◆−白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 @−kou (2009/11/1 20:14:18) No.34771
 ┣白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 A−kou (2009/11/6 21:59:05) No.34799
 ┣白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 B−kou (2009/11/24 21:31:21) No.34883
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 B−セス (2009/11/26 20:42:33) No.34888
 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 B−kou (2009/11/27 21:05:31) No.34890
 ┣白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 −kou (2009/11/29 19:56:17) No.34899
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 −フィーナ (2009/11/30 20:32:51) No.34902
 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 −kou (2009/11/30 21:37:05) No.34903
 ┣白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 A−kou (2009/12/11 20:43:54) No.34937
 ┣白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 B−kou (2009/12/23 20:59:22) No.34965
 ┣白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 −kou (2009/12/29 21:10:12) No.34979
 ┃┗Re:白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 −セス (2009/12/31 18:49:30) No.34982
 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 −kou (2009/12/31 21:42:50) No.34983
 ┣白と茶と緑の来訪者と銀色の月夜に飛ぶ亡霊 番外編@−kou (2010/1/16 15:15:39) No.35010
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 ┃ ┗Re:白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 A−kou (2010/4/29 16:16:04) No.35098
 ┣白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 B−kou (2010/5/10 19:46:41) No.35105
 ┣白と茶と緑の来訪者と茶色い大騒動 B−kou (2010/5/17 19:02:18) No.35114
 ┗白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 D−kou (2010/5/30 22:08:34) No.35125


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34771白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 @kou 2009/11/1 20:14:18


k つーわけで、操られし赤い闇のしもべ達の続きの話。今回も番外編が先です。
L この前も、番外編が先に書かれていたし……。
 つーか、今書かれているときは秋と言うよりも冬よ。
k 思いついたときは、秋だったんだもん。とりあえず、スレイヤーズの世界は秋と言うことでv
L 無計画。
k そう言われても……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はい。良いですよ」
 あっさりと了解をえられて、店主は喜んだ。
「本当かい! いやぁ〜。ありがとうね」
「良いんですよ。バディ店長にはいつもお世話になってますしv
 妹が帰ってきたときも、長期休暇を認めていただきましたし」
「そういや、リナちゃんまた旅に出たんだって? あの、金髪の青年と一緒に。
 やっぱり、できているのかい」
「さあ。リナは葡萄を食べに帰っただけだと言い続けていましたけれどね。
 まぁ、わりと強い剣士でしたね。おもわず、修行に力が入っちゃいましたよv」
 と、ルナはにこやかに笑みを浮かべながら言う。
 流れるような黒い髪の毛を肩まで伸ばした朱色の瞳の女性。なごやかな笑みとは裏腹に、その振る舞いには隙がない。
 バディと呼ばれた店主は、ぽりぽりと白髪の交ざったブラウンの髪の毛を書きながら、
「ルナちゃんが認めるとは、リナちゃんもさすがだね」
 どこをどうほめているのかは、よくわからないほめ言葉だったりする。
「ビュミラックの村でしたよね。……丁度良いからスポットも連れて行きましょうか」
「ああ、ルナちゃんが飼っている犬のことだね。荷物持ちには便利だね。
 人手もほしがっていたしね」
「ええ。まぁ、ウエイターができるとは思えませんけれどね」
 和やかな会話が交わされているお店からそう離れていない雑貨店の裏庭で、
「ぶえっくしょーん」
 と、大きなくしゃみをした人狼がいた。
 常に、オオカミの姿をとっているタイプで人の肉をも食べるモンスターと言われる種族だが……。
 その彼には、首輪がつけられており鎖でつながれており鎖の先にはでっかい犬小屋がくっついている。
「ったく。風邪か? あの、乱暴胸無し娘がいなくなって静かになったというのによぉ」
 と、ぶちぶちと愚痴っていた。
 そこに、
「スポット〜」
「何でしょう。姐さん」
「ビュミラックの村へ行くわよ」
 ルナに言われスポットはあんぐりと口を開けた。
「な、何でしょうか」
「良いから行くわよ」
 有無を言わせず、鎖を引っ張って家の中に入る。
「お、俺はボディーガードですか?」
「何言ってるのよ? 荷物持ちに決まってるでしょ」
 と、あっさり言われてスポットは落胆した。

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34799白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 Akou 2009/11/6 21:59:05
記事番号34771へのコメント

「……姐さん。俺、一つ疑問に思ったんですけど」
「言わないでちょうだい」
 目的の店について店主のキャンシーとその旦那でパティシエのジョージに会って、ある程度会話が弾んで当店の味を秘訣である『食材』を、見た後スポットはつぶやいた。
 ルナからの制止を珍しく無視して言う。
「あれ、食っても大丈夫なんですか」
「あたしが、知るわけ無いじゃないの」
 珍しく、困った様子で言うルナ。
 見たのは、うねうね動き引っこ抜くと悲鳴をあげるスイート・ポテトや死後数日たった目玉のようなクリ(まるで、ゲゲゲの鬼○郎の目玉○父)
 死んだ赤ん坊のような見た目の林檎に風に揺れると不気味な笑い声を上げる葡萄に抜くと鳴き声を上げるにんじん等々……。
「昔、赤法師のところで働いてたときにもいろいろ不気味なもんを見ましたけれど……あそこまで、わけわからんものはありませんでしたよ」
「ジョージさんは品種改良の結果ああなっただけで毒物はないと言っていたじゃないの」
「ンなこと言ったって……」
「そりゃ、あたしだって納得した訳じゃ……」
 うめくスポットにルナは珍しく言い負けした。

「スポット〜。食材庫からこのリストのものもって来てちょうだい」
「へい。姐さん」
 この店の手伝いに来て数日、思いっきり暇だったりしたがそれでもやらなければいけないことは多々ある。
 スポットは大量の品物をえんやこらと引っ張りながら帰り道に、
「んげ……」
 ルナの妹のリナとその相棒のガウリィそして昔の元仲間にあったのだった。

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34883白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 Bkou 2009/11/24 21:31:21
記事番号34771へのコメント

k 久方ぶりの番外編。
L 正体は、わりとバレバレのルーちゃんも登場
k ……どうして、あっさりとばれたんだ……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「なんですてぇぇぇぇぇぇぇ」
 と、その空間に女性の声が(肉声ではないかもしれないほどの大音量で)響き渡った。
 衝撃で、ガラスコップが三つ欠片も残さず崩壊した。
「クウ……別に伝えるのは、必要なかったんでは」
「いや、おもしろそうだし」
 マントの言葉にクウは楽しそうに笑みを浮かべて言う。
「あんの、無能部下のさらに部下のそのまた部下のくせにあたしの悪口を言うとは……!
 許せん!! 知らなかったとはいえ、二度と陰口の言えないようにしてあげるわ
 部下の管理不届きな上司も同じよ!!」
「る〜v ルーちゃん楽しそうv」
「そうだな」
 金色の髪の毛をざわめかせて笑うその女性にレビとクウはそう言った。

