◆−笑顔の君-これまでのあらすじ☆-−絹糸(8/7-13:58)No.7410
 ┗笑顔の君 -再会は・・・-−絹糸(8/7-14:15)No.7411
  ┗笑顔の君 -三度目の鐘-−絹糸(8/9-11:20)No.7458
   ┗Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)−絹糸(8/9-11:33)No.7459
    ┣Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)−なゆた(8/9-13:49)No.7461
    ┃┗ありがとうおおおお!!−絹糸(8/10-14:15)No.7478
    ┗Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)−さいとうぐみ(8/13-16:03)No.7494
     ┗ありがとうございますです−絹糸(8/16-12:15)No.7513


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7410笑顔の君-これまでのあらすじ☆-絹糸 8/7-13:58



 ども、こんにちは!絹糸です!
 ここでは以前投稿してツリーが落ち、なおかつ一月半以上 間をあけてしまった失礼な作品、『笑顔の君』のあらすじを書いていきます。
 そうでもしないと読んでくれてた方々に申し訳ない&初めての人に読んでもらえない。ので、

 それでは、簡単に。

 ある日、ゼルガディスが死亡したという報告を受けたアメリア。
 彼女は虚ろな目でセイルーンの街を歩いている。
 そんなとき、一人の少年がアメリアの護符を奪って逃げた。
 アメリアに捕まえられた少年は護符は自分のだと主張する。
 アメリアは護符を返すように懇願する。
 少年は渋々ながらも承知するが、かわりに条件を出してきた。
 「今日一日、僕の言うことをきいたらね♪」
 アメリアは少年の一日召使いとなった。
 それから少年はアメリアをひっぱりまわし、高級レストランやお祭りなどで好き放題を始める。
 そんな少年に振り回され、ふらふらになるアメリアだが、次第に少年といるのが楽しくなっていった。


 本気で簡単ですが、ここまでが前回までの話の内容です。なんて内容の薄さだ・・・。
 ゼルアメのつもりで書いてるんですが全然そんな感じしてません。
 でも下の話はゼルアメ入ってますから、興味を持たれた方は、是非どうぞ!

 それでは、本っ気で久しぶりの『笑顔の君』、第4話、どうぞご覧ください!


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7411笑顔の君 -再会は・・・-絹糸 8/7-14:15
記事番号7410へのコメント



「・・・メリア」
「・・・・・・・」
「おい、アメリア」
「・・・え?」
 ぼーっと立っていたアメリアが声の方を振り向いてみると、そこに信じられない人物が立っていた。
「ゼルガディスさん!!」
 白い服を身に纏い、銀の髪を輝かせ、岩の肌を持った青年が別れた頃と何の変わりもなく自分の前に佇んでいる。
 その事実にアメリアはこぼれ落ちんばかりに目を見開き、口をぱくぱくさせて必死に何かを言おうとするが驚きの余りなにも言えない。
「久しぶりだな」
