◆-光の剣浪漫 第壱楽章-LINA(8/30-14:53)No.4251
 ┗光の剣浪漫2-LINA(8/30-15:44)No.4252
  ┗光の剣浪漫3-LINA(8/30-17:04)No.4253
   ┗光の剣浪漫4-LINA(8/30-18:41)No.4254
    ┗光の剣浪漫5-LINA(8/30-21:29)No.4255
     ┗光の剣浪漫6-LINA(8/30-22:59)No.4256
      ┗光の剣浪漫7-LINA(8/31-09:20)No.4262
       ┗:光の剣浪漫8-LINA(8/31-22:18)No.4268
        ┗光の剣浪漫9-LINA(8/31-23:34)No.4269
         ┣Re:光の剣浪漫-千恵風味(9/1-17:00)No.4276
         ┣Re:光の剣浪漫9-TRYNEXT(9/1-21:07)No.4280
         ┣光の剣浪漫10-LINA(9/1-22:02)No.4281
         ┗光の剣浪漫拾遺物語-LINA(9/2-18:52)No.4291


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4251光の剣浪漫 第壱楽章LINA 8/30-14:53

はじめまして。初めて投稿しますLINAです。
一応ガウリナ中心仲良し4人組み(笑)の歴史小説です。
舞台は幕末日本です。
ちなみに登場人物は・・・・・・・・・
 ゼルガディス・グレイワーズ・ド・ブルボン(ゼルの事)
 ガウリイ・ガブリエフ・ド・ブルボン (ガウリイの事)
 葛山(かずらやま)りな       (リナの事)
 山名嘉(やまなか)あやめ      (アメリアの事)
 山名嘉府射瑠尾ノ輔(ふいるおのすけ)(フィルさんの事)
と、なります。(とことんアバウトだが・・・。)ほかにもまだあんな方やこんな人も?御暇があれば読んでやってください。  

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4252光の剣浪漫2LINA 8/30-15:44
記事番号4251へのコメント
〜プレリュード〜
鼻がひりひりする。屋敷の敷地の外から喧しいまでのボレロの旋律が耳に着く。
マドリードの日差しは暑い。
「こんな真昼間から庭でお昼寝か?」
聞き覚えのある声がしたので俺はふっと目を開け体をおこす。
「なんだゼルがディスか。珍しいな、お前が遊びに来るなんて。」
欠伸をかみ殺しながらおれはそいつ、従兄弟のゼルがディスことゼルに愛想笑いを
かける。
「遊び、じゃない。お前なあ、今日はスペイン王直々のお召しがあっただろう。」
「あっれ〜・・・・。そーだっけ?」
「この、クラゲが(怒)」
ゼルの声が多少の怒気を含んでいるような気がするのは気のせいだろうか。
ともあれ、スペイン王レゾ・ド・ブルボンは俺ガウリイとゼルの親類にあたる。
と、言っても俺たち二人はせいぜい有力貴族扱いと言ったところの傍系中の傍系なのだが。滅多に合う事すらないのに王様は何の用があるのだというのだろうか。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「革命が近いうちに起こる。王家存亡の機器により聖剣『ゴルンノヴァ』の探索へ行け。『ゴルンノヴァ』が無くばききは回避できない。逗留先の国に依頼はすでにしてある。」

王城に着いたら開口一番そう告げられた。いや、そうとだけ伝えられた。
それにしても・・・。
「ゴルンノヴァって、何だ?」
帰り道。素直な疑問を俺は口にした。隣にいた真面目な顔をしていたゼルがいきなりこけたのはきのせいだろうか????
「お、お、おまえなあああ。俺たちスペイン王家の家宝を知らないというか!!」
「いやあ〜、と、いうよりみたことね〜しなあ。」
「当たり前だ。フェリペ2世の時代、ネーデルラント(オランダ)スペインの間で戦争があったことは・・・・知る訳ないか。」
「自慢じゃないが知らん。」(はあ〜)<ゼルのため息>
「そのどさくさでオランダにゴルンノヴァは流れさらに当時オランダと清(中国)のみが通商できた国、日本に渡ったらしい。そこからはまったく持って不明という訳だ。」
「ふ〜ん。じゃ、日本に行きゃどうにかなるわけだ。」
「まあな。」
かくして。俺とゼルガディスの日本行きはこうしてきまったのである。
しかし・・・・・・。
「なあ〜。日本て、何処だ????????」
出帆直前の港。俺の言った一言で半径100メートル以内が完全に沈黙したのはきのせいだろうか???????????
(不安だが・・・・・続く)




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4253光の剣浪漫3LINA 8/30-17:04
記事番号4252へのコメント
前奏曲 編
その夜遅く。俺たちは日本の「下田」とか言う港に着いた。
何でも数年前ペリーだかハリスだか忘れたがアメリカ人が無理矢理鎖国とか言う政策をとっていた日本に要求して開かせた港らしい。
俺たちが出航したバルセロナとはエライ違いの静かな港である。どちらかと言えば
こーゆー雰囲気の場所のほうが珍しさも手伝ってか好ましい。
「なあ、ゼルー、これから俺たちどうするんだ。」
「物見遊山じゃない。キョロキョロするな。」
そうは言われても珍しいものは珍しい。
子供のころ大航海時代に憧れコロンブスやマゼラン、バスコ・ダ・ガマのような航海士さらに言えばエンリケ航海王子の再来になりたかった事をふっと思い出す。
そんな俺を無視してか気がつかないのか・・・・
「これから一応フランス大使館に世話になる。翌朝下田藩主、山名嘉府射瑠尾ノ輔殿の城へいくことになるな。一応レゾ王が幕府を通して探索の手伝いを要請しているらしいし。て、聞いてるのかお前。」
「シッ。」
悪いがゼルの話は聞いてはいなかった。いつもの事じゃないかって?そうじゃない。
「なるほど。」
どうやらゼルも納得してくれたようである。
その手は俺同様抜き身の剣を握っている。直ちに俺たちは殺気と一瞬刃物のぶつかり合う金属音のした方向へダッシュした。
無数の人影に囲まれ苦戦しながら短剣を振るう二つのシルエットが目に付く。
「どうする。どっちにつくんだ。」
「ま、お世辞にもこの連中の人相は善玉とは言えないな。二人に大勢、て所も気
にくわねーし。」
俺とゼルの相談は約5秒で完結した。
さらに言えば、7〜9人位居た無頼者をの沈黙させるには1分もかからなかった。

