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    タイトル : 漆黒に踊り出る6
    投稿者  : 井上アイ
    URL    : http://kibunnya.kakurezato.com/
    投稿時間 : 2010年2月11日17時39分18秒

「しかし、リッチなる盗人は、変装が得意とか。良く知った人間ならともかく、初見の方々を見破るのは、到底無理というもの。なら、安心出来る者達で、大事な商売道具を守りたい。と思うのは、理の当然」
どこか間違いでも?と、首を傾げるライアンに、ザングルスは鼻に皺を寄せ、口を開く。
「リッチの変装を甘く考えると、痛い目に遭うぜ。良く知った警備の人間が、リッチだった。なんて事もある」
「身辺調査がしっかりした、安心出来る警備会社だ。そんな心配無用だと思うがね」
「ザングルス殿、我々警察は、市民の協力あってこそ活動出来ている。現場に立てるのも、通報を頂いたお陰。ライアン殿がおっしゃられるなら、それに従うしか、我々には道が無いのでは?」
反論しようと、口を開いたザングルスを、肩を叩き黙らせ、ワイザーが言う。
「ご理解頂き、有難い。警備体制の確認しますので、どうぞこちらに」
我が意を得た事に、満足げな表情をし、ライアンは、応接テーブルに、ビルの17階の見取図を広げる。
「宝石を保管している金庫室は、17階のここ。前室を守るのは、警備会社の精鋭部隊に。警察の方々は、外の廊下をお願い頂く」
「成程、そこに辿り着くまでに、我々が確保すれば良い。という事ですな?それだけ、信頼されているならば、警察冥利に尽きますな」
ふむふむと、表情の読めない顔で頷いたワイザーの隣で、ザングルスが、天井を指差す。
「俺は、屋上で待機させて貰う」
「申し訳ないが、屋上は、警備上の問題で、18時を過ぎると、出入り出来ない仕組みになっていてね。遠慮願いたい」
「だが、リッチの逃走パターンからしたら、屋上の警備は必要だ」
どこか傲慢な言い方のライアンに、ヒクリと一瞬顔を引き攣らせるザングルス。
それに、何の裏も無い。と言わんばかりの、困った笑みを浮かべ、ライアンが、更に述べる。
「夜間、屋上に出ると、電流が流れる仕組みがあってね。それを切る訳には、いかないもので。ご理解頂きたい」
「……ワイザー警部、俺は、地上で張っています。中の警護、頼みます」
「途中まで、ご一緒しましょう」
苦虫を噛み締めた様に表情を歪めたザングルスが、会長室を出ようとすると、ワイザーもその後を追う。
出て行く2人を見送り、ライアンは、深く椅子に座る。
管轄の刑事が来るのは、予想していた。
◆◆◆
おっさんだらけ(笑)
やっと名前が出てきた。
続く〜♪


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