 そんなアメリアの様子を面白がるようにゼルガディスは微笑んだ。
 それが引き金だったかのように、アメリアはゼルガディスに勢いよく抱きついた。飛びついたといっても良いかもしれない。
「うおっと!」
 ゼルガディスがアメリアの勢いに負けて少しよろめく。その彼にすがってアメリアは思いっきり泣きじゃくった。
「どこ行ってたんですか!心配したんですよ!ホントに、ホントに心配したんですからね!!」
 死んじゃったって聞いて もう会えないって聞いて どんなに悲しかったかわかってるんですか!?
 そう続けるはずだったが、それは言葉にはならなかった。吐き出す息は涙に交じり泣き声となった。
 幼い子供のように泣きわめくアメリアの体を、ゼルガディスは優しく、優しく抱きしめその耳に囁いた。
「すまん・・・」
 不器用な彼の精一杯の謝罪の声に、アメリアの涙は徐々に引いていった。手で涙を拭い、ゼルガディスを真っ直ぐに見上げる。
「いいです。許してあげます。ちゃんと戻ってきてくれたんですから」
 言って、アメリアは満面の笑みをしてみせた。
 それにゼルガディスも薄く笑む。
「ああ、約束だったからな。これを返しに来る、と」
 アメリアの体を少し離し、ゼルガディスは傍らから護符を取り出して見せた。それにアメリアは自分の手首を見てみる。片方の手首にはゼルガディスが持っている物と同じ護符がしっかりある。
「約束は、果たしたぞ」
 そう言ってゼルガディスはアメリアの空いた手首に護符を取り付けようとアメリアの手を取った。
 どんっ!
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
 近づいた二人の丁度真ん中を何かが勢いよく飛び出した。何かに突き飛ばされて二人はお互い反対方向によろめいた。
「なんだ?」
 ゼルガディスが辺りを見渡す。
 すると、年は九才位の、黒い髪をした一人の少年が少し離れたところで二人に向かってあかんべをしていた。
「これは僕のだよ♪あんたらになんかあげないよーだ☆」
「あの子は!」
 アメリアが驚いた声を出す。
 二人の間に割って入った子供は、今朝からアメリアと共にいた少年だった。
 ぴょんぴょん飛び跳ねて二人をからかっている少年は手に護符を持っていた。
 ゼルガディスも驚いて、自分の手を見ると今しがたアメリアに返そうとしていた護符がなくなっていた。
「貴様!」
 ゼルガディスが怒って少年に向かって走り出した。それを見て少年は楽しそうな声をあげて逃げ出した。アメリアも慌てて後を追う。
 少年の足は早い。後ろのアメリアからはゼルガディスはかなりの速さで少年を追いかけているのがわかる。が、少年との距離は一向に縮まらず差は広がりを見せ始めた。ゼルガディスが速度を上げた。アメリアも急ごうとしたが彼女の速さはもう上げられなかった。二人の姿が遠ざかっていく。
「待って下さい、ゼルガディスさん!」
 しかし聞こえなかったのかゼルガディスは止まらない。
「ゼルガディスさん!」
 さっきよりも声を大きくする。しかし、やはりゼルガディスは止まらず、振り返りもしない。
 アメリアは追いかけた。追いかけて追いかけて、けれど、彼に追いつくことはできなかった。
「ゼルガディスさん!ゼルガディスさん!ゼルガディスさん!」
 何度、彼の名を呼んでも、彼の姿は小さくなるばかりで、留まらせることは出来なかった。
 彼女は、彼の名を叫んだ。


