◆−CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第四話−エーナ (2004/2/9 20:47:38) No.29308
 ┣CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第五話−エーナ (2004/2/11 11:35:32) No.29317
 ┗CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第六話−エーナ (2004/2/14 08:02:40) No.29336
  ┗申し訳ありません。+アンケート−エーナ (2004/2/21 06:59:48) No.29395
   ┗Re:申し訳ありません。+アンケート−すぅ (2004/2/21 20:57:54) No.29403
    ┣ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?――1−エーナ (2004/2/22 15:07:19) No.29409
    ┗ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?――2−エーナ (2004/2/25 19:46:35) No.29443


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29308CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第四話エーナ E-mail 2004/2/9 20:47:38



あれから数日。
あたしはずっとここで待っていた。
アトラスに居るのかって?
違う違う。あたしがいるのは――


ディルギアたちとリナ・ゼルガディスが戦うところ。


「んー。」

街道のど真ん中。
あたしはここでうなっていた。
位置的には問題ない。
この近くでもうすぐことは起こる。

・・・がぅん!

どうやらあたったようである。
いまのは火炎球〔ファイアー・ボール〕の炸裂した音。
あたしは急いで、そちらへと駆けた。




CARRIED SCOPE〜万華鏡〜
               一章 第四話


「あぅっ!」

右腕に激痛が走る。

振り向くと、そこにゾロムが立っていた。

「死んだなどとは誰も言っておらんよ。嬢ちゃ――」

「烈閃砲〔エルメキア・フレイム〕っ!!」

こぉっ!

極太の光の砲。
その術を放ったのは――

「ルキっ!?」

「また会ったわね!リナ!」

そこには、不敵に笑う彼女がいた。

「・・・ほお・・・仲間か」

「あたしは彼女の姉みたいなものよ」

ゾロムの問いに、首を振って答えるルキ。
こらっ!誰があんたの妹よっ!誰がっ!

「ふむ・・・・・・まあ、何でもよいわ。とにかくワシとおまえは敵同士、と言う事になるのだろう?」

「まーね。おじーさん」

「なら、ぬしから倒してやろうぞ」

ルキが金色の閃光のごとく、奔るっ!

「かぁっ!」

気合と共に繰り出される炎の鞭と銀の針。それをことごとく避け、ルキは一気に間合いを詰める!
その手は剣の柄にかかっており――

ひゅおっ!

風の音がうなった。
それは見事にゾロムの頭を断ち割り――ルキは横へと飛びのく!

「ほう・・・若いわりにはやりおるわい。
しかし若いの、それでこのわしを切る事なんぞできんよ」

銀色の針を放った後・・・

「ちょっとおじーさん。この剣の文字見えないの?」

ゾロムのことばに呆れ顔で言い放つルキ。
剣の中央に細かく刻まれる文様。
どうやらそれが、ルキが数日前に言っていた『回路』のようだ。

「ほう・・・?文字じゃと?
一体どんな・・・
・・・・・・・・・なにっ!?」

驚愕する魔族。
おひ。一体なんだってゆーのよ?

「でもどうせだし、派手に行こうじゃない?」

剣をおさめてつばにルキが触れると、その柄はあっさりと外れた。
ってまてこら!分かってるのかこいつ!?

そして彼女は――駆ける!

「光よ!」

ぞむっ!

その柄から生まれた光の刃は・・・あっさりとゾロムを断ち割っていた。

「光の剣!?」

「正式名称は烈閃の剣〔ゴルンノヴァ〕よ」

「ルキ・・・それちょうだいっ!」

ルキは呆れ顔でため息をついた。

「500でどう?」

「・・・・・・リナ」

「なら思い切って550!」

なおもしつこくあたしは食い下がる。

「リナ・・・そんな場合じゃないでしょーが・・・」

「まあ、冗談はともかく・・・ゼルガディスのところに行くわよ!彼があたしを助けてくれたの!ついてきて!」

「OK!」




ごろごろと転がる骸〔むくろ〕。

「助太刀に着たわよ、ゼルガディス!」

「ってわけでさくさくっといくわよっ!」

光の剣をふるい、彼女は次々に敵をほふる。

「うや?」

ルキはふと足を止め、今まで誰もいなかった方向に目を向ける。

「ロディマスと・・・ゾルフ、かしら?」

・・・って・・・美形のオジサマv(←ここがポイント)がゾルフぅ!?

「よく来てくれた!助かったぜっ!」

めりゅっ!
ディルギアが言うが早いか、ロディマスがディルギアを張り倒す。

「な、何をっ!?」

「わしが忠誠を誓ったのはゼルガディス殿一人。赤法師などというわけの分からぬやからに義理立てするいわれはない!」

言って、老騎士は走る。
そこからの展開は一方的だった。
ルキが剣と魔法でなぎ倒し。
散る雑魚が槍斧〔ハウルバード〕に貫かれる。
結局、その場には骸しか残らなかった。









リナから『詳しいいきさつ』を聞いてちょっとばかし気が抜けたあと(当然あたしは聞き流していた)。
あたしとゼルガディスは立ち上がった。

「俺に賢者の石を渡すつもりはあるか?」

「ないわ」

あっさりとあたしは言い切った。

「――だろうな」

ゼルガディスが腰の剣に手をかける。
あたしも剣の柄に手をかけた。

「やはり、これしかないようだな・・・」

あたしとゼルガディスが対峙する。

「そーみたいね」

「お前たちは下がっていろ」

その言葉に、ロディマスとゾルフが退いた。

「ちょ・・・ちょっと!いいかげんにしなさいってば!
そりゃあたしかに興味深い対戦になるだろうけど、先にやらなくちゃならないことがあるでしょ!」

「全く――このお嬢さんの言うとおりですよ」

気付けばその声の主・・・レゾはリナの真後ろにたっていた。

「・・・レゾ・・・!?」

ゼルガディスが息を呑む。

「単刀直入に言いましょう。
用件は言うまでもなく・・・」

「・・・これ?」

あたしが神像を取り出す

「ええ。その神像の・・・賢者の石です。
あ、変な気を起こさないことです。彼女の首筋に差し込んだ針をもう一押しすれば、私は人殺しになる」

「よせ!」

ゼルガディスが叫ぶが、あたしは深くため息をつき・・・それを放り投げる。

――ぱぎっ!

