◆−―END OF SLAYERS― ★ヘンタイ達の鎮魂歌★−特に菜塩 (2005/8/7 15:04:32) No.31675
 ┣第7話 ―覇王グラウシェラーの受難―−特に菜塩 (2005/8/7 17:00:58) No.31677
 ┃┗はじめまして−エスエル (2005/8/25 17:26:33) No.31748
 ┃ ┗こちらこそ はじめまして−特に菜塩 (2005/8/25 21:08:02) No.31757
 ┃  ┗Re:こちらこそ はじめまして−エスエル (2005/8/26 12:36:50) No.31763
 ┃   ┗ブラ事件 その真相について−特に菜塩 (2005/8/28 00:50:11) No.31771
 ┣第8話 ―ESCAPE TO THE SKY―−特に菜塩 (2005/8/15 15:13:27) No.31706
 ┣第9話 ―SAIRAAG DUST MEMORE―−特に菜塩 (2005/8/16 02:01:02) No.31708
 ┣第10話 ― THE DRAGON FIGHT ―−特に菜塩 (2005/9/6 23:05:14) No.31808
 ┗第11話 TRAIN TRAIN TRAIN−特に菜塩 (2005/9/14 02:01:43) No.31840


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31675―END OF SLAYERS― ★ヘンタイ達の鎮魂歌★特に菜塩 2005/8/7 15:04:32





                    ―――少女は旅立つ―――


          ―――世界を―――猛悪――ゼルガディス率いる悪の組織から救う為に―――



                 ―――インバースの名を受け継ぐモノ―――


                     【Lei Inverse レイ=インバース】


                     ――セイルーンの若き姫――


             【Fara=Will=Tesla=Saillune ファラ=ウィル=テスラ=セイルーン】


               ―――最後の古代竜(エンシェント・ドラゴン)―――


                          【Vale ヴァル】


           ―――かつての仲間―――憎しみに心を奪われた異常性欲者―――


             【Zelgadiss=Graywords ゼルガディス=グレイワーズ】


       ―――蒼き衣を纏いし存在―――END OF SLAYERS―――そして今話―――


                ―――かくて物語は中盤に差し掛かる―――

_______________________________________________

    ◆物語の舞台はドラえもんとの戦いから15年後の世界

    ◆軍事大国との提携と量産型ザナッファーにより世界征服を企むゼルガディス

    ◆それを阻止せんとするチルドレン達

    ◆役立たずのかつての聖戦士

    ◆世界の命運は年端の行かぬ少年・少女に託される

    ◆襲い掛かる精鋭強襲部隊 十本刀

    ◆魔族 滅びを望むものが企てる計画とは?

 ◆特に菜塩が送る 今までに無いスレイヤーズ 最終話 その2

_______________________________________________

     特に菜塩
      名作劇場:復讐の巨編 その2
   
     ☆END OF SLAYERS☆
 
      ★ヘンタイ達の鎮魂歌★

    原作:神坂一 スレイヤーズより
    脚本:特に菜塩
    出演:巨匠の作品に登場する皆様

_______________________________________________


   ※今回は予告編です。予告した内容は断り無く変更する可能性があります。
    個人の趣味でやってる事です。まあ、許して下さい。
    なお本作にはスレイヤーズを初め各種どこかで聞いた事のあるキャラクターが出演しますが、
    特に菜塩に著作権を侵害する気が無い事を明記します。
    さらに、この作品には複数のパロディ要素が含まれております。
    作品を鑑賞中に『んっ?これはどこかで……』とか思ったら

     それはパクリです!自分のオリジナルではありません!

    最後に【特に菜塩】には著作権の侵害をする気が一切ないことを明記します。

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31677第7話 ―覇王グラウシェラーの受難―特に菜塩 2005/8/7 17:00:58
記事番号31675へのコメント


 ※この話は『特に菜塩』の作品『蒼き衣を纏いし存在』から『END OF SLAYERS』に続く続編です。
  この話なら別にいいのですが、次の話以降を見る場合、上記の作品を先に見ることを強くお勧めします。
  なお、この話を読んで『精神または健康上の被害』をこうむったとしても特に菜塩になんら責任を取る気が無い事を明記します。

________________________________________________

           特に菜塩

  END OF SLAYERS:★ヘンタイ達の鎮魂歌★
    ____________________

           第7話
  
       覇王グラウシェラーの受難
    ____________________


    原作:神坂一 スレイヤーズより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:物語には関係なくて、魔族好きの人は見ないほうがいいかも☆
________________________________________________






 魔族。
 人の発する『負の感情』を糧とし、滅びを望むべく創られし存在。
 赤の竜神スィーフィードと紅眼の魔王シャブラニグドゥの世界。その世界の魔王には5人の腹心が存在した。

 冥王フィブリゾ。(死亡♪)
 海王ダルフィン。
 魔竜王ガーヴ。(死亡♪)
 獣王ゼラス
 覇王グラウシェラー

 ここで魔族のお仕事を紹介しよう。
 魔族のお仕事とは、人々の不安を無駄に増殖させ、自分を含む『魔族の皆さんにおいしいお食事を提供する事』や、『場合により行う破壊行為』のほかに『封印されたボスの救出』などたいして多彩なわけでも無い。
 しかし!人間の負の感情なんぞは食う分には困らんほど辺りに溢れてるし、別に破壊行為が好きなわけでもないので目的もなく町一つ地図から消し去るなんて真似も上から命令でも出なきゃしないし、やったら魔王が封印された人間が見つかるはずも無い為に、一部の魔族を除いては大抵ヒマを持て余しているのが現状である。
 結果として人間にとってはありがたい事に、魔族の皆さんは家に閉じこもる機会が多くなり、奴らの場合、余裕で100年単位で引きこもる場合もある。
 今日は、特に菜塩が―END OF SLAYERS― が遅れたお詫びを兼ねて。普段では見る機会の少ない魔族の一日を垣間見せよう!
 魔族の中には、どの組織にも属さない『野良デーモン』みたいな奴と、皆さんご存知の『獣神官ゼロス』のように上司と部下の関係を持つものが存在する。
 前者は草原を歩き、海を漂う気ままな生活を続け、後者は上司の無茶な命令に日々涙する生活を送る場合が多い。
 その中で今回は『覇王グラウシェラー』の居城【北の極点】の日常をお送りしましょう。

☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲


 「ルン♪ルン♪ルン♪」

 覇王軍団の住むお城の渡り廊下をスキップなんぞを踏みながら進む一匹の魔族。
 としの頃は十四、五といった、ところだろうか。やや小柄で、伸ばした髪を三つ編みにまとめた黒髪が、ふわりとその肩口にかかる大きな瞳をした少女。
 服装はと言うと、蒼い生地に銀の縫い取りの入った礼服に腰に携えるのは黒い長剣。
 彼女の名前は【シェーラ】覇王将軍シェーラだ。
 見た感じかなり機嫌がよろしい様子だ。
 なんでだろ?

 「しぇ……しぇら……っま……なっ…に」
 「ウフ♪じ・つ・は!獣王軍が極秘に推し進めていた作戦の概要が判明したの♪」
 「そっ…です……っか……」
 「近いうちに忙しくなるかもしれないから準備しててね♪」
 「……っい……」

 シェーラがくちベタな魔族に自分が好機嫌な理由を話す。
 なんでも獣王軍 極秘計画の詳細が判明したとか。
 同じ魔族なのに計画を知らないなんて事がありえるのか?
 意外に思うかも知れないが 魔族はタテの繋がりは厳しいモノのヨコの連携となると無きに等しいのだ。
 よって、他軍がどんな計画を企もうとスパイでも使わない限り ナニ企んでるか知るなんて不可能。
 偶然か?それとも調査が実ったのか?どちらにしろ彼女?の手に入れた情報はかなり重要な代物であった。
 そう。彼女はこの極秘作戦を自分の上司である【覇王グラウシェラー】に

    『あたかも自分が考えたかのごとく発表するつもりらしい』

 結果。パクリとは言え、計画がうまくいけば 手柄は全て彼女のモノだから気分がルンルンなのも無理も無い。 

 (ウフフ♪こんな重大な計画が手に入るなんてラッキーだわ♪
  この計画を私の発案で覇王様に提案すれば覇王様はきっとあたしを褒めてくれる♪
  大好きな覇王様におでこ なでなで してもらうんだもん♪)

 なんだかよくわからん妄想をしながら廊下を進むシェーラちゃん。
 その目の前に覇王グラウシェラー私室の扉が飛び込んでくる。
 期待と興奮。淡い恋心と共にシェーラはグラウシェラーの私室の扉を開け放つ!


    ガチャッ  「覇王さっ……っ……」
           「あっ…………………」 


 普段なら、扉の先には雅な装飾の施された白銀の全身鎧に身を包み、自分の持つ剣より大振りな大剣を腰に挿した覇王様が鎮座し、シェーラに対して、深く そして冷たい瞳を向けて「何事だ?」などと声を掛ける……はずであったが 彼女?の目に飛び込んできた光景は!!



 『女性モノの下着を身に纏い 今まさにブラの留め金を留めようとしている覇王の姿であった!!』


    …………バタンッ…………(シェーラが倒れた音)


 ナレーター「魔族は時として人間の文化に興味を持つ場合があります。この覇王グラウシェラーの場合、『生まれ持ちたる帝王の血』と『滴り落ちる覇道の精神』『女性になりたい!ピュアなハート』が融合した結果、『女性の象徴であるブラジャーを身に着ける』という異常行動に走ったのです」


 瞬間!覇王さまは最高速度で床に倒れたシェーラを抱きかかえて……

 「まッ待て!?違うんだ!これは何かの間違いなんだ!!(必死)」
 「ふふ……大丈夫っ…すよ……わたっ…しは……何も見てませんから……(虚ろな瞳は遠くをみつめ。薄ら笑いを浮かべながら)」
 「だ・か・ら!!これは誤解なんだ!とにかく間違いだ!だから……オイッ!?……どこ行くんだ?……シェーーーラァーーーーー」

 絶叫する覇王の声なんぞ耳に入らず部屋を立ち去るシェラー。

 「…………ブツブツ…………あれがわたしの上司………わたしの親というべき存在…………ブツブツ…………」

 目に飛び込んできた光景を受け入れる事ができず。地面に膝をつき、必死の言い訳を続ける女性モノの下着を……しかも!ガーターベルトに編みタイツまで装着した完全装備のヘンタイ覇王を半ば無視しつつシェラーはその場を後にする。

________________________________________________

   良き上司や部下に恵まれなかったら?

  フリーダイアル  0−人事 0−人事 

________________________________________________

 そして……覇王グラウシェラーの私室には 『憐れにすすり泣く』、『見た目年齢35、6』。『筋肉質』な体と『精悍な顔つき(ツノ付き)』『命などゴミ程度にしか感じない冷酷な心』を持ち合わせた 魔王の生み出した『5人の腹心の内もっとも残酷な漢(おとこ)』と畏怖される

   『女性モノの下着を身に纏ったヘンタイ』

 のみが残された。


 ナレーター「精神生命体と言うべき魔族達は 自分の知られたくない秘密を他人に知られた場合。普通の人間を大きく上回るダメージを受けます。わかりやすく言うと『徳川綱吉を とくがわ つなきち 』と答案に書いてしまい社会のテストでクラス1位のはずが3位になってしまった。それぐらいの精神ダメージで『人間の骨折程度のダメージ』で『お母さんに隠していたエロ本がバレた!』で『内臓破裂』。そして『体育の欠時オーバーで留年が決定した瞬間』の精神ダメージは魔族の受けるダメージに換算すると『至近距離でグレネードが爆発』するに等しいダメージとなります。覇王さまの場合は元の体力がある為に生存こそ しているものの、いつ倒れてもおかしくない危険な状態であると言えるでしょう」


 放心状態で床に倒れこみ、溢れ出る涙は床を濡らす。
 覇王グラウシェラーは今まで覇王としての威厳を持ち、断固たる決意のもと魔族としての責務を果たしてきた。
 冷酷非常な覇道を極めし者。獰猛な猛禽類のごとき御方。泣かぬなら 殺しちまいな ホトトギス。
 覇王グラウシェラーは このイメージを作るのに何千年の歳月を費やしたか?
 そんなのはどうでもいい。
 彼は今後

   『女性モノの下着を身につけた ヘンタイ ダイナスト(覇王)グラウシェラー』

 と呼ばれるのだから。

(ぉぉぉ……まさか……まさかシェーラがあのタイミングで部屋に来るなんて……オレは今後どうなる?『凍える魂持ちたる覇王』は消えて

      『ヘンタイ ダイナスト(覇王)』

 とか呼ばれるのは確実じゃないかあぁぁぁぁーーーーー。
 このままじゃオレの力を借りた呪文を人間が唱えるときなんぞ

   ――大地の底に眠り在る――凍える魂持ちたる覇王――

 となってたところが

   ――ピンクのブラを身に纏う――ヘンタイ魂(ソウル)持ちたる覇王――

 なっちまうじゃねぇぇかぁぁああああーーーーーーーーー!!
 そんなのいやじゃ!
 ヘンタイダイナストなんて呼ばれるぐらいならオレは 

        滅びを選ばせてもらう!!

 あああlちゃうああああああでぇういfぎえgfんff3rpf〜〜〜〜〜〜
 ……滅びたい……滅びたいよ……いやだよこんなの……HE・N・TA・I・ダイナストなんてやだよ……滅びたい……HO…RO…BI…TA…I……ほ……ろっ……)


            ――お待ちなされ!!――


 自我に負け、滅びの道(自殺)を突っ走っていた覇王グラウシェラーの耳に朗々とした声が!!
 覇王にはその声に聴き覚えがあった。

 「……ううっ…ぐすん…なんだ……覇王神官グロウか……」
 「はい。廊下を通りかかった所。ダイナスト様の叫び声が聞こえたので……いったい…なにが?……」

 そりゃあ最後が疑問系にもなるわ。
 なんたって自分の上司が

  ピンクのブラとパンティーを纏い。編みタイツにガーターベルトまで装備した姿で泣いてるんだから

 覇王神官グロウの問いかけに完全に吹っ切れる覇王たん♪

 「それは……わっ…我の姿を見るがよい!!これがその答えだ!!さぁー笑え!!この無様な!この覇王の本当の姿を嘲り嘲笑するがいい!!うひゃひゃひゃひゃぁ〜〜〜〜〜〜〜」

 もしも〜〜し?覇王さん。
 だめだ。完全に壊れてやがる。
 自我が崩壊し。メダパニ状態の覇王さまに対して覇王神官グロウが……

 「ダッダイナスト様!落ち着いてください!!」
 「うひゃはyひゃ〜〜〜〜天使のブラは付け心地最高だぁぁ〜〜〜〜〜(by覇王様♪)」
 「ダイナスト様!?どうか平常心をぉ!」
 「オレの友達(♂)はワコーールにおっぱい目当てで就職試験受けにいったんだぞォォーーー(菜塩的実話でこいつは落ちた)」
 「ダイナッ…「ひゃひゃひゃひゃひゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

……
…………
………………
………………ダイナスト様!!これをご覧下さい!!……

        ガバッ!!

 覇王神官グロウは突然!その身に纏う神官服のズボンを下ろしその下半身を 床に転がり手足を バタバタ させている覇王グラウシェラーの目から10cm所にさらけ出す!!(アホだ)

  「うぉぉぉぉ☆彡ーーーーーーーーーーーーー」

 グラウシェラーの私室に響き渡る覇王の絶叫。
 しばらく驚愕の表情をしていた覇王だが、ふと ハッ! と声を上げ……

 「グッ…グロウ!?貴様なにをやっているんだ!?」
 「……はぁ……はぁ……ダイナスト様……どうやら正気に戻られたようですね」
 「いやっ!むしろお前の方が正気じゃないだろ!!」
 「わたくしめが異常であれば覇王様のその御姿は異常ではないのですかな?」
 「なんだと!?……ハッ!?そういえばオレは……」
 「思い出したようですな。自分がなにをしたのか」
 
 その瞬間覇王グラウシェラーは 『強烈な視覚的攻撃による』『一時的な記憶喪失状態』から脱し、全てを思い出す。
 
 「…………うひゃぁっ…「お待ち下さいダイナスト様!!平常心をぉー」
 「これが平常心でいられるかぁ!!オレは今さっき全てを失ったんだぞ!!覇王としての威厳も!魔族としてのプライドもぉーーー」
 「大丈夫ですダイナスト様。たとえダイナスト様が『女装趣味のヘンタイ魔族』だろうが『女性モノの下着を身に纏うキチガイ』だろうが『――ピンクのブラを身に纏う――ヘンタイ魂(ソウル)持ちたる覇王――』であろうともーー」
 「……グロウよ……オレが3秒数え終わるまでに謝れ!……ひとぉぉぉーーつ!!」
 「ごめんなさい……もう言いません」
 「うむ」

 うなずく覇王様であったが、現実的になんも解決してない事に気づき、再び頭を抱える。

 「オレは……オレはいったいどうすれば……」

 部屋の隅っこで体育座りしている覇王が独り言とも問いかけているとも取れる口調でつぶやく。周囲に浮かぶ青白い人魂の演出が憎い。
 その今の一言を問いかけと判断した覇王神官グロウが言う。

 「覇王様。わたくしに良き考えが」
 「……なに?……」
 「これをご覧下さい!!」

   ガバッ

 今度は覇王神官グロウが上半身を覆う白銀の神官服を脱ぎ捨てる。
 そして……覇王神官グロウのたくましき胸板には純白の

        ブラジャー

 が身につけられていた。
 その神々しい姿を見た覇王グラウシェラーが声を上げる。

 「……グロウ……それは……」
 「今までダイナスト様には黙っていましたが、わたくしも同志であります」
 「……グロウ……」
 「ダイナスト様……」

    ガシッ!!

 二匹のヘンタイ魔族は固く手を握り合う。
 それは。真に男が分かり合ったときに行う神聖なる儀式であった。
 覇王が言う。

 「グロウよ。貴様の良き考えとは何なのだ?聞かせてもらおう」

 おおっ!威厳ある口調。これが本当の覇王か!
 けど、ブラは身につけたまま(笑)
 覇王の問いかけにグロウは――

 「簡単でございます。今回の騒動を解決するには まず、ダイナスト様がブラジャーを身につけるのを正当化すればよろしいのです」
 「汝の言うとおりだ。しかし、正当化するとなると少々厄介だな……」
 「簡単でございます。たとえば、『今後、覇王軍に属するモノは他軍との区別の為に例外なく女性モノの下着を身につけなくてはならない』なる法案を出してはいかかでしょうか?」

 たぶん。上で覇王神官グロウの出した法案はなんというか……その……

        『覇王神官グロウの願望なんだろう』

 そうなると、シェラーに獣王軍の極秘計画を流したのもグロウなのではないか?
 うう〜〜む、やり手だ。

 「なるほど☆そうなれば今さっきブラとパンティーを我が身につけていたのは……」
 「無論。試着でございます」
 「決定だな……いますぐ準備にかかる!!……ところでだ」
 「はい?」
 「ブラのフォック取ってくれないか?我は体が固くてな、背に手を回すのがきついのだ」
 「ははは。その程度の事であれば……」
 「うむ。すまぬな」


________________________________________________

 その頃――

 (よ〜〜く考えて見れば覇王様がヘンタイのはずが無い!!本当になにか誤解があったのかも……)

 どうやらシェーラは先ほど見た光景がまだ、何かの間違いだと思って覇王グラウシェラーの元に舞い戻ってきたようだ。
 足早に私室に向かうシェーラ。
 そのシェーラが覇王の私室のドアを開け、その瞳に映るのは……

  『ブラを着けた以外に完全ヌードの覇王神官グロウが覇王グラウシェラーの背後からブラを脱がしている光景だった!』

 しかも双方満面の笑みを浮かべている。(問題解決&願望が叶った為)



    ほんの小さな出来事に〜〜〜♪  君は傷ついて〜〜〜♪


       ガチャッ(シェーラがドアを閉めた音)


    君は部屋をとび出した〜〜〜♪  真冬の空の下に〜〜〜♪


 「まっ待て!!今度こそ本当に誤解なんだぁーーーーーー(あわてて駆け寄る)」
 「シェーラ殿!これは……その……ダイナスト様が脱げなくて」
 「……とりあえず……自分が脱いだ後……覇王様を脱がしにかかった……うふふっ……(上の空の瞳で)」
 「ちがぁーーーーーう!!(グラウ&グロウ)

 泣き叫ぶヘンタイ魔族から遠ざかるシェーラ。
 「……ぶつぶつ……男同士……それも親子というべき関係で……ぶつぶつ……(死んだ魚のような目でつぶやくシェーラ)」


                      THE BAD END



                                                 BGM byサボテンの花
________________________________________________

  【魁!あとがき放送局】


 特に菜塩:この物語の作者。【魁!あとがき放送局】では 作者Nと名乗る。

    L:週間少年ジャンプで連載中の【DETH NOTE】に出てくる人。
      特に菜塩をキラだと思っていて、こいつもある意味では変態だ。
      名前だけで選ばれたような奴で【魁!あとがき放送局】では デスLと名乗る。


 作者N「始まりました!【魁!あとがき放送局】。このコーナーでは作品中で解説の出来なかった補足の説明や様々なイカレタ話を中心にお送りしたいと思います」
 デスL「それはどうでもいいんですけど」
 作者N「なんだよ?」
 デスL「今回の話ってEND OF SLAYERSと関係無い話ですよね?」
 作者N「いやっ。獣王軍が企む極秘計画って所なんか」
 デスL「作品中で詳しい内容が語られていないようですが?」
 作者N「……それではぁーー」
 デスL「誤魔化さないで下さい!!」
 作者N「ほら……久しぶりに投稿するから……後々修正が効かなくて物語、破綻の原因になる本編を書く前にどうでもいいサイドストーリーを書いて肩慣らししようかなって」
 デスL「だからって今回の話はなんですか(怒)覇王が女性モノの下着を身につける理由が私には理解しかねます。それよりもあなたの脳みそが理解できません!」
 作者N「まぁ……落ち着いて……」
 デスL「今回の話には抗議の声がっ……ていうか抗議がきています。どうぞ『Lさん』」

   ばるん ばるん ぶぶぶーーーーーーーーーーん

 金色L「おらぁーーーーー作者Nーーーー!!魔族をなめんなよ〜〜〜〜」
 作者N「……なにゆえに暴走族……二人乗りの……しかもロケットカウル付きの単車で……いやっ部下Sの漕ぐチャリンコか……」
 部下S「ぶぶぶっぶぶ……ぶるんぶるんーーーー(バイクの音らしい)」
 金色L「混沌の海から覗いてみればアタイ達魔族を『変態集団』みたいにあつかいやがってぇぇ〜〜〜夜露死苦〜〜〜」
 デスL「今回のゲスト。金色の母Lさんとその部下Sです」
 金色L「納得のいく説明をして頂こうかしら?それとも……」
 作者N「わかった!わかったから『バイク乗ってるときに道路にガリガリやったせいで 先っぽがささくれ立った』その黒檀の木刀をしまってくれ!!」
 デスL「では。説明を」
 作者N「コホン。今回。特に菜塩がお送りする【END OF SLAYERS】では最早ネタ切れに近いスレイヤーズ創作小説界に特に菜塩が【今までに無いスレイヤーズ】の話として新たな風を巻き起こすべく投稿したものであります」
 金色L「ふむふむ」
 作者N「まず、登場するキャラクターは既存のスレイヤーズキャラ以外に他作品のキャラをゲスト扱いで参戦させるなどの新しい試みをしました」
 デスL「ドラえもんに鬼太郎。それに秘密のアッコちゃんまで出ましたね」
 作者N「しかし!ここで終わらないのが菜塩流。最初に投稿した【蒼き衣を纏い存在】これはこれ一つで終わるかに見せて実はただの序章にしか過ぎなかったのです」
 金色L「たしかに物語後半からの意外な展開に意表を突かれたのは認めるわ。でも!なんで魔族が変態扱いさなきゃなんないのよ!」
 作者N「まぁ、魔族に限らずに、この物語では登場するキャラクターに個性を出す為、出来るだけ ヘンタイ にしているんだ」
 デスL「たしかに……普通のてんてん君なら印象には残りにくくても『露出狂のてんてん君』ならアタマに強制的に残りますからね……」
 作者N「そして!ヘンタイが無限のギャグを生むという相乗効果がぁあああーーーーー」
 L&L「それが目的だろうがぁーーーー」
 作者N「ぐふぅぅ!?……はぁ……はぁ……まぁいい。説明すると

   【蒼き衣を纏い存在が】序章で
   【END OF SLAYERS】がリナやアメリアの子供が旅立つまでを書いた巣立ち編

 そして!【END OF SLAYERS― ★ヘンタイ達の鎮魂歌★】がゼルガディスの野望を砕く為の前哨戦と解説なんぞの為の激闘編だ!」
 デスL「そして最後に決戦編が来ると」
 作者N「その通り」
 金色L「と・こ・ろ・で。なんで魔族がこんな扱い方されなきゃなんないのよ!!」
 作者N「いや……これからしばらくギャグ主体の話は書けないんで……」
 金色L「ほう?なら私が主役の話でも書くのかしら?」
 作者N「いやっ。書かんが、お前は話に出すぞ!」
 金色L「えっ!?そうなの?なら今日は殺さないで許そうかしら?……なんて言うと思ったかーーーーーー」

   ガッッ(金色Lの振り下ろした木刀を菜塩が受け流す)

 金色L「ナニ!?」
 作者N「甘い!俺は剣道やってて結構いいところまで行ったんだぞ!!そんな振り下ろすだけの剣なんぞ当たるか!!」
 金色L「あっそ」
 作者N「……待てっ!!お前、航空機用のM61バルカンなんぞどこから仕入れたんだぁーーーー」 
 金色L「ここで問題よ♪剣道3倍段っていうけど銃火器の場合は何倍段でしょうか♪」


    キュイィィーーン……バララララァァァーーーーーーーーーーーー……からん…からん…… 

 
 金色L「上の答えは『そもそも比べるのが無理!』でした。それではまた」


  L 硝煙の香りの中ペコリとアタマを下げる

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31748はじめましてエスエル 2005/8/25 17:26:33
記事番号31677へのコメント

こんにちわ。はじめまして〜〜。
エスエルとかいう生物です。

いいですねえ〜〜。。。
何か恐いです覇王(笑)
設定がおもしろいですうー。ぐ…グロウ…お前も同志なのか…っ…!!
あ、では

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31757こちらこそ はじめまして特に菜塩 2005/8/25 21:08:02
記事番号31748へのコメント

感想ありがとぉーー!始めましてです エスエルさん。

>何か恐いです覇王(笑)
だって覇王だもん。変態でもね

>設定がおもしろいですうー
あたりまえです『パクリなんだから』おもしろくて

>ぐ…グロウ…お前も同志なのか…っ…!!
まぁ……グロウは覇王様の同志かもしれませんが

  ワタシは同志でも何でもありません!!

