◆−エレクトラの困惑−CANARU(12/28-11:57)No.8415
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8415エレクトラの困惑CANARU 12/28-11:57


気が向けば書きますシリーズ第二段でっす!!
さっき書きあがりました〜〜♪前回投稿の一と合わせてお読み頂けると
嬉しいでっす!!
*************************

頭に響くこのBGM・・・・。
「馬鹿兄」こと実兄のゼロスが好んでかけるクラシック。
えっと・・確かこの曲は、バッハの「革命」だっただろう・・・。
「リナさん・・・。貴方と言う人は・・・。」
ちっつ!!
怒ってる怒ってる!!会社(組織?)の公金をちょっくら失敬して使い込んだ事を
怒ってる怒ってる・・・。
いいじゃないの。そ〜せアタシは総帥のあんたの妹でいわば同じ「一族社員」
なんだから!!
そう。リナはイタリアはシエナの一流女子大学を飛び級で、主席、特待卒業。
その後実家の企業に入社したもののその優秀な人材を望んでイタリア、さらには
五カ国語、さらには古代ギリシャ、ラテン語を解する才能を認められヨーロッパや
アメリカからさえヘッドハンティングのお誘いが絶えないのである。
が・・・・・・。
そんな彼女にもたった二つ・・いや・・先週からは三つの「問題」があるのだった。
「だいたいね!!マフィアなんてやくざな家業をやってるのに!!常識ぶった
事言ってるんじゃないわよ!!第一!!今回の競馬はトウカイテイオウに賭けて
どんぴしゃりだったのよ?借りたお金も1・6倍にして金庫に返したじゃない!!」
怒りながら・・いや、開き直りながらリナが言う・・・。
「競馬なんて天才予測犬プリンちゃん(誰もしらね〜〜よな・・。)に任せておけば良いんです!
まったく・・・。」
溜息混じりにゼロスが言い返す。
そう・・。
問題点の一つにリナ自身の性格・・。
そしてその実家の「家業」とはイタリアはナポリ・ヒチリアに名だたる大マフィア
だったのである!!
「ガウリイさん!!ちゃんとリナさんを監視していて下さいとお願いしたはずですが・・。」
困り果てたように・・さらに言えば恨みがましそうにゼロスがガウリイに話しをふる。
「そんな事いったってなあ・・・。」
長い金色の長髪・・・。
今でこそラフな服装をしているがバーバリーのスーツ辺りを着せたら右に出るものは
恐らく居ないであろう人物、ガウリイ。
リナのコンビ兼、監視役兼、雑用係である。
「リナはず〜〜っとコンピューターとデートしてたんだぜ〜〜?」
妙に寂しそうな声で拗ねたようにガウリイが言う。
が・・。ゼロスはぴ〜〜んと来たように・・・。
「リナさん・・。PATで・・馬券を買いましたね・・・。」
・・・・・・・・・。ばれたらしい・・・・。
え〜〜い!!こうなりゃままよ!!
「そ〜〜よ!!お家に居ながら馬券が買える!!いっや〜〜便利な世の中になったわね!!」
ほほほほほ〜〜っと技とらしく笑うリナ。
「まったく・・。まあ、良いでしょう。丁度ルナさんからの国際電話が来た所です。」
え・・??
「誰だ〜〜?そいつ・・?」
ガウリイがリナに聞く。
「おっソロし〜〜いアタシの姉ちゃん・・。ゼロス兄の妹でもあるわ・・・。アメリカ留学して
ウェイトレスで生計立ててるのよ・・。でも・・。ハッキリ言って・・・。」
「へえ・・。ゼロスもおっソロしい奴だと思うが・・。どっちが怖いんだ・・?」
「・・・。あのねえ・・。それって・・。オードリー=ヘップバーンとマリリン=モンロー
どっちの方が美人かって言うのと同じぐらいの愚問!!さらに言っちゃえば楊貴妃とマリ=
アントワネット。どっちの方が贅沢三昧して国を滅ぼしたのかって言うのと同じ位
ナンセンスな質問!!」
「・・・・・・・。さっぱり分からないのだが・・??」
ぐ・・・・・・・。
彼の頭の状態を理解していなかったあたしが一番馬鹿だった・・・・・。
「つまりね・・・。夜中にお腹が減ってよ・・。太るからっと言って夜食を食べないで結局
一睡も出来ないのと。夜食食べまくって体重が急増するのとどっちが馬鹿かって聞くのと
同じぐらい意味が無い事なのよ!!」
「分かったような・・分からないような・・・。」
まあ・・・・。
ハッキリ言ってリナにとってはどっちも「恐怖」だったりするのだが・・・・。


