◆−37℃微熱戦記・前半−CANARU(2/18-10:37)No.8850
 ┣いろいろ見えてきました〜!−P.I(2/20-00:47)No.8854
 ┃┗ありがとうございました〜〜!!−CANARU(2/20-11:37)No.8859
 ┗37℃微熱戦記・後半−CANARU(2/20-11:38)No.8860
  ┗具合はどうですか?−P.I(2/21-01:41)No.8863
   ┗回復しつつあります〜〜♪−CANARU(2/21-10:46)No.8865


トップに戻る
885037℃微熱戦記・前半CANARU E-mail 2/18-10:37


今回はこの曲をイメージに話を書いてみました。
記念すべき10回目なので前・後編です!!

***********************

「リナ〜〜。美容法って言うとど〜ゆ〜のがあるかな・・・?」
不意にガウリイが言ってくる・・。
「美容法・・・・??」
イヤなモノが不意に脳裏をよぎる・・・・。
「真坂ガウリイ・・。どっかの銀髪超絶美形色白ナルシー貴族のイカレ男
みたいなこと・・・しないでしょうねえ・・・??」
イヤな人物を思い出しリナは不意にガウリイに言う。
「あ〜あの氷(ヒョウ)って言うリナの友達だっけ・・?そ〜して欲しいって
言うなら俺も氷みたいな美容するけどな〜♪」
「するな!!絶対に!!ついでに言えば間違ってもあんなのとは『お友達』
とは思われたくないわよ!!ったく!!あんのイカレ男〜〜〜・・・・(汗)!!」
しかも・・・。
アイツ・・中学時代自分で自分の事「イカレて素敵で強くってカッコイイ」とか
言ってたような気がするけど・・そりゃあ、まあ秘密と言う事で・・・。
「で、リナ〜、美容法について聞いてるんだが・・?」
「ええっとねえ・・。早寝早起きなんて基本的な事もそうだけど・・・。
かのカテリーナ=スフォルツァの処方箋なんかも有名だし・・・。ミルク風呂なんかも
良いって言うわね・・・。」
「・・・・じゃあ・・若い・・・・(以下略)・・は・・?」
「はぁ・・・!!?」
「だから・・・若い・・・(以下略)は・・?って、な!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ドカ、バキ、ゴキュル、メッシ、ビシ、バスイ、ボオオオオオオオオオオオンンンン!!

「ガウリイさん・・・。リナさんに・・何言ったんですか?」
ボロボロに殴られたガウリイを眺めながらアメリアが言う・・・。
「まったくだ。おい、リナ。」
ゼルが未だに後ろを向いて目をそむけたままのリナに声をかける。
「知らない!!ガウリイの馬鹿〜〜〜〜〜〜〜!!そ〜ゆ〜人だとは思わなかったわよ!」
今だ目に半分涙を溜めながらリナが怒鳴る。
「ゼロス〜〜・・。お前が言った通りのことをリナに言ったら嫌われちまったじゃね〜か!!」
「おやおや・・・。これは・・言い方が悪かったようですねえ・・・。」
イタリアのナポリ、ヒチリアを占めるまだしも合法的なマフィア組織『カタート』
の若き総帥にしてリナの兄、ゼロスが不意に現れていう。
「シエナの女子大を主席、特待、飛び級で卒業・・。七ヶ国語と古代ラテン,ギリシャ語を
解する優秀な人材でヨーロッパ、アメリカの企業からもヘッドハンティングの絶えない
貴方も・・・。こ〜ゆ〜話は駄目なんですかねえ。リナさん。」
「だまれえええええ〜〜〜〜〜〜〜!!!何でガウリイに・・その・・・・。
『若い娘の生き血』は美容に効くのか!!何て聞かせたりするのよ!!この馬鹿兄!!」
全部言ってとうとう泣き出すリナ・・・。
「相変わらず晩熟な方ですねえ・・リナさんは・・・。別に変な意味じゃありませんよ・・。」
「う・る・さ・い!!このイカレ男パート2!!それに!!
『早熟とかもう〜青春なんかもnotgood or good (イケナイ、イケテル)ど〜でも
良いほどすぅべてゆるし、合いたい♪』って言うじゃないのよ!!」
「他の話の歌を歌わないで下さい!!と・も・か・く!!そ〜ゆ〜意味で変な話じゃ
無いんです!!これは調査の一環です!!『血塗れの伯爵夫人』事エリザベート=バトーリ
と言う女性についてはご存知ですか?」
「・・・16世紀のハンガリーの伯爵夫人でしょ・・?ときの皇帝ルードルフ2世とも
交流があって・・・・。」
己の美貌を保つために600人の年若い少女の生き血を搾り取るために虐殺した・・・。
「あえて言いたくないわね・・・。で、バートリ家のあったハンガリーに行けと?」
「いえいえ・・・。バートリ伯爵夫人の事は依頼の一環です。本題はウィーンの
ルドルフ2世とハプスブルク家の事ですよ、リナさんにガウリイさん。」
「・・・・。俺・・行けないよお・・・。」
不意に情けない声を出すガウリイ。
「腹でも壊したか?」
様子を見ながらゼルが言うが、ガウリイは頭を振る。
「リナに・・嫌われた〜〜〜・・・行けるわけないだろおおおお・・・・。」
「・・・。金輪際変な・・じゃなかった・・。回りくどい事言わないなら・・・。赦す・・・。」
こちらもいじけながらリナ。
が・・・ガウリイはたちまち顔色を変えて・・(喜色満面)。
「本当か〜〜〜!!よっしゃ〜〜〜!!でえ?ゼロス!!その依頼人って誰だ?」
「あ、言い忘れてましたね。銀髪超絶美形色白ナルシーイカレ男のイギリス貴族と
日本人のハーフ!!リナさんの中学時代の『お友達』の・・・・・・。」
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『誰』なのかはハッキリと分かっている・・・・。
リナの絶叫のみが室内に響くのだった・・・・・・・・。