ブラは着けたことありますが、アレは事故です!!(おぃ)

感想ありがとうございました。特に菜塩でした〜〜〜♪


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31763Re:こちらこそ はじめましてエスエル 2005/8/26 12:36:50
記事番号31757へのコメント

こんにちわ〜!!
>ブラは着けたことありますが、アレは事故です!!(おぃ)
事故??友達にやられたかですか?(笑)

ってではこれからもよろしくです

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31771ブラ事件 その真相について特に菜塩 2005/8/28 00:50:11
記事番号31763へのコメント


 菜塩「ブラがぶらぶら〜」

 ナレーター「菜塩は絶対絶命のピンチに陥っていた!
 ブラがぶらぶら〜 これは世界に死にも似た静寂をもたらした!
 この状況を打破できるのは君だけだ菜塩君!」

 2004年 某日

 世界のどこかに1匹の勇者(バカ)が現る。
 その者 ピンクのブラを纏いし 世界に笑いをもたらす
 その笑いが「マジおもろい!」なのか「ははは……あのバカ……

   超えてはいけないラインを超えやがった!!」

 的な笑いだったのかはいまだに謎である。

 なお、この話はフィクションである……むしろフィクションでありたい……

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31706第8話 ―ESCAPE TO THE SKY―特に菜塩 2005/8/15 15:13:27
記事番号31675へのコメント

 そこにあるのは何の変哲も無いただの水晶玉。
 この水晶玉は『全国 魔導師通信連合』が一個、金貨70枚(元値5枚)で配布している念話受信用の12インチモデルだ。
 『全国 魔導師通信連合』とは、俗に言う『テレパシー』の技術を応用した映像送信技術を用いて自分らが高値で配布した水晶玉に映像を投影したり指定されたメッセージを送ったりで荒稼ぎしている新鋭企業だ。
 その通信の中でも人気の番組として『ハードゲイニュース』なるものがある。
 その番組内容は、ハード芸人なる人物が世界の最新ニュースを視聴者に放送するのだが、キャスターの抜群の個性と正確かつ迅速な報道に年齢、性別を問わない高い評価が寄せられ見事 人気番組となったわけだ。

  『お昼のニューースをぉっっっ ホゥォーーー!お知らせするぜぇ!フゥっーーー!』

 こんな調子で番組は進行する。

  『最初のニュースはセイルーン国の国境沿いの小さな田舎町で起こった、お騒がせトリオのニュースだ フォォォっ!なんでも、今回の事件の被害者『ボボンスキー・マクノリア』さん自らがの経営するリンゴ園に 最近出没するようになったリンゴ泥棒の退治を流れの子供3人組みに依頼したところ イエッッッスゥ!犯人は見事逮捕! ファンタスティィィック!しかし!その代償に、このリンゴ園の40%が灰と消えた! アンビリィィーーバボォーーーー! ボボンスキーさんはこのお節介3人組の行方を捜してる!その3人の特徴は!!

    『時代錯誤!魔導師ルックのぺチャパイ女』
    『超絶お節介の正義ヒーローオタクの少女』
    『迷彩ズボンにタンクトップの日本刀少年』

 心当たりのある方はこの番号まで アディオォォォスっ!フゥッ!!』


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 「なんか懐かしいな〜〜☆」

 それは突然だった。
 そう……突然。ファラが意味不明な事を言い出す。
 意味不明だ。オレとレイがいるのはとある地下遺跡の最深部……ここの主……『チカンカーメン王』のミイラが安置されていた 一辺10mほどの長方形の箱のような……無駄に広い石室の中にいるんだからな。
 ???。←んな顔をするレイ。
 ファラが何を言いたいか理解したオレは……

 「……たしかにな……あの時と……そっくりだぜ……」
 「でしょ☆でしょ〜〜☆ ほら〜。この壁の崩れた具合とかさぁ〜〜〜」
 「いやっ…なによりも……このメンツが……だ……」


   ――それは――夏の太陽がさんさんと輝く――クソ暑い夏の出来事だった――

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           特に菜塩

  END OF SLAYERS:★ヘンタイ達の鎮魂歌★
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            第8話
  
      エスケープ・トゥ・ザ・スカイ
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    原作:神坂一 スレイヤーズより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:過去を語るどうでもいい話
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 オレは当時まだ11歳。その夏の訪れる前 春の新学期にセイルーンの学校に転校してきたガキだった。
 田舎出のオレは当然クラスで浮きまくった。
 けど、その学校には親とも言うべきフィリアさんの交友関係で、幼い頃から何度か会っていた奴がいた。
 それがファラとレイだ。
 若干年上のオレだったが、3人は割りと仲がよかった。
 そして。
 セイルーンに来ての始めての夏休みも既に半分が過ぎ――やる事もやり尽くしたクソ暑い日。
 オレの唯一の友達といえる存在だったファラとレイと共に ある計画を立てて そして実行した時の出来事だ。


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 「ねぇ〜〜〜☆おにいちゃん達なにしてるの?」
 「ははは。おにいちゃんはこの洞窟。王国管理の遺跡に人が入り込まないよう警備しているんだよ」
 「???なんで人が入り込まないように警備してるの?」
 「……実は……この遺跡には昔に封印された怖いお化けが出るんだよぉ〜〜〜〜〜」
 「わぁ〜〜〜〜☆それじゃぁ おにいちゃん偉いんだ!!特別にレイちゃん。『いいこ いいこ』して上げる☆」
 「そうか?なら……」
 「……ニヤリ……スリーピング!!」

     ……ドサッ……

 「ふふふ……やったねレイ」
 「若い青2才の警備兵で助かったわ!!それじゃぁヴァル行くわよ!!」
 「……ッイよ……」
 「なにっ?」
 「こんなの……こんなのイケナイよ!ここは王国管理の危険な…………

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 今のオレからは信じられねえだろうが、当時のオレは内気で臆病なガキだった。
 むしろデブだった。メガネだった。オタクだった。
 それ以前に自分の存在さえも否定していた。
 セイルーンにきた理由もあいつらにゃ『教育ママのフィリアさんの命令』って事になってるが本当の所は自分の意思だったんだな。
 そう。あの

    『メストカゲから離れたかっただけ!!』

 だったなんて言えないからな……
 上ではあんな事 言ってるが、実際。オレはフィリアさんの事を誰よりも大切に思っていた。
 いやっ!!今でもそこんとこは誰にも負けないつもりだ!
 自分が大人(成竜)になったら『フィリアさんはオレが守る!!』
 そう心に固く誓っていた幼い頃のオレ。
 そんなオレがフィリアさんの元を離れる原因となった出来事は……

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 フィリア「ねぇヴァル?」
  ヴァル「なに?フィリアさん」
 フィリア「うふふ……突然こんな事を聞かれて困っちゃうかも知んないけど◆――新しいパパって欲しくない?――◆ほら☆ヴァルにも〜〜母の愛だけじゃなくって 父親の愛もっ……ちょっとヴァル!!どうしたの!?」






 育て親の突然の再婚(初婚だよ!)――この日からオレの人生は大きく変わった。
 変化はまず、食事風景に現れた。






 フィリア「どうしたのヴァル?全然食べてないじゃない?」
 新パパ「はは……食べないと健康に良くないぞ……ヴァル……くん……」
 ヴァル「…………………………」
 フィリア「ヴァル!!どうしたの(怒)ちゃんと返事は!!」
 ヴァル「…………うん…………パ…パ…………」
 新パパ「や……いやっ……まだ…パパは早いよなっ……はは……」

……
…………
………………
……………………
………………ごちそう……さま……




 その日から おれは家の中で

   『居場所を失った』

 もはやオレにとって自宅は安息の場所ではなくなっていたのだ。
 食事の時間は一番の苦痛になり、会話も進まなくなり、夜になると『隣の部屋から怪しげな声が聞こえてくる』。
 しかも!最悪な事にフィリアさんの結婚相手は『小説家』で 『家の中に一日中 引きこもるライフスタイル』を貫いていた。
 これが今のオレだったら速攻で『夜の街に飛び出し』『バイクでも盗み』『自由を手に入れる為の旅に出る』はずだが、生憎 不良になるにはまだ若すぎた。
 なんというか

 ちくしょぉ〜〜〜〜〜!!神○一めぇ〜〜〜〜ぶっ殺す!!
 
 さらにだ!神○一はオレの嫌いなネコなんぞ飼いやがって!!悪気は無いのは理解できるが本気で殺意が沸いたぞ!あの時は!!
 名前も『ヴァル=神○』になったし、『家の中では邪魔者扱いされて』、なにより『俺自身が家に居ずらかった』。
 以上の理由からオレが『セイルーンの留学を希望する』のに さして時間は掛からなかった……ってわけだ。


☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲☆◆$〇#£¶Д●Й▲


 「ねえ。地球滅亡の日。どう過ごす?」

 それは他愛も無い会話から出た 他愛も無い質問だった。
 あたしのお母さんが体験したこの世界の危機『ドラえもんの乱』
 その大まかなあらすじは『異世界の暴君ドラえもんニグドゥがこの世界に侵略してきた』って所か?
 ドラえもんは自分を倒す為の場として武道大会『猫遊戯(ドラ・ゲーム)』を開催した。
 優勝商品は『この世界に住まう全ての命』。
 そう。あの日。1歩間違えれば 猫遊戯の日は『地球滅亡の日』だったのかもしれない。
 そんな地球滅亡の日に……ドラえもんの乱の時に自分がいたらどう行動するか?
 そんなありふれた質問にヴァルが言う。

 「ボクは……とりあえずやりたい事やるよぉ……ファラは?」
 「もちろん!!戦いよりも話し合い!!戦争よりも共存なのだーーー!!ところでレイは?」
 「ワッ私!?……そうね?……」

 その時。

 私は一瞬答えを出すのに戸惑ったのを覚えている。
 とりあえず感じたのは2人の考えに同意できなかった!それだけは確かだと思う。
 どうせ臆病なヴァルなんか『やりたい事やる!!』っにもきっと立つ事さえ出来ないくせに……
 だって想像外でしょ? 平和な時代 埋もれてちゃ!!
 かと言って、ファラみたく 戦えもしないくせに『共存だ!』なんて笑っちゃうわ!!
 ……話は変わって。
 私はイヤな奴だった。
 いや。ひねくれたガキって表現のほうが正しいかもしれない。
 考えても見なさい!!
 父親は『光の剣士』。母親は『魔を滅するモノ』。おまけにおばさんは『赤竜の騎士』とくりゃあ、自分の実力に自信が持てなくなって ひねくれたり卑屈にならん方がどうかしてるとあたしは思う!
 ちなみに上は左から『ひかりのけんし』『でもんすれいやーず』『すぃーふぃーどないと』と読む。
 とにかく!!上の3人……とくに母親は私にとって絶対に『超えられない壁』なのだ!
 ともなれば。普通の子供と違い『両親を目標に』…なんて事は考えられず『人生を無難に』と子供らしく無い考えを持つに、あたしは至った。
 『波乱万丈の人生に憧れていない!』っと言い切ると嘘になる。
 けど、自分の限界にも気づいていた。
 そんな理由であたしが『地球滅亡の日』にどうするか?それはえらく自己中心的な結論だった。
 それは この世界からの脱出!!。
 考えても見なさい!7分の1とはいえ『魔王シャブラニグドゥ』を倒した奴と戦って勝てるか?
 普通なら無理に決まってる!!(常識の無い両親の活躍で勝っちゃったけど)
 ドラえもんが異世界から来たなら私にも異世界に行く手段はあるはず!!
 そうだ!飛び出さなきゃ! 腰ヌケ唾吐いて!!
 守ってくれる人はいないのだ!!それとも誰かあたしを守ってくれるかしら?その身に変えて。
 神様がいる?
 そんなコト 言う人は自分が死ぬ瞬間 悟るだろう。
 『この世界に神様なんていなかったんだ……』と。
 んな、子供らしく無い考えであたしは結論を出したのだ。『この世界からの脱出!!』と。無論 この世界の多くの人を見捨てて。

 「あっ☆ 行き止まり?」

 ファラの上げた一声のおかげで話は中断した。
 目の前の行き止まり。それはおそらく何百年も開かれたことの無い、重そうな石で出来た扉だった。

 「どうする……」
 「決まってるじゃない!! ――滅陣瞬塵波――」


     ぐしゅしゅしゅ〜〜〜ん


 その壁は情けない音を立てて埃というか塵へと変わった。
 崩れ去った扉の先にあるのはまだ、誰も入った事の無い石室。
 そこにあるのはお宝?秘伝の魔道書?
 いやっ。この遺跡に封印されているモノ。それは悪魔だ!
 伝説によると

      ――その者――強大なる力を持ちたる――地獄の王子なり――

   ――万年の時を生き――人々を虐げ――その苦痛を喰らう卑しき魔物なり――

       ――その者――戦いの末――3人の勇者に封印されし――

 となっている。
 この地獄の王子とやらが封印されているのがここの洞窟って話だ!
 この話を聞いたファラが『こいつを私達の手で倒すのだぁーー』などと言い出した事から事件は始まったのだが……まさかマジで封印されてるとは思わんかった……
 いいのか?こんな危険な遺跡を役立たずの兵士一人の警備で済ませて?
 いま思ふとゾッとする事実だ。

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 扉の先には 大きな石室がありました。
 とても高い天井と無数の扉。そして中央に置かれた石の棺。
 棺の上には『聞封厳禁』と彫ってありました。
 たぶん……

   『開封厳禁』

 のつもりなんだろうけど……
 そして棺の蓋に付いた窪み。
 そこには綺麗な宝石が付いていました。


 「わぁ〜〜〜☆綺麗な宝石☆」
 「お宝!?きゃぁ〜〜〜♪お宝だぁ〜〜〜♪」
 「ちょっと!勝手に取っちゃぁ……」


      ――我に触れるな――


 「ん?なんか言った?」
 「いや……別に……」

 その声は突然響いてきました。
 私達は声の主を探しました。けど、部屋にいるのはわたし達だけ。
 もしかしたらオバケ!?
 普通の子供ならそう考えるところですが、生憎わたしとレイには恐怖とか無謀とかの考えが

   存在しなかった

 ので……

 「なによ(怒)!!声だけじゃなくて姿も見せたらどうなの!!」
 「そうだよ!!卑怯だよ!!姿をみせろぉーーーー☆」


          ――姿ならもう見せておる――


 「どこに?(×3)」


       ――栗色の髪を持つ娘よ――汝の手にした宝玉だ――


 「えぇ!?これがあなた… ――あぁ!?だめ!!それっ取っちゃ!!――
 「はぁ?(×3)」


    ――その宝石で悪魔を封じてるから絶対に取っちゃだめ!!――


 「それなら大丈夫よ。あたしがそいつ倒すから!!」
 「ファラも ファらも☆」
 「ちょっとやめたほうっ……

 ヴァルは最後まで反対してました。
 けど、わたしとレイはその封印されていた悪魔を解き放ってしまったのです。


   ――ああぁ〜〜〜〜〜!!バカァーーーーーー……


 得体の知れない宝石の声が響く中、部屋はまばゆいばかりに輝きに包まれました。
 そして……
 光の奔流が収まると。そこには1つの人影が立ちずさんでいました。
 その人影は両手を挙げて……


   『ふっっかぁぁぁっっーーつぅーーー』


 と叫びました。
 その顔は本当にうれしそうでした。
 けど……その人は……

    いまにも死んじゃいそうなくらい 老いていました

 その人は速攻で床に崩れ去り。

   『うっ!?げほっげほほぉぉぉーーーーーーー……ウェェーーー……』

 と勢い良く咳き込み、床にゲロを撒き散らしました。

 「なによ?……このバイキン?」
 「ダッ誰がバイキンじゃ!!……我輩は地獄帝国の王子

     デーモン小暮

 であるぞ!!ぐわっははっ!?うげぇほホホォォォーーーー オエェーーー……」
 「おじいちゃん大丈夫!?」

 年寄りは大事に。バイキンは消毒。
 2つの意見があたしの中で火花を散らして争った結果、わたしは 絵本に出てくる『バイキン』そっくりな……激しく咳き込む老人の背中をさすって上げました。

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 デーモン小暮閣下
HIS EXCELLENCY DEMON KOGURE

魔暦紀元前(B.D.)100036(B.C.98038)年11月10日発生 。
聖飢魔IIの主宰、ボーカリストとしてデビュー以来その才能は音楽のみに留まらず、全方位マスコミへの出演や相撲評論家としても活躍。B.D.5(1994)年にはCNNラリーキングショーに日本で活動するアーティストとして初めて出演。CM出演でも話題を集め、中でもフジ写真フィルム「写ルンです」CMにて大賞やタレン ト賞を受賞。魔暦元年(1999)12月31日、予定通り地球征服を完了。征服後の地球で「表現者」(歌唱、演劇、TVタレント、ラジオパーソナリティー)、「演出家」(舞台、CD、アミューズメント・スポット)、「文筆業」(エッセイ、批評、作詞)、「思想家」、「ジャーナリスト」、「客寄せパンダ」などの活動を行い、幅広く活躍。今後も活躍・暗躍の予定。

「デーモン小暮」や「小暮伝衛門」としては、邦楽器や日本の伝統芸能とコラボレートするイヴェントを、聖飢魔II時代からひき続き現在も定期的に行なっている。
他のロック系、ジャズ系ミュージシャンや、オーケストラとのセッション・ステージも合間を縫ってしばしば行れている。
元々人間で実は冥王フェブリゾの腹心の一匹であった『冥神官 フェブラル☆ミラクル☆ファンタジー』となんかの契約を結び、単独で人間界征服を企み案の定人間に返り討ちに遭う。
その時、コイツを倒した人間の一人【勇者トロ】が『殺すには惜しい!!(そんぐらいオモロイ奴)』と言い出し 適当に封印される。 

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  ボキッ☆

 ファラがデーモン小暮の背中をさすると同時に

   『イヤな音が石室に響き』

 同時にデーモン小暮閣下が思わず耳を覆いたくなるような悲鳴を上げる

   ぐぎゃぁぁぁアアアアあーーーーーーーーーーーーーー……ピク……ピク……

 なんと!!老化が進み、骨が弱っていたデーモン閣下は背中をさすられただけで骨折してしまったのだ!!
 ……あはれな……
 
 「このクソガキが!!我輩を殺す気かぁーーーーーーーーーーー」
 「……おっさん……誰も殺そうなんてしてないわよ……」
 「うん……誰もおじいちゃんを殺すなんて……」
 「問答無用じゃぁーーーーー」

 怒り狂ったデーモン閣下は怪しげな呪文を唱え始めた。
 途端にデーモン閣下の周囲に立体型魔方陣が組まれて術が組まれるが!?


……し〜〜〜ん…………
………しぃぃ〜〜ん……
……………しぃぃぃいいい〜〜〜ん……
……………………………………………………なぜじゃ!?なぜ何も起こらない!?


 当然だ!封印されてたコイツが知らないのも当然だが、こいつの使う魔術は『冥王の力を借りた魔法』で『冥王が滅んじゃった今』何も起きないのは当然である。
 あと、こいつと契約した『冥神官 フェブラル☆ミラクル☆ファンタジー』は降魔戦争の時にパッと滅んじゃったのでバリバリに老いてるというわけだ!
 という事は もはや こいつは『ちょっと魔法が出来るだけの老人』でしかないってわけだ(嗚呼〜また不幸なキャラがここに)。
 
  ――小暮め――甦りおったな――

 「そっその声はあの時の!?」

  ――ああそうだ――お前を封印した勇者トロだ――

 「我輩は……もう……だめじゃぁ……」
 「おいっ!(レイ・ファラ・ヴァル・トロ)」

 レイ・ファラ・ヴァルそして勇者トロ。4人同時ツッコミが炸裂する!
 対してデーモン小暮は最後の力を振り絞り……
 

 「ぐぐぐ……死ぬ前に……う〜〜ら〜〜う〜〜〜ら〜〜〜」

 怪しげな呪文を唱える。
 こいつ……老いてさえなきゃ『赤法師のレゾ』並みの悪役になれたのに……
 ……哀れな……
 そして、呪文を唱え終わると同時に足元に魔方陣が出現!!デーモン小暮は最後の言葉を、力ある言葉を解き放つ!!

    ――魔獣 ベルトゼギア召還――

 考えたな!!召還魔法だ!!

  「…………むっ……ねん…………バタッ……」

 デーモン小暮は息絶える(お前は結局なんなんだ?)。
 しかし!デーモン小暮が息絶えると同時に魔獣が現れる。もわもわ〜〜んと。
 魔獣は登場そうそうにこう言う。

 「マスター。御命令を」

 ………死んでるっちゅうに!!
 さすがにこの空気に皆が黙り込む。
 そんな中。意を決してレイが……

 「……あのぉ……大変申し上げにくいのですが……そのぉ……あなたのマスターは……」
 「……マスターがどうしたのだ……」
 「……ヴァル!タッチ」
 「そんなぁ〜〜〜」
 「ヴァルの方がお兄さんなんでしょ!!」 「ヴァルなら大丈夫!!イケル☆イケル☆」

  ――その気持ち――判らんでもないが――たらいまわしは酷くないか?――

 「だったら君が言ってよ!!」

   ――頑張れヴァル君――私は応援してるぞ――

 「ちょっと待てぇぇえええーーーー!!オレのマスターはどうなったんだ!?」
 「…………アレ……」

 ヴァルの指差す先……そこにはなんか変な塊がこんもりと転がっていた。

 「なんだこりゃ?……ふみ・ふみ……なんなの?これ?ゴミ?」
 「君のマスター」
 「なんだってぇぇぇええええええーーーーーーーーーーー!?」

 魔獣ベルトゼギア。
 召還と同時に

   自分の存在意義を失う

 あはれだ……。

 「……オレは……一体どうすればいいんだ……」

 体育座りで地面を指でぐるぐるやる魔獣ベルトゼギア。
 そんな魔獣ベルトゼギアにファラが声を掛ける……すげぇ イヤそうに……

 「……これからどうするの?……行く当てないならママに頼んでお城で暮らすとか……たぶん断られるけど……いちおー……」

 コラ!ファラ!!一言余分だぞ!
 まぁ、『魚のミイラに健康そうな手足が生えてるような』怪しげな魔獣なんぞ雇う国があるか?って聞かれたら……そりゃぁ……返答に困るだろうけど……
 最後の一言は幸い聞こえなかったのか、魔獣ベルトゼギアはファラに――

 「うううっ……ありがとうお嬢ちゃん……でも、オレはマスターの命を奪った奴を殺してマスターの仇をとらなきゃなんねえ……マスター殺した奴になんか心当たりないか?」

 って尋ねた。
 そんな魔獣ベルトゼギアの問いかけに対してファラはしばし考え込み……

 「うぅ〜〜〜〜ん?……そうだ☆さっきあたしが そこのオジちゃんの背中さすったら『ボキッ☆って背骨 折れちゃったんだよね☆ あははははぁ……はっ!?……」


   ………………し〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん……………………




……
…………
………………
……………………
…………………………ファラのバカァーーーーーー


 「貴様がぁぁぁああああーーーーーそもそもの元凶かぁぁあああああーーーーーーーーーーー」


 いえ。違います。全ては老化です。
 そんな事を言ったとしても『確実に納得しないであろう勢い』で魔獣ベルトゼギアは雄たけびを上げる。
           _________________
    ☆ ☆  /ぶっ殺すどぉぉーーーーーー(怒)   /
     皿  <________________/

     ↑イメージ図

 ってな新しい表現技法の開発なんぞしているがマジでヤバイ状態に陥った3人。

  レイ=9歳
 ファラ=9際
 ヴァル=11際

 こんな戦力で仮にも魔獣であるベルトゼギアと戦うなんて無茶だ!!
 いやっ。かつてどんな無茶でも解決する人がいたっけな?
 たしか、力で解決のリナ=インバースと正義あれば万事OKのアメリア……ぉぉぉおおお!!偶然にもここにはその子息がいるじゃないか!!