『やっほ〜〜!!リナ。元気?』
やたら滅多ら元気な姉のルナの声。
「げんき・・・」
元気よっと言い終わらないうちだった・・・。
『実は、NATO幹部の知り合いに仕事を依頼されたのよ。あ、勿論マフィアって言っても
うちの組織『カタート』は合法的ですからね。ギリシャに飛んでちょいと調べて欲しい
事があるのよ。報酬はすでに貰ったから後で必要経費と資料と一緒に送るわね。じゃーね』
プッツン・・・つ〜つ〜つ〜つ〜・・・・・・・・。
「と、言うわけです。リナさん、ガウリイさん、頑張ってくださいね。」
言ってにっこりと微笑む馬鹿兄・・・。
ざっけんなああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
折角この新年は寝正月しようと決めてたのに!!
「へえ・・・。ギリシャかあ・・・。ま、近いしいっか!!」
能天気な事を言うガウリイ。
「ねえ、リナさん。ギリシャというと・・。」
不意にアメリアが思い出したように言う。
「そういえば・・。確かちょっとした事件が発生してるらしいなあ・・。」
ゼルが思い出したように言う。
「知ってるわよ。世界一の大金持ち、オナシス一族の・・と言っても遠い親戚の
しかも下請け会社の揉め事でしょ?」
まあ・・リナにしてみればそんなちんけな会社の揉め事はどうだって良い事である。
といってもあくまでそれは『リナ』にとってはであり彼女自身の感覚である。
実際にこんなちょっとした下請け子会社であったとしても世間一般様にしてみれば
かのオナシスの一企業である上、かなりの流通経済に影響を及ぼしているのである。
最ももともとIQの高いリナは感覚では否定しながらも理性では重々その辺りを
承知している・・と言う事は付け加えておく。

「しっかしよ〜リナ。何でNATOなんだ?」
ガウリイが機内食を頬張りながらリナに聞いてくる。
「さあ。けど・・現在でもそうだけどNATOが結成された頃は東西冷戦の真っ最中で覇権国家はアメリカ。
IMF世界銀行も仕切ってるような条約とか組織だし・・。この揉め事とやらがかな〜り世界経済に
迷惑千万な事態を及ぼすって事じゃないかしら・・・?」
実際アラブで石油がちょっとばっかし出無くなればオイル・ショックになっちまって経済
は世界中で大混乱するわけだし。
ギリシャ一国内で「海運王」オナシスの一派だけの話しだとしても別に不可解な
訳ではないだろう。
「ま。冷戦はとっくに終わってNATOに敵対するコメコンはとっくに無くなってるし・・。
そう苦労する話じゃって・・・・!!!」
機内食を食べ終え、ぐっすり眠りこけっているガウリイにリナのお盆が炸裂したのは
それから十秒後の事だった・・・。

アテネの国際空港に着いたのはそれからまもなくの事だった。
「ギリシャの歴史から考えてっと・・。古代文明の発祥はもとよりも・・。」
良いながらリナはアクロポリスの丘の上に聳え立つパルテノン神殿をみやる。
「トルコに支配された頃・・その後、第一次世界大戦前のナショナリズムに
独立かあ・・・。」
言いながらしばらくリナは考える。
「でもよ〜〜。どうこう言ったって。ルナさんからの連絡が来なくちゃ動きようがないだろ?」
「まあ・・ね。」
ガウリイにしてはまともな意見である。

「煩いわね!!」
不意に女の甲高い声が聞こえる。
「イタリア語・・しかもナポリ訛りがあるわね・・・。」
言いながらリナは興味を引かれてその声のほうを向いてみる。
「あんたに何がわかるだよ!!?」
年若い男性がナポリ訛りのある女性に更に言いがかりをつける。
「第一・・・。」
男性が言いかけて・・さらに言い終わらないうちだった・・・。
数人のお役所ずらした男達がその男性を遠くに連れて行く。
「あちゃ・・。映画なんかでは良く見るが・・。あ〜やって厄介な人間を
主人から遠ざけるんだな・・・。」
妙な事に感心したようにガウリイが言う。
「馬鹿な事で感心してるんじゃないの!!って・・・・。カミーラ!!!??」
厄介払いされてその場から遠ざけられる男性を尻目にリナは因縁をつけられた女性に
声をかけたのだった!!

