◆−生か死か 今までのあらすじ−煌天由亜 (2005/1/2 21:56:49) No.31011
 ┗生か死か CASE 6―13 DARK&TORT−煌天由亜 (2005/1/3 20:48:14) No.31014
  ┣生か死か CASE 6―14 be cool−煌天由亜 (2005/1/3 21:54:34) No.31017
  ┃┗Re:生か死か CASE 6―14 be cool−神高 紅 (2005/1/4 23:57:50) No.31022
  ┃ ┗上の募集にご協力いただけると嬉しいです。−煌天由亜 (2005/1/5 22:46:57) No.31030
  ┣生か死か CASE 6―15 HOT&COLDな事実−煌天由亜 (2005/1/6 22:44:58) No.31046
  ┣生か死か CASE 6―16 Childのような≪嫉妬−煌天由亜 (2005/1/13 23:50:41) No.31083
  ┣生か死か CASE 6―17 Truth の断片−煌天由亜 (2005/1/15 23:16:19) No.31088
  ┣生か死か CASE6終了時までの台詞DE予告!!−煌天由亜 (2005/1/16 22:30:25) No.31089
  ┃┗毎度おなじみ!!−GURE−TO MASA (2005/1/17 11:00:51) No.31095
  ┃ ┗毎度感謝感激雨霰!!−煌天由亜 (2005/1/18 22:52:45) No.31100
  ┣生か死か CASE 6―18 PINCH的状況−煌天由亜 (2005/1/19 23:40:23) No.31105
  ┗生か死か CASE 6-19 Coming Soon・・・・・・ −煌天由亜 (2005/1/22 22:14:11) No.31114


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31011生か死か 今までのあらすじ煌天由亜 2005/1/2 21:56:49



ユア:あけましておめでとうございます。
久遠:数ヶ月たったら、風化しそうね。
カディ:もっともだな。
ユア;一応、何を置いても、一応新年だし。
   挨拶できないといい大人になれないし。
カディ;先に、『お久しぶり』とか言うべきであろう?
久遠;カディちゃん、それ、わざわざ声を変える必要あり?
カディ:まったくない。
    ただの趣味だ。
ユア;何は、ともあれ あらすじを。


ヒロイン・ルナ=ジャスティこと若槻月夜は、相方・レイファス=S=ア−ドロックとともに、何処の組織にも属せず、裏世界で生きてきた。
彼女自身は、本来ならば、ごく普通の一般家庭に育ち、大学まで出て、お婿さんを貰って、子供を産んで、孫ができて、そして、一生を終えるというパタ−ンで終わるはずの少女だった。
しかし、両親と彼女の中に眠っていたその能力は、そうはさせてくれず、この世界にルナは踏み込む事になったのである。
そして、数件の事件ののち、いろいろな人と出会い、仲間−家族も増えていった。
しかし、そんな時、本来の≪ウィスパ−≫としての相手が、ルナを攫っていってしまった。




久遠;さっさと、本編にきましょ、ユアちゃん。
カディ;待っている人がいるといいな。
ユア:(言葉の矢が刺さっている)・・あはははは、そうね。
久遠:(小声で)カディちゃん、もう少し雰囲気読みなさいよ。
ユア;ともかく、本編再会です。



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31014生か死か CASE 6―13 DARK&TORT煌天由亜 2005/1/3 20:48:14
記事番号31011へのコメント



