◆−アダージョの結末−CANARU(1/5-14:54)No.8447
 ┣ああっ!いつの間にっ!!−P.I(1/7-00:47)No.8465
 ┃┗多分次は(ニヤリ)−CANARU(1/7-11:22)No.8472
 ┗面白かったです〜♪−澪(1/9-22:54)No.8485
  ┗遅れてスミマセンデシタ〜〜(汗)−CANARU(1/13-17:40)No.8504


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8447アダージョの結末CANARU 1/5-14:54


うるさい・・・・・・・・・・。
ハッキリ言って電話越しに聞こえるこの音量は実際に室内では何デシベルになるんだろう?
しかもこの音楽・・・・・。
悪いがマイヤーリングでルードルフ皇太子と情死したマリー=ヴェッツェラ嬢じゃないが・・。
ど〜もワーグナーは好きじゃない。
頭が割れそうになるし・・・ましてやコレ・・。
かのオペラ「ニーベンヴェルグの指輪」のカタストロフィー部分の局「ワルキューレの騎行」じゃないの?
ピンと来ない?
じゃあ、あのヴェトナム戦争映画の爆撃機の爆撃シーンと言えばおわかりになるだろう。
もっともどっかの馬鹿はこの音楽を携帯電話の着信メロディーに設定して授業中に電話が来て大顰蹙を買ったと言う・・・。以来奴は懲りて以後マナーモード設定を解かないと言う・・・・・・・・・。
ってそんな事どうでもよろしい!!
「何なのよ!!馬鹿兄!!」
飛び級でシエナの女子大を主席、特待卒業し実家のナポリ,シチリア
にはびこるまだしも合法的なマフィアに就職・・・・。
ヘッドハンティングが全ヨーロッパ、さらにはアメリカ企業からも絶えない五ヶ国後プラスラテン語、古代ギリシャ語を操る才媛リナを巡って絶えないのである・・・。
そして・・その組織、カタートの若き総裁がゼロス・・リナの実兄である・・・。
「フランスに任務とか言って飛ばしといて・・。今更指示?」
苛立った口調でリナが受話器に向かって言う。
あれから1週間・・何の指示も無く御付のクラゲ、ガウリイと足止めだったのである・・・。
「ソレはこっちの台詞です!!何の連絡も取れなかったんですよ!!」
さては・・ガウリイ・・・・。
寝ぼけて電話線引っこ抜いたよな・・あのド阿呆。
それに気付いて使用人の誰かがちゃんと元通りに戻したのだろう・・・・。
今滞在しているのはカタートのフランス支部であるが故に起こった事故である。決してY2Kなんかではない!!
「ともあれ・・・。フランスのはメアリーの手掛かりは無い事は判明しました。今すぐロンドン・・イギリスに飛んでください!!」
行き成り何を言う???
「てっきりフランス王妃時代のモノだと思っていましたが・・。どうも違うようでした・・・まあ、目撃例もありますしね・・。聞いてますか?リナさん!!?」
「聞いてるわよ!!その音楽!!なんとかならないの!!??」
うるさいうるさい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!