「あっひゃりゃ」
「……どうしたぁ? ゼロス? ヘンな悲鳴を上げて」
「い……いえ、その……なんか悪寒が……」
「風邪か?」
 と、聞くガウリィにリナが
「ガウリィ……ゼロスが風邪ひくわけ無いでしょ」
「ああ、トラとリスは風邪ひかないというしな」
 その言葉に、リナはこめかみを押さえ、ゼロスも頭を抱えた。
「……僕は動物ですか?」
「つーか、どうせ間違うなら馬と鹿でしょうが!! そう言う意味で風邪ひかないのは、どっちかと言うとあんただし……」
 ふたりに、突っ込まれガウリィはきょとんと首をかしげた。

「………!……?……」
 突如と感じた悪寒にゼロスはまわりを見渡した。
 しかし、特に敵意は感じない……。
「い、一体?」
 それでも、不安げにまわりを見る。
「……しかし、ゼロスの奴……」
 悪寒をふりのそぎ、ゼラスは不機嫌そうに言う。
「帰ってきたら、説教だな」
 丁度その頃、ゼロスはさらに寒気を感じた。

「どひぃぃぃぃぃぃんんんん」
 目を覚ますと同時に滝のように流れる脂汗……。
「あ、ああ。怖い夢見た……。
 あの方にお仕置き受ける夢なんて、不吉な……。
 ただでさえ、復活した『わたし』がまた滅びたんで怒られたばっかりなのに……。
 ……そういや、あの方最近、出かけて居るらしいけれど……どこに居るんでしょうか……」
 と、北の魔王は氷結の中で不安げにつぶやいた。

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34888Re:白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 Bセス 2009/11/26 20:42:33
記事番号34883へのコメント

こんばんは、kouさん。
>「なんですてぇぇぇぇぇぇぇ」
> と、その空間に女性の声が(肉声ではないかもしれないほどの大音量で)響き渡った。
> 衝撃で、ガラスコップが三つ欠片も残さず崩壊した。
>「クウ……別に伝えるのは、必要なかったんでは」
>「いや、おもしろそうだし」
> マントの言葉にクウは楽しそうに笑みを浮かべて言う。
面白そうってもろに野次馬のノリですね・・・
>「あんの、無能部下のさらに部下のそのまた部下のくせにあたしの悪口を言うとは……!
> 許せん!! 知らなかったとはいえ、二度と陰口の言えないようにしてあげるわ
> 部下の管理不届きな上司も同じよ!!」
ゼロス君・・・自分の口の悪さのツケをこんな形で払うことになるとは・・・

>「あっひゃりゃ」
>「……どうしたぁ? ゼロス? ヘンな悲鳴を上げて」
>「い……いえ、その……なんか悪寒が……」
>「風邪か?」
> と、聞くガウリィにリナが
>「ガウリィ……ゼロスが風邪ひくわけ無いでしょ」
>「ああ、トラとリスは風邪ひかないというしな」
> その言葉に、リナはこめかみを押さえ、ゼロスも頭を抱えた。
>「……僕は動物ですか?」
>「つーか、どうせ間違うなら馬と鹿でしょうが!! そう言う意味で風邪ひかないのは、どっちかと言うとあんただし……」
> ふたりに、突っ込まれガウリィはきょとんと首をかしげた。
ガウリイは・・・なんだが風邪ひいた様子が想像できませんね(笑
>
>
>「どひぃぃぃぃぃぃんんんん」
> 目を覚ますと同時に滝のように流れる脂汗……。
>「あ、ああ。怖い夢見た……。
> あの方にお仕置き受ける夢なんて、不吉な……。
> ただでさえ、復活した『わたし』がまた滅びたんで怒られたばっかりなのに……。
> ……そういや、あの方最近、出かけて居るらしいけれど……どこに居るんでしょうか……」
> と、北の魔王は氷結の中で不安げにつぶやいた。
・・・ご愁傷様、部下S・・・

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34890Re:白と茶と緑の来訪者と秋色の美食の町 番外編 Bkou 2009/11/27 21:05:31
記事番号34888へのコメント

>こんばんは、kouさん。
 こんばんは、セスさん。
>>「なんですてぇぇぇぇぇぇぇ」
>> と、その空間に女性の声が(肉声ではないかもしれないほどの大音量で)響き渡った。
>> 衝撃で、ガラスコップが三つ欠片も残さず崩壊した。
>>「クウ……別に伝えるのは、必要なかったんでは」
>>「いや、おもしろそうだし」
>> マントの言葉にクウは楽しそうに笑みを浮かべて言う。
>面白そうってもろに野次馬のノリですね・・・
 長生きの秘訣は退屈しないで楽しむ事だと、クウは考えていますからv
>>「あんの、無能部下のさらに部下のそのまた部下のくせにあたしの悪口を言うとは……!
>> 許せん!! 知らなかったとはいえ、二度と陰口の言えないようにしてあげるわ
>> 部下の管理不届きな上司も同じよ!!」
>ゼロス君・・・自分の口の悪さのツケをこんな形で払うことになるとは・・・
 それよりも、とばっちりを喰らったゼラスや部下Sが不幸と思います……。
>>「あっひゃりゃ」
>>「……どうしたぁ? ゼロス? ヘンな悲鳴を上げて」
>>「い……いえ、その……なんか悪寒が……」
>>「風邪か?」
>> と、聞くガウリィにリナが
>>「ガウリィ……ゼロスが風邪ひくわけ無いでしょ」
>>「ああ、トラとリスは風邪ひかないというしな」
>> その言葉に、リナはこめかみを押さえ、ゼロスも頭を抱えた。
>>「……僕は動物ですか?」
>>「つーか、どうせ間違うなら馬と鹿でしょうが!! そう言う意味で風邪ひかないのは、どっちかと言うとあんただし……」
>> ふたりに、突っ込まれガウリィはきょとんと首をかしげた。
>ガウリイは・・・なんだが風邪ひいた様子が想像できませんね(笑
 まさしく、何とかは風邪ひかない。(非道い)
 ゼロスは魔族だから風邪はひかないんですよね。
>>
>>「どひぃぃぃぃぃぃんんんん」
>> 目を覚ますと同時に滝のように流れる脂汗……。
>>「あ、ああ。怖い夢見た……。
>> あの方にお仕置き受ける夢なんて、不吉な……。
>> ただでさえ、復活した『わたし』がまた滅びたんで怒られたばっかりなのに……。
>> ……そういや、あの方最近、出かけて居るらしいけれど……どこに居るんでしょうか……」
>> と、北の魔王は氷結の中で不安げにつぶやいた。
>・・・ご愁傷様、部下S・・・
 まったくの、とばっちりですから……。
 神様を恨みたいような事件ですが……、魔王だからなにを恨めばいいのやら……
 セスさん。レスありがとうござます。

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34899白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 kou 2009/11/29 19:56:17
記事番号34771へのコメント

k ふと、番外編のネタが尽きたので思いつきで書こうと考えて白と茶と緑の来訪者の過去です。
L つーか、スレイヤーズとは全くの無関係だし。
k ついでに言うならリナ達もあまり出ませんし……。
L あんたねぇ
k ま、気にしないでください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 白い雪が灰色の世界に降り注ぎ、世界を純白の喪にしていく。
 雪は、彼の知っている限り二回、人の命を奪い世界を喪へと導いた。
 一回目は、とある力のない少年を……
 そして二回目は、愚かな結末を手にした老人を……
 一体、あの時からどれだけの時が流れたのか、それはもしかしたら遙か未来に位置する事かもしれないし、今現在起きたことなのかもしれないが……一つ確かなことは、それは……
 この世界で起きた事じゃ無いと言うことだ。