『もしもし−もし、もしもし、永蓮ちゃん?
 ちょっと、また緊急事態よ。』
「あのな・・・・・久遠、今日本は午前3時だぞ?」
久遠、こんな時間に何のようだろう?
裏の情報屋の仕事で寝たの一時過ぎてたのに。
『もう、眠そうにしないでよ。
 そんな事メじゃないぐらいの。
 ルナちゃんが、攫われたのよ。
 しかも、あのエンヴィ―くんによぉ。
 ≪死神≫ちゃんみたいに、遠慮ないから、ヤられちゃうわぁ。
 とにかく、誰か、応援よこして。
 できれば、不知火となつめがいいんだけど、なつめは高校でしょ。
 誰か、回復できる子をお願い。
 え−あ―、えっと、とにかくお願いね。』
ガチャン ツ―ツ―
私は、深夜の電話が切れたあと、要望どおりの二人に電話をした。
その二人に、明日の3時過ぎのいぢりすいきの飛行機に乗ってくれるように指示をした。
「・・・・さて、動き出したようだね。
 ギシギシと、錆び付いた音を立てて≪運命≫という歯車が。」
「≪名を持つ暗黒≫・・・いや、≪闇の魔術師≫のほうがお前には好みか?
 お前も、物好きだな。人としてあることを捨てても人を見守ろうとする。」
ベッドのすぐ横の闇が、わだかまったと思うと人間の形をとった。
神影幻十郎だろう
「そちらこそ、珍しい。
 君のそばに、十二神将軍が一人もいないとは。」
「時間がないから。
 あの二十数枚を少しでも早く仕上げる必要がある。
 決戦は、来年でも、こんな事があるといけないから。」
私は、ガラにもなく焦っていた。
来年のあの決戦には、ルナと・・の二人が必要なのだ。
今失うわけにも行かない。
例え、残り少ない私の寿命と命を削ってでもだ。
「君は変わった。
 五十数年前、あの凶将が子供を殺した時ですら、全てにとってのハッピ―=エンドを目指していた。
 それなのに、今は、ごく少数のハッピ―=エンドを目指している。」
「・・・・・人は変わるさ。
 時に、残酷なほどにね。
 数百年立っても、それは理(ことわり)だ。」
それまで、くつくつと音を然程立てずに嗤っていた≪闇の魔術師≫は、私の言葉を聞いた途端、こう返した。
それは、ある意味で錆しそうというか、達観しているというか、静かな感情を湛えていた。
「そうだね。
 それでも、私や≪霧の隠者≫は『変われない』
 砂漠の中の砂一粒ほどですら変われない。」
「私も、≪到達者≫である以上、他の人間ほど変化はない。
 まあ、『一応』は人間の範疇にいる分まだましか。」
「・・・足掻きぬけ。
 足掻く事こそ、人に許された事だ。
 最期の時まで、多少時間はあるのだろう?
 それまで、せいぜい足掻きたまえ。」
そう不吉で・・・でも的に得た言葉を残し、再び≪闇の魔術師≫は、闇に消えた。
「・・・・・一応、まだ調整はすんでないけど、あの子達を動かすか・・・。」
異界にいる天苑に、私は、指示を出し、再び眠る為、ベッドにもぐろうとした。
「ごほっ・・・・・やっぱり時間ないか。」
私の手は血に染まった。







『もしもし、ビルトちゃん?』
私が、部下のリュシカの娘の調査の結果を呼んでいる時、一本の電話が入りました。
確か、月森久遠とか言うおかまの情報屋ですね。
「はい、何のようですか、久遠?」
『また、ルナちゃんが攫われたのよ。』
「それはそれは。」
『「それはそれは」って、冷たいじゃないの、ビルトちゃん。
 しかも、貴女の異父兄弟的存在のエンヴィ―によ。』
「手伝いたいのは、山々なんですけどね。
 今は、こっちも大きな仕事抱えてましてね。
 人手は無理ですよ。」
『ビルトちゃんのイケズゥ〜。
 じゃ、何かわかったら教えてちょうだいね。』
仕事というよりは、リュシカの娘・ファランことなんですけどね。
「それでは。」
『それじゃ。』

こうして、今回は、本筋とは関わらないビルとヴァ―スだったが
   やはりというか、必然というか、そうどうに巻き込まれるのはまた後のお話。




―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+

もう一話入れるので、コメントはまとめて入れます。


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31017生か死か CASE 6―14 be cool煌天由亜 2005/1/3 21:54:34
記事番号31014へのコメント



「それで、何を話すって?」
多分、オレは苛ついている。
前回、月夜が≪死神≫に攫われたときですら、苛々したりはしなかった。
中に居たままという事もあるだろう。
オレは、あいつが真実を隠して、どんなに月夜に憎まれようと、愛しつづけた点は、友愛として好きだった。
もちろん、妹の交際相手としては別問題だが。
「三日も遅らせたんだからな。」
「もちろん、永蓮の応援を待つ為だよ。」
「そうそう。
 月陽ちゃん、落ち着いて。
 急いてはことを仕損じるというでしょう?」
今、この場にいるのは、無言のレイさんと白亜、ベル、久遠にオレ、そしてこの場を設けさせたブ―ルであった。
コルトは、泣き疲れて眠り、パリ―アが面倒を見ている。
「月陽、ルナ生きてる?」
白亜の問いに、オレは意識を月夜に集中させようとするが、それはあっけなくはじかれてしまった。
「・・わからん。
 はじかれてしまった。
 でも生きてるだろうよ、あの術が目的である以上。」
「あの術?」
「術レベルSSSS。
 ≪死無≫、それがあいつらの目的だ。」
オレが、白亜に説明をしている時に、誰かが・・おそらく3人・・・ガここに上がってくる気配がした。
玄関チャイムの音と戸が開いた後に、こんな会話が近付きながら聞こえてきた。
「ねぇ、此処でいいの?」
「姉ちゃん、ちっとは黙ってェや。」
「五月蝿いわね、苦情は不知火に言ってよ。」
「・・・・・何故、私が。」
「不知火が、此処にくるまでに何回も迷ったんでしょ?」
「ああ、とにかく黙りや。」
「・・いました。」
俺たちがいる部屋にきたのは、矢張り3人だった。
紅一点の女性は、黒い髪を白いバンダナでまとめ背中に流している。
金の瞳は、悪戯っぽく輝いて太陽のようでもあった。
服装は、黒のチュ―ブタイプのタイトミニのボディコンス―ツ、その上に、袖なしの白の長上着。
それに黒の長手袋と同色でその上にカラフルな細いベルトを巻きつけた踵の高いブ−ツ。
アクセントに、首と左手に薄目の茶色の細身のベルト。
男性の一人は、向こうは知らないだろうがオレの兄貴だろう。
もう一人は、長い白髪で顔を隠し、髪に目の紋様、動きやすそうな中華服と腰に帯びた青龍刀と、ちょっと・・・・いやかなり怪しい男だった。
「・・・・・どうも初めまして。
 永蓮様の配・・・茶飲み友達の不知火です。」
「あたしは、ブライアン=ロ−ズ。
 とにかく、よろしく。」






