◆−夢幻屋奇憚  第零話  二人の邂逅−煌天由亜(改名検討中) (2005/2/2 23:41:32) No.31147


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31147夢幻屋奇憚  第零話  二人の邂逅煌天由亜(改名検討中) 2005/2/2 23:41:32



ここは、アメリカののチャイナ・タウン。
そこに風尾幹久はやって来ていた。
幹久は、日本人の割には背が高く、又ほりの深い顔立ちをしていた。
彼は、日本人でこっちの大学に入り、警察官になっていた。
そして、初めての休みに自分のアパ−トの近くを散策しているうちにチャイナ・タウンに迷い込んでいた。
そして、周囲に埋もれるように建つ古びた店を見つける。
幹久は、興味を持ちその、店の扉を開く。

カランコロン

ドアベルが彼を迎え入れる。
幹久が、周りを見回すと、古書店屋らしかった。
家の中には一人と一匹の住人が居た。
一人は、男性だった。
白に近い光沢のない銀の髪を背の終わりのほうまで伸ばし、一本の三つ編みにしており、右の瞳は深遠の鴉の濡れ羽色をした闇の瞳、左の瞳は春の木漏れ日を映したかのような金色の瞳だった。
服装は、白のワイシャツに黒のベストとスラックス、それに深緑のル−プタイと言う、司書風のもの。
彼は、そこに居ながらですら存在が希薄だった。
一匹は、彼の足元に寄り添っていた。
猫は、まだ生まれたばかりのようである。
黒い毛皮に、足の部分だけが白く足袋のようである。
「いらっしゃいませ、≪夢幻屋≫
 そう申したいところですが、まだ開店準備が済んでおりません。
 それでも、ご来店いただきありがとうございます。」
彼は、貴方にそう優美にお辞儀をする。
「ここは何屋だ?」
「物語をお売りする店になるでしょう。
 本屋ではありません。
 私が、真実を語り 事を騙る。
 そして、ご来店者様に何らかにきっかけを与える店にございます。」
貴方が、なおも不思議そうにしていると 彼は少し考え込んだ後。
「そうですね。
 もう三日してから、もう一度来て見てください
  たぶん、貴方に一番初めに語らして頂くお話が出てくると思いますので。」
「そうか。良く分からんが、仕事帰りにでもよらしてもらおう。
 ・・・・ところで名前は?
 俺は、風尾幹久だ。」
「ございません。
 私個人には名前はございません。
 でも、私を知る人は、『カタリ部』と呼びます。
 よかったら、貴方がつけてくださいませんか?」
幹久は、少々思案顔になり、少々経ってからこう言った。
「久遠 刹那って−のは、どうだ?
 じいさんの知り合いに、アンタみたいな奴が居たらしいからな。」
「ありがとうございます。」
「じゃ、またな。」
そして、貴方は、店を出た。
後ろを振り帰ると、店はなかった。


店内―。
「ねぇ、りどる?
 彼は、あの人の孫のようですよ。
 それならば、この時よりも遠く、この場所より遠い 冬のあの悲劇のお話がお似合いかも知れませんね。」
「なぁ。」
「夕御飯に、しましょうか、りどる。」

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ユア:はい、新シリ―ズです 。
   これから、『生か死か』と交互に、投稿していきます。
   よろしくお願いいたします。