 「行くわよファラ!!」
 「ふぇ〜〜ん☆戦いより話し合いなのにぃ〜〜〜☆」
 「この状態でどう話し合いするのよぉ!!っヴァルも構えて……ヴァル!?」

 怒り狂う魔獣ベルトゼギアに対して構えを取るレイ。嫌々ながらも戦闘態勢に移るファラ。
 しかし。ただ一人ヴァルのみが怯えた表情で足をガクガクさせて震える声で抗議する。

 「むっ無理に決まってるじゃないかぁ……こんな化け物に勝てるはず無いよぉ……」

 最初に言っとくが ヴァルは臆病なのは確かだけど、普通にビビッて当然だと思う。
 むしろ、やる気満々で構える2人の9歳児の方が異常だとオレは思う。
 なんと言うか。インバース&セイルーン王家の血筋。恐るべし!!

 「ちょっとヴァル!?」
 「わぁぁああああーーーーーー」

    ――待て!?――せめて私を置いてけ――

 ヴァルは情けない叫び声と共に部屋から飛び出す。
 そして、その手には『勇者トロ』の意思が封じ込められた石が握られていた。
 ヴァルのいなくなった石室にはレイとファラ。そして魔獣ベルトゼギアのみが残された。
 魔獣ベルトゼギアが言う。

 「栗色の髪したガキ!!そっちの娘を差し出せ!!そうすればお前の命は助けてやる」

 言い放つ魔獣ベルトゼギアにレイはクソ生意気な態度で言い返す。

 「あんたなんかに……あんたなんかにファラ差し出すわけないでしょ!!この干物野郎!!」
 「……干物だと?……」
 「干物よ HI・MO・NO!!カラカラのミイラみたいなくせに大きな口叩いてんじゃないわよ!!この変態!ロリコン!秋葉原オタッ!?」

    ぐじゅっぅぅぅぅ…………

 「きゃあぁー!?大丈夫レイ!!」
 「……秋葉原……なんだい?」
 「………………………………」

 レイが『秋葉原オタク』と言おうとした瞬間!レイの足元に魔獣ベルトゼギアの放った青い光線が飛び込む。
 光線は地面を溶かし、嫌な臭いと共に薄い白煙を作り出す。
 その光景を見たファラは叫び声を上げ、レイは言葉を失う。
 その光景を魔獣ベルトゼギアは 人間臭さ100%の先ほどとは打って変わって、何の感情も無い冷酷な瞳を向けたまま、レイに対して言い放つ。

 「もう一度言う……死にたいならココに残れ!!イヤなら逃げるんだな……」

 (かっ……勝てっこない……今の攻撃もわざと外したはず……あんなの直撃したら即死だわ……)

 「強制はしないんだぞ?……くくくっ……」
 「……レイ……」

 (今すぐ逃げれば『私は生き残ることが出来る』……けど……ファラは……)

 「5つ数えてやる。その間に決めるんだな!!ひとぉぉつ」
 (どうすればいいの?このままじゃ……)
 「ふたぁぁあつ」
 (あたしは……ここで死にたくない!!そうよ ここでファラを見捨てればあたしは生き残るコトが出来る!!ファラを見捨てたとしても あたしは何も悪くない筈……)
 「みぃぃぃつ……よぉぉぉつ!!」
 「レイ逃げてぇぇぇえええ!!」

     ――わかったわ――

 ファラの悲痛な叫び声が響く石室の中にレイ=インバースの声が響き渡る。
 先ほどまでレイの負の感情を貪っていた魔獣ベルトゼギアが面白そうにレイに問いかける。

 「ほう?親友を見捨てて自分だけ生き残るか?……くくく……お前の負の感情もなかなか乙な味だったぜ。それに免じて許してやるから早く消えなぁ!!」
 「いいから早く逃げて!!」

  ツカ ツカ ――光よ―― ツカ ツカ――我が手に集いて閃光となり―― ツカッ ツカッ

 「なんだぁ?」
 ファラの声が上がる中、レイ=インバースはうつむいたまま魔獣ベルトゼギアに歩み寄る……混沌の言葉を唱えながら……
 そして、魔獣ベルトゼギアの目の前まで歩み寄ると顔を上げ!!


  深遠なる闇を打ち払えぇ――エルメキア・フレイム(烈閃咆)―― 

    ごおぉぉぉぉおおおーーーーーーーーー

 「ぐっぐがぁぁあああーーーーーー」

 ワレ奇襲に成功セリ!!
 レイ=インバースの放った魔法が魔獣ベルトゼギアに直撃!!無防備だったベルトゼギアは堪らず叫び声を上げる。
 一方レイは……

 「いよっしゃぁぁぁああああーーーーーーーーー」

 ひとつ雄たけび。

 「考えて見たんだけどね。ファラを見捨てて あたしだけ逃げるなんて絶対御免だわ!!なにより!!あたしの名前のインバースに!『魔を滅する者(デモン・スレイヤーズ)の名にドロを塗るわけにはいかないもの!!』 あんたなんか あたしとファラが本気になれば『ヤムチャ』よりも簡単に死ぬわよ!!この干物やろぉ〜〜」

 「おのれぇ〜。不意打ちとは卑怯な……それにまた干物ってはぎゃぁぁあああーーーーーー」

 台詞の最中にファラの放ったエルメキア・ランスが魔獣ベルトゼギアの背中に命中する。
 激痛に悲鳴を上げる魔獣ベルトゼギア。

 「戦いに卑怯も正々堂々も無い……あるのはその戦いが正義ある戦いか否かのみ……(民明書房刊『セイルーン王家 知られざる活殺術の極意』より抜粋)」
 「ファラ!!」
 「レイッ…ありがとう……」「ファラ 来るわよ!!」
 「クソガキめぇぇえええーーーーー皆殺しだぁぁああああーーーーーーーーー」


________________________________________________

 「ここの部屋に入るの?」

  ――そうだ――そこの部屋だ――


 『その時、オレは“パチ臭い勇者”の導くまま、遺跡の奥底に向かっていた。薄暗く、かび臭い地下のむせ返るような臭いの中、オレは適当に隠された部屋に案内された。その部屋はどうやら武器庫のような物らしかった。怪しげな槍やら戦槌の転がる室内、その中で俺の目に、埃一つ被っていない異国風の剣が目に入る。その剣は人を斬る為の道具というよりも、飾り気の無い機能美を追求したある種の美術品のように感じたのを覚えている。この異国風の剣に興味を持ったオレは例のパチ臭い勇者にこの剣について質問をした。その答えは……』


  ――それは日本刀という物だ――西洋の剣とは異なる――

 「……それで……」

  ――その刀こそデーモン小暮を切り裂いた破魔の刀――

  ――5尺7寸の刀身は絶えず結露し――その刀身は技ある者が振るえば霞を生じ――石灯籠すら切り裂く――

  ――切り裂くのは形ある物だけでなく――人の魔の精神――火炎に冷気など実体の無きものにまで及ぶ――

  ――天下に名高い魔性の刃――妖刀の名を冠する――その名は――


       【 妖刀 春雨 (ようとう・はるさめ) 】


  ――わたしの――愛刀だ――

 「……『妖刀 村雨』?」

  ――いやっ――春雨だ――


 『あの時、オレは『名前だけじゃなくて愛刀までパチ臭い』って思ったもんだ。』


 「それで……僕は……」

  ――その刀を手にとって戦うのだ――

 「いっいやだよ!!僕は…――貴様!それでもオトコか!!――


 『怒鳴り声を上げるパチ勇者トロ。当時のオレは臆病で、弱虫で、他人の為に自分が戦うなんて事は考えたことがなかった。よってパチ勇者トロの言う『戦え』って言葉は当時のオレにとって一種の脅迫と同じだった』


 「僕はオスだ!!僕は戦いたくなんてないんだ!!」

  ――どうしてもか?――仲間を見捨ててもか?――

 「うん」


 『普通に答えたんだよな。あの時は。だって戦いたく無いじゃん!!』


  ――ならば仕方ない――これだけはやりたくなかったんだが―

 なにをする気だ?

    ――お前はだんだんつよくなる〜〜〜〜〜どんどん、どんどん強くなる〜〜〜〜〜――

 催眠術かよ!!
 しかし、催眠術を舐めちゃいけない!!
 あの『アドルフ=ヒトラー』が世界に誇る『ドイツ第三帝国』の首相にまで上り詰めたのも催眠術が原因だとかの説がある。
 その概要は、第一次世界大戦に連絡将校として従軍したヒトラーはイギリス軍との戦線でマスタードガス攻撃を受けて目に損傷を負ってしまう。やがて戦争は終わり、ドイツ軍から除隊されたヒトラーだが、その目は開かなかった。診察に当たったEdmund Foster医師の記録によれば診断の結果、彼の視力は至って正常であったという。つまり、盲目というのはヒトラーの思い込みだったのである。医学的には直っている筈のヒトラーの目だが彼は『目が見えない』と自分自身で思い込んでいた為に実際に目が見えなくなる。これだけでも思い込み、暗示の威力が判るが話は終わらない。例の医師はヒトラーの目を治すために催眠術療法を行うことにしたのだ。その内容は

 「ヒトラー君。君の目は確かに視力を失っている。だが!君は『神に選ばれた』人なのだ!!特別な人間なんだ!!」

 この後、ヒトラーの目は開き、そこから先は皆さんの知るとおりの歴史を歩み、彼はベルリンの地下壕で自殺する。
 ここから電波な話になるのだがドイツ軍がポーランドに侵攻。第二次世界大戦は始まるのだが、開戦当日の雨の降り続く冷夏の深夜、ヒトラーは突然飛び起きて

 「今だ! 私は命じられた! 進め! ポーランドヘ!」

 と甲高い声で叫び、全軍にポーランドへの侵攻を指令したという。
 命じられた?誰に?
 この謎の鍵はなんなのか?
 ヒトラーは自分がここまでのし上がれた理由を腹心である『ヒムラー』に対してこう話している。

 「私はあのとき、戦友たちと夕食を摂っていた。すると突然、ある声が私に、『立って向こうへ行け』と命じた。その声が、あまりに明瞭に同じことを繰り返したので、私は上官の命令を聞くように機械的に従い、20ヤードほど移動した。とたんに、いままでいた場所から衝撃と轟きが押し寄せた。そのときまで私も属していたグループの上に、流れ弾が炸裂して1人残らず死んでしまったのだ。」

 このヒトラーが言う『あいつ』とはなんなのか?これこそがヒトラーが催眠術により自分自身が生み出した神なのではないか?
 そして。戦争末期になるとヒトラーは怪しげな薬と連合軍が行ったとされる極秘作戦により精神錯乱状態に陥ったとされる。
 ↑の極秘作戦の内容は

  ヒトラーは用心深く、また菜食主義者な為、邸宅内にある、自分専用の農場で作った野菜以外食べない。そこで農場の小作人を買収して作物に強力な『ホルモン液』を振りかける

 と言う物だ。
 ちなみに例の『ホルモン液』を摂取すると男性の場合ホルモンバランスが崩れて『女性化して情緒不安定になる』。
 作戦は成功。
 この作戦の成功を聞いた連合軍の将校は

  『聞いたか?ヒトラーにブラジャーを送ってやろうぜ!!』

 と言ったそうな。
 最後のエピソードとして ヒトラー自殺の少し前、ベルリンの地下壕に潜ったヒトラーが自分の部下に対して

 「しばらく会えなかった“あいつ”ともまた会えた。“あいつ”が未来を見させてくれた。前よりもいっそう鮮明にだ。聞け諸君、これは私の未来というより諸君の未来だ!」

 と言ったエピソードを少し。
 このヒトラーの語る未来は側近たちを名指しで呼んでは予言する薄気味悪いものだった。だからこれを、『地下官邸でのヒトラーの指名予言』と呼ぶ研究者もいる。
 その驚愕の内容とは、これは1944年12月ごろ、地下本営の昼食会で、ヒトラーがヘルマン・ゲーリングとハインリッヒ・ヒムラーに突然語った言葉だなのだが

 「やあヘルマン、やあハインリッヒ。ここの地下生活はどうかね。私は不愉快を通り越して快適だ。頭が前より冴えてきた。きみらのことも、前よりよくわかるようになった。きみらとゲッベルス博士(宣伝の天才は哲学博士でもあった)は、わがナチスの最高幹部だ。私の忠実な友人だ。しかしきみら2人は、私にははっきり見えているが、私の最後の日の7日前に、共謀して私を裏切るぞ──。きみらはアメリカ人と気が合うからな!」
 
 ゲーリングはナチスの空軍大臣で、ヒトラー側近のナンバー2。ヒムラーは親衛隊と秘密警察の総司令で、側近ナンバー3。ともに第二次世界大戦の実質上の推進者であり、ヒトラーの献身的な部下だった。
 にもかかわらず、2人は1945年4月23日、ヒトラーが自殺する敗戦の7日前、自分たちだけでも助かろうとして、ヒトラー抜きでアメリカに極秘の和平交渉を申し入れた。「我々を逃がしてくれるなら、総統を捕えて米軍に引き渡す」という条件つきで。
 これをヒトラーはその半年前に見抜き、上のような言葉で警告したのだった。しかし、そのときはゲーリングもヒムラーも、まだナチスの勝利を確信しており、ヒトラーを裏切るようになるとは全く意識していなかった。つまりヒトラーの言う”あいつ”に自分の未来を見透かされたのだ。それだけに2人は真っ青になり、虐殺者ヒムラーも食物をのどに詰まらせ、豪快なゲーリングの2メートルの巨体も、15分ほど震え続けたという。
 ヒトラーの元に来た“あいつ”とはなんなのか?
 私には何もわからないがヒトラーの中に『あいつ』が存在したことはまぎれも無い事実だろう。
 ヒトラーは『あいつの声に従って第二次世界大戦を始め』、戦争開始当初に連戦連勝の大進撃を続けるのだ。
 そして声が途絶えがちになると共にドイツ第三帝国の没落が始まる。
 最後に現れた“あいつ”は自分の破滅を予言したとヒトラー自身が語ったとされる。
 『あいつ』とはヒトラー自身が作り出した『ナニか』なのか?それとも我々が知らない“存在”が実在したのか?私にはわからない。
 それにしても催眠術の話から飛んだなぁ〜〜〜〜☆
 ってなコトで


    ――お前は強い――お前は無敵――お前は決して逃げない――

 「オレは強い……無敵……逃げない……」

 となる。

  ――そうだ!お前は仲間を見捨てない――お前は自分の正義を貫くんだ――

 勇者トロによる懸命の説得(洗脳)が続く。
 ここでトロが ――お前はオンナだ―― とか言ったらどうなるか……さすがにネタにするのはやめた。
 見たく無いでしょ!!ヴァル=ガーヴが「うふん♪心は乙女」っとか言ってる姿を(ちっ!最初からオカマにしてればギャグが増えたのに)天と地に逆らって どうしても見たいと言う、病んだ人はコメント欄に

  『オカマ化したヴァル=ガーヴが野郎魔族を次々と(色んな意味で)襲う作品が見たい!!』

 と書き込んでください。
 まぁ、絶対に書かんでしょうが。
 それにしても……

 「オレは仲間を見捨てない……自分の正義を貫く……オレは何をやってるんだ!?ファラを…レイを助けなきゃ!!」

 単純な奴だ。
 
  ――貴様にはその妖刀は重すぎる――上階へ上がれ――少しおもしろい作戦があるのでな――


________________________________________________

 一方その頃……

 「……はぁ……はぁ……やっと追い詰めたぜ……いい加減にあきらっ…「エルメキアーーランスーーー」
 「ふぐ!?……」

 壁際に追い詰められたファラに迫る魔獣ベルトゼギア。その側面にレイの放った『エルメキア ランス』が命中する。
 魔獣とはいえども、かつてサイラーグを死の町にしたザナッファーに比べてると魔獣としてのレベルが著しく低い為、精神を直接攻撃する魔法を喰らってはダメージを受けないはずが無い。
 息の合った2人の連携。それは、じわじわと……そして着実に魔獣ベルトゼギアにダメージを重ねていた。
 しかし。魔獣ベルトゼギアと違い、ファラとレイは一撃を喰らえばそれでお終いである。
 その点でレイとファラの戦いはかなり不利であると断言できるであろう。

 「きしゃあぁーー!!」

 幾度目かの光弾を魔獣ベルトゼギアが撃ち放つ!!
 その光弾は先ほどから続く激戦で足を捻ったファラに避けるのは酷であった。
 ファラは魔獣ベルトゼギアの放った光弾を 自らの放った魔法で迎撃する。
 同時に放ったレイの魔法は魔獣ベルトゼギアにことごとく避けられる。
 魔獣ベルトゼギアとの戦い。
 まだ幼い2人の戦士にはもはや限界であった。

 「……どう……イケル……」

 レイの問いかけにファラは――
 「まだまだ……イケル……イケ…ル……」

 口では強がってるものの、その声からファラの体力がもはや限界なのは誰の目にもあきらかだ。
 今、彼女が立っているのもその子供らしからぬ精神力のおかげと言えるだろう。
 レイは思う。『もう、限界だと』
 その結果、導き出される結論は一つ!!全ての力を込めた最後の一撃!!

 「ファラ……あなた『ラ・ティルト』は使える?……」
 「……出来ないけど……今なら…イケル!!」
 「決定ね……最後の一撃!!」
 「オオォーーーー☆」

  ――光よ――我が手に集いて―― ――永久と無限をたゆとうし――全ての心の源よ――

 呪文の詠唱を始めた2人を見て――

 「くくっ。残念だったな――パァァァァ――」

 哄笑と共に、今まさに光弾を放とうとしたその時!!
 ニヤリ!
 レイが微笑む。

 ――以下省略!!エルメキア・フレイム(烈閃咆)―― ――尽きることなき蒼き炎よ――

      轟ッゥゥゥゥッッッ

 「グガァァアア…ヒッ…非常識な奴めぇぇええーーーーー」
 「もういっちょぉぉぉおおおーーーエルメキア・ランス(烈閃槍)」

 
 ――我が魂の内に眠りしその力――無限より来たりて――裁きを今ここにっぃい――


 「ふざけんなぁーーー――パァァァァ――」

 光弾を再び放とうとした魔獣ベルトゼギアに対しレイは――

 「ウフ♪」

 と微笑み。

 「ザ・ン・ネ・ン♪」

 と一言。

 「なに?…はっ!?」

 気づくのが遅すぎた。
 そう。混乱する、魔獣ベルトゼギアの目に飛び込んできたのは!!

   『蒼い焔をその手に抱いたファラの勇姿!!』

 当然、避けるまもなく――

 「くらえぇえええーーーーー☆ ――ラ・ティルト(崩霊裂)――」

    ぐぎゃぁあぁあぁあぁあああーーーーーーーーーー

 ファラの放った渾身の一撃『ラ・ティルト』の放った蒼い焔が魔獣ベルトゼギアの全身を包み、悲鳴を上げさせる。
 普通に考えて、精霊系魔法 最大最強のダメージを誇る ラ・ティルトを喰らって無事なはずが無い。
 しかし、レイには誤算があった。
 ファラの放つ ラ・ティルトは火事場の馬鹿力の『マグレ ラ・ティルト』であり威力が十分でなかったこと。
 そして予想を超えた奴の耐久力!!

  ……ふっ……ふふふふっ……くっくくくっ…………

 精神を焼き尽くす 蒼い炎に巻かれながら魔獣ベルトゼギアが上げる哄笑。
 今までとは違う気配に身構えるレイ。そしてファラ。
 魔獣ベルトゼギアの両手に――

  ――グオオオオオオオオォォォ――

 今までとは比べ物にならない大きさの光弾が形成される。
 どうやら、壁でも壊し、生き埋めになる事を恐れたのか。魔獣ベルトゼギアは今まで、力を『セーブ』していたようだ。
 魔獣ベルトゼギアが言う――

 『よ〜〜く、考えたら、別にオレは生き埋めになっても構わねぇんだよな…………まぁ。お前らはタダじゃすまないかもしれないけどな……このうざったい蒼い炎が消えた時がお前らの最後だ……くかかっ……』
 『ファラ!こうなったらもう一撃っ……ファラ!?』
 『おおっと? どうやらそっちのお嬢ちゃんは『もう限界』らしいぜ……どうする?お前だけ逃げるか?そうすりゃあ助かるかも知れねえぜ!!くくくくくっ……楽しいね……お前の絶望を喰らうのは……』
 『……そんなぁ……(もうだめ……こいつには……もう……)』
 『おやっ!?もう諦らめちまうのか?………………イヤッ?まだやる気か。』
 『えっ!?(なんで?あたしは……今さっき……)』
 『つまらねえ……なんて闘争心をしてやがる!!……待てよ?……この闘争心は……この闘争心はこの娘のじゃねえ!?』

   うわぁぁぁぁあああーーーーーーーーー

 『なんだと!?ぐぎゃぁぁぁあアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーー……』

 魔獣ベルトゼギアが感じていた正の感情。
 それはレイから発せられたものでもなく、無論、ファラの発したのでも無く。

   『上の窓から妖刀を突き立て 飛び降りてきたヴァルの出す闘争心だったのだ!!』

 飛び降りてきたヴァルは『妖刀春雨』を自由落下に任せるままに魔獣ベルトゼギアに突き刺す。
 魔獣の上げる絶叫。
 興奮冷めやまぬヴァルの上げる雄たけび。
 どちらが先に口を閉じたかはわからない。
 しかし――戦いに勝利したのは3人の子供である。それは揺るぎ無い事実であった。


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 「ああぁ〜〜〜!そう言えばそんな事もあったっけ………っで?」
 「思えば☆あの時の戦いが わたし達の友情の源流というか…「っで!コレをどうするんだ!!」
 「そっ……そりは……あはは☆」
 「笑って誤魔化すな!!(レイ&ヴァル)」

 説明しよう!
 このお騒がせ3人組みは、とある探検家の依頼で魔物のうようよしている遺跡の探査ならびにモンスターの駆逐を依頼されていたのだ!!しかぁ〜〜し!リナ=インバースの娘、レイ=インバースが今までに知られていなかった宝物庫の入り口を偶然 発見してしまう(ダム・ブラス(振動弾)による壁破壊にて)。早速探検隊が調査に向かうも中はモンスターハウス状態。そこでレイとファラ先頭に突き進んでいたのだが……夢中になりすぎて貴重な遺産の大半もついでに大破!!とくに最大の発見になるはずだった『チカンカーメン王の黄金のマスク』はチカンカーメン自体が最後のトラップ(モンスターになってた)と化していた為に粉々に砕けちゃうってオマケ付き!!(誰だって発見したミイラが『うろぉ〜〜〜』って叫びながら手をつかんできたらダム・ブラス(振動弾)のひとつやふたつはぶち込む!!〔レイ=インバース談〕)とのコトだ。
 ファラはつまり『現実逃避の手段』として昔の思い出に浸っていたのだ!!そのうち来るであろう依頼主に怯えながら。
 この後3人はボコボコに怒られた挙句 依頼料ナシ!!っとの重い判決を受けている。
 あと、こっそりレイが『宝石をキロ単位で盗んでいた』のは秘密だそうだ。
 最後に話に出てきた勇者トロだが、彼は今どうしているのか?