「ふー。どうやら行ったみたいだな。」
俺は無意味に額に手をかざしあたりを見回す。
「大丈夫か。」
ゼルが襲われていた人物、肩ぐらいまでの黒髪、大きな目の一人の少女に声をかける。
「ああ、何とか平気です〜。信じられませんよね、あんなならず者が正義を語って倒幕うんぬんぬかすなんって。これだから尊皇攘夷派は嫌いなんですよ。誰彼襲えばいいってものじゃってありませんよね、りなさん。」
何を訳のわからん事を・・・・・・。
係わり合いになる事を恐れ俺は視線をその少女から逸らす。
「べらべら煩い、あやめ。夜中に城下うろついてた事アンタのオヤジさんにばれたらこっ酷くしかられるわよ!!」
先ほどの少女とは別の女性の声。
「わっ!!りなさん凄い血!!」
少女、あやめの声につられもう一人りなとか言う女性のほうを俺ははじめて見た。
彼女がしゃがみ込んでいた為顔こそは見えないが日本人離れした赤褐色の髪に闇夜でも映える白い肌をした18〜19歳ぐらいの威厳のある少女と大人の中間点ぐらいの人物。しかしその腕には鋭利な刃物で斬られた形跡がある。
「どれ・・・・。」
俺は「りな」にに腕を差し伸べる。と、同時に手の甲にたいした事は無いが確かに痛みが走る。何が起きたか理解するまでそうそう時間はかからなかった。
「りな」が俺の手をぴしゃりっと払いのけたのだ。
「無礼者!!」
言ってりながはじめて顔をあげた。無事な方の手を使いあやめを引っ掴み去って行く。「まって、りなさ〜ん、おれいしてないですよおおおおおおおお!!」
予想通りの日本人離れした赤褐色の目。(しかし、それは敵意に満ちていた。)
多少きつめだが洗練された顔立ちに可愛らしい声。そして髪の色に近い真っ赤な着物が・・・。
いや、回りくどい表現はやめよう。
おれは「りな」に一目惚れしていたのだった。
(多分続く・・・・・・・。)




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4254光の剣浪漫4LINA 8/30-18:41
記事番号4253へのコメント
〜追憶の晩夏   編〜
「−ったく。何だったんだ昨日のあの女は。」
ゼルが不機嫌に言っている。
あの後。俺たちはフランス大使館に一晩世話になり、現在下田の藩主山名嘉ナンダカとかいう殿様の城へ行く途中である。
しかしまあ、こうして歩いていればまたあの「りな」に会えるかもしれないのだが万が一そんな偶然があったとしてもゼルがこの調子じゃあ話す事すらままならないだろう。かく言う「りな」もあの態度だ。そう思いながら俺は右手の手の甲に目をやる。
とか何とか言ってるうちに、(言い換えれば「りな」に会うまもなく。)ナンダカとか言う殿様の城に着いた。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「なあ、ゼルよ・・・・・・。」
「何だ、ガウリイ。」
「日本じゃこーゆーのが領主(殿様)やってるもんなのかあ?」
「俺が知るか・・・・。しっかしま、どーみても盗賊の親分風の容貌って事は否めんがな・・・・・。」
どう言う事かって?まったくそのままの事である。(まあ、スレイヤーズファンの常識フィル王子、と言ったところか・・・・・。)
「事情はよく存じておる。ガウリイ殿、ゼルガディス殿。我々の調査の結果そなたたちの探しているゴルンノヴァは我等の言うところの光に剣に相当する事がわかった。協力は惜しまないが1つその件について厄介な事になってのお。」
『厄介な事?』俺とゼルの声がハモる。
「先の薩英戦争をごぞんじか?」
しらん・・・・・・・・・・、と俺が言うよりも0,00001秒早くにゼル。
「薩摩藩の侍に英国人を惨殺されたことに腹を立てたイギリスが報復に艦隊を率いて薩摩の町を焼き討ちにしたと言うあの?」
「うむ。それまで薩摩藩にて国家の宝「光の剣」として重要に保管されてきたのだが、その際イギリス軍主峰艦隊『ナイトメア』のパーソン提督にものの見事に略奪され・・・・・・」
「ナイトメア艦隊パーソンですってええええええええええっ!!」
「あああああ、気持ちはわかりますがおちついてくださいいいいいいい!!立ち聞きしてたってバレちゃうじゃないですかああああああああああああああ!!」
唐突に襖が開かれなだれ込んでくる2人の人物。
「おまえら・・・。」
ゼルの目が点になる。そして俺も我が目を疑った。
「あやめ、りな殿!!」
殿様がその名を呼ぶ。
昨日とは打って変わった真っ青な着物に銀色の簪をつけ、美しく着飾ったりなが俺を見据えて言う。
「あんた、名前は?」
「が、ガウリイ・・・・・・。」
威圧されてか何故だか知らんが、おれはこれだけしか言えなっかた。
「そう、ガウリイ、光の剣について協力してやってもいいわ。」
「と、言うと?」俺の変わりにゼルが言う。
「パーソン、光の剣を略奪した奴の居所を知ってるって事。そこまで私直々連れていってやってもいいわ。ただし、条件付でね。」
「条件?」
一瞬の沈黙。
一体何を言い出すんだこの娘・・・・・・??????
そっと息を飲む俺たち。そして・・・・。
「そう、光の剣、わたしにちょーだい!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・え゛?
「ちょちょ、ちょっとまて、お前なああああああああああ!!」
とっさに俺が叫ぶ。
「あっそ。ならパーソンの居所分からなくって勝手に困りなさい。」
見かけによらず手強い。まあ、ますます惚れた、と言ってしまえばそれまでだが。
しかし、そう思った矢先ふっと表情を軟化させるりな。
一瞬の事とはいえ妙に思いつめた眼差しをしたところがある。
「交渉の余地作ってあげるわ。じゃ、叔父上、あやめ、あたしもこの人たちと一緒に行くから。おやすみなさい。」
そう言うとりなは登場時とは打って変わって静かに去っていった。
「父さん、私も行きます。りなさんだけじゃ心配ですから。」
父さんって・・・・・。あやめとこの殿様が・・・・・・?
似てない親子だな・・・・・・・・・。
「うむ、それがよかろう。」
おーい、もしもし、勝手に決めるなーーーーーって、俺が突っ込んでる!?(BYスレイヤーズTRY)
「ごめんなさいね、えっと、ガウリイさんにゼルガディスさん?りなさん私の従妹なんですけど本来なら今ごろ薩摩のとあるお大名の所に興し入れしているはずだったんです。でも、薩英戦争でその方が亡くなって・・・。外国人を恨んでるんです。光の剣を欲しがったのもただの意地悪です。それに、パーソンをいつかぶっ殺してやるっていってました。ほっとくと何をするか・・・・。」
単純かもしれない。りながその気なら止めるつもりは無い。
だが、そのパーソンに彼女がケンカを売るつもりなら俺は彼女を守らなければならない。なぜか俺はそんな予感に突き動かされた。
(オソラク続く。)」