「ゼルガディスさん!!!」
 がばっ!
「どわっ!?」
 ごちーんっ☆!!
 跳ね起きたアメリアは何かに頭をぶつけ、その場にしゃがみ込んだ。
「いったたたた・・」
 声はアメリアのすぐ前でした。目を開いてみると、自分と同じように頭を抱えてうずくまっている、黒い髪の少年がいた。
「いったー・・、急に起きあがることないじゃないかあ。痛いなあ」
 少年は涙目でアメリアに抗議する。
「え・・・?」
 痛む頭を押さえながらアメリアは周囲を見渡した。
 木に囲まれた広い空き地の中心に、綺麗な水を惜しみなく吹き上げている噴水がある。その周りで子供や大人が笑みを浮かべて遊んでいた。
「あ・・・」
 アメリアは思い出した。
 祭りの後もあちこちはしゃぎまわってさすがに疲れたので、公園のベンチで休ませてもらっていたのだ。それでいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「夢・・・だったんだ・・・」
 ようやく、彼女は理解した。先程のことは、全て夢だったのだ、現実ではなかったのだ、と。
 アメリアは唇を噛み、地面に目を落とした。
 夢が、現実になってくれればどんなにいいかわからない。たとえ、彼がすぐに離れてしまうことになっても、彼に、生きていて欲しかった・・・
 目頭が熱くなってきた。アメリアの目に涙が滲んでいく。
 ふいに視界が桃色に染まった。
「?」
 アメリアが顔を上げると、少年が手に何かを持って、彼女の顔に差し出していた。
 アイスクリームだった。
「はいこれ、おいしいよ♪」
 アメリアが惚けていると、少年はアイスをより近づけた。視界一杯にアイスが広がる。
「あ、ありがとう・・」
 顔に付きそうになったアイスを受け取り、少年の見守る中、アメリアはアイスを舐めた。
「!・・おいしい」
 本当だった。
 爽やかな甘さと苺の程良い酸味がよく合っていてなめらかな舌触りがうま味を引き立たせている。冷たい刺激が頭を走り、涙と一緒にもやもやした気分がすーっと引いていく感じがした。
 アメリアの言葉に少年は満足げに笑い、アメリアの隣に座って、自分もアイスをほおばった。
 しばらく静かな時間が過ぎた。
 二人はアイスを食べ終わり、そのままベンチでやすんでいる。そうしているうちに、アメリアはふと気になることがあった。
「そういえば、アイスを買うお金ってどうしたの?」
 今までの支払いは全てアメリアに任せられていた。しかし、アメリアも無一文である。アイスを買えるお金など、持ち合わせていないはずだった。
 アメリアの問いに、少年はわざとらしく首を傾げた。
「さあ♪どうしたと思う?」
 意地悪そうな笑みを浮かべる少年に、アメリアは不吉な想像が浮かんだ。おそるおそる少年の腰のベルトに目を向ける。
 あるはずの護符が、ない。
「!!!」
 アメリアの顔が驚愕一色に染まり、固まった。それを見た少年がさもおかしそうに笑い声をあげる。
「大丈夫だよ。売ってなんかいないから、ここにあるよ。ほら♪」
 そう言って、ズボンのポケットから青く光る護符を取り出し、アメリアの前でちらつかせてみせた。それを見て、アメリアは大きく息をはきだし安堵した。が、同時に怒りがわいてくる。
「ふざけないで!!それがどんなに大切な物かわかってるの!?わかってないのにそれを!あなたにはそうじゃなくてもわたしには、わたしには・・・・・!」
 アメリアの両の目から涙が流れた。怒りに歪んだ顔の上に伝う涙を拭うことなく少年を睨んだ。そして、一度顔をしかめると素早く俯いてしゃくり上げた。
 大声をあげたアメリアに、少年は身をすくませ、目を丸くしてアメリアを見た。
 彼女が、寝ている間にどんな夢を見たのか少年は知らない。そして、その夢で自分がどんなことをしたかなど考えられるはずもない。ただ、軽い気持ちでしたいたずらが、アメリアにこんなに涙を流させたという事実に困惑した。
 少年は慌てて立ち上がり、アメリアの周りをおろおろと動き回った。
「ごめん。あやまるよ。だから泣かないでよ。ねえ?」
 俯いていても、少年がどんな顔をしているのかはわかった。少年が悪気がないのもわかっていた。けれどアメリアは泣くのを止めることは出来なかった。悲しすぎたのだ。先程の夢が。少年の行いが。流すことの出来なかった涙は機会を逃すことなく目から溢れ続けた。
 その間にも少年はなんとかアメリアを泣きやませようとあらゆる言葉で慰めていた。しかし、どれも今のアメリアには効果がないと知ると、頭を抱えて考え込み、やおら手をぽんと打った。
「そうだ!近くにいい所があるんだそこに行こ!ね!?」
 アメリアの答えも待たず、その腕を掴むと少年は走り出した。アメリアは引っ張られ、転びそうになったが何も言わず、俯いたまま少年に引かれるままについていった。




