◆−ゼルリナですよぅ。−凍耶(6/28-00:57)No.7125


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7125ゼルリナですよぅ。凍耶 E-mail URL6/28-00:57


どうも、はじめまして、凍耶と申すものです。
自分のHPにも載せてるものなんですけど・・・
いろんな人の感想が聞きたかったので載せてみました。
とりあえずどうぞぉ♪
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「ふぅ……」

 頭上に広がる満天の星空を見上げて思わず嘆息。

 そうして手元のグラスを取り口をつける。そうすると安価なウィスキー特有の渋みと辛みが口に広がる…

そして後に残るのは頭をぼやかすような酔いと……後悔の念…

『一体何を言ってたんだろうな…俺は。』

 声には出さずに心の中だけで自嘲気味に笑う。すると先程の出来事が目の前で繰り返されるように

フラッシュバックする。

 

 

 その日、いつもの様に起きて皆で朝食をとっていた。

最近では日常と化していると思ってもいい光景だった、俺があの一言を告げるまでは…

……『パーティーを抜ける』と。

 

「何言ってるのよ、せっかくここまで一緒に来たのに今更そんなこと言うわけ!」

 リナが声を荒げて言ってくる。

「ああ、もう決めたことだ。」

 俺は自らを言い聞かせるように告げる。

「何でなんです…私たちと旅をするのがイヤになったんですか!?」

 アメリアは半分怒って半分泣いてるような顔で聞いてくる。

「悪いな…アメリア。」

 そんなアメリアをなだめるように言う。

「……」

 ガウリィは何も言わずにこちらを見据えてるだけだ。

「すまん…」

 俺にはそう言ってその場を逃げるように立ち去ることしかできなかった。

 

 

 だがそうは言ったものの…実際は未だに悩んでいた。既に決めていたことなのに仲間達、

いやリナに対して未練が残っている自分自身の気持ちをどうしたらいいのか分からずに。

全ては自分のわがままだと言うのがわかっている、いずれはそれが自分自身の…

更にはリナの為にもならないと言うことも……

 だから…手遅れにならないうちに彼女の側から離れようと決めたとき、

俺はある一つの考えに行き着いた事に気づく。

『「仲間」の前で彼女の側にいられないのならいっそのこと連れ去ってしまえば…「あいつ」の前から……』

 他人からすれば屁理屈なのかもしれない…だが酒による酔いと先ほどのやりとりで

半ば混乱している頭でそれを判断することは出来るわけがなく、

ふと気づいた時には既に俺は部屋の前まで来ていた。

 そのドアの前でしばらく悩んだ結果ドアをノックして中にいるであろう彼女に声をかける。

「リナ、いいか?」

「ん、ゼル? ちょ、ちょっと待ってね!?」

 何か慌てた様子で返事を返してくると共に部屋でも散らかってるのか中で何かバタバタと音が聞こえてくる。

普通に返事を返してくるところをみるとさっきよりは落ち着いているようだ。

「じゃ、入って。」

 そう言って扉を開けたリナの姿はパジャマ代わりに着ていたのであろうサイズが大きめのシャツ1枚。

下は…素足にスリッパといった男の前では少々無防備な格好だった。

 言われたままに中に入りベッドの端に腰掛けて黙る。先程のやりとりがあった手前、

自分からはどうも話しにくい…そのまま俯いて黙る。

「さっきのこと…でしょ? 考え直してくれたの?」

 沈黙に耐えかねたのかリナが俺の隣に座って聞いてきた。

「いいや、そのつもりはない。さっきも言ったがもう決めたことだからな。」

「じゃあ…どうして私の所に来たの? 決めたなら黙って行っちゃえばいいじゃない。」

 リナは期待していた答えと違っていたのか少し不満気味に言い放つ。

 そして俺はその問いに答えるようにそのままそっと真実を告げる。

「……お前…を……奪う為だよ…」

「えっ…?」

 聞こえていなかったのかこちらを向いて聞き返してくる。

 俺はもう一度告げる…今度はリナを見据えて。

「…お前を奪うためだと言ったんだよ、あいつの前から永久に…」

「な、何言ってるのよ…!? 今日は朝からおかしいわよ。」

 動揺しているのか急に慌てた様子で言ってくる。

「おかしくなんかないさ、前から少しは考えていたことだよ。今がその時ということだけさ。」

 俺はそう言うと無理矢理リナを抱き寄せ、文句を言おうとしていたその口を塞ぐようにキスをする。

するとリナは何故か抵抗せずにそのまま俺を抱きしめるように背中に腕を回してくる。

『…どうしてだ…何で抵抗…しない……?』

 だが俺はその疑問をあえて無視して背中に回していた手を解くとそのままベッドに押し倒す。

その拍子に着ていたシャツの隙間から白い肩が覗く。

「リナ…」

 そう呟くもののリナは横を向いたまま恥ずかしそうに黙っている。

 その態度に無性に暴力欲をかき立てられた俺は着ていたシャツを荒々しく引き裂く。そうすると中から白い上下の下着に包まれただけの彼女の体が月に窓から漏れる月明かりに照らされている。

『これでいいのか…本当に…』

 そう自分自身に問いかけ、そして悩む…

 

「すまん……」

 時間にすれば少しだったのかもしれない、だが俺は悩んだ末に自分の行動が後に後悔しか残さないことに

改めて気付く。そして起きあがってリナに背を向けると自分の上着を脱いで渡す。

「ゼル……」

 リナはそう呟いて渡した上着を羽織ると、非難の眼差しを向けるどころか背中から抱き付いてくる。

「すまん…リナ、すべて俺の……」

 だがそれを無視してそのまま言葉を続けようとするとリナが遮るように言ってくる。

「誰が謝ってって言ったの? 止めてなんて…言ってないよ?」

 そこまで聞いてから振り向く、そして…リナの顔には一筋の涙。

「私じゃダメ? ゼルが愛してくれる相手には不十分?」

 リナはそのまま続ける。

「ダメじゃ…ないさ。」

 今度は俺がリナの言葉を遮るように言うと、そのままリナの体を抱き締め…キス。

「俺は…お前じゃないとダメなんだ、リナ。好きだ、愛してる…」

「私も。愛してる…ゼル。」

 

 

 そして、次の日の朝。

 俺『達』は仲間達に顔を合わせることなく宿を出た。

「なあ、本当に良かったのか?」

 俺は前を歩く1人の少女に尋ねる。

「何よ、自分から誘っておいてそう言うこと言うわけ?」

 彼女は振り向くと俺に向かって非難の目を向ける。

「いや、そういう訳じゃないんだが…自分でも未だに信じられないんだよ。この現実がな…」

 そう言ったもののどうも照れくさく視線を逸らしてしまう。

「夢じゃないわよ、ほら♪」

 その行動を見た彼女が俺に駆け寄るといきなり頬にキスをしてくる。

「……!?」

 突然の行動に驚いた俺だが逃げようとする彼女の腕をすんでの所で掴み自分の胸の中に抱き寄せる。

「あっ…」

 そうすると彼女…リナは顔を赤くして俺の胸の中で急に黙ってしまう。

「そうだな、これは現実だ…」

 1人そう呟くと再び彼女と口づけを交わす…2人の新しい始まりを誓うように……

             FIN
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とまぁ、こんな感じです良ければ感想下さいね。
HPにも色々ありますのでよろしければそちらでも・・・
ではでは・・・