オリハルコンが砕ける。

「確かに――確かに受け取ったぞ!」

内側にあるのは・・・当然、賢者の石である。
レゾはとんっ、とリナを突き飛ばし・・・石を飲み込んだ!

ごぅっ!

すさまじい強風。
・・・いや。これは風などではない。
物質的な力さえ持った強い瘴気。
そしてすぐさま中心であるレゾに対してゼルガディスが魔法を仕掛ける。
精霊魔法最大の呪文、崩霊裂〔ラ・ティルト〕。
無理である。あいつに対しては何の意味もない。

「――退くわよ」

「・・・へ?」

「あれはもう『赤法師・レゾ』じゃない!あれは、魔王シャブラニグドゥ!
人間が扱う普通の術じゃ倒す事なんてできやしない!
――逃げなさい!」


ひとつ。違う道を行こう。


「あたしが止める!逃げて!」



さあ、あたしを呼んだあなたはどうする?








あとがき

エ:よし第四話かんりょうっ!

L:・・・なんか最後違う展開になってるんだけどっ!?

エ:わざとです。当然。
  でもあんまりかわらないっすね。

L:・・・・・・。うーみゅ・・・なんだかルキを呼んだのが誰だかわかってるような口ぶりね・・・

エ:『見当はついている。可能性は99%くらい』って感じですね。
  実際ルキは誰が自分を呼んだか見当がついています。
  と言うか他には考えられないと言うか。

L:ををっ!大ヒントねっ!
  くくぅっ!はてさてどうなる事やら!
  次のお話でまたお会いしませうっ!


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29317CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第五話エーナ E-mail 2004/2/11 11:35:32
記事番号29308へのコメント


「あたしが止める!逃げて!」

「・・・っ!?ルキ、あんた何言って・・・!」

ルキの発言に、あたしたちは息をのむ。
彼女は一体――何を考えている!?

「大丈夫。こんな睡眠不足の人間みたいな名前のついたヤツに倒されるつもりなんてさらさらないしね!」

行ったルキの瞳には、覚悟も、悲壮感もなかった。
あるのは決意と、絶対なる意思。
これは――てこでも動きそうにない。

「・・・くっくくくくくく・・・」

あたしたちの耳に、魔王の哄笑が響いた。





CARRIED SCOPE〜万華鏡〜
               一章 第五話


「逃げるか?それもよかろう。
――選ばせてやろう。好きな道を。このわしに再び生を与えてくれたそのささやかな礼として。
このわしに従うのならば天寿を全うさせてやろう。
もしそれがいやだと言うのなら・・・北の魔王を復活させる前に、わしが汝らの相手をしてやろう」

そのセリフを――あたしは鼻で笑った。

「バカ言ってるんじゃないわよシャブラニグドゥ!
この寝不足男!ウサギっ!エビカニ!パシリ魔族!」

「・・・・・・・・・・・・(怒)。」

あ。ぷるぷるふるえてる。
うし。もう一押し。

「やーいやーい部下Sのくせに〜♪」

あたしはさらに楽しげにからかってみる。

「・・・おまえに部下S扱いされる覚えはないっ!!」

あ。怒った。
てゆーか今あたし人間としては非常に不自然な発言したんだから気づけ。

「・・・魔王と漫才してやがる・・・・・・なんて度胸だ・・・・・・」

後ろで目を丸くしてぼそりとつぶやくゼルガディス。

「えー・・・あー・・・どっちにしろたわけたやつらだ!
魔王、奢るな!
おまえが時間の裏側に封印されていた間、人間も進歩している!旧時代の魔王など、このゾルフが片付けてくれる!」

言いつつゾルフは詠唱を開始する。
うあ来たよこのどあほう。
ってゆーかなんでこんなどあほうが竜破斬〔ドラ・スレ〕使えるのかかなり不思議。
世界七不思議のひとつ?

「・・・等しく滅びを与えん事を!ドラグ――」

「やめなさい!無駄よ!」

リナの忠告もこの場合は無駄。
あたしは急いで呪文を唱え始める。

「――スレイブ!」

――ごぐぁあんっ!

赤い光が収束し、魔王を中心に大爆発を起こした。

「扉と扉をつなぐ道 我ここに道しるべとなりて望むものを導かん
在るべきものは在るべき場所へ 風は炎を纏え。水は大地へ還れ
闇は闇に 光は光に 力は力に!全ては混沌へ沈め!」

これはあたしのオリジナル。
召喚魔法をアレンジしたもので、混沌の海とをつなぐ扉を開け、何も呼び出さず、逆にこちら側の何かを放り込む・・・そういう術である。
そして炎の内側に生まれる人影。

「逃げろ!ゾルフ!」

ゼルガディスが叫び、ロディマスがゾルフを移動させようと走る。
そこへ炎が・・・

「――空間解脱〔ヴォイド・リープ〕っ!」

あたしの術が完成する!

「ロディマス!ゾルフ!」

ゼルガディスが叫ぶ。
炎の塊が――四散する。

「・・・え・・・!?」

「・・・何・・・・!?」

リナとゼルガディスが息をのんだ。
それはそうだ。
あわや炎の塊に飲み込まれようとした二人が、無事にその場に立っているのだから。

「・・・全く・・・・・・」

あたしは呆れてため息をついた。
かすかに残った炎の残骸と、倒れている二人に向けていた視線をシャブラニグドゥに直す。

「魔王相手に魔王の術を使うなんてどうかしてるんじゃない?」

あたしは光の剣を抜いた。
そしてその切っ先を魔王に向ける。

「・・・ほぉ・・・?面白い術を使うな、魔剣士。
確か・・・ルキ=ファー=ガブリエフといったな」

「まーね。シャブラニグドゥ。
リナ、ゼルガディス!いくらあたしが防いだと言っても衝撃やら熱波を受けてるはずよ・・・二人を連れて退きなさい!」

「でも・・・・・・・・・・・・いえ、何も言わないでおくわ。ちょっと留守にするけどお願いね!」

一瞬ためらうリナ。だが、あたしのほうを見てからの言葉はしっかりとしていた。

「分かってるわよ!」

ゼルガディスは衝撃で倒れているロディマスとゾルフを引っつかみそこから背を向けて走る。リナも同様に森の中へと去った。
あたしは気配が遠くなったのを見届けた。

「人間一人で何ができる?それにただ一人残ったところで自殺行為でしかあるまい」

「ばーか。あほう。まぬけっ!何を言ってるのかなぁ?
さっきの術は召喚魔法の応用よ?ここまで言って分からないんだったら、あんた魔王失格。
あんた『本人』を表す言葉の出てくる術じゃなきゃ分からないのかしら?」