                  つづく

*************

 ゼル復活!?と思いきや実は夢オチ!期待裏切っている気がひしひしといたしますが、話を続けるためにはしかたないのです!
 アメリア泣かせてるし、これからどうなるこの二人!?
 それでも読んでくださる方!どうぞ最後までお付き合いください!

 では!絹糸でした!
 

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7458笑顔の君 -三度目の鐘-絹糸 8/9-11:20
記事番号7411へのコメント




 人は一生で二度鐘を鳴らす
 一度目は愛する者との門出に
 二度目は愛する者との別れに
 では 三度目は?


 少年がアメリアを連れてきたのは―連れてこられたのだが―セイルーンから少し離れた丘の上にある教会だった。教会と言っても、とうの昔に閉鎖されたものだったが。
「ここだよ。すっごくボロボロだけど」
 少年が正直な感想をもらす。
 確かに教会は壁のあちこちがはがれ落ち、手入れなど全くされていない前庭は草やツタが伸び放題になっており、何があったのか屋根には大穴も開いているようだった。
 アメリアは何も言わない。もう泣いてはいないが俯いたままだ。
「中に入ろう?」
 少し不安な顔をして少年はアメリアを中に誘う。アメリアは大人しく少年に従った。
 教会の中は明るかった。入ってすぐに礼拝堂になっており、そこは破れた窓や半分朽ちた扉から光が射し込み、所々穴の開いている床板を照らし出している。特に祭壇の真上に開いた巨大な穴はひときわ大きな光の空間を作っていた。正面には、奇跡的に残っていたステンドグラスが鮮やかな色彩を礼拝堂に映している。
 ふいに、アメリアが少年の手を離れ、祭壇に近づき、今もなお残っている十字架の前に膝をついて胸の前で手を組んだ。
 光の空間に跪き、ステンドグラスに彩られながら目を閉じて祈りを捧げる姿は、その教会の容姿にも関わらず、ひどく神聖な気を発していた。
 この時アメリアが何を祈り、そんなアメリアを見つめる少年が何を思っていたのか、それは当人にしかわからない。
「それじゃ・・・行こうか」
 しばらくして、祈りを終え、立ち上がったアメリアに少年は言った。
「・・・・」
 アメリアは十字架を、いや、もっと遠くを見つめながら頷いた。
 少年も何も言わずにその場を動く。アメリアがそれに続いた。
 二人は礼拝堂をぬけて中庭をよぎる廊下を通り、ある建物の前に来た。そこの扉を開けると、階段があり、二人はそれを上り始めた。階段は長かった。一定の段数を上ると踊り場があり、それを曲がるとまた階段が続く。それを何度も何度も繰り返した。その間、二人は無言だった。
 かなりの階を上っていくと、やがて上に行く階段のない踊り場に着いた。
 少年はアメリアに振り向くと、初めて口を開いた。
「この扉を開けてみなよ」
 少年が指さした所には錆びた鉄の扉があった。
 アメリアはノブに手をかけ、引いた。
 途端に光と共に強い風が吹き込んでくる。唐突に強い風が顔に当たったのでアメリアは思わず目を閉じた。そして薄く目を開けて風の吹く方を見た。
「・・・・・・!」
 アメリアは目を見開いた。扉を完全に開けると引き込まれるようにそこへ歩き出し、先にあった錆びた手摺りを両手で掴んだ。
 そこは、教会の一番上にある、鐘突堂だった。そこからはセイルーンの様子が一望できた。街も城も、遠くにある山々まで。
 青い空の下で白く輝く王宮を中心に見事な直線と弧を描いて六紡星が象られている。その周りには木々が様々な緑色を陽の下で煌めかせ、今いる教会まで草が絨毯のように広がっていた。涼やかな風が景色を駆け回り爽やかな匂いをここまで運んでくる。
「ね、いい場所でしょ?」
 少年も出てきてアメリアの横に並んだ。
 清々しい風と、光に輝く景色が心に染み込んでいく。
「すごく・・綺麗・・・」
 アメリアは呟いた。
 偶然だが、彼女は幼い頃、父親と共に、あるいは一人でよくこの場所に来た。そして王女という身分とは関係なく、ただセイルーンの美しさに感動していた。今と同じように。そのことを彼女は覚えていないが。
「セイルーンは良い国だよね。世界中のどこよりも。僕は、この国が一番好きだな」
「セイルーンは・・・良い国・・・」
 少年の言葉をアメリアは繰り返した。
 それは自分がいつも思ってきたこと。口にしなくてもずっと心に抱いてきた誇り。旅に出ているときも、国にいるときもいつも心にあった。いままで、忘れていた。それを思い出し、アメリアは微笑んだ。自分はこの国に生まれ育ち、そして守っていくのだ。そのことが今、嬉しかった。
「よかった」
 少年が安心した声を出した。
「・・なにが?」
 アメリアが首を傾げる。
「やっと笑ってくれた」
 言われてアメリアは顔を赤らめた。自分よりも幼い子供の前で泣いて、その上慰めてもらったのだ。少し自分が恥ずかしかった。同時に、少年の優しさが身にしみた。
 そんなアメリアの心を知ってか知らずか少年は笑顔を向ける。
 涼しい風が二人の黒髪を揺らした。
 ふいに、少年は手摺りから離れ、二人がいる場所のちょうど真ん中にある鐘から伸びている綱に手を掛けた。
「一緒に鳴らそうよ」
「え?」
「ほら早く!」
 少年はアメリアの腕を掴むと、その手に綱を握らせた。
 少年の行動はいつも唐突だった。慣れはしたもののその行動はさっぱり読めない。アメリアは少し呆れ笑いをしながらも少年の言うことに大人しく従った。
 鐘は、元々金色だったのだろうが長年雨風にさらされ続けて、今は赤茶けていた。二人の手にしている綱もぼろぼろにささくれていて、引っ張ればちぎれそうで、本当に鳴らせるのか不安だった。
「せーの!」
 そんな不安をよそに、少年はかけ声とともに綱を引っ張った。アメリアもやや遅れて引っ張る。
 鐘が、意外にもその大きな音を響かせた。
 その音は、とても長年誰にも手入れがされていないとは思えないほど澄んでいた。セイルーンの街に、久しく聞かない鐘の音が何度も何度も響き渡った。