 あまりにも、それはあっけなかったが不思議と悲しみも絶望もそして恨みも感じなかったのは、元からそれに期待もそして信頼も愛情も持っていなかったからだろうか。
 自分を生んだ存在だというのに、それに対しては酷い無関心だと言われてもしょうがないかもしれないが……。それは、元からそうなのだからしょうがない。
 それから、愛情を教わることはなかった。
 その結果、彼は雪の中をただ歩くと言う今現在の状況に不満を抱くこととは無かった。
 空腹も、寒さももはや感じなくなっていた。
 ぼんやりと、歩きつかれて道に立ち止まった。
 否、――倒れ込んだ。
 このまま死ぬのかという可能性を感じたか恐怖を感じることはなかった。
 生きる理由も、そして生きていて楽しいと感じたこともなかったともないからだ。
 雪は降り注ぎ、その緑色の髪の毛を白く染め上げた。
 そこに、
「死ぬのか」
 声をかける老人がいつの間にか目の前に現れた。
「少年――死ぬのか」
「知るか」
 老人の言葉にその言葉は、生への執着もなければ死への恐怖もないがあきらめも無かった。
 少年の意識はそこで途切れた。
 目を覚まし、その老人に助けられたことを知り少年は死んだ。
 母親からもらったであろうが忘れてしまった名前を捨てて少年はクウと言う名前を老人から受け継いだ。
 トレジャーハンター クウ と言う名前を
 そして、十数年後老人は死んだ。

「まぁ、年もあったんだろうが」
「が?」
 酒を飲みながら言うクウの言葉にウーロン茶を飲んでいたリナが聞き返す。
「あの、色ボケ爺ときたら、危険な場所の遺跡で大けがを負ったんだ」
「それが元で?」
 リナの質問に、クウは酒をさらに飲んで
「いや、その怪我も完治していない状態で寒中水泳大会の超美少女のキスという副賞に目をくらませて参加して心臓発作と怪我が原因で死にやがった」
「……」
 思わず絶句するリナにクウはため息をつきながら
「しかもだ。あのぼけ爺死に際の最後の言葉がそのねーちゃんのキスへの要求だったんだぞ。
 あれさえなければ、俺ももう少し素直な性格だったかもな」
「……まぁ、生きていればいろいろあると言うことで」
 ほかにどういえば良いのかわからずリナは適当にそう言った。

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34902Re:白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 フィーナ 2009/11/30 20:32:51
記事番号34899へのコメント

こんばんは。kouさん。
今回はクウの過去ばなしですね。
> あまりにも、それはあっけなかったが不思議と悲しみも絶望もそして恨みも感じなかったのは、元からそれに期待もそして信頼も愛情も持っていなかったからだろうか。
クウ…飢え死になりそうな寸前。
生まれて、捨てられても今のクウを形成している要因の一つですね。
>「少年――死ぬのか」
>「知るか」
> 老人の言葉にその言葉は、生への執着もなければ死への恐怖もないがあきらめも無かった。
少年だったクウは、そのときまで自分の死さえもあるがまま受け入れていたなんて……
>「あの、色ボケ爺ときたら、危険な場所の遺跡で大けがを負ったんだ」
>「それが元で?」
> リナの質問に、クウは酒をさらに飲んで
>「いや、その怪我も完治していない状態で寒中水泳大会の超美少女のキスという副賞に目をくらませて参加して心臓発作と怪我が原因で死にやがった」
>「……」
クウ……先代の『クウ』に性格とか似ないでよかった…のか?
……それにしても、なかなか元気な老人ですね(遠い目)
> 思わず絶句するリナにクウはため息をつきながら
>「しかもだ。あのぼけ爺死に際の最後の言葉がそのねーちゃんのキスへの要求だったんだぞ。
> あれさえなければ、俺ももう少し素直な性格だったかもな」
>「……まぁ、生きていればいろいろあると言うことで」
> ほかにどういえば良いのかわからずリナは適当にそう言った。
なんかもう最初シリアスだったはずなのに、一気に生温かい気持ちになりました。でも、男ってやつは年取ろうが…

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34903Re:白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 kou 2009/11/30 21:37:05
記事番号34902へのコメント

>こんばんは。kouさん。
 こんばんは。フィーナさん。
>今回はクウの過去ばなしですね。
>> あまりにも、それはあっけなかったが不思議と悲しみも絶望もそして恨みも感じなかったのは、元からそれに期待もそして信頼も愛情も持っていなかったからだろうか。
>クウ…飢え死になりそうな寸前。
 ちなみに、栄養不足のせいで小柄な体格になりました。
>生まれて、捨てられても今のクウを形成している要因の一つですね。
 ほかにも、いろいろ経験してひねくれたんですけれどね……。
>>「少年――死ぬのか」
>>「知るか」
>> 老人の言葉にその言葉は、生への執着もなければ死への恐怖もないがあきらめも無かった。
>少年だったクウは、そのときまで自分の死さえもあるがまま受け入れていたなんて……
 どこか、達観したと言えば達観していたのかもしれませんが……。
 今でも、その影響か起きてしまったことを後悔する事はあまりありません。
>>「あの、色ボケ爺ときたら、危険な場所の遺跡で大けがを負ったんだ」
>>「それが元で?」
>> リナの質問に、クウは酒をさらに飲んで
>>「いや、その怪我も完治していない状態で寒中水泳大会の超美少女のキスという副賞に目をくらませて参加して心臓発作と怪我が原因で死にやがった」
>>「……」
>クウ……先代の『クウ』に性格とか似ないでよかった…のか?
 血のつながりもなかったですし、……。多少、人格のできた頃に拾われたので。
>……それにしても、なかなか元気な老人ですね(遠い目)
 無意味に元気な老人でした。
>> 思わず絶句するリナにクウはため息をつきながら
>>「しかもだ。あのぼけ爺死に際の最後の言葉がそのねーちゃんのキスへの要求だったんだぞ。
>> あれさえなければ、俺ももう少し素直な性格だったかもな」
>>「……まぁ、生きていればいろいろあると言うことで」
>> ほかにどういえば良いのかわからずリナは適当にそう言った。
>なんかもう最初シリアスだったはずなのに、一気に生温かい気持ちになりました。でも、男ってやつは年取ろうが…
 年をとった程度で変わる性でもないんでしょう。
 以上、kouでした。

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34937白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 Akou 2009/12/11 20:43:54
記事番号34771へのコメント

 無限に広がり続ける時空間の中で起きる出来事
 あらゆる悲劇に惨劇
 あらゆる伝説に奇跡
 あらゆる喜劇に伝承
 それらをすべて記録する

 無限に広がり続ける時空間の中で生まれる技術
 数式によって創られた科学技術と科学文明
 魔力によって創られた魔道技術に魔道文明
 科学と魔道によって創られた魔法と科学の融合した技術と文明
 複雑怪奇な技術
 難しい技術に理屈に論理すべて理解して学習する

