◆-Re:金色の巫女〜鳴動編・3-M(8/2-02:20)No.3743
 ┗金色の巫女〜鳴動編・4-M(8/2-02:32)No.3744
  ┣Re:金色の巫女〜鳴動編・4-松原ぼたん(8/3-16:42)No.3759
  ┣『4』の感想です♪-Shinri(8/8-14:04)No.3901
  ┣金色の巫女〜鳴動編・5-M(8/12-02:01)No.3947
  ┃┗Re:金色の巫女〜鳴動編・5-松原ぼたん(8/12-22:48)No.3970
  ┃ ┗金色の巫女〜鳴動編・6-M(8/20-23:21)No.4131
  ┃  ┣Re:金色の巫女〜鳴動編・6-是羅(8/22-01:51)No.4140
  ┃  ┗『5』&『6』の感想です♪-Shinri(8/24-00:02)No.4169
  ┃   ┗Re:『5』&『6』の感想です♪-(8/24-21:56)No.4182
  ┗恋は知らない。でも、愛なら知ってるから-M(8/22-08:38)No.4142
   ┗金色の巫女〜鳴動編・7-(8/24-22:43)No.4183


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3743Re:金色の巫女〜鳴動編・3E-mail 8/2-02:20
記事番号3636へのコメント
と言うわけで、恒例のレス行きます。

○松原ぼたん様
>>「アメリア……巫女の台詞なのか? それは」
> 巫女の台詞なら別の意味をもちますからねー。
どんな意味でしょ?

>>「今回は共通の目的があるわけでもなく。リナがいるわけでもないとゆーのに、>>どうしてゼロスなんかがついて来ているのかと言う事を聴いているんだ!!」
> いつものことなどで今まで深く考えなかったろ?(笑)。
忘れてますよね?(笑)

>> ゼルガディスが頭をかかえてうなり声を上げたくなったからと言って、一体。>>誰が文句を言えるだろう?
> まだ現実についていけませんか(笑)。
一応「一番の常識人」を目指してますから(苦笑)

>> 天空へと帰る事を夢見ている『あの方』を、この地へと繋ぎ止める役割をに
なっている存在。
>>世界を安定させる事を生業とさせている方々ですから。
> なるほど、そういう解釈もあふますか。
だって、L様の正体って・・・・・・・ぐはぁっ!<鈍器の音と、走り去る音・・・

>>「ガウリイさんがサード・オーダーさんとやらに選ばれた人だって言う事は。リ>>ナさんをどうにかするために近づいたって事ですよね?」
> うわ、サイテー(笑)。
だとしたらサイテーですね(笑)

>>「何言ってるんだ?」
> ・・・・こいつ、何か考えてんのか?
まあ・・・ガウリイだし<それだけで事が足りますねえ

>>「まさか、そんな夢を見た直後にいリナさんがいなくなるなんて。
>>思ってもみなかったんですけどね」
> ・・・・関係あるの?
なくはないです。
ぼたんさんにとってのリナって、どんな感じですか?
僕にとっては・・・「幸せになって欲しい人」・・・かな?

○Shinri様
 最近は、表のチャットにあんまりいなくてごめんなさい。
 つい、畳さんが「おいでぇ〜」って手招きしちゃって・・・(てへ)

>”こんにちは”! Mさま♪ 続き、早速読ませて頂きました♪
こばにゃ!

>ともあれまずは、恒例(にするな!!)のレス返しから。
では、お返しせねばなりますまい・・・(にっこり)

>今回のメインは、「リナのいない世界」とのこと。
>非常に興味深いテーマだと思います・・・ますます続きが楽しみです♪
まあ、これは僕にとってのって注釈が付くので。なんだかなあ?と思っていただいても結構です。
でも、最後には……なんです。あれ?<恒例の妨害電波らしい

>ガウリイとゼロス。
>・・・・・・(沈黙。つつつっと汗が流れる ←何やら覚えが???(謎)
>ええ、そーですね。確かに。自分もお二方と同意見です・・・(冷や汗)
よかった。なぜか皆さん「えー、なんで?」とおっしゃるんですよお(;;)

リナの行方と、招待を受けた理由。
>を〜ひ・・・・(^^;(←それ以上のコメントの仕様がないらしい)
>ま、仕方ないか(諦めた) ゼロスだし(爆)
けど、別の話としてちゃんとあるんですよお。

>>前回みたいな「一日3つUP」なんて極悪なまねは。今回はやめておきましょう。
>>何より体力もたないです(^^;
>>少しずつUPしますので、楽しみに・・してくれたら嬉しいです(=^^=)
>はい、楽しみにしてます♪ が、くれぐれもご無理はなさらぬよう・・・
・・・たらーり<上記参照(笑)

以下は『2』 と『3』を読ませて頂いての感想を。

まずは。『サード・オーダー』と呼ばれる存在。
>ただ、そういう存在があってもおかしくはない、と思います。
>というよりも。リナのことを『世界の安定を崩すことの出来る存在』としてるのは、自分自
>身全く同じなので。
>その辺のことは、いずれ別の形でお目にかけられる事でしょう・・・(謎)
楽しみにしましょう(^^)

そして、更には『夢』
>アメリアの言葉からすると、どーやら例の『3つの質問』みたいですね。
はい♪

>しかもそれは、彼女だけでなく、ゼルも、そしてガウリイも。同じものを見たらしい、と。
いい勘してますね☆

>あの質問、物語のかなり重要な部分を占めて来そうだと感じていたので、それが予想以上に
>早くガウリイたちに投げかけられた事に対して、少し驚いています(もちょっと先かな〜、
>とか勝手に思っていたので(^^;)
>アメリア、夢の中の質問に対して、「本人に聞かれたら相当まずい」よーな答えを返してし
>まったよーですねぇ。
>う〜〜ん。ある程度、予想つくよーな・・・(笑)
>ま、それはともかく。これは全くの想像に過ぎませんが・・・
>ひょっとしたら。ゼルやガウリイも・・・アメリアと似たり寄ったりの答えをしてしまった
>んじゃないか、と。本心かどうかは別として。
>ところが、リナが何らかの形でそれを知った……知られてしまったと思えるような、何かが
>夢の中であったのではないか――と。
>だとすれば、翌朝の彼らの態度の微妙な変化も納得出来るような気がするんですが・・・
問題は、彼らがどう思ったかではなくて。リナがどう思ったかになると思いますけどね。
仮に、リナが彼らの答えを知っているのだとすれば。

>しかし。彼らが夢の中での質問に何と答えたかというのは、今回までの部分では明らかにさ
>れてない。だから、本当にこれは勝手な想像に過ぎないんですけどね☆
>次回UP分を読んでみたら全然違ってた・・・なぁんてこと、ありそだよな(勘違いは己の
>得意とするトコロ・核爆)
それは内緒でーす!

>ところで。
>今回一番気になる、そして重要なポイントなのは。ずばり。
>本当にガウリイはリナを裏切ったのか? ということ。
>個人的にはそんなことあって欲しくないし、有り得ないことだと思うし、そう願ってるんで
>すが・・・
>ただ。例え、もしそれが誤解であったとしても。
>一体、その誤解が可能となり得るような、どんな光景をリナは目撃してしまったのか?
>そのあたりが――非常に気にかかります。
>残念ながら。ガウリイからは・・・くらげだから(?)、まともな答え、得られなかったし。
>願わくば、事情通(笑)なゼロス君あたりが解説してくれるとありがたいんですけどねぇ
>(ため息)
更に問題は、仮にリナが裏切られていたとしても。それでもリナはガウリイを嫌う事が出来るかと言う所です。
Shinriさんのリナはいかがですか?
僕のリナは……これから書きます(笑)

>それと。今回の部分では、彼らの中におけるリナの存在の大きさ、というものが改めて浮き彫
>りになってますね。
>ゼルのガウリイへの「お前がリナを殺すなら〜」云々のセリフは、もちろんのこと。
ゼルにとってのリナ(M版)では、ゼルにとって初めて「人間」として見てくれたのが「リナ」だからです。だから、ある意味においてのゼルにとってのリナは。あらゆる意味で大切で大事で。理想の女性像の一つではないかと思っています。

>>もしかしなくても、リナ=インバースは偉大なる人物なのかも知れない。
>この一言でしょう。前後のボケ(←大笑いした)に紛れて、つい軽く読み流してしまいそうに
>なるけれど。
おお、笑っていただけましたか!
意図してなかったんですけど・・・(汗)
さらっとですかあ・・・・・・・・・・・・(なぢょ)

>「もしかしなくても」ということは、その前提として「もしかすると」っていうのが付いてる
>訳ですよね?(にっこり)
うみぃ?<よくわかっていない

>いずれにせよ。リナって良くも悪くも他に与える影響が大きいよなぁ〜、と改めてしみじみ感
>じたものです。
「地球を回すのは主婦のパワー」だと思いますが。「スレイヤーズ世界を回すのはリナ」と言う持論です(笑)

>ああ、やはり長くなってしまった(笑) ・・・・文章の長さ調節能力、ちっとも成長してない(汗)
>ともあれ。相も変わらず拙い感想、ここまでお付き合い頂けたとしたら幸いです♪
人様の事は言えません(^^;

