ってくる。
「ああ・・分かったよ・・・」
とりあえず。ポケットに突っ込んだままの携帯は未だにキャナルから掛けられた電話が受信されている状態を保っている。
「何とか、間に合ってくれればいいんだけれどもな・・・」
僅かな期待を込めつつ、ケインはリナの帰還を・・そしてキャナルの救出を待つしか手段は残されては居ないのだった・・・。
「ZPUよ!!!!」
ずだあああああああああああああああああああああああん!
感知した信号の発されているアパートに踏み込んだリナは即座にドアの前で待機していた男を問答無用で蹴り倒す。
「この!!!」
一斉に銃口が此方に向けられることは充分想定されていたこと。
「とっくに熱探知機でこの部屋の間取りは見越しているわよ!!!」
そして。部屋から感知した人数・・・すなわち遠赤外線で見た熱分布では・・ざっと踏み込んだ先にいる人数は3~4人。
其の隣、微妙な電波の発信源に感じたのはわずか一人分程度の熱赤外線図。
と、なれば。そこのキャナルが所在していることは明らかな事実である。
見事に間取りに沿って身を潜めたリナが完膚なきまでに撃退するにはさほどの時間もかからないことであった。
「ミッション終了よ、ケイン。ただ今からキャナルを救出にかかる!」

「リナ・・・・・・・・・・・!!!!」
「完了したところよ。怪しい連中が居たんでね。アンタはただ、回収してくれればいい」
遅れてやってきたガウリイにリナはまるで何事も無かったかのように言い放ち。
「この手口・・・真坂・・な・・??」


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18095次こそは・・・!P.I 2007/5/17 23:00:46
記事番号18092へのコメント

CANARUさん、こんばんは♪
インバース一家の見事な連携プレーで無事キャナルちゃんが救出されて良かったですね。
でも今回のガウさん、リナにくっついてまわってるだけでいまだ汚名挽回できてないし・・・ってゆーか、むしろ全然役に立ってない!?(^^;)
次回こそはカッコイイところを見せて欲しいものです。
頑張れ、ガウリイ!頑張れ、キャナルさん!!
それではまた〜(^0^)/

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18096くっつき虫(笑)CANARU 2007/5/18 08:38:28
記事番号18095へのコメント

早速の感想ありがとうございました〜〜!!
ガウリイ・・少しは活躍させようと思ったのですが
結局今回はリナちゃんの「くっつき虫」(でもって・・相変わらず
無視されてる・・)になってしまったなあ・・と改めて(苦笑)
次回はついにセイルーン宮廷に・・・!
気長にお待ちくださいデス〜〜〜(汗)

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1809824 -TWENTY FOUR-5CANARU 2007/5/19 01:54:55
記事番号18092へのコメント