「お〜〜い!!リナ!!あれ・・イカレ男じゃないのか〜?」
ウィーンの空港に到着したとたんにガウリイが言う。
「さいなら。」
「こら〜〜!!そこの二人!!いっくら僕がイカレて素敵でカッコ良くて強い
からってなあ!!姿見ただけでこそこそ逃げなくても良いじゃないか!!」
声をかけてきたのは銀髪の超絶美形・・・しかし、見るからにイカれた一人の青年である。
「今日は何の用事なのよ・・・?氷・・・。」
ジト目で本人のほうを見ながらリナが言う。
「僕が君達に用事って言ったら・・・。わっからないのかい?」
「・・・・・・。リナ・・・。悪いけど・・手ぇ握っててくれるか・・?
寝付くまででいいから・・・・。」
「・・・・駄目・・・・・・。あんたネエ・・・なんで爆弾は怖くなくて幽霊は
怖いのよ・・ガウリイ・・・。」
そう、この男、氷がリナとガウリイに用事があるといったら。
『幽霊退治』のみに他ならないのである・・・・・・・。

「オーストリア・・。ウィーンの一角にある屋敷だよ。エリザベートの幽霊が
出るって言うのは。」
「で・・。その屋敷をアンタが買ったて訳?氷?」
「・・・まあね・・。実際に新しく雇ったメイドの娘が一人襲われれるんだよね、
これが。」
おい・・・今度は本当に幽霊と対決しなくちゃならないわけ?
実際に『被害者』が出てるとなると・・・・・。
「娘を襲うって・・・ごわがあ!!」
発言の仕方が悪い!!ガウリイ!!
「こ〜ゆ〜時は!!『死してなお・・生き血を求めてさ迷う血塗れの伯爵夫人』
っていいなさいよね!!ガウリイ!!」
「・・・そっちの方が物騒じゃねえかあ・・・・・。」
リナに思いっきり殴られた顎を摩り半分涙目でガウリイが呟く。


「で・・。これからど〜するんだ・・?リナ?」
氷に分け与えられた宿舎の一室・・正確に言えば幽霊屋敷の一室・・・・今はリナが借りている
部屋に押し掛けてガウリイが今後の事を質問する。
「さしあたり・・被害者と言うメイドさんの話を聞いてみるのが打倒なんじゃ
ないかしらねえ・・・。」
「そだな・・・・。で・・・」
がしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!
ガウリイがリナに返答しかけたその時だった!!
「何!!あの轟音!!?」
「・・何か・・強いて言えば誰かと誰かがもみ合ってるような音だな・・・。」
そう言うと同時に二人は宿舎の部屋を飛び出す!!


「今の音は!!?何処ら辺の部屋からの音なの!!?」
手近に居たメイドの一人を捕まえてリナが聞く・・・。
「・・ち・・地下室・・です・・・。しかも・・
担当が・・・イザベルの・・時に限って・・・。」
そのメイドは怯えた様に言う。
「リナ・・幽霊・・なのかな・・・・??」
さっきまでの威勢の良さはどこへやら・・・。妙に怯えた眼差しで
リナを見やりながらガウリイが言う。
「・・・さあね・・・。くしくも襲われてる新米メイドはイザベル・・・。
スペイン系の名前だけど・・・。ドイツ系に直せば『エリザベート』よ!!」
そうとだけ言って真っ先に地下室に走って行くリナ。
・・かつて・・エリザベート伯爵夫人が多くの血を若い娘から・・・・。
「美容のためだけに・・ね・・・。」
苦笑しながらリナは地下の階段を降りて行く。
「幽霊が態々音を出して・・人を襲うなんて。ラップ音以外に聞いたことは
無いわよ・・。それに・・・。」
言いながらリナはその人物のほうをキッと見据える。
「己の美貌を保つためだけに・・。大勢の娘の生き血を欲した美貌の伯爵夫人が・・。
こ〜んな無粋な手をしているのも奇妙な話よね。」
言いながらリナは手近にあったナイフをすっと構える。
「・・・・・・・。」
が、油断したのは自分であった。
とっさに振りかえったその『人物』がリナの腕をねじり挙げてナイフを一瞬にして
奪い、逆に首筋に付きつけられる!!?
「・・・・ち・・・・。」
不意に先程までその『人物』に襲われていたその娘が立ちあがったのが分かった。
・・逃げ延びれば・・ガウリイが後はフォローしてくれるはず・・・・。
そう思うリナの期待を裏切る行動に彼女・・イザベルは出た!!?
やおら此方に向かってきて・・・・一瞬にして・・・
リナにナイフを付きつけている『人物』をいとも簡単に倒した!!??
「・・・・・・あの・・・・・。」
余りにものことに呆気にとらわれてリナ・・・・。
そうとしか言い様が無い・・それに・・今の蹴り・・どっかで見たことあるような・・・?
「初めまして。リナ=インバースさん。って・・間抜けが今更追い付いて来た
ようですねえ・・・。」
少女・・イザベルの言うほうに視線だけリナはやる・・・。
「り・・りなあああああぁぁぁぁぁ・・・。大丈夫かあぁぁぁぁぁぁぁ・・・?」
へろへろへろへろ・・・・・。
おい・・すっごく情けないぞ!!ガウリイ!!
「貴様が無事か?ふざけんじゃね〜ぞ、このアホ野郎。俺もリナさんの死にかけたわ!」
言いながらイザベルはガウリイの後ろ頭を思いっきり蹴り上げる!!
「いってえええ・・・。って・・何女の格好してこんな所に居るんだ・・・?
ガストン・・・???」
「・・・おめ〜がのうのうと約にも立たねぇ情報収集してる間なあ・・・。
俺は女装して別ン所の調査してたんだよ!!この馬鹿兄!!」
言いながらイザベル・・・と名乗り・・・。
ガウリイにガストンと呼ばれた少女・・いや・・・少年は黒い長い髪の鬘を脱ぎ捨てる。
「ど〜も、はじめまして。リナさん。僕はこのドアホの弟・・・。ガストン・ドゥ・
フォア・ガブリエフです。」
言って小柄な・・まだ12〜3くらいの少年はリナに礼儀正しくお辞儀する。
「おまえなあああああああああああ!!!!」
「いででででででで!!何すんだよ!!この馬鹿兄!!」
ガウリイがガストンの肩の辺りに切り揃えられた淡いブロンドを掴んで
その手をガストンが思いっきり噛みつく!!
「ガストン・ドゥ・フォア・・・。16世紀の有名なフランスの指揮官の名前ね!!」
大慌てでリナが話を横に逸らそうとする。
「あ!!分かる!!さすがリナさんですね〜♪」
「ぐわあああ!!生意気だゾ!!お前は〜〜〜〜〜!!」
やおら嫉妬したガウリイが思いっきりガストンの髪をさらに引っ張る!!
「リナ〜〜〜〜!!コイツ生意気だよな〜〜〜♪」
「大人気無いぞ!!馬鹿兄!!ねえ、リナさん!!」
「・・・・・。でも・・・・・。」
「『でも』何なの!!」
リナの一言にガウリイとガストンの声がハモる!!
「ガストン・ドゥ・フォアって・・・。ヴェネツィア軍にぎったんぎったんに
やられて・・・。戦死したのよ・・ね・・・・。」
「・・・・・。や〜〜い!!ざま見ろ!!ざま見ろ!!」
「ぐわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
馬鹿兄にだけは馬鹿にされたかね〜〜やあああああああああああああ!!!!!」
なんだかなあ・・・。またまた濃いキャラが増えてしまったようである・・・・。

