◆−チルドレン 第一章:十二話−○かほ○ (2004/6/26 16:05:07) No.30298
 ┗チルドレン 第一章:十三話−○かほ○ (2004/7/17 14:33:49) No.30438


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30298チルドレン 第一章:十二話○かほ○ 2004/6/26 16:05:07



――――――知ってる?奥様。
       ブラウンさん、狂ってじぶんのお子さん殺しちゃったんですって。

   えぇ!?最近めっきり見かけなくなったと思ってたら…。

    怖いわねぇ。

  ていうか、最近そういう事件が多発してるんでしょう?

   そういえば隣町でもあったらしいわよ。

     変な伝染病かしら。

   さぁ…

      逆に子供が親を殺したとかいう噂も聞いたわよ。

    えぇ!?そんなにいっぱい起こってるの!?

  みたいね…、ホント何かしら…

    不吉ね…、何か起こらなければいいけど…


日課の朝のラジオ体操に行って聞いたのは、こんな話だった。
朝から気分を悪くしながら、エルツは自分の宿に戻ると、朝食を一階の食堂で食べ、自分の部屋に戻った。
ベッドに仰向けに倒れると、朝の会話が思い出された。
天井のシミが、不気味に笑っているように見える。
――ブラウンさんは、いい人だった。
初めて朝のラジオ体操に行ったとき、最初に彼女が話しかけてくれた。
よく笑う、陽気なおばさんだった。
それと同時に、自分の子供の話もよくしてくれた。
とても、自分の子供を愛してたようだったのに―――…
「人間って分からない」
呟くと、隣の部屋の兄にこの話をしようと思い、ベッドから起きあがった。
正直、ブラウンさんの子供が羨ましかったりしていた。
あんないいお母さんが持てて。
とても、羨ましかった。
なのに―――
はぁ、ため息が漏れた。
気が付くと、もう隣の部屋の前まできていた。
とんとん。
「エルニ、いる?」
返事無し。
けど、気配がある。
「………」
かちゃ。
きぃ…。
軽くきしんでドアが開いた。
少しの隙間から、中を覗く。
「……いない?」
驚き桃の木山椒の木。
なら、ベッドのなかの気配は…。
布団は、少し盛り上がっていた。
しかし、人の大きさではない。
もっと小さかった。
「………」
無言でベッドに近づき、布団をはぎ取る。
「なっ…」
なめくじ――――のぬいぐるみ。


                             −続く−


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30438チルドレン 第一章:十三話○かほ○ 2004/7/17 14:33:49
記事番号30298へのコメント


どういうことだろうか。
エルツは仏頂面でナメクジのぬいぐるみを抱えて、エルニのベッドに腰掛けていた。
目を離すとすぐいなくなったりしてたけど、すぐ宿の部屋に気配が生まれるからてっきり部屋の中にいるものと思っていたのに…。
エルツは自分の抱えているぬいぐるみに目を落とした。
まさかぬいぐるみに自分の一部を与えて、気配をつくっていたなんて…。
「朝のラジオ体操の時だって一応気配があるのを確認してたのに…」
これじゃあ無意味だったわけだ。
「…………」
この要領じゃ、部屋にいるときはいつもどっかにいっていると考えた方がいいだろう。
「…でも、どこに?」
兄は、自分が創られる前からここの世界に住んでいた。
となれば知人、友人がいてもおかしくないだろう。
「…そうだ」
エルツはベッドから腰を上げた。
そして、何事もなかったかのようにナメクジを布団のなかに入れる。
ぱちんっ
エルツが指を鳴らすと、ベッドはいつの間にかエルツが布団を触る前の状態に戻っていた。
「よしっ」
それを確認すると、エルツは一階の食堂へと向かった。
エルニは、この世界に来たときからずっとこの宿に住んでるらしい。
宿の主人なら何か知っているかもしれない。
朝食の時間を少し過ぎた朝の食堂は空いていた。
カウンタ−の椅子をひいて座る。
宿の主人は皿を洗っていたが、エルツに気づくと手を止めてにっこりと笑った。
「おはようエルツちゃん。
 今日はちょっと遅かったね」
「ちょっと部屋で瞑想にふけってたから…
 …おじさん、兄…お兄ちゃんの友人とか知らない?」
お兄ちゃんだって…。
自分で言ってて寒気がしたエルツだった。
「…エルニ君に友人かい?
 う−ん、聞いたこともなければ見たこともないねぇ、どうしてだい?」
目を丸くして言うおじさん。
「いや、私の目を盗んでしょっちゅうどっか行ってるみたいだから…」
「エルツちゃんの目を盗んでかい?
 あぁ、それならこれの所じゃないかな」
にんまりと笑い小指をたてるおじさん。
「?オカマ…?」
「いやいや、オカマじゃないよ」
「コユビさん?」
「いや、コユビさんでもなくて」
「指切りげんまん?」
「嘘付いたらハリ千本の−ます♪っじゃなくてっ!」
おじさん見事なノリ突っ込み。
「ん−と、だから…恋人……の所じゃないかな?」
「恋人っ?」
今度は私が目を丸くする番だった。
「エルニ君顔が良いしね、一人や二人いるんじゃないの?」





                              −続く−

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母がいないので、またもや投稿。
腰が痛い。
この年で腰が痛い。
ヤバイかもしれない…。
では皆様夏風邪に注意してください。