-うへへ。-もおきんるい(7/16-01:21)No.3411
 ┣良かったです〜!-佑香(7/16-02:32)No.3412
 ┃┗Re:良かったです〜!-もおきんるい(7/16-09:49)No.3414
 ┣Re:うへへ。-松原ぼたん(7/16-16:44)No.3422
 ┃┗Re:うへへ。-もおきんるい(7/16-22:14)No.3428
 ┣Re:うへへ。-おおしょ〜(7/17-20:00)No.3442
 ┃┗Re:うへへ。-もおきんるい(7/18-09:55)No.3446
 ┗読ませていただきました。-むつみ(7/19-07:11)No.3465
  ┗Re:読ませていただきました。-もおきんるい(7/19-13:05)No.3470


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3411うへへ。もおきんるい URL7/16-01:21

どうも、もおきんです。
いつも読んでばかりなので、今回は参加しようと思いまして〜、
はい。堕文ですが、ついてきてくでえ〜〜。

************************ポワソン・ダブリル


春爛漫の、おだやかな一日になりそうな日差しがこぼれるレストランの
窓際の席に陣取っている、栗色の髪の娘。
彼女はメニューにひっつかんばかりににらめっこ。
「なになに?今日のおすすめは『鯖のムニエルタルタルソース
添え』・・・か。・・・にしても、遅いぞ食欲大王」
朝食を食べるにしては少々遅い時間。
リナは相棒を待っていたが、あまりにも遅い。
しかたなく、先にメニューを決めることにした。
「おばちゃーん!鯖のムニエル、5人前ねー!」

食事が済んでしまっても、金髪の君は現われない。
「ちぇ。遅刻の罰で奢らせようと思ってたのに」
部屋に戻る階段を登る途中で、聞きなれた声に呼び止められる。
「リナ」
階下を見下ろすと、金髪が『笑って』いた。
その笑みが、気に食わない。つい、刺のある話し方をする。
「メシ抜きで、大丈夫?ガウリイ」
「ああ。もう食べた」
「へー、今日は早起きだったんだ。で、どこにいってたわけ?」
にっこり。満面の笑み。
「オレ、保護者、本日をもって辞める」
「・・・へ?」
リナは、なにを言われたのか理解できなかった。
「いままで名ばかりの保護者だったからなあ、いてもいなくても
同じだろ?これからはお互い自由の身だ、なあ?」
”・・・なにいってるの?ガウリイ?”
リナはやっと理解した。が、信じられない。
彼の口から保護者を辞めるなどと発せられるなんて。
さらに彼は畳み掛けるように続ける。
「そろそろちゃんと地についた生活をしなくちゃなあ、なんて
考えたんだ。嫁さん貰って、家建てて、犬と猫1ぴきづつ飼って
子供は多いほうがいいなあ・・・って、なにいってんだ、オレ」
顔を赤くして頭を掻く彼を、呆然と見つめるリナ。
口の中が乾いてきたのに、握る手のひらは汗をかいている。
「そ・・・っか・・・。そうか・・・あ、はは・・・」
足が地についていないようだ。ふわふわとして足取りがおぼつかない。
なんとか部屋に戻ろうと、踵をかえすが足元がふらつく。
”なにをやってんのかな〜?あたし、どうしちゃったんだろ”
そして、追い打ちをかけるように一言。
「あとでオレの嫁さん候補にあわせてやるよ」
力の抜けた足をなんとか引きずって、部屋に戻るなり彼女はベッドに
倒れ込む。
”ホゴシャ、ヤメルンダッテ。ホゴシャ・・・”
ぼんやりと壁を見つめる、リナだった。


そろそろ3時。
近くのケーキ屋のたまらない匂いが風に運ばれてくる。
「今日はチョコにしよう。鯖のチョコ。ぐふふふふ」
小銭をじゃらじゃらポケットで鳴らせながら店にはいる金髪。