オレは、緋陽を引きずって、お茶を入れなおすために台所に来ていた。
「一応、はじめましてかな。
 緋陽にいさん。」
「はいいぃ?」
「父さんたちから聞いてない?
 生まれてこなかった弟のこと?」
兄貴は、驚きを隠せず、しばらく固まっていた。





―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+

ユア;新年で、めでたいのにお話のほうは全然めでたくない。
   それどころか、暗いお話ですねぇ。
久遠;作者ちゃんのせいでしょ?
ユア;いやいや、それを言われるときつい。
   だいいち、この救出作戦が終わるまでの三十話ぐらいは、こう言うノリだし?
久遠:でもね、もう少しライトに書けない?
ユア;それは無理。
   これでも努力はしたから。
久遠;もう少し、しなさい。
ユア:ともかく、読んでくださっている皆々様、今年も一年、よろしくお願い致します。
久遠;強引に結ぶわね。
ユア;それでは、また次回。




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31022Re:生か死か CASE 6―14 be cool神高 紅 2005/1/4 23:57:50
記事番号31017へのコメント

どうもお久しぶりですそして明けましておめでとうございます紅です。
よ(つーかもー1月も4日でもうすぐ5日なんすけど・・・)
細かいことは気にしない!では久々のレス行きます!
>「それで、何を話すって?」
>多分、オレは苛ついている。
>前回、月夜が≪死神≫に攫われたときですら、苛々したりはしなかった。
>中に居たままという事もあるだろう。
>オレは、あいつが真実を隠して、どんなに月夜に憎まれようと、愛しつづけた点は、友愛として好きだった。
>もちろん、妹の交際相手としては別問題だが。
よ(かなりぴりぴりしてるねー)
人間誰しも許せない一線と言うのはあるのです。
>「・・・・・どうも初めまして。
> 永蓮様の配・・・茶飲み友達の不知火です。」
よ(今なんかさらっと大変なこと言っちゃいそーになってたっすね)
喉もとまで出かかってましたね。
>オレは、緋陽を引きずって、お茶を入れなおすために台所に来ていた。
>「一応、はじめましてかな。
> 緋陽にいさん。」
>「はいいぃ?」
>「父さんたちから聞いてない?
> 生まれてこなかった弟のこと?」
>兄貴は、驚きを隠せず、しばらく固まっていた。
よ(またまた驚愕の真実があ!チャンネルはそのままで!)
なんだそりゃ・・・まあ緋陽さんも聞いてたとしてもそりゃ驚きますよねえ。
>ユア;新年で、めでたいのにお話のほうは全然めでたくない。
>   それどころか、暗いお話ですねぇ。
めでたいといえば私事なんですがなんとか第一志望の大学に合格できました。
よ(超私事じゃん!ああー今年はきっと隕石とかなんとかが振ってくるー・・・)
なんでだよ!!
>ユア:ともかく、読んでくださっている皆々様、今年も一年、よろしくお願い致します。
>久遠;強引に結ぶわね。
>ユア;それでは、また次回。
はい今年も宜しくお願いします。ではまた次回以降のレスでお会いしましょう。さよなら。
よ(よいお年を!ってちょっと遅いけどね。じゃね)

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31030上の募集にご協力いただけると嬉しいです。煌天由亜 2005/1/5 22:46:57
記事番号31022へのコメント


>どうもお久しぶりですそして明けましておめでとうございます紅です。
>よ(つーかもー1月も4日でもうすぐ5日なんすけど・・・)
>細かいことは気にしない!では久々のレス行きます!

はい、返レス行きます!!
久遠;あら、嬉しそうな顔ね、作者ちゃん。
   やっぱり、レスがあって嬉しいのね。

>>「それで、何を話すって?」
>>多分、オレは苛ついている。
>>前回、月夜が≪死神≫に攫われたときですら、苛々したりはしなかった。
>>中に居たままという事もあるだろう。
>>オレは、あいつが真実を隠して、どんなに月夜に憎まれようと、愛しつづけた点は、友愛として好きだった。
>>もちろん、妹の交際相手としては別問題だが。
>よ(かなりぴりぴりしてるねー)
>人間誰しも許せない一線と言うのはあるのです。

そうそう、こだわりみたいなもんです。
月陽;一応、今の段階で妹の交際相手にしてもいいかなと思う人はいるけどね。

>>「・・・・・どうも初めまして。
>> 永蓮様の配・・・茶飲み友達の不知火です。」
>よ(今なんかさらっと大変なこと言っちゃいそーになってたっすね)
>喉もとまで出かかってましたね。