「へぇ〜〜。まっさかこんな所で会うとはね〜〜♪」
滅茶苦茶陽気な様子でカミーラは正面に座ったリナに言う。
「知り合いか・・?リナ・・・?」
「ええ〜〜♪リナとは悪友なのよ〜♪もとはと言えばあたしはナポリの典型的な
下層市民なんだけど〜〜♪」
なんだか変わってない・・・。
パトロン作ってそれに寄生して贅沢三昧に生きているその姿勢!!
さらにはそのパトロンに去られても宝石や貴重品を質入してでも自分で働かないと言う
その根性!!
強いて言えば自分で汗水たらして働くぐらいなら野たれ死んでもいいわ、とでも
言いたげなその享楽的な根性!!
そんなカミーラと天才、裕福さらには真面目なリナが6歳もの年齢差を通り越し知り合ったあげく
親友となった理由は至極単純。
『悪人に人権は無い』という共通概念である。
まだ年若いが十分にナポリの南国的な美少女であったリナ。
そしてやっぱり妖艶な黒髪、緑色の瞳とリナとは対照的な浅黒い肌と豊満な
体つきのカミーラ。シエナに住んでいた頃の事。
電車に乗っていたのだが、その二人の間にポマードぐちゃぐちゃ・・・。
新聞周囲の迷惑顧みずおっぴろげ、ついでに足も同じ位邪魔な幅をとり、ずずずずず〜〜
っと音を立てて缶ジュースを飲み干すと言うげっひん!!な親父が座り込んでいたのだった。
挙句の果てにガック,ガックと居眠りかまし、リナにもたれたりカミーラにもたれかかったり・・。
流石に温厚な(?)リナも細かい事を気にしたためしの無いカミーラも・・・。
これにはブチ切れて二人同時にオヤジの頭を片や束ねたブックバンドで・・。
かたやご丁寧に脱いだパンプスで殴りつけてやったのである・・・・・。
「それから・・。悪友になったのよね。で、今何やってるの?カミーラ?」
言ってリナは地中海風サラダにかぶりつく。
「ええ〜〜。呪われた一族の後妻になったわ〜〜・・。」
ふあああ〜〜っとこれまた『ま。これで離婚して野垂れ死にしたって悔いは無いわ』
とでも言いそうな享楽的な光をエメラルドの瞳に湛えカミーラ。
「それって・・・・・。」
「そ!!アタシが問題なのかもしれないわね〜〜。オナシス一族の厄介ドン尻子会社。
『アンヴぁー』の扮装の元になっているのは〜〜♪」
これって・・・・・・。

「なあ、リナ。何を調べてるんだ?」
ひょいとガウリイがロビーでノート型パソコンをいじっているリナにたずねる。
「ん・・。姉ちゃんのくれた仕事内容の郵便が今届いたのよ。で、もってその事と
今回のオナシスの傍系一族・・カミーラ後妻やってるって家について調べてるの。」
言ってリナは再度検索した画面をガウリイに見せるためにブラウザでページを戻る。
「へえ・・・。オナシス一族って世界一の金持ちなんだ・・・。」
知らなかったのか・・?コイツは・・?
「そう。巨万の富を一台で築いたのよ。でも、今回はその傍系も傍系で良い所だから・・。
検索には手間取ったわ。」
「当主はオージン・・。十年以上も前に妻のマルデルと離婚っと・・。
息子が一人に娘が一人居るわ。娘はもうすでに嫁いでるらしいけど・・・。」
「あ!!コイツ!!オージンの息子って!!」
言ってガウリイはパソコンの画面を指差す。
「そ。バルドル・・・・27歳・・・。カミーラに文句をつけてたあの人よ。」
言ってリナは少し考えを巡らす。
「でも・・・。一寸気になることがあるのよね・・・。」
「何がだ・・・?」
ガウリイがリナの顔とパソコンの画面を交互にみやりながら聞く。
「このオナシス傍系の一族の家宝・・。『エレクトラ』って言う琥珀についてなの。」
「それがどうかしたのか・・・?」
ガウリイが考えもしないでリナに聞いてくる。
「それが・・・。ポンペイから出土したものらしいのよ・・。ど〜ゆ〜
ルートからか知らないけどそれを買い取ったらしいわね。しかもつい最近・・。」
「ポンペイって・・・・・。」
そう。イタリアはナポリに程近い、大昔のローマ時代にベズビオ火山の噴火によって
火山の下に沈んでつい最近発見された都市である。
「そこの琥珀ともなると・・・・。」
同じナポリ女のカミーラの出現も気に掛かる所である・・・。


