◆−御対面式T−柳 睦月(5/25-19:59)No.6874
 ┗御対面式U−柳 睦月(5/25-20:04)No.6875
  ┗御対面式V−柳 睦月(5/25-20:08)No.6876
   ┣「好き」って答えたんですよね?−葉夢(5/26-07:05)No.6882
   ┃┗もちろんです!−柳 睦月(5/27-19:31)No.6899
   ┗ゼラス様ってば♪−庵 瑠嬌(5/30-15:45)No.6934


トップに戻る
6874御対面式T柳 睦月 E-mail 5/25-19:59


ど〜も、柳 睦月です。
話の内容はそのまんまです。
とある人がリナに会いに来るというお話なのですが・・・さてさて一体誰なのでしょうか。
知りたければ読みましょう!(なんと生意気な)


――御対面式――

「暇ねぇ」
「暇だなぁ」
「暇ですねぇ」
「…………」
あたし達は旅の途中、疲れたのでとある街でしばしの休息をしていた。
宿の近くの公園でするひなたぼっこが気持ちいいのなんのって。
あたし達がの〜んびりしている中、ただ一人肩を震わせてこちらを見ている男がいた。
言わずと知れたゼルガディス。
彼はとうとう切れたのかあたしの方を見て冷静に……だが怒っていると分かるほど低い声で言った。
「おい……いつまでここにいるつもりだ?」
「う〜ん……もうちょっと、このポカポカが気持ちよくて」
「……ぐ〜」
「ガウリイさん眠っちゃいましたね」
「あたしも寝ようかな〜。……暇だし」
「なら早く次の街へ行けばいいだろうが!」
「え〜、めんどくさい」
ゼルの言葉を即却下するあたし。
だって本当にめんどくさいんだもん。
こ〜〜〜んなに天気のいい日はお昼寝するに限るんだから。
「ゼルガディスさんもそうカリカリしないで今日ぐらいゆっくりすればいいじゃないですか」
アメリアの言葉に戸惑うゼル。
……こいつ、アメリアにはとことん甘いわね。
「ほら、見て下さいよゼルガディスさん。鳩が飛んでますよ」
「あ、ああ」
「あ〜、本当だ。……おいしそうね」
心底そう思って言うあたしにアメリアはガクッと肩を落とす。
「リナさん、そんな発想しかないんですか? 鳩といえば平和のシンボル、つまりはこの世は平和ってことなんです!」
「ふ〜ん……それで?」
うつらうつらと眠くなる瞼を擦りながら問うあたしに、いつも元気なお天気娘は輝かんばかりの笑顔を鳩に向けながら拳を握りしめる。
……あ、なんか嫌な予感。
ゼルもそう思ったのか大きなため息なんてついている。
ガウリイは……やめよう。もう夢の中だ。
「その鳩がこんなにたくさんいるんですよ。そんな光景を目の当たりに出来るなんて……あぁ、人生って素晴らしいと思いませんか」
「思いません!」
そう言ったのはあたしじゃない。
もちろんゼルでもガウリイでもない。
その声は何処からか聞こえてきた。
………たく、なんだってこんな日にあいつが来るかなぁ。
「なんの用なの? ……ゼロス」
そう言うと同時にゼロスが何処からともなく現れた。
……それと、もう一人。
「いや〜、お久しぶりです。皆さん」
「あの、ゼロスさん?」
挨拶するゼロスに戸惑いがちでアメリアはゼロスの名を呼んだ。
「何ですか? アメリアさん」
「その人……誰ですか?」
ゼロスに続いて現れたもう一人の人物を見ながらアメリアが問う。
その人物は女のあたしがいうのもなんか悔しいけど、すっごい美人の金髪姉ちゃんだった。
クソ〜、なんだってあたしが見る奴はみんな胸がでっかいんだ?
そんなことを考えているとゼロスがその金髪姉ちゃんを紹介し始める。
……。
…………は?
「ちょっ、ゼロス。今、なんて?」
「ですから、この方は僕の上司、獣王ゼラス=メタリオム様です」
「「えぇぇぇぇぇ!!」」
綺麗にハモルあたしとアメリアの声。
ゼルもびっくり眼でゼロスと獣王と呼ばれた姉ちゃんを交互に見ている。
ガウリイは……ややこしいから眠らしとこう。
そんなことより……なんだって獣王が来るのよ〜〜〜〜!!