     ――りんご――ゴリラ――ラッパ――パセリ――リッ…ス――スルメ――めだま――

 ヴァルの部屋で延々と『1人しりとり』をしているとさ。めでたし。めでたし。


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  【魁!あとがき放送局】


 特に菜塩:この物語の作者。【魁!あとがき放送局】では 作者Nと名乗る。

    L:週間少年ジャンプで連載中の【DEATH NOTE】に出てくる人。
      特に菜塩をキラだと思っていて、こいつもある意味では変態だ。
      名前だけで選ばれたような奴で【魁!あとがき放送局】では デスLと名乗る。

  金色L:ある時は『キンキラキンのゴージャスお姉さん』。
      またある時は『麗しのオンナスパイ』。
      その正体は『魔王の中の魔王』ロード・オブ・ナイトメアであり
      通称Lと名乗ることで知られる。


 作者N「地球滅亡の日ってお前ならどうするよ?」
 デスL「わたしなら滅亡を回避する為にギリギリまで努力しますね」
 作者N「そうか。お前らしいな。ところで今回のはなしですが…「ちょっと待ちなさい!!」
 作者N「なんだよ金色L?」
 金色L「あたしにはなんで聞かないのよ!!」
 作者N「って言うか なんでお前がココにいるんだ?どうやって来たんだ?そっちの方が気になるぞ!」
 金色L「(無言で部下Sを指差す)」
 部下S「………うっ……ぁ…(背中に付けられたロケットで黒焦げの部下S)」
 デスL「……金色Lさん……地球滅亡の日……あたなら……どうします?……」

 金色L「手伝う♪(L満面の笑みを浮かべて)」


   ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ズッ♪


 作者N「始まりました【魁!あとがき放送局】!!このコーナーでは作品中で解説の出来なかった補足の説明や様々なイカレタ話を中心にお送りしたいと思います」
 デスL「早速ですが今回の話、なんの目的があって?」
 作者N「いやっ。ヴァルの過去がとりあえず話したかったのと やっぱ子供時代のエピソードを一つばかし語っとこうと思ってな」
 金色L「それにしても長いわねぇ〜〜。」
 デスL「調べによると後書きなしで35キロバイト以上あります」
 金色L「ひゃ!?35キロバイト以上?」
 作者N「いらない話を書きすぎて……大変だったぜ」
 金色L「それにしても……今回の話はあなたの作品の中じゃ『他作品のパクリ率』低めね。」
 デスL「若干『漫☆画太郎』の影響を受けている部分がありますが」
 作者N「オレをなめんなよ。ふふふ」
 金色L「それにしても……あんたまさに『神をも恐れぬネタ』を使ったわね!ビックリしちゃったわ」
 デスL「神○一……ヤバイでしょ……このネタは……」
 作者N「なに言ってるか僕わからな〜〜い(^Щ^)。それに金色Lなんて原作の方で何度も殺害してるだろ」
 金色L「まぁ。破滅するのはあなただからいいんだけど」
 デスL「今回の話は菜塩さんのオリジナルなんですか?」
 作者N「まぁ。大筋間違いじゃないんだけどな……結構前、ゲーセン行ったのよ」
 金色L「っで?」
 作者N「『GuitarFreaks』って知ってるか?」
 金色L「あのゲーセンにある『ギターを馬鹿みたいにジャカジャカやる』あれでしょ」
 作者N「まぁ、そうだな……っでその中によ、『ESCAPE TO THE SKY☆彡』って曲があってな、それがまたいい曲だったんだよ。そう『地球めつぼ〜〜〜の日〜〜♪』って出だしで始まる」
 L&L「結局パクリかぁ〜〜〜〜!!」
 作者N「ぐばぁ!!」
 金色L「今日はもうお終いね♪」
 作者N「待てL!!その呪われてる確立100%な『真っ黒な鎌型ライトセイバー』 をどうするつもりだ!?」
 金色L「剣道で結構いいとこまで行ったんでしょ?死にたくなきゃ戦えば?全て、塵になる前に♪」
 作者N「そんなの竹刀で受けたら『竹刀ごと真っ二つで ESCAPE TO THE HEVEN だ!!』。うぎゃぁ!!」
 デスL「ワタリ。後始末をお願いします」
 部下W「かしこまりました。(よかった。覚えていてくれたんだ)」
 金色L「さて、長い話でしたがお楽しみ頂けたでしょうか?作者は感想とか待ってると思うんで 気が向いたら 感想を書いてくれるとよろこぶかもね。それでは駄文失礼致しました。」

                      L、肉の焦げる臭いの中ペコリと頭を下げる。










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31708第9話 ―SAIRAAG DUST MEMORE―特に菜塩 2005/8/16 02:01:02
記事番号31675へのコメント


 死者:40万人
 軍人:19万人
 市民:21万人

 市街のほとんどは壊滅。30年以内の復興は絶望と見られる。

_________________________________________________

            特に菜塩

  END OF SLAYERS:★ヘンタイ達の鎮魂歌★
    ____________________

            第7話
  
     SAIRAAG DUST MEMORE

    ____________________


    原作:神坂一 スレイヤーズより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:強奪・破壊・絶望・変態♪
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 彼の名前はルーク。
 流れの傭兵を生活の糧に今まで生きてきた男だ。
 そんな男だが遂に所帯を持つに至ったる。
 嫁の名前はミリーナ。
 結婚までの道のりには本一冊 書けるぐらいの波乱万丈な物語があるのだが、それはまたの機会。
 晴れて2人は夫婦となり、夫であるルークは定職に付いた。
 その職場は『犯罪組織 ナイトメア 新兵器開発部』。
 そこでルークは抜群な運動神経と魔力を認められ『テストパイロット』として働いていた。

 ルークはナイトメアの管理する秘密基地。『アフターカタート』にて2体の甲冑を見つめていた。
 最初に秘密基地『アフターカタート』について説明しよう。
 この基地はドラえもんの乱により蒸発した『カタート山脈』の跡地に作られた基地で、主に新兵器の開発やその試験を行うのに使用される犯罪組織ナイトメアの兵器開発拠点である。
 最重要兵器は滅びの砂漠地下に存在すると言われるナイトメア本部で開発・製造されるのだが、ナイトメア本部になくてここにあるもの。そう試験場である。
 普通、ナイトメア本部で開発された新兵器は一旦ここに運ばれて各種運用試験を行う。それが今までの常識で今回もまた同であった。
 今回の試験機。それは2体のタイプの異なるザナッファーである。
 ナイトメア本部にて 十本刀の一人『メガネの錬金術師』と称えられるキテレツ博士の開発した2体のザナッファー。
 この2体のザナッファーは異なる性質を持っていた。
 特徴的なのは見た目の違いだ。
 まず、小柄で見るからに機動性の高そうなザナッファー試作壱号機。このザナッファーの主任務は試作型ザナッファー弐号機の護衛だ。
 なぜ?ザナッファーに護衛など必要ないじゃないか?
 いや。普通のザナッファーならそうだろう。
 しかし、試作型ザナッファー弐号機は普通のザナッファーとは違う装備が施されていた。
 すなわち『広域殲滅兵器』である。
 見るから頑丈そうな重装甲に背部に装着された飛翔推進ユニット。これに冷却装置兼防御装置を兼ねる追加装甲のごてごてくっついたシールドが付属している。
 なによりも目を引くのは肩部に装着された巨大な筒のようなモノである。
 
 「このザナッファーに弾頭は詰め込んであるのか?」
 「さっき、なんか肩に詰め込んでたぜ」
 「……いい機体だな……」
 「ああ。オレも同感だ」
 「……なら……試してみるか……」
 「なに!?」


 こうして 『RX−79 ZP02A ザナッファー試作2号機 サイサリス』は強奪された。
 この直後、テストパイロットの1名であったルークは命令なきまま『RX−79ZP01 ザナッファー試作1号機 ゼフィランサス』に乗り込み奪われた試作2号機 サイサリスとの戦いに入った。
 『RX−79ZP01 ザナッファー試作1号機 ゼフィランサス』は近距離ならびに中距離戦闘に特化したザナッファーで接近戦において『RX−79 ZP02A ザナッファー試作2号機 サイサリス』に装甲と機動性を除く全ての点で勝っていたが!!ルークにとって運の悪い事に、この試作2号機を強奪したパイロットこそ

   『フェロモンの悪夢』

 と畏怖される『アナホリ=ガトー』であった為にアフターカタート基地からの逃亡を許すという失態を犯してしまう。

_______________________________________________


 ここはナイトメア本部。
 そこにあるキテレツ研究所のドアを勢い良く開く一人の男。
 その名を『ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ』といい、言わずと知れた『十本刀』の一員『百識のムスカ』である。
 かれはキテレツの私室に入るなりこう叫んだ。

 「キテレツ博士!!由々しき事態だ!!」

 その声に答える人物が一人。
 くたくたの白衣を身に纏い、目を覆う厚手のメガネ。その口元には笑みを浮かべながら無礼な来訪者にこう問う。

 「何事かね?……ノックもないとは君らしくない……くくく……」
 「非礼は詫びよう。緊急事態だ。カタート基地にて試験を行う予定の ザナッファー試作2号機が『ジオン』を名乗るものに強奪された」
 「……重水素と三重水素の搭載は?」
 「まずい事にすでに搭載済みだ。」
 「ほう?となると。君は、『町ひとつ滅ぼす』兵器を得体の知れない人物に奪われたと?……くくく……」
 「ぐっっ!?そっ…その点は……こちらにも非がある!!これからキテレツ博士にも対策会議に出席して頂き、奴の性能や弱点などの説明を……」
 「くくく……私のザナッファーに弱点など存在しないさ……くくく……」
 「なっなら!!奴の性能を!!奴の搭載する兵器について……恥ずかしながら、我々はキテレツ博士の理論を……まだ……その……理解しきれていないのだ……」

 ムスカの質問にキテレツは「くくく……」と口の端を歪め、メガネを指で上げる。
 彼は「よいしょ」と言いながら立ち上がり、目の前の黒板に短い方程式を書き上げる。


      -------------------------------

           E=mc2

      -------------------------------

 この短い方程式を書き上げたキテレツにムスカは……

 「これは……いったい……」

 うろたえるムスカの様子を楽しそうに眺めるキテレツ博士。その口元にはいつもの笑みを浮かべて……

 「くくく……まず、君の知っているサイサリスについての情報を教えてくれたまえ……くくく……」
 「……今回強奪された試作2号機は……今までに無い攻撃力を擁していると聞いている……その威力は『ドラグスレイブ』に匹敵すると…「言葉を間違えては困るな?うん?」

 ムスカの話を途中で遮り、キテレツが言う。

 「サイサリスに搭載された『魔融合システム』はドラグスレイムを威力の面では遥かに上回る筈だ。教えて欲しいか?教えて欲しいだろう。教えてやろう。まず上の方程式だが、この方程式にちょっと付け加えるものがある」

 キテレツが先ほどの黒板にまた、一文を書き加える。

 ------------------------------

  E(物質が保有しているエネルギー)
  m(物体の質量)
  c(光速)

  ------------------------------

 「先ほどの省略記号にはこれが当てはまる。ところでムスカ君。君は物質は何からできていると思うかね?……くくく……」
 「私の知る限りでは……物質は全て、原子という目には見えないぐらい小さな物質の集合体から出来ていると聞いているが……」
 「くくく……テストならそれで100点だ。だが今回はもっと先を行かせてもらおう。わたしの理論だが『全ての物質はエネルギーから成っている』というのがある。上の方程式がその物体のもつエネルギーの求め方だ。わかりやすく説明するとだな……」

 そう言うとキテレツはテーブルの上の消しゴムを手に取り……

 「ムスカ君。この消しゴムを無から作り出す……それにはどの程度のエネルギーが必要だと思うかね?」
 「さぁ……検討もつかない……」
 「この消しゴムの質量×100兆倍のエネルギーだ」
 「……………………」
 「ここで考え方を変えてみよう。無から消しゴムを作り出す為には『消しゴムの質量×100兆倍』のエネルギーがあれば可能だとする。すると『消しゴムから 消しゴムの質量×100兆倍のエネルギーを取り出す』コトが出来るのではないか?しかし、物資をエネルギーに変えるのは並大抵のことでは出来ない。しかし、それを可能とする技術がこの世界には存在したのだ。それが『ドラグスレイブ』だ。この魔法は『魔王シャブラニグドゥ』の力を借りて対象の精神と物体を完膚なきまでに破壊する術なのだが……これが例の公式の応用だと気づいた時は胸が高鳴ったものだ。まず、ドラグスレイムの場合、目標となる対象が生物ならびに精神体の場合、その精神を強力な魔力による一種の物理攻撃で完膚なきまでに破壊する。ここからだが、余ったエネルギーは精神世界からこの世界に具現して力を現す。その時に膨大な熱が発生するのだ。その膨大な熱は1億度程度でこの温度になるとほぼ全ての原子は強制的な核融合反応を起こす。これがドラグスレイムの爆発の原理だ。今回、サイサリスに搭載した『魔融合システム』はザナッファーの持つ『レーザーブレス』を用いて搭載した『重水素』と『三重水素』の核融合反応を起こさせる『レーザー核融合』というシステムになっている。ちなみに『重水素』と『三重水素』はわたしの手に入れる事の出来る物質の中で一番この核融合反応の際のエネルギー変換効率が良い物質だ……くくく……ここの点が『ドラグスレイブ』よりサイサリスが威力の点で優れている証拠だ。ただ、欠点としては本来ドラグスレイブの場合は周囲に魔法障壁なる一種の防御システムを展開するのだが 生憎わたしのザナッファーにはそれが搭載されていない。よって必要以上の重装甲を持つに至り、おまけに発射後の衝撃から本体を守り、放出される多量の熱を素早く拡散するための盾を装備してようやく実戦配備が可能になったのだ……これがテロリストの手に渡れば大変だぞ……くくく……」
 「なっなにか対策は!?」
 「……くくく……撃たれる前に撃ち落せばいい……ただ、サイサリスは敵目標に突撃し核攻撃を行う為、過剰ともいえるスピードを……そして核攻撃後の衝撃に耐えるため、堅固な防御力を保持している……くくく……捕らえるのは容易ではないな……くくっ」
 「ならば!フェロモンに残りのザナッファー ゼフィランサスを配備させ迎撃させよう」
 「ほう?なぜ、敵はフェロモンに来ると?」
 「奴は必ずフェロモンに来る!!必ずだ!!」


_______________________________________________

 ここは半島の西部に位置する帝国『ライゼール』
 なお、半島の西部、即ち先端部に位置する細長い国家ディルス、ラルティーグと国境を接している。
 そして。物語の舞台となるのはこの帝国中部に位置する人口70万人の観光城砦都市『フェロモン』。
 このフェロモンと呼ばれる都市。この都市はかつて『サイラーグ』と呼ばれていた。

_______________________________________________

 今から4年前。
 サイラーグのあるライゼール帝国とディルス王国は戦争状態に入る。
 領土問題から長年 仲の悪かった2カ国はディルス王国による国境侵犯問題から全面戦争に発展する。
 国境線沿いの平原 ヴァルハラ平原。
 ここに両軍の第一陣ディルス陣営2万5千 ライゼール帝国軍7万もの大兵力が集結されていた。
 しかし、これには壮大なはったりが仕掛けられていた。
 なんと!ライゼール帝国側の兵士の内、武装が施されているのはわずか4万に過ぎなかったのだ。
 ライゼール帝国の将軍『ランチェスター』はこの圧倒的な人数の配備でディルス側をある意味ビビらせ時間を稼ぎ、その間に戦争準備を行う予定であったが、予想に反してディルス王国は国境線を突破!ライゼール軍の陣地に総攻撃を仕掛ける。
 戦いの前にディルス王国の王『アダルト=ヒトラー』は

  『ライゼール王国には我が軍をはるかに上回る兵がある!!しかし、これらの兵の実態はどうだろうか?あえて言おう!!『カス』であると。 我輩は予言しよう!!一騎千騎の我が軍団の前にライゼールは撃破され、無様な屍を地にさらすと!!』

 この演説と共にディルス王国はヴァルハラ平原に侵攻。両国は戦争状態に突入する。
 戦いは 機動力で勝るディルス王国軍が数で勝り、実質役立たずのライゼール帝国軍を蹴散らし国境線の戦いで撃破!ディルス王国軍に防衛線を突破された事からライゼール帝国軍は後方に待機していたディルス王国軍の予備兵団に挟み撃ちにあう形で挟撃を受け、ライゼール帝国軍は『セルゲイ=ジェーコフ大佐』の率いる第3狙撃化部隊を除く全軍が投降、もしくは全滅した。
 その後、ディルス王国軍はライゼール帝国の内陸部に侵攻。戦いは連戦連勝で大いに士気が沸き立った。
 しかし、ライゼール帝国側もただ負けていた訳では無かった。
 内陸部に侵攻するディルス王国軍の補給線は伸び、その補給線を通る兵站部隊を狙いライゼールの部隊は身を潜め、攻撃し、兵の命を奪うと共にその積荷を奪った。
 補給部隊の無視できない損害にディルス王国は安全な補給路を維持する為に交通の要所であるとある都市の侵攻を決定する。
 当然 その都市は、その侵攻を予知したヴァルハラ平原の生き残り『セルゲイ=ジェーコフ将軍(将軍に昇進)』によってちゃくちゃくと城塞化が進められていた。
 当初、ディルス側にその都市に利用価値は薄く、周りの侵略拠点を制圧すれば孤立する地形に位置していた為に侵攻の予定は無かった。
 まるで運命の女神に見放されたかのような都市。
 その名を

     サイラーグ

 と人々は呼んでいた。
 アダルト=ヒトラーは当初、この戦闘は比較的早期に終結すると予想していたが戦闘により発生した火災により瓦礫の山と化した建物を使い巧みに防衛する市民を含むライゼール帝国軍の激しい抵抗に遭い、建物一つ、部屋一つを奪い合う市街地戦は冬季にまでもつれ込んだ。ディルス軍は市街地戦に装甲歩兵部隊や貴重な騎馬部隊の投入を行ったが、本来これらの部隊は市街地は不向きな部隊であった。なによりディルス王国軍の地上戦の強さの秘訣である弓兵部隊による効果的な支援が出来ないまま 市街地戦は市民を巻き込む一大消耗戦となった。


 14日、市街南部のサイラーグ中央駅を占拠するも、以後数日間15回もとりつとられつの大激戦となった。

 16日、中部の丘を占拠するも、10月まで歩兵同士の激戦が続く。

 21日、市街南部の農業サイロに立て篭るライゼール帝国軍の前に、サイロを破壊できないディルス王国軍は制圧できず攻撃遅滞。

 27日、市街戦中も武器を作り続ける、市街北部の「赤い10月工場」へ攻撃開始。

 10月14日、市街北部の「市庁舎」を占拠。

 23日以降、「赤い10月工場」に立てこもるライゼール帝国軍の前に攻撃遅滞。この市街の数%の制圧を巡って、サイラーグ市街戦は際限の無い長期戦になる。

 11月19日、ライゼール帝国軍の引き伸ばし策成功、ディルス王国軍の包囲作戦が始まる


 市街戦は熾烈でライゼール帝国軍側の戦法などのより死者の数は加速度的に増加していった。
 中でも、ライゼール側は『市民を兵士の盾』にする戦法を取っており、市民は戦いの続くサイラーグの町でいつ終わるとも果てない戦いに耐えていた。
 町を逃げ出せば味方である兵士に殺されるのだ。
 この時の様子をある市民は

 サイラーグはもはや街ではない。
 日中は火と煙がもうもうと立ち込め、一寸先も見えない。
 炎に照らし出された巨大な盧のようだ。
 それは焼けつくように熱く、殺伐として耐えられないので
 犬でさえヴォルガ河へ飛び込み、必死で対岸にたどり着こうとした。
 動物はこの地獄から逃げ出す。
 どんなに硬い意思でも、いつまでも我慢していられない。
 人間だけが耐えるのだ。
 神よ、なぜ我等を見捨てたもうたのか。

 と残している。彼は攻防戦の最中 餓死したという。
 戦況ではライゼール帝国軍ジューコフの大反撃と飢えと寒さにより市内の各地で壊滅する部隊が相次ぎ、1月31日には包囲されていたフリードリヒ・パウエル元帥率いるディルス王国第6軍と衛星諸国軍11万のうち、生き残りの5万人が降伏し、同時に大量の軍需物資がライゼール帝国軍の手に落ちた。その後、ディルス王国兵の収容されたシベリアの収容所から戦後生きて祖国に帰れたのは、わずか6,000人であったという。そして、2月2日にライゼール帝国軍が攻防戦に勝利したと宣言し、サイラーグ攻防戦はここで終了したのである
 その後、国軍の過半数を失ったディルス王国は敗走に敗走を重ね、戦争開始からちょうど一年が経過した日に『降伏調停』にて全面降伏を宣言。
 ここにディルス王国は歴史から姿を消したのだった。
 この戦いは後に『1年戦争』と呼ばれるようになる。
 そして――

  「……もう……やだ……」

 ガラクタで覆い尽くされたサイラーグの町を前に言葉を失う女性がいた。
 その名をシルフィーユという。
 サイラーグに生まれ育ち、数々の出来事を体験してきた彼女。
 ここでサイラーグの歴史



      百年前、魔獣ザナッファーに滅ぼされる。
            ↓
            復興
            ↓
      シャア専用ヤンキー魔導師の攻撃を受けて壊滅
            ↓
            復興
            ↓
      冥王が巣作りし始め、神聖樹フラグーンは死亡♪ その後 金色の魔王が顔出し壊滅
            ↓
             復興
            ↓
      史上最悪の市街戦と言われる『サイラーグ攻防戦』にて完膚なきまでに崩壊



 普通なら『アカン!この町、ホンマ呪われてるわ!!』っと思うはずだが彼女は違った。
 彼女は強かった!!
 彼女は まずガラクタで覆われたサイラーグの町を『ドラグスレイブ』の呪文で整地する事から始めた。
 『戦争には参加しないが復興なら協力するぞ!!』って魔導師さんも現れ、町は3ヶ月で更地になった。
 更地になったサイラーグにシルフィーユ達『町興し委員会』はまず、宿屋を開店させた。
 元々交通の要所にあった為に宿は繁盛し それに比例して民家もまた増えていった。
 けど、『死霊都市 サイラーグ』に定住する人間は限りなく少なかった。
 この問題を考えに考えたシルフィーユはまず、町の名前を変える事を決意する。
 誰もが楽しくなって町に来たくなる名前。シルフィーユは考えた結果

     『ハッピーシティー フェロモン』

 と名前を変え、同時に『セクシーパブ びん★びん☆らでぃん★』をオープンさせた所……人気爆発☆
 続々と『その手の店』がオープンしてわずか1年でサイラーグは『世界屈指のエロ市街』へと変貌し、洒落にならないほどの人間とカネが転がり込んできたのだ!!
 ちょっぴり予想外だったけど、復興は復興と素直に喜ぶフェロモン市長 シルフィーユだった。
 調子に乗ったシルフィーユは『カジノ』に『競馬場』。さらには『巨大ショッピングモール』にまで手を出し、その全てで大成功☆
 一躍フェロモンは『医療費無料』『消費税0%』『教育費無料』『老人には特別年金』など世界でも1、2を争う豊かで暮らしやすい都市へと変身したのだ。
 しかし……そんなフェロモン市街でとある事件が多発する。
 その内容とは

 「うふ〜〜ん☆お兄さん。今晩ど・う?」
 「ひゃい!お願いします」
      ↓
      ↓
      ↓
      ↓
 「それじゃぁ。始めましょ♪」
 「うへっへっ!?……お前!?オトコじゃねえかぁーーーー」
 「愛にオトコもオンナもないのよ!!覚悟ぉぉぉおおおおーーーーー」
 「おぃっ……そんなぁ……やめろぉぉぉぉおおおおーーーーーーーーー……

 この様な『連続青年暴行事件』が市街で多発したのだ。(どんなだ!)
 しかも!!この事件の恐怖はこれだけでは無い!!
 恐ろしいことに……その……なんというか……犯人の……『アッチの技があまりに素晴らしい為』、暴行を受けた男性も『ゲイ』に変わってしまうと言うのだ!!
 犯人は新手の吸血鬼か?いやっ!実験で生まれた新種のキメラかもしれん!まぁ変態には変わりないだろ!!
 市民の不安は募り、恐怖したイケメン男性は家に閉じこもった。そんな本気で『洒落にならない事態』にフェロモンは襲われたのだ!!
 そして姿を見せぬ犯人はフェロモン市民からこう呼ばれるようになった。すなわち

   『フェロモンの悪夢』

 と。
 誤認逮捕、不当尋問、拷問を含む激しい捜査の結果、犯人はフェロモンにある『ゲイバー』『ジーク・ジオン』に勤める『アナホリ=ガトー(21)』と判明。
 その日からフェロモンでは『同姓愛の禁止令』が発令され。『ゲイバー』『ジーク・ジオン』は強制閉店。ガトーはフェロモンより立ち去ることが命じられた。
 『フェロモンの悪夢』。『アナホリ=ガトー』は町を去る際こう言ったと伝えられる。

  、「必ず戻って来る(I shall return)」

 そして、ライゼール暦0083。
 フェロモンの悪夢は帰ってきたのだ!!
_______________________________________________


 フェロモン上空  雲量0  カゼ微弱ナリ  サクセンヲ  カイシセヨ


       ――WARNING―― ――WARNING――

   ――非常事態です―― ――市民の皆さんは落ち着いて避難をして下さい――

 町の各所に置かれたスピーカーから避難警報が流れる。
 町の上空に『RX−79 ZP02A ザナッファー試作2号機 サイサリス』が確認されたからだ。
 ただちに『RX−79 ZP01 ザナッファー試作1号機 ゼフィランサス』が迎撃に向かった。
 けど、負けた。ホモ強しぃ!!(おぃおぃ)
 ゼフィランサスを撃破したサイサリスは背中のブースターを吹かせて上空へと舞い上がる。
 フェロモン上空に到達したガトーは左手に構えた盾から核バズーカの砲身を取り出し肩に装着された核バズーカー本体と連結させる。
 そしてフェロモン市民に対して演説を始めるのだった。

 「フェロモン行政部、ならびにゲイバージオンの戦士たちに告ぐ。私はフェロモンの悪夢だ!
 いわゆる『ホモ撲滅戦争』と呼ばれた政策が、偽りのものであることは誰の目にも明らかである。
 何故ならば、我がフェロモンに現れた時、市街各地で我に賛同する亡国の戦士達が活動を再開した事からもあきらかだ!!
 私は日々思い続けた。ホモ解放のために、戦いの業火に焼かれていった者たちのことを。そして、今またあえてその火中に飛びいらんとする若者のことを!
 ホモの……ジオンの仲間の、心からなる希求である自治権要求に対し、フェロモン自治政府がその強大な軍事力を行使して、ささやかなるその芽を摘み取ろうとしている意図を、証明するに足る事実を、私は存じている!
 見るがいい、これが我々の戦果だ。
 このザナッファーは、核攻撃を前提として作られており、かつてサイラーグと呼ばれていたこの町を吹き飛ばした 忌まわしき兵器を、密かに開発された事実をもってしても、呪わしきフェロモンの悪意を否定できうるものがおろうか!!我々は3年間待った。もはや我が軍団に、躊躇いの吐息を漏らすものもオンナに興味を持つ者もいない!』

 そして最後に彼はこう言った。

 「再びゲイの理想を掲げるために! ホモによる ゲイの為の オカマによって行う政治の成就のために!

