◆−戦国動乱の傷−CANARU(1/13-17:34)No.8503
 ┗氷殿下、S市に現る!!−P.I(1/13-22:13)No.8508
  ┗現れました!!−CANARU(1/14-17:24)No.8517


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8503戦国動乱の傷CANARU E-mail 1/13-17:34


今回は地元ネタです〜〜!!
また・・あのお方が出てきます・・・。

何処にでもある話しだろうか?
貴方は「呪詛」なる言葉を信じますか・・・?
まあ・・それが田舎なんかの・・土地の伝承ならなお更・・・。
「ガウリイ・・・。今回の調査・・。シケてると思わない・・?」
「まあ、なあ・・・。」
言いながらガウリイも既に話しの内容だけは聞かされているが指示を仰ぐタメに
ゼロスの待つ総帥室に入っていく。
ナポリ、シチリアを取り仕切るまだしも合法的なマフィア組織「カタート」
リナの実兄ゼロスはその何代目かの若き総帥である。
そして・・リナ自身はシエナの名門女子大学を主席、特待、飛び級の三拍子で
卒業。更に言えば五ヶ国後・・最近では七カ国後、それにプラス古代ギリシャ語、ラテン語を
解する能力などを買われアメリカ、ヨーロッパ中の企業からヘッドハンティングの誘いが
絶えないのであるが・・・・・・。
「今じゃ・・。このクラゲと組んで・・・・兄貴の手先なのよね・・」
意味不明にリナは呟くしかなかった・・・・・。


「今回は、日本の田舎の伝承について調べてもらいますよ〜〜」
良く訳のわからない「マダム=バタフライ」のBGMを背に言うゼロス。
「何でまたそんな気に・・・??」
とりあえず聞いてみるリナ。
「う〜〜ん・・・。建武の親政って知ってますか?」
「・・・・。管轄は世界史だけど・・。確か後醍醐天皇が鎌倉幕府を足利尊氏と一緒に
打倒して行った親政・・・でしょ・・・?」
「そう・・。って・・。ガウリイさん・・。寝てますね・・。」
「勉強嫌いな人はほっといて・・。で、それがどうしたってのよ?」
「その後、尊氏と後醍醐天皇は仲たがいした事はご存知ですね?で・・。」
「尊氏が結局勝って室町幕府を開いた。でしょ?」
「そうなんですよね。問題は、その過程・・尊氏と敵対し後醍醐天皇がわについて
討たれた武士達の話しですよ・・・。」
そっか・・・・・・。
だから「ド田舎の首塚調査」が今回の指令だったのかア・・・・。
「まあ、良いわ。さっさと航空券と旅券頂戴。ほら!!ガウリイ!!さっさと起きて!!」
「ん〜〜〜・・。リナ・・。もう朝か・・?」
「あほ!!今は真昼だよ!!さっさと空港行くわよ!!」
ガウリイを引きずって出て行きかけるリナ・・・。
「一寸待って!!リナ!!」
不意に聞こえる甲高い声!!
「ぜ・・ゼラス姉ちゃん!!??」
日頃は滅多に顔を出さない重役中の重役・・・。
このゼロスすら恐れをなす金髪美人が何故今・・この部屋に・・?
これって・・・かなりの異常事態!!!??
「ど・・どうなさったんですか!!ゼラスお姉様!!」
あからさまに焦った声を出すゼロス!!
「日本に行くんですって・・・??」
綺麗な顔に汗を浮かべつつ呟く様に言うゼラス。
「う・・うん・・・・。」
この様子・・尋常じゃないかもしれない・・・??????
「ならば・・・・・。」
手にそっと何かが渡される・・これって・・・・???
「・・・・・。小渕首相が作ることを決意した・・・・。
ミレニアム記念の二千円札・・・???????????」
「・・・なんだ・・?そりゃ・・??」
呆気にとらわれるガウリイとリナをよそに・・
「田舎名物『鬼せんべい』と静岡名物『うなぎパイ』買ってきてね〜〜ん♪」
そうとだけ言って颯爽と去って行くゼラス・・・。
「足りんて・・・・。これじゃあ・・・・・。」
リナの突っ込みも今となっては虚しいだけである・・・。
「まあ〜〜たおネエ様の『名物食べたい病』が再発しましたね・・。リナさん。
とりあえず足りない分は経費で落としといて構いませんから・・・。逆らって買わないほうが
怖いせすしね・・・。」
「分かってる・・・。」
本当に・・今のは何だったンだろう・・・???