ゼロスに命じられて「スコットランド女王、メアリー=スチュアートについて調査せよ」と言われたのは数週間前の事。
その命令によって何の手掛かりも無くフランスに飛んだのだ。
コンビのガウリイと一緒に・・・・・・。
「ともあれ・・・。イギリスはロンドンに行かなくちゃね・・・。」
「なあ・・・。リナ・・・・その・・メアリーってのはスコットランドって国の女王なんだろ?何でイギリスに行くんだよ・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
まあ、ガウリイでなくても認識は世間的には薄いことであるので・・・説明をしたい。
「そもそもイギリスと言うのは一つの国ではなく「イングランド」「スコットランド」そして「アイルランド」の三つの国に一人の君主・・現在ではクイーン・エリザベス二世を頂いている『連合王国』なの。スコットランドの人に『You are English』と言うと怒られるわよ。あくまで「連合王国」の国民であっても『スコットランド人」だと言うのが国際常識ね。ちなみにかのクローン羊が生まれたのも正確に言えばイングランドじゃなくってスコットランドよ。」
「・・・・・・。よくわからんが・・・。イギリスの地名かあ・・。なんだ、そ〜だったのか!!」
分かってないけど・・理屈がわかればよろしい・・・・。
「その女王メアリー、イングランド女王エリザベスの死によって連合王国が生まれた・・・。、か・・・。」
スコットランド女王メアリーはエリザベスによって処刑される前にこんな一言を残している。
「我が終わりに我が始めあり」っと・・・・・。
ソレが何を意味するのか・・・・??
リナがふっと考えに耽ると同時にガウリイが不意に切り出す。
「所でリナ・・ゼロスが単に『勘違い』だけで俺達をフランスまで送り出したのだとは思えないが・・・。」
「と・・言うと?」
「今ここに居るのはソレ相応の意味があるんじゃないか?そうでなければさっさとスコットランドに最初から送ってるはずだぜ・・・?」
コイツ・・・・。
自分が電話線引っこ抜いた事忘れてる・・・。
なんとなく・・学生時代のコイツの正確の一端が目に浮かぶような気がする・・・・。
親から電話が掛かっても電話線引っこ抜いてボロアパートでぐーすか寝てたんだろうなあ・・・・・・。
しかし・・・一理はある・・・・・。
「ゼロス兄貴がここまであたし達を送りつけたわけ・・・」
「今ごろのご登場かい?」
不意にリナの耳にガウリイのものではない男の声が聞こえる。
しかも・・・良く知った・・危なそうな声・・・・。
真坂・・・・・。
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいぎぎいいいいいいいいいい・・・。
首だけをその声の方向へ回しながらそうでない様にと縋るような眼差しをリナはその声の方向へ向ける・・・・・。
「久しぶりだなあ〜〜!!リナ。元気にしてたか・・?」
鋭い眼光・・・。
ガウリイがアルマーニの薄い上品な茶色のスーツと純白のシャツを着こなしているのに対してコイツはあからさまに怪しい真っ黒なスーツに
紫系のシャツ・・・・・。
同じように絶世の美男でもこちらはいかにも怪しい銀髪にガウリイとは違った雰囲気の繊細な顔立ちである・・・・・・・・・・・・・。
「ひょ・・・・・!!氷!!(ヒョウ!!)!!」
「え・・・?リナ!!今の天気は雹じゃなくって霙だぜ・・あれ霰か・・?」
だああああああああああああああああああ!
お天気がヒョウだろ〜がミゾレだろ〜がアラレだろ〜がどうでもいい!!
寒いけどもね・・・・(汗)
「まったく・・。ゼロスに依頼したって言うのに・・。三週間以上音沙汰が無いんだもんなあ〜〜・・・。」
ああああああああああああああああ!!!!!!!
コイツ!!コイツ!!
この怪しい男にまた再開する填めになるとは・・・?!!!!!
「知り合いか?リナ・・・・・??」
「知り合いも何も・・。中学時代の同級生よ・・・。この男・・。
ハッキリ言ってライセンスは変態とナルシスト!!日本人女性とイギリス名門貴族のハーフなんだけど・・・・。」
コレ以上言いたくない・・・・・・。
いや・・聞かないほうがガウリイにとっても幸せだろう・・・(汗)
「へえ・・・。そんなすげぇ奴なのか〜〜?」
「まあね。その癖一部の女子には物凄く人気あったのよ・・・・。アニーにハーヅィー・・他にはユージン・・それにイーズィーと匿名C!!あいつと来たらこの男のファンクラブまで作ったのよ!!信じられない!!あの匿名C!!もはや変態の仲間入りよ!!」
「・・・・・・。随分なご挨拶だねえ・・・。匿名Cのドあほの事なんてど〜だっていい。君と君の相棒には僕のヴィラに来てもらって事件解決をお願いするよ。」
ひとしきり息巻くリナに怒ったような口調で氷が言う・・・、。
事件解決って・・・・・・・・。
「どうやら・・。今回の事はコイツが依頼主みたいだな・・。」
ガウリイがリナに言う・・。
「あんの馬鹿あにいいい!!アタシが氷の事苦手って知ってて技とやったわねええええ〜〜〜〜〜!!!」
フランス国際空港にリナの虚しい絶叫が響く・・・・。