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4255光の剣浪漫5LINA 8/30-21:29
記事番号4254へのコメント
〜地平線上のアリア  編〜
シイシイシイシイシイシイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
涼やかな虫の声がする。
どうも寝付けず俺はそのへん、といっても城の庭をグルグルと歩き回ることにした。ふっと見れば誰かが居る。誰か分かってはいた。しかし・・・・・・。
「りな?」
俺は確かめるように名前を呼んだ。
「発音が悪いわ。『り』を巻き舌で言わないで。」
辛辣な言葉だが声は俺が一度も聞いた事が無いくらい穏やかなものだった。
彼女は大き目の庭石に陣取るように座り、膝の上でなにか木製の子供の玩具のような物を弾いている。
「隣、良いか?」
「居たけりゃどうぞご勝手に。」
なら、と言わんばかりに俺は隣に腰掛ける。
暫く続く沈黙。りなの指先が弾く木製の器具の音だけが聞こえる。
「それ、一体何なんだ?」
俺が人にした質問の中で、これほどマトモな質問は今までになかっただろう。
「そろ盤っていうの。」
「そろ盤?なんだ、どう言う物なんだ?」
「数字の計算ができんのよ。これで・・・・・。」
ニタっと笑うりな。はじめてみる笑顔だ。
「光の剣、売りっぱらったらいくらかなあああ、ってね。」
あやめの言う「意地悪」のつもりだろうか。に、しては可愛らしい。
つられておれも苦笑いする始末だ。そして一時の沈黙。
しかし、唐突にりなが口を開いた。
「幕府はもうじき滅びるでしょうね。」
「は、そうなのか・・・・・・?でもよ、そうなるとお前さん達殿様一族はどうなるんだ?」
「多分、今まで通りの生活って訳には行かないでしょうね。でもいいわ、あたし大商人になってオランダへ行く。行って父さん、母さん、姉さんをとっちめてやるわ。」
「はっ!?」
はっきり言って俺は答えに窮した。
「私はね叔父貴の妹の子なの。その母さんがオランダの商人、確かインバースとか言ったわね。つまりわたしの父さんと恋に落ちて幕府の掟を破り密かに結婚。んでもって、私と姉さんが生まれたんだけど日本じゃ育てらんない。そこで、産まれたばっかのあたしを叔父貴に預け姉さんだけ連れてオランダに一家は渡ったて訳。」
「だからお前さんの髪、赤いのか。」
気の利いた台詞を言えないのを歯がゆく感じながら俺はそっとりなの髪に触れる。
「結構気に入ってるんだ。ま、その辺は父さんに感謝、て言ったところね。羨ましいのか何だか知らないけど、わりとやっかむ奴、居んのよね。ああ、ほんと。綺麗って罪よねええ。」
心底そう思っている顔で自画自賛するりな。まあ、グチグチと嘆きたてられるよりもずっと子気味がいいが。
「そうそうあん時はごめんなさいね。手、痛かった?」
初対面の時のことを言っているのだろう。ふっと血にまみれたりなの手を思い出す。
「ああ、ちょっとな。まあ、驚きのほうが大きかったしな。所でお前さんの腕大丈夫か?」
「かすり傷よ。」
ふと、りなが遠い目をする。
「何であんな夜の夜中に出歩いてたんだ?」
「悪者倒してお金もざくざく。これだから追い剥ぎ退治はやめらんない、とか言ったら?」さっきとはとは打って変わった悪戯っぽい目。
「お前さんなら確かにそんなことやりかねんが・・・。真面目に答えてもらえれば
うれしい、と言う。」
「はあ。負けたわ。ご存知かもしれないけど、『パーソン』についての聞き込みよ。ついでに言えば有力情報掴んだのもアンタと会った日。もっとも、城下に出てたのバレて叔父貴にこっ酷く絞られたけどね。でも、いい人よ。」
「好きだったのか?その・・・お前さんの許婚の事。」
聞きたくも無い言葉が口から零れる。
「さあ。あったこともない。好きになったかもしれなければ嫌いになったかもしれない。」
「じゃ、何で・・・・・・・?」
安心したような面食らったような・・・・・・・・。
「ただね、パーソンって奴のやり方が気に食わないだけよ。確かに原因は薩摩藩の侍にあるでしょうけれど報復行為で、しかも力を見せ付けるためにする人殺しなんて絶対に許せないの。あたし、もし自分がそんな形で死んだら自分を殺した奴のところに化けて出て100代祟ってやるわ。」
「・・・・・そうだな。死にたくって死ぬ奴は居ない。」
「きけばパーソンって奴、イギリスでも無類の戦争好きって話じゃない。清(中国)のアヘン戦争にもひとやくかったとか・・・・・。」
ジャリンと、りなの手からそろ盤が落ちる。
「お、おいりな?」
急に肩に重みを感じる。俺に寄りかかったりなの微かな寝息を感じる。
本当に今まで一度も見た事の無いりなの威厳の無い優しい顔。
「幕府が危ないって事、あやめには言わないで・・・・。怯えるから。」
うわ言だろうか本音だろうか・・・・。寝入ったりなに聞くすべはもう無い。
「分かった。約束する。」
赤毛を撫でつつ俺はそういった。
自分勝手なようで最終的にはいつも他人のことばかりを思っている・・・。
そして今一つ素直になれない。
りなとはそう言う奴なのかもしれない・・・・・。
俺の中にその決意が生まれ始めたのその時からだったのかもしれない。
(続けば有難いです・・・・・・・。)


