◆−レパントの追憶−CANARU(1/20-19:13)No.8564
 ┗富士っの高嶺に降〜る雪も〜♪−P.I(1/20-22:02)No.8565
  ┗雪で真っ白です!!−CANARU(1/21-11:46)No.8573


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8564レパントの追憶CANARU E-mail 1/20-19:13


「リナ!!頼む!!金を貸してくれ!!」
不意に頭を下げながらガウリイがリナに言う。
「はへ・・??いくら・・・?」
好物の「田子の月」のモナカ、ナポリ支店で買い食いし、ご機嫌に食べている
リナはまあ良いだろうと言うように自分の財布に手をかける。
「×××リラ」
「・・・・・・・は・・・???」
「いや、だから・・×××リラ・・・」
「・・・・・・・・。」
グシャリ・・・・・・・・・・。
もなかが手の中で音を立ててつぶれ栗餡がリナの手にこびりつく・・・。
勿論そんな事潔癖症のリナとて今は構ってられない。据わった目をして
ガウリイを眺める・・・・。
「なあ〜!!頼む!!このと〜り!!貸してくれ!!」
「・・・・・・。そんな金!!あるかあああああああああ!!!!」
そう・・・。
このリナ・・・。飛び級でイタリアはシエナの名門女子大学を主席、特待で
卒業。最近では実家であるナポリ、ヒチリアを拠点とするまだしも合法的な
マフィア「カタート」という組織に就職。
しかしその優秀な人材、七ヶ国語、さらには古代ギリシャ語、ラテン語を解する
その能力を買われヨーロッパ中、さらにはアメリカからのヘッドハンティングも絶えないのだが。
「だって・・・・。馬鹿兄が・・・」
カタート総帥・・実兄のゼロスが・・・・・。
「給料!!弁償その他エトセトラに持っていちゃったんでと〜ぶんのあいだ
大金は来ないのよ!!」
彼女の欠陥の一つ・・その「破壊魔」という性質によって・・・
現在、極貧生活を強いられているのだった・・
(と、言っても普通の高校生〜大学生の2倍の小遣いは貰ってるらしいけど・・)
「じゃ、前借で・・・・・・。」
「無理よ!!アタシにはお金が無いのよ。貸す分もね。馬鹿兄に直談判するしか・・。
無いわね・・・。」
ど〜せまた「仕事」押し付けられるのが関の山だろうけど・・・・・。


