◆-祈り-ちび☆(8/7-21:34)No.3881
 ┣祈り 序章-ちび☆(8/7-21:36)No.3882
 ┣祈り 第1章-ちび☆(8/7-21:37)No.3883
 ┣祈り 第2章-ちび☆(8/7-21:39)No.3884
 ┃┗Re:祈り 序章〜第2章-三里桜架(8/8-04:33)No.3891
 ┃ ┗Re:ありがとうございます!-ちび☆(8/8-09:15)No.3893
 ┣祈り 第3章-ちび☆(8/8-09:17)No.3894
 ┣祈り 第4章-ちび☆(8/8-09:20)No.3895
 ┣『祈り』全部の感想です(はあと)-リナみんと(8/8-10:55)No.3899
 ┃┗Re:『祈り』全部の感想です(はあと)-ちび☆(8/8-11:49)No.3900
 ┣祈り 第5章-ちび☆(8/8-19:53)No.3902
 ┣祈り 第6章-ちび☆(8/8-19:56)No.3903
 ┃┗Re:祈り 第6章-ライム(8/8-22:14)No.3904
 ┃ ┗ライムさんありがとうございます-ちび☆(8/9-14:39)No.3908
 ┣祈り 第7章-ちび☆(8/9-14:41)No.3909
 ┃┣「祈り」の感想です♪-ゆかり(8/9-15:26)No.3910
 ┃┃┗ゆかりさんありがとうございます-ちび☆(8/10-22:03)No.3923
 ┃┣Re:祈り 第7章-三里桜架(8/9-19:29)No.3911
 ┃┃┗三里桜架さんまたまたありがとうございます-ちび☆(8/10-22:08)No.3924
 ┃┗ちび☆さまへ(はあと)-リナみんと(8/10-09:04)No.3918
 ┃ ┗リナみんとさんまたまたありがとうございます-ちび☆(8/10-22:16)No.3925
 ┣祈り 第8章-ちび☆(8/10-22:19)No.3926
 ┣祈り 第9章-ちび☆(8/12-14:23)No.3956
 ┃┣最後、泣きかけました(笑)-リナみんと(8/13-10:30)No.3998
 ┃┃┗リナみんとさんまたまたまた(←しつこい)ありがとうございます-ちび☆(8/13-23:31)No.4007
 ┃┣8・9章の感想です♪-ゆかり(8/14-01:13)No.4008
 ┃┃┗ゆかりさんまたまたありがとうございます-ちび☆(8/14-11:14)No.4012
 ┃┣Re:祈り 第9章-中田 珂南(8/14-11:36)No.4014
 ┃┃┗中田 珂南さんありがとうございます-ちび☆(8/14-21:02)No.4019
 ┃┗Re:祈り 第9章-阿癸乃(8/14-17:09)No.4018
 ┃ ┗阿癸乃さんありがとうございます-ちび☆(8/14-21:07)No.4020
 ┣祈り 第10章-ちび☆(8/14-21:10)No.4021
 ┗祈り 終章-ちび☆(8/14-21:12)No.4022
  ┣ごめんなさいっ!名前を入れ忘れましたっ!-ちび☆(8/14-23:35)No.4023
  ┣Re:祈り 終章-むつみ(8/15-00:19)No.4025
  ┃┗むつみさんありがとうございます-ちび☆(8/15-17:03)No.4044
  ┣Re:祈り 終章-まくらん(8/15-00:40)No.4026
  ┃┗まくらんさんありがとうございます-ちび☆(8/15-17:04)No.4045
  ┣おつかれさまです!!-ゆかり(8/15-01:00)No.4027
  ┃┗ゆかりさんまたまたまたありがとうございます-ちび☆(8/15-17:05)No.4046
  ┣Re:祈り 終章-トロイメライ(8/15-01:21)No.4028
  ┃┗トロイメライさんありがとうございます-ちび☆(8/15-17:06)No.4047
  ┣ご苦労様でした!-三里桜架(8/15-06:57)No.4031
  ┃┗三里 桜架さんまたまたまたありがとうございます-ちび☆(8/15-17:07)No.4048
  ┣今度こそほんとに泣きました-リナみんと(8/15-09:29)No.4034
  ┃┗リナみんとさん、またまたまたまたありがとうございます-ちび☆(8/15-17:09)No.4049
  ┣Re:祈り-松原ぼたん(8/15-12:34)No.4037
  ┃┗松原ぼたんさんありがとうございます-ちび☆(8/15-17:10)No.4050
  ┣泣けた。(いや、マジに。)-阿癸乃(8/15-16:26)No.4041
  ┃┗阿癸乃さんまたまたありがとうございます-ちび☆(8/15-17:10)No.4051
  ┣Re:祈り-風太(8/16-04:39)No.4057
  ┃┗風太さんありがとうございます-ちび☆(8/16-10:06)No.4060
  ┣感謝の花束お送りします(はあと)-中田 珂南(8/17-13:04)No.4090
  ┃┗中田 珂南さんまたまたありがとうございます-ちび☆(8/17-16:08)No.4092
  ┣Re:祈り 終章-眠り猫(8/17-14:09)No.4091
  ┃┗眠り猫さんありがとうございます-ちび☆(8/17-16:09)No.4093
  ┣Re:祈り-猫斗犬(8/18-10:02)No.4104
  ┃┗猫斗犬さんありがとうございます-ちび☆(8/18-23:02)No.4109
  ┣Re:祈り 終章-やちよ(8/18-19:09)No.4106
  ┃┗やちよさんありがとうございます-ちび☆(8/18-23:03)No.4110
  ┣Re:祈り -白いウサギ(8/19-00:08)No.4112
  ┃┗白いウサギさんありがとうございます-ちび☆(8/19-22:38)No.4119
  ┣祈り 読みました-めぐみ(8/24-02:58)No.4171
  ┃┗めぐみさんありがとうございます-ちび☆(8/24-22:54)No.4184
  ┣良かったです。-月華院 彩子(8/25-20:43)No.4199
  ┃┗月華院 彩子さんありがとうございます-ちび☆(8/25-23:00)No.4200
  ┣コメントいいですか?-明美(8/26-02:56)No.4206
  ┃┗明美さんありがとうございます-ちび☆(8/26-22:18)No.4215
  ┗よませていただきました♪-つと(8/27-01:32)No.4216
   ┗つとさんありがとうございます-ちび☆(8/27-22:47)No.4220


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3881祈りちび☆ E-mail 8/7-21:34

初めまして。ちび☆というものです。
今までROMしていたのですが、つい魔が差してこんなものを書いてしまいました。

この話、全部で10章くらいになりそうな気がします(現時点では全部書いていませんので、確定ではありませんが)。
ツリーが落ちないよう、できるだけ早いうちにすべてUPしたいと思っています。
だらだらと長くてお目汚しな作品ではありますが、どうか気が向いた方は温かい目で読んでやって下さい。
……感想などいただけると、嬉しくて踊り狂ってしまうかもしれません。よろしくお願いします。

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3882祈り 序章ちび☆ E-mail 8/7-21:36
記事番号3881へのコメント

序章 紅の決戦


それは壮絶な戦いだった。
世界を滅びに導こうとする魔王と、それを防ごうとする人間達。
しかし、あまりにも力の差があり過ぎた。
いくら人間達の腕が良かろうとも、魔王に勝利する事は無理だったのだ。
……彼女がいなければ。




「みんな、大丈夫?」
リナは仲間達に問う。
「おぅ……」
「なんとか、な」
「正義は……負けません、から」
「……」
強烈な衝撃波を受けたものの、かろうじて直撃は避けたようである。
しかしこれまでの戦いで、誰もが深く傷を負っていた。このままでは、全滅するのもそう遠くない時間の事と思われた。

そこは緑豊かな平原、だった場所。かつては数多くの動物達が平和な生活を謳歌していた。
しかし、今は瘴気に溢れ、緑も失われている。
原因は、リナ達が対峙しているモノにあった。
赤眼の魔王。この世界の魔王の欠片。
……そして、かつての仲間、ルークであったもの。

あの時は、偶然だろうと思っていた。
覇王将軍シェーラの創りし剣ドゥールゴーファをその手でつかみ、将軍へと突き立てたのは彼。
手に取ったものを操り魔族化することも可能な剣を持ちながらも無事でいたのは、ひとえにシェーラがそれを剣に命じていなかっただけだと思っていた。
……まさか、それが、彼の内に眠る魔王のせいだったとは、誰も思っていなかったのである。
しかし、変化は緩やかに、そして着実に起きていた。
いつも「ミリーナらぶらぶ」だった彼が、物思いにふけるような素振りを見せ始めた。
リナ達が声を掛けると、そこで始めて気が付いたかのように、ミリーナへと甘い言葉をささやき始めるのである。
しかし毎度のように彼女に冷たくあしらわれ涙する彼の、本当に僅かな変化を、誰もさほど気に留めなかったのである。
そしてリナ達は、魔王の復活をもって初めて、気付かなかった事を深く後悔したのである。

(このままでは、やられるっ……)
リナはそう分析した。
ガウリイもかなりの傷であったし、ゼルガディスもアメリアもすでに息が上がっている。ミリーナも、すでに戦える状態ではない。
全員が、気力・体力の限界に達していた。
「……もう一度だけ問う。我の配下となれ。さすれば、命だけは助けるぞ?」
シャブラニグドゥがリナ達……いや、リナの方を見てそう言う。
(冗談じゃ、ないっ……!)
いくらリナでも、魂を売り渡すような事をするつもりは微塵もない。
「せっかく見初めてもらったところ悪いけど、あたしは死んでも魔族に協力する気なんてないわ」
強気で言い放つ。しかし。
「……ならば、この者達の命、失っても良いのだな?」
魔王が、視線をガウリイ達に向ける。はっとするリナ。
途端、猛烈な瘴気の刃が彼らを襲う!

ズパッ、ズパッ!!!!

「ぐあぁっ!」
「くっ……!!」
「きゃあぁぁっ!!!」
見えない刃が彼らの体を切り刻む。体中を紅い血に染めながら、彼らは倒れ込んだ。
「みんなっ!!!」
リナは思わず悲痛な叫び声を上げる。
皆、ただでさえ深く傷ついていた。そこへこの攻撃。もはや動ける状態ではない。
と、ガウリイが剣を杖代わりにして、ゆっくりと立ち上がる。
「悪い……が、俺……達……は、……負けるわけ、には……」
「ガウリイ!だめ、動いちゃ!!」
「リナ……守らな……ては……」
「ガウリイっ!!!」
全身を朱に染め上げながら、なおも戦いを続けようとするガウリイ。
深い悲しみと恐怖がリナを襲う。
「やめて……やめて……!!」
その様子を僅かな歓喜を持ちながら見つめる魔王。
彼らの感情を喰っているのだ。
「……くくく……心地よいぞ、おまえ達の心は。恐怖、怒り、悲しみ……それら負の感情は、われら魔族にとって無くてはならないものだからな」
片手を軽く上げる。紅い瞳に、残酷な光が宿る。
「その男、おまえの目の前で殺してやろう。そして、我に絶望という名の最高の馳走を捧げるが良い!!!」

その言葉を聞いたとき、一瞬、刻が止まったように思えた。
周りから音が消えた。周りの景色も消え、そこにあるのはただ闇のみ。
いや……赤眼の魔王とガウリイの姿が目の前にあった。
そして、リナは見た。
魔王の手から放たれた、圧倒的な力。
ガウリイの身体が紅き闇の槍に貫かれ。
ゆっくりと、ゆっくりと崩れ落ち、そして動かなくなる姿を。
『リ……ナ……』
焦点の定まらぬ瞳を向け、微かに囁き、そして命を失う、最愛の男の姿を。
……このままでは確実に起こってしまうであろう未来の光景を!

ハッと気が付くと、ガウリイはまだ無事だった。
今見た光景は、まだ現実のものとなっていない。
だが、魔王は力を集め始めている。
(あんなこと、絶対にさせない!!!)
リナの決断は早かった。

……四界の闇を統べる王
汝の欠片の縁に従い
汝が全員の力もて
我にさらなる魔力を与えよ

リナの身に付けたタリスマンが、十字の形に淡く光を放つ。
(たとえすべてが滅んでも、ガウリイは……ガウリイは、殺させない!!)
彼女は呪文の詠唱を続けた。

……闇よりもなお昏きもの
夜よりもなお深きもの
混沌の海よ たゆたいし存在 金色なりし闇の王
我 ここに汝に願う
我 ここに汝に誓う
我が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を

……それは禁断の呪文。
『混沌』……すなわち、金色の魔王・ロードオブナイトメアをこの世に具現させる呪文。
制御を誤れば金色の魔王にその器を奪われてしまう。
以前は運良く、世界も滅びず、また器を取り戻す事ができた。
しかし、次はそうはいかないだろう。
この世界にリナの器を通して具現した『混沌』は、今度こそこの世界を無に還すかもしれない。
それでも、絶対に譲れないものがあった。
(……ガウリイ)

「や、やめろ……!」
「駄目です、……その呪文はっ!!」
リナが何をしようとしているのか気付いたゼルガディスやアメリアが、慌てて止めようとする。
しかし、深く傷ついた身体は動かず、必死で掛けた声も彼女に届いているとは思えなかった。
「そんなことをすれば、お前だって……!」

「……」
ミリーナは、もはや己の意志に従わない身体を横たえながら、赤眼の魔王を見つめていた。
(ルーク……馬鹿な……人……)
いつも調子のいい事ばかり言っていて。
人目を憚らずに彼女に纏わりついてきた彼。
正義感がとても強くて、厳しかったけれど。
今は、赤眼の魔王に全てを奪われてしまった。
彼としての意識は無く、ただこの世界に滅びをもたらさんとするのみ。
もはや彼女になす術は何もない。
その頬を冷たいものが流れていた。

「重破斬(ギガ・スレイブ)!!!」
‘力ある言葉’を唱えると、リナの掌の上に黒い球体が現れる。
一見闇が集ったように思えるが、この黒の球体こそが『混沌』そのものである。
「これで……魔王を滅ぼす…………!?」

どっくん。

リナの心臓の音に共鳴するかのように、球体がその形を乱す。
何しろ、全てを生み出せしものの力である。
それを、たかが人間というちっぽけな存在が使っているのだ。
体力・魔力はおろか、魂すら急速に消耗していく。
呪文の制御が、失われていく。

どくんっ!

(だめっ!)
『混沌』が、揺れながら少しずつ大きくなっていく。
(前と同じ過ちを繰り返すわけにはいかないっ!)
必死に術を制御しようとするリナ。
しかし。

どくんっ、どくんっっ!!!

球体の乱れはさらに激しくなり、そして……リナの魂は闇に堕ちた。



……そして、輝く光の中。『彼女』は全てを視た……。



「リナあぁっ!!!」
一瞬、黒い闇に全身を包まれたリナ。
彼女に向かってガウリイは必死に叫ぶ。
しかし、彼女を包んだ闇は瞬時に消え、彼女は静かに佇んでいた。
眼を閉じ、その手に安定した小さな『混沌』を携えて。
「リナ……」
彼の言葉に導かれるかのように、……彼女はそっと眼を開ける。
強い意志の宿った紅い瞳。
「……さよなら」
小さく呟くと、黒の球体を握り潰す!

「ぐおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ…………!!!!」
リナの手から精神世界を通り転移した『無』に全身を包まれ、断末魔の声を上げる魔王。
必死に抵抗しようとするが、己より強大な存在の力の前には、抗う術はなかった。
その姿がゆっくりと『無』に溶け、そして……あたりには静寂が戻った。


「やっ……たの、か?」
魔王の姿が消え、あたり一面を包んでいた濃厚な瘴気が晴れた後。
ゼルガディスが問い掛ける。
「……ええ」
静かに答えるリナ。その眼は、魔王が溶けた空間を見つめたまま。
アメリアは不安そうな顔を向ける。
「リナさん……、リナさんは、本当にリナさんですか……?」
金色の魔王に身体を乗っ取られるという前科があったせいか、皆が真剣な視線をリナに注ぐ。
……沈黙の時が過ぎる。
「あたしは……あたしよ。リナ=インバースよ……」
だが、ゼルガディスは疑わしげな眼を向けた。
皆から逸らそうとしているリナの目をまっすぐに見据えて言う。
「本当に……リナなのか?……何だか様子がいつもと違う……ぞ!?」
その言葉に、再び皆の視線がリナに集まる。とたんに、傷ついたような表情をするリナ。
一瞬泣きそうな顔をし、そしてリナは激昂した。
「様子が違うって……当たり前じゃない!!!あたしは……あたしはっ、この手でっ、ルークを殺したのよ!?この手で!!!そりゃ魔王になってしまったけどっ!あいつは……馬鹿で格好つけでミリーナしか見てないような最低な奴だったけど!!でもっ、でもっ、……大切な仲間だったのに!このあたしがっ!!!!……」
感極まって叫ぶリナ。その様子に、皆がはっと胸を衝かれる。
そう、今彼女が倒したのは魔王でもあり、またルークでもあったのだ。
泣き崩れる彼女を、ガウリイが傷ついた身体でそっと支えた。
もはや誰も、何も言えなかった。
血のように真っ赤な夕焼けに、夜の帳が下りようとしていた……。



その後、ミリーナはリナ達一行と別れる事になった。
「もう、そろそろ旅も止めようかと思って……」
魔力剣を抱え、彼女は言った。
寂しそうな微笑み。
ルークの形見と共に、これから彼女がどう生きていくのか……リナ達には分からなかった。



「これからどうします?リナさん」
アメリアがリナに尋ねる。
そこは宿屋の2階、リナとアメリアの2人に割り当てられた部屋の中である。
「え?……あ、うん。どーしよっかぁー……」
どことなく元気の無い声でリナは答える。
リナはまだ復活していなかった。
まだ銀色が抜けない髪が示すように魔力が戻っていない事も事実だったが、何より、まだ精神的に落ち込んだままだったのだ。
(かつての仲間をその手で殺した心の痛手は、そう簡単に治るものじゃありませんしね……)
アメリアはそう思う。皆で彼と戦ったとはいえ、実際に手を下したのは彼女である。
そうしなければ皆の命、いや、この世界そのものが失われていたとわかっていても、それを納得することは難しいだろう。
気にするな、と彼女を説得する事ができないように。

「お〜い。メシに行かないか?」
空いたドアから顔を出し、ガウリイが食事に誘う。
「あ、リナさん!食事ですよ?さ、食べに行きましょう♪」
とりあえず、リナの気を晴らすためには食事が一番効果がありそうということで、最近皆はよく御馳走を食べに行っていた。
しかし、やはり落ち込んでいるのか、リナはいつも、たったの5人前しか食べなかった。
一番の趣味であった盗賊いぢめも、半月に1度しか行わなくなった。
(これは相当根が深い……)
皆はそう思った。
しかし、その考えは的確でもあり、また、全くの見当外れでもあったのだ……。



そして、ある日の朝。
リナは姿を消した。
昨夜まで使っていたはずの、宿の冷たいベッドに置き手紙を残して。

「みんなへ。
ちょっと一人で旅したくなっちゃったから、別れます。
みんな元気でね!」
短い手紙からは、彼女の真意を測る事ができなかった。

皆は各国を巡ってリナを探した。
しかし、彼女を見つけ出す事はできなかった。
彼女の故郷であるゼフィーリアにも行ってみたが、家に戻った形跡も無かった。
まさか、仲間を殺した罪悪感に耐え切れず自ら命を絶ったのでは……と心配する彼らに、リナの姉と名乗る女性は言った。
「大丈夫……あの妹(こ)は死んだりしていないわ。ただ……あの妹にはあの妹なりの考えがあって、あなた達と別れたのよ。
それに、私には判る。あなた達は、きっとまた、あの妹に会える」
静かな微笑み。
根拠など何一つ無かったのだが。
不思議と、その言葉は信じる事ができるような気がした。


……その後。
ガウリイは、リナを探し出す旅を続けた。
ゼルガディスは、己の身体を元に戻すための旅を続けた。
アメリアは、王女としての責務を果たすためにセイルーンに戻った。
皆、それぞれの道を進み始めた。


そして、物語は始まる……。

-----------------------------------------------------------------

はいっ!以上、意味不明の序章でしたっ!
う〜、何かやたらと暗いです……。
ルークいきなり死んじゃうし。
私は別に彼が嫌いなわけではありません。ただ、私の中では、彼はああなって、リナに殺される運命にあるんです(鬼)。
しかも、この話では、これ以降全く出番がありません。ミリーナも同様。哀れなり(←誰のせいだ)。

とりあえず、次から本編が始まります。
話の雰囲気ががらっと変わります。でも、一応続きです。……たぶん(笑)。
「仕方ないから次の話も読んでやるか」と思って下さったそこのあなた!
どうかよろしくお願いしますぅ……。

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3883祈り 第1章ちび☆ E-mail 8/7-21:37
記事番号3881へのコメント

第1章 虚ろな目覚め


「……へっ!?」
気が付くと、彼女の目の前に異形の化け物がいた。
そこは、森の中のちょっとした草原みたいな所であった。
緑の木々に半ば隠された青い空から、眩しい光が注いでいる。
光と影のコントラスト。
そして、その美しい光景には似つかわしくない魔物の姿。
(レッサー・デーモン……?)
瞬時に脳裏に浮かぶ言葉。しかし……
くはぁぁぁぁっっ!!!!
悠長に考えている暇など無かった。
デーモンが叫び声を上げると同時に、火の矢が現れる!
体を捻り、紙一重で炎を避ける彼女。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
しかしその言葉でデーモンが待つようなら、誰もデーモンに殺されたりはしない。
慌てて逃げようとする。
しかし、最初の攻撃を避けるために体勢は崩れていた。
もつれたように、地面へと倒れ込んでしまう。
動けない彼女に再び魔物が襲い掛かろうとした。その時!

ぎゃふうぅぅ……!!!

デーモンは崩れ落ちた。と、その後ろに、剣を持った少年の姿があった。
見たところ、16〜7歳といったところか。
明るい栗色の短い髪に、吸い込まれそうな青い瞳。
一応鎧を身に着けているようだが、旅の快適さを求めたのか、軽装だった。
手に構えた剣は、心なしか淡く光っているように思える。
デーモンの背中に走る、深い切り傷。
どうやら彼が、デーモンを倒してくれたようである。
しかし。
(……こいつ……どこかで見た事ある……?)
何故か懐かしさを覚える彼女。
だが、彼女には何もわからなかった。



少年も、驚いていた。
ハッと気がつくと、そこは見覚えの無い景色。
剣と鎧とマントを身に付けていたが、自分のものという感覚がなかった。
(ここは……どこだ?……俺は……くっ!)
頭の中が割れるように痛む。
ちょうどその時、後ろで何かの叫び声が聞こえた。
振り向くと、少女が化け物に襲われているところだった。
化け物は炎で少女を攻撃したが、彼女はかろうじて回避したようだった。
しかし、崩れた体勢では次の攻撃は避けられない!
少年は何も考えずに、身に付けていた剣を抜き、化け物へと切りかかった。
剣は、まるでそこにいるのが当然なように、しっくりと手に馴染んでいた。
そして、体の動くままに剣で斬りつけた。

(どうやら倒せたようだな……しかし……この少女(こ)は……)
崩れ落ちたデーモンの前で少年が力を抜いたとき。
背後で殺気が起こる!
無意識に剣を振りながら後ろを向くと、新手のデーモンがそこにいた。

ばしいぃっ!

構えていた剣で飛んできた炎をはじくことができたものの、距離が離れているため剣は届かない。
体をやや低めに構え、デーモンの方へ走り出そうとする。
そのとき、彼の耳に、なんとなく聞き覚えのある言葉が聞こえてきた。
「……『混沌の言葉(カオス・ワーズ)』……?」



少女は混乱していた。
とりあえず化け物は、目の前の少年が倒してくれたようである。
彼が誰だか知らない……、なのに。胸が締め付けられるような懐かしさを感じるのは何故だろう?
彼は……そして自分、は……???
しかし。
その思考を中断させたのは、少年の後方に現れた化け物の姿だった。
背後から襲ってきた炎を剣ではじいたものの、デーモンと彼との間には距離がありすぎる。
彼女は、脳裏に浮かんだ言葉を躊躇無く紡いだ。

……久遠と無限をたゆたいし
すべての心の源よ
  尽きること無き蒼き炎よ

体の中で、何かの力が流れるのがわかった。
渦巻くかのように溢れ出す力を制御しつつ、彼女は呪文を続ける。

  我が魂のうちに眠りし その力
  無限より来たりて 裁きを今ここに!

自分でも何故だか分からないが、自分でも意外なほど早く『混沌の言葉』を唱え終わる。
その意味すら意識しないままに。

「霊崩裂(ラ・ティルト)!!!」
『力ある言葉』と同時に、デーモンの周囲に青白い光が立ちのぼる!
デーモンが断末魔の声を上げる。
そして、蒼き光の中、跡形も無く消えていった……。


今度こそ化け物を全て葬り去って、安全になった時。
2人は、お互いに見詰め合っていた。
知らない筈なのに、知っている気がしていた。
何故だか、もどかしさに心が苛立つ。
言いたい事、聞きたい事がたくさんあるのに、喉から先に出てこようとしない。
呼吸が、できない。……苦しい……。

だが、このままでは何もわからない。
必死になって言葉を紡ぐ。
とりあえず、今一番聞きたい事は。

『あんた、あたし(俺)の事知ってる(か)!?』

お互いに指を差して同時に尋ねる。
そう。
2人は、記憶喪失であった……。



「う〜ん、やっぱり知ってる気がするんだけどなぁ」
「何か、一緒にいたような気がするのだけど……」
2人は湖の横の草むらに座り、考え込んでいた。
何しろ、気が付いたときはデーモンの襲撃を受けており、それ以前の記憶が何一つないのである。
いや、……何かを思い出しそうになることはあるのだが、その度に激しい頭痛が彼らを襲っていたのだ。
ただ、お互い「相手の事を知っている」という感覚だけは残っていた。
「どうやら私は魔法が使えるらしい、と」
「俺は剣を使うらしいな……でも、多分その魔法ってのも使えそうな気がする」
「どのくらいの事ができるかどうか、試してみなくちゃね」
「そうだなぁ……」
とりあえず、2人は今の自分達に分かる事を挙げてみる。
「持ち物は……何もないわね……」
「俺はこの鎧と剣くらいか?」
「他に何か無いの?」
「無い」
「あとは、……私のこの美貌!どこかの貴族のお嬢様かしら」
「……」
沈黙が流れる。
「ちょっと、何黙ってるのよ」
「いや、別に……」
流れるような金髪に、宝石をちりばめたような青い瞳。確かに少女は美人だった。
たとえ今のようにマントで身を包んでいる旅衣装であっても。
(だけど、自分でそれを言うかぁ?)
少年は内心で突っ込んだ。
「ちょっと!言いたいことがあるんだったら、はっきり言いなさいよね!」
「お……おい、目が怖いぞ。……いや、本当にきれいだなって思っただけ」
「あら、ありがと(はぁと)」
とたんに機嫌がよくなる彼女。ずいぶんと調子のいいことである。


「とりあえず……名前くらいは思い出したいわよね」
そんなに簡単に都合よく思い出せるとは思えないのだが。
「どこか服に名前でも刺繍したりしてないのか?」
「そんな恥ずかしいまねしてるわけないでしょ!!」
「いや、案外下着とかに名前書いてたりして」
「んな訳無いでしょ、このドスケベ!」
「ったく、馬鹿なこと言ってないで、もっと建設的な話をしなさいよね!」
「建設的ねぇ……んじゃぁ……、俺達の関係とか……イテッ!!!」
少女が少年の後頭部を重いきりどついた。
「ちょっと!なに変な事言ってんのよ!!!いい加減にしてよ!」
何故赤くなる?
……どうやら、少女は変な意味に取ったようだ。
少年はごく普通に当たり前のことを言ったつもりだったので、割に合わないのはたんこぶを作った彼の方であろう。
「いってーなぁ……暴力的なんだから……。ったく、やめろよなぁ。レイティア」
「……『レイティア』?」
少年のぼやきの中から、突然出てきた名前に驚き、聞き返す少女。
「え?あ?……レイ、ティ……ア……?」
少年も、自分が口にした言葉ながら、うろたえる。
その名前は、何故か聞き覚えがあった。
何度もその名を繰り返してみる。
「レイティア、……レイティア……、……レイティア…………っ!!!」
その時、2人の頭の中を、強烈な痛みと共に白い閃光が走った。

(……レイティア!ガルフ!2人とも、いいかげんにしなさいよね!)
(……だってぇ、レイティアったら、僕のおやつ取ったんだよぉ)
(……ガルフが食べないんだもん、だからあたしがもらったの!)
(……僕おやつ食べるもん!レイティアがさっさと取るんじゃないかぁ〜)
(……ったく……あんた達は双子の兄妹なんだから、もうちょっと仲良くできないの!)

……。
沈黙が流れ。
「……ガルフ?」
「……レイティア?」
二人は、お互いの名を呟く。
その名は、確かに聞き覚えがあった。
遠い昔から、そう呼ばれていたような気がする。
物心ついた頃からずっと一緒だったような……。
「何か懐かしいという感じがしてだけど、そういうことだったのか?」
「そっか……あたし達、兄妹だったんだ……」
しかし。
「何であたしがあんたの妹なのよ!」
いきなり少年の後頭部をどつく少女。さっきに比べ威力は倍増している。
「痛ぇっ!!!……何すんだよっ!」
抗議の声を上げるが、彼女はまるで無視。
「双子ってのはまだ許してあげてもいいけど、何で私の方が下になるの!」
「はぁ?」
生まれた順番を責められても困るのだが。
「だいたい兄弟だったら上のものが下をいじめるのが最高の楽しみっ!」
「……へ?」
突然、全く関係ないような事を言われ、何の事だかさっぱり理解できない彼。
「だから当然、あんたも私をいじめてきたって筈よね!……許さん!」
「いやそんな身に覚えの無い事を言われても」
「覚えが無いのは記憶が無いだけでしょ!」
「だからって本当にそんな事してたって限らないだろう!?」
「いいえっ!私がその立場だったら絶対そうしてるもの!」
「お前と一緒にするなぁっ!!!!」
「問答無用っ!今ここで過去の借りを返してやるっ!!!天誅っ!!!」
「う、うわあぁぁぁぁ…………!!!!!」
そして彼女の復讐(?)が始まった……。

「だいたい双子ってのはほとんど同時に産まれてくるのだから、どっちが上って関係ないはずよね」
「ま、まぁそうだよな」
ガルフが開放されたのは、1時間後だった。
すっかりボコボコにされている。恐るべし、レイティア。
「だから、あんたがえらそーに私に命令しようったって、そうはいかないんだからね!?」
彼をいじめて気が晴れたのか、すっかり上機嫌の彼女が高らかに宣言する。
(どっちかっつーと、俺の方がいじめられていたのでは……???)
頭をさすりながら考える彼。殴られることすらも懐かしく感じるあたり、かなり悲しいものがある。
しかし、賢明にもガルフは沈黙を守った。
思い出せてはいないとはいえ、過去の記憶がそうさせたのかもしれない。
だが。
(でも……俺って、多分、一応、兄ちゃんなんだよ、なぁ……?)
己の立場に思わず涙する彼であった……。


「んじゃ、とりあえずどこか街を探しましょうよ」
「そうだな」
あれからいろいろ考えてはみたものの、名前以上の事を思い出す事はできなかった。
自分達ではどうしようもない以上、いつまでもここにいても仕方がない。
時間を無駄に過ごして夜になり、野宿をしてまたデーモンなどに襲われたくないという点で、2人の意見は一致したのだ。
「とりあえずこの道沿いに歩けばどこかの街に着くんじゃない?」
「で、宿でも取ってゆっくりこれからの事でも考えようか」
2人は歩き始める。とりあえず、太陽の見える方向へ。

てくてく。
てくてく。
「……なんか腹減ったあ……」
「あたしも……」

てくてく。
てくてく。
「街に着いたら、とりあえず食事だな」
「そうね……」

てくてく。
てくてく。
「んで、ふかふかのベッドに寝るの……あ、もちろん部屋は別だからね!」
「わかった、わかった」

てくてく。
てくてく。
てくてく……。

2人は歩きつづけたが。
ふと、ガルフは恐ろしい予感に襲われる。
「……なぁ?」
「何?」
「レイティア、お前、お金持ってるか……?」
「!!!!!」
思わず歩みが止まる。
申し合わせたかのように冷や汗を流す2人。
ガルフが持っていたのは、身に付けている服と剣と鎧とマントのみ。
レイティアは、同じく身に付けている服とマントのみ。
一文無しで、どうやって食事をしたり宿を取ろうというのか。

……ヒュルルルル〜……

冷たい風が一陣、2人の間を駆け抜けた。

----------------------------------------------------------------------

はいっ!以上、序章以上に意味不明な第1章でしたっ!
あ〜もう、この章ってばスレキャラが1人もいないじゃないですか!
う……でも、これ、一応スレイヤーズのパロディ小説のつもりです。
……信じてね……。
できれば、次も読んでやって下さい……。お願いします……。

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3884祈り 第2章ちび☆ E-mail 8/7-21:39
記事番号3881へのコメント


第2章 出会いは騒々しく


真っ赤な夕日はすでに沈んでいた。
鬱蒼とした森の中、一組の男女が歩いていた。

「……着かねーぞ」
「んなの、あたしの知ったこっちゃないわよ」
空腹のせいか、2人の足取りは重くなっていた。
「ま、無事街に着いても、なぁ……」
「……金がないと、ねぇ……」
無一文では、食堂にすら行けない。
お腹が空腹を訴えて久しいが、その欲求を満たすことはできない。

しばらく無言で歩き続けた2人だったが。
ぽんっ!
レイティアが手を打った。
「そーだっ!ガルフ、あんたのその剣売りましょうよ」
「いっ!?」
突然の爆弾発言に目を向くガルフ。
「なんか見たとこ魔法剣っぽいし」
見たとこも何も、デーモンぶった切ったからには間違いなく魔法剣である。
「お、おい」
「そうすりゃ、とりあえず当面のご飯代くらいは手に入るわよ」
魔法剣ならばかなりの値がつくのだが、お腹が空いているせいか食事方面にしか頭が向かないらしい。
「ちょっと待て!」
レイティアはまるで聞いていない。
「よし、決ーまーりっと♪」
「勝手に決めるなぁ!!!」
ガルフの悲痛な叫び。ここで彼はささやかな抵抗を試みた。
「これ売っちまったら、どうやって身を守れっていうんだ!」
「魔法があるでしょ」
「うっ……」
あっさりかわされてしまった……。

そう、あれから2人は、自分が使えそうな魔法を色々試してみたのだ。
デーモンなどに襲われた時、さっきのように都合よく呪文を思い出すとは限らないからだ。
自分の事は思い出せないくせに、呪文は次々と頭の中から湧き出してくる。やはり身体が覚えていたのであろうか。
それによって分かったのは、ガルフもある程度の魔法を使えるが、レイティアの方がさらに強力な魔法を使える、という事だった。
……その実験の結果、ガルフの火炎球(ファイアー・ボール)で森が丸焼けになったとか、レイティアの竜破斬(ドラグ・スレイブ)で山が1つ無くなったとかちょっとしたアクシデントがあったものの、あとは概ね平和だった。

二人の口論は続く。
「でも、俺はたいした攻撃魔法は使えないって!大体、火炎球でデーモンは倒せねーよ!」
「そこは根性で……」
無茶を言うな、レイティア。
「どんな根性だ、どんな!?」
「バンダナつけて、増幅器付けて……」
「……いったい何の話だ?」
「んもー。だったら、あたしが守ってあげるわよ。高く付くけどね」
「冗談じゃないっ!」
「子供じゃないんだから、駄々こねてんじゃないわよ。ったく、世の中判ってないわねぇ」
「んな世の中があるかぁぁぁ!!!」
ガルフはほとんどキレる寸前。哀れなり。
「あんまり興奮すると血圧が上がるわよ」
「誰のせいだっ!」
「ま、あたし達が失くした記憶になんか関係あるかもしれないから、とりあえず取っとこうか」
「ほっ……」
安堵のため息をつくガルフ。
と、その顔が瞬時に険しいものに変わる。
すらり、と剣を抜く。
「囲まれてる、な」
「10ちょっと、かしら」
背中合わせになり、周囲に気を配る2人。
そこに現れたものは……。

「よーよーよー。こりゃまた別嬪な姉ちゃんじゃないか」
「優男の兄ちゃん、有り金とその女置いていきな!」
「そうそう。命がおしけりゃなぁ」
そこに現れたのは下卑た顔をした男達。
夜盗であった。黄金のお約束パターンである。
明り(ライティング)の明りで見える限りでは、12・3人ほどいる。
やれやれ、といった感じの2人。
そして、レイティアが金の髪を掻き上げつつ鼻で笑う。
「そりゃ、私が絶世の美人だって事は認めるけどぉ」
「独りで言ってろ」
思わず呟くガルフ。
しかし。

ごんっ。

レイティアの肘鉄がガルフの脇腹にヒット!
「……ってめーっ……」
抗議の声は無視。
「あいにく、あんた達の言う事聞く気なんて無いのよ」
あくまで強気なレイティア。虚勢でも何でもなく、これが地なのだから怖い。
しかし夜盗も余裕である。
「いずれ気も変わるって、くっくっ」
「そうそう。いやよいやよも好きのうちっていうだろ」
ちょっと違う気がするが。

はぁ……。
深いため息をつくレイティア。
「あーあ。知らねーぞっと」
ガルフが心底哀れそうに言いつつ、そっと彼女から離れる。
その行動を盗賊達が訝しく思う間もなく。
レイティアは片手を上げ、そして……攻撃呪文の花が咲いた。

「ちっ、こいつら何にも持ってやしねぇな」
「全く。人を襲うくらいなら少しは先立つものを持ってなさいっていうのよ」
2人は夜盗の持ち物を漁っていた。
襲ってきた夜盗はすでにほぼ全員くたばっている。
「まぁ、裕福な暮らしができないからこんな事してるのだろうがな」
「でも、ちょっとくらい溜め込んでてもおかしくないと思うけど?」
「……こ、こいつら……よくも……」
「氷の矢(フリーズ・アロー)」
まだ意識のあった夜盗をあっさりと氷漬けにしたのち、レイティアはいい事を思いついた。
「ねぇガルフ?こいつらがここに現れたってことは、きっとアジトが近くにあるってことよね?」
「ま、そーなんじゃねーの」
「そこに行けばお金がたくさんあるはずだわ!」

ごべしぃっ!

思い切りこけるガルフ。
「おい……まさか」
「アジトに溜め込んだお宝をぶんどれば懐が暖まるわ!ナ〜イスアイディア!」
「ちょっと待て!そりゃ犯罪だぞ!」
「だって、こいつら私達を襲おうとしてたのよ?その償いはさせなくちゃ」
「いや、だから」
「きっと金銀財宝が山のように……ふふふふふ」
すっかり妄想モード突入のレイティア。
「止めとけって、俺はまだ牢屋になど入る気はない」
ガルフは必死に止めようとする。しかし。
「ばれなきゃいいのよ、所詮は相手も悪党だし」
「おい゛……そういう問題じゃぁないだろ……」


とりあえず、2人は先を急ぐ事にした。
レイティアは、夜盗のアジトを襲う事にまだ未練を残していたが、
「んな事したら斬り殺すぞ」
という、剣を構えたガルフの説得(殺気付き)にしぶしぶ応じたのだった。
「……ったくぅ、何で夜盗の持ち物漁るのは良くてアジト襲うのは駄目なのよ」
「あいつらは現行犯だからいいんだっ!」
訳の分からない理論を振りかざすガルフ。
「あ〜あ、今度こそ金とか食料持った盗賊でもやってこないかな〜」
レイティアがそう思った時。
道の先に、再び人の気配を感じる。
思わず顔を見合わせる2人。
「あっちが襲ってくる場合は、別に構わないのよね……?」
「……そうだな」
空腹が判断を鈍らせたのか、相手を盗賊だと決めつけ。
にまぁ。
怪しげな笑みを浮かべ、二人は前方の闇へと向かう。

一方。
レイティア達と同じく、夜の森を歩いていた男女。
彼らも、前方から近付いてくる気配を感じていた。
「2人……だな。気配を隠そうとしているみたいだが」
「では、悪ですねっ!きっと、善良な旅人を襲う盗賊に違いありませんっ!」
「いや待て、ジュリア」
「いいえ、アストール兄さん。ここで悪を見逃したとあれば末代までの恥っ!早速成敗しなければ!」
「だから、それは相手を確認してからにしろと……」
ジュリアと呼ばれた少女は聞く耳を持たない。
「さぁ、かかっていらっしゃい、盗賊達!いつでも準備はオッケーです!」
動きやすそうな拳法着に身を包んだ少女は、目の前の闇を睨み付ける。
ため息を1つつき、少女を止めようとした少年アストール。
しかし、ふと立ち止まる。
(前からやってくる気配は……普通ではない?)
殺気……というのとは少し違うみたいだが、悪意というか、なんとなくイヤなものを感じる。
(これは……ただの旅人などという訳ではないな)
少年は黙って剣を抜いた。

「ふっふっふっ、相手もやる気みたいねぇ。覚悟しなさい、盗賊ども」
前方の気配が変わった事に顔を綻ばせるレイティア。
これじゃどっちが悪人だかわからない。
「2人……しかし、なかなか強そうだな……」
ガルフは油断無く剣を構え呟く。
そして2人は、一気に走る!

「来ます!」
前方から迫り来る気配に身構えるジュリア。
呪文を唱え始める。

そして……。

「火の矢(フレア・アロー)!」
「氷の矢(フリーズ・アロー)!」
2つの呪文が炸裂し……
ぱきぃんっ!!!
軽い音を立てて消える。
「くっ!」
レイティアは呪文の効果が消えた事に舌打ちする。
「……相互干渉!?」
炎系と氷系の魔法を衝突させると、お互いに消えてしまうのである。
「……ったく、森の中で火の呪文使おうって馬鹿がいるとは思わなかったわ!」
山をふっ飛ばした本人が何を言うのか。
とりあえず、彼女は再び呪文を唱え始める。

「ひ?え?何で?どーなったの!?」
何が起きたのか判らず、慌てるジュリア。
どうやら彼女は、魔法の相互干渉のことを知らなかったようだ。
しかし魔道士風の少女が更に呪文を唱えているのを見て、自分も再び詠唱を始めた。


きいぃん!!
2人の少年の剣はまともにぶつかっていた。
押しても相手に効きそうにないと分かり、ガルフは剣に込める力を一瞬緩め、すかさず剣先を変え相手に襲いかかる。
それをかろうじて受け流すアストール。
そこを狙ってガルフの剣がきらめく!
だが、慌てて体を捻ったアストールの服の一部を切り裂いただけだった。
「……やるな」
「……そっちこそ」
どうやら、お互いに強い相手と戦うことに多少なりとも喜びを感じているようだ。
2人は間合いを取った。


「魔風(ディム・ウィン)」
レイティアの呪文が先に炸裂した!
強烈な風に押され、近くの木に叩き付けられるジュリア。
「やりました、ねっ!」
しかし直後に復活している。
「……な、何なのこいつわ……」
ちょっぴり冷や汗をかくレイティア。あれだけの衝撃を受けてすぐさま立ち上がるなど、並みの頑丈さではない。
「お返し、行きます!火の槍(フレア・ランス)!」
(だ〜っ!!!また火の魔法かっ!!!!)
本気で慌てるレイティア。
避けたとしても、火事になること間違いなしである。
「……、誘蛾弾(モス・ヴアリム)!」
恐ろしいまでの早口で呪文を放つ!
これによって炎は消し去られた。
「いいかげんにしなさいよねっ、この盗賊風情が!」
叫びつつ距離を置く。
「何を言うんです!そっちこそ、盗賊のくせして!」
叫び返すジュリア。
(へ…………?)
……。
思わず沈黙が流れてしまう。
お互いに指を差し、恐る恐る尋ねる。
「あんた達、盗賊、で、しょ……?」
「あなた達、盗賊じゃ……ないんですか?」
相手が『悪』だと思い込んでいた2人。
「……」
「……」
「……ガルフ!」
「……アストール兄さん!」
少女達は猛ダッシュで走り出した。


2人の少年は戦いつづけていた。
キン、キイィンッ!
剣の打ち合う音が響く。
剣の腕は、ガルフの方が上であった。しかし。
「明り(ライティング)!」
強力な閃光が一瞬だけほとばしる!
アストールは、魔法をも絡めて攻めてくるのだ。
魔法にそれほど強くないガルフは、そのため苦戦を強いられていた。
光に目の眩んだ彼は、目を閉じたまま、遠ざかる。
(このままじゃぁ、キリがない……)
相手の気配を探りながら、ゆっくりと眼を開けるガルフ。
しかし……そこで見たものは、黒髪の少女にタックルを食らっている、つい先ほどまで戦っていた筈の魔法剣士の姿。
「へ……どうなってるんだ?」
呟いたのも束の間。
「戦うの、ちょ〜っと待ったぁ〜っ!!!」
声と同時に、後頭部に強い衝撃。
「だあぁっ!何すんだよ、レイティア!」
本日3回目の攻撃を受けた頭をさすりながら、怒るガルフ。
「だからちょっと待ってって言ったの!」
「だったら何で殴るんだ!?」
「もののはずみよっ!!」
「はずみで人の頭を殴るなぁっっ!」
「済んだ事をぐだぐだ言わないの!それよりっ!」
……とりあえず、休戦が成立した。


「……判りました。レイティアさん達は、先程襲ってきたという夜盗と私達を間違えたわけですね」
ジュリアがため息をつきながら言う。
肩の下で切り揃えた黒髪に、ぱっちりとした目元。なかなか愛くるしい少女である。
その横では、彼女の兄と名乗る剣士の少年、アストールが不機嫌そうな顔で立っている。
彼はやや青みがかった黒髪。短めに切ってあるが、涼しげな目元に合っているというか何というか。
とりあえず、レイティアは素直に謝る。
「ごめんねぇ〜。ついつい、ね」
ちなみに、盗賊から金品巻き上げようとした事は黙っている。
「……ったく、人騒がせな」
「でも驚いたのはこっちも同じだぜ?」
少年達はぶつぶつ文句を言っている。
「まぁそれはともかくとして。えっと、アストールさんにジュリアさん、だったっけ。どうしてこんな夜更けにここに?」
ぱたぱたと手を振り、話題を変えようとするレイティア。
「あ、それなんですけど。夕方くらいに、いきなりこの辺の森に火があがったんですよ」

ひくっ!

