◆−夏の夜は、彼にご用心 1−理奈(8/8-05:06)No.7425
 ┣夏の夜は、彼にご用心 2−理奈(8/8-05:07)No.7426
 ┃┗夏の夜は、彼にご用心 終−理奈(8/8-05:08)No.7427
 ┃ ┗Re:夏の夜は、彼にご用心 終−岬梨雨(8/9-06:29)No.7453
 ┃  ┗感想、ありがとうございます。−理奈(8/9-08:34)No.7456
 ┣おいしい料理の作り方−理奈(8/8-12:09)No.7433
 ┃┗おいしい小説を頂きました☆−庵 瑠嬌(8/8-14:11)No.7436
 ┃ ┗ありがとうございまぁす!−理奈(8/9-08:27)No.7455
 ┣青い空の下、青い海の上−理奈(8/9-14:19)No.7467
 ┃┗青い空の下、青い海の上 2−理奈(8/9-15:26)No.7472
 ┃ ┗青い空の下、青い海の上 終−理奈(8/10-07:11)No.7476
 ┣あの海を見つめて−理奈(8/11-12:44)No.7482
 ┗光りを待ちつづける闇−理奈(8/14-16:02)No.7497


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7425夏の夜は、彼にご用心 1理奈 8/8-05:06


投稿したとたんツリーが落ちてしまいました。

夏の夜は、彼にご用心 1


バシッ!!
彼は、その音に驚いて顔をあげる。
「り、リナさん?」
彼の闇色の瞳に不機嫌な顔の少女、つまりあたしが映る。
あたしは、それを無視して自分の机に戻る。
「あ、あの、リナさん?おこってらっしゃいます?」
彼の言葉にあたしのこめかみのあたりがピクピクする。
「なぁに、いってんのゼロス君。たとえ明日から待ちに待った夏休みだとしても、終わってない書類を終わらせるのが生徒会の、生徒副会長の役目でしょう?」
あたしは、笑顔で言う。
「リナさん…目が笑っていませんよ…おこってらっしゃいますね」
ゼロスは、あたしの顔を見て引きつった笑顔をうかべる。
あぁ〜あ。明日からは、夏休みなのに…。なんで学校に残っているんだろ…
そう。今あたしとゼロスは、学校に残って生徒かいの仕事を終わらせているところだった。
学校の一番上の階にあたし達、生徒会の部屋がある。その部屋の奥にある大きな机に生徒会長のゼロスがめったに見せない困りきった顔で書類に目をとおしていた。肩まで切りそろえているきれいでシルクのような闇色の髪。その髪と同じ闇色の瞳。白く、きれいな顔立ち。学園人気No.1を誇る彼。生徒会長に選ばれたのも談じて実力のおかげじゃない。と言っても成績優秀で、学年トップの彼なのだが
そしてゼロスの机の斜め前にあたしの机がある。副会長で学園美少女No.1のあたし。愛らしい顔立ちにパッチリしたつぶらな紅い瞳。きれいな栗色の髪。この容貌のあたしが生徒会長に選ばれなかった時は、ゼロスを殺そうかと思ったけど。
ともかく。なぜ学校に残って仕事をしているかと言うと。書記のアメリアのミスでかたづけてない書類が山ほどでてきたのだ。そして当の本人は、家族と外国へ旅行するために空港へ行かなくちゃいけないとかで早々と逃げていった。
ふふふふ…帰ってきたら覚えておきなさいよ…アメリア…
「あの、リナさん。アメリアさんのせいでは、ないと思いますけど」
あたしが考えていた事がわかったのか、ゼロスは、おそるおそる言う。
「なんでよ。あの子がちゃんと書類を管理していなかったからいけないんでしょう」
あたしは、見終わった書類を閉じ、あたらしい書類を手にする。
「た、たしかにそうですけど…この書類、全部リナさんがかたづけていなかった書類ですよ」
うっ…
い、いたいところをつくね、ゼロス。
 「た、たしかにこの書類は、あたしに回ってきたやつだけど…」
 「リナさんが最初っからかたづけていればこんなことには、ならなかったんですよ」
「だ、だから今こうしてやってるじゃない」
「だったらもんくを言わないでちゃんとやってください。リナさんお一人で出来るやつならいいんですけど、なんで僕も目を通さなければいけない書類ばかり残しておくんですか」
「じゃ、なによ。もしこれあたし一人で出来るやつだったら手伝ってくれなかったわけ?」
「まぁ、少しなら手伝って差し上げますけど。これほどの、殺人的な量になると…」
「殺人的って、たった百個くらいの書類で」
「そのほとんどを僕に押し付けて何を言っているんですか」
ゼロスは、ジト目であたしに言う。
「はは、かたいこと言わない」
はぁ〜…
ゼロスは、深い溜息を吐いて机に突っ伏した。


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7426夏の夜は、彼にご用心 2理奈 8/8-05:07
記事番号7425へのコメント

「おわったぁ〜!!」
あたしは、両腕をふりあげて叫ぶ。
「ご苦労様です」
ゼロスは、書類の山をファイルキャブネットに入れる。
部屋は、電気なしじゃうすぐらかった。あたしは、窓から外を見る。夕日が完全に沈みかけているところだった。もう七時前だった。
「もう七時前ですか。急いで帰らないといけませんね」
ゼロスは、急いで帰りじたくをする。
「え、なんで?」
そりゃぁ、早く帰りたいのは、わかるけど。
あたしの言葉を聞いてゼロスは、きょとんとする。
「リナさん、知らないんですか?この学校の七不思議」
「七不思議?」
あたしは、まゆをひそめる。
「知らなかったんですか。七時になるとこの学校のあちらこちらで不思議なことがおきるという」
「ううん。知らない」
あたしは、首をふる。いつもは、授業終わったらすぐ帰っていたから七時まで学校にいることなんてなかったから。
「では、職員室に生徒会室の鍵を返しに行く途中、その七不思議がおこる部屋が何部屋かありますから、ごあんないしましょうか?」
「え…」
あたしは、顔を引きつらせる。
「まさか、リナさん。怖いと言うんじゃ、ありませんよね」
ゼロスが意地悪そうな笑みを浮かべる。
「ま、まっさかぁ!お、おもしろそうじゃない!」
全然おもしろそうじゃない。自慢じゃないけど、あたし、幽霊とか、そういうたぐいのもの苦手なのよぉ〜…。
あたしは、内心、泣き出しそうな気持ちをおさえながらゼロスに言う。
「七不思議ツアー、つれてってもらおうじゃないの」
ここでひきさがったらなんか弱いあたしを見られ、なんかゼロスに負けたような気がしてならない。それだけは、あたしのプライドが許さなかった。
「それでは、行きましょうか」
ゼロスは、ニッと笑って言う。
あたしは、かばんをとってゼロスと生徒会室を出る。
廊下は、昼間と違って怖く見えた。いつもなら生徒でうるさい廊下だけど、今は、静かだった。なんかいつもより、長く、広く見える。
…やっぱり…このまま帰ろうかな…
「どうしたんですか、リナさん?怖いんですか」
あたしは、ゼロスを見上げる。
彼は、意地悪笑みを浮かべ、あたしを見下ろす。
なんかムカ。
「そんなんじゃないわ!」
あたしは、スタスタと歩き出す。
「あっ、待ってくださいよ、リナさん」
ゼロスは、あたしの後を追ってパタパタと走ってくる。
あたしたちは、まず一階したの二階におりた。
「では、まずこの階の音楽室と美術室へ行って見ましょうか」
「そこには、なにがおきるの?」
「月並みですよ。音楽室からは、誰もいないのにピアノの音が聞こえるとか。美術室は、壁に飾ってあるモナリザの目が動くとか」
「本当に月並みね」
あたしたちは、音楽教室の扉の前でとまる。
「なにも聞こえないけど」
あたしは、ゼロスを見る。
「まぁ。もし本当だとしたら、まだ七時では、ありませんからなにもおきないでしょう」
ゼロスは、そう言って扉を開く。
広い部屋の奥に大きなグランドピアノが置いてある。
「なにもありませんね」
ゼロスは、スタスタと部屋の中に入る。
「そ、そうね」
あたしは、急いで彼のあとを追う。
「では、次は、美術室へ行って見ましょうか」
夜の美術室は、めちゃくちゃ気味が悪かった。あたしたちは、後ろの壁にかかってあるモナリザの絵の前にたつ。昼間見てもけっこう不気味なモナリザ。本当に今でも目が動き出しそう。
早くここから出よ。なんか寒気がしてきた。
「次は?」
あたしは、ゼロスの所へ振りかえる。
「次は、ですねぇ…」
ゼロスは、そう言って言葉を切る。彼の顔が見る見る青くなっていく。
「ぜ、ゼロス…?」
「リナさん、後ろ!」
「きゃぁあああああ!!!」
ゼロスが叫んだとたんあたしは、悲鳴を上げて座り込んでしまった。
「り、リナさん?」
あたしは、おそるおそる顔をあげる。そこには、ポカンとした顔でゼロスがあたしを見下ろす。
ハッ!!
あたしは、あわてて立ちあがる。
それを見てゼロスは、クスっと笑った。
こ、こいつ…はかったなぁ…
「まさかリナさんがこんなに怖がりだったとは」
「ち、ちがうわよ!あんたがいきなり脅かしたから驚いただけ!」
あたしは、顔を真っ赤にして言う。こんな奴にこんなあたしを見られたなんて…リナ、一生の不覚だわ!!
「つ、次は?」
あたしは、美術室を出る。
ゼロスは、笑いをこらえながら美術室をでる。
「な、なにがおかしぃのよ」
あたしは、立ち止まってゼロスを見る。
「いえ。なんでもありません。次ですね」
ゼロスは、苦笑しながら階段の方へと向かう。あたしは、頬をふくらませながら彼のあとを追う。


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7427夏の夜は、彼にご用心 終理奈 8/8-05:08
記事番号7426へのコメント


