◆−無題です。(ゼルリナです)−新月 天海 (2009/11/29 01:09:08) No.34897
 ┣Re:無題です。(ゼルリナです)−白螺 (2009/12/5 23:40:20) No.34917
 ┃┗Re:無題です。(ゼルリナです)−新月 天海 (2009/12/6 01:02:13) No.34920
 ┣Re:無題です。(ゼルリナです)−セス (2009/12/7 22:46:08) No.34928
 ┃┗ありがとうございます!−新月 天海 (2009/12/8 23:02:12) No.34932
 ┗Re:無題です。(ゼルリナです)−友貴 (2010/1/17 22:25:10) No.35011
  ┗ありがとうございます!−新月 天海 (2010/1/17 23:26:17) No.35012


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34897無題です。(ゼルリナです)新月 天海 2009/11/29 01:09:08


こんばんわ。

かなり二次創作サボってたんですが、最近また書いています。

注意!この小説はゼルリナ。です。

そのほかのカップリングが好きな方は回れ右をしてください。
苦情は一切!受け付けません。

では。お楽しみください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ズキン―

「っあ!」

どさり

あたしは悲鳴にもならない声を叫び、地面に転がった。
しかも、戦闘真っ只中に。

辺りにはレッサーデーモンがまだ20体以上。

「リナ!?」

異変に気づいたか、ガウリィがこちらに走ってこようとするが、デーモンに阻まれる。

立ち上がろうと足を踏ん張った瞬間。

―ビリッ!―

再び痛みに襲われる。

な、に…これ…

顔を上げたその先には―攻撃体勢のデーモン!―

えぇい!

あたしはなんとか呪文を唱え、解き放つ!

「獣牙王操弾(ゼラスブリッド)!」

ぐぎゃぁぁぁっ!

2体同時に葬り去り、動ける限りで周りを見渡した。
そこへ、背後から放たれた炎の矢!
風の結界じゃ蒸し焼きになる!

なんとか右に転がって直撃は避けたが、呪文はまだ――!

「青魔烈弾波(ブラムブレイザー)!」

あさっての方向からの呪文にデーモンがあっさり打ち倒された。

まさか。

ざむ!

茂みから出てきた影は攻撃呪文と魔皇霊斬(アストラルヴァイン)の掛かった剣でデーモンを薙ぎ払いながらこちらへ走ってくる。
あたしを庇うように中腰の体勢で降り立った、その背中は真っ白だった。

ゼル、ガディス…


不意に、目頭が熱くなるのを感じ、思わず口を手で押さえた。
こんなの夢だわ…
自分は都合の良い夢を見てるんだとさえ思った。

まだ戦いは終わっていないのに。
目の前に広がる彼の背中にどうしようもなく飛びつきたい衝動に駆られる。
んなことは今はできないし、しないけど…

と、考えている間にデーモンはガウリィとゼルによって全て倒されていた。

相変わらずの凄腕ね。
あたしは心の中で苦笑した。

「よぉ、ゼル」
「元気そうだな、二人とも」

声を掛けるガウリィに剣を鞘にしまいながら振り返るゼル。

「お久しぶり。
 ありがと、助かったわ」

ひらひらと手を振ってあたしは立ち上がりかけ―

「っあ―!」

電気ショックのような痛みに、再び地面に座り込む。
しまったぁ、足動かせないんだった…
考え事をしていて忘れてた。

「リナ!どうしたんだ?」
「大丈夫か?」

あたしはふくらはぎに手を当て、何とか頷く。

「だいじょぶよ、ちょっと攣ったみたい」

珍しく筋肉が硬直している。
無理やり戻すことはできると思うけど。

「なぁ、ゼル」
「なんだ、ガウリィ」

ガウリィが不思議そうにゼルに尋ねる。

「つったって、何を釣ったんだ?
 リナがなんかを―」

すっぱぁーん!