「借金の申し込みですか〜?金銭に淡白なガウリイさんにしては珍しいですねえ?
でも何でまた?」
何故か総帥の椅子に腰掛け黒い服に黒猫のフリードリッヒ=ヴィルヘルム(爆笑)を
撫ぜる姿がハマっているゼロスがガウリイとリナを見ながらいう。
「ムズがってるわよ・・。フリードリッヒ=ヴィルヘルム・・・・・。」
黒猫を見ながらリナ。
「そりゃあまあ・・。さっきから三時間、ず〜っとお膝に乗っけてればムズがるでしょう。
まあ、雰囲気って奴のための演出ですし・・・。フィリードリッヒ=ヴィルヘルムには
我慢していただきましょう〜♪」
・・・今に引っ掻かれるぞ・・所詮飼いならしても犬猫なんざぁ〜獣なんだし・・。
「所で、何で行き成り×××リラも欲しいのよ?ガウリイ・・・?」
「実はサ・・・。前に行った日本のド田舎・・・。俺と気の合う廻って高校生
居ただろ?」
「あ〜〜・・あの・・・・。」
日本製クラゲの男子高校生・・以前解決した事件の被害者(?)の
弟である。
「アイツと文通してるんだけど・・・。昨日手紙がきて・・・。
ど〜も怪我して入院しちまったらしいんだ・・・・・。」
「お見舞いに行きたいわけですか?」
ゼロスの質問に・・
「ああ・・。それも物凄く可哀想なんだ・・・。何でも・・・・
田舎の田んぼ脇の坂道を気持ち良く自転車で猛スピード出して駆けぬけて行ったら・・・。」
うみゅ・・・・。
それは確かになかなか気持ちがよさそうである・・・・・。
田んぼのわき道と言う所もサイクリング気分さながら・・やもしれない・・・。
「駆けぬけて行ったら・・・ど〜したのよ?」
「狭い道に何と・・・・農業用のトラクターが違法駐車してあったんだ!!それで・・・
廻の自転車は加速しすぎて止まらなくなって・・・」
「・・・・・。言いたい事はわかったわ・・・。『見事に激突』・・でしょ・・?」
「ああ・・・。しかも・・・・田んぼの畦道から転んだ反動で足を滑らせて・・・
一月の冷たい水の田んぼに墜落しちまって・・肺炎起こしてるらしいんだ!!」
な・・何も・・人の間抜け話を力いっぱい語らなくても・・・(汗)
「なあ〜〜!!リナ!!一緒にお見舞い行こうぜえええ!!!あそこは田舎だけど・・
空気は美味いし星空は七等星まで見渡せるし〜〜!!毎日富士山の雪解け水飲めるン
だぜええええ!!!!!」
「だあああ!!何田舎に『行ってきたぞ!!』自慢してるのよ〜〜〜!!
そりゃあまあ・・・・。あの雪解け水ではいるお風呂はお肌に良いし・・・
どっかのお暇な短大生も19歳の癖に『ふううう・・・。関節の節々が痛むときは
この水のお風呂に限るネエ~~』な〜んって情けない事抜かしてたけど・・・。」
まあ・・・痛風にも実際効くらし〜し、水道水ひねるだけど天然水飲んでるような
ものだけれどもね・・・・。最近じゃあ市長(何と巨大病院の院長)
が温泉掘り当てたらし〜し・・・。
「まあ・・・。確かにお見舞いくらいいいでしょう・・・。その代わり。
仕事を一つしてもらいますよ・・・。」
はあ・・っと溜息混じりにゼロスが言う。
「数年前。ローマからトルコにかの『レパントの海戦』でスペイン、イタリアの艦隊
連合軍が奪い取った国旗が返還された事はご存知ですね?」
「1571年のあの地中海で起こったオスマン帝国VS海洋国家・・・おもに
スペイン、イタリアはヴェネツィアの連合軍の戦争で奪い取った旗・・・
ソレを今更返還ネエ・・・。まあ・・平和の象徴のつもりだったんだろうけども・・。」
頭を無意味にボリボリと掻きながらリナが言う。
「それを探すの?」
「そ〜ゆ〜事です。早速アンカラかイスタンブールに飛んで頂けませんかね?」
嫌がるフリードリッヒ=ヴィルヘルムをさらに押さえつけて格好だけのタメに
黒猫をお膝に乗っけるゼロス・・・・。
白猫のカロリーネ=ローズマリー(爆笑)と遊びたがってるんですけれどもネエ・・・。
「探すって・・そ〜ゆ〜のたいてい博物館にあるって前に言ってなかったか?」
不意にガウリイが聞いて来る。
「あのねえ・・・。第二次世界大戦の『この悲劇は二度と繰り返してはいけません』
と言うような展示物じゃないのよ?こんな何百年も前・・っと言っても1571年だけど・・
によりにもよって『中世の負け戦』の象徴である旗を返されたって!!嬉しくは無いわよ!!
それどころかトルコの教科書ではこの『レパントの海戦』についての敗北は全然
明記されてないって言うわ・・・。良い迷惑なだけよ。展示する博物館なんて
あるわけないわよ!!」
「ま、そ〜ゆ〜事ですね。秘密裏に処分されてるか・・どっかに仕舞い込まれてるが
落ちですよ。」
「・・ともあれ。これで一般人には歴史的価値を持った旗を見る機会が無くなった
って事よ・・・・。」
「ふ〜〜〜ん・・・。でもさ・・捨てられちまってるかもしれないんだろ〜?それ」
・・・・・・それを言ったらお終い・・だよ・・ガウリイちゃん・・・・。
「ともかく・・・・・。」


「リナ・・・。何で旅行前に近所の博物館に来るんだ・・??」
「『旅行』じゃなくって『仕事』でしょ?偶然なんだけど・・・・・。
今近所の博物館でレパントの海戦展示会やってるのよ・・・。」
「どっかのお暇な奴の陰謀・・じゃな〜のか・・・・?」
ソレを言っちゃぁお終いだろうが・・・ったく・・・。