「階段??」
あたしは、一階に続く階段を見下ろす。
「はい。本当は、十二段ある階段が七時をすぎると十三段になりそのまま死の世界へ続くと言われてますけど」
これも月並み…ねぇ…だけど…
あたしは、こくっとつばを飲みこむ。
一…ニ…三…
あたしは、一段、一段数えながら降りていく。
十…十一…十二…!?
「う…そ…」
血の気が引くのを自分でもわかる。
あたしは、十二段目で止まる。その下には、もう一つ、つまり十三段目があった。
「どうしました、リナさん?」
ゼロスは、横からあたしの顔をのぞきこむ。
「だ、だって…十三段目が…」
「何を言っているんですか。ちゃんと十二段しかありませんよ。数え間違えですよ」
「え…」
あたしは、ゼロスの言葉を聞いて階段を上がる。そしてまた数えながら降りてくる。
「五、六、七…」
今度は、数え間違えないように声に出して数える。
「十一、十二」
そこで階段が終わる。
「ほんとうだ…」
あたしは、ほっと胸をなでおろす。
ゼロスは、またクスクスと笑う。あたしは、それにムッとするが何も言わない。もう完全にあたしが怖がりだって事、わかっちゃったから。
「もう七時ちょっと前ですからもう帰りましょう。本当に何かおこったらいやですからね。さっ、職員室に鍵を返して帰りましょう」
ゼロスは、フッと微笑み職員室へと向かう。
「実はですね、職員室にも七不思議があるんですよ」
「え…」
「七時になると閉じ込められて違う世界へとつれていかれるとか」
職員室の奥の壁に格部屋の鍵がある。ゼロスは、職員室の鍵をそこへもどす。
「さっ、帰ろ」
あたしは、やっと帰れると安堵の溜息を吐き、職員室の扉を開けようとする。
その時だった。カチッと言う音がして突然職員室の電気が消えた。
「きゃぁぁあ!!」
あたしは、突然の事に叫び声を上げてしまった。そして腰がぬけて座り込んでしまった。
あたし、暗いとこだめなのぉ〜〜!
「リナさん!」
「ぜ、ぜろすぅ〜〜、どこぉ〜」
あたしは、涙で目をぬらし、なさけない声を上げる。
たしか、ゼロスは、後ろの壁の方にいたよね。
あたしは、手探りしながらゼロスがいる方へと進む。
『七時になると閉じ込められて違う世界へとつれていかれるとか』
ゼロスの言葉が頭をよぎる。
や…やだぁ…ゼロス…
「リナさん」
するとゼロスがあたしを抱きとめる。
「ぜ、ゼロスぅ〜〜」
あたしは、がくがくと身体を震わせ、ゼロスに抱きつく。
「だいじょうぶですよ、リナさん。だいじょうぶです」
先ほどとは、大違い。ゼロスは、優しい声でそう言って、あたしの髪をなでる。
あたしを抱きしめてくれる腕が心強い。
少ししてやっと暗闇に目がなれてきた。するとあたしがゼロスの腕の中にすっぽり抱きしめられてるのに気づく、と同時に身体の体温が上がる。
う、うわぁ〜〜〜!!あたし、あたし、なんてことをぉ〜!
「リナさん…」
耳のすぐそばで聞こえた彼の声にビクっと身体を震わす。
「これって結構おいしいシチュエーションですね…」
「ぜ、ゼロス…」
ゼロスの腕の力が強くなる。
「ひゃん!」
突然、首筋に冷たい物を感じる。ゼロスの唇だ。
「ぜ、ゼロス…や…」
あたしは、ゼロスの腕から逃れようとするが、全然動けない。
耳の裏、頬、おでこ、首筋…ゼロスが口付けする。
「ぜ、ゼロス!や…!やめて!!」
ドクン、ドクンと心臓の鼓動が激しくなる。
「!?」
いきなりゼロスがあたしのブラウスのボタンを一個はずす。するとあたしの鎖骨があらわになる。
そこにゼロスは、唇をすべらす。
「ゼロス、お願い、やめて!!」
が、ゼロスは、あたしの言葉に耳をかたむけない。
ゼロスは、そのままあたしのブラスのボタンに手をかける。
あたしは、ギュッと目を閉じる。
と、そのとたん。
「おぉ〜い」
扉の向こうから声が聞こえる。
あたしたちは、おどろいて顔を上げる。
「誰かそこにいるのか?」
か、管理人さんだぁ〜〜〜!!!
「はい!!閉じ込められたんです!!たすけてください!」
あたしは、あわててボタンをかけなおし、力の抜けたゼロスの腕から逃げる。
カチャっと音がして扉が開く。すると管理人さんが懐中電灯を持って入ってきた。
「あんたたち、なぁにやってんの」
「あっ、生徒会室の鍵を返しにきたらいきなり電気が消えて誰かにとじこめられたんです」
あたしは、自分のかばんを拾い上げて言う。
それを聞いて管理人さんは、あきれたような顔をする。
「あんたたち、知らないのか?七時になったら自動的に鍵がしまって電気が消えるのを?」
「へっ…」
あたしは、管理人さんの言葉に間抜けな声を上げる。
その時横をそぉ〜っと通りすぎるゼロス。
ってことは…………………………
「ぜ、ゼロスぅ〜〜…」
ゼロスは、びくっと身体を震わし、ぎぎぎぃ〜とあたしの方に顔を向ける。
「な、なんでしょうか…リナさん…」
「あんた…あたしをはめたね…」
「い、いや、書類を貯めておいたリナさんにちょっとしたお仕置きを…」
ゼロスは、笑顔を引きつらせる。
「じゃぁ、七不思議も」
あたしは、ズイっとゼロスの方に一歩進む。
「う、嘘です」
ゼロスは、一歩あとずさる。
「ゼロスの馬鹿ぁあああああああ!!!!!!!!!!!!!」
あたしの叫び声が学校中に響き渡る。

明日からは、夏休みだ。

終り。

しょうもないストーリーでした。あぁあ、ごめんなさい、最後、らぶらぶにできなかったぁ〜〜…やっぱり下手ですね…
最後まで読んでくださった方に感謝をこめて…
ありがとうございました…



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7453Re:夏の夜は、彼にご用心 終岬梨雨 8/9-06:29
記事番号7427へのコメント

こんにちは、岬梨雨です。

>あたしは、ゼロスの言葉を聞いて階段を上がる。そしてまた数えながら降りてくる。
>「五、六、七…」
>今度は、数え間違えないように声に出して数える。
>「十一、十二」
>そこで階段が終わる。
>「ほんとうだ…」
>あたしは、ほっと胸をなでおろす。
>ゼロスは、またクスクスと笑う。あたしは、それにムッとするが何も言わない。もう完全にあたしが怖がりだって事、わかっちゃったから。

よいですね、かわいいリナちゃんですね、恐がりなのも。

>「実はですね、職員室にも七不思議があるんですよ」
>「え…」
>「七時になると閉じ込められて違う世界へとつれていかれるとか」

ち、違う世界?! どんな世界なのでしょう?

>「さっ、帰ろ」
>あたしは、やっと帰れると安堵の溜息を吐き、職員室の扉を開けようとする。
>その時だった。カチッと言う音がして突然職員室の電気が消えた。
>「きゃぁぁあ!!」

わおぅ! 謎ですわ、怖いですわ! リナちゃん怖がってますねっ!

>「リナさん…」
>耳のすぐそばで聞こえた彼の声にビクっと身体を震わす。
>「これって結構おいしいシチュエーションですね…」
>「ぜ、ゼロス…」
>ゼロスの腕の力が強くなる。
>「ひゃん!」
>突然、首筋に冷たい物を感じる。ゼロスの唇だ。
>「ぜ、ゼロス…や…」
>あたしは、ゼロスの腕から逃れようとするが、全然動けない。
>耳の裏、頬、おでこ、首筋…ゼロスが口付けする。
>「ぜ、ゼロス!や…!やめて!!」
>ドクン、ドクンと心臓の鼓動が激しくなる。
>「!?」
>いきなりゼロスがあたしのブラウスのボタンを一個はずす。するとあたしの鎖骨があらわになる。
>そこにゼロスは、唇をすべらす。
>「ゼロス、お願い、やめて!!」
>が、ゼロスは、あたしの言葉に耳をかたむけない。
>ゼロスは、そのままあたしのブラスのボタンに手をかける。

…………………(///)

>あたしは、ギュッと目を閉じる。
>と、そのとたん。
>「おぉ〜い」
>扉の向こうから声が聞こえる。
>あたしたちは、おどろいて顔を上げる。

ゼロス君、未遂ですねっ! ……………(///)

>「あんたたち、知らないのか?七時になったら自動的に鍵がしまって電気が消えるのを?」
>「へっ…」

ほえっ? なんですと?!

>「な、なんでしょうか…リナさん…」

ゼロス君怯えてますね。

>「あんた…あたしをはめたね…」
>「い、いや、書類を貯めておいたリナさんにちょっとしたお仕置きを…」
>ゼロスは、笑顔を引きつらせる。

あらあら、やっぱりリナちゃんが弱点……。

>「じゃぁ、七不思議も」
>あたしは、ズイっとゼロスの方に一歩進む。
>「う、嘘です」
>ゼロスは、一歩あとずさる。

お、逃走体制! 身の危険を感じてますね。

>「ゼロスの馬鹿ぁあああああああ!!!!!!!!!!!!!」
>あたしの叫び声が学校中に響き渡る。
>
>明日からは、夏休みだ。

夏休み中に仲直りできるんでしょうかねぇ、この二人? リナちゃんは怒らせると怖いですからねぇ……。

>しょうもないストーリーでした。あぁあ、ごめんなさい、最後、らぶらぶにできなかったぁ〜〜…やっぱり下手ですね…

とっても楽しかったですわ! らぶらぶでなくてもかわいいリナちゃんと、ちょっとイジワルなゼロス君を見れて幸せです。
それでは、このへんで。

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7456感想、ありがとうございます。理奈 8/9-08:34
記事番号7453へのコメント

こんにちはぁ!感想ありがとうございまぁす!

>よいですね、かわいいリナちゃんですね、恐がりなのも。

 めちゃくちゃかわいいリナちゃんに挑戦してみました。

>ち、違う世界?! どんな世界なのでしょう?

 どんな世界でしょうねぇ(爆)。いやぁ、思いつかなかった物ですからぁ。

>わおぅ! 謎ですわ、怖いですわ! リナちゃん怖がってますねっ!

 うぅ〜ん、あんまし怖がらせると別人になってしまいますから、なるべく
ひかえたんですけど・・・

>…………………(///)

 いやぁ〜、ここまで書いてよいのかと・・・


>ゼロス君、未遂ですねっ! ……………(///)

 というわけで、未遂で(あたりまえだ!)


>夏休み中に仲直りできるんでしょうかねぇ、この二人? リナちゃんは怒らせると怖いですからねぇ……。

 むずかしそうですねぇ。これもリナちゃんを起こらせたバツだよ、ゼロス君。

>とっても楽しかったですわ! らぶらぶでなくてもかわいいリナちゃんと、ちょっとイジワルなゼロス君を見れて幸せです。
>それでは、このへんで。

 感想、ほんとうにありがとうございまぁす!!うれしぃです!!