「――!?・・・ま・・・まさか!」

その狼狽ようにあたしは口の端を吊り上げた。

「そういうことv私は知ってるのよ。あれがどんなものか。
それじゃあおしゃべりはここまでにして――」

あたしは精神力を剣へと送り込む。
いつもならロング・ソードサイズのそれが、更なる光を放ちながら巨大な刃となった。刃渡り約8メートル。これでも力を収束させているので小さいほうだ。
小さいと言っても、その刃の大きさはすでに人間が使えるようなサイズではない。本当にこんなサイズの剣があるのならば人間にも扱えるはずもないが、この刃はエネルギーの塊であって、重量はない。
そして、きちり、と――剣はかすかに悲鳴を上げた。

「やらせていただきましょうか!」

あたしは、紅い影に向かって跳んだ。








とりあえず、あたしたちは少し離れた場所で身体を少し休ませ、ロディマスとゾルフを治療した。

「――俺は戦う。あんたも、心は決まっているのだろう?」

ゼルガディスの言葉。その瞳には確固たる意思と覚悟が見て取れる。

「ええ。ルキをおいて逃げるなんて、まるでルキに負けた感じがして嫌じゃないの」

その言葉に、ゼルガディスはふっと笑った。
そして彼は立ち上がる。そしてあたしも。

「ロディマス。ゾルフ。お前たちはここにいろ。そのやけどじゃあまともに戦えそうにないからな・・・」

「・・・はい」

ゾルフはあっさりと了承する。
ロディマスも座ったままうなずいた。

「ゼルガディス、あたしは死にたくない・・・だから生き残るつもりで戦うわ。
死ぬつもりで戦うのが意地だとかロマンだって言うのなら、そんなものポイ捨てしちゃいなさい!
・・・死んだら、終わりなんだから」

「ああ・・・分かった。しかし勝算はあるのか?」

「・・・あたしの術は聴きそうにないけど、あなたの精霊魔法だってあるし・・・」

「無駄だ。先ほどあれが復活する際に術を仕掛けたが・・・あの術は崩霊裂〔ラ・ティルト〕だった」

「うわちゃー!」

あたしは頭を抱えた。
崩霊裂〔ラ・ティルト〕が防がれた・・・もしくは効かなかったとすれば残る手立ては一つ。

「・・・最後の希望は光の剣か」

「・・・ルキは正式名称が・・・
・・・ごるん・・・ええと・・・そうそう。烈閃の剣〔ゴルンノヴァ〕だとか言ってたけど・・・あたしのカンじゃあの剣の事をまだ何か知っているはずよ。ルキが知っている事の中にパワーを増幅するものがれば、あるいは・・・」

ルキはあたしたちが戻ってくるのを期待していた。それはとりもなおさず自分だけでは倒せないと知っていたからだろう。
でも、負けるつもりは微塵もないようだった。だったら、あたしたちが加勢することで勝機が生まれる。

「――そうか。しかし、なんにしても行かねばならんだろうな」

「それじゃあ、行きましょうか」

言って、あたしたちは木々の隙間を駆け抜ける。
ほんの少し、開いていたその場所は――

・・・もろ焼け野原だった。

『・・・うあ』

あたしとゼルは心底嫌そうな声を出した。

「――寝不足男っ!おとなしくやられろっ!」

「できるかんなもんっ!ってうっわ!?」

がん。ごん。ぎん。げしょ。どごん。めぎょっ。ごすっ。ごしゃ。ごりゅっ。

なんだか一部場違いな音も混じっているようだが・・・気のせいだろう。うん。

「ぴーっ!ぴーっ!あだだだだだっ!
ああっ!そこはちょっと・・・いでっ!」

「このエビカニっ!原作じゃあたしより出場回数多いくせにっ!くぬやろぉっ!」

魔王が泣いて転げまわり、それをルキが蹴倒したり巨大化した光の剣ではたいたり。

・・・・・・・・・なんか、違う。
あたしとゼルガディスの心はひとつになっていた。

「・・・あ、リナ」

ルキがこちらに気がついた。

「・・・『あ、リナ』・・・って・・・・・・あんた・・・・・・・・・
・・・・・・魔王が情けなく見えるわ・・・・・・・・・」

「そーなのよこいつ根性無くって!」

「いや・・・そー言う意味じゃ・・・・・・」

言葉に詰まって魔王の方を見ると、隙を突いて立ち上がり、まじめな表情?をしてこちらに視線を向けていた。

「こいつはあたしじゃあ倒せない。――リナ、これ貸すからがんばってねv」

言いつつルキはあたしに光の剣を投げ渡し・・・っておい!

「ド派手に!かっこよく!ぺちっといっちゃえ!」

「いけるかぁぁぁぁああっ!!」

ルキの無責任な物言いにあたしは頭を抱えた。
ゼルガディスは正座して緑茶を飲んでいた。・・・って現実逃避かい!

「数多の年月。人に数えられぬ時の流れ。生けるは王の王。
愚かな者たちよ、賢者は存在せぬ。あるは未来を探すもの。全てを知りし果ては、絶望のみ。
全知に近くとも全知に在らず。全能に近くとも全能に在らず。
未来は全て定まらぬもの。幾多の可能性と分かれ道。
・・・さて、リナ。あなたはどの道を行くのかしら?」

ルキの紅い瞳がこちらを見る。
その瞳は炎よりもなお熱く、氷よりもなお冷たい。風よりもなお自由で、海よりもなお深い・・・
どきりと、した。
まるで彼女が・・・・・・彼女が人間ではないような気がして。
そして彼女は選べと言っている。
ここから先・・・深淵へと踏み込むか?と。
踏み込まずに、別の道を模索するか?と。

「さっきも言ったとおり・・・普通の術じゃあ魔王は倒せない。
彼女は選べる状態になかったけれど、あたしは選ばせてあげられる。
あたしに任せて、背を向けて深淵を覗き込まないもよし。自分で戦って闇の中、道を探すもよし。
さて、どうする?」

一体彼女は・・・なんだというのだ?
まるでこれから起こることを予測しているかのような目をしている・・・
いや・・・これは後から聞けばいい。
あたしは決めるべき選択肢を持っている。
そしてあたしの答えは決まっていた。

「――闇よりもなお昏きもの 夜よりもなお深きもの
混沌の海にたゆたいし 金色なりし闇の王・・・」

「な・・・なにっ!?」

あたしとルキの会話を傍観していた魔王が驚愕の声を上げる。

「我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う・・・」

ルキが鞘に納まっていた刃に、懐から取り出した柄をつける。
どうやらこちらが本来の剣の姿のようだ。
あたしは噴き出しそうになる力を必死で押さえつけながら集中する。

ルキが、微笑んでいた。










あとがき

エ:第一章次で完結予定!さて、どうなる!?