・・・というわけで、リナに会いに来たのはゼラスさんでした。
ここまで読んでくれた方。ありがとうございます。
最初に言っておきますけど、ゼラスさんもゼロス君も魔族らしくありません(汗)。
そのことをよ〜〜〜〜く覚えていて下さい。
短いけどすいません。次の思考回路がゼロス君になるもので・・・


トップに戻る
6875御対面式U柳 睦月 E-mail 5/25-20:04
記事番号6874へのコメント


――御対面式U――

事の始まりは獣王様のほんの気まぐれの一言からでした。
「……ゼロス」
「何ですか? 獣王様」
獣王様が僕の名を呼んだので、僕はそれに返事をします。
椅子にゆったりと座り、暇さえあれば爪の手入れをしているはずの獣王様が、何故だか今日はしていません。
ただ、僕を見ているだけです。
「あの……獣王様?」
「暇ね……ゼロス」
ぎくっ
な、なんか嫌な予感が……。
「あ、あの……」
「ひ・ま・よ・ねぇぇぇぇ!!」
僕の言葉を遮りながら、先程と同じことをお話になる獣王様。
……はぁ。
「一体なにが目的なんですか?」
「う〜〜〜ん」
僕の質問に獣王様は少し考えたフリをします。
そう……フリなんです。
獣王様が何の考えもなしに僕に『暇』だなんて言うとは絶対に思えませんから。
そして一応考えるフリをした後、ポンッと手を叩いて言いました。
「リナ=インバースに会ってみたいなぁ」
ずごべしゃあぁぁぁ
獣王様のお言葉に、僕は驚き床に突っ伏してしまいました。
い、今のは空耳……ですよね?
「すいません、獣王様。何か僕、少し疲れているようで……リナさんに会いたいなんて聞こえてたりするんですよね」
「言ったわよ」
「本気ですかぁぁぁ!?」
平然と答える獣王様に僕は思わず叫んでしまいました。
「シャブラニグドゥ様の腹心である獣王様が、ただ会いたいって理由でリナさんと接触する気ですか?」
「うん」
あっさりと頷かないで下さいよぉ。
「何? 何か文句でもあるの?」
ニッコリと笑いながらポキポキ手なんて鳴らして欲しくありません。
「も、文句はありませんけど」
本当は思いっきりありますけど。
「理由をお聞きしてもよろしいですか?」
ちゃんとした理由でなければ、獣王様の威厳が……。
「んふふ〜……それはね」
「それは?」
「ひ・み・つ♪」
……。
「獣王様」
「な〜に?」
「……いえ、何でもありません」
……僕って獣王様の性格が反映されてるんでしょうかね。
「ねぇ、ゼロス。もちろん連れていってくれるわよね? リナ=インバースの所に」
『YES』以外は許さないと言いたげな笑顔でそういうこと言わないで下さいよ。
「目的は教えてくれないんですよね?」
「リナ=インバースに会わせてくれたら教えてあげるわ」
「……」
「大丈夫よ。殺しに行く訳じゃないんだから」
「……」
「遊びに行くだけよ。遊びに、ね」
…………はあ。
「分かりました。ご案内いたします」
「ふふっ……ゼロスって聞き分けがいいから好きよ」
「あぁっ、リナさんに嫌われでもしたら、獣王様のせいですよっ!」
「ほほぅ、私に口答えするとは良い度胸ね」
「え……い、いやですね〜。ほんの冗談ですよ……あははははは」
「ま、そういうことにしといてあげるわ。さぁ、早く行きましょう♪」
……と、いうわけで僕は獣王様と一緒にリナさんの所へ行くことになりました。