 鐘の音が辺りの景色にすっかりとけ込んみ、こだまも完全に聞こえなくなった頃
 どことなく悲しい鐘の音が一つ響いた。
 手摺りから景色を眺めていたアメリアが振り返ると、少年が鐘の下で綱を握っていた。少年は揺れのおさまりきらない鐘を見ている。
「僕はさっき鐘を鳴らしたからこれで二回目」
 鐘を見ながら少年が言った。
「人は一生のうちに二度、鐘を鳴らす」
 ぽつりと少年が呟いた。鐘は揺れている。
「伴侶を得て新たな道を歩く時。
 生を終えて魂の旅に出る時。
 鐘の音は運命の扉を叩く音
 三度目の鐘を鳴らすことが出来たならさらなる運命が開く」
 静かな少年の語りに合わせて、鐘の揺れがおさまった。
「どう思う?」
 少年がアメリアを見た。笑顔で振り向いた少年にアメリアは一瞬驚き、言葉に詰まる。
「え?あ、なにが?」
「いま言ったことだよ。上に書いてあるんだ」
「え?」
 少年に近づいて、指さす方を見上げてみると、鐘の上、古ぼけた天井に確かにかすれがかった字で、少年が言ったことが綴ってあった。少年は鐘を見ていたわけではなく、天井の字を読んでいたのだ。合点がいって、アメリアは安堵にも似た気持ちがした。
「ねえ、これってどういうこと?」
 横から少年が尋ねてきた。アメリアは考え込んだ。雰囲気は何となくわかるのだが、口で、しかもわかりやすく説明するのは少し難しい。どうしようかと考えていると、少年がまた言葉を発した。
「鐘の音は運命の扉を叩く音」
 少年は天井を見ながら続けている。アメリアも見ると先程の文に続きがあった。
「三度目の鐘を鳴らし運命の扉を押し開け。」
 そこで、文は終わっていた。
 二人はしばし無言でいた。ややあって、少年が口を開いた。
「よく、わかんないけど・・・・」
 アメリアを見上げる。
「“がんばれ!”ってことだね?」
「そうね。」
 笑顔で言う少年に、アメリアもまた笑顔で応える。
 この文は人の生を終えてもその先には輪廻の輪が待ちかまえている。それを恐れることなく立ち向かっていけ、ということを記している。アメリアはそう思ったが、難しい言葉を並べるよりも、少年の一言の方が的を射ていると思った。
「よし!僕も三度目の鐘を鳴らそう!」
 少年はかけ声をかけると、また勢いよく握っていた綱を引っ張った。今までで一番大きな鐘の音が起こる。鐘の真下にいたアメリアは思わず耳を押さえた。それでもかまわず少年は鐘を響かせる。アメリアは堪らずその場にしゃがみこんで目を瞑った。それでもうる
さいほどの鐘の音が頭に響いてくる。少年は、丘の上から力一杯鐘を鳴らした。
 音で頭痛がしてきた頃
「終わったよ?」
 少年が顔をのぞき込んできた。ほっとして耳を離すと鼓膜が痺れているのがわかった。 少年が頭で手を組んで天井を見上げた。
「僕の運命の扉は開いたかな?」
「絶対、開いたと思うわ・・・」
 いたずら小僧の無邪気な問いかけに、少々疲れの交じった声でアメリアは応えた。それに、少年はにかっと笑い、そこから見える景色に視線を移す。
「もうすぐ、日が暮れるね」
 確かに陽はもう大分傾いている。今見える景色が夕焼けに染まるのはもう時間の問題だった。
「行こう」
 少年がアメリアに手を差し伸べてきた。
「どこに?」
 問うアメリアに少年はまた笑った。
「新しい道に」
 その言葉に、アメリアも笑う。そしてその手を取った。
 教会の扉に向かう、手を取り合った二人から伸びた長い二つの影は、祝福された道に向かう恋人達のようだった。



                つづく

********

 なんとか書けました〜。ここでず〜っと引っかかっていたんですよね。考えたあげくがこの出来・・・・ひたすら駄文で申し訳ないです。
 でも、この話も次でようやく最後!
 最後は一番力入れてます!・・というかこの話、最後が全てかもしれない。
 読んで下さっている方!(いるのだろうか?)
 この文を読むのも次で最後!どうかそこまでおつきあい下さい!

 では下に続きます!

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7459Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)絹糸 8/9-11:33
記事番号7458へのコメント