>それでは次回のUP、心待ちにしております(はぁと)
はあい♪

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3744金色の巫女〜鳴動編・4E-mail 8/2-02:32
記事番号3743へのコメント
どうも、Mです。
自らツリーを落っことしました(^^;
松原ぼたんさんとShinriさんは、過去からひっくり起こして見てくださいね(てへ)<てへじゃない!
と言うわけで、えれな。僕のツリーは落ちたから早急にUPする様に<人の事言うなよ・・・・・・。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


金色の巫女〜鳴動編


          4


 ガウリイがぽつりと言った。
 リナがいなくなる。
 その言葉に、なぜか。沈むものを感じてしまうのは、なぜだろう?
 それは、ゼロスとて例外ではない。
 どんなに無茶苦茶でも、どんなに大ぐらいでも。どんなに自分勝手でも。
 ある意味、リナは絶対だった。
 後ろを振り向かず、決して立ち止まらず。
 ただ前を見て、ただ明日を見て。
 止められる存在なんて、有り得ない。
 例え別れたとしても、必ずどこかで出会えるはずだと。リナはどこかへ進み続けるのだと、信じて疑わせないだけの力を持つ。
「考えた事もなかったけど。
 アメリア、多分。俺も見たぞ、同じ夢。
 俺の時、質問に答えたら笑った気がした。多分、その女が」
「ガウリイさんもっ!?」
 反射的にだろう。
 アメリアはゼルガディスを見ていた。
 ゼルガディスは、無言でうなずいていた。
「そして、相手はそのまま。向こう側へと消えて行く……。
 念の為に聴くが、ゼロスの差し金か?」
「とんでもありません。僕がそんな余計な事をしたら、獣王様にしかられてしまいます。
 それと、もしかしたらそれは。リナさん御自身だったのかも知れませんよ?」
 眠っている人間の耳元でささやくと、眠っている人間の夢に影響されると言う事がある。必ずと言うわけではないが。
 だが、術で眠らされたアメリアは別として。
 獣並みの勘を持つガウリイや、一流の技能を持つゼルガディスに気づかれる事なく。耳元でささやいたり出来るだろうか? 夢に影響を与える魔術があったとして、リナが使えるものなのだろうか?
 それに、さっきのゼロスの台詞によれば。男衆二人には魔術がかけられたとか言うわけでもないのだから。理論的に無理なのである。
「リナさんの意識が、単に皆さんの夢と言う形へ。共通にリンクしたのかも知れませんし。そこまでは僕にも判りませんけど。
 皆さん、どんな返事をなさったんですか?」
 ゼロスは笑顔だったが、三人の表情は暗かった。
 よほど、本人に聴かれてはまずい事でもこたえたのだろうか?
「そ……そーれは、そうとして。
 そろそろお休みになりませんか? もう遅いですし。お食事も……あれ?」
 アメリアが不思議がるのも当然と言うもので。
 テーブルの上の料理は、ほとんどが残っていた。
          ◇
 翌朝。
 支払いを済ませた一行は、さて出かけようかと言う所だった。
 幸いにも、リナの残した皮袋の中身は。正直言ってかなりのものだった。
 金貨で50枚ばかり入っているだろうか。かなり重い。
「おはようございます」
 アメリアが下に降りると、全員がそろっていた。
「どうかしたのか? アメリア」
「ちょっと寝不足でして……そういうお二人は元気そうですね。
 リナさんの事、心配じゃないんですか?」
 多少の変化はあるかも知れないが、アメリアにとってはゼルガディスは冷静すぎるし。ガウリイは……どこか違う様な気がするものの。態度そのものは変わっていない様な気もした。
「そういうわけでも、ないがな」
 ゼルガディスの態度は、本当に冷静だった。
「心配は心配だけどな。何て言ったかな? でっかいトカゲのヒマな人も一緒だって言うし。そうそう乱暴な事にはなってないだろうって、そんな気がしてな」
 黄金竜の長老である、ミルガズィアを捕まえて。言いたい放題を言うガウリイだが。
 おまけに、当の本人から「でっかいトカゲはやめてくれ」と言われた事を。どうやら、すっかり忘れているようである。
「それに、なんとなくだけど。
 無事な気がするんだ。リナは。
 でも、俺の勘が外れて世界が滅亡しても困るから。少しでも急いだほうがいいかとは思うけどな」
 アメリアは、心のどこかでほっとしていた。
 リナがいなくなってから、なぜかガウリイは「変化」してしまった様な気がするのに。それでも、変わってないのだと信じたかったのだろうか?
 けれど、ガウリイがかつてさらわれた時。リナも同じような事を言っていた。
「急ぐ必要はないかも知れないけど、なんとなく……な。
 ほら、リナって素直じゃないところがあるだろう? 急いで行ってやらなくて、へそでも曲げられたら。それこそ大変だしな」
「リナの場合、慣れてないだけだと言う気もするがな……」
 いまだに人間不信の直りきっていない。ゼルガディスだけには言われたくない台詞かも知れない。
「そうですね。リナさんて、すぐに顔が真っ赤になりますしね」
 これもこれも、当事者たるリナがいなからこそ言える訳であって。もし本人がいれば、どうなっていたかは、恐ろしくて想像すら出来ないだろう。
 少なくとも、火炎球は確実である。
「皆さん、本当にリナさんをよくご存知なんですね」
 感心したような表情で、ゼロスが言った。
「そうだな?」
「結構、長い付き合いですから」
「俺には、全然判らんがな」
 最後の台詞は、ガウリイのものである。
 このメンバーの中で、一番リナとの付き合いが長いのはガウリイだが。
 頭の中には脳みそ以外のものが詰まっているとさえ言われるくらい、記憶力の乏しいと認識されるガウリイである。ゆえに、今の台詞を気にする人物は誰もいなかった。
「そうですか? 戦っている時のガウリイさんて、リナさんとなんの打ち合わせもしていないのに。絶妙なコンビネーション組んでいる時があったりして。すごいなって思う時ありますけど」
 ちなみに、アメリアの事場に深い意味はない。
「そうか? あ、でも本当に。リナの事は判らないぜ。
 次にどんな行動をするかとか。何より、俺だって諦めるような時に、とんでもない事をしでかすしな」
 だが、それがあるからこそリナ=インバースなのであり。
 だからこそ、リナ=インバースなのだと。
「さて、それじゃあ行くか。
 幸いにも、リナがたっぷりと路銀を残して行ってくれたしな」
 そうでなければ、リナの消えた時点で宿屋で三人。途方にくれていただろう。
 支払いも出来ずに。
「そうだな。この分では仕事をしているヒマもなさそうだしな」
「これだけ経費のかかる人がそろうと、それこそ盗賊いじめでもしないと。お金なんて集まらないでしょうしね。リナさんじゃありませんけど」
 リナの趣味。盗賊いじめ。
 それは、あまり良い事ではない。基本的には良い事ではあるのだが、それに伴う被害も大変なものだったりする。
 だが、基本的に食費がかかり。ゼルガディスやアメリアは魔道や他の研究もしなくてはならない。そして、リナとて魔道士として様々な研究を行う必要がある以上。普通ならば考えられないくらいの大量の金がかかる事となる。
 ついでに、道中では情報収集も行わなくてはならない。
 カタート山脈には、魔王が封じられているだけあり。その近く、ディルス王国首都のガイリア・シティには。他の土地よりも魔族の出現率が多い。
 そんなところへ、予備知識もなく行こうとするほど。彼等とて馬鹿でも愚かでもなかった。
 こうなると、リナが盗賊を襲って金品を奪うのも。あながち単なる趣味だけではなかったのだと、理解はしたのだが。
 実際にリナが戻ってきた時、再び盗賊いじめを始めた場合。
 どうなるかは……。
「それで、ここからはどっちに行くんだ?」
「ええとですね、この街道をこのまま行けば。方向的には間違いないですよ」
 ゼロスが、持っていた杖で方向を示した。
「ガウリイ。お前、前に何度か行った事があったんじゃないのか?」
 かつてリナとガウリイは、何度かガイリア・シティに行き。一度などは城の奥まで入った事があるわけだし、他にも色々とあったわけだが。
「そうだっけ……?」
「一度なんて、あたし達とも一緒だったじゃないですか」
 むう。
 少し怒り気味のアメリアだったりする。
「まあまあ、何しろガウリイさんですし……」
「それはそれとして、どうしてまだついてくるんだ? お前」
 ゼルガディスはゼルガディスで、ゼロスの存在そのものがうっとうしいらしく。あからさまに怒りを押さえようとしない。
「いいじゃないですか。それに、僕が一緒なら変な魔族は追ってきませんよ。
 本当の所を言えば、僕は獣王様から。皆さんをご招待する様にも言われていたんです。
 勿論、皆さんが僕に気づけば。の話だったんですけど。
 まさか、あんなに早くガウリイさんに見つかるとは思っていませんでしたし。僕のシナリオとは多少の変更をしなくてはならないといけませんし。
 いやあ、冥王様ほどは読みが当たらないものですね」
 だからずっと側にいて、ガウリイの呼びかけにも、あっさり答えたのだ。
「あれ? どうかなさったんですか? 皆さん」
 三人とも、大して反応らしい反応はしなかった。
 いつもならば、リナが何かしらの。少々オーバーアクション気味な反応を示すわけだが。そのリナがいない以上、重苦しい沈黙だけが一同を支配する。
 流石に、ゼロスとガウリイは額を指で掻いたりしているのだが。
「どうせゼロスさんですし……」
「そんな事だろうとおもった」
 アメリアとゼルガディスの顔には、思い切り「だからどーした」と書いてある。
 そう言う意味では、ゼロスもずいぶんと居心地が悪そうである。
「あの。そーゆー反応をされますと、僕としても……」
「じゃ、行きましょうか」
「そうだな」
 すっかり、氷の仮面を身につけてしまった様なアメリアとゼルガディスは、とりつくしまもない様である。
 ガウリイが、ゼロスの肩に手を置いた。
「あんたも苦労するな……」
「はあ……」
 だが、ガウリイ自身もまた。ゼロスの居心地を悪くしていると言う自覚は。
 まったくなかった。