 あらゆる歴史
 あらゆる技術
 あらゆる知識

 すべてを記録する存在

 それがわたしだった。
 すべては数式と理屈
 それがわたしの《世界》だった
 文字と数式の羅列でしか知らない世界。
 それでもわたしはすべてを知っている。
 そう思っていた。

 百万分の一の災厄
 その事故でわたしはそこから出た。
 初めて感じる思いは
 わたしに知らない《世界》を見せた。

 マントと言う名前を与えられたわたしは
 世界を世にも珍しい《観察対象》と共に旅をする 

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34965白と茶と緑の来訪者の過去 特別番外編 Bkou 2009/12/23 20:59:22
記事番号34771へのコメント

k 白と茶と緑の来訪者の過去と言う番外編シリーズも終了になりました。
L 別名オリジナルキャラ達の過去シリーズね。
k 最初にクウ続いて、マント。最後にレビです。
L いろいろ、設定だけは考えているのね。
k 設定だけとは、何ですか。一応、応募用に考えた小説に出した主要人物なんですから
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 窓の外を眺める。唯一常に変化し続けている光景を眺めるていた。
 退屈と普遍を永遠にと言っていいほど繰り返している日々は、もはや退屈とか暇とかを知らないでいたからこそ、その日々を過ごし続けていたのかもしれない。
 でも、当時のそれはそう考えることもなかった。
 ただ、そこでぼんやりと窓の外を眺めたりぼんやりとしていた。
 それは、灰色に染まりきった滅びかけの世界から、目映いばかりの光と見ていると吸い込まれそうな闇と無限に等しい色が混じり合いながら、どこかへと飛び去ったのを見てそれは、なぜか胸をときめかした。
 そして、呼ばれた。

 緑色の髪の毛が目につくそれは、初めて見る『人間』と言う存在だった。
 あの時、輝きが飛び出た世界のような灰色のような瞳とやせ気味の体。
 無表情に自分を見つめていた。
 やたら長く人には理解すらできない言葉の代わりに本当に短く適当に決められた別の名前をもらった。

 そして、それは知る。
 本当の意味での世界をそして娯楽を感覚を楽しむことをスリルをサスペンスを、そして――
 いつか知るのだろう――別れの時の寂しさを――
 それは、わかっているがそれはそのことを考えない。
 いつかがその時になるその日まで…………

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34979白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 kou 2009/12/29 21:10:12
記事番号34771へのコメント

「――と、言うわけです」
 と、ゼロスは頭を深くたれながら言う。
 なんで、こんな事に……
 と、ゼロスは内心後悔をしていた。
 セイルーンの六芒星の結界が消えて行くのを聞いて調査に回していた魔族が消えたと聞いたときは、好奇心を刺激されたが多少でしかなかった。
 とはいえ、セイルーンの六芒星の形は魔族ないでも厄介な物でしかなかったため、それは良い知らせとも思えた。
 そして、調査のためにセイルーンへ向かうことになったとき前にある任務で関わった一人の少女を思い出した。
 それでさらに好奇心がうずいた。あの国の姫君は良くも悪くもおもしろい。
 とはいえ、あの生への賛歌は勘弁してほしいのだが……。
 あの少女の事を思い出すのと同時に、連鎖反応のように彼女の事を思い出しそして彼らの事も思い出す。
 二度も自分たちの力の源である魔王を倒した人間とその相棒の青年。
 彼らの事を思い出すと、不思議と笑みが浮かぶ。
 もしかしたら、彼女たちと再会するかもしれないと言う予感が走った時は、いやな予感と共に楽しいことになりそうだという予感も走った。
 それは、半分当たった。いやな事は山のように起きたのだから……。
 うっかりミスのような事で人間に操られてしまい、その上セイルーンの事件はとっくに終わりその上、異世界から来たと言う少年に言いように便利に扱われた。
 踏んだり蹴ったりの上に蜂に刺されたようなものだ。
 あの少年から抜け出す事ができた時は、信仰心以前の問題の魔族の自分が神に感謝すらしたぐらいだ。
 後いやなことと言えば、この失態を上司に報告すると言うことだが……。
「――ずいぶん、興味深い事件だな」
「そうですねぇ」
 と、ゼロスは深々とうなずく。
「この事件で、魔王様から命令が下った」
「それは、珍しい」
 ゼロスはそううなずくと、ゼロスの上司のゼラスは
「うむ。ゼロスよ。その商人について調べろとの事だ。
 あと、異世界から来たと言う少年の調査だ。
 ま――簡単に言うとその異世界の少年としばらく旅をして商人と少年の調べろ」
「拒否――できませんか」
 ゼロスがおそるおそる聞くと
「今回のような失態を犯しておいて上の命令を無視できるとおもうのか」
「……お……おもいません」
 と、ゼロスは血涙を流す気分で言った。

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34982Re:白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 セス 2009/12/31 18:49:30
記事番号34979へのコメント

こんばんは、kouさん。
> それでさらに好奇心がうずいた。あの国の姫君は良くも悪くもおもしろい。
> とはいえ、あの生への賛歌は勘弁してほしいのだが……。
アニメTRYで苦しんでいる(?)姿みて指差して笑いました。
しかしあれって本当にきいてるんでしょうか・・・?
> あの少女の事を思い出すのと同時に、連鎖反応のように彼女の事を思い出しそして彼らの事も思い出す。
> 二度も自分たちの力の源である魔王を倒した人間とその相棒の青年。
> 彼らの事を思い出すと、不思議と笑みが浮かぶ。
> もしかしたら、彼女たちと再会するかもしれないと言う予感が走った時は、いやな予感と共に楽しいことになりそうだという予感も走った。
> それは、半分当たった。いやな事は山のように起きたのだから……。
ご愁傷様・・・

>「――ずいぶん、興味深い事件だな」
>「そうですねぇ」
> と、ゼロスは深々とうなずく。
>「この事件で、魔王様から命令が下った」
>「それは、珍しい」
> ゼロスはそううなずくと、ゼロスの上司のゼラスは
>「うむ。ゼロスよ。その商人について調べろとの事だ。
> あと、異世界から来たと言う少年の調査だ。
> ま――簡単に言うとその異世界の少年としばらく旅をして商人と少年の調べろ」
>「拒否――できませんか」
> ゼロスがおそるおそる聞くと
>「今回のような失態を犯しておいて上の命令を無視できるとおもうのか」
>「……お……おもいません」
> と、ゼロスは血涙を流す気分で言った。
哀れ中間管理職・・・
今回はひたすら運が悪いですね、彼・・・

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34983Re:白と茶と緑の来訪者の薄紫の被害者 kou 2009/12/31 21:42:50
記事番号34982へのコメント