「なあ・・。リナ、あいつ・・・?」
とりあえずカミーラの事が気がかりで街中を散策していたリナに付き添っていた
ガウリイが不意に声をかけてくる。
「あ・・・・・・・。」
オージンの息子、バルドルである・・・・・。
「ちょっと・・・。待って!!」
昨日の事を覚えていたのかさっと身を翻して二人から逃げて行こうとする
バルドルにリナが叫び、それと同時にガウリイがダッシュをかけてそれを追って捕まえる。
「何で逃げる訳?そりゃあ、まあ・・・。あんたとはソリの合わない継母のカミーラの
友人ではあるけど・・・。」
「カミーラの友人・・・??」
明らかに安堵の声がバルドルの口から漏れる。
「あ。俺は単なる付き添いだぜ?あんなケバいねーちゃんは苦手だからな。」
はいはいはいはい・・・。
誰も聞いてないから黙っていようね、ガウリイ。
「良かった!!カミーラが危ないんだ!!早く一緒に来てくれ!!」
はへ・・・・???
「一寸待って!!いきなりそんな事言われたって!!全然状況が掴めないわよ!!」
道端と言う事実にも構わないでリナは大声でバルドルに言う。
「そりゃあまあ・・。あんたの家の傍系下請け子会社とは言えかなりの資産を持つ家の
財産をカミーラが欲しくなって・・。あんたを殺すとかって言うなら話は分かるわよ?
で、あんたはそれを悟ってカミーラと対決・・とか・・・。」
混乱しながら辛うじてリナはありがちな小説の筋を言うような感覚でバルドルに言う。
「・・・・・。俺はカミーラが・・・」
「好きなのか〜〜・??」
アッサリバルドルの言えなかった一言を言ってしまうガウリイ・・。
悪意がない分、とっても便利な奴である・・・・。
「オヤジに取られちまったんだよ・・。もともと・・・。」
「そうね・・。カミーラって享楽的だし・・。深く物事考えないで行動する事なんて
しょちゅうだから・・。あっても不思議じゃないわね。そーゆー事・・。」
半ば本人カミーラが居たらジト目でリナは睨んでいる事間違い無し、な口調で
遠くを眺めながらボソリと呟いた。
「でも、そんな事親父に言ったら俺、殺されちまうし・・・。」
これは多分、言いまわしや冗談ではなく実際に「この世から抹殺」される・・
と言う意味に受け取っても間違いなさそうである。
「で、カミーラに技と悪態ついてたって訳か。」
感心したようにガウリイが言う。
「まあな。だが、カミーラ自身も目的があって俺達親子に近付いたんだよ!!」
「何ですって・・・?」
「知らなかったのか?あいつの本名・・。世間には別の苗字を名乗っていたらしいが・・・。
本当はカミーラ=ビスコンツィンって言うんだぜ・・・?」
「ビ・・・ビスコンツィン!!!??」
な・・なんて事なの!!
「なあ・・?ど〜ゆ〜事だ?」
言わずと知れたクラゲ頭のガウリイがリナの髪を引っ張りながら聞いてくる。
「このキクラゲ!!良い!!ビスコンツィン家って言うのは!!15世紀のミラノ公爵家
スフォルッツァ家以前からミラノに君臨していた公爵の家系なのよ!!
もっとも・・。14世紀の婚姻が災いして15世紀にはスフォルツァ家ミラノ公爵の
地位を奪われちゃったけど・・・。その財力は未だに子々孫々に受け継がれていると聞くわ。」
「おいおい・・。そんなすげえ家系の奴が・・・。なんでおまえさんみたいな不良マフィアの
兄不幸物のゼニゲバ娘と付き合ってるんだ!!?」
ガウリイにリナのストレートパンチが炸裂したのはそれから三秒後の事であった・・・。