スコットランド女王の亡霊が出る・・・。
氷のヴィラではその事が話題になっていた。
「もともとこの建物はメアリーが幽閉されていた城を壊して立てなおしおたものなのね・・・?」
ヴィラを検分しながらリナが言う。
「ま〜ね。同じ建築資材を使っている部分もあるんだ。」
それに簡単に答える氷。
「ソレなら・・.幽霊が出ても仕方ないかもしれんな・・。」
妙な事に感心しながらガウリイ。


「で、リナ。どうするんだ?」
さっそくロンドン市内に繰り出したリナの後ろを歩きながらガウリイ。
「真坂!!幽霊が怖いからお前だけあの家に泊まらないとか言うんじゃないだろうなあ??」
ぶ・・・・・・・・・・。
「そう思う?」
あんまりにも愉快なガウリイの発想にリナは思わず笑いながら後ろを振り向き質問し返す。
「う〜〜ん・・。でも普通・・女の子って・・・。」
「御生憎様。アタシ実は『怪談マニア』なのよ〜〜♪」
事実である・・。
「リナ・・それって・・お前こそあの氷じゃないけど変態の仲間入りだぜ!!」
必至に何か言い出すガウリイ・・・・。
さては、コイツ・・・・・お化けが嫌いなんだな・・・。
いっちょからかって・・・・・・と思った矢先だった。
何世紀も昔からあったであろう屋敷を改造して作ったのであろうアンティーク・ショップから不意に聞こえてくる音楽・・・。
「イタリア語が聞けるとはなあ・・・・。」
耳を済ましながらガウリイ。
「サラ=ブライトマンね。歌は。でも曲はもともと歌詞の無い・・・18世紀の作曲家・・。アルビノーニの有名な『アダージョ』だわ。」
ゼロスの様にクラシックファンでは無いがリナもなかなか好きな曲である。
「ふ〜〜ん・・・・で、今から」づするんだ?」
「ちお〜大英図書館に行こうと思うの。博物館もあるし。何か分かるかもしれないわ。」
言い終わる頃にはアダージョは終了していた・・・・。


「リナ〜〜。何か分かったか?」
本を持たされるだけ持たされたガウリイがリナに聞いてくる。
「分かれば苦労はしないわよったく・・・。」
言いながらリナはガウリイの方にコインを一枚投げつける。
「英語・・・??」
「ラテン語!!スコットランド国王、ヘンリスとマリアの像。メアリーはラテン語読みではマリアになるしね・・・」
言いながらリナは本を開き一枚の絵をガウリイに見せる。
「ひええ・・。随分とカッコイイ兄ちゃんだな・・・。」
ガウリイにまで其処まで言わせる美貌、長身を誇る17〜8歳ぐらいの少年が小さな少年とともに描かれている絵の写真である。
「スコットランド女王メアリーの夫、ヘンリ=スチュアート。けど外見とは似ても似つかないとんでもなく馬鹿な男だったの。で、メアリーは新たに愛人となったジェームズ=ヘップバーンと結婚するために・・。屋敷を爆破してこの夫を殺したとされたいるわ。まあ・・その容疑から逃れるためにイングランドに亡命してエリザベスの王位を狙ってアッサリ処刑されたんだけれどもね。」
言いながらリナは考えを巡らす。
「でもよ〜。それって今回の騒ぎと関係無いんじゃないか?」
ガウリイも考えた様に言う。
「まあ、ね。だからアタシも悩んでるのよ・・。」
幽霊騒ぎだ何て。今まで一度も経験しちゃいないって・・それが当然だけど・・・。
「まったく・・どうしたものかしら・・・」
言いながらリナは壁の上のほうにある本を脚立に乗って取ろうとする・・。
「リナ!!!!」
咄嗟にガウリイがその脚立を蹴り倒した!!!?
「ガウリイ!!な!!」
真っ先に脚立から転げ落ちそうになったリナを素早くガウリイは抱きかかえあっという間にその場から離れる・・・・。
ぐわああああああああああああああああああああああああああんんん!!
それとほぼ同時に響き渡る爆発音!!
「な・・・・・・・・???」
「どうやら・・。お前さんが取ろうとした本・・。アレを触ると大爆発する仕掛けになっていたらしいなあ・・・。」
暢気にリナの髪についた煤を払いながらガウリイが言う。
一体・・・・・?
「あの本・・・。」
メアリーに暗殺されたであろう夫・・ヘンリーについて書かれた本だったのだが・・。
「しっかし・・・。すっげえ爆発力だな。お、セキュリティーの連中がお出ましだぜ?」
「うん・・・・・・・。話ししてくれば・・何か分かるかもしれないわね・・。」
コレは偶然だろうか?
氷の屋敷に出没すると言うスコットランド女王の幽霊。
そして・・よりにもよって爆薬によって暗殺された男の本に仕掛けられた
爆発物・・・・・。