展示会はハッキリ言って予想通りの物がずらあ・・っと並べられていた。
西欧連合艦隊の主をなしたヴェネツィア共和国の戦艦の模型。
主に海戦の中でも激戦が繰り広げっれた左翼の陣形、かの
フェリペ王の弟が指揮した主力陣、そして指揮官の無能さぶりがあからさまに
発揮され、ヴェネツィア艦隊の料理人から漕ぎ手に至るまで壮絶な戦死を遂げた
右翼の陣系図・・・・。
「へえ・・・・。ガレー船とほふね帆船の相子・・ガレアッツってこんなだったんだ・・。」
展示品の一つをしげしげと眺めながらリナ。
「はへ・・・?」
「この時代の主力戦闘方法は主に接近しながら船を陸地に変えた白兵戦。
大砲をお互いに撃ち合うトラファルガー先方が発達するのはもう少し後よ・・・。
レパントの海戦はガレー船同士の最大にして最後の大海戦だったのよね・・。」
言いながらリナはふいにケースの一つに目を移す。
「どうした・・?」
ガウリイが不意にリナの様子が変わったことを察する・・・。
「指輪・・・・・。」
「え・・・・???」
ま・・真坂!!欲しいのか・・・????
し・・しかし!!今いきなり・・・・・。
何故か一人で焦りまくるガウリイ!!が・・・・・。
「すっご〜〜い!!あの東郷艦長もいかに!!と言われるほどの大戦闘だったって
言うのに!!指輪が原型を留めて残ってるの!!?」
言いながら展示品に駆け寄るリナ・・・・。
期待して損した・・・・などと一人思うに至るガウリイであった・・・・。
「なんか書いてないか?」
折角なのでガウリイもその展示品の方を見る。
「ええ・・・・。かなり高級なものであるわね・・・・・。
『ジョヴァンニ』って・・・。持ち主の名前かしら・・・?」
ジョヴァンニ・・ジョヴァンニ・・・・・・ねえ・・・。
バルバリー、ナーニ、コロンナ、オルネシア、さらにはゴンザーガ・・・・・。
そう言ったイタリアの名門貴族にこの海戦で名を残した人物にジョヴァンニ
なるモノは・・いない・・・・。
「真坂・・・?スペイン王子・・・。フェリペ2世の異母弟・・・。
オーストリア公、ドン・ホアン・・・??」
この指輪が今回の「手掛かり」であると思えてならないのである・・・。
「はへ・・?何でホアンなのに・・・?」
ガウリイがリナに腑に落ちないと言った口調で聞いて来る。
「ジョヴァンニはスペイン語読みで『ホアン』になるのよ。
それに・・・。ドン・ホアンって言ったら・・。西欧連合艦隊の総司令官だしね・・・。」
これは・・何かの手掛かりになりそうである・・・。