L:魔王はったおして終わり。

エ:そ・・・そんな色気も盛り上がりも無い事を・・・・・・

L:ノリで書いててその場の気分で展開を変えるようなやつに言われたかないわ。

エ:・・・うっ・・・・・・L様のいぢわる・・・・・・

L:何か違う?ラストしか考えてないくせに。

エ:あううううううう・・・・・・

L:さて。こんなへぼいものをいつも呼んでくださってありがとうございます。
  それではまたお会いしましょう!


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29336CARRIED SCOPE〜万華鏡〜一章第六話エーナ 2004/2/14 08:02:40
記事番号29308へのコメント



光の刃。
持つのは人の子。
あなたは選んだ。深淵を覗き込むことを。
歩みを止めるな。
累々たる屍は、あたしが生まれさせない。
運命?そんなものは信じない。
ここから、『伝説』が始まる――




CARRIED SCOPE〜万華鏡〜
               一章 第六話


「・・・我が前に立ちふさがりし 全ての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を!」

異常な力がリナへと集まった。
漆黒の球がいくつも周囲に漂い、その一部が光の剣の刃を少しづつ削り取っている。

「無駄だというのが分からんのかっ!」

魔王は叫びながら青白いエネルギー弾を放つ。
しかし、そのことごとくが虚無に吸い込まれていた。
さすがにこの異常な事態に気がつき、ゼルガディスは微動だにせずこちらを凝視している。

「剣よ!闇を喰らいて刃と成せ!」

虚無が剣に吸い込まれてゆく。

「こざかしいっ!」

言って、魔王が呪文の詠唱を開始する。
・・・おっと。あたしの出番ね。

「――赤法師レゾ!」

あたしは高々とその名を呼ぶ。

「あんた、それでいいわけ!?目が開いて、世界を見ることができるようになって・・・それでこの世界を壊すの!?
そんなのは嫌でしょう!だったらあがいてみなさいよ!あがいてあがいて、そんなエビカニに負けるんじゃないわよ!
人間の根性見せてみなさい!」

びくり、と。

シャブラニグドゥの体が震えた。

「ぐ・・・っお・・・・・・!」

生まれ始めていた赤い光がゆらめく。
中途半端で生まれたそれは、何かを振り切るように右腕を振ったシャブラニグドゥによってあたしのほうへ・・・っておい!

――ごぐぉおんっ!

足元で炸裂する爆発音が耳を穿つ。


奇妙な感覚。
まぶたの裏で、紅い糸がぷつりと切れた。


――ごぅあっ!

掌から放たれるのは深紅の『闇』。

「この力は・・・!」

闇と光に等しきもの
金色の魔王にこうべをたれるもの
紅の騎士と称されるは蠅の王・・・!

「ベルゼの――」

「くぉあああっ!!」

魔王が吼える。

「リナ!やって!」

あたしの声に、リナは驚きつつも無言でうなずいた。

「――滅びろ!魔王!」

叫び、リナは剣を振りかぶる。


――奇妙な表現ではあるが――虚無の光が――魔王のその身を混沌へと還した。










  ――エピローグ




「――世話になったな」

ゼルガディスは右手を差し出し、握手を求めた。
あたしも同じく右手で返す。
風が吹き、色を失い銀に輝く髪がさらりと揺れた。

「これから、どうするつもり?」

ルキが尋ねる。その問いはあたしの聞きたい事でもあった。

「元の身体に戻る方法を探す。縁があったらまた会うだろうよ」

「・・・そう」

ルキは微笑みつつも、なんともいえない微妙な勘定を含んだ声音で言った。

「・・・さて」

「・・・この剣がほしいからついてくるって?」

「話が早いじゃないvそーゆーことね!
あたし、しばらくあなたの追っかけやらせてもらうから♪」

「まあ、言っても聞かないだろうし、拒む理由もないし・・・行こうか、アトラスに」

嘆息しつつも楽しげな表情で、ルキはそう言った。

「――ああ、そうそう・・・」

「ん?何?」

「これから、色々大変な事になるかもしれないから、覚悟しといてね♪」

「そんなものあたしにかかればぺぺいのぺいっ。よ!」

ルキの言葉にあたしはけらけらと笑いつつ歩を進める。
ルキも苦笑して足を動かす。










あとがき

エ:第一章『スレイヤーズ!』編が終了!次は第二章『アトラスの魔導士』編です!イェイっ!

L:踊るなキモイ帰れ。ってかアップ遅いぞ。

エ:・・・ゴメンナサイ。
  面白いサーチをネットで見つけて、そこのとあるジャンルの二次創作のホームページ全部回ってたんです・・・・・・

L:・・・長編ドリ・・・

エ:というわけで次は第二章『アトラスの魔導士』編です!イェイっ!

L:さっきと同じセリフを言うなバカたれっ!

ごぢゃっ!!

エ:げっふ・・・・・・ああ、お父様お母様ワタクシ三途の川が見えます・・・
  あっ・・・去年ぽっくり逝ったおじいちゃんが手を振って・・・

L:あんた無神論者のくせに何を言うかぁあっ!!

ごりゅっ!!

エ:さ・・・さすがに二連撃はききますです・・・・・・・・・

L:さて。いつもどおりエセ物書きを沈黙させたところで終了します☆
  それでは皆さんまたお会いしましょうっ!