「で、どうしたんです?リナさん?」
国際電話でのアメリアに今日起こったことを話してみる。
「う・・ん。氷の以来の幽霊騒ぎと一緒にしたら滅茶苦茶厄介な事になりそうな気がしたからね・・。たんなる無差別テロ・・と結末がなるような話方を警察にはしといたわ。」
この点では「合法マフィア」カタートの娘であるリナの名はかなり役に立つ。
「賢明です。でね、リナさん・・。一寸気になることがあるんで・・・。
昨日・・・映画『スカーレット』見てきたんです・・。」
「ゼルと?」
「リナさん!!真剣な話です!!」
アメリアが口調を強めて言う。これは図星の様である。
「はいはい♪わかったわよ。で?」
「気になることって言うのはその・・『フェニアン団』と言う組織をご存知ですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
フェニアン団だって・・・??
『連合王国』からの独立を目論むアイルランドの過激は組織である・・。
結構前の話になるがアイルランドで暴動が起こったことの記憶も新しい。
「でも・・連中はアイルランドの過激派でしょう?スコットランドや幽霊騒ぎには関係無いわよ・・。」
一応そうとは言ってみる・・・・。
「ならば・・良いんですけれども・・・。」
心配そうにアメリアも言う・・・・。
「リナ!!」
不意に室内にガウリイが駆け込んできたのはその時だった。
「如何したの?ガウリイ?」
縋りつくような目つきでリナを見ながらガウリイは青くなって言う。
「で・・出たんだ・・。女王メアリーの・・幽霊が・・・・・」
「あ・・・・・。」
そ〜〜いえば・・。
コイツ。そ〜ゆ〜の、苦手だって事すっかり忘れていた・・・。
「分かったわよ。ほら、今椅子から立つから手、貸して。」
本当は怖くてたまらないであろう・・(情けない・・)ガウリイを立ててリナはそう言う理由をつけて手を握らせてやる。
「あ・・ああ・・。ほら・・あそこの中庭だよ・・・。」
言いながらガウリイはリナを廊下に導き、窓から中庭を指差して言う。
「中庭・・・・・。」
使用人の人達と氷は前に出たときは屋敷の鏡のある一室だと言っていたっけ・・・。
今回は中庭ねえ・・・・。
「ガウリイ、電気つけも怖いの?」
スイッチを探して廊下中に明かりを満たすリナだが・・未だにガウリイは
怖がっている様子・・・・・。
「ば・・馬鹿言うな!!第一・・・・」
「『あの幽霊には足がある』でしょ?あのねえ・・。足が無い幽霊って日本の幽霊だけよ・・・。」
面白がって言うリナ。
確かに・・・。白い衣装をまとった美しいブロンズの髪の背の高い女
が物憂げに庭を散策して行く。
女王・・メアリー=ステュアートか・・・・・・。
やがて物陰に消えて行くその『人物』・・・・・・・。
「消えたわ。じゃ〜ね。お休み。ガウリイ」
「お前・・。見捨てるつもりか・・・・??せめて俺が寝付くまで手、握っててくれよ・・・・。」
下心無いのはあからさま・・。まじで怖がってるぞ・・・これは・・・。
しかし、これでは教育によろしくないなあ・・・。
「ガキか・・?あんたは・・・?」
そうとだけ冷たく言い放つリナ。しかし、頭の中ではもう別の事を二つほど考えていたりするのがミソ!!
「あ、また幽霊戻ってきた!!ガウリイ!!後ろ!!って・・ガウリイ??」
本当・・。寝つきの素晴らしいまでに良い奴。しかも言うとおリ未だに手を握ったままって・・これやあ、気絶しただけか・・・(汗)
ともあれ。これで外出可能になったことは言うまでも無い。