「つ・・つかれた・・・・。」
「・・・・・。なあ、リナ・・・・。本当にここで良いのか?」
「知らないわよ・・・。そんな事・・・。」
東京から三時間半・・・。辿り着いたのは自動改札すらない田舎の駅である・・。
「何なのよ〜〜ココは!!」
そうとしか言いようが無い。時差のおかげで到着したのは日本時間で夕方
だったのだが・・・・・。
駅前だと言うのにあるものと言えば居酒屋、安っぽいバスとタクシーのターミナル・・
といえば聞こえは言いが誰が何と言おうと乱雑に駐車されたバスとタクシーが少々。
唯一目立つものと言えば本屋らしき建物と下校途中、寒さをしのぐためにスカートの
下にジャージのスカートをはいた女子中学生の集団ぐらいなものである・・・。
「こんな所に事件なんてあるのかあ・・・??」
「こっちが聞きたいわよ・・たく。えっと、静岡県の裾野市・・裾野市って・・。」
其処まで言ってリナは絶句する。
「ど〜した?リナ・・・?」
硬直しながら辛うじて日程メモだけをリナは指差す・・・。
「え・・・?何々??氷君がおで迎えしてくれますよ・・?って・・・。
あのイギリスで会ったあの『氷』か!!!??」
「あああああああああああああああ!!!!!まあああたああアイツと関わる破目に
なるとはあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
田舎の道にリナの絶叫が響く・・・・・・・・。

「な〜〜に?やけに遅くなかった?」
嫌味たらたら。銀髪美形、英国人と日本人のハーフ、リナの中学時代の同級生、
氷が田舎には不似合いなベンツに乗りながらやってくる・・・。
「まさか・・また・・あんたが関わってるなんて・・・。」
半分鳴きそうな声でリナ。
「おい!!女の子を泣かせるなんて!!サイテ〜だぞ!!」
意味も無く講義するガウリイ・・・。
「勝手に泣いてるだけだろ!!??ったく!!また幽霊騒ぎなんだよ!!
今度は・・日本の僕の別荘でね!!」
さっきまでの勢いは何処へやら・・・・・。
急に黙りこくってしまうガウリイだった・・・・・・・・。
「氷・・ガウリイ・・。あんた達ってもしかして・・。好かれてるんじゃ・・
って・・・。どうしたのよ?二人して・・・。」
幽霊に怯える美形二人・・・。タチが悪い・・・?????


「結局、こ〜なるわけねえ・・・。」
氷の家が経営する駅前の安いビジネス・ホテルにチェックインしてからのこと。
ロビーでジュースを買いながらガウリイとリナは会話する。
「でもよ〜?リナ。お化けが出るのは氷の別荘なんだろ?何でココに泊まるんだ?」
「う・・・・・。うん・・・。十里木っていってね・・・。物凄く交通の便が
悪い別荘地らしいのよ・・・。で、しょうがなくこの駅前っと・・いっても都会に
比べれば静かなモンのココに決定したってわけ。」
「そっか・・。ならいいんだ♪」
コイツ・・・。本当にお化けが怖かったらしい・・・。
「確か・・。下僕を二人ほど遣すって言ってたけど・・・・。」
言いながらリナは辺りをきょろきょろする。
「げ・・下僕って・・・(汗)」
氷の口の悪さにいささか呆れながらガウリイが聞き返す。
「地元のアルバイトだって・・言ってたけど・・・・・。調査の手助けにするようにって。」
「特徴とか聞いてないのか???」
「う〜〜〜〜ん・・・・・・・・。って、携帯電話が・・・。」
『リナ?あ、僕。氷だけどバイトの下僕もう暗くなって帰らなくちゃ怒られるって言って
帰っちゃたから〜〜。今日は来ないよ。あ、そうそう。ココの田舎じゃ良い子は門限7時か8時
だからね。下僕だからって足止めしたら家から苦情あるよ〜。じゃ〜〜ね〜(^ワ^)」
ガッチャン・・・つ〜つ〜つ〜つ〜つ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・。
「門限七時か八時って・・・・・。朝日とともに起きて夕日とともに寝てしまう・・・。
どっかの南の島の大王の奥様か・・・・・????????」
明後日の方向を向きながらガウリイが呟く・・・・・。
「ぢぢつよ・・・。実際匿名Cは・・。常にそう言った生活環境で生きてるわ・・・。」
なんだか・・・。
本当に先の思いやられる展開である・・・・・。