続く

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3759Re:金色の巫女〜鳴動編・4松原ぼたん E-mail 8/3-16:42
記事番号3744へのコメント
 面白かったです。

>松原ぼたんさんとShinriさんは、過去からひっくり起こして見てくださいね(てへ)<てへじゃない!
 あ、はい。
> ある意味、リナは絶対だった。
 ですよね。
> それと、もしかしたらそれは。リナさん御自身だったのかも知れませんよ?」
 潜在意識のなかの?
> よほど、本人に聴かれてはまずい事でもこたえたのだろうか?
 ちょっと笑い事。
> テーブルの上の料理は、ほとんどが残っていた。
 あらららら。
> 頭の中には脳みそ以外のものが詰まっているとさえ言われるくらい、記憶力の乏しいと認識されるガウリイである。ゆえに、今の台詞を気にする人物は誰もいなかった。
 いや、ちょっとそれは。
> だが、ガウリイ自身もまた。ゼロスの居心地を悪くしていると言う自覚は。
> まったくなかった。
 うーん、リナの存在って偉大(笑)。


 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3901『4』の感想です♪Shinri 8/8-14:04
記事番号3744へのコメント
”こんにちは”、Mさま♪ ご存知の通り、いまだに疲労から回復しきっていないShinri
です(^^;
日本語能力にかなり不自由しておりますが、早く続きが読みたいので、こーしてノコノコ
参上した次第(爆)
いつも以上に拙い文ですか、よろしければお付き合いを。

まずは恒例の(←開き直った)レス返し。

「リナのいない世界」
>でも、最後には……なんです。あれ?<恒例の妨害電波らしい
また妨害電波(><)・・・しかも。ちゃんと「恒例」ってついてるし〜(^^;

ガウリイとゼロス(続き)
そんなに意外ですかね? ガウリイの方がより怖いっていうのは。
「なんで?」とおっしゃる方って、某くらぶの方々ですか?
だとしたら。私にとっては、それこそそっちの方が意外(^^;
不確定要素の方が、絶対怖いと思うんだけれども・・・・(意味不明のぼやき)

リナの行方と招待を受けた理由。これって「別の話としてちゃんとある」ってお話で。
んっふっふ、いいこと聞いたわ♪・・・・それって、もう栽培済みですか?(笑)

3人して同じ夢を見たらしい・・・てことで、前回「いい勘してますね☆」とお褒め頂
いたのは光栄ですが・・・
そーでもないと思いますよ(苦笑) 多分。私だけじゃなく、読まれた皆さまは大抵お
気付きになってると思うもの(^^;

夢の中での彼らの答えを、リナが知ったとするなら。
彼女は何を思い、どう動くのでしょう?(もう既に動きつつあるけど)
リナって、ああ見えても結構繊細なところありますからね。根は素直で優しいし。
で、注目の答えの内容は、と・・・・(今回UP分を読んでいる)
うみぅ・・・・見事に内緒のまんま〜〜・・(^^; 

ガウリイの裏切りが、仮に本当だとして。それでもリナがガウリイを嫌うことが出来るか?
――難しいですね。
裏切りの内容にもよるけど・・・きっと完全に嫌い切ることは出来ないのでは?
ただ。離れては・・・いくかもしれません。リナの方から。
でもまだ判らない。私の中の彼女も口を閉ざしてしまってるし(ため息)

ゼルにとってのリナが、ある意味で理想の女性像の一つ、というご意見には全く同感。
ただ。それはいわゆる恋愛感情とはやや異なるもの、というのが私の見方ですが。
大切で大事。その想いのカタチには色んな種類があると思うので。

>「スレイヤーズ世界を回すのはリナ」と言う持論です(笑)
これまた同感(笑) そーいうリナだからこそ、自分は惚れた♪(笑)

レス返しはこれくらいにして。引き続き『4』を読んでの感想を。

リナがいなくなって一夜が明けて。
相変わらず、妙なちぐはぐ感が残ってますね。無理もないけど。
特に雰囲気が険悪とか、そーいう訳ではありませんが、何となく意志の疎通がいつも通りに行か
ないとゆーか。そんな感じ。
あのゼロス君でさえ、何かいつもと勝手が違って戸惑ってるみたいだし。

考えてみれば。
あの4人って(ゼロスも含め)、それぞれかなりの実力を有している。それだけに個性も強い。
普通だったら、もっと摩擦とか衝突とか起こりそうですよね。
ガウリイもゼルも数々の修羅場を潜り抜けてきたツワモノだし、アメリアは一国の王女(これま
た只者ではない) ゼロスに至っちゃ種族からして違う(人型取ってるけど)
でも。それらをさらに上回る、リナという強烈な存在が中心にあることによって、彼らの間に絶
妙なバランスが形成されている。そんな気がするんですよね。彼らを見てると。
だからこそ。今、彼女が抜けてしまって出来た穴は、想像以上に大きい・・・・

今回の部分で一番印象に残ってるのは、次の部分↓
>「そうか? あ、でも本当に。リナの事は判らないぜ。
> 次にどんな行動をするかとか。何より、俺だって諦めるような時に、とんでもない
>事をしでかすしな」
>だが、それがあるからこそリナ=インバースなのであり。
>だからこそ、リナ=インバースなのだと。
何というか。
すこんっと、自分の内側にはまってくれるような・・・読んでて「ああ、その通りね」って、す
んなりと何の違和感もなく納得しちゃう、というか。
感覚的に伝わってくるものがあって・・・う〜〜・・・上手く言葉で言い表せないぃ〜〜!!
(滝涙)
自分の持ってる感覚と近い、というのが・・・・一番適切でしょうか? この場合(何かえらそ
ーだよ・汗汗)

ところで。ゼロスによれば、獣王からガウリイたちも招待するよう言い付かってる、とのこと。
前にリナの居所をあっさり言ったところから、何となくそんな気配はありましたが。
う〜〜むむ・・・・一体、何を狙ってる? 獣王サイド・・・
しかも。確かカタートには、今回、あのミルガズィアさんもいるみたいだし。
リナばかりでなくガウリイたちをも迎えて、とは一体――
・・・謎はますます深まるばかり。
続きが気になって気になって、仕方がありません〜〜〜!!!(笑)

今回は、いつも以上に拙い感想となりましたが、ここまでお付き合い頂けたとしたら幸いです♪
それではまた。次回のUPを楽しみにしています(はぁと)

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3947金色の巫女〜鳴動編・5E-mail URL8/12-02:01
記事番号3744へのコメント
金色の巫女〜鳴動編


