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    タイトル : 裏で手を引く者は何を企む その七(アメリア・ゼルガディス登場編)
    投稿者  : コウ
    投稿時間 : 2009年6月6日21時12分35秒
| 【南国の島。
 青い海に照りつける太陽。純白のヨットの白い帆には金色の字でLと書いておく。
 トロピカルジュースを飲みながらのんびりとリナと鬼太郎達が来るのを待っている。隣の船からほかの召使いがあいつらを持ち上げているだろう。
 ネズミ男曰く、単純だからだましやすい。と、言っていた。
 「うーん。気持ち良いわね。」
 と、新品の水着を着ながらあたしが言うと
 「ふぁい。お母様」
 と、大きな団扇であたしを扇いでいる召使いその三が気合いの無い声で答える。
 「なぁによ。せっかくの南国よ。
 もっと、生き生きとした声出せないの。」
 と、あたしが怒鳴ると
 「………すみません。」
 と、謝る。隣の船から、
 「着ぐるみ着ていれば、そりゃ熱いんじゃないか。」
 と、つぶやいていたネズミ男の首を軽く締め上げたりする。
 そろそろ、やってくるだろう。】
 
 「おぉほほほほほほほほほ」
 横町にナーガの馬鹿笑いが響く。
 ナーガを引き取って今日で三日たった。
 天狗ポリスのナーガを引き取ってくれと言う願いに、リナは三日間がんとして拒否し続けていた。しかし、リナの被害を脅され生活費の配給で、リナはとうとう首を縦に振ったのだ。
 「じゃかましぃぃぃぃぃ」
 と、リナの跳び蹴りがナーガの後ろ頭に当たった。
 そんな中、黒カラスがやってきて鬼太郎も呼ばれた。
 「あら、久しぶりね。」
 と、ゲゲゲハウスにリナとガウリィと一緒にやってきたナーガは黒カラスにそう言う。
 黒カラスは一瞬引きつった後ナーガを無視して会話を始める。
 「沖縄に変な妖怪ですか。」
 と、鬼太郎も三日間の間にナーガのあしらい方を覚えて黒カラスと会話をする。
 「ええ。何でも数日前に突如として現れたらしいのです。」
 「変なようか言ってどんなのだ。口が二つあるとか、」
 と、ガウリィの言葉に目玉親父は
 「馬鹿もん。妖怪ならそのくらいは当たり前じゃ。古今にも乗ってないのじゃ。」
 と、怒鳴る。古今とは、この世界の妖怪すべてを記されている書物の妖怪だ。
 「一体どんなやつなのよ。」
 と、リナが言うと
 「何でも、髪の毛は銀でできていて体は岩のようで真っ白い服にフードとマスクで顔を隠していますが、どう見ても人間ではないようで………。」
 思わずリナは飲んでいたお茶を拭きこぼしそうになった。
 「それって、魔戦士ゼルガディスじゃないの。」
 と、言ったのはナーガだった。
 「魔戦士?」
 と、鬼太郎が聞き返すと
 「ええ。あたし達がいた世界では有名よ。
 ロックゴーレムとブロウ・デーモンと人間のキメラ。
 残虐非道で姿を見た者は女子供関わらず殺す血も涙もない恐ろしいやつよ。
 精霊魔法とかなりの剣の腕を持つのよ。」
 と、ナーガの言葉に、ガウリィはリナをつついて耳元で
 「なぁ、リナ。」
 「なによ。ガウリィ」
 「ゼルガディスって聞いた事ある気がするんだけど、………。」
 とうとうリナは精神疲労で頭からちゃぶ台に、激突していた。
 『どうしたんですか。リナさん』
 「どうしたんだ。リナ」
 「どうしたの。リナ」
 「やかましい。」
 鬼太郎達とガウリィとナーガに言われリナはそう答えのだった。
 
 「ぶわっくしゅ」
 と、南国の島。沖縄でひとつくしゃみをする白い影があった。
 銀色の髪の毛にマスクをしても書く仕切れていない異形の肌。
 かじろうて、人間だったときの端整な顔立ちを保っているが、見にくい異形であることには変わりない。
 「……ここは、どこなんだ。………アメリア………。」
 と、その人影はそうつぶやいたのだった。
 そして、一つの剣を見る。あやしげな女性から渡された剣。
 元々持っていた剣をおられ投げられた剣だった。
 見たこともない場所で彼は途方に暮れていた。
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