トップに戻る
6876御対面式V柳 睦月 E-mail 5/25-20:08
記事番号6875へのコメント


――御対面式V――

「な〜にが、『と、いうわけで』よ!」
ゼロスの話を聞いてあたしは叫ぶ。
冗談じゃないわよ! ただ「会ってみたい」の理由でホイホイ高位魔族が来てたらあたしの神経おかしくなっちゃうわよ!
たくっ、なんだって魔族っていうのはゼロスも含めて常識のない奴ばかりなんだ?
「あの〜、リナさん」
「なによっ、アメリア」
「ゼロスさんの上司ってことは、あの人も魔族なんですよね?」
「当たり前だろうが」
腰につけてる剣の柄を握りしめ、戦闘態勢に入りながらゼルは言う。
「ええ〜〜〜〜!!」
「なによ、なんなのよ!」
いきなり叫ぶアメリアにびっくりするあたしとゼル、ついでにゼロス。
獣王はあまり驚いたふうでもない。
……さ、さすがだ。
「こ〜んな綺麗な人が魔族だなんてっ、なんか間違ってます」
「あ、あのねぇ、アメリア」
「ふ〜ん……じゃあ、なんだったら間違ってないのかしら?」
微笑を浮かべながらあたし達の前で初めて彼女は喋りだした。
そんな獣王の問いにアメリアは少し戸惑ってしまった。
まぁ、そりゃそうよね。
『人間』なんて言ったら差別だもんねぇ。
しかし、戸惑うアメリアを見るのはほんの一瞬だけですぐに拳を握りしめハッキリと答える。
「分かりません!」
がくっ。
「ア、アメリア」
「でも、ゼロスさんとその上司がいるなら話は早いです!」
「な、なにがですか?」
少しよろけながら聞いてくるゼロスを指差しながらアメリアは言う。
「お二人とも! 今こそ悪の道から外れ、正義の道へと歩むのです!」
「おいおい」
「魔族なんて仕事、続けていたら心が汚れるだけです! ゼラスさんはこんなに美しいんですもの、頑張ればすぐにでも心は洗浄されるはずです!」
……洗浄って、洗濯ぢゃないんだから。
しかも、どうやって頑張るんだ? そんなもん。
「アメリアさん、無茶言わないで下さいよ」
「無茶ではありません! 人間やればなんでも出来るんです」
「だから、僕らは魔族ですって」
一生懸命そう言うゼロスの言葉をアメリアは全然聞いてない。
「さぁ、今こそみんな正義を愛する心を持つのです!」
「リナさ〜ん、なんとかして下さいよぉ!」
とうとうあたしに泣きつくゼロス。
……はぁ、仕方ない。
「眠り(スリーピング)」
「はうっ」
あたしの口からでた呪文と同時にアメリア……と、ついでにややこしくなるかもしれないからゼルに増幅版の『眠り』で眠らせた。
念のためガウリイにもかけといたから、しばらくは三人とも目を覚まさないだろう。
何故こいつらを眠らせたかというと……獣王の目的があたしだからだ。
魔法をかけるのに成功してホッとため息をついていると獣王が熟睡しているアメリアを見ながら感心したような口調で言う。
「……なるほど、今のがセイルーンの王女ね。あんたが恐れる意味が大体分かったわ……あ〜いうタイプの魔族がいたらそれはそれで面白そうね」
「……僕はお断りです」
「そう? ……それにしても、あんたの慌て方といったら」
どこかおかしそうに獣王は笑う。
「あんた達本当に暇だから来たのよね?」
ゼロスか獣王、二人にあたしは問う。
「ええ、そうですけど」
「ってことは、今回はゼロスが言ったようにあたし達になんの危害も加えないってこと?」
「はぁ、まあ……」
そう言いながらゼロスは獣王の方を見る。
獣王は無言で頷いた。
……ホッ、どうやら今回のアメリアの暴言(……だよね? 魔族にとったら)は水に流すということよね?