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7433おいしい料理の作り方理奈 8/8-12:09
記事番号7425へのコメント

おいしい料理の作り方

お昼を告げるベルが鳴ると同時にみんなそれぞれ自分の弁当を持ったり、この学校自慢のカフェテリアで買ったお弁当を持って屋上や、中庭へと向かう。
「アメリアぁ〜〜、屋上行こぉ〜」
「ちょっと待ってくださいね」
あたしは、お弁当をかばんからだして隣の席のアメリアに言う。
ふふふふ、お弁当さぁん、お弁当さぁん。
あたしは、幸せいっぱいな顔でお弁当にほおずりする。
「リナさんってなんかお弁当のために学校へ来てるみたいですね」
アメリアも自分のかばんからお弁当を出しながら言う。
「もちろんよ。他になにがあるっていうの」
アメリアは、それを聞いて苦笑する。
「あれ?今日は、ないんですか?」
アメリアは、あたしの回りをみて言う。
「…あるわよ…」
あたしは、アメリアに言われてかばんからもう一つ、お弁当を取り出す。いくらあたしが少し、他の人より多く食べると言ってもお弁当二つは、多すぎる。このお弁当は…
「リナさん、アメリアさん。お昼食べましょう」
あたしたちは、クラスと扉の所で立っている彼の方へと振り向く。
彼は、ニコッと微笑む。
このお弁当は、彼のだ。

「リナさんが作るお弁当っておいしいですね」
彼、ゼロスにそう言われた時、あたしは、真っ赤になったが…
それは、いっしょにクラスに初めてなった一年前の時だった。となりに座っていた彼が横からあたしの卵焼きを取って食べて言ったのだ。
肩まで切りそろえられている闇色の、きれいな髪。その髪と同じ色の瞳。整った顔立ち。そして笑顔。その容貌のおかげで彼は、女子の間では、すっごく人気があった。女には、困らないだろうといつも思っていた。
だからそう言われた時、こいつは、あたしの事をからかってるのかと思った。だからあたしは、こう言ったのだ。
「でもあなたのお母さんが作るお弁当には、勝てないわ」
にこっと笑って言うあたしだけど、アメリアが慌てて横から小声で言って来た。
「リナさん!知らなかったんですか?ゼロスさんのお母さん、亡くなったんですよ」
「え…」
あたしは、バツの悪そうな顔でゼロスを見る。ゼロスは、少し、寂しそうな表情を見せたがまた微笑んだ。
「ご、ごめん…」
「いいえ」
ゼロスは、首をふるだけだった。

それからだった。あたしは、毎日ゼロスのためにお弁当を作るようになった。あの時、傷つけたおわびのために。それは、三年生になってクラスが違ってしまった今でも続いている。

「おいしいですね」
ゼロスが幸せいっぱいな顔であたしがあげたお弁当を食べる。あたしは、それを見て微笑む。
好きなのだ。彼がこうしてあたしのお弁当を食べてくれるところを見るのが。
「やはり、青空の下でお弁当を食べるのが一番ですね」
アメリアも自分のお弁当を食べながら言う。
あたしたちは、屋上でお弁当を食べていた。
「いつも思っていたんですけど、リナさんってどうしてこんなにおいしいお弁当がつくれるんですか?なにか秘訣でも?」
ゼロスがソーセージさんを口に入れながら言う。
「秘訣?」
そうねぇ〜…。別に隠し味なんて無いけど…やっぱり…
「秘密」
「ええぇ〜、どうしてですかぁ〜」
「そうですよ、リナさん。私も聞きたいです」
アメリアがゼロスの意見に賛成する。
「だって、教えられない、秘密だもん」
「秘密ですか」
「そう。秘密。ごちそうさまぁ〜」
あたしは、食べ終わったお弁当をお弁当ぶくろにしまう。あぁ〜、おいしかったぁ〜。
「でしたら、リナさん。代わりにお願いがあるんですけど」
「おねがい?」
あたしは、ミルクを飲みながらゼロスにたずねる。
「はい。今日、実は、お手伝いさんがこれなくて。ですから晩御飯、作ってくれませんか?」
それを聞いて、アメリアの顔がたちまちにやつく。
こいつ…なにを想像してるんだ…
うぅ〜ん…
あたしは、少し、考え込んだ。作ってあげるのには、何も問題は、ないけど…それってつまりゼロスの家に行くってことよね…。
…まぁ、いっか
「うん、いいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」

「うわぁ〜、結構立派な台所じゃない」
あたしは、学校の帰りに買ってきた材料をカウンターに乗せて言う。
「そうですか?」
ゼロスの家は、一人暮しにしては、結構大きい方だった。リビングに寝室が二つ。そしてこの立派なキッチン。
「じゃぁ、さっそく作りますか。ゼロス、エプロンか、なんかない?」
あたしは、買い物袋から材料を取り出しながら言う。
「ちょっと、まってくださいね」
ゼロスは、キッチンのとだなから白いエプロンを取り出す。
「ありがとう。じゃぁ、出来たら呼ぶから待っててね」
「はい」
あたしは、早速おなべを取り出し、お湯を沸かす。
今日は、あたし得意のパスタを作るつもりだ。お湯が沸いたおなべにパスタを入れ、ゆでる。そして隣のおなべには、あたし特性のソースを作る。
「うん。上出来」
あたしは、ソースを一口味見する。
そしてパスタの固さをチェックする。アルデンテぇ〜、だっけ??
とにかく。あたしは、パスタをソースに絡めてお皿に乗せる。
か・ん・ぺ・き!
「ゼロス、お待たせ」
あたしは、お皿をダイニングのテーブルに乗せて、リビングで本を読んでいたゼロスを呼ぶ。
「おいしそうですね」
そう言って食べ始める。
「どう?」
「すごくおいしいです」
にっこり笑ったゼロスを見て、あたしは、ちょっぴり赤くなる。
あたしは、微笑んでパスタを食べ始める。
パスタは、いつもよりおいしく感じた…

ざぁ〜…
あたしは、鼻歌を歌いながらおなべをあらう。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
ゼロスは、お皿を持ってきて言う。
「ありがと」
あたしは、そのお皿を受け取って洗い始める。
「リナさん」
「うん?」
あたしは、お皿を洗いながら答える。
「リナさんは、僕の事をどう思っているのですか」
「え…」
あたしは、ゼロスのいきなりの問いに顔を上げる。
真剣な瞳があたしを見つめる。
あたしは、顔を赤くして顔をそむける。
「ど、どうって…」
ドキドキと胸が鳴る。それに気づかれぬよう、お皿を洗いつづける。
スッと、ゼロスがあたしに近づく。
「僕は…リナさんの事好きですよ?」
ビクッ…
「あっ…」
カシャン…
ゼロスの手があたしの肩に置かれた時、びっくりしてお皿を落としてしまった。
「あちゃぁ〜、やっちゃった」
あたしは、急いでかけらを拾い上げる。
「ぜ、ゼロスが変な事言うから…」
「変な事では、ありません」
ゼロスもあたしの隣にひざまつく。
かぁ〜…っと身体の体温が高くなるのを感じる。
「…ツ!」
指に鋭い痛みが走る。お皿のかけらで切ったのだ。指から血が流れる。
「リナさん!」
ゼロスがその手を取る。
「あっ…」
あたしは、真っ赤になる。
ゼロスがその傷口に口付けたのだ。
「ぜ、ゼロス…」
あたしは、その手を振り解こうとする。が、できない。
「ちょ、ちょっとゼロス…」
するとゼロスがあたしの指に口付けたままあたしを見る。暗く、深い闇色の瞳。あたしは、その瞳にくぎづけになる。
「リナさん…お弁当は、同情でつくってらっしゃるのですか?」
「!?」
ど…同情…?たしかにはじめは、お詫びのためって作り始めたけど…今は…今は??あたしは、なんでゼロスのためにお弁当を作りつづけてる?
ゼロスのため…ゼロスだから??
あたしは、うつむく。そして首を横にふる。
「ち、ちがう…」
「では、どうして?」
そう。ゼロスだから。あたしは、ゼロスが…好きだから。
「ゼロスだから。ゼロスが好きだから」
あたしは、顔を上げてまっすぐ、彼の瞳を見て言う。
それを聞いてゼロスが優しく微笑む。そしてあたしの手のひらにくちづける。
「僕もリナさんの事が好きです。初めて会った時から」
そしてあたしの頬に手を添え…
そして…
…それは…どんな料理より…どんなおかしより…甘い…口付け…

「リナさん、教えてくださいよ。どうしてこんなにおいしい料理が作れるんですか?」
「それはねぇ…」
「それは?」
「愛情がいっぱいつまってるから」

終り。

〜〜〜〜〜〜〜

めちゃくちゃ甘いをめざして書きました。ふとひらみき、書き上げた、約一時間で出来あがったインスタントストーリー。実は、ゼロスがリナが切った指にくちづけるシーンを想像して書き始めたこのストーリー。
あぁ〜…わたしには、あまぁい、は、むりだったか…

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7436おいしい小説を頂きました☆庵 瑠嬌 8/8-14:11
記事番号7433へのコメント


 こんにちは!庵 瑠嬌でございますっ。
 あぁ、久しぶりに感想が書けて嬉しいっ!早速参りますわね!

>おいしい料理の作り方

 最初っから、リナさんがゼロスさんのお弁当を作って差し上げているとは……。
 設定から笑みが止まりませんでしたわ。ゼロスさんったら贅沢者(はぁと)

>「リナさんってなんかお弁当のために学校へ来てるみたいですね」
>アメリアも自分のかばんからお弁当を出しながら言う。
>「もちろんよ。他になにがあるっていうの」

 ……食べるの好きですものね。リナさん……。
 自分でお弁当を作ると、量もおかずも自分で好きに決められて、けっこう楽しいですよね☆
 わたくしは滅多に作りませんが……(笑)
 でも、リナさんのお弁当は美味しい!家事スペシャリストは、料理もうまいのですわっ!
 ……しみじみ、ゼロスさん贅沢者……


>「リナさんが作るお弁当っておいしいですね」
>彼、ゼロスにそう言われた時、あたしは、真っ赤になったが…
>それは、いっしょにクラスに初めてなった一年前の時だった。となりに座っていた彼が横からあたしの卵焼きを取って食べて言ったのだ。

 ……断言。
 たとえ美味しくなくても、ゼロスさんは間違いなくおいしいと言ったと思いますわ!
 まったく……最初のアプローチからして、やりますわね☆
 しかし、何故リナさんが自分でお弁当を作っていると知っているの!ゼロスさんっ!
 やはり最初にターゲットについて、下調べしてあったとか(笑)

>にこっと笑って言うあたしだけど、アメリアが慌てて横から小声で言って来た。
>「リナさん!知らなかったんですか?ゼロスさんのお母さん、亡くなったんですよ」
>「え…」
>あたしは、バツの悪そうな顔でゼロスを見る。ゼロスは、少し、寂しそうな表情を見せたがまた微笑んだ。
>「ご、ごめん…」
>「いいえ」
>ゼロスは、首をふるだけだった。

 ゼロスさんのお母様が亡くなっている、というのは、ここの学校では、けっこう有名そうですけど……リナさん、まったく耳に入れていなかったところが、らしいですわね。
 ゼロスさんの少し寂しそうな表情……『見てみたい』と好奇心がうずきますわっ!