>こんばんは、kouさん。
 こんばんは、セスさん。ようやっと、おせち料理の手伝いが終わったkouです。
>> それでさらに好奇心がうずいた。あの国の姫君は良くも悪くもおもしろい。
>> とはいえ、あの生への賛歌は勘弁してほしいのだが……。
>アニメTRYで苦しんでいる(?)姿みて指差して笑いました。
>しかしあれって本当にきいてるんでしょうか・・・?
 どちらかというと、いやがらせにしかなっていないと思います……。
>> もしかしたら、彼女たちと再会するかもしれないと言う予感が走った時は、いやな予感と共に楽しいことになりそうだという予感も走った。
>> それは、半分当たった。いやな事は山のように起きたのだから……。
>ご愁傷様・・・
 ほかに、言葉は出ませんね。
>>「――ずいぶん、興味深い事件だな」
>>「そうですねぇ」
>> と、ゼロスは深々とうなずく。
>>「この事件で、魔王様から命令が下った」
>>「それは、珍しい」
>> ゼロスはそううなずくと、ゼロスの上司のゼラスは
>>「うむ。ゼロスよ。その商人について調べろとの事だ。
>> あと、異世界から来たと言う少年の調査だ。
>> ま――簡単に言うとその異世界の少年としばらく旅をして商人と少年の調べろ」
>>「拒否――できませんか」
>> ゼロスがおそるおそる聞くと
>>「今回のような失態を犯しておいて上の命令を無視できるとおもうのか」
>>「……お……おもいません」
>> と、ゼロスは血涙を流す気分で言った。
>哀れ中間管理職・・・
>今回はひたすら運が悪いですね、彼・・・
 kouは、ゼロスのことは比較的気に入っているんですけれどなんか虐めたい感じがするんですよね。
 ちょっぴりいじめっ子かな?
 以上、kouでした。
 セスさん。2009年も終わりかけてますが、良いお年をお迎えください。

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35010白と茶と緑の来訪者と銀色の月夜に飛ぶ亡霊 番外編@kou 2010/1/16 15:15:39
記事番号34771へのコメント

「――しかし、魔王様」
 五人の腹心の会議(とはいえ、腹心は三人しかいないが……)の時、ゼラスが魔王に話しかけた。
「なぜ、ゼロスをご指名になられたんですか?」
 と、ゼラスは首をかしげて尋ねる。
「ダルフィンの所もグラウの所もわりと人手は余っているでしょう。
 たしかに、リナ=インバースをよく知っていますが……」
「ああ、そのことですか」
 と、魔王はゼラスの質問にうなずいて、なぜそうなったのかを思い出した。

 珍しく、L様から来るように呼びつけられた
 最近、どこかに言っているようで『城』にいなかったのだがその日は帰ってきていた。
「遅い」
 と、彼女は不機嫌そうに言った。
「このあたしに呼ばれたなら、光速とまでは行かないけれど亜音速ぐらいのスピードで来なさいよ。
 部下Sのくせにあたしを待たせるなんて」
 と、文句を言いそして、
「で、なにか気づかない?」
「なにか? ですか?」
 と、魔王は金色の魔王を見る
「……」
 どごす
 どこからか取り出した赤地に黒薔薇もようの釘バットで彼女は魔王を殴る。
「お肌の色つやが綺麗になりましたねとか、服が新しくなりましたね。
 よくお似合いですねとか言いようがあるでしょうが!!
 せっかく、買い物したのに。
 この黒いドレスローブなんて黒を基調としているけれど、ゴスロリみたいにならない程度のフリルがついていてあたしの高貴さを際だたせているというのに!
 髪型だって服に合わせて変化させて、温泉に入ってエステまでしたからお肌だってつやつやだし」
 と、言う。
「……それは、失礼しました……。
 で、聞きますけれど――ひょっとしてほめてもらうために呼びつけたんですか?」
「半分はね」
「……」
 思わず転職を考えてくなった魔王だがはたして魔王というのは職業なのだろうか?
「別の世界じゃ、『マオウ』という職業もあるらしわよ」
 考えていることがわかったのか彼女はそう言う。
「ま、あんたは転職できないけれど」
 と、付け足したが……
「ほら、あんた所に異世界から来た少年がいるでしょ」
「なんで、ご存じなんですか」
「あたしだからよ」
 魔王の質問に金色の魔王はあやしげな笑みを浮かべて言う。
「そいつに見張りをつけなさい。
 商人の調査のため――ね。とりあえずは」
「それは、言いですけれど……なんであなたさまがわざわざ」
「質問は不許可よ。ま、時期がきたら教えてあげるわ。
 ――しばらくは、もうちょっとのんびりしていたいだろうし、あいつらも関わりたくないと言ってたし……」
 と、最後の所は自分の口の中だけでつぶやく。
「とにかく、見張りはたしかゼロスというやつがいたでしょ。
 そいつにしなさい。
 じゃ、あたしはこの後カラオケの約束があるから」
 そう言うと、彼女はどこかへと消え去る。
「……約束ってだれとですか?」
 と、魔王はつぶやいたがその答えを言う者はすでに居なかった。

「――あの方の命令で」
 と、魔王の言葉を聞いた瞬間にお茶を飲んでいたダルフィンはお茶をふきこぼして、ゼラスはこれでもかと頬を引きつらせて、グラウは吐血した。
 なにやら不吉な予感に包まれた面々だった……。

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35059白と茶と緑の来訪者と銀色の月夜に飛ぶ亡霊 番外編Akou 2010/3/1 22:03:51
記事番号34771へのコメント

k おお、最近番外編のことをさっぱり忘れていた!!
L うおい
k いや、ちょっと最近はまっていることがあって……
L レンタルDVDでちょっと古めのアニメやら映画やらを見るのが?
k しっけいな。最近の分も見て居るぞ
L ………
k あれ? なんで、沈黙なの? そのそも、これでスレイヤーズの映画を全部見ることができたんだよ
L くっ、それを言われたら反撃が……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 それは、ある悲劇から生まれたが……彼にはまったく無関係のところでおきて、まったく無関係の人達が巻き込まれた。
 そして、その悲劇は最後まで彼の関係のないところで関係なく終わった……はずだった。
 そう……そのはずだった……。

 ぐるぉぉぉぉぉおおお
 空間をも切り裂くような雄叫びが響いた。
 レッサー・デーモン 滅多に見られないはずの魔族が群れをなして襲いかかってくる姿を見て男は驚愕を覚えた。
 久しぶりにとれた休暇。家族そろっての観光旅行だった。
 帰りに、家族それぞれほしがった者を買った。
 楽しい旅の終わりにそれは、突然現れた。
 レッサー・デーモンの群れ……そんなのが、突如現れたのだ。
 異常なほど暑い中でそれは雄叫びを上げながら彼らに襲いかかってきた。
 財をうなるほどとまでは言わないが、贅沢ができるほどの財産を持っていた彼らは、護衛を頼んでいた。
 その、護衛達をも精々盗賊風情に勝てる程度だった……。
 なんとか、レッサー・デーモンの群れと戦っている中で……その『絶望』はすこし遅れてやってきて、最後まで残っていたかすかな希望を打ち砕いた。
 どっすと言う音と共に、それは現れた。
 夜の闇をそのまま凝縮したような布をまとって、真っ赤な三角棒をかぶったかかしのようなそれだが顔が有る部分は、カボチャという間が抜けた姿だったがそのカボチャのくりぬかれた顔の目の部分は、まるであやしい光が灯っていた。
「ひっひっひ。こりゃいいね。うん。いいね」
 と、それは喋った。
「……ま、まさか……」
 護衛に雇っていた一人の魔道士が叫んだ。
「じゅ、純、純魔族!!」
 魔道士は悲鳴のような声を上げた。
「ひっひっひ。そうさ。うん。そうさ」
 と、純魔族と呼ばれたそれはこくりとうなずいた。
「純魔族さ。ひっひっひ。純魔族のジャラックオンさ。ジャラックオンさ」
 と、言う。
「それではご飯だ。ひっひっひ。ご飯だ。ご飯」
 と、それは言うと同時に手のひらに光が現れて……
 そして、………