鯖のチョコ。ポワソン・ダブリル。
・・・つまり、『四月ばか』だ。
4月1日はこの地方ではポワソン・ダブリルというのだが、嘘を
公然とついて騙すのが習わしなのだ。
それと、御菓子屋やケーキ屋はこの日、鯖のモールドで型抜きした
チョコレートを売る。
ばかな魚の代名詞、鯖・・・なんだそうで、なんで鯖がばかなのかは
ガウリイにも解らない。
が、昔からの習わしにケチをつけてもしょうがない。
目の前のおいしそうな鯖型チョコを袋一杯に詰めて貰い、店を出た。
「リナにも半分やるか」
宿に戻り、リナの部屋の前にくると、部屋から中年の女性が出てきた。
宿屋のおかみだ。
「おや?あんた、まだいたのかい?お連れさん、先に宿を出たけど」
「へ?」
「あら。あんた、おいてかれたんだね?早く行かないと追い付けないよ」
「???」
慌てて部屋のなかに入る。
がらんとした、無人の部屋。掃除したての、こざっぱりとした部屋の中に
リナの荷物はなかった。もちろん、本人も。
「げ?」
”なんで、いっちゃったんだ??”
さっきの彼女の顔を思い出す。
”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
彼の端正な顔が、面白いくらいひきつっていく様を、おかみは見逃さなかった。
笑いを堪え、真面目な顔でガウリイを諭す。
「あのこ、泣かせたのかい?あんた、いい男だからねえ。でも、泣かしちゃ
いけないよ、うん」
「な、泣かせたなんて、そんな」
慌てて言い訳をしようとして、やめる。
”泣かせたのかも・・・あいつの泣いたところなんて、見たことないが。
でも・・・出ていっちゃったくらいだ、もしかして”
「ほら、とっととおっかけな!逃がした魚が大きかったなんて、後で泣いても
おそいんだからね!」
ばん!
背中を平手で叩かれ、気合いを入れられガウリイは決心する。
”とにかく、追っかけなくては!”


そろそろ夜更け。
11時57分。
賑やかだった宿屋も静けさを取り戻す頃。
泊まり客の大半が寝静まる。
宿屋の受け付けに、一人の男が肩息せき切って入ってきた。
「ここに・・・ぜいぜい、リ・・・ぜい、リナ・インバースって・・・
ぜい、いるかい・・・?」
受け付けの宿屋の主は、眉を吊り上げながら宿帳を見る。
じろりと男を睨む。
「あんた・・・このこのなんなのさ」
「なんなのって・・・保護者だ」
「ほう。保護者ねえ。あのこ、どうみたって18くらいだがねえ。
保護者の必要な年齢じゃあないが」
「・・・泊まってるんだな?」
「明日、出直しな。面会する時間は、とっくに過ぎてるぜ」
「明日だな?」
「ああ。明日だ」
そのとき。柱時計が、12回鳴った。
ガウリイは、おやじに微笑む。
「さて、明日になった。部屋はどこだ?」


