◆−グランドクロスの予言−CANARU(2/9-21:37)No.8729
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  ┗タイム・トゥ・セイ・グッバイも良いですよ♪−CANARU(2/10-15:28)No.8743


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8729グランドクロスの予言CANARU E-mail 2/9-21:37


今回の話は・・・。
「流行遅れ」といわれること覚悟でお送り致します・・・・・。



「フランスに飛んで頂けませんか・・・?」
「はぁ・・・・?」
馬鹿兄こと就職先のまだしも合法的なマフィア、ナポリ、ヒチリアを
取り仕切る組織『カタート』の若き総帥、ゼロスに言われてリナは眉根にしわを寄せる。
このリナ、性格はかなりの『良い性格』なのだが。
シエナの女子大を主席、特待、飛び級で卒業。
さらには七ヶ国語、古代ラテン語に古代ギリシャ語までも流暢に話せる
優秀な人材でもありヨーロッパ、アメリカからのヘッドハンティングも絶えないの
である。しかし・・・。今の彼女の現状はこの馬鹿兄の『犬』・・・。
「このあいだ『オペラ座』事件で行ったばかりじゃないの。」
不満そうにリナが言う。
「いえねぇ。あんまりにもゼラスおねーさまが『高砂殿の引き出物の紅白饅頭
食いたい!!』って煩かったから書庫に逃げたんですけど・・・。」
「何で高砂殿の引き出物の紅白饅頭なんですか?ゼリガディスさん〜?」
「・・・。美味いからだろ・・・?」
「そね・・・・・。」
アメリア、ゼル、リナの馬鹿にしたような結論。
「あの〜ぉ、話は最後まで聞いていただきたいんですけどね・・・。」
「はいはい、で、貴方は高砂殿襲撃して紅白饅頭奪って逮捕されてめでたしめでたし・・ね!!」
「・・・。お願いです。高砂殿と紅白饅頭の話はもう忘れてください・・・。
兎に角!!そこで、面白い本・・と言うよりも家系図を見つけたんですよ。」
「家系図・・・・?フランスのヴァロア王家の家系図じゃないの・・・。」
古いもので興味アリ・・と言う理由だけでリナはその本を受け取って読み出す。
「・・・・・・・。気付きましたか・・・?その行方不明になった王家の
末娘・・・。その名前は『リナ』ていうんですよ。僕達が僅かながらフランスのヴァロア
王家の血を引いてる家系と言うのは周知の事実。ちょっと調べてくれませんかねえ・・?」
「・・。あんたの道楽にコレ以上つきあう・・・・。」
「りなああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ぶごわあああああああああああああんんん!!!!!!!!!!!!!!!!
勢い良く室内に飛び込んできたガウリイ!!
はずみで開け放たれたドアがリナの頭を直撃した!!


「いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何すんのよ〜ガウリイ・・・。」
目に微かに涙を浮かべながらリナは抗議の眼差しをし、頭を摩りながらガウリイに
文句を言う。
「それ所じゃないんだ!!リナ!!一大事だ!!」
「一大事・・・・?何よ・・一体・・・・・?」
焦った自分を落ち着かせようとガウリイがしている事はあからさまである。
「良いか・・・。落ち着いて聞いてくれ・・・・・。」


「こんのくっそくらげえええええええええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
ズバゴシメキュバキュドンガラグゥワシャアアアンンンンンンンンンンンンンン!!!!
「ひいいい!!だから落ち着いて聞いてくれって言ったんだ〜〜!!
ああ!!コレ以上殴らないでリナ〜〜!!頭が〜〜!!」
「安心おし!!もともとからっぽの頭よ!!コレ以上ど〜こ〜なりゃしないわよ!!」
「ひいいいいいいいいい!!リナさん!!僕の総帥椅子がこわれますううううううううう!!」
「う・る・さい!!ぼ〜〜っとしているうちに給料全額スリにスられたあんたが
悪いのよ!!ガウリイ!!しかもよりによってあたしのお給料までえええええええ!!
ナポリのスリには気を付けろって散々言ってるでしょ〜〜がああ!!」
完全に逆上しながらリナが言う。
「あれ・・?そんな事言ったけえ・・?」
きょと〜んとしたようにガウリイ。
そ〜いえば・・。ナポリ人なら子供の頃から親にきつ〜くそ〜ゆ〜事を
聞かされて育っている。
ナポリ人ではないガウリイに理解しろって方が難しいかもしれない・・・。
「まあ、良いわ。ここで一つ、ナポリドロちゃんの武勇伝を教えてあげる。」
言って教授モードに入るリナ。
「わ〜〜い!!お話です!!ゼルガディスさん。水あめ食べませんか〜♪」
「紙芝居小屋か・・・?ここは・・・・?」
「第二次世界大戦後。ムッソリーニ失脚によってイタリアは戦線を離脱した事は・・・・。」
「知らん!!」
そ〜いうと思ったわよ・・ガウリイ・・・・。
「ともかく!!アメリカの進駐軍がやっぱりナポリにもやってきました。
で・・それを快く思わないナポリの人々は物凄い妖艶なナポリ美女を使って・・。」
「・・・。お前さんじゃあ無理だよなあ・・・・。」
どげらしゃあああんんんんんんんんんぐわらぐわらがっしゃあああああああああああ〜〜ん!!
「リナさん・・・。ガウリイさん・・・。頭から血ィ流してます・・・・。」
「平気よ、アメリア。ど〜せかすり傷よ!!ともかく・・。
その美女が米兵に言ったのよ。『あちらで上官がお呼びです。直ちに戦車から降りて行って
下さい』ってね・・・。まんまとダマされた米兵が戻ってきたとき戦車はすでに無くなってたのよ。」
「仲間を呼んで戦車ごと盗んでいったって訳か。」
感心した様にゼルが言う。
「そ〜ゆ〜事。その戦車の運命はバラして屑鉄工場に売っ払われるのが関の山・・てか。」
そう言ってリナはガウリイの様子を見る・・・。
だ〜めだ、こりゃ・・・。
全然どっちも堪えてない・・・・。
殴られた事も・・お説教にも・・・・。
「ソンなもの食べてないで!!覚えてればモンタージュで給料すりの犯人を
作って探すわよ!!」
言ってリナはモンタージュ作成のできる部屋にガウリイを引きずっていく。
「ああああああああああああ!!ガウリイさん!!高砂殿の紅白饅頭食べちゃい
ましたねええええええええええええええええええええ!!!!!」
さしあたり『忘れてください』と懇願された手前この饅頭についてはノータッチと
しておいてあげよう・・ゼロスよ!!


「えっと・・顔はまるっこかったかなあ・・?」
「こんな?」「お、そうそう・・で・・口は・・・。」
ガウリイの言うとおりにリナはコンピューターを操作しながらモンタージュを
作成して行く。
「女性だったの・・?」
輪郭と口が誰が何と言おうと女性の骨格をあらわしている。
「わからん・・・・。」
おい・・・・・・・・・・・・・。
「ともかく、続きを作成するわよ。目は!!鼻は!!眉毛は!!髪型は!!」
「え〜〜っと・・。あ〜で、こ〜で・・んももってそ〜でぇ・・。」
かくして・・・・・・・。
「ねえ・・。ガウリイ・・。この超クラシックな美人はどなたか・・?知っていて?」
「あはは〜〜!!ほ〜んと!!クラシックな美人だな〜!!こ〜んな奴今時
街中を歩いてるわけね〜よな!!ははははは〜〜♪」
「あたりまえだあああああああああああああああ!!
誰が何と言おうとこれは16世紀のフランスの王妃!!カトリーヌ・ディ・メディシスよおお!!
生きてるわけないでしょ〜〜があああああああああ!!!」
ひたすらリナは絶叫した・・・・(汗)
「だって〜〜!!ボ〜〜としてたとき・・。確かにこの顔が・・。覚えてるんだよ〜〜!!」
って事は・・。絵か何かを見たと言う事であろうか・・・??
真坂と思うが盗品か何かなのだろうか・・・??
「う〜〜ん・・。今回のスリ犯行・・。ど〜やらナポリ人の仕業ではなく・・。
フランス人の仕業の様ですね。じゃ、頑張って任務ついでに給料取り返して
来てくださいね。リナさん、ガウリイさん〜♪」
何処からともなく現れ、去って行く馬鹿兄にリナは思いっきり絶叫するのだった・・・。
「まてええええええええええええ!!馬鹿兄〜〜〜〜〜!!」
かくして・・・。
リナとガウリイはまたしても任務に出かけねばならなかった・・・・・。