          5


 なし崩し的と言うか、なんと言うのか。
 半分は押し掛け状態とは言え、ゼロスの言う通りなのかは別として。
 道中は呆れるくらい平穏無事だった。
 多少の盗賊は否めないが、アメリアの正義の炎と。もしくは、意外にもゼルガディスを知っている輩があった関係で。大した事にはならなかったのである。
「この奥に、リナさんはいらっしゃいます」
 ディルス王国の首都ガイリア・シティ。
 そこから更に1日半ほど歩いた、寂れた村で食料を仕入れたのが。つい数時間前だった。
 以前にも立ち寄った事のあるそこは、カタート山脈に最も近く。されど、人間の距離ではと限定されるし。年がら年中魔族が押し寄せてくると言うわけでもないので、結構平和な村だった。
「この村で、ですか?」
 ゼロスの指し示す方角は、村の外れの方だった。
 しかし、その方角にはむき出しになった岩山が見えるくらいで。他には目印となるものさえないのだから。
 アメリアが不思議そうな顔をするのも、当然なくらい平和な村なのだ。
 道端で遊ぶ犬や猫達。屋根や木の上には小鳥が止まり、子供たちが路地で遊ぶ。
 この村では、子供の姿をした盗人高位魔族なんてものにあったことがある関係。あまり良い思い出のある土地とは言えないわけなのだが。
 そんな贅沢を言っていられるわけもなく、何よりも。
 リナがいる。
「正確に言えば、『竜達の峰』にほど近いですか。
 そんなに遠くはありませんので、歩きながらご説明しましょう」
 そう言って、ゼロスが先を歩き始めた。
 『竜達の峰』と呼ばれているそこ。
 一般的には「なぜか竜が集まって生息している所」と言うので一般的だが。その本当の事情を知っていたので、アメリアとゼルガディスには少々不思議な気がした。
 なぜなら、彼等にはすでに。そこにいる「意味」がないのだ。
 千年前に起きた「降魔戦争」のおり、魔王に滅ぼされた水竜王の「記憶」と言ったものが。次元の狭間で固定され。それ以来、「記憶」は「異界黙示録」として、訪れる者があれば記憶の奔流の中から望む知識を与えてくれる。その入り口の一つが、この場にあったから。彼等竜族はあえて魔王のお膝元として危険な大地である、この場にとどまっていたのだが。しかし、その入り口はすでにない筈なのだ。
「ひょっとして……『異界黙示録』の入り口に?
 でも、あれって無くなったんじゃ???」
 方角と大体の距離から言って、アメリアはそう検討をつけていた。
「ええ。ですが、今回はちょっと目的があって、別の場所へつないであるんです」
「別の目的? なにを企んでいる」
 ゼルガディスの声は、とことん不機嫌だった。
 信用できないと言うのが、まずある。
 この場で、仮に竜族が味方についたとしても。ゼロスを相手に勝てる可能性がまったくないからなのだ。
「ゼルガディスさんのお気持ちも判らなくはありませんが、僕は獣王様から何も聴かされていないんですよ」
 あくまでも軽い調子のゼロス。
「それで、どこにつながっているんですか?」
 アメリアの言葉に、それでもゼロスはペースを崩さない。
「それは、行けば判ります。
 さあ、どうぞ。皆さん」
 案内されたのは、荒涼とした岩場。
 記憶が薄れていなければ、そこはかつて訪れた場所であるはずだった。
 いまだ、そこにはかつての戦いの跡が生々しく残っている。
 ここで、ある高位魔族は倒され。そして、ガウリイがさらわれた。
「お前はいかないのか? ゼロス。
 まさか、何かの罠でも待っているとか言うか?」
「ええ。僕には別の用事がありますので」
 ゼロスが来ないと言うことで、アメリアには不安が隠せない。
 別に、一緒にいる方が不安要素は高いことも。あるかも知れないが。
「ゼロスさん、本当に罠でもあるんじゃないですか?」
「まあ……。
 皆さんがどう思われようと構いませんが、僕は何もしていませんよ。
 それに、そんなにヒマでもありませんしね」
 なんていいつつ、わざわざ徒歩での道のりに。律義にも付き合ってきたのは。当のゼロス自身である。
 ただし、深夜。三人が眠っている間に、ゼロスが宿から抜け出していたとしても。感知できたかどうかは判らない。
「それに、どちらにしても。
 この先へ進まないと。リナの所へは行けないんだろう?」
 ガウリイはすでに、誰も見てはいなかった。
 岩の壁。どう見ても単なる壁である。
 けれど、その周囲にある緑も。荒涼とした岩場も。
 ゼロスも、アメリアも、ゼルガディスも、ガウリイの瞳には映っていなかったのかも知れない。
「その通りです」
 三人は。
 当然剣士としての腕は評価している。けれど、人間として本能的にすごいと。ガウリイを思う時がある。
 そう、今の様に。
 まずは何をすれば。どうしたら一番良いのか、本当によく理解する。
「別に、リナさんが出ていらっしゃるまで。お待ちになるとおっしゃられても構いませんが、いつ出てくるかも判りません。明日なのか、明後日なのか……。
 もし、一刻も早くリナさんにお会いしたいとおっしゃられるのであれば。こちらから出向くより他ありません。
 強制をしてはいけないと言われていますから、僕に出来るのはこれだけですがね」
「て事は、リナさんは一生出てこない事も……?」
 四人の前には、ただのむき出しになった岩の壁が広がっている。
 記憶より山の形が変わっているが、それは彼等の問題でも責任でもない。
 だが、かつては一歩壁に踏み出せば。
 壁に顔をぶつけることなく、別の世界へ入り込むことが出来たのだ。
「さあて。どうでしょう?」
「所で、以前ミルガズィアさんは『中は迷路となっている』と言っていましたけど。この中も、やっぱり迷路になっているんですか?」
 その解説を、口や文章と言った「言葉」で説明するのは難しい。
 心と思いが交差する世界。
 そう。そこはすでに『別世界』と呼んで相応しいものだった。
 とことん無茶苦茶に言ってしまえば「強気が勝利」な世界なのだ。
「そうですね。もしかしたら多少は迷路になっているかも知れませんが、僕も入ったことはありませんから。普通の迷路程度だとしか思えませんけど。
 まさか、皆さんを倒すためだけに。ここまで手の込んだ事をするほど、獣王様やミルガズィアさんもヒマではないと思えませんねえ。
 ……ま、リナさんが相手ならば。判りませんけれど」
「フツーと言われましても……」
 洞窟などの狭い場所では、広範囲で攻撃力の高い呪文を使うことが制限されてしまうのは。当然の如く自明の理である。
 以前、その身をもって経験した面々は。嫌な予感がしてならない。
 無論の事、範囲が狭くて攻撃力の高い呪文とて存在はする。呪文のストックもある。だが、気分的な違いも。そこには含まれる。
 気の迷いは、実力を半減させるから。
「この中については、僕も詳しい話を聞いておりませんし。何より、獣王様から硬く立ち入り禁止を仰せつかっていますから。
 では、失礼しますよ」
 そう言って、ゼロスは姿を消した。
 後に残ったのは、人間達三人のみだった。
「ガウリイさん?」
 アメリアの声には、心配そうな雰囲気が含まれていた。
 それだけ、ガウリイがリナを心配していることを示しているのだろう。それは判る。
 だが、それだけとは思えない「なにか」がある様な気がしてたまらないのだ。
「二人は、どうするんだ?」
 声は虚ろだった。もしかしたら、自分が今。なにか言葉を口にしたことさえ、記憶していのかも知れないのだ。
「そうだな。ここで待っていたところで、仕方あるまい?」
 気づいているのかいないのか、ゼルガディスの声は平坦である。
 それとも、ゼルガディスも同じなのだろうか?
「ガウリイさんは、どうするつもりなんですか?」
「俺か?」
 そこまで来て、初めてガウリイが。
 アメリアと、ゼルガディスを。
 見た。
「俺は……」
「聴くまでもないだろう、アメリア」
 いい事なのか、悪いことなのかは判らない。
 ただ、いつもならば。冷静ならば、そんな事はあっさりと判ったはずなのだ。
「……そうですね、あたしが馬鹿でした」
 アメリアは忘れていたのだ。
 実際とか本当の所とか、表面上とか表向きとかは別として。
 例え自称でも、本人の心中はどうでも。
 ガウリイの「自称保護者」ぶりと言うのは、魔族でも有名だった。
「ガウリイさんが、行かないわけありませんよね……」
 アメリアの台詞に、ガウリイがうなずいた。
 そして、三人は歩を進めた。
          ◇
 アメリアの目前に、明るい光にあふれた庭園が。
 広がっていた。
 見覚えのある庭。その向こうには白亜の建物。
 周囲には六本の柱が、中央にある城を取り囲んでいる。
 柱をつなげると、ちょうど六亡星を描くように配置されている。
 更に、中心にある城とは棟をつなげ。赤の竜神スィーフィードを奉った神殿がある。
「そんな……あたし、どうして!?」
一、 二歩。
 アメリアは後ろに下がった。
 今の今まで、アメリアは遠く離れた土地にある。暗い洞窟を歩いていた。
 そして光に包まれ、気がついたらここにいたのだ。
 そこは、アメリアにとって。極当たり前に記憶のある。馴染み深い場所だった。
 沢山の思い出もある。
「アメリア様、支度が出来ました」
 聞き覚えのある声に、アメリアは背中に冷水を浴びせられる様な感覚を。
「じいっ!?」
          ◇
 ゼルガディスは、煽られる熱風にさらされながらも我が目を疑った。
 目前に広がる光量。
 血と、火と煙り。
 未だ炎を上げ続ける町。逃げ惑う人々。ただし、何の罪もない一般人ではない。
 残虐と悪逆を繰り広げている。正確には繰り広げていた集団に過ぎない。
 その中で、一体なにが出来たというのだろう?
 立ち尽くす以外に。
「ゼルガディス様、大方は終わりましたが。
 残念ですが、目的のものはなかった様です」
 声をかけられて。
 ゼルガディスの全身が震えた。
 決して、忘れた事などない声を。
「ゼルガディス殿、こちらも終わりましたぞ」
 信じられない面持ちで、ゼルガディスは振り返った。
 ゆっくりと。


続く

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3970Re:金色の巫女〜鳴動編・5松原ぼたん E-mail 8/12-22:48
記事番号3947へのコメント
 面白かったです。

> 道中は呆れるくらい平穏無事だった。
 うわ、不気味。
>「この村で、ですか?」
 竜と獣王と一緒に?
>「ええ。ですが、今回はちょっと目的があって、別の場所へつないであるんです」
 器用な・・・・。
> とことん無茶苦茶に言ってしまえば「強気が勝利」な世界なのだ。
 アメリア勝てますね。
> ガウリイの「自称保護者」ぶりと言うのは、魔族でも有名だった。
 それってまずくない?