どんどん。
どんどん。
リナの部屋のドアを誰かがノックしている。
「なによ。こんな夜中に」
”あたしは寝てないからいいけど、他のお客に迷惑じゃないの”
寝ていない・・・いや、寝られないのだ。
今は涙もやっと止まったが、眼球は赤く、瞼は腫れていた。
彼の『保護者辞めます』宣言は、今だに堪えている。
それと、『嫁さん候補』。
いつ、そんな相手みつけたんだろう。
のそりとベッドから降り、ドアを開ける。
そこには、大柄な人間の影があった。
彼女は寝るために部屋を真っ暗にしていた。そして、明るい廊下。
逆光で、影が立っているように見えたのだ。
リナには影にしか見えない人物が、誰だか一目で解った。
「なにしにきたの」
”ちがう。本当は、来てくれてうれしい、って言いたいのに”
考えとちがう言動が、つい口から出る。
彼女のつっけんどんな挨拶に、彼は辛抱強く返事をする。
「・・・黙って行くのは・・・反則だ」
”リナの奴、おこってるなあ。しかたないだろうけど”
自分の影が彼女の表情を隠している。一体、どんな顔して話してるのか
彼にも判らない。
「だって、いなかったじゃない。部屋に」
「だからって、なあ。・・・それに、嫁さん候補に会わずにいっちまうし」
”むか”
「しらないわよ。あんたの嫁さんが誰だろうと」
強い口調。踵を返し、背中をむけてしまった。
だが、彼女の気持ちが背中でわかる。顔よりも、背中は正直だ。
「会ってくれよ、頼むから」
懇願。
彼の困った様子に、リナは困惑する。
”そんなに、その子がすきなの?あたし、ガウリイに好かれてると・・・
自惚れてた。くやしい。そんな子、八つ裂きにしてやる”
「・・・いいわ、連れてきなさいよ」
気持ちをなんとか抑え、返事をする。
するとどうだろう。彼がはしゃいでうれしそうにしている。
「やあ、よかった。お前さんに拒絶されたらどうしようかと」
”なによなによ!!そんなにうれしそうに・・・みてらっしゃい!
あんたの目の前でひどい目にあわせてやるから!”
身体がわななくのを必死で堪える。
「さあ、会ってくれ。これが、オレの嫁さん候補だ」
突然、顔の前に手鏡が差し出される。
「なかなかの美人だろ?リナっていうんだ」
「・・・」
「気に入らないか?残念だなあ。お前さんなら、気に入ってくれるとばかり
思ってたんだがなあ」
そして、ポケットから『ポワソン・ダブリル』・・・鯖のチョコを出すと、
リナに渡した。
「旨いぞ。一緒に食おうぜ」
リナはチョコを見て瞬時に理解した。
「・・・だましたわね?」
「だますつもりが、大変な結果になってしまったなあ、あははは。
オレの計画では、嫁さん候補だー!で、女装のオレが登場〜のハズ
だったんだが。お前を笑わせるつもりが泣かせて、失敗失敗」
のほほんと返事。リナはガウリイの手に、手鏡を叩き付ける。
「泣いてなんかないわよ!鏡、いいえ、彼女はお返しするわ。嘘つきさん」
「おいおい。それはちがうぞ。時計、みろよ」
深夜0時13分。4月2日にかわっている。
「これは、うそじゃない」
ひょい、とリナの目線に手鏡を向ける。
鏡に映る、自分。
”どうしようもない表情。なんて顔、してんのよ”
自分の顔の表情に苦笑する。
「解っていただけたでしょうか?お嬢ちゃん」
「子供扱いしないでよ・・・」
笑う彼がやさしい。思わず、胸に飛び込みたくなる。だが。
ポワソン・ダブリルのことを、一昨日ガウリイに話したのは自分だった。
何故嘘と見破れなかったのか。
リナはやり場のない口惜しさで、だんだんむかむかしてきた。
”ガウリイは、悪くない、だけど”
「えーーい、怒りの鉄拳!とりゃー!」
「ぐぶおわあ!・・・っつてーなあ!リナ!!」
「くふふふ。あたし、リナ・インバースが甘えて抱きつくとでも思って
いたの?ぐふわははは!残念で・す・が!そんな軽い女じゃないわよ!
あたしには、どこかですてきな王子様が出会う日を待っててくれてるのよ〜
ガウリイじゃあ役不足っつてーなあもんよ!」
「いいたいこと、いってくれるなあ」
殴られた頬を摩りながら、苦笑している。でもどこか余裕の、笑み。
「むうう!なに、余裕の含み笑いしてるのかなあ?」
「その王子様を見届けるまでは、保護者を辞めれないなあ、と思って」
くすくす笑っている。
「・・・ばかにしてるでしょ」
「あ、ばれた?」
「ああ、くやしい!そうやって、子供扱いする!」
「まさか。子供に求婚なんかする奴、いるか?」
「え」
赤い顔の娘の頭を、くしゃと大きな手が撫でる・・・というより擦る。
「まあ、まだ『候補』だからな。せいぜい精進するこった」
「ふ・・・ふん!!」
リナはチョコの袋に手を突っ込み、握られるだけ握ったチョコを
がつがつほおばる。チョコに八つ当たりだ。
「ああ!お前、全部食うなよ!」
「うるふぁいわね、けちけちふぃないろ、むぐむぐ」
「なあ、リナ」
ぐい、と娘の腕を引き寄せる。
「返事は、どうなんだ?」
口に入れかけたチョコを、ガウリイの口にねじ込む。
「一緒に、食べよう」
いたずらっぽく娘は笑った。


**************えんどおお

まあ、こんなもんで。では。


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3412良かったです〜!佑香 E-mail 7/16-02:32
記事番号3411へのコメント
こんにちは、佑香と言います。
最近このペ−ジを知って、ガウリナには思わずコメントをつけてしまって
いるので、つたない感想ですが、よろしく(笑)

>「オレ、保護者、本日をもって辞める」
>「・・・へ?」
>リナは、なにを言われたのか理解できなかった。
>「いままで名ばかりの保護者だったからなあ、いてもいなくても
>同じだろ?これからはお互い自由の身だ、なあ?」
は、はうっ!何をいってるんだガウリイ!!ってこぶしを握ってしまった
です(笑)最後をみるまでドキドキした・・・。