「行方不明になった『リナ』王女ネエ・・・。」
アンボワーズ城を眺めながらガウリイが言う。
「ま〜ね。」
興味なさそうにリナはアンボワーズ城から目をそむける。
「カトリーヌ王妃を調べればこの王女とあたし達の給料も見つかるとは思うんだけどね。」
そのゆかりの地がここ・・と言うわけである。
「その割には目をそむけてるよな。この城から、おまえさん・・・。」
言わせたいのか・・・?この男は・・・。
まあ、からかいついでに言ってみるのも面白い。
「この城ではね、当時の王・・カトリーヌの息子フランソワ2世時代にね・・。
妃のメアリを通じて親戚関係にあったギュース一族の専制に絶えかねた反逆組織の
反乱が未然に発覚してね・・・。そのとき・・。その反乱軍が徹底的に処刑され
て・・・。吊るされて・・・。」
「ぎゃあああ!!残酷な事いうなあああああ!!」
やっぱり・・。
ガウリイはこのテの話が苦手らしかった・・・。


「あ〜あ・・。結局今日は観光で終わりだったわねえ・・・。」
なんともはや。給料発見ならずにその日は『カタート』支部の宿に戻る様に
なったのである。
「ま〜なあ・・。しかし、リナ・・・。お前真坂・・・。」
「給料のタメにだけ動いてるのよ・・・・。文句ある・・・??」
「・・・・・・・・・・。怒ってる・・・?」
「当たり前でしょう・・・。ったく・・・・。まあ、駆けずり回ったおかげで一つだけ
情報が手に入ったわ。あったのよ。」
「情報・・・・?」
「そ。今から急行する気ににはなれないし。ブロアに一回行きたいのよ。『ミッドガルズ』
以外の犯罪組織がのさばっているって事が発覚してね。もっぱらここじゃ町中のうわさよ。」
「『ミッドガルズ』以外の・・・・?」
「敵対組織のようね。ついでに言えば。あたしにとっても因縁があるといえば・・。
お分かりいただけると思うわ・・。」
不意にリナは視線を遠くに向ける。
おそらく・・リナの母親が結成した犯罪組織のことであろう・・・・。


