◆-覇王一家の団らん・・・?-ルビーアイ様(7/27-14:33)No.3628
 ┣Re:覇王一家の団らん・・・?-松原ぼたん(7/27-17:21)No.3632
 ┣Re:覇王一家の団らん・・・?-行成(7/29-03:46)No.3656
 ┗Re:覇王一家の団らん・・・?-みいしゃ(8/9-21:45)No.3912


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3628覇王一家の団らん・・・?ルビーアイ様 E-mail URL7/27-14:33

ここは覇王の神殿。そこの食堂で、ある二人の魔族が茶を飲んでいる。
一人は覇王将軍シェーラ、もう一人は覇王神官グラウである。

「覇王様、ちょっと遅いね。何してるのかしら?」
「色々と会議が延びているんだろう。気にすることはないさ。」

グラウは単と答える。主のすることに疑問を持つことはしない主義なのだ。
その点、シェーラは好奇心旺盛な性格で、何でも知りたがる。

「でも一体、何の会議なのかな?覇王様すごく深刻な顔してたけど。」
「うん。獣王様、海王様、冥王様と、全員集まるって言っていた。ひょっとすると・・・・」
「ひょっとすると、何?」

グラウは大きく息を吸い込み、シェーラに言う。

「降魔戦争、再び・・・・・かもな。」

その言葉にシェーラは驚く。確かに、腹心一同が集まるということはそれなりの理由があるはずだ。
魔王であるシャブラニグドゥの封印を解くことになれば、恐らく神との最終決戦となるであろう。

「もしそうなれば、私達にも戦いの機会が訪れるわね。」
「ふぅん。シェーラは戦いたいのかい?」
「私は将軍だもの。思う存分、剣を振るいたいわ。」
「剣を振るいたいねぇ・・・その前に、行儀作法の一つを覚えたらどうだい?女の子らしくさ。」
「フンだ!グラウなんか知らない!」

そんな二人の笑い声が聞こえるなか、覇王が帰ってきた。
すぐに立ち上がり礼をする二人。しばらくして、覇王の様子が少し変を気が付いた。

「はぁ・・・グラウ、茶を入れてくれ。今日はホンマに疲れてもうたわ。」

すぐに茶を用意するグラウ。覇王の様子から、よほど重大な会議が行なわれた事と想像が付く。
シェーラはどんな話しがあったのか、聞きたくてしょうがない。思い切って聞いてみる事にした。

「覇王様、本日の会議はどのような議題だったのでしょうか。」
「まさか、降魔戦争を再び起こすのですか?」
「はぁ?降魔戦争?何を言っとるんや、今日の議題はそんなんとちゃうで。」
「へ・・・では一体?」

今日の議題。
「誰の黒魔法が一番使われているのか。」
・・・・・唖然とするグラウとシェーラ。あんた達、集まってそんな事を話しとったんかい。

「結局、一番使われとるんは竜破斬(ドラグ・スレイブ)でな。まぁ、これは当然かもしれん。
でもって、二番目に使われとるんは覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)やったんや。」

覇王の黒魔法を使用する人が多いことに驚くシェーラとグラウ。意外・・・いや、当然のことだ、多分・・・

「そ、そうですか!それはおめでとうございます。ね、グラウ。」
「へ・・・あ、本当におめでたいですよ覇王様!ぜひとも祝いの席をしなければ。」

そう覇王に言うが、当の本人は何故か元気がない。むしろ落ち込んでいるようにも見える。

「覇王様。覇王様は嬉しくないのですか?ご自分の力なんですよ。」
「一体どうなされたのですか。覇王様らしくありませんよ。」
「嬉しいか・・・・それはそれとして、どうも腑に落ちんのや。」

そう呟くと、覇王はその悩みを語り出した。

「実はな・・・・・魔法を使う時って呪文の詠唱をするやろ。」
「普通はしますね。」
「ワイの呪文の詠唱って、『凍える魂持ちたる覇王、我に与えん氷結の怒り。』って言うやん。
でもな、ワイのどこに『凍える魂』があるっちゅうねん。」

「人間には、ワイの美意識が理解でけへんのかのぅ。もっと違う言い方があるやろう。
 覇王はかっこいいとか、強すぎるとか。」

目が点になる二人。答えようがないのである。

「ま、まぁ、覇王様。所詮は人間の知恵ですから、限界があるでしょう。」
「そうですよ。気になさらない方がいいのでは。」

二人の説得になってない説得に覇王は頷き、「もう寝る」と部屋をあとにした。

「しかし、四人集まって何を相談しているかと思いきや。」
グラウはため息をつきながら言った。

「じゃあ、もし覇王様がまじめ一徹だったらどうするの?」
「さあな・・・でもまじめな覇王様って、考えられないよ。いい加減だけど、嘘は言わない。それが覇王様さ。」
「そうだよね。そうじゃなきゃ、覇王様じゃないよね!」

二人の笑いが、再び部屋にこだまする。
こうして、覇王一家の団らんは、今日一日の幕を閉じるのでありました・・・・おしまい。

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3632Re:覇王一家の団らん・・・?松原ぼたん E-mail URL7/27-17:21
記事番号3628へのコメント
 面白かったです。