ゼロスならともかく獣王相手に何言ってんだかあの子は。
「貴方がリナ=インバース、ね?」
「……」
獣王の言葉にあたしは頷いた。
「ゼロスから貴方のことはよく聞いてるわ」
……ほえ?
「ちょっとゼロス、あんた一体何言ってんのよ」
「え? いや〜〜……それは秘密です♪」
……本当に何を言ったんだ!? こいつ!
「でも、まさか獣王直々にここへ来るとは思わなかったわ」
アメリアのせいであたしは緊張がほぐれてしまっていた。
最初は本当にビビってたんだけどね。
実際、なにしに来たんだろう。こいつら。
獣王はあたしの身体全体を舐め回すかのように見る。
な、なんなのよ〜。
「ふ〜ん」
ムカッ。なんなのよ、今の「ふ〜ん」は。
「ねぇ、ゼロス」
「……な、何ですか?」
獣王の言葉にゼロスはビビリながらも返事をする。
おぉうっ、腰の低いゼロスなんて初めて見るわ。
そう思っていたら、獣王がいきなりあたしを抱きしめた。
ほえぇぇぇぇぇ!?
「じゅ、獣王様!?」
「あんたの物は私の物、私の物は私の物」
あたしを抱きしめて、訳の分からんことを言いながら微笑を浮かべる獣王。
「ゼロス。この子ちょうだい♪」
…………なっ!
「ダメですよ、獣王様。いくら獣王様でも僕のリナさんはあげられません」
「ちょっと待て! いつあたしがあんたの物になったのよ!」
真面目に答えているゼロスにあたしは言う。
たくっ、人間様をおちょくるのもいい加減にしてよね。
「リナ=インバースはゼロスの物じゃないの?」
「んなわけないでしょ!」
「……ゼロス。あんた、私の部下のくせして気に入った物に手ぇつけてないなんてどういうことよ」
「そうしたいんですけど、簡単にリナさんに手をつけられるわけないじゃないですか。下手したら僕滅ぼされちゃいますよ」
ニコニコ顔でそう言うゼロス。
ちょっと待て、手をつけるってどういう意味よ!
しかも獣王のあたしを抱きしめる腕の力がますます強くなっていく。
「う〜〜〜ん。やっぱこの抱き心地たまらないって感じね」
「ちょっと〜〜〜〜〜〜っ!!」
「反応も面白いし」
「は〜な〜せ〜〜〜っ」
「ん〜〜〜、チュッ♪」
チュッ……って、おい待て! あたしは女にほっぺにキスされる趣味なんてないわよ!
ジタバタもがいていると獣王がゼロスの方を見て笑う。
「羨ましいでしょ。ゼロス」
「はい、ものすっごく」
大きく頷くゼロスにあたしは抗議する。
「ちょっとゼロス。どうにかしなさいよ、あんたの上司でしょ!?」
冷静に考えれば、あたしの方がアメリアより暴言を吐いていると思うのだが、んなこと関係ないわよ。
本当の本当に獣王はなにしに来たのよ〜〜!
「あの……獣王様?」
「何?」
いつまでもあたしを抱きしめて放さないでいる獣王にゼロスは戸惑いがちに聞いてきた。
「もしかして、僕からリナさんを奪うためにここへ来たんですか?」
「そうであって欲しい?」
余裕の笑みを浮かべる獣王。
そんな獣王にゼロスは真剣に返事をした。
「そうであって欲しくないです」
「ふ〜〜ん……どうして?」
「もしもそうなら、僕は獣王様の命令一つでリナさんを差し上げなくてはいけないじゃないですか」
「そうね。私の命令は絶対だもの」
「でしたらやはりそうであって欲しくないです」
「どうしても?」
「どうしてもです!」
上司の問いにハッキリ答えるゼロス。
おいおい、自分の上司でしょうが。下手したら滅ぼされるわよ。
しかもさっきから黙って聞いてりゃ、こいつらあたしの意見はどうでも良いのか?