>それからだった。あたしは、毎日ゼロスのためにお弁当を作るようになった。あの時、傷つけたおわびのために。それは、三年生になってクラスが違ってしまった今でも続いている。

 そっ、それではもう二年間はお弁当を……。
 その間、手を出さなかったんですのねっ、ゼロスさんっ!
 ゆっくりと信頼を得ていくわけですわね。ううん、巧妙……(これを単なる邪推といいます)

>「おいしいですね」
>ゼロスが幸せいっぱいな顔であたしがあげたお弁当を食べる。あたしは、それを見て微笑む。
>好きなのだ。彼がこうしてあたしのお弁当を食べてくれるところを見るのが。

 ふふふ……らぶらぶ、ですわねっ。
 けれど、まだお弁当を食べている、『彼が』好きなことについては、無自覚……?
 でも、ここまで言わせるとは、やはり……やりますわねゼロスさん(笑)。

>「あっ…」
>あたしは、真っ赤になる。
>ゼロスがその傷口に口付けたのだ。
>「ぜ、ゼロス…」
>あたしは、その手を振り解こうとする。が、できない。
>「ちょ、ちょっとゼロス…」

 きゃっ、きゃぁ―――――っ!
 やっぱりゼロスさん、やるときゃやるんですのねっ!いいえ、こんなときに手を怪我しちゃうリナさんがうかつですわっ!
 ああ、こういう展開を手繰り寄せるのが、理奈さんの腕ですわねっ……!
 尊敬。


>そう。ゼロスだから。あたしは、ゼロスが…好きだから。
>「ゼロスだから。ゼロスが好きだから」
>あたしは、顔を上げてまっすぐ、彼の瞳を見て言う。

 自覚すると……素直ですわね。
 まぁ、この状況でそれ以外の台詞が言えるはずもありませんが……。
 うぅ〜ん、よい展開(はぁと)

>めちゃくちゃ甘いをめざして書きました。ふとひらみき、書き上げた、約一時間で出来あがったインスタントストーリー。実は、ゼロスがリナが切った指にくちづけるシーンを想像して書き始めたこのストーリー。
>あぁ〜…わたしには、あまぁい、は、むりだったか…
>
 十分甘いですこの話っっ!
 えぇっ、甘いですわ!きちんと甘いですっ!
 ああ、楽しかったですわ―……。

 『夏の夜は 彼にご用心』もよかったです。
 理奈さんのリナさんは、幽霊系だめなんですのねー。夏にリナさんを落とすのは楽しそうです☆
 事実、ゼロスさん、けっこう遊んでらっしゃいますわよね。
 一場面、かなりどきどきしたところがありましたが……よかった未遂で。(何が?)
 また新作お書きになるの、楽しみにしております☆
 それでは失礼をば……

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7455ありがとうございまぁす!理奈 8/9-08:27
記事番号7436へのコメント


> こんにちは!庵 瑠嬌でございますっ。
> あぁ、久しぶりに感想が書けて嬉しいっ!早速参りますわね!

 こんにちはぁ〜、さっそく感想ありがとうございます!

> ……食べるの好きですものね。リナさん……。
> 自分でお弁当を作ると、量もおかずも自分で好きに決められて、けっこう楽しいですよね☆
> わたくしは滅多に作りませんが……(笑)
> でも、リナさんのお弁当は美味しい!家事スペシャリストは、料理もうまいのですわっ!
> ……しみじみ、ゼロスさん贅沢者……

 それがリナちゃんさ!私も全然お弁当作らなかったんですが、このごろ最近、お弁当持っていくようになりました。昨夜ののこりものだけど・・・
本当、ゼロス君、贅沢者。あぁ、私も誰かにお弁当作ってあげたいなぁと、
このストーリーの裏には、私の願いがひそかにこめられていたりして


> ……断言。
> たとえ美味しくなくても、ゼロスさんは間違いなくおいしいと言ったと思いますわ!
> まったく……最初のアプローチからして、やりますわね☆
> しかし、何故リナさんが自分でお弁当を作っていると知っているの!ゼロスさんっ!
> やはり最初にターゲットについて、下調べしてあったとか(笑)

 してあったんでしょうねぇ〜〜。これでこそゼロス君でしょう。


> ゼロスさんの少し寂しそうな表情……『見てみたい』と好奇心がうずきますわっ!
>

 私も書いていて、「どんな表情だろう」と想像して見ましたわ。

> ふふふ……らぶらぶ、ですわねっ。
> けれど、まだお弁当を食べている、『彼が』好きなことについては、無自覚……?
> でも、ここまで言わせるとは、やはり……やりますわねゼロスさん(笑)。

 やっぱり彼のための手作り弁当は、ラブラブには、かかせません(ほんとうか)


> きゃっ、きゃぁ―――――っ!
> やっぱりゼロスさん、やるときゃやるんですのねっ!いいえ、こんなときに手を怪我しちゃうリナさんがうかつですわっ!
> ああ、こういう展開を手繰り寄せるのが、理奈さんの腕ですわねっ……!
> 尊敬。

 そう言ってくださるとものすごくうれしぃいいです!!もう、この場面が書きたくて書きたくて。このために書いたストーリーですから。本当にうれしいぃです。

> 十分甘いですこの話っっ!
> えぇっ、甘いですわ!きちんと甘いですっ!
> ああ、楽しかったですわ―……。

 あぁ、庵さんにそうやって言ってくださると・・・舞い上がりますわぁ〜!
ほんとうに、ほんとうにありがとうございます!
>
> 『夏の夜は 彼にご用心』もよかったです。
> 理奈さんのリナさんは、幽霊系だめなんですのねー。夏にリナさんを落とすのは楽しそうです☆
> 事実、ゼロスさん、けっこう遊んでらっしゃいますわよね。
> 一場面、かなりどきどきしたところがありましたが……よかった未遂で。(何が?)

 ありがとうございます。あれは、自分でも楽しんで書きましたから。

> また新作お書きになるの、楽しみにしております☆
> それでは失礼をば……

 ほんとうに、本当にありがとうございます!!こぉんな長い感想をいただいて・・・私のなんかいつも短いのに・・・すっごくうれしいぃです!!!
このごろスランプ(?)から抜け出してまた書き始めましたから、また投稿したとき、是非、読んで下さるとうれしぃです!ほんとうにありがとうございます!


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7467青い空の下、青い海の上理奈 8/9-14:19
記事番号7425へのコメント

 青い空の下、青い海の上

 カランカランカラン!!
「おおぉあたりぃいい!!」
おっちゃんが勢いよく鐘を鳴らし大きな声で叫ぶ。あたしは、ただただコロンと転がり出た金色の小さな玉をぼーぜんと眺めていた。
「いっとぉしょぉお!!一泊二日、二名様豪華クルージングのたびぃい!!!」
その声と共に回りに人が集まってくる。
「う…そ…」
信じられない…
「はい、お嬢ちゃん」
おっちゃんは、あたしに一枚の封筒を手渡す。
このさい、子供あつかいなのは、どうでもいい。
あたしは、その封筒を受け取り
「やったぁあああああああ!!!」
と叫ぶ。

夏休みに入って一週間目の事だった。

あたしの名前は、リナ。高校三年生。高校最後の夏を楽しくすごそうと思っていたが毎日、暇で暇で。遊びに行きたいが、アメリアは、家族と旅行だし、ガウリィは、実家に帰ってるし、ゼルは、どっか一人旅に行っちゃったし。とにかく、あたし一人、家でゴロゴロしてたのだ。
「ゴロゴロしてるんだったら買い物に行ってちょうだい」
いつものようにテレビの前でチップスを食べながら面白くもない番組を見ていたら母さんがあたしに財布を放り投げた。めんどくさかったけど、さからったら怖い母さんの言う事をおとなしく聞いて買い物に来たのだった。そこで福引券をもらって暇つぶしにやって見たら…
当たったのだ。一等賞の豪華クルージングの旅が。

「たっだいまぁ〜!!」
あたしは、大きな笑みを浮かべて玄関を開ける。そしてくつを脱いで…
うん?この靴…
きれいに並べられてる男物の靴。この靴…
「どうしたの、リナ?」
リビングから母さんの声がする。あたしは、とりあえず、買い物の荷物をキッチンにおいて、リビングへ行く。そこには、母がソファに座ってお茶を飲んでいた。
「母さん、母さん、聞いて聞いて!」
あたしは、母さんの隣に座って封筒を見せる。
「何、これ?」
「豪華クルージングの旅のチケット!福引で当たったの!」
母さんは、封筒を開けて二枚のチケットを取り出す。
「まぁ、すごいじゃない!」
「でしょ!?ね、行こうよ!あと二人の分は、まぁ、お金、だすとして」
「うぅ〜ん、私と父さんは、パス。ルナと一緒に行ってきなさい」
母さんは、そう言ってあたしにチケットを返す。
「えぇ〜、なんでぇ〜」
「実はね、父さんと二人で一週間、外国へ旅行することにしてたの」
「何、それぇ〜!きてないよ!」
ちょっとぉ、子供ぬきで外国なんて!
「ないしょで行くつもりだったのよ」
母さんは、笑ってそう言う。
 
