◆-ゴッド・スレイヤー 3-越後屋(8/17-02:22)No.4083


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4083ゴッド・スレイヤー 3越後屋 8/17-02:22
記事番号3906へのコメント

「で、ドクロベー司令。用件は?」
 何もないただ広い部屋。ただ漆黒の闇だけがある部屋。その闇の中に一人の女性が立っていた。
 年のころは二十歳前後の長い金髪の人である。
「・・・・用件?おお、そうだったベー。すっかり忘れてたベー」
・・・・・・忘れるなよ
 闇から返ってきた言葉に思わず彼女は心の中でつぶやいた。
「用件はレイについてだベー。レイの戦闘能力はどれくらいか、ゼラスから見てどうだべー」
 その女――ゼラス・メタリオムは闇のなかから来るドクロベーの言葉に部屋の中を歩き回りながら答えた。
「んー竜王を一人相手にできるんじゃないでしょうか。最近、すごい術を編み出したって言ってましたしー」
「新しい術?どんなものだべー」
「はい。なんでも金色の魔王の力を借りた呪文だとか」
 その答えにドクロベーは思わず言葉を失った。
――金色の魔王、それはすべての時と闇をあまねく支配する魔王の中の魔王ロード・オブ・ナイトメア
 魔族たちの真の王。そして、すべてを造りし者。
 その金色の魔王の力を借りた呪文を使うものなどかつていなかったし、使えるものもいなかった。
 ドクロベーが驚くのも無理はない。
「金色の魔王の虚無を呼び出し、刃と成す呪文だと言ってました」
 ゼラスはそっけなく付け足した。

        第3話
          出会い・・・・・・そして

「ふんふんふん♪ふんふ♪ふんふ♪」
 あの後ドクロベーの部屋を出たゼラスは自室へ向かって鼻歌をしながら廊下を歩いていた。この屋敷にはドクロベーの部下の部屋がそれぞれあるのである。
 そして、角を曲がったその時、
「ふんふ♪ふんふ♪ふんふ・・きゃ、おおおおお」
 おもわず驚いて彼女は尻餅をついた。ちょうど反対側から曲がった人とぶつかりそうになったのである。
 だが、彼女が驚かした要因はもう一つあった。
 その人――レイ・マグナスが眠る女性を抱えていたのである。ゼラスの見知らぬ女性である。
 ほおにひとすじの汗を流してるレイにゼラスは立ち上がり、なぜか、うれしそうに聞いた。
「レイ、あんたもけっこうやるじゃない。女を連れ込むなんて」
「ち、ちがいます。いつもの『仕事』の現場をこの人に見られて、そ、その気絶しちゃって・・・・で、で、しかたなく連れてきたんですよ」
 さらに3すじの汗をほおに流すレイの腕の中の女性をゼラスはよーく見た。
 年は18くらい、けっこう小柄で黒いショートカットのかわいい娘である。
 そこらの町娘といった身なりで化粧などはしてないようだが。
 彼女のたてる静かな寝息を嗅いでみたゼラスは突然、レイに詰め寄り、
「この子、たんに酔いつぶれてるだけじゃないの」
 ピキーン
 その言葉にレイは凍り付いていた。

 レイの自室。さほど豪華な部屋ではないが別に狭くはない質素な飾り付けである。
 ベッドの上に抱えてきた女性を寝かせ、レイはソファーに寝転がった。
・・・・・ルシアとか言ったけ、あの人。どーしよう。
 ふっふっふ、見られてはしかたない。ここで死んでもらおう・・・・・・・って、わけにはいかないし・・・・・・
 そんなことを考えながら、彼は眠りについた。

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               あとがき

 こんばんは。越後屋です。
 いやー。やっと書いた第3話。どっかで見たことがある話の流れだ。そんなのはただのデジャヴュです。
 では、次回までSEE YOU AGAIN