「う〜ん……まさかこんな冗談にひっかかるとは」
…………はえ?
密着しているあたしにしか聞こえないくらい小さな声で獣王はそう呟いた。
その声はあまり……というか全然怒ってはいない。
むしろ驚きの声である。
「ゼロス、少しの間耳塞ぎなさい」
「……はい?」
いきなりそんなことを言われてゼロスはこの頃は滅多に見ない瞳を見開かせる。
「耳を塞げって言ったの……これは命令よ」
「……はい」
「あ、ついでに後ろ向いててね」
「……分かりました」
渋々獣王の命令を聞くゼロス。
おぉうっ、素直だ。素直すぎるぞゼロス!
ここまで素直なゼロスを見るとかえって不気味だと思うのはあたしだけだろうか。
ゼロスが後ろを向き、耳を塞ぐのを見て獣王は満足そうに頷いた。
そしてあたしに耳打ちする。
「ちょっと、リナ=インバース」
「……何よ」
何でもいいからフルネームで呼ばないでくれないかなぁ。
こうしてみるとゼロスといい、獣王といい、全然魔族に見えない。
「聞きたいことがあるのよね」
「何?」
ずべしゃぁぁぁ
獣王の言葉にあたしは転ける。
「ちょっと、ゼロスと同じリアクションしないでよ」
「あんたが変なこと言うからでしょ!?」
そう怒鳴るが顔が熱いのは自分でも分かる。
何考えてるのよ、魔族っていうのは。
「嫌いなのかしら?」
どうしても答えを聞きたいという感じで再び聞いてくる。
「答える前にどうしてそんな質問するのか聞いても良いかしら?」
「その質問に答えたら、教えてくれるのね?」
「ん……まぁ、一応はね」
「私の答は簡単よ。母たるもの、子供の恋の応援をしたくなるのは普通でしょ」
こ……子供って。千年以上生きているゼロスには不釣り合いな言葉ね。
……?
ちょっと待て。
今、恋の応援って言った?
てことは何? ゼロスがあたしのこと好きっていうこと?
そういうことを考えるとますます顔が熱くなってきたぁ。
「ねえ、人の話聞いてるの?」
「人って……魔族でしょうが、あんた」
そう……魔族なのだゼロスは。
「もしもあたしがゼロスのことを好きだとして、それでいいわけ?」
「何が?」
「何がって……そっちは魔族であたしは人間よ!」
「そうね」
「自分の部下が人間とできちゃうかもしれないのよ!?」
あたしの言葉にニコニコと笑い続けながら答えていく獣王。
あ〜〜っ、魔族っていうのは何考えてんのよ!
「いいんじゃないの?」
「わ、忘れてるかもしれないけど……あたしシャブラニグドゥの一体滅ぼしてんのよ!? 自分たちの魔王を滅ぼしたのが目の前にいるっていうのに憎くないの?」
「ん〜〜〜、でもあのシャブラニグドゥ様、貴方のこと気に入ったみたいだし」
本当にそれでいいのか獣王!
「もしも貴方もゼロスのこと好きなら、私はそりゃもう喜んで応援するわよ」
「何故?」
「獣王ゼラス=メタリオムはリナ=インバースを気に入ったからっていう理由じゃダメかしら?」
「はい?」
「今回貴方に会いに来た理由よ。ゼロスがどうしてあそこまで貴方に惹かれてるのか……たかが人間の貴方に」
「で? それが分かっていうの?」
「巨大な魔力の精神力、それに加えて図太い神経」
「ど〜いう意味かなぁ?」
獣王に詰め寄りながらあたしは問う。
そんなあたしに獣王はクスクス笑う。
「あと魔族も同等に扱ってくれるってことかしら?」
「?」
「ま、私の趣味とゼロスの趣味が同じだって理由もあるけどね」
どういう趣味なんだ?
「さ〜、貴方の質問には答えたわよ。今度は私の質問に答える番ね」
「うっ」
「ゼロスのこと……好き?」