イスタンブル・・・・。
オスマン=トルコが現在のこの土地に遷都するまではかの東ローマ、ヴィザンツィン帝国の
首都であった場所である。
金角湾を望む尖塔を思わせるようなシャープな形の都市である。
「リナ〜〜。これからどうするんだ?」
「う〜〜ん・・・。さしあたり、折角トルコに来たんだしバザールでも覗く?」
「賛成!!変な日本語も聞けるしな〜♪」
結局は物見遊山気分の抜けきれないガウリイとリナだった・・・・。
「それにしても・・・。何処までも綺麗な海だよなあ・・・。」
エーゲ海を望みながらガウリイが言う。
「なあね。かつてはこの海に西ローマが顕在し・・。更に大昔には・・・。
やっぱりこの海を臨みながらトロイアがあったのよ・・・。」
木馬の計略によって陥落した古代都市・・かあ。
「ねえ・・。ガウリイ・・。今思い出したんだけど・・・・。」
「はへ・・?」
暢気に買ったばかりのコーヒーを飲みながらガウリイが聞いて来る。
「今は失われたトルコの国旗・・。それには『何』が記されていたのかしら?」
あの兄が無目的でそんな物わ探すだけの旅にリナとガウリイを出すわけが無い。
「さあ〜〜・・・。三日月だろ・・・?」
「それだけかしら・・?今思い出したんだけど・・・。」
不意にリナは道端の露店でレモンとミルクと言う何とも言えない食べあわせの悪そうな
品を買う。
「ま、其処に座って。」
偶然存在した屋外に席を持つコーヒーカフェの椅子に腰掛け、適当に注文をする。
「ふええ・・。トルコ語も堪能なのかよ・・・。」
「ん。まあ、インド・ヨーロッパ、さらにはウラル・アルタイ語に属する
言語はほぼ完璧だと思うわ。」
ちなみに母国語の外、スペイン、フランス、ドイツ、ギリシャ、トルコ、日本、英語
と言った言語は朝飯前のリナだった・・・・。
その間にもその手は何やら先ほど購入した品物をいじくり・・・・。
「あ!!リナ!!それ!!」
「ふ!!外れ馬券よ!!まあ、見てなさいって!!」
言いながらリナは不意にストローにレモンの絞り汁にミルクを混入した
お世辞にも美味しそうとは言えないミックス・ジュースの雫をくっつける。
そして馬券に「LINA」とだけ記す。
「・・・?」
「子供の頃理科の授業で習わなかった?『炙り出し』って奴よ・・。」
「あ〜〜!!火で炙ると字が浮いてくるってアレかあ!!」
「そ。もともとはヴェネツィア共和国で暗号手紙のタメに開発された手段だったのよ。
他にも幾つかの言語を組み合わせて作る暗号・・・。文字の意味を変えて読む暗号とか
色色あるけど・・・・。もしかしたら・・。『お宝』のありかがかの旗には書かれて
あったんじゃないかしら?」
含み笑いをしながらリナが言う。
「そ〜〜・・そ〜なのか!!!??」
「そうよ!!多分・・・スペイン王弟・・・。ドン・ホアン秘蔵の、ね。」
ニヤリっと笑いながらリナ。
「でも・。何でまた??」
「あはははははは〜〜。直感!!直感!!」
実は何て事は無い。
トルコはお宝の宝庫である。かのシュリーマンのトロイの遺跡発掘。
更にはもともとこの国には海賊の伝統があるのである。
それを・・・ホアン公が入手していたとしたら・・・と言う訳である。
「ともあれ・・・。旗を探さない限りは・・。意味無いわね・・・。」
リナの一言にガウリイも頷くのだった。


アレクサンダー、スレイマン、トロイの遺跡・・エトセトラ・・・・。
「駄目だ〜〜。リナ・・。何処探しても無い・・・。」
「でしょ〜ね・・・。好き好んで負け戦の旗展示してる博物館なんて・・・。」
予想はしていたけれども無かった・・・・。
「略奪品でも無い限り・・・。」
か・・・・。ん・・・・。略奪品・・・・?????
「ど〜した!!リナ・・・。」
不意に考え込んだ様子のリナにガウリイが声をかける。
「迂闊だったわ・・・・・・・。」
迂闊・・・??????
「リナ!!何処に行くんだよ!!」
不意にガウリイが聞いて来る・・・・。
「トプカピ宮殿へ!!”」
そう・・・・。数年前の今日だった・・・・。
ゼロスがアタシをココに派遣したのは単なる「気まぐれ」や下らない営利目的じゃ
無い・・・。「奴ら」を牽制させるためだったのだ・・・・。
「そうよね・・・。お兄さん・・・・。」
まだ・・子供であの時は理解できなかった。
しかし・・「ジョヴァンニ、宝」のキーワードをちらつかせれば・・・・・・。
欲深い連中は動くと判断したんだろう。
ちなみに・・リナとガウリイと言う囮が居ればなお更・・・・・・。
もっとも・・・真意は・・・。


