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Re: 裏で手を引く者の犠牲者達【番外編V】(横町編)
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元記事
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> 高笑いが響くのもなれてしまった妖怪横町。
>「そーいや、ナーガ。あんた、一応セイルーンの姫なのになんだってそんな服を着ているのよ。」
> と、バイトから帰ってきたリナがガウリィにマッサージをしてもらいながら聞くと、
>「ふっ。この美的センスがわからないなんて相変わらず子供ね。」
>「………いや、それは良いから」
> と、リナが半眼でうめく。
> 部屋でお茶を飲んでいた鬼太郎も苦笑を浮かべた。
>「………お母様の形見なのよ。」
> と、ナーガがぽつりとつぶやいた言葉にその場にいた全員は沈黙した。
> 一つは、ナーガとアメリアの母親が死んでいたと言うこととその事を言ったナーガの声が哀しげだったこと。
> そして、
>「ナーガ、あんたの母ちゃんって」
>「どんな人なんですか。」
> と、リナと鬼太郎の言葉にナーガはただ
>「っふ、すばらしい人だったわ。あたしが人生の師匠としてもあこがれている女性よ。」
> と、答えた。
> リナ達の頭の中に浮かんだ疑問はただ、
>『フィルさんの趣味って………』
> だった。
> アメリアとナーガの母親と父親のフィルさんがどういう経緯で出会って結婚したのかは、謎である。
> だが、おそらく二人の結婚はいろいろ問題があったんだろうなぁと考えられる。
> 後日、これならキメラだからって気にしないでも良いんじゃないの。と、リナにしこたまからかわれたのはゼルの秘密である。
>
> また、翌日のことだった。
>「そう言えば、デーモン大量発生事件は一体何だったのかしらね。」
> と、ナーガが洗濯物を取り込みながら言った言葉にリナは反応した。
>「………ああ、あのことね。」
> その表情にナーガは何かを感じ取り
>「リナ。なんか知っているなら教えなさいよ。」
> と、言った。
> リナはため息を一つつくと語り始めた。
> 部屋にはガウリィとアメリアとゼルガディスとナーガだけだった。
>「あの事件は………、そうね。ナーガとあたしが旅していた頃………、ガウリィと出会う前から始まっていたのかもしれないわね。
> ルビナガルド元王国の王室解体の発端の事件、それにあたしとナーガが関わった。」
> と、リナはぽつりぽつりと話し始めた。
> 日が暮れ始めた頃、
>「リナさん達〜、ちょっと話があるんですけど………」
> と、鬼太郎と目玉親父と猫娘達がリナ達の住んでいる部屋へと向かっていた。
>「………あの時、もしもあたしが気づいていたら………もしも、あのときあそこの神官のだれかが助けようとしたら………、もしも、あそこに復活の呪文が使える神官が居たら………、もしもをあげるときりがないわ。
> だけど、どのもしもも起きずに、彼女………ミリーナは………死んだわ………。」
> と、言う声が聞こえ呼ぶために戸に伸ばした手を鬼太郎は止めた。
>「………彼は、狂ったわ。最愛の存在を失って……毒をくらわしたやつを殺して、雇った人間を殺して見殺しにした相手を殺して、………助けられなかった人まで殺そうとした。」
> その声は今にも消えそうな声だったが、悲痛な哀しげな声だった。
> 鬼太郎も猫娘も目玉親父も今、自分たちがやっているのが盗み聞きというあまりほめられた事でないこともわかっていたがその場にいた。
> リナの話は続いていた。
>「その事件の本当の黒幕も退治して………、あたしとガウリィはまた当てのない旅を続けていた。
> そんな中、起きたのはデーモンの大量発生事件だった。
> あのとき世界が揺れた。そのとき、彼………ルークが魔王になったときだった。」
> 部屋に直接居なくても、その場にいた人達が驚愕したのがわかった。
> 鬼太郎も目を見開く。話を途中から聞いていたがその彼と呼ばれていたルークという男性がリナとガウリィの仲間とも呼ばれる存在になっていたと言うことは、わかったのだから………。
>「やがて、あたしは近くの町であたしそっくりの姿形をしたのがサイラーグへの道を聞いていたのを知った。
> それは、招待状だったのよ。サイラーグへ来いと言う魔王になったルークからの………。
> 北の魔王は、あたし達とルークとの再会を喜ばなかった。
> 二つの魔王の矛盾した命令に魔族はかなり混乱していたけど………あたしには、道でも良いことだった。
> あたしは、サイラーグへ向かってそこでゼロスの上司……ゼラス=メタリオムとダルフィンの受付係に出会った。」
> 鬼太郎はゼロスという言葉ではわからなかったがゼルガディスとアメリアが息をのんだのがわかった。
>「そこで、あたしとガウリィは魔王に出会った。
> 最初、あたしは魔王が………彼………ルークだとは………気づかなかった。
> 気づいたのは………ガウリィだった。………ルークは、……不器用だったのよ………。………ミリーナ………が死んだのに………耐えきれなくて………魔王が偶然………彼の魂に………封印されていた………。
> ………彼は言ったわ。あたし達と戦って世界を………滅ぼすか………自分が滅びるかを決めるって………」
> 途切れ途切れになる言葉でリナがどんな顔をしているのかは、扉の向こうにいる鬼太郎達にはわからなかった。
> だが、この扉を開ける事ができずにいた。
>「………だけど、………彼は………本当は………ただ、………彼女………ミリーナの所に………行きたがっていただけだったのよ。………本来なら………魔王を倒せるはずのない術………赤瞳の魔王………の力を借りた呪文………それで、眠りについた………。」
> と、リナの言葉の後扉の向こうには聞こえない声で鬼太郎はつぶやいた。
>「………あと、五分たったら呼ぼう。」
> と、そして扉を開けたときリナ達は笑顔で答え下へと向かった。
> 長く待たされた物は不満げだったがなぜ時間がかかったかは、鬼太郎達は言わなかった。

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