「カミーラ!!??」
バルドルのコネで容易くて邸宅に侵入したガウリイとリナ、そして遅れて
室内に入ってくるバルドル。
「来ないで・・・。」
その手に握られた巨大な琥珀・・『エレクトラ』・・・。
「それをどうしようって言うんだ!!?」
ガウリイが何かを直感したらしくカミーラを脅すように言う。
「これはもともとアタシ達の・・。ビスコンツィン家の物よ!!返してもらうわ・・。
これが・・。オナシスに奪われたせいで・・・。だから・・同じ目に合わせてやるの!!」
一体・・・・・・・・??
「聞いたことがある・・・。あの宝石を第二次世界大戦中連合国側に立った祖父が・・。
枢軸国(日、独、伊)のイタリアから奪い取ってきたと言う話を・・。」
バルドルが顔を青ざめさせながら言う。
「そうよ・・。そのせいで我が家は・・。アタシの代になっても凄まじい没落を
遂げたのよ!!」
言いながらカミーラは片手に小型のナイフをを構える。
「カミーラ・・・・・。」
逆にこめかみの辺りに拳銃を突き付けられて硬直するカミーラ・・。
「オヤジ!!」
叫ぶバルドル・・・。
「ご苦労だったな。カミーラ。もう少しで俺はスパイ容疑でNATOの連中に捕まる所だったんだが・・。
不用意にお前が動いてくれてすべて罪を擦り付けられると言う事だ。」
言いながらこちらを振り向くオージン。
「で、すべて聞かれた俺達には消えてもらう・・なんて言う野暮な事を言いたい訳か?」
しかたねえなあ・・とでも言った口調でガウリイが髪を掻き揚げつつ言う。
「もともとカミーラの腹の中の一物なんて見越しての事だ。何かに使えそうだと思ってね。」
せせら笑いながらオージン。
「まあ・・・。良いぜ。殺せるもんなら殺してみろよ。」
言って不敵に微笑むガウリイ。
「ガウリイ!!?」
「リナ、下がってろ。」
言ってやおら駆け出すガウリイ!!
なめきってる!!前回も言ったでしょ!!一応アタシもプロなんだって!!
不意に駆け出しているガウリイに横から潜んでいた奴が攻撃を仕掛けようとする!!
が、甘い!!
ガキイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンン!!
「ナイス・フォロー、リナ!!って・・。今日はスラックスはいてるのかあ・・。」
「蹴りをかますたびにあんたにスカートの中見物されちゃたまったものじゃ無いからね!!」
言いながらリナはまた別に潜んでいた奴に一本背負いをかます!!
「ったく・・。出来るだけ敵の男とは言え・・。触らないように迎撃欲しいよな・・。」
ブツブツ言いながらも自身素早い身のこなしで発砲された弾丸を避け肘鉄の一撃だ
けで刺客を倒すガウリイ。が・・・。
「リナ!!」
不意に不覚を取って足下にあった電気コードにまともに躓きバランスを崩すリナが
目に入り猛然とダッシュをするガウリイ・・・。
そこに・・オージンの銃口が向けられている・・・
「ガウリイ!!!!!!!!????」
銃声とともにリナの悲鳴が辺りに木霊する・・・。
「ガウリイ・・・??」
リナを庇って倒れて動かないガウリイ・・・・。
辺りにする嫌な火薬の異臭・・・。
「ガウリイ・・・。」
触れようとするが、その時カミーラの声とオージンの悲鳴が耳に届く・・。
「今よ!!リナ!!」
呆然とした意識を何とか正気に戻しそちらの方を見やリナ・・。
カミーラが腕に噛みついてくれたのだろう。
オージンの腕から滑り落ちたピストルが床に転がりそれを必至でもみ合いながらも
遠くに蹴り飛ばそうとしているカミーラの姿が目に入る。
「どいて!!」
カミーラに一言だけそう言いオージンの顔を目掛けて回し蹴りをかますリナ!!
勿論、それは見事に顔面直撃しアッサリとオージンは床に倒れ伏したのだった・・・。