AM11:00〜PM12:00
「まったく。アイツは何処ほっつき歩いてるっていうんだかな?」
別段苛立った調子でこそはないもののルークは僅かに口調を荒げて一人ゴチる。
セイルーン主催の昼食会は既に貴賓を向かえ開始されようとしている。
それに合わせて・・これまで分散していた警護の人員が・・・何気なさを装いつつもぞくぞくと王宮周辺を固めに入っているというのに。
無論、普通の感覚で考えれば新人の組織員のリナ、そしてある意味で「敵対者」でもある「お上」の身内であるガウリイなどは居ても居なくても同じ・・・。いや、むしろ後者の方は持ち場を離れていてくれたほうが何かにつけてやりやすい部分もあるだろう。
だが。正直、この場の警護に集まった人員の半数を割いたとしても。
「・・『連中』の戦力は正直、必要かもしれね〜んだよな・・・」
あのカンズェルをアッサリと暗殺した相手ともなればそれはなお更の話でもある。
「ルークさん。何かおっしゃいましたか?」
不意に背後から声をかけてきたのは来賓たちに軽い挨拶を済ませたアメリア姫だ。
「ああ・・いや・・別に」
今の独り言を聞かれただろうか?まあ、聞かれたとて・・「意味」さえ分からなければ。
などとどうでもいいことに頭をめぐらせながらルークはアメリアの方向へ視線を移す。
「ところで、インバース元帥の甥子さんのケインさんにお会いしたいって思っているのですが・・。何かと元帥にはお世話になっていますし」
どうやら。今の独り言は完全にアメリア姫の興味の対象になるものではなかったらしい。
やれやれ・・・と、一呼吸をおきながらルークは王族相手にも態度を崩すことなく。
「ああ。ケインならば・・」
と、ここまで言いかけ、さて・・どうしたもんか。5年前のことを今、ここで(今朝暗殺されたばかりの従兄弟のアルフレッドの事でもあるし)アメリア姫に言ったものか・・?
と、思案をめぐらせ更に一呼吸し。
「体調不良だ。無論腕の立つ代理とアシストは立てたが。まったく何処をほっつき歩いているんだかナ〜?」
周囲を見回せばまだ二人が戻ってくる様子は無い。
ぞくぞくと集まる招待客やセイルーンや内閣の関係者達。
其の中に何名が何処か尋常ではない気配を放っている連中も見受けられはするのだが。
・ ・・・どっかの招待客の財閥の施設の警備かなんかだろうか・・・???
まったく。金持ちのすることはわかんね〜〜なあ・・・。
半ばやっかみも交えて見遣っていた連中がセキュリティをパスする姿にルークはさしたる感慨も無く、リナとガウリイが戻ったかと再びあたりをキョロキョロと見回すにとどめる。
「代理とアシストさん・・ですか?」
少しつまらなそうな口調で答えてくるアメリア姫の声にハっと現実に戻される。
「ああ。代理はこれまで単独行動を好んできた凄腕のヤツだが。今日付けでZPUに配属されたガウリイと言う男だ」
セイルーン王室は決してナイトメア・・そしてガブリエフ一族に好意的とはいえない。
無論、王族は政治に介入しないということが大原則の立憲君主制。
だが、アメリアの感情・・強いて言えば自身や組織の信用問題に関わることなのでルークはあえてガウリイについては名前を言うに留まった。
「で、アシストさんと言うのは?」
「リナ・リナインバース。24の小娘だが。ま、そこそこの腕は・・・・」
と、何気なく言い放った其の一言に不意にアメリアの瞳が輝き・・。
「リナさん・・リナさんですか!あの・・インバース元帥の娘さんの・・・!実は私、5年前から大ファンで一回お会いしたいと思っていたんですよ〜〜〜♪」
「・・・ご・・5年前・・・」
アメリアの言葉に「真坂・・!」と、ギクリとしながらルークは問いただすのだが・・。
「はい!何でも。町で屯しているチンピラを腕っ節一本で片付けたっていうじゃないですか♪警察も手を焼いていた札付きの暴走族を知恵で撃退し・・・社会の味方です!」
「・・そっか・・社会の味方か・・あははははははははは・・そっか・・あはは・・」