「ボンジュールノー、シュニョール、シュニョリーナ!!」
朝一速攻の氷からの電話で指定された駅の表口・・・と言っても大したこのと無い待ち合わせ場所
でいきなりこれである。
年の頃なら3〜4歳の少女がいきなりイタリア語で挨拶してきた日にはリナでなくとも驚くだろう。
最もガウリイは「へえ。お嬢ちゃんえらいなあ〜」くらいの反応でしかないのだが。
「あ、気にしないで下さい。ソイツ、僕の妹で佐久耶って言うんですけど。単なるIQ100
の幼稚園児ですから。あ、いわゆる天才って奴ですねえ・・・・。」
一寸待て!!
そんな事・・・。ンなのんびりした口調で言われても・・・・(汗)
「おにいちゃま!!そんな事だから。氷様に何時もおばかさんっていわれるんだよ?」
一端の口で佐久耶・・・・。それに・・氷って事は・・・??
「じゃあ・・・?あんたがアタシ達のガイドの・・・??」
少年と子供の顔を交互に見ながらリナ。
「はい〜〜・・・。あ、僕は廻(かい)っていいます。ちお〜高校一年生でから。」
無意味にぼ〜〜っとした少年である・・・・・・。
「ふ〜〜ん!!俺はガウリイ。こっちはリナって言うんだ〜♪よろしくな!!」
・・・・・・・・・・・。
クラゲ同士、良いコンビの様である・・・・・(汗)

「首塚って言っても・・。あんまり逸話は聞かないのよ。」
おしゃまな口調でリナとガウリイをリビングに通し、実兄を顎で使っておせんべいと
お茶を出させながら佐久耶は言う。
「でもね。馬鹿兄・・ゼロスって人にその事を聞いてこいって言われたのよ。」
思わず子供相手に対等な口を利きながらリナ。
「あ。このせんべい美味いなあ〜♪」
「ガウリイさん、名物『鬼せんべい』ありますよ〜♪あ、あと熱海梅園の
金粉入り梅茶もまだ残ってましたし〜〜♪」
「お!!悪ぃなあ〜♪廻!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんだか・・・・。なあ・・・・・・。
「のほほん茶してる人達はほっておきましょう!!リナちゃま!!」
「そうね!!佐久耶ちゃん!!」
力いっぱい男性陣をアウト・オブ・眼中!!(古い!!)する事を決めて
話しに討ちこみ出す佐久耶とリナ!!!
「おい〜〜!!廻!!茶柱立ったぞ〜〜♪」
「縁起良いですネエ、ガウリイさん!!後で隣町の神社におみくじ引きに行きましょう♪」
ぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴく〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
『だああああああああああああああああああああああああ!!うっとおおしいいい!!』
ガウリイと廻が追い出されたのはそれからすぐのことだった・・・・・・・。