 本当におもしろかったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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4131金色の巫女〜鳴動編・6E-mail URL8/20-23:21
記事番号3970へのコメント

         6


 アメリアは、困っていた。
 何も出来ないまま、どうする事も出来ないまま。数日がすぎている。
 すべてが懐かしくて、すべてが居心地が良くて。あんまりにも。
 退屈で、しかたがなかった毎日。何の変化もない時代を、思い出させる世界。
 捨てたくて、逃げ出したくて仕方がなかったのに。今。
 帰りたい。
「最近、元気がないようだのう? アメリア」
「父さん……いえ、そんな事は」
 城にいる間に、父であるフィリオネルも。王女であるアメリアも公務が忙しかった。
 王族だから。
 それは、国の代表であり。民に支えてもらっている故の仕事。
 王女だから。
 現王である祖父が、病気で寝込んでさえいなければ。
 王の子として。
 もう少しくらいは、楽になったのかも知れないが。
 それが、王族。
 現王が退位するなり、何かしらの変化がない為の自由。
 感謝はしている。
 父が王になれば、姉が不在のために。アメリアが第一王女代行として、今よりも更に仕事。公務をこなさなくてはならない。
 カゴの鳥。
 閉じ込められた生活を、怨むのは仕方がない。心だけでも外へ向いてしまうのは。
 父の弟。アメリアの叔父達に、公務を任せる事に感じる不安。
「アルフレッドも心配しているぞ?」
「そうですか……アルフレッドが」
 今、王位継承権を持つ存在は。何人かいる。
 一位がアメリアの父、フィリオネル。もし彼が王位を継げば、継承権はアメリアと。姉であるグレイシアに移るだろう。
 二位がフィリオネルの弟で、クリストファ。昔から、表面上は兄に従う様に控えているが。実は王位を狙っているのは公然の秘密である。
 三位がフィリオネルのいとこでランディオーネ。神官でもあるが、彼もまた。王位を狙う一人だ。
 だが、ここに決定的な違いがあるとアメリアは思っている。
「クリスやランディも心配している。なにか悩みでもあるのなら、申してみるが良い。この父に」
 アメリアの中では、すでに叔父達もいとこも存在しないはずだった。
 かつて、凶暴な魔道士がいると噂を流し。父を暗殺しようとしたランディ。
 かつて、セイルーンを支配しようとした魔族に。操られたアルフレッド。
 そのアルフレッドの言いなりとなったクリストファ。
 彼等はすべて、リナの存在によって消滅したはずだった。
 でも、生きている彼等。
 判断も行動も、アメリアには出来なかった。
 ここが過去の世界で、親族達が罪を犯す前ならば。罪を未然に防ぐことが、アメリアの使命と考えることも出来るだろう。だが、もしこれが魔族の罠であるならば。こんな所でぐずぐずしているわけには行かない。
 一刻も早くリナの元へたどり着かなくてはならないと言うのに。
 それがもどかしくて、どうしようもなくて。
 アメリアは、困っていたのだ。
 だけど、幾ら敬愛する父相手でも。そんな事は言えない。
 よくて病気扱い。悪くて反逆者にされてしまう。
 それに、これが本物の父ではない。本当の世界ではないと言う可能性だってあると、否定しきれないのが哀しい。
 他にも、困った問題は持ち上がっていた。
 最近、近隣諸国で冷たいにらみ合いが続いているのが。一番の問題だった。
 だからと言って、別に今すぐ戦争と言うわけではない様だが。だからと言って、放っておいて平気と言うわけには行かない。特に、白魔術都市であるセイルーンは、大国故にいの一番に狙われる可能性も高い。
 内から外から、セイルーンには敵がいっぱいで。
「ありがとう、父さん。でも、あたしの心配は諸国の事だから……」
 アメリアは自覚していた。
 ゼルガディスは、かつて王家にも届く程に名前の知られた。凶悪で、極悪な犯罪者と言われていた。アメリアとて、そんな極悪人が目の前に現れたら、怖いけど正義の名の元に打ち倒そうと考えただろう。
 だが、実際に会ったゼルガディスと言えば。聞いていたのとは違っていた。
 人間らしくない様な、とことん人間らしいような。
 とにかく、噂を信じて。ゼルガディスを決め付けていたのは誰でもない、アメリア自身だった。
 ゼルガディスは、知識が豊富で頭が良すぎたので。周りの人間はついていけなかっただけなのだ、ゼルガディスが合成獣だと言うことも含めて。
 でも、リナは違った。
 頭が良すぎて魔法おたくで、剣技の腕もあるリナは。外見や過去に捕らわれる事なく、完全に一人の人間として受け入れていた。
 ……多少は茶目っ気も入っていただろう事は。否めない事実だが。
 その為にゼルガディスも変わったし、アメリアも変わった。
「そうか? なら、良いがの……」
 今のアメリアは、昔のアメリアではない。
 王宮にいた頃の、リナに出会う以前は。確かに「正義」を振りかざしてはいたものの。上流階級に潜む。見えない部分での、水面下における鞘当てにも気を使っていた。
 馬鹿正直とも言える父の為。それはアメリア自身にも身についた処世術でもあった。
 だから、上流階級に生まれた者は「子供」を知らない。
 普通なら「子供の頃」と呼ばれるすべてを、彼等は「過去のもの」と呼ぶ。
 だけどリナ達と出会ってから。ゼルガディスが「表情」を見せるようになった様に、アメリアは「子供」を得た。
 本来得られぬはずの。
「その事についてなのだが、知っておるか? アメリア。
 最近、国境沿いに起きたことを」
「いえ」
「奇妙なことが、起きていると聞く」
           ◇
 ゼルガディスにとって、待つのは苦痛ではなかった。
 どんなに大事だと、周囲が騒いでも平気だった。
 部下の一人が感心していたのだが、ゼルガディスは苦笑するだけだった。
 リナ達と旅を続けていた時に比べれば、盗賊団が多少抵抗したからと言って。何の障害にもならなかった。
 獣人や人間が束になってかかってきたからと言って、中流魔族相手に対等に渡り合ってきたゼルガディスの敵ではない。
「ゼルガディス殿、なにかありましたか?」
「ロディマス……か」
 老騎士ロディマス。
 実際の年はそうでもないが、同年代の者より何倍もの腕力や体力はある。
 だが、ゼルガディスの中ではすでに死んだ存在。
 見るたびに泣きたくなるが、そう言うわけにも行かない。
「いや」
 時を重ねる度に思った。
 あの頃へ帰れるならば。
 でも、それは今までの生き方を否定することになる。
 苦しくて大変で、死すら感じることもあった。
 主に敵のない時。
 パーティの最大の導き手はリナだったが。魔族よりも恐ろしい相手もまた、リナだった。
 およそ手加減と言うものをしない、いつでも全力投球のリナに付き合うのも大変だが。最大の難関は、敵に回る事。
 一度だけ戦った時は、リナの不調で事無きを得たが。
 もしも、今。命をかける勝負を行ったとしたら、それが出来たとしたら。
 まあ、有り得ないが。やりたくないと心底思う。
 だけど、今。
 魔剣士と呼ばれ、常に危険に会うようになって。
 あれだけ願って。望んでいた現実があると言うのに。素直に喜ぶことが出来ないのは。
 なぜなのか。
「最近、その様な顔をされることが多くなりもうした。
 何か心配事でもあるのでは?」
「顔……?」
 許してはいけない。
 生きたいなら。
 優しくしてはいけない。
 勝ちたいなら。
 甘やかしてはいけない。
 戻りたいなら。
 気を抜いてはいけない。
 帰りたいなら。
「顔……か」
 一人では駄目だ。
 出来ることは少ないから。
 誰かなんて必要はない。
 そこに望むものがある限り。
 なんでも一人でやろうとするな。
 出来る事は限られる。
 他者なんて踏みつけろ。
「ゼルガディス殿?」
 そして、何が残るの?
「いや、なんでもない」
 ゼルガディスの記憶の中で、アメリア。ガウリイ。リナの顔が瞬いた。
 冷酷な魔剣士に、何が残るのかを知らない。
 だが、今ならば。
 何か残るのではないかと、信じられた。
「ゼルガディス殿?」
「ゾルフからの連絡はまだか?」
 もし、記憶のまま物語が進むのであれば。
 賢者の石を探す今、魔道士ゾルフが朗報を持ってくる筈なのだ。
 そして、記憶の通りであるならば。
 もうすぐ、リナに会える。
「ゼルガディス様、ゾルフの侵入先は盗賊団でしたよね?」
「そうだが?」
 部下の一人の表情を見て、ゼルガディスはこれまでは記憶に誤りがない事にほっとするが。何かしらの予感めいたものが起きる。


続く

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4140Re:金色の巫女〜鳴動編・6是羅 E-mail 8/22-01:51
記事番号4131へのコメント
こんにちは。それと、はじめまして。
是羅と申す者です。
小説を拝見させてもらいました・・・。


>「最近、元気がないようだのう? アメリア」
>「父さん……いえ、そんな事は」

元気がないアメリアは珍しいですね・・・
いつもなら元気は人一倍あるのに・・・・(汗)

> ゼルガディスは、かつて王家にも届く程に名前の知られた。凶悪で、極悪な犯罪者と言われていた。アメリアとて、そんな極悪人が目の前に現れたら、怖いけど正義の名の元に打ち倒そうと考えただろう。

昔はゼルは悪人でしたからねぇ・・・・
今はいい人ですけど・・・。

> ゼルガディスは、知識が豊富で頭が良すぎたので。周りの人間はついていけなかっただけなのだ、ゼルガディスが合成獣だと言うことも含めて。

合成獣ってどうやったらなれるんでしょうか・・・?