子供に内緒で外国へ、旅行とは。
あたしは、グッとこぶしを握る。
さすが、母さんと父さんだ!!見習わなきゃ!
とわけわかんない事を頭の中で言いながらあたしは、二階へとあがって行った。あたしの部屋へ入る前にルナ姉ちゃんの部屋の前で止まる。
コンコン
「姉ちゃん、リナだけど」
「入っていいよ」
部屋の中から返事がしてからあたしは、ドアを開ける。
「姉ちゃん、ちょっと話しが…」
言いかけて、あたしは、眉をひそめる。
部屋の真中に置いてある小さなテーブルに教科書やらノートやらを広げて姉ちゃんが座っていた。そしてその正面には、見なれた男。
「やっぱり来てたんだ、ゼロス」
やっぱり玄関にあったのは、こいつのか。
「こんにちは、リナさん」
いつもの変わりない笑顔で言うゼロス。
肩まで切りそろえられている闇色の髪に同じ色の瞳。ととのった顔立ち、やさしそうな笑顔。姉ちゃんと同じ大学で、初めて姉ちゃんがつれてきたときは、はっきり言って見とれたが。だがそのあと、こいつの性格が悪いと知る。
「今日もかわいいですね。今度デートしませんか?」
「お断り」
あたしは、ジト目で彼に言う。彼は、からかってるのか、本気なのか、いつもこうやってあたしを口説いてくる。まぁ、からかってるんでしょうけど。
「で、話って?」
「あっ、そうそう」
あたしは、テーブルにひじをついて座る。
「実はね、さっき福引でこれを当てたの」
あたしは、姉ちゃんとゼロスにチケットを見せる。
「へぇ〜、すごいじゃん。で、誰と行くの?」
「さっきね、母さんに話したら姉ちゃんと二人で行ってきなって」
あたしは、チケットをしまいながら言う。
「あっ、私は、だめ。大学がいそがしいから」
「あれ?夏休みじゃないの?」
「夏授業、受けてるの」
「そっか…」
あたしは、ちょっとシュンとなる。と言う事は、行けないってことよね。一人で行ったってつまんないし。
「ゼロスと行けば?」
「へっ」
あたしは、姉ちゃんの言葉に間抜けな声を出す。と、同時にゼロスの顔がパァッと明るくなる。
「な、なんでゼロスなんかと!!」
あたしは、思わず叫んでしまった。そうよ!なんでこいつなんかと行かなきゃ行けないわけ!?
「ゼロス、あんた夏授業取ってないんでしょう?バイトも夏休み、もらってるって言ってたし。暇だったらリナと言って見ない?」
「ええ、ええ。もちろん喜んで!」
ちゃっかりチケットの一枚、封筒から取り出して言うゼロス。
「ちょ、ちょっと、姉ちゃぁん!イヤだよ、あたし!第一、い、一泊二日で…へ、部屋も一部屋しか…」
赤くなるあたしを見て、姉ちゃんが苦笑する。
「だぁいじょうぶ。こいつがなんかやったら私に言いなさい。しばきたおしてあげるから」
姉ちゃんの言葉にゼロスの顔がまともにこわばる。姉ちゃんの恐ろしさを知っているな、こいつ。たしかに姉ちゃんがそう言えばこいつも何もしては、こないだろう。
でも…でも…
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。こいつの事は、いないって意識すればいいから」
「る、ルナさん…それは、ちょっと…」
ゼロスが何かを言いかけたが姉ちゃんは、それを無視する。
「せっかく当たったんだから。行かなかったらチケットの無駄だよ。それとも…」
姉ちゃんがズイっと顔を寄せてくる。あたしは、それにあとずさる。
「私の言う事が聞けないっていうのかなぁ?」
うぅ〜〜〜………

かくして…あたしは、ゼロスと行くはめになった…

〜〜〜〜〜〜〜

こんにちは。またまた登場の理奈です。ある日、私は、某映画のワンシーンを見ていた。男女が船の一番前で立っているシーン。そうタイタニック…リナちゃんとゼロス君がこのシーンをやってるのを見てみたくて書き始めました。でもリナちゃんの事だから素直にゼロス君に後ろからってさせてくれないだろうなぁ。うぅ〜ん、それが今回のチャレンジってことで。リナちゃん、ゼロス君のタイタニック(もどき)が見たい方、どうぞ続きも読んでくださいましぃ〜。

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7472青い空の下、青い海の上 2理奈 8/9-15:26
記事番号7467へのコメント


 青い空の下、青い海の上 2

あぁ〜…なんていい天気なんだろう…。こんな天気とは、裏腹にあたしの気はめいっていた。
あたしは、顔を上げる。
はぁ〜…
そして溜息を吐く。
「どうしたんですか、リナさん?何か問題でも?」
あんただよ、問題は。
あたしは、彼の言葉に思わず心の中でツッコミを入れる。
ゼロスは、大きな笑みを浮かべてあたしの前で座っていた。
今日が、そのクルージングの出発日だった。あたしたちは、今、船が出発する港まで電車で向かっていた。
そのクルージングは、まず港を出発して三時間かかるとこにある小さなリゾートアイランドへ行く。そしてその島で一泊してまた港へ戻ってくると言う。まぁ、その船が結構豪華だし、ホテルも一流だし。問題は、ないんだけど…
あたしは、またチラッとゼロスの方を見る。
彼は、幸せそうにその島のガイドブックなんぞを広げて見ていた。
「ね、ねぇ、ゼロス…」
「なんですか、リナさん?」
あまりの笑顔に一瞬あたしは、引く。
「え、えっと…いや、なんであたしと一緒に来たのかなぁ〜、と思って。そんなに島へ行きたいんだったらチケットあげるから他の女の人さそっていけばよかったんじゃない?」
ゼロスが大学では、女性に人気があると姉ちゃんに聞かされていた。ガールフレンドも何人かいたそうだし。
「僕は、リナさんと行きたいんです」
あたしは、彼の言葉に少し赤くなるがパタパタと手をふる。
「人をからかうんじゃない」

「うわぁ〜…」
あたしは、口をポカンと開けてその船を見上げていた。
「結構立派ですね」
「これ、本当にクルーザー??あたしには、豪華客船に見えるんだけど」
普通のクルーザーって小さいんだとばかり思ってたけど…
「リナさん、早く行きましょう」
「うん。あっ。あ、ありがとう」
ゼロスは、ひょいっとあたしの手からあたしの荷物を取り上げる。
「いえ、どういたしまして」
ゼロスは、そう言ってにっこりと笑う。
あたしたちは、クルーザーに乗り込んで乗組員さんに部屋へと案内された。そして部屋に入ってあたしは、またまたポカンとしてしまった。
ダブルのベッドに大きなテーブル。テレビ、ラジオ、コーヒーメーカーに冷蔵庫。バスルーム、クローゼット。
ゼロスは、ベッドの上に荷物を置いて部屋の中を見まわす。
「立派ですね」
「まるでホテルみたいだわ」
「あ…あの、リナさん?何をなさってるんですか?」
「何って?」
あたしは、タンスやら、クローゼットやら、あらゆる所を開けていた。
「ホテルの部屋に泊まったらまずタンスとかクローゼットを開けるのが常識じゃないの?」
「ち、ちがうと思いますが…」
「あら、そう」
あたしは、クローゼットを閉める。
「もうそろそろ出港の時間だと思います。外へ出ませんか?」
「うん、そうしよ」

始めは、ゆっくりと進んでいた船もだんだん早くなっていった。やがて港が見えなくなり船は、青い海の上をはしっていた。
そんなに強くは、ない潮の香。さわやかで、すずしい風。
「ゼロス、ゼロス!あっちいこ!」
あたしは、船の前を指差し走る。
「待ってくださいよ!リナさん!」
あたしのあとをゼロスが追う!
「う、うわぁああ!!」
あたしは、船の一番前のレールにつかまって海を見下ろす。
青く、きらきら光る海。
「すっごぉいい!」
「リナさん、危ないですよ!」
「だぁいじょうぶだって!きゃっ!」
言ってるそばからあたしは、足をかけていたレールを踏み外す。
「リナさん!」
バランスを崩し、後ろへと倒れそうになったあたしをゼロスがだきとめてくれた。
すっぽりとゼロスの腕の中に入るあたし。あまりのことに顔を真っ赤にする。
「あ、ありがと…」
あたしは、上を見上げる。
「いえ」
ゼロスは、ニッコリと笑ってあたしの顔を除きこむ。
あたしは、レールにつかまって身体を起こし、また海を除きこむ。
「リナさんがバランスを崩さないようにささえてますよ」
そう言って後ろからあたしの腕を取るゼロス。
「ちょ、ちょっとゼロス!」
「なんですかリナさん?」
「は、はずかしぃよぉ…」
あたしは、真っ赤になってジタバタするが、前は、海。後ろは、ゼロス。逃げ場なんかなかった。
「リナさん、リナさん。こうしたら飛んでる感じがしませんか?」
ゼロスは、そう言ってあたしの両腕を横へ広げる。
すると、風が吹き付けてくる。ふわっと身体が浮かんだ感覚になる。
「ほ…ほんとだ…」
あたしは、自然に目を閉じる。
「きもちぃ…」
そして、目を開ける。
前方は、青。青い海と青い空。それは、決してクレヨンや、絵の具では、表現できないほど、きれいで、まぶしい青。
その青に今、あたしたちは、包まれていた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いやぁ〜…何通りかこのシーン、書いたんですよ。でもどれもしっくりこなくて。これが一番よかったもんですから…。うぅ〜ん。やっぱりタイタニックみたいにロマンチックには、なってくれなかったか。本来の目的であるこのシーンを書けたんですが、いちおーつづきます。
あと、部屋に入ってタンスをチェックするリナちゃんの行動。ありゃぁ、私です。まず間違いなくあるのが聖書。ほかには、なにも無いけど。

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7476青い空の下、青い海の上 終理奈 8/10-07:11
記事番号7472へのコメント

「…ん…ナさん…リナさん…」
誰かがあたしの名前を呼ぶ。
あたしは、ふと目を覚ます。誰かがあたしの顔を除きこんでいた。
「ゼロス…」
「起きてください。もうそろそろしたらつきますよ」
「・・ん…」
あたしは、身体を起こし、大きなあくびをする。
そっか。一時間もしたら海を見るのに飽きて昼寝をしてたんだ。
「島、もう見える?」
「ええ、見えますよ」
あたしたちは、部屋を出て船の前へと行く。
「わぁお!」
前方に小さな島が見える。回りは、砂浜で島の真中に小さな森みたいなのが見える。その森の前にホテルらしき建物が見える。あそこがあたしたちが泊まるホテルだ。
そのあと数十分して船は、島のドックに入る。あたしたちは、荷物を取り、船を下りる。
「うぅ〜ん!きもちいぃ!」
あたしは、伸びをして、空気をおもいっきり吸う。
「さぁ、ホテルへチェックインしに行きましょう」
ホテルも一流と言っていいほどめちゃくちゃ豪華だった。あたしたちの部屋は、
一番上の階にあり、景色のいい部屋だった。
だけど……
あたしは、部屋に一歩入って硬直してしまった。
「どうしたんですか、リナさん」
ゼロスは、荷物を置いて、バルコニーに出る。
なんで…なんでダブルベッドなのよぉ!!!!
あたしは、心の中で叫んでしまった。
そう。そこに置かれてるのは、ダブルベッドだった。ツインのベッドが二つかと思ってたけど…。
はぁ〜…まぁいいや。ベッドの事は、夜、寝るときに考えて。
「ゼロスぅ!外いこ、外。なんかお祭りみたいなのもやってたし!」
とりあえず、あたしは、楽しむ事に決めた。