>”なんで、いっちゃったんだ??”
>さっきの彼女の顔を思い出す。
>”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
>彼の端正な顔が、面白いくらいひきつっていく様を、おかみは見逃さなかった。
ばちが当たったんだよ〜ん!ガウリイ(笑)
「さあさあどうするの?」と、先を想像して笑ってしまいました−。

>「・・・泊まってるんだな?」
>「明日、出直しな。面会する時間は、とっくに過ぎてるぜ」
>「明日だな?」
>「ああ。明日だ」
>そのとき。柱時計が、12回鳴った。
>ガウリイは、おやじに微笑む。
>「さて、明日になった。部屋はどこだ?」
おおっ!ガウリイにしては上手く切り返してるぞっ!!くううっ!進歩し
てるのね、彼も・・・。

>”そんなに、その子がすきなの?あたし、ガウリイに好かれてると・・・
>自惚れてた。くやしい。そんな子、八つ裂きにしてやる”
>「・・・いいわ、連れてきなさいよ」
>気持ちをなんとか抑え、返事をする。
嫉妬するリナ・・・。可愛いですねえ・・・。

>「さあ、会ってくれ。これが、オレの嫁さん候補だ」
>突然、顔の前に手鏡が差し出される。
>「なかなかの美人だろ?リナっていうんだ」
>「・・・」
>「気に入らないか?残念だなあ。お前さんなら、気に入ってくれるとばかり
>思ってたんだがなあ」
>そして、ポケットから『ポワソン・ダブリル』・・・鯖のチョコを出すと、
>リナに渡した。
くうっ!これって結構な殺し文句な気が・・・(笑)
気が利いてますよね、ガウリイ。

>リナはチョコの袋に手を突っ込み、握られるだけ握ったチョコを
>がつがつほおばる。チョコに八つ当たりだ。
>「ああ!お前、全部食うなよ!」
>「うるふぁいわね、けちけちふぃないろ、むぐむぐ」
>「なあ、リナ」
>ぐい、と娘の腕を引き寄せる。
>「返事は、どうなんだ?」
>口に入れかけたチョコを、ガウリイの口にねじ込む。
>「一緒に、食べよう」
>いたずらっぽく娘は笑った。
あまあまっす・・・。可愛いよう!リナ。何だかおやじな心境です(笑)

お上手ですよね−。楽しく読ませて頂きました。
なんだか変なコメントでごめんなさい。このへんで書き逃げします。
では〜。

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3414Re:良かったです〜!もおきんるい URL7/16-09:49
記事番号3412へのコメント

佑香さん、ど〜もありがと〜。
これ、季節はずれの「4月ばか」のおはなしです。
ポワソン・ダブリルは、たしかフランス版エイプリル・フール
のことだったと思うんだけど・・・。
ポワソン・ブリドルだったかなあ?まあ、いっか。
鯖のチョコも、実在の慣習です。
最初のタイトルでわかっちゃう人もいるかな?

ではでは。
もおきんるい

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3422Re:うへへ。松原ぼたん E-mail URL7/16-16:44
記事番号3411へのコメント
 面白かったです。

>「オレ、保護者、本日をもって辞める」
 をを、あっさり。
>「いままで名ばかりの保護者だったからなあ、いてもいなくても
>同じだろ?これからはお互い自由の身だ、なあ?」
 自覚あったのか(笑)。
>「あとでオレの嫁さん候補にあわせてやるよ」
 あ、とどめ(笑)。
>それと、御菓子屋やケーキ屋はこの日、鯖のモールドで型抜きした
>チョコレートを売る。
 うーん、習わしって冷静に考えると意味不明。
>ガウリイにも解らない。
 あたしもわかんない。
>”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
 地方の風習、リナが知ってるとはかぎらんぞ。というか、何であんたが知ってる!? そっちの方が不思議だわ。
>「さて、明日になった。部屋はどこだ?」
 屁理屈だなー。
>「なかなかの美人だろ?リナっていうんだ」
 結構気障かも。
>オレの計画では、嫁さん候補だー!で、女装のオレが登場〜のハズ
 それは見たかった(笑)。
>何故嘘と見破れなかったのか。
 ついていい嘘と悪い嘘がありますからねー(ちょっと違う)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3428Re:うへへ。もおきんるい URL7/16-22:14
記事番号3422へのコメント