思わず顔のひきつるガルフとレイティア。
「それに、その後、轟音とともに山が吹っ飛んだな。あれには俺もびっくりした」

ひくひくっ!

「きっと悪人の仕業に違いないって思って、確認しにきたんです」

ひくひくひくっ!

「お前さん達、何か知らないか?」

ぶんぶんぶん。
慌てて、生きた首振り扇風機と化す。
(い……言えるわけ、ない……)
額に落ちる汗に、目の前の2人が気付かない事を祈るレイティア達であった。

「ご、ごめんね。あたし達にはわかんないや。それより……」
自分達が記憶喪失になっているらしい事を告げる。
それも、さまざまな修飾をつけて、不自然すぎない程度に哀れっぽく話す。
レイティアほどの美女が熱演(?)すれば、確かに回りの者は同情してくれるだろう。
それを証拠に、ジュリアは眼に涙を浮かべうるうるしているし、アストールもちょっと顔を赤くしてレイティアを見つめている。
「まぁ……それは大変ですねぇ」
手に握ったハンカチで潤む目頭を抑えながら言うジュリア。
「難儀な事だな」
アストールは少しそっぽを向いて言った。
「そうなの。で、お願いがあるのだけど……」
レイティアの「お願い」の言葉に、意味も無く胸を反らすジュリア。
「困っている人を助けるのは正義の使者の勤め!このジュリア、何でもお力になりましょう!で、一体何ですか?」
「お腹空いた……。何か……食べるもの分けて……」
「……」
「……」

--------------------------------------------------------------------

はいっ!以上、相変わらずスレキャラが出てこない第2章でしたっ!
話が全然進まないよ〜(涙)。
あ、でも、次こそはスレキャラが出てきます。
もしよろしければ、続きを読んでやって下さい〜(懇願)。

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3891Re:祈り 序章〜第2章三里桜架 8/8-04:33
記事番号3884へのコメント
どうも!はじめましてです!
『祈り』楽しく読ませてもらいました。
読んでいて、レイテリアとガルフはリナの子かな?と思いましたが・・・。
もちろん、父親は・・・!(金髪、青い目とくれば・・・ねぇ)
最初、レイティアがリナで、ガルフが未来から来たガウリィだと思ったのですが・・・。

>ぽんっ!
>レイティアが手を打った。
>「そーだっ!ガルフ、あんたのその剣売りましょうよ」
それでいいのかな〜?

>レイティアはまるで聞いていない。
>「よし、決ーまーりっと♪」
>「勝手に決めるなぁ!!!」
御自分の都合しか、考えておりませんな・・・。
>「でも、俺はたいした攻撃魔法は使えないって!大体、火炎球でデーモンは倒せねーよ!」
>「そこは根性で……」
>無茶を言うな、レイティア。
まったくです。でも、何かレイテリア、アメリア入っているような・・・?

>「バンダナつけて、増幅器付けて……」
ロスユにですか?(^.^)

>あくまで強気なレイティア。虚勢でも何でもなく、これが地なのだから怖い。
記憶なくしても、本能で知っていらっしゃるのですか?

>「では、悪ですねっ!きっと、善良な旅人を襲う盗賊に違いありませんっ!」
>「いや待て、ジュリア」
>「いいえ、アストール兄さん。ここで悪を見逃したとあれば末代までの恥っ!早速成敗しなければ!」
何かこのお人、アメリア入ってますねー。モロそのまんま(笑)

>もしよろしければ、続きを読んでやって下さい〜(懇願)。
もちろん読みますよ!
楽しみにしています。
頑張って下さいね!


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3893Re:ありがとうございます!ちび☆ E-mail 8/8-09:15
記事番号3891へのコメント
三里桜架さんは No.3891「Re:祈り 序章〜第2章」で書きました。
>どうも!はじめましてです!
>『祈り』楽しく読ませてもらいました。
>読んでいて、レイテリアとガルフはリナの子かな?と思いましたが・・・。
>もちろん、父親は・・・!(金髪、青い目とくれば・・・ねぇ)
>最初、レイティアがリナで、ガルフが未来から来たガウリィだと思ったのですが・・・。
ははは、そう思います?真実は……先をお楽しみに!

>>ぽんっ!
>>レイティアが手を打った。
>>「そーだっ!ガルフ、あんたのその剣売りましょうよ」
>それでいいのかな〜?
お腹が極度に空いた人は、冷静な判断力を失わせる……のかもしれません。

>>レイティアはまるで聞いていない。
>>「よし、決ーまーりっと♪」
>>「勝手に決めるなぁ!!!」
>御自分の都合しか、考えておりませんな・・・。
それが彼女です。とんでもないなぁ(笑)。

>>「でも、俺はたいした攻撃魔法は使えないって!大体、火炎球でデーモンは倒せねーよ!」
>>「そこは根性で……」
>>無茶を言うな、レイティア。
>まったくです。でも、何かレイテリア、アメリア入っているような・・・?
いや、これは下の言葉に引っかけているんですよ。

>>「バンダナつけて、増幅器付けて……」
>ロスユにですか?(^.^)
そうそう(笑)。
いや、ガルフ君の設定が、「栗色の短髪に青い瞳」なのですが、ほとんどイメージがケインそっくりなんですよね。だから思わずこんな事を書いてしまいました。

>>あくまで強気なレイティア。虚勢でも何でもなく、これが地なのだから怖い。
>記憶なくしても、本能で知っていらっしゃるのですか?
夜盗に出会うまでのわずかな時間で悟ったのかも。
……やっぱり本能でしょうか?

>>「では、悪ですねっ!きっと、善良な旅人を襲う盗賊に違いありませんっ!」
>>「いや待て、ジュリア」
>>「いいえ、アストール兄さん。ここで悪を見逃したとあれば末代までの恥っ!早速成敗しなければ!」
>何かこのお人、アメリア入ってますねー。モロそのまんま(笑)
思いっきりアメリア入ってます(笑)。
彼女が何者かは、次の章で明らかになります!

>>もしよろしければ、続きを読んでやって下さい〜(懇願)。
>もちろん読みますよ!
>楽しみにしています。
>頑張って下さいね!
読んでいただいて、本当にありがとうございます!!!(*^^*)
出来るだけ早く続きを書きますので、よろしくお願いします!

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3894祈り 第3章ちび☆ E-mail 8/8-09:17
記事番号3881へのコメント

第3章 忘却の捜索


がつがつがつがつ。
「あ、このスープおいしい♪」
「このサラダもなかなか」
「う〜ん、このチキンは最高!」
「ソースが絶品だよな」
レイティアとガルフは、ひたすら御飯を食べていた。

ここはアストールとジュリアの家。
空腹を訴えるレイティア達は、彼らの好意により家へと招待されたのだ。
そしてレイティア達は、彼らの母親が作ってくれた料理を御馳走になっているところである。
普通ならば突然の訪問者に驚くところであろうが、この女性は性格的に強靭なのか、
「困っている人を助けるのは当然ですから」
と、当たり前のようにレイティア達をもてなしたのである。
この女性、アストール達の年齢から考えると30代の後半といったところであるが、とても若々しい。
ジュリアと良く似た輝く瞳と人懐っこい笑顔のせいか、28・9にしか見えない。
「さぁ、どんどん食べてくださいね」
次から次へと料理を運んでくる。
……手慣れているところを見ると、普段から大量の料理を作っているのか。
「……しっかし、こいつら、よく食うよな」
アストールが呆れたように呟く。
すでにそれぞれ5人前くらいは食べているにも関わらず、2人の勢いが落ちる気配はない。
「私達もこのくらい食べるじゃないの、兄さん」
「それはそうかもしれんが、普通の奴はこんなに食わんぞ」
そこへ母親が、新たな料理を抱えてくる。
「まぁまぁいいじゃない。いっぱい食べるのは元気な証拠!」
「……母さん……」
2人は絶句した。
彼らの母親が持ってきた料理は、さらに20人前くらいはあったからだ。
「……そんなに作っても、食べきれないと思うけど」
さすがに無理なのでは、とジュリアは思った。
「そう?大体このくらいがちょうどいいかな、って思ったのだけど」
にっこり笑っている。
「……一体どういう基準でそうなったんだ……?」
机に突っ伏したまま、げんなりとして尋ねるアストール。
そんな2人を見ながら、母親はふと遠く懐かしい眼をする。
「ちょっとした知り合い……かな?」
「?」
「??」
不思議そうな顔をする2人。
「……昔の事よ。さあさぁ、あなた達も手伝って。後片付けもしなくちゃ」
空になった皿の山を抱え、3人は台所へと向かった。


「……ぷはぁ〜、お腹いっぱい♪」
「食った食った!」
信じられない事に、テーブルの上の料理は全て、見事なまでに空になっていた。
(この身体のどこに、これだけの料理が入るのか!?)
幸せそうにまどろむ2人に、アストール達は掛ける声を失った。
その時、部屋の扉が開く。
「……帰ったぞ」
ぶっきらぼうな声とともに、男の姿が現れた。
年は40頃か。青に近い黒髪に、少し焼けた白い肌。
少々つり上がった眼が、彼に厳しい印象を与えるようだ。
と、アストール達の母親が彼に飛びつく。
「お帰りなさい、あなたっ!」
子供のようにはしゃぐ彼女の額に軽くキスをする男。
どうやら、彼がアストール達の父親のようである。
(子供たちの前なのに、恥ずかしくはないのかしら?)
レイティアは思った。
そして、彼は部屋を見渡し、見慣れない者がいることに気付いた。
「……誰だ?」
小さな声で呟くと、彼に抱き着いたままで母親が答える。
「あ、この人達はガルフさんとレイティアさんです。……どうやら記憶喪失らしくて。で、お腹が空いているそうなので、御飯を食べてもらったところなんです」
不十分な彼女の説明ではあったが、何故か彼は納得したようだ。
とりあえず、自分達に害をなすものではないだろうと判断したようである。
「あ、その、……おじゃましてます。多分、レイティアっていう者です」
「お、俺はガルフ……です」
さすがに多少は恐縮したようすの2人に、男は名乗る。
「……ゼルガディス=グレイワーズだ」
「あ、そういえば私も挨拶してませんでしたね!私はアメリア=グレイワーズ=ウィル=テスラ=セイルーンっていいます!」
その名を聞いたガルフが、驚いたように尋ねる。
「ずいぶん長い名前ですね。ひょっとして、あなたは……」
皆の注目を集めながら、彼はきっぱりと、言い切る。
「世界一長い名前の方じゃありませんか!?」

すぱこぉぉんっ!!!!
どこから取り出したのか、すかさずレイティアがガルフをスリッパで殴り付ける!

「何馬鹿なこと言ってるのよ、この大ボケガルフ!」
殴られた彼の後頭部は本日4度目の攻撃に耐え切れず、完全に沈黙した。
「ったくこの馬鹿は……。あ、すみません。……あのぉ、アメリアさんって、ひょっとして……セイルーン王家の方ですか?」
恐る恐る尋ねるレイティアに、彼女……アメリアはぱたぱたと手を振る。
「まぁ、そうですね。一応第2王位継承権を持ってますし。でも、私は王家を継ぐつもりはありませんから」
いたってにこやかに告げる。
「……ってことは……、アストールさんにジュリアさんも?」
真っ青な顔をして尋ねるレイティア。
まがりなりにも、セイルーン王家の一員に襲い掛かったなんてことが公になれば、死刑はまぬがれない。
「はいっ!」
にっこり笑うジュリア。
彼女の笑顔を見て、レイティアの意識は遠のきそうになった。
(あぁ、私の命もあとわずか。美人薄命って本当なのね……)
……自分がやった事は棚上げしている。
その様子を見てか、アストールが慌てて言う。
「だからといって、おまえ達の事をどうこういうつもりはないぞ?」
「?」
不思議そうな顔をするジュリア。どうやら彼女は、兄の言葉の意味が分からなかったようである。
「……何かあったのか?」
とたんに眼が険しくなるゼルガディス。
その眼光に押され、レイティアは思わず腰を引く。
「何でもない。それより父さん、他に客が来てるんじゃないのか?」
アストールの声に、扉の向こうの人影が動く。


「あ、あの……」
腰まで伸ばした黒髪、抜けるように白い肌。
清楚なイメージの美少女が現れた。
「ご……ごめんなさい。ちょっとタイミングを逸してしまって……」
はにかんで答える彼女。
「まぁ、セラさん。いらっしゃい!」
アメリアが微笑む。と、レイティア達の方に向かって言う。
「あ、この方は、セラさんっていいます。近所に住んでいる神官長の娘さんです」
「初めまして」
優しく微笑む。巫女なのだろう、清々しい空気が彼女を包んでいる。
「セラさん、こちらはレイティアさんにガルフさんです。……そういえば、今日は一体?」
「母が作ったものです……一人では食べきれないので、おすそ分けしようかと」
そう言ってセラは、大量のクッキーの入ったバスケットを差し出す。
「まぁ!いつもいつもごめんなさいね。……あら?一人って、シルフィールさんは?」
「あ、母は今夜は神殿に宿泊するそうです。何でも、……これから、何か波乱が起きそうだって……」
「……波乱?」
怪訝そうに聞き返すゼルガディス。しかし、その眼には疑いの色はない。

巫女、と呼ばれるものには、神託とも言うべき予知の力がある。
いつ、どこで、どのような事を予知するのか、それは当人にも分からない。
かつて、だれかが便所で十年後の大根の値を予知した事もあるという。
だが、その予知されたことは必ず起こるのだ。
神官長であるシルフィールには、未だその力が残っていた。
その彼女が神殿に篭るほどの「波乱」……。
ゼルガディスは不安を拭い切れないでいた。

「……それはともかくっ!」
判っているのかそうでないのか、アメリアの明るい声が響く。
「セラさん、この方達は記憶喪失なんですって。記憶を取り戻すいい方法ってありませんか?」
「そうですね……」
考え込むセラ。
「あの、お聞きしますが、どのくらい覚えられているんですか?」
セラがレイティア達に聞いてくる。
「えっと……とりあえず名前かな。それと、あたし達が兄妹だってこと……」
他になにかあったっけ……必死に思い出そうとするレイティアに、
「でも、それは確かってわけじゃないよな」
いつのまにか復活していたガルフが後を続ける。
「子供の頃の記憶……あれは本物なのか?」

あの記憶が頭の中を巡ったとき。
確かに、それぞれの名前を懐かしく感じた。兄妹だというのも、すんなりと受け入れる事ができた。
しかし、その他の記憶は全く戻らない。
世界、常識、魔法。そういった一般の知識は残っているのに、自分達に関する事だけがすっぱり抜けている。
その中で唯一思い出した記憶。子供の頃の記憶。
お互いの名前と、兄妹である事を裏付ける記憶。
だが、それしか分からない。ゆえに、不自然すぎる。
都合が良すぎるのだ。

「……偶然、といえばそれまでなのかもしれない。けれど、俺は……何となく変な気がするんだ」
少々暗い表情でガルフが呟いた。
「おおっ!ガルフがそこまで考えてるなんて!てっきりお馬鹿かと思ってたのにっ!」
「もしもーし?」
「……でも、それこそ考えすぎなんじゃないの?」
レイティアが一蹴する。
「……そりゃ確かに都合が良すぎるかな〜ってあたしも思ってたわよ。だけど、これはあたし達が何者なのかっていう
唯一の手がかりなのよ?それを否定してたら、あたし達は何もできなくなるじゃない」
彼女が何だか泣きそうな顔をしていると思ったのは、アストールの気のせいか。
「とりあえず、この記憶……すなわち、あたしがレイティアで、あんたがガルフだって事から始めなきゃ。……駄目だったら、それはその時のこと。また、一から探し直せばいいのよ」
前を見つめて言い切る彼女。
「……そうだな。とりあえず、今の自分達で分かる事を元に、できる事をしなくちゃな」
「そうですよっ!私達もできる限りの協力をしますから!ねぇ、兄さん?」
レイティアの手を強く握るジュリアの言葉に、アストールも小さく頷く。
「そう!これこそが美しい友情!青春の1ページっ!!!」
意味も無く叫ぶアメリア。……いったい、いつ友情が成立したのか?

「……とりあえず、お2人とも魔法が使えるのですのよね。でしたら、魔道士協会で調べてみてはどうでしょう?」
セラが提案した。
「魔法は、確かに個人で学ぶ事もできます。しかし、レイティアさん達ほどの歳で自学だけで学んだとは考えられません。
やはり、どこかの学校かなにかで学んだはずですよね。とすると、どこかの魔道士協会とか、魔道士養成学校の名簿に名前が載っていないでしょうか?」
「……そうだな。大変だが、それが一番確実かもしれないな」
ゼルガディスも肯く。
魔道士は珍しい存在ではないが、この世界の人すべてがそうであるわけではない。
2人が魔道士、というだけで、多少は絞る事ができるはずである。
「……お願いします」
レイティア達は、彼らの世話になる事にした。

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はいっ!以上、ちょっとだけ話の進んだ第3章でしたっ!
でも、伏線は全然明かされていないし。
……無事終わる事ができるのかなぁ……?
ちょっと心配ですが、どうか見捨てないで下さい……。

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3895祈り 第4章ちび☆ E-mail 8/8-09:20
記事番号3881へのコメント

第4章 魔族の襲撃


そして、1ヶ月後。
「ない〜っ!!!」
「ないぞ!!!」
「……ありませんね」
アメリアの持つ特権を利用して、近辺の国の魔道士協会・養成学校から膨大な量の名簿を手に入れる事ができたレイティア達は、1週間かけて名簿を調べていた。
しかし。
どこの魔道士協会にも、魔道士養成学校にも、彼ら兄妹の名前はなかったのである。
また念のためにと、弟子をたくさん取っている魔道士にも連絡して確認を行ったのだが、誰一人として「そんな弟子はいない」との返事しかよこさなかった。
今日、最後の名簿を調べていたのだが、結局それにも名前が無かったのである。
「んも〜っ、どうなっているのよ!」
自分の事でありながら、キレつつあるレイティア。
「ひょっとして、レイティアさん達って、生まれたときから魔術を使っていたんですかね?」
少々からかい気味な口調でジュリアが言う。
……彼女なりに、レイティア達を元気付けようとしているのであろう。

あまり表には出さなかったが、レイティア達は相当苦しんだ。
己の事がわからない苦しさ、それは実際に同じ立場になったものにしか分からないであろう。
足が地面についていないような不安感。
己がここにいるという実感すら危うくなる。
なのに、自分達が何者なのかわかる可能性はもはや低い。
大分諦めがついてきたものの、相当ストレスが溜まっているようである。
そしてそれを解消するためか、ガルフはいつもレイティアに殴られていた。
それは今日も同じ。

「痛て〜〜〜〜っ!!!!」
もはや恒例となった行為ではあるが、だからといって痛みまで慣れるわけがない。
頭をさすりながら、ガルフは怨めしそうな眼をする。
「治癒(リカバリイ)」
そして、その傷を治療するジュリア。これもまた、日常茶飯事となっていた。
「レイティアさん、双子とはいえ一応お兄さんなんですから、少しは労わらないと」
「……俺は老人かい……」
「ガルフだからいいのよっ!」
全然根拠の無い事を言い放つレイティア。
「それにしても、ジュリア、あんたはお城へ行かなくてもいいわけ?」
彼女の兄であるアストールはここしばらく家を離れ、王宮のほうへ行っていた。
一応王位継承者ということで、教育を受けたり雑務をこなさなければならないからだ。
しかしジュリアはずっとレイティア達の側にいて手伝ってくれたのである。
「いいんですよ。私も母さんと同じく、王家を継ぐつもりなんてありませんから。それよりっ!正義のヒーローになるためには、困っている人を助けなければいけませんっ!レイティアさん、私はどこまでも付いていきますっ!」
「……」
ジュリアは、母親譲りの正義漢で、困っている人には手を差し伸べずにはいられない、優しい性格だった。
ただ、意気込みが強すぎて暴走し、反って迷惑を掛ける事も多々あったが。
とりあえず、「悪が徘徊しないように!」毎日山の見回りは欠かさないようである。
……世話になっている以上、レイティア達も一緒に行くこととなっている。
ゼルガディスに頼まれたのだ……やはり娘の事が心配らしい。
それにしても、ジュリアのヒーローかぶれには、時々ついていけなくなる。
レイティアはそっとため息をついた。
(この人達に助けてもらえたのは、運が良かったのか悪かったのか……)
確かに、記憶無し、ついでに一文無しの彼らに、宿と食事を与えてくれるのは非常にありがたかったのだが。
「それにしても……」
結局、魔道士協会関連の情報では、自分が何者なのか分からなかった。
覚悟していた事とはいえ。
声に出さず呟き、レイティアはそっと瞳を閉じた。


その夜。
久しぶりにアストールが帰ってきた。
「お帰りなさい、兄さん!」
飛びつくジュリア。その様子は、アメリアそっくりであった。
「どうした?ジュリア」
甘えてくる妹に、何か裏があるなと見抜きながら尋ねるアストール。
「へへっ。あのね、今から山の見回りに行こうと思うの。兄さん、一緒に来て?」
にっこり笑って言う。
そこへアメリアがやってくる。
「ジュリア、今日はレイティアさん達とは行かないの?」
「レイティアさん、今お風呂に入ってますし。ガルフさんも、今日は疲れたのかもう寝てます。いっつも一緒に来てもらってるから、たまには休ませてあげたいなって思って……」
ガルフ達を気遣うジュリアを優しく見つめながら、アメリアは息子に向かって言った。
「帰ってきたばかりのところ悪いけど、行ってやってくれる?」
「……分かった」
「今日は、何だかすっごいものと出会いそうな気がするの!これは絶対に見逃せないわ!!!」
一人で盛り上がるジュリア。苦笑しながら、アストールは妹を連れ、夜の山へと繰り出した。



満月がきれいな静かな夜だった。
「ねぇねぇ兄さん、ほら!あそこでうさぎさんが寝てますよ!」
「こら、騒ぐな」
「あっ!あっちにも……!」
「そんなにうるさくしてると、見回りにならんだろうが」
「きゃぁ♪これはっ!!!」
……静かな、夜だった……。
その時。

っどごおぉぉぉんっ!!!

けたたましい轟音と、濃い瘴気があたりを埋め尽くした。
「……デーモン!!!」
2人の周りに、10匹近くのデーモンが現れていた。
何が起こったのか理解できず一瞬パニックに陥ったジュリアとは対照的に、アストールが冷静に呪文を唱える。
間髪入れずに多数の炎が2人を襲う!

ばしいぃっ!

しかし、アストールが張った風の結界によって、炎は2人に届く事はなかった。
「いくぞっ!ジュリア!」
「わかったわ、兄さん!」
2人はデーモンに向かい、走りながら呪文を唱える。
「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」
「霊王結魔弾(ヴィスファランク)!」
剣に、拳に、それぞれの魔力を与え。
兄妹はデーモンに反撃を開始する!

「……はあっ、はぁっ……」
10分後。
息を切らした2人は、やはり10匹のデーモンに囲まれていた。
ただし、死体にである。
だが、2人はかなり疲労していた。
デーモンは、並の戦士や魔道士では、まるで歯が立たない存在である。
いくらアストール達がかなり腕に自信があるといっても、さすがに2人対10匹は苦戦したのである。
「……ったく、ジュリア、の……予言通りに、……なった、な……」
「まった、く、よね、……。ちょっと、すご、かった……ったら……。何で……」
「今、新手……が、来たら、まずい、な……」
地面に半ばへたり込みながら呟くアストール。
その時。

『お呼びかい?』

突然あたりに声が響く。
疲れきった体を無理矢理起こし、アストールとジュリアはあたりの気配を探る。
『くっくっくっ……さすがはセイルーン王家のものだねぇ……』
「!!!!」
闇を割って、それが姿を表す。
黒い肌、人間に似つつも何となく不自然な形の身体。赤い瞳。
……魔族だった。
愉快そうに笑っている。
(何故、こんな所に魔族が!?)
驚愕が走る。
『まだ子供と思ってたら、そこそこはやるじゃない』
「お褒めにあずかって、光栄の至り……ってやつか?」
内心の恐怖を抑えながら剣を構え、唸るアストール。
『デーモンくらいじゃ、少々役者不足だったかしらねぇ』
「なんて卑怯な事をっ!」
ジュリアが魔族に指を突きつける。
「私達を襲わせるのはデーモンに任せ、自分は手を汚さず闇に潜んで見学するだけなんてっ!!!」
「……おい……」
「魔族の風上にもおけませんっ!」
意味不明なことを言うジュリア。どうやら驚きのあまりパニック状態となったようだ。
「……魔族にそんなこと言っても意味無いだろうが……」
すると、魔族はなおも笑いながら、
『なるほど……ならば私が手を下せばいいのだな?』
あっけなく最終宣告を告げる。
言うなり、黒い闇が衝撃となって彼らを襲う!
避けきれず、吹き飛ばされる2人。
そして、木に強く叩き付けられる!

「くっ……」
なおも立ち上がるアストール。
だが、この魔族相手に勝ち目がないのは目に見えていた。
『ふふふ……おまえの負の心は非常に美味しいねぇ……』
彼の焦り、恐怖心を喰っているのか。魔族は満足そうだ。
『このまま遊んでいたいけれど……こちらも事情があるのでね。このまま死んでもらうよ!』
そして再び衝撃が襲う!
しかも先ほどよりも威力が大きい。
(避けられない!)
アストールは死を覚悟した。

……が。
(生きている……?)
思わず眼をつぶった彼は、自分を襲ったはずの衝撃が来なかったことを知った。
ゆっくり眼を開ける。
と、彼の眼には、男の後ろ姿が映った。
「おやおや、いけませんねぇ、弱いものいじめなんて。まったく、魔族の風上にもおけませんねぇ」
落ち着いた感じの声。
後ろ姿からは顔はわからないが、目の前の魔族におびえている様子は全くない。
肩でそろえた黒髪。マントに隠れてはっきりとは分からないが、肩から大きな鞄を提げているようだ。
『き……貴様はっ!!!』
魔族の声が慌てる。
「見たところ海王様の配下の方のようですが」
『貴様、何故邪魔をする!』
「少々訳がありまして。……申し訳ないんですけど、どうでしょう、ここはお引き取り願えませんかねぇ?」
あくまで口調は淡々としている。
しかし、アストールは、背中に強烈な悪寒を感じた。
自分を庇った男の口調に圧倒的な『気』を感じ、それに思わず恐怖したのだ。
『……くっ……、今だけは、引いてやる!』
やはり同じものを感じたのか。
そう言うと、魔族は闇の中に姿を消した。

「危ないところでしたねぇ」
魔族が消えた後。
2人を助けたその男は、にこにことした表情で言った。
ただでさえ細い目が、さらに糸のように細くなっている。
胡散臭い雰囲気がプンプンしているが、2人が助けられた事は確かだ。
「……とりあえず、礼はいう」
「あ、危ないところを助けていただき、ありがとうございましたっ!」
礼を言う2人。
しかし。
「いやぁ、本当は助けるつもりなんてこれっぽっちも、微塵も無かったんですけどねぇ」
やはりにこにこ笑ったまま言う。だが、言っている内容はとんでもない。
アストールとジュリアは思わず眼を丸くした。
「本来なら見捨てていくところなんですけど、今はちょっと間が悪かったんですよね。あの人達が近くにいますし。見捨てた事がばれちゃったら、どんな仕置きをされるかわからないから、とりあえず助けてみました」
「……あんた、何者だ」
平気な顔でいけしゃーしゃーと恐ろしい事を言う彼に、怪訝そうな眼を向け尋ねるアストール。
「僕の名はゼロス。謎のプリーストです」
自分で「謎の」なんて言っているあたり、怪しさ大爆発である。
「あなたは、一体、何故ここに?」
ジュリアが尋ねる。しかし、ゼロスと名乗った男は、虚空を見つめたかと思うと、口元に指を当て、
「それは秘密です(はぁと)」
にっこりと笑う。
思わずげんなりとして眼を覆うアストール達。
しかし、次に眼を開けたときには、彼の姿は消えていた。
「……なんだったんだ、今のは……」
「……さぁ……?」
放心する2人。しかし、再び夜空に轟音が響き渡る!

どっかあぁぁぁぁぁんっ!!!!

そう遠くない場所のようである。
一瞬2人は眼を合わせたが、小さく肯くと、音のしたほうに向かって行った。
……さっき、さんざん危ない目にあった事を忘れているのか……?

2人がそこに着いた時。
ひょっとしたらいるかもしれないと思っていた、魔族の姿は無かった。
変わりにそこにいたのは。
「ひっ、ひぃ〜っ!い、命だけは、助けてくれぇ」
恐怖におびえ、情けない声をあげる男と、
「……ぐだぐだうるさいわねぇ。さっさと吐くだけ吐きなさいよ!!」
男の襟元を締め上げ、脅している女の姿だった。
彼らの周りには、更に数人の男達が倒れ伏せている。
「あ、あれは罪無き旅人をおそう強盗ですね!早速成敗せねばっ!」
またもやジュリアが決め付ける。
だが。
「……あんた達に名乗る名前なんてないわっ!さぁ、あんた達の溜め込んだお宝をよこしなさいっ!!!」
どう見ても、彼女の言う通りとしか思われなかった……。

「火炎球(ファイアー・ボール)!!!」
ジュリアが女に向かって魔術を放つ!
自分に向かってくる火の玉に気付いた女は、ぱっと男の手を放し、後ろへと飛んで逃げる。
「んぎゃぁっ!!!」
当然、火炎球は逃げられなかった男に直撃。
男は丸焦げになった。
「なんてひどい事をっ!」
指を突きつけ、女に向かって叫ぶジュリア。
「今のはあんたのせいでしょうがっ!」
女が叫ぶ。栗色の長い髪が、爆風の余波を受けて揺れていた。
「いいえっ!旅人を襲い、金品を巻き上げようとするあなたのさもしい心が、彼をあんな目にあわせたんですっ!」
「違うわぁっ!!!」
「それはともかくっ!」
……ともかく、ではないと思うが。
「あなたみたいな悪人を許すわけには行きませんっ!雷撃破(ディグ・ボルト)!!」
いきなり雷の魔術で女におそいかかるジュリア。
「ちっ……、虚霊障界(グームエオン)!」
女はとっさに結界を張る。
雷は霧散した。
(あれほど早くに防御呪文を完成させるとは!こいつは……ただ者じゃない!)
女がかなりの腕を持っている事に気付くアストール。
そこで彼は女の死角を狙って襲い掛かろうとする。
しかし。
「……おっと、おまえさんの相手は俺だ」
どこから現れたのか。
金髪の剣士がアストールの行く手を塞いだ。

戦ってすぐに、アストールは、目の前の剣士が己の技量をはるかに上回っていることに気が付いた。
何しろ、相手の剣の腕は天才的とも言えた。ガルフもアストールの上をいくかなりの腕であったが、この男はさらに強かった。
そこで彼は魔法をも用いて戦ったのだが、いかんせん相手に通用しない。
というのも、彼が呪文を唱えようとすると攻撃が厳しくなる。詠唱を邪魔するのである。
何とか詠唱を終え唱えたとしても、当たらない。
人間業とは思えないすばやさで、ことごとく躱してしまうのである。

そして、ジュリアも彼女の兄と同じように苦戦していた。
彼女が相手にした女は、とても強かったのだ。
ジュリアが呪文を放つと、まるで待ち構えていたかのように呪文で防御するのである。
そして間髪入れず、攻撃呪文を唱え、彼女に放ってくるのである。
ただし、それはあまり強力ではない魔法で、何とかジュリアにも避けたり防御したりできる程度のものであったが。
そこでジュリアは体術を用いて戦ってみたが、相手の女もかなりの腕らしく、ジュリアの放つ技を簡単に避けてしまうのであった。

(このままでは、勝てない……)
そう思ったアストールは、急いで呪文を唱える。
剣士の攻撃を避けながら、『力ある言葉』を放つ。
「火炎球(ファイアー・ボール)!」
だが、その火の玉は相手に投げたものではなかった。
空高く登っていき、木々を越える。
「ブレイク!」

ばあぁぁんっ!!!

呪文のアレンジによって、火炎球は花火のようにはじけた。
呪文の構造と仕組みをしっかりと理解しなければできない芸当である。
(これで、父さん達が気づくはず……!)
先ほどの火炎球は、アストールの家からも見ることができるはずだった。
しばらくの間だけ持ちこたえれば、何とかなるはず……と彼は思った。
なにしろ、彼らの両親の強さは半端ではないのだから。
そして、また剣士に向かっていく。
……いや、いこうとした。
が、アストールは気が付いたのだ。
(こいつら、本気で戦っていない……!?)
確かに彼らは自分たちと戦っている。
だが、殺気が無い。
すさまじく強いはずなのに、それを己の防御、あるいは相手の牽制程度にしか本気を出していない。
訝しく思って、思わず距離をとると、やはり相手は警戒を怠らないものの積極的に手を出してこようとはしなかった。
こちらの様子を伺っているようである。
アストールが妹の方を見ると……こちらは相手の女がキレていた!!!

「……っ加減に、しなさいよねっ!」
しつこく自分に攻撃してくるジュリアに辟易したのか。
ジュリアとの間をとると、呪文を紡ぎはじめる。
「アナク・ラクス……」
アストールは耳を疑った。
自分たちが普段使っている『混沌の言葉』とはどこか違う。
これは……この呪文は……失われし、神聖魔法!

……神聖魔法。
はるか昔、使われていたというこの呪文は、約1000年前の降魔戦争で失ったとされていた。
赤眼の魔王、シャブラニグドゥの5人の腹心のうち、4人による結界によって、神々の力がこの世界に及ばなくなったためである。
しかし、ここ20年ほど前に結界が破られ、再び神の力を使う事ができるようになった……筈だったのだが、
1000年という長い歳月を経て、人は神聖語を失っていた。
よって、現在、古代の文献から研究が進められ始めたところなのである。
アストールは幼いころから母親に連れられて神殿に出入りしていたため、そのことを知っていた。
しかし、普通一般の者が神聖魔法の存在を知るはずもなく、また使う事などできるはずがないのに!

「……オズル・イズル……霊縛符(ラファス・シード)!」
女の唱える呪文が完成した!
とたんにアストールの体は、麻痺したかのように動かなくなった。
ジュリアも同じように、動きを止められてしまった。

「……ったく、何なのよこいつら!!」
怒ったような(いや、実際怒っているのだろうが)女の声が響く。
「おいおい……ちょっとは手加減してやれよ」
アストールと戦っていた剣士が、女をなだめている。
「じゅ〜ぶん手加減してるわよ!手加減してなかったら、こいつらとっくに死んでるわよ!」
……恐ろしい事を言っている。
(今日は、厄日だな……)
魔法によってまったく身動き取れないながらも、アストールはのんきに考えていた。
何故だかわからないが、殺されるとは思わなかったのだ。
実際、彼らはアストールたちを魔法で動けなくしたものの、それ以上手出しする気は無いようだった。
「全く!こいつらのせいで、お宝手に入れ損ねたじゃないの!あの盗賊、火炎球で黒焦げよ!」
「まぁ、たまにはこういう事もあるさ」
「何のんきな事いってるのよ、このクラゲ頭!もう、手持ちはあんまり無いのよ!」
「へ?何でだ?」
「あーんーたーがーっ!マジックショップで商品ぶっ壊したからでしょ!!」
「……そんな事あったっけ?」
「今日のことでしょ、忘れるなド阿呆っ!だいたいあたしがどんな思いで……」
……ほとんど漫才のような2人の会話であった。

2人の口論が続くそのうち。

「ジュリア!アストール!」
兄妹の名を呼ぶ声がすぐ側で響いた。
ゼルガディスとアメリアが、アストールの放った火炎球に気づき、ようやく駆けつけてきたのだ。
両親の姿を見つけたジュリアは、
(父さん!母さん!こいつらをやっつけて!)
と思った。
確かにこの者達は強く、彼女たちは太刀打ちできなかった。
しかし、彼女の両親なら……と思えたのである。

だが。
両親は目を見開き、驚いた顔をして、女と剣士の方を見ていた。
女達も、ゼルガディス達の方を見たまま、動かなかった。
その場のすべての人間が凍り付いたかのように動かないまま、沈黙は流れ。
そして、やっと、アメリアがかすれた声で呟いた。
「リナ……さん……」

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はいっ!ようやくリナ登場の第4章でしたっ!
はぁ……やっとここまできた……。
でも、話はまだ半分いったかいかないか……ってところなんですよね。
うぅ……早く続きを書くよう、がんばりますぅ……。

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3899『祈り』全部の感想です(はあと)リナみんと 8/8-10:55
記事番号3881へのコメント
今日和。はじめまして。リナみんとです。
めちゃめちゃたのしいです!
もぉウキウキですね(はあと)
はじめは、レイティア達がリナとガウリイかと思っちまいました。
違いましたね。
あと、ジュリアはもぉアメリアそのまんまですね。
アストールは・・・も、そのまんまゼル。
ってゆーか、記憶喪失ってゆーのがいい感じですよね。
でも、リナ達って・・・子供がいるような年齢になっても盗賊いぢめ
やってんのかな・・・?なんておもってみたり・・・
続き、本当に楽しみにしています。
私も今、めっちゃ進まない小説かいてるからわかりますけど、
大変ですよね・・・完結までって・・・。
・・・じゃ、じゃあ、この辺でっ!




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3900Re:『祈り』全部の感想です(はあと)ちび☆ E-mail 8/8-11:49
記事番号3899へのコメント
リナみんとさんは No.3899「『祈り』全部の感想です(はあと)」で書きました。
>今日和。はじめまして。リナみんとです。

初めまして!ちび☆です。よろしく!
こんな駄文を読んで下さってありがとうございます!
感謝感激雨あられってやつですね(←古い?)。

>めちゃめちゃたのしいです!
>もぉウキウキですね(はあと)
>はじめは、レイティア達がリナとガウリイかと思っちまいました。
>違いましたね。

違うんですねぇ。
彼らの正体(?)は、第8章で明かされる予定です。

>あと、ジュリアはもぉアメリアそのまんまですね。
>アストールは・・・も、そのまんまゼル。

ははは……あの2人の子供ですから。
しかし、アストールも、魔族に痛い目に遭わされながらも懲りずにリナ達の方へ向かっていくあたりがアメリア入ってます(笑)。

>ってゆーか、記憶喪失ってゆーのがいい感じですよね。

実を言うと、彼らの記憶喪失は、ある者によって仕組まれたものです。
ガルフが「都合が良すぎる」って言ってたのも、あながち外れではないんですねー。
その辺も、最後にはわかります。

>でも、リナ達って・・・子供がいるような年齢になっても盗賊いぢめ
>やってんのかな・・・?なんておもってみたり・・・

あの人達は、きっと、自分たちが年を取ったなんてまるっきり考えていないのでしょう。
気が向く度(もしくは路銀が寂しくなったとき)に襲っているのでは?
……誰か彼らを止めろよ〜(笑)。

>続き、本当に楽しみにしています。
>私も今、めっちゃ進まない小説かいてるからわかりますけど、
>大変ですよね・・・完結までって・・・。
>・・・じゃ、じゃあ、この辺でっ!