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4256光の剣浪漫6LINA 8/30-22:59
記事番号4255へのコメント
〜誓いの夜想曲 編〜
「りなさ〜ん、ガウリイさ〜ん、ゼルガディスさ〜ん、置いてきますよ!!」
「まったく。元気な娘だな。」
「あれを取ったらあやめには何にも残らないわ。大目に見てやって。」
ゼルとりなのまともな会話。
「所でりなよお、これから何処に行くんだ?」
「これから相模(神奈川県)の横浜港にいくわ。そこに在日英軍が溜まっているとか。十中八九そこにパーソンは居るわ。」
「刺し違えるつもりか?そいつと。」
「事と次第によちゃあ、ね。」
「どうでもいいけどりな、そいつの面、知っているのか?」
遠慮がちに俺は尋ねる。
「知ってるも何も・・・。アンタそっくりな顔よ。」
「え、本当かよ。それ・・・・・。」
あんまりいい気はしない。が、りなは例によってうっすらとタチの悪い微笑を浮かべ、
「と、言ったら?」
などとのたまう。
「う〜ん。正直に言ってもらった方が嬉しいのだが・・・。」
煮え切らないおもいで本音を口にする俺。
「冗談よ。ただ長髪の金髪と目の色が一致するだけ。」
「ならいいんだが、あ、おいもうあやめの奴船に乗ってるぞ。」
りなとのやり取りをゼルに指摘される前におれは逃げるようにあやめの後を追った。
「りなさ〜ん見て見て、水平線です〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!あ、ナンカ光った
クラゲ、クラゲですよ!!」
「ほ〜んと。誰かさんの同類ねえええええええ。」
からかうようなりなの視線が俺に注がれる。
「喋っただろ、ゼル。俺のアダナを・・・・・。」
ジト目を俺はゼルに向けつつ言う。
「何の事だ。」
後ろ向きの肩が震えているのは俺の見間違いだろうか?
ともあれ。りなと旅ができる。それだけで幸運なことなのかもしれない。
その時までは確かにそうだった。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「りな、痛むか?」
腫れ上がった足に冷やした布を置いてやる。
あの後。何処から情報が漏れたか知らないが『パーソン』とかいう奴が山中を進む俺達に刺客を送ってきたのだった。大した事の無い奴が大半を占めていたが1人、ケインとか言う凄腕の剣士がいた。そいつのせいでゼル、あやめとは見事に分断された挙句一旦退く途中りなは肉離れをおこし当分歩けそうに無い。
「あ〜あ、結局あたし足手まといになっちゃたわね。」
柄にも無く自嘲的にりなが言う。
「ゼルもあやめもこの辺に居ると思うぞ。だから明日には合流できるさ。」
「諸外国の目的は日本を植民地化することだとあたしは思うの。」
「何をまた唐突に。知ってのとうり俺はクラゲだ。難しい話はおことわりだぞ!!」
俺はなるべく明るく言ったつもりだった。だが、りなはますます深刻なか顔になる。
「なら、単刀直入にいうね。怖いの。もしかしたら日本全部が外国の脅威にさらされて・・・・。あたしも戦争の中で許婚・・・・だった人みたいに死ぬのかなって思うと・・・。パーソンとケリを着けた言ってのも気休めにしか過ぎない。何にもしないでよりか抵抗ぐらいしてから死にたいって言う心理なのかもしれない。」
「俺が死なせやしないさ。ついでに言えばそいつとケリをつける事もあえて止めやしない・・・。けど、りなよ・・・・。実際にそいつと勝負すんのはこの俺だ。」
言って俺はしっかりとりなの肩を抱く。
「ガウリイ・・・・・?」
「なあ、りな。これが終わったら・・・・。お前は大商人に、俺は大航海師になる、てのはどうだ?」
「え??」
「ガウリイ・ガブリエフ・ド・ブルボンは日本で失踪した、てことさ。もちろん一緒に旅してた山名嘉りなも、な。」
「一緒にオランダへ行ってくれる、てこと?」
「ああ。それで、お前さえよければお前さんはリナ=インバース、そして俺はガウリイ=インバース、てことでどうだ?」
りなの顔から一瞬表情がきえる。
「リナ=インバースはともかく、アンタのその名、絶対語呂が悪い!!」
「そいつは手厳しいな。」「でも・・・・。」
りなが満面の笑顔をたたえる。
「許す。」
「りな!!」
「ご意見ご感想は一切受け付けません。ま、こんな間抜けな名前ゆるすのも・・」
苦笑いを浮かべてさらに続けるりな。
「一目惚れの辛いサガよ。ま、アンタが言い出した事なんだからせいぜい有難く思いなさい!!」
ゴホン、と咳払いひとつ。
「さ〜寝ましょ寝ましょ。1〜2時間たったら焚き火の番こうたいするわね。」
そうだな・・・・。
せいぜい有難くも思うし1〜2時間は焚き火の番をしよう・・・。
そう思いつつ俺はオランダや大航海、さらにりなとの否、リナとの未来に思いをはせた。もう巻き舌で呼んでも怒られる事は無いだろう。
(またまた続きます。あしからず。)