ホテルの前では、お祭りがやっていた。ここ何年間お祭り言ってなかったからすっごい楽しくて。海でチャレンジしたウオータースキーも始めてとても楽しかった。はじめ、ゼロスと来たってあんまし楽しくないと思っていたけど、このゼロスがまた子供っぽくて、子供のようにはしゃいで金魚すくいとかやってるんだもん。見てるだけで楽しかった。
一日中遊んで、おいしい、おいしい、夕食も食べて、あたしたちは、部屋に戻った。

「さて。あたしは、ベッドでもソファでも、どっちでもいいけど。ゼロスは、どっちがいい?」
シャワーもあびて、さぁ、寝ようってことになった。そこでベッドの事を思い出した。
「どっち…て、二人でベッドを使えばいいじゃないですか」
ゼロスは、そう言ってニッと笑う。
「ごめんだわ。なにされるかわかんないし」
ゼロスは、ちゃっかりベッドに入って自分の隣をポンポンと叩く。あたしを誘ってんのか。
あたしは、ジト目で彼を見る。
「いやぁよ」
「何もしませんよ。ルナさんにも言われましたし」
「信用ならん」
あたしは、ベッドから布団を一枚とって、ソファに横になる。
「リナさん、でしたらベッドで寝てください。レディにソファに寝させて僕だけベッドと言うのは、よくありませんから」
ゼロスは、そう言ってベッドを降りる。
「あとでベッドに入ってこないでね」
あたしは、ベッドにもぐりこむ。
へへぇ〜、自分のベッドより大きなベッドで一度寝たかったんだぁ〜。
「おやすみ、ゼロス」
「おやすみなさい」

…眠れない…
電気を消して何時間くらいたったんだろう。
ベッドの隣の時計は、夜中の一時をさしていた。
なんで眠れないんだろう…。このベッドに慣れてないせいかな。
あたしは、おきあがる。
ふぅ〜…さんぽでもするか。
あたしは、ゼロスを起こさないように部屋を出る。あたしは、ティーシャツとウオームアップという格好だから外を歩き回っても恥ずかしくない。ゼロスがいる部屋でパジャマなんかきれるか。
ともかく。あたしは、ホテルを出て砂浜の方へと行く。
きれぇ〜…
青い海もいいけど、夜の海もいいなぁ…
ざざぁ〜、という波の音が耳に心地よい…
「リナさん」
あたしは、呼ばれてふりむく。
「ゼロス」
「どうしたんですか?」
「うん…ちょっとね。眠れなくて」
「そうですか」
ゼロスは、あたしの隣に来て海を見つめる。
うぅ〜…なに話したらいいんだろう。
「リナさん」
ビクッ
「な、なに」
いきなり呼ばれて慌てる。
「良いところがあるんですけど。行って見ませんか?」
「いいところ?」
「ええ」

ゼロスにつれられてやってきたのは、ホテルの裏、島の真中にある森の中だった。
「ぜ、ゼロス。いいの?かってにこんなところ入って」
「ええ」
そして、森の中心にそこは、あった。
小さく、きれいな泉。
「う、うわぁ〜…きれぇ〜…」
泉の周りには、かわいい白い花が咲き乱れていた。
そして泉の真中には、大きな岩があった。
「ねえ、ゼロス。あの岩なに?」
「行って見ますか?」
「え!?でもあたし、ズボンだ・・わっ!」
あたしがそう言うといきなりゼロスがあたしを抱きかかえる。
「行きましょう」
そして泉の中へ入る。ちなみにゼロスは、半ズボン。
「ちょ、ちょっとゼロス」
あたしは、ジタバタする。
そして少ししてその岩にたどりついてそこにあたしを座らせる。
「この島に伝わる言い伝えです。『生命の泉の上で月の女神の祝福を受けよ。さすれば結ばれるであろう』」
そう言ってゼロスがまっすぐあたしの瞳を見る。
あたしは、それを見て固まる。
いままで見たことのない真剣な目。いつもの笑顔は、そこになく真剣な表情であたしを見る。
「ぜ、ゼロス…?」
「リナさん。好きです」
ドクンとあたしの胸がなる。あたしは、顔を赤くして目をそらす。
「ま、また人をからかって…」
「からかってなんかいません。僕は、いつだって真剣です。始めてあった時からずっと…」
ゼロスは、そう言ってあたしの手を取り、あたしの手の甲に口付けする。あたしは、その手を振り解こうとする。
ドキドキと胸の鼓動が早くなる。
「や、やだ…ゼロス…ね、姉ちゃんに言うぞ」
「ルナさんからは、もう許可を得てます」
「え…」
この旅行でリナを落としてきなさい
「ね…姉ちゃんのやつ…」
「リナさん…」
ゼロスは、あきれてたあたしのすきをついて抱きしめる。
「ちょ…ちょっとゼロス…は、はなして…」
「リナさんは、僕の事をどう思っていますか」
ど…どうって…それは、たしかに意識は、してたけど…
ゼロスの腕が強くなる。
「ちょっと、ゼロス、離して・」
あたしは、ジタバタと暴れ出す。
「わっ!」
「きゃっ!」
その衝動であたしは、岩の上から滑り落ちて、ゼロスを押し倒す形で二人とも泉の中へ落ちてしまった。
「わっぷ!」
あたしとゼロスは、水面から顔をだし、頭をふる。そしてお互いを見る。
あたしは、ゼロスの間抜けな顔を見る。
「あははは」
そして笑い出してしまった。ゼロスもつられて苦笑する。
「それ!」
「り、リナさん!」
あたしは、ゼロスに水をひっかける。そのおかえしにと、ゼロスもあたしに水をかける。あたしは、ゼロスに水をかけ、逃げる。
「リナさん!」
ゼロスは、あたしのあとを追う。そしてあたしは、ふと立ち止まり、振りかえる。ゼロスは、あたしの目の前で立ち止まる。
「リナさん?」
あたしは、ニコッと大きな笑みを浮かべゼロスに抱きつく。
「大好き!」
そのあたしたちを、月の光が優しく包む。

 その夜あたしたちは、いっしょにベッドで寝た。言っとくけどなにもなかったわよ!
  

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

書きたかったタイタニックのシーンの後。全然続きを考えてなかった。どう終わらせようかと考えたあげく、こうも内容のない、手抜きな終わり方になってしまった。私としては、書きたかったシーンが書けたんで、まんぞくですけど・・・
うぅ〜ん・・・だめでしたね・・・・

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7482あの海を見つめて理奈 8/11-12:44
記事番号7425へのコメント

あの海を見つめて

「あっ、リナさん、おはようござい…!?」
最初、笑顔であたしを迎えたアメリアの顔が次の瞬間、ギョッとする。あたしは、それを見て眉をひそめる。
「な、何よ…」
「だ…だって、リナさん…目…赤いですよ」
「そりゃぁ、あたしの瞳は、紅いもの」
それがあたしの特徴だし。あたしは、アメリアの正面に座ってカウンターのおっちゃんにとりあえず、モーニングAセットを三人前頼む。
「い、いえ。そういう赤いじゃなくって…リナさん、あまり眠れなかったんですか?」
「う、うん。ちょっと眠れなくて。ははは、夜遅くまでちょっと盗賊さんたちと遊んでたから」
あたしは、アメリアの問いにホッとする。
「そうですか」
よかった…。ばれてないわね…。
眠れなかったのは、うそじゃない。だけど目が赤いのには、もう一つ理由がある。泣いていたからだ。
あたしたちは、今、海岸線にある小さな街に来ていた。このごろ別に特別なこともないからここでニ、三日ほねやすみしようと言う事になった。
「あれ?ガウリィとゼルは?」
あたしは、おっちゃんが持ってきたモーニングセットを食べながらたずねる。
いまさらながらあたしは、二人がいないことに気づいた。
「えぇ。ここにも小さいながら魔道師協会がありますでしょう?だからゼルガディスさんがガウリィさんをつれて行きました」
ガウリィを?
「また、なんでガウリィを」
「ええ…ガウリィさんに言われたんです。残ってリナから話を聞けって」
あたしは、アメリアが言った事がわからなかった。
「話し?」
「はい。リナさん、何か悩んでないですか?ガウリィさん、あんなんですけど、けっこう鋭いんですよ」
ちぃっ…こういうときだけ鋭いんだから、あのくらげは。
あたしは、内心動揺していたがなんとかそれを表に出さないようにモーニングセットを食べつづける。
「まぁ、たしかにあいつは、時々鋭いけど。でも何もないわよ。ただこのごろ遅くまで盗賊退治してたから寝不足なの。そんだけ」
「本当ですか…?」
アメリアは、心配そうな顔であたしを見る。
うぅ〜ん…心配してくれてるのは、うれしいんだけど…これだけは、どうにも…
「本当よ」
あたしは、アメリアに心配かけないように、ニッと微笑む。

