◆−先に (ガウリナ暗め。+ルクミリ(リナ視点)−桜月 梓 (2004/3/25 20:07:26) No.29701
 ┣先へ (ガウリナ暗め。+ルクミリ(ガウリイ視点)−桜月 梓 (2004/3/26 18:11:20) No.29708
 ┗どっちもの感想です−純そば茶屋 (2004/3/27 21:08:06) No.29714
  ┗Re:ありがとうございます。−桜月 梓 (2004/3/28 12:44:19) No.29716


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29701先に (ガウリナ暗め。+ルクミリ(リナ視点)桜月 梓 2004/3/25 20:07:26






 痛い




 何がって?




 決まってるじゃない、あたしの心よ




 誰が「似合わない」ですって?!




 悪かったわね、あたしだって感傷に浸ることだってあるのっ!!




 ・・・こほん




 嫌なほど振りつづける雨を見れば、誰だって憂鬱になるはずよ





 ・・・本当は雨なんて見てないんだけどね・・・





 痛む心に浮かんでくるのは、あのバカップル(彼女の方は否定しそうだけど)





 あたしが気づけなかったから





 もう少し早く、相手の意図に気がついていたとしたら



 彼女は傷つかずに



 もう少し力が、あたし自身が復活魔法を使えていたら



 彼女は死なずに



 もう少し心が、強くあって言葉で止められたとしたら



 彼を殺さずに



 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 先に歩けたら





 何年か前にも、同じではないけど似たような場面に遭遇した事がある





 あの時は・・・あたしはあいつの為に世界を裏切った





 世界なんてどうでも良かった・・・1番にあいつを助けたかったから・・・





 今回はあたし達、違う、あたしだけの問題のはずだったのに




 またあいつまで巻き込んでしまった




 あいつを置いて逃げようかと、あいつを置いてまた1人で旅立とうかと、




 あの後、あたしは何回くらい考えたのかな




 言い訳って分かってるけど、でもあいつが優しい言葉をかけるから




 あいつが大事だから、あたしはあいつから離れる事が出来ないの






 「リナ」





 ・・・ほら、また・・・






 「何?ガウリイ」







 「・・・もうすぐ、ルークとミリーナの命日だよな・・・」






 「・・・ん・・・」






 「墓参り、行こうな」






 「・・・うん・・・」







 乱れるから止めてって言っても、あいつはあたしの髪を撫でる事を止めない




 その時は怒るけど、何だか今は居心地が良すぎるのよね




 ガウリイの肩に頭を乗せてみる




 ガウリイは優しく微笑んであたしの頭を撫で続ける






 ・・・暖かい・・・






 しめっぽいから泣く事だけは嫌いなのよ、あたしは







 だから、今だけこの雨をあたしの涙にするわ






 止まない雨はない、だから長びいてる雨に見えても、それはほんの少しの時間でしかない





 小さい頃、誰かにそうやって言われた記憶があるから






 だから、今だけこの雨をあたしの闇にするわ







 ルークとミリーナの2人には、見られたくないもの





 それこそ「似合わない」ってからかわれるのがオチだから






 ねぇ、あたしはあんた達の分も笑って生きてみせるわ







 ・・・次は・・・次に会う時は・・・お願いだから幸せになってよね・・・?









 ガウリイと一緒に、笑ってあげるわ、あんた達のバカップルぶりに








 ね







 あたしは先に進んでやるわよ









END.



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 こんばんは、小説読み返して衝動的に書いてしまった桜月梓です。
 シリアスは読むの苦手だというのに、普通に書けてしまう私って・・・?
 設定としては最終決戦から1年後のゼフィーリアということで。
 それでは乱文ですので失礼致します。


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29708先へ (ガウリナ暗め。+ルクミリ(ガウリイ視点)桜月 梓 2004/3/26 18:11:20
記事番号29701へのコメント