「で、何でお前がこんな所に居るんだ?」
不機嫌な声でガウリイが聞く。
「ああ・・。俺もお前も・・。俺達一族の使命に従ってるだろ?」
ガストンの一言にガウリイが頷く。
「『使命』って・・・・?」
その間にリナが口を挟む。
「ああ・・・。ルクセンブルクの『フレイの騎士団』と言う役職だよ。
俺はさしあたってリナの護衛がだが・・。ま、趣味かな・・今となっちゃ。」
「馬鹿・・・。」
無感動を装いつつリナが言う。
「俺は『ミッドガルズ』の悪事を追撃して自分を囮に調査したんだよ。」
言いながらガストンは顔を曇らせる。
「一体・・。連中はどんな悪事をしようとしたんだよ・・・。」
ガウリイも余り聞きたくない組織の名前を聞かされ僅かに愁眉を寄せる。
「暗殺だよ・・。『臓器移植』って知ってるだろ?」
「まあね、例えば・・アタシの心臓が悪くなったとする。ソレを直すために
同じ体質の・・例えば馬鹿兄。ゼロスから心臓を貰うって事でしょう?」
「そう・・。問題はそれなんだ。てめえの臓器欲しさに・・。『ミッドガルズ』
調査もうに依頼して適合する人間を探し出す・・。さらに暗殺して・・・。」
「・・・・。言いたい事は分かるわ・・・・。」
そのために大金を払って『ミッドガルズ』」に依頼をする人間は・・。
確かに五万と居るかもしれない。
「其処で、俺は俺の名前で臓器適合のドナーとなる人間の調査を
連中に依頼して・・・。奴等のコンピューターに『イザベラ』と言う架空の人間
をデーター検索結果として送り込んで・・・。」
「それで・・こんな事をしてたんだ・・・・。」
ガウリイが感心した様に弟を見やる。
「まあな。連中も手の込んだ事しやがる。伝説に見せかけて俺を殺そうと
するんだぜ?」
苦笑しながらガストン。
「・・・・・。まったく。ど〜なるんだかねえ・・・。」
それが、リナの正直言った感想だった。

「ルードルフ2世か・・・。」
怪しい錬金術に没頭して最後には弟に皇帝の位を奪われ・・。
孤独のうちに死んだ神聖ローマ帝国、ハプスブルク家の皇帝・・か・・・。
「なあ、リナ一寸思うことがあるんだが・・・?」
「はい・・?」
不意に調べ物をしていたリナにガウリイが言う。
「ルクセンブルクの消えた皇太子・・。ゼロスが必要に俺達に探させる
モノは・・。もしかしたら『ルクセンブルクの秘宝』なんじゃないかって思うんだ。」
「・・・・・。可能性としては皆無とは言えないけど・・・。けれども。
貴方達の騎士団とまったくもって縁も所縁も無いあの馬鹿兄が何でまた?」
腑に落ちない・・と言ったようにガウリイ。
「俺が遣えていたルクセンブルクの王家の分家の主人は・・・。
豪語と賭けが大好きだったんだ。で・・・『産まれてくるのは絶対に男だ!!』
とか友人に吹聴しまくってた・・・。」
「それが・・・・?」
「で・・その消えた御曹司はお前と同い年。更に言えば・・同じ目の色をしている・・。」
「な!!」
不意にガウリイに腕を掴み上げられてリナは首筋を流れる髪の数束を捲り上げられる!!?
「・・・・・。ガウリイ!!何の・・・。」
「・・・・皮肉だな・・。探していた御曹司・・。いいや・・。
分家の王女様がこんなに近くに居たんだな・・・・。ゼロスが秘宝を探らせる
訳だ・・・・・・。」
苦笑したような・・自嘲を含んだガウリイの声がリナの耳にも届く。
「何を・・・・・・・。」
「お前だったんだよ・・・。薄々そんな気はしていたが・・・。お前がルクセンブルク
分家の消えた・・『御曹司』と名乗らされていた『分家の王女』だったんだよ・・。
首筋の痣が証だ・・・。」
「・・・・・。どうして言いきれるのよ・・。そんな事・・・。」
仮にそのガウリイの遣えていた主人とやらが賭けに負けるのがイヤで王女を息子と
偽ったとしても・・である・・・。
「・・。俺が抱いてあやしてて・・。落としたんだよ・・・。
ヤバイと思ってファンデーションで隠して・・。『泣くな!!男だろ!!』
っと言って泣き止ませたんだよ・・・。」
「おひ!!(怒)!!」
「けどさ・・。ガキの俺の腹いせでもあったんだぜ?娘が生まれたらガブリエフ家の
次男・・つまり俺に嫁にくれるっていったのにさあ・・。第一報が『元気な男の子』
だったんだぜ?ま、どちらにせよリナだったんだな〜♪消えたおんぞ〜し♪」
「しるかああああああああああああ!!!!!!!!!
ともあれ・・・。仮にアタシがそうだとしても・・・・・・・。」
正直言って・・身の振り方なんて・・考えてはいないし・・・・・。
「ゼロスにはまだ気付いてない振りしておいたほうが・・。良いかもね・・・。」
あの馬鹿兄・・馬鹿とは言え間抜けではない・・。
間違っても敵には回したく居ない人物である・・今の所は・・・。
「今からアタシ・・。行く所があるのよ・・。ガストンには適当にごまかし入れといてね。」
「リナ・・・・・?」
一直線にガウリイを振りきりどっかにダッシュ!!
「しょ〜がねえ・・なあ。」
ボリボリと頭を掻きながらそんなリナを眺めるガウリイだった・・・・。