「リナ〜。『ノストラダムスの予言』って知ってるか〜?」
ぶ!!
思わず口につけていた紅茶をリナは勢い良く吐き出してしまう。
「知らないんなら別いいんだけどさ・・・。今思い出して。」
さらにぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ〜〜〜〜〜〜!!
「おい。リナ・・。大丈夫か?」
むせ返しているリナの背中を撫ぜてやりながら心配そうにガウリイ・・・。
「ごほ・・ごほ!!あ・の・ねえ〜〜〜〜〜〜〜!!
何寝ぼけた事言ってるの!!しかもそんな仕舞い忘れたお雛様みたいな事をぬけぬけ
と〜〜〜〜!!」
「仕舞い忘れたお雛様って・・。それじゃあなかなか嫁に行けないじゃね〜か・・。
まあ、リナは俺が貰って良いって言うなら貰うけど〜♪」
「何言ってるの〜〜〜〜!!あ・の・ね!!(呼吸を整えて)・・・・。
アタシが言ってるのは!!ノストラダムスが話題になるのは世間一般様じゃ
1999年!!去年までの事って言いたかったのよ!!」
紅茶にむせかえりながらリナは続ける。
「・・・。そ〜なのか・・?いや・・。1999年に世界が滅亡するって
言ったから話題になるのは99年までってのが相場なのかあ・・・・。」
「・・・・。普通はね。まあ・・・・・。」
ここで長々と講義するのも何と無く・・と言う気がするので今は控える。
「コレも今思い出したんだが『ルクセンブルクの秘宝』ってのも・・。
消えた王子同様探す様に言われてたんだ。見つかる確率低いと思って諦めてたんだけど。
ど〜もノストラダムスと関係あるらしくてさあ・・。」
まあ・・確かにその『秘宝』とやらがノストラダムスと同時代の物ならば
関連性はあるかもしれない。
加えて『ルクセンブルク』と言う一言も気になるところである。
「もしかしたら・・・・。母さんは・・・・。」
ルクセンブルクとは浅からぬ因縁を持つ出身である・・・・。
彼女もこのガウリイと同じ物を探しているとしたら・・・・?
「分かったわ。ガウリイ。ちょうどアタシもカトリーヌ王妃について
調べたかったし。明日予定通りブロア城に行きましょう・・・・。」
とりあえず・・当面の予定は決定である。

1999年・・・。
空よりのアンゴルモアの恐怖の大王が降臨する。
以降火星による幸福な統治・・・ねえ・・・・。
大体の人がテレビで聞かされてこのキャッチフレーズは知っているとは思う。
「真坂・・・・ね・・・。」
ブロアの図書館でコピーして貰った本の一枚をリナは眺めながら呟く。
「なるほど・・そ〜ゆ〜事か・・・。」
ならば・・大方分かったような気がしないでもない。
説が二つに分かれると言ってしまえば其処までだが。

「リナ〜〜!!遅くなって済まない〜〜!!」
「あ、ガウリイ。あんたが来なければ置いて帰ろうと思ったのよ?」
「ひでぇなあ〜。それに帰るってど〜ゆ〜事だよ〜?」
「給料が見つかったって事よ。そ〜なると兄貴の以来の家系調査なんて元はと言えば
二の次、三の次ぎだし・・・。残る目的は『犯罪組織』とあたし達が争っている
『ルクセンブルクの秘宝』だけよ。」
ブロア城の廊下に響く声でリナ。
「カトリーヌ王妃はノストラダムスを1ヶ月ばかり招集してね・・・。
この城ブロアで対談をしているのよ。その時・・。恐らくカトリーヌは夫国王
アンリ2世の死期をノストラダムスに予言させたと考えられるのよね・・。」
「それと・・秘宝と何の関係があるんだ・・・?」
「恐らく・・。何らかの形でルクセンブルクにフランス王家の宝が流出した・・・
としか考えられないわね・・・。」
そこで当てはまるのは・・・失踪した同名の王女『リナ』なのかもしれないが・・・。

「さすがね・・。リナ、貴方の察しの通りよ・・・。」
不意に現れる・・悲しげな眼差しの女性・・・。
「これはこれは・・麗しの義母上。」
慇懃無礼にリナは女性にお辞儀をする。
「貴方が何の目的でルクセンブルクの秘宝を探してるかしらないけど・・・・。」
しかし・・。
脳裏にガウリイの告白が思い出される。
『失踪した王家の王子を探すためにマカオでマフィアをやっていた』
と・・・。
そう考えれば・・この女の行動理由も掴めるかもしれない・・・。
「ルクセンブルク王家の血を引く貴方が何をたくらんでるのかわ知らないわ・・。
でもねえ、貴方の軽率な行動のせいで・・・・・。」
「分かっています・・・・。私のせいで・・・。ジョヴァンニは殺された・・・。
そうですね・・・。」
悲しげな視線でリナに言う。
「赦さないって・・言ったでしょう・・。」
重苦しい雰囲気に絶えられなくなりリナはそっぽを向く。