どおも〜、もおきんです。
感想。ありがたや〜。

>「いままで名ばかりの保護者だったからなあ、いてもいなくても
>同じだろ?これからはお互い自由の身だ、なあ?」
自覚あったのか(笑)。

◯あははっは。自覚してないと思います。

>それと、御菓子屋やケーキ屋はこの日、鯖のモールドで型抜きした
>チョコレートを売る。
うーん、習わしって冷静に考えると意味不明。
>ガウリイにも解らない。
あたしもわかんない。

◯謎の地方の慣習。うちの近所は狐のお面を被って棒の手で乱舞する。
そのあと、獅子舞が銭をせびりにくる。

>”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
地方の風習、リナが知ってるとはかぎらんぞ。というか、何であんたが知ってる!? そっちの方が不思議だわ。

◯これは3/31未明、リナのほうから話題にしているのです。
そこでいたずらを思いついたガウリイくんだったんだなあ。

>「さて、明日になった。部屋はどこだ?」
屁理屈だなー。

◯本当。こんな明快な頭は、リナの関係することでしか働かないでしょう。

>オレの計画では、嫁さん候補だー!で、女装のオレが登場〜のハズ
それは見たかった(笑)。

◯ららあさん姿のガウリイを自分のHPに描きました。
あれでよければみてくだされい。

また話思いついたらUPしちゃおっと。
そのときもよんでね〜。

もおきんるい

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3442Re:うへへ。おおしょ〜 E-mail 7/17-20:00
記事番号3411へのコメント
いや〜〜〜おもしろかったです!
好きです。こーゆーガウリナも。

>「リナ」
>階下を見下ろすと、金髪が『笑って』いた。
>その笑みが、気に食わない。つい、刺のある話し方をする。
>「メシ抜きで、大丈夫?ガウリイ」
>「ああ。もう食べた」
>「へー、今日は早起きだったんだ。で、どこにいってたわけ?」
>にっこり。満面の笑み。
>「オレ、保護者、本日をもって辞める」
>「・・・へ?」
ええ〜〜〜〜〜〜っっっ??!と私も最初は思った。
>「いままで名ばかりの保護者だったからなあ、いてもいなくても
>同じだろ?これからはお互い自由の身だ、なあ?」
>”・・・なにいってるの?ガウリイ?”
>リナはやっと理解した。が、信じられない。
>彼の口から保護者を辞めるなどと発せられるなんて。
ホントにねえ。
>さらに彼は畳み掛けるように続ける。
>「そろそろちゃんと地についた生活をしなくちゃなあ、なんて
>考えたんだ。嫁さん貰って、家建てて、犬と猫1ぴきづつ飼って
>子供は多いほうがいいなあ・・・って、なにいってんだ、オレ」
リナとだろ?ガウリイ。
>顔を赤くして頭を掻く彼を、呆然と見つめるリナ。
>口の中が乾いてきたのに、握る手のひらは汗をかいている。
>「そ・・・っか・・・。そうか・・・あ、はは・・・」
顔面蒼白?
>「あとでオレの嫁さん候補にあわせてやるよ」
>力の抜けた足をなんとか引きずって、部屋に戻るなり彼女はベッドに
>倒れ込む。
>”ホゴシャ、ヤメルンダッテ。ホゴシャ・・・”
>ぼんやりと壁を見つめる、リナだった。
うん。あたしもリナだったらきっとそうする。

>そろそろ3時。
>近くのケーキ屋のたまらない匂いが風に運ばれてくる。
>「今日はチョコにしよう。鯖のチョコ。ぐふふふふ」
>小銭をじゃらじゃらポケットで鳴らせながら店にはいる金髪。
>
>鯖のチョコ。ポワソン・ダブリル。
>・・・つまり、『四月ばか』だ。
>4月1日はこの地方ではポワソン・ダブリルというのだが、嘘を
>公然とついて騙すのが習わしなのだ。
>それと、御菓子屋やケーキ屋はこの日、鯖のモールドで型抜きした
>チョコレートを売る。
>ばかな魚の代名詞、鯖・・・なんだそうで、なんで鯖がばかなのかは
>ガウリイにも解らない。
>が、昔からの習わしにケチをつけてもしょうがない。
>目の前のおいしそうな鯖型チョコを袋一杯に詰めて貰い、店を出た。
>「リナにも半分やるか」
>宿に戻り、リナの部屋の前にくると、部屋から中年の女性が出てきた。
>宿屋のおかみだ。
>「おや?あんた、まだいたのかい?お連れさん、先に宿を出たけど」
>「へ?」
>「あら。あんた、おいてかれたんだね?早く行かないと追い付けないよ」
>「???」
あんたが悪いんだぞ。ガウリイ