アタシの父親については正直言って定かじゃない・・。
例え・・それがルクセンブルク関連の人だったとしても・・である。
まあ、それがあの例の犯罪組織の女総帥の戸籍にリナ達兄弟を入れたものだから・・。
話が思いっきりこじれている・・・と言う訳である。
しかし・・実際の母親は生粋のナポリ人・・・。
「その・・家系の暗く・・脈々とした血筋のせい・・かしらねえ・・。」
周囲を見やりながらリナは不意に不敵な笑みを浮かべて呟く。
「『カタート』の奴か!!?」
不意にその声は響く。
「そうよ。まだしも合法マフィアのカタート総帥の妹・・・・。
リナ=インバースよ。悪徳売買の闇取引好きな『ミッドガルズ』の皆様」
精一杯の作り笑顔で対応するリナ。さらに、陣取ったテーブルに着く様にすすめ、
さらにはウェイトレスにコーヒーを注文する。
「『合法』マフィアだ!!?」
あざけるような・・怒りを含んだ声。
「そうよ。一般人には迷惑をかけないで敵の組織を叩き潰す。当然の事でしょう?
成功しもしない十字軍よろしく・・戦争や抗争に明け暮れる馬鹿マフィアの皆様
とは違うのよね。」
「・・・く・・・。」
抗争や戦争・・さらには傭兵を用いた組織同士の抗争などは大昔からの約束・・である・・。
それをこうも一刀両断して『馬鹿馬鹿しい』と言ってのけるとは・・・。
「さすが・・・」
「言いたいことは分かってるわ。ま、コーヒーでも飲みなさいよ。」
敵の言いかけた言葉をアッサリと制してリナが言う。
「『あの女』の片腕だけはあるな・・・・・・。」
「伊達に遊んでるんじゃないわよ・・。で、下らない取引・・暗殺業は辞めるの?
辞めないの?まあ、アタシが介入する事じゃ無いかもしれないけど・・・。コレ以上
下らない真似されちゃあますます氷の所に逗留しなくちゃならなくなるのよ!!」
言いながらリナは・・・・。
ガストンが「コンピューター侵入」が成功したと言った時点で思いついた
裏の作戦・・・連中の資金源のすべての凍結を解除するカードキーをちらつかせる・・。
勿論セキュリティーが作動しなかった訳ではない。
しかし、リナの頭脳に掛かればその程度の事は造作も無かった。
「『ミッドガルズ』すら超える裏の超巨大組織と繋がっているとは・・な・・・。」
「で・・?ど〜するの?この場でアンタを消す事も出きるのよ?あたしは?」
不意にリナはカードキーを持ったほうの手・・・・強いて言えばその指にはめた
ルビーの指輪をちらつかせる・・・・・。
「真坂・・・・・。分かった・・・。取引には応じる!!」
マトモに焦りを露にし『ミッドガルズ』の幹部らしき男はリナとの
取引に応じる念書にサインをする。
「そ。ま、そりゃ当然よね。いい?また同じような事をしたら・・・。」
言いながらリナはカードキーを手渡しながらもスペルのロックキーは後生大事に
首からぶら下げている。
「わかった・・・・。『メフィストフェレス』や『毒を盛る女』とは良く言ったものだ・・。」
しかし、男達の顔色はマトモに・・それとは違った恐怖に引きつっている。


「リナ・・・・・・。」
「な〜んだ・・。見てたの?ガウリイ・・・・。」
放心した様にリナは後方から現れたガウリイに言う。
「お前・・一体・・・・・・。」
「アタシはね。かのボルジア家の末裔なのよ。正確に言えば・・ナポリのダラゴーナ家
かしら・・・?」
帰り道・・・。
未だに放心した様にリナ。
「カンタレラの毒薬遣い。連中、てっきり盛られたとでもおもったのね・・・。」
「リナ・・・。」
不意に差し出されたガウリイの手からリナは思わず逃げる。
「駄目!!あたしの中に流れる・・。暗く・・恐ろしい『黄金の血』・・・。
それは血じゃない!!毒なの!!あるものは陰謀と謀略の末・・あるものは淫蕩の末・・。
あるものは野望の末・・。恐ろしい死を遂げたわ・・。アタシの中にも・・・。」
その血が流れている・・・・・・・・。
「リナ・・。大丈夫だ・・・・。」
そう言ってガウリイはリナの手をしっかり握る・・。
「怖いわよ・・・。何がどうなるのか!!ルクセンブルクの秘宝に・・・・。
それに・・アタシがアタシじゃなくなる気がする・・・。怖い・・・。」
そうとしか言いようが無い・・・・。
「リナ・・。大丈夫だって言ったら大丈夫だって!!お前らしくないな!!」
ガウリイの言葉にやっとリナは正気を取り戻す・・・。
「そうね・・・らしくなかった・・・。
ルクセンブルクの秘宝のヒントはスペインにあるわ。」
「・・・スペインに・・・?」
「ええ・・・。もう一つのハプスブルク家のあったばしょ・・。行きましょう!!
ガウリイ!!」
「おう!!」
かくして・・二人はスペインに旅立つ事となるのだった・・・。

(後半に続きます。気が向いたらまた書きます!!)


トップに戻る
8854いろいろ見えてきました〜!P.I E-mail 2/20-00:47
記事番号8850へのコメント

CANARUさん、こんばんは〜!
「気まま」シリーズもいよいよ第10話に突入ですか!早いものですね〜(^^)
今回ついにリナの出自が明かされましたね!
しかしガウリイ・・・お嫁さんもらえなかった腹いせに赤ん坊を落っことすとは
・・・女の子の肌に痣作った責任は重いぞ〜(汗)
弟のガストンくん、兄貴よりしっかり者ですね(^^;)廻くんの方がガウリイ
とは血つながっていそう(爆)
フレイ騎士団のガウリイにマフィアのゼロスからリナ護衛の依頼がいったとゆー
ことは、ゼロスはリナの正体を知ってたってことになりますね?彼女を護ること
と「ルクセンブルクの秘宝」との間には一体どんな関係があるのか・・・?
謎を解く鍵はスペインにあり!そーいえばスペインにもいましたねーイザベルって
ゆー女王が(これは関係ないか ^^)
余談ですけど、バートリ・エルジェベトにまつわる小説で面白いものに、
篠田真由美さんの「琥珀の城(ベルンシュタインブルク)の殺人」(講談社文庫)
とゆーのがありますがご存じですか?18世紀ハンガリーの城館が舞台の歴史ミス
テリです。オススメですよ〜。
では後編を楽しみしています。
良かったらまたメールもいただけると嬉しいです!
それでは〜。