「ココが例の首塚ね・・・。」
神社の境内にある塚を眺めながらリナが言う。
「入れないぜ?」
ガウリイが囲いに手をかけながら言う。
「普段は何か漁る奴とか居ると困るから鍵がかかってるみたいなんですよ。何時だか
子供会のウォークラリーの時、一回だけ入れてもらったことあるけどさ・・。」
思い出した様に廻がつぶやく。
「ココで足利軍に討たれた天皇側の武将を村人が葬ったのよ。昔話に良くある
パターンよ。」
佐久耶の言うとおりである・・・・。
「隣の空き地にももう一個塚あるけど?見に行きます?」
「・・・・。まあ。手掛かり無しよりかは・・いいわね。」
言ってリナとガウリイは兄妹の後に続き田舎の道を少々歩く。
と、言ってもほんの百メートルばっかりなのだが・・・・。
「う〜〜ん・・・・。」
塚と言っても変わったところの無い・・変哲の無いものである。
「なあ?これ?なんだ?」
不意にガウリイが塚の周りに散らばっているものを言う。
「正月のお飾りでしょ?どんどん焼きでもやるの?」
一応日本の文化について一通り知っていたリナが聞く。
「その予定だったんだけど・・・。三日前にやるのが中止になったんだ・・・。
で、怒ったねーちゃん・・・緋雨裡(ヒウリ)がお飾りだけ腹いせにって・・。
会場に成るはずだったココの空き地に捨てたんだよ。でもさ、やってくれなきゃ
困るよな・・・。団子食え無し。」
ブツブツ幼稚な文句を言う廻。
「おネエちゃまはお飾りが片付かないって怒ってただけよ。そのうち燃やしはする
でしょうし・・・。兄ちゃまはお団子食べれないことだけが不満なんでしょう?」
ジト目で佐久耶が言う。
「で・・?その緋雨裡さんって人は何処???」
思わず不審に思ってリナ・・・・。
「それがさあ・・・・・・。狐憑きにあって。行方不明に・・・・。」
「は・・・・????」
今・・・。とてつもないまでに理解不能な単語が耳に入ったような・・。
「だから・・・。狐憑きにあって・・。行方不明に・・・・。」
「ちゃんと御払いには行ったのか?」
真面目な顔をして廻にガウリイが聞く。
「・・・。それが・・。三嶋大社が・・お休みで御払いできなかったんです・・・。
それで・・その翌日には・・もう!!」
「まいったなあ・・。本人は居ないが・・。御払いって出来るかな?リナ・・。」
「だあああああああああああああああああ!!!!!
何二人して馬鹿な事言ってるの!!ったく!!第一!!理由はともかく人間
一人が失踪してるのよ!!捜索届出すのがまず普通でしょ!!」
思わず・・この2匹のクラゲの掛け合い漫才、ボケボケコンビに絶叫するリナ・・・・。
「あ。それなら大丈夫市役所に言って有線放送で『行方不明者、年恰好、服装』なんか
流してもらいましたから。」
「・・・・・・。警察に言ってないの・・・??」
「う〜〜ん。迷子とか迷い老人は有線放送で対外発見されるから・・。」
くううううううううううううううううう!!!!
「ちお〜!!その人!!少なくともあたしよろ年上でしょ!!そんな手段で
発見しようというなああああああああ!!!!!!!」
「リナ〜〜。なんかほのぼのしてていいよな〜〜♪」
もうだめ・・・・・・・。
氷・・・あんたが別荘に引っ込んで出てこない理由・・。
分かったわ・・。本気で・・・。


「はあ・・・・。なんだかなあ・・・。」
訳のわからない事態に自室に戻ったリナは溜息をつく。
仕方無しにフロントで手渡されたゼロスからの情報の入った手紙の封を切る。
「逸話・・ねえ・・・・。」
この辺にある城・・正確に言えば城跡となった「葛山」と言う城が
何か手掛かりがあるらしいのかあ・・・・・・。
「ガウリイ〜〜。起きてる〜〜?」
一応部屋を出てラウンジに誘いがてらにガウリイの部屋のドアを叩く。
「お〜〜。お化けの事を考えると怖くて寝てられるかよ〜〜・・。」
情けない声が帰ってくる・・・・。
「ねえ、ガウリイ。明日葛山城って所行くわよ。」
「葛山城?」
「うん・・・。ど〜も逸話があるみたいで、ね。」
言いながら注文したジュースをリナは飲み干す。
「まあなあ・・・。氷の家の幽霊と何か狐憑き・・。関連あるかもすれない
しなあ・・・。」
「・・・・・。怖がらないでよね・・・・。明日。」
「落ち武者の幽霊が出たら・・・。リナに泣き縋るかもしれない・・・。」
「・・・・・・・・。幽霊に差し出されたいわけ・・?」
ギラリ!!とリナの目がまじになる・・・・。
「わかったわかった〜〜!!手、握ってくれるだけでいいいいい!!」
大慌てで首を振るガウリイ!!
まあ・・・。それぐらいなら・・赦してやろうかなあ・・??