> でも、リナは違った。
> 頭が良すぎて魔法おたくで、剣技の腕もあるリナは。外見や過去に捕らわれる事なく、完全に一人の人間として受け入れていた。
> ……多少は茶目っ気も入っていただろう事は。否めない事実だが。

うーん・・・少し所ではないような・・・・・(汗汗)

とても良い小説でした♪ 続きをたのしみにしています。

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4169『5』&『6』の感想です♪Shinri 8/24-00:02
記事番号4131へのコメント
”こんにちは” Mさま♪ 相変わらず鈍亀ペースから脱し切れないShinriです。
いつもいつも長い感想ばかりで、申し訳ありません(滝汗) 
ですが、それに対して、決して「返事返せなくて申し訳ない」とか思わないで下さい(あせっ) 少なくとも自分は、目を通
してもらえてさえいれば、それで十分なのですから。
それよりも続きをUPして頂く方が私も、そして他の読み手の方々にとっても。何倍も嬉しいことだと思います。

能書きはこれくらいにして。今回の『5』と『6』の感想に・・・

舞台は『竜達の峰』――あの、「異界黙示録」へ繋がる入り口に(今回は別の場所に繋がってるけど)
何か因縁ってカンジ。しかも。そこから先は、ゼロスは一緒は行かないと・・・。
ますますもってアヤシいなぁ。何があるって言うんでしょう?

「異界黙示録」への入り口前での、彼らのやり取りを見てて。
ふと浮かんだのが・・・・日本神話の『天の岩戸』の話。さしずめ、リナがアマテラスといったところですね。
――変なコト言い出してゴメンなさい(汗) でも何か、妙にあれと重なる印象を受けたもんで。
あの話で。アマテラスを岩戸の外に引っ張り出すために、アマノウズメが岩戸の前で踊ったように。
ガウリイたちもまた、リナに会うために洞窟の中へ進む。
果して、あの訳の判らん迷路のような空間を抜けて、無事リナの元へ辿り着けるのか。辿り着いたとしても、リナは彼らに会
ってくれるのか。
問題は山積みだけど、それでも行くしかない。そして、そのことを一番よく理解してるのが、ガウリイ・・・と。
本当に、彼って「人間として本能的にすごい」なと思います。こと、リナに関することになると特に・・・良くも悪くも「自
称保護者」は伊達じゃない(しみじみ)
ただ。そうなると余計に疑問に思えてくるのが、例の『裏切り』の件なのですが・・・本当なのかなぁ?

洞窟の中でのアメリアとゼル。どうやらリナと出会う前の時間へと戻されてるようですね(また勘違いだったりして(^^;)

リナと出会う前のアメリアは、確かにある意味では今よりも「大人」だったかもしれない。そうしなければならない環境に彼
女は在ったから。
王家という「カゴ」の中に――そのことに今回、改めて気付かされました。
だとしたら。アメリアにとってのリナとの出会いは、そうした「カゴ」の中から飛び立たせてくれるきっかけだったのかもし
れない。
リナと旅をし数々の災難(笑)に巻き込まれる代わりに、彼女は新しい価値観を得、本来得られない「子供」を得た・・・
それは王宮内の暮らしでは、まず不可能だったはず。
その意味では、アメリアにとっても、リナは大切な失いがたい存在なのだろうと思います。

そしてゼル。彼の方は、自分がどうやら過去にほうり込まれたらしい、ということをある程度自覚している模様。
だから、アメリアよりも大分冷静。けれど。やはり困惑と屈託は付きまとっている。
アメリア同様、どこかでこの過去の時間に戻りたい、帰りたいと願う心が、ゼルの中にもあって・・・でも。いざ帰ってみる
と違和感を禁じ得ない。
――そんなところでしょうか。
でも、それは仕方のないこと。既にリナと出会い共に旅して、ゼルの中に少なからず変化が生じてることを思えば・・・
最も。ゼルは、これから起こる出来事を思い、恐れと同時に期待をも抱いているみたいですが。

アメリアとゼル。今、この二人の置かれてる状況は・・・例の3つの質問に関係してそうですね。
まだ具体的なことは判らないけど(^^;
もしそうだとしたら。ゼルやアメリア同様、ガウリイも現在同じような状況下にあるのでしょうか?

努力はしたんですが、やっぱりこの長さになってしまいました(^^;
ここまでお付き合い頂けたとしたら幸いです。アンド、ごめんなさい(涙)
それでは今回はこの辺で。次回のUP心待ちにしております♪

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4182Re:『5』&『6』の感想です♪E-mail URL8/24-21:56
記事番号4169へのコメント
>”こんにちは” Mさま♪ 相変わらず鈍亀ペースから脱し切れないShinriです。
こばにゃ!(しゅた)

>いつもいつも長い感想ばかりで、申し訳ありません(滝汗) 
とんでもありません。うれしいですよん♪

>ですが、それに対して、決して「返事返せなくて申し訳ない」とか思わないで下さい(あせっ) 少なくとも自分は、目を通
>してもらえてさえいれば、それで十分なのですから。
・・・てれてれてれ

>それよりも続きをUPして頂く方が私も、そして他の読み手の方々にとっても。何倍も嬉しいことだと思います。
はうっ!(><)
そ・・・その件に関しては、極力善処させていただきたい所存で・・・あ、りま・・・・・・・・す(汗)
>
>能書きはこれくらいにして。今回の『5』と『6』の感想に・・・
はーい(ぴょこたん)
>
>舞台は『竜達の峰』――あの、「異界黙示録」へ繋がる入り口に(今回は別の場所に繋がってるけど)
>何か因縁ってカンジ。しかも。そこから先は、ゼロスは一緒は行かないと・・・。
>ますますもってアヤシいなぁ。何があるって言うんでしょう?
ええとですねえ。先にバラすと、基本的に「精神世界により近い所」とでも言えばいいんでしょうか?

>
>「異界黙示録」への入り口前での、彼らのやり取りを見てて。
>ふと浮かんだのが・・・・日本神話の『天の岩戸』の話。さしずめ、リナがアマテラスといったところですね。
>――変なコト言い出してゴメンなさい(汗) でも何か、妙にあれと重なる印象を受けたもんで。
へえ・・・そうかあ。
初めてだなあ、んな事言われたの。
そうかあ・・・めもめも。

>あの話で。アマテラスを岩戸の外に引っ張り出すために、アマノウズメが岩戸の前で踊ったように。
>ガウリイたちもまた、リナに会うために洞窟の中へ進む。
>果して、あの訳の判らん迷路のような空間を抜けて、無事リナの元へ辿り着けるのか。辿り着いたとしても、リナは彼らに会
>ってくれるのか。
どうでしょうかねえ。
僕だったら、全部知っていたら。
どうするかなあ?
それでも・・・会うかも知れない。
お人好しらしいし・・・<自分で言うな(><)

>問題は山積みだけど、それでも行くしかない。そして、そのことを一番よく理解してるのが、ガウリイ・・・と。
>本当に、彼って「人間として本能的にすごい」なと思います。こと、リナに関することになると特に・・・良くも悪くも「自
>称保護者」は伊達じゃない(しみじみ)
ですねえ。
誰かが、以前「一番怖いのは、それと意識しない事。それを身体で感じる奴だ」と言った事があります。
もしかしたら、ガウリイに対する怖さと言うのは。そう言う事なのかも知れません。
ただ、ガウリイは「それ」を相手に感じさせない部分があるような気がして。だから、よけいに怖いのかも知れないなあ・・・。

>ただ。そうなると余計に疑問に思えてくるのが、例の『裏切り』の件なのですが・・・本当なのかなぁ?
さて?(首傾げ)

>洞窟の中でのアメリアとゼル。どうやらリナと出会う前の時間へと戻されてるようですね(また勘違いだったりして(^^;)
うーん・・・。
本当の所は、どうなのでしょう?
>
>リナと出会う前のアメリアは、確かにある意味では今よりも「大人」だったかもしれない。そうしなければならない環境に彼
>女は在ったから。
>王家という「カゴ」の中に――そのことに今回、改めて気付かされました。
>だとしたら。アメリアにとってのリナとの出会いは、そうした「カゴ」の中から飛び立たせてくれるきっかけだったのかもし
>れない。
原作でも、同人誌でも触れる人はいない。少なくとも、僕の見た中ではなかった。
もしかしたら、それはあえて書く必要が無かったからかも知れない。
けど、あえて書いてしまった。
まあ・・・そう言う性格だから、僕は良い感情を持ってもらえない場合があるのだろうけど(苦笑)