>どんどん。
>どんどん。
>リナの部屋のドアを誰かがノックしている。
>「なによ。こんな夜中に」
>”あたしは寝てないからいいけど、他のお客に迷惑じゃないの”
>寝ていない・・・いや、寝られないのだ。
>今は涙もやっと止まったが、眼球は赤く、瞼は腫れていた。
>彼の『保護者辞めます』宣言は、今だに堪えている。
>それと、『嫁さん候補』。
>いつ、そんな相手みつけたんだろう。
ホント。ねえ。
>のそりとベッドから降り、ドアを開ける。
>そこには、大柄な人間の影があった。
>彼女は寝るために部屋を真っ暗にしていた。そして、明るい廊下。
>逆光で、影が立っているように見えたのだ。
>リナには影にしか見えない人物が、誰だか一目で解った。
>「なにしにきたの」
いやん!怒ってるう?
>”ちがう。本当は、来てくれてうれしい、って言いたいのに”
>考えとちがう言動が、つい口から出る。
>彼女のつっけんどんな挨拶に、彼は辛抱強く返事をする。
>「・・・黙って行くのは・・・反則だ」
>”リナの奴、おこってるなあ。しかたないだろうけど”
そうよ。しかたないのよ。
>自分の影が彼女の表情を隠している。一体、どんな顔して話してるのか
>彼にも判らない。
>「だって、いなかったじゃない。部屋に」
>「だからって、なあ。・・・それに、嫁さん候補に会わずにいっちまうし」
>”むか”
>「しらないわよ。あんたの嫁さんが誰だろうと」
その気持ち、よーくわかる。
>強い口調。踵を返し、背中をむけてしまった。
>だが、彼女の気持ちが背中でわかる。顔よりも、背中は正直だ。
>「会ってくれよ、頼むから」
>懇願。
>彼の困った様子に、リナは困惑する。
>”そんなに、その子がすきなの?あたし、ガウリイに好かれてると・・・
>自惚れてた。くやしい。そんな子、八つ裂きにしてやる”
おいおい。八つ裂きはヤバいぞ。(笑)
>「・・・いいわ、連れてきなさいよ」
>気持ちをなんとか抑え、返事をする。
>するとどうだろう。彼がはしゃいでうれしそうにしている。
>「やあ、よかった。お前さんに拒絶されたらどうしようかと」
>”なによなによ!!そんなにうれしそうに・・・みてらっしゃい!
>あんたの目の前でひどい目にあわせてやるから!”
>身体がわななくのを必死で堪える。
>「さあ、会ってくれ。これが、オレの嫁さん候補だ」
じゃじゃーん!なんつって。
>突然、顔の前に手鏡が差し出される。
>「なかなかの美人だろ?リナっていうんだ」
>「・・・」
>「気に入らないか?残念だなあ。お前さんなら、気に入ってくれるとばかり
>思ってたんだがなあ」
>そして、ポケットから『ポワソン・ダブリル』・・・鯖のチョコを出すと、
>リナに渡した。
>「旨いぞ。一緒に食おうぜ」
>リナはチョコを見て瞬時に理解した。
>「・・・だましたわね?」
>「だますつもりが、大変な結果になってしまったなあ、あははは。
>オレの計画では、嫁さん候補だー!で、女装のオレが登場〜のハズ
>だったんだが。お前を笑わせるつもりが泣かせて、失敗失敗」
そんなこと考えていたのか。ガウリイ
>のほほんと返事。リナはガウリイの手に、手鏡を叩き付ける。
>「泣いてなんかないわよ!鏡、いいえ、彼女はお返しするわ。嘘つきさん」
>「おいおい。それはちがうぞ。時計、みろよ」
>深夜0時13分。4月2日にかわっている。
>「これは、うそじゃない」
>ひょい、とリナの目線に手鏡を向ける。
>鏡に映る、自分。
>”どうしようもない表情。なんて顔、してんのよ”
>自分の顔の表情に苦笑する。
>「解っていただけたでしょうか?お嬢ちゃん」
>「子供扱いしないでよ・・・」
おおっ?久々に見たような気がする。『子供扱い』
>笑う彼がやさしい。思わず、胸に飛び込みたくなる。だが。
>ポワソン・ダブリルのことを、一昨日ガウリイに話したのは自分だった。
>何故嘘と見破れなかったのか。
>リナはやり場のない口惜しさで、だんだんむかむかしてきた。
>”ガウリイは、悪くない、だけど”
>「えーーい、怒りの鉄拳!とりゃー!」
>「ぐぶおわあ!・・・っつてーなあ!リナ!!」
>「くふふふ。あたし、リナ・インバースが甘えて抱きつくとでも思って
>いたの?ぐふわははは!残念で・す・が!そんな軽い女じゃないわよ!
>あたしには、どこかですてきな王子様が出会う日を待っててくれてるのよ〜
>ガウリイじゃあ役不足っつてーなあもんよ!」
いや。ガウリイも役には立つぞ?
>「いいたいこと、いってくれるなあ」
>殴られた頬を摩りながら、苦笑している。でもどこか余裕の、笑み。
>「むうう!なに、余裕の含み笑いしてるのかなあ?」
>「その王子様を見届けるまでは、保護者を辞めれないなあ、と思って」
>くすくす笑っている。
>「・・・ばかにしてるでしょ」
>「あ、ばれた?」
>「ああ、くやしい!そうやって、子供扱いする!」
>「まさか。子供に求婚なんかする奴、いるか?」
>「え」
確かにいないかも(^^)
>赤い顔の娘の頭を、くしゃと大きな手が撫でる・・・というより擦る。
>「まあ、まだ『候補』だからな。せいぜい精進するこった」
>「ふ・・・ふん!!」
>リナはチョコの袋に手を突っ込み、握られるだけ握ったチョコを
>がつがつほおばる。チョコに八つ当たりだ。
>「ああ!お前、全部食うなよ!」
>「うるふぁいわね、けちけちふぃないろ、むぐむぐ」
>「なあ、リナ」
>ぐい、と娘の腕を引き寄せる。
>「返事は、どうなんだ?」
あら。どきどき青春ど真ん中?

