◆−狂いの回旋曲−チェイス (2006/10/10 19:37:09) No.32821
 ┗狂いの回旋曲2−チェイス (2006/10/14 17:01:12) No.32824
  ┗狂いの回旋曲3−チェイス (2006/11/3 21:50:47) No.32853


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32821狂いの回旋曲チェイス 2006/10/10 19:37:09


第一話―混沌の言葉(カオス・ワーズ)―

(全く。精神世界(アストラル・サイド)を渡っている時に、まさか時空のヒズミに巻き込まれるとわな。
 我もドジになったものだ……。)
 心の中でぼやきながら、一人の男は辺りを見渡す。
(ふむ。紅玉の魔『シャブラニグデュ』の世界か。
 暁の竜『スィーフィード』と共に力が削がれているな。
 これならば少々の無茶をしても誰にも止められまい。
 予言の存在がここにおらぬならば、な……。)
 そして彼は部下が予言した事を思いなおした。
(リナ=インバース。
 ガウリイ=ガブリエフ=インバース。
 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
 ゼルガディス=グレイワーズ=セイルーン。
 シルフィール=ネルス=ラーダ。
 時空を越え、我はこの五人の手にかかり滅びる、という予言だったかな。
 確かに、この時間率に我は存在していない。
 我は未来に来ているのだろうからやはりここで滅ぶのか。
 ここで滅びる可能性が高い、という事だ。
 まあ、『全ての母よりも大いなる母』が来たならば我はどうせ滅ぶのだが。
 どう転ぼうが我は滅ぶのだろう。
 全てを狂わせた報いだ。これくらいは受けよう。)
 そして、男は歩き出した。
 彼の濃密な瘴気をその場に残し。

           ***************

 月が、明るく輝いていた。
 その下で金髪の男性と黒髪の女性が向き合っている。
 女性が何か言葉を男性に告げると、男性は静かに首を振った。
 すると女性は微笑み、言った。
「はい。それでこそガウリイ様です。
 これでYesと言ったならば私はあなたを張り倒したでしょうね。」
「シ、シルフィール?」
「私は、リナさんの傍にいるガウリイ様が一番好きなんです。
 冷たい瞳を、していませんからね。」
 と言ってシルフィールは笑う。
「ありがとな。」
 ガウリイは、笑った。
「それですよ、ガウリイ様。
 その笑顔をガウリイ様にあげたのはリナさんなんです。
 しっかりと守ってあげてくださいね。」
 そして、宿の方に戻っていく。
 ガウリイは空を見上げた。
 月は満月であった。
 それに見とれていると、シルフィールがまたガウリイの方に歩いてきた。
「シルフィール?
 どうしたんだよ、話はあれで終わりだろう?」
 返事は無い。
 ガウリイはその野生の勘ですぐに何かがおかしい事に気がついた。
 そして、その口から言葉がこぼれる。
――時の交錯 無へのカウント
  生なる五つの光の交差
  神なる存在 魔なる存在
  全ての力は一つとならん――
 言葉が終わると、シルフィールは倒れた。
 ガウリイが駆け寄ると、すでに彼女は起き上がろうとしていた。
「どうしたんだ?」
「神託です。」
「へんたい?」
「いや、あの、神託ですよガウリイ様。」
「えーっと、で、そのしんてけ?とかいうのがどうかしたのか?」
「あの……も、いいです。
 普通は、あそこまで私の意志が無くなる事は無いんですけど……。
 かなりの存在の降ろした神託なのでしょうね。
 まあ、言った事は覚えています。
 早く宿に帰ってみなさんに伝えましょう。」
 急いで帰る二人と、アメリアを背負って(正しくは引きずって)走るリナと出くわした。