永蓮様言っているので、誤魔化しきれてないような。
不知火;・・・・うっかりしていたんです。

>>オレは、緋陽を引きずって、お茶を入れなおすために台所に来ていた。
>>「一応、はじめましてかな。
>> 緋陽にいさん。」
>>「はいいぃ?」
>>「父さんたちから聞いてない?
>> 生まれてこなかった弟のこと?」
>>兄貴は、驚きを隠せず、しばらく固まっていた。
>よ(またまた驚愕の真実があ!チャンネルはそのままで!)
>なんだそりゃ・・・まあ緋陽さんも聞いてたとしてもそりゃ驚きますよねえ。

そうですよねぇ。
緋陽;一応知っとたけど、分離できるんはしらんかったからや・・・。

>>ユア;新年で、めでたいのにお話のほうは全然めでたくない。
>>   それどころか、暗いお話ですねぇ。
>めでたいといえば私事なんですがなんとか第一志望の大学に合格できました。
>よ(超私事じゃん!ああー今年はきっと隕石とかなんとかが振ってくるー・・・)
>なんでだよ!!

おめでとうございます。
なかなかそういうことは珍しいと聞きますし。

>>ユア:ともかく、読んでくださっている皆々様、今年も一年、よろしくお願い致します。
>>久遠;強引に結ぶわね。
>>ユア;それでは、また次回。
>はい今年も宜しくお願いします。ではまた次回以降のレスでお会いしましょう。さよなら。
>よ(よいお年を!ってちょっと遅いけどね。じゃね)

はい、次回以降で。
それでは。



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31046生か死か CASE 6―15 HOT&COLDな事実煌天由亜 2005/1/6 22:44:58
記事番号31014へのコメント

「さて、情報とは?
 妖怪の不知火さんに人工精霊のブライアン=ロ−ズさん。」
オレの目には、この2人がオレとおなじ人外であることが視えていた。
「・・・・よくわかりましたね。」
「ということは、貴方もおなじ?」
「ええ、存在的には。」
「お前は、わいの弟で、月夜の兄貴やろ?」
「それもはずれではない。
 どちらでもあり、どちらでもない。
 中途半端なんだよ、オレはね。」
パコッ&バキッと両隣にいる白亜と久遠さんにゲンコを貰ってしまった。
しかも、久遠さんの方はバキッとかいったぞ。
「月陽は、ムカついても月陽だ。」
「あのね、月陽ちゃん。
 貴方は貴方と言うちゃんとした存在だからね。
 そんコといってると、お姉さん襲っちゃうぞv」
「・・・久遠、冗談に聞こえません。」
「あら、私は本気よ?」
「・・・・なお悪いです。」
うっとりという久遠さんに対して げんなりとそう言う不知火。
昔から、こう言う会話は日常のようだ。
「それで、情報とは?」
オレは、少々怒りを込めてそう訊ねる。
「情報というか、伝言。」
「・・・・・永蓮様曰く『行くのならこの二人も連れて行け、邪魔はするな。』とのことでした。」
「あらら、永蓮ちゃんマジ切れ?
 ≪恋人≫君、命あるといいわね。」
久遠さんの目は、そう言いながら、ここではなくものすごく遠くを見ているようだった。
「そうや。
 明後日の晩な、≪死神≫とかと合同依頼なんや。
 情報、、メいっぱい引き出してくるから待っとりや。」





それから

 オレ達は、兄から連絡があるまで、

   しばらく、体を休める

    ・・・・それから 数日後。




―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―

ユア;明日、バイト早いので、これで失礼します。
   上の募集のご協力お願いします。 
   それでは。




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31083生か死か CASE 6―16 Childのような≪嫉妬煌天由亜 2005/1/13 23:50:41
記事番号31014へのコメント