>リナと旅をし数々の災難(笑)に巻き込まれる代わりに、彼女は新しい価値観を得、本来得られない「子供」を得た・・・
>それは王宮内の暮らしでは、まず不可能だったはず。
>その意味では、アメリアにとっても、リナは大切な失いがたい存在なのだろうと思います。
ガウリイにとって、リナは「世界を照らした」人。
ゼルにとって、リナは「世界を回した」人。
アメリアにとって、リナは「世界を開いた」人なのかも知れない。
と思う事もありますが、本当の所は判りませんねえ。
真実は神坂(原作者様)氏のうちにあり。すべてはL様の名kにありって所でしょうかねえ?
>
>そしてゼル。彼の方は、自分がどうやら過去にほうり込まれたらしい、ということをある程度自覚している模様。
伊達に不幸にはまみれていませんから☆

>だから、アメリアよりも大分冷静。けれど。やはり困惑と屈託は付きまとっている。
>アメリア同様、どこかでこの過去の時間に戻りたい、帰りたいと願う心が、ゼルの中にもあって・・・でも。いざ帰ってみる
>と違和感を禁じ得ない。
>――そんなところでしょうか。
そんな所です。
彼は、いつでも「後悔」しないように生きてきました。でも、それは努力して得ているものであって。絶対にしないわけではなくて。
だけど、それはこれまでの生き方を「否定」する事になってしまう。

>でも、それは仕方のないこと。既にリナと出会い共に旅して、ゼルの中に少なからず変化が生じてることを思えば・・・
>最も。ゼルは、これから起こる出来事を思い、恐れと同時に期待をも抱いているみたいですが。
これまでの人生を否定する事は、すでにゼルには出来ません。
だって、少なくとも今の自分自身をゼルは嫌いじゃないですから<僕の中ではね。
>
>アメリアとゼル。今、この二人の置かれてる状況は・・・例の3つの質問に関係してそうですね。
>まだ具体的なことは判らないけど(^^;
>もしそうだとしたら。ゼルやアメリア同様、ガウリイも現在同じような状況下にあるのでしょうか?
どうでしょう?
やはり先にバラしますが、その下りは出てきません。
だって・・・怖いんだもん(涙)
>
>努力はしたんですが、やっぱりこの長さになってしまいました(^^;
>ここまでお付き合い頂けたとしたら幸いです。アンド、ごめんなさい(涙)
>それでは今回はこの辺で。次回のUP心待ちにしております♪
はい〜♪
いつもありがとお(^^)

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4142恋は知らない。でも、愛なら知ってるから8/22-08:38
記事番号3744へのコメント
タイトルの意味なんて、考えないでください(^^;
「おはようございます」
小説を読んでくださる方、感想をいただける方がいらっしゃると。「つい」、続きをUPしたくなる衝動にかられます。
もちろん、皆さんの読むスピードなんて完全無視ですが(苦笑)<いいのか、それで・・・
最近、あんまり愉快ではない事があったりして。ちょっと気落ちしてるこの頃ですが。
皆さんはいかがおすごしでしょうか?

では、マルチレス行きます。

○shinri様
 いつも、長く細かい感想をいただいて。ありがとうございます。
 レスを返せなくて申し訳ないと思っていると、「レスは要らないから続き書いて(はあと)」と言う貴方のおかげで、なんとかまだ続きを書いています。
 単純ですね(笑)
 とてもありがたいと思っています。
 けど、これからも続きは書いてもなかなかレスは返せないでしょう(自爆)<宣言するな!
 金色の巫女シリーズは、スレのシリーズの中でもなかなかの大物(になってしまった)ので、更に某学園でおつきあいをいただく事になります。
 ええ、僕が僕でいられる限りはね☆

○松原ぼたん様
 先日の某所チャットでは、楽しかったですね。また、お会いしたいものです。
 あなた様が、いつもすんなりと。感想をいただける事がとても嬉しいものだと、今朝から痛感しております。
 済みません。寝起きなので、何書いてるか判りません(涙)
 僕はリナやガウリイに「幸せになって欲しい」人種ですので、もしかしなくてもそろそろパターンとなっているだろうとは思いますが。
 そうしたら、済みません。
 カップリングって、「欲望」を成就させる為には必要不可欠なものだろうと思いますけど。
 皆さんは、ご自分の大好きなキャラクターに「不幸」になって欲しいものなのでしょうか?
 少し。最近の、こちらの動向を見て思いました・・・。
 ああっ、済みません。完全に愚痴ってますぅぅぅぅぅぅっ!!(汗)

○是羅様
 始めまして、感想ありがとうございます。
 僕は某学校で猫とかやってます。これからもよろしくお願いいたします☆(深々)
 なかなか感想返せないヤツですが、見捨てないでいただけたら。とっても嬉しいと思うの(はあと)

>合成獣のつくりかた

 うみゅ。これは、ちょっと特殊な装置とか薬品とかが必要なんですが。
 一般的には(どこの一般的だよ)、まずベースとなるゼルガディスを「生命の水」に浸します。
 入れ物は、合成獣専用の。チューブのついたものです。
 チューブの先には、ブロウ・デーモンとロックゴーレムの「付随させたい部分」が入っています。
 そして、装置のスイッチを入れましょう。
 かたことと待つことしばし。
 これで合成獣の出来上がりです☆

 ・・・・・・半分は嘘です(^^;


こうやって、何人かの方から感想を送っていただけると。
「きっと、本当はもっと沢山の方が見てくださっているのだろうな」と思います。
実際、某所ではカウント数が見られる訳ですし。
感想なんてすごいものじゃなくて「見たよ」って一言だけでも、とっても嬉しいと思っています。
お返事を返せないが、とっても心苦しいけれど(涙)
けど、shinriさんみたいに「返事はいいから続き書いて」って言われると。とっとと続きをUPしたくなります。
だってぇ〜単純なんだもん☆
仕事をやめてしまって、電脳世界で小説ばかり書いていられたら。それはそれで結構幸せで、精神的には楽だけど。
現実世界で生きる肉体をまとっている以上、生きて行かなくてはならないから。
そう言う意味では、結構不便なものかも知れません。
でも、もし今。某魔族の方々がスカウトに来たとしても、きっと行かないんだろーなーと考える自身がいます。
だって、「永遠」なんて欲しくないから(苦笑)
生きる事は辛くて、本当に哀しくて。時には涙を流す権利さえ与えられない事もあります。
でも、それ以上に楽しくて嬉しい事も沢山あります。
こうして感想をもらえる時とか、返事はいいから続きを書けって促される時とか。
そして、直接。皆と会える時。
今日はこれからオフ会だから、もしかしなくても興奮しているのでしょう。
とりとめのない文章の嵐でした。ごめんなさい。
では、人生を謳歌して来ます♪

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4183金色の巫女〜鳴動編・7E-mail URL8/24-22:43
記事番号4142へのコメント