「へえ・・・。春に来たら綺麗だっただろうなあ・・・・。」
暫くの登山の後。今でこそ葉が落ちてはいるが葛山には一面桜の木で埋まっていた。
感心しながらガウリイは辺りを見まわす。
「確かに。ココの山頂から市内を一瞥できるわね。」
背負ったリュックを下ろし弁当の準備をしながらリナは言う。
古い寺がが一軒ポつンと佇み芝生に、記念碑らしきもの・・・・。
そして広場には昔城があったであろう形跡がある。
「リナ〜〜、腹減った!!弁当食べていいか〜?」
「別に良いけど。でもアタシは一寸調査があるから後でね。」
「ええ〜〜!!一緒に食べようぜ〜〜!!」
駄々こねるなよ・・そんな事で・・・。
「はいはい。分かりましたよ・・。でも・・一寸待たなくちゃならなくなりそうね。」
「待つって・・・?」
すでに弁当の箱に手をかけながらガウリイがきょとんとした顔で言う・・・。
「調査もしないで〜〜!!こんな所でお弁当〜〜?」
そう・・・。
この嫌味たらしい声は・・・・・・。
「氷・・・・・・・・。」
この真冬に口に薔薇を加えてご登場とは・・・・・。
しかも相変わらずのキザったらしいスーツ姿・・・・。
ええい!!あんたはどっかの怪しいキャッチセールスのにーちゃんかい!!
「一応コレでも仕事してるんだけれどもなあ・・・。」
こ・・こら!!コイツにいちいち反論した時にはど〜なるか知らないの!!ガウリイ!!
「ふう〜〜ん・・・。そ〜ゆ事言うんだ・・。」
不意に其処ら辺にあった桜の木の枝を二本、ポキッと折る氷!!
「こら!!桜の木のを折ったらいけないんだぞ!!」
怒りながらガウリイ自身もその辺にあった太目の木の枝を拾う!!
「やる気かい・・・??」
目が据わってる氷・・・・。
「まあな・・・。お前・・。二刀流か・・・。」
ぐいぐいと間合いを詰める二人・・・・。
「は!!」
ガウリイが走り、氷が片方の枝でその動きと止め、さらに左手で攻撃にかかる!!
が、素早くガウリイが封じられた動きを開放し今度は氷の動きを牽制する!!
さらに1回転して攻撃に掛かる。
が、やはり氷も素早く振りかぶる!!
「ひえええ・・・。大乱闘・・・。管理人さんに追い出される前に・・。
とっとと調査しちゃいましょう・・・・。」
もはや・・あたり一面は乱闘騒ぎで見る影も無い・・・・・。
芝生さん・・桜の木さん・・ごめんなさい・・・。


「まったく・・。酷い目にあったぜ〜〜・・・。」
少々喧嘩で怪我した部分を大人しくリナに手当てされながらガウリイはぶつぶつ言う。
「あんたねえ・・。あんなキザナルシストの挑発に乗るなんて・・・。」
「すまん・・。いやあ・・。あいつなかなか強かったなあ〜♪」
結構好戦的な奴、ガウリイって・・・。
勿論管理人さんに怒って三人とも追い出されたのがついさっき。
帰りのバスの中、運良く持参した救急箱で今はガウリイの手当ての最中である。
「あいつは?」
「自家用のロールスロイスで帰ったわ。」
溜息をつきながらガウリイにリナが言う。
「で、何か分かったか?」
「うん・・・。二つほど。それがね・・・・・・。」
言ってもガウリイには分からないかもしれない・・・・。
まあ御伽噺風に言えばいいかな・・・??
「昔、あそこのお城は武田信玄って言うお殿様に攻められたんだけれども・・・。
その攻撃方法が完全に水路を絶つって方法だったの・・・。」
「じゃあ・・。水が飲めなくて死んじゃうじゃね〜か?」
「そ。ソレで・・。信玄は水があのお城から完全に無くなるのを待ったの・・・。
でも城の人達も負けなかったの。二人のお姫様、緋雨裡姫と佐久耶姫がね・・・。
お米の音を水音に見たてて敵軍を退却させたのよ。」
「そ〜いえば。米の音って水音に似てるよなあ。」
妙な事に感心した様にガウリイ。
「・・・。気付かないの?緋雨裡姫に・・佐久耶姫よ・・?」
「・・・。佐久耶と・・。行方不明になったねーちゃんと同じ名前だな〜♪」
・・・・。まあ。分かってくれるだけ・・マシかもしれない・・・。
「その緋雨裡と佐久耶。同じお殿様に正妻と側室として嫁いだらしいんだけど・・・。
美しい側室の佐久耶に比べて美人じゃない緋雨裡は省みられなくてね・・・・・。
失踪した挙句・・・行方不明で・・未だに謎なのよ・・・。」
「・・・・・・・・・。それとゼロスの指令・・・。何か関係あるのか・・?」
「・・・。現在の緋雨裡を見つける自信はあるわ・・。けど・・・。」
氷とガウリイにとっては・・またまた悲惨な結末になるだろ〜けど・・・。