 辺りはすっかり夕暮れだった。街も、人も、地面も、すっかり茜色に染まっている。もう、一日が終わるのだ。
 アメリアと少年は、並んで街道を歩いていた。何を言うともなしに側にいる。
 今日は楽しかった
 アメリアはそう思った。
 この子のおかげね。今朝まで部屋に閉じこもっていたのが信じられない。
 そう思ったアメリアの表情に陰りが射した。
 そう、今朝までふさぎ込んでいた。それは、夢ではない。彼は、もう、いない。
 アメリアの視界がぼやけた。もう悲しまないと思っていたのに。
 泣いちゃいけない。この子に悪い。せっかく元気にしてくれたんだから
 アメリアは涙をこらえようとしたが失敗に終わった。一度流れた涙は糸で繋がっているように次々に溢れてくる。
 それには気づかないのか、少年が明るく声をかけてきた。
「今日は楽しかったよ」
 ええ、わたしもよ
 声には出せなかったが、アメリアは答えた。
「本当にずっと、楽しかったよ」
 ええ、そうね
 石造りの階段の前まで来たとき、少年はその手摺りにひょいと飛び乗った。くるっと体を反転させ、アメリアに向かい合う。手摺りに乗った少年は、アメリアの頭二つ分くらい背が高くなった。
 アメリアは俯いたまま、涙を流している。少年の表情はわからない。
「僕は、ずっと楽しかったよ」
 少年は同じ台詞を口にした。
 本当にそうね
 アメリアはまだ俯いている。
 ふいに、華奢な手がアメリアの顔を上に向かせた。拭っていた手が離れ、涙が頬を伝う。
 少年が彼女の頬を優しく両手に挟んでいた。
「ずっと、ずっとだよ?」
 少年の顔はぼやけて見えたが、声に何か真剣なものが入っていた。
 柔らかい物が、アメリアの涙を拭いた。それが、少年の指だとわかったのは、はっきりした視界から。見上げて見る少年の瞳は、夕焼けでもなお青い、少し寂しそうな色をしていた。
 少年は片手でアメリアの手を握り、もう片方で彼女の顎に指をかけた。その大人びた仕草をアメリアは少しぼんやりして感じていた。
 そして少年は、そっと、アメリアに口付けた。
 アメリアは時が止まった感覚を覚えた。
 ほんの少しの間の後。少年は顔をずらしてアメリアの耳に近づける。自分の言葉をアメリアだけに聞いてほしいかのように。
「ずっと 君を愛していたよ」
 その低い声は、本当に少年のものだったのだろうか。
「これは返すね。約束だから」
 ゆっくりと顔を離した少年が、その瞳と同じく寂しそうに微笑むのを見ながら、アメリアは自分の手首に何かはめられるのを感じ、そして両手を強く握られた。
「それだけ、言いに来たんだ。じゃあ・・元気で」
 言った途端、少年は手摺りから段上に飛び降り、素早く階段を駆け上った。
 アメリアは震えていた。
 少年にキスをされたからではない。キスをした少年の瞳が、声が、ある人物を連想させた。
 震える口に、喉に、力をいれて彼女は叫んだ。
「ゼルガディスさん!!」
 叫んでいた。彼の名を。夢と同じように。どうして彼の名を叫んだかはわからなかった。しかしアメリアは、最後の段に足をかけた少年に、そう、叫んでいた。
 夢では、ゼルガディスは立ち止まらなかった。振り向くこともなく、自分を置いて行ってしまった。
 現実は――
 少年は足を止め、アメリアを振り返った。
 少年と目が合う。
 その瞳は、やはりゼルガディスとよく似た光を帯びているように見えた。アメリアが何か言おうとした時、
 夕陽を体中に浴びた少年は
 笑った。
 その笑顔は今日見せた中で、最も明るく、最も優しい笑顔だった。
 少年が口を動かす。
 声が聞こえない。声は出さなかったのかもしれない。
 そして踵をかえして姿を階段から消した。
 アメリアはすぐさま階段を上った。息が切れるのも構わずに、何度も転びそうになりながら。
 最後の段に上りきるかきらないかで、首を巡らせて少年の姿を探した。だが、少年の姿はもう何処にも見あたらなかった。
 夢を見た後と似た気持ちが沸いてくる。全てが幻だったのかのような空虚感。
 少年にはなにも聞いていないのだ。名前も、年も、少年が何者なのかも。
 鮮やかな茜色からゆっくりと群青色に変わり始める景色の中で、アメリアは佇んでいた。
 その両の手首に、最後の陽の光を集めて輝いている、青い護符に
 彼女は まだ 気づいていない

終わり


**********

 終わったー!短い話なのになんでこんなにかかってしまったんだ!?
 ともかく、読んで下さった方!ほんっとーにありがとうございます!
 見苦しいモノを見せてしまって申し訳ありませんでした!!

 このSSは某小説を元にしていたんですが・・・慣れないことと、未熟な腕で下手に続き物なんて書くもんじゃないですね・・・。某小説家&そのファンの方に申し訳なさすぎる・・・。
 反省。
 この次は見苦しくないモノを書いてみたいと思ってます!(懲りない輩)
 その時のためにこの作品の失敗は忘れないようにせねば!

 最後に、ここまで読んで下さってありがとうございました!いくら書いてもお礼の言葉が足りません!

 絹糸でした!


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7461Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)なゆた E-mail 8/9-13:49
記事番号7459へのコメント

お久しぶりです!!なゆたでっす!!(←かなりハイ)
 待ってました!!彼は誰?!とか思って待つ事・・・・・・どれくらいでしょうか?
 彼の正体が分かって、嬉しいような、悲しいような・・・.。いえ、正直に言いましょう.だー−−−−−−−−−−−(滝涙)やっぱりゼルってば、死んじゃってたのねー−−−−−−−−(号泣)

 と、いうわけで感想です.


>「本当にずっと、楽しかったよ」
  なに?

>「僕は、ずっと楽しかったよ」
  ま.まさか・・・・・・.

> 少年が彼女の頬を優しく両手に挟んでいた。
>「ずっと、ずっとだよ?」
  もしかして

>「ずっと 君を愛していたよ」
  それは、彼のセリフ・・・・・・・・

>「これは返すね。約束だから」
>「ゼルガディスさん!!」
  まじですかーーーーーーーーーー!!!