『ごめんね、月夜。
 お母さんのせいでこんな事になって。
 ・・・お母さんが、あの人と結婚してさえいたら・・・ごめん、月夜ごめんね。』



・・・・という闇の中で母がこう呟きつづける夢を見て、私は目がさめた。
「・・・・・」
しばらくは、ボ−っとしていたが、意識がはっきりしてくると此処が自分の家ではないことがわかった。
黒を基調にしたモノト−ンの部屋のベッドに私はいるようだ。
黒みのある青の法衣を着た青年が、私の正面の黒くて背の低いテ−ブルに付き、コ−ヒ−を飲んでいた。
「起きられましたか?
 ≪歌乙女≫さん。ああと、動かないで。
 傷に悪いですし、クロスが起きてしまいます。」
そう言われ、私は自分の格好を見てみた。
永蓮さんから貰った指輪は填まっていたが、服は白のワンピ−スというか−わかり安く言うならば、ギリシャ神話などの女神の格好といえば分かりやすいだろう、そんな服が着せられていた。
その服の腰と胸・・私の腰と胸に男の大きな手が存在していた。
「・・・・?」
首だけを後ろに向けると、男の首があった。
少し上に、私を攫ったフ−ドの男・・・エンドレス=クロス=ヴィンセントのネコカの動物のような寝顔があった。熟睡中だ。
「今の状況、教えていただけますか?」
私は、棒読みで法衣の男にそう質問をする。
「私は、斎藤太陽。
 ≪アマスガス≫の中でも中立の立場の人間です。」
やっぱりか・・・。
「珍しいですね、クロスが、何も服用しないで眠っているのは。」
「なんで?」
「生まれた当時は知りませんが、私がここに来た時・・・10年以上前には、既にこうでした。
 過労で倒れるか、象でも眠る睡眠薬でしか眠らなかったんです。
 それでも、かなり、睡眠は浅かったんですけどね。」
そういう事なら、この状況も怒るに怒れない。
「それに、私も恋愛感情ではない意味で貴方に興味ありますよ。」
私は、金魚のようにしばらく口をパクパクさせた後、こう訊ねた。
「此処って、何処なんですか?」
「北欧の山奥の私達のアジトです。
 此処には、私達以外いませんから、何をしようとも助けは呼べませんよ、≪歌乙女≫さん?」












「・・・・というのは、冗談です。」
「あの真顔で冗談はやめてください。」
太陽という青年は、真顔で今まで、喋っていたので、冗談なのかそうでないのかの区別がつきにくかった。
「仕方ないでしょう。
 19にもなると、そう簡単に性分は変えられませんよ。」
同じ歳だったのか、この人。
落ち着いているというかじじむさいせいか、二十歳前半ぐらいかと思ってたぞ。
「食事用意してきます。
 少し、待っててください。」
青年は、そう言って台所?に消えていった。
そして、しばらく。
私の胸と腰に合った手に更に引き寄せられる形で、私は完全にエンヴィ−の腕の中にいた。
「おはよ、ルナ。」
「・・・」
「やっと、手に入れることができた。」
その声は、耳元で囁かれたせいか、私に身動きする気を奪っていた。
「ルナは、俺のことキライ?」
「キライじゃない。キライではないよ。
 でも、お前が≪アマスガス≫にいる以上はキライだ。」
こいつとは、対の≪ウィスパ−≫だ。
私とこいつは、≪魂の伴侶≫ともいっていい仲なのに、敵と味方に分れている。
「なら、ルナもこっちにくれば?」
「・・・・いけないよ。
 両親もレジストに居たから、私もいたい。」
「それだけ?」
エンヴィ―は、私の心を見透かしたようにそう囁く。
私は、しばらくの逡巡の後、こう答える。
「大切な奴がいるんだ。
 六年前のあの後に、相棒になってくれて。
 リスカしても、止めはしたけど怒らなかったし。
 3年前に、親友があんな事になった後、慰めてくれて。
 ずっと、私の1番側にいてくれてる奴。
 好きだって、ことはまだ言ってないけど。」
その大切な奴にも、今心配を掛けているだろう。
「・・俺じゃダメ?
 俺、ルナの側にいたいよ。
 ルナ、俺の側にずっといてよ。
 寂しいんだよ、此処は。
 ルナがいてくれるなら、組織なんていらないから、側にいて。」
私の背中で、エンヴィ−はそう言う。
声は成人男性にしては高く、口調は子供っぽいところもあるけれど・・・・それが変わらないのに、雰囲気だけが違っていた。
何故か、土砂降りの雨の中のダンボ−ルの中で、なく仔猫のような感じだ。
「ごめん。
 お前の気持ちには応えられない。」
私がそう言うと、エンヴィ−は抱き締める力を更に強める。
「・・・ルナ、もう少しこの体勢で。」








+−−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+

ユア;募集というか、クイズを一つ。
久遠;何のクイズよ?
ユア;そりゃ、あれしかないでしょう。   
久遠;?
ユア;この上の文中で、ルナが言ってた『大切な奴』って言うのは、誰でしょうか?
久遠;商品とかは?
ユア;正解した先着3名様に、リク権をプレゼントです。
久遠;くるといいわね。
ユア;さあ、どうでしょう。
久遠&ユア:では、また次回。



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31088生か死か CASE 6―17 Truth の断片煌天由亜 2005/1/15 23:16:19
記事番号31014へのコメント


