◆−sisin相応(第2幕)−ぷらすとーる (2005/3/14 22:46:22) No.31268
 ┗どうもです!−京極師棄 (2005/3/19 18:16:33) No.31280
  ┗レスしてもらって、ありがとうございます!−ぷらすとーる (2005/3/21 20:08:34) No.31288


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31268sisin相応(第2幕)ぷらすとーる 2005/3/14 22:46:22


こんばんは、お久しぶりです。今回は以前にアップしたオリジナル中国ファンタジーの続きを投稿させてもらいました。

全然中華でも何でも無い雰囲気ですが、よろしければ見てやってください。

それでは。
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(おい!何をそんなに怯えるんだよ…?)

(だって、私はこの世界を守るため…)

(あれ?足が…)

(何故、こんなになってまで『戦い』を求めるの…?)

「だって、それは…」

(え?)

私は、ふとさっきから自分でも良く分からない事を心の中で呟いている事に気づいた。まるで私の中

に私で無い『何か』が私の心を借りて、私の口を伝っている様な感触…
幻だったのだろうか?嫌、幻なんかじゃない!
形の無い物だけど、これは『リアル』だと言う奇妙な『確信』…

(!)

胸騒ぎがした。私は宇宙港に向けていた足をあの4人のいた方向に返して、気が付いたら駆け出して

いた。

「おい!お嬢ちゃん!待つんだ!」

突然、街角の影から数人のスーツを着た屈強そうな男性と、私服のやはり屈強そうな男性数人が私の

方に駆け出してきた。刑事さんだろうか…恐らくはさっきの4人の中で私に話を聞いてきた刑事さん

の仲間…?

「ごめんなさい!」

私はそう(誰にも聞こえなかっただろうが…)言って、胸騒ぎがナビゲーションするさっきの路上に

急いだ。

(!)

今度は、まるで『怖い』。そして、それを感じる『私』の心から別に、『怒り』と『嘆き』と表現す

るべきだろうか…?そんな感情が心の『内側』から私の中に響いた。
次に私が気が付いた時、その先には…

「私は貴方のその傷の理由と無関係じゃないんですね…」

煙やショートした機械が転がる中で、白い詰襟の服にをところどころ赤く染めながらうずくまる…

「希望港の白虎さん…」

私はまた、気が付いたらそう呟いていた。まるで、自分がこの詰襟の拳法着の人を随分昔から知って

いた様な、あるいは『その人自身』になっていた様な…

「あんた…」

そう言って、拳法着にサングラスの人は傷ついた体を若干重そうに、しかし、しっかりした動きで起

こした。そして、そのまま私のところに来る…
周りの人たちの、驚愕と非現実的な光景に状況を飲み込めず(こんな事をしている私自身がそもそも

、理解のレベルでは、到底説明出来ないし…)固唾を呑んで見つめる視線が私の五感に触れるのを感

じた。

「何故、俺の事を「白虎」って…」

『白虎』さんは傷ついた体を、しかしもうそれほどダメージは残っていない(つい、今しがた傷つい

たばかりの筈の…)様子でゆっくりとその大きな体をこちらに向けてきた。

「その…それは、私にも…何と言うか…」

(私、何故この人の事を『白虎』さんって…?
まるで前から知ってるかの様に『自然』に言葉が出てきて…)

『理解出来ない。』事を何故か『確信』して言葉を紡ぐ『自分』の事を私自身が説明ができず、私は

完全に混乱しているのを感じた。

「説明出来ないのか?」

気が付いたら、『白虎』さんは私の両肩に手を当て静かに、そして強い口調で聞いて来た。

「気がついたら…『分からない筈』の事を…口にしているんです。」

『私にも分からない』。そうとしか説明出来ない事を私は口にし…

「いたぞ!あの子だ!」

後ろで、男の人の叫び声大きな叫び声が聞こえた。
私は思わず我に帰って後ろを振り向くと、数人のスーツ姿の男性…
恐らくは、刑事さんと思われる人たちがこの光景を見ていた人たちの中から現れて、私たちを取り囲

んでいた。

「お嬢さん、君の身は危険だ。すぐ、こっちに来るんだ。」

大勢の刑事さんの中から、どうやら中国人ではなく別の国から派遣されたらしい金髪の若い刑事さん

が口調を穏やかに意識して、私に手を差し伸べながら声を掛けてきた。

「どうしたんだい?」

突然、『白虎』さんが刑事さんにまるで顔見知りに声を掛けるかの様に、私の変わりに言葉を返した



「王さん、その怪我…」

金髪の若い刑事さんは、『白虎』さんの服に付いた血を見て少なからず動揺した表情を見せた。

(王さん?この人と刑事さんは近しい仲なの…?)