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29395申し訳ありません。+アンケートエーナ 2004/2/21 06:59:48
記事番号29336へのコメント


タイトルどおり、平身低頭に頭を床に擦り付ける覚悟で謝らせていただきます。
見ての通り、本編第四部の『万華鏡』が進みそうにありません。
これからしばらく第四部のほうは進みそうにないので、まことに勝手ながら別のお話をやらせていただきます。
そこで、どんなお話をするかアンケートをとらせていただきたいと思います。
回答結果は、A・B・C・D・Eの5つ。
数字が割り振ってある各項目の指示に従って回答結果を記入していただければうれしいと思います。


それでは、質問にお答えください。


1.はぁ?スレイヤーズキャラ(+オリキャラ)でRPG?

ふざけてんじゃねえ! と、いう方はAへ。
いいんじゃないの?  と、いう方は2へ。



2.FFシリーズ、又はそのキャラクターがすき。

はい  と、いう方は3へ。
いいえ と、いう方は4へ。



3.ディズニーはお好きですか?

はい  と、いう方はBへ。
いいえ と、いう方はCへ。



4.たくさん寄り道のできるゲームのほうがすき。
  または、パズルがすき。

はい  と、いう方はDへ。
いいえ と、いう方は5へ。



5.パラレルワールドとか、タイムトリップが好き。

はい  と、いう方はEへ。
いいえ と、いう方はAへ。



      質問は以上で終了です。スクロールして下を見てください。





































番外編『お家騒動』。ゲームではありません。あしからず。
ここへたどり着いた方はそうご記入ください。





キングダム・ハーツ(not FM)
ここへたどり着いた方は、そうご記入ください。
なお、ここにたどり着いた方は誰が主役かご記入できます。されなくてもけっこうです。




FF10(not インターナショナル) サブタイトル『ユウナ最強伝説』
ここにたどり着いた方はそうご記入ください。なお、誰がどのキャラクターをやるかは決まっております。ご了承ください。




聖剣伝説レジェンドオブマナ
ここにたどり着いた方はそうご記入してください。
なお、ここにたどり着いた方は誰が主役かご記入できます。されなくてもけっこうです。ちなみにそのほかのキャラクターはある程度決まっています。




クロノクロス
ここにたどり着いた方はそうご記入ください。
なお、ここにたどり着いた方は誰が主役かご記入できます。されなくてもけっこうです。



   以上です。まことにありがとうございました。それではまたお会いしましょう。







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29403Re:申し訳ありません。+アンケートすぅ E-mail URL2004/2/21 20:57:54
記事番号29395へのコメント

こんばんわぁー
すぅです〜
たどってみた結果ですが、Eのクロノクロスになりました〜
主役ですかぁ〜?
それはもちろんリナでしょ〜
であ、すぅでした。

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29409ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?――1エーナ 2004/2/22 15:07:19
記事番号29403へのコメント



――汝はこの物語の主の歩む道を、同じように歩む事になるだろう。

『それ』には、そう書いてあった。

「・・・なにこれ?」

家の奥の誇りっぽい倉庫。
そしてそこに眠っていた箱。
そこには一冊の本と、銀色の薄っぺらい円盤が入っている、さらに小さな奇妙な材質の箱がいくつか。
あたしはその小さな箱のうち、ひとつを手に取り、文字を読む。

「・・・CHRONO CROSS・・・?」

どうやらこれは本とセットのようだ。
本の分厚い表紙の裏側・・・そこに円盤がしっかりとはまるくぼみがあった。
あたしはためしに1と書かれているほうをはめ込んで・・・

「――母さん?こんなところに・・・ってそれは・・・!」

ひょっこりと、ルキが何気なしに顔を覗かせ・・・その表情がわずかに引きつる。

「・・・ルキ?」

あたしはいぶかしげに問いかける。

「・・・それはそのディスクの情報とリンクさせて、異空間にディスクの情報をもとに仮想現実を組み立てる写本よっ!!
ああっ!ディスクもうはめちゃってるし!」

「一体何よこれ。どういう・・・」

「・・・早い話が母さんがゲームのキャラクターになっちゃうってことよっ!!」

「ぅえええええええっ!?ちょ、一体何が・・・」

言っている間にも、ディスクが高速で回転を始め、まばゆい光を放ち始める。

「・・・・・・・・・もう遅いわよ。
写本はそれ自体が不完全なものだから無理に止めると中に入ってる存在のほうがもたないわ・・・
――これをもって!」

ルキはあたしにチップを投げ渡す。

「レグルス盤よ!それでこっちからアドバイスを送るからがんばってね!」

「何をぉおっ!?」

無責任なルキの物言いに、あたしは無駄と知りつつ叫んだのだった。





   ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?
            ――始まりは、潮風そよぐアルニ村





・・・気がつくと、そこはよくわからない場所だった。
二手に分かれた通路。片方はテラスのような場所に通じ、もう片方はさらに奥へと続いているらしい。

「――きょうこそ息の根を止めてやるぜ、ヤマネコっ!」

さらによくわからんことに、紅い服の金髪の女の子が高笑いを上げ、ふわふわした犬が巨大化したような生物がいる。
もっともっとよくわからんことに、あたしはいきなり若返っていた。それも、17くらいに。

「・・・どうかしたんでしゅか?リナしゃん」

「え?あ・・・ええっと・・・・・・・・・なんでもない」

あたしはころころの犬っぽいものに、無難な言葉を返しておく。
どうやら、ここはすでにゲームの中らしい。

『・・・っと、母さん、聞こえる?』

ポケットの中に入っていたレグルス盤から、明瞭な音声が聞こえてくる。

「ル・・・ルキ!ここっていったいどこよっ!」

あたしはレグルス盤に向かって叫ぶ。
どうやらプログラムされていない行動には無反応なようで、金髪の子もふわふわしたのも反応しない。
そしてルキは落ち着いた声音で・・・

『その場所は、『夢の中の迷宮』。赤い服の子がキッドで、そっちのふわふわしたのがポシュル。
どうやら母さん、主人公のキャラにはまっちゃったみたいね。いーなー』

「・・・ルキ!『いーなー』じゃあないわよ!」

『だって、それその世界に入るたびに配役がランダムで決まるんだもん。
面白そうだからあたしが厳重に保管してたんだけどね。
あ、外側の箱に鍵がかかってたんだけど・・・もしかしてあけた?』

「・・・開けたわよ」

針金でちゃっちゃかと開けた。それはもう迷わずためらわず。
好奇心、猫を殺す。今のあたしはまさにそれだろう。

『ああ、主人公が変わってないときのプロフィールがあるんだけど・・・読む?』

「・・・・・・お願いするわ」

『ネーム・セルジュ。職業・家事手伝い。性別・男・・・』

「マテやこら」

『いやほんとにそうなんだもん。
第一、レジェンドオブマナとかなら女主人公もいるからまだ救いがあったんだけど、それを選んだの母さんでしょ?
自業自得よ』

「ううっ・・・」

い・・・言い返せん。あまつさえ倉庫の奥に隠してあったものを引っ張り出してかぎ開けて・・・
いや、あんな好奇心をそそるようなところにおいておくほうが悪い!