 どうやら、アメリアと盗賊いぢめに出かけているとシルフィールと同じような事が起こったのだろう。
 それで、アメリアは神託に慣れていないし、魔力も使っていた後だったから倒れたまんま、という事なのだろうが。
『リナ(さん)っ!?』
「へ?
 ガウリイ!? シルフィール!?
 あんた達、なんで一緒にいるのよっ!?」
「ふられるためです。」
「……あ、そ。
 で、ふられたの?」
「はい。」
「なんて言ったらいいのか、あたしにはよく分からないけど……。
 とにかくっ! アメリアが大変なのよ!」
 そして、リナが事情を説明し始めた。
 まあ、予想通り盗賊いぢめをして、お宝を漁っている最中。
 アメリアが急に立ち上がった、ということであった。
 そして、その口からシルフィールと同じように言葉がこぼれたのだという。
――月が四度満ちし時
  無へのカウントが終わりを告げる
  全ては混沌と化し
  母なる者の腕に戻らん――
 という内容だったという。
 それでお宝漁りを出来うる限り早く引き上げここにいるそうだが。
 煙の上がっている場所を見ると、先程までお宝を見ていたのはよく分かる。
 いつもの事、とするのも今回は少々無理があった。
「リナ。
 そういう時はその場で引き上げろ。
 いいな?」
 少し怒って言うガウリイ。
 はぁーい、と気のない返事を返すリナ。
 一歩も進んでいない関係は、仲間を焦らせるには十分であった。
 だからシルフィールは行動に出たのだが、効果0では悲しい、と一人そう思い二人に行きましょうといった。
 宿に戻ると、ゼルがいらいらしています、という顔をしながら四人を待っていた。
「遅い。
 って、アメリア!? どうしたんだ!?」
 リナに運ばれ……もとい引きずられて帰ってきたアメリアを見てゼルは驚愕する。
 シルフィールが復活(リザレクション)の呪文をかけたから大丈夫、というと納得したが。
 大事をとり、アメリアの看護をシルフィールがする、という事で話は収まった。
 次の話題は神託である。
「神託?」
「そうよ。」
「シルフィールがししとう、って言ってたから間違いないぞ。」
「ガウリイ、神託よ! し・ん・た・く!」
「おお、しれたくだな。」
「リナ、あきらめろ。」
「ま、いいわ。
 内容はシルフィールに聞いたから、あわせてみると……。」
――時の交錯 無へのカウント
  生なる五つの光の交差
  神なる存在 魔なる存在
  全ての力は一つとならん
  月が四度満ちし時
  無へのカウントが終わりを告げる
  全ては混沌と化し
  母なる者の腕に戻らん――
「かしらね。」
「ふむ。
 前半部分は不明だが、後半部分は分かりやすい。」
「で、どういう意味なの?」
「四ヵ月後。
 この世界が滅ぶという事だ。
 止める方法は、前半部分にあるのかないのか。」
「ほ、滅ぶって……。
 しかもどうして四ヵ月後?」
「月が四度満ちし時、とあるだろう。
 それはたぶん今日から四回目の満月が来た時、という意味だ。
 あと、全ては混沌と……とあるだろう。
 母なる者は『金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)』と考えてまず間違いはないはずだ。
 そう考えると、彼女の腕の中に戻るというのはつまり。」
「滅び、というわけね。」
「そういう事だ。」
 気まずい沈黙がおちる。
 そんな中で、ガウリイがリナのマントのはしをクイクイッと引っ張る。
「ああ、つまり、もうすぐこの世界が滅ぶ、という事よ。」
「えぇぇぇぇぇっ!?
 それってすっげー大変じゃないのかっ!?」
「大変だから考えてるんでしょーがっ!」
 リナのつっこみ。
「まあ、今日は寝よう。
 明日からは神託の解読に忙しくなるからな。」
「それもそーね。」
 そして、彼らは眠りについた。
 大変な危機が迫っているとも知らずに。