「ガウリイ!!ガウリイ!!」
言いながらリナは倒れたガウリイを抱き起こす。
「もう・・。何て馬鹿なのよ・・・。」
泣きたい気持ちを無理やり堪えてガウリイの顔を見やる。
前髪に隠れて表情はほとんど見えない。
「もし・・。無事なら・・。しばらくは大人しく言う事聞くから!!お願い・・。」
最後のほうはかすれて言葉にならない・・。が・・・・。
「それ。本当か〜〜♪」
唐突に目を覚まし、ニタリと笑いかけてくる全然元気なガウリイに半泣きのリナは
「はへ・・・???」と言う訳のわからない声しか出せなかった・・・・。
「あのお・・?ガウリイ・・・・・・・・・???」
「へへへ〜〜!!じゃあ大人しく保護者の言う事聞けよ〜〜♪」
全然元気じゃないか・・・。コイツは・・・・・。
「う〜〜ん。やっぱりいざって時のタメに防弾チョッキ着ておいて良かった、良かった〜〜」
滅茶苦茶幸せそうな声でガウリイが言う・・・。
つ〜〜こたあ・・つまりコイツは・・・。
だましやがったつ〜〜ことかい!!
ごちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんんんんんんんんん!!!!
「いってえええええ!!何すんだよ!!」
「元気なら何時までも人の膝で休んでるんじゃないいいい!!」
怒りに任せてリナが立ちあがり、ガウリイの頭が思いっきり床にぶつかった・・と言う
構造である・・情けない話ながら・・・・。
「ちぇ・・・。」
ブツブツ言いながら立ちあがるガウリイ・・。
まったく・・。良い根性してるんだから・・・。」
怒りとも呆れとも思えない感情がリナを支配してどっと疲れが表れたのだった・・・。

オージンが逮捕されたのはそれからすぐにの事である。
「あ〜〜あ。踏んだり蹴ったり。やっぱり先祖のお宝でお金持ちになろう何て考えた
アタシが馬鹿だったのかしら?」
あいも変わらず享楽的な口調で言いながら別れの挨拶をして去って行くカミーラとバルドル。
「あああ・・。バルドルも大変ね。あ〜〜んなきまぐれを相手に・・・。」
「その台詞・・。俺にも通用すると思うのだが・・。」
ボソリと呟いたガウリイにリナが思いっきり脚蹴りをかます。
「いってえ・・・・。お前って本当に足癖悪いなあ・・・。」
「うるさい!!撃たれた振りする奴よりまだましよ!!」
「・・・・。言う事聞くっていったくせに・・・。」
妙に悲しそうな声を作りながらガウリイ。
「うるさい!!人を騙したんだからフィフティーフィフティーよ!!」
言ってリナはくるりとガウリイに背を向ける。
「お〜〜い!!リナ!!何処行くんだよ!!」
「事件も解決したし。帰るのよ。決まってるでしょ?」
「ええ〜〜帰るのか?あと二日分日程残ってるぜ?」
え・・・・?
そうなの・・・・??
「二日分も?」
「おう!!その間は事由だぜ?俺も真坂こんな所に来てまでお前さん監視する
つもるは無いし・・・。」
と・・言う事は・・・。
「行くわよ!!ガウリイ!!美味しいギリシャ料理食べまくりよお〜〜♪」
「おお!!リナ!!後でクレタ島にも寄っていこうぜ〜〜♪」
かくして・・・・・・・。


「帰った早々今度はフランス行きですか〜〜?」
大変ですね、と言う様にアメリア。
イタリアに帰りゼロスに任務遂行を言ったその時点でフランス行きを命じられたのである・・。
「ま〜〜な。なあ、リナ、さっさと任務済ませちまおうゼ〜〜♪」
「そだね・・・。」
焦りともなんともつかない様子でさっさと国際空港に向かう二人・・。
「ねえ、ゼルガディスさん、あの二人・・。今度の使命は何です?」
「スコットランド女王・・。メアリー=スチュアートについてだそうだ。」
言いながら何やら手紙の束を運び込むゼル。