『好奇心をそそろうが、あたしはしっかり保管してたんだからね。さて、続きだけど・・・
出身地・アルニ。身長・170cm。体重・58kg。体格・普通。利き腕・右。
アルに村で暮らす少年。
明るく優しい、ごく普通の少年だったが、自分と世界に秘められた謎へ、次第に向き合っていく事になる。
猪突猛進のタイプではなく、何かにつけてすぐに思い悩みがち。
ただし、基本的には楽天主義なので、結局は「なるようになるさ」と思って行動する事が多い。
海辺で育っただけあって、舟をこぐためのオールである“スワロー”を武器として使う』

「は!?武器がオール!?」

『気にしない気にしない。戦闘能力は攻防魔力、全部高めだしね。
ところでレベルスターはいくつになってる?』

「・・・れべるすたぁ?」

ちんぷんかんぷんな言葉に、あたしは首をかしげるほかない。

『メニュー画面を開けば簡単に分かるわよ・・・って言ってもわかんないか。
ええっと・・・ああ、20になってるってことは一週目ね。
・・・あれ?』

「・・・どうかしたの?」

『・・・おっかしいわね・・・武器がプリズムスワローになってる・・・・・・』

「プリズムって・・・虹って意味のプリズムよね」

『そーよ。七色の貝殻ってアイテムを中心にして作る武器なんだけど・・・終盤しか手に入らないのよね。
2週目じゃないのにその武器が手元にあるって言うのは絶対おかしいのよ。・・・バグかしら?』

「何かまずいことでも・・・」

『んー。今の時点じゃよくわからないわね・・・まあ、その武器が強いってことだから気にせず行っちゃって。
こっちで調べてみるから』

「そう・・・・・・で、あたしはこれからどうすればいいわけ?」

『向かって左の道に進んでちょうだい。それからまた分かれ道があるから、そこを右に。
敵シンボルと接触するとバトルになるから。そこの説明は後でするわ』

「・・・はあ」



とりあえず進んだ。
黄色いでっかいヤツとぶつかった。



「・・・で、どーするの?」

黄色い人型のもの・・・どうやらマシンナリーというらしい。
それを一体目の前にして、あたしは尋ねる。

『このゲームはスタミナ・グリッドレベルの大まかな二つのエネルギーと、直接攻撃・エレメントの大まかに分けて二つの行動があるわ。
最初はスタミナが全員7.0でグリッドレベルが0。まずは直接攻撃の説明から行ってみましょうか。
母さん、当てるつもりでちょっとつついてみて』

「つつく?」

『いーからいーから』

「・・・まあ、いいけどね」

――じゃこんっ。

言われたとおりにつついてみる。
しかし、避けようとすらしないとは・・・ちょっと間抜けではないのだろうか?

『・・・今よけようとすらしなかったから間抜けとか思ったでしょう。そーいうシステムなのよ。
で、母さんがやったのが弱攻撃。命中率が高いけど、攻撃力が弱い攻撃よ。
今弱攻撃があたったからグリッドレベルが1に上がったはずよ。ああ、エレメントは一回使用したらスタミナをかなり消費するわ。
とりあえず確認してみて』

「えーっと・・・固有エレメント『炎の矢《フレア・アロー》』敵全体・魔法攻撃、固有エレメント『氷の矢《フリーズ・アロー》』敵全体・魔法攻撃、固有エレメント『治癒《リカバリィ》‐2』味方単体・HP回復、共有エレメント『ケア』がふたつ、共有エレメント『へビィブロー』・・・」

使えるアイテムや呪文が『グリッド』という枠に『エレメント』としてはめ込まれているのだろう。
レベル1は全部で7つ。とりあえず名前とかをつらつらと読み上げてみる。

『ちょっ・・・ちょっと待った!レベル1のグリッドに固有エレメント!?
本当ならレベル3、5、7に一つづつしかないはずなのに!』

「・・・はい?そんな事言われてもよくわからないんだけど・・・」

『・・・ああもうっ!
そっちのステータスとか様子とかはこっちで確認できるから、今度はそこそこ力を込めて攻撃してみて!調べてみるから!
もしレベル3のグリッドに『ダッシュ切り』って固有エレメントがなかったら・・・』

「・・・なかったら?」

『・・・・・・プログラムが暴走してる事になるわね。母さんのステータスに合わせて自らを改変させてるのよ』

「暴走・・・って・・・あきらかにまずいんじゃ・・・」

――じゃぎんっ!

中くらいの力で攻撃してみる。そしてレベル3のグリッドを除いてみると・・・

「・・・げ」

固有エレメント『火炎球《ファイアー・ボール》』敵単体・魔法攻撃
固有エレメント『氷結球《フリーズ・ブリッド》』敵単体・魔法攻撃
共有エレメント『バーニング』
・・・・・・・・・・・・固有エレメント、『グライドフック』敵単体・物理攻撃

『・・・グ・・・『グライドフック』ぅぅうっ!?母さん、先天属性何色になってる!?』

驚愕するルキ。何かまずいらしい。

「・・・黒・・・だけど・・・」

『・・・・・・まずい。ひっじょぉぉにまずいわね』

頭を抱えてそうな声音のルキに、あたしは半歩引いた。

「・・・マジ?」

『セルジュのステータスとかけ離れすぎてる・・・
さっきの攻撃もそこそこしか効いてなかったみたいだし・・・・・・直接攻撃の威力も平均並みね』

「じゃ、じゃあ、あたしどうなるわけ!?」

『・・・ゲームクリアしなきゃ出るのは無理ね・・・セーブすればすぐに出られると思ったんだけど・・・ここまでプログラムが改変されてるんだったら・・・・・・』

ルキは嘆息する。
そしてしばし彼女は黙考し・・・

『・・・他の人たちをゲーム内に送り込むわ。
いろんなところでプログラムを補正させれば大丈夫だと思・・・・・・ガッ・・・ザザァ・・・なにこれ?・・・ピッ・・・ノイズ・・・ギギ・・・・・・ヂッ・・・』

「ル・・・っルキ!?」

『母さ・・・ザザ・・・・・・まず、ここを出たらラディウスって人に話・・・・・・アルニ村・・・村長・・・いろんな説明・・・聞ける・・・・・・そこから、ストーリーに従って・・・レナに会って・・・オパーサへ!・・・ぎ・・・ぢぢぃぢぢぢぎぢっ!』

ぱぎっ!