そうそう。作家さんの苦しみがよくわかる……。
一読者としては、「早よ続き出さんかいっ!」って思ってしまうのですが、実際に自分で書いていると……あぅっ。
リナみんとさんも、がんばって下さい♪
里帰りシリーズ、続きを楽しみにしてますので!
(も〜ドキドキなところで終わってるから気になって気になって……)

現在、第7章の下書きを書いているところです。
どうやら、この話は序章+本編9章+終章、で終わりそうです。……多分(笑)。
今夜、また少しUPします!そろそろペースが落ちてきますが……。
(一度にUPしないのは、ただ単に遅筆をごまかすためだったりする)
どうか、見捨てず続きを読んでやって下さい……お願いします☆

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3902祈り 第5章ちび☆ E-mail 8/8-19:53
記事番号3881へのコメント

第5章 思わぬ再会


「リナ……さん……?」
「リ……ナ……か?」
アメリアとゼルガディスがまるで幽霊を見るような顔で呟く。
リナ達も、信じられないものを見るかのように呆然としていた。
沈黙が流れる。
「……っやっだ、アメリアぁ〜!?」
ようやく、リナが叫ぶ。ばしばしとアメリアの身体を叩く。
「どぉしたのこんな所で〜!それにしても、おっ久しぶり〜!!!」
「本っ当にリナさんなんですねっ!?」
「それ以外の誰に見えるって言うの?」
目を輝かせるアメリアに、笑顔で答えるリナ。
しかし、その姿は若々しい。
最後に会ったときに比べると大人びているものの、どう見ても22〜3にしか思えない。
「それに……あんた、ひょっとしてゼルガディス?まるで別人じゃない!岩の肌はどこにいったのよ〜!?」
そう、今のゼルガディスの肌はごつごつとした岩ではなく、普通の肌であった。
合成獣であったころの面影は、もはやどこにも無くなっていた。
「いや、これは……まぁ、色々あってな……。それより、お前ら一体今までどこで何してたんだ!?」
「そうですよ、リナさん、ついでにガウリイさんっ!」
ガウリイはついで扱いである……。
「え……っと、話せば長くなるんだけど……ん、……何?」
ガウリイ、と呼ばれた剣士がリナのマントの裾をつんつんと引っ張っている。
いやぁな予感に襲われながら、リナが彼の方を向く。
そんな彼女にガウリイはそっと尋ねた。
「なぁ…………こいつら、知り合いか?」

ぷちっ。

「爆裂陣(メガ・ブランド)!!!!」
「あ〜れ〜……」
爆風に吹き飛ばされていくガウリイ。
「あ〜ん〜た〜は〜っ!そこまでお約束なボケをかますんじゃないわよっっ!!!」
怒髪天をつくリナ。
そして、その2人を、ゼルガディスとアメリアが深い深いため息をつきながら見ていた。
「変わっていないといえばそうなのでしょうけど……」
「あの旦那らしいとは思うが……」
「……まさかとは思っていましたけど……」
「……やっぱり、忘れられていたな……」

「ったく、あいつのクラゲぶりは全っ然治っていないんだから!」
盛大に文句を言うリナ。
「らしいというか何というか……」
ゼルガディスはすっかり疲れきった様子である。
「それより、リナさん。無事でいるなら、どうして今まで連絡してくれなかったんですかっ!」
半ば涙を浮かべながら、アメリアが叫ぶ。
「私たちがどれくらい心配したか、わかってるんですか?」
「……ごめん、ごめん。……でも、こっちにも事情があって……」
「どんな事情だか知りませんがっ!リナさんは……」
「アメリアさん!」
何かを言いかけたアメリアの声を中断するように、女性の声が響いた。
そこにいるのは、神官衣を着た二人の女性。
一人はまだ若い。もう一人は割と歳を取っていたものの、貫禄のある美しい人だった。
声を掛けたのは、歳を取った女性の方。その姿に、リナは見覚えがあった。
「……シルフィール?」
リナの声に、彼女が反応した。
「まさか……リナさんっ!?」
言うなりリナの方に走ってくる。
「リナさんっ!!!お久しぶりですっ!」
まるで少女の頃に戻ったような笑顔。
リナ達に再会できた事がよほど嬉しかったのか。
「それにガウリイ様も……。……リナさん、まさかこれは……」
リナの魔術に吹き飛ばされ、足元でピクピクと痙攣している男の姿に気付いたようだ。
ジト目でリナを見る。
「え?あ、いや、これは、その……ま、いいのよ、こいつの事は!」
「よくありませんっ!怪我してるじゃありませんかっ!」
「舐めとけば治るって、こんな傷」
「不衛生ですっ!」
「あーもう、後で治しとくって……」
「……あの、私が治します……」
そこにひょっこりと現れたセラ。
そう言うと、ガウリイに回復呪文をかけ始めた。
その頬がほのかに赤くなっている事に気付き、ゼルガディス達は
(……これはまずい事になったかもしれない)
と思った。
……さすが親と同じ血を引いているだけある。
「とりあえず、ここでうだうだ言ってても仕方がありません!とりあえず私の家へ行きましょう!」
指を天高く向け、アメリアが高らかに宣言する。
「そーねぇ……たしかにここじゃ落ち着かないわねぇ」
「わたくしもいろいろお話をききたいですわ。行きましょう」
回復魔法で傷を治してもらったガウリイを含め、暗い山道を皆が歩き始めようとする。
そのとき、
「あの……」
セラが遠慮しがちな声を上げた。
「どうしたの?セラ」
シルフィールが優しく声を掛ける。
「あの……アストールさん達、置いていってはいけないのでは……」
はっとして皆が後ろを振り向くと、そこには未だリナの術にかかったまま動けずにいるアストールとジュリアの姿があった……。

「父さんも母さんもひどいです!私達の事忘れるなんて!!!」
帰り道、半泣き状態でジュリアがゼルガディス達を責める。
「ごめん、ごめん」
「いや、まさかこんな所でこいつらに会えるとは思わなかったからな」
「でも、だからって私達の事を放っていくなんて、ひどすぎます!」
「本当ねぇアメリア。駄目じゃない、子供を捨てていくなんて」
「捨ててません!大体、リナさんっ!私の子供たちに、一体何をしたんですかっ!」
突然矛先を向けられ、戸惑うリナ。
当然の質問といえるが、彼女はそっけなく答える。
「何をしたって、この子達がいきなり襲ってきたのよ!あんまりにも鬱陶しかったから、ちょっと静かにしてもらっただけよ。
竜破斬(ドラグ・スレイブ)かまされなかっただけマシだと思ってよね」
リナがいうと冗談には聞こえないから怖い。……本気かもしれないが。
「でもっ!この人達、罪無き旅人を襲っていたのよ!母さん達はこんな悪人と知り合いだったんですか!?」
「だ〜れ〜が〜悪人ですってぇ!?」
深く深くため息を吐くゼルガディス。彼女の趣味を思い出したのだ。
「……盗賊いぢめ、か……」
彼の科白を無視し、リナはジュリアに向かって言う。
「い〜い?罪無き旅人ってのはこのあ・た・し。それをあいつら盗賊が襲ってきたのよ。
それを撃退しただけなのに、勝手に悪人扱いされるなんてたまったもんじゃないわ」
「でもっ!あの男の人を脅してたじゃないですかっ!」
「それは気のせいよっ!」
……絶対に気のせいではない。
「しかし、シルフィール。お前さん、何故ここに?」
リナ達の漫才を無視し、ゼルガディスが尋ねると、シルフィールは表情を硬くした。
「それが……また、神託が降りたのです。ここに大変なものがいる、と」
「なるほど……確かに『大変なもの』はいたが……」
「……どういう意味よ、ゼル」
エルフ並みとも言われる耳で自分の悪口を聞き、リナがゼルガディスへと詰め寄る。
「そして、それが、以前感じた波乱に関係するものだとも。だから、わたくしはここへ来てみたのです」
「『波乱』に関係しているだと……となると、やはりリナか」
「人を厄災発生器みたいに言うんじゃないわよっ!」
「ただ旅するだけですぐに魔族がらみのやっかいごとに巻き込まれるお前が……違うのか?」
「うっ……」
過去の出来事を思うと言い返せないあたりが悔しいリナ。

「いや、違う、父さん」
ここで、アストールが口を挟んだ。
「俺達、さっき、魔族に襲われたんだ。多分、それが『波乱』だと思う」
「魔族ですって!?」
驚くアメリア達に、アストールが説明する。
「あれは、多分純魔族。セイルーンの王家がどうとか言っていた」
「……よく無事だったなぁ」
ガウリイが感心している。
確かに、純魔族と相対するには、相当の腕がないと無理である。
アストール達兄妹も強いが、怪我もなく無事でいることができたのが不思議だった。
「あ、それなんですけど」
ジュリアが続ける。
「何か変な人が助けてくれました」
「……変な人?」
「ええ。男の人のくせに、口に手を当てて『それは秘密です』なんて言ってるんですよ」
「……それって、まさか……」
「それに、自分を『謎のプリーストです』なんて言ってました。頭がおかしいんですよ、きっと!」
思わず顔を見合わせるリナ達。
その時、虚空から声が響く!

「頭がおかしい、とはひどいですねぇ。せっかく助けて差し上げたのに」
何もない空間から、先程の神官がふわっと現れた。
相変わらず、にこにこと笑っている。
「……ゼロス!!!」
瞬間的に殺気を放ち、剣を抜くゼルガディス。
アメリアも厳しい表情をしている。
それとは対照的に、リナは挑戦的な顔をしていた。
「……久しぶりじゃない、ゼロス。どうしたのよ?」
「よー、ゼロス、久しぶり」
何も考えているとは思えない様子で、ガウリイも軽く挨拶する。
「ゼロス。貴様、一体何しに来た!」
「あなたのお子さんを助けて差し上げただけじゃないですか。そんな怖い顔をしなくとも」
「貴様がただの親切でジュリア達を助ける筈がないだろうが!」
「おやおや、嫌われてしまいましたねぇ」
困ったな、といった表情のゼロス。

「……一体、あの人は何なんですか?」
ジュリアが誰とも無く尋ねると、リナがそれに答えた。
「獣神官ゼロス。獣王ゼラス=メタリオムの唯一の配下である高位魔族よ」
「魔族だと!」
アストールの目が光る。
「……しかし、あいつから魔族の気は感じないぞ?」
「魔族ってのは、その力が大きくなるほど、……人間に近くなるわ。魔族の気を隠すのも半端じゃなくなるの」
リナの言葉に、ジュリア達兄妹、そしてシルフィールの目も険しくなる。
そんな中、
「いやぁっ、怖い!」
どさくさ紛れに、セラはガウリイにしがみついた。……結構いい性格しているかもしれない。

「ゼロスさん。一体、何のつもりなのですか?」
「……僕が、素直に言うと思いますか?」
相変わらずの笑顔でゼロスは答えた。が、
「言わないと……どうなるか、分かりますね?」
どこから取り出したのか、メガホンを構えるアメリア。
それを見て、とたんにゼロスの顔色が変わる。……どうも、過去にイヤな思い出でもあったらしい。
「わ……わかりました、言いますよ言いますよ。僕が今回彼女達を助けたのは、取り引きの材料にするためだったんですよ」
「取り引き?」
胡散臭そうな4つの目がゼロスを見つめる。
そんなゼルガディス達に、ゼロスはぱたぱたと手を振る。
「あ、っていってもあなた達と取り引きするわけではありませんよ。相手は……リナさんです」
「リナと!?…………それだけはやめたほうがいいのでは……はぐぅっ!」
リナのラリアートがゼルガディスに見事に決まる。
「さて、……いったい何の取り引きかしら?」
当のリナは、余裕の微笑みである。
「決まっているじゃぁありませんか。とぼけないで下さいよ。……あ・れ、解いてくださいよぉ」
にっこりしながら言うゼロス。しかし、その額に冷や汗が流れている事にアストールは気付いた。
「やだ」
これまた、にっこりしながら即答するリナ。
「そう言わずにお願いしますよぉ。あれのせいで、僕の仕事にも支障がでているんですが」
「魔族の仕事なら、別に支障が出たってかまわないでしょ」
にべも無いリナ。
その他の者は、会話の内容について行けず、ただ呆然としていた……始めから話を聞いていなかったガウリイを除いて。
「……リナ。おまえさん、また厄介事に首を突っ込んでいるのか?」
半ば睨みながらゼルガディスが問う。
「そうです!また、何か厄介な事に……まさか、あの呪文の封印を解いて、暴走させろとか言う事ですか?」
アメリアが青ざめる。

あの呪文……それは、「重破斬(ギガ・スレイブ)」。
金色の魔王ロード・オブ・ナイトメアの力を借りた魔法。
制御を誤れば、この世界そのものを破壊しかねないもの。
かつてリナは、ガウリイの命と引き換えにこの呪文を使う事を強要された。
そして、呪文は暴走したのだ。
その時は数多くの偶然が重なり、世界はこうして無事にある。
また、かつての仲間が赤眼の魔王として目覚めたとき、彼女はこの呪文を用いて魔王を倒した。
その時は暴走する事はなかったが……。
やはり、2度と使うべき魔法ではなく、彼女はその呪文を封印した筈だった。

「それは……止めるべきだ」
「そうです!……駄目ですっ、リナさん!それだけはっ!」
シルフィールも慌てて言う。
この呪文の恐ろしさに一番最初に気付き、リナに警告したのは彼女であったから。
しかし。
「何言ってるの。違うって」
リナは明るく言い返す。
「ゼロスが言ってるのは、……呪いの事よ」
『呪いぃ!?』
皆の声がハモる。
「いや、ね。相手の命を束縛するって呪いを昔ちょっと研究してみたんだけど、試してみたくなっちゃってさ〜」
笑顔のリナ、しかし言っている事はあまりにも恐ろしい事である。
「まさか人間に試すわけにいかないから、とりあえず手ごろなところでゼロスにしてみよっかなって思ったのよ」
(そんなものを手ごろに試すな!)
周りの者は皆青ざめながらも、心の中で突っ込んだ。
「……そしたらさ、何だか旨くいっちゃったみたいで。もはやゼロスの生殺与奪権はあたしにあるのよねぇ♪」
『……』
皆、絶句している。
「だからリナさ〜ん、そろそろ僕を開放してもらえませんか?」
「だからぁ……い・や(はぁと)」
「そんなぁ」
あまりにも情けない声を出すゼロス。
皆が唖然としている中、
「だってあんたはあたしの便利なアイテム・その2だもん♪」
にっこりと微笑む彼女。
リナの気が変わらないのを悟り、ゼロスはため息を一つつき、再び宙へ浮かぶ。
「仕方ないですね……まぁ、あなたが僕達の邪魔をしないだけ、良しとするしかないですね……」
意味不明な言葉を残し、彼は虚空へと消えた。

「……魔族をも縛る、呪い、だと……?」
ゼロスが消えた後。
ゼルガディスがリナに詰め寄った。
「あいつにしか使っていないのか?」
「そうだけど?」
「うまくいったのだろう?だったら、何故それを使って魔族を滅ぼさない!?」
「ちょっと待ってよ、ゼル」
「そうですっ!私もそんな呪いの話を聞いた事はありません。何故、皆に知らせて活用しようとしないんですか?」
「アメリアさんの言う通りですわ、リナさん。人が魔族に襲われるのは今も昔も同じ。それさえあれば、殺される人も少なくなるはずでは」
次々と責め立てる口調で言ってくる。
そんな3人に、リナは自虐的な微笑みを返した。
「……だったら、高位魔族をも滅ぼす事が可能だから、重破斬の存在を公表しろって言うの……?」
その言葉に胸を突かれるゼルガディス達。
暴走すれば、ほぼ確実にこの世界をも滅ぼすであろう呪文。
普通の魔道士が使える代物ではないが、魔族が鍵として狙う呪文だけあって、公表する事はできない。できるはずがなかった。
「しかし、それとこれとは」
「違わない。同じ事なのよ。……大体、重破斬と同じで、この呪文は誰にでも使えるわけではないわ。多分、この世界であたししか使えない。だから、これでいいの」
リナは俯きながら答えた。そして、それ以上何も言おうとはしなかった。
本来人間が持つべきではない力を手に入れた……重破斬の存在と同じように、彼女は苦しんでいたのだろう。
(だったら、そんな呪い、最初っから研究なんかしなければいいのに)
セラは思ったが、とても口に出して言える雰囲気では無かった。

その後、皆はアメリア達の家に向かい、森を歩いていた。
道中は平和だった……いや、
「道が暗くて怖いから」
といってガウリイの腕を放そうとしないセラと、怒気を孕んだ目で彼女を睨むリナとの間に火花が生じていたという一幕があったが。
しかし当の本人であるガウリイは何も考えていないようで、それをゼルガディス達ははらはらしながら見ていた。
そして家に着き。
ゼルガディスは皆を部屋へと案内した。
そこには、留守番を言い付かっていた兄妹の姿があった。
「あ、リナさん、ガウリイさん。この人達は……」
アメリアが2人を紹介しようとした矢先。
「ガルフ!?レイティア!?」
大声を出した人がいた。
思わず皆の注目がその人に集まる。
……ガウリイ=ガブリエフのもとへと。

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はいっ!第5章をお送りしました!
なんだか、スレキャラの顔合わせで終わっているという話もありますが、あまり深く突っ込まないで下さい(笑)。
……よろしければ、また続きを読んでやってください……。

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3903祈り 第6章ちび☆ E-mail 8/8-19:56
記事番号3881へのコメント
第6章 女の戦い


「ガルフ!?レイティア!?」
そう言って大声を上げたのはガウリイ。
皆の視線が彼に集まる。
そんな中、リナが慌てた表情をしたのをゼルガディスは見逃さなかった。
そして、その言葉に強く反応したのは、やはりレイティアとガルフだった。
「……私達の事、知っているんですか!?」
つつつと寄ってくる2人。
「え……あ、と、……」
とたんにうろたえるガウリイ。……説明ができないようだ。
きょろきょろとあたりを見渡し、助けを求めるようにリナの方を見る。
「はぁっ……」
深いため息を一つつき、リナも2人に向かって言う。
「久しぶりね、レイティア。ガルフ」

リナ達がレイティア達の知り合いだったらしい事を知り、驚く一同。
そんな中、皆の注目を集めながら対峙するリナ&ガウリイ、そしてレイティア&ガルフ。
レイティアは目を吊り上げながらリナに詰め寄る。そして自分の事を聞こうとしたところを、リナに制止させられた。
「わかってるって、あんた達の言いたい事は」
そして、少し罪悪感の篭った目で2人を見つめた。
「でも、あれはあたしの責任ってわけじゃないと思うわよ。突然魔族が襲ってきたから……」
「???」
「結局はぐれちゃって、返せなかったんだもの。これはもうどうしようも無いじゃない?」
(何だか、話がずれてる……?)
皆が頭に疑問符を浮かべる中、アメリアが口を出した。
「あのぉ、リナさん。一体何の話ですか?」
「え?いやほら、荷物の話じゃないの?」
「へ?」
「だから、あの時、あんた達あたし達とはぐれたじゃない。だから、結局渡せなくて……」
決まり悪そうに呟くリナ。
「ちょ……ちょっと待ってください。リナさん達、彼女達が何者か知っているんでしょう!?」
「何者って……レイティアとガルフ。双子の魔道士と魔法剣士、でしょ?」
「そうじゃなくって……彼女達の無くした記憶ですっ!!!」
叫ぶアメリアに、リナは不思議そうな顔を向ける。
「……記憶を、無くした……???」
「そうですっ!だから私達は……!」
そこへゼルガディスが割って入る。
「まーまー、ちょっと2人とも落ち着け」
「あたしは落ち着いてるわよ」
「だからちょっと待てと言っている。……リナ、この2人は記憶喪失中だ」
「へ?……そうなの?」
「そうだ。で、こいつらは自分が何者かを知りたがっているという訳だ」
「……そうなの……」
皆が俯く中、ガウリイは話の展開についていけなかったのかきょろきょろとあたりを見回していた。
そんな彼に、リナは無言でアッパーカットを食らわせた。


……半年前、リナ達とレイティア達は知り合った。
「世界中の美味しいものを食べよう!」
との事で意気投合し、半年ほど一緒に旅を続けたという。
しかし、1ヶ月前の事。
とある魔族がリナ達を襲ってきた。
その騒ぎで、リナ達とレイティア達ははぐれてしまった……。

……それが、リナの話であった。

「……という訳なの。って言っても、あたしもあんまり知らないけど。双子の兄妹だって言ってた。レイティアが魔術専門、ガルフはどっちかというと剣術の方が得意、ってくらいかな」
「他に何か知らないの?」
レイティアが尋ねる。しかし、リナは首を横に振るだけだった。
そんなリナを心配そうに見つめるガウリイ。
「……まぁ、知らないものはどうしようもないわね。で、別に聞きたい事があるんだけど」
リナ達が大した手がかりを持っていない事にがっかりしながらも、レイティアはリナに尋ねた。
「何?」
ちょっぴりびくびくしながら答えるリナ。
「さっき、ちらっと言ってたわよね。荷物がどうとかって」

ギクっ。
目に見えて顔色の変わるリナ。

「あたし達、気がついたとき、何一つ持っていなかったのよね」
「……俺は剣を持ってたけど」
「そんな細かい事はどうでもいいのよ。……で、無一文で本っ当に苦労したのだけど」

ぎくぎくっ。

「あ、あの、レイティアちゃん、……目が怖い」
思わず口調がぶりっ子になるリナ。しかし、レイティアの追求は厳しかった。
「気がついたら何も無い森の中で、いきなりデーモンに襲われるわ、何とか倒したけれどお腹は空くし。街に行って何か食べようと思ったってお金が全然ないのよねぇ」
まるで獲物を目の前にしたヘビのようにリナを追いつめるレイティア。
「ね〜ぇ。何か知ってるぅ、リナさ〜ん……?」
笑顔で問い掛けているが、目は笑っていない。
皆、チロチロ、と口から伸びる長い舌が見えたような気がした……。
「……あぅ……ごめんなさい。あたしが持ってました……」
ついに降参、リナは白旗を上げる。
「分かればいいのよ」
すっかり強気のレイティア。
「で、荷物は?」
「……ない……」
「何ですってぇっ!!!!!」
どんっ!と机を叩くレイティア。
「いや、だからさぁ……魔族に襲われた後であんた達いなくなっちゃったじゃない。とりあえずその辺探してみたけど結局見つからなかったのよね。で、……ほら、人の荷物運ぶのって、結構大変じゃない?……だからさぁ」
「まさか、売っぱらってごはん代にすべて消えたとか??」
シト目でリナを睨むレイティア。
「う…………ぢつは、その通り……」

げしっ!!!

「い……痛ひ……」
「やかましいっ!」
力いっぱいリナの頭をどつくと、レイティアは鼻息荒く叫んだ。
「何てことしてくれるのよ!」
彼女のあまりの態度に、当事者であるガルフも口が出せない。
「ったく!!!あなた達のせいで苦労したんだから、ちゃんと責任取ってもらうからね!とりあえず今度街の超高級レストランでフルコース20人前奢ってもらうからね!」
唖然とする一同。
「……レイティアさんって、性格がリナさんそっくり……」
「いや、ひょっとするとリナを上回るかもしれん」
アメリアとゼルガディスが半ば放心しながら言った。
「う……う……だから会いたくなかったのにぃ……何でこいつらの事だけ覚えてんのよあのクラゲはぁ……」
リナの呟きが、呆れ返っている周りの者の耳に低く届いた。


「こっちも聞かせてくれる?ゼル、あんたどうやって元に戻ったの」
レイティアにフルコースを奢る事と相応の金を返す事を約束させられたリナが、興味津々といった顔で尋ねた。
昔、共に旅したときはゼルガディスは合成獣であり、岩のような肌を持っていた。
それが今では、ごく当たり前の肌になっている。
『ミックスジュースを元に戻すことは出来ない』
かつて旅をしていたとき、ある男がゼルガディスに言った言葉。
それと同じように、合成獣となったその体を戻すことは出来ないのだと。
そんな限りなく低い可能性を求めて旅を続けていた彼がどうやって元に戻ったのか。
この話はシルフィールも詳しくは聞いたことがなかったらしく、こちらも興味深い顔である。
「ふぅ……」
ため息を一つつき、彼は話し始めた。

「……あれは、お前達と別れて半年ほどたったときの事だ。俺の前に、光が現れた」
「光……?」
不思議そうな顔をするシルフィール。
「最初は、明り(ライティング)のように思ったのだがな。よく見ると人の形をしていた」
「人って……妖精みたいなものだったのですか?」
「いや……」
何故か赤面するゼルガディス。
「何?何なの、ゼル?」
「……いや、何でもない」
あのときの光り輝くものが妻・アメリアに似ていたことを思い出したのだが、彼はそれをリナ達に話すつもりはなかった。からかわれるのが目に見えていたからである。
「で、そいつは俺に言った。『元の体に戻りたくはありませんか』と」

なぜ、『それ』が彼の前に現れたのか、ゼルガディスには知る術はなかった。
『それ」の質問はただひとつ、元の体に戻りたいかどうか、だった。
だが、本当に合成獣となったこの体を戻すことができるのか、かなり怪しかった。

「『それ』が、本当に俺を元に戻してくれる気があったのか、疑わしかったさ。ひょっとしたら『それ』は魔族で、何か目的があって、更に状況を悪くするだけなのではないかとも思った」
……しかし、元に戻れるかもしれない、という誘惑には勝てなかった。
ゼルガディスは、『それ』に答えた。「元に戻せるものならば戻してほしい」と。

「そのとたん、急に眩しくなって、何も見えなくなってしまった。意識が遠のいて……」
その後、どうなったのかはゼルガディスは覚えていない。
気が付くと、彼はベッドの上だった。
そこは彼が滞在していた宿屋の、『それ』と出会った、自分の部屋。
宿屋の女将が言うには、彼は3日ほど意識不明だったという。
医者も呼んで診療してもらったが、特に原因は分からなかったとの事だった。
(医者に診てもらった……だと!?)
己の岩と化した身体を見られた、と思って彼は慌てたが、彼の目に映ったのは小麦色の両腕。
顔を触ると、柔らかい感触があった。
……そう、赤法師レゾの手によって合成獣となる前の、普通の人間だった己がそこにいた。

「だから、はっきり言って、なぜこのように元に戻ることが出来たのか……俺にはわからない。結局『それ』が何者なのかも、何の目的があってこんな事をしたのかも。元の身体に戻っても、しばらくの間は実感できなかった。夜寝る時も、朝には岩の身体に戻ってしまうのではと何度も思ったさ。」
だが、身体は合成獣に戻ることはなく。
彼の身体を元に戻した『それ』も再び出会うことはなかった。
「……それで、その人間の身体で、アメリアを迎えに行ったんだ?」
からかうような目つきでにやにや笑うリナ。
とたんに、ゼルガディスとアメリアは赤面する。

「へぇ……ゼルガディスおじさまとアメリアおばさまに、そんなすてきなお話があったんですね……」
夢見るような顔でセラがため息を付いた。
「やっぱり、運命の出会い、っていうものだったんですか?」
その言葉に、ゼルガディスはそっぽを向いた。……どうやら、照れているらしい。
真っ赤な顔で苦笑しながら、アメリアがそっと頷く。
「いいですねぇ。でも、私にも、そんな出会いって、きっとありますよね……」
そう言いつつ、セラはガウリイの方をそっと見る。
そのとたん、リナの顔が険しくなる。明らかな嫉妬の顔。
「……セラ、やめておけ。その旦那は、俺より年上だぞ」
ゼルガディスの言葉に、セラが少し驚いた顔をする。
「えっ?ガウリイ様って、そんな年なんですか?……どう見ても20代ですよ」
(奴の名前に『様』をつけるのは遺伝か?)
ゼルガディスは誰にも聞こえないように、内心で呟く。
「そういえば、そうですよ。リナさんはともかくとして、ガウリイさんまで若いままなんて」
魔道を扱うものは、その力を持って老化を遅くしたり、寿命をある程度まで延ばしたりすることが可能であった。
リナほどの力を持つ魔道士ならば、若い姿のままであるのは理解できるのだが。
アメリアの問いに、リナはあっさりと、
「あ、こいつも私の魔力で若いままにしてるのよ。天才魔道士のあたしなら、このくらいのことはできるわよ」
と答えた。
「普通はできないと思いますけどぉ」
「そりゃ、あたし程の腕がなくっちゃねぇ♪」
ちなみに、残りのメンバーで姿が若いのはアメリアだけである。
ゼルガディスは元の身体に戻った時点で邪妖精の魔力が消えたため、ほとんど魔法を使えなくなってしまったし、シルフィールは、自然のままに年をとることを望んだ。
アメリアは……子供の頃ままの純粋な心がそうさせるのか、本人は意識していないのだが年をなかなかとらなかったのである。
「大体、こいつが年をとったら、ただの役立たずじゃない!」
「……リナさん……それはちょっと言い過ぎでは……」
シルフィールが窘めようとするが、
「まぁ、この旦那の取り柄は剣の腕と外見だけだし……」
「年をとって剣の腕が落ちて、また顔も悪くなったら……ガウリイさん、確かにいいとこないですよねぇ」
「そーでしょ?そうなったらこの脳味噌クラゲ男、生ゴミゼロスよりも使えなくなっちゃうじゃない」
本人の前で酷いことを平気で言うリナ達。
しかし、当の本人は平気な顔である。……果たして、今の会話をちゃんと聞いていたのかどうか、かなり怪しい。

「それにセラ、ガウリイ様にはリナさんが……」
シルフィールが娘を止めようとかけた言葉に、リナは思わず突っ伏した。
「あ゛……あ゛の、……シルフィール?」
「そうですよ、セラさん。ガウリイさんにはリナさんって人がいるんですから、邪魔しちゃだめですよ」
「アメリアの言うとおりだ。……止めとけ、リナに殺されるぞ」
「……あ゛のねぇ……ちょっと、人の話を……」
誰も聞いてはくれなかった。
「それに、私最初に思ってたんですけど、ガルフさんとレイティアさんって、てっきりリナさん達の子供じゃないかって……」
「そうですね、アメリアさん。なんか雰囲気とか性格とか似てそうですし」
「髪の毛とか眼の色も同じだな……」
「ねぇリナさん、本当は隠し子なんじゃないですかぁ?」
さっきの仕返しとばかりに、からかうように尋ねてくるアメリア。
そんな彼女に、リナは真っ赤な顔をして叫んだ。
「何でそうなるのよ!勝手に決めつけないでよね!……大体、あたし達、……別に結婚してるとかそういう訳じゃないんだし……」

『え゛え゛っ!!!!!』
思わずシルフィール、アメリア、ゼルガディスの声がハモる。

「そっ、そんなぁ、リナさん」
「だからっ!こいつは勝手にあたしに付いてきただけ!……とりあえずは使えそうだから側に置いてるだけなの!」
「リナさん、それは……」
「こいつはただのパートナーっ!……あたしは結婚する気なんてないのっ!誰ともっ!」
にべもなく言い放つリナ。しかし、その顔は何故か辛そうだと、ゼルガディスは気付いた。
ガウリイに小声で話しかける。
「おい、ガウリイの旦那。それは本当か?」
「そうだ。俺達は別に結婚してるとかそういう訳ではないからな」
「よくそれで彼女の横にいることができるな……生殺しじゃないか」
「……いいさ。彼女が俺の側にいてくれるのなら」
その言葉にハッとするゼルガディス。
……昔、リナが姿を消したときのガウリイの悲痛を思い出したのだ。
「俺達はずっと一緒にいる、それで十分さ。結婚とか言う形式的なものはどうだっていい」
「……」
昔からこの男はかなりプラトニックなところがあると、ゼルガディスは思っていた。
しかし……これは、彼の想像以上である。
彼は、感心するより先に呆れ返ってしまった。


アメリアやシルフィールがリナに事の真相を問いつめているとき。
決意を胸に秘め、きつい眼差しでリナを見つめた少女がいた。
「……なら、私がいただいてもよろしいですのね?」
清楚な顔をして、かなり大胆なことを言う。
母親であるシルフィールの方が、かえって赤面して慌てている。
「……駄目よ」
「勝手なことを言わないで下さい。結婚する気もないくせに側には置いておくなんて、あまりにも酷すぎます」
「……それは……」
「私、負けません。今は無理でも、必ずガウリイ様の心を振り向かせて見せます。……その方が、今の状況よりは少なくともガウリイ様のためだとも思いますから」
きっぱりとリナを見つめ、セラは高らかに宣言した。
リナは、何も言い返せなかった。
彼女の言うことは、確かに正しかったのだから……。

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はいっ!第6章でしたっ!
う〜ん、セラが暴走してます(笑)。最初はもうちょっとおしとやかな性格のつもりだったのですが……。
やはり、母親の血が流れているせいなのでしょうか。
おかげで、ガルフ・レイティアが、さっぱり目立っていません。ジュリアやアストールも同じく。
このまま話から消えたりしないでしょうね(笑)。
……というわけで続きます。どうか……見捨てず読んでやって下さい……。

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3904Re:祈り 第6章ライム E-mail 8/8-22:14
記事番号3903へのコメント
 初めましてこんにちは♪ライムといいます。
 感想などというものを書かせていただきます! 

>そう言いつつ、セラはガウリイの方をそっと見る。
>そのとたん、リナの顔が険しくなる。明らかな嫉妬の顔。
 素直に顔に出すのね…。
>「……セラ、やめておけ。その旦那は、俺より年上だぞ」
>ゼルガディスの言葉に、セラが少し驚いた顔をする。
 このとき、ゼルガディスはいくつ位なんでしょう?
>「えっ?ガウリイ様って、そんな年なんですか?……どう見ても20代ですよ」
>(奴の名前に『様』をつけるのは遺伝か?)
 シルフィールのは尊敬と親愛から来てましたけどこの子の場合は恋だけでしょうね。


>ゼルガディスは元の身体に戻った時点で邪妖精の魔力が消えたため、ほとんど魔法を使えなくなってしまったし、シルフィールは、自然のままに年をとることを望んだ。
 ゼル魔法使えないの?
>アメリアは……子供の頃ままの純粋な心がそうさせるのか、本人は意識していないのだが年をなかなかとらなかったのである。
 そうでしょうね。年をとったアメリアって、想像しにくいし…。

>「まぁ、この旦那の取り柄は剣の腕と外見だけだし……」
 ゼル…それは言い過ぎ(^^;)
>「年をとって剣の腕が落ちて、また顔も悪くなったら……ガウリイさん、確かにいいとこないですよねぇ」
 アメリアまで…。
>「そーでしょ?そうなったらこの脳味噌クラゲ男、生ゴミゼロスよりも使えなくなっちゃうじゃない」
 そこまで言うか…。
>本人の前で酷いことを平気で言うリナ達。
>しかし、当の本人は平気な顔である。……果たして、今の会話をちゃんと聞いていたのかどうか、かなり怪しい。
 聞いてても気にしなさそう。

>「それにセラ、ガウリイ様にはリナさんが……」
>シルフィールが娘を止めようとかけた言葉に、リナは思わず突っ伏した。
 ところでシルフィールは誰と結婚したんです?
>「あ゛……あ゛の、……シルフィール?」
>「そうですよ、セラさん。ガウリイさんにはリナさんって人がいるんですから、邪魔しちゃだめですよ」
>「アメリアの言うとおりだ。……止めとけ、リナに殺されるぞ」
 みんないいです♪
>「……あ゛のねぇ……ちょっと、人の話を……」
>誰も聞いてはくれなかった。
>「それに、私最初に思ってたんですけど、ガルフさんとレイティアさんって、てっきりリナさん達の子供じゃないかって……」
 私もそう思いました!

>「何でそうなるのよ!勝手に決めつけないでよね!……大体、あたし達、……別に結婚してるとかそういう訳じゃないんだし……」
>『え゛え゛っ!!!!!』
>思わずシルフィール、アメリア、ゼルガディスの声がハモる。
 ライムもびっくりしましたー。
>「そっ、そんなぁ、リナさん」
 そうです、リナさん(笑)

>「こいつはただのパートナーっ!……あたしは結婚する気なんてないのっ!誰ともっ!」
>にべもなく言い放つリナ。しかし、その顔は何故か辛そうだと、ゼルガディスは気付いた。
 いつもながらゼルは人の心情に鋭い。(あれ?日本語変だ)
>ガウリイに小声で話しかける。
>「おい、ガウリイの旦那。それは本当か?」
>「そうだ。俺達は別に結婚してるとかそういう訳ではないからな」
>「よくそれで彼女の横にいることができるな……生殺しじゃないか」
 おい。
>「……いいさ。彼女が俺の側にいてくれるのなら」
 ここ、もの凄く感動しました(T▽T)
>その言葉にハッとするゼルガディス。
>……昔、リナが姿を消したときのガウリイの悲痛を思い出したのだ。
>「俺達はずっと一緒にいる、それで十分さ。結婚とか言う形式的なものはどうだっていい」
>「……」
>昔からこの男はかなりプラトニックなところがあると、ゼルガディスは思っていた。
 ホワイトガウリイだー。
>しかし……これは、彼の想像以上である。
>彼は、感心するより先に呆れ返ってしまった。
 ここのゼルとガウリイの会話に、感動してしまいました。リナを想うガウリイの気持ちがひしひしと…。これまで三桁に及ぶ(汗)ガウリナ小説を読んできましたが(四桁?)、このガウリイ&ゼルに一番感動しました。ありがとうございます(T▽T)。

>決意を胸に秘め、きつい眼差しでリナを見つめた少女がいた。
>「……なら、私がいただいてもよろしいですのね?」
 い、いただいてもって…。
>清楚な顔をして、かなり大胆なことを言う。
>母親であるシルフィールの方が、かえって赤面して慌てている。
 シルフィールは言えなかったもんね。
>「……駄目よ」
>「勝手なことを言わないで下さい。結婚する気もないくせに側には置いておくなんて、あまりにも酷すぎます」
 確かに酷いけど(←オイ。)
>「……それは……」
>「私、負けません。今は無理でも、必ずガウリイ様の心を振り向かせて見せます。……その方が、今の状況よりは少なくともガウリイ様のためだとも思いますから」
>きっぱりとリナを見つめ、セラは高らかに宣言した。
>リナは、何も言い返せなかった。
>彼女の言うことは、確かに正しかったのだから……。

>……というわけで続きます。どうか……見捨てず読んでやって下さい……。
 絶っっっっっっっっっ対に見捨てません。必ず読みます!
 この作品を読めたことに心から感謝しています。
 …でも私が叫んでいるのって、この作品のオリキャラを無視してガウリナの部分だけですね。申し訳ないです。
 では、また。

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3908ライムさんありがとうございますちび☆ E-mail 8/9-14:39
記事番号3904へのコメント
ライムさんは No.3904「Re:祈り 第6章」で書きました。
> 初めましてこんにちは♪ライムといいます。
> 感想などというものを書かせていただきます! 

初めまして、ちび☆です。
こんな話を読んで下さってありがとうございます!
心から、感謝します♪

>>そう言いつつ、セラはガウリイの方をそっと見る。
>>そのとたん、リナの顔が険しくなる。明らかな嫉妬の顔。
> 素直に顔に出すのね…。

はい、多少は素直になったようですね(笑)。

>>「……セラ、やめておけ。その旦那は、俺より年上だぞ」
>>ゼルガディスの言葉に、セラが少し驚いた顔をする。
> このとき、ゼルガディスはいくつ位なんでしょう?

序章でリナ達と別れたときは少なくとも20歳過ぎですよねぇ(小説第2部でリナは18歳ですし)。
後は子供達の年齢から考えて、40〜42歳といったところでしょう。
ということは、ガウリイは……(笑)。

>>「えっ?ガウリイ様って、そんな年なんですか?……どう見ても20代ですよ」
>>(奴の名前に『様』をつけるのは遺伝か?)
> シルフィールのは尊敬と親愛から来てましたけどこの子の場合は恋だけでしょうね。

はい。セラは恋に恋した盲目少女です。相手は理想的な美貌の持ち主ですし。頭はともかくとして(笑)。

>>ゼルガディスは元の身体に戻った時点で邪妖精の魔力が消えたため、ほとんど魔法を使えなくなってしまったし、シルフィールは、自然のままに年をとることを望んだ。
> ゼル魔法使えないの?

この話では、ほとんど使えません。合成獣であった頃に培われた意志の強さによって、火の矢とかいった初級呪文ならかろうじて使える、といったところですね。

>>アメリアは……子供の頃ままの純粋な心がそうさせるのか、本人は意識していないのだが年をなかなかとらなかったのである。
> そうでしょうね。年をとったアメリアって、想像しにくいし…。

彼女は永遠のアイドルです(笑)。

>>「まぁ、この旦那の取り柄は剣の腕と外見だけだし……」
> ゼル…それは言い過ぎ(^^;)
>>「年をとって剣の腕が落ちて、また顔も悪くなったら……ガウリイさん、確かにいいとこないですよねぇ」
> アメリアまで…。
>>「そーでしょ?そうなったらこの脳味噌クラゲ男、生ゴミゼロスよりも使えなくなっちゃうじゃない」
> そこまで言うか…。
>>本人の前で酷いことを平気で言うリナ達。
>>しかし、当の本人は平気な顔である。……果たして、今の会話をちゃんと聞いていたのかどうか、かなり怪しい。
> 聞いてても気にしなさそう。

本っ当、このメンバーは揃って口が悪いですねぇ(←自分が書いてて何をいう)。

>>「それにセラ、ガウリイ様にはリナさんが……」
>>シルフィールが娘を止めようとかけた言葉に、リナは思わず突っ伏した。
> ところでシルフィールは誰と結婚したんです?

本当はその辺の裏設定とかも用意していたのですが、それを書くとますます収拾がつかなくなるので省略しました。
いつか、その話を書くかもしれません。……時間があれば……。

>>「あ゛……あ゛の、……シルフィール?」
>>「そうですよ、セラさん。ガウリイさんにはリナさんって人がいるんですから、邪魔しちゃだめですよ」
>>「アメリアの言うとおりだ。……止めとけ、リナに殺されるぞ」
> みんないいです♪

的確な指摘、ってやつですね。……でも、セラには通用しそうにないですが……。

>>「……あ゛のねぇ……ちょっと、人の話を……」
>>誰も聞いてはくれなかった。
>>「それに、私最初に思ってたんですけど、ガルフさんとレイティアさんって、てっきりリナさん達の子供じゃないかって……」
> 私もそう思いました!

そう思ったでしょう?さて、真実はいかに!