> その瞳は、やはりゼルガディスとよく似た光を帯びているように見えた。アメリアが何か言おうとした時、
> その笑顔は今日見せた中で、最も明るく、最も優しい笑顔だった。
 はう〜〜〜〜〜〜〜〜〜。死んでしまってもでもアメリアとの約束を守るなんて・・・・。っていうより、落ち込んでいるアメリアを見かねたのもありそうな気が・・・・・.
 しかし!ゼルガディスは新しい運命を開けたのでしょうか・・・?
 願わくば、誰よりも優しい彼に、優しい人生を・・・・・.


> 終わったー!
 お疲れ様でしたぁぁぁぁ!!

> 見苦しいモノを見せてしまって申し訳ありませんでした!!
 あたしゃぁ、切なくて泣けてきましたよ.

> この次は見苦しくないモノを書いてみたいと思ってます!(懲りない輩)
 期待して、待ってます!!

         なゆたより

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7478ありがとうおおおお!!絹糸 8/10-14:15
記事番号7461へのコメント


> お久しぶりです!!なゆたでっす!!(←かなりハイ)
 うわああああああぁあああん!!なゆたすわぁああああぁあん!!(号泣)

 感想ありがとうございます!(号泣終了)
 もう、感想くれる唯一のお方ですよあなた様は!
 わたしにとって感想のこない自作品は駄作なんです。いや、自分でもこの作品は駄作だと思っているんですが・・・
 なんせ山なし谷なし事件なし・・・の平坦な話ですから・・・。
 でも、それでも感想していただいてありがとうございますぅ!(ほろり)

> 待ってました!!彼は誰?!とか思って待つ事・・・・・・どれくらいでしょうか?
 すいません・・遅くて・・・。最後だけはとっくのとーにできていたというのに・・・。

> 彼の正体が分かって、嬉しいような、悲しいような・・・.。いえ、正直に言いましょう.だー−−−−−−−−−−−(滝涙)やっぱりゼルってば、死んじゃってたのねー−−−−−−−−(号泣)
 某小説を読んでゼルアメに使おうと考えたとき、それにはゼルには死んでもらわなくちゃいけなくて・・・つい・・・。
 一話目で「ゼル?」と書かれたときにもう「どきぃっ!」として苦笑いしてしましましたよ。
 タイトルに(ゼルアメ?)と書いた時点でばればれではあったんですけど。

> と、いうわけで感想です.
 サンキューです。

>「ずっと 君を愛していたよ」
 これを言わせたいがために採用したんです!趣味奔走中!

> はう〜〜〜〜〜〜〜〜〜。死んでしまってもでもアメリアとの約束を守るなんて・・・・。っていうより、落ち込んでいるアメリアを見かねたのもありそうな気が・・・・・.
 半分半分ですね。自分のせいでアメリアが落ち込むのも、約束を守れずにいるのも、彼には耐えられないことでしたから。なんとかしてアメリアの笑顔を取り戻したかった。そういう意味合いでタイトルつけました。(ネタばらし)

> しかし!ゼルガディスは新しい運命を開けたのでしょうか・・・?
 アメリアが「絶対開いた」と言ったから開いたでしょう。(笑)

 ここでネタばらし2(ばればれかもしれない)
 一度目(婚礼の鐘)はアメリアと鳴らして 結婚。
 二度目(弔いの鐘)は一人で鳴らして 別れ。
 三度目(運命の鐘)はアメリアの近くで鳴らして 旅立ち。
 そして最後に「行こう。新しい道に」と言ったのはいわばプロポーズ。どんな運命でも彼女の存在を近く感じていたい。そんな感じです。
 趣味に走ってるなあ・・。

> 願わくば、誰よりも優しい彼に、優しい人生を・・・・・.
 私的にはまた波瀾万丈な人生が繰り広げられそうなんですが・・・。でも今度は幸せになれると思いますよ。そんな話も考えられたらなあ。

> お疲れ様でしたぁぁぁぁ!!
 ありがとうございますうううう!!

> あたしゃぁ、切なくて泣けてきましたよ.
 泣かせられて本望です!アメリアも泣きまくり!

> 期待して、待ってます!!
 期待に応えられるよう頑張ります!感想ありがとうございました!

 絹糸でした!