      フェロモンよ!!私は帰ってきたーーー!!」






 フェロモン上空に現れたザナッファー試作2号機 サイサリスは待ち受けていたザナッファー試作1号機 ゼフィランスを撃退し、高度3000メートルから擬似ドラグスレイブとも言える『魔砲 アトミック』を発射。
 瞬間!砲身から紅い閃光が飛び出し、フェロモン市街地は爆炎に包まれ、直後に発生した衝撃波は市街の建物をことごとくなぎ倒した。
 その時発生したキノコ雲は遠く離れたセイルーンの田舎からも確認できたという。
 日頃から行われてきた避難訓練と『この町はヤバイ!ヤバクなったらすぐ逃げよう』との市民の高い『危機意識』の為にこの攻撃による死者は0であったがフェロモンの町は廃墟と化した。
 最後に炎に包まれるフェロモンを見ながら『フェロモン市長 シルフィーユ』は

      ……いっそ……殺して……

 と呟いたそうな……
_______________________________________________
 

 「キテレツ博士!!フェロモンが……フェロモンが核攻撃を受けました……」
 「くくく……ゼフィランセスは負けたのかね?」
 「それが……はい……」
 「……くくく……予定通りだな……」
 「はぁ?」
 「いやっ。こっちの話だ……ところでサイサリスはどこに?」
 「フェロモン上空で演説を行っています」
 「……くくく……君の出番は終わりだよ……くくく……ハッッハハハハハーーーーーーー」

        ポチッ

 「ハハハハっ……問題は解決だ……君は休暇でも取りたまえ」

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 追記:フェロモン市街地を破壊した『フェロモンの悪夢 アナホリ=ガトー』はフェロモン上空で自爆する
    なお、演説の最中に突然爆発し、そのタイミングなどから 大変、不可思議な自爆であったという。
    この事件を機に連合諸国は『犯罪組織 ナイトメア』との全面戦争を決定。
    セイルーン王国主体の連合国とナイトメアと同盟関係のエルメキア帝国との間で緊張が高まる。

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  【魁!あとがき放送局】


 特に菜塩:この物語の作者。【魁!あとがき放送局】では 作者Nと名乗る。

    L:週間少年ジャンプで連載中の【DEATH NOTE】に出てくる人。
      特に菜塩をキラだと思っていて、こいつもある意味では変態だ。
      名前だけで選ばれたような奴で【魁!あとがき放送局】では デスLと名乗る。

  金色L:ある時は『キンキラキンのゴージャスお姉さん』。
      またある時は『麗しの女スパイ』。
      その正体は『魔王の中の魔王』ロード・オブ・ナイトメアであり
      通称Lと名乗ることで知られる。


 作者N「なぁ……デスL」
 デスL「なんですか?唐突に?」
 作者N「お前ってまだ俺のコト“キラ”だと思ってんのか?」
 デスL「はい。あなたがキラの可能性は現在6%です。この可能性が0になるまで あなたと共にあとがきの住人になるつもりです」
 作者N「夜神 月って奴、知ってるか?」
 デスL「はい。警視庁官の息子でワタシと共にキラ捜査を行っていますが、なぜ?」
 作者N「そいつがキラだよ。」
 デスL「ライト君がキラですって?」
 作者N「今すぐ本屋 行け!ライト君が犯人って、はっきりと証拠が書いてあるから。」
 デスL「ハッ?馬鹿じゃねぇの?夜神 月君がそんな事するわけねぇじゃん!大体ライト君はてめえの膿んだ脳みそとは格が違うんだよ!」


  ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ズッ♪


 作者N「始まりました【魁!あとがき放送局】!!このコーナーでは作品中で解説の出来なかった補足の説明や様々なイカレタ話を中心にお送りしたいと思います」
 デスL「おやっ?そういえば金色のLさんがまだ来ていないようですね?」
 作者N「いいんじゃねぇの」

 金色L「“キィィィッーーーーー!!” お待たせ!!新宿高島屋のカブトムシコーナーにいたら時間忘れちゃって」

 デスL「全然OKですよ、金色Lさん」
 作者N「……お前……部下Sになにやった?……」
 金色L「なにって……ただ『ワタシもカブト欲しい♪』って部下Sに言ったら『カブト虫の前にまともな給料を払って下さいぃぃ〜〜』とかクソ生意気なこと言ったから罰として『カブト虫に改造しちゃった♪』 ほら!アニメ版じゃ虫系だったから似合うのなんの。空も飛べるのよ♪(サターン5型 ロケット着用時)」
 部下S「……おぉ……ぅぅ……(額にカブト風のツノを ケツにサターン5型ロケットを刺し込まれた部下S)」
 デスL「さすが金色Lさんですね。」
 金色L「外国産カブトは 生態系の崩壊に繋がるから外に逃がさないでね♪」
 作者N「それにしても……ケツにサターン5型ロケットなんて……大胆にもほどがある……」
 部下W「ちなみに サターン5型ロケットの画像です。

    http://www.edugeo.miyazaki-u.ac.jp/earth/edu/solar/apollo_launch.jpg 」

 作者N「なんか先っぽが細くて……本気で入りそうだな……」
 金色L「部下Sの話はストップ!それにしても……なによ!今回の話は!!」
 デスL「これはもはや『パロディーという名の悪質なパクリ』ですよ」
 作者N「セクシーパブ びん★びん☆らでぃん★か?」
 デスL「まぁ……具体的にどんな店か説明して無いんで……書き殴り的にはギリギリセーフかと……」
 金色L「明日には削除されてたりして」
 作者N「リアルにありそうだな……そこが怖い……」
 デスL「ところで今回の話の目的は?」
 作者N「いや。今回の話はキテレツの作るザナッファーの威力を説明すると共に、キテレツ自体のキャラの確立という大きな目的があってだなぁ〜〜」
 金色L「さくっと『ガンダム』パクッた」
 デスL「ストーリーが思い浮かばなかったからパクったと」
 作者N「まぁ……許してちょんまげ。けど、サイラーグのエピソードも少しいれてだな」
 金色L「史上最悪の市街戦 サイラーグ攻防戦……やけにリアルなんだけど……」
 デスL「そりゃあそうですよ。こいつは『スターリン グラード攻防戦』をそのまんまパクッたんですから」
 金色L「ほかにも『アダルト=ヒトラー』やら『アナホリ=ガトー』やらツッコミどころが多すぎるわね」
 デスL「あと気になったんですけど、作中の『核融合』って理解して書いてるんですか?」
 作者N「理解してるわけねぇーだろ!俺なんか物理のテストで『P波とS波の正式名称を書きなさい』って問題があってな」
 デスL「それで?」
 作者N「 『パナウェーブ スカラー波』って書いたんだぞ」
 金色L「……あんた……もしかしてバカ?」
 作者N「否定はしない。こんな俺に核融合の原理なんぞ理解できるはずが無いだろ!!核融合?んなもん適当だ!適当!!」
 金色L「だぁ〜〜〜〜もう黙りなさい!!」
 作者N「……待て!!お前は本気で『広島型 原爆』なんぞドコで手に入れた!?」
 金色L「旧ソ連」
 デスL「……リアルな場所が怖いですね……」
 金色L「あ☆大丈夫よ。これ、ウラン入ってないから」
 作者N「……っで……なにが言いたい?……」
 金色L「ウランは入って無くても『起爆用のTNT火薬2、5t』は入ってるのよね♪」
 作者N「TNT2,5tって、そんだけありゃ『この世に破壊できない物の方が少ないぞ!!』」
 金色L「(L。遠くの方から)3  2  1  ……

……
…………
………………
……………………
…………………………
………………………………
……………………………………
…………………………………………
………………………………………………

 金色L「今回の話はギャグの為、ストーリーが作られた典型的な例ね♪本当は手を抜かないで戦闘シーンとか書く予定だったんだけど、めんどかったそうで……おのれぇ〜〜……復活したら折檻してやる♪ そんなこんなで今日はお終い。アディオス!バイバイ!また今度♪(L。クレーターの真ん中でペコリとアタマを下げる)」


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31808第10話 ― THE DRAGON FIGHT ―特に菜塩 2005/9/6 23:05:14
記事番号31675へのコメント


 「なんかうるさいっぺなぁ」


  うらら〜〜うらうら〜肉片のぉ〜〜〜


 「なんでもさ、悪魔さを崇拝さする ろっくばんどのこんさーとが開かれてるらしいさ」
 「ほぇ〜〜。悪魔さの崇拝なんてええのか?」
 「いまは思想の自由が保障されてるっぺぇな」
 「まぁ、おれら作業員には関係ないっぺな」
 「んだ」

_______________________________________________

           特に菜塩

  END OF SLAYERS:★ヘンタイ達の鎮魂歌★
    ____________________

          第10話
  
     THE DRAGON FIGHT
    ____________________


    原作:神坂一 スレイヤーズより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:菜塩作品初!怪獣対決
______________________________________________
 

 
 夏の暑さは地獄のごとし!太陽、日差しに呪いあれ!人の波はゴミのごとく!流れる音楽もはや雑音!
 とな感じで、今のあたしはマジでキレちゃう5秒前!!心が壊れる4秒前!理性吹き飛ぶ3秒前に怒り心頭2秒前!ドラグスレイブ撃っちゃうぞコラァ〜〜〜〜〜って撃ってもここは廃墟郡。壊れるモノは何も無し、トホホ……
 何も無くて廃墟だけ。あたしが居るのは『フェロモン』という町だ。
 4日前に『フェロモンの悪夢』とかいう『変態』に襲撃され壊滅状態に陥ったこの町。この町の住人は想像以上に強かった!!
 元々は『サイラーグ』といわれる町で、度重なる不幸に見舞われたこの町は別名『死霊都市』と呼ばれるほど悲惨な歴史を歩んできた。
 ここでサイラーグの歴史



      百年前、魔獣ザナッファーに滅ぼされる。
            ↓
            復興
            ↓
      シャア専用ヤンキー魔導師の攻撃を受けて壊滅
            ↓
            復興
            ↓
      冥王が巣作りし始め、神聖樹フラグーンは死亡♪ その後 金色の魔王が顔出し壊滅
            ↓
             復興
            ↓
      史上最悪の市街戦と言われる『サイラーグ攻防戦』にて完膚なきまでに崩壊
            ↓
           超!復興
            ↓
      『フェロモンの悪夢』とかいう変態に攻撃されズタズタのメキメキ♪

 普通なら『アカン!この町、ホンマ呪われてるわ!!』っと思うはずだが意外やそうでもない。
 今も、建設作業員が町の瓦礫を えっさこ ほいさこ と片付けてる最中だ。近く、戻ってくる住民の為に。
 一見、壊滅したかに見えたこの都市だが、市民の被害は無し!オマケに市民の財産はほとんど持ち出されていた為に金もある!!
 この都市のジンクスとして『かならず不幸が訪れる』ってのがあるが、同時に豊かになるというジンクスもある。
 ザナッファーに滅ぼされた時は魔導師協会の支配から脱し、豊かな商業都市を形成したし、不良魔導師の時は腐った官僚政治の根絶をもたらし、冥王が巣作りした時は町の中心に居座る『邪魔な大木』の伐採に成功!そしてサイラーグ攻防戦では史上まれに見る『エロ観光都市」へと大変身を遂げたのだ!!
 結果として住民は舞い戻ってきたのだ。理想を求め、廃墟に新たな楽園を作るために。
 もう既に、大工関連の業者が世界各地から集結!新デザインのファッションビル郡に住居一体型の巨大ショッピングセンター、もう金にモノを言わせた超巨大公共事業のアメ嵐!!
 呪われた『フェロモン』とかいう町の名前も『不死鳥都市 フェニックス』と改名され、この町は生まれ変わろうとしているのだ!

   次の曲はーー ガラスの靴は血に染まりだぁーーーーー ミュージックスタート!
 
 今、あたしの目の前で狂った歌詞の歌を雑音としか思えないビートに乗せて狂ったように歌っているのが今回の依頼人『ダミアン木下』さんだ。
 このダミアン木下こそ、今をときめく、悪魔崇拝系ロックグループ デリンジャーの人気ボーカリストで無闇やたらと攻撃的な発言と抜群の音楽センスで主に10代の少女を中心に恐ろしいまでの人気を博している……らしい……
 発表曲も激しいのが多く『くたばれ!スィーフィード』や『変人はサンタクロース』『バレンタイン 〜暗黒のチョコレート〜』など悪趣味この上ない!!でもやたら人気で、今もチャリティーコンサートなんかを開いている。
 いま彼が歌っているのは『〜ガラスの靴は血に染まり〜』なる曲で――

  城を追われたシンデレラァ〜〜〜♪ 武器を片手に逃げ出したぁ〜〜〜♪

 「バースト・ロンド(爆煙舞)……」

    ちゅぼぉぉぉおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん

  暗黒の森ぃ切り開きィィ〜〜〜♪   小人の国をぉ侵略だぁぁぁ〜〜〜〜♪

 「デイム・ウィン(魔風)……」

    びゅわわぁぁあああああ〜〜〜〜〜〜〜〜ん

 いま、あたしが放った2つの呪文。『バースト・ロンド(爆煙舞)』は見た目は派手だが威力は少ない術。けたたましい音と共に、 もわもわ〜〜ん とした煙が盛大に発生するのだ!
 そしてデイム・ウィン(魔風)。 凝縮した空気を打ち出して、強風による衝撃波を発生させる術で子供が吹き飛ぶぐらいの風が発生する。無論、先ほどみたいに紙吹雪を舞わせるのなどお茶の子さいさいだ。
 そ・し・て!次はと

 「ブラム・ブレイザー(青魔烈弾波)」

  ビカビカビカァーーーーーーーーーー

 ブラム・ブレイザー。(青魔烈弾波)相手に向かって可視の光の奔流を放つ術。蒼い光が目にも艶やか♪
 ようするに、あたしは今、こいつのコンサートの『特殊効果係』を担当しているのだ。

  「ドラグスレイブ!!」

 爆炎巻き上げ風起こし、光ビカビカ放ったら、お空に上げましょドラスレ花火っ……はぁ……ダルイ……ったく!仮にもアーチストなら特殊効果なんぞに頼らず実力で勝負せぇ!!ってなコトを言っても『じゃらららあぁぁあーーーー』とか『呪いあれぇぇぇぇええええーーーーフウウウウゥゥーーーーー』とかうるさいから誰にも聞こえないのよトホホォ……。
 あたしの出番はこれで終わり♪あとはノンビリと洒落込みますかなぁ〜〜♪




 『今日はオレの為に集まってくれてありがとぉーーーーーーーー」

     わぁぁぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜

 『コンサートも後半!そこで!本日のメインイベントを始めるぜぇ〜〜〜フゥゥーーーー』

     きゃぁぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜

 『本日のイベントは魔獣の召還だぁぁああーーー。
  史上最強のドラゴン魔王竜はカタート山脈と共に蒸発!絶滅した!!
  でもだ!全てが絶滅したわけじゃない!!
  かつて、あまりに強大な力を持っていた為に、異次元の牢獄に封印されてた魔王竜が存在したぁ〜〜!
  そいつを召還する方法があるんだぜぇ〜〜〜〜
  フゥゥゥーーーーーー!!』

 封印されていた魔王竜の召還?
 あっ。パンフレットにも書いてある。ふむふむ……『本日のメインイベントとして異次元に封印された魔王竜〔ディモス・ドラゴン〕の召還を行います。皆さんの念があればきっと召還に応じてくれるはずです。さぁ、魔王竜の虚無の吐息を浴びて、親愛なる大魔王シャブラニグドゥ様の元へと近ずきましょう』って魔王竜の虚無の吐息なんぞ浴びたら『本気でパンフレット通りの結末になるぞ!!』。……いいのか……観客よ……

  きゃぁぁあああ〜〜〜〜〜♪ 魔王様バンザーーイ 地獄へ連れてってぇぇ〜〜〜〜〜♪

 いいらしい。
 どうやら、観客に皆さんもだいぶ『アタマが逝っちゃってるらしい』……世も世紀末よのぉ……ディモス・ドラゴンの正体も知らずに……
 〔ディモス・ドラゴン(魔王竜)〕
 カタート山脈のみにすむ竜族最強の竜。黒いウロコは光を飲み込み、虚無を撒き散らし街ひとつ消し去る暗虚吠(ヴォイドブレス)を吐く。
 ドラえもんの乱で絶滅したはずだが、これを召喚する呪文もあるにはある。けど、それはあくまで『普通の魔王竜』。
 普通の思考回路さえあれば『封印されてた魔王竜?バカじゃないの?』って結論になるが、あたしは『今日、魔王竜は出る!』って事をしっている。そう!確実に……
 そう、思想にふけりながら あたしは合図を〔ライティング(明り)〕をピカピカピィーーーっとヴァルとファラがいる丘に向けて点滅させるのであった。

_________________________________________________

同じ頃♪

 「……あっ☆ねぇヴァル!合図だよ☆」

 ピカピカ光るレイの合図を確認したファラがヴァルにそう伝える。
 そのヴァルは――

 「……イヤだ……」
 と一言。
 そんなヴァルにファラがプンプン怒りながら

 「わがまま言わない!!いいじゃん☆減るもんじゃないし☆」
 「絶対にヤダ……」
 「早く服脱いで始めなさ〜〜〜〜い☆」

    どげしぃ☆がぼっ☆ずががっ☆

 ファラがヴァルに飛び掛る!!
 おいっ!?貴様ら二人なにをやる気だ!?
 ……まさか……飛燕連脚!?

 飛燕連脚:かつて皇帝を守護する四天王の一名『瀦誦煉鷲』が編み出した奥義で、助走なしに空中に跳躍、空中を滑空しながら卓越した足技にて対象の顔面を完膚なきまでに破壊する3連蹴りを放つ技である。その動きは大空を舞う隼が獲物に両脚にて襲い掛かり嘴にて止めを刺す様に似ることからその名がつく(民明書房:羽ばたけ 翼の勇者達より抜粋)

 ってなわけで。ファラの3連顔面蹴りを食らったヴァルが抗議の雄たけびを上げる。

 「ってぇ〜〜な!!わかったよ!やりゃあ、いいんだろ!!」
 嫌そうに服を脱ぎだすヴァル。それを見たファラの感想。

 (……まだ、子供ね……)

 ファラは何を見たんでしょうか?答えは尻尾だ!!人間に変身するのが未熟な動物は尻尾を残す。これは狸だろうが狐だろうが金竜のフィリアだろうが不変の法則だ!!けっして『下ネタ』では無い!!信じてくれ!!
 服を脱ぎ終わったヴァルはおもむろに……


  ――ΕΔΓΧーΨΙΥΤγηーΞ――ΟΡΚΘУФーКЙーЖД・РБП――


 と人間には理解できない言葉を口走る。するとヴァルの体が金色に輝き、その輝きがファラの視力を奪う。そして、光の奔流が収まると、ファラの目の前には一匹のドラゴンがたたずんでいた。
 そのドラゴンにファラが声をかける。
 「ヴァル☆相変わらず悪役って感じだね☆」
 ファラの一言に中ボス風のドラゴンが答える。
 「ふん。まさか誇り高き古代竜〔エンシェント・ドラゴン〕のオレが魔王竜〔ディモス・ドラゴン〕なんぞの仮装をするとはな」
 上のドラゴンの声は紛れも無くヴァルの声だ!!
 んっなるほど!つまり先ほどレイの『あたしは今日、魔王竜は出る!って事をしっている。』発言はこれを根拠にしていたのか!!
 さらにわかりやすく説明すると、出るはずの無い魔王竜の代わりに 絶対に出てくる代わりの竜を用意したのだ!
 つまりだ!