>>「何でそうなるのよ!勝手に決めつけないでよね!……大体、あたし達、……別に結婚してるとかそういう訳じゃないんだし……」
>>『え゛え゛っ!!!!!』
>>思わずシルフィール、アメリア、ゼルガディスの声がハモる。
> ライムもびっくりしましたー。
>>「そっ、そんなぁ、リナさん」
> そうです、リナさん(笑)

ふっふっふ。彼女の台詞は奥が深いんですよ(謎)……浅いかもしれないですが(笑)。

>>「こいつはただのパートナーっ!……あたしは結婚する気なんてないのっ!誰ともっ!」
>>にべもなく言い放つリナ。しかし、その顔は何故か辛そうだと、ゼルガディスは気付いた。
> いつもながらゼルは人の心情に鋭い。(あれ?日本語変だ)

私の中のゼルのイメージは、やっぱりそんな感じなんですよね。
自分は心を閉ざしていたくせに……とも思いますが(笑)。

>>ガウリイに小声で話しかける。
>>「おい、ガウリイの旦那。それは本当か?」
>>「そうだ。俺達は別に結婚してるとかそういう訳ではないからな」
>>「よくそれで彼女の横にいることができるな……生殺しじゃないか」
> おい。

う〜ん。この辺、ノーコメント(笑)。

>>「……いいさ。彼女が俺の側にいてくれるのなら」
> ここ、もの凄く感動しました(T▽T)

これは、是非彼に言ってほしかった台詞なんです☆

>>その言葉にハッとするゼルガディス。
>>……昔、リナが姿を消したときのガウリイの悲痛を思い出したのだ。
>>「俺達はずっと一緒にいる、それで十分さ。結婚とか言う形式的なものはどうだっていい」
>>「……」
>>昔からこの男はかなりプラトニックなところがあると、ゼルガディスは思っていた。
> ホワイトガウリイだー。

ホワイト……なのかなぁ?彼はリナのためならとんでもない事を平気でやっちゃうからなぁ……。

>>しかし……これは、彼の想像以上である。
>>彼は、感心するより先に呆れ返ってしまった。
> ここのゼルとガウリイの会話に、感動してしまいました。リナを想うガウリイの気持ちがひしひしと…。これまで三桁に及ぶ(汗)ガウリナ小説を読んできましたが(四桁?)、このガウリイ&ゼルに一番感動しました。ありがとうございます(T▽T)。

こちらこそ、そこまで言っていただいて、ありがとうございました。作者冥利に尽きます(嬉涙)。

>>決意を胸に秘め、きつい眼差しでリナを見つめた少女がいた。
>>「……なら、私がいただいてもよろしいですのね?」
> い、いただいてもって…。

お前さん、本当に巫女か?と疑いたくなってしまうこの一言。

>>清楚な顔をして、かなり大胆なことを言う。
>>母親であるシルフィールの方が、かえって赤面して慌てている。
> シルフィールは言えなかったもんね。

内心どう思っていたかは分かりませんが(笑)。

>>「……駄目よ」
>>「勝手なことを言わないで下さい。結婚する気もないくせに側には置いておくなんて、あまりにも酷すぎます」
> 確かに酷いけど(←オイ。)

確かに、セラサイドから見ると、リナはとんでもなく残酷な事をしているのですが。
リナサイドから見た場合は……ごにょごにょ(←誤魔化している)。

>>……というわけで続きます。どうか……見捨てず読んでやって下さい……。
> 絶っっっっっっっっっ対に見捨てません。必ず読みます!
> この作品を読めたことに心から感謝しています。

ありがとうございます!がんばって続きを書きます!
とりあえず、話の最後とそこに至るまでの大きなエピソードは決まっているので、後は小さなエピソードだけですね。
……これがなかなか書けないのですが(涙)。

> …でも私が叫んでいるのって、この作品のオリキャラを無視してガウリナの部分だけですね。申し訳ないです。
> では、また。

いえいえ、全然構いませんよ。
この話、最初に思いついたときは本当にレイティア達が主役の話だったのですが……今ではすっかりリナにその座を奪われてしまっていますし(笑)。
結局のところ、ガウリナ話に落ち着いたようです。

それでは、また続きを読んでやって下さい(はぁと)。


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3909祈り 第7章ちび☆ E-mail 8/9-14:41
記事番号3881へのコメント

第7章 罪の重さ


「ガウリイ様は私がいただきます」
セラのとんでもない宣言。
彼女はその宣言を違えることなく、行動を開始した。

ある日は、大量の料理を作って彼に差し入れをし。
ある日は、無理矢理彼を連れだして散歩につきあってもらったり。
またある日などは、夜中に彼の部屋を強襲する(!)といった強硬手段を取ったこともあった。
幸か不幸か(?)未遂で済んだものの。
リナのイライラは、頂点に達しようとしていた。

「……ったく(ムシャムシャ)、……あの小娘は!(パクパク)」
あれからアメリア達の家に滞在していたリナは、たまりにたまったストレスを発散するかのように食事に集中していた。
実に30人前を平らげている。
そんなリナをゼルガディス、アメリア、シルフィールが呆れて眺める。
「……昔のシルフィールより(ゴクゴク)、……質が悪いわ……(モグモグ)」
「昔のわたくしよりって……」
シルフィールの呟きは完全に無視。
「……リナさぁん……」
「そんなにガウリイの旦那を取られるのがいやだったら、はっきり彼女に言えばいいだろう」
ゼルガディスの言葉に、思わず赤面するリナ。平静を保とうとして失敗したらしい。
「……とりあえず言ったわよ。でも、全然聞く耳持ってくんないんだもん」
「すみません、娘が迷惑をかけます……。でも、それは、リナさんが『ガウリイ様と結婚しない』なんておっしゃるからでしょう?」
「そうですよリナさん!なんであんな事を……」
「さっさと結婚しちまえばいいじゃないか、そんな顔をするくらいなら」
「……事情があるのよ……」
ぼそぼそと呟く。
「事情?一体なんだ、それは」
「……他人の事情に首を突っ込むなんていい性格してるわね」
「そりゃ、人の不幸は面白い……んげっ!!!」
「リナさんっ!首締めちゃ駄目ですよ、アメリアさん白目をむいてますっ!」
「ったく!」
とアメリアの首に回した手を離す。
「……で、一体何なんだ?」
その言葉に合わせるように、6つの目がリナをじっと見つめる。
観念したかのように、リナは小声で呟いた。
「……お尋ね者に、なっちゃうのよ……」
『お尋ね者ぉ!?』
思わず3人で同じ言葉を合唱してしまう。
「……お尋ね者って……リナさんっ!一体何をしでかしたんですかっ!!!」
「今度こそ、何か大きな犯罪でもやらかしたのか?」
「駄目ですよリナさん!罪を犯したならば、きちんと法の名のもとに裁きを受けなければっ!」
「いや、別にそういう訳では」
「リナさん、何をしたかは分かりませんが、ガウリイ様まで巻き込んでいるのですか!?」
「リナのすることだ……無銭飲食、『盗賊いぢめ』とか言っている強盗、他には呪文でもって意味もなく周りに被害を与えたってところか……」
「それなら昔も日常茶飯事だったような気がするんですけど」
「では、やはり……」
「こらこらっ!あんたら、あたしのことをどういう目で見てるのよ!」
「……至極、正当な目で見ていると思うが?」
あっけらかんとした声で言うゼルガディス。
「とにかくっ!あたしは誰とも結婚する気は無いのっ!放っといて!」
真っ赤な顔をして言うなり、リナはそっぽを向いてしまう。

……アタシハ、コノ世ノ法デハ裁クコトノデキナイ程ノ罪ヲ犯シタ。
  優シイ言葉ニ甘エテ、決シテ許サレヌ事ヲシテシマッタ……。

小さな小さな呟きは、誰の耳にも届かなかった。

そのとき、ジュリアが息を切らしながら部屋に入ってきた。
「父さん!母さん!見て、見て!」
なにやら手紙のようなものを持っている。
「どうしたの、ジュリア?」
「あのね、セイルーンのお城で、パーティがあるんだって!」
「パーティ?」
「そう!えっと……明日セイルーン城にて舞踏会を開催します、ですって!父さん、母さん、行きましょうよ!」
セイルーン王家の紋章入りの手紙。
その手紙には、案内文の他に、国王でありアメリアの父親であるフィリオネルの私信も書かれていた。
『愛しいアメリアへ。最近お前が王宮に来てくれないから父さんは寂しいぞ。舞踏会を開くから、是非子供達と一緒に来るがいい!父は楽しみに待っておるぞ!』
……どうやら、娘会いたさだけに舞踏会を開催したようである。とんでもない国王であった。
「ね、ね、母さん。行きましょうよ!」
目を輝かせながら尋ねるジュリアに、アメリアは微笑む。
「そうね……なら、みんなで行きましょうか」


「……舞踏会?」
部屋に全員を集め、アメリアが舞踏会への参加を説明した。
「そうです。父さんが開いてくれました。あ、参加するのにあたし達はべつに費用はいらないそうですから、是非皆で行きましょうよ!」
「あ、でもあたし達、着ていく服が……」
「あ、その事でしたら気にしなくてもいいですよ。ドレスとかはお貸ししますから」
「もちろん食事も、出るんですよね?」
レイティアが確かめると、アメリアは頷いた。
「よっしゃぁっ!」
「よしっ!いっぱい食うぞ!!!」
とたんに意気投合して叫ぶ双子達。
「きっと、城のパーティなら、いいものが出るよなぁ」
「あぁ……愛しいニャラニャラの踊り食いっ!!!」
「ニョヘロンの焼き肉も捨てられないよな……」
「いや、でもミルサー料理!これは絶対に外せないわっ!!!」
「腹一杯食えるならなんでもいいっ!」
リナとガウリイが加わり、そこはたちまち食事の話題で盛り上がった。
「……なんて言うか……そっくりですねぇ」
「さすがは『御馳走』のため共に旅をしていたと言うだけあるな……」
「変わっていませんね、リナさん達……」
呆れるゼルガディス達。
さらにアメリアが手紙を読む。
「え〜っと、『なお、当舞踏会は、男女一組のペアでご参加下さい』……」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、セラがガウリイの腕を掴む。
「ガウリイ様っ!私と一緒に参加して下さいねっ!」
「あ゛?」
状況がよく分かっていないガウリイ。そこへたたみかけるようにセラが続ける。
「明日の舞踏会、是非エスコートして下さいね(はぁと)」
にっこりとしたとびきりの笑顔。勢いに押され、思わずガウリイは頷いてしまう。
「約束ですよ。では、明日お待ちしております!!……」
言うなり駆け去る彼女。リナの報復を恐れたのかもしれない。
「へ?……何だったんだ?」
のほほんと尋ねるガウリイ。……やはり何も考えていないのか。
「……ちったぁ状況を把握しなさいよねっ、この脳味噌ヨーグルト男!」
ごんっ!!!
怒り心頭に達したリナのエルボーアタックが炸裂!ガウリイは轟沈した。

「っふっふっふ、ざけんじゃないわよ……」
「リナ……」
「リ、リナさん……目が据わってます……」
あまりの迫力に気圧され、思わず一歩後ずさるアメリア。
「……ガルフっ!」
「は……はいっ!!」
「あんた、あたしのパートナーになってパーティに出なさい!!」
「いっ!」
とたんに青ざめるガルフ。……確かにリナの相手はご遠慮願いたいところだろう。
「え……あの……いや……その……」
「文句あるの?」
ガルフは彼女の眼光に逆らうことは出来なかった。口がパクパク動くが、反論の言葉は出てこない。
そんな彼に助け船が現れた。
「駄目ですっ!ガルフさんは、私と一緒にパーティに出るんですっ!」
ガルフの腕を掴んでリナに反論するのは、ジュリアであった。
(た……助かった……)
声には出さす安堵のため息をつく彼を後目に、リナは今度はアストールの方へと向く。
身の危険を感じた彼も慌てて、横にいた少女の肩を抱く。
「悪いが……俺はレイティアと出る事になってて……」
「ちょっと待って……ふがふが」
そんなこと聞いてないと言いかけたレイティアの口を塞ぎつつ、ガルフは乾いた笑いをあげる。
「……」
残る男はただ一人。リナの視線がその男に向かう。
ゼルガディスは思わず冷や汗を流した。が、
「そんなにびくつかなくたっていいでしょ。……いくらあたしでも、人の旦那を横取りしようなんて思わないから」
とのリナの言葉にひとまず安心したようだ。
「リナ……」
申し訳なさそうに声をかけるガウリイ。
沈黙が流れる。
「……しゃーないか……」
諦めたような声を出す。
「……ガウリイ!明日はちゃんとお土産持って帰ってきてよね!」
言うなり、部屋を飛び出す。
「おい、ガウリイ」
「……分かってる」
ゼルガディスの言葉に、慌ててリナの後を追うガウリイ。
その後を、複数の影がそっと付いていったのを彼は知らない。


トン、トン。
リナが借りている部屋のドアをガウリイはノックした。
「……」
しかし返事はない。
ため息をつき、無言のままドアを開ける。
……リナは、ベッドの端に腰掛けていた。
「リナ……怒っているのか……?」
「……別に」
何気に呟くリナ。ガウリイには、彼女の表情を読みとることは出来なかった。
「あの子の誘い、断ろうか?」
「……駄目よ。一度約束したものを保護にするなんて」
勝手に決めつけて押しつけるものを約束というのだろうか、との疑問は口に出せないガウリイ。
リナは、所在なさげに足をブラブラと動かしている。
「それにね。本当は、彼女の好きにさせる方がいいかもって思って」
「……リナ?」
「あたしには……ガウリイを縛る権利なんて、本当は無いの。あたしの我が儘で側にいてもらってるけど……それがガウリイを、駄目にしてしまった気がする」
リナの表情が崩れる。
「……」
「確かに昔、ガウリイは一緒にいてくれるって言ってくれた。あたしはそれが嬉しかった。……でも、本当にそれで良かったの?結婚なんか出来ない。誰にも祝福なんかしてもらえない。……陰でこそこそと生きて行くしかない」
言いながら、その瞳に涙が少しずつ溜まっていく。
「……リナ」
「ガウリイ……今なら、まだ間に合うよ。すべてをやり直して、普通に生きて、幸せになれる……きっと」
「リナ!!!!」
ほとんど半泣き状態の彼女を、ガウリイはたまらず強く抱きしめた。
「……言ったはずだ。俺の望みはただ一つ。……お前が側にいる事だと」

遠い日の約束。
たとえ世界中のすべてを敵に回し、その身が地獄に落ちようとも、絶対に譲れなかった願い。
強くて、そして弱いこの少女を守ると誓ったあの想いは、未だ薄れることはない。

「忘れるな……お前のいる場所は、俺の側だ」
「……ガウリイ!」
その力強い言葉に、リナの眼から涙が溢れ出す。
そして、彼の身体を強く、強く抱きしめる。
「ごめん……ガウリイ……分かってる……分かってるけど……!!」
涙が止まらない。
「アメリア達に会えて良かった。あの子達が幸せって事が分かって、本当に嬉しかった。でも」
そっと俯く。
「……苦しいの。辛いの。ここにいるのが……。自分が何をしたのか、思い知らされる……」
大きな胸に顔を埋め、リナは泣きじゃくる。
「リナ、お前のせいじゃない……お前のせいじゃないんだ……」
必死に彼女を慰めようとするガウリイ。だが、その腕が包む少女の身体の震えは止まらなかった。

その頃。
かすかに開いたままのドアの陰に佇む者達がいた。
「ねぇ、兄さん、あれって……」
「……あぁ……」
「どう見ても、あの2人デキてますよねぇ」
「セラもあきらめた方がいいのに」
「でも、今のあいつに言っても聞くかなぁ……?」
そう言いつつ、こっそりと部屋から離れていく。

「……リナ、明日の舞踏会が終わったら、ここを出よう」
ガウリイの囁きは、去りつつあるドアの外の4人には届かなかった。

---------------------------------------------------------------------

はいっ!リナ達の意味深な台詞が多い第7章でしたっ!
この章が書きあがってみると、予定していた内容の半分しか話が進んでいませんでした。
……1章分、話が延びます。
序章+本編10章+終章で終わり、になると、いいなぁ……(弱気)。

更に続きます。気の長い方、どうか暖かい目で見守ってやってください。

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3910「祈り」の感想です♪ゆかり E-mail 8/9-15:26
記事番号3909へのコメント

はじめまして♪ゆかりといいます。
お話とても面白いです(^^)

>実に30人前を平らげている。
いらいらを食事で解消するあたりリナですね〜

>……アタシハ、コノ世ノ法デハ裁クコトノデキナイ程ノ罪ヲ犯シタ。
>  優シイ言葉ニ甘エテ、決シテ許サレヌ事ヲシテシマッタ……。
をを、謎発言!!

>……どうやら、娘会いたさだけに舞踏会を開催したようである。とんでもない国王>であった。
あははは(^0^)
何だかフィルさんらしいです。

>序章+本編10章+終章で終わり、になると、いいなぁ……(弱気)。
これから怒涛の展開かな〜???
続き頑張って下さい!!!楽しみにしてます♪
それでは☆

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3923ゆかりさんありがとうございますちび☆ E-mail 8/10-22:03
記事番号3910へのコメント
ゆかりさんは No.3910「「祈り」の感想です♪」で書きました。

>はじめまして♪ゆかりといいます。
>お話とても面白いです(^^)

始めまして。ちび☆というものです。
このお話を読んでいただいて、ありがとうございました(はぁと)。

>>実に30人前を平らげている。
> いらいらを食事で解消するあたりリナですね〜

一番周りに迷惑をかけないストレス発散法でしょう。
(その他の例:盗賊いぢめ、魔法で他人を吹き飛ばす、ガウリイを殴り飛ばすetc.)

>>……アタシハ、コノ世ノ法デハ裁クコトノデキナイ程ノ罪ヲ犯シタ。
>>  優シイ言葉ニ甘エテ、決シテ許サレヌ事ヲシテシマッタ……。
> をを、謎発言!!

ふふふふふ(笑)。

>>……どうやら、娘会いたさだけに舞踏会を開催したようである。とんでもない国王>であった。
> あははは(^0^)
> 何だかフィルさんらしいです。

いやぁ、やっぱりフィルさんは親馬鹿っぽいですから、やはりこういうことも平気でしてしまうでしょう。

>>序章+本編10章+終章で終わり、になると、いいなぁ……(弱気)。
> これから怒涛の展開かな〜???
> 続き頑張って下さい!!!楽しみにしてます♪
> それでは☆

第8章を書き終えました!そろそろ雲行きが怪しくなっていきます。
出来上がり次第どんどんUPしていきますので、どうか見てやってください♪
(仕事があるのでなかなか進まないのですが)

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3911Re:祈り 第7章三里桜架 E-mail 8/9-19:29
記事番号3909へのコメント
感想いきます!

>「ガウリイ様は私がいただきます」
>セラのとんでもない宣言。
>彼女はその宣言を違えることなく、行動を開始した。
うぉ!シルフィールより積極的!
その積極さは父譲り?!(一体誰?)


>「……昔のシルフィールより(ゴクゴク)、……質が悪いわ……(モグモグ)」
>「昔のわたくしよりって……」
リナ、やっぱりシルフィールのラブラブアタック不愉快に感じてたんだ。


>「……他人の事情に首を突っ込むなんていい性格してるわね」
>「そりゃ、人の不幸は面白い……んげっ!!!」
アメリア、しばらくぶりにリナとあったから、リナに対する対応忘れたのかな?


>「こらこらっ!あんたら、あたしのことをどういう目で見てるのよ!」
>「……至極、正当な目で見ていると思うが?」
当時リナを皆がどう思っていたか、判ってしまう台詞だなー・・・。


>……アタシハ、コノ世ノ法デハ裁クコトノデキナイ程ノ罪ヲ犯シタ。
>  優シイ言葉ニ甘エテ、決シテ許サレヌ事ヲシテシマッタ……。
意味深ですねー。


>『愛しいアメリアへ。最近お前が王宮に来てくれないから父さんは寂しいぞ。舞踏会を開くから、是非子供達と一緒に来るがいい!父は楽しみに待っておるぞ!』
>……どうやら、娘会いたさだけに舞踏会を開催したようである。とんでもない国王であった。
親ばか・・・。


>「さすがは『御馳走』のため共に旅をしていたと言うだけあるな……」
本当にそうなのか?!


>その言葉が終わるか終わらないかのうちに、セラがガウリイの腕を掴む。
>「ガウリイ様っ!私と一緒に参加して下さいねっ!」
>「あ゛?」
セラ、素早すぎ!


>ゼルガディスは思わず冷や汗を流した。が、
>「そんなにびくつかなくたっていいでしょ。……いくらあたしでも、人の旦那を横取りしようなんて思わないから」
ゼル、結婚していて良かったね!(ちがうだろ・・・(ーー;))


>「……苦しいの。辛いの。ここにいるのが……。自分が何をしたのか、思い知らされる……」
>大きな胸に顔を埋め、リナは泣きじゃくる。
リナ、一体何をしたんですか?
そんなに泣くくらいのことを・・・。


>その頃。
>かすかに開いたままのドアの陰に佇む者達がいた。
>「ねぇ、兄さん、あれって……」
>「……あぁ……」
>「どう見ても、あの2人デキてますよねぇ」
>「セラもあきらめた方がいいのに」
>「でも、今のあいつに言っても聞くかなぁ……?」
>そう言いつつ、こっそりと部屋から離れていく。
だめだよ、4人の御子。デバガメは・・・(-_-;)


>はいっ!リナ達の意味深な台詞が多い第7章でしたっ!
まったくです。


>この章が書きあがってみると、予定していた内容の半分しか話が進んでいませんでした。
>……1章分、話が延びます。
嬉しいな!長ければそれだけ楽しみ!


楽しみに待っています!
続き、頑張って下さい!


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3924三里桜架さんまたまたありがとうございますちび☆ E-mail 8/10-22:08
記事番号3911へのコメント
三里桜架さんは No.3911「Re:祈り 第7章」で書きました。
>感想いきます!

>>「ガウリイ様は私がいただきます」
>>セラのとんでもない宣言。
>>彼女はその宣言を違えることなく、行動を開始した。
>うぉ!シルフィールより積極的!
>その積極さは父譲り?!(一体誰?)

「積極さは父譲り」というのは、まさしくその通りです。
この話では書けなかったのですが、父親はとても積極的な人でした(笑)。
一応彼はオリキャラです。金髪碧眼の……ごにょごにょ。

>>「……昔のシルフィールより(ゴクゴク)、……質が悪いわ……(モグモグ)」
>>「昔のわたくしよりって……」
>リナ、やっぱりシルフィールのラブラブアタック不愉快に感じてたんだ。

まぁ確かにそうなのですが、実はこの辺も裏設定か絡んでたりします(爆)。
彼女は昔、セラの父親と手を組んでガウリイにファイナルアタック(By FF7)を行ったので、リナはその時の事を言っています(笑)。

>>「……他人の事情に首を突っ込むなんていい性格してるわね」
>>「そりゃ、人の不幸は面白い……んげっ!!!」
>アメリア、しばらくぶりにリナとあったから、リナに対する対応忘れたのかな?

思った事をつい正直に言ってしまうのが彼女。口は災いの元だよ(笑)。

>>「こらこらっ!あんたら、あたしのことをどういう目で見てるのよ!」
>>「……至極、正当な目で見ていると思うが?」
>当時リナを皆がどう思っていたか、判ってしまう台詞だなー・・・。

今でも同じ目で見ています(ひでー)。

>>……アタシハ、コノ世ノ法デハ裁クコトノデキナイ程ノ罪ヲ犯シタ。
>>  優シイ言葉ニ甘エテ、決シテ許サレヌ事ヲシテシマッタ……。
>意味深ですねー。

ふふふふふ。この謎(?)が一番のキーポイントです。

>>『愛しいアメリアへ。最近お前が王宮に来てくれないから父さんは寂しいぞ。舞踏会を開くから、是非子供達と一緒に来るがいい!父は楽しみに待っておるぞ!』
>>……どうやら、娘会いたさだけに舞踏会を開催したようである。とんでもない国王であった。
>親ばか・・・。

国王になっても変わってません。公私混同するなって(笑)。

>>「さすがは『御馳走』のため共に旅をしていたと言うだけあるな……」
>本当にそうなのか?!

ぎくっ!……うーん、でも嘘ではないです(汗)。

>>その言葉が終わるか終わらないかのうちに、セラがガウリイの腕を掴む。
>>「ガウリイ様っ!私と一緒に参加して下さいねっ!」
>>「あ゛?」
>セラ、素早すぎ!

それはもう、父親譲りの積極性をいかんなく発揮しております。

>>ゼルガディスは思わず冷や汗を流した。が、
>>「そんなにびくつかなくたっていいでしょ。……いくらあたしでも、人の旦那を横取りしようなんて思わないから」
>ゼル、結婚していて良かったね!(ちがうだろ・・・(ーー;))

でもアメリアの目がなければ、リナが無理矢理パートナーにしてたりして(笑)。

>>「……苦しいの。辛いの。ここにいるのが……。自分が何をしたのか、思い知らされる……」
>>大きな胸に顔を埋め、リナは泣きじゃくる。
>リナ、一体何をしたんですか?
>そんなに泣くくらいのことを・・・。

彼女にとってはとーっても悪い事……というか、絶対にやりたくなかった事です(共犯:ガウリイ)。
しかも2つも。先の章で明らかにされるでしょう。

>>その頃。
>>かすかに開いたままのドアの陰に佇む者達がいた。
>>「ねぇ、兄さん、あれって……」
>>「……あぁ……」
>>「どう見ても、あの2人デキてますよねぇ」
>>「セラもあきらめた方がいいのに」
>>「でも、今のあいつに言っても聞くかなぁ……?」
>>そう言いつつ、こっそりと部屋から離れていく。
>だめだよ、4人の御子。デバガメは・・・(-_-;)

青少年の純粋な好奇心ってやつでしょう。
大目に見てやってください(笑)。

>>はいっ!リナ達の意味深な台詞が多い第7章でしたっ!
>まったくです。

いやぁ、ちょっとは引いておかないと……。
この先、話がつながらなくなりますし(笑)。

>>この章が書きあがってみると、予定していた内容の半分しか話が進んでいませんでした。
>>……1章分、話が延びます。
>嬉しいな!長ければそれだけ楽しみ!
>楽しみに待っています!
>続き、頑張って下さい!

ううっ!ありがとうございます!(感涙)。
出来るだけ早くUPしますので、読んでやってください♪

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3918ちび☆さまへ(はあと)リナみんと 8/10-09:04
記事番号3909へのコメント
いやーもぉおもしろすぎます!!
一日の楽しみはこれですねっ!これしかないです!
他の時間めちゃめちゃ忙しいし。
なんかずっと終わって欲しくないですけど・・・・・・無理ですね・・・。
大変だもんねぇ・・・(遠い目)
続きがすっごい楽しみです!
早く書いてくださいね(おいっ)
長いといえば・・・私の(ちょっとやばくなってきた)里帰りシリーズ。
ほんとは短編だったはずなのにぃ。
いつのまにか長編になってるぅ〜・・・・・・いっか。
本題ちょっとずれたけど、がんばってください!ほんとに!
それでは☆

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3925リナみんとさんまたまたありがとうございますちび☆ E-mail 8/10-22:16
記事番号3918へのコメント
リナみんとさんは No.3918「ちび☆さまへ(はあと)」で書きました。
>いやーもぉおもしろすぎます!!

ありがとうございます♪(*^^*)

>一日の楽しみはこれですねっ!これしかないです!
>他の時間めちゃめちゃ忙しいし。

そうそう。一日の仕事が終わって書き込むのが楽しいです。
でも、実は仕事場でもこっそり覗いてたりして(爆)。

>なんかずっと終わって欲しくないですけど・・・・・・無理ですね・・・。
>大変だもんねぇ・・・(遠い目)

この話は、最初から結末が決まっているのでもうすぐ終わります。
……っていうか、本当なら途中のエピソード増やせばもうちょっと長くなって良かったんですけど、私の根性が無かったので無理でした(笑)。
あ、ほら、他の皆さんも、読むときあまりに長いと大変だし(←言い訳)。

>続きがすっごい楽しみです!
>早く書いてくださいね(おいっ)

できれば、盆休み中に完成させたいなぁと思っています。
とりあえず今夜は8章をUPします!
9章は……早くて2〜3日後かなぁ……(不安)。

>長いといえば・・・私の(ちょっとやばくなってきた)里帰りシリーズ。
>ほんとは短編だったはずなのにぃ。
>いつのまにか長編になってるぅ〜・・・・・・いっか。
>本題ちょっとずれたけど、がんばってください!ほんとに!
>それでは☆

リナみんとさん、次作をとっても楽しみに待ってます☆
(↑この発言は自分の首を絞めるとも言う)
お互いにがんばりましょう。
それではっ♪

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3926祈り 第8章ちび☆ E-mail 8/10-22:19
記事番号3881へのコメント
第8章 困惑の舞踏会


次の日の夕方。
白馬をつないだ王家の馬車が、わざわざ山奥のこの家まで迎えに来た。
馬車に乗り込む一同。
……リナを除いて。
「リナさん……本当にいいんですか?別に1人でも会場には入れてもらえると思うんですけど」
心配そうに言うアメリアに向かって、リナはぱたぱたと手を振る。
「いーの、いーの。ちょっとやりたいこともあるし。……でも、料理は持って帰ってね♪」
「やりたいことって…………リナさん、お願いですからアメリアさんの家を壊すような事はしないで下さいね」
「気をつけろよ……っても、お前さん相手じゃ、何が襲ってこようとも平気だろうが」
真剣な顔で言うシルフィールとゼルガディス。
「ちょっと、あんた達……あたしを怪獣扱いしないでよ!」
「リナ……なるべく早く戻ってくるから」
「いいって、ゆっくりしといでよ。あ、でも料理忘れたら許さないから。レイティア、ガルフ!あんた達もよ!」
「はいはいっ」
「それじゃ!」
御者が馬に鞭を入れ、馬車は動き始める。
その姿が次第に小さくなっていき、そして夕焼けに溶け込んでいった。
リナは、家の中に戻った。


部屋に戻ると、リナは荷物の整理にかかった。
もともと旅支度だったので、量はさほど多くはない。
と、その中にあった小さな額縁を取り出す。
そこに描かれているのは、リナ達と、そして、かつて共に旅をした2人。
懐かしい思い出。
「でも、もう、これは捨てるべきかもね……」
過去に戻ることは出来ない。
今ある現在から、未来に向かって歩くしかないから。

「ずいぶん素直じゃないんですね」
突然、虚空から声が響くが、リナは振り向きもしなかった。
「何の用よ」
「いやぁ、てっきり意地でも付いて行くかと思ったんですけど」
空中に、にこにことした笑顔を浮かべて、ゼロスが浮かんでいた。
「セラさん、思いこみ激しそうですからねぇ。ガウリイさんに何するか分かりませんよねぇ」
「……」
「本当はリナさん、気になって仕方ないのでしょう?」
「……ゼロス……あんた、本っ気であたしに滅ぼされたいようね……」
「うわっ!ちょ、ちょっと待って下さいよぉ」
呪文を唱えるリナの手に『力』が集中する。彼女の殺気を感じてか、慌てて手を振るゼロス。
「僕はただ、優しい魔法使いになるためにきたんですから」
「……魔法使い?」
「そう。パーティに行けず一人寂しく家に残ったかわいそうなシンデレラを、お城のパーティに連れていこうと思っただけです」
「カボチャの馬車に乗って?」
「そうそう♪」
嬉しそうに笑うゼロス。
しかし、リナは一転して表情を堅くする。
「……何をたくらんでいるの」
「おっと、怖い顔しないで下さいよぉ」
「あんたが、ただの親切でそんなこと言う筈がないでしょ」
「ははは……リナさん、手厳しいですねぇ」
頭をかきながら答えるゼロス。
「あなたに隠し事してたら、後でどんな目に遭わされるか分からないから言いますけど……魔族が狙ってますよ。アメリアさん達を」
「何ですって!」
「それでですね。その魔族、あ、オスロさんっていうんですけど、その方がちょっと獣王様にとって都合のいい存在ではありませんのでね。ここは一発、リナさんに……」
「……人の手を使って、邪魔者を消そうって言うの……?」
「そういう言い方もあるかもしれませんねぇ」
「笑顔でんな事言うなっ!!あんたがさっさと手を下せば早いでしょっ!!!あんた仮にも獣神官でしょ!」
「この件に、獣王様や僕が直接手を出すことは避けたいんですよ。魔族にもいろいろとありまして」
「誰もあんた達の都合など聞いてないわよっ!」
「とりあえず、僕はこの件にこれ以上手を出すつもりはありません。……でも、このままだと、リナさんには都合が悪いでしょう?」
「……鬼」
「だからこそ魔族なんですよ。……さぁ、一緒にパーティへ行きましょう」
「何であんたと一緒に行かなくちゃなんないのよ?」
「あれ?男女のペアが規定なんでしょう?アメリアさん達と一緒でもない限り、一人でパーティに参加させてもらえないのでは」
「……う゛ー……」
「さぁ、僭越ながらこの私が、貴方様のエスコートをさせていただきます。ご準備はよろしいですか、姫?」
わざとらしく跪くゼロス。
苦虫を噛み潰したような顔で、リナは手を伸ばした。



優雅な音楽の流れるホール。
色とりどりの明かりに照らされながら、数多くの男女が踊っている。

「リナさん……本当に置いてきてよかったんでしょうか?」
アメリアは、心配そうな顔をした。
「意地を張っているだけじゃないのか?……ともかく、俺達が口を出せる事では無いだろう」
優雅なステップを踏みつつ、ゼルガディスは呟いた。
「でも……シルフィールさんだって、神殿に用事があるっていってましたから、リナさん一人ですよ?」
「あぁ。……厄介ごとに巻き込まれていなければいいが」
過去を思うと、真剣に心配をせざるを得ない彼であった。

また、そこから少し離れたところで、初々しいカップルが踊っていた。
「え……っと、……ていっ!……あわわ」
「……!痛いです!!」
「ごめん、ごめん!」
思い切りジュリアの足を踏んでしまったガルフが、平謝りに謝る。
剣の腕は目を見張るもののある彼であるが、ダンスの腕はあまり良くないようである。
「んもー。ガルフさん、しっかりして下さいよ」
そう言いつつも、笑顔のジュリア。
「うーん、これは俺には向いていないんだよ」
「まぁ、誰でも初めからうまく踊れる筈無いのですから。ちょっとずつ練習しましょう。ね?」
「お、おう」
ガルフは必死の形相で頷く。
そして再び、たどたどしくステップを踏み始めた。

『痛いっ!!!』
そう遠くないところで再び響いた妹の声を聞き、アストールは呆れた顔になった。
「……お前さんの兄貴は、ダンスが苦手のようだな」
「本当ね。ジュリアもかわいそうに」
そう言いつつ、レイティアの足は軽快に動いている。
「双子なのに、こうもダンスの腕に差があるのか?」
「さぁ……やっぱり、出来が違うのかしら?」
「酷いことを言うな」
思わず苦笑するアストール。
音楽に合わせ、くるくると2人は回り続けた。

「……ガウリイ様?」
浮かない顔をしたパートナーに、セラが話しかける。
「あ、いや……何でもない」
近くに、よく知った者の気配を感じたような気がしたのだが。
無言でダンスを再開する。
可憐なステップで踊るセラ。その頬はほのかに赤い。
(ずっとこのままでいられたらいいのに……)

だが、そんなセラの想いを邪魔するかのように、部屋の一角でざわめきが起こった。
音楽に身を任せ踊っていた人々の足が止まる。
(何だ……?)
皆が不思議そうに人だかりを見つめる。
と、人だかりが割れる。
そこに現れたのは、この世のものとは思えないほどの美しい一組の男女。

『ほうっ……』
周りの人たちが一斉にため息を付く。
男は、黒を基調にしたタキシードを着ていた。
肩の上で切りそろえられた、漆黒の髪。
細く、そして鋭い光を放つ紫の瞳。
美しく整ったその顔は、どこか冷たい印象を与える。
魔的な美しさ、とでも言うのだろうか。
だが、皆、目が離せない。
そんな男がエスコートする女性も、また並の女性ではなかった。
燃えるような赤色のドレスを身に纏っている。
緩やかにカーブを描く、腰まで伸びた栗色の髪。
強き意志の宿った紅の瞳。
男とは対照的な、エネルギッシュな印象を与える。
確かに彼女の顔は整っている。
しかし、真に彼女の美しさを引き出すのは生命の輝き。
流れる曲に合わせ、二人は静かに踊り始める。
時には煌き、時には音も無くターン。
それは、さながら、光と闇のダンスのように思えた。

「……リナさん!?」
「相手の男は……ゼロス!!!」
皆の注目を一心に集めた男女の正体を知り、アメリアとゼルガディスが驚きの声をあげる。
「何であいつが……ここにいるんだ!?」

「リナと、……ゼロス?何であいつらが一緒にいるんだ?」
踊る足を止め、2人を見つめるガウリイは、心なしか声が低くなっている。
「ガウリイ様……」
その腕を掴むセラ。だが、彼の目はただ1点を見つめていた。

(ちょっと!何でこんな事しなくちゃなんないのよ!)
表面上は優雅に踊りつつ、リナは小声でゼロスに文句を言っていた。
(あたしはなるべく目立つような事はしたくないのに!)
(いやぁ、これも絶対に必要なプロセスなんですよ)
(本当に?)
(……嘘です。僕の趣味です♪)
ばきっ!
物理的なダメージはほとんど与えられないと知りつつも、リナは高いヒールでゼロスの足を思い切り踏んづける!
(……はぉ、ぅ、……痛い……。リナさ〜ん、ちょっとしたお茶目心じゃないですかぁ……)
(やかましいわっ、このクソボケゼロス!)
周りの者達には、この微笑ましい会話は届かなかった。

その時。

「おーーーっほっほっほっほっほっほっ!!!!!!」
会場を、異様な高笑いが響きわたる!!!

その声を聞き、客の4分の1が昏倒した。
記憶の底にこびりついて離れない声に、リナはギギギと顔を向ける。
果たして……。
そこにいたのは、遥か昔、共に旅した『金魚のふん』がいた。
昔と変わらぬ長い黒髪に大きな胸。
ただ一つ違っていたのは、昔のように悪の魔道士ルックではなく、やはり露出度の激しいドレスに身を包んでいたことか。
「ナーガっ!!!」
そう、自称『白蛇(サーペント)のナーガ』であった。
「誰かと思えばリナじゃない」
「ちょ、ちょっと、ナーガ。あんた何でこんなところにいるのよ」
「何でとは心外ね。その言葉、そっくり返してあげるわ」
「見たところ一人のようだけど、よくここに入れたわね」
「ほーっほっほっ、この白蛇のナーガ様に釣り合うほどの男なんてそうそういるわけないでしょ。適当な男をつかまえたのでは、わたしの品位が疑われてしまうわ」
「それは単に、相手してくれる男がいないって事じゃないの?」
「……。そんなもの、リナの気のせいよ」
だがリナは、ナーガの頬にうっすらと流れる冷や汗を見逃さなかった。
「それよりっ!あんたみたいな死ぬほど怪しい奴が、何でこの舞踏会に参加できてるのっ!」
「そりゃ久しぶりに帰ってきたのですもの、たまには顔見せしておかなければね」
「顔見せ……!?」
リナが胡散臭そうな顔をしたとき、アメリアがこちらの方にやってくるのが見えた。
「アメリ……」
声をかけようとするのも束の間、
「グレイシア姉さんっ!!!」
アメリアが大声で叫ぶ。
(……え゛!?)
「あら、アメリア」
「姉さん、一体いつ戻ってきていたんですか!」
「ついさっきよ。お父様がなんだか面白そうな事してるから、私も参加してみようかと思って」
「まったく、……何の修行の旅だか知りませんけど、どうせ道に迷っているだけなんでしょ?」
「いやーね、アメリア。各国各地を巡って見聞を広めている、って言ってよね」
「だったらたまには帰ってきて下さいよ!仮にも姉さんは第1王位継承権を持っているんですからね!」
「……」
会話に付いていけず、茫然自失状態のリナ。
「どうやら、あのお方はフィリオネル王の第一王女のようですね。いやぁ、お若い」
ゼロスが感心したように呟くが、頭がそれを理解することを拒否している。
「な、なーがが……なーが、が……おう……ぢょ…………さま……!?」
リナの思考回路が停止寸前まで追い込まれる。
「あら、リナさん!?グレイシア姉さんをご存知なんですか?」
硬直状態のリナに気付き、アメリアが驚きの声を上げ、止めを刺す。
リナは完全に凍り付いた。
「おっほっほっ、アメリア!このリナは、昔わたしと共に旅をしていた事もあってね」
意味も無く大きな胸を反らす。
「色々とわたしが面倒を見てあげてたのよ」
「そぉなんですか」
素直にその言葉を信じるアメリアの姿に、リナは我に返り、
「んごっ!!!」
力任せにナーガをぶち殴る!
「何するのよっ!!!」
「あんた、大嘘つくんじゃないわよっ!あんたがあたしに色々と面倒をかけた、の間違いでしょうがっ!!」
「ふっ、そんな細かい事をぐだぐだ言ってるようじゃ、まだまだね」
「一言違えば全然意味がちがうでしょうがっ!!!」
「あぁ、これだから胸の無い女は」
「そういう問題じゃないでしょ!……だったらナーガ、あんたがあたしにおごらせた御飯代、今すぐ首を揃えて払ってもらってもいいのよ」
ひきっ。
顔が引きつるナーガ。
「……まぁ、その話はおいといて」
「勝手においとかないで」
「あぁ、本日はお日柄もよく」
「もう夜でしょうが」
「あ゛……お゛……えっと……」
ナーガが追いつめられていた時。

どがぁぁぁんっ!!!!!!

会場の一角で大爆発が起こる!

「なっ……!!!」
そこに佇むのは黒い肌に赤い瞳をもつ者。
……魔族であった。
「貴様は!!」
「あ、あれはあの時の!!」
アストールとジュリアが叫ぶ。この魔族に襲われたときの記憶は生々しく残っている。
『ふふふ……お久しぶりね』
感情のない筈の瞳に歓喜の色が混じる。
その魔族はくるりと会場を一瞥し、目当てのものがすべて揃っている事を知り、満足そうに頷いた。
「あなたはっ、魔族ですねっ!」
アメリアが指差し叫ぶ。
『そう……といったらどうなのかしら?セイルーンの王女?』
「……魔族と言えば、悪の権化!生きとし生けるものの天敵っ!百害あって一利なしっ!ゴミ箱の中のゾウリムシ以下!」
次々に悪口雑言を放つアメリア。しかし、
『ゾウリムシはゴミ箱の中には生息しないと思うけれど?』
との魔族の冷静な突っ込みに、
「あぁっ、しまったあぁっ!!!」
……頭を抱えている。何をしているのだか。

「むむむっ、あれは魔族か!ワシのかわいい娘になにをするうぅっ!!!」
アメリアが魔族にいたぶられている(?)のをめざとく見つけたフィリオネル国王。
娘の前に対峙する魔族に向かって突進する!
「くらえぇぇっ!!平和主義者クラッシュウゥゥッ!!!!!」
その拳が魔族に届こうとした瞬間。
魔族は異空間に溶ける。
「おにょ!?」
車は急に止まれない。
フィリオネル王の身体は慣性の法則に従い、その勢いのまま前へ突っ込み、……壁に激突した。半分ほど埋まった巨体がぴくぴくと痙攣している。
『あらあら、情熱的なお方。でも、ちょぉっとわたしの趣味じゃないのよねぇ』
再び姿を表す魔族。この状況を面白がっているのか、くすくす笑っている。

「オスロ、ね?」
リナは挑戦的に、魔族に声を掛けた。
「アメリア達を狙うなんて、どういうつもり?」
リナの言葉に、オスロの赤い目が怪しく光る。
『……あなた、何故私の名を……?』
「それはこいつに聞いたから……あ゛!?」
……ゼロスはすでに姿を消していた。
「あ゛ーっ!もうあの役立たずの生ゴミはあぁっ!」
『……私の狙いはセイルーン王家の者だけ。命が惜しいなら手出ししない事ね』
「いやよ。大切な仲間を見捨てるなんてまっぴら」
リナがきっぱりと言い切る。彼女の鋭い眼光に、オスロは興味を引かれた。
『……あなた、何者?』
「魔族なんかに名乗る名前はないわ」
そう言うと、リナは呪文の詠唱に入った。
『させるかっ!』
オスロが衝撃弾を放つ!しかし。
ぶぉん……。
リナの前に突き出された剣が、衝撃波を吸収する。
ガウリイであった。

「リナ、大丈夫か?」
呪文詠唱中のため声に出さず軽く頷きを返す彼女を庇うように、ガウリイは魔族に対峙した。
その手にあるのは、光を刃とする剣。
しかし、かつて彼が持っていた光の剣と異なり、その光は赤みを帯びていた。
そしてリナの呪文が完成する!
「崩霊裂(ラ・ティルト)!」
青白い光が魔族を包み込み、天をも貫く柱となる。
その光の中、魔族は跡形も無く消える……筈であった。
しかし。

ぱりぃん!
細かい音を立て、光が砕け散る!

「な゛……」
思わず絶句するリナ。
「崩霊裂が……効かないだと!?」
ゼルガディスが叫ぶ。
(こいつ……そこそこ高位の魔族か?)
リナが訝しく思ったその時、隙を狙って魔族が再び襲い掛かってきた。
軽快なフットワークで躱す……つもりだったが、慣れないドレスでのせいで体勢を崩した。
慌ててフォローに回るガウリイ。

その時、離れた場所で別の声が響き渡る!