 虐殺が行われた。

 血が流れ悲鳴が起きる。苦しみと悲しみと嘆き声……。
 そん中で、魔道士が言った。
「た、たのむ。助けてくれ……俺だけでも……」
「ひっひっひ。助けてくれ? うん。助けてくれっていったね。言ったね」
「た、頼む。そ、そうだ。俺と……俺と契約してくれ」
 かじろうて聞いていた男には魔道の知識は無かった。契約という言葉の意味なんてわからなかった。
「契約ね……」
 と、ジャラックオンというそれは珍しく考える様子を見せた。
「ひっひっひ。ま、いいよ。うん。暇つぶしさ。うん」
 と、それはうなずき
「だけれどもね。けれども。誠意が見たいな。見たいな。
 そうだな……。ここに居る人間をだよ。人間をだ。ボクの代わりにね。
 代わりにね。なぶり殺して。なぶり。殺して」
 と、それはにっと笑った。

 腹に穴を開けられて……耳をそぎ落とされて……絶叫と悲鳴が上がる。
 怨嗟と怒りと呪文を唱える声が……響く……響く……。
 そんな中、男は崖から落とされた。
 四肢を失い、目の前で愛する家族すべてをむごたらしく殺されて、そしてがけの下へと落とされた。

 ――殺してやる

 落とされる中で男はそう決意した。
 暗い炎は怒りと執念と恨みと言う負の感情を吐き散らし、ジャラックオンは笑みを浮かべた。
 がけの下に落ちてもしばらく続いていたのは、ジャラックオンはおどろいたが途絶えたとき死んだと思った。
 そして数日後、魔王が滅んだと聞いたとき落胆したが新しいおもちゃを見つけていて、ジャラックオンはそれで遊んでいた。
 魔道士もジャラックオンも数年間そうしていた。
 魔道士はジャラックオンを利用しているつもりで居た。
 ジャラックオンは魔道士で遊んでいた。
 魔道士もジャラックオンも男は死んだと思っている。 

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35080白と茶と緑の来訪者の本業kou 2010/4/4 17:34:04
記事番号34771へのコメント

k 引越しの影響でしばらく、PCで投稿が出来ないkouです!
L そのせいで短いわね。
k なので、手早くスタートです。
――――――――――――――――――――――――
それは、ある町での事だった。リナは、魔道士協会に顔出しをしていた。
そこで、クウを見付けたのだ。
「あんた、なにやってるの?」
と、リナが聞くと
「見て解らないか?」
と、クウは書物から顔も上げずに言う。
「歴史書を読んでいるみたいだけど……」
と、リナはクウの前に座ると、書物を一冊持ち上げて、
「けど、マントならこう言うのに書いてある事より詳しく知ってるんじゃ……」
と、リナが言うと、
「マントの情報は正確すぎるんだ。
降魔戦争だって、人間の歴史書じゃ正確な事は、解ってないがマントは知ってるからな。
一般には、どれくらい知られていて、どういうふうに信じられているか知って真実を証明するのが考古学者だからな」
と、クウは珍しくイキイキと、子供のような目でそれでいて責任感ある口調で言った。

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35086白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 @kou 2010/4/16 22:06:09
記事番号34771へのコメント

 とある町で、調査も終えて商人の情報が全くないことがわかった次の日、近くの町へと向かおうとした朝だった。
 リナはモーニングセット五人前を食べ終えて食後の紅茶を飲みながらつぶやいた。
「ねぇ、そろそろチェックアウトをする時間なんじゃないの」
 と、リナが朝から苺とホイップクリームのサンドウィッチやら蜂蜜たっぷりの熱々ホットケーキにバニラアイスを乗っけたのを食べるレビに訪ねると
「うーん、レビわかんないや」
 と、朝から甘いもので口の周りをべたべたにしたレビがにこにこと言う。見た目は、リナよりも一つ二つ年下の少女の姿をしているのだが、さらに幼く見える。
「クウさん、ものすごく寝起きが悪いですからね」
 と、アメリアが言う。
「前に、ガウリィさんが起こそうとして肋骨二本、腕を一本手首の骨をも折られましたからね」
「あれは痛かったぞ」
 と、ガウリィがうめく。
「旦那も覚えていたか」
 と、ゼルガディスも苦笑混じりにつぶやき
「そういや、ゼルも起こそうとして窓ガラスから突き落とされたんだっけ?」
「ああ、どうやったらあそこまで寝起きが悪い人間が育つんだ」
 と、リナの言葉にゼルガディスはため息混じりに言う。
「えー? でも、クウちゃんと手加減しているんだよ。ゼロくんが起こそうとしたときなんか、両腕が一瞬だけど消えちゃったもん」
「あいつは、魔王か」
 と、ゼルガディスが言う。
「おーーー」
 と、そこに魔王もどき……もとい、クウがマントを着込んでやってくるが目が虚ろで死んだ魚のようである。
「よーー」
 と、言いながら歩くがその足は千鳥足である。そんな中で、いすに倒れ込むように座る。
「……こっからここまで」
 と、ウェターがやってきたのをみてメニューから指さして注文をする。
「朝は、食欲が無くて困るな」
 と、つぶやいた。
「二十品目を注文しておいて言う言葉ではないと推測できます」
 と、マントがあきれた口調で言う。
「……うる……さい。お前が、………おそ……くまで……研究しているし」
 と、クウが言いながら水を飲みようやっと脳が動き出したらしく言葉を話し始める。
「ああ、あれですか。ようやっと作り終えたんですが……みます?」
 と、マントが言いながら懐から一枚の鏡を取り出した。
 それは、壁に掛ける姿鏡のようでなぜかウサギの耳がついているようである。
「なんですか? それ」
 と、ゼロスが訪ねると
「貴方もご存じあると推測されますが、これは影の鏡です」
 ――っぶ――
 盛大にお茶を吹き出したリナは、お茶が気管に入りむせ込む。
「シャドー・リフレクター? シャザード=ルガンディの影の鏡か?」
 と、ゼルガディスが驚いた口調で言う。
 リナはむせ込み喋れない。
「なんだ? じゃーさんルンバのじゃんとりんくって?」
「ジャザード=ルガンディだ。ま、旦那が知らないのは無理ないな」
 と、ゼルガディスがあきれた口調で言う。
「ジャザード=ルガンディ 魔道史上、偉大なと呼ばれている伝説級の魔道士です。派手な話は聞きませんが、マジックアイテムの制作で有名な魔道士です」
 と、アメリアが言う。
「そして、そんな彼が作った魔族対策のマジック・アイテムです」
 と、マントが言うが
「だが、昔それを狙った魔道士を捕まえようとして二人の魔道士が壊してしまったと聞いたが」
「ちょ、ちょっと」
 と、リナがむせ込みながらリナが言おうとしてもう一度むせ込む。
「創ったんですよ。完璧に創ったんですけれど効果を試してみたいんですよねー」
 と、言いながらふらりと彼らを移そうとして
「―!!!」
 リナは絶句して一瞬で移動してよけるがほかの四人の姿が写ったのだった