トップに戻る
8859ありがとうございました〜〜!!CANARU E-mail 2/20-11:37
記事番号8854へのコメント

>CANARUさん、こんばんは〜!
>「気まま」シリーズもいよいよ第10話に突入ですか!早いものですね〜(^^)
>今回ついにリナの出自が明かされましたね!
はい〜〜!!
いい加減にもったいぶるのは「9」までにしようとおもった結果でです〜〜!!
ここからはバンバン真実明かして行きたいです!!
>しかしガウリイ・・・お嫁さんもらえなかった腹いせに赤ん坊を落っことすとは
>・・・女の子の肌に痣作った責任は重いぞ〜(汗)
ですね〜〜!!
子供の頃の出来心とは言え・・・・・。
しっかり責任とらせましょう!!
>弟のガストンくん、兄貴よりしっかり者ですね(^^;)廻くんの方がガウリイ
>とは血つながっていそう(爆)
ですねえ・・・。
書いていて本当はもっと柔らかい感じの少年の予定だったのに
こ〜〜んな生意気な坊主になっってしまいました・・・。
また出るかもしれませんけどよろしくです!!
>フレイ騎士団のガウリイにマフィアのゼロスからリナ護衛の依頼がいったとゆー
>ことは、ゼロスはリナの正体を知ってたってことになりますね?彼女を護ること
>と「ルクセンブルクの秘宝」との間には一体どんな関係があるのか・・・?
はい〜〜!!
ぢつはそれは・・最後のほうに明らかになってくると思います〜〜!!
まあ・・どんでん返しといえば・・??(にやり)
>謎を解く鍵はスペインにあり!そーいえばスペインにもいましたねーイザベルって
>ゆー女王が(これは関係ないか ^^)
はい〜〜!!
今回の後編に当たりまたまたその娘のファーナ女王を登場させました。
塩野さんの「チェーザレ」にもちょこっと「ジョヴァンナ」の
名前で出てきてます!!
>余談ですけど、バートリ・エルジェベトにまつわる小説で面白いものに、
>篠田真由美さんの「琥珀の城(ベルンシュタインブルク)の殺人」(講談社文庫)
>とゆーのがありますがご存じですか?18世紀ハンガリーの城館が舞台の歴史ミス
>テリです。オススメですよ〜。
はい〜〜!!
書くにあたって桐生操さんのしかよんでなくって・・・・。
是非探してみます〜〜!!
>では後編を楽しみしています。
>良かったらまたメールもいただけると嬉しいです!
はい!!またメール書きます!!
>それでは〜。
では、後編を〜〜!!

トップに戻る
886037℃微熱戦記・後半CANARU E-mail 2/20-11:38
記事番号8850へのコメント

今回の話は最近の体調を反映してか・・・・。あはは・・・。
精神的部分を完全に崩してます・・突如小説書くの引退するかも
しれませんが・・・呆れないでやってください・・(マジで・・・。)
お願い・・勇気下さい・・・。

***************
37℃微熱戦記後編・・・・・・。


「これ・・・。」
マドリードの空港に到着し、博物館に到着した途端にこれである。
「『魔法の石〜〜??』お前こんな本持ってたっけ?」
ガウリイがリナに聞いてくる。
「・・・在る奴の部屋から拝借したのよ。ど〜せ管理もずさんだし。
バレはしないわよ。」
「・・・・そ〜ゆ〜問題かあ・・・?」
「そうよ。あのオカルトマニアの馬鹿兄。」
リナの兄にしてまだしも『合法的』なナポリ、ヒチリアを仕切るマフィアの
若き総帥、ゼロス。
真坂オカルトマニアだったとは・・・・・・。
「かく言うあたしも。イタリアはシエナの女子大を主席、特待、飛び級卒業。
更に言えば七ヶ国語、古代ギリシャ、ラテン語を解するよ〜にはみえないけどね。」
ついでに言えば・・世界各国の『犯罪組織』からのヘッドハンティングも
絶えない事も・・・・・・・。
「で・・これがど〜ゆ〜意味だ?」
「この彫刻の像・・ハンニバルの片目に埋め込まれている石は何かしら・・?」
「・・・エメラルド・・・?」
「そ。そして・・スペインを象徴する石は・・エメラルドよ・・・。」
ともあれ・・今は『ルクセンブルクの秘宝』を探す事が先決。
前回のウィーンに引き続きハプスブルク家について調べるためにスペインまできたの
だが・・・・。
「その・・ハプスブルク家の呪いのエメラルド・・よ・・・。」
これが・・果たして『ルクセンブルクの秘宝』と関係あるのかないのかは
ほとほと疑問なのだが・・・・・・。


「けどさあ・・リナ。何でさっきのエメラルドは呪いの・・なんだ?」
カフェテリアに陣取った二人席で不意にガウリイがリナに聞いてくる。
「あんまり言いたくないんだけど・・。時の女王イザベルの娘・・・
ジョヴァンナ・・スペイン語で言うならファーナかしらね・・?彼女が持ってた
からよ。」
「それに何か問題があったのか・・・?」
「・・・本当にあんまり言いたくないんだけど。彼女の別名は『きちがいのファーナ』
昔から黙りこんで宮殿の台所に座り込んでたり・・・夫の浮気相手に異常なまでに
嫉妬を燃やしたりしたのよ。しまいには・・。」
ここから先は余り言いたくない。
「もともとファーナは純粋なスペインの王位継承者だったんだけど・・・。
弟のホアンが死んでね・・。彼女の精神疾患も重なって結局は王位はハプスブルク家に
乗っ取られたのよ。『戦争は他家に任せよ。幸在るオーストリアよ、汝、結婚せよ』
っていうお家芸でね。」
「なるほどねえ・・・・・・。」
分かってるんだか分かってないんだか・・・。
名物のココアを飲みながら仕切りに感心したような素振りを見せるガウリイ。
「男のアンタには分からないかもしれないけど・・。何と無く分かるのよね。
繊細なファーナ王女が発狂して・・・・・。」
「・・・。言うなよ。機が狂ったほうが楽かもしれないって・・・。」
どうやら・・。
ファーナのような女性の気持ちはわからなくてもガウリイにはそう考えた事は
見透かされてしまった様である・・・。