「こんにちわ、ヴァ−スさん。
 おとう・・・・リュシカさんいますか?」
ルナが攫われたと、連絡がきて、三日後の午後。
私の事務所に、ルナのところにいた赤ん坊・ベルトリドをかかえて入ってきたのはファランでした。
「おや、貴女が噂のリュシカの恋人ですか?」
「あのその、そうじゃないです。」
ファランは、しどろもどろになってしまいましたが、私はこう切り替えしました。
「では、親子ですか?」
「・・・・!?」
「なんでわかったのって、顔してますね。
 そこのソファ−に座っていなさい。
 お茶でも入れてきます。」
ファランは、大人しくソファに身を沈めたのを確認して、私は台所に入る。
そして、ア−シェルが置いて行ったクッキ−と紅茶を盆に載せ、戻る。
「とりあえず、どうぞ。」
「・・・あの何で知っているんですか?」
「貴女とは、血の繋がっていない姉妹になるからです。」
私は、紅茶のカップを傾けながら、眉一つ動かさずにそう告げました。
「?」
「貴女は、書類上、ガウルン=スペンサ−の娘でしょう?
 私は、あの男が父親なんですよ、かなり不本意ですが。」
「・・・・・あう。」
ファランは、おそらく口に含んだばかりの熱めの紅茶を驚いた表紙に飲み込んでしまい、涙目になっている。
「・・・・どう言うことですか、ヴァ−スお姉さん。」
咽喉のあたりをすすりながら、ファランはそう聞いてきます。
私は、それに苦笑しつつ、こう返しました。
「ある意味では違いますけどね。
 あの男は、何度も身体を変えているようですから。
 ・・・それでも、前の体と今の体は、双子でしたから、見た目は変わりませんけどね。
 とにかく、私は、ほんの一瞬でもあの男を父と感じたことは在りません。
 そういう事なんですよ。」
「・・でも何処で、何処で知ったんですか?」
「いろいろと、集めたんです。
 ファラン自身のこともいくつか知っています。」
「・・・・・・・」
「でも、何もない限り、誰にも話すつもりも、私の口から話つもりもありません。」
私は、ファランに、自分の横に座るように手招きをした。
優しく彼女の細い肩を私は抱いて、こう呟く。
「貴女は、私と違って、平穏に生きるほうが性にあっているようですね。
 ちゃんと、しあわ−」
私の言葉が終わる前に、見慣れない男が入ってきた。
「ビルトヴァ−ス=ホワイトフォッグか?
 若槻 月夜はどこだ?」
感情を見せずにそう言った青年は、背丈ほどの黒髪を二枚の板状の金具でとめており、ざくろ色の切れ長の目、黒い動きやすそうな革製の包(パオ)に身を包んだ二十歳前半ぐらいです。
彼は、1M半ほどの棒状の物を持っていた。
その前に立ちふさがったのは、ファランでした。





−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+

ユア;まだ、前回のクイズは有効です。
   明日のバイトは、早いので失礼いたします。

   それではまた次回。


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31089生か死か CASE6終了時までの台詞DE予告!!煌天由亜 2005/1/16 22:30:25
記事番号31014へのコメント


「僕は、リヴァ=レスト−ル。
 何時でも、君の側に在ったもの。」
−ルナに、向かってそう告げる謎の少年。

「やっぱり、ああいう風に言われても、ルナのこと好きだしね。」
−エンヴィ−の叶うべくない想い。

「お前にとって、仲間とはなんだ、レナ−ド?」
「月夜様をお守りする為の捨て駒。」
−歪みきった強き忠義。

「≪魔本主(ビブリオ=マスタ−)≫永蓮様が、配下≪赤き死神≫とは、この私。」
−戦いに、悦楽を求める悲しい運命(さだめ)。

「全てを話します。」
−創られたものの哀しい告白。

「僕達は、ファランを嫌わへんよ。」
−告白の後の温かな言葉。

「またね、ルナ。
 今度は、アマスガスの幹部として。」
−一応の決着の時。

「これは、面倒だね。
 そもそも何処で?」
−天河に告げられた、古き言術師の首飾りの真実。

「ねぇ、あのお姉さんが、天河の浮気相手?」
−白亜が、考え無に告げたとある証言。

「≪闇の魔術師≫よ。
 やはり、動いておるのじゃな?
 愚弟の愚かな計画は・・・・・」
「ええ、緩慢だけれども、確実に、完成の日を待っていますよ。」
−老女と≪闇の魔術師≫に交わされる会話。

「≪ラスト(色欲)≫ね、俺の娘と同じ計画から、生まれてきたけど全然違う。
 俺の娘が、ユリとかカスミ草なら、あいつは、バラとかアマリリスとかの派手系だね。」
「≪グラトニ−(暴食)≫は、食欲意外に、興味無って感じのお馬鹿さん。
 まあ、証拠が残らないって言う点だったら、一番だね。」
「≪スロウス(怠惰)≫は、まだ、俺の娘とかルナに似ているかな。
 ≪ラスト≫とかのお色気ムンムンってよりは、上品な美人かな。」
「≪グリ−ド(強欲)か。
 あいつと作戦組めって言うなら、大嫌いな≪ラスト≫と組んだ方がマシ。
 お父様が造る時性別間違えたとしか思えないよ、あの巨体。」
「≪ラ−ス(憤怒)≫。あの堅物の化石ジジイか。
 俺より歳上だし、尊敬もできるけど、なんか苦手なんだよね。」
「≪プライド(傲慢)≫くんね。
 一番の若造なのに、偉そうなチビッコ?」
−≪エンヴィ−(嫉妬)≫の眼からの他の七罪たち。