はぁ〜…
あたしは、自分の部屋にもどってベッドに倒れこむ。とりあえず、朝ご飯食べて、何もすることないから自分の部屋に戻ってきたけど…
一人になるとまた考えてしまう…そのたびに胸が締め付けられそうな不安が、悲しさが押し寄せてくる。
「ああぁぁ〜!!もう!!」
あたしは、ガバッとおきあがる。
こんなに悩むなんてあたしらしくもない!
「そうよ!なんでこんなに悩まなきゃいけないのよ!」
これもぜぇ〜んぶ…!!
「りぃ〜〜なさぁ〜ん」
「うわきゃお!」
いきなり耳の横から聞こえた声に、わけわかんない悲鳴を上げながらあたしは、ベッドからころげおちる。
「い、いきなりあたしの横にあらわれないでって何回言えばわかるの!?この馬鹿魔族!!」
あたしは、腰をさすりながらいきなり現れた馬鹿魔族に枕をなげつける。が、それを余裕でかわす。
肩まで切りそろえられている闇色の髪。いまは、閉じられているが、その瞼の奥には、髪と同じ色の瞳がある。白くととのった顔には、あやしさ爆発の笑顔。見た目は、人間だが中身は、獣王につかえる魔族。獣神官ゼロスだ。
あたしは、立ちあがってベッドの上に座る。その横にゼロスがピトっとあたしにくっつく。
「なんであたしの隣にすわる」
「いけませんか?」
いけしゃぁしゃぁ、と笑顔でほざくゼロス。
「で、なんの用なのよ。このごろ現れないと思ったらいきなり。また厄介事?」
あたしは、はぁ〜、と溜息を吐いて言う。
「いえ。ただ愛しいリナさんに会いたくて…」
ぎろっと睨んだあたしを見て口をつむぐ。
「で、本当は?あっ、『秘密です』は、だめよ」
ゼロスは、それを聞いて苦笑する。
「いえ、ただリナさんに理由を聞きたくて…悩んでる理由を」
ゼロスの言葉にドクンと胸がなる。
「な、なんの事?」
声が震える。あきらかに動揺した声。
「このごろあまり寝てませんよね…。いつもは、熟睡しているのに」
あたしは、顔に動揺の色を出さないようにする。
「それに…」
そこでゼロスの顔がやさしく微笑む。
「こんなに目を真っ赤にして…どうして泣いてらしたのですか…?」
かぁぁ…と顔が赤くなるのが自分でも解る。
…なんで…
「ど、どうして…」
あたしは、ゼロスを見る。そのとたん、彼の表情がふとゆるむ。
「リナさん。僕は、いつだって、リナさんの事を見ていますよ?」
ゼロスの言葉にあたしは、赤くなって目をそらす。
「どうしてそんなに悩んでるんですか?」
「……」
あたしは、答えない。答えられるわけがない。だってあたしが悩んでるのは…
「…リナさん…」
すると、いきなりゼロスが自分のマントであたしを包む。
「ぜ、ゼロス?」
あたしは、あわてて彼の顔を見上げる。
「良い場所を見つけたんです」
彼は、そう言って空間を渡った。
次の瞬間あたしの前には、青が広がる。
「わ…あぁぁ…」
あまりにも美しい景色にあたしは、感激の声をあげる。
ゼロスがつれてきたのは、崖の上だった。あたしたちに背には、大きな木。あたしたちの前には、広い海。
太陽の光を反射してきらきら光る海。深く、まぶしいくらいの青い空。その空にすいこまれそうな感覚をおぼえる。
「リナさん、リナさん」
後ろからゼロスがあたしを呼ぶ。
あたしが振りかえると木にもたれかかって座ってるゼロスがあたしを手招きする。あたしは、一瞬迷ったがゼロスの隣に座る。
「きれいですね…」
あたしは、ゼロスの言葉に思わず苦笑する。それを不思議そうに見る彼。
「なんですか」
「だって…魔族が何かを見て『きれいですね』って…ちょっとおかしいいんじゃない」
「それもそうですね」
「でも…ほんと…きれいね…こんな景色を見たら悩んでた事が馬鹿みたいに思えてきちゃった…」
あたしは、まぶしさに目を細める。
「それで、リナさん。悩みって?」
あたしは、首をふる。
「ううん。今考えて見るとしょうも無い悩みだったわ。未来の事なんかわからないのに…」
「未来?」
「うん」
そうよね…未来なんて誰にもわからない。これからなにがおきるのか…あたしとゼロスの間に未来があるのか…
あたしは、ふと、ゼロスの顔を見上げる。
滅びを願う存在…あたしたち、生きることを願う存在と反対…けして、いっしょに未来を目指せない存在…。だけど…
あたしは、ゼロスに寄り添い彼の肩に頭を乗せる。
今、こうして一緒にいる事が大事。そう。未来なんて今は、関係ない。今、この瞬間が大事。ゼロスと一緒にいれることが大事。未来のことは、その時考えればいい。今は、今。未来は、未来。
「ゼロス…」
あたしは、ぽそっと言う。
「はい?」
彼は、やさしい声でたずねる。
「ありがと…」
「……いえ…」
そしてあたしは、瞳を閉じる。今、この瞬間を大切に思いながら…

彼女が悩んでいたのが自分の事だと…僕は、知っていた。毎晩、彼女がやっと眠りについた後、彼女の部屋に現れる。始め、彼女は、安らかに眠っているがやがてうなされるように、僕の名を呼ぶ。そして涙を流すのだ。それを見るのが苦痛でならなかった。だから僕は、彼女をここへつれてきた。すこしでも彼女の悩みを、苦痛を和らげるために。
僕は、ふと彼女の顔を除きこむ。ひさしぶりに気持ちのいい顔をして眠りについている。その顔は、あどけなくて…かわいくて…
「まったく…あなたという人は…無防備ですね…」
それは、僕の事を信じていると言う事ですか…
「僕だって…いつまで理性をたもっていられるか…」
僕は、彼女のふっくらとした、かわいい頬に手を重ねる。そして親指で彼女の唇をなぞる。
僕は、ふっと微笑む。
「ほんとうに…襲っちゃいますよ…」
そして僕は、彼女の唇に自分の唇を重ねる。
「…ん…」
彼女は、かわいい寝息をたてて僕に寄り添ってくる。
その髪を一束手にしてくちづける。
僕は、彼女の肩に手を回して、自分のひざの上に寝かせる。
「…ん・・なゃ…」
彼女は、かわいく寝返りを打つ。それを見て微笑む。
そして顔を上げて海を見つめる。
彼女がきれいと言った海。だからだろうか、その海は、いっそう輝いて光って見える。
そしてまた彼女を見下ろす。そして、また優しく彼女にくちづけする…

滅びを願う者…生きる事を願う者…
その二人が一緒に時をすごせるのは、今だけ…

闇と光り…
その二つに未来は、あるのだろうか…

今があるから未来がある…
だから今が大切…
おたがい、いっしょにいられる今が大切…

だから…今を大切にしよう…
彼と…わずかな時だけど…すごせる今を…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 考えてみれば、私って現代物のゼロリナしか書いたことがなかったなぁ。まぁ、始めて投稿したのは、ボツ物と考えて…
とりあえず、魔族ゼロスを書きました。それと、ちょっと素直に、ゼロスの事を想っているリナちゃん。うぅ〜ん、むずかしいですねぇ。リナちゃんがリナちゃんじゃないから。
 ゼロス君。最後の方、ちょっと暴走気味。いやぁ、なんとかおさえられました。でなければ何をするか…
内容が…とことんない…ただ甘いゼロリナが書きたかっただけで…
ではぁ〜〜〜〜、失礼しまぁす

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7497光りを待ちつづける闇理奈 8/14-16:02
記事番号7425へのコメント

光りを待ちつづける闇

「リナ・インバースさん!!どうか僕と―――」
「お断り」
みもふたもなかった。
たぶん、一年生の生徒だろう。年下に愛させるなんて。
男子生徒は、この世の終りとでも思えるほど、必死な顔で栗色の髪、紅い瞳の少女に告白するが、言い終わる前にあっさりと断れる。
知っていた。少女が誰かに告白されてもそれを全部、ことごとく断っていると言う事。が、しかし、もしかしたらと言う思いで告白を決意したのだが。
「わるいけど、あたし、今誰とも付き合う気がないの」
親友が彼女に告白した時に言われた月並みなセリフ。と言うか、告白した男子生徒、全員に言うセリフ。
男子生徒は、石になったままそこに立ち尽くしていた。少女は、めんどくさそうに男子生徒を見ると「はぁ〜」っと溜息を吐き、その場を去る。

「かわいそうに」
その様子を黒髪の少女がクラスの窓から見下ろしていた。栗色の髪の少女がまた昼休みに裏庭に呼び出されたと聞いておもしろ半分で見ていたのだが。裏庭には、もう少女の姿がなかったが、男子生徒がまだかたまったまま立ち尽くしていた。
「リナさん。もう少し、こう、いい断り方ってないんですか。あんな言い終わる前に断るなんて」
黒髪の少女は、クラスに戻ってきたリナと呼ばれた栗色の髪の少女に声をかける。
「いい断り方って何よ、アメリア」
リナは、アメリアと呼ばれた少女の正面に座って食べかけのお弁当を食べ始める。
「どうせ、断るんだからきれい、さっぱり、すぐに断った方が、相手のためでもあんのよ」
リナは、おいしそうにたこさんウィンナーを口の中に放りこむ。
「でも、リナさん。もうそろそろいいんじゃないですか。もう一年もなるんですし」
アメリアのセリフに真剣な顔になるリナ。そしてはぁ〜、と溜息を吐く。
「なんども言わせないで、アメリア。あたしは、誰とも付き合う気がないの。あんたもわかってるでしょう」
「では、僕ともですか?」
いきなりリナの後ろから声がする。が、リナは、驚かない。それが誰か、知っているからだ。
「あんたともよ。ゼロス」
リナは、振り向かずに言う。ゼロスと呼ばれた男子生徒は、机を持ってきて、リナの隣に座る。
「こんにちは、アメリアさん」
「こんにちは、ゼロス先輩」
にっこりと微笑むゼロスにアメリアが挨拶する。
このあやしいというか、なぞめいていると言うか、そのにっこり顔が彼の最大の武器と言えるかもしれない。まぁ、それだけでは、無いのだが。肩まで切りそろえられている闇色の髪と同じ色の瞳。きれいな、まるで、女性のような美しい顔。それだけで、じゅうぶん女子生徒の憧れの的になるのに。 女性にやさしいときた。
女には、困らないはず。とリナは、思っていたが。なぜか彼は、リナに、冗談とも、本気とも思えない口説き文句を言う。リナは、たんに彼は、自分をからかっていると思っているが、アメリアや、他の生徒は、ゼロスが本気でリナをものにしたいと知っている。いや、リナ自身も彼が本気だというのは、わかっている。だけど、リナには、彼に答えて上げられない理由がある。
「で、三年生のあんたがなんで二年生のクラスにいるの」
リナは、食べ終わったお弁当をしまいながら言う。
「それは、もう愛するリナさんに会うために。それに男子生徒に呼び出されたと聞きましたし」
リナは、つきあってらんないわ、と言うような顔でゼロスが言った事をあっさりと流す。
リナは、これでもこの学校では、有名だ。告白しても誰とも付き合わない女の子。
栗色の髪。紅い、つぶらな瞳。小柄な身体。リナは、学校でもトップを誇る美少女だ。そんな彼女に恋心をいだき告白した男子生徒の数は…はかりしれない。だが彼女は、誰にも首をたてには、ふらなかった。誰かと付き合っているわけじゃない。好きな人がいるという噂も聞いたことがない。だれも彼女が断る理由を知らない。親友のアメリアを除いては。
「で、リナさん。僕は、いつまで待てばいいんですか。あなたが僕に振り向くのを」
ゼロスは、机に置かれていたリナの手に自分の手を重ねる。
「一生」
リナは、一言そう言って、その手をはらいのける。
「そんなぁ〜」
彼は、なさけない声をあげる。
「泣き落としもだめよ」
リナに言われてウッと言葉につまるゼロス。
「さっ、もうお昼時間も終わるからとっとと自分のクラスにもどんなさい」
リナは、ゼロスをうっとぉしそうにパタパタと手をふる。
「リナさぁ〜ん、つれないですよぉ〜」
「あぁ〜、はいはい。ったくもぉ〜」
「では、また明日」
やっとあきらめたゼロスは、なごりおしそうにこちらをちらちらと見ながらクラスを出て行く。
「愛されてますね」
ぼそっとアメリアが言う。
「やめてよね」
リナの言葉にアメリアがクスクスと笑う。
「そう、そう。リナさん。明後日から夏休みですよね。お暇ですか?」
「うん、まぁね」
「実は、これ、父からもらったんです」
アメリアは、そう言ってポケットから二枚のチケットを取り出す。それは、海のそばにある遊園地のフリーパスだった。
「暇でしたらいっしょに行きませんか?」
「いいねぇ〜」
「決まりですね」