「石霊呪(ヴ・レイワー)、すぺしゃるばーじょんっ!!!」
ナーガの声であった。
その『力ある言葉』に導かれるように、床石がめくれ、竜を形作っていく!
「ちょ……ちょっと待ちなさいよ、ナーガっ!!!」
リナが慌てて叫ぶ。
この魔法、無数の岩を竜の形とし、近くにいる霊を憑依させ石人形とする術である。
ナーガのオリジナル魔法であるが、未完成のため持つ欠点は……。
「何よ、リナ」
「あんたっ!制御も出来ない魔法を唱えるんじゃないわよっ!」
そう、召喚した石竜を操る事ができないのである。
「しかも城の中でっ……!!!」
パーティ会場にいた人達はこの状況の中、慌てふためきながらも避難を開始しているが、危険な状況である事には変わりがない。
「ちっちっちっ、甘いわね、リナ」
指を横に振るナーガ。
「伊達にこの20年間修行してきたわけじゃないのよ。言ったでしょう?これは『すぺしゃる・ばーじょん』なのよ」
「……って事は、ナーガ、石竜の制御ができるようになったわけ?」
「いいえ。制御は出来ないけれど、3匹同時に召喚できるのよ」
「なお悪いわぁっ!このくそたわけがぁぁっ!!!!」

当然の事ながら、制御される術を持たない3匹の石竜はリナの突っ込みをものともせず暴れ続け。
……魔族の攻撃をも待たないうちに、見事セイルーン王宮は壊滅したのであった。


-----------------------------------------------------------------------

はいっ!別名「サブキャラ達の出番稼ぎ」あるいは「セイルーン王族の暴走」の第8章でしたっ!
これから話はクライマックスへと転がっていく筈なのに、ナーガのせいでほとんどギャグ……。
果たして、無事に話をシリアスに持っていく事が出来るのでしょうか(笑)。

あともう少しで終わり!気の長い方、どうか暖かい目で見守ってやってください。

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3956祈り 第9章ちび☆ E-mail 8/12-14:23
記事番号3881へのコメント

第9章 解かれた封印


「……あ゛あ゛……王宮があぁっ!!!!」
石竜の暴走によりすっかり瓦礫の山と化した城を見て、ジュリアが頭を押さえつつ叫ぶ。
城の中の者はかろうじて避難したものの、石竜はなおも暴れつづけていた。
「ジュリア、錯乱している場合じゃない!」
アストールが彼女の腕をつかみダッシュで走る。
と、彼らが一瞬前までいた場所に火柱が立つ!
『あら……外したみたいね』
魔族オスロの残念そうな声。
間合いを取り、アストールはオスロを睨み付けた。

「石竜に魔族……ちっ、面倒な事だ!」
ゼルガディスは近くにいた警備隊の者から剣を奪い、石竜に飛び掛かる。
「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」
すかさずアメリアが呪文を唱え、彼の持つ剣に魔力を与えた。
鋭く光るその剣先は狙い違わず石竜に命中し、石竜の身体が崩れ落ちる。
……が、再び石は集まり始め、元の石竜を形作った。
ゼルガディスの目が驚愕に開かれる!
「こいつ……再生(リジェネーション)能力があるのか!」
そして石竜が再び迫ってくる。
ゼルガディスとアメリアは横に飛び、その攻撃を避けた。
「……アメリア。こいつはどういう呪文なんだ?」
「えっと、昔姉さんに聞いた気が……そうそう、岩に低級霊を憑依させたゴーレムだって……」
「ということは、憑依霊をどうにかすればいいって事か?」
ゼルガディスの言わんとする事に気付き、アメリアが呪文を放つ。
「浄化炎(メギド・フレア)!!」
霊を退ける白い炎が石竜を包み込み……石竜は崩れ去った。

ガルフもまた一匹の石竜と対峙していた。
舞踏会に必要とは思わなかったため、手元に武器が無いのが悔やまれる。
こうなった以上、己の魔法のみが唯一の武器。
(相手は石竜……火は通用しないだろうな……)
「氷結弾(フリーズ・ブリッド)!」
彼の使える魔法のうち、出来る限り強力なものを選んで発動させた。
氷の玉は命中し、石竜は凍り付いた。
「よっしゃぁっ、成功っ!……あ゛?」
ぴしぴし、といやな音を立てながら氷の彫像にひびが入る。
「ひょっとして……」
ぱりぃん!!!
石竜は氷の呪縛から開放されていた。
「ちょ……ちょっと待てよぉっ!!!!」
慌てて回れ右をして、ガルフは逃げ出す。
と、その先に彼の妹が立っていた。
「甘いわねぇ、ガルフ。ちょっとは頭使いなさいよ。こういう風にね」
目の前に迫ってくる石竜に向かい不敵な笑みを浮かべながら、レイティアは『力ある言葉』を解き放つ。
「地精道(ベフィス・ブリング)!」
この呪文は初歩的な魔法であるが、本来土木工事などに用いられ、地の精霊の力を借り人が通れるくらいのトンネルを掘る事ができるものである。
しかも、掘られた土や石は無くなってしまう。石で作られたこの相手には最適といえた。
事実、音も無く石竜のお腹に丸い穴が空く。
「ほら、ガルフ!あんたも手伝いなさいよ!」
慌てて彼も呪文を唱え始める。
2人がかりの魔法によって石竜の身体にポコポコと穴が空きつづけ……そして石竜はその姿を完全に消した。


リナもまた、石竜と対峙していた。
相手に対する注意を怠らないままに、事件の張本人に声を掛ける。
「ちょっと、ナーガ!あんた、この石竜どうにかしなさいよっ!…………い゛っ?」
彼女の目に映ったのは、風の結界を纏いながら遠い夜空へと消えていくドレス姿。
「あーいーつーはあぁぁぁぁっ!!!!!」
思わず地団太を踏んでしまうリナ。
やり場の無い怒りをどうにかするため竜破斬(ドラグ・スレイブ)でも唱えてやりたいところだったが、何とかそれを押さえる。
頭に青筋を浮かべながら、呪文を唱えた。
「崩魔陣(フロウブレイク)!!!」
石竜を淡い光が包み込み、そしてただの岩と化した。


「……!?」
神殿で祈りを捧げていたシルフィールは、顔を上げた。
突然頭の中に浮かんだイメージ。
それは、どこまでも鮮烈な赤だった。
思わず寒気を覚え、両腕で己の細い体を抱きしめる。
(何なの……いやな予感がする……)
と、その時、爆発音が彼女の耳に響く!
慌てて、神殿の窓から外を見ると、セイルーンの王宮の方が明るくなっていた。
いつもの、暗闇を照らす明り(ライティング)ではない。
瞬間的に光る、赤や白のまばゆい輝き。
それが攻撃呪文によるものだと気付いた瞬間、彼女は神殿を飛び出していた。

『くくく……いつまで頑張れるかしら、お嬢ちゃん達』
楽しそうに笑うオスロが軽く指を向ける度に、炎が、雷が、時に衝撃波がジュリア達を襲う。
すでに2人の息は上がりかけている。
「崩霊裂(ラ・ティルト)!」
ジュリアが叫ぶ!
だがオスロは青白い光をいとも簡単に砕いてしまう。
「冥懐屍(ゴズ・ヴ・ロー)!」
立て続けにアストールが呪文を放つ……が、その黒い影すら弾き飛ばされてしまった。
『ほらほら、どうしたの?』
ぶぅんっ!
再びオスロが衝撃波を放つ。
慌てて逃げるアストール。
……しかし、避けきれなかったジュリアに直撃した!
「きゃあぁっ……!!」
吹き飛ばされ、怪我を負うジュリア。
「ジュリア!!!」
兄の叫びが響き渡る。
更にオスロが彼女に攻撃しようとしたとき、それを遮るかのように金髪の戦士が現れた。
「悪いが、お前さんの相手は俺がさせてもらう」
赤い光の剣を構え、不敵そうに笑うガウリイ。
その後方では、セラが傷ついたジュリアに回復呪文をかけていた。
『邪魔をすると、怪我をするよ!』
炎の球をガウリイに放つオスロ。
だが、ガウリイは手に持った剣で火を打ち払うと、そのまま突っ込んできた。
慌ててオスロは消え、再び別の位置から現れる。
敵が突然姿を消したにも関わらず、すぐに体勢を整え身体をこちらに向けるガウリイ。
そんな剣士を、オスロは怪訝な目で見つめる。
『お前、……変わったにおいがするな』
「風呂はちゃんと入ったがな。……お前さんが運動させてくれるから汗かいたんだろうさ!!!」
油断無く剣を構えるガウリイ。
刀身の赤い光は、ますますその輝きを増している。
『それに、その剣……まさか伝説の、光の剣……か……?』
「……さぁな」
にやりと笑うと、ガウリイは再びオスロに襲い掛かっていった。


(おかしい……何かが引っかかる……)
石竜を倒したリナは、ガウリイ達の元へと駆けつけようとしていた。
彼女は、あの魔族について、言葉では言い表せない「何か」を感じていた。
(外見で魔族を判断するのは危険……分かっているけど、どう考えても、あいつがそんなに強い魔族に思えない)
崩霊裂(ラ・ティルト)をも簡単に砕いてしまう程だから、かなりの力がある筈である。
だが、外見があまり人間に似ていない。
……確かに、昔戦った魔族には、2つのボールの形をしていてじつはそれで1匹の魔族だった、というものもいた。
その外見とは裏腹に、強力な力も有していた。
だが、「こいつ」とそれは違うような気がした。
黒っぽい肌に、不自然な長さの手足。
この魔族は、「人間に化けようとして」うまく化ける事ができなかった、そんな感じがしていた。
(……低級の魔族が、強大な力を、手に入れた……?)
まとまらない考えを胸に、彼女は走り続ける。

「ガウリイ様!」
シルフィールがそこに辿り着いた時、金髪の剣士が魔族の衝撃波によって後ろに吹き飛ばされた時だった。
彼女の娘が慌てて駆け寄る姿が見える。
リナ、ガウリイ、ゼルガディス、アメリア。
レイティア、ガルフ、アストール、ジュリア、セラ。
皆そこに集まっていた。
「リナさん?これは一体……!?」
「見ての通りよ!この魔族が襲ってきたの!アメリアやアストール達を狙っているわ!」
オスロの方を睨みつつ、リナが叫んだ。
「……さっさと、片付けてやるわ!」
そう言うと、『混沌の言葉(カオス・ワーズ)』を唱え始める。

……悪夢の王の一片よ
  世界のいましめ解き放たれし
  凍れる黒き虚無の刃よ……

だが、その時、急に視界が急変した。
夜のセイルーンの街から、何も無い闇へと瞬時に変化する!
「な……何よ、これ……」
レイティアがきょろきょろとあたりを見渡しながら言う。
「ここは……どこだ?」
アストールも、見た事の無い景色に驚きを隠せないでいる。
どこまで見渡しても、存在するのはただ闇のみ。
「……結界に、閉じ込められたな」
ゼルガディスが呟く。

……我が力 我が身となりて
  共に滅びの道を歩まん
  神々の魂すらも打ち砕き……

「神滅斬(ラグナ・ブレード)!!!」
リナの呪文が完成する。
そして、彼女は闇の刃を無の空間に向かって切り付ける!
「そっか、神滅斬で、この空間ごと切り裂くつもりなんですね!」
アメリアが叫ぶ。

ざくっ。
リナの手には、確かに「何か」を切り裂いた感触が残っていた。
しかし、そこに存在するのは、やはり闇。
「……これは……」
『無駄よ……くくく』
「どこですっ!?」
姿の見えない魔族を探し、ジュリアが右に左にと視線を移す。
『ここは深遠なる闇で構成された私の世界……何人たりとも、元の世界には戻ることは出来ない。……貴様もよ、獣神官』
その言葉にはっとするリナ達。
「……ばれてましたか」
ゼロスがその姿を現す。
「いやぁ、リナさん使ってこっそりとあなたを始末するつもりだったのですが……失敗しましたねぇ」
相変わらず、にこにことした笑顔で答えるゼロス。
「おい、ゼロス!こいつがアメリア達を襲ってきたのは、お前の差し金か!」
ゼルガディスが怒ったように叫ぶ。
「いや、それは邪推というものですよ、ゼルガディスさん。確かにこの方は彼女達を狙っていますが、それは僕とは何の関係もありませんって」
「嘘をつくな!!!」
『嘘じゃないわよ……ふふふ』
いかにもおかしい、と言った口調でオスロは笑う。
『私がそのお嬢ちゃん達を狙うわけを、教えてあげましょうか?』
「……悪役お約束の語りってやつね……」
レイティアがぼそっと呟くが、誰の耳にも入らなかった。

『……海王様の水鏡に予言が写ったのよ。次代のセイルーン王が、我々魔族にとって強力な妨げとなる、と』
オスロは語り続ける。
『今まで、セイルーンなどどうでも良いと放っておいたけれど、邪魔な芽は摘み取っておくに限るからね』
「そんなあやふやな理由で私達を狙っていたんですか!」
アメリアが怒る。
「いや、アメリアさん。海王ダルフィン様の水鏡の占いは、よく当たるんですよ。ただ、滅多に予言は出てこないのですが」
『そう言う事ね』
「しかしあなたも愚かな真似をする。……獣王様のところから盗み出した物を返していただけませんか?」
『断るわ。あれのおかげで、私はこれだけの力を手に入れたのだから!それに、貴様も逆らえないでしょう?』
「確かに、獣王様の力のこもったその珠を持つ限り、僕はあなたに勝てないでしょう。ですが、このままあなたを放っておくとでも思ったのですか?」
『獣王様が私を滅ぼしに来る、とでも……?』
「可能性を考えなかった訳ではないでしょう?」
『もちろん考えたわ。結論は、あの方は来ない、ってことだったけど』
「どういう事なの……?」
リナが2人の魔族の会話に割って入る。
「いえ、だからですね」
ゼロスが説明する。
「獣王様が普段から身につけておられた珠があるんですがね。それを、この方が盗んでしまったんですよ。あれには獣王様の力が深く染み込んでいます。だから、あの方は身にそぐわない程の強大な力を手に入れたわけですよ」
「なるほど……だから、低級っぽかったんだ……」
納得するリナ。
『低級……言ってくれるじゃない!確かに昔は私の力は弱かった。でも今は違う!この珠のおかげで将軍・神官クラスの力を手に入れたわ!』
「他人の力を振りかざして偉そうに言ってるんじゃないわよ。……で、ゼロス、なんで獣王は取り戻そうとしないの」
その問いに、ゼロスは苦笑して答える。
「それは……あの方は、この件を隠したがっておられるんです。いくら海王様の配下とは言え、この方のような下位魔族に珠を盗まれたなんて、あまりいい話ではありませんからね。でも、獣王様が動くと、すぐにばれちゃいますし。それに、あの珠がある限り、僕には手が出せないんです」
「だから、あたしを利用しようとしたわけね?……ったく、たまったもんじゃないわ」
『まったく、ぺらぺら喋る奴らね。まぁいいわ、貴様達はここで滅びるのだから!』
「そう簡単にいきますかねぇ、オスロさん。何てったって、こちらの方はあの高名な『魔を滅する者(デモン・スレイヤー)』、リナ=インバースさんですよ」
『何っ!?リナ=インバース、だと!?』
「ちょっと、ゼロス!あんた人の事、何ぺらぺら喋ってバラしてるの!」
「いいじゃありませんか」
「良くないっ!!」
「それじゃぁ、がんばって下さいね。僕はここで見守っていますから」
言うなり姿を消すゼロス。
「あ゛あ゛っ、なんて自分勝手な奴!!!」
一人叫ぶリナ。
『ふん、隠れたか……まぁいい、この人間どもを殺した後に始末してやる!』
「……できるかどうか、試してみなさいよ!」
そしてオスロは攻撃を開始した。
リナ達は皆、それぞれに散らばった。

「セラ、あんたは下がってて」
リナが、セラに向かって言う。
魔族に対抗しうる攻撃呪文を持たない彼女は、その言葉に従い後退するしかなかった。
(……私には、何もできないの……?)
白魔術ならば、かなりの自信がある。
ひょっとしたら、母であるシルフィールをも上回るかもしれない、と周りの者に言われたこともあった。
だが、攻撃魔法――もともと巫女には必要ないとの話もあるが、これは精霊魔術系の、それもごく一部しか覚えられなかった。これでは魔族には効かない。今はそれが悔やまれる。
……母シルフィールは何故か黒魔術、しかも最強の術である竜破斬(ドラグ・スレイブ)を使うことが出来た。巫女とも思えない所業であるが。
昔、セラはその術を覚えた動機を尋ねてみたことがあったが、彼女は、
「若気の至りってものね……」
と微笑むだけで、詳しく話そうとはしなかった。
さすがに「花嫁修業のために覚えた」とは娘に話せなかったのであろう。
ともかく、今のセラは、自分に何もできないことがたまらなく辛かった。
そんな彼女の目に、栗色の髪の魔道士と金髪の剣士が、お互いを庇うようにしながら戦う姿が映る。
嫉妬心が胸を襲う。
(私にも……私にも、ガウリイ様のために……何かがしたい!!)
そう思った彼女は、無意識のうちに徐々に彼の方へと歩いていく。
それが魔族の格好の標的になってしまった。

「セラ!」
「セラ、危険だ!」
「逃げろ!!」
周りの者の声に、セラの意識が覚醒する。
と、その目に映ったのは、自分に向かってくる、複数の光の矢。
(避けなければ!)
だが、その身体は彼女の意志とは裏腹に動こうとはしてくれなかった。
その間にも、光はどんどん迫ってくる。
なのに、身体は言うことを聞かない。
恐怖の声もあげられぬまま、彼女はその場に立ちつくしていた。

その瞬間、何が起こったのか、彼女には理解できなかった。
「危ない!」
女の声がすぐ側で聞こえ。
強い衝撃を受け、その身体は横へと倒れていく。
地面に打ち付けられ、鈍い痛みが全身を走る。
思わず瞑った目を開けると。
そこにあったものは、鮮烈な赤。


彼らは、信じられないものを見た。
オスロが放った光の矢が、セラに迫ったとき。
小さな影がそこに飛び込み。
肩を。
腕を。
胸を。
腹を。
脚を。
……貫かれる。
一瞬遅れて、宙に真っ赤な血の花が咲く。
そして、そのまま地面へと墜ちていく。
……リナの身体が……。
その光景に、誰もが一瞬動くことが出来なかった。

「……!!!」
目の前で、彼女は光に貫かれた。
記憶無き時、共に旅したという彼女。
魔族に襲われたどさくさまぎれに手に入れた他人の荷物を売り払い、自分達だけでおいしい料理を食べるくらい、性格はとんでもないけれど。
決して嫌いではなかった彼女。
(あ……あ…………)
レイティアは声にならない声を上げる。
その時、強烈な痛みが頭を襲う。
そして、彼女の頭の中を閃光が貫いた!



……明るく暖かい日溜まりの中。
幼き少女は、心地よい眠りと現実との狭間にいた。
すぐ近くで声が聞こえる。
(……ねぇ)
(何だ?)
(気持ちよさそうに、寝てるわね)
(そうだな)
少女の頭を、大きく優しい手が撫でてくれた。
(きっと、幸せに……なれるわよね)
(ああ、幸せになるさ……俺達の分まで)

(晩御飯、できたわよ!)
明るい声が響く。
少女は食堂へと向かう。
その後を、慌てて少年が付いていく。
テーブルに、おいしそうな料理が並べられていく。
そこには、男がすでに席に着いていた。
(さぁ、お前達も早く座りなさい)
男が、いつものように優しい声をかける。

(ほら、発音がしっかりしていないわよ!)
少女と少年は、ぽかりと頭を叩かれた。
(そんな事言ったって……)
横で少年がぼやく。
(いい、これは基本中の基本だからね?ここで間違えると、とんでもないことになるわよ?)
にっこり笑って女は言う。
2人は再び、たどたどしい言葉を紡ぐ。
彼女の魔法講義は厳しかったけれど、確かに分かりやすかった。

(……お前は、あまりこういったことには、向いていないのかな?)
苦笑するように、男が言った。
その横では、得意そうに剣を掲げる少年の姿。
悔しくて、思わず少女は涙する。
それをみて、男は少女の肩を抱いた。ぽんぽん、と軽く頭を叩く。
(大丈夫、お前には最高の頭脳と魔法がある。剣が使えなくても、きっとやっていける)
その言葉に、少女の心は少しだけ軽くなる……。

(……それじゃぁ、ここでお別れだ)
男が呟く。
(え?)
少年が尋ね返している。
(……私達と、一緒にいてはいけない……)
女が泣きそうな顔をしている。
(何故?)
旅はまだ、始まったばかりなのに。
悲しげな表情をする2人に駆け寄ろうとする少女と少年。
(……どうか、幸せでいて。それだけが私達の願い、そして私達の祈り……)
少女達を遮るように、女が片手をあげた。揺れる栗色の髪。
とたんに、意識が白濁していく。
(ごめんなさい……。……永遠に、愛しているわ……あなた達を)
薄れゆく意識の中、最後に聞こえたのは女の声。
必死になって、少女は言葉を紡ごうとする。
(どうして……どうしてなの?……教えて、……)



「母さん!!!」
レイティアの叫びは、あたり一面に響きわたった。
その頬に伝うものは涙。

彼女の声が、一同の硬直を解く。
「……何……?」
アメリアが掠れた声を出す。
と、その横でガルフが頭を抱えていた。
「く……あっ……!!」
苦しそうな表情に、ジュリアは思わず側で跪く。
彼女が手を伸ばそうとしたとき、ガルフはゆっくりと目を開けた。
「思い……出した…………あの人は……あの人は、僕達の……」
その青き瞳には、かつて見た迷いは無くなっていた。
「母さんだ!!」
言うなり走り出す。
その四肢を朱に染め倒れるリナに向かって。

「母さん!」
レイティアが走る。
皆も、彼女の元へと走ってくる。
リナは、まだ意識があった。
だが、全身をその瞳と同じ血に染めた姿は弱々しかった。
「封印……解けちゃった……ね……」
「しっかりして!母さん!」
アメリアとシルフィールが慌てて復活(リザレクション)を彼女にかける。
だが、失われていく血の速度には勝てなかった。
リナの顔が、だんだんと土気色に染まっていく。
「……!!」
ゼルガディスは何も言えなかった。
ジュリアの目には涙が浮かび、アストールも思わず顔を背けた。
「リナ……!!!」
もはや動かぬ手を握り、ガウリイが叫ぶ。
リナは微かに微笑もうとし……出来なかった。奇妙に歪んだ表情で、ガウリイに囁く。
「お願……い……。……あの子……達……守っ……て……」
悲痛な表情をしながらも、ガウリイは力強く頷いた。
「母さん、しっかりして!!」
レイティアの声に、リナは最後の力を振り絞って答えた。
「ガル……フ、……レイ……ティア……」
もはや焦点の定まらぬ瞳が、その輝きを失っていく。
「ごめん……ね…………ずっ……と……」
段々と小さくなっていく声。
「……嘘……ばっかり……つい……て……て……」
「母さん!」
だが、ガルフの叫びに対する答えは何もなかった。
ゆっくりと瞳が閉じられ。
……リナ=インバースは、その命を失った。


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はいっ!急展開の第9章でしたっ!
こんな所で話を切ってしまいました……予定通り、ですが……。
あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
という訳で、レイティア達が何者なのか、ようやく書くことができました。リナの犯した罪も1つ明らかにされました。
ほとんどの皆様の予想通りですね。ちび☆の想像力の無さがよくわかるというものです。
さて、リナは死んでしまいました。
果たして、残ったメンバーでオスロを倒すことができるでしょうか!?
それよりも、ツリーが完全に沈む前に無事作品を完結させることができるか!?(笑)

残りの第10章・終章は、2〜3日後くらいに同時にUPする予定です(時間が開くと間抜けなんです、この2つは……)。
この長い話をここまで読んで下さった、天使の心を持つそこのあなた!
もののついでという事で、どうか次も読んでやってください(懇願)。

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3998最後、泣きかけました(笑)リナみんと 8/13-10:30
記事番号3956へのコメント
あああああああああああああああああああああああっ
リナがっ!リナがっ!
死んじゃったよぉぉぉぉっ!
まさか、う〜ん、母親・・・似てるんだけど・・・
最後の最後「だけ」母親でしたね。
「結婚はしていない」この言葉にだまされましたね。
確かに結婚してないんでしょうけど・・・
急展開!
さあもう一つは何だ!?
・・・ってゆーか、一つ目はかなりさみしーもんでしたね。さすがに。
かろーじて涙をこらえました。
まあ、もう大学生ともあろうものが、たった一人でパソコンの前でないてるってゆーのは不気味な光景ですけどね・・・

>はいっ!急展開の第9章でしたっ!
まったくもってそのとーり!
>こんな所で話を切ってしまいました……予定通り、ですが……。
そーなんですか!?
>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
あ、投げません投げません。
>という訳で、レイティア達が何者なのか、ようやく書くことができました。リナの犯した罪も1つ明らかにされました。
かなしーですねー。自分のしたこととはいえ、子供に忘れられるってゆーのは。
>ほとんどの皆様の予想通りですね。ちび☆の想像力の無さがよくわかるというものです。
いや、全然わかりませんでした!(私だけなんでしょうか・・・?)
>さて、リナは死んでしまいました。
どーしましょう?
>果たして、残ったメンバーでオスロを倒すことができるでしょうか!?
わかりませんねえ・・・
>それよりも、ツリーが完全に沈む前に無事作品を完結させることができるか!?(笑)
がんばってくださいっ!
>残りの第10章・終章は、2〜3日後くらいに同時にUPする予定です(時間が開くと間抜けなんです、この2つは……)。
・・・ま、間抜けって・・・?
>この長い話をここまで読んで下さった、天使の心を持つそこのあなた!
私、天使じゃないですよ。堕天使かもしれません(笑)
>もののついでという事で、どうか次も読んでやってください(懇願)。
そんな謙遜しないでくださいな。

じゃあ、続きほんとに楽しみにしてます!それでは私はこのへんで。

>

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4007リナみんとさんまたまたまた(←しつこい)ありがとうございますちび☆ E-mail 8/13-23:31
記事番号3998へのコメント
リナみんとさんは No.3998「最後、泣きかけました(笑)」で書きました。

リナみんとさん、またまた感想をいただき、ありがとうございますっ!!

>あああああああああああああああああああああああっ
>リナがっ!リナがっ!
>死んじゃったよぉぉぉぉっ!
>まさか、う〜ん、母親・・・似てるんだけど・・・
>最後の最後「だけ」母親でしたね。
>「結婚はしていない」この言葉にだまされましたね。
>確かに結婚してないんでしょうけど・・・

そう、彼女は「結婚していない」とは言いましたが、「子供を産んでいない」とか、「レイティア達は自分の子供ではない」とは言っていません。
読者の方がその台詞で騙されてくれることを信じて書きました。
だから、「屁理屈だ!」なんて言わないで……(笑)。

>急展開!
>さあもう一つは何だ!?

それは次の章で明らかにされます。
はっきり言って、こっちの方が更に酷い事だと思います、私は……。
ここで、2つ目の罪が「盗賊いぢめ」なんて書いた日にはそれこそ石投げられそうですが(笑)。

>・・・ってゆーか、一つ目はかなりさみしーもんでしたね。さすがに。

何故こんな事をしたのか。それも次で分かります。
一応、数ヶ所に伏線らしきものを用意しておいたので、既に理由がお分かりかもしれませんが。

>かろーじて涙をこらえました。
>まあ、もう大学生ともあろうものが、たった一人でパソコンの前でないてるってゆーのは不気味な光景ですけどね・・・

いえいえ、そんなことはないですよ。
私は高校生の時、登校途中に歩きながら友達から借りた本を読んでいて(←良い子は真似してはいけません)、悲しいシーンに感情移入してしまい、道のど真ん中で泣いてしまったことがありますから。
え?フォローになっていない?(笑)

>>はいっ!急展開の第9章でしたっ!
>まったくもってそのとーり!

いや、やはりクライマックスですから……。

>>こんな所で話を切ってしまいました……予定通り、ですが……。
>そーなんですか!?

はい、最初の予定通りです。
終章の2つ前の章(すなわちこの9章ですね)の最後で、リナには死んでもらうつもりでした(鬼)。

>>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
>あ、投げません投げません。

うう……ありがとうございます(涙)。

>>という訳で、レイティア達が何者なのか、ようやく書くことができました。リナの犯した罪も1つ明らかにされました。
>かなしーですねー。自分のしたこととはいえ、子供に忘れられるってゆーのは。

だから、7章で泣いていたんですね(まぁ、他にも理由があったのですが……)。
あのときの台詞「あの子達が幸せって事が分かって……」は、アメリア達の事ではなく、レイティア達の事です。
気が付いていました?これは、わざと誤解を招くように書いたのですが。

>>ほとんどの皆様の予想通りですね。ちび☆の想像力の無さがよくわかるというものです。
>いや、全然わかりませんでした!(私だけなんでしょうか・・・?)

最初はそうかと思っても、やっぱり「結婚はしていない」の台詞で考えを改めた人が多いかもしれませんね。
この話では、リナがかなり嘘をついていますが、それ以上に嘘つきなのは私です(笑)。

>>さて、リナは死んでしまいました。
>どーしましょう?

ふふふ……この先は話がすごくなりますよ(ただ単に話が飛ぶだけという説もありますが……)。

>>果たして、残ったメンバーでオスロを倒すことができるでしょうか!?
>わかりませんねえ・・・

ちょっとだけ予告しますと、次の章ではガウリイが大活躍(?)します。お楽しみに。

>>それよりも、ツリーが完全に沈む前に無事作品を完結させることができるか!?(笑)
>がんばってくださいっ!

ありがとうございますっ!!
このレスを書いている現在で、10章の残り3分の1を書いているところです。
せっかく盆休みに突入したのに、今日は1日遊んでいたので進んでいません(爆)。
早く書かなくては……ツリーが沈むぅっ!!!

>>残りの第10章・終章は、2〜3日後くらいに同時にUPする予定です(時間が開くと間抜けなんです、この2つは……)。
>・・・ま、間抜けって・・・?

読んでいただければ分かります(笑)。

>>この長い話をここまで読んで下さった、天使の心を持つそこのあなた!
>私、天使じゃないですよ。堕天使かもしれません(笑)

いえいえ。この話を読んで下さって、こうして感想をいっぱい書いてくださったのですから、リナみんとさんは大天使様ですよ。な〜む〜(←祈るな!)。

>>もののついでという事で、どうか次も読んでやってください(懇願)。
>そんな謙遜しないでくださいな。

いやいや、どのくらいの方が読んで下さったか分からないので。
感想を下さった3人の方しか読んでいなかったりして……どきどき。

>じゃあ、続きほんとに楽しみにしてます!それでは私はこのへんで。

はい、本当にありがとうございました!リナみんとさんもがんばって下さいね♪

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40088・9章の感想です♪ゆかり E-mail 8/14-01:13
記事番号3956へのコメント
ちび☆さん、こんばんは。
旅行に行ってる間にこんなにUPされているとは・・・
おつかれさまですm(_)m

>「さぁ、僭越ながらこの私が、貴方様のエスコートをさせていただきます。ご
>準備はよろしいですか、姫?」
>わざとらしく跪くゼロス。
ああ、この場面いいです!!!!!
あとあと、リナとゼロスが踊ってるシーン(はぁと)
その中のやり取り、爆笑しました。

>『お前、……変わったにおいがするな』
ガウリイのも何か秘密が・・・??

>「……悪役お約束の語りってやつね……」
>レイティアがぼそっと呟くが、誰の耳にも入らなかった。
ああ、このセリフはリナの・・・(^^;;

>「それじゃぁ、がんばって下さいね。僕はここで見守っていますから」
>言うなり姿を消すゼロス。
さすが『中間管理職』(爆)

>「母さん!!!」
>レイティアの叫びは、あたり一面に響きわたった。
>その頬に伝うものは涙。
>「思い……出した…………あの人は……あの人は、僕達の……」
>その青き瞳には、かつて見た迷いは無くなっていた。
>「母さんだ!!」
え??
た、たしかにこの二人はリナにそっくりだけど・・・
結婚してないって・・・
あうぅ〜、見事に引っかかりました(;;)

>「ガル……フ、……レイ……ティア……」
>もはや焦点の定まらぬ瞳が、その輝きを失っていく。
>「ごめん……ね…………ずっ……と……」
>段々と小さくなっていく声。
>「……嘘……ばっかり……つい……て……て……」
ああ、あのリナが「母親」になってる(**)

>ゆっくりと瞳が閉じられ。
>……リナ=インバースは、その命を失った。
しんじゃったよぉ〜(TT)

>はいっ!急展開の第9章でしたっ!
本当に急展開でしたね。
びっくりです。まさかリナが死んでしまうとは・・・・

>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
そんなことしませんよぉ〜(^^)

>という訳で、レイティア達が何者なのか、ようやく書くことができました。リナの犯した罪も1つ明らかにされました。
>ほとんどの皆様の予想通りですね。ちび☆の想像力の無さがよくわかるというものです。
レイティア達がリナの子供かな?って最初は思ったんですけれど、リナのあのセリフにだまされました。

>それよりも、ツリーが完全に沈む前に無事作品を完結させることができるか!?(笑)
うう、がんばってください!!!
まだツリーは沈んでませんよぉ〜(笑)

>残りの第10章・終章は、2〜3日後くらいに同時にUPする予定です(時間が開くと間抜けなんです、この2つは……)。
「間抜け」なんですか??
ここまでシリアスなのに・・・?
リナの犯した罪もまだ残ってますよね・・?
ああ、気になる!!

同時UP楽しみにしてますね(^^)
それでは☆


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4012ゆかりさんまたまたありがとうございますちび☆ E-mail 8/14-11:14
記事番号4008へのコメント
ゆかりさんは No.4008「8・9章の感想です♪」で書きました。
>ちび☆さん、こんばんは。
>旅行に行ってる間にこんなにUPされているとは・・・
>おつかれさまですm(_)m

ゆかりさん、またまた読んで下さってありがとうございます。
それに、感想をいただける事がどんなに私の励みとなることか……うるうる(感涙)。

>>「さぁ、僭越ながらこの私が、貴方様のエスコートをさせていただきます。ご
>>準備はよろしいですか、姫?」
>>わざとらしく跪くゼロス。
> ああ、この場面いいです!!!!!
> あとあと、リナとゼロスが踊ってるシーン(はぁと)
> その中のやり取り、爆笑しました。

ゼロスのお茶目な一面がよくでているというか何というか。
さしずめ、これらはリナからの「呪い」に対する、ささやかな逆襲みたいなものですね(笑)。

>>『お前、……変わったにおいがするな』
> ガウリイのも何か秘密が・・・??

あ゛、さりげなく書いたつもりだったのに……(←バレバレだって)。
次の章で、何の事か分かりま〜す。

>>「……悪役お約束の語りってやつね……」
>>レイティアがぼそっと呟くが、誰の耳にも入らなかった。
> ああ、このセリフはリナの・・・(^^;;

この2人は、こういう所で「母娘(おやこ)」してるんです。

>>「それじゃぁ、がんばって下さいね。僕はここで見守っていますから」
>>言うなり姿を消すゼロス。
> さすが『中間管理職』(爆)

獣王様の頼み事以外は無責任に片づける。これが彼の信条です(笑)。

>>「母さん!!!」
>>レイティアの叫びは、あたり一面に響きわたった。
>>その頬に伝うものは涙。
>>「思い……出した…………あの人は……あの人は、僕達の……」
>>その青き瞳には、かつて見た迷いは無くなっていた。
>>「母さんだ!!」
> え??
> た、たしかにこの二人はリナにそっくりだけど・・・
> 結婚してないって・・・
> あうぅ〜、見事に引っかかりました(;;)

ふふふ……引っかかってくれましたね(にやり)。

>>「ガル……フ、……レイ……ティア……」
>>もはや焦点の定まらぬ瞳が、その輝きを失っていく。
>>「ごめん……ね…………ずっ……と……」
>>段々と小さくなっていく声。
>>「……嘘……ばっかり……つい……て……て……」
> ああ、あのリナが「母親」になってる(**)

ここで一発ギャグなんかかまして死んだ日には……この話、ここで打ち切りになります(笑)。

>>ゆっくりと瞳が閉じられ。
>>……リナ=インバースは、その命を失った。
> しんじゃったよぉ〜(TT)

はい、彼女は確かに死んでしまいました。
嘘つきの作者がそう言うのだから間違いはありませんよ(笑)。

>>はいっ!急展開の第9章でしたっ!
> 本当に急展開でしたね。
> びっくりです。まさかリナが死んでしまうとは・・・・

この話を作った当初からの予定通りです。
ただちょっと変わったのは、リナが庇った相手がセラだったって事でしょうか(一番最初の予定ではレイティアを庇う筈だったので)。
どのみちリナには死んでもらう予定だったと。……鬼畜ですねぇ、私(笑)。

>>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
> そんなことしませんよぉ〜(^^)

あ、ありがとうございます(うるうる)。

>>という訳で、レイティア達が何者なのか、ようやく書くことができました。リナの犯した罪も1つ明らかにされました。
>>ほとんどの皆様の予想通りですね。ちび☆の想像力の無さがよくわかるというものです。
> レイティア達がリナの子供かな?って最初は思ったんですけれど、リナのあのセリフにだまされました。

レイティア達が出た時点では、あの2人は「リナ達の生まれ変わり」「リナ達の子供」とか思うのでしょうが、ゼル達の子供が出てきたり、リナ達本人が出てきたあたりから「子供だ!」と確定されてしまうのですよね。
物語の半ばでそれがばれるのもちょっといやだったので、読者の目を眩ませるためにあの台詞を出しました。
2人はある理由から結婚していないので、嘘は付いていませんよ(「レイティア達のことは良く知らない」とかいった嘘はつきまくっていますが)。
そうそう、ここで宣言しておきましょう。この話で一番の嘘つきは、リナ達ではなく作者です(笑)。

>>それよりも、ツリーが完全に沈む前に無事作品を完結させることができるか!?(笑)
> うう、がんばってください!!!
> まだツリーは沈んでませんよぉ〜(笑)

でも最近、ツリーの増殖ペースが早くって(涙)。
日毎に何個かツリーが増えていってますよねぇ。早く完結させないと……。

>>残りの第10章・終章は、2〜3日後くらいに同時にUPする予定です(時間が開くと間抜けなんです、この2つは……)。
> 「間抜け」なんですか??
> ここまでシリアスなのに・・・?

私的には間抜けだと思っています。理由は……UPするときに書きましょう。

> リナの犯した罪もまだ残ってますよね・・?
> ああ、気になる!!

2つ目の『罪』は10章で明らかになります。
これに関しては2カ所で伏線を張っています(そのうち1ヶ所は、誰もそれが伏線とは思っていないでしょうが)。
もしお暇ならば、がんばって探してみて下さい(笑)。


> 同時UP楽しみにしてますね(^^)
> それでは☆

ありがとうございます。
出来るだけ早くUPさせますので、どうかもうしばらくお待ち下さい♪

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4014Re:祈り 第9章中田 珂南 8/14-11:36
記事番号3956へのコメント
はじめまして。全章一気に読んでしまいました。
切ない・・・ですね。特に7章以降。本当に胸が締め付けられました。(ガウリイの腕の中で、リナが泣くシーンなんか特に。)

>「石竜に魔族……ちっ、面倒な事だ!」
>ゼルガディスは近くにいた警備隊の者から剣を奪い、石竜に飛び掛かる。
>「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」
>すかさずアメリアが呪文を唱え、彼の持つ剣に魔力を与えた。
  
いやーん、こちらはこちらでらぶらぶですねえ(はあと)←何のこっちゃ。

>「……!?」
>神殿で祈りを捧げていたシルフィールは、顔を上げた。
>突然頭の中に浮かんだイメージ。
>それは、どこまでも鮮烈な赤だった。

この神託をシルフィールが受けた、というのに運命的なものを感じてしまったのは、私だけでしょうか?
「かつて惹かれた人」ガウリイの、もっとも身近な(大切な)存在であるリナの最期を、予知してしまうなんて。
(それに実の娘が絡んでるってのも・・・)←考えすぎですか?

>『お前、……変わったにおいがするな』
>「風呂はちゃんと入ったがな。……お前さんが運動させてくれるから汗かいたんだろうさ!!!」
>油断無く剣を構えるガウリイ。
>刀身の赤い光は、ますますその輝きを増している。
>『それに、その剣……まさか伝説の、光の剣……か……?』
>「……さぁな」
>にやりと笑うと、ガウリイは再びオスロに襲い掛かっていった。

リナの犯したという「罪」を、ガウリイも共有してたんですか?
というか、リナの罪の一つ(複数ある、と思ったんで)は、ガウリイ絡み・・・のような気がするんですけど。
(すみません、かなりいい加減なこと言ってますね、私って。)
この剣がヒント・・・じゃなかったらどうしよう(汗)

>「いや、アメリアさん。海王ダルフィン様の水鏡の占いは、よく当たるんですよ。ただ、滅多に予言は出てこないのですが」

なかなか素敵、海王様って(笑)

>「それじゃぁ、がんばって下さいね。僕はここで見守っていますから」
>言うなり姿を消すゼロス。
>「あ゛あ゛っ、なんて自分勝手な奴!!!」
>一人叫ぶリナ。

で、結末が・・・・・ゼロス、後でガウリイに(よくても)半殺しの目に遭わされるんじゃ・・・。
キレたガウリイはリナより怖い。私、そういうイメージ持ってますので。(もっとも、子供達が傍にいるから、どうなんでしょうねえ?)

>「若気の至りってものね……」
>と微笑むだけで、詳しく話そうとはしなかった。

・・・・・・・・・笑。

>……明るく暖かい日溜まりの中。
>幼き少女は、心地よい眠りと現実との狭間にいた。
>すぐ近くで声が聞こえる。
>(……ねぇ)
>(何だ?)
>(気持ちよさそうに、寝てるわね)
>(そうだな)
>少女の頭を、大きく優しい手が撫でてくれた。
>(きっと、幸せに……なれるわよね)
>(ああ、幸せになるさ……俺達の分まで)
>
>(晩御飯、できたわよ!)
>明るい声が響く。
>少女は食堂へと向かう。
>その後を、慌てて少年が付いていく。
>テーブルに、おいしそうな料理が並べられていく。
>そこには、男がすでに席に着いていた。
>(さぁ、お前達も早く座りなさい)
>男が、いつものように優しい声をかける。
>
>(ほら、発音がしっかりしていないわよ!)
>少女と少年は、ぽかりと頭を叩かれた。
>(そんな事言ったって……)
>横で少年がぼやく。
>(いい、これは基本中の基本だからね?ここで間違えると、とんでもないことになるわよ?)
>にっこり笑って女は言う。
>2人は再び、たどたどしい言葉を紡ぐ。
>彼女の魔法講義は厳しかったけれど、確かに分かりやすかった。
>
>(……お前は、あまりこういったことには、向いていないのかな?)
>苦笑するように、男が言った。
>その横では、得意そうに剣を掲げる少年の姿。
>悔しくて、思わず少女は涙する。
>それをみて、男は少女の肩を抱いた。ぽんぽん、と軽く頭を叩く。
>(大丈夫、お前には最高の頭脳と魔法がある。剣が使えなくても、きっとやっていける)
>その言葉に、少女の心は少しだけ軽くなる……。

よかった。リナにも、ちゃんと幸せな時期があったんですね。
・・・私も「結婚していない」に騙されました!!
(よく考えたら、「形式なんかどうでもいい」ってガウリイも言ってましたね・・・共犯ですか・笑)

>
>(……それじゃぁ、ここでお別れだ)
>男が呟く。
>(え?)
>少年が尋ね返している。
>(……私達と、一緒にいてはいけない……)
>女が泣きそうな顔をしている。
>(何故?)
>旅はまだ、始まったばかりなのに。
>悲しげな表情をする2人に駆け寄ろうとする少女と少年。
>(……どうか、幸せでいて。それだけが私達の願い、そして私達の祈り……)
>少女達を遮るように、女が片手をあげた。揺れる栗色の髪。
>とたんに、意識が白濁していく。
>(ごめんなさい……。……永遠に、愛しているわ……あなた達を)
>薄れゆく意識の中、最後に聞こえたのは女の声。
>必死になって、少女は言葉を紡ごうとする。
>(どうして……どうしてなの?……教えて、……)

「親」してますね、リナ。そしてガウリイも。
もしかして「荷物を売っぱらった」のは、自分たちとの「繋がり」を断ち切るためだったのでしょうか?(また勝手なことを・・・)

>「リナ……!!!」
>もはや動かぬ手を握り、ガウリイが叫ぶ。
>リナは微かに微笑もうとし……出来なかった。奇妙に歪んだ表情で、ガウリイに囁く。
>「お願……い……。……あの子……達……守っ……て……」
>悲痛な表情をしながらも、ガウリイは力強く頷いた。

でもガウリイ、この戦闘の後、本当に生きていく気あるんですか?
それこそ、戦いに命捨てに行きそう・・・


>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。

代わりに、感謝の花束投げさせてください(はあと)
続き、楽しみにしてます。



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4019中田 珂南さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/14-21:02
記事番号4014へのコメント
中田 珂南さんは No.4014「Re:祈り 第9章」で書きました。
>はじめまして。全章一気に読んでしまいました。

初めまして。ちび☆という者です。
こんな長ったらしい駄文を読んでいただき、ありがとうございました(大感謝)。

>切ない・・・ですね。特に7章以降。本当に胸が締め付けられました。(ガウリイの腕の中で、リナが泣くシーンなんか特に。)

最後がシリアスになるってのは分かっていたので、せめて最初の頃は明るめに書いたのですが、いかがだったでしょうか?

>>「石竜に魔族……ちっ、面倒な事だ!」
>>ゼルガディスは近くにいた警備隊の者から剣を奪い、石竜に飛び掛かる。
>>「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」
>>すかさずアメリアが呪文を唱え、彼の持つ剣に魔力を与えた。
>いやーん、こちらはこちらでらぶらぶですねえ(はあと)←何のこっちゃ。

ゼルは、もはやほとんどの魔法を使えませんからねぇ。
その分、アメリアが頑張って魔法を覚えました。

>>「……!?」
>>神殿で祈りを捧げていたシルフィールは、顔を上げた。
>>突然頭の中に浮かんだイメージ。
>>それは、どこまでも鮮烈な赤だった。
>この神託をシルフィールが受けた、というのに運命的なものを感じてしまったのは、私だけでしょうか?
>「かつて惹かれた人」ガウリイの、もっとも身近な(大切な)存在であるリナの最期を、予知してしまうなんて。
>(それに実の娘が絡んでるってのも・・・)←考えすぎですか?

いやいや、その通りです!
そこまで裏読みしていただけると、とても嬉しいです☆
あ、でもちょっと補足しますと、彼女の神託にはもう1つだけ意味があります。
10章で、それが分かります!

>>『お前、……変わったにおいがするな』
>>「風呂はちゃんと入ったがな。……お前さんが運動させてくれるから汗かいたんだろうさ!!!」
>>油断無く剣を構えるガウリイ。
>>刀身の赤い光は、ますますその輝きを増している。
>>『それに、その剣……まさか伝説の、光の剣……か……?』
>>「……さぁな」
>>にやりと笑うと、ガウリイは再びオスロに襲い掛かっていった。
>リナの犯したという「罪」を、ガウリイも共有してたんですか?
>というか、リナの罪の一つ(複数ある、と思ったんで)は、ガウリイ絡み・・・のような気がするんですけど。
>(すみません、かなりいい加減なこと言ってますね、私って。)
>この剣がヒント・・・じゃなかったらどうしよう(汗)

す……鋭すぎる……。
まさしくその通りでございます(汗)。
リナが犯した罪(2つあります)は、いずれもガウリイが絡んでいます。
1つは、自分達の子供を、記憶を消した上で捨てたこと。
もう1つは……10章で分かります。

>>「いや、アメリアさん。海王ダルフィン様の水鏡の占いは、よく当たるんですよ。ただ、滅多に予言は出てこないのですが」
>なかなか素敵、海王様って(笑)

実は私もお気に入り♪
本編に全然出てきてないから、好きな事が書けますし(←おい)。

>>「それじゃぁ、がんばって下さいね。僕はここで見守っていますから」
>>言うなり姿を消すゼロス。
>>「あ゛あ゛っ、なんて自分勝手な奴!!!」
>>一人叫ぶリナ。
>で、結末が・・・・・ゼロス、後でガウリイに(よくても)半殺しの目に遭わされるんじゃ・・・。
>キレたガウリイはリナより怖い。私、そういうイメージ持ってますので。(もっとも、子供達が傍にいるから、どうなんでしょうねえ?)