・・・というわけで、おもしろかったです!
ホームページの方に行ってみたんですが、そっちもいいですねっ!
また書いて下さい!
それでわっっ!あでぃおす!

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3446Re:うへへ。もおきんるい URL7/18-09:55
記事番号3442へのコメント

どうも、感想ありがとさ〜ん(byアホの坂田・・・て、しらないか)

>「だますつもりが、大変な結果になってしまったなあ、あははは。
>オレの計画では、嫁さん候補だー!で、女装のオレが登場〜のハズ
>だったんだが。お前を笑わせるつもりが泣かせて、失敗失敗」
そんなこと考えていたのか。ガウリイ
◯うちのガウリイ、すこしあたまいいんです(親馬鹿)

>「解っていただけたでしょうか?お嬢ちゃん」
>「子供扱いしないでよ・・・」
おおっ?久々に見たような気がする。『子供扱い』
◯そうか〜、某所では、いまも子供あつかいしながら18禁・・・
 だめだぞ、ガウリイ。

>ガウリイじゃあ役不足っつてーなあもんよ!」
いや。ガウリイも役には立つぞ?
◯どこがでしょうか?あれでしょうか?それとも、それでしょうか?

>「なあ、リナ」
>ぐい、と娘の腕を引き寄せる。
>「返事は、どうなんだ?」
あら。どきどき青春ど真ん中?←◯この表現に、笑いました(爆)。

> ・・・というわけで、おもしろかったです!
> ホームページの方に行ってみたんですが、そっちもいいですねっ!
裸えぷろん祭、みました?(滅)

ではでは、またなんか書いたら読んでくれるとうれしいです。
もおきんるい

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3465読ませていただきました。むつみ E-mail 7/19-07:11
記事番号3411へのコメント
もおきんるいさんこんにちわ。むつみと申します。
某所でお会いしたことがあるのですが、やはりここは「初めまして」でしょうか。


感想です。
>「オレ、保護者、本日をもって辞める」
でえええええええ?!何言ってるの?ガウリィ!