遊園地なんてずっと行ってなかったし、新しく海のそばに出来たこの遊園地に前々から行きたいと思っていた。ひさしぶりにおもいっきりあそぶぞぉ〜なんて気合を入れてアメリアと待ち合わせしている遊園地の入り口に行って見れば…そこにやつがいたのだ。

「な、なんであんたがここにいるのよぉ〜!?」
リナは、一目を気にすることなくおもわずさけんでしまった。目の前には、いつものニコニコ顔のゼロスが立っていた。
「リナさんの私服、かわいいですね」
「あんた、あたしの話を聞いてる!?」
リナは、ゼロスの襟首をつかむ。
「ええ、もちろんです。僕のためにそんなかわいい格好してきたんですよね?」
「人の話をきけぇえ!!」
かわいいと言われても動きやすいようにショートパンツにティーシャツという格好だった。ちなみにゼロスは、ワイシャツにベージュのズボン。
「さっ、リナさん、行きましょう!」
ゼロスは、リナの話を無視してリナの腕を取る。
「ちょ、ちょっとぉ〜」
そして遊園地のゲートをくぐる。
いったんゲートをくぐると、フリーパスを無駄にしたくない気持ちと遊園地内で売られてる食べ物の匂いにひかれてリナは、なんでゼロスがここにいるのかと追求するのをやめた。

「けっこう楽しかったわね」
リナは、ゼロスに買ってもらったフランクフルトを食べながら遊園地の出口から外へ出る。
もう夕方で日も落ち始めてきた。
「僕は、リナさんがとなりにいるだけで楽しいですよ」
「はいはい」
リナは、ゼロスの言葉をあっさりと流す。
「で、まだ答えてないよ。なんであんたがここにいるの」
だが、実際リナは、なんとなくわかっていた。アメリアがゼロスに代わりに行ってくれとたのんだんだろう。
「リナさん、海、見に行きましょう」
きいちゃいねぇな…
が、リナは、はぁ〜と溜息をついてしかたなくゼロスの後をついていった。
遊園地から五分ほどに海があった。リナとゼロスは、ゆっくりと砂浜に降りて行く。
いつもなら青い海が今は、夕日であかく染まっている。
「きれぇ〜…」
そーいえば…あの時も…
リナは、ふと、一年前の出来事を思い出してしまった。
やめ、やめ…
その思いを振り払うかのように首をふる。
と、唐突にゼロスが後ろからリナを抱きしめる。
「また質問して良いでしょうか…。僕は、いつまで待てばいいんでしょうか?」
暖かく…心地よい腕…
いつも学校では、ゼロスは、すきを見てリナに抱き着いてきていた。リナは、そんな彼の腕が好きだった。この腕に抱かれたい…どれほど願ってきたのか…だけど…
リナは、抵抗しない。そしてふぅっと息を吐き、口を開く。が、彼の問いには、答えない。
「ゼロス、アメリアに頼まれたんでしょう?あの子ね、あたしの事を本気で心配してるのよ。あの子、知っているから。あたしが彼を作らないわけ」
リナは、するりとゼロスの腕から逃れ、水に足をつける。
「一年前の夏だったわ。始めて男の人と付き合ったの」
リナの言葉にゼロスは、眉をひそめる。
「一年も前の事だからそんな事は、わすれて誰かと一緒になったらいい。その方が一年前の事もわすれるし、なにより、リナさんの心の傷が癒える。アメリアは、そうやっていつもあたしに彼を作れと言うけど…」
「…リナさん…振られたのですか…?」
リナは、くるりとゼロスの方をむく。
「ううん…振ったのは、あたし…」
そして、ぬれていない砂の上に腰を下ろす。ゼロスもその隣にすわる。
「ちょうどこのような日だったと思う。夏休みに入ってね、友達十五人、ううん、二十人くらい集めて海に遊びにいったの。そのなかに彼がいたわ。ただの友達だった。その時まで彼には、恋愛感情なんて持たなかったし、持つつもりも無かった。ただの良い友達。それだけしか思ってなかったんだけど」
リナは、無意識のうちに砂をかきあげる。そしてサラサラと砂がリナの指の間から流れ落ちる。
「一日中散々海の中で遊んで…夜になってバーベキューして…。であたし一人、夜の海が見たくて砂浜をあるいていたら彼がやってきてね。いっしょにすわっていろんな話をして。それでね、ぬれてたからちょっと寒くなってきたのよ。そしたら彼、自分が使ってたタオルをあたしの肩に乗せてくれたの。そしたら彼が寒いんじゃないかって思ってね。なにも考えないで彼に、いっしょに入ったら、って誘ったのよ。そしたら、彼、いきなりあたしを抱きしめてね…」
リナは、すっと瞳を閉じ、自分の肩を抱く。
「抵抗なんてしなかった。しようなんておもわなかった。すっごく自然で、心地よくて…。なにも話さず、ただジット波音だけに耳をかたむけて…。それがあたしたちの始まりだった。ロマンチックだと思わない?夜の海で、なんて」
ゼロスは、それを聞いて顔をしかめる。それは、そうだろう。好きな女の子にそんなこと言われたんでは。だが、リナは、それを無視して話を続ける。
「そのあと何回かデートしたけど。けっきょく長続きしなかったわ」
「一年前と言うと、リナさんが一年生の時。そんな話、聞いたことありませんが…」
「夏休みの間だったからよ。それに彼、夏休みが終わる前に引越ししちゃったし」
「どうして別れたんですか」
「あたしがね…いけなかったの…」
リナは、ふっと溜息を吐く。
「もともと彼の事が好きだから付き合い始めたわけでは、なかったわ。そう言う風な告白もなかったし。始めて彼との関係を考え始めたのが付き合ってから数日もしない日だったの。その前にね、二回、彼と遊びに行ったの。その時ね、友達もいっしょにいたのよ。始めは、あたしと、彼、そして友達二人で映画見に行ったの。その時ね、あたし、ほとんど彼と話さなくって、反対に友達と話ばかりしてたの。その時は、まぁ、それで良かったんだけど、二回目がね…。友達、二人と、姉ちゃんと姉ちゃんの友達数人。そして彼とでボーリングに行ったの。で、あたし姉ちゃんには、ぜったいあたしに彼氏がいるなんてしられたくなかったの。だからあたしね、彼のことずっと無視してたの。話しくらいすればよかった。女と男が話をしたって変じゃないし。でもね…めんどくさかったの…それに友達と遊んでるのが楽しくて楽しくて…。ひどいと思うでしょう…。」
リナは、そう言って苦笑する。
「その時思ったの。あたしは、友達といるほうが楽しいって。それに家族に彼氏がいるって知られたくない」
リナは、砂の中から貝殻を拾い上げる。
「友達といるほうが楽しくて…家族に知られたくない。そんなんだったらあたし、彼だけじゃなく、誰とも付き合えない。第一、さっきもいったように、好きだったから付き合い出したんじゃない。だから別れたのよ」
リナは、ひどいでしょうとつぶやく。
「アメリアにその事を話したらね、聞かれたわ。だったらなんで付き合い始めたのかって。きっとこんなあたしを好きな人がいる、と思って舞い上がったんでしょう。それに夜の海よ。暗くて、静かで、気持ち良くて、男が隣。誰でもその男に落ちると思うけどな」
リナは、クスクスと笑う。が、ふとゼロスを見る。
「ゼロス…。あなたがどれだけ、本気であたしの事を好きでいてくれるかわかるわ。でもね。だからこそこんな中途半端な気持ちであなたと付き合えない。あなたを傷つけてしまうから。あたし…同じ失敗は、繰り返したくないの…」
「リナさん…」
「だから…ごめんね…あなたの気持ちには、こたえられないわ…この気持ちが吹っ切れないかぎり…あたし、誰とも付き合えない…」
リナは、そう言って立ちあがる。
「ごめんね…」
するとゼロスがまたリナを後ろから抱きしめる。
「リナさん…愛してます…」
甘く、切ない声…。リナは、知っている。どれだけの愛がその言葉につまっているのか。だからなおさら、それは、リナを苦しめる。
「おねがい…ゼロス…わかって…」
リナは、ゼロスの腕から逃れようとする。が、ビクともしない。
「待ってます…」
「え…?」
「リナさんが吹っ切れるまで、一年前の事を忘れるまで…待ってます…」
…………………………
ふぅ…とリナは、息を吐く。
「いつになるかわかんないわよ…」
「ずっと待ってます」
「いいきるわね」
リナは、苦笑する。
「吹っ切れたとしてもあんたに振り向かなかったら?」
「絶対、振り向かせて見せます」
「たいした自身ね」
「ええ」
ゼロスは、ニッと微笑む。
「ですから…もうすこし…このまま…」
もう完全に夕日が沈み、空に満天の星。

夏は、まだ始まったばかり…



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 いきなりおわる最後のシーン。どう終わらせたらわかんなくて。
タイトル、意味ありませんの。ただリナちゃんとゼロスのイメージでひらめいただけって言ってもゼロス君。全然闇じゃないな。ってリナちゃんも全然リナちゃんじゃなかったし。ちょっと大人なリナちゃんかな?

 ゼロリナツリーと呼ぶべきだろうか、このツリー。いちおーー、書いてるんですけど、どれもしょうもなく、内容がない。まぁ、いいけど。甘い二人を書けるのがうれしいから。