◆−魔族の子供  第一話、子供−雪月 (2004/5/12 17:30:30) No.30011


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30011魔族の子供  第一話、子供雪月 URL2004/5/12 17:30:30


前に設定してましたゼロスの作り出した見かけ12歳の少年魔族物語です。
スレイヤーズ「無印」か「NEXT」か「TRY」かときかれれば・・・わからないです(汗
とりあえずは「NEXT」が基盤ということで。
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+魔族の子供+  ―第一話 子供―







よく晴れたある一日の事。
リナたちは珍しく魔族の襲撃に遭うことなく次の町目指して旅を続けていた。
道なりに進んでいくと森を抜け、広い草原が現れた。
青い空、白い雲、吹き抜けていくすがすがしい風に一向はため息をつくと
「いい天気ねぇー―!!」
うーん!と背伸びをしてリナはすぐさまその場に寝転んだ。
「ほんと・・いい天気ですねぇ・・」
「魔族の襲撃も無いしな。」
アメリアとゼルガディスもリナに続いて草原に腰を下ろした。
「魔族っていやぁ・・ゼロスはどうしたんだ―?今朝から見かけねぇんだけど。」
リナの隣に同じように金色の長い髪をなびかせながらガウリイが聞く。
「なんでも?朝早くに獣王からお呼び出しがかかったそうよ。」

これが今朝あたしの部屋の前におかれてた置手紙。

はき捨てるようにそういってガウリイに渡す。
広げるとアメリアもゼルガディスも覗き込む




クレアバイブルの写本があるカタート山脈までまだ日があります。
急いでいっても何も変わらないでしょうし、皆さんはゆっくり旅をしててください
僕も用事が終わったらすぐに戻りますので。

                     ――ゼロスよりv――



「「「・・・・・・」」」
魔族の癖に几帳面なやつである。
わざわざ置手紙までおいて出かけていくなんてあんたは子持ちの主婦か。
「このハートは少しやめてほしかったな・・・」
げんなりした様子のゼルガディス。
「ほっときなさいよゼル。戻ってくるって言ってんだから。それに
 こんな陽気な日に魔族の事なんか考えないほうがいいわ。」
目をつぶって気持ちよさそうに横になるリナ。
それに見習って4人が草原に寝転がっていると


えーん・・・

えーん・・・


どこからか子供の泣き声が聞こえてきた。
ここは森を抜けたといっても町からは大分離れたところにある草原で。
「リナさん。子供が泣いてます・・・」
すくっと立ち上がってあたりを見回すアメリア。
「そうねぇー泣いてるわね―・・」
「どこにいるんでしょう。」
「そうね―どこにいるのかしらねー。」
「私・・・ちょっと探してきます!!」
そのまま声のするほうに走っていくアメリアにゼルガディスは呼びかけたがその声は届かなかった。
人1倍・・・いや・・・人10倍位正義感の強いアメリアのことだ。
その子供を助けようと思っているに違いない。
「リナー。アメリアの後追わなくていいのかぁー?」
魔族の襲撃が途絶えたといってもまだ油断はできないこの時期に一人行動は危険だとガウリイは思ったのだろう。
「いいのよ。子供はきっとすぐそばにいるわ。」
リナのその言葉はどうやらあたっていたらしく、
茂みの中からアメリアに手を引かれて泣きじゃくる小さな少年が姿をあらわした。

「リナさん―この子迷子らしいです・・。」
泣きじゃくる少年にハンカチを差し出して背中をさすっているアメリア
「迷子!?こんな山奥まで?」
その言葉に反応したリナが思いっきり反動をつけて立ち上がったので
目の前の少年が一瞬びくりとおびえた。
「お母さんに買い物を頼まれたらしいんです。でも途中で迷子になって帰れなくなったそうなんですよ」
規則的に嗚咽は聞こえてくるものの泣き止んだ少年は目元を赤くしてハンカチを握っている。

なんていうか・・・可愛い子だなぁ。

リナは素直にそう思った
黒紫の髪の毛は軽いシャギーを入れてショートカットにしている。
薄青紫色の猫目も、白い肌も、整った顔つきもなにやらとてつもなく可愛らしいのだが・・・

「リナ・・・この子供・・」
「ええ。あたしもおんなじこと思ったわ。」

ゼルガディスとリナが同時に思ったこと。



―――あのゴキブリ魔族、ゼロスによく似ている。



先ほどの容姿といい着ているものも黒い神官服を短めに調整したようなもので
一丁前に青い宝石のついたゼロスの持ってる杖そっくりのものを持ち黒マントまでつけている。


「ご家族に魔導士さんがいらっしゃるんですか?」
少年の格好を不思議に思ったアメリアが笑顔で優しく尋ねると
少年も少し笑顔を見せて「うん」と肯定の返事をする。
「ねぇ。あんた名前は?」
リナが少年に目線を合わせるようにかがんで尋ねる。
すると少年はアメリアに少し隠れるように後ろに下がると
「・・・・・・ゼルス・・といいます・・・」
少しもじもじしながらそう言い放った。


「ゼルス・・?」


その名前を聞いて4人は一瞬固まる。
「どこかで似たような名前を・・」
「いや・・何も関係ないだろ・・この子供は。」
「姿がと名前似てるからって・・・」
3人が少年に聞こえないようにこそこそと話していると

「おまえ・・ゼロスにそっくりだなぁ!」

なんて盛大に大きな声で感嘆の声をあげた。
思わずずっこける3人。
目を丸くしている少年ゼルス。
「気・・気にしないでね。ゼルス。このおにいちゃん変だから・・」
ガウリイの口を抑えながら慌てて話を逸らそうとするリナをよそに
少年は寂しそうだった顔が彼の一言で、一気にうれしさ満開の笑みに変わった。





「お兄さんたち・・ゼロス様の事知ってるの!?」




――――――え?




「ゼルス・・?ゼロス「様」って・・・」

リナが口元を引きつらせながらたずねようとしたそのとき

「いやぁーお待たせしました皆さん。」
空中から突如現れた黒い神官服を着た朗らかに笑う青年。
「「「「ゼロス!!」」」」
「ゼロス様!」
5人の叫びに名前をを呼ばれた本人は
「やぁやぁ」
などとどこぞのアイドルのような反応を返していたがゼルスを見たとたん・・・・・









「ゼルス―――!?」

「ゼロス様ぁー―!!」






めったに笑顔を絶やさないゼロスが目を見開いて自分のほうに駆け寄ってくる少年を見つめた。

呆然とするゼロス

そしてそれ以上に白い砂と化す4人。





















この少年は一体だぁれ?



















NEXT







++あとがき+++++
オリキャラ入れるの好きです(ぉぃ
次は海王将軍と覇王神官を出しますね。やはり名前はオリジナル・・(笑
また続きものですが・・がんばって書かせていただきますね。
失礼しました―。