「うわっ・・・!」

レグルス盤が小爆発を起こし、爆発、四散する。

・・・どうしよう。
これからあたしは、どうなるというのだ?


ああああああああああ。
  めちゃめちゃ前途多難・・・・・・








あとがき

エ:すぅ様ありがとうございますっ!
  すぅ様のリクエストにお答えして、クロノクロス、リナが主役でお送りしますっ!

L:・・・このゲームをプレイしてなきゃ分からないネタばっかりね。
  でも人気があっても最新じゃあないからネタばれも何も無いだろうけどね。

エ:そう思って選びました。ホントならFF]―Uとかやりたかったんですけど。

L:いやあんたクリアしてないでしょ。それ。

エ:・・・まあ、外れた理由はそれもあるんですけどね。
  そーいやレジェンドオブマナは配役がほとんど決定してたんですよね。これが。

L:えーと、なになに?(メモを読みつつ)
  主人公男バージョンがガウリイorゼルガディス。女バージョンがリナorルキorアメリア。
  ルキ以外が主人公の場合、リナ・ガウリイ、ゼル・アメリアペアで出現する可能性あり。
  バド&コロナ、バドがレオンでコロナがセラーネ。
  瑠璃がフィリア、真珠姫がヴァルでレディパールがヴァルガーヴ・・・
  ディアナはディアナで、ルーベンスがゼファロノス。
  ポキールがゼロス?魔族を賢人にしてどうするのよ。

エ:新しい試みです。

ごりゅめしっ!

L:おとなしく『適当に決めた』といいなさい。

エ:・・・・・・げほっ・・・・・・ごめんなさひ・・・・・・

L:よろしい。それじゃあ、今回はこれで終わりでーす♪
  またお会いしましょうっ!


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29443ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?――2エーナ 2004/2/25 19:46:35
記事番号29403へのコメント



「・・・他の人たちをゲーム内に送り込むわ。
いろんなところでプログラムを補正させれば大丈夫だと思う・・・ってなにこれ?・・・ノイズがかなりひどい・・・」

ガガッだの、ザザァだの、だんだんと音声が不明瞭になっていく。
交信が途切れかけてる・・・?
・・・まさか、プログラムからの干渉!?何らかの意志が働いてるとでも言うわけ!?

「・・・っ!母さん、まずここを出たらラディウスって人に話を聞いて!アルニ村の村長だから、基本的ないろんな説明が色々聞けると思うわ。
そこからストーリーに従って、レナに会ってオパーサへ!」

――ぶづっ。

そこでちょうど、交信が途切れた。
何度も通信を試みるが、やはり無理のようだ。
そして何度目かの挑戦ののち・・・

『・・・・・・誰だ?私に何度も語りかけるのは』

男の声が、聞こえた。

「・・・あんたこそ、誰よ。こっちだって好きであんたと通信してるわけじゃあないんだから」

『・・・私か?私は・・・フェイトとでも呼んでもらおう』

男は言った。

「フェ・・・っ!?」

あたしは、息をのむ。







   ちょっと待て!あぁるぴぃじぃ異世界ゲームっ!?
           ――オパーサの浜、はるか時の呼び声







「・・・ああもうっ!」

ためらっていても仕方がない。とりあえずあたしはエレメントの一つを選択し・・・

「火炎球《ファイアー・ボール》!」

――ごぅんっ!

その一撃を受けて、マシンナリーがあっさりと倒れる。

「ここから先に進んで、ラディウスって人に会う・・・それからストーリーに従え?
全く・・・冗談じゃあないわよ・・・!」

あたしは、歩を進める。

黒い水晶に触れ、転送装置のところまで戻って上へ。
中に浮いたその場所に、扉がある。

「・・・いくでしゅる!」

ぽひぽひと足音を立てて、ポシュルが言った。

ふと、止まる。

――ぃぃんっ!

耳障りな音と共に、門の向こうに何が見える?
何が、見える?

キッドの倒れる姿と血の滴るタガーをもった・・・あたし?

――ザ・・・ザザザッ!

ノイズが走る。

違う。
キッドのひたいに手をかざし、『あたし』のかいなへ眠るように倒れこむ。
その瞳の色は、金色。

そしてあたしではない『あたし』は・・・笑った。






――・・・な

・・・?

――リナ、おきなさい、もう朝よ!レナちゃんと約束してたんじゃないの!

その声に、あたしはむくりと起き上がった。

「・・・ふぁ・・・」

あたしはひとつ、大きなあくびをする。

「もうお昼近いわよ。レナちゃんは桟橋にいるようだからさっさと行ってらっしゃい!」

彼女の名前はマージというらしい。
どうやら『ここ』でのあたしの母親のようだ。

「はーい」

とりあえず、ラディウスさんという人に会おう。
そこで何かが聞けるはずだ。
マージが部屋から立ち去った後、あたしはベッドの下からへそくりを取り出し、村長の家へ。

「ほう、サルでも分かるサバイバル講釈、おぬしも聞きに来たのかな?」

開口一番。ラディウスじーさんのセリフ。
・・・・・・ルキ。『サルでも分かる』ってどういうことだ。これは。

「ま・・・まあ、一応」

額がひくひくと引きつりながらも、あたしはきわめて温厚に勤めつつ答える。
しかし、なぜかラディウスは半歩後ずさった。

「そ・・・それではまずパワーレベルとスタミナの説明からいこうかの」

冷や汗をたらしつつ、ラディウスは言ったのだった。


結局、あたしは負けた。
・・・レベルスターゼロの状態でどうやってかてっちゅうんじゃい!
その後、いろんな店とか家を冷やかしたり樽とかをごそごそ探ってエレメントや装備をいくつかゲット。
ポシュルもヘケランの骨を使って仲間にした。
・・・餌で釣ったともいうが。