>ここは覇王の神殿。そこの食堂で、ある二人の魔族が茶を飲んでいる。
 へーわですねぇー。
>「降魔戦争、再び・・・・・かもな。」
 それは凄い。
>「はぁ・・・グラウ、茶を入れてくれ。今日はホンマに疲れてもうたわ。」
 何弁?
>「誰の黒魔法が一番使われているのか。」
 をを、それは重要(笑)。
> でもな、ワイのどこに『凍える魂』があるっちゅうねん。」
 いえてるかも。
>こうして、覇王一家の団らんは、今日一日の幕を閉じるのでありました・・・・おしまい。
 やっぱり平和ですねー。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3656Re:覇王一家の団らん・・・?行成 7/29-03:46
記事番号3628へのコメント
ルビーアイ様さんは No.3628「覇王一家の団らん・・・?」で書きました。
>ここは覇王の神殿。そこの食堂で、ある二人の魔族が茶を飲んでいる。
>一人は覇王将軍シェーラ、もう一人は覇王神官グラウである。
>
>「覇王様、ちょっと遅いね。何してるのかしら?」
>「色々と会議が延びているんだろう。気にすることはないさ。」
>
>グラウは単と答える。主のすることに疑問を持つことはしない主義なのだ。
>その点、シェーラは好奇心旺盛な性格で、何でも知りたがる。
>
>「でも一体、何の会議なのかな?覇王様すごく深刻な顔してたけど。」
>「うん。獣王様、海王様、冥王様と、全員集まるって言っていた。ひょっとすると・・・・」
>「ひょっとすると、何?」
>
>グラウは大きく息を吸い込み、シェーラに言う。
>
>「降魔戦争、再び・・・・・かもな。」
>
>その言葉にシェーラは驚く。確かに、腹心一同が集まるということはそれなりの理由があるはずだ。
>魔王であるシャブラニグドゥの封印を解くことになれば、恐らく神との最終決戦となるであろう。
>
>「もしそうなれば、私達にも戦いの機会が訪れるわね。」
>「ふぅん。シェーラは戦いたいのかい?」
>「私は将軍だもの。思う存分、剣を振るいたいわ。」
>「剣を振るいたいねぇ・・・その前に、行儀作法の一つを覚えたらどうだい?女の子らしくさ。」
>「フンだ!グラウなんか知らない!」
>
>そんな二人の笑い声が聞こえるなか、覇王が帰ってきた。
>すぐに立ち上がり礼をする二人。しばらくして、覇王の様子が少し変を気が付いた。
>
>「はぁ・・・グラウ、茶を入れてくれ。今日はホンマに疲れてもうたわ。」
>
>すぐに茶を用意するグラウ。覇王の様子から、よほど重大な会議が行なわれた事と想像が付く。
>シェーラはどんな話しがあったのか、聞きたくてしょうがない。思い切って聞いてみる事にした。
>
>「覇王様、本日の会議はどのような議題だったのでしょうか。」
>「まさか、降魔戦争を再び起こすのですか?」
>「はぁ?降魔戦争?何を言っとるんや、今日の議題はそんなんとちゃうで。」
>「へ・・・では一体?」
>
>今日の議題。
>「誰の黒魔法が一番使われているのか。」
>・・・・・唖然とするグラウとシェーラ。あんた達、集まってそんな事を話しとったんかい。
>
>「結局、一番使われとるんは竜破斬(ドラグ・スレイブ)でな。まぁ、これは当然かもしれん。
> でもって、二番目に使われとるんは覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)やったんや。」
>
>覇王の黒魔法を使用する人が多いことに驚くシェーラとグラウ。意外・・・いや、当然のことだ、多分・・・
>
>「そ、そうですか!それはおめでとうございます。ね、グラウ。」
>「へ・・・あ、本当におめでたいですよ覇王様!ぜひとも祝いの席をしなければ。」
>
>そう覇王に言うが、当の本人は何故か元気がない。むしろ落ち込んでいるようにも見える。
>
>「覇王様。覇王様は嬉しくないのですか?ご自分の力なんですよ。」
>「一体どうなされたのですか。覇王様らしくありませんよ。」
>「嬉しいか・・・・それはそれとして、どうも腑に落ちんのや。」
>
>そう呟くと、覇王はその悩みを語り出した。
>
>「実はな・・・・・魔法を使う時って呪文の詠唱をするやろ。」
>「普通はしますね。」
>「ワイの呪文の詠唱って、『凍える魂持ちたる覇王、我に与えん氷結の怒り。』って言うやん。
> でもな、ワイのどこに『凍える魂』があるっちゅうねん。」
>
>「人間には、ワイの美意識が理解でけへんのかのぅ。もっと違う言い方があるやろう。
> 覇王はかっこいいとか、強すぎるとか。」
>
>目が点になる二人。答えようがないのである。
>
>「ま、まぁ、覇王様。所詮は人間の知恵ですから、限界があるでしょう。」
>「そうですよ。気になさらない方がいいのでは。」
>
>二人の説得になってない説得に覇王は頷き、「もう寝る」と部屋をあとにした。
>
>「しかし、四人集まって何を相談しているかと思いきや。」
>グラウはため息をつきながら言った。
>
>「じゃあ、もし覇王様がまじめ一徹だったらどうするの?」
>「さあな・・・でもまじめな覇王様って、考えられないよ。いい加減だけど、嘘は言わない。それが覇王様さ。」
>「そうだよね。そうじゃなきゃ、覇王様じゃないよね!」
>
>二人の笑いが、再び部屋にこだまする。
>こうして、覇王一家の団らんは、今日一日の幕を閉じるのでありました・・・・おしまい。
>
いやーホントに面白かったです、大阪弁の覇王ってのもいいですね、でもあんな明るいひとに凍える魂なんてあるんですかねー、まぁとりあえずさようならー 

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3912Re:覇王一家の団らん・・・?みいしゃ E-mail URL8/9-21:45
記事番号3628へのコメント
ふははははは!
いいですね〜!やはりルビーアイ様の覇王様は。
今回は覇王神官もちゃんと「グラウ」の名で出てましたね(^-^)。
またルビーアイ様の小説読めて嬉しいですぅ。
また書いてくださいね(^ ^)/。