スペイン、アラゴンとカステリャー・・・・。
その連合王国が統一されたのは名目上ではフェルディナント王とイザベル女王の
結婚とされているが、実際に法律、国家が統一されたのはフランス、ブルボン王朝が
血縁関係によりハプスブルク家に取って代わった時代からである。
「そういえばさあ・・・。ルクセンブルクの秘宝って・・何処のどの時代から
伝わってるの?」
行方不明になったリナと同じ名前のヴァロア朝の王女のことも気にかかるところである。
「う〜〜ん・・。確か。『マルゴ』とか・・『カテリーナ』とか
言う・・王妃と姫が居た時代だったかなあ・・・?」
少し考えながらガウリイが言う。
地中海が眩しい。かつてのアマルダ(無敵艦隊)の栄光を偲ばせる海である。
「そう・・。その時代だと・・。ルクセンブルクと言う公国事態は消滅してるときね。」
「・・・ええ!!?そ〜なのか!!?」
「名目上の王・・・・・と言うか分家筋の公爵が存在しただけよ・・・。
そう考えると・・何かが浮かんでくるんじゃないかしらねえ?」
少し考えながらリナ・・・・。
「と!!」
不意に座り込んでいた塀から落っこちそうになるリナ!!
「おい!!リナ!!」
ガウリイが支えるよりもほんの一瞬早くだった・・・・・。
「あんたねえ・・・。昔から・・。そんな所に座るんじゃないっていってるでしょう?」
そのリナを支えた人物の済んだ声が響く・・・・・。
「リナ・・。誰だ・・?ソイツ・・・?」
不意に現れた黒いワンピースと金髪の超絶的な美人。
「あ・・・エ・・・。」
「エレオノーラ。エレオノーラ=リスボンよ。」
無愛想に『エレオノーラ』はガウリイに答える。
「リナ・・。知り合いか・・?」
「え・・うん・・ま・・・。」
「ちょっと〜〜!!アタシのリナに馴れ馴れしくしないでくんない?
アンタがゼロスのおかっぱに選ばれた奴だとしても!!アタシは昔からこの子の
事しってんのよ!!」
いいながらエレオノーラはむぎゅ!!とリナに抱きつく!!
「リナ〜〜〜〜・何なんだよ・・その女(ヒト)・・・。」
さしものガウリイも困惑したように言う。
「し!!このヒトはね!!自分の気に入らないタイプの人間には徹底して攻撃
するのよ!!気をつけて!!」
真坂・・自分の「ボス」とはいえないだろう・・・・。
「まあ・・。コレを見なさい!!」
不意にエレオノーラは二人に言う。
「これって!!!?」
ハンニバルの瞳に埋め込まれていた・・カステリャー・レオン王国の・・。
ファーナ王女のエメラルド・・・?
「そ。前に貴方も『サロメのエメラルド』をゼロスに拝ませてもらったでしょ?」
「う・・うん・・・。」
そういえば。そんなことがあったような気がする・・・・。
「それと対を成すこの『ハンニバルのエメラルド・・。』これはね、在る意味
ルクセンブルクの秘宝への鍵なのよ・・・。」
「・・一体・・。何なの?ルクセンブルクの秘宝って・・・・??」
こればかりは如何しても読めない。
「この薬を飲む勇気がある・・?勿論ここで飲めなんて馬鹿な事言うつもりは無いわ。」
不意に差し出される白い粉。
「これって・・・・・・。」
カンタレラ・・・・・??
「少々改良してあるし・・毒に免疫を持つ様に育てられた貴方なら・・平気だと思うけど?」
「リナ・・・・???」
不意に宿舎に戻ると言い出したリナにガウリイは不審を抱くがそれ以上は何も言えなかった・・・。



ここは何処だろうか・・・?
あのカンタレラに催眠効果があることは・・薄々気がついていた。
しかし・・まるで自分が赤ん坊になったようになったように体が動かない・・・。
いや・・・実際に夢の中とは言え・・赤ん坊に逆行している???
部屋の装飾からして・・古代ローマに似ているような気がする情景・・・。
「赤ん坊が産まれたんですか?ファーナ伯母上?」
少年の声がする・・・・。
「ええ・・。ハンニバル。男の子と女の子よ。」
ハンニバル・・・・?あのフェニキア人の国家、カルタゴの英雄のハンニバル??
そういえば。幼い日のハンニバルは本国から植民地、スペインはカルタヘーナと
言う国家に住んでいたと言う・・・・。
「そうですか〜〜。」
嬉しそうな九歳くらいの金髪の・・ガウリイにそっくりな少年が顔を覗かせる。
「ホントだ!!赤い瞳に・・黒い瞳・・・・。」
嬉しそうにリナと・・隣に眠っている男の赤ん坊を眺めるガウリイに
そっくりな・・・ハンニバル・・・・・・。
この少年が後にアルプスを超えローマをあと1歩で滅ぼす所まで追い詰めるのか・・・。
信じられない・・・そして厳しいアルプス超えの際・・片目を失明する・・?
不意に聞こえる物々しい音!!?
「奥方様!!ガリア人が・・攻めて来ました!!」
「なんですって!!大方私達を捕まえて奴隷に売り飛ばそうと言うのね!!」
ファーナと呼ばれる母親が叫び声を上げる!!
「伯母上!!お逃げ下さい!!」
直ぐ其処まで攻めてきているガリア人達からリナの意識が逆行している赤ん坊と
隣で眠る少年・・・そしてファーナと言う女性を庇いながら戦うハンニバル!!
「あ!!」
リナの隣で眠っていた少年が不意にガリア人の手に落ち・・みるみると遠くに
連れさらわれて行く・・・?
やおら次ぎガリア人の手がリナ・・・意識が入っている女の赤ん坊にかかるその
直前だった!!
「待て!!」
絶叫するハンニバルがガウリイに重なる!!
「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!」
ガリア人を迎撃した直後に聞こえる・・幼いガウリイを彷彿とさせる少年・・・
ハンニバルの絶叫・・・・。
片目に深深と・・・敵であるガリア人の刃を受けている・・・??
これが。ハンニバルの真実・・・???