「リナ!!!?」
トプカピ宮殿に入る直前にガウリイが追い付いて来る。
「中に・・・。アタシの・・・・。」
ココまで言って言葉を切る。
「ま・・・。アタシの家庭の事情よ・・・。」
深くは言いたくない。ゼロスはともかく・・アタシも彼にとっては「敵」になるのかも
知れないと言う事実を直視したくは無かったのかもしれない。
「事情はわからないが・・・。決着をつけなきゃいけないのか?」
「・・・・。別にアタシは会いたくないけど・・・。向こうがそうわ済ませてくれないの・・。」
言いながらリナはさっと物陰に逃げ込む!!
と同時にナイフが今までリナの居た場所を掠める。
「・・・。どう言う事だよ・・・。リナ・・?」
「気に食わないから。ソレだけの事情・・・。よ・・。多分、こいつ等が
最近諜報部に入ったアタシの暗殺決行犯の皆様かしら?」
皮肉めいた口調でリナ・・・。
「暗殺・・・???」
「そ。蹴りをつけろって言うゼロスからの勧告。今回の旅はね。」
「リナ・・・・?」
前のときと言い・・様子がおかしい。
「分かった。待ってろ。」
「ガウリイ・・・・???」
言うが早いか駆けだし、暗殺実行犯を徹底的に痛めつけるガウリイ・・・。
一人で5人を相手にしながらも断然余裕の表情である。
「・・・・・・・・。ガウリイ・・・・・。」
同じ事は・・繰り返されそうにはない・・・・。
自分自身で戦いたい気持ちは山々だがやっぱりこの場はガウリイに頼っていた・・??
そんな自分にリナは苦笑した。


「終わったぞ〜〜♪」
まるで運動会の種目を終わらせた子供のような口調で戻ってきたガウリイが言う。
「はあ・・・・・。」
みご〜とに伸びきっている暗殺者達・・・・。
「何があったのかは聞かないけどさ・・・・・。」
放心したようにしているリナの頭を撫ぜながらガウリイ・・・。
「う・・ん・・・・。」
いずれ・・分かるだろう・・・・・。
今は・・まだこうしていたい。それだけだった。


「旗は・・・。多分もう二度と見つかる事は無いだろうけど・・・・。」
指輪がその旗にかかれた暗号の意味を既に解読していたのだった。
しかも別の形で。
「どう言う事だ・・?宝物・・あるのかあ・・・?」
考えた様うにガウリイが言う。
「トルコ軍の指揮下の一人に。ウルグ・アリって人が居たの。その人は子供のときに
トルコにさらわれて・・。けれども能力を認められて「アリ」の名前を貰って大臣になった。
その人の出身地は南イタリアで・・・。本名を『ジョヴァンニ=ガレーニ』と言ったのよ。」
言いながらリナは「その時」を待つ。
「じゃあ・・。その男の宝物だったって訳か?」
「・・・・。アリ自身のものかど〜かは分からないけど・・・。」
そろそろ・・である・・・・・。
「エメラルドの海に掛かる・・・エーゲ海の夕日よ・・・。」
指輪が記したものである・・・・・。
「へえ・・・。綺麗だな・・・・・・。これが・・・?」
ガウリイが感心したように言う。アリの宝物だろうか・・?
「と、言うよりも。アリの望んだ事だと思うの。彼は終生トルコの大臣だったけど・・・。
伝説によれば・・・。南イタリアのとある美しい婦人に昔アリは出会ったの。」
サヴァイオ公国にアリが立ち寄った時の話。
彼は公国の奥方に面会を求めた・・。無論・・サヴァイオ公国を武力で脅しながら。
しかし・・公国は奥方の身代わりに一人の美しい貴婦人を面会させたのだ。
そして・・サヴァイオはこのエーゲ海の向こう、イタリアにある・・・。
「アリは・・・。その貴婦人と故郷の腕に帰って死んだ・・と言う伝説があるの。」
「そっか・・・・・。」
故郷か・・・・・。そうかもしれない。
そう思いながらガウリイはこっそりリナのほうを盗み見る。
が、リナはそんな事に気がついている様子はない。
「地中海で戦死したレパントの海戦で戦死した人達は・・・。
波間に消えた人以外は髪の毛のみを故郷に返して・・・。美しいコルフ島に
葬られてるわ。1571年から以後200年、レパントの戦死の墓・・と呼ばれた丘が
あったらしいの・・・。」
放心した様にリナが言う。
「そうだな・・・・。」
その様子にガウリイも思わず習う。何故かは分からない。
「過去なんて・・。関係無いよな・・・。」
エーゲ海を眺めながら思わずガウリイは呟いた。
帰るところは・・故郷とは言わなくともお互いの所であれば・・・・・・・。

(終わりっす。)
つ〜訳で気が向いたらまた書きます。
はう・・。「海の都の物語」って本があればもっとマトモな話しがかけれたんですけどもね・・。
では〜〜!!