「いってぇ!
 何すんだよリナ!」
「うっさい、このくらげ!」
「おいおい、「また」旦那の脳みそは退化したのか?」

特製の特大ハリセンをガウリィの顔面にヒットさせ、とりあえず黙らせてみる。
ゼル、またって…まぁ、違っちゃいないけど。

「やったのは左足だけか?」
「そうよ」

あたしの前にしゃがんでそっとゼルが痛めた場所に触れる。
その箇所が少し熱をもったのだろうか。
ゼルのひんやりとした手が心地いい。

「この先のディグルの街まで行ったほうが良いな」

わずかに顔をしかめる。
そんなに悪化してるんだろうか。

「良くないのか?」

ガウリィがめずらしくまともなことを聞く。

「あんまりな」
「きゃっ!」

呟くといきなりあたしを抱き上げた。

ちょ、ちょっと!

突然のことに顔が熱くなる。
ゼルは普段めったにこんなことしない。
余程のことがない限り、自ら面倒なことをやることはない。なのに―

「おとなしくしてろ、落とされたくなかったらな」

表情一つ変えず、すでに街への道を歩き始めている。
ガウリィも何も考えていないのか、「そうだなー」とか言いながら隣に並ぶ。

「もぅ!びっくりさせないで!」

どきどきしているこっちが馬鹿みたい。

あたしは不貞腐れる振りをしてゼルの胸に顔をうずめた。


―逢いたくて、逢いたくてたまらなかった人。
気がつけば斜め後ろ―一緒に旅をしているときの彼の指定位置―を振り返り、
時折見かける白いマントに鼓動が跳ね上がる時もあった。
その彼がこんなにも近くに居る…


街に着いて宿を取り、その一室。
あたしはベッドに座らされ、治療を受けていた。

冷えないようにと足を桶に張った湯に入れられて。

「大丈夫か?」
「ん……ちょっと痛いけど…平気よ」

実はほんの少し触れられただけでもかなり痛い。

ビクビクと筋肉が痙攣しているのがわかる。

「だから言ったろう、無理をするなと」

静かだけど、その中には微かな怒りを感じられる。

「…ご、めん…」

俯く先ではゼルが治癒をかけながら強張った筋肉を解してゆく。

「以前に俺は少しは自分が女だということを自覚しろと言ったはずだ」

むっ

「なによそれ!」

「お前は気にしないかもしれんがな、俺は気にする性分なんだ」

「ゼル?」

彼の言葉の意図がわからず問いかける。

「……ったく、相変わらずだな」

小さくため息をついて諦めたように肩を竦めるゼル。
休憩とばかりに治癒(リカバリイ)を解除し、あたしを見上げて言った。

「自分の惚れた女の身体に、再会する度に傷跡が増えてるのを見てどうも思わないと思うか?」

「―――っ!」

ほ、惚れた女って…///

確かにあたしとゼルは…そ、その…付き合ってるとゆーか…

あぁもぅ!顔が熱いよう…!

「ただでさえお前さんの周りはトラブルが起きやすいんだ。
 また命に関わる何かに巻き込まれたんじゃないかとか思わんわけがないだろう」

「人をトラブルメーカーみたいに言わないで!」

「違うのか?」

う゛っ!

そー突っ込まれると言い返せないのが悔しい!

「しかも魔力が落ちてるんだろう?」

ど、どうしてそれを!

うろたえるあたしに彼は瞳を逸らして言った。

「さっき街まで来る途中、なんとなくそんな様子が伺えたからな」

今度こそあたしは降参した。

「自分の不甲斐無さを痛感させられる俺の気持ちも、少しは察してくれるとありがたい」

ゼルの右手があたしの頬に伸び、優しく撫でてゆく。

いつも以上に真剣な表情。
その中に見える自分への憤り…

なのに、その瞳はどこか寂しげで。

「ゼル…」

「魔力許容量(キャパシティ)が足りないのは自覚してる。
 だが、男としては…リナを守りたいと思う気持ちは譲れん…」

かぁぁ…

慣れない言葉に、彼の手によって冷めていた熱がまた一気に上昇する。

「だから、」
「わ、わかったから!」

お願いだから乙女心鷲掴みの大胆発言は勘弁して!

「本当だな?」

こくこく頷くと、なんとかゼルは納得してくれた…かな?