アイツがよりにもよって社会の味方・・ねえ?
この台詞、ミリーナに言ったら普段クールビューティーで通っている彼女すらコーヒーをむせ返してしまうかもしれない・・・・。
「おい・・ゼル、聴いたかよ?」
無線機を通してこの会話を聞いているであろうゼルガディスにルークは小声でごちる。
『聞きたくなかったが聞いちまったぞ・・。それにしても、詳細は不明だが此方もあわただしくなってきた』
「?何かあったのか?」
『ああ。今、俺のモニターにも地図が送られてきたが。市街地のセイルーン宮殿から程遠くないアパートに小規模ながら人員が派遣されることになったらしい。ケインの話によればリナが偶然ながら何らかの行動を起こしてくれたようだ』
「・・・アイツがか???」
よくは判らないがそれなりに緊急の行動を起こさざるおえない何かを発見し。
彼女が・・(リナの性格からしていくら付きまとっていても嫌っているガウリイの手を借りるなどということはまず無いだろうし)単独で解決したということだろうか?
「まあ、放っておけば戻ってくるだろうな」
とりあえず。今は総力を挙げてこの現場の警備に当たることが先決である。
「ああ〜♪早くリナさんにお会いしたいです〜〜〜」
まったく。それにしても・・・・。
「知らないって事は幸せなことなのかもしれないな・・・」
溜息をつきながらルークは再び人員を配置先に突かせる作業に当るのだった。
「良かったわね〜♪キャナル!偶然とはいえ、身代金を要求される前にリナに発見してもらえるなんて!!!」
何が起こったのかなんて皆目見当のつかないミリィであったのだが。
今朝のケインとリナの様子からして既に彼ら二人はキャナルの身に降りかかった事実をあの時点で既に知っていた上に・・何らかの犯人からの要求を受けていたのだろう。
そして。そのことを上層部はもとよりもZPU職員全員に知らせることも出来ない情況に置かれていたのだろう。
こりゃ・・一悶着起こるわね?事態が暴露されちゃったら?
一瞬にしてそう判断し、ミリィはいかにも「キャナルは身代金目当てで適当に誘拐され」、「偶然其のあたりをブラブラしていたリナが勤務外ながらキャナルを救出した」と、もっともらしいシナリオを製作して大声で周囲にのたまった。
「え?ええ〜♪リナ姉ぇには感謝しています♪ところで・・アタシこれから学校に行きたいんだけれども?」
無論、そんなつもりは毛頭無い。ミリィのフォローがあったとはいえ。
「そうは行かないわね。ケイン・ブルーリバーも今頃は動揺していることでしょうし。貴方は今日一日ZPUの保護下に置かせてもらうわ。いいわね?」
恐らくチーム、というよりミリィの監視役として派遣されたのだろう。
そしてまた、どこかでキャナリに対して怪しい物を感じたのか、開口一番秘書のカーリーが釘を刺すような発言をする。
「押収品はほとんどゼロです」
「そう・・・・・」
鑑識の報告に無反応に近い返事をするカーリーにキャナリは内心。
(そりゃ、そうでしょ。ケインにとってヤバそ〜なモンは全部アタシと。襲撃に見せかけてリナ姉ぇが徹底的に破壊しちゃったもんね!)
べぇ〜と舌を出しつつ思ってみたいするのだが。
鑑識が手にして品々の中に自分の携帯電話、および通学に使っているカバンを発見するに至って。
「とりあえず。今日一日はZPUに居なくちゃいけなんですよね?・・問題が無かったら『源氏物語』の授業の教科書とノートだけでも返してもらいたんですけどぉ〜。ついでに。退屈したくないから普通のハンディ・パソコンを貸してもらえれば〜〜」
わざとらしくしおらしい声を出しつつ言うキャナルに。
「別にハンディ・パソコンは構わないけど。けど、何で教科書とノートを?」
「・・・宿題やり忘れちゃって。いくら事態が事態とはいえ・・先生に怒られたくないので♪」
「・・駄目じゃない。あんな良い先生に迷惑をかけちゃ!」
良い先生ね???あの「選り好み」教師が〜〜??