「ああっ!リナ、遅いじゃないのよ!
きょうはコドモオオトカゲのうろこでネックレスを一緒に作るって約束したでしょうが!
あんまり遅いもんだから、母さんから子守言い付かっちゃったじゃないのよ!」

どうも懇切丁寧に説明ありがとう。レナ。

「ごめんって。どうも寝過ごしちゃったみたいでさー」

「リナァ、『寝過ごしちゃったみたいでさー』はないでしょ!罰として、うろこを三枚もってオパーサの浜に!
私も後で行くからね!」

「はいはい」

あたしは肩をすくめて桟橋を後にする。










「どっせぇぇぇい!」

ごすどがどこばき。

「リ・・・リナしゃん。それはちょっとやりすぎなんじゃ・・・?」

武器が強い事をいいことに、モンスターをなぎ倒すあたしにポシュルがおずおずといった。

「いーのよ。モンスターに人権ないし。
はったおせばアイテムもお金も手に入るからこれを生業にして暮らしていけるかもね、あたし」

暮らしてゆく気はさらさらないが。

「これで・・・三匹めっ!」

――じゃぎっ!

あたしの一撃に、コドモオオトカゲが倒れる。

・・・どどどどどどどどっ!

「な・・・なんでしゅかこれ!?地鳴りでしゅか!」

現れたのは、大きな・・・・・・・・・このサイズでもトカゲって言うのかな、これ。
まあ、とにかくでかかった。
こいつはオトナオオトカゲ。コドモオオトカゲの親らしい。
どうやらあたしが子供を三匹とも倒したので怒って出てきたようだ。

「それじゃあいくわよ!ヘビィブロー!」

あたしは重力の塊を掌から放つ。

――づがっ!

見事命中。
しかし、こっちのスタミナがマイナスになったので、自動的にポシュルに順番が回った。

「いくでしゅる!」

ポシュルは意気込んで幾度か打撃を放つ・・・が、あたらない。

「へたくそっ!ちゃんと当てなさいよねっ!」

「リナしゃん怖いでしゅる・・・ポシュルは命中率が低いから当てにくいんでしゅる・・・」

「銀縁のルーペ装備させたでしょうがっ!ってぅきゃあっ!」

言い争っている間にオトナオオトカゲが攻撃を仕掛けてきた。
あたしは避けたけど、ポシュルはもろにくらっている。
今の攻撃の間にスタミナが回復したので、あたしはオトナオオトカゲに斬りかかる。

「これでラストよ!バーニング!」

――ごぅあっ!

吹き上がる炎にオトナオオトカゲが包まれる!

ぎゃぁぉぉぉ・・・・

モンスターが断末魔をあげて、倒れた。

「しょーりっ!」

三枚目のオオトカゲの鱗を手にいれ、あたしはガッツポーズをとった。









あとがき

エ:出ました第二話。ラディウス初登場。
  さて、だんだんとリナのステータスと武装以外にもゲームからずれが出てきています。
  え?どこがって?いやまあさらりとやっちゃってるからわかんないでしょうけど・・・
  この時点ではエレメントの『バーニング』は手に入りません。
  何ゆえかアルニ村で売っていた、と。
  エレメント屋のおばさんあんたこれをどこで手に入れたんすか。テルミナまでの道封鎖されてるでしょうが。
  余談ですがリナ、値切りました。思い切り。50Gまで。ちなみに本来の購入価格100G。
  色々設定があるので今の時点でばらせるものは全部表示しちゃいましょう。
  さて、それではリナのステータスと装備データを。

☆能力値(レベルスター0の時)
HP・50 腕力・7 正確さ・90 魔力・10 耐久力・5 身軽さ・15 降魔・9

☆装備データ
装備可能武器:スワロー
装備可能防具:一般・女性
  専用装備:魔剣士の証+α(←!?)
  初期装備:プリズムスワロー
       ボーンメイル
       ボーンメット

☆ グリッド
(レベル20までのステータス。固有エレメントも表示。〔〕内の番号は獲得したレベルスターによって出現する順番。()内は属性)

    LV.1                  LV.2
〔9〕炎の矢《フレア・アロー》(赤)    〔20〕黒妖陣《ブラスト・アッシュ》(黒)
〔8〕氷の矢《フリーズ・アロー》(青)   〔17〕炎の槍《フレア・ランス》(赤)
〔7〕治癒《リカバリィ》‐2(白)    〔16〕氷の槍《アイシクル・ランス》(青)
〔0〕フリー               〔0〕フリー
〔1〕フリー               〔2〕フリー
〔4〕フリー               〔6〕地霊咆哮陣《アーク・ブラス》(黄)
〔18〕フリー

   LV.3                   LV.4
〔11〕火炎球《ファイアー・ボール》(赤)
〔10〕氷結球《フリーズ・ブリッド》(青)  〔13〕烈火球《バースト・フレア》(赤)
〔0〕フリー               〔5〕フリー
〔3〕グライドフック(黒)        〔12〕氷魔轟《ヴァイス・フリーズ》(青)

   LV.5                  LV.6
〔14〕フリー               〔19〕フリー
〔15〕ダークマター(黒)

エ:・・・と、まあこんな感じです。
  色々調整するの難しかったんですよ・・・
  ちなみに装備の+αは後々分かります。
  レベル5の固有エレメント『ダークマター』はクロノトリガーで魔王が使ってた魔法ですね。うろ覚えですが。
  グライドフック以外はみんな魔法攻撃扱いです。けど固有エレメントがこんなに詰まってて・・・まあいいか。
  単体攻撃は3・10・11・16・17・20。全体攻撃は6・8・9・12・13・15。

L:・・・一気に説明したわねー・・・レベルスター21以降の固有エレメントとかはまた説明するの?

エ:ええ、そのつもりです。あー、疲れた。

L:ちなみにあたし、ウラでけっこう動いてますv
  何をやっているのかは蛇骨館潜入のあたりまでお楽しみに♪
  それでは、またお会いしましょう!アディオス!風邪には気をつけてねー♪

エ:うっ・・・(←風邪ひいて休んでる間に打ち込んでた人)