       コンサート会場に召還される魔王竜=古代竜に変身したヴァル

 と、ゆうわけ。
 普通の一般人に魔王竜と古代竜の見分けがつくはず無いから、めでたくヴァルが魔王竜役に扮することが決定したのだ!!おめでとう!
 そんなヴァルは バッサ、バッサと羽を動かし空の人へ……って人じゃなくて竜だ!とか、気にしないでくれ!
 ヴァルが言う。

 「それじゃ。ちょっとくら飛び回ってくるぜ」
 「飛び回るだけじゃなくて、指定の場所吹き飛ばすのも忘れないでよ!!」
 「教会跡か……バチ当たりそうだな……」
 「気にしない☆気にしない☆いざとなったら『シャブラニグドゥ』が守ってくれるよ」
 「お前……巫女として今の発言どうかと思うぞ……まぁいい。行ってくる」

 ヴァルは翼を翻し、レイと3万人の観客の待つ、『災害チャリティーコンサート会場』上空に向かうのだった。


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 さて、もうそろそろ『魔王竜さま』のご到着かしら?
 悪魔崇拝系ロックバンド デリンジャーの楽屋の窓から空を見上げるあたし。召還の儀式は観客全員を巻き込んで続いていた。

 『みんなぁーーー!!パンフレットに書いてある通りに呪文を唱えてくれぇ〜〜〜行くぞ!』

 ダミアン木下の掛け声と共に観客一同が呪文を唱え始める。3万人の観客による召還魔法の詠唱。その光景は召還ってよりも呪いって感じだ。こわひぞ!これは。


    ――陰を律するもの――来たるべきもの――去りゆくもの――その結ばれし鎖を断ち切り――


 はいはい。召還魔法お決まりの台詞ね。世間一般の人が知らんでも無理は無いが、この ――陰を律するもの―― ってのは ちょびっとでかめな召還獣を呼びつけるのに良く出てくる混沌の言葉〔カオス・ワーズ〕の常連さんで、ナンパにたとえると『よっ!君っていま暇だったりする?』的なもんなのだ。それより……
 およ!?こいつ結構 現金持ってるジャン!芸能人はカードばかりかとっ………かっ……かんじがいしないでよ!
 あたしは今、世間一般から見れば『楽屋荒らし』なる事をしているかもしれないが、これはファラの言う『正義のための犯罪』って奴だ!
 考えても見なさい!復興支援の為のチャリティーコンサート開くぐらいなら『年収の半分』もパッと散財したほうが十分世間のためになるってモンよ!
 人気悪魔崇拝系ロックバンド『デリンジャー』の年収の半分なら世界の恵まれない人が100000000000人は助かるわよ!!
 ちょっと待て!世界の総人口超えてるじゃねぇ〜か ってなつまらん突っ込みには『バースト・ロンド(爆煙舞)』というキツイお仕置きが待っているのであしからず。
 てな事で、あたしが代わりに散財してあげる♪ってわけよ、ウシシシ♪


    ――時空の果てより来たれ――破壊を司る皇帝よ――全てを破壊せよ――黄金の3頭竜よ――


 それにしても会場の声がうるさいわね。
 おかげで、ここまで聞こえてくるじゃない!!これじゃ、『世界経済の為の犯罪』がはかどらないじゃない!プンプンなんだから!
 ゴソゴソ バサバサ ぽいぽい しめしめ
 世界の為、手当たり次第にバッグやらを漁るあたし。
 そのあたしがあるカバンを開く。カバンに入っていたのは怪しげな古い石版。
 ラッキー♪これは値打ちもんと見た!!って早速品定めすると――値札が付いてた……

 「なになに……異界黙示録の写本〔傷モノに付き半額〕……まさかね……」

 なんだ。何かと思えば偽美術品か。
 よくあるのよ、真贋付きかねる美術品を『確信は無いですがホンモノだと思います』って言い、ホンモノの一割ぐらいの値段で売るパターンが。
 特に!金だけはあって美術品の知識に乏しい芸能人なんぞは『ホンモノならオトクだぞ!!」とか思って買いあさり、後日 後悔することになるってパターンが。
 マイケル=ジャクサンなんていい例ね。ああ。マイケル・ジャクソンじゃないからね♪いちおー
 どれどれ。なに書いてあるのかな?

   ――時空の彼方に封印された3つ頭で金色の鱗を持つ魔王竜を召還します――危険度:SS――

 ……にっ……偽者にしては……上等じゃないの……


     ――魔三頭黄金皇帝竜召還〔キングギドラ召還〕――


 会場全体に響く ――魔三頭黄金皇帝竜召還〔キングギドラ召還〕―― との声。
 その時。あたしの立つ地面が揺れた

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   バッサ バッサ バッサ バッサ

 空を飛んで、山越えて。会場目掛けてバッサ バッサしているヴァル。
 こいつの今後の予定は

 
 1:スィーフィードを奉った教会跡上空でほえる
 2:会場のみんなが気づいたら、教会跡を破壊する
 3:会場上空に侵入。
 4:ほえる
 5:アクロバット飛行(インメルマンターンからキューバンエイト。最後にハイスピードヨーヨー)
 6:またほえる
 7:帰る

 (最初はスィーフィードの教会を吹き飛ばす……か)

 そんなこと考えながらバッサ バッサするヴァル。
 そしてスィーフィードの教会上空に到着し


       ウゴォォオォォオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 出しうる限りの大声をせり出すヴァル。
 会場からは悲鳴が上がっている。

 (悲鳴確認!これより任務開始!)

 ヴァルは会場の悲鳴を確認すると、スィーフィードの奉っていた教会跡を閃光の吐息〔レーザーブレス〕にて攻撃!


  トキューーーーーー…………ンン…………どががががぁぁぁああああーーーーーーーーー


 と爆音と共に教会跡は木っ端微塵に吹き飛ぶ!さすが古代竜!金竜の数千倍の力は伊達じゃない!!
 そして――

  グロォォォォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「しゃぎゃあ!?なっなななっ!?」

 突然!先ほどのヴァルの10倍はあろうかと思われる雄たけびが立ち上がる!!

 その姿は金色に輝き、その巨体は山の如し。
 背についたるは鋼の光沢を放つ2枚の翼。
 金色の鱗に覆われた尾は山を砕き、大地を踏みしめる4本の足は熊の如し。
 ひとつの首は虚無を吐き。
 ひとつの首は災厄を。
 ひとつの首は滅びを誘う

 驚愕するヴァル。その瞳に写るのは『3つの首を持つ黄金の鱗を持った超巨大魔王竜』であった。
 ヴァルは思う。

 (バチが当たるにしても早すぎねぇか?)


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 なはにぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜いいいいい!?
 まさか!?この異界黙示録写本(傷つきにて半額)がホンモノですってぇぇぇぇええええーーーーーーー
 目の前で3つの口で雄たけび上げるキングギドラを見上げながらあたしは叫ぶ。
 今頃ヴァルは顔面蒼白でファラは泡吹いて倒れてるだろう。
 とりあえず――

   ――翔封界/レイ・ウイング――

 飛翔系の呪文を唱えるあたし。
 高速飛行の術で上空に居座るヴァルの元へと急ぐ。
 なぜって戦うため?バカ言ってんじゃないの!!逃げるのよ!に・げ・る!ESCAPEなのよ!!
 この写本に書いてあるとおりなら

  〜全長140メートル、体重7万トン〜マッハ4で空を飛びます〜

 こんな化け物と戦えるかぁぁああーーーーー!!
 幸いなことに今回の件は『珍しく』あたしに非が無い!!って事で逃げても問題ないはずだ!!

 「オイッ!お前、今度は何やらかしたんだ?」
 「インバースメテオスラッァァァアアッッシュゥゥゥーーーーーーードガッ!!」
 「ガフゥ!?この貧乳!何しやがる!」
 「今は殺さないわ!!すぐにこの場を離脱!!ファラを回収して逃げるわよ!!」
 「ちょっと待て!!アレをほっといて逃げるのか!?」
 「あんなのと戦えるかぁぁぁぁあああーーーーーー!それに今回はあたしはかんけ……「なら、会場で叫んでるアレはなんだ?」


  『観客の皆さん!落ち着いてください!!今すぐ会場警備の魔導師『レイ=インバース』が奴を撃退します!! 』


 ……しまった!忘れてたぁぁぁああああーーー
 今回の仕事の契約書に

 『レイ=インバース:魔導師
  特殊効果係を担当。
  特例として、暴徒の侵入、戦争、自然災害、魔族ならびに怪獣、妖怪、オバケにロボットの襲来〜以下省略〜など
  非常事態が発生した時に限り、攻撃魔法にて会場を守る警備員に部署の移動を行うこと』

 って書いてあったんだぁぁぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
 まさか、この契約書作った奴も怪獣が襲来するとは思ってはいまい……どうせ「自然災害は誓約書に書いてないんで〜〜あたし帰りますぅぅ〜〜〜♪」的なことを防止するために考えうる全ての非常事態を書いたんだろうが……本気で来るとは……
 このままじゃ、化け物と戦うしかないんじゃないのぉぉぉおおお〜〜〜〜〜〜〜

 「っで、どうするんだ?」
 アタマをグルン グルン振るあたしに問いかけるヴァル。
 クールに聞こえるが、微妙に羽が震えてる。やっぱ怖いんだ。
 無理も無いか。さっきからキングギドラの右の首さんが『しゃぎおおぉぉ〜〜〜〜ん』とか叫びながら建造中のビルを 暗虚吠〔ヴォイドブレス〕で『ぶばばばぁぁ〜〜〜ん』と吹き飛ばし、真ん中の首が『うごごぉぉぉおおお〜〜〜〜ん』とか叫んで集積してある物資の山を火炎の吐息〔ファイアーブレス〕で『めらめらぁ〜〜〜ぼぼぼぉぉおお〜〜〜』と焼き尽くして、左の首が『うぎゃらごぉぉおおおーーーー』とか言いながらあたしの乗り物ヴァルを狙って……

 「ヴァルゥゥゥ!!急降下ぁぁあああーーーーーーーーー!!」
 「ってなん……うごぉ!?−−−−−−−−」
 ……うぎぎぎぎッ……ぷはぁ〜〜〜〜。急降下のGで死ぬかと思った。
 いやっ。急降下しなかったらホントに死んでた。その証拠に頭の上を飛び去る閃光息〔レーザーブレス〕。
 しかし……あたしを敵に回して無事で済むと思うなぁぁ〜〜〜〜〜

 「ヴァル!」
 「……はぁ……はぁ……なんだ?」
 「予定変更!!あいつを倒すわよ」
 「……正気か?」
 「どっちかと言うと正気じゃないわ!!一発ぶち込んで退避!これを繰り返すわよ!」
 「ヒット&アウェイ戦法か。任せときやがれぇ」

    シャギャァァアアアアーーーーーーーーーーーーーー

 ヴァルが一声上げると共に急降下から一転、急上昇を始める。
 強烈な風圧に耐えるあたし。混沌の言葉〔カオスワーズ〕を紡ぎながら……

  ――黄昏よりも暗きもの――血の流れより紅きもの――

 ヴァルは翼を羽ばたかせ高度をグングン上げていく。

  ――時の流れに埋もれし――偉大な汝の名において――

 吐く息が白い……それに酸素も薄くアタマがガンガンする。
 下ではキングギドラが町を怪獣映画のごとく破壊しようとしているんだろうが……もうほとんど壊れているのであっちへウロウロ、こっちへウロウロとしている。見えないけど、困った顔してるんじゃないかな?

  ――我ここに闇に誓わん――我等が前に立ち塞がりし――全ての愚かなるものに――

 ここでヴァルが急降下に転じる。
 先ほど逆にどんどん高度を下げていく。強烈なGに意識が飛びそうだ……けど……負けるわけには行かない!!

  ――我と汝が力もて――等しく滅びを与えんことを――

 「行くわよヴァル!!」
 「クソったれぇぇええーーーーーーーーーー」

 ヴァルが声を張り上げる中あたしは思う。
 そう。あたしは負けるわけにはいかないのだ。
 あの化け物をほっといたら、大勢の命が失われる。それに――『うっかり忘れた、ロッカーに入ったあたしの財布&宝石2キロ』を見捨てるわけにはいかない!!
 くたばれぇぇえーーーーかいじゅぅぅぅううーーーーーーー!!財布のためにぃぃいい〜〜〜〜


           ――ドラグスレェェエイブ――


    ごがぁぁああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーん

 あたしの放った、魔王シャブラニグドゥの爆炎に包まれる魔獣キングギドラ。
 あの非常識な大きさでも、こいつを2発3発、続けて喰らえばひとたまりも無いはずだ!!
 そうおもふその時!!
 ガクンッッ!!
 ヴァルが急降下体制から翻り――

  「オレからもプレゼントだ!ガァアーーー」

 ヴァルの口から蒼の閃光が!
 追加攻撃のレーザーブレス!?ドラグスレイブ並とは言わないがかなりの威力だ!!
 ヴァルのレーザーブレスがドラグスレイブの噴煙に包まれたキングギドラを貫く!そのレーザーがドラグスレイブの噴煙を吹き飛ばし出てきました!無傷のキングギドラ――

………………
…………………………
………………………………
……ジジジジジッッッッ(レーザーの音)……
………………………………………………………………
………あぎゃ?………うぎゃ?…………にゃぎゃ?…………………………………………
…………しゃぎおおぉぉ〜〜〜〜〜〜ん…………………………


 ウゾでしょ……無傷ぅぅぅううーーー!?
 ウソ嘘うそウソ!?絶対ウソ!?あたしのドラスレ(おまけでレーザー)喰らって無事なはずないわよ!!
 いやっ……実際無事なんだけどさ……その……なんてっか……

 「ヴァル!今度こそ本気で逃げるわよ!!」
 「…………」
 「どうしたのよヴァル!!」
 「……作戦会議だ!ファラのとこ行くぞ」
 「ファラがいたってこの状況はどうにもならないわ!!逃げましょ!!」
 「イヤッ!3時間はイケル!オレを信じな!」



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 「はいは〜〜い。これから今回の事件の主犯『ダミアン木下』の公開処刑ならびに『キングギドラ対策会議』を行いま〜〜す♪ちなみに文句ある奴はその場で『黙らせる』のご了承を♪」
 「ふざけんな!誰の公開処刑を…「ファラ。お願い」
 「鳩尾にパンチ☆「ガフゥ!?くひゅ〜……くひゅ〜」
 あたしの命令の元、ファラの一撃でゲロ吐きながら地面に転がるトップアーチスト。あはれ。
 そんなダミアン木下をシカトしつつ、話を進めるあたし。
 「それでは、今現在、キングギドラが……その……仲間割れしている状況について……ヴァル君に説明してもらいましょう。ヴァル、話して!」
 「そのだな。なんというか……オレは世界共通ドラゴン語……略してドラ語を話せるんだが……」

 ……なんだ……その人類の知らなかった事実は……ドラゴン語……略してドラ語……怪しいにもほどがあるぞい……
 「それで、なんでキングギドラは仲間割れっ……て表現かわかんないけど……とにかく喧嘩してるのヴァル?」
 ファラの質問にヴァルが答える。嫌そうに……
 「いや……そのなんというかな……とりあえず!キングギドラの3つの首をそれぞれ「田中」「エミ」「木村」とするとだな〜〜」
 そう言いながらヴァルは黒板に何かを書き出す。

    -------------------------------

      田中(♂)   木村(♂)


          エミ(♀)

    -------------------------------

 「それで!どうしたのよ!」
 あたしの質問にヴァルは――

 「その……田中は……エミが好きなんだよ……でも、そのエミは木村が好きでな……」
 「うわぁ〜〜どろどろ」
 「しかも離れられないから悲惨だぁ〜〜〜☆」
 「まぁ……そうなんだが……問題なのは……エミが好きな木村は『田中に惚れてるんだ』……」
 「……ひっ……悲惨だね……あはは☆」
 ばっばっば……バカタレェェェーーーーーー!!
 んな三角関係なんぞ聞いたことが無いわ!!しかも一心同体だから常に……ああ……もう……考えるのもイヤっ……
 説明が終わったヴァルは黒板に書き足す。


    -------------------------------
         (好き)
    田中  ←────  木村
       \      /
    (好き)\    /(好き)
         \  /
          エミ
    -------------------------------

 書き終わったヴァルが言う。

 「こんな関係だから3時間は喧嘩してるだろう……って思ったんだが……間違ってるか?」
 ヴァルの問いかけにあたしは答える。
 「いんや。完璧な答えよ」
 男と女とまた男を巡る三角関係。この争いが1時間や2時間で解決するはずもない!
 結果。推定3時間程度は「お前はオレの愛が受け取れないのか?」「イヤッ!絶対イヤッ!ワタシはイケメンの木村君が好きなの!!」「おっ……おれは……マッチョな田中君が……」
 とまぁ、延々と例のドラ語とやらで話し続ける結果になるだろう。
 そのわずかな時間!あたし達は逃げ出す……じゃなく、作戦会議を行うことが出来るのだ!
 ファラがあたしに聞いてくる。

 「ねえレイ☆例のキングギドラに弱点はないの?」
 はいはい。どうせそんな質問だと思ったわ。
 あたしは手元の異界黙示録(傷付きにて半額)を読み上げる。

 「〜キングギドラは全身を特殊な鱗で覆われているために魔法・物理攻撃による攻撃がほとんど効きません〜……駄目よ。お手上げだわ」
 ……奴には魔法のほとんどを無効化する金色に輝く鱗がある。その鱗を取り除くにも、数百トンもあろうかという建築物を尻尾の一振りで吹き飛ばす奴にヴァルの妖刀春雨が有効とは思えない……結果として奴の防衛圏を突破する手段が見つからないのだ……トホホォ……こりゃあ本気で逃げ出しますか?
 ヴァルも
 「……お手上げだな……」
 と言う始末。
 先ほどから腕組んで「う〜〜ん」と唸ってたファラが「そうだ☆」と一言。
 どうせ、またくだらない事でも考え付いたんだろ。
 あたしがファラに聞く。

 「っで?」
 「ワナだよ☆頭の悪いドラゴンなんて落とし穴にでもはめ込めばぁ…………ゴメン……ヴァル……」
 凄い目で睨んできたヴァルに謝るファラ。
 そういえば――前にヴァルが校門の前で「ドラゴンにも人権を!」ってビラ配ってたっけ……あたし捨てたけど……
 ファラにあたしが言う――異界黙示録を持って――
 「無駄よ。こいつには 〜三人集めれば文殊の知恵と言うように〜 〜キングギドラはそこそこの知能を有しています〜 〜ワナなんぞは平気で避けるのでご注意を〜 って書いてあるわ。……こりゃあ本格的に逃げる準備したほうがいいかもね」
 それ以外にも 〜再度、封印することは出来ません〜 だの 〜本能で破壊行為を行います〜 だのいろいろ書いてある。
 異界黙示録〔クレアバイブル〕恐るべし!!
 こいつが原因でこの町が滅びるのは2回目か。
 そんなこと考えてあたし達の元へひとりの中年男性が歩み寄ってきて――

 「どうですかな?なにかいい案でも浮かびましたか?」
 と尋ねてくる。
 見た目50前後の仕事できそうなおっさんで、『不死鳥都市 フェニックス』なる文字が描かれたTシャツなんぞを着ている。そう、こいつは不死鳥都市 フェニックスの副市長さんだ!
 あたしは副市長さんに――

 「あれ?市長さんはどうしたの?」
 と尋ねる。予想通り答えは――
 「泡吹いて倒れて『もうイヤッ!こんな町イヤッ!』と騒いでますわ。いつもの発作なんで3日後には元に戻るでしょうに」
 と普通に答える。
 ……ヒステリー症候群ぎみの市長……まあ……わからんでもないが……不死鳥都市……この名前が駄目なのだろうか?イヤッ!この町自体がなんか駄目なんだろう!!…………地下に不幸を呼ぶ破壊神かなんか眠ってんじゃないのかしら?……どうでもいいけど……
 それより、問題なのわ――

 「残念だけどお手上げね―― 逃げますか♪」
 「逃げちゃ駄目じゃーーー!!」
 極めて的確な助言を出したあたしを遮り叫び声を上げる副市長。そんな中ヴァルとファラは――
 「けど、今回ばかりはお手上げだな……逃げるかファラ……」
 「う〜〜ん?どうしよーー☆……」
 逃亡の打ち合わせ♪
 そんな中、副市長さんはあるものを取り出す。
 副市長さんは言う――
 「この書物に かつて魔獣を倒した時の戦訓が書いておるけえ参考にでもせぇ!あとキングギドラ。倒してお願い♪」
 副市長さんが差し出した古びた書物――その名は!

    ―― スレイヤーズ5 白銀の魔獣 ――

 であった。

 「このボケェェェーーー!」

     ドゲシッッ 

 あたしの蹴りが副市長さんの顔面にのめり込む。ギャグ作品だからってやっていいことと悪いことがあるわよ!ったく。
 うめき声を上げる副市長さんにあたしが追加攻撃で2、30発ローキックを食らわせているとヴァルが例の書物を拾い上げ、しげしげと眺め―― そして声を上げる!

 「オイッ!これ使えるぞ!」
 「なにが☆なにが?」
 疑問の声を上げるファラにヴァルが言う。

 「この―― スレイヤーズ5 白銀の魔獣 ――には魔獣ザナッファーの倒し方が書いてあるんだけどな」
 「それがどーしたのよ!今回の件と魔獣ザナッファーは関係ないじゃないの!!」
 思わず叫ぶあたし。
 そんなあたしをややウンザリした顔で眺めながらヴァルが言う。
 「相変わらずせっかちな奴だな。まぁ、おとなしく聞け。このザナッファーには『魔法・物理攻撃』が一切通用しない……って書いてあるんだがな」
 「もしかして……それって……」
 あたしはあることに気づく。
 「ああ。キングギドラと同じだ」
 「……ってことは☆この本の通りにキングギドラを攻撃すれば、あいつを倒せるじゃん☆うん!イケル☆イケル☆」
 ファラの意見はもっともだ。
 このキングギドラには魔法効かない!剣じゃ切れない!唯一ぶった切れそうな 光の剣は今は異世界の彼方だし。正直お手上げ状態なのだが、この書物には今回の件と激しく似た敵を倒した時の戦訓が書かれているのだ!
 これを利用しない手は無い!!
 あたしはヴァルに聞く。

 「そっっそれで!その方法ってなんなの?」
 あたしの問いにヴァルは深刻な面持ちで答える。
 「……その方法とは……全ての闇を総べる王 ロード・オブ・ナイトメアの力を借りた魔法だ……こいつで無敵の装甲を切り裂いて無防備な内部を直接攻撃する……」
 「……ロード……オブ・ナイトメア……」
 真剣な表情で言い放つヴァル。驚愕するファラ。
 そのヴァルに同じく真剣な表情で問うあたし。

 「……ひとつ聞かせて……その……ロード・オブ・ナイトメアって……なに?」

    ずでぇっぇええん〜〜〜〜〜〜〜

 あっ。こけた。
 ファラが立ち上がり、いきなり……
 「なんで!ロード・オブ・ナイトメアの魔法の使い手だったリナ=インバースの娘のレイが知らなくて!わたしが金色の魔王知ってなきゃならないのよぉぉぉおおーーーーーーー!!> o <」
 まぁ……落ち着けって……ほんとー知らないんだから……
 とりあえず、地面に倒れてぴくぴくしてるヴァルにきーてみる。

 「ねえヴァル。そのロード・オブ・ナイトメアってなんなの?魔族?」
 「ってかお前……ロード・オブ・ナイトメアのこと親からなんも聞いてな…「ちょっとヴァル!!」「……スマン……」
 「……御願い……両親の話はしないで頂戴……」
 あたしの両親の話……
 認めたくないが、確かにあたしの母親は『ヤク中』で父親は『アル中』の腐りきった奴だ!それは認める!!仕方なくだけど……
 おそらく目の前の1人と1匹はそれぞれ『アメリアさん』と『フィリアさん』から例のロード・オブ・ナイトメアのなんらかの話を聞いているんだろう。
 それがあたしの両親の場合、 2人ともマトモに話せる状態じゃなくて 聞けなかっただけ……
 涙が出ちゃう……オンナの子は関係なく、糞みたいな両親のせいで!!

 「おい。レイ。作戦はこれでいいか?」
 「……いいわよ……なんか……誰でもいいからぶちのめしたい気持ちダシィィィィイーーーーー」
 「なんかレイ怖い……」
 「気のせいだ……そういうことにしとけ……命、欲しけりゃな」
 「それで!そのロードなんとかの魔法ってなんなの?」
 「まず、混沌の言葉の紡ぎだが

   ――天空のいましめ解き放たれし――

     ――凍れる黒き虚ろの刃よ――

   ――我が力 わが身となりて 共に滅びの道を歩まん――

   ――神々の魂すらも打ち砕き――神滅斬〔ラグナ・ブレード〕

 どうだ?覚えたか?」
 「覚えた」
 「次にアレが必要なんだが――どこにある?」
 「アレ?アレって?」
 「アレってコレだよ☆どこにあるの?」

 コレってなにさ?
 ファラとヴァルは理解してるんだろうけどあたしはチンプンカンプンだ。
 そこで―― スレイヤーズ5 白銀の魔獣 ――を読む。
 ……ふむふむ……あたしのお母さんって魔族から550万でこんなもん買ったんだ。
 見た目っと……挿絵、挿絵…………こりは!?
 アレって――まさか!?

 「もしかして……それって魔血玉〔デモン・ブラッド〕って呪符〔タリスマン〕!?」
 「そうだよ☆それって今あるの?レイのお母さんが持ってるんでしょ」
 「呪文の発動にはそいつによる増幅が必要なんだぜ。」
 「…………売っちゃった…………」

 あたしの家には幸いにも借金は存在しない。
 普通なら莫大な借金があってもおかしく無いのだが母親が詐欺師に騙され財産全滅した時、あたしの家には大量のマジックアイテムが存在したのだ!
 それらは全て消えたが1つだけ残されたものが……それがこの魔血玉〔デモン・ブラッド〕だ。
 母親はこれだけは手放さなかった。なにか深い思い入れがあったのだろうと当時は考えていたのだが――ヤク中患者にそんなもの不要だぁ!と言わんばかりにあたしが『生活費の為に』そこらの店に叩き売ったのだ。
 金貨200で。
 タリスマンは高く売れるモンね♪
 それにしても……まさか『200』で売れたものが『5500000』で買ったものとは……
 ともかく――

 「ゴメンちゃ♪」
 「レイのバカァァアーーー!!」「変な語尾つけても許さねぇぞコラァ!!」
 チッ。かわいこ作戦失敗。
 怒りまくりの1人と1匹をなだめながらあたしは考える。
 無敵の装甲と魔法に対する絶対の防御を持つザナッファーと全ての攻撃にビクともしない金色の鱗に全身を包まれたキングギドラの違いを。
 ザナッファーに並みの魔法は通用しない。キングギドラにもドラグスレイブ程度の魔法は通用しない。
 あれだけ体がでかけりゃ、精神もタフだろうからアストラル系魔法の効果もタカが知れている。
 しかし、ザナファーと違い、キングギドラには魔法が効くはず!
 ただ、金色の鱗が魔法を無効化しているだけなのだ――ウロコ!?