ガウリイがキレると、確かに怖いと私も思います。
哀れなゼロスの運命は……次章をお楽しみに(笑)。

>>「若気の至りってものね……」
>>と微笑むだけで、詳しく話そうとはしなかった。
>・・・・・・・・・笑。

そりゃ、あんな事娘には言えないでしょう。
しかも相手が相手ですし(笑)。

>>その言葉に、少女の心は少しだけ軽くなる……。
>よかった。リナにも、ちゃんと幸せな時期があったんですね。
>・・・私も「結婚していない」に騙されました!!
>(よく考えたら、「形式なんかどうでもいい」ってガウリイも言ってましたね・・・共犯ですか・笑)

リナの「結婚していない」発言に騙された人、多数!
っていうか、リナに騙されたのではなくて、作者たる私に騙されたんですよね。
……どうか、詐欺罪で訴えないで下さい……(笑)。

>「親」してますね、リナ。そしてガウリイも。
>もしかして「荷物を売っぱらった」のは、自分たちとの「繋がり」を断ち切るためだったのでしょうか?(また勝手なことを・・・)

あぁどこまでも鋭すぎるぅ!!!
まさしくその通りです……。

>>「リナ……!!!」
>>もはや動かぬ手を握り、ガウリイが叫ぶ。
>>リナは微かに微笑もうとし……出来なかった。奇妙に歪んだ表情で、ガウリイに囁く。
>>「お願……い……。……あの子……達……守っ……て……」
>>悲痛な表情をしながらも、ガウリイは力強く頷いた。
>でもガウリイ、この戦闘の後、本当に生きていく気あるんですか?
>それこそ、戦いに命捨てに行きそう・・・

いやいや、これからが彼の本領発揮。
次章は彼の大活躍(?)が見れますよ。

>>あ、お願いします。石を投げるなら、なるべく角の丸いものにしてください……。
>代わりに、感謝の花束投げさせてください(はあと)
>続き、楽しみにしてます。

あぁっ花束なんて嬉しすぎる!!!!
本当にありがとうございました(はぁと)。
では、同時UPの10章・終章を読んでやって下さい♪

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4018Re:祈り 第9章阿癸乃 8/14-17:09
記事番号3956へのコメント
下手な文章ですけど、感想かきました。
>そんな彼女の目に、栗色の髪の魔道士と金髪の剣士が、お互いを庇うようにしながら戦う姿が映る。
いーですねえ。
>……貫かれる。
>一瞬遅れて、宙に真っ赤な血の花が咲く。
>そして、そのまま地面へと墜ちていく。
>……リナの身体が……。
>その光景に、誰もが一瞬動くことが出来なかった。
セラって、母親と同じ運命って感じですね。
そーいえば、シルフィールのだんなって誰なんですか?
>……明るく暖かい日溜まりの中。
>幼き少女は、心地よい眠りと現実との狭間にいた。
>すぐ近くで声が聞こえる。
>(……ねぇ)
>(何だ?)
>(気持ちよさそうに、寝てるわね)
>(そうだな)
>少女の頭を、大きく優しい手が撫でてくれた。
>(きっと、幸せに……なれるわよね)
>(ああ、幸せになるさ……俺達の分まで)
>
>(晩御飯、できたわよ!)
>明るい声が響く。
>少女は食堂へと向かう。
>その後を、慌てて少年が付いていく。
>テーブルに、おいしそうな料理が並べられていく。
>そこには、男がすでに席に着いていた。
>(さぁ、お前達も早く座りなさい)
>男が、いつものように優しい声をかける。
>
>(ほら、発音がしっかりしていないわよ!)
>少女と少年は、ぽかりと頭を叩かれた。
>(そんな事言ったって……)
>横で少年がぼやく。
>(いい、これは基本中の基本だからね?ここで間違えると、とんでもないことになるわよ?)
>にっこり笑って女は言う。
>2人は再び、たどたどしい言葉を紡ぐ。
>彼女の魔法講義は厳しかったけれど、確かに分かりやすかった。
>
>(……お前は、あまりこういったことには、向いていないのかな?)
>苦笑するように、男が言った。
>その横では、得意そうに剣を掲げる少年の姿。
>悔しくて、思わず少女は涙する。
>それをみて、男は少女の肩を抱いた。ぽんぽん、と軽く頭を叩く。
>(大丈夫、お前には最高の頭脳と魔法がある。剣が使えなくても、きっとやっていける)
>その言葉に、少女の心は少しだけ軽くなる……。
>
>(……それじゃぁ、ここでお別れだ)
>男が呟く。
>(え?)
>少年が尋ね返している。
>(……私達と、一緒にいてはいけない……)
>女が泣きそうな顔をしている。
>(何故?)
>旅はまだ、始まったばかりなのに。
>悲しげな表情をする2人に駆け寄ろうとする少女と少年。
>(……どうか、幸せでいて。それだけが私達の願い、そして私達の祈り……)
>少女達を遮るように、女が片手をあげた。揺れる栗色の髪。
>とたんに、意識が白濁していく。
>(ごめんなさい……。……永遠に、愛しているわ……あなた達を)
>薄れゆく意識の中、最後に聞こえたのは女の声。
>必死になって、少女は言葉を紡ごうとする。
>(どうして……どうしてなの?……教えて、……)
リナ、母親って感じですね。
>「母さん!!!」
泣けました。

・・・私本当にリナ達とレイティア達は赤の他人かと思ってました。(バカ?)
いや、しかし泣けるお話でした。
10章と終章まってます。では、がんばってください。



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4020阿癸乃さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/14-21:07
記事番号4018へのコメント
阿癸乃さんは No.4018「Re:祈り 第9章」で書きました。
>下手な文章ですけど、感想かきました。

はじめまして、ちび☆という者です。
こんな駄文を読んで下さってありがとうございます♪(感謝)

>>そんな彼女の目に、栗色の髪の魔道士と金髪の剣士が、お互いを庇うようにしながら戦う姿が映る。
>いーですねえ。

嫉妬に燃える女心……(意味不明)。

>>……貫かれる。
>>一瞬遅れて、宙に真っ赤な血の花が咲く。
>>そして、そのまま地面へと墜ちていく。
>>……リナの身体が……。
>>その光景に、誰もが一瞬動くことが出来なかった。
>セラって、母親と同じ運命って感じですね。

そうです。ここは無印24話を意識して書きました。

>そーいえば、シルフィールのだんなって誰なんですか?

えっと、これは終章まで読んだ後、もう一度質問して下さい。
そうしたらお答えします(今はまだナイショ☆)。

>>「母さん!!!」
>泣けました。

そう言ってもらえると、がんばって書いた甲斐があると実感できます。
ありがとうございます。

>・・・私本当にリナ達とレイティア達は赤の他人かと思ってました。(バカ?)

いえいえ、そんなそんな。
裏の裏をかいて、こいつら赤の他人だ!と思った人もいるはず。

>いや、しかし泣けるお話でした。
>10章と終章まってます。では、がんばってください。

ありがとうございました!
10章・終章はこのレスと一緒にUPしましたので、是非読んでやって下さい。

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4021祈り 第10章ちび☆ E-mail URL8/14-21:10
記事番号3881へのコメント

第10章 時の流れに埋もれし存在


「そん……な……」
セラには信じられなかった。
自分を庇い、代わりに光に貫かれてしまった彼女。
真っ赤な血に全身を染め、もはや動く事はない彼女。
生気のない、くすんだ顔色。
リナの死体を前に、セラは動くことはおろか、声を出すことも出来なかった。

「リナさん!!」
シルフィールが泣き叫ぶ。
だが、彼女にも、もはやどうしようもないことは分かっていた。
死んだ人を生き返らせることのできる魔法など、この世には存在しないのだから。
それでも、呼ばずにはいられなかった。
かつての恋のライバルでもあった彼女の名を。

「母……さん……」
ガルフとレイティアも動けずにいた。
やっと記憶を取り戻せたのに、彼らの母は目の前で死んでしまった。
……いや、致命的なダメージを受けた故に、記憶の封印が解けたのかもしれないが。
「……母さん……」
だがその呼びかけに彼女は答えてくれなかった。

『くくく……これが、リナ=インバースだと?大した事ないじゃないの』
オスロが楽しそうに笑う。
『魔を滅する者……ずいぶんとご大層な二つ名を持っているから、どんな奴かと思ってたら……他人を庇って死ぬとはね。甘い奴で助かったわ』
「黙れ!!!」
ゼルガディスが叫ぶ。
「よくも……よくも、やってくれたな……!!」
「……絶対に、許しません!!!」
アメリアも目に大粒の涙を浮かべながら、オスロを睨み付ける。
ふと、オスロは呆然としているガルフ達に目を向ける。
『だが、我々魔族の多くを滅ぼした者の子供……この2人、放って置くわけにはいかないね……』

その時。
「おや、おや……やられてしまいましたか」
不意に虚空から姿を表すゼロス。
『あら、ゼロス。とうとう観念して出てきたの?』
「そんなつもりは毛頭ありませんよ。ただ、こうなった以上、あなたは確実に滅びるでしょうからね」
にこにこ笑顔で答えるゼロス。
『私が滅びる……貴様達が滅びる、の間違いでしょう?』
「いいえ。滅びるのはあなたです。リナさんが死んだ以上……力をセーブする事など出来ないでしょうからね、彼らは」
『彼ら?……何の事を言っている?』
「それは秘密です。それでは、僕はもう少し傍観者でいさせてもらいますね」
ゼロスは再び姿を消した。

『何なのかしら。……まあいいわ』
オスロの手に再び光が集まり始める。
『取り合えず、貴様達を殺してやるわ!』
その様子を見たアメリア達は、慌てて呪文を唱え始める。
「封気結界呪(ウインディ・シールド)!」
アメリア、アストール、ジュリアの3人の声が唱和し、一同の周りに風の結界が張られる。
オスロの放った光を、かろうじてはじき飛ばす。
「おい、お前らも手伝え!」
ゼルガディスがレイティア達にむかって叫ぶ。
その声に、彼女達がハッとする。
母親の死を嘆いている暇はないと自分自身に言い聞かせ、オスロに対峙する。

『くくく……お前達の負の感情は素晴らしいねぇ。だが、遊んでいないでとっとと片を付けようか。セイルーン王家の者、そしてリナ=インバースの子供達よ!』
その言葉と同時に、ブラス・デーモンが召還される。
圧倒的な数。軽く3桁は越えるだろう。
それらが一斉に炎を放つ!
「炎烈壁(バルス・ウォール)!」
慌てて対炎の防御呪文を唱えるアメリア達。
だが5人が張った障壁すら、あまりの炎の数に全てを防ぐことが出来ず、数発食らってしまった。
「次は、もたない……!!」
ジュリアが苦しそうに呟く。
その時、ガウリイが一歩前へ出ながら言った。
「……俺がやる。皆、俺から離れるな」
「何をする気だ?」
「……魔法を、使う」
「魔法?ガウリイさん、そんなもの使えたのですか?」
アメリアが尋ねる。
「昔、リナに叩き込まれた……2つだけだがな」
そして、剣を天に向け、縦に構える。

……赤日よりも朱きもの
  陽光よりも眩きもの……

『何のおまじないのつもり?』
からかうようにオスロが笑う。
そう、ガウリイは魔法の呪文を唱えているわけではなかった。
彼が使っている言葉は「混沌の言葉(カオス・ワーズ)」では無い。
日常使う、普通の言葉だった。

……朱と金を司りし
  時の流れに埋もれし存在(もの)
  我 ここに汝に願う
  我 ここに汝に誓う
  我らが前に立ち塞がりし 全ての愚かなる者に
  我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を!

言い終えるなり、ガウリイは赤い光の剣を真下に突き刺す。
「魔破斬(デモン・スレイブ)!!!」
その様子を小馬鹿にしたように見つめるオスロ。
『それがどうしたの……えっ!?』

ガウリイの言葉に導かれるように、剣の刃が眩しい朱の光と化す。
彼を中心に、半球型の結界がゼルガディス達を包み込む。
そして、その外側全てに、朱の力が襲いかかる!!
『馬鹿なっ……!!』
オスロは慌てて障壁を張る。
その直後、朱の光が襲いかかってきた。

「こん……な……」
「すごい……」
ゼルガディスとアストールが呆然と呟いた。
光と轟音が消え去った後。
一同を取り囲んでいた百匹以上のデーモン達は、残らず姿を消していた。
残っていたのは、ダメージを受けたのか、苦しそうにしているオスロだけ。
そしてガウリイは、力のほとんどを使い果たしたように地に足をつけ、激しく息をついていた。

『貴様……よくも、やってくれたな!』
オスロの声が怒りに震える。
「約束……したからな……、守るって……あいつと」
ゆっくりと立ち上がるガウリイ。
激しい疲労の色は隠せないが、それでも再び剣を構える。
『殺してやる!』
叫び、そしてガウリイに襲いかかる!
普段の彼ならば簡単に避けたのであろうが、今の彼は体力を消耗しすぎていた。
身体の動きが一瞬遅れ。
そして、光の刃を持つ剣は宙へと舞った。
彼の腕と共に。

「ガウリイ!」
「ガウリイ様っ!」
「父さんっ!!!」
あまりと言えばあまりの光景に、皆は悲鳴を上げた。
ガウリイの腕は、肩口からすっぱりと切断されていた。
傷口から溢れ出す血が生々しい。
彼は小さな呻き声をあげ、だが強い眼光で闘志をあらわにした。
「ガウリイ様!」
そんな彼の姿を見たセラが、ほとんど這いつくばるようにしてガウリイの元へと来る。
そして、復活(リザレクション)を唱えようとする。
だが。
「そんなものは、必要ない。……止めるんだ」
他ならぬガウリイ本人が、治療を拒否した。
「何故ですっ!?」
だが彼は答えない。
ひたすらにオスロと、魔族が拾った己の剣を睨み付ける。
『死の覚悟ができたのかい?だったら、お前の剣で殺してやるよ!』
オスロは言うなり、柄の部分しかない剣に己の力を込める。
そして、その剣の先に光の刃が…………出なかった。

『何!?どういうことだ!?なぜこの光の剣は、刃を出さない!?』
オスロは混乱していた。
伝説の「光の剣」の事はオスロも知っていた。
意志の力を刃に変える剣。
元々が異世界の魔王の武器であるらしく、人間よりは魔族であるオスロの方が遙かに使いこなせる筈だったのに。
「……答えは、簡単だ。その剣は烈光の剣(ゴルン・ノヴァ)では無い、それだけだ」
冷ややかな声でガウリイが告げる。
「俺にしか扱えない、俺専用の剣だからな」
その時、オスロはようやく気付いた。
先程ガウリイと戦っていた時にも感じた、尋常の人間ではない彼の『気』の正体に。

「はあぁぁっ!!!」
切られた腕に、気合いを込めるガウリイ。
すると、未だ血を流し続けている傷口が蠢き始める。
血の流れの中に、赤い塊のようなものが現れ、次第に大きくなっていく。
そして、それは長く細く伸びていき、白い皮膚に包まれ、……彼の腕を形作った。
『馬鹿なっ……再生した、だと……!!!』
「……!!!」
その光景にオスロは、そして皆は驚愕した。
復活の呪文なしに腕が再生する……人間には不可能な技である。
「ガウリイ……お前……」
掠れた声で呟くゼルガディス。
と、その時、ようやく皆も気付く。
ガウリイから発せられる……かすかな瘴気に。

「……返して、もらうぞ」
再生した腕を軽く上げると、オスロの手にあった筈の剣が一瞬でガウリイの手の中へと収まり、再び光の刃を出す。
彼のその姿は、いつもののほほんとしたガウリイとは全く異なるものだった。
側にいるだけで暖かい感じを受けていたのが嘘のように、今の彼からは氷のように鋭く、冷たい印象しか受けない。
『貴様……まさか、魔族かっ!!!』
声に僅かな怯えを含め、オスロが叫ぶ。
「人間だよ。……半分はな」
「父……さん……!?」
ガウリイとオスロの会話に、レイティア達が再び凍り付く。
自分の父が魔族、などと言われて平気でいることの出来る人間などいない。
「嘘……だろう……?」
だが彼らの父は何も答えなかった。

「ガウリイさん……まさか、不死の契約をっ!?」
昔リナから聞いたことを思い出し、アメリアが言う。
不死の契約。契約の石を証として魔族と契約し、力を得るもの。
契約の石が壊れる、または契約相手の魔族が倒されるなどの事がない限り、契約した人間は年を取ることもなく、死ぬことも無いという。
「似たようなものかもしれないな」
「何故です、ガウリイ様!何故、そんな事を!」
シルフィールが問いかける。
彼女には、信じられなかったのだ。
「……俺は、彼女を守りたかった。ずっと側にいてやりたかった」
「リナ……か?」
「ああ。……行方不明になっていたリナを見つけたとき、俺は誓ったんだ。例えこの身が地獄に堕ちようとも、彼女を守ると」
言いながら彼は剣を上げ、オスロが放ってきた衝撃波を軽く弾く。
「だからといって、なぜそんな契約などを!他に守る方法など、いくらでもある筈だろうが!!!」
「駄目だ。……他に方法は無かった。永遠の力、命……どうしてもそれらが必要だった」
「なぜそんなものが必要と思ったのか、私には分かりません。でも!リナさんは……リナさんはそんなことを望みはしない筈です!絶対に!」
アメリアは断言した。
かつて彼女がリナから聞いた話では、リナは……何度も魔族から誘われたという。
自分たち魔族と契約し、仲間になれ。そのかわり、永遠の命と力を与えよう、と。
だが、彼女はそんな誘いには乗らなかった。
(ゴールのない人生なんて興味がないの!)
明るく輝く瞳で、彼女はそう言っていた。つい昨日の事のようにも思える記憶。
「リナさんは……そんな事、絶対に許すはずが、無いんです……!」
「そうさ……リナは猛烈に反対した。そんな事をするぐらいなら、側にいるなと。自分一人で生きて行くから、と」
自虐の笑みを浮かべるガウリイ。
「だから、俺は無理矢理説得したのさ……ほとんど脅しだったがな」
再び彼に向かって飛んでくる光の矢。ガウリイは、剣で軽く切り刻む。
「世界中の全てを敵にしたとしても、絶対に後悔しない。それが俺の選んだ……望んだ道だから」
『き……貴様……』
今のガウリイは鬼神のような強さだった。
全ての攻撃を阻まれ、オスロは動揺を隠せない。
『ならば……この珠の力で……滅ぼしてやる!』
言うなり、その手に鈍く輝く紫色の珠が現れた。
『獣王様の純粋な力なら、簡単に滅ぼせる筈だからね!』
不死の契約を交わした者を倒す3つ目の方法。契約を交わした魔族よりも高位の魔族の力を用いること。
赤眼の魔王の5人の腹心の1人獣王ゼラス=メタリオム、その力を防ぐことの出来る者など、まずいない。オスロはそう考えた。
『死ねぇっ!!!』
強烈な光がガウリイに向かって来る!

……彼は、避けようともしなかった。
紫の光は直撃し、轟音と共に閃光が迸る。
そして……光の消えた跡には……ガウリイが佇んでいた。
まるで何事も無かったかのように。

『何故……何故貴様は死なない!?』
オスロは完全に動揺していた。
1歩、また1歩、後ずさる。
「お前ごときの力で倒せはしない……俺の契約の相手はな……」
冷たい眼光でオスロを睨むガウリイ。
「さて……」
彼はオスロの方を向いたまま1歩下がり、ゼルガディス達の側へと近づく。
「これだけのことをしてくれた……その礼はしないとな」
『ひ、ひぃっ!』
「だが、お前の相手は俺ではない……あいつが、やってくれる!」
その言葉とほぼ同時に、彼の後方が輝いた。

「何……何ですの!?」
あまりの展開について行けず、半ば放心状態にあったシルフィールが、真っ先にその変化に気付いた。
彼女のすぐ側にあったものに変化が起こったのだ。
淡く輝く……リナの死体が。
そして、その身体はゆっくりと、赤い光へと変わっていく。
「リナ……さん!?」
アメリアの目の前で、リナの身体は完全に光へと化した。
光は宙に集まり、1度球の形に縮む。
そして再び広がり始め、人の形をとっていく。
「母……さん……?」
レイティアが呟く。
そう、その言葉通り。
赤い光は、リナ=インバースへと姿を変えていく。
その身体全体が、眩い朱金に輝いている。
閉じられていた瞳が、ゆっくりとその朱い姿を現す!
「何だ……これ……は……」
呆然と呟くゼルガディス。
(だが……どこかで、見たことが……ある……?)
だが、それが何なのか思い出すことは出来なかった。

『再生した……だと……?……お前は…………まさか……』
オスロは呪縛されたかのように、動くことが出来なかった。
リナの放つ圧倒的な『力』に押されているのだ。
(オスロ……)
リナが言葉を紡ぐ。だがその声は、いつものリナの声ではなかった。
冷たく、だが威厳を感じさせる声。
またその姿は、舞踏会で見せた輝くばかりの生気が失われ、代わりに魔性の美しさが彼女を包んでいた。
『お前は……貴方は……まさか……赤眼の……!』
(……そう。わたしは、……リナ=インバース=シャブラニグドゥ。赤眼の魔王の欠片……)
赤眼の魔王(ルビーアイ)・シャブラニグドゥ。赤の竜神スィーフィードの手によって7つに分かたれ、封印された魔王。その魂は人間の中に封じられたという。
だが、伝説の大魔道士レイ=マグナス、赤法師レゾ、そしてルーク……彼らのような強大な力を持つ器を得たとき、魔王は復活してきた。
そしてまた、リナの中に眠る魔の魂が目覚めたのだ。
その言葉に、オスロは跪く。
『赤眼の魔王様……お目覚めになられていたのですね……』
(……)
『そうとは知らず、失礼なことを致しました事、深くお詫び申し上げます……』
リナはただオスロを見つめるのみ。

「リナさん……が……シャブラニグドゥ!?」
「そんな……」
「あの人が……魔王だったなんて……!!」
シルフィールにアメリア、そしてジュリアは崩れ落ちそうになるのを懸命に押さえながら言った。
「世界の……終わりか……!」
悲痛な声で呟くゼルガディス。
かつてリナと共に魔王の復活を目の前で体験した彼は、その恐ろしさを誰よりも良く知っていた。
「母さん……目を覚まして、くれよ……!」
だがガルフの言葉に、リナは反応しようとはしなかった。

『貴方様が復活された、ということは、我々魔族にとって朗報……。つきましては、厚かましい願いとは存じ上げますが、ここの人間どもを手始めに殺していただきとうございます』
その言葉に、リナは頷く。
(よかろう……)
「リナさんっ!!」
アメリアが叫ぶ。
その時、ガウリイが赤い光の剣を掲げ……地面へと突き刺す。
再び彼らを半球状の結界が覆う。
「ガウ……リイ?」
ゼルガディスが何かを言いかけたとき、リナの声が響きわたった。
(滅ぼしてやるわ……オスロ、あなたを)
『!!!』
直後、朱金の光が矢となり、オスロの腕を吹き飛ばした!

『な……何故!ルビーアイ様である貴方が、何故……!!』
(わたしは、魔王であると共に、人間……リナ=インバースでもあるのだ……)
腕を押さえ苦しむオスロに、リナは言い放つ。
(かつて……赤眼の魔王として復活した、ルークと戦ったとき……)
(あたし、リナ=インバースの中の、わたし、シャブラニグドゥが、目覚めた)
冷ややかにオスロを見つめる彼女。
その目に感情はない。
(その時……あたしは、重破斬(ギガ・スレイブ)を使っていた)
再び光の矢が疾り、オスロの脚を貫いた。
(本来なら、魔王としての意識が勝つ筈だった……けれど……)
(金色の魔王様の力によって、わたし達の魂は混じってしまった)
彼女が放つ力はあまりにも強く、オスロ以外にも衝撃を与えていた。
だが、ゼルガディス達にも向かってきたその余波は、ガウリイが張った結界に弾かれていく。
(そして、わたし達は会ったのだ、混沌の中で)
(全てを生み出せし存在……ロード・オブ・ナイトメアに……)
『……!』
(あたし達はこの世界の全てを視た。神と魔の力が危ういバランスを取っている、この世界を)
(あの方は、わたし達におっしゃった。わたし達のような例は、他には無かったから興味を持った、と。そして永遠の刻をさまよい、この世界の行く末を見届けろ、と)
彼女の手に光が集う。
(そしてあの方は、御自分の御力を、わたし達に少しだけ分けて下さった)
(だからあなたは勝てはしない……時の流れに埋もれ、朱と金の力を司るあたし達には)
『馬鹿な……馬鹿なっ!!!』
空間を渡り、逃げだそうとするオスロ。
だがリナの力がそれを許さなかった。
(……余計な真似などしなければ良かったのよ)
(本来なら、わたしも放っておくつもりだったのだが……)
徐々に彼女の目に感情が現れる。それは、大切なものを傷つけられた怒り。
(知らなかった事とはいえ、わたしに刃向かってきたお前を許すつもりなど無い)
(後悔しなさい!あたしの、大切な家族や仲間に手を出した事を!!!)
リナは、その力を解放する!

『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!』
朱金の光に全身を包まれ。
『……ば……か…………、な……っ……!!』
魔族オスロは、断末魔の声を残し、あっけなく消滅した……。

「……終わりましたね」
何もない空間から、飄々として獣神官が現れた。
(今まで高見の見物なんて……いい度胸ね、ゼロス)
「貴女が死んだ時から、こうなる事は分かっていましたから」
リナの冷たい視線をものともせず、跪きながらゼロスは言った。ふと、周りの闇を見渡す。
「オスロの創ったこの異空間、まだ残しておいたのですね……まだやるべき事がおありですから?」
(……いやな男ね、お前は)
「お褒めのお言葉と受け取っておきます。それより……」
(分かっているわ。これの事でしょう……?)
リナの手のひらの上に、紫色の珠が輝く。
「その通りです。どうか、渡していただけませんか?」
(……いやだと、言ったら?)
「そんな事、貴女は決して言われないでしょう?」
にこやかに言うゼロス。そんな彼に、リナは苦笑した。
(本当に食えない男ね。……まあいいわ、持っていきなさい)
そして珠を彼に渡す。
(だけど、これでまた貸しが増えたわね。これからもせいぜい、利用させてもらうわよ)
「分かっていますよ……どうせ僕は貴女の便利なアイテムなのでしょう?」
これまた苦笑しながら言うゼロス。
「それにもちろん、貴女の事を誰にも言うつもりもありませんよ。……貴女の『呪い』は、絶大ですから……」
そう言い残すと、彼の姿は虚空に消えた。

「……!」
ゼルガディスはようやく気付いた。彼の胸から消えようとしなかった既視感の正体に。
「あれは……あの時の!!!」
かつて、一人で旅をしていた時に彼の目の前に現れたもの。
あの時とは、大きさも、その姿も違っているけれど。
その色彩、感じる力、受ける雰囲気が、全く同じだったのだ。
『元の体に戻りたくはありませんか』
そう彼に問いかけてきたものは、今のリナと同一のものだった……。

彼女を包み込む、朱金の輝きが段々と薄れ、そして消えていった。
そこにいたのは、エネルギッシュな魅力に包まれた、いつもの彼女。
そんな彼女を守るかのようにそっと抱きかかえるガウリイからも、先程の瘴気は微塵も感じられない。
優しい空気を纏った、優しげな、だが寂しげな笑みを浮かべている。

「リナさん……ガウリイさん……」
アメリアが厳しい目を彼らに向ける。
皆も、2人をじっと見つめている。
「あんた達を騙してた事……許してくれ、なんて言わないわ……」
悲しそうな顔をして、リナが言った。
「だから、会いたくなかった。この身が化け物に変じたあたしを、見られたくなかった」
魔王として目覚めて以来、ずっと彼女を襲っていた苦しみ。
だから何も言わず、仲間達の元を去った。
死にたくても、金色の魔王の力がそれを許さなかった。死んでも再生し、滅びることは出来なかった。
ずっと、苦しい旅が続いていたのだ。……彼が彼女を捜し出すまでは。

シルフィールがきつめの表情で1歩前へと出てくる。
「……リナさん。お聞きしたいのですが」
「……何?」
「ガウリイ様を魔族にしたのは、リナさんなのですか?」
「…………そうよ」
「何故!何故そんな酷いことができるんですか!!!」
泣き叫びながらリナに詰め寄るシルフィール。
「あまりにも自分勝手じゃありませんか!自分がそんな風になってしまったのは辛いかもしれません。だからといって、何の関係のないガウリイ様まで巻き込むなんて……許されることではないじゃないですか!!!」
何も言えず、目を伏せるリナ。
「やめろ」
リナを責め続けるシルフィールを止めたのは、ガウリイだった。
「リナを責めるな、お門違いだ。さっきも言った筈だ……これは、俺が望んだことだと」
「……ガウリイ様……?」
「リナが化け物に変わってしまった、って知ったときはそりゃショックだったさ。……けど、その心がリナである限り……リナは、俺のリナだ」
「……ガウリイ……様……」
「絶対に、離したくなかった。俺の前から姿を消したときのような思いをするのは、もうたくさんだった」
「……」
「けれど、リナは永遠の刻を生きるという。このままでは、俺はいつか絶対に、死んでしまう。リナを1人残して」
ガウリイは、リナを強く抱きしめる。
「そんなことは絶対にイヤだった。こいつの心を、すべてを守りたかった。だから、俺はリナに頼んだ。お前の力で、俺をお前と同じ化け物にしてくれ、と。共に永遠の時を生きてくれ、と。……もちろん、そんな事をリナが許すはずはない。何度も逃げられたけれど、その度に俺は見つけだして説得した。時には脅しみたいな事もしたがな。だけど、これだけは絶対に譲れなかった」
「……それで……結局リナさんが、ガウリイさんを……魔族に?」
アメリアが掠れた声で呟く。
「そうだ……もっとも、条件があったがな」
ついに折れたリナが、ガウリイに出した条件。それは……自分たちの存在を、他の者に知られないようにすること。
リナは、あくまで「人間として生きたい」と願っていた。例えその身が化け物であっても。
だが、永遠の時を生きる人間などいない。このことが公になれば……リナ達は、人間達に追われる羽目になるだろう。これは、彼女の望みに反するものだった。
だから2人は、その存在が不必要以上に知られることの無いよう、密かに生きてきたのだ。自分たちの名前を、この世の記録に残すことが無いように。
そして、2つ目の条件。それは2つの魔法を覚え、必要なときには絶対にその魔法を使うことだった。
1つ目は、魔破斬(デモン・スレイブ)。リナの力を借りた、竜破斬(ドラグ・スレイブ)よりも強力な魔法。リナが創り彼に与えた光の剣だけでは通用しない時、間違いなく敵を滅ぼすことができるように。
2つ目は、……リナ自身を滅ぼすための呪文。もしその魂が赤眼の魔王に飲み込まれ、この世に滅びをもたらそうとしたとき、ガウリイの手によって、確実にその身を滅ぼしてもらうために。彼女を滅ぼすことのできる者は、他には金色の魔王しかいないのだから。

……沈黙が流れていた。
「リナ、俺からも聞いていいか。昔、俺を元の身体に戻したのは……お前さんか?」
ゼルガディスが尋ねる。
そっと頷くリナ。
「……ゼルの身体は、はっきり言って、治せるものじゃないのよ。それこそ、ロード・オブ・ナイトメアの力でもない限り」
だから、リナは彼の元へ行ったのだ。
自分だとばれないよう、そして彼の警戒心を少しでも軽くするため、彼の愛した少女に近い姿をして。
それは、リナからゼルガディスへ送る、せめてもの餞別であった。

「……母さん」
その言葉に、リナの身体がビクッと震える。
来るべきものが来た、と彼女は思った。
この場から逃げ出したい衝動を必死で押さえながら、リナはそっと言葉の主のほうを見る。
「私達が何を言いたいか、分かる?」
棘のある少女の声。無理もないが。
「……だけど、その前に聞きたいことがある」
ガルフも、じっと両親を見つめながら言った。
「俺達は……何者なんだ?」
彼の言葉に、周りの者が息をのむ。
赤眼の魔王と化した母。そして、彼女の力によって魔族と化した父。
そんな2人の子供が、ただの人間であるとは思えなかった。
だが。
「あなた達は……人間よ……」
信じられない、リナの返事。
「そんな筈、ないでしょ!!こんな時まで、嘘をつかないでよ!!!」
レイティアが叫ぶ。だが、リナの声は冷静だった。
「もう一度言うわ、あなた達は人間よ。なぜなら……あなた達は、あたしが産んだ子供だもの……」
彼女の笑みは寂しく、そして優しかった。
「魔族はね、……子供を産めないの、そんな必要はないから。彼らは、自分の力でもって、子供を創るから。だから、……あたしが産んだあなた達は、人間だわ。それに、魔王でもあるあたしにも、あなた達から魔族の気は感じることはできないもの。あなた達は……人間よ」
リナの紅い目に、涙が浮かぶ。
「あたし達のこと……一生許さなくてもいい。それだけの事をしてしまったのだから。だけど、これだけは信じてほしい。あたし達は、あなた達に幸せになってほしかった」
「……」
「あたしの子供ってだけで、あなた達が魔族から狙われるって事は分かってた。だけど、あなた達には、高位魔族に対抗する術はない……。金色の魔王の呪文を教えれば良かったかもしれないけど、あたしはあの呪文を伝えるつもりは全くなかった。だから、あなた達の記憶を消した……。
……っ!?」
リナの目が驚愕に開かれる。
……レイティアが彼女の側までやってきて、いきなり彼女に抱きついたのだ。
「……馬鹿よ、母さん達は」
レイティアの表情は分からない。ただ、彼女の涙声だけが聞こえた。
「言いたいことだけ、言わせてもらうわ。これだけ酷いことをしてくれたのだもの……一生、償ってもらうわ」
「……!!」
「そうだよ、母さん」
ガルフも後を続ける。
「まだまだ教えてもらいたいことはたくさんあるんだ。側にいて、教えてもらうからね……」
「ガルフ……レイティア……!!」
リナは、2人の子供を抱きしめた。ガウリイも、彼らの肩にそっと手を置いた。
「……ありがとう………………でも」
一歩離れ、リナは手を伸ばす。
その姿に、双子達は驚愕した。
「母さんっ!まさか……また、あたし達の記憶を消すの!?」
「母さんっ!父さんっ!」
二人の言葉に、傍観者と化していた他の者も騒ぎ始める。
「リナさんっ!この期に及んで、まだそんなことをするつもりなんですか!」
「リナ、まさか俺達の記憶も消すつもりかっ!」
流れる沈黙は、その言葉を肯定するものだった。
「リナさん……止めて下さい!わたくし達も、あなた達のことを忘れたくなどありません!!」
ガウリイが、リナと同じく悲しそうな瞳で、リナをそっと抱きしめた。
リナがその腕をゆっくりと上げていく。
「母さんっ!!!」
レイティアの言葉も虚しく。
眩いばかりの白い閃光が、その場すべてを貫いた…………。

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はいっ!……無茶苦茶長い、第10章でしたっ!!
……ここまで長くなる筈は無かったのですが……どこでこんなに延びたのだろう……ぶつぶつ。
やっぱり、ブラックなガウリイのせいかなぁ……?(←自分の腕が未熟なせいだって)
それはともかくとして。
やっとこさ、ほとんど全ての謎(?)の種明かしをすることが出来ました。
もはや思い残すことはありません……って、まだ終章が残ってますが(笑)。

最後の蛇足(?)、終章。どうか皆様、読んでやって下さい。

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4022祈り 終章ちび☆ E-mail URL8/14-21:12
記事番号3881へのコメント

終章 永遠の祈り


ぱたぱたぱた……
セイルーンの王宮の一角にある部屋へと、軽快な足音が走り抜ける。
「先生!シモン先生っ!」
明るい声を上げるのは、まだ幼さが残る少年。手には古い手紙みたいな物を持っている。
「どうされました?ジャン殿下」
シモンと呼ばれた老人は、少年の方を向いた。
「お客様です!何でも、我がセイルーンの英雄王のことについてお聞きしたいとか……」
「ほほう。そうかね。……では、ここへお通ししていただけませんかの?私はあまり動けませんので」
「はいっ!!」
先程と同じように元気な声で返事すると、少年は部屋の外へ出る。
「どうぞっ!」
彼の後ろに付いてきたのは、まだ若い女性と、同じく若い男性だった。
「初めまして、シモン老師。あたしはミナという者です。こちらはガウル」
女性が挨拶すると、それにあわせて男性も軽く会釈した。
「あたし達、各地の伝承等について調べているんです。で、ここセイルーンで素晴らしい業績を残した英雄王について、是非とも詳しい話を教えていただけたらと思いまして……」
「そうかそうか」
優しい笑顔で答える老人。ここセイルーンでは英雄王は何よりの誇りであった。
「では、こちらへ。……さて、何をお聞きしたいのでしょう?」
「彼らにまつわる事を、全て……あたし達は、詳しい話をよく知らないので」
「英雄王が、この世界を守るために魔族と戦い続け、そのおかげで今のような平和が訪れた、という事は御存知ですな?」
女が頷く。
そう。今は、かつての降魔戦争から千数百年の間のように、魔物があちこち徘徊し人々を襲う、といった事は遙かに少なくなっていた。
それがこのセイルーンの王の業績である事は、この世界のほとんどの者が知っている事だった。
「ふむふむ。では、お話しましょう。我がセイルーンの英雄王、アストール様の詳しい伝承を」
老人は語り始めた。

「アストール=ウル=ディ=セイルーン。
彼は、先代の王、フィリオネルの2番目の娘、アメリアと、その夫ゼルガディス=グレイワーズの娘としてこの世に生を受けた。
彼は思慮深い性格で、何よりも周りの者の気持ちを考えることに長けていた」
本来ならば、彼の王位継承権は第三位。低いとは言えないが、決して高くはない。
そんな彼がフィリオネル王の跡を継いだのは、第一王位継承者であったグレイシア王女に放浪癖があり、滅多に王宮に戻ってこなかったという事、そして第二王位継承者であった彼の母アメリア王女が、王位を継ぐことを頑固に拒んだためであったという。

「彼は魔族達と戦い、多くの勝利を収めた。むろん、彼自身の力も素晴らしかったのだが、仲間達の協力が無ければ成し得なかったことであろう。
彼の翼となって彼を支えたその仲間達は、英雄王の翼将と呼ばれた。
第1の翼将、レイティア=アル=テスラ=セイルーン。彼女は英雄王の妻でもあり、稀代の大魔術師でもあった。その力は天を裂き地を割る程で、並みの魔術師が束になっても敵わなかったという。
第2の翼将、ジュリア=ディル=テスラ=セイルーン。彼女は英雄王アストールの実妹であった。彼女は、誰よりも強い正義感を持ち、誰よりも勇敢に敵と戦ったという。
第3の翼将、ガルフ=バル=ディ=セイルーン。彼はジュリアの夫でもあり、また王妃レイティアの実兄でもあった。彼は世界でも類を見ないほどの剣の腕を持ち、率先して人々を守ったという。
第4の翼将、セラ=ネルス=ラーダ。その一生を神に捧げ巫女として過ごした彼女は、誰よりも白魔法に長けていた。そして、人々や仲間達を助け、癒し続けたという。
彼らは、どこかで魔族が出たとの話を聞けば、すぐにそこに向かって魔族と戦った。人々を守るために。何の見返りも求める事もなく」
女性も男性も、黙って老人の話を聞き続けている。

「また彼らは、家族をとても大切にしていた。
そのことがよく分かる、王妃レイティアが残したという有名な言葉がある。
『人は皆、幸せになるために生まれてくる。だから、私は皆に幸せになってほしい。この私が幸せであるように』と」
女性が下を向き、俯いた。
「そうそう、この王妃レイティア及び彼女の実兄ガルフの両親が何者だったのか、公的には記録されていない。だが、私は、あの伝説の大魔道士、リナ=インバースではないかと思っておる」

びくっ。
女性の肩が大きく震える。
だが、老人はそれに気付かなかった。

「何も証拠などありはしない。彼の者に残されている伝承は数少ないからな。だが、この2人には共通点が多いと思ってな。
まず、彼らが活躍した時代がちょうど20年ほど違う。母娘だとすれば、ちょうど年代が合うのだ。
それに、2人とも、人とは思えないほどの強大な力を有していたという。レイティア王妃以降のセイルーン王家の者に強大な魔力を有する者が多くなったのは、おそらく遺伝であろう。これまた、2人が母娘だとすると納得がいく」
老人の話に対し、2人が反論しないことに彼は満足した。
この話をすると、たいていの者が『そんな筈はない、ありえない』と一言に否定してくれたからだ。
「また、2人とも、魔族を数多く滅ぼしている。記録にこそ無いが、リナ=インバースは『魔を滅するもの』と言われるほどだ。相当の魔族を滅ぼしているはず。
一方、レイティア王妃も、仲間達と数多くの魔族を滅ぼしている。……仲間達と、と言っても、高位の魔族と戦うときとどめを刺すのはいつも彼女であったとも伝えられているからな。よく似ていると思いませんかの?」

「……それに、これを見ていただきたい」
そう言うと、老人は2人に飾り気のない箱を差し出した。
その中には、古びた剣の柄と、やはり古びた紅い石のペンダントがあった。
「これは、レイティア王妃と、その兄ガルフが使用していたと言われるものだ。
伝承によると、この剣の柄からは光が刃となって現れたとか、紅い石が使用者の魔力を増幅したとか言われておる。
……もっとも、彼らの代以降、これらを使う者が出来たという話は無い。だからそれは単なるでまかせだという説もあるが、これらには確かに強大な魔力が宿っておる」
箱の中の品をじっと見つめる男女2人。
「言い伝え通りならば、この剣はかつて魔獣ザナッファーをも倒した『光の剣』ではないかとも思われるが、いかんせん、誰も光を出すことができないのでな。誰もそうだと言い切ることができない」
老人は一息ついた。
「しかし……これはまたあやふやな伝承ではあるのだが、リナ=インバースが旅したとき、その連れが光の剣の継承者であったとの説もある」
その言葉に男性が反応した。
だが、やはり老人は気付かなかった。
「だから、私は、レイティア王妃達の両親が彼らではないかと思っておる。殿下以外誰も賛同はしてくれんから、勝手な妄想かもしれないがの……」
老人は静かに微笑んで言った。

……老人に、話を聞かせてくれたお礼を述べ、2人は再び少年の案内で王宮の外へと出ようとしていた。
「ねぇねぇ、先生の話聞いて、どう思った?」
屈託のない笑顔で尋ねる少年。
「そう、ね……なかなか面白かったと思うわ」
「先生の説ね、誰も信じてくれないんだ。そりゃ、確かに突拍子もない話だよね、あの悪名高いリナ=インバースとレイティア王妃が母娘だなんて」
女の顔がちょっと険しいものになったが、少年は気付かなかった。
「でも、僕は本当だと思うんだ。何で、って聞かれると困るけど、その話を聞いたとき、そう感じたんだ」
初めてその話を聞いたときの事を思い出し、少年は遠い目をする。
「本当に、理由なんてないなぁ。先生の説明は、一応筋は通っているように思えるけど、こじつけと言われたらそれまでだから。
だけど……僕は、自分の直感を信じるよ。何てったって、一応僕だってセイルーンの王子。あのレイティア王妃の血を引いているんだから」
その言葉に、男性も女性も驚いたようだ。
「あなたが殿下だったとは……これは失礼いたしました」
「いいよ、気にしなくて。僕、そういうの苦手だし。」
そう言いつつ、両手を頭の後ろで組む。
「それに、お姉さん達、なんだか妙に懐かしい感じがするし。……ひょっとして、どこかで会ったことある?」
「いいえ、初めてお会いしましたが?」
「おっかしいなぁ、僕のそういうカンって、結構当たるのに。まぁいいや、それよりこれを見せてあげる」
彼は、手にしていた古い手紙を2人に差し出した。
「これ、僕の宝物なんだ。これを見つけたとき、すっごく心が温かくなっちゃって、それ以来、ずっと手放せないんだ。あ、シモン先生には内緒だよ?」
宛名の無い手紙には、短い文章と、「レイティア」「ガルフ」との署名が入っていた。

  父さん、母さん。
  あなた方が私達にくれた幸せを、私達は決して忘れません。
  私達はあなた方に何も返すことはできないけれど、
  愛するあなた方が幸せであることを、永遠に願っています……

「ね?すごく短いけど、すてきな手紙だと思わない?」
にっこりと笑顔で問いかける少年は、女性が泣いているのに気付いた。
「あ、あれ……どうしたの……?」
「いえ、何でもないわ……。……本当に、すてきな手紙だと、思って……」
不思議そうな顔をする少年と別れ、2人の男女はセイルーン王宮を後にした。



――愛しています。どうか、幸せでいて――。

それは、両親から子供達へと送る、そして子供達から両親へと送る、
……永遠の、祈り。


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……長かった……。長かったぞぉぉっ!!!
というわけで、「祈り」最終章をお届けしましたっ!!!
ここまでつきあっていただき、ありがとうございました(陳謝)。

この話は、私が生まれて初めてまともに書いた話です。
よって、誤字脱字、書き方が不十分といったなどの不備な点が多々あるとは思いますが、どうかお許し下さい。

そうそう、9章の最後に書いた「間があくと間抜け」の件ですが。
メインストーリーは10章で終わり、終章は「その後のお話」のつもりだったので、間を開けたくはありませんでした。
たとえば、テレビアニメの最終回で、事件が解決した!ってシーンと、その後の、のほほんとしたエピローグの間が空いていると想像すると、
何となく間抜けな気がしませんか……?(実際には間が空くなんてことはないですが)
という意味での「間抜け」発言でした。以上っ!