「リナ!!危ない!!」
廻に教えられた石碑の一つを巡っていた時だった。
その近くの洞窟を発見し調べていたその時だった!!
ちゅどおおおおおおおおおおおんんんんん!!!!!!
「またこのパターン?」
「だけでもないぜ?」
なるほど・・・・。
現在の仕掛け「火薬」と大昔の仕掛け「弓矢」が同時に飛んだらしい。
ガウリイが咄嗟に抱き上げてその場を飛びのいてくれなければどちらかの犠牲に
なったかもしれないのかあ・・・・・。
なんて。感心している場合ではない。
「恐らく・・。本領は信玄を撃退した姫君姉の方で・・。塚はたんなる『目印』
にしか過ぎないのよ・・・。緋雨裡は・・見ちゃったのよね・・・。」
「『見ちゃった…?』」
リナの言葉にガウリイが聞き返す。
「そもそも・・。ココはかの武田信玄が落とそうとした土地よ?たかだかこんな
田舎なのに。しかも・・後醍醐天皇の部下がわざわざ落ち延びて来り・・・。
さらにもっと昔はかの源頼朝のお狩場だったのよ・・・・。」
「・・・・????」
あ、やっぱり分からないか・・・。
「つまりね。えらい人の宝物が眠ってるかもしれないって事だよ。
分かったかしら?ガウリイちゃん??」
「なんだ〜!!そっか〜!!そ〜ゆ〜事かって!!えええええ!!??」
今更大慌てするなよ・・ガウリイ・・・・。
「でも・・。一体誰が埋蔵金なんて幽霊騒ぎにかこつけて狙ってるんだ?」
ガウリイが腕組みしながら言う。
「見つけたは良いが・・。そのおかねをマトモな事に使うつもりが無い。だから・・。
黙っているし、そうすれば税金を取られない。そうでしょ?そこの誰かさん?」
すでにガウリイも何処からとも無く現れた気配に身構えをしている。
「ガウリイ!!!??」
不意に現れた・・黒幕であろう男達がガウリイの姿を認めざわめき出す!!
「知り合い・・・??」
僅かにガウリイの顔に焦りが浮かぶ・・・・。
ガウリイの名を呼ぶアクセントの訛りから察してポルトガル訛りだが・・。
人種的にはアジア人の一味である。マフィアであることは疑い無い。
「昔・・・俺はマカオでマフィアをやってたんだよ・・・。」
苦笑しながらガウリイが吐き出す様に言う。
「マカオ・・・・・・・・。」
つい最近・・中国に返還された影響で・・・・。と言った所か・・?
「こいつ等は敵対する組織だったんだ・・・・。」
言いながらガウリイは不意に腕を捲り上げる。
「ガウリイ・・・・!!!」
肩口に僅かに残る銃弾の白い傷跡・・・??
「わりぃなあ・・。リナ・・・。この場の落とし前は・・・。俺自身につけさせて
もらえね〜か・・・?けじめって事でサ・・・。」
何時に無く真剣な目・・・・・・・。
そう・・・・・。
不意に幼い頃の生々しい記憶がリナの脳裏をよぎる・・・。
あの時も・・そうだった・・・・。
「・・・・に・・い・・さ・・ま・・??」
同じような金髪・・・・。同じだ・・あの時と・・。
「駄目・・・・・。」
不意にガウリイの袖をリナは掴む・・・。
「リナ・・・??」
「お願い・・・止めて!!」
アタシ・・あの時まだ6歳だったんだよ!!言いかけたが其処から記憶が途切れて
言葉が出ない・・・・。
「大丈夫だって。リナ・・・。」
言ってガウリイはゴソゴソとポケットを漁る・・・。
げ・・・・こ・・こいつ・・・・。
心配したアタシが大馬鹿だったあああああああ!!!!!
ポケットから取り出したパワーセーブ型の小型手榴弾をにっこりと微笑みながら
投げるガウリイ!!!!??
「伏せろ〜〜!!」
言いながらリナを庇う様にその場を離れるガウリイ!!

