◆-闇に魅入られ、生き続け……-桜我天秦(9/4-04:55)No.4307
 ┣後書きや、こっちも読んでや-桜我天秦(9/4-05:07)No.4308
 ┗後書きや、こっちも読んでや-桜我天秦(9/4-05:08)No.4309
  ┗……多分こっちでいいんですよねぇ……-零霧(9/4-16:36)No.4312
   ┗はっはっは、こっちです(^^;すいません-桜我天秦(9/5-05:23)No.4320


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4307闇に魅入られ、生き続け……桜我天秦 9/4-04:55

「ここか……獣王のいるところは」
 若い黄金竜の一匹が、そう言葉を洩らした。
 彼等は今、高位魔族を狩ろうとしている。……身の程も弁えないで。
 ……ふざけるのは、大概にしておいてほしいものですね。と、彼は思った。
「行くぞ」
 リーダー格の黄金竜が、合図を出した。しかし、可哀相な事にその仕種が彼の最後となった。
 黒い錐に頭が貫かれ、眼球が飛び出して以前は顎だった肉と骨をばら撒いて、生命の無い巨大な竜の形をした肉塊は地上に落ちて行った。
「!?なんだっ!?」
 黄金竜は驚き、どこからともなく沸いて出た黒い錐を見つめていた。
「あなた達の邪魔をする存在がここにいるんですよ」
 その一言と共に、その場にいた黄金竜全てに黒い錐が突き刺さった。全てが、頭を貫かれた致命傷だった。
 黄金竜の顔はたぶん驚愕の表情が浮かんでいたのだろうが、顔など砕け散り、表情などわかるはずがなかった。
「……この程度で我が主を狩ろうとするとは……我が主もなめられたものですねえ」
 その声を発した者は、その姿を現す。
 その姿は若い男……いかにも僕は怪しい神官です。と全身が雄弁に語っていた。
 ただし、宙に浮いている時点で彼は人間ではない事だけは誰が見ても一目瞭然だ。もっとも、地上から見たら高すぎて米粒ぐらいにしか見えないだろうが。
「ゼロス様」
 両手が長く、白い顔と白い髪の毛を持ち、裂けた目を持った全身を黒いドレスで覆ったような足の無い魔族が、初々しくゼロスと呼んだその男に頭を下げた。
「クルジャーナさん……何か用ですか?」
 ゼロスはため息をついて、頭を下げた魔族の名前を呼んだ。
「はい、ゼラス=メタリオム様からの伝令です。
『私の結界は終了した。お前は私の事よりシャブラニグドゥ様の手伝いをしてこい』
 との事です」
 魔族はゼロスに棒読みで、ゼラス=メタリオムの伝令を伝える。それを聞いたゼロスは沈痛な表情を浮かべるが、主の命令では仕方が無いと思い、
「……ゼラス様……わかりました」
 と呟いて空間を跳躍した。


「ゼラス様……良かったのですか?」
 ゼロスに伝令を伝えた魔族が、ゼロスの上司でもあり、主であるゼラス=メタリオムに言った。
「……いつから、私に口答えできるようになったんだ?」
 ゼラスは冷たい眼差しで、自分に口答えした魔族を睨んだ。その眼光に睨まれただけで、その魔族は多大なるダメージを受け、
「……申し訳……ございません」と答えるのが精一杯であった。
「まあよい……下がれ」
「御意……」
 黒い魔族は弱々しい声で反応し、どこかへ跳躍した。
 後には、威厳のある金髪に黒い肌の女性の姿をした獣王、ゼラス=メタリオムが一人、佇んでいた。
 ……早すぎたか?ゼロスを私の手の中から開放するのは……
 ゼラスは、ふとそんな事を思っていた。


「残念ですが、あなた達には滅んでいただきます」
 にこにこと微笑みながら、黒い錐で黄金竜と黒竜の混合軍を貫いていく。
「クッ、オノレ……」
 一匹の黒竜がゼロスに向かって鉤爪で切り裂こうとする。が、ゼロスはその鉤爪を触れもしないで砕き、その黒竜の頭を黒い錐で貫いた。
「無駄ですよ……あなた達が束になろうとも、僕に勝てる見込みはありませんよ」
 ゼロスはその細い目を開き、飾りであった笑顔を投げ捨てる。
 その直後、彼を囲んでいた竜の群れは全て無数とも思える黒い錐に全身を貫かれ、絶命した。
 全てを倒し終えたゼロスは次の敵を求め、竜族の住む戦場の中心部へと向かって行った……