「ディード。」
何時の間にか・・自分がガウリイにそっくりな人物・・・。
ハンニバルに『ディード』と言う名で呼ばれている事をリナは知った。
自分の意識と同時に彼女の意識が重なっている。
「ねえ・・。ハンニバル・・。本当に・・ローマを攻め滅ぼしに行くっていうの?」
不意にディードの意識になってリナはハンニバルに言う。
「ああ・・・。お前にだけは言わなくちゃいけね〜事があるんだ。
いいか!!敵の裏をかいて冬に・・しかもアルプスを超えて攻めに行くんだぜ?」
嬉しそうにガウリイにそっくりなハンニバルは言う。
その美しい片目は17年前に受けた傷によって何も見えていないのだ・・・・。
「何言ってるの!!貴方ねえ・・・。分かってるの??しかも・・・・。
敵の総司令官の息子・・アタシと同い年のスキピオは・・・とんでもない強敵だって
言うじゃないの!!」
思わず感情がこもり・・口調に熱が入る。
「だからさ・・。みんな・・カルタゴの人々が連中の脅威から逃れられるために
戦うんだろ?いいか・・・ディー。」
そっか・・・。ディードは・・ハンニバルにディーと呼ばれているらしい。
不意にリナであるディードはガウリイにそっくりなハンニバルに後ろから抱きかかえ
られる・・・。
「イタリア半島さえ手に入れれば・・。なんだってできるんだぜ?俺達の
天下だ。何が欲しい?お前・・・。」
「・・・・お願い・・・。無茶しないで・・・。傍に居てよ・・・。」
涙がこぼれる・・。『ガウリイ』と呼ぶ言葉が不意に『ハンニバル』に
変えられてしまっている事なんて問題ではない。
「それだけは・・駄目だな・・・。」
「ならば・・。アタシも連れて行ってよ!!武芸ならアンタに散々し込まれてるし・・。
それに・・・兄貴の鎧を着て行けば・・誰にバレやしないわ。あんたの弟のハシュドルバル
にも庇ってもらえば・・バレやしないわ!!」
「馬鹿な事言うな!!」
不意にガウリイ・・・もうこう呼んでも罪にはならないような気すらする。
彼は怒りの声をあげる・・・。
「絶対に勝って帰る。だから・・待って居ろよ・・・。」
本気でいってる事は分かっている。けどね・・・。待ってられないのよ・・・。
17歳まで生きれるかどうかも・・怪しい・・・・。
ディードは、病気なんだ。意識の中でリナはそう悟った・・・・。


「聞けば・・。かのスキピオとか言う小僧はど〜やらローマの将軍の息子と
言うが・・。実態は何処の馬の骨とも知らない奴隷商人に連れてこられた子・・と
言うじゃないか。」
ハンニバルの三番目の弟・・マゴーネが兄に向かって言う。
「そのようだな・・・。」
上の空の時の声もハンニバルはガウリイにそっくりである。
「ピュグマリオン、話がある。ちょっと来い。」
そんなガウリイと同じ声にディードとなっているリナは自分が呼ばれた事に気付く。
そう・・兄のピュグマリオンに変装して彼女は出陣したのだ・・・・。

「ディー・・・。お前なんだろ・・・?」
此方を見向きもしないでハンニバル・・・いいや・・ガウリイは言う。
「・・・・・。言わなくても良い。ただ・・これだけは言っておく。頼む・・・。
俺のために・・死ぬな!!」
顔すら見ずに後ろから強く・・抱きしめられる・・。
「ガウリイ・・・・。」
そうとしか言えなかった・・・・。


ローマに着いた初日の戦闘・・・・・。
「アイツ・・・。スキピオか・・???」
マゴーネが不意に大声で一人の戦士を指差して言う。
「・・・ディー・・・??」
そう。髪の色こそ違えども・・・・リナとなったディードにそっくりな敵兵・・・。
「何処へ行くんだ!!ディード!!」
ディードの意思はリナの意思を無視して敵・・スキピオに突撃する!!??
「ディー!!!!!戻れええええええええええええええええええ!!!!!!!!」

ガウリイの声と。表情・・・・。
転がり落ちるディードの胸から下げられたエメラルド・・・拾い上げるハンニバル・・。
彼の悲痛な叫びは・・・ディードには届かなかったんだ・・・・・・・・・。
彼女の体から意識を解放されたリナは・・・・。
「リナ!!!リナ!!!」
「・・・・・・あ・・・・??」
目から未だに涙があふれる・・・・。
「何を飲んだんだよ・・お前・・?」
ドアを突き破って入ってきたらしいガウリイ・・・。
さっきまでは悲痛な表情をしていたのかもしれない・・・。
不意に夢の中のガウリイにそっくりなハンニバルの・・ディードを失った時の
姿と表情が目に浮かんでならない・・・。
「・・・ハンニバルの・・・秘めた・・恋人・・・・・・・・。」
彼女のために。片目を失った・・しかし彼女を守れなかった英雄の悲痛。
それが、あのいエメラルドの呪いとなっているのかもしれない・・・・。
「ったく。あのエレオノーラってねーちゃん!!今度あったら文句言ってやるからな!!」
プリプリ怒りながらガウリイが言う。
「やめておきなさい・・。あのヒトは・・闇の女帝・・ロード・オブ・ナイトメアなのよ?」
「・・・・・まじ・・・・???」
「マジ。スコップで殴られないうちに・・今の言葉撤回したほうが良いわね。」
「うんうんうん・・・。」
かくかくかく・・と頷くガウリイ。人間素直が一番である・・・・。


