◆−そう、例えるなら猫。−琴見奈々 (2004/8/5 20:13:58) No.30490
 ┗鈍ってませんね♪−紗希 (2004/8/5 21:27:12) No.30492
  ┗お母さん!!またひとつ賢くなりました!!!−琴見奈々 (2004/8/10 23:30:37) No.30525
   ┗いえいえ(汗)−紗希 (2004/8/16 21:39:37) No.30551
    ┗年代ものでしたので…−琴見奈々 (2004/8/17 19:47:03) No.30564
     ┗私の家のもやばいかも(汗)−紗希 (2004/8/19 21:48:28) No.30592


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30490そう、例えるなら猫。琴見奈々 E-mail 2004/8/5 20:13:58


こんにちわ、奈々でぃす。
夏休みに入ったのにちょっと間があいてしまいましたが…。
短編連作をいくつか投稿させていただきます。
最近なんとも猫が好きでして…でも飼えない↓↓
でも自分は多分飼えるようになっても、好きでも世話とかできないと思う↓↓↓
今日も近所のノラに手を振る毎日であります(;△;)

てかこのお話にはかなーーりうちの猫に対する妄想入ってますので!!!











そう、例えるなら猫。









土と埃、それから病。
そんなニオイの蔓延する、いかにも暗い裏路地。

男は慣れたように通りを歩く。
よそ者には厳しい視線が向けられるが、喧嘩を売ってくる者はまだいない。
相手にしないのがルールなのか、単に自分の風貌を薄気味悪く思って声をかけないだけか。

自分にはこういった空気が性に合う。

男は自嘲して口元に笑みを浮かべる。
『薄暗い裏路地が似合う』という自分に酔っているのだということに、男は気付いていない。
少し―いや、それよりもう少し―前なら、うるさくそれを指摘してくるような連れもいたものだが、わずらわしいやりとりも、それが心地よく感じられるころには、また隣を風が吹き抜けていくのだ。

一人が寂しいかと言われたら、口が裂けても寂しいとは言わないし、思ってもいない。
そういうことではなくて。振り返ってみれば、ああ、あんな空気も悪くないとか。
単独行動ばかりしていた自分としては、稀に見る団体行動。
振り回されることはしょっちゅうだった。
だが出てくるのは『あきれ』、『ためいき』、『くろう』……。。
決してにぎやかな感情ではないが、暗いものでなかったのも事実。
くすんだ思い出ばかりの中、そう長旅だったわけでもない、あの空間達だけが、記憶の中で鮮やかな色彩を放っている。

だいたい不必要にこんな道を通りたがるやつらではなかった。
街道のど真ん中をズカズカ擬音を立てて歩いているようなやつらだった。

思い出に漬かっている自分がいた。








ふと、自分の目の前を歩く猫の存在に気付いた。
黒猫だ。

こんな所にいるのに、触らなくてもわかる。毛並はツヤツヤ。
華奢というより、スラリとしたしなやかな肢体。猫背なんて言葉は浮かばない。
ぴんと伸びた細長いヒゲ。
同様に細長い尻尾は天に向いて。



男はこの通りに入ってから見た何匹かの猫たちを思い起こす。

ゴミ箱の上を自分の場所と決め込んだぶくぶく太ったぶち猫。
栄養不足でぱさついた毛を、もはやつくろおうとはしない、元は白かったであろう茶色がかった猫。
垂れ下がったヒゲと尻尾。究極に痩せ細った黒猫。
前足から血を流し、変色した目を持つトラ猫。

およそこの場にふさわしい猫たちばかりだ。





男はその猫に、紅茶色した髪の女の面影を見た。
猫の毛は、茶色でも白でもない、黒なのに。


その猫を、もう少し見ていたかった。
足音を抑えて、驚かさないように注意する。もっともこの喧騒の中にいる猫が、足音に驚いて逃げるというのは考えられなかったが。
猫の少し後ろを、男が歩く。
それは猫が男を先導しているようで、想像したら滑稽だった。



この薄汚れた路地のど真ん中を、堂々と、すました顔で歩く様は、清々しいほどだ。
しなりしなりと、優雅に歩く黒猫。
倒されて、中身が散らばるゴミ箱には見向きもしない。生ゴミの匂いだけが、男の鼻先に止まり、不快感を与える。