誰も居ない石造りの城の一室。
かつてのロンドン貴族の誰かの所有物だったのだろう。
が、今は荒れ果てている。
ここで待てば多分・・・。
そうとしか言いようが無い。
「リナ・・・・・・。」
聞き覚えのある女性の声が耳に響く。
エリザベス朝時代のその城には電気など無いので明かりは持参した
リナの懐中電灯と彼女の掲げ持つ「蝋燭」のみである。
「やっぱりね・・・。真坂とは思ったけど・・・。マーガレット・・・。」
その人物の名前をリナは何年振りかに呼んだ。
「何故・・。私だって分かったの??」
「中学時代の親友だしね。最も。あんたがあの氷にお熱だった理由は未だに理解出来ないけど・・。匿名C同様・・・。」
そうとだけリナは言う。
「そうね・・・。自分でも分からないわ。」
意味深な言葉をリナに投げかけるマーガレット。
「ねえ、メグ(マーガレットの愛称)。あんたは一つ、決定的な間違いを起こしたの。」
「間違い・・ですって・・???」
「そう。氷の家に昨日出没したメアリーの亡霊の衣装は純白だった。けど・・。スコットランド女王は深紅の衣装を纏って処刑されたのよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そう。
昨日のメアリーは彼女・・メグに間違い無いのだ・・・。
「アイルランド」と聞いた辺りでピンとはきていたのだが・・。
まんまとガウリイがコイツの仮装を目撃してくれたおかげで謎は解けたのである。
「仕方なかったのよ!!リナ!!お願い!!早く・・」
マーガレットが言い終わるか終わらないかのうちにだった・・・。
後ろ頭を殴られアッサリと倒れるマーガレット・・・。
「何故。何故彼女を利用したの?実の妹を・・・・・・。」
新たに乱入した人物に対しリナは泣きたい思いを堪えながら聞く。
「君なら分かってくれると思ってたよ・・。すべてはアイルランド独立のためだってね・・。最も、舞台をあの氷とか言う男の屋敷に選んだ理由は・・。」
「マーガレットを・・。あんたの最愛の妹をあいつがフッた腹いせ。それだけでしょ?別に気にする事は無いわよ。悪意の無いあんな単なる無神経変態。いっつも妹の事ばかりだね。エクター・・・。」
寂しげな瞳でリナ・・・。
そう。シエナに
居たときからそうだった。結局はマーガレットの事ばっかり。
だから。未だに世間一般的に言う「初恋」はしてない事にしている。
悪いけどさ・・・・。
肩をがっくりと落としていることに気付かれないようにリナは電灯の明かりを消した。
「悪かったと思っている・・・・。」
「しつこいようだけれども・・あんな無神経変態に謝る事は必要無いわ。自分達の独立行動が調査されない様にするため・・技とスコットランド女王を持ち出して世間を混乱させたって訳ね。あの爆弾も貴方が仕掛けたの??」
暫しの沈黙・・・。
「真坂。リナ・・君があの本を取ろうとするとはおもわなかったんだ!!」
振り切る様に言うエクター・・・。
「そう言う問題じゃないわよ!!」
カッとなってリナは絶叫する!!
「第一ね、暴力で何とかしようなんて事・・・・。いい加減にしなさいよ!!マーガレットが幾らなんでも可哀想じゃない!!」
あんたが・・・・。
アイルランドとマーガレットだけしか愛していない事は知っている。
その二つだけしか・・・愛せない。
精神的に産まれながらそう産まれてしまったこの人物・・・・。
それを「悲劇」では済ませられないと言うわけか。
「しったことか!!良いか、リナ。何故俺がマーガレットにあえて懐中電灯ではなく・・・蝋燭を持たせたか。分かるか・・・??」
「真坂・・・・・。」
言うが早いか妹を抱きかかえたまま石造りの古ぼけた城から走り去るエクター・・・・。たちまちのうちにドアを閉鎖する!!?そして・・・
リナが逃げ出す以前に投げ込まれる・・・蝋燭の炎を点火された爆弾!!??
「な・・・・・・・・!!!??」
時間が無い・・・。
一刻も早く火を消さないと・・・・・・・・。
そう判断しリナが爆弾に駆け寄ったその時だった・・・。
外から聞こえる争うような音。
どちらかが倒された事は間違い無い。しかも一瞬にして決着はついた状況の様だ。
「リナ!!何処だ!!」
「ガウリイ!!ここよ!!ドアが閉鎖されて出られないのよ!!それに・・・。」
「それに?なんだよ!!」
ガウリイ自身かなり焦ったように声を荒立てる。
「爆弾の火が・・消えないのよ!!あと三十秒もあれば爆発するわ!!」
もはや絶叫に近い声でリナは訴える。
「待ってろ!!!!」
「ガウリイ・・・??」
ドアのあたりからガウリイの気配が消える・・?
「ガウリイ!!??」
がしゃああああああああああああああああああああああああああああんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
けたたましい音を立てて古ぼけた窓ガラスが割られる!!
それと同時に室内に飛び込んでくるガウリイ!!!??
「ガウリイ・・血・・・・。」
「そんな事言ってる場合か!!」
何時に無い剣幕で怒鳴りリナの腕を取って割られた窓から外に脱出する・・・・。
同時に響く爆音・・・・余波が微かに爆風を起こし、同時に地面に倒れそうになるリナを気丈なガウリイが支える。
「このボロ城はそのうち崩壊するな・・・。逃げるぞ・・・。」
言いながらもと来た道をリナの手を取ったまま引き返すガウリイ。