ゼルガディスの中に湧き起こる。
 正体は不安。
(いい勘してます、ゼルガディスさん)
 『今』は、本来有り得ないはずの記憶。されど、「今」だからこそ有り得る記憶。
 何かしらの混濁。記憶の復活。
「いえ、噂を聞いたんですけどね。最近、謎の女が西から、盗賊団を軒並みつぶしているって言うんですよ」
「魔道士なら、それも可能だろう」
 決して簡単とは言わないが、この頃のゼルガディスでも可能なのは確かだった。
 リナは、それこそ数えるのも忘れるくらいの盗賊団を潰すことで。実戦経験を作ってきたのだから。
「それが、どうやら魔道士ではないらしいんです」
「魔道士では……ないっ!?」
 ゼルガディスの知る限り、リナは三度の飯や盗賊いじめと同じくらいの魔法おたくであり。趣味の為ならば、どれだけの被害を呼んでも構わないと言う場合がある。
 少なくとも、ゼルガディスはそう思っている。
 ただし、やはりゼルガディスの知る限り。生きている人間を、自ら殺そうとした事はないが。
 例え山を吹き飛ばし、湖を凍り付かせ。谷を生み出し、橋を落とそうと。
 それに、剣技だけで盗賊団を潰すのは難しい。
「何者だ、それは」
「はあ……。ガセだとは思いますけど、それは女で。しかもウェイトレスだとかなんとか……」
 言葉なく、ゼルガディスは考えた。
 普通ならば、誰だとて考えることなど出来ないだろう。これまでに悪人と同じ様に、一笑の元に記憶から削除したことだろう。ましてや、あの頃のゼルガディスならば。
 実際、女魔道士リナ=インバースの噂を聞いた時だとて。半信半疑でしかなかった。
 大の大人でも、悪人を相手にするには。とんでもない経験と勘。そして、魔術であるにせよ。剣術であるにせよ。相当の腕を必要とする。それを、まだ子供と呼んでも差し支えない魔道士が。それもたった一人で行ったと聞けば、普通は信じない。
 おまけに、今度は魔道士ですらない。ウェイトレス姿の女。
 残念なことに、ゼルガディスには思い当たる節があった。
 無敵の自称「天才美少女魔道士」であり。剣士としての腕も、まあ一流。
 盗賊キラー、金色の魔王がバックについた女。サイラーグを二度滅ぼした女。セイルーンを滅ぼしかけた女。ドラまただのと、数々の異名を取るリナが。
 世界で唯一苦手とする存在。
 だが、それは残念な事に魔族でも魔王でもなく。神族でも賢者でも、王族ですらない。
 リナの実の姉。実家のあるゼフィーリアでウェイトレスのバイトをしている。
 ルナ=インバース。
 かつて、異界黙示録がリナに語ったと言う言葉が正しければ。ルナは千年前の降魔戦争で戦ったと言う神の側である水竜王の力の。具現化した存在で、それ故にかなり強い。
 確かに、ルナならば盗賊団など道端の小石すら思わないだろう。
「ゼルガディス様……?」
 だが、それが判ったからと言って。何一つ問題が解決していない事も事実。
 それ所か、不確定因子が増加する事によって。ゼルガディスには導き出される、答えがある。
「とにかく、ゾルフからの返事を待つ……」
 恐れているのだろうか。予想が当たってしまうことを?
 考えた事がないとは言え、それはあくまでも漠然としたものでなくてはならないし。いざ、現実が目の前に立ちはだかると。
 更に感じ取る、一つの事実。
          ◇
 重苦しい沈黙が、部屋を満たしていた。
 今現在、祖父であるエルドランを除いた。王族全員が、揃っている。
「今日は、やけに機嫌がよさそうだね。アメリア。
 心配したよ」
 顔立ちは整っており、笑うと。目にも鮮やかな白い歯が輝く様な気がするが、実際にやるとしたら魔法でも使うしかないだろう。
 自意識と自尊心がやたらと強く、魔法の腕は二流半と言ったところだし。体術に至っては三流半である彼。
「ありがとう、アルフレッド」
 リナ=インバースは、彼をこう言った。
 悪役としては三流以下。
 今ならば、そう言ったリナの気持ちが。アメリアにも理解できる。
「でも、私は大丈夫。本当よ」
 人には、それぞれ持って生まれた分と言うものがある。
 アルフレッドもクリストファもランディオーネも。
 父であるフィリオネルに、それだけの力量があるのかと問われたら。
 正直を言えば、判らない。
 でも、親族であるが。彼等にはフィリオネルにあるものが足りなかった。
 確実に。
「本当に?」
 それは、カリスマと呼ばれたり運と呼ばれたりするもの。
 だが、どの様な手段で。どの様に願ったとしtも。時として得られず、時として押しかけて来るもの。
「ええ!」
 アメリアは、待っていた。
 どんなに離れた今、帰ることを望み。どんなに退屈で居心地が良くても。
 判っているから。
「私」
 アメリアは、はっきりと言った。
「これまでが違っていたの。元に戻っただけなのよ」
 驚いて、悩んで、困って。
 そうしてアメリアの出した結論は、開き直ることだけだった。
 幸いにもやることは大量にあったし、それに対応するだけで毎日が精一杯だった。
「アルフレッドには、判らないでしょうね」
 怪訝そうな顔をしたものの。アルフレッドは、それ以上の事を聞こうとはしなかった。
 そうである限り、アルフレッドは悪役として三流以下であるし。判らないだろう。
 でも、それでいい。
「でも私ね、貴方や叔父様達にもう一度会えて。
 嬉しかったのよ、本当に」
 呟きに変わったアメリアの言葉を。アルフレッドは聞いていなかった。
 それが、少し哀しい。
「兄上、お忙しいところをありがとうございます」
 最も上座にあるところは、現王の為の席である為に空席なのだが。
 上座右手には、フィリオネルが座っている。
 フィリオネルに話し掛けたのは、クリストファだった。
「どうしたのだ、クリストファ。わざわざワシらを集めて」
「はい。実は、腕の良い魔道士がおりまして。
 ぜひ紹介をと思いまして……」
 アメリアは、記憶の中に重なるものがある様な気がした。
「ほう?」
 今よりは未来の、アメリアの記憶の中。
 クリストファが王家の者を集め。
 そこで、魔道士を紹介したいと言う。
 その魔道士はクリストファの古い知り合いで、名前を……。
「カンヅェル」
 がた。
 アメリアが立ち上がったのと、扉が開いたのは同時だった。だから、誰もアメリアをとがめる様な事を言わなかったから、アメリアの顔が青ざめている事も。誰一人として気づかなかった。
 暗黒色の髪。肌。服。
 ほほの傷は、最初からそうだった。
 今なら判る。
 全身をからみつける、肌寒さ。気持ちの悪さ。
 隠そうとしても、決して隠し切れぬ。
 障気。
「はい」
 多くの戦いで、戦闘技術や駈け引きと言ったものが蓄積される様に。アメリアの巫女としての知覚能力もも増して行った、今だからこそ、判る。
 ましてや、一度は出会い。戦った相手ならば、そして。それが人間でないならば。
 忘れろと言うほうが無理なのだ。
「お初に、お目にかかります」
 アメリアは、己が甘かったことを知った。
 かつて、死んだ親族達が復活し。ありえない筈の時間が作られ始めている今。
 かつて倒された者たちとて、復活していると考えて当然なのだ。
「魔道士のカンヅェルと申します」
「うむ、フィリオネル=エル=ディ=セイルーンと申す」
 ある程度、強くなったりかしこくなったりすると。それに伴って、嫌な面までレベルアップしてしまうのだが。それすらも、アメリアには痛感せざるを得ない。
 すなわち、実力の違い。
「例えリナさんがいなくても、セイルーンを守らなくてはいけないんだわ。
 事件の真相が判っていても、まだ「起きていない」事件である以上。父さんに知らせたり、証明するには確実な証拠が必要」
 クリストファが王家に出入りする様になったからと言って、それをアメリアが「判っている」と言って、すぐに動くわけには行かなかった。
「リナさんが倒した時には、隙をついて倒すことが出来たけれど。まともにやりあって、勝てる相手ではないわ……」
 カンヅェルと会ってから一月がすぎて。それから、リナ達とであった。
 そして、事件は解決された。だけど今、それを待っていられる余裕がアメリアにはないのだ。
「じい、叔父様達の方はどうでした?」
 クロフェルを通じて、アメリアはカンヅェルと出かける事を誘った。ただし、誰にも内緒で。
「はい、知らせることなく。
 ……しかし、何故カンヅェルを?」
「今は、何も聞かないで下さい。
 とにかく、カンヅェルと出かけます。もし父さんにお客様が訪れたら、私が許可しますから父さんに通してさしあげてください」
「はい」
 もしかしたら、帰れなくなるかも知れない。
 アメリアは、心のどこかで感じていた。
 個人レベルでは、確かに。あの頃に比べればレベルは上昇しているだろう。しかし、それでも魔族を相手に勝てるだけの実力かと問われれば。
 残念だが、否だ。
 自分自身以外存在しないことが、不安に思える。
 身内ですら信じられず、かえって。ゼルガディスやガウリイの方がよほど信用して、安心していられる自分をみつけて。思わずため息をつきたくなる。
「お呼びですかな、アメリア姫」
 そう言えば、前回の時もカンヅェルを。自分一人だけで倒したくないと思ったのは、実力の違いもさる事ながら。あまりにもあからさまに人を馬鹿にした目をしていたものだから。
 気に入っていたのだ。
「ええ。ぜひカンヅェルさんに、セイルーンの街並みを案内してさしあげたくて」
「ほう……」
 カンヅェルが、馬鹿にした様に。目を細めた。
「それは、光栄ですな」
「馬車を用意してありますので、どうぞこちらへ」
 だけど、何よりもしなくてはならない事がある。
 今がいつで、ここが本当はどこであっても。自分はセイルーンの王女なのだ。
 ならば、セイルーンを守らなくてはならない。
 王女として。
 以前はカンヅェルの正体が掴み切れなかった事も手伝い、直接手を出すわけには行かなかった。だが、今回は最初から相手の正体も力量も判っているわけだし。実力を除いて、戸惑う理由がない。
「セイルーンが六亡星を、城壁で描いているわけですが……」
 何気ない町の説明を続けるアメリアだったが、カンヅェルがまともに聞いているとは初めから考えていない。まあ、どう見てもまともに聞いている様にも見えないわけだが。
「この、すぐ向こう側がセイルーン・シティの外になります。
 少し降りてみましょう」
 アメリアは自分から馬車を降りて、そのまま。御者に城まで帰るように命じた。
 何も知らない御者は、そのまま馬車ともども姿を消してしまう。
「何か御用ですか、アメリア姫」
 セイルーン・シティの外壁を過ぎて、人通りさえなくなった頃。
 先に口を開いたのは、カンヅェルだった。
「用があるのは、あなたではありませんか?」
 アメリアは、歩みを止めたりしない。
「今のあなた達が、何を企んでいようとも、あたしの正義の炎は揺らがないわ!」
 いつもの様にいつもの如く、アメリアは瞳に正義の炎を宿らせて宣言する。
 指を立てて。
「おやおや、一体なんの事でしょう?」
「カンヅェルさん。あなたがここにいると言うことは、魔竜王ガーヴも冥王フィブリゾも復活しているのでしょう。
 しかし、この世に悪がある限り。正義はそれを許さない。
 例えリナさん達に会えなくても、あたしは決してくじけないっ!」
 それまでは、人間を小馬鹿にする平気な顔で笑っていたカンヅェルだが。
 流石に、顔色を変えた。
「貴様……なぜガーヴ様の事を……」
 それは、この時間ではないアメリアだから。

 未来からの来訪。
 過去への邂逅。
 それ故の現実。
 でも、その先に待っていると信じているものがあるから。アメリアは、一人で立ち向かおうと思った。


続く