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7494Re:笑顔の君 -笑顔-(完結)さいとうぐみ 8/13-16:03
記事番号7459へのコメント


>
初めまして。さいとうぐみと申します。
やはりあの少年は、ゼルだったんですね。

> ほんの少しの間の後。少年は顔をずらしてアメリアの耳に近づける。自分の言葉をアメリアだけに聞いてほしいかのように。
>「ずっと 君を愛していたよ」
> その低い声は、本当に少年のものだったのだろうか。
やっと、自分の気持ちをアメリアに伝える事が出来たんですね・・・ゼル(滝泣)

>「これは返すね。約束だから」
> ゆっくりと顔を離した少年が、その瞳と同じく寂しそうに微笑むのを見ながら、アメリアは自分の手首に何かはめられるのを感じ、そして両手を強く握られた。
>「それだけ、言いに来たんだ。じゃあ・・元気で」
その言葉を言いにわざわざ、子供の姿にまでなって・・・・(泣)

> 言った途端、少年は手摺りから段上に飛び降り、素早く階段を駆け上った。
> アメリアは震えていた。
> 少年にキスをされたからではない。キスをした少年の瞳が、声が、ある人物を連想させた。
ゼルですね。

> 震える口に、喉に、力をいれて彼女は叫んだ。
>「ゼルガディスさん!!」
> 叫んでいた。彼の名を。夢と同じように。どうして彼の名を叫んだかはわからなかった。しかしアメリアは、最後の段に足をかけた少年に、そう、叫んでいた。
> 夢では、ゼルガディスは立ち止まらなかった。振り向くこともなく、自分を置いて行ってしまった。
> 現実は――
> 少年は足を止め、アメリアを振り返った。
> 少年と目が合う。
> その瞳は、やはりゼルガディスとよく似た光を帯びているように見えた。アメリアが何か言おうとした時、
> 夕陽を体中に浴びた少年は
> 笑った。
> その笑顔は今日見せた中で、最も明るく、最も優しい笑顔だった。
アメリアはきっと、本物のゼルガディスの笑顔をこの時見たと思います。

> 少年が口を動かす。
なんて言ったんですか?!教えて欲しいです。

この作品を呼んだ後に、涙の筋をたくさんつけている私が居たりします。

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7513ありがとうございますです絹糸 8/16-12:15
記事番号7494へのコメント


>初めまして。さいとうぐみと申します。
 初めまして。絹糸と申します。以後お見知り置きを。
 ぐみさんですか、グミ・・・おいしそう・・(じゅるっ)
 ! おっといけない。はしたないまねを。

>やはりあの少年は、ゼルだったんですね。
 ええ。なんかもう一話からばればれでした。
 ある人から一話でもらった感想に「ゼル?」っていきなり当てられたときにはどうしようかと・・・(笑)


>「ずっと 君を愛していたよ」
> その低い声は、本当に少年のものだったのだろうか。
>やっと、自分の気持ちをアメリアに伝える事が出来たんですね・・・ゼル(滝泣)
 今まで言いたくても言えなかった、彼女に伝えたい唯一つの言葉です。
 ここで泣いていただけて光栄です。ここの台詞は某小説から抜き出したんですが、ゼルにぴったりですよね?


>「これは返すね。約束だから」
>「それだけ、言いに来たんだ。じゃあ・・元気で」
>その言葉を言いにわざわざ、子供の姿にまでなって・・・・(泣)

 裏設定としては、この少年はゼルの子供の頃の姿、もしくは心そのものの姿、ということにしてます。
 ゼルガディスが旅をしている時には抑えて見せなかった素直で無邪気な部分の集大成という感じです。
 この少年が底抜けに明るいのは感情を抑えてないせいもあり、またアメリアを元気にするためでもあります。
 あるがままの自分で接したかった。そんな想いもあったんじゃないでしょうか?

 
> キスをした少年の瞳が、声が、ある人物を連想させた。
>ゼルですね。
 それしかありませんよね、やっぱり。ここで他の人を連想されたらどういう話になったんだろう。

> 笑った。
> その笑顔は今日見せた中で、最も明るく、最も優しい笑顔だった。
>アメリアはきっと、本物のゼルガディスの笑顔をこの時見たと思います。

 そのとおりです。
 本当にアメリアに見せたかった笑顔。自分がどんなにアメリアと出会えて嬉しかったか、どんなにアメリアを愛していたか、この笑顔にはそんな意味が含まれています。
 この話の元になった小説にはこのシーンはありませんでした。主人公は相手の名前を呼ぶことはなかったし、相手も主人公を残して走り去ってしまいます。
 わたしはそれが不満だったのでゼルには振り返ってもらいました。


> 少年が口を動かす。
>なんて言ったんですか?!教えて欲しいです。
 残念ながらお答えすることはできません。ここは想像して下さい。
 一応、考えてはいますが、ここは書かない方がいいんです。今後どうなるかは読んだ人の考え次第です。


>この作品を呼んだ後に、涙の筋をたくさんつけている私が居たりします。
 そんなに感動させられるとは本望です。裏設定をばらしまくりましたがいかがだったでしょうか?
 最後まで読んで頂けて嬉しいです。そして、丁寧な感想を本当にありがとうございました。

 新作を投稿する機会があれば、また読んでやって下さい。

 本当にありがとうございました。(おじぎ)

 絹糸でした!