と・・その時であった!!
「あぶない!!リナ!!」
不意にガウリイがリナを庇う様に手を翳して来る。
ばきゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんんん!!!!
けたたましく響く銃声。
だが、此方とてプロである。なめられたくは無い。
「大丈夫よ、ガウリイ。今の音は空砲よ。」
「・・・・・なんだ・・・。」
庇ったときに差し出した腕をリナが解くのを名残惜しそうに眺めるガウリイ。
「そ〜よ。こんな重要文化財で拳銃なんぞぶっ放したら・・・。NATO国連軍
にとっ捕まる挙句国連総会で裁判沙汰になるが関の山よ。」
「・・・・・・。そうなのか・・・??」
「ジョークよ・・ジョーク・・・。」
「・・・おひ・・・・・・。って、そんな手は食わないぜ?」
言いながらガウリイはリナに向かって投げられてきた何かを片手でけで
いとも簡単にキャッチする。
「何の真似?ミッドガルズの末端組員さん?」
嫌味たらしくリナが言う。
「解読してもらおうか・・・?その予言と『ルクセンブルクの秘宝』のありかを?」
リナの義母を人質に取りながら言うミッドガルズの団員・・・。
「く・・・・。」
こんな人間とは言え。みすみす見捨てる見捨てるわけには行かない・・・・。
「リナ!!言っては駄目よ!!こいつらは!!」
口を無理にふさがれ義母は沈黙を余儀なくされない・・・。


「若い獅子が、老いた獅子を打ち倒すだろう・・・・
野戦場の一騎射ちに於いて  金の籠の中で目を潰すだろう 
二つの軍隊は一つになり 無残な死がやって来る・・・ね・・・・。」
不意にリナの口元に嘲りとも勝利を直感したとも言えない微笑が微かに浮かぶ。
「有名なアンリ2世の死を予見したノストラダムスの詩・・ね。」
「アンリ2世の死・・・だと・・・??」
「ええ。アンリ2世が騎馬試合の時にモンゴメリー公と一騎射ちで勝負をして・・・。
不慮の事故で槍がその目玉に刺さったのよ。槍は刃先が折れて目玉や頭蓋骨の方面まで
貫通して・・・更に言えば脳の組織が変質、腐敗するほどの深手だったというわ。
それでも数日間国王は生き延びた・・しかしその姿は・・・。
何ならもっと詳しいこと教えてあげましょうか?」
「そんな事は・・聞いてはいない!!」
明らかに男は動揺しているように言う・・。
「そりゃそ〜だよなあ・・。アッサリ言う奴も言う奴だけどさぁ・・・。
誰もそんなおぞましい話聞きたくないよな・・・。」
ボソリともっともな事をガウリイは呟く・・・。
「トゥールネル宮殿よ。深手を負ったアンリ2世が運び込まれたのは・・ね。」
「く!!」
やはり所詮は末端団員か。
アッサリとリナの義母・・ルクセンブルク分家の王女を離してトゥールネルに
駆け出そうとしていた。
「そうや問屋がおろすモンですか!!」
いいながらリナはバッグから携帯電話を取り出す。
「もしもし!!『カタート』支部の人?アタシよ、リナ。
一寸前にトゥールーズに『ミッドガルズ』の末端の皆様が大挙してお出かけになったわ。
後はよろしく!!」
そうとだけ言ってリナは電話を切る。