「まぁ、とりあえずそういうことにしとくか」

苦笑しながらいつもの彼の表情になり、

「さ、治療再開だな」

再び治癒を唱え、あたしの足に施してゆく。

「ゼル」

「ん?」

術に集中している彼はこちらを見ない。
けれど、今しかない。

「そんな風に思われてるなんて知らなくて、ごめん」

ぴくり、と反応する彼の手。
だって、ガウリィはあたしをまだ子ども扱いするから。

「あと、ありがとう」

今まで素直に言えなかったから。

「また逢えてすっごい嬉しい」

虚を付かれたようにあたしを見上げるゼル。
しかし、ゆっくりと口角を上げ…

「俺も、逢いたかった」

あたしは痛みも忘れて真っ白な胸に飛び込んだ。


FIN

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34917Re:無題です。(ゼルリナです)白螺 2009/12/5 23:40:20
記事番号34897へのコメント

ゼルリナばんざあぁぁぁぁい!!

・・・・・・っは!
す、すいません・・・。好みどストライクの話&性格だったのでつい・・・
ここでははじめまして。白螺です。
コメントを見て早速来たのですが・・・感動しました。というか、リナを助けるゼルとか、リナを助けるゼルとか、(二回言ったよこいつ)恥ずかしいセリフをさらりと言うゼルとかがカッコよすぎて思わずパソコンの前で「うわぁぁぁぁぁっ!!」とか変な雄叫び上げました。
ゼルの胸に飛び込むリナも可愛くて可愛くて・・・思わず脳内でアニメ再生しました←

全然感想になってなくてすいませんorz
これからも頑張ってください!


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34920Re:無題です。(ゼルリナです)新月 天海 2009/12/6 01:02:13
記事番号34917へのコメント

白螺様。こんばんわ。

きゃあぁぁぁ!うれしぃぃぃ!

まだゼルリナを好き!って言ってくれる人居て良かったです!
本当に嬉しいコメントありがとうございます!

出来る限り頑張らせて頂きます!

そのうちまた投稿いたしますので、その時はよろしくお願いします。

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34928Re:無題です。(ゼルリナです)セス 2009/12/7 22:46:08
記事番号34897へのコメント

はじめまして、セスと申します。


>今まで素直に言えなかったから。
>
>「また逢えてすっごい嬉しい」
>
>虚を付かれたようにあたしを見上げるゼル。
>しかし、ゆっくりと口角を上げ…
>
>「俺も、逢いたかった」
>
>あたしは痛みも忘れて真っ白な胸に飛び込んだ。

基本的にガウリナ好きですが、ゼルリナも好きなのでこの部分がすごく好きです。
カップリング抜きにしても、普段のガウリイとリナのボケと突っ込みのやり取りも楽しいけど、ゼルガディスやゼロスみたいな、頭のいいもの同士のやり取りも好きなので・・・

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34932ありがとうございます!新月 天海 2009/12/8 23:02:12
記事番号34928へのコメント

セス様

初めまして。

コメントありがとうございます!
めちゃめちゃ励みになります。

締めの部分は結構毎作悩むのですが、気に入って頂けて幸せです!

本当にありがとうございます!

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35011Re:無題です。(ゼルリナです)友貴 URL2010/1/17 22:25:10
記事番号34897へのコメント

早速来てしまいました…!!
と、いうか本当は教えてもらった当日にお邪魔していたのですがコメントが遅くなりまして…!!(汗)

なにせ、こう「うぉぉぉぉ!!!ぜる、ゼルが超男前…!!!」と萌えに悶えておりまして、その勢いで自分も駄文を書き散らかしておりましたもので…(笑)

しっかし、本当に素敵過ぎるゼルガディス…!!わたしが読みたいゼルリナの関係性そのままだよ!!!と思わずPCの前で叫びそうでした…!!!

素敵な作品を生み出してくださってありがとうございます!

では、お邪魔致しました。失礼します!

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35012ありがとうございます!新月 天海 2010/1/17 23:26:17
記事番号35011へのコメント

コメントありがとうございます!

うちのゼルは恥ずかしいセリフをさらっと吐きます。(しかも唐突)
でも、照れ屋時々意地悪(確信犯)

気に入って頂けて何よりです!

この調子でゼルリナ布教がんばります!
またサイトにお邪魔した際はよろしくお願い致します。