はっきりいって、この話、まだいろいろ書けなかったことが多いです。
ルークが魔王になった経緯とか、シルフィールの旦那の事とか、リナ達とレイティア達の別れのシーンとか……。
他にも、「ここ変じゃないの?」と突っ込まれそうなところがたくさんあります。あぁ未熟者(涙)。
それらの質問・反論・苦情等はいつでも受け付けておりますので、遠慮なくご連絡下さい。

そうそう、HP開設しました!まだこの話しか載せていませんが(爆)。
暇を見てはいろいろ増やしていきたいと思っていますので、気が向いた方は時々覗きにきてやって下さい。

最後になりましたが、スペシャル・サンクスです。
このお話に感想を送って下さった、三里桜架さん、リナみんとさん、ゆかりさん、中田 珂南さん、阿癸乃さん。
あなた方のおかげで、私はとっっっっても励まされました。本当にありがとうございました☆
次に、ここの管理者である一坪さま。
このように小説を発表する場を提供して下さったこと、そしてこんな長くて容量の大きい駄文を削除することもなく載せていただきましたこと、深く深く感謝いたします。
最後に、この話を読んで下さった全ての皆様へ。
心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

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4023ごめんなさいっ!名前を入れ忘れましたっ!ちび☆ E-mail URL8/14-23:35
記事番号4022へのコメント
ちび☆です。

>最後になりましたが、スペシャル・サンクスです。
>このお話に感想を送って下さった、三里桜架さん、リナみんとさん、ゆかりさん、中田 珂南さん、阿癸乃さん。
>あなた方のおかげで、私はとっっっっても励まされました。本当にありがとうございました☆

あぁっライムさんの名前を入れ忘れてたぁ(←撲殺!)。
すみませんライムさん。いくらでも石を投げて下さい。 m(__)m

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4025Re:祈り 終章むつみ E-mail 8/15-00:19
記事番号4022へのコメント
ちび☆さん、はじめまして。むつみと申します。
小説、全部読ませていただきました。

で。
泣いちゃいました。はい。

今まで、結構たくさんのスレパロを読んできましたが、泣いたのは初めてです。

素晴らしい!!

「リナ=シャブラニグドゥ」ネタは割とポピュラーです。でも、今まで読んだ中では、最高でした。
特に、ガウリィの設定が。

とにかく、様々に張り巡らされ「どうなることか」と思わされた複雑な伏線が、ほとんど解決されている!!
これって、凄いです。

何だか、ほめ言葉の羅列になってしまって申し訳ないです。
今は、感動が先に立っていて、うまく言葉にならないんです。

本当に、いいお話でした。
ありがとうございました。

落ちついたらまた。感想入れに来ます。
それでは。


PS. シルフィールの旦那さんのこと、できれば書いてくださいね。
私、シルフィールも好きなんです。
幸せそうな彼女が見られて嬉しかったです。

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4044むつみさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:03
記事番号4025へのコメント
むつみさんは No.4025「Re:祈り 終章」で書きました。
>ちび☆さん、はじめまして。むつみと申します。

はじめまして!
むつみさんの小説、ZODIACAUXの方で読ませていただいて密かなファンでした。
(「孤光の剣」が特にお気に入りです♪)
そのむつみさんから感想をいただけるなんて……ひゃっほぅ〜(←ただ今暴走モード発動中)。

>小説、全部読ませていただきました。
>で。
>泣いちゃいました。はい。
>今まで、結構たくさんのスレパロを読んできましたが、泣いたのは初めてです。
>素晴らしい!!

ううっ……むつみさんにそこまで言っていただけるなんて……もう死んでもいいかも(爆)。

>「リナ=シャブラニグドゥ」ネタは割とポピュラーです。でも、今まで読んだ中では、最高でした。
>特に、ガウリィの設定が。

ありがとうございます☆
この話、結構ありがちなネタだよなぁと思いつつ書きました。
でも、私の頭の中では、このようにすっかりイメージが固まってしまっていたんです。
ガウリイも、リナがああなったらこういう行動に出るだろうなと思って魔族にしてしまいました(笑)。

>とにかく、様々に張り巡らされ「どうなることか」と思わされた複雑な伏線が、ほとんど解決されている!!
>これって、凄いです。

実はいくつか、はっきりとは明らかにされていない伏線があります。
結構思いこみで書いたものですから、本人は理解していても、他の方が「??」と悩むものもあると思っています。
う〜ん、精進しなくては……。

>何だか、ほめ言葉の羅列になってしまって申し訳ないです。
>今は、感動が先に立っていて、うまく言葉にならないんです。
>本当に、いいお話でした。
>ありがとうございました。
>落ちついたらまた。感想入れに来ます。
>それでは。

むつみさん、こんな駄文を読んで下さってありがとうございました!
本当に、本当に、心から感謝申し上げます!

>PS. シルフィールの旦那さんのこと、できれば書いてくださいね。
>私、シルフィールも好きなんです。
>幸せそうな彼女が見られて嬉しかったです。

PS.シルフィールの旦那様の話、いつか書ければいいなぁと思っています☆


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4026Re:祈り 終章まくらん E-mail 8/15-00:40
記事番号4022へのコメント
初めまして。「祈り」をずっと読ませていただいていました。
すごく良かったです。これが処女作とは信じられません!
見事なドンデン返しに、伏線の数々。何よりストーリーが良くて・・・
全部保存させて頂きました。にやり。

文を抜き出して書くと膨大な量になってしまうので
ここでは控えますが、やはり10章は迫力ありましたね〜!
ただ、あの後リナとガウリイはもう仲間達とは会う事はなく、
永遠の命を持ちながら生き続けたのかと思うとちょっと寂しいですね・・・
でも、その寂しい所も初期の明るい所も全部含めて面白かったです(^^)

個人的にはゼルとアメリアのラブラブ夫婦もツボをついていたり(笑)。
ゼルがただいまのキスを、額にとはいえ当たり前の様にしちゃうなんて♪♪♪
ああ、燃えるーーーーーーーー(馬鹿)!!!!!!

感想の類は苦手なので上手くかけませんでしたが、本当に面白かったです。
これからも頑張って下さいね(^^)HPの方も頑張って下さい!


最後の、「永遠の、祈り」の部分がとても良かったです(^^)

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4045まくらんさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:04
記事番号4026へのコメント
まくらんさんは No.4026「Re:祈り 終章」で書きました。
>初めまして。「祈り」をずっと読ませていただいていました。

初めまして!ちび☆という者です。
こんな長い駄文を読んで下さって、ありがとうございました!

>すごく良かったです。これが処女作とは信じられません!
>見事なドンデン返しに、伏線の数々。何よりストーリーが良くて・・・
>全部保存させて頂きました。にやり。

え゛?保存?この駄文を……?……(←青ざめている)
あぁっ!恥ずかしいっ!!穴があったら……埋まりたいっ!!!!!(爆)

>文を抜き出して書くと膨大な量になってしまうので
>ここでは控えますが、やはり10章は迫力ありましたね〜!
>ただ、あの後リナとガウリイはもう仲間達とは会う事はなく、
>永遠の命を持ちながら生き続けたのかと思うとちょっと寂しいですね・・・
>でも、その寂しい所も初期の明るい所も全部含めて面白かったです(^^)

ありがとうございます!
彼らは、やはりひっそりと生きていくのでしょう。
でも、2人だからきっと大丈夫のはず……。

>個人的にはゼルとアメリアのラブラブ夫婦もツボをついていたり(笑)。
>ゼルがただいまのキスを、額にとはいえ当たり前の様にしちゃうなんて♪♪♪
>ああ、燃えるーーーーーーーー(馬鹿)!!!!!

まくらんさん、ひょっとしてゼルアメの方ですか?(笑)
ちょっとゼルが甘々で、らしくないかな……って気になっていたのですが。
いや、でも元の身体に戻ったら、嬉しくってあれくらいするかなと。

>感想の類は苦手なので上手くかけませんでしたが、本当に面白かったです。
>これからも頑張って下さいね(^^)HPの方も頑張って下さい!
>最後の、「永遠の、祈り」の部分がとても良かったです(^^)

HP……実はミスってて、見れないようになっていました……馬鹿……。
あ、とりあえず修正しておきましたので、今度は大丈夫(な筈)です。

まくらんさん、こんな長い話をよんで下さったうえにわざわざ感想を送って下さって、本当にありがとうございました!

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4027おつかれさまです!!ゆかり E-mail 8/15-01:00
記事番号4022へのコメント
ちび☆さんこんばんは。
完成おめでとうございます&おつかれさまでした♪

いやぁ〜スゴイ感動しました!!
ガウリイの設定部分はなんとなく、そうかななんて思ったんですけど
契約の相手がまさか・・・・って感じです。
終章の終わり方もすごいよかったです!!!!
この話は保存もんです。
設定にも無理はないし、ちゃんと全てが解決してるし。

また書いて下さいね。
HPの方も頑張って下さい。

それでは☆

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4046ゆかりさんまたまたまたありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:05
記事番号4027へのコメント
ゆかりさんは No.4027「おつかれさまです!!」で書きました。
>ちび☆さんこんばんは。
>完成おめでとうございます&おつかれさまでした♪

ありがとうございます☆(大感謝)

>いやぁ〜スゴイ感動しました!!
>ガウリイの設定部分はなんとなく、そうかななんて思ったんですけど
>契約の相手がまさか・・・・って感じです。

そうすることが彼にとって一番都合が良かったんですよね。
契約の相手がリナ(=魔王)なら、まず他のものに滅ぼされることはないし、万が一リナが滅びるときは一緒に滅びることが出来るのですから。

>終章の終わり方もすごいよかったです!!!!
>この話は保存もんです。
>設定にも無理はないし、ちゃんと全てが解決してるし。

終章は、ちょっと淡々としすぎたかなぁと思ったのですが。私、10章で力尽きました(笑)。
で…………え゛?保存……。……は、恥ずかしすぎるぅっ!!!(爆)

>また書いて下さいね。

は〜い、頑張ります!

>HPの方も頑張って下さい。
>それでは☆

じ……実は、HPはいきなりミスってて、のぞける状態ではありませんでした……(爆)。
とりあえず修正はしましたが、まだまだ勉強不足です(泣)。

この話を読んで下さって、そして感想を送っていただきまして、本当にありがとうございました!

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4028Re:祈り 終章トロイメライ E-mail 8/15-01:21
記事番号4022へのコメント
ちび☆さんは No.4022「祈り 終章」で書きました。

はじめまして!!トロイメライというものです!!
ここには、良く来ていましたが初めてコメントをします!!
ちび☆さん、本当にどうもありがとうございました、「祈り」を読ませていただいて。
初めての方とは思えない、すばらしい作品です!(私に言われてもうれしくないかもしれませんが・・・・・・・・)
台詞や話の展開が素人の方とは思えません、私は7章から泣きっぱなしでした。(でもみなさんも泣いていらっしゃるようなので少し安心)
7章はリナの台詞とかが切なすぎて・・・・・・。でも、私はガウリナ至上主義のひとなので、ガウリイとリナがささえあっている場面をみるとにへにへ笑っていましたが(爆)
わたしはやはり10章と終章がだーいすきです!このへんで涙で目が真っ赤になりました、水にぬれて平気かなあ。キーボード(汗)
あ、もち「祈り」は保存させていただきました、永久保存版です!!
なんか短いコメントでなんかすいません、意味通ってないし・・・・
ちび☆さん、これからもすばらしい作品を書いてくださいね、あとホームページの方もがんばってください応援しています。
私はちび☆さんががんばれるように、祈っています・・・・・









































































































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4047トロイメライさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:06
記事番号4028へのコメント
トロイメライさんは No.4028「Re:祈り 終章」で書きました。
>はじめまして!!トロイメライというものです!!

初めまして!ちび☆という者です。
こんな長ったらしい駄文を読んで下さって、ありがとうございました!

>ここには、良く来ていましたが初めてコメントをします!!
>ちび☆さん、本当にどうもありがとうございました、「祈り」を読ませていただいて。
>初めての方とは思えない、すばらしい作品です!(私に言われてもうれしくないかもしれませんが・・・・・・・・)

こんな駄文をお褒めいただけるなんて……嬉しすぎますぅっ!!
ありがとうございます♪

>台詞や話の展開が素人の方とは思えません、私は7章から泣きっぱなしでした。(でもみなさんも泣いていらっしゃるようなので少し安心)
>7章はリナの台詞とかが切なすぎて・・・・・・。でも、私はガウリナ至上主義のひとなので、ガウリイとリナがささえあっている場面をみるとにへにへ笑っていましたが(爆)
>わたしはやはり10章と終章がだーいすきです!このへんで涙で目が真っ赤になりました、水にぬれて平気かなあ。キーボード(汗)
>あ、もち「祈り」は保存させていただきました、永久保存版です!!

この話、「泣けました」って言って下さる方が多いです。
作者冥利につきます……(嬉涙)。
でも……保存ってのは……恥ずかしい……(赤面)。

>なんか短いコメントでなんかすいません、意味通ってないし・・・・
>ちび☆さん、これからもすばらしい作品を書いてくださいね、あとホームページの方もがんばってください応援しています。

HP、実はしょっぱなからミスってて、「見れないよ〜」との指摘を早々に受けてしまったという(爆)。
すぐに修正しましたが……あぁお馬鹿(泣)。

>私はちび☆さんががんばれるように、祈っています・・・・・

あ、祈っていただけますか。嬉しいです☆
トロイメライさん、本当にありがとうございましたっ!

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4031ご苦労様でした!三里桜架 E-mail 8/15-06:57
記事番号4022へのコメント
どうもです!
三里です!
とうとう最終回ですね!
感想いかせてもらいます!



>「おや、おや……やられてしまいましたか」
>不意に虚空から姿を表すゼロス。
呪いが解けて、嬉しいのかな?


>「そんなつもりは毛頭ありませんよ。ただ、こうなった以上、あなたは確実に滅びるでしょうからね」
ガウリイや子供たちに?


>「それは秘密です。それでは、僕はもう少し傍観者でいさせてもらいますね」
お役所仕事のゼロス君ですね!


>……赤日よりも朱きもの
>  陽光よりも眩きもの……
>……朱と金を司りし
>  時の流れに埋もれし存在(もの)
>  我 ここに汝に願う
>  我 ここに汝に誓う
>  我らが前に立ち塞がりし 全ての愚かなる者に
>  我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を!
ここでおちゃらけた事言っちゃいけないのかもしれませんが・・・。
ガウリイ、よく君の脳みそがこの長い台詞を覚えたな・・・。
しかし、この呪文は、誰の力を借りて?

>「そんなものは、必要ない。……止めるんだ」
>他ならぬガウリイ本人が、治療を拒否した。
ガウリイ死ぬ覚悟なの?


>すると、未だ血を流し続けている傷口が蠢き始める。
>血の流れの中に、赤い塊のようなものが現れ、次第に大きくなっていく。
>そして、それは長く細く伸びていき、白い皮膚に包まれ、……彼の腕を形作った。
う・・・スプラッタ?


>「ガウリイさん……まさか、不死の契約をっ!?」
>昔リナから聞いたことを思い出し、アメリアが言う。
>不死の契約。契約の石を証として魔族と契約し、力を得るもの。
>契約の石が壊れる、または契約相手の魔族が倒されるなどの事がない限り、契約した人間は年を取ることもなく、死ぬことも無いという。
>「似たようなものかもしれないな」
ガウリイ、魔族になっちゃったの?!


>「何だ……これ……は……」
>呆然と呟くゼルガディス。
>(だが……どこかで、見たことが……ある……?)
どこで?


>(……そう。わたしは、……リナ=インバース=シャブラニグドゥ。赤眼の魔王の欠片……)
リナ、魔族だったのね!
だからガウリイも!


>『貴方様が復活された、ということは、我々魔族にとって朗報……。つきましては、厚かましい願いとは存じ上げますが、ここの人間どもを手始めに殺していただきとうございます』
>その言葉に、リナは頷く。
>(よかろう……)
どえぇぇぇ!?
アメリア達、殺しちゃうの?!


>(わたしは、魔王であると共に、人間……リナ=インバースでもあるのだ……)
>腕を押さえ苦しむオスロに、リナは言い放つ。
>(かつて……赤眼の魔王として復活した、ルークと戦ったとき……)
>(あたし、リナ=インバースの中の、わたし、シャブラニグドゥが、目覚めた)
そう言う事だったのね。


>(あたし達はこの世界の全てを視た。神と魔の力が危ういバランスを取っている、この世界を)
>(あの方は、わたし達におっしゃった。わたし達のような例は、他には無かったから興味を持った、と。そして永遠の刻をさまよい、この世界の行く末を見届けろ、と)
な、なるほどー。金の魔王様がここで関ってくるんですかー。


>「分かっていますよ……どうせ僕は貴女の便利なアイテムなのでしょう?」
マジックアイテム?(笑)


>「それにもちろん、貴女の事を誰にも言うつもりもありませんよ。……貴女の『呪い』は、絶大ですから……」
呪いって、そう言う事か・・・。


>「……!」
>ゼルガディスはようやく気付いた。彼の胸から消えようとしなかった既視感の正体に。
>「あれは……あの時の!!!」
な、なになに?
あの時って何?!


>死にたくても、金色の魔王の力がそれを許さなかった。死んでも再生し、滅びることは出来なかった。
生き抜く事が第一のリナなのに・・・。


>「あまりにも自分勝手じゃありませんか!自分がそんな風になってしまったのは辛いかもしれません。だからといって、何の関係のないガウリイ様まで巻き込むなんて……許されることではないじゃないですか!!!」
>何も言えず、目を伏せるリナ。
リナって、自分のした事は、絶対に言い訳しませんよね。
たとえ誤解されて、自分の本当の気持ちが相手に知られなくても。



>「そんなことは絶対にイヤだった。こいつの心を、すべてを守りたかった。だから、俺はリナに頼んだ。お前の力で、俺をお前と同じ化け物にしてくれ、と。共に永遠の時を生きてくれ、と。……もちろん、そんな事をリナが許すはずはない。何度も逃げられたけれど、その度に俺は見つけだして説得した。時には脅しみたいな事もしたがな。だけど、これだけは絶対に譲れなかった」
ガウリイは本当にリナの事を大切に思っていて、そしてリナはリナでガウリイの事を思って逃げていたんだ・・・。


>ついに折れたリナが、ガウリイに出した条件。それは……自分たちの存在を、他の者に知られないようにすること。
>リナは、あくまで「人間として生きたい」と願っていた。例えその身が化け物であっても。
>だが、永遠の時を生きる人間などいない。このことが公になれば……リナ達は、人間達に追われる羽目になるだろう。これは、彼女の望みに反するものだった。
>だから2人は、その存在が不必要以上に知られることの無いよう、密かに生きてきたのだ。自分たちの名前を、この世の記録に残すことが無いように。
>そして、2つ目の条件。それは2つの魔法を覚え、必要なときには絶対にその魔法を使うことだった。
>1つ目は、魔破斬(デモン・スレイブ)。リナの力を借りた、竜破斬(ドラグ・スレイブ)よりも強力な魔法。リナが創り彼に与えた光の剣だけでは通用しない時、間違いなく敵を滅ぼすことができるように。
>2つ目は、……リナ自身を滅ぼすための呪文。もしその魂が赤眼の魔王に飲み込まれ、この世に滅びをもたらそうとしたとき、ガウリイの手によって、確実にその身を滅ぼしてもらうために。彼女を滅ぼすことのできる者は、他には金色の魔王しかいないのだから。
ガウリイもリナもこの譲歩を出すのにどれだけ苦しんだんでしょうね・・・。


>「……ゼルの身体は、はっきり言って、治せるものじゃないのよ。それこそ、ロード・オブ・ナイトメアの力でもない限り」
>だから、リナは彼の元へ行ったのだ。
>自分だとばれないよう、そして彼の警戒心を少しでも軽くするため、彼の愛した少女に近い姿をして。
>それは、リナからゼルガディスへ送る、せめてもの餞別であった。
リナ、この時どんな気持ちだったんでしょうね・・・。




>リナがその腕をゆっくりと上げていく。
>「母さんっ!!!」
>レイティアの言葉も虚しく。
>眩いばかりの白い閃光が、その場すべてを貫いた…………。
本当に記憶を消してしまったんですか?


>「先生の説ね、誰も信じてくれないんだ。そりゃ、確かに突拍子もない話だよね、あの悪名高いリナ=インバースとレイティア王妃が母娘だなんて」
>女の顔がちょっと険しいものになったが、少年は気付かなかった。
うわぁ・・・、お子様、命知らず・・・。


>「それに、お姉さん達、なんだか妙に懐かしい感じがするし。……ひょっとして、どこかで会ったことある?」
時代を超えて親子が会えたのですね(しみじみ)


>  父さん、母さん。
>  あなた方が私達にくれた幸せを、私達は決して忘れません。
>  私達はあなた方に何も返すことはできないけれど、
>  愛するあなた方が幸せであることを、永遠に願っています……
>
ここでほろりときてしまいました!



>――愛しています。どうか、幸せでいて――。
>
>それは、両親から子供達へと送る、そして子供達から両親へと送る、
>……永遠の、祈り。
本当にぴったりの題名です!


>……長かった……。長かったぞぉぉっ!!!
>というわけで、「祈り」最終章をお届けしましたっ!!!
>ここまでつきあっていただき、ありがとうございました(陳謝)。
いえいえ、こちらこそ!


>そうそう、9章の最後に書いた「間があくと間抜け」の件ですが。
>メインストーリーは10章で終わり、終章は「その後のお話」のつもりだったので、間を開けたくはありませんでした。
>たとえば、テレビアニメの最終回で、事件が解決した!ってシーンと、その後の、のほほんとしたエピローグの間が空いていると想像すると、
>何となく間抜けな気がしませんか……?(実際には間が空くなんてことはないですが)
>という意味での「間抜け」発言でした。以上っ!
おぉ!!心憎い演出ですね!


>はっきりいって、この話、まだいろいろ書けなかったことが多いです。
>ルークが魔王になった経緯とか、シルフィールの旦那の事とか、リナ達とレイティア達の別れのシーンとか……。
またの機会にでも、サイドストーリーとして発表されては?
(いえ、私がただ単に読みたいだけなので・・・(-_-;)


>そうそう、HP開設しました!まだこの話しか載せていませんが(爆)。
>暇を見てはいろいろ増やしていきたいと思っていますので、気が向いた方は時々覗きにきてやって下さい。
絶対に訪ねさせてもらいます!


>最後になりましたが、スペシャル・サンクスです。
>このお話に感想を送って下さった、三里桜架さん、リナみんとさん、ゆかりさん、中田 珂南さん、阿癸乃さん。
>あなた方のおかげで、私はとっっっっても励まされました。本当にありがとうございました☆
こちらこそ、本当に楽しませてもらいました!
スペシャルサンクスです!


>最後に、この話を読んで下さった全ての皆様へ。
>心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
もう、ファンになっちゃいました!
これからも頑張って下さい!

そして最後に。
ちび様、本当にご苦労様でした! 



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4048三里 桜架さんまたまたまたありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:07
記事番号4031へのコメント
三里桜架さんは No.4031「ご苦労様でした!」で書きました。
>どうもです!
>三里です!
>とうとう最終回ですね!
>感想いかせてもらいます!

わ〜い、感想だ☆
ありがとうございますっ!

>>「おや、おや……やられてしまいましたか」
>>不意に虚空から姿を表すゼロス。
>呪いが解けて、嬉しいのかな?

どっちかっていうと、滅びが確定したオスロを小馬鹿にするために出てきたっていう気が……。

>>「そんなつもりは毛頭ありませんよ。ただ、こうなった以上、あなたは確実に滅びるでしょうからね」
>ガウリイや子供たちに?

子供達は除外(笑)。ガウリイと、彼の契約者に、です。

>>「それは秘密です。それでは、僕はもう少し傍観者でいさせてもらいますね」
>お役所仕事のゼロス君ですね!

そりゃぁもう、ゼロスですから……(笑)。

>>……赤日よりも朱きもの
>>  陽光よりも眩きもの……
>>……朱と金を司りし
>>  時の流れに埋もれし存在(もの)
>>  我 ここに汝に願う
>>  我 ここに汝に誓う
>>  我らが前に立ち塞がりし 全ての愚かなる者に
>>  我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を!
>ここでおちゃらけた事言っちゃいけないのかもしれませんが・・・。
>ガウリイ、よく君の脳みそがこの長い台詞を覚えたな・・・。
>しかし、この呪文は、誰の力を借りて?

そうそう!そこの設定も書けなかったんです!
……っていうか、そこまで説明すると、あまりにもくどくどしかったので。
彼は、普段人間の振りをしているのですが、本気になると、化けの皮が段々とはがれてきます(だから、オスロは9章で気付きかけたんですね。リナの事は分からなかったみたいですけど)。
で、魔族モード(何だそりゃ)に入った彼は、普段からは想像も付かないほど賢くなります。
呪文を唱えたり(←でも『混沌の言葉』は難しくて覚えきれなかった)、烈光の剣の名前を覚えてたりする訳ですねぇ。
普通の言葉が呪文の代わりになったのは、リナの力を使うからです。彼女が相手だと、『混沌の言葉』でなくても、その言葉は彼女の元へ届くんです(はぁと)。
もちろん、彼女は彼以外の人には決して力を貸さないと思いますが(笑)。

>>「そんなものは、必要ない。……止めるんだ」
>>他ならぬガウリイ本人が、治療を拒否した。
>ガウリイ死ぬ覚悟なの?

死にません死にません(笑)。
本当に治療が必要ないんです。

>>すると、未だ血を流し続けている傷口が蠢き始める。
>>血の流れの中に、赤い塊のようなものが現れ、次第に大きくなっていく。
>>そして、それは長く細く伸びていき、白い皮膚に包まれ、……彼の腕を形作った。
>う・・・スプラッタ?

このシーンを克明に想像すると……こ、怖すぎるぅ!!!(←自分で書いてて何を言う)

>>「ガウリイさん……まさか、不死の契約をっ!?」
>>昔リナから聞いたことを思い出し、アメリアが言う。
>>不死の契約。契約の石を証として魔族と契約し、力を得るもの。
>>契約の石が壊れる、または契約相手の魔族が倒されるなどの事がない限り、契約した人間は年を取ることもなく、死ぬことも無いという。
>>「似たようなものかもしれないな」
>ガウリイ、魔族になっちゃったの?!

なっちゃったんですよ。
まぁ、「契約の石」が存在しないので(あ、これの事も書いて無かった……)、正確に言えば、「不死の契約」とはちょっと違うのですけど。

>>「何だ……これ……は……」
>>呆然と呟くゼルガディス。
>>(だが……どこかで、見たことが……ある……?)
>どこで?

遠い昔……、6章あたり?(笑)

>>(……そう。わたしは、……リナ=インバース=シャブラニグドゥ。赤眼の魔王の欠片……)
>リナ、魔族だったのね!
>だからガウリイも!

はい、そうです!

>>『貴方様が復活された、ということは、我々魔族にとって朗報……。つきましては、厚かましい願いとは存じ上げますが、ここの人間どもを手始めに殺していただきとうございます』
>>その言葉に、リナは頷く。
>>(よかろう……)
>どえぇぇぇ!?
>アメリア達、殺しちゃうの?!

こういうもったいぶった言い回しは、お約束でしょう(笑)。

>>(わたしは、魔王であると共に、人間……リナ=インバースでもあるのだ……)
>>腕を押さえ苦しむオスロに、リナは言い放つ。
>>(かつて……赤眼の魔王として復活した、ルークと戦ったとき……)
>>(あたし、リナ=インバースの中の、わたし、シャブラニグドゥが、目覚めた)
>そう言う事だったのね。

あぁっご都合主義っ!!!

>>(あたし達はこの世界の全てを視た。神と魔の力が危ういバランスを取っている、この世界を)
>>(あの方は、わたし達におっしゃった。わたし達のような例は、他には無かったから興味を持った、と。そして永遠の刻をさまよい、この世界の行く末を見届けろ、と)
>な、なるほどー。金の魔王様がここで関ってくるんですかー。

気まぐれなL様ですからねぇ。

>>「分かっていますよ……どうせ僕は貴女の便利なアイテムなのでしょう?」
>マジックアイテム?(笑)

生きたマジックアイテム。でも気を抜くと出し抜かれることもあるので注意(笑)。

>>「それにもちろん、貴女の事を誰にも言うつもりもありませんよ。……貴女の『呪い』は、絶大ですから……」
>呪いって、そう言う事か・・・。

そういう事です。だから、「普通の人間には無理」なんです。

>>「……!」
>>ゼルガディスはようやく気付いた。彼の胸から消えようとしなかった既視感の正体に。
>>「あれは……あの時の!!!」
>な、なになに?
>あの時って何?!

だから6章で……(←しつこい)。

>>死にたくても、金色の魔王の力がそれを許さなかった。死んでも再生し、滅びることは出来なかった。
>生き抜く事が第一のリナなのに・・・。

でも、実際死ねないって判ったら、死にたがる気がするんですよね、彼女。

>>「あまりにも自分勝手じゃありませんか!自分がそんな風になってしまったのは辛いかもしれません。だからといって、何の関係のないガウリイ様まで巻き込むなんて……許されることではないじゃないですか!!!」
>>何も言えず、目を伏せるリナ。
>リナって、自分のした事は、絶対に言い訳しませんよね。
>たとえ誤解されて、自分の本当の気持ちが相手に知られなくても。

どんなに言い訳しても、これは彼女にとっての大きな『罪』なんですね。
だから、何も言わないんです。

>>「そんなことは絶対にイヤだった。こいつの心を、すべてを守りたかった。だから、俺はリナに頼んだ。お前の力で、俺をお前と同じ化け物にしてくれ、と。共に永遠の時を生きてくれ、と。……もちろん、そんな事をリナが許すはずはない。何度も逃げられたけれど、その度に俺は見つけだして説得した。時には脅しみたいな事もしたがな。だけど、これだけは絶対に譲れなかった」
>ガウリイは本当にリナの事を大切に思っていて、そしてリナはリナでガウリイの事を思って逃げていたんだ・・・。

そういう事です。……堂々巡りですよねぇ。

>>ついに折れたリナが、ガウリイに出した条件。それは……自分たちの存在を、他の者に知られないようにすること。
>>リナは、あくまで「人間として生きたい」と願っていた。例えその身が化け物であっても。
>>だが、永遠の時を生きる人間などいない。このことが公になれば……リナ達は、人間達に追われる羽目になるだろう。これは、彼女の望みに反するものだった。
>>だから2人は、その存在が不必要以上に知られることの無いよう、密かに生きてきたのだ。自分たちの名前を、この世の記録に残すことが無いように。
>>そして、2つ目の条件。それは2つの魔法を覚え、必要なときには絶対にその魔法を使うことだった。
>>1つ目は、魔破斬(デモン・スレイブ)。リナの力を借りた、竜破斬(ドラグ・スレイブ)よりも強力な魔法。リナが創り彼に与えた光の剣だけでは通用しない時、間違いなく敵を滅ぼすことができるように。
>>2つ目は、……リナ自身を滅ぼすための呪文。もしその魂が赤眼の魔王に飲み込まれ、この世に滅びをもたらそうとしたとき、ガウリイの手によって、確実にその身を滅ぼしてもらうために。彼女を滅ぼすことのできる者は、他には金色の魔王しかいないのだから。
>ガウリイもリナもこの譲歩を出すのにどれだけ苦しんだんでしょうね・・・。

でも、その譲歩がないと、ガウリイが死ぬまで、ずっと追いかけっこしそうですからね。

>>「……ゼルの身体は、はっきり言って、治せるものじゃないのよ。それこそ、ロード・オブ・ナイトメアの力でもない限り」
>>だから、リナは彼の元へ行ったのだ。
>>自分だとばれないよう、そして彼の警戒心を少しでも軽くするため、彼の愛した少女に近い姿をして。
>>それは、リナからゼルガディスへ送る、せめてもの餞別であった。
>リナ、この時どんな気持ちだったんでしょうね・・・。

せめて昔の仲間達には、幸せになってほしかったんですね。

>>リナがその腕をゆっくりと上げていく。
>>「母さんっ!!!」
>>レイティアの言葉も虚しく。
>>眩いばかりの白い閃光が、その場すべてを貫いた…………。
>本当に記憶を消してしまったんですか?

ここ、はっきりと書かなかったのでわかりにくかったと思いますが、2通りの解釈があります。
その1.リナは彼らの記憶を消さなかった。
その2.リナは彼らの記憶を消したが、レイティア達は後でその記憶を取り戻した。
好きな方を想像して下さい☆

>>「先生の説ね、誰も信じてくれないんだ。そりゃ、確かに突拍子もない話だよね、あの悪名高いリナ=インバースとレイティア王妃が母娘だなんて」
>>女の顔がちょっと険しいものになったが、少年は気付かなかった。
>うわぁ・・・、お子様、命知らず・・・。

本人だと知らないからこそ言える台詞。

>>「それに、お姉さん達、なんだか妙に懐かしい感じがするし。……ひょっとして、どこかで会ったことある?」
>時代を超えて親子が会えたのですね(しみじみ)

血が呼び合った、という事でしょうか。

>>  父さん、母さん。
>>  あなた方が私達にくれた幸せを、私達は決して忘れません。
>>  私達はあなた方に何も返すことはできないけれど、
>>  愛するあなた方が幸せであることを、永遠に願っています……
>>
>ここでほろりときてしまいました!

いつかリナ達が読んでくれることを信じて書いた手紙です。
……読んでくれなかったらどうするつもりだったのだろう(爆)。

>>――愛しています。どうか、幸せでいて――。
>>
>>それは、両親から子供達へと送る、そして子供達から両親へと送る、
>>……永遠の、祈り。
>本当にぴったりの題名です!

ありがとうございますっ!
いや、シモン老師のように、「こじつけだぁっ!」って言われてもおかしくないなと思ってましたので(笑)。

>>……長かった……。長かったぞぉぉっ!!!
>>というわけで、「祈り」最終章をお届けしましたっ!!!
>>ここまでつきあっていただき、ありがとうございました(陳謝)。
>いえいえ、こちらこそ!

いえいえ、こちらこそ!!……以下繰り返し(爆)。

>>そうそう、9章の最後に書いた「間があくと間抜け」の件ですが。
>>メインストーリーは10章で終わり、終章は「その後のお話」のつもりだったので、間を開けたくはありませんでした。
>>たとえば、テレビアニメの最終回で、事件が解決した!ってシーンと、その後の、のほほんとしたエピローグの間が空いていると想像すると、
>>何となく間抜けな気がしませんか……?(実際には間が空くなんてことはないですが)
>>という意味での「間抜け」発言でした。以上っ!
>おぉ!!心憎い演出ですね!

しかし、10章で力尽きた私は終章で死にました……(笑)。

>>はっきりいって、この話、まだいろいろ書けなかったことが多いです。
>>ルークが魔王になった経緯とか、シルフィールの旦那の事とか、リナ達とレイティア達の別れのシーンとか……。
>またの機会にでも、サイドストーリーとして発表されては?
>(いえ、私がただ単に読みたいだけなので・・・(-_-;)

いつか、書ければいいなと思っています。
……当分、無理でしょうが……。

>>そうそう、HP開設しました!まだこの話しか載せていませんが(爆)。
>>暇を見てはいろいろ増やしていきたいと思っていますので、気が向いた方は時々覗きにきてやって下さい。
>絶対に訪ねさせてもらいます!

あぁっ、HP、いきなりミスってました!
でも、もう修正かけたのでOK(の筈)です!
是非覗いてやって下さい!

>>最後になりましたが、スペシャル・サンクスです。
>>このお話に感想を送って下さった、三里桜架さん、リナみんとさん、ゆかりさん、中田 珂南さん、阿癸乃さん。
>>あなた方のおかげで、私はとっっっっても励まされました。本当にありがとうございました☆
>こちらこそ、本当に楽しませてもらいました!
>スペシャルサンクスです!
>>最後に、この話を読んで下さった全ての皆様へ。
>>心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
>もう、ファンになっちゃいました!
>これからも頑張って下さい!
>そして最後に。
>ちび様、本当にご苦労様でした! 

本っ当にありがとうございました!
心から御礼申し上げます!

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4034今度こそほんとに泣きましたリナみんと 8/15-09:29
記事番号4022へのコメント
ちょっと今鼻水すすってますね(笑)
感動しましたっ!
まさかあそこでみんなの記憶を消してしまうとは思いませんでした!
・・・私だけ・・・?

読み始めてずぅぅぅぅぅぅっと目尻に涙がたまってたんですよね。
で、最後の方・・・特にレイティア達の手紙のあたりで、ぽろぽろぽろぽろ
涙が出てくる出てくる。
今もう一回読み返したらまたヤバイです。
なんか、文章結構覚えちゃってるんで、思い出すだけでまた涙が・・・。

手紙を読みおえた時の私と、ミナ(・・・)の涙の量は同じですねっ
自信ありますよ(笑)
だって、手紙読んだすぐ後は、「あの子」がいたからおおっぴらに泣けなかったけど、あそこ出たあとは凄かったんじゃないですか?
他人でさえめちゃめちゃ泣くんだから、本人は・・・
私だったら一日泣き通しです。

普通は覚えてもいない両親になんて手紙かきませんよね。
・・・かくかなあ・・・
それもその内容が、
「あなた方が幸せであることを、永遠に願っています・・・・・・」
同じですよね。
初めにリナが二人の記憶を消した時のリナのセリフと。
それがわかった時(今だったりします(笑)
私はまた泣きます(今、泣いてます)
で、読み返すたびに、また泣きます。
なんだかなあ・・・
あと、ぢつはレイティア達忘れてないんぢゃないのか!?
なんて思ったりもしました(はぁと)

ってゆーか・・・感想になってない!日本語になってない!
ごめんなさぁい・・・どぉも私って長い文章かいてるといつかは
フリートークになるんですよ。
・・・それではっ、もうこの辺で失礼致しますっ!
ちび☆さんの次の作品をたのしみにしてます(はぁと)


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4049リナみんとさん、またまたまたまたありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:09
記事番号4034へのコメント
リナみんとさんは No.4034「今度こそほんとに泣きました」で書きました。
>ちょっと今鼻水すすってますね(笑)
>感動しましたっ!
>まさかあそこでみんなの記憶を消してしまうとは思いませんでした!
>・・・私だけ・・・?

あそこは、読む人によって解釈が異なるようになっています!

>読み始めてずぅぅぅぅぅぅっと目尻に涙がたまってたんですよね。
>で、最後の方・・・特にレイティア達の手紙のあたりで、ぽろぽろぽろぽろ
>涙が出てくる出てくる。
>今もう一回読み返したらまたヤバイです。
>なんか、文章結構覚えちゃってるんで、思い出すだけでまた涙が・・・。

あぁっそこまで言っていただけるなんて……嬉しすぎてこちらも泣いてしまいます(嬉涙)。

>手紙を読みおえた時の私と、ミナ(・・・)の涙の量は同じですねっ
>自信ありますよ(笑)
>だって、手紙読んだすぐ後は、「あの子」がいたからおおっぴらに泣けなかったけど、あそこ出たあとは凄かったんじゃないですか?
>他人でさえめちゃめちゃ泣くんだから、本人は・・・
>私だったら一日泣き通しです。

ミナ……もといリナは、かなり泣いてます。
本来、人の前で泣くタイプではないですからねぇ。

>普通は覚えてもいない両親になんて手紙かきませんよね。
>・・・かくかなあ・・・
>それもその内容が、
>「あなた方が幸せであることを、永遠に願っています・・・・・・」
>同じですよね。
>初めにリナが二人の記憶を消した時のリナのセリフと。

気が付いていただけましたか!嬉しいです♪

>それがわかった時(今だったりします(笑)
>私はまた泣きます(今、泣いてます)
>で、読み返すたびに、また泣きます。
>なんだかなあ・・・
>あと、ぢつはレイティア達忘れてないんぢゃないのか!?
>なんて思ったりもしました(はぁと)

記憶を消されなかったか、あるいは消されても思い出した、というところです。
読者の想像の余地を残すため(←便利な言葉だなぁ)、わざとぼかして書きました。

>ってゆーか・・・感想になってない!日本語になってない!
>ごめんなさぁい・・・どぉも私って長い文章かいてるといつかは
>フリートークになるんですよ。
>・・・それではっ、もうこの辺で失礼致しますっ!
>ちび☆さんの次の作品をたのしみにしてます(はぁと)

こんな長々とした話にお付き合いいただき、本当にありがとうございましたっ!

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4037Re:祈り松原ぼたん E-mail 8/15-12:34
記事番号4022へのコメント
 面白かったです。完結おめでとうございます。
 ずっごくすばらしかったです。展開とか設定とか。
 ルークとミリーナが初っぱなで出番なくなったのは残念でしたけど(笑)。
 もし、新しいのを書かれるのでしたらぜひぜひ見せてください。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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4050松原ぼたんさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:10
記事番号4037へのコメント
松原ぼたんさんは No.4037「Re:祈り」で書きました。

初めまして、ちび☆という者です。

> 面白かったです。完結おめでとうございます。
> ずっごくすばらしかったです。展開とか設定とか。

ありがとうございます!

> ルークとミリーナが初っぱなで出番なくなったのは残念でしたけど(笑)。

ははは……(汗)。
他の話ならば、彼らはもっと活躍するのですが、この話ではあれだけしか出ません(しかもルーク死んでますし)。
今度話を書くときは、彼らには幸せになってもらいたいな、と思っています。

> もし、新しいのを書かれるのでしたらぜひぜひ見せてください。
> ではまた、ご縁がありましたなら。

こんなに長い駄文に付き合っていただきまして、本当にありがとうございました!!!

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4041泣けた。(いや、マジに。)阿癸乃 8/15-16:26
記事番号4022へのコメント
おつかれさまでした。
こんなに長い小説を完成させるのに、けっこう疲れたと思います。
でも、その疲れたぶんだけ、私には感動がどっしりときました。
ちび☆さんの御苦労のたまもののこの小説は、
私にとってはまさに理想のスレイヤーズ世界でした。
あなたの想像力と、作文力のすばらしさに、私は拍手をおくりたい気分です。
実際のスレイヤーズ世界の結末は、もっとギャグっぽかったり、
悲しかったり、もしくは完全なるハッピーエンドかもしれませんが、
私はこうなったらいいなと思います。

本当にお疲れ様でした。
また、がんばってください。

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4051阿癸乃さんまたまたありがとうございますちび☆ E-mail URL8/15-17:10
記事番号4041へのコメント
阿癸乃さんは No.4041「泣けた。(いや、マジに。)」で書きました。
>おつかれさまでした。
>こんなに長い小説を完成させるのに、けっこう疲れたと思います。

疲れました……特に10章を書き終えた時点で。
終章は灰になりながら書きました(笑)。

>でも、その疲れたぶんだけ、私には感動がどっしりときました。
>ちび☆さんの御苦労のたまもののこの小説は、
>私にとってはまさに理想のスレイヤーズ世界でした。
>あなたの想像力と、作文力のすばらしさに、私は拍手をおくりたい気分です。
>実際のスレイヤーズ世界の結末は、もっとギャグっぽかったり、
>悲しかったり、もしくは完全なるハッピーエンドかもしれませんが、
>私はこうなったらいいなと思います。

うぅっ、最高の誉め言葉です!

>本当にお疲れ様でした。
>また、がんばってください。

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございましたっ!!!

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4057Re:祈り風太 8/16-04:39
記事番号4022へのコメント
はじめまして、風太です。

「祈り」すっごくよかったです。こんなに長くて面白い話を書けるなんて・・・尊敬しちゃいます。

謎がたくさんあって、とにかく先が楽しみなお話でした。それだけでなく、登場人物の心理描写も見事でしたし、何よりあんなにいっぱいキャラクターがいるのに、みんなそれぞれちゃんと存在感があったのは凄いと思います。

リナさんが死んでしまうシーンはマジに感動しました。
そして、ラストのレイティアたちの手紙に涙するシーンもすっごいじーんときました。

しかし、これからリナさんとガウリイさんは永遠に生き続けるのかぁ・・・と思うと、少し切ない気もしますね。そしてゼロスは永遠にリナのアイテムでい続けるのか・・・あの人実は女運悪いんだろーか・・・(笑)

何はともあれ、完結おめでとうございます。本当にお疲れさまでした。
次回作があるんでしたら是非読みたいです。
それでは、風太でした。

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4060風太さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/16-10:06
記事番号4057へのコメント
風太さんは No.4057「Re:祈り」で書きました。
>はじめまして、風太です。

初めまして、ちび☆という者です!