「あっちゃ〜〜〜〜・・・・。」
パワーセーブ型で良かったわ・・・。
そうでなければ殺人未遂だぞ・・こりゃ・・・・・。
見事に伸びてるマフィアさん・・・・・。
「な、すごいだろ〜〜。所でリナ〜。何でさっき縋りついたんだ?」
不思議そうに聞いてくるガウリイ。
「うん・・・。ちょっと・・ね・・。」
もう少し・・「あの事」は黙っていよう・・・・・。
「それより・・・。多分何処かに緋雨裡が居ると思うんだけれども・・・。」
「あ?あれじゃないのか・・・??」
良そう通り・・・・か・・・・。
公民館の一室に監禁・・と言うよりも見えない様に「放置」されていた緋雨裡
を発見したのはそれから15分後の事だった・・・。

「なあ?リナ?ど〜ゆ〜事だ?一応廻と佐久耶に御払いに連れてくようには言っておいたが・・。」
あくまでその事にこだわるガウリイって・・一体・・・?
「あともう数日・・ほっぽとけば害は無いわよ。出歩かない様に柱にでも縛り付けて
なきゃならないだろうけど・・・。そもそも・・。出歩いたのが原因で放置されてたんだろうし。」
言いながらリナは塚の方を見やる。
「そもそもね。狐憑きって言うのはいろいろな原因があるのよ。実際古代ドルイド教なんかの巫女は
頭が混乱して神がかるようなくすりを飲まされたりした・・・。
最も代表的なやっぱり古代ギリシャ、ローマの神殿の巫女はそういった天然のガスを吸入して
狐憑きにかかりやすい状況を作ったと言うわ。」
「つまり・・・・。緋雨裡もそ〜ゆ〜のを吸い込んじまった・・・と・・?」
「可能性はあるわね。この辺を調査すれば分かると思うわ。それか・・彼女自信の
『思いこみ』心理ね。たとえば・・。この埋蔵金を発掘したとき。緋雨裡自身が二人の姫の
呪い・・の話しでも聞いていたとしましょう。その事を頭にインプットしすぎたせいで。別人格を
勝手に生み出したと言う結果。実際脳細胞の制御が効かなくなると怖いのよ。火事場の馬鹿
力もその用例ね。」
考えながらリナは言う。
実際に人間の筋肉は100キロ近いものでも平気で持ち上げられる様に出来ている事は
出来ていると言う。
しかし・・実際にンなもん持った日には骨はもとより筋肉事態ももはやズタボロは必然。
それを防ぐために日頃は脳細胞は制御をしていると言う・・・。
そ〜かんがえると・・・。
ガウリイの骨と筋肉の丈夫さもさることながら・・・・。
脳細胞の制御力の無さも最高級品である・・・・・・。

「リナ〜〜。」
ナポリの帰り、いきなりガウリイが呼びとめる。
「何よ?ガウリイ?」
「いやあ・・・。ゼラスのねーちゃんの・・土産忘れた・・・・・。」
げげげげげげげげっげげげげげげげげげげげげげげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!”!!”
「何ですって〜〜〜〜〜!!ガウリイ!!大急ぎでイタリア名物ティラミスでも
勝ってごまかすのよ〜〜〜!!」
「おう!!!!!」
大慌てで商店街に向かうガウリイとリナ・・・。
同時刻・・・。
「ちょっと〜〜〜!!ゼロス!!『鬼せんべい』と『うなぎパイ』
はまだああああ!!!!」
「痛い〜〜〜!!書類投げないで下さいよおおおおおおお!!!!」