「ゼ〜ロス」
後ろを向いているゼロスの肩を叩きながら獣王はゼロスの名を呼ぶ。
それに反応してゼロスは塞いでいた耳を解放すると獣王を見た。
「リナさんと何の話をしていたのですか?」
「秘密よ♪」
う〜〜ん。何となくこういう所がゼロスにそっくりね。
「それじゃあ、リナ=インバースとも会えたことだし、私は帰るわね」
「お一人でですか?」
「そう。あんたは愛しのリナさんとお喋りでもしてなさい」
「……なっ」
獣王の言葉に慌てるゼロス。
いや〜、今回は意外なモンをたくさん見ているような気がするわ。
「またね。リナ=インバース」
「バイバイ、獣王。お友だちとしてここへ来るなら歓迎してあげるわ」
手を振るあたし達を交互に見るゼロス。
それと同時に獣王は精神世界面(アストラルサイド)へと消えていってしまった。
「あの……リナさん? 獣王様と何の話をしてたんですか?」
「ん〜〜……それはね」
「それは?」
ゼロスの言葉に何故だか笑いが止まらないあたし。
人差し指を口に持っていってあたしはいった。
「それは秘密です……ってね」
「はあ?」
「アハハ……そういや獣王ってさ」
「はい」
「お祭り好きでしょう?」
「あ、分かります?」
……やっぱり。
じゃなきゃあんなこと言えんわな。
いくらなんでも考え方が楽天すぎると思ったら……そういうことだったのね。
「ところで本当に何の話をしてたんですか?」
「だ〜か〜ら! 秘密だってば。どうしても知りたかったら獣王にでも聞けば?」
「あの方がそう簡単に教えてくれるわけないじゃないですか」
「じゃあ、時が来るまで待ってなさい。いつかは教えてあげるわよ」
「いつかっていつです?」
う〜〜。本当にしつこいな。
「そうねぇ……」
考えながらあたしは笑う。
そうね。これだったらいいかもね。
「あんたがあたし達と一緒に旅をするなら教えてあげてもいいわよ」
「旅ですか?」
「そう。そうしたら近いうちに教えてあげる」
「……あの、いいんですか?」
「何が?」
遠慮がちに言ってくるゼロスにあたしは聞き返す。
「僕が皆さんと一緒にいて」
「あたしがいいって言ってんだからいいのよ!」
「でも獣王様が……」
「その獣王もいいって言ってんの!」
「………一体、何の話をしてたんですかぁぁ!」
三度目の質問である。
……たくっ。
「ちょっとゼロス! あんまりしつこいと嫌いになるからね」
そう言うとあたしは目を丸くしてこちらを見ているゼロスを無視して、あたしの魔法で眠っている三人をまたまた魔法で起こしたのだった。