「で、このエメラルドはど〜するんだ・・・?」
不意にガウリイが聞いてくる。
「エレオノーラが一応その事は処理してくれるみたい。もともと盗品だったみたいだし。」
しかし・・少し考えてリナは付け足す。
「もっとも・・・ルクセンブルクの秘宝と・・・・・。」
「関係あるわよ。」
エレオノーラの声が周囲に響く。
「それはね・・ハンニバルから流れに流れてハプスブルク家のモノとなったわ。
けれでも・・それはもともと正式な持ち主が持たないと意味がないの。今・・。
貴方達という正式な持ち主の手に戻ったって事ね。」
笑いながら続けるエレオノーラ。
「リナが・・・ルクセンブルクの王家の血を引くものって事と関係あるのか?」
「ええ。ルクセンブルクの秘宝は・・リナの義母・・が持っているわ。最も・・・。」
そこまで言って言葉を切る。
「正式な持ち主じゃないからって・・・事・・・?」
「いいえ。それは違う。良い事リナ。なによりも・・まずは真実を見極めることね。
カモフラージュを望んだ貴方の義母の気持ち・・考えてね。」
「それって・・・・・。」
何かが違ってきているのだろうか・・・??
「な〜〜に、真実がハッキリすれば・・。どうにでもなるだろ?」
不意にガウリイが言う。
「でも・・・・。」
精神的に気に掛かりリナは続けかかる。
「俺はなあ〜お前に嫉妬させるような真似はしないから♪現実に居ろよ♪」
不意に・・・ガウリイの嘆きとそっくりでしかりのハンニバルの顔が脳裏をよぎる・・。
そして・・ファーナ王女の悲運も・・・・。
「そうね・・・・。」
考えても仕方ないかもしれない。
「で・・次回は何処に飛ばされるんだ?」
「・・・・ゼロスと・・・。」
どっかのド阿呆の精神状態次第・・である・・・・・・・。


’(すんまへん・・・。書ければ書きます・・。勇気下さい・・・・。
あああ・・・。世間の風は・・・・・【涙】)
余談ですがこのハンニバルとディードはアタシが高校時代に書いた無謀な
話そのままなんです(汗)ディードが死んじゃうあたりもハンニバルの失明理由もそのまんま・・・。
まあ、この彼女もそんなエピソードもアタシの完全な創作
なんですけどね・・(汗)って、たりめ〜〜か。
まあ、若気の至りと言うか・・なにとぞお許しを・・・・。

トップに戻る
8863具合はどうですか?P.I E-mail 2/21-01:41
記事番号8860へのコメント

CANARUさん、こんばんは。
お加減はいかがですか?(「誰の微熱戦記だ〜?」と思ったら作者様でしたか)
ここのところ張り切って新作をばしばし書いておられましたもんね〜。疲れが
出たんですよ、きっと。あまり根を詰めないで、書くのも読書もしばらくお休み
して、まずは元気になってください。

さて今回は狂女ファナの時代へタイムスリップ(意識だけ)。こーゆーことが
出来るのもスレイ最強キャラのあのお方だからこそ!?
しかしリナとガウリイのつながりはそんな昔からあったんですね〜!運命の人
とゆーか、運命の腐れ縁とゆーか、赤い糸とゆーか・・・(^^;)
(関係ないけど、狂女ファナの錯乱、アレは全部旦那が悪い!!)

これからは謎解決編ですよね。「引退するかも」なんて寂しいこと仰らないで
ください〜。CANARUさんに辞められたらマジ寂しいです(;0;)
好きなことでもムリして続けてると、結局自分を追いつめることになりますから
ね。焦らないでほんとに書きたくなるまでゆっくり休養してください。
でもどーしても、本当にどーしても「ダメだ・・・」と思われたら、その時は
どうぞ周りのことなんか気にせずに、ご自分の事を第一に考えてください。
(言ってることがなんか矛盾してるぞ自分・爆)
・・・とか言いつつ、はっ!!もしかしてPがこんなに細かくツッコミ入れる
もんだから、それがCANARUさんの負担になってしまったのでしょーか!?
・・・・・・・・・・うわぁぁぁぁぁ!ごめんなさいいいいいいっっっっ!!!
(大反省!!!)

トップに戻る
8865回復しつつあります〜〜♪CANARU E-mail 2/21-10:46
記事番号8863へのコメント

>CANARUさん、こんばんは。
>お加減はいかがですか?(「誰の微熱戦記だ〜?」と思ったら作者様でしたか)
>ここのところ張り切って新作をばしばし書いておられましたもんね〜。疲れが
>出たんですよ、きっと。あまり根を詰めないで、書くのも読書もしばらくお休み
>して、まずは元気になってください。
あろがとうです〜〜!!
最近考えだけが先走って上手く書けなかったもので・・・。
(ちなみに世間の風も・・・・・。)
ついつい弱音が出てしまいました・・(涙)
>さて今回は狂女ファナの時代へタイムスリップ(意識だけ)。こーゆーことが
>出来るのもスレイ最強キャラのあのお方だからこそ!?
>しかしリナとガウリイのつながりはそんな昔からあったんですね〜!運命の人
>とゆーか、運命の腐れ縁とゆーか、赤い糸とゆーか・・・(^^;)
ですね〜〜!!
しかもガウリイ・・嫌われたら徹底的に攻撃されるぞ!!
ですよねえ〜〜!!
>(関係ないけど、狂女ファナの錯乱、アレは全部旦那が悪い!!)
はい!!
まったくもって同感です!!読んでて可哀想でしたしね!!
>これからは謎解決編ですよね。「引退するかも」なんて寂しいこと仰らないで
>ください〜。CANARUさんに辞められたらマジ寂しいです(;0;)
ありがとうです〜〜!!
本当にもう少し焦らないで書きたいです・・(涙)
(って・・ぢつは一年前の今ごろにもだらだらそんな事考えてたので・・・。
多分季節病ではないかと〜〜・・・。)
>好きなことでもムリして続けてると、結局自分を追いつめることになりますから
>ね。焦らないでほんとに書きたくなるまでゆっくり休養してください。
>でもどーしても、本当にどーしても「ダメだ・・・」と思われたら、その時は
>どうぞ周りのことなんか気にせずに、ご自分の事を第一に考えてください。
>(言ってることがなんか矛盾してるぞ自分・爆)
いえいえ!!
もう少しすれば良くなると思いますので・・。
なにとぞ気長にお待ち下さいませ〜〜!!
>・・・とか言いつつ、はっ!!もしかしてPがこんなに細かくツッコミ入れる
>もんだから、それがCANARUさんの負担になってしまったのでしょーか!?
>・・・・・・・・・・うわぁぁぁぁぁ!ごめんなさいいいいいいっっっっ!!!
>(大反省!!!)
いえいえ!!
はげみになりましたので!!
ありがとうございました〜〜!!
ではまた〜〜!!