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4262光の剣浪漫7LINA 8/31-09:20
記事番号4256へのコメント
〜戦いの大円舞T 編〜
「誰だ。」
その朝一番、ある気配で目が覚めた。
気配は1つ。少なくとも殺気は感じられないがゼルやあやめの物で無いことは確かだ。
「やっぱりな。この辺に居るとは思った通だぜ。」
その人物は独り言のように呟く。
「あんた・・・・・・・。昨日の・・・・・。」
りなが驚愕の声をあげる。まあ、無理も無い。
「ケイン・・・・。ケイン=レットリバーとか言ったよな、おまえ!!」
「ケイン=ブルーリバーだ!!」
殺気のまったくなっかた奴に一瞬殺気が生じたのは俺の気のせいだろうか・・・・・・・・・・・・・・・・・?
「まあ良い。ともかく、お前らの中間の居るところまで案内する。着いて来い。」
「どういうこと?」
当然と言えば当然の事だが警戒したようにりなが聞く。
「ま、あんたらの事情は知らんがアンタ達は好き好んでパーソンと敵対しようとしている。そして俺自身パーソンに叛骨の意思がある、と言ったら?」
「協力し合う、とまでいかなくてもお互いを利用し合うってことかしら?」
「単刀直入に言えばそういうことだな。」


「わ〜ん、りなさ〜ん、会いたかったでうううう!!ケインさん、本当にありがとうございます!!」
「いっいや。別に・・・・。」
こーゆーのに弱いのだろうか。目を潤ませ御礼を言うあやめにそっぽを向き照れた様に鼻の頭をボリボリと掻くケイン。
「しっかしま。お前らもほんの500メートル先で野営してたとはな。ところでケイン、近いうちに戦争でもある訳でも無かろうに英国艦隊が横浜にたむろっているのは一体またどうした理由だ?」
「言われてみればそうですよね。薩英戦争が終わったんならさっさと帰っちゃえばいいのに。」
ゼルとあやめがもっともらしい質問をする。
「そこだよ。奴の目的はこの日本にある。」
「日本の植民地支配化が狙いなの?」涼やかな声でりなが言う。
「いや、奴の目的はほかにある。ズバリ言えば、遺失文明船(ロスト・シップ)だ。この国から奪い取った光の剣(ゴルンノヴァ)はその手がかりにしか過ぎないとか言ってやがったな。この国の何処かにその船はあるらしい。ま、俺には関係の無い事だがな。俺は俺の恨みを晴らすまでさ。」
言ってケインはよっと立ち上がる。
「あっ!!待ってください話はまだ!!それに遺失文明船って!!」
あやめが立ち去りかけたケインを止める。
「話はそっちのゼルガディスさんに聞いた方が早そうだぜ。ついでに言わせてもらえば英国大使館に英国艦隊の居場所聞き回りゃ嫌でもそちらさんの情報こっちに筒抜けだぜ。」
と、だけ言ってケインはてに持った黒マントを羽織去っていった。
「お前ら・・・・・。んなことしてたのか・・・・・。」
呆れたようにゼルがりなとあやめを見回す。
「居場所教える英国大使館も大使館だなあ・・・。」
俺にしてはもっともな意見を俺は呟いた。そして・・・・。
「なあ〜、ゼルよお。」
「なんだ、ガウリイ?」
「遺失文明船(ロストシップ)て何だ????????????」
ゼルが完全に沈黙したのは気のせいだろうか・・・・・・?
「おまえなあ・・・・・。まあ、いい。手っ取り早く言えば現代の航海術や砲弾
更に言えば超古代文明の結晶とも言うべき幻の船さ。一隻で国家一個艦隊にその威力は匹敵すると言う。それを持ってさえすれば・・・・・。」
「パーソンは無類の戦争好き。少々飛躍し過ぎかもしんないけども世界征服も夢じゃないって事ね。」 あっさりと飲み込んだりなが言う。
「正義の名において止めるまでです!!」 力んで言うあやめ。
「この様子からすると奴さんもまだロストシップ本体は手に入れていないらしいしな。ともあれ、当初の目的どうりゴルンノヴァ奪回が最優先、てことだな。」
(戦いの大円舞U、に続く。)



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4268:光の剣浪漫8LINA 8/31-22:18
記事番号4262へのコメント
〜戦いの大円舞U〜
ケインと別れてしばらく経ってからだった。
「お客様方にお会いしたいと言うかたが。」
無事旅路を経て英海軍、いや、「パーソン」が居ると言う横浜港程近くの宿屋に陣取って間もなくの事。
「一体全体誰かしら?玄関で待っているんでしょ?」
昼飯何ぞを暢気に頬張りながらりながいう。