「ゼラス様、獣神官ゼロス、ただいま戻りました」
「……ご苦労様、ゼロス。……あなたのおかげで被害は最小限だったらしいわ」
 ゼラスはゼロスに顔も向けずに、そう伝えた。
「そうですか……あの、ゼラス様?」
「……なに?」
「もしかして、怒っていらっしゃいますか?」
「何故私があなたの行動に怒らねばならないの?別に怒ってはいないわよ」
 それは嘘だった。ゼラスはゼロスのある種無謀な行動に腹を立てているのである。
 ゼロスが活躍したのはいいが、張り切り過ぎて自滅しないかと内心冷や冷やしていたのである。
「しかし、ゼラス様……」
「くどいわよ……さあ、自分の部屋に戻りなさい……」
「……わかりましたぁ」
 ゼロスは少々がっかりした表情で、ゼラスの部屋を出て行った。
 ……ゼロスが出て行ったのを確認したゼラスは、ふう、とため息を付いた。
「まったく……私を冷や冷やさせないで、ゼロス……」
 ゼラスは魔族には似つかわしくない涙を浮かべながら、天井を見上げた……
 と、そこにはなにか白い物が天地逆に突っ立っていた。
 ゼラスはそれをよく知っている。自分のよく知った魔族である事も。
「ダルフィンッ!あんたそこで何してるのよっ!」
「いや、ちょっと……ねえ?」
「それで私に同意を求めてどうするのよ」
「……なんとなく、同意してくれるかなって」
「するわけないでしょうがぁっ!……ところで、全部聞いてた?」
「……とりあえず、もし全部聞いてた。と言えば?」
 愛想笑いを浮かべたダルフィンの問いに、ゼラスは間髪入れず「死刑」と答えた。
「……じゃ、全部聞いていなかった、と聞こえるよ」
「結局は全部聞いていたんじゃないかっ!」
 ……今日も今日とて、魔竜王ガーヴが死んでしまっても、相も変わらぬ二人だった……


「なんで……獣王様は誉めてくださらなかったのだろう?」
 ゼロスは真剣に悩んでいた。
 僕は一生懸命に獣王様からの命令をしていたのに……
 でも、一生懸命やっていても獣王様の機嫌を損ねたのは事実……何故なんでしょう?
「うーん……わかりませんねえ」
「教えてあげようか?」
 座り込んで悩んでいたゼロスの側に、顔をしこたま殴られて、顔がまったくわからなくなるまでに顔が腫れていた女性が姿を現す。
「え?……」
 もちろん、ゼロスはそんな顔を見て「あ、だれだれさんですか」などと答えるような器用さは持ち合わせてはいなかった。
「ど、どなたですか?」
 ゼロスは露骨に嫌な顔をしながら、じりじりと後ずさりを始める。
「あのねえ……上司の同僚の顔を忘れたっての?」
 と言って、女性は顔の腫れを元に戻す。と、それは端正な顔立ちのダルフィンだった。
「あ……海王様」
「あ、海王様じゃないでしょ?精神体を見ないで肉体を見て判断するほど、悩んでいたって言うの?」
「あ、いえ実は……」
 と、ゼロスは事の経緯をダルフィンに話す。が、別に話すも話さないもダルフィンは知っているのだが、唐突にこっちから話すよりは相手から話した方が良いだろうと判断したのだ。
「ふうん……ゼラスがねえ」
「そうなんです……僕には獣王様の考えがわからないんです……」
「ゼロス、人間の母親ってのはね……自分の子供が自分の知らないところで無謀な行動に入る事を怖がるのよ」
「……それが、獣王様と関係があるんですか?」
「大いにあるわよ。あなたは自覚が無いのかもしれないけど、あなたはゼラスの愛情を一身に受けて作られたのよ。そんな部下が遠い所で無茶な事をしている……心配にならない訳が無いわ。
 ただ、彼女はあなたを信頼してるし、あなたが滅びるなんて思ってもいない。でもね、万が一という事も捨て切れないのよ……だから、無事に帰って来たあなたを見て、誉める事よりも心配させないで、という怒りの方が前面に出たんでしょうね。
 現に、あなたがゼラスの部屋を出た後、ゼラスは魔族には似つかわしくも無い涙を流したのだから」
「獣王様が……僕の為に……涙を……」
「そういう事。それに、私達の身の回りには滅んでしまった将軍と神官もいるのよ。だから、ゼラスはもっと心配になっていたのよ」
 ダルフィンはゼロスの隣りに座って、悩んでいる少年を諭すようなお姉さん的仕種でゼロスを指差す。
「あの、海王様。僕、ちょっと獣王様の所に行って来ますっ」
 ゼロスは急に立ち上がって、その場を駆け出して行った。その後ろ姿にダルフィンは微笑んで手を振っていた。
「これで……殴られたかりは返したわよ、ゼラス」
 ダルフィンはそう呟いて、自分の部屋に戻って行った……