                                 END

どうも、柳 睦月です。
今回の話は何やら訳の分からない話ですね。はい。
簡単に言えば、ゼロスの恋の相手をゼラスさんが鑑定(?)しに行くって話ですかね。
私すら今回の話の意味がつかめてません(汗)。
ただ、ゼラスさんってゼロスの性格からしてあまり面倒くさそうな魔族の仕事をするような人じゃなさそうなので……。
……って、これ私のそうであって欲しいな〜って願望なんですけどね。
一応終わっていますけど、機会があれば書きたいですね。
その前にヅラゼロス(じゃないけど)の復讐も書きたい。
書きたいものがたくさんあって困ってしまいます。
それでは。

トップに戻る
6882「好き」って答えたんですよね?葉夢 E-mail 5/26-07:05
記事番号6876へのコメント

   ども、初めまして。葉夢と申します。
   いっや〜読ませてもらいました!楽しかったです。
   はっきり、リナが獣王に答えを返すところはないんですが、最後の
  言葉からすると、「好き」と答えたみたいですね。
   わたしのこうであって欲しいという妄想かもしれませんけど(笑)
   いいや! 絶対そう答えたんだ! 絶対そうだ!!
   ……なんか一人でわめいてすみません。

   続きがあるなら読んでみたいです。
   さぁ、書こう!
   続きがあなたを待っているっ!(笑)
リナ「書いてくんないと暴れちゃうぞっ!」

トップに戻る
6899もちろんです!柳 睦月 E-mail 5/27-19:31
記事番号6882へのコメント

こんにちわ、柳ですぅ。
ハッキリ言いましょう。その通りです!
やっぱり話の展開上『好き』って言わなきゃなんないでしょうね。
続きは今思案中なんですけど、なんかシリアスになりそうなならなそうな、そんな感じですね(なんなんだそりゃ)。

え〜と・・・リナちゃんのセリフを書いてくれたので私は自分の気持ちをゼロスのセリフを書こうと思います。
「ま〜、この人の話はいつも混沌の中に沈むんですよね。はっはっはっは」
・・・書いててむなしくなりました。
感想凄く嬉しかったです。またよろしくお願いしますね。
(生意気な私☆)




トップに戻る
6934ゼラス様ってば♪庵 瑠嬌 5/30-15:45
記事番号6876へのコメント


 こんにちは、庵 瑠嬌です。
 ゼラス様が自分勝手にわがままなのだけれど、それでも憎めないところがいいですわね。

>「あんたの物は私の物、私の物は私の物」

 って、あなたはジャイアンですかっ!?
 イイ性格なさってますわよねー。天上天下唯我独尊的で。
 リナさんを、気に入っておられましたし。やたらと。
 もしも、リナさんがゼロスさんのところにお嫁に行ったら、リナさんの気の休まるときはないでしょうね……(笑)。
 ゼラス様にえんえんと遊ばれるに違いない。
 ゼロスさんは、結構リナさんに立場弱いですけど……。
 ああっ!考えてみたら、この話で一番立場が弱いのはゼロスさん!?(爆笑)


>どうも、柳 睦月です。
>今回の話は何やら訳の分からない話ですね。はい。
>簡単に言えば、ゼロスの恋の相手をゼラスさんが鑑定(?)しに行くって話ですかね。

 でも、下手すれば横取りしそうでしたわよね。
 ゼロスさんってば、危ない危ない。どうあがいても、どうせ防げることではないでしょうが(笑)

>私すら今回の話の意味がつかめてません(汗)。
>ただ、ゼラスさんってゼロスの性格からしてあまり面倒くさそうな魔族の仕事をするような人じゃなさそうなので……。
>……って、これ私のそうであって欲しいな〜って願望なんですけどね。

 わたくしもそう思ってますの。
 デスクワークとかよりも、もっと行動的な、積極的に滅ぼす方を選びますよね。きっと。
 ペンだこができているゼラス様とか、書類と格闘している間に肩が凝ってしまったゼラス様とか、想像できない……(魔族だからもともとそういうことはないでしょうけど)。


>一応終わっていますけど、機会があれば書きたいですね。

 うわぁい、楽しみでーすわっ!
 柳さんのゼラス様が好き……(ぽっ)←?

>その前にヅラゼロス(じゃないけど)の復讐も書きたい。

 読みました、それ。
 笑いましたわよ、わたくし。
 肉を切らせて骨を絶ってましたわねー……

>書きたいものがたくさんあって困ってしまいます。

 それはよいこと(はぁと)
 少しずつでも、確実に沢山書いてくださいねー♪

>それでは。
>
 次回作、楽しみにしておりますわ。
 それでは失礼をば。