そんなこんなで玄関に行って見れば一人のイタリア風の服をきたみつあみの少女が風呂敷包みを抱えて立っている。
「りなさんですね。マスターの話を聞いてすぐに分かりました。ルナ様の妹君の山名嘉りなさん、ですね。」
「そ、そうだけど???あなた、一体誰よ。どうして姉ルナ=インバースを知ってんのよ!!」
パニくるりな。目が点の俺達三人。
「申し遅れました。私はキャナル、キャナル=ボルフィードと申します。以前イタリアのトスカーナはフィレンツェのお屋敷でルナ様のメイドをしておりました。」
「どーゆー事?姉ちゃんはオランダに居るんじゃないの?」
「ええ、そ・れ・が・ルナ様が喫茶店で支給(ウェイトレス)の副業(バイト)をなさっていたところ、たまたま通りかかった私が前にご奉公してたお屋敷の若旦那様
ゼロス・ド・メディチ様がお見初めになり電撃にご結婚!!なんて、言ってる場合じゃありませんね。現マスター、ケインのご命令によりこれを。」
ごほん、と咳払いしキャナルは布包みをりなに押し付ける。
けっこうアクティブな奴だ。
「これって、もしかして・・・?」
あやめが驚愕の声をあげる。
「お察しの通り。光の剣『ゴルンノヴァ』です。恐らくマスターの魂胆は・・。」
「これを俺達に持って逃げさせる。おそらく『パーソン』御大自らご出陣の追跡劇が始まる。奴はその部隊に居る事を良い事に一手下成りすます。そして俺達と合流した時点で・・・・・。」
「『パーソン』を挟み撃ちってわけね。」
ゼルに続いてりなが言う。
「でも・・・。そーなると・・・・。ロストシップとかいうものはどうなっちゃうんですか?」 腑に落ちない、といった様子にあやめ。
「んなもん、興味無いって言ったら嘘になるけど・・・・。出てこない方が良いわよ。破壊と殺戮の道具でしかないわ。そんなもの。ありがとう、キャナル。機会があったら姉ちゃんによろしく。さ、明日は早いわ。決着つけなきゃいけないしね。」
「そうですね。」 納得顔のあやめ。

「りな、お前さ、結構ケンカっパヤイのに戦争って嫌いなんだな。」
そっとその後姿に俺は呟いた。

(戦いの円舞Vに続く)

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4269光の剣浪漫9LINA 8/31-23:34
記事番号4268へのコメント
〜戦いの大円舞V  編〜
「ガウリイ・ガブリエフ・ド・ブルボンにゼルガディス・グレイワーズ・ド・ブルボンだな?」
街道から外れた山中、急斜面の上のほう、すなわち頭上から男の声がする。
俺達は答える変わりに左右へ飛んだ。
セオリーといえばセオリーだが、頭上からの落石攻撃を俺達は難なくかわした。
「なるほど・・・・。りなの言うと通り何処と無くお前に似ている男だな。」
ゼルがりなとあやめが安全なところに非難したのを見届けたかのように言う。
(もっともりなの気性からいっていつ飛び出してきても不思議は無いのだが)
俺よりの少し短く切り揃えられた前髪だが同色の長い金髪。冷酷非情、言っちゃ悪いがやはり同色とはいえ俺とは似ても似つかない(まあ、正直言い多少自惚れ入ってるが)鋭い碧眼。
こいつが諸悪の根源「ナイトメア」艦隊のパーソン提督か。
その後ろ。見覚えのある顔がひとつ。ケインだ。目配せで何か言っている。
奴の目線のその先は・・・・・・?
「りな!!あやめ!!」
縄で縛られ額には拳銃を着きつけられている。
「そいつらを人質にとってゴルンノヴァと交換しよう、とでも言うのか?いささか古典的だが確かな方法だな。」
ゼルが吐き捨てるように言う。
「勘違いしてもらっては困るな・・・・・。」
言ってパーソンが動く!!
ばきっっっっっ!!!!!!!!!
パーソンの肘がマトモにケインの脇腹に食い込んだ。
「ぐあああああああああ!!」
モロに血を吐きぶっ倒れるケイン!!
「ケイン!!」
叫ぶりなの頬にパーソンが懐剣を突き付ける・・・・・・・。
ナイフが進むその都度流れ出る一条の血。
「りな!!」
堪り兼ねた自分の絶叫が耳に着く。キッとパーソンを睨むりな。
初めて会った時の俺に向けられた敵意の眼差しの比ではない。
「君達ごときの浅知恵に欺かれるような俺ではない。ケインの叛骨とて、すでに知ったところだ。俺の目的の一つは知っての通りゴルンノヴァその物。」
「なら、そんな物いくらでもくれてやる。王命なんて糞くらいだ。りなとあやめをはなせ!!」
俺は絶叫していた。しかし、そんなおれをよそにパーソンは薄気味の悪い笑みをを浮かべている。
「なあ、ガウリイ・ガブリエフ・ド・ブルボンよ。聞けば君はスペイン一の使い手と聞く・・・・。」
言ってパーソンはすっと剣を抜く。
「なるほど・・・・・。サシで勝負、というわけか・・・・・。」
望むところだ。りなとの約束もある。