爆発はすべてエクターの「狂気」のよるものとなった・・・・。
翌日の新聞には「フェニアン団」のことは一切報道されなかった。
「面倒は起こさないでくれ」と言うゼルの助言である。


「でもよお・・。リナ。あいつ・・。妹と祖国しか・・。」
「まあ、ね・・。しかもどちらも盲執に近かったと思う・・わ・・。」
しばらく考えた様にしてリナは言う。
「そっか・・・・・・・。」
溜息をつきながらガウリイ。
「世間一般じゃ・・アタシの事を笑い者に出来るって訳。」
ガウリイにはこう言う言いまわしの意味は・・・・。
「俺を嫉妬させる気かあ・・?今更・・・?」
分かったか・・。こ〜ゆ〜時は・・・・。クラゲじゃないし・・・。
「でも・・。これで幽霊騒ぎも終わったって事だろ?」
爆弾は怖くなくても幽霊は怖がるこの男・・一体・・・??
「その事で・・。非常に言いにくいんだけど・・・。今まで目撃された幽霊は中庭でなくて屋敷内で目撃されてるのよ・・・・。」
「と…?言うと・・・?」
「で、更に言えば・・・。目撃証言では一致して『赤』のドレスを着てるのよ・・。マーガレットが着てたのは・・・。」
「し・・・白・・・・だよ・・なあ・・・・・??」
「そうよ・・。不幸な事に・・分かる・・?ガウリイ・・・・??」
沈痛な面持ちで語るリナ・・。
「りなああああああああああああああああああああああああああ!!!」
かくして・・・。
リナはイタリアまでの空路の間、半永久的に隣の席のガウリイの手を握って落ち着かせる破目になったのである・・・・。