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4308後書きや、こっちも読んでや桜我天秦 9/4-05:07
記事番号4307へのコメント
 はっはっは、今回はまあ三つ巴だねえ(^^;
 どもども、桜我天秦です。今回はゼロゼラダルでした(登場順)
 最初はゼロス一色だったのにねえ、やはり出て来たゼラスとダルフィン(笑)
 まあ、ゼラスは出てくるのは良いとして、何故にダルフィンが出てくるのだ?(汗)
 最近ゼラスが出たらダルフィンも出るなぁ……すでにダルゼラ定着か?(^^;
 とりあえず、メインはゼロスですんで、はい。

 ちなみにクルジャーナってのは、オリジナルですんで(^^;
 ただ、クルを知ってる人は結構驚くかも(そうかい?)

 次は何が出るかな?何が出るかな?何が出るかな、魔族♪(古いぞおぃ)
 とりあえず、ダルフィン×ゼラスだと思いますので。
 もしかしたら、ガーヴ×フィブ?……いや、裏をかいてジョセフィーヌさんとか(おひっ)
 ま、とりあえず何が出るかはお楽しみって事で。

 では、告ぎの作品でお会いいたしましょう

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4309後書きや、こっちも読んでや桜我天秦 9/4-05:08
記事番号4307へのコメント
 はっはっは、今回はまあ三つ巴だねえ(^^;
 どもども、桜我天秦です。今回はゼロゼラダルでした(登場順)
 最初はゼロス一色だったのにねえ、やはり出て来たゼラスとダルフィン(笑)
 まあ、ゼラスは出てくるのは良いとして、何故にダルフィンが出てくるのだ?(汗)
 最近ゼラスが出たらダルフィンも出るなぁ……すでにダルゼラ定着か?(^^;
 とりあえず、メインはゼロスですんで、はい。

 ちなみにクルジャーナってのは、オリジナルですんで(^^;
 ただ、クルを知ってる人は結構驚くかも(そうかい?)

 次は何が出るかな?何が出るかな?何が出るかな、魔族♪(古いぞおぃ)
 とりあえず、ダルフィン×ゼラスだと思いますので。
 もしかしたら、ガーヴ×フィブ?……いや、裏をかいてジョセフィーヌさんとか(おひっ)
 ま、とりあえず何が出るかはお楽しみって事で。

 では、次の作品でお会いいたしましょう

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4312……多分こっちでいいんですよねぇ……零霧 9/4-16:36
記事番号4309へのコメント
誤字も直してあることだし(笑)
桜我天秦さん、こんちわっす。最近まめに感想書いてるなあ……

> はっはっは、今回はまあ三つ巴だねえ(^^;
> どもども、桜我天秦です。今回はゼロゼラダルでした(登場順)

……あとがきを先に読むとすっげえアヤシイんですけど……(汗)


> 最初はゼロス一色だったのにねえ、やはり出て来たゼラスとダルフィン(笑)
> まあ、ゼラスは出てくるのは良いとして、何故にダルフィンが出てくるのだ?(汗)

どっちかとゆーと
>と、そこにはなにか白い物が天地逆に突っ立っていた。
のほうが問題のよーな気がしますが。


> ただ、クルを知ってる人は結構驚くかも(そうかい?)