ふと、私の中にそんな疑問がよぎる。
そして、『白虎』さんがどうやら『王』と言う性で、刑事さんと知り合い(さっき、『王』さんと一

緒にいた人も刑事さんだったし、『考える』と言う意味なら全然不自然では無いんだけど…)らしい

事はここでの会話で初めて分かった。
 
(でも、さっき私の中に流れ込んできた感情にそういうのは…)

この突然自分に湧き上がった説明不能な『分からない』筈の事を何故か『知っている』事は、ひょっ

として、全てを教えてくれる物では無いのだろうか…?
説明と理解が不能な事実を改めて感じ、私は少し歯がゆい様な複雑な思いがするのを感じた。

「とにかく、その女の子の身柄を保護する必要があります。申し訳ありませんが、その子の身柄をこ

ちらに渡してもらえませんか。」

若い刑事さんは、そう言って白虎…王さんに私を引き渡せと促す様に言ってきた。

「周の考えてる事は分かるが…」

そう言って、王さんは首を捻ってオーバーに困ったようなジェスチャーをしながら、刑事さんに近づ

いて…

「わりい。」

突然、王さんはそう言って…

『ポンッ!』

王さんが軽く刑事さんの胸を押して、その刑事さんはまるで一瞬浮いた様に宙に上がり、そのまま仰

向けに転がってその光景を私は呆然と見て…

『シャー!!』

「え!?」

(??)

急に視界が暗転して、まるで地面が急に盛り上がったみたいな感じになった。
そのリズムを失った電子音を感じて、同時に私は体の上半身と下半身に見えない力で押し付けられる

様な感覚を覚え、更にその一瞬後には…

「追われてる…!?」

白虎…王さんが突然襲ってきた機械から、私の胴体小脇に抱えて走り出した事に気が付いていた。

「ちょっと乱暴に逃げるぜ!」

王さんはそう言って、私を抱えたまま街の人ごみを潜り抜けながら物凄いスピードで走る。

「お、おい!ありゃ何だよ?!」

この光景を見た人たちの騒ぎ声が耳に入るのを私は体を必死で動かしてバランスを取りながら感じた



「ちょっと堪えてくれよ。」

「え?」

そう、王さんが言った直後…

『ズムッ!』

体が大きく押しつぶされる様な感覚が走り、それが王さんが私を抱えたままジャンプして建物の間を

飛び越えたからだと次に気づいた。

「つッ!」

私は衝撃があまりに凄かったので軽く悲鳴を出してしまった…

「大丈夫か?」

 その王さんの言葉に思わず私は頭に血を上らせた。
 
「大丈夫?私に何の説明も無く、いきなり私を連れ去っておいた事の謝罪も無くそういう言葉ですか

?」

私は王さんを睨んで、感情のままに言葉を投げつけた。

「ああ、悪い。」

王さんは大して悪びれてる様子も無く、私の方を見ずにしゃがんで周囲を見回しながら答える…

「悪いとは思うけどな、あれ…」

王さんは、そう言って親指を王さんと私の居る反対側に指す。
そこには…

「シャー!!」

また、さっきの奇妙な電子音が響いてきた。

「さすが、王白虎だ。やはり気づいてたか…」

そう言って、私たちが逃げ込んだ裏道の奥に、一人の痩せた男が陰湿な笑みを浮かべて、さっきの機

械を従えてこっちを見ていた…

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31280どうもです!京極師棄 2005/3/19 18:16:33
記事番号31268へのコメント

お久しぶりの京極です。
話していたレスが遅くなってしまってごめんなさい。
あの話の続きですか、この後がどうなっていくか楽しみです。
白虎が出てきてそれがどうなるか・・・
戦いを求めるとは?とか思って楽しみにしてます
・・・・・・本当に短くてごめんなさいですが、次回を楽しみにしてます!
それでは、今回はコレにて・・・・・・

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31288レスしてもらって、ありがとうございます!ぷらすとーる 2005/3/21 20:08:34
記事番号31280へのコメント

こんばんは、京極さん。感想ありがとうございます。
とりあえずは、四神の一人、王白虎とアリシーの話が続く予定です。

王の「戦いを求める」とは?アリシーは何故、相手の感覚を感じる事が出来るのか?

そこら辺もこれから少しずつ明かして行きますね(大したオチでは無いかも知れませんが…)。

では、次の話もなるべく早くアップ出来る様、頑張ります!