 「みんな!奴を倒す手段が見つかったわよ」




_________________________________________________

 キングギドラがあたしの乗り物ヴァル目掛けてレーザを放ってくる。
 ヴァルは右旋回にてそれを避ける。
 十分に意識をこちらに向けた!それじゃぁ!
 ヴァルは一転し急上昇を始める。
 高度2000メートル。
 この高度では息も白む寒さだ。

 「ヴァル!ファラ!行くわよ」
 「任せて☆」
 「つかまれ!」

 あたしの号令の元、乗り物ヴァルは急降下を始める。
 その間、あたしは呪文を唱える。赤眼の魔王シャブラニグドゥの力を借りた呪文を!
 当然、キングギドラはヴァルを狙い様々な吐息をかけて来る。
 当然『甘い吐息』では無く、『閃光息』やら『火炎息』やら『ウランビーム』やら殺傷能力ありすぎな息の雨嵐だ。
 それをことごとく避けるヴァル。
 そして、あたしは放つ!!魔王の呪文を!

       轟ッッッッ

 開放されたエネルギーはあたしの手元で収束され、収束したエネルギーは紅い閃光となって3つの首を持つ魔王竜キングギドラに襲い掛かる!!
 そのエネルギーの奔流に対してキングギドラはやったらめったらにレーザーを吐きかけるがドラグスレイブの威力を削ぐにはやや役不足なようだ。
 直進するドラグスレイブの閃光。その先にはキングギドラの

   『開け放たれた口』

 が!!紅い閃光がキングギドラの口に向かい一直線に飛び込む!!
 途端に――

   ごがぁぁああああーーーーーーんんん……

 飛び散る赤い肉片。金色のウロコ。時折混じる白いものは骨か牙だろうか?
 赤い暴風の収まった跡……そこには3つあるはずの首の1つが見当たらなかった。
 無敵の耐久力を誇るキングギドラの右の首(木村)がいとも簡単に砕けた理由は簡単だ。
 すなわち口の中にドラグスレイブをぶち込んだまで!!
 ザナッファーと違い、キングギドラの異常な防御力は表面を覆う『金色のウロコ』によるもの。
 なら対処方法は簡単だ。つまり『ウロコの無いとこを吹き飛ばす!!』
 結果。駄目もとで口の中にドラグスレイムを打ち込んでみたのだがこれまた大成功♪
 こりゃぁ、依頼料もらいまくりだねぇアンチクショォォ〜〜〜〜♪

 「ヴァル!次いくわよ」
 「任せときな!!」
 「ファラは防御に専念!油断しないで!」
 「了解☆」

 あたし達は次の首に狙いを移す。
 キングギドラが無茶苦茶にレーザーやら炎やらを放ってくる。
 衝突コースのレーザーをファラの魔法が直撃。消滅しないまでもコースは曲がりあさっての方向に飛びぬけていく。
 一直線にキングギドラに向かい飛行するヴァル。
 その進路上にキングギドラが炎を吐く。
 炎は前方にカーテンを形成し行く手に立ちはだかる。
 炎のカーテンに飛び込む寸前、ヴァルは翼を翻らせ、口からレーザーブレスを発射する。
 そのレーザーはキングギドラの中央の首(エミ)の目に命中!

   しゃがぁぁあああーーーーーーーー

 中央の首(エミ)が苦痛に口を大きく開き雄たけびを上げる。
 そこにあたしの放ったドラグスレイブの閃光が吸い込まれる。
 目を見開くのが見えた。しかし、それは再び起こった大爆発により見えなくなる。
 轟音と共に起こる爆発。それは空中に赤い花を咲かせる。キングギドラの中央の首(エミ)の破片を撒き散らしながら
 よっしゃぁぁーーーーーー残る首は1つだけぇぇぇっと心でガッツポーズ決めたその時!

       わぁぁぁああああ〜〜〜〜〜〜〜

 沸き起こる歓声。
 見ると!地上には『悪魔万歳』だの『ダミアンLOVE』だの書かれた旗を持った集団が!?
 その数!ななんと1万人弱!

 「オイッ……あいつらヤバクないか?」

 ヴァルがつぶやく。
 当たり前だ!
 1万人もの人間が『魔王様の魔法の威力を思い知ったか』だの『シャブラニグドゥ様の奇跡よぉ〜〜〜』とか大声でわめいてるんだから。
 どうせ例の『ダミアン木下』あたりが『シャブラニグドゥの力を見せるぜぇ』などとほざいて回ったんだろう。
 最後の首が集団の方を振り向き――

  シャギャァァアアーーーーーーーーーーーーーー

 あ。目標が変わった。
 群集から悲鳴が立ち上がる!!バカたれぇ!!悲鳴上げるぐらいなら来るな 寄るな 家帰れ!!
 已む無し!あたしは最後の一撃用のドラグスレイブをキングギドラの背中にぶち込む!!
 立ち上がる爆風――ヴァルのレーザーブレスが閃光に包まれたキングギドラの背を薙ぐ。
 レーザーの圧力に噴煙は晴れ――くそっ!やはり無傷か!
 今から前方に回りこみ、口や目に魔法を当てるのには時間が足りない!!
 このままじゃ……1万人の観客は……
 その時、ヴァルがポツリと――

       「……ファラ……フィリアさんに 愛してる と伝えてくれ……」

 「ちょっとヴァルなにをってきゃあああ!?」
 ヴァルは空中で宙返りをする。当然、背中のあたしとファラは空中に放り出される。
 とっさにレビテーションを唱えるあたし。
 視界に写る一匹のドラゴン――その時――あたしの脳裏に神風という言葉が浮かんだ――自爆攻撃の総称ともいうべき言葉――自分の命を砲弾として敵を討つ最後の攻撃……
 ファラの叫び声とも泣き声ともとれる声が響く中ヴァルはキングギドラ目掛けて一直線に飛んでいく。
 おそらくヴァルは自分の命を弾丸にキングギドラを倒すつもりなのだろう……
 翼を羽ばたかせ、ヴァルはキングギドラ目掛けて突進していく。



        恋した女は数知れず
        愛した女はお前だけ
        一生一度の愛ならば
        命を懸けて守ります
        たとえこの身が朽ちようと
        咲かせて見せます愛の華   ある特攻隊員の詩(現在:傷害と無免許で懲役2年)













 「ヴァルーーーーーーーーーー」



……
…………
………………
……………………
…………………………ズボッッッ……


 ……嫌な音が響く……
 こう……なんてっか……狭い穴に指を突っ込んだような……
 辺りを支配する深い沈黙――みんな――どう反応すればいいかわからないのだろう――
 はっきり言うと……なんというか……ヴァルはあろうことか――

  キングギドラの肛門に頭から体当たり攻撃(神風)を仕掛けたのだ

 え……えんがちょー……
 キングギドラの肛門に首がすっぽりはまったヴァルがジタバタもがく。
 キングギドラも目標の人間そっちのけで嫌そうにうめき声を上げている……わからなくもないが……
 あたしゃ、てっきり、『キングギドラに体当たりする古代竜』の銅像でもこの町の広場に建つのではと想像してたが、このままじゃ『キングギドラのケツの穴に顔を突っ込んだ古代竜』の銅像が建つこと間違いなしだろう……ぷっ。

   HAHAHAHAHAHAHAAAA〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 キングギドラ登場前から廃墟郡と化してた町に大爆笑が巻き起こる。
 老若男女問わず、さっきまで命の危機にさらされていたダミアン木下のファンも笑ってる。
 ファラは……必死に歯喰い縛ってうつむいてて、その肩はぷるぷるジャン!
 あたしも……ぷぷっ……限界……うぷぷぷっ……
 ケツにヴァルが刺さったままの上状態のキングギドラがうめき声から一転して叫び声を上げる。
 さては!?ヴァルの奴、肛門の中でレーザーブレスを吐いてるな!!
 考えたわね!いくらキングギドラといえども、まさか『ケツの中』までは防御が施されているとは思えない!!
 その時だった………突然キングギドラの体が膨らんだかと思うと……

    ぼひゅん

 爆発した。
 推測するに、高温のレーザーブレスで蒸発した体内の水分がキングギドラ内部に溜まっていたのだろう。
 その圧力は固い金色のウロコに阻まれて内部に溜まりまくり、やがて……ぼん。
 あたりは真っ赤に染まったのだ。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 


 「レイ〜〜」

 突如背後から声を掛けられる。
 あたしが恐る恐る背後を振り向くとヴァルがいた!?

 「メガ・ブランド/爆裂陣」

   ぽむきゅ〜〜〜〜ん

 「なっ……な……」
 「寄るな!来るな!どっか行け!このエンガチョ古代トカゲェェェエエーーーーーーーー!!」
 「そんなぁ……ファラ……オイッ!?どこ行くんだファラ? ファラァァァアアーーーーー」



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 『ニュース『事実は報道が作る』の時間です。
 今日一番のニュースは不死鳥都市 フェニックスで起きた怪獣騒ぎの続報です。
 フェニックスに突如あらわれた怪獣は市街地を破壊しようとしたものの破壊するものが既に壊れていたために しばし呆然とした後、突如、自分同士で喧嘩を始め、その喧嘩は3時間に及びました。
 そして、セイルーンの高校生『ヴァル=神○』君の『肛門に首を突っ込みケツの中でレーザーを吐きまくる』という前代未聞の攻撃にてキングギドラは爆発四散、フェニックス市街に飛び散りました。
 現在、フェニックスの光景は凄まじく、現地の建設作業員などから「肉片が辺りに飛び散って仕事になんねえよ!」と不満の声が上がっています。
 なお、今回の事件の首謀者は人気悪魔崇拝系ロックバンドのダミアン木下こと本名:木下 まこと(29)です。
 木下容疑者は『オレじゃなくて変な魔道師が』などと意味不明な供述をしているとの事で警察では精神鑑定も視野に入れた捜査をする予定だと話している模様です。』


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 「さて。それではナイトメア本部のある滅びの砂漠に向かいますか♪」
 「ヴァル。元気だそうよ……」
 「……もういい……」



 追記:不死鳥都市フェニックスに飛び散ったキングギドラの肉体
    調査の結果、キングギドラの鱗にオリハルコンが含有されている事が判明する
    魔法がキングギドラに効かなかった理由も解明され、その含有率は0.12%に上る
    今まで世界で掘り出されたオリハルコンの総量が25mプール一杯分である
    これを考えると これはかなりの量だ。
    この、オリハルコンの資金を元に以後、フェニックスはさらなる発展を遂げる。
    次の滅びの時まで……

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  【魁!あとがき放送局】


 特に菜塩:この物語の作者。【魁!あとがき放送局】では 作者Nと名乗る。
      なお、ホモでもロリコンでもハードMでも無い。(当たり前だ!)

    L:週間少年ジャンプで連載中の【DEATH NOTE】に出てくる人。
      特に菜塩をキラだと思っていて、こいつもある意味では変態だ。
      名前だけで選ばれたような奴で【魁!あとがき放送局】では デスLと名乗る。

  金色L:ある時は『キンキラキンのゴージャスお姉さん』。
      またある時は『麗しの女スパイ』。
      その正体は『魔王の中の魔王』ロード・オブ・ナイトメアであり
      通称Lと名乗ることで知られる。



 金色L「Lと♪」
 デスL「Lの♪」

 L&L『魁!あとがき放送局♪』

 デスL「久しぶりに登場ですねLさん」
 金色L「本当にひさりんね♪これも作者がわるいのよ!」
 作者L「…………」
 デスL「なに黙ってるんですか?」
 作者L「……ふふふ……今日で……」
 L&L「はっ?」
 作者L「今日で……今日で貴様らとの腐ったあとがきも終了だぁ〜〜〜〜!!てめいらの変わりは用意したぁ!さぁ消えろ!跡形もなく消えてなくなれ!!」

     ババババッッッ

 L&L「なにっ!?」
 作者N「これよりあとがき総選挙を開始する!」

 作者N「最初のあとがき候補は 『おじゃる丸』より、平安京のやんごとなきお子様 『坂の上 おじゃる丸』と電気ぼたるの『ほたる』だ!』
 おじゃ「ほっほっ。あとがきはまろに任せておけぇ。」
 ほたる「今回の選挙 どうかおじゃる丸さまに清き御一票を」

 作者N「次はぁぁああーーーーーー!ほのぼの学園ストーリーの『金魚注意報』より 走りならアラレちゃんにも負けない!スーパー中学生『わぴこ』とその部下、時価10億円の空飛ぶ金魚『ぎょぴちゃん』だぁ〜〜〜〜!!」
 わぴこ「あとがきはわぴこにまかせてぇ〜〜〜なのぉ☆」
 ぎょぴ「ぎょぴ☆」

 作者N「最後は『GS美神 極楽大作戦』より、ボディコンリナ=インバースこと『美神令子』とベテラン幽霊の『オキヌちゃん』だぁぁ〜〜〜〜〜うひゃかぁぁあ〜〜〜〜」
 GS美「このゴーストスイーパー美神令子が、あとがきで逝かせてあげるわ!」
 オキヌ「わぁ〜〜い☆美神さん凄いですぅ〜〜」
 作者N「さぁ!これから衆議院じゃなくてあとがき選挙の始まりだぁ!歌え!喚け!そしてあとがきの候補がぁ……

          金色L「抹殺♪」

  うぎゃぁぁぁあああぁあぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 金色L「さぁ、あとがき始めるわよ♪」
 作者N「…………貴様のぉ……貴様の血は!?……なんでも……ないです……」
 デスL「なんかやけに素直ですね」
 金色L「ほんとー♪(手に握られたチタンナイフを隠しつつ)」
 ???「あのぉ〜〜〜〜☆」
 デスL「だれですか?」
 オキヌ「その……あたしって……幽霊だから……死なないというか……」
 金色L「うかつっ!?燃料気化爆弾じゃ幽霊は倒せなかったわ!?」
 デスL「バリバリで大量破壊兵器の一種です……」
 作者L「お前の武器調達ルートって一体……」
 デスL「それはともかく、どうします?」
 金色L「かわいそうだし、あとがきの仲間に加えてあげる?」

    作者N「めんどいから 消せ」

 オキヌ「そんなぁ〜〜〜〜☆ いやぁ〜〜〜☆ ハベシッ!?」
 金色L「それにしても、ネタわかんない人には意味不明な前ネタね。」



   ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ズッ♪



 作者N「始まりました【魁!あとがき放送局】!!このコーナーでは作品中で解説の出来なかった補足の説明や様々なイカレタ話を中心にお送りしたいと思います」
 デスL「今回の話も長いですね」
 作者N「やべえぜ……ツリーが落ちるかもな……」
 金色L「おまたーー♪」
 デスL「これは金色Lさん」
 作者N「お前……今度は部下Sになにやらかした……」
 金色L「この前、八景島シーパラダイスでイルカショー見たのよ!そのイルカショーが凄くて凄くて♪」
 作者N「イルカに改造したと」
 部下S「……あぶっ……しゅわっ……(引っ張り試験機で流線型ボディーにされた部下S)」
 金色L「司会のお姉さんの声がとってもキュートなのよ♪」
 デスL「その話はここまでで。今回の話は例によって」
 作者N「特に意味なし!」
 デスL「40KB以上書いといてそれはないでしょ!」
 金色L「それにしても、怪獣なんて良く登場させたわね。お姉さんビックリしちゃったわよ」
 作者N「おれあ、ファンタジーの世界なんて捨てたぜ」
 デスL「今回の話……本気で汚いオチなんですが……」
 作者N「とりあえずヴァルに関しては『徹底的に不幸にしてやる』と決めてたからな」
 金色L「まぁ。オチのネタ元は インデペンデンス・デイとエボリューションで」
 作者N「間違いないです。最終話に元ネタならびにパクリを全部白状しますんで今現在の突っ込みはおよし下さい」
 金色L「断る♪」
 作者N「……なんだ!?その う○こみたいなソフトクリームは!?」
 金色L「横浜八景島シーパラダイスで買った 八丁味噌ソフト」
 デスL「これぞ和洋折衷ですね」
 作者N「待て!話せばわかる!その臭いと色はヤバイッッだっムグッ!?(味は…しょっぱ…………)」

 
  金色L「旅先で怪しげな食べ物買うと悲惨な目に合うから注意してね♪それでは」

                  L みたらし醤油黄な粉ソフトを舐めながらペコリとアタマを下げる



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            〜ガラスの靴は血に染まり〜

         作詞:ダミアン木下 作曲:オーメン山本


 語り「灰の暗い森の奥深く そこには一軒の小屋があった 夜な夜な小屋で起こる 恐怖の儀式 君は耐えられるか?」


  城を追われたシンデレラ 武器を片手に逃げ出した 暗黒の森切り開き 小人の国を侵略だ

   弓矢!撃墜   捕虜を!喰らい 女王!処刑   王は!ワタシ

  支配者になるシンデレラ 恐怖・怯える小人達 紅く染まった仲間の身 涙こらえて片付けた

    棍棒!撲殺  ナイフ!刺殺  劇薬!悶死   小人!絶叫

  悪魔・妖怪・シンデレラ 魔女を襲って微笑んだ 魔女の箒を奪いつつ 魔女の頭をやすりがけ

    恐怖!悪魔  食事!小人   地獄!ここだ  次は!お前 

       語り「うふふふ 次はあなたの番よ おおっほっほっほ〜〜〜〜〜」


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31840第11話 TRAIN TRAIN TRAIN特に菜塩 2005/9/14 02:01:43
記事番号31675へのコメント




 今回、特に菜塩が投稿させていただく駄文には

   性的表現は一切含まれておりません

 しかしながら、この駄文には、敬愛なる皆様の精神に深いダメージを与える恐れが多々あります。
 なに言いたいか?っていうと

    食事中に見るとか う○ことかゲ○とか駄目な人は見ないで下さい!!

 生々しい表現を多用しますので鬼畜米兵の空母に爆弾抱いて特攻かけるぐらいの決意で見てください。
 内容はおもしろいと思いますよ。パクリだしぃ。
 最後に、この場を借りて、書き殴り100カ月突破をお祝い申し上げます。

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           特に菜塩

  END OF SLAYERS:★ヘンタイ達の鎮魂歌★
    ____________________

          第11話
  
     TRAIN TRAIN TRAIN
    ____________________


    原作:神坂一 スレイヤーズより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:おそらく書き殴り史上 最強の問題作になると思う
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 あたしは…………絶体絶命の危機に陥っていた!!
 いやっ!あたしだけではない!ツレのセイルーンの王女にて格闘技の使い手であり熱血正義オタクでもあるファラと最後の古代竜、誇り高き一族、キングギドラのケツの穴に神風攻撃を仕掛けたオス! ヴァルも大!ダイ!だぁいピンチに陥っていた!
 あたしの今の状況を説明しておこう。
 いま、あたし達は魔導師協会の設営した『魔動列車ぽっくり号』に搭乗している。
 この魔導師協会の設営した、魔動列車ぽっくり号とは列車内に乗り込んだ人間の本来持ちたる魔力を半ば強引に搾取し、その魔力を動力源としてピストンを稼動させ、無限軌道〔レール〕の上を移動する、古代魔導技術の粋を集めた「地球のみんな!オラに魔力を分けてくれ!」的な乗り物だ!
 この説明でよくわかんない人は スレイヤーズTRYの「流浪流転? 暴走神殿の旅を!」の回を見よう!金竜のフィリアさんが「リナさん達の魔法の力はみんなこの遺跡(列車)が吸い取ってしまったんです!そしてそれを動力源にしてこの遺跡(列車)は動いてるんです」って説明してくれるから。
 強引な設定だなぁ〜なんて思う人はガキね! これは脚本家の陰謀! つまり!魔法さえ使えなきゃいいのよ!
 深くつっこんでも、何も出てこないしね♪
 この電車はナイトメア本部のある『滅びの砂漠行き』なんだけど……つい、さっき……


 ――お客様にぃぃいお伝えしますぁぁすぅ――現在ぃぃい当、列車は半ば コントロール を失っております――


 と、アナウンスが流れた。
 当然、悲鳴に包まれる車内。
 次々と走り抜けていく停車駅の数々。

       フェロモン発 ―――― エルメキア中央駅

 への各駅停車の旅は一転して

       フェロモン発、――通勤特別快速―― あの世駅

 行きへの旅に早変わりしたのだ!
 しかし!そんなのは問題じゃないの!
 普通は生命の危機を最優先するだろうが、いまのあたし達は違う!
 まぁ――どんな状態かというと――


 1時間前のあたし♪ 『これが列車かぁーーーー♪』

 45分前のあたし♪ 『ちょっと、トイレ行って来るね♪』

 30分前のあたし♪ 『あはは。この列車トイレないんだって。恥かいちゃったわ♪』

 15分前のあたし♪ 『次の駅、止まった時に用、済ましてくるから♪』

 10分前のあたし♪ 『……なんでぇ……なんで!暴走なんてするのよぉぉおーーーーー!!』

  5分前のあたし♪ 『しっしらないわよ!暴走の原因が異常な魔力の持ち主による 魔力の過剰供給なんて!』

  今現在のあたし♪ 『………………おしっこ……漏れそう…………』


 イッツ・ア・デンジャラス・トレイン……アイム・へるぷ・ゆぅ〜〜〜……
 ……あたしは……いま……絶体絶命の危機だ……
 溢れんばかりの尿意があたしを 襲い、狂わせ、悩ませる。
 いまのあたしの状態を中心気圧2000hPaの台風に直撃されてる黒部ダムに例えるなら……


























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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:おしっこ巨編その1
    ____________________

         ホワイトアウト
  
       黒部ダムをテロから守れ!!  
    ____________________


    原作:映画:ホワイトアウトより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:おしっこを我慢するレイ=インバースの心を抽象的に描いた意欲作
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 「我々はテロリストだ!決して インリン=オブ=ジョイトイ ことエロリストではない」

 「なんだ!その自己紹介はぁ!!」


 「日本政府に告ぐ。黒部ダムの放水を止めた。この大雨の中だ。いずれ…ダムは満杯になるだろう……」

 「わたしは政府の偉い人だ!バカなことは止めたまえ!」


 「我々は大義の元に行動している。バカなどではない」

 「君達の要求はなんなんだ!」


 「我々の同志を解放したまえ。要求に応じぬ場合には満杯のダムを高性能爆薬で爆破する(おしっこする)」

 「そっ!そんなコトをしたら」


 「当然。下流の町(レイ=インバース)は二度と立ち直れないダメージを負うだろうな」

 「しっしかし。今すぐに解放となると……法の(トイレの)問題とか…が……」

 「なら、ダムを爆破して(おしっこして)下流域には(レイ=インバース)滅んでもらうだけだ!」


______________________________________________












 はぁ…はぁ……ったく。この非常時になに考えてんだろ。あたしったら……
 その時、ファラが――

  「気持ち悪いよぉ……」

 と漏らす。
 コントロールを失い、規定外の高速運転を行う列車。それに伴う激しい揺れが彼女の三半規管を「こっれでもかぁ!」と言わんばかりにかき混ぜてるんだろう。
 結果として、自律神経が「ふらふら〜〜〜」っとなってしまい、その影響から激しい嘔吐感がファラを襲うのだ!
 少しの油断が命取り!
 こんなファラの状態をチェルノブイリー原子力発電所にたとえると――






















_____________________________________________

           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:ゲロ巨編その1
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         原子炉バクハツ?
  