まるでたった今まで、豪邸で飼われていたような猫だ。実際そんなところだろう。
それが何故こんなところにいるのか。
迷い猫にでもなったか、はたまた捨てられたのか。

どちらにせよ、猫というものは、気位が高く、人になつきにくい。
優雅な生活から一転、路地裏に追い込まれても、犬のように従順にはならない。
まして娼婦のような猫なで声を出すのは、最初からここを拠点としているものだけだ。






その猫と、女の共通点の多さに男は苦笑した。
いや、あの女が猫に似ているのか?
気位が高くて気分屋。人にはなつかないが人は振り回す。
自分の利になるときだけ、猫が猫をかぶる。自分の価値をよく理解していた。
でかい目など、見た目もそうだ。
どんな傍若無人な振る舞いをしても、まるで悪びれない。
傍らに人なきが若し、とはよくいったものだ。
どんな窮地に陥っても、気丈でいる様は、まさに毛を逆立てる猫そのものだった。
そしてなにより、あの女は気高かった。




ん?
気配を感じた時、

ヒュッ――!!
「らあ゛ーーーー!!!」

ガシャンッ!!


風を切る音と、濁声と、何かが割れる音。


ぼーっとしすぎたか、というか気配が丸出しで、気にもとめていなかった。
路地の脇で昼間から酒を煽っていた酔っ払いが、猫に向かって酒ビンを投げつけたのだ。猫は気付き、頭上すれすれでよけた。

「クソ猫の分際で気取りやがってえ!!」
真っ赤な顔した酔っ払いが、近くにいくつも散乱している空き瓶を二本、両手に掴んだところで、

「俺の猫だ。手出しするな」
酔っ払いの正面に立ち、凄んでみせる。

元が気弱な赤ら顔は、それだけでうわーーっとどこかに逃げ行く。
所詮、猫相手に喧嘩するやつである。

男が通りに体を向けなおすと、猫はまだいた。
変わらずに、通りの真ん中を陣取って男の様子を見ていた。

男は猫を助けたつもりでいる。
鶴でも恩を感じたら、飛び立って何度も旋回するなり、態度で表すものだが。


「…………………」

ぷい。
ツーーン、という音が聞こえてきそうなぐらいの勢いですまし顔され、猫はまた、しなりしなりと歩きだす。


それでいい。
男の口元に笑みが浮かぶ。それは先ほどと全く違う、
『満足感』からくる笑みだ。


なんの未練も戸惑いも感じられず、その黒猫の後姿は、

『惹かれたアンタが、勝手にやったことでしょ』

とでも言いたげだった。




どんよりとした通りを、土と埃、それから病の中に、猫が気品を混ぜていく。


男は足を止め、猫を見送る。
自分にも、猫にも、同じ風が吹くのに、彼女までは届かない。


そう、あいつは猫みたいな女だった。


そう古くない記憶の中で、女と猫が重なった。

例えるなら猫。


男の記憶の中に、黒い猫の翠の瞳が、やけに鮮やかに刻まれた。




                             fin






ハイ。タカビーな猫さんでした。
意味不文失礼しました(´▲`)
あんまりわからないようにしたのですが、バレバレですね!!
これはリナの死後(死んでるし)ゼルが彼女を思い出してるって感じで。
リナは若くして死んだ設定です。あかん人ごめんなさい↓↓↓
ゼルは恋愛感情はないけど、リナに惹かれてたーみたいな。。

つまりリナって猫だよねって話です。

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30492鈍ってませんね♪紗希 2004/8/5 21:27:12
記事番号30490へのコメント

>こんにちわ、奈々でぃす。
こんにちは、紗希です☆

>夏休みに入ったのにちょっと間があいてしまいましたが…。
>短編連作をいくつか投稿させていただきます。
私もそんなものです。
つーか、あの連載終わらねぇ(汗)
夏休み中には終わらんよ、どうしよう(汗)
短編ですか♪
読みまくりですよ、師匠!