無論・・。
その晩もう安心だと思いこんだ氷の絶叫が館内に響き渡った事も付け足しておく・・・・。

「リナ〜〜〜。隣に居るよな〜〜・・??」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
トイレにも行けやしない(怒、苦笑)


(お終い)

ジ●クくんに雹様登場記念に書いた話です。
さて、問題。
「ワルキューレの騎行」で大顰蹙買ったどっかの馬鹿と匿名Cとは
誰の事でしょう??
正解者の方の先客3名様まで次回の「気ままシリーズ」のリクエストに応じたいです(出来る限るですけど〜〜)では〜〜〜!!

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8465ああっ!いつの間にっ!!P.I E-mail 1/7-00:47
記事番号8447へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
・・・答え。作者様です(あっはっは! ^0^)
しかし着信音が「ワルキューレ」とはまた勇ましい・・・

「アダージョの結末」随所で笑わせていただきました!!
幽霊におびえる美形二人・・・うぷぷぷぷ(^^;)
おびえたりマジになったり嫉妬したり、今回はガウりんのいろんな顔が見られましたね。ラスト近くでちょっぴりガウリイにヤキモチを焼かせたリナに思わず顔がニヤけました♪♪手ぐらいいつでも握らせてやんなさいよ〜!
氷殿下(なんか殿下とお呼びするのが似合ってますね・・・)またどこかで登場してくれないかな〜。彼も幽霊がコワイんだったらリナに手握ってもらえばよかったのに(爆!)・・・んで、ガウりんの反応が見てみたい(くすくす)

このシリーズ「気まま」シリーズっていうんですね。・・・誰の「気まま」なのかな〜?(^^;)この次二人はどこに飛ばされるんでしょう?楽しみです!
それではまた〜!


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8472多分次は(ニヤリ)CANARU E-mail 1/7-11:22
記事番号8465へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>・・・答え。作者様です(あっはっは! ^0^)
>しかし着信音が「ワルキューレ」とはまた勇ましい・・・
どうもです〜〜!!今回からメルアド記入のCANARUでっす!!
クイズ、正解です〜〜!!
しかも家族にもかな〜〜り評判わるかったでっす!!(汗)
>「アダージョの結末」随所で笑わせていただきました!!
>幽霊におびえる美形二人・・・うぷぷぷぷ(^^;)
はい〜〜!!
何故か情けないガウリイが一番最初に思いついたんです〜〜!!
しかもどっちも美形!!
>おびえたりマジになったり嫉妬したり、今回はガウりんのいろんな顔が見られましたね。ラスト近くでちょっぴりガウリイにヤキモチを焼かせたリナに思わず顔がニヤけました♪♪手ぐらいいつでも握らせてやんなさいよ〜!
ですねえ〜〜!!
しかも本気でガウリイは怖がってたりします〜〜!!
人間一つぐらいは弱点あるものですね!!
>氷殿下(なんか殿下とお呼びするのが似合ってますね・・・)またどこかで登場してくれないかな〜。彼も幽霊がコワイんだったらリナに手握ってもらえばよかったのに(爆!)・・・んで、ガウりんの反応が見てみたい(くすくす)
あ、炎と雹の争い状態ですね!!
ガウリイ、何だか凄く怒りそうで〜〜!!
>このシリーズ「気まま」シリーズっていうんですね。・・・誰の「気まま」なのかな〜?(^^;)この次二人はどこに飛ばされるんでしょう?楽しみです!
多分アタシ&ゼロス様の気ままではないのかと〜〜・・?
次回は多分・・・日本の地元です〜〜(静岡の田舎・・・。)
チョットした逸話があるので折角だからモチーフにしたいと思います!!
>それではまた〜!
では〜〜!!

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8485面白かったです〜♪E-mail URL1/9-22:54
記事番号8447へのコメント


初めまして〜CANARUさん!澪と申しますっ。
このシリーズは3作とも読ませて頂きましたが、とりあえず最新作に感想入れさせて頂きますね?