「ずっとこのままの生活が続くといいのに。」
−叶うことなんて望まない願い。

「・・・始まるね。」
−決戦の扉、今開かれん。




−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+

ユア;予定は未定にならないように、努力しますが、おそらく、今後のCASE6の予告です。
久遠:結構書き込むな。
   七罪のメンバ−名前のほう決まっているのか?
ユア;いいえ、外見すら決まってないのもいるよv
久遠;『いるよv』じゃないでしょうが。
   ・・・・・どうするのよ。
ユア;もちろん募集します・・・と言っても名前のみ。
   要項は、したのとおり。

・≪グラトニ−≫≪スロウス≫≪グリ−ド≫≪ラ−ス≫≪プライド≫の名前を募集。
・各人は、上記の順に 男・女・女・男・男と言う風に性別が決まっています・
 それに従った名前を。


ユア;と言うふうなかんじです。
   ご協力お願いいたします。
久遠:来るといいわね。
   来なかったら、結構マヌケね、作者ちゃん。
ユア;言わないで。
2人;ともかく、次回の本編で。

 



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31095毎度おなじみ!!GURE−TO MASA 2005/1/17 11:00:51
記事番号31089へのコメント

では、名前を投稿しますね。

>「≪グラトニ−(暴食)≫は、食欲意外に、興味無って感じのお馬鹿さん。
> まあ、証拠が残らないって言う点だったら、一番だね。」
大食いですか………『
では、『アルカイド』にしますか。
>「≪スロウス(怠惰)≫は、まだ、俺の娘とかルナに似ているかな。
> ≪ラスト≫とかのお色気ムンムンってよりは、上品な美人かな。」
うむ……では、『レッチーナ』でしょうかね。
>「≪グリ−ド(強欲)か。
> あいつと作戦組めって言うなら、大嫌いな≪ラスト≫と組んだ方がマシ。
> お父様が造る時性別間違えたとしか思えないよ、あの巨体。」
巨体の女性ですか……『サエンコ』でどうでしょうか?
>「≪ラ−ス(憤怒)≫。あの堅物の化石ジジイか。
> 俺より歳上だし、尊敬もできるけど、なんか苦手なんだよね。」
彼は、『ディック』か『イワン』がいいですね。
>「≪プライド(傲慢)≫くんね。
> 一番の若造なのに、偉そうなチビッコ?」
子供ですか…では、『マイケル』で。

では、よろしくお願いします。

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31100毎度感謝感激雨霰!!煌天由亜 2005/1/18 22:52:45
記事番号31095へのコメント



ありがとうございます。
幾つか、自分でも考えてみるつもりですが、MASAさんに貰った奴も使わせていただきます。
それでは、本編で。


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31105生か死か CASE 6―18 PINCH的状況煌天由亜 2005/1/19 23:40:23
記事番号31014へのコメント



「今は、いません。
 ≪アマスガス≫に攫われました。」
ファランは、その青年と対峙する。
ビルトヴァ-スは、あえて今はただ傍観している。
「邪魔した。」
「待ってください。
 貴方は誰ですか?」
「うるさい。
 ・・・・・ほう。」
青年は、ファランの顔をまじまじと見つめたかと思うと棒状の者を神速で抜きさり、斬りかかる。
「・・・・あ」
と言う漏れた声で、自分が、右肩から袈裟切りにされ、返す刀で、左腰から逆袈裟切りにされたことを自覚した。
きられた所が、熱を持っているのだろう、ファランは、苦悶に顔をゆがめる。
「人の娘に、なにやっている、お前。」
青年の後ろに来た小柄な男−リュシカが、そう言って彼の襟首を掴む。
少々、キレ気味のリュシカである。
「リュシカ、放って置きなさい。
 今は、ファラんの手当てが先です。」
「遺伝子上だろうがなんだろうと、自分の娘が傷つけられて黙ってられません。」
「リュシカッ!!」
冷静さを失っているリュシカにビルトヴァ−スは怒鳴り、一喝した。
それにより、リュシカの注意は一瞬それ青年は逃げてしまった。
ア−シェルとアズルは、途中誰にも会わずに部屋に入ってきて惨状に驚愕した。
「ファランさん!!」
「なんで、こないなことに。」
この2人、少し前まで、リュシカと良く出かけるファランを快く思ってなかったが、お菓子効果もあり、最近は姉貴分としてそれぞれしたっていた。
「ア−シェル、シ−ヴァんを呼んで。
 それと、アズル、クレマンを読んできてください。
 リュシカは、今ので泣いたベルをあやして。」
「コップ借ります。」
ア−シェルたちは、ビルトヴァ−スの要請に応え、それぞれ動く。
「いえ・・・・い・・・り・・・ごほっ。」
「ファラン、喋るな。」
ファランが何が言い掛けたがリュシカに止められた。
そうこうしている内に、コップの水に、シ−ヴァンを封じたアクアマリンを浸しこう唱える。
「≪我の血脈と汝に結ばれし 古き盟約。
    汝万物を潤し 汝万物を育む者
      我は望み 我は願い 我は誓う
        現世に 汝の具現を願う者なり
          現れよ ≪水騎士召喚(アクアナイト・サモン)≫」
その聖詞が終わると同時に、水の清浄な空気が集まり人の形を成し遂げる。
そう女戦士の格好のシ−ヴァンだった。
「主、な・・」
「シ−ヴァン。
 貴方、回復魔法はできる?
 ファランさんを治して。」
「私は、戦士型で回復は不得手です。」
シ−ヴァンの言葉に、周りは固まった。