驚きましたねー。彼女がそのよーな人(じゃない)だったとわ。
まあ、2000年もあれば人(だから違うって)は変わっていきますねー。


> 次は何が出るかな?何が出るかな?何が出るかな、魔族♪(古いぞおぃ)
> とりあえず、ダルフィン×ゼラスだと思いますので。
> もしかしたら、ガーヴ×フィブ?

やってほしいよーな、ほしくないよーな。


>……いや、裏をかいてジョセフィーヌさんとか(おひっ)

ジョセフィーヌさんとジェフリー君のイケナイ世界とか(ヴぉえぇえぇええぇ)


> では、次の作品でお会いいたしましょう

……私としましては、あなたのホームページの方でお会いしたいかも(笑)


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4320はっはっは、こっちです(^^;すいません桜我天秦 9/5-05:23
記事番号4312へのコメント
>誤字も直してあることだし(笑)
>桜我天秦さん、こんちわっす。最近まめに感想書いてるなあ……
 おはようございますです(^^;いやえらいすいません(^^;
 誤字を気づいた時には向こうにデータが(;_;)という訳だったんです(^^;
 ですので、こっちにお願いします(^^;

>> はっはっは、今回はまあ三つ巴だねえ(^^;
>> どもども、桜我天秦です。今回はゼロゼラダルでした(登場順)
>
> ……あとがきを先に読むとすっげえアヤシイんですけど……(汗)
 あとがき先に読むのは裏技やっ!やっちゃあかんっ!(汗)
 ま、まあ色々な事が脳裏に浮かぶかも……ま、いつもダルゼラで妖しい事やってますんでそこは御愛敬、と(^^;

>> 最初はゼロス一色だったのにねえ、やはり出て来たゼラスとダルフィン(笑)
>> まあ、ゼラスは出てくるのは良いとして、何故にダルフィンが出てくるのだ?(汗)
>
> どっちかとゆーと
>>と、そこにはなにか白い物が天地逆に突っ立っていた。
> のほうが問題のよーな気がしますが。
>
 いやあ、だってコウモリみたいにぶらーんとぶら下がっていたらおもろいじゃないですか(爆)
 うちのダルフィンならそれぐらいの奇想天外な事は……キース化するなよ(^^;
 

>> ただ、クルを知ってる人は結構驚くかも(そうかい?)
>
> 驚きましたねー。彼女がそのよーな人(じゃない)だったとわ。
> まあ、2000年もあれば人(だから違うって)は変わっていきますねー。
 正式には……3000年後ですね。降魔戦争からなら(^^;
 千年間隔でSが目覚めてると考えて、やったんですけどね。あれは4stS(^^;
 まあ、3000年の間に「ゼロス様」から「ゼロスさん」になっているのは力がほぼ並んでいるからなんですね。
 セイグラムみたいなお姉ちゃんなんです、クルって(笑)

>> 次は何が出るかな?何が出るかな?何が出るかな、魔族♪(古いぞおぃ)
>> とりあえず、ダルフィン×ゼラスだと思いますので。
>> もしかしたら、ガーヴ×フィブ?
>
> やってほしいよーな、ほしくないよーな。
 いや、一度書いたけど……ダルフィンとゼラスが些細な事で喧嘩してて、ガーヴとフィブがカタートに来る被害を最小に押さえようと外に出て世間話をしてるという(笑)
 でも、不整な処理で書いてたのが全部パーになっていやになったんです(爆)
 でも、やっぱ次はダルゼラですかね?(^^;

>>……いや、裏をかいてジョセフィーヌさんとか(おひっ)
>
> ジョセフィーヌさんとジェフリー君のイケナイ世界とか(ヴぉえぇえぇええぇ)
 ああ、書きたくはない(;_;)<イケナイ世界
 しかし、ジェフリーくんもてなそう……いや、ジェフリーくんが告白したらジョセフィーヌさんが無理矢理に結び付ける……有り得るな。十二分に。


>> では、次の作品でお会いいたしましょう
>
> ……私としましては、あなたのホームページの方でお会いしたいかも(笑)

 掲示板はいーとして(爆)スレ未来第七話は完成いたしましたよ。
 では、次の作品でおあいいたしましょう(^^)実は最近つもりにつもった憂さ話に小説書いてたりします(^^;