ガイーン!!ガイーン!!
冷たい金属音のみが山麓に響く。もうすでに2〜3時間は経過したのでは無いだろうか。決着もつかなければ時間すら皆目見当もつかない有様である。
唯一わっかている事といえばゼルが残りの雑魚どもを蹴散らしりなとあやめそしてケインを助け起こした、という事情のみである。
「なかなかやるな、だがこれまでだ。安物の剣を呪うんだな!!」
ギイイイイイイイイイイイイイン!!
耳に着くような音を残して俺の剣の刃が飛び散る!!
「しまった!!」
「これで終わりだあああああ!!」
振り上げられ容赦なく襲いかかってくるパーソンの剣。
俺はとっさに屈み近くにあった拳大の石をやつにめがけてなげかける!!
とりあえずパーソンが体制を立て直すには僅かながら時間がかかる。
そのタイムラグをみはからうかのように・・・・・。
「ガウリイ使って!!」
りなが俺に何かを投げつける。とっさにその何かを掴み取る俺。
燦然と輝く光の刃・・・・・・・。
「あれは・・・・・。ゴルンノヴァ、光の剣!!????」
後ろの方からゼルの驚愕の声がする。
「小癪なああああああああ!!」
パーソンが突っこんでくる!!
が、その一撃は光の剣の前でものの見事に粉砕された。
「今度そ本当に終わりだ!!!!」
俺の光の剣の一撃のもと・・・・・・。パーソンは完全に沈黙した。

「殺った・・・・・の・・か?」
「否。」
やっと喋れる、と言った所のケインの質問を俺はあっさり否定する。
「たとえどんな奴でも・・・。りなの前で人殺しはしたくない。それに、こいつをしょっ引くのはケインお前さんの仕事だろ?りな、良いよな?」
答えは無い。しかし、彼女の笑顔を俺は肯定と受けっとた。
「それからよお、ケインお前さんを見込んで頼みがあるンだが・・・・・・。」
「借金とキャッチセールス以外は承るぜ。」
「実は・・・・・。」


(最終章 熱情のボレロ 心の遺失文明船編へ続く)



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4276Re:光の剣浪漫千恵風味 9/1-17:00
記事番号4269へのコメント
をををっつ?幕末ですか。?
歴史は疎いんです、すみませーん;;
ああ、でも、スゴイですね、。
ケインもでてきたし、ルナゼロだし(爆笑)、一目ぼれx2だし!
がんばってください。読んでて、わくどきでした。
でわ、またかんそーかきます。 千恵。

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4280Re:光の剣浪漫9TRYNEXT E-mail 9/1-21:07
記事番号4269へのコメント
はじめまして、TRYNEXTと申します。

とっても楽しく読んでます。
幕末の日本とは、設定がすごいですね。
りなとガウリイたちスレイヤーズキャラたちだけでなく、ロスユニキャラたちまで出てくるとは。
ガウリナだし、ルナゼロだし(笑)。
つづきが楽しみです。(簡単ですいません、感想書きは苦手なんです。)
というわけで、がんばってください。

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4281光の剣浪漫10LINA 9/1-22:02
記事番号4269へのコメント
〜最終章熱情のボレロ心の遺失文明船編〜

「え、別、そーゆー死活問題的な事頼みたくは無いんだが。何で借金駄目なんだ?」
「・・・・・。我が家の、いやもとい。俺の経済状態は火の車だ・・・・。何しろキャナルの奴が趣味で爆弾鉄砲その他色々の武器を買いあさりやがって。この前は魚雷100個を要求されたし・・・・。あんた等もせいぜい名に要求されても良い様気をつけろ。俺からの忠告だ。その剣をパーソンから盗み出したのキャナルと妹のミリィだ。ついでに言えばミリィは銃座の一つや二つ平気で要求するぞ・・・・。」
蹴りを入れられのたうちまわってた時よりもケインが情けなく見えんのは気のせいだろうか・・・・・?
「じゃ、なんでそのキャッチセールスお断りなんだ?」
リアクションに困ったようにゼルがきく。すると、ケイン一変。タンと、そこらへんの少し大きめの石に片足を乗せ!!
「安物買いの銭失い、得体の知れない奴や怪しい店で何かを買うな!!て、ばーちゃんが言ってた!!」(知る人ぞ知る、ばーちゃんが言ってた攻撃)
「御婆さん大切にするのは分かるけどな・・・・。(威張って言うほどの事か・・・・・?;;;;;ゼル心の呟き)」
「まあ、本題に入ろう。」
「あ〜。構わないぜ。」
仕切りなおす俺の言葉に無意味な黒マントをばさり、とかきあげ応じるケイン。
「ねえ、ケイン。ガウリイ達はそーゆーの着てないけど・・・・・。イギリスじゃ
その旅笠の無い清水ジロチョウみたいな格好流行ってるわけ?????」
「おうよ!!何つったて最新の流行だぜ!!」
りなの質問に堂々とそう答えるケイン。巨大な嘘吐きである。
(作者注意;ケインは清水ジロチョウを当然の事ながら知りません。従ってケインVSりな、何てことはありません。最も切り裂きのジャックなら知ってます。)
「まあ、いいや。(ガウリイにしては心底そう思ってる様子で)なあ、ケインよ。
お前さんイギリスに帰る途中ちょっと寄り道になっちまうけだろうけどスペインに寄って光の剣、置いてきてくんねーか?ついでに俺はパーソンにやられちまったて事にしてくれると有難い。」
「こりゃ、また。キャナル以上に酔狂なお願いだな。で、何でだ?」
「りなとの約束だ。」
傍らのりなは照れ臭そうに聞こえない振りをしている。
「ついでに言えば俺も同じ事を頼みたい。同様にあやめとの約束だ!!」
腕を組み下向き加減で多少乱暴にゼルが言う。
に、しても。こいつ等できちまってたとは・・・。(スレイヤーズNEXT)
「ハア。あ〜あ〜、分かったよ。お前等にはカリがある。ったく。ヨークとランカスター(ロモオとジュリエット)時代じゃあるまいし。ま、到底悲恋にゃなりそうに無いが、な。」
最後の一言を祝福ととり・・・・・。俺達はケインと別れた。
ちなみに数日後。どうやって俺達の所在を知ったか定かではないがキャナルから
「光の剣の持ち出し料金、スペインへの運送料金こみルナ様の妹りなさんに免じて
特別出血大サービス今なら事実の隠ぺい付きで何と日本相場で20両!!お支払いは現金書留にて!!(以下、住所)」
などと言う手紙が届きあやめの親父さんに立て替えて貰った事を明記しておく。