>最近なんとも猫が好きでして…でも飼えない↓↓
気ままな性格が、返っていいんですよねぇ☆

>決してにぎやかな感情ではないが、暗いものでなかったのも事実。
>くすんだ思い出ばかりの中、そう長旅だったわけでもない、あの空間達だけが、記憶の中で鮮やかな色彩を放っている。
良い表現ですね♪
在りし日が浮かんでくる…
灰色の世界の中で、4人で旅をした事だけ鮮やかな色彩をフィルムの中で放っている……v

>こんな所にいるのに、触らなくてもわかる。毛並はツヤツヤ。
>華奢というより、スラリとしたしなやかな肢体。猫背なんて言葉は浮かばない。
>ぴんと伸びた細長いヒゲ。
>同様に細長い尻尾は天に向いて。
こういった表現、私には出来ません、とても(汗)
師匠!
何故、あなたはこんなにも上手いの!?

>あんまりわからないようにしたのですが、バレバレですね!!
私の好きな『彼』ですからね♪
『彼』は、貴方ですか?

>ゼルは恋愛感情はないけど、リナに惹かれてたーみたいな。。
ああ、ありましたねぇ、そんな事。
恋愛感情だったかもしれないけれど、ゼル本人は気が付かなかった。
右手をだしたのが、少しは引かれていた証拠、かな?

こんな感想しか出来ませんが、宜しくです♪


P.S テグスとは『天蚕糸』。
    糸であり、RPGの中では時たま妖斬糸の一種として使われる事があるようです。

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30525お母さん!!またひとつ賢くなりました!!!琴見奈々 E-mail 2004/8/10 23:30:37
記事番号30492へのコメント


>こんにちは、紗希です☆
お返事遅れてごめんなさい↓↓↓
この前の雷でモデム(?)が壊れてネットに繋げなかったのです……。
そしてありがとうです★★

>>短編連作をいくつか投稿させていただきます。
>私もそんなものです。
>つーか、あの連載終わらねぇ(汗)
くれぐれも私みたいにならないように……!!

>夏休み中には終わらんよ、どうしよう(汗)
それぐらいは大したことないです(きぱ)。

>短編ですか♪
>読みまくりですよ、師匠!
まくるほどできないという現実が……ああごめんなさい!!

>>最近なんとも猫が好きでして…でも飼えない↓↓
>気ままな性格が、返っていいんですよねぇ☆
振り回されるのもなんかいいvvなついてくれないからよいのです☆☆☆

>>決してにぎやかな感情ではないが、暗いものでなかったのも事実。
>>くすんだ思い出ばかりの中、そう長旅だったわけでもない、あの空間達だけが、記憶の中で鮮やかな色彩を放っている。
>良い表現ですね♪
>在りし日が浮かんでくる…
>灰色の世界の中で、4人で旅をした事だけ鮮やかな色彩をフィルムの中で放っている……v
全体的に淡々とした空気にしたかったのです。
ゼルの思い出の中で、楽しかったことが四人でいたときだけっていうとなんか悲しいですけどね…。でも復讐に燃えてたときは良いものじゃなかったと思うし。ずっと昔の子供時代なら、あったかもしれませんね♪♪

>こういった表現、私には出来ません、とても(汗)
>師匠!
>何故、あなたはこんなにも上手いの!?
いや、そんな……!!ダメです!調子に乗るから………!!!
でもでもこんなヘボヘボにもったいないお言葉、ありがとうございます!!!
小躍りしています!!!←変質者

>『彼』は、貴方ですか?
『貴方』は、彼ですか?(違)

>>ゼルは恋愛感情はないけど、リナに惹かれてたーみたいな。。
>ああ、ありましたねぇ、そんな事。
>恋愛感情だったかもしれないけれど、ゼル本人は気が付かなかった。
>右手をだしたのが、少しは引かれていた証拠、かな?
リナっていろんな人惹きつけてるんですよね。男女問わず。
惹きつけて、振り回しても誰にも依存しない。私にとって彼女はまさしく猫なのです。

>こんな感想しか出来ませんが、宜しくです♪
いえいえ、とーっても嬉しかったですvvv

>P.S テグスとは『天蚕糸』。
>    糸であり、RPGの中では時たま妖斬糸の一種として使われる事があるようです。
ああっ。わざわざどうもです!!蚕の糸ですかね。

前に下の方のツリーにレスしておいたのご確認くだされ。(なんか催促みたいでごめんなさい;気付いてないかなあって思いまして…)


でわでわ〜〜〜

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30551いえいえ(汗)紗希 2004/8/16 21:39:37
記事番号30525へのコメント

>お返事遅れてごめんなさい↓↓↓
>この前の雷でモデム(?)が壊れてネットに繋げなかったのです……。
そうだったのですか…。
直撃ですか?