>「祈り」すっごくよかったです。こんなに長くて面白い話を書けるなんて・・・尊敬しちゃいます。

こんな長ったらしい駄文を読んで下さって、ありがとうございました!

>謎がたくさんあって、とにかく先が楽しみなお話でした。それだけでなく、登場人物の心理描写も見事でしたし、何よりあんなにいっぱいキャラクターがいるのに、みんなそれぞれちゃんと存在感があったのは凄いと思います。

謎はあらかじめ設定しておいたのでわりと楽だったのですが、登場人物……特に子供達がなかなか動いてくれなくて苦労しました。後半はリナ達がメインになるので、その分前半で暴走してます(笑)。

>リナさんが死んでしまうシーンはマジに感動しました。
>そして、ラストのレイティアたちの手紙に涙するシーンもすっごいじーんときました。
>しかし、これからリナさんとガウリイさんは永遠に生き続けるのかぁ・・・と思うと、少し切ない気もしますね。そしてゼロスは永遠にリナのアイテムでい続けるのか・・・あの人実は女運悪いんだろーか・・・(笑)

リナ達は1人ではないから、きっと大丈夫、の筈。
ゼロスは…………ゼラス様とリナの2人の女性にこき使われるという生活を送り続けるのでは……(笑)。

>何はともあれ、完結おめでとうございます。本当にお疲れさまでした。
>次回作があるんでしたら是非読みたいです。
>それでは、風太でした。

次の作品はいつになるか分かりませんが、気長に待っていただけると嬉しいなと思います♪
本当にありがとうございました!

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4090感謝の花束お送りします(はあと)中田 珂南 8/17-13:04
記事番号4022へのコメント
ちび☆様、本当にお疲れさまでした。
胸が締め付けられました・・・すごく、切なくて。

リナもガウリイも、なんだか凄く「らしい」愛し方してますね。
お互いへの想いはもちろん、子供たちに対しても、かつての仲間に対しても。
(・・・しかし、ガウリイの言ってた「時には脅迫まがいのこと」は何なのか、知りたいような知りたくないような・笑)
「自分から離れて欲しい」想いと「傍にいて欲しい」想いの葛藤。
リナがガウリイを本当に愛してるからこそ、ですよね(はあと)
どこまでもリナを追っかけて行くガウリイも、「いかにも」ですし(はあと)
↑よく考えたらガウリイって、「L様に剣向けてもまだ生きてる唯一の存在」ですし(NEXT最終話)・・・やれますよね、彼なら確かに(笑)

ところで、ガウリイの覚えさせられた「呪文」ですけど。
「彼でも覚えられた」のは、竜破斬に似ていたからじゃないですか?
ずっと旅している間(原作)に、覚える程でなくとも耳に馴染んでいたとか(笑)
(NEXTの頃でも「黄昏よりも昏き者 血の流れより紅き者」のフレーズだけで、竜破斬だと分かってたくらいですし、TRYでも「夜よりもなお昏き者 闇よりもなお深き者」で重破斬だと気が付いたような描写ありましたし。)
・・・というか、「ガウリイでも覚えられるよう」リナが竜破斬に近いフレーズにした、という方が真相だったりして(笑)←勝手に決めるな。
おつむのレベルを疑ってる訳じゃないんですけど、(あのボケっぷりは、絶対裏があると、私思ってますし)彼、魔道にはやっぱり縁のない人ですしね。

リナがガウリイに覚えさせたもう一つの呪文。
「同じ滅ぼされるなら、せめてガウリイ(最愛の人)の手で」
切ない「女心」ですねー。
承知した彼は「一緒にいる条件」だけに、しぶしぶかも知れませんけど。あ、でも「他の奴の手にかけさせるくらいなら」なんて思ってたりして。
しかし・・・勉強中の姿、想像するとなかなか笑えるものがありますね(笑)
「ほら、また間違えた!もう一回!」「えー、またかよお・・・。」
↑せっかくのシリアスな雰囲気をぶち壊すか、この女(殴蹴)

「身体」は魔族でも「心」は人間。
その苦しみや悲しみは想像しきれないけど、逆に救いでもあるような気もするんですよね、私。
心が人間であり続ける限り、二人は離れる事はないですし。
悲しみは深いけど、それに潰されてしまう程、二人は決して弱くはないし。
どんな事があったとしても、「生きて」いけると思うんです。二人なら。
たとえ終わりの無いレールに乗ってしまってても、その分「(限りある命を生きる)人間たちを愛する」のではないでしょうか。「愛する」ことを(よい意味でも悪い意味でも)知ってるこの二人だから。
・・・えんえんといびられ続ける盗賊たちにとっては、それこそ「終わりの無い悪夢」なんでしょうけどね(笑)

10章最後のリナの放った光なんですけど、本当に記憶消しちゃったんですか?
・・・リナらしいといえばらしいですけど。
でも、効力なかったような気がしますね、私。現に後世に記録が残っているほど、子供たち御一行(笑)は魔族と相まみえてますし。
「記録」と「真実」って、同じとは限りませんし。・・・馬鹿な私は、このシーン、ただリナが姿を消すために、目くらまししただけだと思ってました(撲殺)
(ただ退場するだけでは、皆が引き止めるから・・・と・汗)

時にボケたり突っ込んだり、食堂のメニューの橋から端まで制覇して、盗賊いびりをたしなみながら(笑)←不真面目だぞ、この表現(撲殺)
永遠の命であっても・・・あのままの二人であって欲しいのは、私のわがままでしょうか?

な、なんか好き勝手書きまくってすみませんです(汗)
とにかく、お疲れ様でした(はあと)
本気で感謝の花束をお贈りしたい所なんですが、こんな馬鹿な文章しか送れませんで・・・申し訳ありませんです。
また、素敵なお話読ませてくださいませ(はあと)


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4092中田 珂南さんまたまたありがとうございますちび☆ E-mail URL8/17-16:08
記事番号4090へのコメント
またまた感想をいただき、ありがとうございます(はぁと)。

>ちび☆様、本当にお疲れさまでした。
>胸が締め付けられました・・・すごく、切なくて。

ありがとうございます!

>リナもガウリイも、なんだか凄く「らしい」愛し方してますね。
>お互いへの想いはもちろん、子供たちに対しても、かつての仲間に対しても。
>(・・・しかし、ガウリイの言ってた「時には脅迫まがいのこと」は何なのか、知りたいような知りたくないような・笑)

……知りたいです?(にやり)…………教えませ〜ん!(笑)
っていうより、あそこも含めて数ヶ所は、読者の方の想像にお任せしますっていう所ですので。
文字通りの「脅迫」なのか、それとも……っていうのは、皆様次第です(はぁと)←逃げてる(笑)

>「自分から離れて欲しい」想いと「傍にいて欲しい」想いの葛藤。
>リナがガウリイを本当に愛してるからこそ、ですよね(はあと)
>どこまでもリナを追っかけて行くガウリイも、「いかにも」ですし(はあと)
>↑よく考えたらガウリイって、「L様に剣向けてもまだ生きてる唯一の存在」ですし(NEXT最終話)・・・やれますよね、彼なら確かに(笑)

そうそう。混沌の果てまでもリナを追いかけていく彼ですから(笑)。

>ところで、ガウリイの覚えさせられた「呪文」ですけど。
>「彼でも覚えられた」のは、竜破斬に似ていたからじゃないですか?
>ずっと旅している間(原作)に、覚える程でなくとも耳に馴染んでいたとか(笑)
>(NEXTの頃でも「黄昏よりも昏き者 血の流れより紅き者」のフレーズだけで、竜破斬だと分かってたくらいですし、TRYでも「夜よりもなお昏き者 闇よりもなお深き者」で重破斬だと気が付いたような描写ありましたし。)
>・・・というか、「ガウリイでも覚えられるよう」リナが竜破斬に近いフレーズにした、という方が真相だったりして(笑)←勝手に決めるな。
>おつむのレベルを疑ってる訳じゃないんですけど、(あのボケっぷりは、絶対裏があると、私思ってますし)彼、魔道にはやっぱり縁のない人ですしね。

「魔破斬」を竜破斬に近いフレーズにしたのは、別にリナが意図したわけではなく、単に私がそうしただけです(笑)。
あの形式の呪文って、最強のイメージがありますので……。
あ、でも、呪文が混沌の言葉でないのはリナの意図です。理由は後で書きます!

>リナがガウリイに覚えさせたもう一つの呪文。
>「同じ滅ぼされるなら、せめてガウリイ(最愛の人)の手で」
>切ない「女心」ですねー。
>承知した彼は「一緒にいる条件」だけに、しぶしぶかも知れませんけど。あ、でも「他の奴の手にかけさせるくらいなら」なんて思ってたりして。

リナが2つ目の呪文をガウリイに教えた理由は、ご想像の通りです。
ガウリイがその呪文を覚えることに承知したのは、「魔王の魂に飲み込まれたリナはリナではない」と彼が思ったからなんです。
だけど、リナが魔王になってしまっても、自分は生き続けるわけですよね。
その魔王がガウリイを滅ぼそうとすれば別ですが、どちらかというと利用しそうですし。
だから、そんなことになるくらいなら、自分もリナの心と共に滅びる事を彼は望んだんです。
……ただ、魂自体が混じっているのにここまでやってこれたのですから、魔王に乗っ取られることはまずないでしょうけれど。

>しかし・・・勉強中の姿、想像するとなかなか笑えるものがありますね(笑)
>「ほら、また間違えた!もう一回!」「えー、またかよお・・・。」
>↑せっかくのシリアスな雰囲気をぶち壊すか、この女(殴蹴)

ははははは!!!!(想像して笑っている)
いやぁ、楽しい想像のところ申し訳ないのですが、机に向かって勉強したわけではありません。
(そうでないと、彼が「リナを滅ぼす呪文」を覚えたとき、2人とも滅びてます(笑))
ガウリイを魔族にした際、魔族としての力と共に呪文をも刻み込みました。
だから、彼は魔族モードに入ると(つまり本気になると)、即座に呪文を思い出すことができます。

ここで注意してほしいのが、呪文が「混沌の言葉」では無かったということ。
なぜか……?……それは、彼が「混沌の言葉」を理解できなかったからです。
「混沌の言葉」を理解しないままに呪文だけは身体に刻み込まれる……これが何を意味するかといいますと、「呪文自体は分かるが、その効果が分からない」のです。
彼は2つの呪文を覚えさせられました。「魔破斬」と、リナを滅ぼす呪文。
しかし、呪文が「混沌の言葉」を用いたものだと、自分が唱える呪文がそのどちらかわからなくなるんです(爆笑)。
つまり、「魔破斬」を唱えるつもりが、もう一方の呪文を唱えていた、なんて洒落にもならない事態が起きてしまうわけで……。
よってこの2つの呪文は、ガウリイにも理解できるよう、「混沌の言葉」ではなく普通の言葉で成っています。
まぁ、どちらの呪文もリナの力を借りた呪文なので、ガウリイの言葉なら「混沌の言葉」でなくてもリナに届くのでOK(はぁと)。

>「身体」は魔族でも「心」は人間。
>その苦しみや悲しみは想像しきれないけど、逆に救いでもあるような気もするんですよね、私。
>心が人間であり続ける限り、二人は離れる事はないですし。
>悲しみは深いけど、それに潰されてしまう程、二人は決して弱くはないし。
>どんな事があったとしても、「生きて」いけると思うんです。二人なら。
>たとえ終わりの無いレールに乗ってしまってても、その分「(限りある命を生きる)人間たちを愛する」のではないでしょうか。「愛する」ことを(よい意味でも悪い意味でも)知ってるこの二人だから。
>・・・えんえんといびられ続ける盗賊たちにとっては、それこそ「終わりの無い悪夢」なんでしょうけどね(笑)

「終わりの無い悪夢」For 盗賊たち…………あははははははははははっ!!!(大爆笑)

>10章最後のリナの放った光なんですけど、本当に記憶消しちゃったんですか?
>・・・リナらしいといえばらしいですけど。
>でも、効力なかったような気がしますね、私。現に後世に記録が残っているほど、子供たち御一行(笑)は魔族と相まみえてますし。
>「記録」と「真実」って、同じとは限りませんし。・・・馬鹿な私は、このシーン、ただリナが姿を消すために、目くらまししただけだと思ってました(撲殺)
>(ただ退場するだけでは、皆が引き止めるから・・・と・汗)

あそこも、読者の想像にまかせます!っていう所です。
あの光で本当に記憶を消したか、あるいはただ単に結界を破って逃げたかの2つに絞られるでしょうが。
ただ、記憶を消したとしても、結果的に彼らは全てを思い出したでしょう(だからあの手紙があるんですね)。
魔族と相対するのは……やはり、「血」でしょうか(笑)。

>時にボケたり突っ込んだり、食堂のメニューの橋から端まで制覇して、盗賊いびりをたしなみながら(笑)←不真面目だぞ、この表現(撲殺)
>永遠の命であっても・・・あのままの二人であって欲しいのは、私のわがままでしょうか?

きっと変わりませんよ(笑)。
ただ、名前を名乗るようなことはしませんが。
(本編でも名乗りませんでしたしね☆)

>な、なんか好き勝手書きまくってすみませんです(汗)
>とにかく、お疲れ様でした(はあと)
>本気で感謝の花束をお贈りしたい所なんですが、こんな馬鹿な文章しか送れませんで・・・申し訳ありませんです。
>また、素敵なお話読ませてくださいませ(はあと)

ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました♪
私こそ、感謝の花束を投げさせてください(はぁと)
そうそう、「祈り」のサイドストーリー(シルフィール編)を、私のHPのほうに掲載します!
(なぜこっちに載せないかというと、盆休みが終わって忙しくなり執筆ペースが異常に遅くなるからです。絶対ツリーが落ちますからねぇ)
あくまでサイドストーリーなので、謎も何にもありはしない話ですが、よろしければ、時々そちらも覗いてやってくださいませ☆

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4091Re:祈り 終章眠り猫 8/17-14:09
記事番号4022へのコメント
はじめまして、眠り猫といいます。
ちび様、すばらしい小説をありがとうございました!
近所のデオデオに毎日通って、『祈り』の続きを捜しました。
そのくらい夢中になりました。
すぐに感想を送りたかったのですが、ここ、書き込み禁止なもので・・・今、店員さんは近くにいません。(だからって、いーのか?)

ところでガウリイの『脅しみたいなこと』って、ひょっとしてリナの目の前で魔族にでもならなきゃ助からないほどの怪我を負ってみせたんですか?

次の小説、楽しみにしています。
本当にありがとうございました。




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4093眠り猫さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/17-16:09
記事番号4091へのコメント
>はじめまして、眠り猫といいます。

はじめまして!ちび☆という者です。
こんなに長ったらしい駄文を読んでいただき、ありがとうございました♪

>ちび様、すばらしい小説をありがとうございました!
>近所のデオデオに毎日通って、『祈り』の続きを捜しました。
>そのくらい夢中になりました。
>すぐに感想を送りたかったのですが、ここ、書き込み禁止なもので・・・今、店員さんは近くにいません。(だからって、いーのか?)

ありがとうございます!……店員さんには見つからずにすみました?(笑)
あなたのその根性に、尊敬と感謝の心を送らせていただきます♪

>ところでガウリイの『脅しみたいなこと』って、ひょっとしてリナの目の前で魔族にでもならなきゃ助からないほどの怪我を負ってみせたんですか?

そこは読者の方の想像の余地を残したということで(←言い訳……)、お好きなシーンを想像して下さい(笑)。
まぁ、1つ言えるのは、彼は自分に出来ること全てを行った、という事くらいですね。

>次の小説、楽しみにしています。
>本当にありがとうございました。

こちらこそ、最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました!!(大感謝!)


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4104Re:祈り猫斗犬 8/18-10:02
記事番号4022へのコメント
  うるうるうるうる…るるるのる〜
  すんごくいい(泣き…パワーアップバージョン)

  はじめまして、猫斗犬です。
  「祈り」すっごくいいっす。長くて面白くて悲しくて謎が多くて…こんな話を書けるなんて…
  …あっしには絶対書けないな…ほとんどギャグオンリーでへたくそなもんしか書けへんから…

  今までにもいろんな人が書いていた小説を読んでたりしていたが…はっきしいって一番、気に
  入ってしまった作品じゃないだろうか…

  リナが死んでしまうシーンは瞬間、無印のスレイヤーズを思いだしたが…わがままを言えば、
  その時、リザレクションをかけながらシルフィールがその時のことを思う、てーのも加えて
  みっればっておもったんすけど。ま、個人的な意見なので気にせんといて…
  
  本当に気に入ったのは終章ですね。
  手紙に涙するシーンなんかとくに…ここのシーンがないと全体的に後味が悪かったかもしれ
  ないですし…

  やっぱし、これからもリナとガウリィは生き続けるんだろうな…現代(21世紀ちょっと前)
  も……切なすぎる…

  何はともあれ、本当にお疲れさまでした。
  そして完結おめでとうございます。
  次回作があるんでしたら是非読みたいな…個人的には…リナの力と存在を知った人間が、彼
  女をとらえ利用しようとする、なんて感じの…

  ではでは…これにて…あまり感想になってないなこれ…

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4109猫斗犬さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/18-23:02
記事番号4104へのコメント
はじめまして、ちび☆という者です。
こんな長ったらしい駄文を読んでいただき、ありがとうございました!

>  うるうるうるうる…るるるのる〜
>  すんごくいい(泣き…パワーアップバージョン)

なんだかこの話、「泣きましたっ!」って言ってくださる方が多いです。
うう……作者の方が嬉しくて泣いちゃいます(うるうる)。

>  はじめまして、猫斗犬です。
>  「祈り」すっごくいいっす。長くて面白くて悲しくて謎が多くて…こんな話を書けるなんて…
>  …あっしには絶対書けないな…ほとんどギャグオンリーでへたくそなもんしか書けへんから…

ありがとうございますっ!!!
是非今度、猫斗犬さんの小説を読ませてくださいね♪

>  今までにもいろんな人が書いていた小説を読んでたりしていたが…はっきしいって一番、気に
>  入ってしまった作品じゃないだろうか…

そ、そこまで言ってもらえるなんて……嬉しすぎます!!!(感涙)

>  リナが死んでしまうシーンは瞬間、無印のスレイヤーズを思いだしたが…わがままを言えば、
>  その時、リザレクションをかけながらシルフィールがその時のことを思う、てーのも加えて
>  みっればっておもったんすけど。ま、個人的な意見なので気にせんといて…

リナが光に貫かれるシーンは、思い切り無印24話を意識して書きました。
シルフィールがその時の事を思い出すってのは考えなくもなかったのですが、無印を知らない人には訳分からないと思いましたので、特には書きませんでした。
ただ私は、内心ではすっごく思ってましたけど(笑)。リナが庇ったのは彼女の娘ですしね。

>  本当に気に入ったのは終章ですね。
>  手紙に涙するシーンなんかとくに…ここのシーンがないと全体的に後味が悪かったかもしれ
>  ないですし…

やはり10章でぷちっと切ってしまったら、それこそ尻切れとんぼで石を投げられていましたよね、絶対(笑)。

>  やっぱし、これからもリナとガウリィは生き続けるんだろうな…現代(21世紀ちょっと前)
>  も……切なすぎる…

でも1人じゃないですから。きっと、不幸ではないはず。

>  何はともあれ、本当にお疲れさまでした。
>  そして完結おめでとうございます。
>  次回作があるんでしたら是非読みたいな…個人的には…リナの力と存在を知った人間が、彼
>  女をとらえ利用しようとする、なんて感じの…

ふむふむ、いいお話ですね。ネタ提供ありがとうございます(笑)。
とりあえず、今書いているのはシルフィールの話です。
私のHPに載せていきますので、よろしければ覗いてやってください☆

>  ではでは…これにて…あまり感想になってないなこれ…

いえいえ、立派な感想です!(すごく嬉しかったです☆)
本当に、ありがとうございました!!!

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4106Re:祈り 終章やちよ E-mail 8/18-19:09
記事番号4022へのコメント
ちび☆さん、初めまして。
やちよといいます。よろしくお願いします。

九尾さんのゾディアックスの方での小説紹介や、知人の薦めもあって読みにきました。
もっともずいぶん遅くなってしまったような気がしますが…(^^;)

はい、じーーーーーーーんときました。
良いお話を読んだ後にくる、独特の清々しさと奇妙な寂寥感、もうじっっっっっっくりと堪能しました。
ほんとーーおぉにいいお話でしたあ…(うっとり)

登場人物はすごく多いのにちゃんとそれぞれが「生きている」って伝わってきて…
スレイヤーズにはやっぱりこれがないといけませんよね!
各キャラがそれぞれ生き生きと動いているのに決して暴走(笑)することなく、話が最後までしっかり通っていて、伏線についてもちゃんと解決して「終わって」いる。
これって本当に難しいし、並みの力量じゃできないことだと思います。
しかもこれだけ長い話の中で読者を飽きさせることなく、一気に最後まで読ませてしまうんですから、本当に凄いです!!
………なんかべた褒めしてますけど、マジでそう思ってますんで……(^^;)

もっと私的感想を言わせていただければ、某くらぶにも所属するガウリナ至上主義の私としては、ガウリイとリナのふかぁい絆が何よりも嬉しかったです(はぁと)
いわゆる一般的な「幸せ」とはかなり一線を画す形だとは思いますが、あの2人の場合、とにかく「共に在ること」が最大の幸福であると私は思っていますので、こんな「終わり」もいいな…なんて(^^;)
実際、私は過去に「永遠に共に生きる」2人と、「普通の生を営んで普通に人生を終える」2人の二通りの「終わり」の話を書いたことがありますし。あ、片方はネタだけか。
ガウリイを魔族にする、しないのあたりの2人の葛藤はぜひ見てみたい気がしますね。なんか魔族的な楽しみかもしれませんが(笑)相当に苦しんだでしょうからね、2人とも。

あとはやっぱりリナ&ガウリイとレイティア&ガルフの親子愛ですねぇ(涙)
双子が記憶を取り戻すときに思い出した光景のうちの最初の奴、まだ赤ん坊なのかな?まどろみの中でリナとガウリイの会話を聞くシーンが一番好きでした。
家族として一緒に過ごしたこの日々が、リナとガウリイにとっては最も人間らしく幸せに過ごせた時期だったんでしょうねぇ。
いずれ別れなければならないという覚悟を胸に秘めたまま双子を育てた2人の心情を思うとマジで泣けてきます(るる〜(;;))
でも、報われましたよね、きっと。あの最後の手紙で。

リナとガウリイの人間としての血は受け継がれ続けるし、2人は2人で身を隠すようにしつつも、表面上はいつも通り(笑)、またいろいろな人と関わりながら生きて行くんでしょうね。世界が終わるまで。

読んで幸せでした♪
幸せな気分に浸らせてくれたちび☆さんに、心から感謝します(はぁと)
またぜひ、短編でも長編でもいいので作品を読ませていただきたいです。
楽しみに待ってます♪
ご苦労様でした!!

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4110やちよさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/18-23:03
記事番号4106へのコメント
>ちび☆さん、初めまして。
>やちよといいます。よろしくお願いします。

はじめまして!ちび☆という者です。
こんな長い駄文につきあっていただきまして、ありがとうございました♪
こちらこそ宜しくお願いいたします。

>九尾さんのゾディアックスの方での小説紹介や、知人の薦めもあって読みにきました。
>もっともずいぶん遅くなってしまったような気がしますが…(^^;)

え゛え゛っ!!!!
…………(←動揺している)
…………(←赤面している)
!!!!(←暴走モード突入中)
…………(←ようやく落ち着いてきた)
ぜーはー、ぜーはー。
……しょぉせつ、しょぉかいですか……。
私の駄文が何て紹介されたのか……知りたいような知りたくないような……。
それに、この話を薦めてくださった知人ってのも……気になる気になる気になる……(←まだちょっとおかしい)
すっごく嬉しいです!!けど、同時にすっごく恥ずかしいです(爆)。

>はい、じーーーーーーーんときました。
>良いお話を読んだ後にくる、独特の清々しさと奇妙な寂寥感、もうじっっっっっっくりと堪能しました。
>ほんとーーおぉにいいお話でしたあ…(うっとり)
>登場人物はすごく多いのにちゃんとそれぞれが「生きている」って伝わってきて…
>スレイヤーズにはやっぱりこれがないといけませんよね!
>各キャラがそれぞれ生き生きと動いているのに決して暴走(笑)することなく、話が最後までしっかり通っていて、伏線についてもちゃんと解決して「終わって」いる。
>これって本当に難しいし、並みの力量じゃできないことだと思います。
>しかもこれだけ長い話の中で読者を飽きさせることなく、一気に最後まで読ませてしまうんですから、本当に凄いです!!
>………なんかべた褒めしてますけど、マジでそう思ってますんで……(^^;)

ううっ……ありがとうございます!!!
なんだか、ここまで言われると、自分でそこら辺に穴を掘って埋まりたくなりますが(笑)。
とりあえず、初めての小説という事で、がむしゃらに、でも一生懸命書きました。
それがこのような評価を受けて、本っっっっ当に嬉しく思います♪

>もっと私的感想を言わせていただければ、某くらぶにも所属するガウリナ至上主義の私としては、ガウリイとリナのふかぁい絆が何よりも嬉しかったです(はぁと)
>いわゆる一般的な「幸せ」とはかなり一線を画す形だとは思いますが、あの2人の場合、とにかく「共に在ること」が最大の幸福であると私は思っていますので、こんな「終わり」もいいな…なんて(^^;)
>実際、私は過去に「永遠に共に生きる」2人と、「普通の生を営んで普通に人生を終える」2人の二通りの「終わり」の話を書いたことがありますし。あ、片方はネタだけか。
>ガウリイを魔族にする、しないのあたりの2人の葛藤はぜひ見てみたい気がしますね。なんか魔族的な楽しみかもしれませんが(笑)相当に苦しんだでしょうからね、2人とも。

私も、やっぱりあの2人はずっと一緒にいるってイメージがあります。生きるにせよ死ぬにせよ……。

そうそう、やちよさんの小説、是非読みたいです!
インターネット上で見れるのならば、どこにあるか教えて下さい♪

>あとはやっぱりリナ&ガウリイとレイティア&ガルフの親子愛ですねぇ(涙)
>双子が記憶を取り戻すときに思い出した光景のうちの最初の奴、まだ赤ん坊なのかな?まどろみの中でリナとガウリイの会話を聞くシーンが一番好きでした。
>家族として一緒に過ごしたこの日々が、リナとガウリイにとっては最も人間らしく幸せに過ごせた時期だったんでしょうねぇ。
>いずれ別れなければならないという覚悟を胸に秘めたまま双子を育てた2人の心情を思うとマジで泣けてきます(るる〜(;;))
>でも、報われましたよね、きっと。あの最後の手紙で。
>リナとガウリイの人間としての血は受け継がれ続けるし、2人は2人で身を隠すようにしつつも、表面上はいつも通り(笑)、またいろいろな人と関わりながら生きて行くんでしょうね。世界が終わるまで。

あの日溜まりの記憶は、2人が1〜2歳の頃の事ですね。
あのあたりは、アニメとかでの回想シーンみたいなイメージで書いたつもりです。
画面が白くぼやけてる、みたいな(笑)。
とりあえず、私は登場人物のみんなを幸せにしたかったのでこうなりました(←その結果がこれかい……)。
あの親子も普通とは違うしずっと一緒にいることは出来ませんでしたが、それでも彼らなりに幸せになれたのでは……と思っています。

>読んで幸せでした♪
>幸せな気分に浸らせてくれたちび☆さんに、心から感謝します(はぁと)
>またぜひ、短編でも長編でもいいので作品を読ませていただきたいです。
>楽しみに待ってます♪
>ご苦労様でした!!

こちらこそ、この長い話を投げ出しもせず最後まで読んで下さってありがとうございました!!
現在、私のHPでシルフィールの話を書いています(執筆ペースは異様に遅いですが)。
よろしければ、時々覗いてやってくださいませ☆

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4112Re:祈り 白いウサギ E-mail 8/19-00:08
記事番号4022へのコメント
えと……初めましてになるんでしょうか。
白いウサギともうします。

いきなり引用
やちよさんに対するレスより
>>九尾さんのゾディアックスの方での小説紹介や、知人の薦めも>あって読みにきました。
>>もっともずいぶん遅くなってしまったような気がしますが…(^^;)
>
>え゛え゛っ!!!!
>…………(←動揺している)
>…………(←赤面している)
>!!!!(←暴走モード突入中)
>…………(←ようやく落ち着いてきた)>
ぜーはー、ぜーはー。
>……しょぉせつ、しょぉかいですか……。
>私の駄文が何て紹介されたのか……知りたいような知りたくない>ような……。
>それに、この話を薦めてくださった知人ってのも……気になる気>になる気になる……(←まだちょっとおかしい)
>すっごく嬉しいです!!けど、同時にすっごく恥ずかしいです(>爆)。

はーい。私です。小説紹介をしたのは。(^^)
 小説紹介して人に薦めといて、自分は感想書かなかった不届き者です。すみません。
 感想書くのは苦手なんで書こうか書ないまいか迷ったんですが、大したこと書けませんが、書くことにしました。
 えーと、やちよさんも書かれてらっしゃいますが、九尾さんのところでお気にいる小説紹介というものがあり、そこで紹介させていただきました。
 ちなみに、作者のいないところで感想を細かく言うのはダメという管理人さんの素晴らしい配慮により、「ぜっっったいに見てくださいっ!!」としか言ってません。

 「祈り」
 アップされるのを楽しみに毎日毎日ここに通い詰めました。
 最初は「ををっ!?ルークが魔王化っ!?」と世界に引きずり込まれ、次に「なんか謎な伏線がいっぱいあるぞっ!?」ってな感じで引きずり回され、最後に泣かされました。
 設定も構成も素晴らしいです。
 伏線も、リナ&ガウリイの子供というのぐらいしか見破れませんでした。

 しかし、凄いですね。
 ええ、もう凄い以外言いようがない作品です。
 私は当分シリアスは書くのを辞退させていただきたくなる話でした。いやぁ……この作品に比べたら、もう逃げ出したくなります。
 
 で、リナとガウリイ。
 普通の人間から見たら、どっちかって言うと「不幸」に値する運命を背負いました。
 それで少し悲しい思いをしましたが、(誉めてるつもり)
 彼女らはそれでもしっかり生きてるんですねー。
 どんな時でも二人で。
 しかし、子供に対しては辛かったでしょうね。
 いずれ、自分たちの存在すら忘れさせなくてはならないなんて。
 すっごく切なくなりました。
 人間、過ぎた力を持つと不幸です。
 でも、それだけじゃ終わらないのがリナの良いところですよね。
 そしてそれを陰で支えるガウリイ。
 うーん……いいなぁ……

 ちなみに、この話に合う映像思い出したんで書きます。
 スレイヤーズTRY最終話のリナとガウリイの背中のシーン。
 どこかのラジオに送って読まれた物と同じ事書きますけど、
「二人が遠くに行ってしまう」感じを受けました。
 凄く寂しい感じがしますが、まぁ、リナとガウリイの二人でなら元気でやってることでしょう。
 二人の旅は終わらないってね。

 ああっ!?訳わからない感想ですみませんっ!!
 やっぱり感想書くの苦手だ(^^;)
 あう………想いは一杯あるのにそれが言葉にならない………
 ともあれ、すっごく素晴らしい話でした。
 読ませていただき、深く御礼申し上げます。
 今後も書くことがあったら是非読ませて下さい。
 ではまたお会いできることを祈って……

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4119白いウサギさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/19-22:38
記事番号4112へのコメント
>えと……初めましてになるんでしょうか。
>白いウサギともうします。

はじめまして、ちび☆という者です。
白いウサギさん……ひょっとして、「二翼の翼」の作者さんでは……
……あぁっ、あんな素晴らしい話を書かれる方に感想をいただけるなんて……
…………嬉しすぎるぅっ!!!!(←またもや暴走モード突入中)
……こんなところに書くべきではないのでしょうが、あの話は凄く好きです!!
実はちょっと目標にしてたりしました(爆)。

>はーい。私です。小説紹介をしたのは。(^^)
> 小説紹介して人に薦めといて、自分は感想書かなかった不届き者です。すみません。
> 感想書くのは苦手なんで書こうか書ないまいか迷ったんですが、大したこと書けませんが、書くことにしました。

いえいえ、わざわざありがとうございました!!!
しかし……紹介、……やっぱり恥ずかしいなぁ(照)。

> えーと、やちよさんも書かれてらっしゃいますが、九尾さんのところでお気にいる小説紹介というものがあり、そこで紹介させていただきました。
> ちなみに、作者のいないところで感想を細かく言うのはダメという管理人さんの素晴らしい配慮により、「ぜっっったいに見てくださいっ!!」としか言ってません。

九尾さんのHPは小説を見に行った事はあります……が、そんなコーナーがあるなんて知りませんでした。
っていうより、スレイヤーズの小説しか見てないですね(←とんでもない奴)。
九尾さん、ごめんなさい(汗)。
そして、白いウサギさん、ありがとうございましたぁっ!

> 「祈り」
> アップされるのを楽しみに毎日毎日ここに通い詰めました。
> 最初は「ををっ!?ルークが魔王化っ!?」と世界に引きずり込まれ、次に「なんか謎な伏線がいっぱいあるぞっ!?」ってな感じで引きずり回され、最後に泣かされました。
> 設定も構成も素晴らしいです。
> 伏線も、リナ&ガウリイの子供というのぐらいしか見破れませんでした。

ルークって、9巻読んだ時から「こいつ魔王に違いないっ!」と私が勝手に思い込みましたので(笑)ああなってしまいました。
その割には、この話にはほとんど関わってこないという……哀れなキャラです。
いつか、ミリーナ共々、幸せなお話を書きたいなぁと思っています。

伏線は……私の腕が未熟なため、「こんなもの伏線じゃないっ!!」って言いたくなるようなものが多々あります。
よって気付かなくても当然ですよ。
ちなみに、双子がリナ達の子供って事は一番バレバレな謎ですので、6章でリナに誤魔化させました。
それに騙された方多数(笑)。

> しかし、凄いですね。
> ええ、もう凄い以外言いようがない作品です。
> 私は当分シリアスは書くのを辞退させていただきたくなる話でした。いやぁ……この作品に比べたら、もう逃げ出したくなります。

そ、そんなぁ……。
白いウサギさんの話と比べたら、こっちの方が逃げなくてはいけませんよぉ……(泣)。

> で、リナとガウリイ。
> 普通の人間から見たら、どっちかって言うと「不幸」に値する運命を背負いました。
> それで少し悲しい思いをしましたが、(誉めてるつもり)
> 彼女らはそれでもしっかり生きてるんですねー。
> どんな時でも二人で。
> しかし、子供に対しては辛かったでしょうね。
> いずれ、自分たちの存在すら忘れさせなくてはならないなんて。
> すっごく切なくなりました。
> 人間、過ぎた力を持つと不幸です。
> でも、それだけじゃ終わらないのがリナの良いところですよね。
> そしてそれを陰で支えるガウリイ。
> うーん……いいなぁ……

あの2人には幸せになってほしいなと思いながらこの話を書きました。
……「これがその結果かい!!」って突っ込みが山ほど来そうですが(笑)。

> ちなみに、この話に合う映像思い出したんで書きます。
> スレイヤーズTRY最終話のリナとガウリイの背中のシーン。
> どこかのラジオに送って読まれた物と同じ事書きますけど、
>「二人が遠くに行ってしまう」感じを受けました。
> 凄く寂しい感じがしますが、まぁ、リナとガウリイの二人でなら元気でやってることでしょう。
> 二人の旅は終わらないってね。

そうです!私も自分で書いた時、それを思い出しました。
あのエンディングは、私も凄く淋しかったです。
あれで、「もうTV版は終わったかな」って思ったんですよね。実際今はロスユニですし(しくしく)。
もちろんこっちも好きですが♪

> ああっ!?訳わからない感想ですみませんっ!!
> やっぱり感想書くの苦手だ(^^;)

私は訳分からないコメントで申し訳ありません……。

> あう………想いは一杯あるのにそれが言葉にならない………
> ともあれ、すっごく素晴らしい話でした。
> 読ませていただき、深く御礼申し上げます。
> 今後も書くことがあったら是非読ませて下さい。
> ではまたお会いできることを祈って……

こんな長い駄文に最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました!!
心から感謝いたします。
それでは、またいつかお会いしましょう!
(もしよろしければ、私のHPも覗いてやってくださいませ☆)

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4171祈り 読みましためぐみ E-mail 8/24-02:58
記事番号4022へのコメント
はじめまして、めぐみというものです。
すごいです、こんなに長いの書くのは大変だったでしょうね。
ラストはすっごく泣けました
いろいろ読んだけど泣いたのはこの小説がはじめてです。
なんかもう・・・胸がいっぱいで・・・

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4184めぐみさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/24-22:54
記事番号4171へのコメント
はじめまして、ちび☆という者です。
こんな長い駄文に最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました!

>すごいです、こんなに長いの書くのは大変だったでしょうね。

大方の流れは考えてあったのですが、途中途中に入る小さなエピソードがなかなか
思い付かず、苦労しました。その中に伏線を入れていくのが難しく、かなり
わざとらしくなってしまったところも多々あります(汗)。精進しなくては……。

>ラストはすっごく泣けました
>いろいろ読んだけど泣いたのはこの小説がはじめてです。
>なんかもう・・・胸がいっぱいで・・・

そう言っていただけると、ものすごく嬉しいです!
この話、「泣けました」って言ってくださる方が結構多くて、
私としましても皆様のその反応に嬉しくて泣いてしまいます……(嬉涙)。
読んでくださって、本当にありがとうございました!
……もしよろしければ、HPの方も覗いてやってくださいませ☆

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4199良かったです。月華院 彩子 8/25-20:43
記事番号4022へのコメント
まず、お疲れさまですと。いいますね。
すっごい良かったです。
多分リナとガウリイはずっと一緒なんだろうなと思いました。
二人にとって子供と別れるのはすごく辛いことだと思うのですが、二人はいくら許されることはなくても、子供の幸せを考えたのでしょうね。


できればハッピーエンドがよかったなあ。
でも良かったです。
ミナとガルフが冷や汗かいたところとくに。

次も楽しい小説まってます。
なら自分で書けよとか思わないで下さいね。

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4200月華院 彩子さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/25-23:00
記事番号4199へのコメント
はじめまして!ちび☆という者です。
「祈り」を読んで下さってありがとうございました!

>まず、お疲れさまですと。いいますね。
>すっごい良かったです。
>多分リナとガウリイはずっと一緒なんだろうなと思いました。
>二人にとって子供と別れるのはすごく辛いことだと思うのですが、二人はいくら許されることはなくても、子供の幸せを考えたのでしょうね。

そうですね。
少なくとも魔族からも人からも追われることなく、普通に幸せになってほしかったのですよね。
……まぁ、結局魔族と大いに関わってしまうあたり、リナ達の思惑は多少外れてしまったというか何というか(笑)。

>できればハッピーエンドがよかったなあ。
>でも良かったです。
>ミナとガルフが冷や汗かいたところとくに。

この話は、「リナ=赤眼の魔王」であった場合の、私なりのハッピーエンドだと思っています。
そうでない場合、リナが世界を滅ぼして終わり!ってなってしまいそうで……(汗)。
でも、やっぱり純粋なハッピーエンドも捨てがたいですよね。
いつか、書いてみたいな……。

>次も楽しい小説まってます。

ありがとうございます!
よろしければ、HPの方も覗いてやって下さいませ♪

>なら自分で書けよとか思わないで下さいね。

いえいえ、そんな事思いませんって(笑)。
他の皆様のお話を読んでみたいとは思いますが、「書きなさいよっ!」なんて強制する事はできませんから。
でも、もしお話を書かれる事があったら、ぜひ読まさせて下さいね☆

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4206コメントいいですか?明美 E-mail 8/26-02:56
記事番号4022へのコメント
ちび☆さん、すみません。すぐお話読んだのに、コメント遅くなりました。
いまさらですが、コメントいいですか?短いですけど

祈り全部読みました。すごく長いのに、がんばって書きましたねえ。脱帽です。
祈りって題の意味最後の方でしみじみよく分かりました。

なんか、泣けてきますね。家にも子供居るんで、余計泣けてきますよ。(まあ、家の子は小さいんで、まだまだ独り立ちしませんけど)
なんか、設定も奥が深いし……。

また、がんばって書いてくださいね。

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4215明美さんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/26-22:18
記事番号4206へのコメント
>ちび☆さん、すみません。すぐお話読んだのに、コメント遅くなりました。
>いまさらですが、コメントいいですか?短いですけど

すっごく、嬉しいです♪(はぁと×3)

>祈り全部読みました。すごく長いのに、がんばって書きましたねえ。脱帽です。
>祈りって題の意味最後の方でしみじみよく分かりました。

ありがとうございますっ!
実を言うと、「祈り」というタイトルは、実際に書き始めるまで決まっていませんでした(←おい!)。
話は決まっていたのですが、なかなか思い付かなくて……。
で、内容的に、これかなと思ってこう名付けました。
ですから、「こじつけだぁっ!!」って言われても反論できません。とほほ。

>なんか、泣けてきますね。家にも子供居るんで、余計泣けてきますよ。(まあ、家の子は小さいんで、まだまだ独り立ちしませんけど)
>なんか、設定も奥が深いし……。

この話、俗に言う「ハッピーエンド」とは違いますからね。
でも、私なりにハッピーエンドにしたつもりです(←信じてもらえないかもしれませんが……)。
他の方のレスにも書きましたが、リナが魔王になった時、これ以外の結末は「世界滅亡!」ってなりそうでしたので(笑)。
一抹の寂しさは残るけれど、皆が幸せになったんだ……というつもりで書きました。

>また、がんばって書いてくださいね。

ありがとうございます!
明美さんの作品も楽しみにしておりますので、そちらも頑張って下さいね(はぁと)。
(全部読んでいるくせになかなかコメントを書かないちび☆……)
そしてよろしければ、HPも覗いてやってくださいませ♪

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4216よませていただきました♪つと E-mail 8/27-01:32
記事番号4022へのコメント
ありがちな言葉ですがとっても楽しく(?)読ませていただきました。
正直言って最初の方はメインキャラが出ていなかったので「?」って感じで読ませて頂いてたんですが
全てを読んでから、改めて最初の方を読み直しました。

長い文章、とんでもございません。内容があるから長く書けるんだと僕は思います。
ガウリイとリナの関係ってこんな感じで互いを思う感じがすごく切なかったです。
一番上の楽しくに「?」がついてるのは切なかったからです。(深い意味はありません)

また、色んなお話を読ませて下さいね。

乱文で申し訳ありません。(感想苦手なの(泣))

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4220つとさんありがとうございますちび☆ E-mail URL8/27-22:47
記事番号4216へのコメント
つとさん、はじめまして!ちび☆という者です。
この長いお話を最後まで読んでくださってありがとうございました!

>ありがちな言葉ですがとっても楽しく(?)読ませていただきました。
>正直言って最初の方はメインキャラが出ていなかったので「?」って感じで読ませて頂いてたんですが
>全てを読んでから、改めて最初の方を読み直しました。

そうですね、1〜2章はオリジナルキャラしか出ていませんからねぇ(汗)。
彼らの行動にちらほら見える、両親の影を少しでも感じていただければと思います。

>長い文章、とんでもございません。内容があるから長く書けるんだと僕は思います。

その気になれば、更にエピソードを追加して倍近くまでにはなるのですが、
そこまでやってしまうと誰も読んでくれないのと私の力不足により、こうなりました(笑)。
それでもちょっと長いかな、とは思いますが、結果的には丁度良かったのかもしれませんね。

>ガウリイとリナの関係ってこんな感じで互いを思う感じがすごく切なかったです。
>一番上の楽しくに「?」がついてるのは切なかったからです。(深い意味はありません)

リナ=魔王の設定で書くと、どうしても話が暗くなってしまったのですよね。
その中での精一杯のハッピーエンドだと私は思っています……「どこがだっ!」と突っ込みが来そうですが(笑)。

>また、色んなお話を読ませて下さいね。

ありがとうございますっ!
もしよろしければ、HPの方も覗いてやってくださいませ☆

>乱文で申し訳ありません。(感想苦手なの(泣))

私の方がよほど文章になっておりませんので申し訳ないです(笑)。
本当にありがとうございましたっ!!!