あれから数ヶ月。10月になった。
もう少しりなやあやめが生まれた国日本を見たい、と言う理由で旅立ちのめどはまだたたない。
一つだけ変わった事態と言えば将軍のトクガワケイキ・・・・・
「徳川慶喜公よ!!」りなの注意。
「大政奉還・・・・しちゃいましたね・・・・。」
苦笑いをたたえてあやめ。
「なあ、ガウリイではないが・・・・。どう言う事だ??」
ゼルが二人に問う。
「つなり、わたしの予想した通り幕府は滅びたって事。ま、いつまで続くかわかんないけどあやめ達領主(殿様)の生活はかわん無いようですし・・・・。」
幾分かあやめを気遣うようにりながいう。語尾が少々かすんでいる。
「でも・・・。これで海外に渡るなとかいう理不尽な幕府の政策も消え失せたんですしかえって都合が良いですよ。いつか、みんなでオランダにいきましょうね。」
今度は満面の笑みをたたえてあやめが言う。
「随分と騒がしいな。」
聞きなれない笛の音、りなの言うところの「おはやし」の音が耳につく。
「あ〜あ。もう早速新元号『明治』のお祝いね。日本で最初の元号・・・・。
『大化』が制定された時もこ〜んなだったのかしら。最も、千年以上前の話しだけどもね。」
「何でもお祭り騒ぎにしちまう事に間してはスペイン人の方が上手だぞ。山ほどのあるトマトを互いに投げ合う行事をして街中トマトケチャップになるんだからな。」
ただ単に単調な毎日、食う、寝る、剣術しかやる事の無っかたスペインでの毎日がりなのくれた『走馬灯』のように目にうかぶ。
だが、今は違う。
同じ事と言えばこのまつりばやしの旋律がボレロ同様にやけに耳につく、と言ったところか。
10月のスペインには無い秋風がりなと歩く庭を駆け抜ける。
退散したのか意図的に何処かに逃避行したのだろうかゼルとあやめのすがたが見当たらない。
それはそれで良かろう。
何時しかりながそろ盤を弾きながら俺に大志を打ち明けたあの場所に達していた。
あの時、りなは今日の事、幕府が滅びると言う事を予言しったけ。
ケインから最近届いた情報によればスペインでも革命が起こりそうな風潮だと言う。王家は滅びるかもしれない。俺のした事、無駄だったのかな。
「レゾ王だっけ?その人は失脚しても別の人が王家を継ぐと思うわ。」
俺の考えている事を見透かしたようにりなが言う。お前さんの予言だ。絶対に当たるだろうな。
それに・・・。王家の存亡なんて今となっちゃ知った事じゃない。
少なくとも今回の冒険で人生最大の宝物を俺はちゃっかり手にした。
その宝物は俺の気持ちを知ってかしらずか、暢気に手紙なんぞをあの時の石に腰掛け書いている。あの後。すっかりキャナルと意気投合したりなは文通なんぞを始めたのである。キャナルの日本語力もさる事ながら一ヶ月で英語を完全マスターしたりなも敬服に値する。
秋風がいっそう、下田の潮風の匂いと共にまつりばやしの音を庭に運んでくる。
「港と言い音楽と言い。バルセロナやボレロとは随分違うな。」
「ばるせろな・・・・?ぼれろ・・・?」
ふ、とりなが紙から顔を上げ俺を直視する。良く考えればオランダについては彼女と良く語り合った事はあるが俺の祖国・・・・、スペインについてはまだ一度も無い。ふっ、と伸びをして俺は立ちあがる。
「よし、俺が何時かボレロを聞かせてやるよ。それだけじゃないぞ!!全世界の港だって見せてやるさ。一生をかけてでも!!」
「約束よ!!」
口元をほころばせながらりなが、いやリナが歌うように呟く。
ある意味じゃ・・・・。
彼女こそが国家一個艦隊に匹敵すらする力を俺にくれるロストシップなのかもしれない。
これからはいくらでも大海に乗り出せる。知らずと耳に着くまつりばやしもおれの、いや俺達の熱情と幸先を祝福するように思われた。

〜最終楽章、終わり。しかし旋律は永遠に続く〜



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4291光の剣浪漫拾遺物語LINA 9/2-18:52
記事番号4269へのコメント
と、言う訳で裏設定アーンド割愛設定です。
Tりなの苗字ですが本当は「葛山」と言います。一応養女と言う事であやめと
本編では同じ苗字名乗ってます。ちなみにどちらの苗字も近くにあるお城
(と言っても城跡)の名前からいただきました。
ついでにガウ・ゼルの苗字「ブルボン」は某メーカーの名前ではありません。
本当のスペイン王家の名前です。
Uキャナルはケインの言うところの趣味によって前のお屋敷(ゼロスん家)を首になったらしい。その際膨大な退職金をルナ様から頂き恩義に思っているとか・・・・。
Vケインの妹ミリィは料理長として日本に来てたらしい。ちなみにその代償
(被害総額)は計り知れないとか・・・・・。
Wルナゼロはどうもカカア天下らしい。ゼロスは満足しているご様子。
よかったよかった。(but友人曰く「この夫婦は何だか怖い」だそうです。)
Xロストシップはりなが座ってた庭石の下に封印されたいるらしい。
そーなると光の剣でそれを砕けば出てくるのだろうか・・・・・。
Yりなの許婚は知る人ぞしる「ジェフリー君」みたいな人だったらしい。
なんか・・・。薩英戦争起きて良かったんじゃあ・・・・・?

と、言う訳でお粗末様でした。コメント下さった方々に感謝を込めて。