+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+



ユア:緊迫の雰囲気で終わりました。
久遠;ねえ、ビルトちゃん。
   人でなしにとられそうだし、説明したら?
ユア;そうですね。
   今回、見殺し(死んでませんが)にした形になりましたが。
   一応、彼女なりの思惑があります。
久遠;フォロ−になってない。
ユア;思いやりという意味での思惑です。
   微妙に、この後、ルナサイド・ビルトサイドが、クロスオ−バ−していきます。
久遠;意味深ねぇ。
ユア;そうですか?
   ともかく、この後バトルが必然的に多くなります。
久遠:楽しみにしててね。
2人;では、次回。




      

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31114生か死か CASE 6-19 Coming Soon・・・・・・ 煌天由亜 2005/1/22 22:14:11
記事番号31014へのコメント



「でも多分大丈夫でしょう。
 禁じ手なんですが、このお嬢さんなら生き残れるでしょうし。」
「お前・・・分かったんですね。」
ジ−ヴァンの言葉で、リュシカはあるひとつの事を指摘する。
それを彼女は、沈黙と首肯で応えた。
「傷だけ塞げば大丈夫でしょう。」
小刀を取り出したジ−ヴァンに、心配げに、ア−シェルが質問した。
「・・・何をするんですの?」
「こうするの・・・・・ッ。」
小刀を静かに、指に這わせる。
血のような液体が、僅かに滲む。
それを完全に閉じられないファランの唇に入れて、彼女に含ませる。
すると、出血の勢いが緩み、やがて止まる。
「どうしたんじゃ、ビ・・・・・どうわぅ。」
「クレマン、診て下さい。」
「ほいほい。
 こりゃ、また・・・。」
その後、九十近い年齢で、白髪・丸サングラス・派手なシャツの上に白衣といったかくしゃくとしたおじいちゃんの医者をアズルはつれてきた。
このあたりで、ワリと有名な闇医者である。




「やっこさん。別嬪さんじゃからなお残念じゃのう。」
ファランが、ビルトヴァ−スに運ばれた後、クレマンが事後処理をしながらそうぼやく。
ちなみに、ア−シェルは既に帰宅した後のことである。
「・・・どうせ、口説けなくてでしょう、色ボケジジイ?」
「兄さん、何で色ボケジジイなん?」
「この歳で、曾孫みたいな歳の女性を口説いているからですよ。」
「ひどいのう。
 やっこさんの話聞かせたくないから、水の精霊使いのお嬢ちゃん返したんじゃろ・・・・灰髪の若いの?」
「・・・そうですよ。
 まだ、あの小には知って欲しくない。
 一応、彼女はまだ引き返せます。(いくら慕ってくれてもそれがある限りは・・)」
「兄さん、そら差別やないか?
 一応、僕はこの稼業に首までどっぷり使ってもうとるから仕方ないんかも知れんけどな。
 僕やシェルは、兄さん達に会えたから、買われたんよ。
 会わひんだら、僕は、今でもあの売春楼に追ったやろうし、シェルだって人形みたいにお嬢さんやっとったかもしれん。
 それでも、話とうないん?」
迷うリュシカの心に、アズルの言葉が突き刺さる。
アズルとア−シェル。
同性と異性。
裏の住人と財閥の娘。
同性愛と異性愛。
両極にある2人だが、リュシカとビルトヴァ−スに出会えなければそのときの境遇に甘んじ、今もそうしていただろう。
リュシカは、そんな2人から、最も望み、最も望まない者を同時に受けている。
2人は、リュシカを介し、親友であり、恋敵として互いを認めている。
「・・・そうですね。あたしももう少し考えます。」





−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+


ユア;とりあえずは、一端 ビルトサイドからアザ−サイド、そしてレイファルサイドに話は移ります。
   タイトルどおり 『もう少し待って』です。
久遠;にしても、これ半分くらい書き下ろしてるわよね。
ユア:そうですね。
   リュシカの『そうですね。彼女にはまだ〜』の台詞以降は、今打ち込みました。
久遠:なんか足りないなあ、と思ってでしょう?
ユア;いえす。 
   夜宵様(リュシカさん達のお母さん)には、少々伝えた覚えがある設定を掘り返しての書き下ろしなんです。
久遠;それにしても、アズル君かわいいわぁ。
   純情!!って感じで。
ユア;フツ−なら、甘んじて受けてしまうことをけってまで。
   恋敵と平等であろとしているんですし。
久遠;でも、読者の・・・・・とくに夜宵さんの反応怖いでしょ?  
ユア;否定はしない。
久遠;じゃ、作者が、怖がっている所で、また次回。
ユア:それでは。