しかし面白いですネ〜♪リナが合法的マフィアの娘ってのも笑える。
ゼロス兄貴は口うるさいし・・・(笑)
ガウリイはスーツが似合うし〜アルマーニ・・いいなぁ想像しちゃった(ハァト)
CANARUさんは歴史が得意なのですね。
私は歴史なんてちっともわかんないんで、リナの説明とかも「ほほう・・・なるほどぉ・・・」と、ほとんどガウリイになったような感じで読んでました(笑)
漫画家マリナのシリーズ、私も一時期はまったことありますヨ〜。

>クラシック

リナちゃん嫌いなんですね、クラシック。
そのわりに知識は凄いなぁ・・・さすが才女★

>雹

おお・・・ジバクくん・・・(笑)
変なキャラなんで大好きです(^^)

>エクター

シスコンですねぇ。
私は妹や弟に甘い人が大好きなのです(笑)
でも、彼のやり方は間違ってますね・・・悲しい。
リナはどうして彼に惚れてたんでしょお。
・・・若気の至り・・・?

>どっかの馬鹿と匿名C

分かりませんでしたぁ〜〜〜しくしく。

ではっ、次も楽しみにしていますね〜★
またお会いしたいですっ。

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8504遅れてスミマセンデシタ〜〜(汗)CANARU E-mail 1/13-17:40
記事番号8485へのコメント

>初めまして〜CANARUさん!澪と申しますっ。
>このシリーズは3作とも読ませて頂きましたが、とりあえず最新作に感想入れさせて頂きますね?
ありがとうございますた〜〜!!
本日、早速第4段を書かせていただきました〜〜♪
>しかし面白いですネ〜♪リナが合法的マフィアの娘ってのも笑える。
>ゼロス兄貴は口うるさいし・・・(笑)
はい〜〜!!
とにかくこの人には口うるさくあって欲しいですね〜〜!!
>ガウリイはスーツが似合うし〜アルマーニ・・いいなぁ想像しちゃった(ハァト)
>CANARUさんは歴史が得意なのですね。
>私は歴史なんてちっともわかんないんで、リナの説明とかも「ほほう・・・なるほどぉ・・・」と、ほとんどガウリイになったような感じで読んでました(笑)
ありがとうございます〜〜!!
ガウリイのスーツもやっぱりコレだ!!
と思ったのでそういう設定にしてみたんです〜〜!!
リナ・・説明しながらガウリイを殴らないのが不思議〜〜(汗)
>漫画家マリナのシリーズ、私も一時期はまったことありますヨ〜。
アタシも現在はまってます〜〜!!
シャルルちゃんが好きなんです〜〜!!
>>クラシック
>
>リナちゃん嫌いなんですね、クラシック。
>そのわりに知識は凄いなぁ・・・さすが才女★
はううう〜〜!!
毎日ガンガンかけれれれば・・・。
嫌いになっちゃいますよね〜〜(汗)
>>雹
>
>おお・・・ジバクくん・・・(笑)
>変なキャラなんで大好きです(^^)
あたしもです〜〜!!
もうあ〜ゆ〜人には壊れまくっていただきたいですよね!!
今回もまた出てきてます!!
>>エクター
>
>シスコンですねぇ。
>私は妹や弟に甘い人が大好きなのです(笑)
>でも、彼のやり方は間違ってますね・・・悲しい。
>リナはどうして彼に惚れてたんでしょお。
>・・・若気の至り・・・?
ですねえ・・・・・。
やっぱりあ〜ゆ〜人って結構アタシの中では思いつくタイプの人間なんです。
悲しいかも・・・。
>>どっかの馬鹿と匿名C
>
>分かりませんでしたぁ〜〜〜しくしく。
ふふふふ・・・。
ぢつは「私」です〜〜!!
>ではっ、次も楽しみにしていますね〜★
>またお会いしたいですっ。
本当にしばらく来なかったんで遅れてすみませんでした!!
本日早速投稿しましたので、お暇があったら見てください〜〜!!
では〜〜!!