>>つーか、あの連載終わらねぇ(汗)
>くれぐれも私みたいにならないように……!!
いえいえ、師匠ほど偉大な人物もいらっしゃいませんよ。
師匠みたいにむしろなりたいっす(笑)

>>短編ですか♪
>>読みまくりですよ、師匠!
>まくるほどできないという現実が……ああごめんなさい!!
その変わり、心にジーンとくるものがあるではないですか!
胸張って良いですよ♪

>前に下の方のツリーにレスしておいたのご確認くだされ。(なんか催促みたいでごめんなさい;気付いてないかなあって思いまして…)
いえいえ、ちゃんとレスしておいたので、後ほど見ておいて下さいね☆

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30564年代ものでしたので…琴見奈々 E-mail 2004/8/17 19:47:03
記事番号30551へのコメント


>>この前の雷でモデム(?)が壊れてネットに繋げなかったのです……。
>そうだったのですか…。
>直撃ですか?
雷がひどかったので一応電源は切っていたんですが(=”=;)
翌日立ち上げたらネットにつなげなかったー…!!
ここらへんでは結構パソ被害出たようです。

>いえいえ、師匠ほど偉大な人物もいらっしゃいませんよ。
気を確かに!!もっと世の中をちゃんと見るのです!!
>師匠みたいにむしろなりたいっす(笑)
今からそんなこと言っててどうするんですか!!てか師匠ってヤメテ……。

>その変わり、心にジーンとくるものがあるではないですか!
>胸張って良いですよ♪
ああっ、ありがたいお言葉…心にジーンと来たのです……。

>>前に下の方のツリーにレスしておいたのご確認くだされ。(なんか催促みたいでごめんなさい;気付いてないかなあって思いまして…)
>いえいえ、ちゃんとレスしておいたので、後ほど見ておいて下さいね☆
わざわざお知らせくださってホントゥにどうもです。。しかもそんなたいしたコメントできてないのに……!!うわん、バカバカあ!!←最近被害妄想が果てしなく暴走中

それでは……本当にありがとうございました!!

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30592私の家のもやばいかも(汗)紗希 2004/8/19 21:48:28
記事番号30564へのコメント

>雷がひどかったので一応電源は切っていたんですが(=”=;)
>翌日立ち上げたらネットにつなげなかったー…!!
>ここらへんでは結構パソ被害出たようです。
こんばんわ。
そうだったんですか!回線が切れていたのかもしれませんね。
すぐに復旧してよかったですね☆

>>いえいえ、師匠ほど偉大な人物もいらっしゃいませんよ。
>気を確かに!!もっと世の中をちゃんと見るのです!!
そうですか(笑)
高校受験はもう、5年前の事なんですがね(笑)

>>師匠みたいにむしろなりたいっす(笑)
>今からそんなこと言っててどうするんですか!!てか師匠ってヤメテ……。
あ、師匠はいやでしたか?
う〜ん… 先生はどうですか!?

>>その変わり、心にジーンとくるものがあるではないですか!
>>胸張って良いですよ♪
>ああっ、ありがたいお言葉…心にジーンと来たのです……。
それなら良かったです♪
ってか、私が貴方に説いてどうするよ(笑)

>>いえいえ、ちゃんとレスしておいたので、後ほど見ておいて下さいね☆
>わざわざお知らせくださってホントゥにどうもです。。しかもそんなたいしたコメントできてないのに……!!
>うわん、バカバカあ!!←最近被害妄想が果てしなく暴走中
いえ、お知らせを下さったのですから、それは伝えておくべき、と判断しましたので。
私の判断ですよ。貴方が気を遣う必要はないですよ♪

>それでは……本当にありがとうございました!!
いえ、こちらこそ有り難う御座いました♪
それでは、また…