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32824狂いの回旋曲2チェイス 2006/10/14 17:01:12
記事番号32821へのコメント

まえがき
チェ:失敗してもこりずに投票してどーする、のチェイスです。
L:自覚はあるのね。
チェ:うぅぅぅぅぅぅぅぅ(涙)
L:でもなんでかくわけ?
チェ:だって、次の日には忘れるじゃないですか〜
L:ああ、思いついても忘れちゃうから投票するのね。って考えてないの?
チェ:ええ。行き当たりばったり。
L:なんつーか……。
チェ:ハンマァがふってこないうちに、本編に行って……いいですよね!
L:ハンマァよりもバッドの方が……いいわよねぇv
  ――その瞬間場面が切り替わり本編に移行――

          ***************

第二話―混沌の言葉(カオス・ワーズ)2―

「この町でいいはずだな?」
 蒼き髪と衣をまとう青年が、人気の無い場所に突如出現した。
 青年は、辺りを見渡し誰にも見られていない事を確認すると歩き出した。
「全く、ル=ティウィア自らがここに神託を降ろすなど……。
 あの五人の魂はいったい何なのだ?
 しかも金色の母までもがおまけを降ろす始末。
 残り香を消さないなどというノー・アフター・サービスぶり。
 一体、彼の御方達は何が目的なのか……。」
 呟きながら、一つの宿を目指す。
 そこは昨夜リナ達が泊まっていた宿だ。
 大体、今の時間は七時。
 宿で朝食を食べている頃だろう。
 そして、宿に青年が入った。
 瞬間、青年の頭の動きは止まった。
 何が起こっているのかなど、時間帯でわかるかもしれないが……。
 つまりはお食事バトル中だったのである。
 精神生命体をも慄(おのの)かせるそのにじみ出る殺気。
 宿の人にとっては出て行って欲しい存在だろう。
 隣の机でのんびりと食べる三人に、青年は話しかけた。
「すまぬ。」
「あ、はい、なんでしょう?」
 シルフィールがそれに答えた。
 ちなみに、ゼルはフードを深くかぶりなおし、アメリアはきょとん、としている。
「汝らと共に旅はできぬか?」
 青年がそう言うと、三人が反対した。
「いけませんっ!
 そんな、命を捨てるようなこと!」
「そうですっ!
 正義でさえも恐れるリナ=インバースとガウリイ=ガブリエフですよっ!
 あんな人達と旅してると、命がいくつあっても足りません!」
「まあ、魔族と関わりたくないならやめとけ。」
 ひどい言われようである。
 だが、食事に一生懸命な二人は全く聞いていない。
「一応、我も魔術と剣術に心得がある。
 足手まといではないと思うが。」
『ですから(だから)寿命を縮めるんです(だよ)っ!』
「ふむ。その点に関しての心配は我には無い。
 我が名はロンド。」
 青年は、ここで詰まった。
(ラスト・ネームは……これでよいか。)
「ロンド=ブライファルデュ=カルス・ブローデンだ。」
 青年の名を聞き、ゼルが眉をしかめた。
「永劫なる破魔(カロス・ブローデン)だと?」
「そうだ。
 ロンドでよい。
 汝らは気付いておらぬようだな。
 一度明かり(ライティング)を唱えてみるがよい」
 ロンドの言葉に、ゼルが明かり(ライティング)を唱える。
――火より生まれし輝く光よ
  我が手に集いて力となれ――
「明かり(ライティング)!」
 その瞬間、風が吹き荒れた。
『なっ!?』
 慌てる中、ロンドが人間以外の全てに防御結界を張る。
(風、か。
 火と提示しているはずなのに、な……。
 やはり語は狂い始めたか……。)
 そして、風が収まる。
 食事も全て無事だったが、人の位置はかなり移動していた。
 それが風が幻影で無かったと伝えていた。
「な、な、なんなのよ、これはっ!?」
 リナが叫ぶ。
 それにロンドは静かに答えた。
「我がこの世界に来た影響だ。
 過去と今につながりができ、過去に起こった狂いの余韻がこちらに来ておるらしいな。」
 その言葉に、初めてリナはロンドに気付いた。
「あんた、誰?」
「我が名はロンド。
 ロンド=ブライファルデュ=カルス・ブローデンだ。」
 一つの存在が地に降り立った瞬間から、全ては始まっていた。

         ***************

チェ:きり、悪ぼがぁっ!(後ろから鈍器でなぐられた)
L:あら、久しぶりね、ティーv
ティ:お久しぶりです、L姉様v
L:サイトも未完成のくせにオリキャラ出しすぎよね、こいつ。
  (と、下でバタンキュ〜になっている物体を指差す)
ティ:そうですよねー、あ、でも、私出るらしいですよ、これに。
L:へぇ、相変わらず気まぐれねぇ。
ティ:そうですよね。
   ルー母様なんかほとんど出てませんし。
L:あたしなんか名前だけよ。
ティ:私、影も形も出てませんねぇ。
L:誰呼ぶ?
ティ:ハル姉様と……クー兄様でどうでしょうか?
L:採用っ!
  (二人で物体を引きずる。
   その後には血の痕が残るばかり……。)
ティ:次回!(まだ続くのかいっ!)
   私も登場するかもしれないらしいですっ!
   黒い神官さんは出るのでよろしくぅ、との事でしたぁっ!

――そして幕は閉じた――

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32853狂いの回旋曲3チェイス 2006/11/3 21:50:47
記事番号32824へのコメント

チェ:死ぬほど遅れて投票のチェイ…ぶきょ!
L:さて、前書きを乗っ取ったところで。
  今回の登場人物の紹介をします。
  正義の仲良し四人組と……ゼロス。
  他は行き当たりばったり、って。
  こんだけ遅れて何も考えてないとは……。
チェ:仕方ないじゃないですかぁ。
   オリジナルの方が忙しいんですからぁ…………。
L:ああ、あの作ってる長編?
チェ:はい。
L:ふっ。あたしが出ない小説なんか燃やしなさい!
チェ:やですぅぅぅぅぅぅっ!
ティ:では、本編にGO!
チェ&L:とられたぁっ!