「ごほ・・・げほ!!リナ・・・。何て事を!!あいつ等の手に『秘宝』が渡ったら!!」
言いながらリナは呆れた様に義母である王女を見下ろす。
「誰が連中に『ありか』を教えたって言うの?」
「へ・・・・・・・・?」
「なるほど、確かにアンリ2世の死について書かれている項は秘宝のある場所と
関係はあるのかもしれないわね。もっとも・・今となっては無関係ね。」
それよりも行方不明になった『リナ』と言う王女の事を辿るほうが賢明かもしれない。
せいぜいノストラダムスの予言・・というよりも詩は秘宝がフランスにまだあった頃の
話なのだからだ。
せいぜい解けてその『秘宝』の性質の謎程度である。
「でもよ・・リナ・・。ソレでも連中に秘宝についての手掛かりを与えちまったんじゃ
ないのか・・?」
心配そううにガウリイ。
「平気よ。例え予言の内容を連中が上層部に伝えていたとしても・・・。
アタシが解読したあれはそもそもアンリ2世の死に対する予言じゃあないわ。」
「へ・・?だって・・。『金の籠の中で目を潰す』って・・・。それに・・。」
「散々言ったおっそろしい事はあくまで連中にアンリ2世の悲劇的な事故を
印象付けるためよ。そもそも・・この予言は・・。イングランド国王ヘンリー8世
とサー・トマス=モアの争いについての予言なのよね。」
若き獅子はヘンリー国王、老いた獅子はトマス=モア。
目を潰すはその力をそぐ事を意味し・・さらには処刑を意味している。
ついでにいえばこれによってヘンリー8世は強制的に分裂したイングランド国内の
意見を統一できる・・と言う事である・・・・。
「じゃあ、リナ・・・。『秘宝』について示した予言は・・・?」
ここにきてリナは沈黙せざるえない・・・。
「どうやら・・。私はお邪魔な様ね。同じ物を探しているようですしね・・。」
少々寂しげな笑みを浮かべながらリナの義母は立ちあがる。
「ありがと・・・リナ・・。」
そしてそっと呟く。
「別に。貴方のためじゃないわ。」
半分は嘘かもしれないけど・・・。
「ガウリイのためよ・・・。」
これは・・自分の本音である・・・・・・。


「で、リナ?その予言はどれなんだ?」
帰りの飛行機の機内。
予言の内容を聞くと言う事は口実でガウリイは必要以上にリナの方に寄ってくる。
「これよ。1999年の恐怖の大王。」
「へ・・・・・・?これが王様の死を予言したって事か?」
「それもあるわ。この1999年を特殊な形に置きかえると1559年の七月になるのよね。
その年アンリ2世は崩御、さらには内乱の危機を経た後国内は平和を保たれたのよ。
この『火星による統治』・・そもそも火星は戦争を象徴しているとも言われている。
占星術師でもあったノストラダムスらしいわね。このアンモルゴアは・・・。
アングレームの公爵でもあったアンリの父、フランソワ1世の事じゃないかしら?」
「ふ〜〜ん・・・。何だか気が抜けるよな。」
「まね、もしくはノストラダムスはブロワ対談のときに『恐怖の大王』
は『目に見えないもの』と王妃カトリーヌに語っているわ。1999年と真面目に考えると・・。
多分『グランドクロス』のことを言ったのかもしれないわね・・・。」
「グロンドクロスって・・・・・??」
「・・・・。太陽系の惑星は言える?ガウリイくん・・・?」
「水、金、地、火、木、土、天、冥、海・・だろ?」
「そう。正式には1999年に海王星と冥王星の軌道が入れ替わって海、冥の順序に
変化したけどね。そして、去年は太陽を中心に太陽系の全惑星が『十字』に並ぶ
と言う軌道になったのよ。」
「宇宙に巨大な十文字が出来たって事か・・・?」
「そ。ついでに言えばノストラダムスの時代には天体は月、地球、太陽、水星、金星、火星、
木星、土星しか知られてはいなかったのよ。そ〜かんがえると・・・。
残りの天王星、海王星、冥王星は『目に見えないもの』となるしね。」
「ほげ〜〜〜・・・・。」
分かってるんだか分かってないんだか・・・??
「ともかく。これで『ルクセンブルクの秘宝』の性質は解読できるかもしれないわ。」
なんとなく興味はある、それだけだった。
「ま、気長に探そうな。」
「そね。」
そう言いながらリナとガウリイは着陸した飛行機から下りる準備に掛かるのだった。