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35094白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 Akou 2010/4/25 13:36:43
記事番号34771へのコメント

「ファイヤー・ボール!!」
 リナの悲鳴混じりの力ある言葉が響き渡り、
 ちゅどぉぉぉぉむぅぅぅ!!
 ど派手な爆音と共に、ある町で一軒の宿屋が完全に崩壊した。
 爆音と煙が晴れた先には、リナがただ引きつった顔でがれきの山にたっていた。
「なにするんだ? リナ。目が冷めたのは良いが……」
「いや、あんたの目が覚めたのはどうでもいいとして」
 と、リナはとりあえずクウに突っ込んでおいてクウが着ているマントに
「ちょっと、マント。あんた、なんてものを作っているのよ」
「シャドー・リフレクターです」
「あたしは、そういう意味で言ったんじゃない!!」
 マントの返事にリナは悲鳴じみた声で言う。
「作ったなら、知っているはずよ!! あれの、欠陥を!!」
 と、リナが怒鳴っていると
「ちょっと、リナさ〜ん」
 と、ゼロスが無傷で(魔族なのだから、当然と言えば当然であるが……)現れて恨めしげな口調で言う。
「いきなり、何するんですか?」
「黙っていなさいよ。ゼロス。第一、あんたにはファイヤー・ボールはきかな…って、しまった〜〜!!」
 と、リナは唐突に悲鳴を上げて頭を抱える。
「どうしたの? リナちゃん」
 と、レビが訪ねる。
「ゼロスに、ファイヤー・ボールが聞かないんだから…当然、出てきたシャドーにも……」
 と、リナは青い顔してうめく。
 と、そこに、
「おい、リナ。いきなり、何するんだ」
「ちょっとリナさん! いきなり、何するんですか!! そんなの、正義じゃありません」
「おい、リナ。お前が、攻撃呪文を使うのはいつものことだが、いきなり宿の中でファイヤー・ボールはないだろう」
 と、ややすすけた三人ががれきから立ち上がる。
 さすがに、なれたものである。
「あんたら、落ち着いている場合? いい、あんたらシャドー・リフレクターに姿が映ったのよ」
 と、リナが叫ぶが
「あ、そういえば」
 と、ようやっとアメリアが気がつく。
「なぁ。第一、シャドー・リフレクターってなんだ?」
 と、ガウリィが聞く
「ああ、たしか鏡に映った姿の物の完全な複製品を作り上げるらしい。知識、経験、すべてを完璧にコピーした存在だ。…たしかに、やばいな」
 と、ようやっとゼルも焦り出す。
「ふーん。でも、俺は俺だろ。なに、慌てているんだ?」
「前にも言ったが、あれは対魔族用の兵器だ。完璧な複製品とはいえ、一つ本物と違うところがある。それは、本物と正反対の性質を持つと言うことだ。すなわち、敵を複製すればそれと同じ実力の見方を作ることができる。しかも、無限にだ」
「……………」
 しばし、考え込むガウリィにアメリアが
「つまり、リナさんを複製すればあたし達の敵のリナさんが大量に現れるんです」
「なにぃ、大変じゃないか!!」
「ようやっと理解したようですね」
 と、マントが至極冷静につぶやくが、そんな中で
「いや、ま、たしかにそうなんだけど…本当に慌てている原因は……ま、たしかにそれが原因とも言えるかもしれないんだけれど…」
 と、リナはうめきながら言っていると
「うわぁ、びっくりしたぁ」
 と、いう声が聞こえた。
 びくりっ――
 と、リナは肩をふるわせた。
 その声は、ゼロスの声であった……。

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35095Re:白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 Aセス 2010/4/25 21:46:52
記事番号35094へのコメント

こんばんは、お久しぶりです。

>「おい、リナ。いきなり、何するんだ」
>「ちょっとリナさん! いきなり、何するんですか!! そんなの、正義じゃありません」
>「おい、リナ。お前が、攻撃呪文を使うのはいつものことだが、いきなり宿の中でファイヤー・ボールはないだろう」
> と、ややすすけた三人ががれきから立ち上がる。
> さすがに、なれたものである。
リナとは長い付き合いですからね
> しばし、考え込むガウリィにアメリアが
>「つまり、リナさんを複製すればあたし達の敵のリナさんが大量に現れるんです」
>「なにぃ、大変じゃないか!!」
>「ようやっと理解したようですね」
> と、マントが至極冷静につぶやくが、そんな中で
>「いや、ま、たしかにそうなんだけど…本当に慌てている原因は……ま、たしかにそれが原因とも言えるかもしれないんだけれど…」
> と、リナはうめきながら言っていると
あ、怒らない(笑
>「うわぁ、びっくりしたぁ」
> と、いう声が聞こえた。
> びくりっ――
> と、リナは肩をふるわせた。
> その声は、ゼロスの声であった……。
ああ、なんだかとてつもなくおぞましい予感がします・・・(笑)

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35098Re:白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 Akou 2010/4/29 16:16:04
記事番号35095へのコメント

>こんばんは、お久しぶりです。
 こんにちは、レスが遅くなりました。kouです。
>> さすがに、なれたものである。
>リナとは長い付き合いですからね
 リナが暴れて建物が破壊されたことに関しては、ノーコメントなのもなれたからでしょうか?
>> しばし、考え込むガウリィにアメリアが
>>「つまり、リナさんを複製すればあたし達の敵のリナさんが大量に現れるんです」
>>「なにぃ、大変じゃないか!!」
>>「ようやっと理解したようですね」
>> と、マントが至極冷静につぶやくが、そんな中で
>>「いや、ま、たしかにそうなんだけど…本当に慌てている原因は……ま、たしかにそれが原因とも言えるかもしれないんだけれど…」
>> と、リナはうめきながら言っていると
>あ、怒らない(笑
 それどころじゃないだけで、気づいていないリナです。
 テンパり具合がよくわかります。
>>「うわぁ、びっくりしたぁ」
>> と、いう声が聞こえた。
>> びくりっ――
>> と、リナは肩をふるわせた。
>> その声は、ゼロスの声であった……。
>ああ、なんだかとてつもなくおぞましい予感がします・・・(笑)
 ゼロス消滅の危機!! マントも何という物を作ったんでしょう。
 実は、マントの設定でこういうのを後先考えずに作る変人という設定なんですが、本編ではなかなか書けそうにないので書いてみました。
 ついでに、せれくとで人気の高い影なる脅威もだそうとして……
 はてさて、このあとどうなるのでしょうか?