          ***************
第三話―罪―

「ロンド?」
「そうだ。」
 リナの言葉に蒼髪の青年―ロンドは頷く。
「永劫の破魔(カルス・ブルーデン)の称号を持つ『時の世界』の魔だ。
 よろしくな。リナ=インバース。」
 ロンドの言葉に、リナは顔をしかめる。
「異世界の魔王?」
「ほう、よく分かったな。」
 面白げに目を細める姿はゼロスと似ている。
 リナの言葉にゼルとアメリアは硬直する。
 そしてガウリイはほけ? とした。
「イカフライのママ?」
「異世界の魔王だ!」
 ガウリイの言葉にゼルがつっこむ。
 その言葉にロンドは冷や汗をかいた。
「どうすれば、そこまで間違えれるのだ……。」
 だがロンドの呟いた言葉など誰もきいちゃいない。
「あのねぇっ!
 前に闇を撒く者(ダークスター)デュグラディグデュと戦ったでしょ!
 あれの別の世界バージョンよ!」
「ダーなんとかってなんだ?」
 無責任なガウリイ。そして全員が自爆する。
 よろよろと起き上がったリナはスリッパをガウリイの頭に命中させた。
「黒い竜! 覚えてないの!?
 ヴァルガーヴとかフィリアとか!
 ジラスとかもいたじゃないのよ!」
「おー、覚えてる覚えてる。」
 大嘘つき。
 四人の思考はぴったり一致。
「黒の世界の魔か。
 神と共に一度こちらに降りてきた気配があるな。
 どうやら今は死んでいるようだが。」
 ロンドの呟きに三人が顔を向けて聞いた。
「死んでるってどういうことよ(ことだ)(ことですか)。」
「金色なる混沌の主。
 彼の御方のストレス発散道具にされたらしい。
 哀れだな。」
 そして三人は思った。
 二度と聞かないぞ、と。
「しかし。デュグもそうだが……シャブもよく口をすべらすからな。
 被害としてはこの世界の方が大きい気もするが……。」
 リナにはなんとなく分かった。
 シャブラニグデュが失敗ばかりしているという事が。
 ふとロンドは苦笑した。
「我も未来はそうなるがな。」
『?』
 全員の頭上に、大量のクエスチョン・マークが浮かぶ。
「そろそろ行くぞ。
 混沌の言葉(カオス・ワーズ)が狂っているからな。
 できるだけ魔術は使うなよ。」
 ロンドに注意を促され、旅は再会した。
 
          ***************

「世界が狂い始めている?」
「そうだ。
 いいか、ゼロス。
 世界を滅ぼすのは、我々ルビーアイ様配下の魔族が滅ぼさなくてはならないのだ!
 さもなければ、あの御方のお仕置がとぶ!
 さあ、行け、ゼロス!
 過去の魔王を倒してこい!」
「じゅ、獣王様ぁぁぁっ!」
 黒いゴキブリ神官が、上司に命じられている。
 いびられているともいえる。
 そして彼は空間を渡った。
 歪みの元。
 時の世界の魔のもとへ。

          ***************

「み、みつけ、まし、た、よ……。
 カル、ス・ブルーデ、ンさ、ん……。」
 ボロボロの黒い巨大なゴキブリ。
 五人の前に現れたのはそんなものだった。
 全員が沈黙する。
「なんでボロボロなの?」
「精神世界(アストラル・サイド)が滅茶苦茶なんです!
 あんなの渡って違う世界に行かなかった事が幸運です!」
 ゴキブリことゼロスは、リナに目を向け、涙声で叫ぶ。
 リナは指で耳を塞ぐ。
「ロンドさんを探してたんですか?
 ゼロスさん。」
「はい、そうです。」
 一瞬で彼の纏う気配が変わった。
 獣神官(プリースト)の気配に。
「過去の遺物がなんのようですか?
 ここは僕達の世界、消えてください。」
 ロンドに向かって投げかけられた純粋な力。
 それを消失させ、ロンドは不敵に笑う。
「無理だ。
 なぜなら我はこの者達に滅ぼされなければならないからな。
 それが、不本意ながらも起こしてしまった罪を消す唯一の方法だ。」
 おそらくゼロスだけだっただろう。
 その言葉の中にこめられた意味を理解したのは。
 そう、全ては数千年前。
 彼が一人の人間を愛した事より始まったのだ。

          ***************

チェ:きりわるいし……。
L:学習能力、というものを知らないの?
チェ:うぅぅぅぅぅ(涙)
ティ:私は?
チェ:また今度です。
L:ま、今回は臼にかけるだけで勘弁してあげるわ。
ティ:L姉様。なんて寛大……。
チェ:し、し、死にますぅぅうぅっ!
L:大丈夫よ。
  徹底的にやってあげるから。
チェ:やですぅぅぅぅぅぅぅブツ
――急に音声が途切れて幕がおちた――