 雨が降ってる






 雨が降りつづけてる






 俺は別に雨は嫌いじゃない、けど好きでもない






 傭兵だったころは・・・好きの部類に入ってたと思う






 剣に、手に、顔に、服についた血を全部洗い流してくれるから







 ― ・・・いっそこの痛い心も洗い流してくれれば良いのにな・・・ ―







 一族の争いの元になった光の剣を持ち出して、家を飛び出して、








 希望なんかなかった時の、昔の俺はそう思ったかもしれない







 良く覚えてないけど







 そう言ったら、おまえ等なら「俺らしい」ってからかうんだと思う








 でも俺がそんな仕事してたなんて、今は言いたくない







 思い出したくもない







 でもこんな日は思い出す時があるんだ








 だけど、その思い出す事はだんだん薄れていくのが分かる








 その過去に塗り重ねられていく、新しい過去がたくさんあるから








 最近塗り重ねられたのは、1年くらい前に出会った、おまえ等のことだ








 おまえ等を助けられなくて、あいつの心に傷をつけてしまった俺がいる








 あいつの泣き顔なんて、旅しててあの時に初めて見たんだぞ?







 出来る事なら、そんな涙なんて見たくなかったけど






 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 もう少し、 先へ歩けたら






 ・・・あんな涙なんて見る事がなかったんだろうか?








 あいつが初めてなんだ・・・こういう気持ちは・・・もう、あんな思いはさせやしない








 何度か、あいつが俺から離れようと考えていたとは分かってた







 でも・・・離したらあいつは立ち直れないと思ったから、絶対に離さなかった







 もうそんな事考えてないと思うけど






 「リナ」






 ・・・大丈夫だ・・・分かってる





 「何?ガウリイ」






 「・・・もうすぐ、ルークとミリーナの命日だよな・・・」






 「・・・ん・・・」






 「墓参り、行こうな」






 「・・・うん・・・」






 乱れるから止めてって言われるけど、俺はリナの頭を撫でる事は止めない






 その時は怒られるけど、何だかリナも心地よさそうにしてくれるから






 リナがことんと俺の肩に頭を乗せる






 俺は優しく微笑んでリナの頭を撫で続ける






 ・・・俺達は生きてるんだ・・・






 俺はリナにあんな思いをさせないために、これからもっと強くなるさ






 だから、俺はずっとリナの傍から離れない






 止まない雨はない、だから長びいてる雨に見えても、それはほんの少しの時間でしかない






 小さい頃、確か、メリルーンばあちゃんにそうやって言われたっけなぁ・・・







 そうだな・・・今は・・・昔と違う意味で雨は好きになれるかもしれない






 ルークとミリーナの2人には、教えてやらない







 それこそ「似合わない」ってからかわれるのがオチだしな








 なぁ、俺はおまえ等の分も笑って生きてみせるぞ







 ・・・次は・・・次に会う時は・・・お願いだから幸せになってくれよ・・・?







 その時はリナと一緒に笑ってやるよ、おまえ等のバカップルぶりに






 な







 俺達は先へ進んでやるよ








END.



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 昨日に続いて今度はガウリイヴァージョンを書いてしまいました。
 しかし・・・ガウリイに「先へ」って言わせて見ると意味が違う風に
 聞こえるのは何故だろうか(待待待)まぁ、ガウリイだからか・・・。
 ではでは。


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29714どっちもの感想です純そば茶屋 2004/3/27 21:08:06
記事番号29701へのコメント


はじめまして、純そば茶屋と申します。
この2つの詩を読んで思ったことは、すごくきれいな詩だと思いました。
しかも詩の各部にそれぞれのキャラの感じが出て良いですね。
二つの詩の共通部分やもう一方の詩を受けてのところとか、原作から取ってきたところとかほんといい感じです。
引っかかるようなところもなく流れるように読める詩ですね。
これからも頑張ってくださいね。




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29716Re:ありがとうございます。桜月 梓 2004/3/28 12:44:19
記事番号29714へのコメント


どうも初めましてこんにちは。改めまして、桜月梓といいます。
純そば茶屋さん、このたびはコメントありがとうございました。
きれい、ですか・・・?それはそれは私には勿体無い言葉で・・・(汗)
切なめ一人称(他言:生ぬるい)の小説って書きやすいんですよね。
ガウリイヴァージョンは後から書いたものですが、リンクさせる事だけは
最初から頭の中で決まってました。
衝動的に書いた物なので読み辛い、と自分では思ってたのですが
そう思ってくださって嬉しかったです。

ではでは、もう1度最後に。
コメントありがとうございました、励みに頑張らさせてもらいます。