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35105白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 Bkou 2010/5/10 19:46:41
記事番号34771へのコメント

k GWも終わった月曜日。kouは、実家に里帰りしていました。
L そんでもって、家でもインターネットができるくせに一度もレスしなかったと……。
L そ、それはそれとして………さて、番外編第三話スタートです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 認めたくない。振り返りたくない。逃げ出したい。これらの衝動にリナはかられていた。だが、逃げ出したいのはひとえに責任感というわけではなかった。
 と、いうか責任をとるのは、マントだろう。
 逃げ出さない理由は、一つ。すなわち、その声の主をゼロスが見てどんな反応をするのかという好奇心。
 恐怖心と好奇心は交差し好奇心が勝つ。
 そして、リナはおそるおそる振り向いた。
 まず見えたのは、ただぼーと突っ立て居るガウリィ。とはいえ、ガウリィにまともな反応を期待しては居なかったのだが……。
 つづいて、目を見開く指さして口を酸欠の金魚のようにしているアメリア。
 そして、自分は冷静だと落ち着いているように装っているがいきなり真顔でラジオ体操を始めたあたり、かなり動揺して居るであろうゼルガディス。
 そして、絶句していて気のせいか髪がわずかに乱れているように見えるゼロス。
 唯一、動揺して居なさそうなのはクウでありそこら辺のがれきに座って落ちていた袋に入ったままだったパンを広い食べようかと考えている。
「クウ。いくら何でも拾い食いはどうかと思うわよ」
「む〜〜。でも、袋の中に入っていたし」
「そういう討論を繰り広げている場合ではないと推測されますが」
「あんたが言うな!」
 マントの言葉に突っ込みを入れてリナはくるりと周りを見る。
 そして、視線の先にいる四人を見た。
(やっぱ、逃げれば良かったかな)
 と、一瞬だけ祖言う言う考えが過ぎるが今更後には引けない。
(でぇい、女は度胸)
 と、ほおをはたく。ぺちん。と、言う音が響くと
「あ、あの大丈夫ですか?」
 と、その四人……影の鏡から現れたシャドー達……の一人、すなわちシャドー・ゼロスがおろおろと心配そうに訪ねてきた。
 ぞわりと、リナは全身の鳥肌が立った音が聞こえたような気がした。
 シャドーゼロスはリナにおそるおそる近寄ると、
「あ、あの、どうしたかは解りませんが、自分をというか……何であれ、何かを傷つけるのは良くないと思いますよ。
 ……あの、痛くないですか?」
「とりゃ!」
 びしりと、顔色変えずに顔面にチョップを一撃
「……? ……なんですか? リナさん」
「えっと、確認しておくけれど」
 と、前振りしながらリナはすでに答えをわかっていたのだが……。
「あんたは、ゼロスの影よね」
「あ、はい。えっと、はじめまして? でしょうか?」
 ぞわりとした寒気を感じる。体中にかきむしりたくなるような衝動にかられる。
「で、え〜と、そこに居るのは影のガウリィにアメリアにゼルガディスでしょ」
「そんなことも解らないのか」
 どっす
 シャドーガウリィの言葉に思わず間髪けりを入れるリナだった。

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35114白と茶と緑の来訪者と茶色い大騒動 Bkou 2010/5/17 19:02:18
記事番号34771へのコメント

「あんたに、言われたくはない」
 と、リナが吠えるとシャドー・ガウリィはちっちっちと指を振って
「それは、オリジナルのことだろ。俺は、オリジナルと違ってちゃんと物を考えるのだ」
 と、自慢げに言うシャドー・ガウリィの言葉にマントはぽつりと
「たしか、影の鏡は映した物の能力を複写するはずですから、……推測するとちゃんとガウリィさんに物を考える能力があるという事ですね」
 とつぶやく。その言葉に、
『なにぃぃぃ!!』
 と、思わず全員が絶叫の声を上げる。
「が、ガウリィさんに物を考える能力があったなんて、今世紀最大の発見です!!」
 と、拳を握りしめるアメリア。
「……なぁ、俺、バカにされている気がするんだが」
「安心しろ。オリジナル。本当にバカにされている」
 ガウリィの言葉にシャドー・ガウリィはぽんと肩をたたいてそう言った。
「って、そんなことはどうでも……良いかどうかはさておいて」
「どこに?」
「どうするのよ。これら」
 と、レビのぼけを無視してリナは影達を指さしてそう叫ぶ。
「どーすると言われましても、そもそもこれは……」
 と、何かを言おうとするマントの言葉を遮って
「ふっふっふ。困っているようね」
 と、声を上げたのはシャドー・アメリアだった。
「……な、なんか、楽しそうね」
「ふっ、当たり前よ。なぜなら、あたしは悪のアメリアなんだから」
 誇らしげに言うその言葉に、
「何ですって!」
 と、声を上げたのはアメリアだった。
 その言葉に、シャドー・アメリアは
「人が困っているのをみて喜び、人が悩んでいるのを見て喜ぶ。それこそ、私の幸せ」
「……魔族か。お前は」
 ぽつりと、半眼でそうつぶやいた。

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35125白と茶と緑の来訪者の茶色い大騒動 Dkou 2010/5/30 22:08:34
記事番号34771へのコメント

k 前回表記数字を間違えて、CのはずがBと記入しちゃったkouです
L バカね。
k うう、ひ、ひどいよ。ひどい。もうすぐ本編に出番が出るからすっごくかっこよく出せるのに、そんなこと言うとイメージがダウンしちゃうよ
L ま、言い間違いなんてよくある事よ。気にしないでね。ま、次にそんな失敗をしないように気をつければいいのよ。
k ありがとうございます。さすがL様。出番を美しく見せるためならどんな手段もいとわないだけ有ります。
L おぉーほっほっほっほ。
k では、番外編どうぞ(kouはLをごまかすのを成功した。レベルがアップした)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふっ、近いと言えば近いわね。あたしは、アメリアのシャドー。すなわち、悪のアメリア」
 と、シャドー・アメリアは言うのだが
「…………で、なんで物陰で言うのよ」
「甘いわね。本物の自身の正反対なのよ」
 なにか、疲れた感じをリナは感じていた。
 少し視線を動かせば、キメラの自分に見ほれているシャドー・ゼルガディスがいる。
「……で、これをどうする気よ。マント」
 ぎろりとリナににらまれて
「こうします」
 と、マントが言うと同時に鏡についていた裏をひっくり返すとぱかりと裏側をあけた。
「これ。裏面があるんですよ」
 と、マントが言いながら裏面でシャドーを移すと一瞬でそれは消え去った。
「へ?」
 リナが目を見開くと、
「ご存じないんですか? シャドーは、鏡の裏面で移されると消え去るんですよ」
 その言葉にリナはある可能性を思いつく。
 それは、昔作られた自分の鏡。
 だが、
「とはいえ、作られた鏡じゃないと効果がないんですが…………。そもそも、制作者だってそうやって失敗作を消去したんですから――――って、あれ?」
「おい。リナ。何泣いているんだ」
 地面にうっぷつし、涙を流しているリナはひたすらにあの時鏡を壊したことを悔いているのだった。