げろ〜〜っと思わず舌べろを出したくなったキャナルにそっとミリィは近づいて。
「カーリーもあたしたちと同じ高校の卒業生らしいのよ!でもって・・あの『選り好み教師』に・・贔屓されたクチらしいわね?」
「・・ふ〜ん。アイツがシルフィール先輩を贔屓してたことは知ってるけど!黒髪黒目が好みなのかしらね?ま、ノートさえ戻ってきてくれればどうでもいいんだけどさ」
そして。ZPUのネットワークに接続されていない普通のハンディ・パソコンを貸してもらえれば。単に宿題やりつつネットゲームにでも興じている不真面目な学生に見えるだけであって。
「まさか。ケインが打ち込みさせられた・・謎のコードを解読しようとしているなんて誰も思わないでしょうしね!」
とりあえず。ZPUに到着したら中枢コンピューターに侵入して。
ケインがセイルーンのセキュリティシステムに入り込んだ形跡だけは削除しておかねばならないだろう・・・。
「やれやれ。長い一日になりそうね〜〜。ま、こんなコード。削除が済んだら速攻解読しちゃうけどね?」
「アンタ、嫌に独り言多いけど。大丈夫?医療室に送りましょうか?」
さしものミリィもなにやら真剣になったりにやけたりしているキャナルに不気味なものを感じたらしくそういうのだが。
「あんがと。けど。それは今度『源氏物語』の授業がある来週でいいわ♪」
アッサリと言ってのけて迎えに寄越された車に乗りこむのであった。
そうこうとしている間にも「価値なし」と判断されたのだろう、アッサリと注文した品の一つである「源氏物語」のノートと必要も無い教科書・・・一冊数千円もして買うハメになった専門の学術書ではあるのだが、単位が取れ次第即刻古書店いきだろう・・、そしてハンディ・パソコンが広い車内のキャナルの座席に運び込まれてきた。
さてと・・どうしたもんかしらね?
一分一秒も時間が惜しい。チラリと見ればリナは何やらしつこく問いただしている様子のカーリーに適当な状況説明をしている様子であり、その相棒であるガウリイは車の窓の真横でいじけるように彼女達のやり取りを眺めている。
そして、現在キャナルの脇を固めるのは信頼できるミリィとやはり親しいミリーナの二人。
じゃ、古典のノートを開いても問題ないわね?
的確にそう判断し、さて・・・さしものメカ&コンピューター言語マニアでもある自分にすら解読が難しいこの文字の羅列はと・・・???
「古典のノートにDNA配列?」
不意に頭をガジガジと掻き毟り始めたキャナルを心配したのだろう、右となりに座ったミリーナが古典のノートを覗き込みながら声をかけてきたのだった。
「え・・・?DNA配列・・・ですか?」
さしものキャナルも困惑したようにミリーナに聞き返すのだが。
「ええ・・・。かなり暗号文のように書かれていますけど。化学方式はほぼそのまま書かれていますね・・。人体を構成している物質の配列が。DNAを完全に暗号化することは不可能といわれては居ますが現在の化学でしたら・・「体の一部分」だけならばある程度は・・真坂こんな方程式に出会えるなんて?」
「分かるの?ミリーナ!?」
話の流れから思わずキャナルのノートを覗きこみ、混乱の局地にあったミリィが道―何問いただす。・・お陰でこの暗号文の出所をミリーナに問いただされずに済みはしたが・・。
「ええ。大学時代は化学を専攻していましたから。それにしても、人体の『一部』のDNAの文章化にせよ・・果たして何処の部分なのかまでは・・」
ふうっと暫し考え込むミリーナだったが・・これでキャナルは一つの確信にいたる。
なるほど・・。セイルーンのセキュリティシステムに対する干渉。
キャナルですら解読には時間がかかると思われた文章はコンピュータ言語ではなくて人体のDNAの暗号文。そして・・それは体の一部。
「確か。セイルーンのセキュリティ・システムは。静脈のパターン・・そして網膜のパターンを登録してその人物を確定するいうなれば割とオーソドックスなのよね?」
さてさて・・。其の事実をとりあえずは。