「な・・・・・・・・!!!!!??」
開いた口がふさがらない・・・・・。
ガウリイとリナがギリシャで遊びまくった代金のツケの山のような請求書を見た
ゼロスがそう言った状態に陥るのはそれからもうしばらくしてからの出来事であった・・。


追伸「ねえ。ガウリイ・・。今ごろ兄者の奴・・。」
「言うな、リナ。気が引けてフランスじゃ思いっきり遊べなくなるだろ?」
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・(邪)」

つ〜〜訳で。次回はフランス⇒スコットランド⇒ロンドンとなるかと
思います・・・。


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8420おもしろかったです〜っ!!P.I E-mail 12/29-02:14
記事番号8415へのコメント

CANARUさん、こんばんは!早速飛んできました〜♪
うふふふ・・・リナに言いたい放題言っちゃ蹴り入れられてるガウリイがイイです〜(はぁと)
海運王オナシスに第一次大戦にNATO・・・こりゃ〜ガウリイにはちょっと難しすぎるシチュエーションですねぇ(^^;)あの琥珀は結局NATOに持っていかれたんですか?
今回残り2日でちょこっとはガウリナの親交が深まったかな?(膝枕も・・・ガウリイ、チャンスを狙ってたなぁ〜? ^^)
けど、請求書の山を見てゼロス兄、あの二人を野放しにする怖ろしさを思い知ったことでしょう(^^;)
次回はメアリ・スチュアートですって!!?
きゃぁぁぁぁ〜〜〜〜♪♪♪(狂喜乱舞!)メチャメチャ期待してますうううっ!!

ところで、宝塚版「チェーザレ・ボルジア」ビデオで観ましたよ!話は塩野七生さんの「〜あるいは優雅なる冷酷」がもとになってました。ルクレツィアのフェラーラ輿入れ前夜のパーティーでのチェーザレの無国籍ダンス(笑)がいかにもザ・タカラヅカ!同じミュージカルでもやっぱりタカラヅカはファンタジーですね(^^;)「エリザベート」も観たいなぁ。
それではまた〜♪

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8423ありがとうございました〜〜!!CANARU 12/29-15:55
記事番号8420へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!早速飛んできました〜♪
>うふふふ・・・リナに言いたい放題言っちゃ蹴り入れられてるガウリイがイイです〜(はぁと)
ですね〜〜!!
今回のガウリイは被害者度合いのほうが多かったような気がします〜〜!!
やっぱりちょっかいの出しすぎですね!!
>海運王オナシスに第一次大戦にNATO・・・こりゃ〜ガウリイにはちょっと難しすぎるシチュエーションですねぇ(^^;)あの琥珀は結局NATOに持っていかれたんですか?
う〜〜みゅ・・・。
やっぱり没収ですね!!
ガウリイは単に「事件だから解決した」という概念しか持って無さそうな
気がします・・・。
>今回残り2日でちょこっとはガウリナの親交が深まったかな?(膝枕も・・・ガウリイ、チャンスを狙ってたなぁ〜? ^^)
ですね〜〜!!
かなり今回は冗談がきつくて蹴られて当然じゃないか!!とも!!
>けど、請求書の山を見てゼロス兄、あの二人を野放しにする怖ろしさを思い知ったことでしょう(^^;)
>次回はメアリ・スチュアートですって!!?
>きゃぁぁぁぁ〜〜〜〜♪♪♪(狂喜乱舞!)メチャメチャ期待してますうううっ!!
ありがとうです〜〜!!
まずはフランスでも口うるさい兄上が電話でぐちぐち言ってくる予定です。
しかし・・野放しとは懲りてない様子・・.
>ところで、宝塚版「チェーザレ・ボルジア」ビデオで観ましたよ!話は塩野七生さんの「〜あるいは優雅なる冷酷」がもとになってました。ルクレツィアのフェラーラ輿入れ前夜のパーティーでのチェーザレの無国籍ダンス(笑)がいかにもザ・タカラヅカ!同じミュージカルでもやっぱりタカラヅカはファンタジーですね(^^;)「エリザベート」も観たいなぁ。
>それではまた〜♪
うわあ・・・。
どっちも見たいです〜〜!!
チェーザレネタもしかするとまた何か書いてしまうかもしれない
自分が居たりします〜〜!!
では、また書きますね〜〜!!