>”・・・なにいってるの?ガウリイ?”
>リナはやっと理解した。が、信じられない。
 そうだろうなあ。私も信じられない。


>そして、追い打ちをかけるように一言。
>「あとでオレの嫁さん候補にあわせてやるよ」
 このあたりで、「あんた!!偽者ねっ!!・・・さてはゼロスの回し者?」とまで深読みした私って・・・。


>鯖のチョコ。ポワソン・ダブリル。
>・・・つまり、『四月ばか』だ。
 なるほど。そうか、そういうことだったのか。


>さっきの彼女の顔を思い出す。
>”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
 自分の思いつきに夢中になって、リナが本気でショックうけたことに気付かなかったのか、ガウリィ。


>「さて、明日になった。部屋はどこだ?」
 おお。ことリナのことになると、知恵が湧いてきてしまうのね。
>
>「おいおい。それはちがうぞ。時計、みろよ」
>深夜0時13分。4月2日にかわっている。
>「これは、うそじゃない」
 ・・・かっこいいぞ、ガウリィ。

>何故嘘と見破れなかったのか。
 相手がガウリィだからでしょう。

>リナはやり場のない口惜しさで、だんだんむかむかしてきた。
>”ガウリイは、悪くない、だけど”
 いや。おこっていいとおもうぞここは。


>「返事は、どうなんだ?」
>口に入れかけたチョコを、ガウリイの口にねじ込む。
>「一緒に、食べよう」
>いたずらっぽく娘は笑った。
 リナらしくて、いいなあ。


 面白かったです。ガウリィがかっこよかったです。

 以下私信。HPおじゃまさせていただきました。すごくよかったです。
 ところでもおきんるいさん、主婦なんですか?
 わ〜い。お仲間お仲間。

 これからもよろしくお願いいたします。それでは。

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3470Re:読ませていただきました。もおきんるい URL7/19-13:05
記事番号3465へのコメント

むつみさん、どうも感想ありがとうございます。

>「オレ、保護者、本日をもって辞める」
でえええええええ?!何言ってるの?ガウリィ!
◯ここの部分、皆さんおどろかれるようだ。なぜだろ〜。

>そして、追い打ちをかけるように一言。
>「あとでオレの嫁さん候補にあわせてやるよ」
 このあたりで、「あんた!!偽者ねっ!!・・・さてはゼロスの回し者?」
 とまで深読みした私って・・・。
◯おおっ、そういう展開もいいですねえ!つぎは、それいただきい!

>鯖のチョコ。ポワソン・ダブリル。
>・・・つまり、『四月ばか』だ。
 なるほど。そうか、そういうことだったのか。
◯季節外れですんません。

>さっきの彼女の顔を思い出す。
>”・・・まさか、本気にしたのか?保護者、辞めるっていったのを”
 自分の思いつきに夢中になって、リナが本気でショックうけたことに
 気付かなかったのか、ガウリィ。
◯くらげだからねえ。(byエヴァのシンジくん風に)

>「さて、明日になった。部屋はどこだ?」
 おお。ことリナのことになると、知恵が湧いてきてしまうのね。
◯うちのガウリイは、ことリナの事になると(笑)

>「おいおい。それはちがうぞ。時計、みろよ」
>深夜0時13分。4月2日にかわっている。
>「これは、うそじゃない」
 ・・・かっこいいぞ、ガウリィ。
◯みなさん、わしの書くガウリイはかっこいいといってくれるので、
ちょっとうれしいです。(うふ)

>何故嘘と見破れなかったのか。
 相手がガウリィだからでしょう。
◯めったに嘘いわない人だと、つい信じちゃうよね。

>「返事は、どうなんだ?」
>口に入れかけたチョコを、ガウリイの口にねじ込む。
>「一緒に、食べよう」
>いたずらっぽく娘は笑った。
 リナらしくて、いいなあ。
◯リナらしく、ガウリイらしく、をモットーにしてますが、
イメージとはずれてたらすんません。

 以下私信。HPおじゃまさせていただきました。すごくよかったです。
 ところでもおきんるいさん、主婦なんですか?
 わ〜い。お仲間お仲間。
◯『いかれ主婦』です。(爆)おお、仲間ですかああ!!いやほー!
これからもなかようしてくんなまし。
HPも「もっと、むちゃくちゃにしてやる」(byガウリイに言ってもらい
たいですう)予定なので、お楽しみに。
ではでは。
もおきんるい