「一寸、そこのいぢけてるおに〜さん!?」
ひょいっとミリィ越しにキャナルは窓から顔を突き出しそして・・・。
「ん・・?あ〜〜・・君がケインの妹さんか〜〜?」
なにやらいぢけている・・同じ特徴の兄弟とはいえナイトメアとは似ても似つかない・・間抜けな表情をしているおに〜さん、ガウリイに向かって声をかける。
「リナ姉ぇに伝えといてね?キャナルが『変な人に気をつけろっ』と言ってたって?」
「・・・変な人に気をつけろ?分かった。伝えとくよ?」
などという会話を交わしているうちにリナはそそくさとカーリーとの話をつけてその場を去っていこうとする。
「リナ〜〜。待ってくれ!!!あ・・・そう、今な。『変な人に気をつけろ』って・・・」
「お前が一番変なヤツじゃ!!近づくな!このボケクラゲ〜〜〜〜〜〜!!」
ボカンと何処からとも無く取り出した何らかの物体でガウリイの頭を思いっきり殴りリナ。
やれやれ・・ここにカーリーを初めとするナイトメア派の連中が居なければ真意を告げられたのだが・・・。
「ま、リナ姉ぇの腕ならば大丈夫でしょうけれども・・・」
この暗号文に万が一人体の配列以外の意味合いがあったとしたのならば。
ケインも、そしてキャナル自身もまだまだ気がぬけないことになるだろう・・。
「貴方がリナさんですか!!?お会いしたかったです〜〜〜♪」
セキュリティのゲートを抜けて。セイルーンの宮殿にやっと入った途端、アメリア姫のこの大歓迎である。
「あ。どうも・・リナ・インバースです」
「で・・リナさん。早速ですが携帯電話のメールアドレス交換してください〜〜!!」
別に構いはしないのだが。国賓放っておいてこんなことでいいのだろうか??
まあ、姫君のメールアドレスを控えておいたほうが万が一の時には役に立つことは疑いは無いのだが・・・。
「ルーク・・俺ですらリナの電話番号も・・メアドもしらないんだぞ?」
なにやら泣き出しそうな表情でどうでも良い事を訴えてくるガウリイはこの際完全に無視しても構わないだろう。
「今のところ昼食会は平常に進んでいる。ま、このままあと1時間弱ってところで何も起らないといいんだがな・・」
通信機を付けっぱなしで恐らく痒かったんだろう。ルークは無造作に頭、そして耳の裏を指でぼりぼりと引っかきながら遅れてやってきた二人に情況を説明する。
「まあ、今回のホストは私じゃなくて父さんですし♪父さんの警護さえしっかりしていれば問題は無いとは思いますよ?アルフレッドのことは残念ですが・・此処だけの話・・」
「そうね・・。彼は。王族の中では立場的にナイトメア派に近かったと聞いているし。ましてや・・・私怨を買いやすいタイプだったと聞いているわ・・親戚の貴方の前でここまではっきり言ってしまっては申し訳ないんだけれども」
少しだけ辛そうに言うリナにいいえとアメリアは軽く答えて見せた。
「だと・・良いんだがな・・・?」
と、ある金持ちの財閥の招待客の一団が目の前を通り過ぎたとき。
不意に違和感を感じたガウリイは何時になく低い・・何処か兄を髣髴とさせせる声を出しつつその一団を睨みつけるのであった。
「アメリア姫が連れさらわれただと?警備は何をしていた!追跡をしろ!!」
怒気を含んだナイトメアの声がZPUに響き渡るのはそれから程なくしてのことであった。
「あくまで警備体制はフィリオネル殿下が中心であり、アメリア姫に関して言えば・・」
「言い訳は聴く耳を持たん!この失態を意地でも挽回をしろ!!!」
こりゃ?ケインのアクセス記録を消しておいて正解だったわね?
僅かに青ざめた表情を見せるケインを横目で気遣いつつもキャナルは改めてそう思う。
あのままであったら・・彼は国家反逆罪に問われかねないのだから。
「安心しろ、ケイン。俺は昔からアメリアを知ってはいるが・・・」
不意に彼の表情から情況を察知したのだろう。小声でケインの肩を叩きながらゼルガディスが不意に口を挟んでくる。
「アイツは・・そんなヤワじゃない。少なくとも・・超合金レベルはあるだろうな?」