(気が向いたらまた書きます)




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8730紅白饅頭がどうかしたの?(笑)P.I E-mail 2/10-01:04
記事番号8729へのコメント

CANARUさん、こんばんは!近頃絶好調ですね〜♪
シリーズの方は秘宝をめぐって三つ巴の様相・・・でもあれってただの解毒剤じゃ
なかったんですかね?まだまだ秘密があるのかな〜?(にやり)
今回初めてリナが、お給料のためでもゼロス兄の命令のためでもなく、「ガウリイ
のためよ」と言ったのが印象的でした!本人にどの程度自覚があったのかなかった
のかはわかりませんが(^^;)
あと個人的に気に入ったのがお雛様(笑!)ガウリイ、貰っちゃいなさい!!
んで高砂殿で式を挙げればゼラス姉にも引き出物が渡ってみんなはっぴ〜よ!

今日CD屋さんをぶらついてたら偶然サラ・ブライトマンのCDを見つけて購入し
ました!(ポップスのコーナーにあった・・・謎)
「イル・ミオ・クオーレ・ヴァ」キレイですね〜(はぁと)サラ→リナ変換して、
さらに後ろでガウリイがうっとり聞き惚れてるところを想像して、一人喜んでます
(アブナイって・・・)
また良い曲があったらお話で紹介してくださいね!

それではまた!


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8743タイム・トゥ・セイ・グッバイも良いですよ♪CANARU E-mail 2/10-15:28
記事番号8730へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!近頃絶好調ですね〜♪
ありがとうです〜〜!!
今日も面白そうなネタ本図書館で借りてきました〜♪
>シリーズの方は秘宝をめぐって三つ巴の様相・・・でもあれってただの解毒剤じゃ
>なかったんですかね?まだまだ秘密があるのかな〜?(にやり)
はい〜〜!!
ちょっとしたミアミスもあったのでそれをカバーすがてら真相を
明らかにして行きたいと思います〜〜♪
>今回初めてリナが、お給料のためでもゼロス兄の命令のためでもなく、「ガウリイ
>のためよ」と言ったのが印象的でした!本人にどの程度自覚があったのかなかった
>のかはわかりませんが(^^;)
ははは・・・。
そろそろそ〜いった様子も見せたいな〜〜・・・。
などと思ったからです〜♪
リナの自覚・・・早く芽生えさせるようにせねば!!
>あと個人的に気に入ったのがお雛様(笑!)ガウリイ、貰っちゃいなさい!!
ですね〜〜!!
さっさと貰っちゃいなさい!!でっす!!
>んで高砂殿で式を挙げればゼラス姉にも引き出物が渡ってみんなはっぴ〜よ!
はい〜♪
何故かこの構図がアタシの頭の中にも駆け巡りました。
>今日CD屋さんをぶらついてたら偶然サラ・ブライトマンのCDを見つけて購入し
>ました!(ポップスのコーナーにあった・・・謎)
あはは・・・・。
アタシが買ったときにはクラシックの所にありましたよ〜〜(汗)
>「イル・ミオ・クオーレ・ヴァ」キレイですね〜(はぁと)サラ→リナ変換して、
>さらに後ろでガウリイがうっとり聞き惚れてるところを想像して、一人喜んでます
>(アブナイって・・・)
出来ます〜〜!!
セリーヌよりもオペラチックな分なんとなくガウリナできますよね。
イタリア語も綺麗ですし。
>また良い曲があったらお話で紹介してくださいね!
はい〜〜!!
サラのファーストアルバムの「たいむ・とぅ・セイ・グッバイ」
もステキですよ!!「エデン」にもソロバージョンがありますけど・・・。
此方は何とデュエットです!!
>それではまた!
では〜〜!!