◆−いにしえのの精霊王『前編』−ルルミ (2005/2/7 16:01:05) No.31160


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31160いにしえのの精霊王『前編』ルルミ 2005/2/7 16:01:05



ちゅどおおおおおおんんんん!!!!

今日も元気に盗賊さんのアジトが
例によって例の如く、一人の女魔道士リナによって壊滅した
「・・・今日も大量ね!!いいかんじぃ〜!!」
リナは思ったより収穫があったと上機嫌で街道を歩いていた
・・・・とまあここまでは何の問題もなかったのだが・・・・



「・・・・・あのお・・・・」


「・・・・あのお・・・」

リナが街道を歩いていると、突然声をかけられたのだ
リナは長年のカンから、無視して過ぎよう作戦を実行にうつす
何故ならば、かつて往来で声をかけてきたヤツに関わるとろくでもない結果におわることが多いからだ

「・・・・あのお・・・・」

大概は無視すればあまり問題なくすぎるのだが、今回は少し様子が変だ
「・・・・(怒り)えええいいい!!しつこい!!!」
何回も「あのお」を繰り返され、少しうんざりしていたリナは
背後にいるであろう声をかけた人物にむかってこう叫び、背後を振り返る

「・・・・・?・・・・・」

「あのおここです・・・・ここ」

「・・・・・?・・」

しかし声はすれども背後には人っ子一人いない

「いったいどこにいんのよお?」
リナはあたりを見回し声の主をさがすが、何もいなかった
「ここよお」
「ここじゃわからん」
「あなたがかかえてる荷物の中の宝石です・・・・ほ・う・せ・き!!」
「ええええええええ」
リナは半信半疑のままその声の発信源を荷物からさがす
すると
「ぷはあ!!やっと地上に出られたわ!!何千年ぶりだろ?」
宝石は青白い光を輝かせ、気持ちよさげな声をはっした
「何千年・・・・ってあなた何者なの」
「ああ自己紹介がまだでしたね、私はセルシウス、神魔戦争の折、魔王によって滅ぼされた氷の精霊族の女王をしておりました」
「セルシウス・・・・って水属性全ての精霊族をたばねていたという、今じゃ既に絶えたはずの?」
「はい」
リナは頭脳を総動員していた
伝承によれば、セルシウスと呼ばれる精霊はあらゆる水の妖精及び精霊族の頂点に立っていた水属性の精霊王であり、吹雪舞う凍てついた絶対零度の棲んだ氷にしか棲まない氷の女神である
かの神魔戦争の折、狂える魔王ルビーアイによって滅ぼされ、今では既に絶え、伝聞上にしか聞かない幻の存在になっている
「でもなんで氷の精霊族の女王である貴方がこんな宝石なんかに封じられてるの?」
「実はかくかくしかじかでして・・・」
セルシウスは自分が何故こんな宝石になってしまったのかを、リナにかたる
その話によれば、自分はセルシウス最後の王で、神魔戦争の折、父王を無くした自分は、まだ十三の若さで、王に即位したのだが、その治世はたった五年で終局をむかえることになってしまった。なぜなら、戦争で一族の多くは既に魔族の手にかかって、そのほとんどが死に絶えてしまったからだという。
そして辛うじて避難した最後の砦も魔王腹心の海王ディープシーによって破壊され、自分を最後まで護ってくれていた父王の側近の青年によって王杓に付いていた深い蒼の宝石に肉体ごと封印されたらしい

「ふうん・・・で!自分はその宝石に・・・・ってわけね。でもなんでこんなにながい間きづかれなかったの?」
「私たちセルシウスの声はある一定の魔力の容量を越えていないと聞くこともできませんから・・・・・それで今まできづかれずにきたんだとおもいます」
「そ!」
「それにながい間一人きりでさびしかったんですよ!!この何千年だーれもきづいてくれなくて・・・・おまけに乱雑につまれた金塊にうずもれてましたから・・・ずっと・・・」
「んで、私はどうすればいいわけ?」
「とりあえず私を水竜王アクア様のゆかりの神殿までつれていってくれませんか?」
「なんで?」
「アクア様は私達セルシウスの一族と昔から親交があったんです。あのお方なら自分が元の姿に戻るヒントがつかめるかもしれませんから」


後編につづく⇒

久々(ていうか半年ぶり)?スレイヤーズ小説を投稿させていただきましたルルミです。
この話は数日前に思い立ってノートに書いたものです。私が考えたオリジナルキャラクターとしてセルシウス・・・氷の精霊族の女王様がでてます。(セルシウスは一族の俗称で、その女王様の名前は見る方々がご自由におつけください)
駄文ですが読んでいただけると幸いです
ちかじか後編の方も投稿させていただきますのでおたのしみに
ではこれで