ずだあああああああああああああああああああああああ!!!!
突如として響き渡る轟音!
「フィリオネル殿下を!!?」
とっさ的にルークの下した命令に落ち度があったことを本能的に感知したのはガウリイくらいのものだろう。
そして・・・。
「バカ・・・!この情況は・・・」
まさか・・?と思う僅かなパニック状態。だが、一瞬で情況を判断し咄嗟に先輩であるルークに対してこんな口を聞いたのは全て理論的にこの事態を把握したリナであった。
催涙弾の向きが此方に向かってうち放たれたことを考えれば・・・・・・!!!
咄嗟に反撃しようとして拳銃を構えては見るものの・・間に合わない!!
返り討ちにあうことを予測しつつリナが僅かに後退を余儀なくされたその刹那!
ずばああああああああああああん!!!!!!!!!!
不意にガウリイが敵とリナの間に入る形で援護をし、リナは辛うじて負傷することは逃れたものの。
「バカ!!!!」
咄嗟に口に出た台詞はその一言であった!だが・・「任務」という文字を考えればまさに「其の通り」の情況を作ったとしか言いようが無いだろう。
「リナ・・・??」
「何でアタシなんか庇ったの!アメリア姫が・・・・・」
気がつけば既に其の場所にアメリアの姿は見当たらず。
「済まん。本能的に・・・・」
「聞きたくないわよ。あんたが敵を取り逃がしたことには変わりは無いわ・・・」
そう。彼がリナに構わず敵を追撃・・あるいは撃退してさえ居れば・・・・。
素直じゃないと言われても致し方は無いだろうな。ましてや自分の失態でもあるのにガウリイ一人に背負わせてしまうなんて。
そうは心の奥底どこかで分かっていつつも、どうしても過去のことが頭によぎって彼を責め苛んでしまう。まったく、今はそれどころではないのに・・・度し難い。
「責任の所在を言い合っている場合じゃね〜だろ?お上からの叱責は覚悟の上でこの事は本部に報告せねばならんだろう!」
恐らく仲裁のつもりなのだろう。荒っぽい口調でルークが二人の間に割って入った。
「そうね・・とりあえず・・今は一時休戦ね。ガウリイ」
溜息をつきつつ、いうリナに僅かにガウリイは顔をほころばせてみせる。
その時であった。不意にリナの携帯のメールの着信音が鳴り響いたのは。
『何とか密かにメールを送れる情況を見つけました。これからリナさんの携帯に電波だけを送り続けます。電波を追跡して連中をこのまま泳がせて追ってください。彼らは絶対に本拠地に私を連れて行くはずですから!!   アメリアより・・・・・リナさんへ』


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18131はじめましてです井上アイ 2007/6/11 01:54:28
記事番号18098へのコメント

どうも、はじめまして☆
すっごい、今更ですが・・・書き込みを・・・
続きが気ーにーなーるー!!
すみません。すっごいいい所で終っているので、叫びたくなったのです☆
しっかり設定を作り込んでから作られているんでしょうね。見習わなければならないのは分かっているんですが、思い付きで勢いで書いてしまいます↓↓
丁寧な話の作りに、話の中に引き込まれてしまいそうです。
ガウリイのこれからの活躍を楽しみに、続きを待ってます♪

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18132ありがとうございました〜☆CANARU 2007/6/13 11:24:47
記事番号18131へのコメント

はじめまして&感想ありがとうございます!
すっかり更新が滞り気味で申し訳ありませんでした・・・(汗)
設定&展開・・・実は結構「その場のノリ」で出てきてしまっていたりも
します(笑)
近いうちに「6」をアップできますように頑張りますね(そしてそろそろガウリイの活躍も・・・!)。
ありがとうございました〜!