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8565富士っの高嶺に降〜る雪も〜♪P.I E-mail 1/20-22:02
記事番号8564へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
そっちは雪降ってますか〜?岐阜は積もってます(泣)ぜめてあと1日待ってほしかった・・・明日も仕事なのに〜〜!!
さて「レパントの追憶」・・・ふふふ、も〜どっぷりアノお方の世界ですね(にんまり!)「エメラルド色の海」は「愛の年代記」の中で1番好きな話なんですよ〜(はぁと)むろんしっかりガウリナ変換して読みました♪
ジョヴァンニってひょっとしてあの「にいさま」の名前ですか?ガウリイは何も訊かないけど、いつかお互いの過去について語り合ってほしいですね〜。
あと個人的にお気に入りなのが、「指輪」に焦るガウリイ(^0^)!その程度でうろたえるよーじゃまだまだ覚悟が足りんぞ!ねだられる前に用意しとくくらいでなくちゃ!・・・って、リナがねだるよーな指輪はガウリイのお給料じゃちょっとムリっぽいか?(おいおい)

アノお方の本を読むのは実は中学校以来なので、細かいところはもーすっかり忘れてて新鮮な感動があります(^^;)「愛の年代記」「チェーザレ」ときて今「コンスタンティノープル」です(まだ陥落してません)仲間を増やそうとただ今画策中。ふっふっふ!

S市は温泉があるんですか?富士の雪解け水・・・いい環境だな〜。温泉行きたい!
それではまた次回作で!(パリのオペラ座なんか書いてもらえたら嬉しいな〜・・・なんて・笑)


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8573雪で真っ白です!!CANARU 1/21-11:46
記事番号8565へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>そっちは雪降ってますか〜?岐阜は積もってます(泣)ぜめてあと1日待ってほしかった・・・明日も仕事なのに〜〜!!
はい!!
住んでる周辺は無事ですが・・・・。
富士山の雪はもう真っ白に積もってます!!サ
気分だけでも寒いです!!
>さて「レパントの追憶」・・・ふふふ、も〜どっぷりアノお方の世界ですね(にんまり!)「エメラルド色の海」は「愛の年代記」の中で1番好きな話なんですよ〜(はぁと)むろんしっかりガウリナ変換して読みました♪
あたしもあのお方の話の中では「エメラルドの ̄」
は大好きです!!やっぱりガウリナ想像できますし!!
>ジョヴァンニってひょっとしてあの「にいさま」の名前ですか?ガウリイは何も訊かないけど、いつかお互いの過去について語り合ってほしいですね〜。
はい!!
追ってその辺りを明確にしていきたいです!!
ぢつはリナの家庭事情を書きたいがゆえの人物だったりします!!
次回は・・意外な人物を登場させたいです。
>あと個人的にお気に入りなのが、「指輪」に焦るガウリイ(^0^)!その程度でうろたえるよーじゃまだまだ覚悟が足りんぞ!ねだられる前に用意しとくくらいでなくちゃ!・・・って、リナがねだるよーな指輪はガウリイのお給料じゃちょっとムリっぽいか?(おいおい)
はははは・・(汗)
ゼロスおにーさん・・。金銭感覚にはきっとシビアなので・・・
悪さばかりしているガウリナは減俸の嵐・・だったりします!!
けれども貯金はしてると思いますよ!!
>アノお方の本を読むのは実は中学校以来なので、細かいところはもーすっかり忘れてて新鮮な感動があります(^^;)「愛の年代記」「チェーザレ」ときて今「コ
ノープル」です(まだ陥落してません)仲間を増やそうとただ今画策中。ふっふっふ!
わーい!!
お仲間が増えれば幸せです!!あたしは高校時代にあのお方の本と出遭いました!!今では歴史以外のエッセイも読んでます。
>S市は温泉があるんですか?富士の雪解け水・・・いい環境だな〜。温泉行きたい!
あああ!!あたしも行きたいです!!
環境だけは良いと思いますよお!!
>それではまた次回作で!(パリのオペラ座なんか書いてもらえたら嬉しいな〜・・・なんて・笑)
はい!!
何かオペラの本読んで考えておきますね!!では!!