       メルトダウンまで3マイル  
    ____________________


    原作:史実より
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:ゲロを我慢するファラ=ウィル=テスラ=セイルーンの心を抽象的に描いた意欲作
______________________________________________





 「先ほどの地震の被害が判明しました!」

 「どんな感じだ?」


 「現在、原子炉内の圧力――3221hPaの温度2433℃!!」

 「まずいな……すぐに冷却水を注入して原子炉内を冷やすんだ!」


 「無理です!内部の圧力が強すぎて冷却水投入(トイレでゲロ)が出来ません!」

 「このままじゃメルトダウン(列車内でゲロ)するぞ!」


 「はい!わかっております所長!」

 「現在の状況は!このままではどうなる?」


 「現在、内圧が高く、このままじゃ冷却水が入りません! このまま放置すれば……」

 「放置すれば?」


 「原子炉内部の圧力に耐えられなくなり……爆発――放射能に汚染された原子炉内のあらゆる物が外に……」

 「内圧を下げて(トイレに駆け込めば)冷却水を投入すればいいだろ!」

 「それができないんだよ!このボケ所長がぁぁあ」

______________________________________________
















 ……ああああぁぁぁぁーーーーーーー
 あたし自身がヤバイことこの上ない状態なのにまたバカなこと考えてるぅーーーーー!!
 外の景色でも見て……ってヴァル?あんた……まさか……
 列車の窓ガラスに映るいつもと違ったヴァル。
 その険しい表情。列車のトラブルに対してだよねぇ?
 全身の筋肉を硬直させて深呼吸続けてるけど、事故が怖いからよね?
 額に浮かぶ……大粒の汗……暑いの……いやっ…列車内は平温だ……
 なにより――

   ぐるるるるる〜〜〜〜〜〜

 この音って……呻き声?…だよね?腹から響いてくるとかつまらないコトは聞かないわ。そうよね?御願いだから そうだと言って頂戴!
 …………まさかとは思うけど……ヴァル?……あんた……もしかして……

    う○こしたいの?

 あたしの脳裏に浮かんだ危険この上ない仮説。
 密室に閉じ込められた状態で、んなもんされたら……イッツ・カタストロフ……
 イヤだ!イヤだ!イヤじゃァーーーーーーーー!!
 ウソよぉ!そうよウソなのよぉ!
 これはなにかの冗談なのよ。ねぇ……
 固まるあたし。
 だって、覗き込んだヴァルの顔が


 (……ヤバイぜ……う○こ……もう限界だぜ……)


 と音にならない声で訴えていたんだもん……
 ヴァルの口癖――


       悪・即・斬!

   今の状況――

       尿・嘔・糞!

 せまい室内に散りばめられた。破滅へのパズルピース〔断片〕。
 あたし達は絶体絶命のピンチに陥っていた!

    おおぉぉぉ…………

 苦しそうな呻き声を上げるヴァル。
 彼の心情を……そうねぇ……宇宙戦艦ヤマトにたとえると……
































_____________________________________________

           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:う○こ巨編その1
    ____________________

         宇宙戦艦ヤマト
  
       発射延期!?撃てよ波動砲
    ____________________


    原作:松本零氏のあれより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:う○こを我慢するヴァルの心を抽象的に描いたパクリ作
______________________________________________




 「沖田艦長!艦首波動砲のエネルギーの装填、完了いたしました!」

 「よくやった古代君!くくく、ガミラスのやつらめ!波動砲の威力を見せてやる!」


 「……艦長!地球司令部から命令が!――発射を見合わせよ――以上です」

 「なんだとぉ!! ふざけるな!こっちは発射する気マンマンなんだぞ!」


 「この宙域での発射は駄目だと地球は言ってます!」

 「おのれぇ〜。しかたない、現状のまま待機すると艦内に通達しろ!」

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 あああああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーー
 バカァーーー!あたしのバカァーーーー!
 この非常事態になんてこっ――キッ……来たぁ……
 下腹部を襲う……体内液状兵器のぉ……波状攻撃がぁ……
 あたしにも……くっ…黒部ダム決壊の危機がぁ……テロリストめぇ……

































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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:おしっこ巨編その2
    ____________________

         ホワイトアウト
  
       黒部ダムをテロから守れ!!  
    ____________________


    原作:映画:ホワイトアウトより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:読むのやめるなら今の内でっせ!
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 「……まだ、同志を解放しないのかね?」

 「いま、必死で工作しているところだ!もう少し……もう少し待ってください!」


 「君達は もしかして織田裕二あたりが我々をぶち倒してくれると思ってるのかね?」

 「いやっ……そんな……」

 「現在の状態でダムは満杯だ。我々の行為は脅しではない。時間はあまりないぞ」


______________________________________________


















 ぃやぁぁぁあああーーーーーーーーー!!
 今は列車内で黒部ダムじゃないぃぃぃいいーーーーーーー!
 ……はぁ……はぁ……取り乱してもしょうがない……
 冷静に分析して……あたしは……まだ……イケそう…………なんとか……
 けど、ファラは

 (……駄目……吐きそう……)

 のどを犯す酸っぱい悪魔と終わることなき戦いを繰り広げていた。
 彼女の心理状態をたとえるなら……























_____________________________________________

           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:ゲロ巨編その2
    ____________________

         原子炉バクハツ?
  
       メルトダウンまで2マイル  
    ____________________


    原作:史実より
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:語るべからず
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 「内圧上昇――止まりません!」

 「内圧を早く下げるんだぁ!」


 「無理です!現在の状況では不可能です!」

 「このままでは……我が共和国の同志達に放射能が降り注ぐぞ……」



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 はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……
 人間……極限状態では……どうなるかわからないわね……
 次の問題……ヴァルは……

        ……おぉぉ……マイゼウス……

 神に祈っていた(笑)
 しかし、神様も「僕のう○こをどうにかして下さい」などと御願いされて、腹が立たないのだろうか?
 イヤッ!いくら慈悲深き神であろうとも「う○こぉ?ふざけんな。なんで俺様がてめえらのクソの始末までしなきゃなんねえんだ」とか思うはずだ!
 ……んなコト……どうでもいいわ……
 まぁ……神に見捨てられた……ヴァルの心理状態を宇宙戦艦にたとえると……




























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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:う○こ巨編その2
    ____________________

         宇宙戦艦ヤマト
  
       発射延期!?撃てよ波動砲
    ____________________


    原作:松本零氏のあれより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:パロディーという名のパクリ作
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 「エネルギー充填200%!」「エンジン温度上昇!」「もう限界です!艦長、発射許可を!」


 「ならん!地球からの許可が無い限り撃ってならんのだ!」

 「しかし沖田艦長……このままでは……」


 「この場面で撃ってみろ!…………全宇宙の笑いものになるぞ……」

 「しかし……このままでは……」


 「地球で絶望と戦っている人たちのことを考えろ!」

 「いやっ!関係ないです艦長!」


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 ……ウフフ……もう……どうにでもなれ……

 ……
 …………
 ………………っは!?
 駄目よ!早まらないでレイ!14にもなって漏らすのは駄目だわ!
 ……それにしても……自分で自分を励ますなんて……母親と父親が壊れたころの初期を思い出すわ……
 そう……あたしは強い女なのよ……ヤク中の母親とアル中の父親のかわりに家庭を切り盛りする……やり手の天才美少女魔導師 レイ=インバースなのよ……
 強い女であるあたし……そんな自分の心理状態をダム風に解釈すると






























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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:おしっこ巨編その3
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         ホワイトアウト
  
       黒部ダムをテロから守れ!!  
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    原作:映画:ホワイトアウトより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:おしっこを我慢するレイ=インバースの心を抽象的に描いた意欲作
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 「……遅いな……遅い――日本政府はなにをやっている!!」

 「申し訳ない、今、解放に向けて準備を……」


 「爆薬はもう仕掛けてあるんだぞ!!ダムがどうなってもいいのかぁ!」

 「そっ…それは……」


 「なら、すぐに我々の同志を解放するんだ」

 「………………………………」


 「もういい……おいっ!黒部ダムを爆破し…」

 「待ってください!それだけはぁ!」

 「ならぁ!早く要求を飲まんかい!本気で水漏れするぞコラァー!」

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 ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……
 ……ナイスファイト……偉い人……
 おかげで……たっ……耐えられたわっ……耐え切ったのよ……テロリストっ…じゃなく波に……
 ……けど……あとの1人と1匹は……負けるな……ファイッ……ト……
 その時だった。高速移動を続ける列車が石にでも乗り上げたか?激しく揺れる!


 (……ウプッ……揺れが三半規管を……ウウッ)


 …
 ……
 …………
 ………………
 ………………………ウプッ!?……………ウグッ………ゴックン………


 ……ファラ?……もしかして……いまっ……ウプッ!?って……まさか……
 けど、床を見渡すもそれらしきモノは無い。
 さては……ファラの奴、人間ポンプやったな!
 これぞ! ゲロ吐いて飲み込むというストイックこのうえない奥義。

   溜飲下郎〔のむげろう〕

 中国拳法にて禁断の奥義といわれる『黒封18拳』の1つとされ体の奥底からこみ上げて来る お好み焼き を自らの口内に押しとどめ、呼吸を整えたのちに体内に戻すという極限人間ポンプ的奥義である。
 当然、胃酸は強酸性であるために お好み焼き を口腔内に押しとどめることにより歯の融解の加速ならびに喉の粘膜食道の炎症を起こすまさに破滅の奥義である。
 なお、ゲロの語源はその汚らわしい姿が最下層の人々『下郎〔げろう〕』を連想させることから来ていると伝えられる。 民明書房刊:脅威の体内料理より抜粋

 しかし、この技には重大な問題が!
 ズバリ!自分のHPを激しく削るのだ!
 残りHPは僅かよ!そんなファラの心理状態をたとえるなら





























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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:ゲロ巨編その3
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         原子炉バクハツ?
  
       メルトダウンまで1マイル  
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    原作:史実より
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:これ書いてて思う。今回の話、エンスレ最悪の駄作決定だ!
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 「所長!もう限界です!内圧が4273hPaを超えました!」

 「どうにかするんだぁ!数字なんか出てもわかんねぇぞ〜〜!!」


       ぐらぐらぐらぁ〜〜〜〜〜〜


 「わぁーーーー余震でぇ〜〜〜〜〜すぅぅぅううーーーー!!」

 「うおおおおぉぉぉーーーーー!!…………???……収まったか?」


  …………ブシュウウウーーーーーーーー……


 「なにごとだぁーーー!?」

 「冷却水パイプ連結部が破損!」


 「被害内容は!?」

 「……幸いなコトに軽微です!一瞬、圧が下がった為に若干量の冷却水が炉内の温度を下げました!」


 「不幸中の幸いか……」

 「しかし……先ほどの事故で……発電所内に放射能が……炉心爆発の可能性はかなり高まりました!」


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 あたし、レイ=インバース!
 お待たせしました!
 ヴァル=神○君の今をお伝えします!
 なんかテンション上がってまいりました!

 (正直、書き殴りに公開するのも自粛しようかと思うぐらいに汚い作品(しかもパクリ!)書いてるなぁ〜〜とか自分で思ったりしてます。けど、ここまで書いたんで公開します。)

 宇宙船ぼくらのヴァルこと宇宙戦艦ヤマトはどうなるか?いってみよぉーーーー……































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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:う○こ巨編その3
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         宇宙戦艦ヤマト
  
       発射延期!?撃てよ波動砲
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    原作:松本零氏のあれより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:書かなきゃよかった
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 「エネルギー充填400%」「第3エンジン爆発」「右舷プロペラントタンク破損!」


 「浣腸!かんちょーーーーーー!!」

 「うろたえるな古代!艦長が浣腸になっているぞ!」


 「でも、もう限界ですよ!ガミラスのファッキン野郎に波動砲、撃っちゃいましょうよ!」

 「駄目だ!ここは場所が悪すぎる!しかるべき場所に移動しなくては……」


 「浣腸ぉぉおーー!!巨大なぁ〜〜〜敵をぉ〜〜〜撃てよ!撃てよ!撃てよぉーーーー!!」

 「落ち着け古代君!!!アニメが違うではないか!」


   「敵艦から通信です。――降伏せよ―― どうします?」


 「 ワカメ だ!」


    「ハッ!?」


 「 WA・KA・ME だぁ!!」


   「はっ?――こっ…こちらヤマト ワカメ 以上―― …………浣腸ぉ!」


 「ワシは艦長だぁ!通信兵1、君まで間違えるかぁ!」


   「敵艦より入電です ――ワカメは磯野家のワカメか?――どうします?」


 「増えるワカメと通信したまえぇ!」


   「はっ! ――こちらヤマト ワカメは磯野家のワカメにあらず 増えるワカメナリ――」


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 …………うああぁぁーーーーーー!
 取り乱したぁーーーーーー!!
 あたしともあろうものがぁ!この天才美少女魔導師がぁぁあーーーーーー!
 ………アレッ…さっきより楽になってる………
 さては!?汗やらなんやらで水分を体から排出したからか!?
 ファラも先ほど少し リバース してた時に比べてずいぶん楽そうだ……これはなんとかなるかも……


    ぐるるるっるぅ〜〜〜〜〜〜


 ……前言撤回……
 魔王は…悪魔王サタンはまだ、勝利の咆哮を夢見て戦いを続けていた……
 水分主体のおしっことゲロ。
 固体が主戦力のアレ。
 ここらへんがあたしとファラとの決定的な違いだ……
 その時だった。
 ヴァルが――


        ……もういい……


 その一言は――ヴァル!
 駄目よ!駄目よ!だめよぉーーーーーーー!!
 こんな密閉空間で 発射されたら あたしとファラまで巻き添いになるじゃない!……っと必死に訴えるが……もはや…声も出ない……
 あたしに出来ること……それはただ睨むだけ……

 「駄目だよぉ……ヴァッ!?ウプッゥゥ…………ゴクンッ………ゼェ……ゼェ……」

 最後の力を振り絞り声を出すファラだが、一瞬食道を開いたのか放射能が喉に進入し、口腔内の遺伝子を侵す。
 武道家特有の強靭な精神力でなんとか放射能を暴走する原子炉内に押し返すも、虎視眈々と外界を狙う放射能の防戦に手一杯だ。
 あたしの中でも黒部ダムは今、まさに崩壊しようとしている。
 救いの手は差し伸べられない=
 

        ヴァル!君のことは忘れない!






























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           特に菜塩

     TRAIN中間劇場:う○こ巨編 終章
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         宇宙戦艦ヤマト
  
      さよならヤマト フォーエバー
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    原作:松本零氏のあれより
    監督:特に菜塩
    脚本:特に菜塩
    内容:ここまで読んでくれた人、ありがとー、そしてゴメンなさい
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 「波動エンジン異常加熱」 「艦内各所で小爆発 発生」 「デビ婦人!沈黙!」

 「空間転移装置暴走」 「沖田艦長の部屋から大麻12g発見」「姿勢制御困難です」



 「浣腸!浣腸ぉーーーーーーー!」

 「………………………………」


 「浣腸ぉ!もう本気でヤバイです!艦首の菊の門が吹き飛ぶ寸前ですよぉ!」

 「………………………………」


 「浣腸ぉおぉおおおおーーーーーー!」














 ……
 …………
 ……………
 …………………
 ………………………
 ……………………………
 …………………………………
 ………………………………………
 ……………………………………………
 …………………………………………………………………………撃て…………









 「はい?」

 「もういい…………撃てと言ったんだ…………………」


 「でっでも……ここで撃ったりなんかしたら……」

 「かまわん!目標、敵艦隊中枢!全、砲門…イヤッ!全、肛門ひらけぇーーーーー!!」



 「………………了解しました。目標――ガミラス艦隊中枢部――――」

 


 「標準固定 完了しました」 ――目標確定―― 「エネルギー伝達完了です」

 「敵艦距離4000宇宙キロ」 「システム・オールグリーン」 「古代さん!いつでも撃てます」



 沖田「……我が人生に……ただの一片の悔いなし……ただ己の生き様に酔いしれるのみ!」



   ―――逝きます――波動砲発射―3―2―1………………





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 密室の恐怖、生存の危機に直面し、なによりも生理現象と終わりなき戦いを孤独に繰り広げていたヴァル=神○。
 押し寄せる死の恐怖とそれをはるかに上回る便意との中で彼は孤独な戦いを続けていた。
 消化器官の終点。肛門の付近、直腸にて激突する理性と本能。
 戦場を後にする2人の少女。
 仲間に見捨てられ、戦いつかれた龍の孤独な戦。その戦いも終結を迎える。

        生理現象を本能の赴くままに受け入れることで

 密室と化した車内に異様な音が響き渡る。
 それは、地獄の底より地上に響いてきた サタンの怨嗟の声のようでもあり ――絶対神抗う反逆の使途――反救世主〔アンチキリスト〕の産声の様でもあったとも伝えられる。
 そして、生まれでた暗黒物質は――辺りを自らの放つ瘴気にて蹂躙し、魔の制する世界――いや、魔すらも拒む汚れた世界へと変貌させた。
 ヴァル=神○は――自分の今後の人生は厳しく……そして惨めなモノになるであろうコトを確信する。
 最後の古代竜にして高校生にもなってう○こを漏らした奴と。
 涙に頬を濡らしながらも身動きひとつ取れずに ただ、呻くのみ。
 彼の心の暗黒面は果てしなく広がっていくのだ。


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 ナレーター「暴走特急と化した列車の方もなんとか修理も完了し、滅びの砂漠、ナイトメア本部最寄の駅に列車は停車することになりました」



 停車を待つ列車。
 その列車内の扉、最前列に立つ2人の少女。

   レイ=インバースとファラ=ウィル=テスラ=セイルーン

 目標はただ一つのみ!すなわちトイレットルームなり!

  (2m先の通路を右折!)  (そののちに直進6m!)

 重厚なる音とともに扉が今、開かれる!
 同時に飛び出すレイ=インバースとファラ=ウィル=テスラ=セイルーン。
 2人は2m先の通路を右折のちに直進6m。最後のカーブをレイ=インバース若干有利で曲がりきる。


    http://park.zero.ad.jp/~zbi83808/hide/himit/singsong/../../../midi/mn1283.mid (音量注意)

 (アナウンス)
 「さあ!最終コーナーを廻って直線 レイとファラにいっせいに鞭が入る。
 おっと、後方から猛烈な勢いで追い込んでくる影。
 ファラ=ウィル=テスラ=セイルーンだ!レイ=インバースに並んで一気に抜き去った!
 その差2馬身から3馬身、ファラ強い!さすが武道家!魔導師とは基礎体力が違います!
 そこで……おおぉっと!?レイ=インバース足払い!ファラは転倒!そして……嘔吐!
 びちゃびちゃ どぼどぼ凄まじい光景です!
 2位以下を大きく引き離して、今ゴールイン。 レイ=インバース圧勝!トイレに駆け込みます!」




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  【魁!あとがき放送局】


 特に菜塩:この物語の作者。【魁!あとがき放送局】では 作者Nと名乗る。
      なお、ホモでもロリコンでもハードMでも無い。(当たり前だ!)

    L:週間少年ジャンプで連載中の【DEATH NOTE】に出てくる人。
      特に菜塩をキラだと思っていて、こいつもある意味では変態だ。
      名前だけで選ばれたような奴で【魁!あとがき放送局】では デスLと名乗る。

  金色L:ある時は『キンキラキンのゴージャスお姉さん』。
      またある時は『麗しの女スパイ』。
      その正体は『魔王の中の魔王』ロード・オブ・ナイトメアであり
      通称Lと名乗ることで知られる。



 作者N「栄光に向かって走るぅ〜〜〜♪ ―― 」
 金色L「あの列車に――飛び込んで来ぉぉおい 部下Sぅぅぅうーーー!!」


     キキキィィィーーーーーーーーーーーーーグシャァァァアア……ズルズルゥゥゥ……


 デスL「あぁ……イキナリ登場。完璧即死ですね……」
 作者N「……お前………………」
 金色L「増えない出番が欲しくてぇ〜〜〜♪」
 作者N「まだ歌うかぁ!!」



   ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ ズッズッチャ♪ズチャッ♪ズチャッ♪ズッ♪ズッ♪



 作者N「始まりました【魁!あとがき放送局】!!このコーナーでは作品中で解説の出来なかった補足の説明や様々なイカレタ話を中心にお送りしたいと思います」
 デスL「始まりました……が」
 作者N「書き殴り!サイト開始より100カ月突破ですよ!」
 金色L「たしかにめでたいけど……それよりパ……」
 作者N「そこで!特に菜塩より、『書き殴り!サイト開始より100カ月突破おめでとう』ということで今回の話を管理人の一坪様に贈呈っ」
 金色L「失礼なコトするなぁぁあああーーーーーーーーー!!」
 作者N「がぶはっ!?……くくっ……とっさのことで武器を用意してなかったな……」
 デスL「それにしても、今回の話なんですが……」
 金色L「うう〜〜ん?作者さん?もしかしてこのお話ってぇ……」
 作者N「皆さん!9月ですよぉーー!社会人の方は夏休みの分までバリバリ働き、学生さんは試験やら就職試験やらと戦う9月ですよぉーーーーー!!」
 デスL「ムッ!逃げましたね」
 作者N「夏の間、栄華を誇ったセミ達がバンバン死んでく9月ですよぉーーーーーー!!」
 金色L「わかったわよ。パクリ問題はあとにするから」
 作者N「かたじけないぃ」
 デスL「あの……話 変わって、少し心配なんですが……」
 作者N「なにがだ?」
 デスL「もうそろそろ ツリー落ちますよ 続きとか大丈夫なんですか?」
 金色L「駄目みたいね……灰色になったもん」
 作者N「……ははは……予定ではあと3話……これ以上は削れん……」
 デスL「3話?パッて書けばすぐ終わるじゃないですか」
 金色L「3話ぐらいなら余裕でしょう」
 作者N「推定150KB……俺が悪かったんだ…… 書きたいとき以外 絶対書かない なんて妙なルール1人で決めたから……」
 金色L「まぁ……ドンマイ……泣くな」
 デスL「ギャグとパクリを主体とする本作品にしては話題が暗いですよ!」
 作者N「よし来た!ちょっと前に 天使のブラで有名なワコールにおっぱい目当てで就職試験 受けに行った♂の話があったよな?」
 デスL「ありましたねぇ」
 作者N「その時の 面接練習の記録があるんだよ。それを公開するわ!(勝手に)」
 金色L「受験や就職を控えた学生さんの役に立てばいいわね……(なんかあるわね!)」


    ブラジャーのワコール面接編

 面接官「君の名前は?」

   受「(『はっきりとした声で力強く』名前を言う!)」

 面接官「数ある求人の中で 当社を志望した動機はなにか?」

   受「わたしは幼少の頃からおっぱいが好きで また、おっぱいを覆うブラジャーにも大変深い興味がありました。現在でも興味は尽きることなく、女性モノ下着を開発、販売する御社でなら自分のやりたいこと仕事が出来、また実力を120%引き出すことが出来ると確信し、御社を希望させていただきました」



 金色L「……次……学校編に移りなさい……殺られる前に……」
 作者N「情熱とやる気に満ち溢れてるだろ。ここから先が爆笑もんなのになぁ……放送できねえけど」
 デスL「まさか本番でもこんなこと言ったんですか?」
 作者N「本人は真面目だと自己申告してる(落ちたが)」
 金色L「いいから次!学校編スタート」


    学校 私立高校編


 面接官「どちらの学校からお越しになりました?」

   受「たぶん、手元の資料に書いてありますよ」

 面接官「当校を受験するきっかけとか なにかありますか?」

   受「イヤッ。ここしか来るトコ無かったんで 必然的に」

 面接官「当校に入学後、クラブ活動などに参加する予定は?」

   受「午後にはたぶん学校いないと思うんで……」

 面接官「中学校で休み時間はなにをして過ごしていましたか?」

   受「便所に篭っていることが多かったです。あとは想像にまかせます」



 デスL「……なんですか……これは……」
 作者N「驚け!これは俺の同級生が マジ で本番でやった面接内容だぞ!」
 金色L「面接官のおっちゃんに「お前なんて出てけぇ!」とか言われないの?」
 作者N「まぁ、 カネさえありゃ入れる 地の果て私立高校だからな」
 金色L「もういいわ!」
 作者N「……おいっ……中学時代に音楽の時間、多数の負傷者を産出した アルト・リコーダーなんて……どうするの?」
 金色L「ウフフ♪ 咥えなさいぃ!(L 菜塩の口にリコーダーを突っ込む)」
 作者N「ぶっっ…ぷはっっ!? なっ!何しやがるぅ!」
 金色L「小学生の頃、リコーダーの加える部分を好きな女の子のと交換するなんてことしなかった?」
 作者N「オレは 断 じ て そんな変態行為に手を染めてない!!」
 金色L「ウフフフ♪ そんな正義感溢れるあなたをクラスの変態が見逃すと思った?」
 作者N「……なにが…言いたい……」
 金色L「その笛の咥えるトコ ○▲◇のよ♪」
 作者N「○▲◇っ……だと?…………バタッ……」



 金色L「特に菜塩はこの事件発生の際、首謀者の前歯をへし折った怒れる狂戦士を捕縛したんだって♪その見返りか? 音楽の成績が音痴でやる気0だったクセして 4の○付き だったそうよ♪それでは」


                    L 泡吹いて痙攣している作者の側でニコリ微笑む。