「時にリナ。氷の家の幽霊って・・・。」
「あへ・・?あれは・・。多分本物の緋雨裡姫の幽霊よ・・・。って・・・。」
「りなあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!??こら〜!!
人前で何すんのよ!!がうりいいいいい!!!!!!!!!!」


(お終い)

ちなみにゼラス様のくいたがってた「うなぎパイ」と「鬼せんべいは」
数日後、廻からお礼として送られてきたと言う(笑)
実際美味いぞ!!あれは!!



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8508氷殿下、S市に現る!!P.I E-mail 1/13-22:13
記事番号8503へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
今回は地元ネタですか〜。なかなかのどかな良い所ですね〜S市(^^)
氷殿下・・・行く先々とゆーか、彼の別荘ってみんな幽霊つき?
しかも折角リナたちが訪ねても、肝心の幽霊退治はいつも忘れられてるし(笑)
あのあと殿下も御祓いしてもらったんでしょうか?
ガウリイとの対決もな〜んかほのぼのでしたね〜(^0^)しかもガウリイ的には
スポコンのノリだったし・・・(傷まるけのくせになんか清々しそうに笑ってるも
んなぁ。氷殿下のニガテなタイプかも、ガウリイって ^^;)
ガウリイといえば、今回心の兄弟ができたみたいですね。イタリアに帰ってからも
文通とかしてたりして(^^;)んで妹に翻訳してもらうの。
今回リナとガウリイのシリアスな過去がちょこっとだけ見えましたね。これからの
お話で徐々に明らかにされるんでしょうか。楽しみです♪
ゼラスお姉さまおススメの「うなぎパイ」は3連休に富士山に行った両親のお土産
で最近食べました〜。でも「鬼せんべい」はまだ食べたことない・・・
今度静岡に行ったらチェックしますね!
それでは!!


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8517現れました!!CANARU E-mail 1/14-17:24
記事番号8508へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>今回は地元ネタですか〜。なかなかのどかな良い所ですね〜S市(^^)
はい〜〜!!
ココで育てば多分人間そうそう滅多にひねくれることは無いかと
おもわれます〜〜(汗)
>氷殿下・・・行く先々とゆーか、彼の別荘ってみんな幽霊つき?
>しかも折角リナたちが訪ねても、肝心の幽霊退治はいつも忘れられてるし(笑)
>あのあと殿下も御祓いしてもらったんでしょうか?
う〜〜みゅ・・・・。
氷殿下ご自身、御払いをしてもらうのが一番手っ取り早そうですよね〜〜!
そうすれば忘れられることも無い!!
>ガウリイとの対決もな〜んかほのぼのでしたね〜(^0^)しかもガウリイ的には
>スポコンのノリだったし・・・(傷まるけのくせになんか清々しそうに笑ってるも
>んなぁ。氷殿下のニガテなタイプかも、ガウリイって ^^;)
ですねえ・・・・・。
氷殿下・・ロールスロイスの中で
「あああ!!アイツは天敵だああ!!」と絶叫していたのかも〜〜・・。
>ガウリイといえば、今回心の兄弟ができたみたいですね。イタリアに帰ってからも
>文通とかしてたりして(^^;)んで妹に翻訳してもらうの。
ありえます〜〜!!
で、文面でもクラゲな会話の数々!!
リナに発見されて大笑いされるんですねえ・・・・。
>今回リナとガウリイのシリアスな過去がちょこっとだけ見えましたね。これからの
>お話で徐々に明らかにされるんでしょうか。楽しみです♪
はい〜〜!!
少しずつですが明らかにしていきたいです〜〜!!
>ゼラスお姉さまおススメの「うなぎパイ」は3連休に富士山に行った両親のお土産
>で最近食べました〜。でも「鬼せんべい」はまだ食べたことない・・・
>今度静岡に行ったらチェックしますね!
はい〜〜!!
S市名物です〜〜!!
お立ちよりの際は是非教えてくださいね〜〜(笑)
売っているお店をご紹介します〜〜!!
>それでは!!
では〜〜!!